説明

作業機械のモニタ固定構造

【課題】作業機械のモニタ固定構造に関し、簡素な構成で、角度調整を容易かつ確実に行う。
【解決手段】円筒状の第一筒部1をキャブに固定するとともに、第一筒部1に嵌合する円筒状の第二筒部2をモニタ装置6に固定する。第一筒部1と第二筒部2との嵌合部位にクランプ装置3を外嵌させ、これらを外側から締め付けて固定する。
また、第二筒部2においてスリット孔2dを周方向に延設するとともに第一筒部1に突起部1aを設け、第一筒部1と第二筒部2との嵌合時に突起部1aをスリット孔2dの内側に配設する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業機械のキャブの内部にモニタ装置を固定するためのモニタ固定構造に関する。
【背景技術】
【0002】
油圧ショベルを始めとする作業機械のキャブ(運転室)の内部には、オペレータ(作業者)に必要な機械情報を表示するモニタ装置が設けられている。モニタ装置で表示される機械情報は、作動油量やエンジンオイル量,エンジン冷却水量をはじめとして、バッテリ電圧,エンジン回転数,作動油温度,ポンプ吐出圧等と多岐にわたる。一般に、モニタ装置はキャブ内に着座したオペレータの視界の妨げにならない位置に固定される。例えば、特許文献1の図4には、オペレータの着座シートから見て、キャブの前面における右側端部にモニタ装置(表示器)を設けた構造が示されている。
【0003】
ところで、表示画面の視認性を向上させるべく、オペレータに対する角度を調整する機構を備えたモニタ装置が知られている。例えば、特許文献2の第2図には、モニタパネル部が上下方向に揺動可能に設けられたモニタパネル部とその基部に設けられた位置決め機構とを備えたモニタ装置が示されている。この技術では、モニタパネル部の揺動軸に対してボール及びボルトの先端を押し付けることによって揺動を止め、所望の位置でのモニタ装置の角度固定を実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−308136号公報(図4,段落0018)
【特許文献2】実公平7−32242号公報(第2図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献2に記載のようにボルトの締結によって回転揺動を止める構造では、角度調整の作業から締結作業を完了させるまでの間、モニタ装置が動かないように支持しておく必要があり手間がかかるうえ、ボルトの締結力が不十分な場合にはモニタ装置の固定が緩みやすく、確実に固定することができない場合があるという課題がある。
また、たとえモニタ装置の角度を調整した直後には堅固に固定されていたとしても、長時間が経過した後にも同様に堅固に固定されているとは限らない。特に、車体振動のような外力が長時間作用しやすい作業機械では、時間経過とともにボルトが緩む場合も考えられる。一方、ボルトの緩みは目視で確認することが難しいため、締結具を用いて定期的に締結力を確認する必要があり、メンテナンスが煩雑であるという課題もある。
【0006】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたもので、簡素な構成で、角度調整を容易かつ確実に行うことができる作業機械のモニタ固定構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1記載の本発明の作業機械のモニタ固定構造は、作業機械のキャブの内部にモニタ装置を固定するためのモニタ固定構造であって、該キャブに固定され、円筒状に形成された第一筒部と、該モニタ装置に固定され、該第一筒部に嵌合する円筒状に形成された第二筒部と、該第一筒部と該第二筒部との嵌合部位に外嵌され、該嵌合部位を外側から締め付けて固定するクランプ装置と、該第一筒部及び該第二筒部の何れか一方に穿孔され、周方向に延設されたスリット孔と、該第一筒部及び該第二筒部の何れか他方において上記何れか一方へ向けて突設され、該第一筒部及び該第二筒部の嵌合時に該スリット孔の内側に配設される突起部とを備えたことを特徴としている。
【0008】
また、請求項2記載の本発明の作業機械のモニタ固定構造は、請求項1記載の構成に加え、該クランプ装置が、環の一部を切断されてなる断面C字型に形成され、該嵌合部位に外嵌された欠環部と、該欠環部の両端から延設され、互いに離隔して対向配置された一対の対向部と、該一対の対向部間に跨って架け渡され、該一対の対向部の一方に係止された連結棒と、該連結棒に対して回動自在に支持されたレバー部と、該レバー部の基端において該レバー部と一体形成され、該一対の対向部の他方を該一方へ向けて押圧するとともに、該一対の対向部の他方との接触位置と該レバー部の回動中心との距離を該レバー部の回動角度に応じて変化させるカム部とを有することを特徴としている。
【0009】
また、請求項3記載の本発明の作業機械のモニタ固定構造は、請求項2記載の構成に加え、該第二筒部が、該キャブの内部に配置される座席に対して該モニタ装置の裏側に固定され、該レバー部が、該クランプ装置による該嵌合部位の固定時に、該モニタ装置の裏側に収容されて該座席側からの視認範囲外に配置され、かつ、該クランプ装置による該嵌合部位の固定の解除時に、該モニタ装置の裏側からはみ出して該座席側からの視認範囲内に配置されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明の作業機械のモニタ固定構造(請求項1)によれば、キャブに対するモニタ装置の筒軸回りの角度を容易に調整することができる。また、スリット孔の延設長さに応じて角度の調整範囲を設定することができる。
また、本発明の作業機械のモニタ固定構造(請求項2)によれば、レバー部を傾動させるという簡単な操作によりクランプ装置の締め付け及びその解除操作をワンタッチで行うことができ、モニタ装置の角度調整の操作性を向上させることができる。
【0011】
また、本発明の作業機械のモニタ固定構造(請求項3)によれば、クランプ装置の締め付け忘れの確認が容易となり、利便性を向上させることができる。また、クランプ装置の固定時にはレバー部をモニタ装置の裏側に隠すことができ、良好な視界を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態に係るモニタ固定構造が適用されたキャブの内部を透視して示す斜視図である。
【図2】本モニタ固定構造の全体構成を示す斜視図である。
【図3】図2の第一固定具を示す図であり、(a)は上面図、(b)は側面図、(c)は要部断面図〔図3(b)のA−A断面図〕である。
【図4】図2の第二固定具を示す図であり、(a)は正面図、(b)は右ブラケットの側面図〔図4(a)のB−B面における側面図〕、(c)は要部断面図〔図4(a)のC−C断面図〕、(d)は要部断面図〔図4(a)のD−D断面図〕である。
【図5】図2のクランプ装置を示す三面図であり、(a)はその上面図、(b)は縦断面図〔図5(a)のE−E断面図〕、(c)は側面図である。
【図6】図2のモニタ装置が非固定の状態を示す本モニタ固定構造の水平断面図である。
【図7】本モニタ固定構造の要部拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面により、本発明の実施の形態について説明する。
[1.構成]
本キャブ構造が適用された油圧ショベルのキャブ10を図1に示す。キャブ10内には、オペレータが着席するシート7(運転席)が設けられ、その右前方にモニタ装置6が設置される。モニタ装置6は、その表示画面をシート7に着座するオペレータ側へ向けて配置され、キャブ10の構造体(例えば、ピラーやキャブフロア等)に対して固定される。
【0014】
図2に示すように、モニタ装置6の裏面6aには第一固定具4及び第二固定具5が設けられる。本実施形態のモニタ固定構造は、金属製又は樹脂製の第一固定具4,第二固定具5及びクランプ装置3を備えて構成される。
第一固定具4はキャブ10に固定された部材であり、第二固定具5はモニタ装置6に固定された部材である。また、第二固定具5にはモニタ装置6に接続されるケーブル6bが内挿され、モニタ装置6の裏面6aとケーブル6bとの接合部を覆うように第二固定具5が固定される。第一固定具4が第二固定具5に対して内嵌され、この嵌合部位の外側にクランプ装置3が外嵌される。
【0015】
図3(a),(b)に示すように、第一固定具4は、キャブ10に対する固定面となる第一固定部4aと、その一側から延出する第一延出部4bを有する。また、第一延出部4bの先端には、円筒状の第一筒部1が形成される。第一筒部1には、図3(c)に示すように、筒面から外方へ向けて突起部1aが突設する。
図4(a)に示すように、第二固定具5は左右に分割されて構成されており、すなわち図中の右側に配置された右ブラケット5aと、図中の左側に配置された左ブラケット5bとを備える。右ブラケット5a及び左ブラケット5bは互いに鏡像の関係となる形状に形成され、所定の間隙を空けて対向配置された状態でモニタ装置6に固定される。ここでは、右ブラケット5aと左ブラケット5bとが向かい合う面(対向面8)側から見た右ブラケット5aの側面を図4(b)に示し、右ブラケット5aの構造を詳述する。なお、対向面8は平面である。また、左ブラケット5bは右ブラケット5aの面対称形状であり、対向面8が平行となるように対向配置される。
【0016】
右ブラケット5aは、モニタ装置6に対する固定面となる第二固定部5cと、その固定面から膨出する膨出部5dとを有する。膨出部5dの中央には、中空半円柱状の貫通穴5eが形成される。右ブラケット5a及び左ブラケット5bのそれぞれの貫通穴5eは、互いに円柱面の内側が向かい合うように並置されて、ケーブル6bが内挿される円柱状の空洞を形成する。
【0017】
また、膨出部5dに隣接するその上部には、中空半円柱状の嵌合部2aが膨出部5dと一体に設けられる。右ブラケット5a及び左ブラケット5bのそれぞれの嵌合部2aは、互いに内筒面2b側が向かい合うように並置されて、第一筒部1と嵌合する中空円筒状の第二筒部2を形成する。
本実施形態では、第一筒部1の筒軸と内筒面2bによって形成される中空円柱の筒軸とが一致するように、第一筒部1が第二筒部2に対して嵌め込まれる。なお、図4(b)に示すように、この筒軸はケーブル6bが内挿される方向に対して直交する。この例では、第一筒部1と第二筒部2との嵌合方向がモニタ装置6の裏面に対して略平行となり、ケーブル6bの内挿方向がモニタ装置6の裏面に対して略垂直となる。
【0018】
図4(a)〜(d)に示すように、右ブラケット5a及び左ブラケット5b間には、所定の幅W0の間隙2cが設けられる。間隙2cは、第二筒部2をなす嵌合部2a,第二固定部5c及び膨出部5dの全てに渡って設けられ、右ブラケット5a及び左ブラケット5bの離接方向への相対変位を許容する。また、第二筒部2における間隙2cの延設方向はその筒軸と平行となり、筒面の縮径方向への変形が許容される。なお、右ブラケット5a及び左ブラケット5bのそれぞれの対向面8の間の距離が間隙2cの幅寸法W0である。したがって、幅寸法W0は右ブラケット5a及び左ブラケット5bをモニタ装置6に固定する位置に応じて規定される。
【0019】
図4(a)に示すように、第二筒部2をなす嵌合部2aには、右ブラケット5a及び左ブラケット5bをモニタ装置6に固定した状態において、その外側筒面と内側筒面(すなわち内筒面2b)との間を連通するスリット孔2dが設けられる。スリット孔2dは、第二筒部2の外側筒面における周方向に延設される。第一筒部1と第二筒部2との嵌合時に、第一筒部1の突起部1aは第二筒部2のスリット孔2dの内側に配設される。これらの突起部1a及びスリット孔2dにより、第二筒部2に対する第一筒部1の回動角度範囲が規定される。
【0020】
また、スリット孔2dよりも第二筒部2の上端部側には、間隙2cよりも幅の広い縦スリット2eが設けられる。図4(c)に示すように、縦スリット2eの幅寸法はW1(W1>W0)ある。縦スリット2eは、間隙2cと同様に、右ブラケット5a及び左ブラケット5bのそれぞれの離接方向への相対変位を許容し、さらに第二筒部2の筒面の縮径方向への変形を許容するように機能する。
【0021】
例えば、右ブラケット5aと左ブラケット5bとを近接させる方向への力を作用した場合には、間隙2c及び縦スリット2eの幅寸法で許容される範囲内で右ブラケット5a及び左ブラケット5b(あるいは、これらとモニタ装置6との固定部位)がわずかに弾性,塑性変形する。なお、縦スリット2eを設ける位置は、後述するクランプ装置3を外嵌させる位置に対応させることが好ましい。
【0022】
図5(a)〜(c)に示すように、クランプ装置3は、欠環部3a,一対の対向部3b,連結棒3c,レバー部3d及びカム部3eを備えて構成される。欠環部3aは、環の一部を切断されてなる断面C字型に形成され、第一筒部1と第二筒部2との嵌合部位に外嵌される部位である。また、欠環部3aには内側へ向かって突出する凸部3fが形成される。上面視における凸部3fの幅は、図5(a)に示すようにW2(W2<W1)である。凸部3fは第二筒部2の縦スリット2eの内側に配設される。なお、凸部3fはクランプ装置3の位置決めに用いられる部位である。
【0023】
一対の対向部3bは、欠環部3aの両端から延設され、互いに離隔して対向配置された部位である。これらの対向部3bのそれぞれには、連結棒3cを遊挿する貫通穴3iが穿孔される。連結棒3cは、一対の対向部3b間に跨って掛け渡された部材である。図5(b)に示すように、連結棒3cは二つの貫通穴3iを貫通するように配置される。また、連結棒3cの一端には貫通穴3iよりも大径の係止部3hが形成され、連結棒3cの一端を一方の対向部3bに係止する。連結棒3cの他端には、レバー部3dの基端部が回動自在に支持される。
【0024】
レバー部3dの基端部にはカム部3eが形成される。図5(a)に示すように、カム部3eは他方の対向部3bに接触しうる部位である。カム部3eの形状は、レバー部3dの連結棒3cに対する回転中心Pからカム部3eにおける他方の対向部3bとの接触位置までの距離が、レバー部3dの回動角度に応じて変化するように形成される。例えば、図5(a)に示す状態では、回転中心Pから対向部3bとの接触位置までの距離がL1である。一方、レバー部3dを時計回りに90度回転させると、同距離がL2(L2<L1)となる。このように、カム部3eは一対の対向部3b間の距離を縮めて欠環部3aを縮径させるように機能する。
【0025】
キャブ10に固定された第一筒部1とモニタ装置6に固定された第二筒部2とを嵌合させたままクランプ装置3の固定を解除した状態を図6に示す。レバー部3dは、このような固定解除状態でモニタ装置6の側端部6cから先端3gが突出する長さに形成される。また、レバー部3dの先端3gにはオペレータが視認しやすい形状(例えば、丸形や星形といった幾何学的な形状等)に形成され、あるいは目立つように(例えば、赤や黄色,黄色と黒のストライプ等に)着色される。
【0026】
[2.作用,効果]
本モニタ固定構造によれば、第一筒部1及び第二筒部2を嵌合させることにより、キャブ10に対するモニタ装置6の筒軸回りの角度を容易に調整することができる。また、スリット孔2dの延設長さに応じて角度の調整範囲を設定することができる。
すなわち、図7に示すように、スリット孔2dが形成された幅から突起部1aの幅を減じた長さの範囲内で突起部1aが移動可能であり、モニタ装置6の配向を角度αの範囲内で自在に調整することができる。また、スリット孔2dを第二筒部2の周方向に長く形成するほど、モニタ装置6の角度の調整範囲がさらに広くなる。
【0027】
また、基端部にカム部3eが形成されたレバー部3dを傾動させるという簡単な操作によりクランプ装置3の締め付け及びその解除操作をワンタッチで行うことができる。すなわち、ボルトやナット等の締結具を用いた締結作業が不要であり、モニタ装置6の角度調整の操作性を向上させることができる。なお、クランプ装置3の欠環部3aには第二筒部2の縦スリット2eに係合する凸部3fが形成されるため、第二筒部2に対するクランプ装置3の位置決めが容易であり、この点でも操作性は良好である。
【0028】
さらに、クランプ装置3の締め付けを解除した状態では、図6に示すように、レバー部3dの先端3gがモニタ装置6の側端部6cから飛び出すため、クランプ装置3の締め付け忘れを確実に防止することができる。また、意図せずクランプ装置3の締め付けが緩んだような場合であっても、これを目視で確認することが容易である。また、視認性の高い形状又は色彩でレバー部3dの先端3gが形成されるため、上記の効果を一層高めることができる。
【0029】
また、縦スリット2eの幅寸法W1が対向面8の間隙2cの幅寸法W0よりも大きく設定されるため、スリット孔2dよりも上端部側における第二筒部2の変形の自由度を高めることができ、クランプ装置3による締結を確実なものとすることができる。なお、図4(b)に示すように、第一筒部1と第二筒部2との嵌合方向がケーブル6bの内挿方向にほぼ直交しているため、ケーブル6bを介してその延長方向に作用する外力があったとしても、その外力が第一筒部1及び第二筒部2を引き抜く方向へ作用しにくく、モニタ装置6の固定状態を保持しやすいという利点もある。
このように、簡素な構成で角度調整を容易かつ確実に行うことができる作業機械のモニタ固定構造を提供することができる。
【0030】
[3.その他]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
上述の実施形態では、第一筒部1が円筒状に形成されるとともに、第二筒部2に形成された嵌合部2aが第一筒部1と嵌合する中空円筒状に形成されているが、第一筒部1及び第二筒部2の嵌合状態が逆の場合も考えられる。すなわち、第一筒部1及び第二筒部2を有する部材は互いに置換可能である。
【0031】
また、図2では第一筒部1が下方に位置する第二筒部2に対して上方から内挿されているが、これらの部材の配置上の上下関係を逆にしてもよい。この場合、クランプ装置3の締め付けを解除したときに、モニタ装置6を落下しにくくすることができる。なお、本実施形態の場合であっても、第一筒部1の突起部1aがスリット孔2dの孔壁に係止されるため、モニタ装置6が直ちに落下することはない。
【0032】
また、上述の実施形態では、本モニタ固定構造を油圧ショベルのキャブ10に適用したものを例示したが、ホイールローダやブルドーザ,クレーン車両といった作業機械全般のキャブの内部にモニタ装置を固定するためのモニタ固定構造としての適用が可能である。
【符号の説明】
【0033】
1 第一筒部
1a 突起部
2 第二筒部
2a 嵌合部
2b 内筒面
2c 間隙
2d スリット孔
2e 縦スリット
3 クランプ装置
3a 欠環部
3b 対向部
3c 連結棒
3d レバー部
3e カム部
3f 凸部
3g 先端
3h 係止部
3i 貫通穴
4 第一固定具
4a 第一固定部
4b 第一延出部
5 第二固定具
5a 右ブラケット
5b 左ブラケット
5c 第二固定部
5d 膨出部
5e 貫通穴
6 モニタ装置
6a 裏面
6b ケーブル
6c 側端部
7 シート
8 対向面
10 キャブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機械のキャブの内部にモニタ装置を固定するためのモニタ固定構造であって、
該キャブに固定され、円筒状に形成された第一筒部と、
該モニタ装置に固定され、該第一筒部に嵌合する円筒状に形成された第二筒部と、
該第一筒部と該第二筒部との嵌合部位に外嵌され、該嵌合部位を外側から締め付けて固定するクランプ装置と、
該第一筒部及び該第二筒部の何れか一方に穿孔され、周方向に延設されたスリット孔と、
該第一筒部及び該第二筒部の何れか他方において上記何れか一方へ向けて突設され、該第一筒部及び該第二筒部の嵌合時に該スリット孔の内側に配設される突起部と
を備えたことを特徴とする、作業機械のモニタ固定構造。
【請求項2】
該クランプ装置が、
環の一部を切断されてなる断面C字型に形成され、該嵌合部位に外嵌された欠環部と、
該欠環部の両端から延設され、互いに離隔して対向配置された一対の対向部と、
該一対の対向部間に跨って架け渡され、該一対の対向部の一方に係止された連結棒と、
該連結棒に対して回動自在に支持されたレバー部と、
該レバー部の基端において該レバー部と一体形成され、該一対の対向部の他方を該一方へ向けて押圧するとともに、該一対の対向部の他方との接触位置と該レバー部の回動中心との距離を該レバー部の回動角度に応じて変化させるカム部とを有する
ことを特徴とする、請求項1記載の作業機械のモニタ固定構造。
【請求項3】
該第二筒部が、該キャブの内部に配置される座席に対して該モニタ装置の裏側に固定され、
該レバー部が、該クランプ装置による該嵌合部位の固定時に、該モニタ装置の裏側に収容されて該座席側からの視認範囲外に配置され、かつ、該クランプ装置による該嵌合部位の固定の解除時に、該モニタ装置の裏側からはみ出して該座席側からの視認範囲内に配置される
ことを特徴とする、請求項2記載の作業機械のモニタ固定構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−105089(P2011−105089A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−260867(P2009−260867)
【出願日】平成21年11月16日(2009.11.16)
【出願人】(000190297)キャタピラージャパン株式会社 (1,189)
【出願人】(390001579)プレス工業株式会社 (173)
【Fターム(参考)】