作業車両のクルーズコントロール装置
【課題】従来、乗用芝刈機等に搭載されるクルーズコントロール装置は、変速レバー基部に摩擦材を備える構成としている為、速度設定時や速度調整時の操作に大きな力を要する課題が有った。また、これら一連のリンク機構が、限られた狭いスペース内に集中して設けられ、メンテナンス時に狭くて手間がかかる課題が有った。
【解決手段】HST1を搭載したトラクタにおいて、前進用ペダル3と後進用ペダル4とを支持軸5に軸受け支持した後、リンク機構6を介して前記HST1のトラニオン軸7に接続する。また前記支持軸5は、HSTカバー8を貫通させて車体の反対側まで延長し、軸端部にブレーキドラム11aを固定して、内拡式ブレーキ11を装備する。またこのブレーキ11をフェンダー17上の入切レバーにより入切操作して、クルーズコントロールを入切操作する。
【解決手段】HST1を搭載したトラクタにおいて、前進用ペダル3と後進用ペダル4とを支持軸5に軸受け支持した後、リンク機構6を介して前記HST1のトラニオン軸7に接続する。また前記支持軸5は、HSTカバー8を貫通させて車体の反対側まで延長し、軸端部にブレーキドラム11aを固定して、内拡式ブレーキ11を装備する。またこのブレーキ11をフェンダー17上の入切レバーにより入切操作して、クルーズコントロールを入切操作する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、農業、建築、運搬用、或いはガーデン管理用の作業車両において、走行速度を一定速度に保持して走行できるクルーズコントロール装置の構成に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、乗用芝刈機等の作業車両にクルーズコントロール装置を搭載する場合は、変速ペダル、或いは変速レバー(クルーズコントロールレバー)を回動自在に支持すると共に、この回動基部に摩擦材を備えて操作位置を保持する構成となっている。例えば、特開平7−46924号公報では、摩擦保持式のクルーズコントロールレバーを備え、同レバーの操作位置を変速ペダルの保持位置に優先して保持し、静油圧式無段変速装置の変速操作軸の回動位置を保持する構成となっている。
【特許文献1】特開平7-46924号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記のように変速ペダルや変速レバーの回動基部に摩擦材を備える構成は、通常の変速操作時にも、変速ペダル或いは変速レバーに制動力がかかり、無闇に大きな操作力を必要とし、迅速な変速操作ができなかったり、微速調整が行い難いという課題が有った。
【0004】
また、これらクルーズコントロール装置を備えた作業車両の変速ペダル、或いは変速レバーの基部は、中立復帰機構や各種のリンク機構、或いは油圧機器等が集中的に設けられ、特に小型の車両の場合はスペースが狭くメンテナンスに手間がかかる課題も有った。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この出願は、上記課題を解決するために、作業車両のクルーズコントロール装置を以下のように構成した。
【0006】
即ち、請求項1に記載の発明は、無段変速装置(1)を搭載し、操縦席(S)近傍の変速ペダル(3,4)の踏込み操作によって前後進の切替と、増減速の変速とを可能に構成した作業車両であって、前記変速ペダル(3,4)を車体側部に突設した支持軸(5)に支持し、前記ペダル(3,4)基部と、車体同側に突設する前記無段変速装置(1)の変速操作軸(7)とをリンク機構(6)を介して前記ペダル(3,4)の踏み込み操作で変速操作軸(7)を回動操作可能に接続すると共に、前記ペダル基部と一体構成した支持軸(5)を前記車体の他側部まで延長して突設し、この端部に前記支持軸(5)の回動位置を保持するブレーキ機構(11)を装備して構成した作業車両のクルーズコントロール装置とした。
(請求項1の作用)
以上のように構成した請求項1の作業車両のクルーズコントロール装置は、変速ペダル(3,4)を踏み込むと、リンク機構(6)の動きを介して前記無段変速装置(1)の変速操作軸(7)を回動操作し、車速が変更される。またペダル基部と一体構成した支持軸(5)は、車体の他側まで延長され、この他側のブレーキ機構(11)により、支持軸(5)、即ち変速ペダル(3,4)の踏み込み位置が保持される。
【0007】
また請求項2の発明では、前記支持軸(5)の回動位置を保持するブレーキ機構(11)は、同軸(5)の周りに拡開操作され車体側に支持されたブレーキアーム(11a,11a)と、同軸(5)と一体回転する筒体(11b)とから成る内拡式ブレーキにて構成し、同アーム(11a,11a)を操縦席(S)近傍の操作具(15)により入切操作する構成としたことを特徴とする請求項1に記載のクルーズコントロール装置。
(請求項2の作用)
以上のように構成した請求項1の作業車両のクルーズコントロール装置は、操縦席(S)近傍の操作具(15)を操作すると、内拡式ブレーキが作動し、前記支持軸(5)に対して制動作用が働いて、変速ペダル(3,4)の踏み込み位置が保持される。
【発明の効果】
【0008】
これにより、請求項1に記載した発明は、従来のこの種装置に比較すると、車体一側に無段変速装置に至るリンク機構(6)を装備し、他側側にブレーキ機構(11)を装備する構成となっているので、両側のスペースを有効に活用することができ周囲に余裕があるからメンテナンス等の調整も容易にできる利点がある。
【0009】
また請求項2の発明は、操縦席(S)近傍の操作具(15)を入切操作することで、前記内拡式ブレーキが作動状態と非作動状態に切り替わり、特に非作動状態では支持軸(5)にブレーキが作用していないので、前記従来のように変速ペダル基部に摩擦材を備え常時制動力を効かせる構成と比較して、操作力が軽く操作性が良い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面に基づいて、この発明のクルーズコントロール装置を農業用トラクタに搭載した形態について説明する。
【0011】
トラクタ2は、図1乃至図3に示すように、車体前部のボンネット内部にエンジンEを備え、このエンジンEの後部に車体となるHSTカバー8及びミッションケース16を連接する構成となっている。また前記HSTカバー8内部には、無段式変速装置としてHST(静油圧式無段変速装置)1を装備し、このモータ出力回転を正逆切替操作して、車両の前後進切替と、無段階の変速を行う構成としている。
【0012】
またトラクタ2の操縦席Sの前方には、ステアリングハンドル9を設け、ハンドル9の回動操作により前輪を左右操舵する構成とし、操縦席Sの前方のフロア20上には、ブレーキペダル12を設けると共に、前進ペダル3と後進ペダル4から成る変速ペダルを並設し、夫れ夫れの回動基部を支持軸5に軸受けして踏み込み操作で前記HST1のモータの出力回転を正逆切り替え、または増減操作する構成としている。また操縦席Sの側方には、オートクルーズ入切レバー15(入切操作具)を設ける構成となっている。
【0013】
前記変速ペダルの構成ついて説明する。
【0014】
前記前進ペダル3は、図1と図4に示すように、ペダルアーム3aの基端部を支持軸5に固定し、更にこの支持軸5を、前進ロッド21、トラニオンアーム22を介してトラニオン軸7に連結して前進操作系のリンク機構6を構成している。従って、前進ペダル3を踏み込むと、ペダルアーム3aの基端部は、支持軸5を中心にして図1中時計回りに回転してロッド21を引き、続いてトラニオンアーム22を介してトラニオン軸7を、図中矢印F側に回転させて前進側の速度を増速する構成となっている。
【0015】
一方、後進ペダル4は、ペダルアーム4aの基端部を前記前進ペダル3のペダルアーム3aよりも外側で支持軸5に対し回転自在に支持し、更に、この支持軸5を後進ロッド24、トラニオンアーム22を介して、トラニオン軸7に連結して後進操作系のリンク機構6を構成している。従って、後進ペダル4を踏み込むと、ペダルアーム4aの基端部は、支持軸5を中心にして図4中反時計回りに回転して後進ロッド24を押上げ、続いてトラニオンアーム22を介してトラニオン軸7を、図4中(矢印R側)に回転させて後進側の速度を増速する構成となっている。
【0016】
また更に前記支持軸5の後方には、側面視逆「く」の字状のニュートラルカムアーム30aを支持し、スプリング30bにより前記トラニオンアーム22を常時中立位置に復帰するように付勢する構成となっている。これにより、前記前後進ペダル3,4を踏込み離したときに、自動的にペダル3,4及びトラニオン軸7が中立位置に復帰し、車速が0になる構成となっている。
【0017】
また前記ニュートラルカムアーム30aは、この回動基部を、ワイヤ7bを介してエンジンEのスロットル機構31に接続する構成としている。このように構成すると、エンジンEは、前進ペダル3又は後進ペダル4を踏み込んで車速を増速操作するに従い、スロットル開度が大きくなりエンジンEの回転数も増速するので負荷の変動に対応できてエンスト等がなくなる利点がある。尚、図4に示す符号7cは、ワイヤー7bの端部に接続したスプリングを示し、このスプリング7cの長さ及びばね係数を変更することにより、車体やエンジンの仕様、或いは作業の種類に対応してエンジンの増速操作を調整することができる。
【0018】
また前記支持軸5は、トラクタ2の車体の反対側、詳しくは前記リンク機構6を備えた反対側のHSTカバー8の側面まで延長して貫通支持し、その端部に内拡式ブレーキ11を備える構成となっている。
【0019】
また前記内拡式ブレーキ11は、図1と図5に示すように、前記HSTカバー8の側部に複数のボス10,10…を側方向かって取り付け自在に突設しこのボス端部にプレートを介してブレーキケース11cを着脱自在に取付けると共に、前記HSTカバー8とブレーキケース11cとの間隙部に、前記支持軸5をニュートラルカムアーム30aの付勢に抗して中立位置へ緩やかに付勢させるダンパ19を備える構成となっている。
【0020】
同ケース11c内部にベアリングを介して前記支持軸5を回転自在に支持する構成となっている。
【0021】
また前記支持軸5は、その端部にブレーキドラム11b(筒体)を固着し、このドラム11a内部に、前記ブレーキケース11c側に支持され且つ前記ドラム内面に対して摺動させる摩擦材を備えたブレーキアーム11a,11aを備える構成となっている。またブレーキケース11cの外側面には、前記ブレーキアーム11a,11aを拡開操作するブレーキ操作アーム11dを回動自在に支持し、同アーム11dを後述するオートクルーズ入切レバー15により図5中矢印ON方向に回動操作することで、前記ブレーキアーム11a,11aが外側に拡張してブレーキドラム9の内周面に圧接して制動力を与え、前記支持軸5の回転、即ち前進ペダル3の操作位置を固定する構成となっている。
【0022】
次に、前記内拡式ブレーキ11を操作する入切操作具について説明する。
【0023】
前記入切操作具は、レバー形態(以下、オートクルーズ入切レバー15)に構成し、操縦席S側方のフェンダー17上に突設支持する構成となっている。
【0024】
詳しくは、このレバー15の基部を左右方向のレバー支持軸P対し回動自在に支持する構成と共に、レバーアームと前記内拡式ブレーキのブレーキ操作アーム11dとをプッシュプルワイヤー18を介して接続する構成となっている。また前記レバー支持軸Pには、図6に示すように、前記レバー15の支持部の外側に、短辺アーム13aと長辺アーム13bとをV字状に突設した筒軸13を回動自在に支持する構成となっている。
【0025】
そして前記短辺アーム13aには、前記ブレーキペダル12の回動基部とプッシュプルワイヤー28を介して接続すると共に、前記長辺アーム13bには、前記オートクルーズ入切レバー15のレバー基部に向かって係止ピン13pを突設する構成となっている。また前記短辺アーム13aには、前記フェンダー17に固定したブラケットBRとの間にスプリング14を介装する構成としている。
【0026】
以上のように構成したオートクルーズ入切レバー15は、図6乃至図8に示すように前記内拡式ブレーキ11を操作し、オートクルーズを入切操作する。
【0027】
図6に示す状態は、オートクルーズ入切レバー15を切の状態、即ち前進ペダル3の操作位置を固定していない状態を示し、この状態から、前記前進ペダル3を踏み込んで車両を走行させ目的の車速になったところで、同レバー15を図中矢印の方向、(車体後方)へ回動操作する。
【0028】
すると、図7に示すように、オートクルーズ入切レバー15は、その基部のワイヤー18が支点となる軸Pを支点超えして後方へ傾倒した状態で保持される。
【0029】
これにより、前記プッシュプルワイヤー18を介してブレーキ操作アーム11dは図5中矢印ON方向に回動操作され、このケース内部のブレーキアーム11a,11aが拡開操作されて前記支持軸5の回転位置を固定する。よって、前進ペダル3の位置が固定され車速が一定に保持される(オートクルーズ入の状態)。またこの車速の保持を解除するには、前記入切レバー15を前方へ傾倒操作することで、前記クルーズコントロールが切となる。
【0030】
また更に、前記図7の状態から、前記ブレーキペダル12が踏込まれると、この踏み込み操作が、プッシュプルワイヤー28の引き操作を介して短辺アーム13aに伝達され、同アーム13aと一体の長辺アーム13bを軸Pを中心に時計周りに回転させる。すると、前記長辺アーム13bの係止ピン13pが前記オートクルーズ入切レバー15のアーム基部に当接し、同レバー15を強制的に車体前方へ傾倒させる。これにより、前記クルーズコントロールは解除される。
【0031】
尚、前記短片アーム13aは、スプリング14により一方に付勢されているので、前記ブレーキペダル12の踏込み解除後は、前記長辺アーム13bは車体後方へ待避する。
【0032】
以上のように構成したトラクタ2では、従来装置に比較すると、車体一側に変速ペダル3,4からHST1のトラニオン軸7に至るリンク機構6を装備し、他側側に内拡式ブレーキ11を装備する構成となっているので、両側のスペースを有効に活用することができ周囲に余裕があるのでメンテナンス等の調整も容易にできる利点がある。またこの内拡式ブレーキ11は、HSTカバー8にボス10,10…を立てて一定距離だけ離して構成、即ちフロア20側部に近づけて構成している為、前記メンテナンス時の取り扱いが一層行い易い。また前記内拡式ブレーキ11は、前記ボス10,10…から車体に対し着脱自在に備える構成となっているので、トラクタの機種によりオートクルーズ装置が必要の無い仕様を生産するときには、この改良に係るコストも低減することができる。
【0033】
また操縦席S近傍のオートクルーズ入切レバー15を前後回動操作することで、前記内拡式ブレーキが作動状態(ON)と非作動状態(OFF)に切り替わり、特に非作動状態では支持軸5にブレーキが作用していないので、前記従来のように変速ペダル基部に摩擦材を備え常時制動力を効かせる構成と比較して、操作力が軽く操作性が良い。また更に前記構成では、ブレーキペダル12の踏み込み操作で、このブレーキ操作と同時に前記オートクルーズ入状態を解除することができるので、走行中に障害物との接触を回避するときには、即座に車両を停止することができる。また前記クルーズコントロール装置は、ワイヤーやロッドなど機械的部品にて構成しているので、電気部品にて構成するものと比較して製造コストが安価である。
【0034】
また前記クルーズコントロール装置の別形態としては、前記ブレーキ11にて後進ペダル3の位置も保持できる構成としても良いし、入切装置を押込み式スイッチ式に構成したり、ダイヤル式に構成しても良い。またブレーキ機構11は、内拡式ブレーキに代えて電磁クラッチ式ブレーキやドッグクラッチ式のロック装置にて構成しても良い。
【0035】
次に、図9乃至図11に基づいて安全フレーム40の構成について説明する。
【0036】
トラクタ2の安全フレーム40は、正面視ループ状のアッパーフレーム40aと、左右のロアフレーム40b,40bとで構成され、この接続部で二つ折りの状態(図11参照)に折り曲げ可能に構成されている。
【0037】
しかしながら、前記トラクタ2で作業を行う時には車体後部に作業機を装着することが多く、前記構成ではアッパーフレーム40aが作業機に接触することとなり、アッパーフレームを連結したまま、果樹園等の樹木の下やハウス内を走行して作業を行うことができない課題があった。
【0038】
よって、ここでは、上述のように接続部でアッパーフレーム40aを後方へ傾倒可能な安全フレームにおいて、この傾倒角度を規制する規制具を備えた構成としている。
【0039】
詳しくは、前記アッパーフレーム40aの左右下端部には、この前面に左右方向の固定ピン42を挿通させ且つ後面に回動ピン43を挿通させる連結ブラケット41aを設け、ロアフレーム40bの上端部にも、同様に、この前面に左右方向の固定ピン42を挿通させ且つ後面に回動ピン43を挿通させる連結ブラケット41bを設ける。
【0040】
これにより、前記アッパ及びロアフレームの前面の固定ピン42を外すことで、前記アッパーフレームを回動ピン43を中心に車体後方へ傾倒させることができる。また前記ロアフレーム40bの連結ブラケット41bの後面には、側面視L字状の係止プレート44を同ブラケット41bに対し上下切替自在にボルト45にて取り付ける構成となっている。
【0041】
これにより、通常作業時には前記アッパーフレーム40aを立設してトラクタ2を走行し、後部に作業機を装着されていない場合は、図11に示すように、前記係止プレート44を下側へ突設した状態で取り付ける。これにより、アッパーフレーム40aはロアフレーム40bに対し略折り重なった状態で倒伏することができる。
【0042】
また、車体後部に作業機を取り付けている場合は、前記係止プレート44を上側に突設した状態で取り付ける。これにより、前記アッパーフレーム40aを後方へ傾倒した場合、係止プレート44の上端部が前記アッパーフレーム40aの連結ブラケット41aに突っかえて、前記アッパーフレーム40aの傾倒角度を所定角度で規制することができる。
【0043】
よって、果樹園等の樹木の下を移動したりハウス内を走行するときは、作業機を装着したまま、且つ安全フレームの高さを低くして走行することができ、例えば同アッパーフレーム40aを取り外す構成と比較して、操作が軽減され、操作性が良い。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】トラクタの車体中央部の平面図。
【図2】トラクタの左側面図。
【図3】トラクタの右側面図。
【図4】前後進ペダル基部のリンク機構を示す側面図。
【図5】オートクルーズ入切レバーとブレーキ機構を示す側面図。
【図6】オートクルーズ「切」状態を示すオートクルーズ入切レバーの側面図。
【図7】オートクルーズ「入」状態を示すオートクルーズ入切レバーの側面図。
【図8】ブレーキ操作によりオートクルーズを「入」から「切」に戻す作用を示すオートクルーズ入切レバーの側面図。
【図9】安全フレームの側面図。
【図10】安全フレームの接続部斜視図。
【図11】安全フレームを後方へ屈折した時の側面図。
【符号の説明】
【0045】
1 HST(無段変速装置)
2 トラクタ
3 前進ペダル
4 後進ペダル
5 支持軸
6 リンク機構
7 トラニオン軸(変速操作軸)
8 HSTカバー(車体)
9 ブレーキドラム
10 ボス
11 ブレーキ機構
12 ブレーキペダル
14 スプリング
15 操作具(オートクルーズ入切レバー)
【技術分野】
【0001】
この発明は、農業、建築、運搬用、或いはガーデン管理用の作業車両において、走行速度を一定速度に保持して走行できるクルーズコントロール装置の構成に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、乗用芝刈機等の作業車両にクルーズコントロール装置を搭載する場合は、変速ペダル、或いは変速レバー(クルーズコントロールレバー)を回動自在に支持すると共に、この回動基部に摩擦材を備えて操作位置を保持する構成となっている。例えば、特開平7−46924号公報では、摩擦保持式のクルーズコントロールレバーを備え、同レバーの操作位置を変速ペダルの保持位置に優先して保持し、静油圧式無段変速装置の変速操作軸の回動位置を保持する構成となっている。
【特許文献1】特開平7-46924号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記のように変速ペダルや変速レバーの回動基部に摩擦材を備える構成は、通常の変速操作時にも、変速ペダル或いは変速レバーに制動力がかかり、無闇に大きな操作力を必要とし、迅速な変速操作ができなかったり、微速調整が行い難いという課題が有った。
【0004】
また、これらクルーズコントロール装置を備えた作業車両の変速ペダル、或いは変速レバーの基部は、中立復帰機構や各種のリンク機構、或いは油圧機器等が集中的に設けられ、特に小型の車両の場合はスペースが狭くメンテナンスに手間がかかる課題も有った。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この出願は、上記課題を解決するために、作業車両のクルーズコントロール装置を以下のように構成した。
【0006】
即ち、請求項1に記載の発明は、無段変速装置(1)を搭載し、操縦席(S)近傍の変速ペダル(3,4)の踏込み操作によって前後進の切替と、増減速の変速とを可能に構成した作業車両であって、前記変速ペダル(3,4)を車体側部に突設した支持軸(5)に支持し、前記ペダル(3,4)基部と、車体同側に突設する前記無段変速装置(1)の変速操作軸(7)とをリンク機構(6)を介して前記ペダル(3,4)の踏み込み操作で変速操作軸(7)を回動操作可能に接続すると共に、前記ペダル基部と一体構成した支持軸(5)を前記車体の他側部まで延長して突設し、この端部に前記支持軸(5)の回動位置を保持するブレーキ機構(11)を装備して構成した作業車両のクルーズコントロール装置とした。
(請求項1の作用)
以上のように構成した請求項1の作業車両のクルーズコントロール装置は、変速ペダル(3,4)を踏み込むと、リンク機構(6)の動きを介して前記無段変速装置(1)の変速操作軸(7)を回動操作し、車速が変更される。またペダル基部と一体構成した支持軸(5)は、車体の他側まで延長され、この他側のブレーキ機構(11)により、支持軸(5)、即ち変速ペダル(3,4)の踏み込み位置が保持される。
【0007】
また請求項2の発明では、前記支持軸(5)の回動位置を保持するブレーキ機構(11)は、同軸(5)の周りに拡開操作され車体側に支持されたブレーキアーム(11a,11a)と、同軸(5)と一体回転する筒体(11b)とから成る内拡式ブレーキにて構成し、同アーム(11a,11a)を操縦席(S)近傍の操作具(15)により入切操作する構成としたことを特徴とする請求項1に記載のクルーズコントロール装置。
(請求項2の作用)
以上のように構成した請求項1の作業車両のクルーズコントロール装置は、操縦席(S)近傍の操作具(15)を操作すると、内拡式ブレーキが作動し、前記支持軸(5)に対して制動作用が働いて、変速ペダル(3,4)の踏み込み位置が保持される。
【発明の効果】
【0008】
これにより、請求項1に記載した発明は、従来のこの種装置に比較すると、車体一側に無段変速装置に至るリンク機構(6)を装備し、他側側にブレーキ機構(11)を装備する構成となっているので、両側のスペースを有効に活用することができ周囲に余裕があるからメンテナンス等の調整も容易にできる利点がある。
【0009】
また請求項2の発明は、操縦席(S)近傍の操作具(15)を入切操作することで、前記内拡式ブレーキが作動状態と非作動状態に切り替わり、特に非作動状態では支持軸(5)にブレーキが作用していないので、前記従来のように変速ペダル基部に摩擦材を備え常時制動力を効かせる構成と比較して、操作力が軽く操作性が良い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面に基づいて、この発明のクルーズコントロール装置を農業用トラクタに搭載した形態について説明する。
【0011】
トラクタ2は、図1乃至図3に示すように、車体前部のボンネット内部にエンジンEを備え、このエンジンEの後部に車体となるHSTカバー8及びミッションケース16を連接する構成となっている。また前記HSTカバー8内部には、無段式変速装置としてHST(静油圧式無段変速装置)1を装備し、このモータ出力回転を正逆切替操作して、車両の前後進切替と、無段階の変速を行う構成としている。
【0012】
またトラクタ2の操縦席Sの前方には、ステアリングハンドル9を設け、ハンドル9の回動操作により前輪を左右操舵する構成とし、操縦席Sの前方のフロア20上には、ブレーキペダル12を設けると共に、前進ペダル3と後進ペダル4から成る変速ペダルを並設し、夫れ夫れの回動基部を支持軸5に軸受けして踏み込み操作で前記HST1のモータの出力回転を正逆切り替え、または増減操作する構成としている。また操縦席Sの側方には、オートクルーズ入切レバー15(入切操作具)を設ける構成となっている。
【0013】
前記変速ペダルの構成ついて説明する。
【0014】
前記前進ペダル3は、図1と図4に示すように、ペダルアーム3aの基端部を支持軸5に固定し、更にこの支持軸5を、前進ロッド21、トラニオンアーム22を介してトラニオン軸7に連結して前進操作系のリンク機構6を構成している。従って、前進ペダル3を踏み込むと、ペダルアーム3aの基端部は、支持軸5を中心にして図1中時計回りに回転してロッド21を引き、続いてトラニオンアーム22を介してトラニオン軸7を、図中矢印F側に回転させて前進側の速度を増速する構成となっている。
【0015】
一方、後進ペダル4は、ペダルアーム4aの基端部を前記前進ペダル3のペダルアーム3aよりも外側で支持軸5に対し回転自在に支持し、更に、この支持軸5を後進ロッド24、トラニオンアーム22を介して、トラニオン軸7に連結して後進操作系のリンク機構6を構成している。従って、後進ペダル4を踏み込むと、ペダルアーム4aの基端部は、支持軸5を中心にして図4中反時計回りに回転して後進ロッド24を押上げ、続いてトラニオンアーム22を介してトラニオン軸7を、図4中(矢印R側)に回転させて後進側の速度を増速する構成となっている。
【0016】
また更に前記支持軸5の後方には、側面視逆「く」の字状のニュートラルカムアーム30aを支持し、スプリング30bにより前記トラニオンアーム22を常時中立位置に復帰するように付勢する構成となっている。これにより、前記前後進ペダル3,4を踏込み離したときに、自動的にペダル3,4及びトラニオン軸7が中立位置に復帰し、車速が0になる構成となっている。
【0017】
また前記ニュートラルカムアーム30aは、この回動基部を、ワイヤ7bを介してエンジンEのスロットル機構31に接続する構成としている。このように構成すると、エンジンEは、前進ペダル3又は後進ペダル4を踏み込んで車速を増速操作するに従い、スロットル開度が大きくなりエンジンEの回転数も増速するので負荷の変動に対応できてエンスト等がなくなる利点がある。尚、図4に示す符号7cは、ワイヤー7bの端部に接続したスプリングを示し、このスプリング7cの長さ及びばね係数を変更することにより、車体やエンジンの仕様、或いは作業の種類に対応してエンジンの増速操作を調整することができる。
【0018】
また前記支持軸5は、トラクタ2の車体の反対側、詳しくは前記リンク機構6を備えた反対側のHSTカバー8の側面まで延長して貫通支持し、その端部に内拡式ブレーキ11を備える構成となっている。
【0019】
また前記内拡式ブレーキ11は、図1と図5に示すように、前記HSTカバー8の側部に複数のボス10,10…を側方向かって取り付け自在に突設しこのボス端部にプレートを介してブレーキケース11cを着脱自在に取付けると共に、前記HSTカバー8とブレーキケース11cとの間隙部に、前記支持軸5をニュートラルカムアーム30aの付勢に抗して中立位置へ緩やかに付勢させるダンパ19を備える構成となっている。
【0020】
同ケース11c内部にベアリングを介して前記支持軸5を回転自在に支持する構成となっている。
【0021】
また前記支持軸5は、その端部にブレーキドラム11b(筒体)を固着し、このドラム11a内部に、前記ブレーキケース11c側に支持され且つ前記ドラム内面に対して摺動させる摩擦材を備えたブレーキアーム11a,11aを備える構成となっている。またブレーキケース11cの外側面には、前記ブレーキアーム11a,11aを拡開操作するブレーキ操作アーム11dを回動自在に支持し、同アーム11dを後述するオートクルーズ入切レバー15により図5中矢印ON方向に回動操作することで、前記ブレーキアーム11a,11aが外側に拡張してブレーキドラム9の内周面に圧接して制動力を与え、前記支持軸5の回転、即ち前進ペダル3の操作位置を固定する構成となっている。
【0022】
次に、前記内拡式ブレーキ11を操作する入切操作具について説明する。
【0023】
前記入切操作具は、レバー形態(以下、オートクルーズ入切レバー15)に構成し、操縦席S側方のフェンダー17上に突設支持する構成となっている。
【0024】
詳しくは、このレバー15の基部を左右方向のレバー支持軸P対し回動自在に支持する構成と共に、レバーアームと前記内拡式ブレーキのブレーキ操作アーム11dとをプッシュプルワイヤー18を介して接続する構成となっている。また前記レバー支持軸Pには、図6に示すように、前記レバー15の支持部の外側に、短辺アーム13aと長辺アーム13bとをV字状に突設した筒軸13を回動自在に支持する構成となっている。
【0025】
そして前記短辺アーム13aには、前記ブレーキペダル12の回動基部とプッシュプルワイヤー28を介して接続すると共に、前記長辺アーム13bには、前記オートクルーズ入切レバー15のレバー基部に向かって係止ピン13pを突設する構成となっている。また前記短辺アーム13aには、前記フェンダー17に固定したブラケットBRとの間にスプリング14を介装する構成としている。
【0026】
以上のように構成したオートクルーズ入切レバー15は、図6乃至図8に示すように前記内拡式ブレーキ11を操作し、オートクルーズを入切操作する。
【0027】
図6に示す状態は、オートクルーズ入切レバー15を切の状態、即ち前進ペダル3の操作位置を固定していない状態を示し、この状態から、前記前進ペダル3を踏み込んで車両を走行させ目的の車速になったところで、同レバー15を図中矢印の方向、(車体後方)へ回動操作する。
【0028】
すると、図7に示すように、オートクルーズ入切レバー15は、その基部のワイヤー18が支点となる軸Pを支点超えして後方へ傾倒した状態で保持される。
【0029】
これにより、前記プッシュプルワイヤー18を介してブレーキ操作アーム11dは図5中矢印ON方向に回動操作され、このケース内部のブレーキアーム11a,11aが拡開操作されて前記支持軸5の回転位置を固定する。よって、前進ペダル3の位置が固定され車速が一定に保持される(オートクルーズ入の状態)。またこの車速の保持を解除するには、前記入切レバー15を前方へ傾倒操作することで、前記クルーズコントロールが切となる。
【0030】
また更に、前記図7の状態から、前記ブレーキペダル12が踏込まれると、この踏み込み操作が、プッシュプルワイヤー28の引き操作を介して短辺アーム13aに伝達され、同アーム13aと一体の長辺アーム13bを軸Pを中心に時計周りに回転させる。すると、前記長辺アーム13bの係止ピン13pが前記オートクルーズ入切レバー15のアーム基部に当接し、同レバー15を強制的に車体前方へ傾倒させる。これにより、前記クルーズコントロールは解除される。
【0031】
尚、前記短片アーム13aは、スプリング14により一方に付勢されているので、前記ブレーキペダル12の踏込み解除後は、前記長辺アーム13bは車体後方へ待避する。
【0032】
以上のように構成したトラクタ2では、従来装置に比較すると、車体一側に変速ペダル3,4からHST1のトラニオン軸7に至るリンク機構6を装備し、他側側に内拡式ブレーキ11を装備する構成となっているので、両側のスペースを有効に活用することができ周囲に余裕があるのでメンテナンス等の調整も容易にできる利点がある。またこの内拡式ブレーキ11は、HSTカバー8にボス10,10…を立てて一定距離だけ離して構成、即ちフロア20側部に近づけて構成している為、前記メンテナンス時の取り扱いが一層行い易い。また前記内拡式ブレーキ11は、前記ボス10,10…から車体に対し着脱自在に備える構成となっているので、トラクタの機種によりオートクルーズ装置が必要の無い仕様を生産するときには、この改良に係るコストも低減することができる。
【0033】
また操縦席S近傍のオートクルーズ入切レバー15を前後回動操作することで、前記内拡式ブレーキが作動状態(ON)と非作動状態(OFF)に切り替わり、特に非作動状態では支持軸5にブレーキが作用していないので、前記従来のように変速ペダル基部に摩擦材を備え常時制動力を効かせる構成と比較して、操作力が軽く操作性が良い。また更に前記構成では、ブレーキペダル12の踏み込み操作で、このブレーキ操作と同時に前記オートクルーズ入状態を解除することができるので、走行中に障害物との接触を回避するときには、即座に車両を停止することができる。また前記クルーズコントロール装置は、ワイヤーやロッドなど機械的部品にて構成しているので、電気部品にて構成するものと比較して製造コストが安価である。
【0034】
また前記クルーズコントロール装置の別形態としては、前記ブレーキ11にて後進ペダル3の位置も保持できる構成としても良いし、入切装置を押込み式スイッチ式に構成したり、ダイヤル式に構成しても良い。またブレーキ機構11は、内拡式ブレーキに代えて電磁クラッチ式ブレーキやドッグクラッチ式のロック装置にて構成しても良い。
【0035】
次に、図9乃至図11に基づいて安全フレーム40の構成について説明する。
【0036】
トラクタ2の安全フレーム40は、正面視ループ状のアッパーフレーム40aと、左右のロアフレーム40b,40bとで構成され、この接続部で二つ折りの状態(図11参照)に折り曲げ可能に構成されている。
【0037】
しかしながら、前記トラクタ2で作業を行う時には車体後部に作業機を装着することが多く、前記構成ではアッパーフレーム40aが作業機に接触することとなり、アッパーフレームを連結したまま、果樹園等の樹木の下やハウス内を走行して作業を行うことができない課題があった。
【0038】
よって、ここでは、上述のように接続部でアッパーフレーム40aを後方へ傾倒可能な安全フレームにおいて、この傾倒角度を規制する規制具を備えた構成としている。
【0039】
詳しくは、前記アッパーフレーム40aの左右下端部には、この前面に左右方向の固定ピン42を挿通させ且つ後面に回動ピン43を挿通させる連結ブラケット41aを設け、ロアフレーム40bの上端部にも、同様に、この前面に左右方向の固定ピン42を挿通させ且つ後面に回動ピン43を挿通させる連結ブラケット41bを設ける。
【0040】
これにより、前記アッパ及びロアフレームの前面の固定ピン42を外すことで、前記アッパーフレームを回動ピン43を中心に車体後方へ傾倒させることができる。また前記ロアフレーム40bの連結ブラケット41bの後面には、側面視L字状の係止プレート44を同ブラケット41bに対し上下切替自在にボルト45にて取り付ける構成となっている。
【0041】
これにより、通常作業時には前記アッパーフレーム40aを立設してトラクタ2を走行し、後部に作業機を装着されていない場合は、図11に示すように、前記係止プレート44を下側へ突設した状態で取り付ける。これにより、アッパーフレーム40aはロアフレーム40bに対し略折り重なった状態で倒伏することができる。
【0042】
また、車体後部に作業機を取り付けている場合は、前記係止プレート44を上側に突設した状態で取り付ける。これにより、前記アッパーフレーム40aを後方へ傾倒した場合、係止プレート44の上端部が前記アッパーフレーム40aの連結ブラケット41aに突っかえて、前記アッパーフレーム40aの傾倒角度を所定角度で規制することができる。
【0043】
よって、果樹園等の樹木の下を移動したりハウス内を走行するときは、作業機を装着したまま、且つ安全フレームの高さを低くして走行することができ、例えば同アッパーフレーム40aを取り外す構成と比較して、操作が軽減され、操作性が良い。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】トラクタの車体中央部の平面図。
【図2】トラクタの左側面図。
【図3】トラクタの右側面図。
【図4】前後進ペダル基部のリンク機構を示す側面図。
【図5】オートクルーズ入切レバーとブレーキ機構を示す側面図。
【図6】オートクルーズ「切」状態を示すオートクルーズ入切レバーの側面図。
【図7】オートクルーズ「入」状態を示すオートクルーズ入切レバーの側面図。
【図8】ブレーキ操作によりオートクルーズを「入」から「切」に戻す作用を示すオートクルーズ入切レバーの側面図。
【図9】安全フレームの側面図。
【図10】安全フレームの接続部斜視図。
【図11】安全フレームを後方へ屈折した時の側面図。
【符号の説明】
【0045】
1 HST(無段変速装置)
2 トラクタ
3 前進ペダル
4 後進ペダル
5 支持軸
6 リンク機構
7 トラニオン軸(変速操作軸)
8 HSTカバー(車体)
9 ブレーキドラム
10 ボス
11 ブレーキ機構
12 ブレーキペダル
14 スプリング
15 操作具(オートクルーズ入切レバー)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無段変速装置(1)を搭載し、操縦席(S)近傍の変速ペダル(3,4)の踏込み操作によって前後進の切替と、増減速の変速とを可能に構成した作業車両であって、前記変速ペダル(3,4)を車体側部に突設した支持軸(5)に支持し、前記ペダル(3,4)基部と、車体同側に突設する前記無段変速装置(1)の変速操作軸(7)とをリンク機構(6)を介して前記ペダル(3,4)の踏み込み操作で変速操作軸(7)を回動操作可能に接続すると共に、前記ペダル基部と一体構成した支持軸(5)を前記車体の他側部まで延長して突設し、この端部に前記支持軸(5)の回動位置を保持するブレーキ機構(11)を装備して構成した作業車両のクルーズコントロール装置。
【請求項2】
前記支持軸(5)の回動位置を保持するブレーキ機構(11)は、同軸(5)の周りに拡開操作され車体側に支持されたブレーキアーム(11a,11a)と、同軸(5)と一体回転する筒体(11b)とから成る内拡式ブレーキにて構成し、同アーム(11a,11a)を操縦席(S)近傍の操作具(15)により入切操作する構成としたことを特徴とする請求項1に記載のクルーズコントロール装置。
【請求項1】
無段変速装置(1)を搭載し、操縦席(S)近傍の変速ペダル(3,4)の踏込み操作によって前後進の切替と、増減速の変速とを可能に構成した作業車両であって、前記変速ペダル(3,4)を車体側部に突設した支持軸(5)に支持し、前記ペダル(3,4)基部と、車体同側に突設する前記無段変速装置(1)の変速操作軸(7)とをリンク機構(6)を介して前記ペダル(3,4)の踏み込み操作で変速操作軸(7)を回動操作可能に接続すると共に、前記ペダル基部と一体構成した支持軸(5)を前記車体の他側部まで延長して突設し、この端部に前記支持軸(5)の回動位置を保持するブレーキ機構(11)を装備して構成した作業車両のクルーズコントロール装置。
【請求項2】
前記支持軸(5)の回動位置を保持するブレーキ機構(11)は、同軸(5)の周りに拡開操作され車体側に支持されたブレーキアーム(11a,11a)と、同軸(5)と一体回転する筒体(11b)とから成る内拡式ブレーキにて構成し、同アーム(11a,11a)を操縦席(S)近傍の操作具(15)により入切操作する構成としたことを特徴とする請求項1に記載のクルーズコントロール装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−8051(P2006−8051A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−191315(P2004−191315)
【出願日】平成16年6月29日(2004.6.29)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月29日(2004.6.29)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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