説明

作用極及びこれを有する色素増感太陽電池

【課題】色素増感太陽電池に優れた発電効率を付与することができる作用極及びこれを有する色素増感太陽電池を提供すること。
【解決手段】導電性の第1線材21Aに交差するように導電性の第2線材21Bを織り込んで成る織物21と、第2線材21Bに接触するように設けられる第1集電体22Aと、第1線材21Aに接触するように設けられる第2集電体22Bと、第1線材21A及び第2線材21Bを被覆する多孔質酸化物半導体層23とを備えており、第1集電体22A及び第2集電体22Bが、第1線材21A及び第2線材21Bよりも低い抵抗を有する作用極2。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作用極及びこれを有する色素増感太陽電池に関する。
【背景技術】
【0002】
光電変換素子として、安価で、高い発電効率が得られることから色素増感太陽電池が注目されており、色素増感太陽電池に関して種々の開発が行われている。
【0003】
色素増感太陽電池は一般に、作用極と、対極と、作用極及び対極を連結する封止部と、作用極、対極及び封止部とによって囲まれる電解質とを備えている。作用極は一般に、基板と、基板の表面上に形成される導電膜と、導電膜上に形成される多孔質酸化物半導体膜とで構成される。ここで、導電膜としては、可視光に対する透過性が高く、高い電気伝導性を有することから、スズドープ酸化インジウム(ITO:Indium doped Tin Oxide)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO:Fluorine doped Tin Oxide)などの透明導電膜が使用されている。
【0004】
しかし、ITO、FTOなどの透明導電膜は、色素増感太陽電池の低価格化の妨げとなっており、このような透明導電膜を用いない色素増感太陽電池が求められていた。
【0005】
このような透明導電膜を用いない色素増感太陽電池として、基板と、基板上に配置される網目状の作用極と、作用極に対向して配置される対極と、基板及び対極を連結する封止部と、基板、対極及び封止部によって囲まれる電解質とを備えたものが知られている(例えば下記特許文献1)。
【0006】
下記特許文献1に記載の色素増感太陽電池においては、網目状の作用極として、金属からなる網状導電性体と、網状導電性体の表面に被着・形成された多孔質酸化物半導体層と、多孔質酸化物半導体層の内部表面に結合された有機色素膜とを有する酸化物半導体色素結合電極を用いることが開示されている。上記網状導電性体としては、平織金網等の織物が用いられ、上記作用極は、多孔質酸化物半導体層で発生した電子を、網状導電性体を通して外部に取り出すことが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−283944号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上述した特許文献1に記載の酸化物半導体色素結合電極は、以下の課題を有していた。
【0009】
即ち、網状導電性体として平織金網等の織物を用いる場合、電流の取り出し効率が不十分であり、その結果、発電効率が不十分なものとなっていた。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、色素増感太陽電池において優れた発電効率を付与することができる作用極及びこれを有する色素増感太陽電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討した。その結果、特許文献1に記載の酸化物半導体色素結合電極において網状導電性体として平織金網等の織物を用いる場合に電流の取り出し効率が不十分であるのは以下の理由によるものではないかと考えた。即ち、織物は、導電性の第1線材と、これと交差するように織り込まれる導電性の第2線材とを有しており、これらは、両者が交差する場所においては少なからず接触している。しかし、単に第1線材と第2線材とが接触しているだけでは両者間の接触抵抗が高い。このため、第1線材及び第2線材だけでは十分に集電を行うことができず、電流の取り出し効率が不十分となるのではないかと本発明者は考えた。ここで、第1線材又は第2線材のいずれか一方にのみ、第1線材及び第2線材よりも小さい抵抗を有する集電体を接触させることも考えられる。しかし、例えば第1線材に集電体を設けた場合、第2線材で発生した電子は、第2線材からこれと交差する第1線材を経由して集電体に流れることになる。このとき、第2線材と第1線材との間の接触抵抗が大きいため、第2線材で発生した電流の取り出し効率が悪くなり、いまだ十分な発電効率が得られないものと考えられる。そこで、本発明者は、第1線材及び第2線材の各々に対し、それらより抵抗の小さい集電体を接触させることで、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
即ち、本発明は、導電性の第1線材に交差するように導電性の第2線材を織り込んで成る織物と、前記第2線材に接触する第1集電体と、前記第1線材に接触する第2集電体と、前記織物を被覆する多孔質酸化物半導体層とを有し、前記第1集電体及び前記第2集電体が、前記第1線材及び前記第2線材よりも低い抵抗を有することを特徴とする作用極である。
【0013】
この作用極によれば、多孔質酸化物半導体層で発生した電子は、第1線材に流れた後、第1線材から第2集電体に集められて取り出される。あるいは、多孔質酸化物半導体層で発生した電子は、第2線材に流れた後、第2線材から第1集電体に集められて取り出される。ここで、本発明では、第1集電体の抵抗は第2線材の抵抗よりも小さく、第2集電体の抵抗は第1線材の抵抗よりも小さくなっている。このように、本発明の作用極においては、第1線材及び第2線材の各々に対応して集電体が設けられ、その集電体が第1線材又は第2線材よりも低い抵抗を有している。このため、作用極で発生した電子の取り出し効率を高めることが可能となる。その結果、本発明の作用極を、色素増感太陽電池の作用極として用いた場合に、色素増感太陽電池に優れた発電効率を付与することが可能となる。
【0014】
上記作用極において、前記第1集電体が溶接によって前記2線材と接合され、前記第2集電体が溶接によって前記第1線材と接合されていることが好ましい。
【0015】
この場合、第1集電体が第2線材に強固に固定され、第2集電体が第1線材に強固に固定される。このため、作用極が高温環境下で使用されて第1線材や第2線材に熱収縮・熱膨張が生じた場合でも、第1線材と第2集電体との分離、第2線材と第1集電体との分離が十分に防止される。また、第1集電体と第2線材とが溶接され、第2集電体と第1線材とが溶接されているため、第1集電体と第2線材との間の接触抵抗、及び第2集電体と第1線材との間の接触抵抗が下がる。このため、高い電流取り出し効率を維持することができ、その結果、優れた発電効率を維持することができる。
【0016】
上記作用極において、前記第1集電体及び前記第2集電体がそれぞれ、前記第1線材及び前記第2線材よりも大きい断面積を有することが好ましい。
【0017】
この場合、第1集電体及び第2集電体の抵抗を、第1線材及び第2線材の抵抗よりもより小さくすることが可能となる。
【0018】
上記作用極において、前記第1集電体及び前記第2集電体がいずれも帯状であることが好ましい。この場合、前記第1集電体及び前記第2集電体がいずれも帯状であるため、作用極を薄くすることができる。このため、この作用極を色素増感太陽電池の作用極として用いた場合、作用極と対極との間の距離を短くすることができる。また、前記第1集電体及び前記第2集電体がいずれも帯状であるため、第1集電体と第2線材との接触面積が増え、第1集電体と第2線材との接触抵抗が下がるとともに、第2集電体と第1線材との接触面積が増え、第1集電体と第2線材との接触抵抗が下がる。
【0019】
上記作用極において、前記第1線材及び前記第2線材がそれぞれ、コア部と、前記コア部を被覆する被覆層とを有し、前記被覆層がTiを含み、前記コア部が、前記被覆層よりも低い抵抗を有する金属材料で構成されることが好ましい。
【0020】
この場合、作用極を色素増感太陽電池の作用極として使用した場合に、電解質が第1線材及び第2線材に接触しても、被覆層がTiを含んでおり、色素増感太陽電池の電解質として一般に用いられる電解質に対して耐食性を有する。このため、第1線材及び第2線材の腐食を十分に抑制することができる。また、多孔質酸化物半導体層で発生した電子は、被覆層を経てコア部に容易に流れ、コア部を経て容易に第1集電体又は第2集電体に集められる。従って、電流の取り出し効率をより高めることが可能となる。
【0021】
上記作用極において、前記第1集電体及び前記第2集電体が、前記織物に織り込まれていることが好ましい。
【0022】
この場合、作用極が高温環境下で使用され、織物の第1線材や第2線材に熱収縮や熱膨張が生じた場合であっても、第1集電体は、第2線材と接触した状態が維持され、第2集電体は、第1線材と接触した状態が維持される。従って、確実な集電を行うことが可能となる。また第1集電体及び第2集電体が織物に織り込まれることで、第1集電体及び第2集電体を織物に織り込まない場合に比べて、作用極の厚さを低減することが可能となる。
【0023】
上記作用極において、前記第1集電体及び前記第2集電体がそれぞれ、前記織物において等間隔に複数本設けられていることが好ましい。
【0024】
この場合、効率よく集電を行うことができ、低抵抗な作用極を実現することが可能となる。このため、上記作用極は、大面積の色素増感太陽電池の作用極として有用である。
【0025】
また本発明は、作用極と、前記作用極に対向配置される対極と、前記作用極及び前記対極に接触する電解質とを備えており、前記作用極が、上述した作用極で構成される色素増感太陽電池である。
【0026】
この色素増感太陽電池によれば、作用極として上記作用極が使用されるため、優れた発電効率を有することが可能となる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、色素増感太陽電池に優れた発電効率を付与することができる作用極及びこれを有する色素増感太陽電池が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係る色素増感太陽電池の一実施形態を概略的に示す断面図である。
【図2】図1の作用極を示す平面図である。
【図3】図2のIII−III線に沿った切断面端面図である。
【図4】本発明に係る色素増感太陽電池の他の実施形態に用いられる作用極を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0030】
<第1実施形態>
図1は本発明に係る色素増感太陽電池の第1実施形態を概略的に示す断面図、図2は、図1の作用極を示す平面図、図3は図2のIII−III線に沿った切断面端面図である。
【0031】
図1に示すように、色素増感太陽電池100は、基材1と、基材1上に設けられる作用極2と、作用極2に対向配置された対極7と、基材1及び対極7を連結する封止部4と、作用極2と対極7と封止部4とによって包囲されるセル空間内に充填される電解質5とを備えている。基材1及び対極7のうち少なくとも基材1は、光を透過させて作用極2に入射させることが可能となっている。
【0032】
図2及び図3に示すように、作用極2は、複数本の導電性の第1線材21Aに交差するように複数本の導電性の第2線材21Bを織り込んで成る織物21と、第2線材21Bと接触するように設けられる帯状の2本の第1集電体22Aと、第1線材21Aと接触するように設けられる帯状の2本の第2集電体22Bと、織物21、第1集電体22A及び第2集電体22Bを被覆する多孔質酸化物半導体層23とを有している。作用極2の多孔質酸化物半導体層23には光増感色素(図示せず)が担持されている。
【0033】
織物21においては、複数本の第1線材21A同士が互いに平行に配置され、複数本の第2線材21B同士が互いに平行に配置されている。そして、第1線材21A及び第2線材21Bは互いに交差するように、例えば直交するように配置されている。複数本の第1線材21A及び複数本の第2線材21Bとは、互いに溶接されていてもいなくてもよいが、互いに溶接されていることが好ましい。この場合、第1線材21Aと第2線材21Bとの接触抵抗を低くすることが可能となり、溶接により接合された第1線材21A及び第2線材21Bからなる格子状部分を集電体として機能させることが可能となる。
【0034】
2本の第1集電体22Aはそれぞれ、第1線材21Aに平行に、織物21の外周近傍に配置され、2本の第2集電体22Bはそれぞれ、第2線材21Bに平行に、織物21の外周近傍に配置されている。これは、第1集電体22A及び第2集電体22Bに集められた電子を外部に取り出しやすくするためである。なお、第1集電体22Aと第2集電体22Bとは互いに接触していることが好ましい。この場合、第1集電体22A及び第2集電体22Bの各々から電流を取り出す必要がなくなり、第1集電体22A又は第2集電体22Bのいずれか一方のみから電流を取り出すだけで済む。
【0035】
ここで、第1集電体22Aは織物21に織り込まれており、第2線材21Bに接触している。第2集電体22Bも織物21に織り込まれており、第1線材21Aに接触している。ここで、第1集電体22Aは、溶接によって接合されることにより第2線材21Bに接触しており、第2集電体22Bは、溶接によって接合されることにより第1線材21Aに接触している。
【0036】
第1集電体22A及び第2集電体22Bは、第1線材21A及び第2線材21Bよりも低い抵抗を有している。即ち、第1集電体22Aは、第2線材21Bよりも低い抵抗を有し、第2集電体22Bは、第1線材21Aよりも低い抵抗を有している。ここで、図2に示す作用極2のように、第1集電体22A及び第2集電体22Bの幅を、第1線材21A及び第2線材21Bの幅よりも大きくすることにより、第1集電体22A及び第2集電体22Bの断面積が第1線材21A及び第2線材21Bの断面積よりも大きくされることが好ましい。この場合、第1集電体22A及び第2集電体22Bの抵抗を、第1線材21A及び第2線材21Bの抵抗よりもより小さくすることが可能となる。
【0037】
色素増感太陽電池100によれば、多孔質酸化物半導体層23で発生した電子は、例えば第1線材21Aに流れた後、第1線材21Aから第2集電体22Bに集められて取り出される。あるいは、多孔質酸化物半導体層23で発生した電子は、第2線材21Bに流れた後、第2線材21Bから第1集電体22Aに集められて取り出される。ここで、第1集電体22Aの抵抗は第2線材21Bの抵抗よりも小さく、第2集電体22Bの抵抗は第1線材21Aの抵抗よりも小さくなっている。このように、作用極2においては、第1線材21A及び第2線材21Bの各々に対応して集電体が設けられ、その集電体が第1線材21A又は第2線材21Bよりも低い抵抗を有している。このため、作用極2で発生した電子の取り出し効率を高めることが可能となり、その結果、色素増感太陽電池100は、優れた発電効率を有することが可能となる。
【0038】
また色素増感太陽電池100では、第1集電体22A及び第2集電体22Bが織物21に織り込まれている。このため、色素増感太陽電池100が高温環境下で使用され、織物21の第1線材21Aや第2線材21Bに熱収縮や熱膨張が生じた場合であっても、第1集電体22Aは、第2線材21Bと接触した状態が維持され、第2集電体22Bは、第1線材21Aと接触した状態が維持される。従って、確実な集電を行うことが可能となる。特に、本実施形態では、作用極2において、第1集電体22Aが溶接によって第2線材21Bと接合され、第2集電体22Bが溶接によって第1線材21Aと接合されているため、第1集電体22Aが第2線材21Bに強固に固定され、第2集電体22Bが第1線材21Aに強固に固定されている。このため、作用極2が高温環境下で使用されて第1線材や第2線材に熱収縮・熱膨張が生じた場合でも、第1線材21Aと第2集電体22Bとの分離、第2線材21Bと第1集電体22Aとの分離が十分に防止される。また、第1集電体22Aと第2線材21Bとが溶接され、第2集電体22Bと第1線材21Aとが溶接されているため、第1集電体22Aと第2線材21Bとの間の接触抵抗、及び第2集電体22Bと第1線材21Aとの間の接触抵抗が下がる。このため、高い電流取り出し効率を維持することができ、その結果、優れた発電効率を維持することができる。
【0039】
また色素増感太陽電池100では、第1集電体22A及び第2集電体22Bが織物21に織り込まれているため、第1集電体22A及び第2集電体22Bが織物21に織り込まれていない場合に比べて、作用極2の厚さを低減することも可能となる。
【0040】
さらに、色素増感太陽電池100では、作用極2において、第1集電体22A及び第2集電体22Bがいずれも帯状となっている。このため、作用極2を薄くすることができ、作用極2と対極7との間の距離を短くすることができる。また、第1集電体22A及び第2集電体22Bがいずれも帯状であるため、第1集電体22Aと第2線材21Bとの接触面積が増え、第1集電体22Aと第2線材21Bとの接触抵抗が下がるとともに、第2集電体22Bと第1線材21Aとの接触面積が増え、第2集電体22Bと第1線材21Aとの接触抵抗が下がる。
【0041】
次に、上述した色素増感太陽電池100の製造方法について説明する。
【0042】
[準備工程]
まず基材1、作用極2及び対極7を準備する。
【0043】
(基材)
基材1を構成する材料は、例えば可視光に対して透明な材料であればよく、このような透明な材料としては、例えばホウケイ酸ガラス、ソーダライムガラス、白板ガラス、石英ガラスなどのガラス、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルフォン(PES)などが挙げられる。基材1の厚さは、色素増感太陽電池100のサイズに応じて適宜決定され、特に限定されるものではないが、例えば50μm〜10000μmの範囲にすればよい。
【0044】
(作用極)
作用極2は、以下のようにして得ることができる。
【0045】
はじめに複数本の第1線材21A及び複数本の第2線材21Bを準備する。第1線材21A及び第2線材21Bとしては、電解質5に対する耐食性の高い金属であればいかなるものでも使用可能である。このような金属材料としては、例えばチタン、タングステン及び白金などの金属材料を挙げることができる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて合金として使用することが可能である。
【0046】
第1線材21A及び第2線材21Bとしては、多孔質酸化物半導体層23よりも低い抵抗を有する金属材料を用いることが好ましい。この場合、多孔質酸化物半導体層23で発生した電子をより容易に取り出すことが可能となる。例えば、多孔質酸化物半導体層23としてTiOを用いる場合には、第1線材21A及び第2線材21Bを構成する金属として、Ti、Ptなどを用いることができる。中でも、耐食性及びコストの観点からTiが好ましい。
【0047】
第1線材21A及び第2線材21Bとしては、Tiで金属線を被覆してなるTi被覆金属線を用いることも可能である。このようなTi被覆金属線としては、例えばTi被覆銅(Cu)線が挙げられる。耐食性の高いTiで、Tiよりも導電性の高いCu線からなる中心線を被覆することにより、該Ti被覆金属線で構成される作用極2の内部抵抗を抑えると同時に、該Ti被覆金属線の電解質5による腐食を抑制することができる。
【0048】
前記Ti被覆Cu線の製造方法は、公知の方法で行うことができる。例えば、Tiを押出成型等によってパイプ状に形成すると共に、Cuを押出成型等によって線状に形成し、これらTiパイプとCu線を同時に走行させつつTi製パイプの内部にCu線を挿入し、これらを絞って、両者間を密着させて、Ti被覆Cu線を得ることができる。
【0049】
このような線引き加工法により作製されたTi被覆Cu線は、スパッタ法やめっき加工法等によって製造されたものよりも被覆層の密着性に優れ、その製造コストを低く抑えることができる。
【0050】
なお、Ti被覆金属線は、金属線をTiで被覆したものであるが、Tiに代えて、Tiを含む合金を用いることも可能である。また金属線を構成する材料は、金属線を被覆する材料よりも低い抵抗を有するものであればよく、Cuに限定されるものではない。
第1線材21A及び第2線材21Bの断面形状は、四角形などの多角形でも円形でもよい。
【0051】
次に、複数本の第1線材21Aを互いに平行に配列させ、第1線材21Aに対して交差するように複数本の第2線材21Bを配置させて、織物21を作製する。織物21としては、平織物、綾織物及び朱子織物などが挙げられる。中でも、厚みを小さくすることができるという理由から、平織物を用いることが好ましい。
【0052】
一方、帯状の第1集電体22A及び帯状の第2集電体22Bをそれぞれ2本ずつ用意する。そして、第1集電体22Aは、第1線材21Aと平行となるように、織物21の外周部近傍に織り込む。同様に、第2集電体22Bも第2線材21Bと平行となるように織物21の外周部近傍に織り込む。
【0053】
そして、第1集電体22Aと第2線材21Bとを溶接によって接合する。このためには、第2線材21Bと第1集電体22Aとの間に直流電流を印加して通電すればよい。このようにすることで、抵抗加熱により、第2線材21B及び第1集電体22Aが発熱して溶融し、互いに接合される。同様に、第2集電体22Bと第1線材21Aとを溶接によって接合するためには、第1線材21Aと第2集電体22Bとの間に直流電流を印加して通電すればよい。このようにすることで、抵抗加熱により、第1線材21A及び第2集電体22Bが発熱して溶融し、互いに接合される。なお、第1集電体22Aと第2集電体22Bとを接触させる場合には、これらの間にも直流電圧を印加し、抵抗溶接によって第1集電体22Aと第2集電体22Bとを接合させればよい。
【0054】
次に、多孔質酸化物半導体層形成用ペーストを織物21に塗布する。多孔質酸化物半導体層形成用ペーストは、酸化物半導体粒子を含むものであればよいが、ポリエチレングリコールなどの樹脂及び、テレピネオールなどの溶媒を含む。多孔質酸化物半導体層形成用ペーストの塗布方法としては、例えば浸漬塗布法、スクリーン印刷法などを用いることができる。
【0055】
次に、多孔質半導体層形成用ペーストを焼成した後、冷却する。こうして、織物21の表面上に、多孔質酸化物半導体層23を形成する。焼成温度は酸化物半導体粒子により異なるが、通常は140℃〜600℃であり、焼成時間も、酸化物半導体粒子により異なるが、通常は1〜5時間である。
【0056】
上記酸化物半導体粒子としては、例えば酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化タングステン(WO3)、酸化ニオブ(Nb25)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、酸化スズ(SnO2)、酸化インジウム(In)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化タリウム(Ta)、酸化ランタン(La)、酸化イットリウム(Y)、酸化ホルミウム(Ho)、酸化ビスマス(Bi)、酸化セリウム(CeO)、酸化アルミニウム(Al)又はこれらの2種以上で構成される酸化物半導体粒子が挙げられる。これら酸化物半導体粒子の平均粒径は1〜1000nmであることが、色素で覆われた酸化物半導体の表面積が大きくなり、即ち光電変換を行う場が広くなり、より多くの電子を生成することができることから好ましい。ここで、多孔質酸化物半導体層23が、粒度分布の異なる酸化物半導体粒子を積層させてなる積層体で構成されることが好ましい。この場合、積層体内で繰り返し光の反射を起こさせることが可能となり、入射光を積層体の外部へ逃がすことなく効率よく光を電子に変換することができる。多孔質酸化物半導体層23の厚さは、例えば0.5〜50μmとすればよい。なお、多孔質酸化物半導体層23は、異なる材料からなる複数の半導体層の積層体で構成することもできる。こうして作用極2が得られる。
【0057】
[色素担持工程]
次に、作用極2の多孔質酸化物半導体層23に光増感色素を担持させる。このためには、作用極2を、光増感色素を含有する溶液の中に浸漬させ、その色素を多孔質酸化物半導体層23に吸着させた後に上記溶液の溶媒成分で余分な色素を洗い流し、乾燥させることで、光増感色素を多孔質酸化物半導体層23に吸着させればよい。但し、光増感色素を含有する溶液を多孔質酸化物半導体層23に塗布した後、乾燥させることによって光増感色素を酸化物半導体多孔膜に吸着させても、光増感色素を多孔質酸化物半導体層23に担持させることが可能である。
【0058】
光増感色素としては、例えばN3、ブラックダイなどのルテニウム色素、ポルフィリン、フタロシアニンなどの錯体色素、エオシン、ローダミン、メロシアニンなどの有機色素が挙げられる。
【0059】
(対極)
一方、対極7は、以下のようにして得ることができる。
【0060】
即ち対極7としては、例えば対極基板6上に触媒膜3を形成した板状体を用いることができる。触媒膜3の形成方法としては、スパッタ法、蒸着法などが用いられる。これらのうちスパッタ法が膜の均一性の点から好ましい。
【0061】
対極基板6を構成する材料は、例えばチタン、ニッケル、白金、モリブデン、タングステン等の耐食性の金属材料や、基材1と同様の材料にITOやFTO等の導電性酸化物を形成したものなどが挙げられる。
【0062】
対極基板6の厚さは、色素増感太陽電池100のサイズに応じて適宜決定され、特に限定されるものではないが、例えば10〜200μmの範囲にすればよい。
【0063】
触媒膜は、白金又は炭素系材料などから構成される。
【0064】
なお、対極基板として白金又は炭素系材料を使用する場合には、触媒膜は省略することも可能である。
【0065】
また対極7は、絶縁性の板状体の上に、金属線を用いて形成される織物を設けてなるものであってもよい。金属線としては、例えば第1線材21Aや第2線材21Bを触媒で被覆したものを用いることができる。この場合、絶縁性の板状体としては、基材1と同様のものを用いることができる。
【0066】
[封止部の固定工程]
次に、基材1の表面に作用極2を接触させ、基材1の表面の周縁部に封止部4を固定する。
【0067】
[電解質配置工程]
次に、作用極2上であって封止部4の内側に電解質5を配置する。電解質5は、作用極2上であって封止部4の内側に注入したり、印刷したりすることによって得ることができる。
【0068】
電解質5は通常、電解液で構成され、この電解液は例えばI/Iなどの酸化還元対と有機溶媒とを含んでいる。有機溶媒としては、アセトニトリル、メトキシアセトニトリル、メトキシプロピオニトリル、プロピオニトリル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトンなどを用いることができる。酸化還元対としては、例えばI/Iのほか、臭素/臭化物イオンなどの対が挙げられる。色素増感太陽電池100は、酸化還元対としてI/Iのような揮発性溶質及び、高温下で揮発しやすいアセトニトリル、メトキシアセトニトリル、メトキシプロピオニトリルのような有機溶媒を含む電解液を電解質として用いた場合に特に有効である。この場合、色素増感太陽電池100の周囲の環境温度の変化によりセル空間の内圧の変化が特に大きくなり、封止部4と対極7との界面、および封止部4と作用極2との界面から電解質が漏洩しやすくなるからである。なお、上記揮発性溶媒にはゲル化剤を加えてもよい。また電解質は、イオン液体と揮発性成分との混合物からなるイオン液体電解質で構成されてもよい。この場合も、色素増感太陽電池100の周囲の環境温度の変化によりセル空間の内圧の変化が大きくなるためである。イオン液体としては、例えばピリジニウム塩、イミダゾリウム塩、トリアゾリウム塩等の既知のヨウ素塩であって、室温付近で溶融状態にある常温溶融塩が用いられる。このような常温溶融塩としては、例えば1−エチル−3−メチルイミダゾリウム ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドが好適に用いられる。また揮発性成分としては、上記の有機溶媒や、1−メチル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイド、LiI、I、4−t−ブチルピリジンなどが挙げられる。さらに電解質3としては、上記イオン液体電解質にSiO、TiO、カーボンナノチューブなどのナノ粒子を混練してゲル様となった擬固体電解質であるナノコンポジットイオンゲル電解質を用いてもよく、また、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンオキサイド誘導体、アミノ酸誘導体などの有機系ゲル化剤を用いてゲル化したイオン液体電解質を用いてもよい。
【0069】
[熱圧着工程]
そして、対極7を、触媒膜を作用極2に向けた状態で封止部4と重ね合わせ、対極7及び基材1の周縁部を熱圧着する。こうして、色素増感太陽電池100の製造が完了する。
【0070】
<第2実施形態>
次に、本発明の色素増感太陽電池の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0071】
図4は、本発明の色素増感太陽電池の第2実施形態に係る作用極を示す平面図である。図4に示すように、本実施形態の色素増感太陽電池の作用極202は、第1集電体22Aが織物21に織り込まれておらず、溶接によって第2線材21Bに接合され、第2集電体22Bも織物21に織り込まれておらず、溶接によって第1線材21Aに接合されている点で、第1実施形態の作用極2と相違する。即ち作用極202においては、第1集電体22A及び第2集電体22Bが織物21の内側ではなく、織物21の外側に設けられている。
【0072】
この場合も、第1実施形態と同様、作用極202において、多孔質酸化物半導体層23で発生した電子は、第1線材21Aに流れた後、第1線材21Aから第2集電体22B集められる。あるいは、多孔質酸化物半導体層23で発生した電子は、第2線材21Bに流れた後、第2線材21Bから第1集電体22Aに集められる。このとき、第1集電体22Aの抵抗は、第2線材21Bよりも小さく、第2集電体22Bの抵抗は、第1線材21Aよりも小さい。このように、作用極202においては、第1線材21A及び第2線材21Bの各々に対応して集電体が設けられ、その集電体が第1線材21A又は第2線材21Bよりも低い抵抗を有している。このため、作用極202で発生した電子の取り出し効率を高めることが可能となり、その結果、色素増感太陽電池は、優れた発電効率を有することが可能となる。
【0073】
作用極202は、織物21に第1集電体22A及び第2集電体22Bを接触させた状態で、第1線材21Aと第2集電体22Bとの間、および、第2線材21Bと第1集電体22Aとの間に直流電流を印加して通電することで得ることが可能である。即ち、例えば第1線材21Aと第2集電体22Bとの間に通電すると、抵抗によって第1線材21A及び第2集電体22Bが発熱して溶融し、互いに接合される。
【0074】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記第1及び第2実施形態では、作用極が第1集電体22A及び第2集電体22Bをそれぞれ2つずつ有しているが、作用極は、第1集電体22A及び第2集電体22Bをそれぞれ1つずつ有していてもよいし、3本以上有していてもよい。作用極が第1集電体22A及び第2集電体22Bをそれぞれ3本以上有する場合、これらの集電体は互いに等間隔となるように配置することが好ましい。この場合、効率よく集電を行うことができ、低抵抗な作用極を実現することが可能となる。このため、複数本の集電体が互いに等間隔となるように配置されている作用極は、大面積の色素増感太陽電池の作用極として有用である。
【0075】
また上記第1実施形態では、第1集電体22Aは、第2線材21Bに溶接によって接合されることにより接触し、第2集電体22Bは、第1線材21Aに溶接によって接合されることにより接触しているが、溶接によらずとも、第1集電体22Aが、第2線材21Bによる押圧力によって物理的に第2線材21Bに接触し、第2集電体22Bが、第1線材21Aによる押圧力によって物理的に第1線材21Aに接触しているだけでよい。
【実施例】
【0076】
以下、本発明の内容を、実施例を挙げてより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
【0077】
(実施例1)
はじめに、直径0.05mmの第1線材と、同じく直径0.5mmの第2線材を用意し、これらを用いて、横50mm×縦50mmの平織物を製織した。第1線材及び第2線材としてはTiを用いた。
【0078】
そして、厚さ0.1mm、幅2mmのTi板を4枚用意し、この平織物の外周部近傍に、第1線材と平行に2枚のTi板を第2集電体として平織物に織り込むとともに、第2線材と平行に2枚のTi板を第1集電体として平織物に織り込んだ。
【0079】
この状態で、第1線材と第2集電体との間に、1.0kAの直流電流を5msec印加し、45msecの休止の後、再び1.0kAの直流電流を5msec通電し、第1線材と第2集電体とを抵抗加熱により溶融させて接合した。同様に、第2線材と第1集電体との間にも、1.0kAの直流電流を5msec印加し、45msecの休止の後、再び1.0kAの直流電流を5msec通電し、第2線材と第1集電体とを抵抗加熱により溶融させて接合した。
【0080】
第1および第2集電体を溶接にて取り付けた平織物を、TiOペースト(触媒化学社製PST−21NR)中に浸漬した後に引き上げて仮乾燥し、続いて電気炉にて500℃で1時間の条件で焼結した後、冷却した。こうして集電体付きの平織物に、厚さ約15μmの多孔質酸化物半導体層が形成され、作用極が得られた。
【0081】
この作用極を、1:1(体積比)で混合したアセトニトリル及びtert−ブタノールの混合溶媒を含み、ルテニウム色素(N719)の濃度を0.3mMとした色素溶液中に浸漬し、室温で24時間放置して、多孔質酸化物半導体層表面に色素を担持させた。そして、作用極を色素溶液から引き上げた後、上記混合溶媒で洗浄した。
【0082】
次に、50mm×50mm×0.04mmの寸法を有するTi板を用意し、このTi板に、三次元RFスパッタ装置を用いてPtを蒸着させ、対極を得た。
【0083】
一方、色素を担持した作用極、対極及び電解質を封止する外装フィルムとして、50μm×70mm×70mmのの寸法を有するPETフィルムを2枚用意した。
【0084】
そして、1枚のPETフィルム上に、エチレン−メタクリル酸共重合体(商品名:ニュクレル、三井・デュポンポリケミカル社製)からなる四角環状の樹脂シートを配置した。この樹脂シートとしては、20μm×70mm×70mmの寸法を有するシートに、50mm×50mmの開口を形成したものを用いた。そして、この樹脂シートの内側に、色素を担持した作用極を配置した。続いて、樹脂シートの内側に、メトキシアセトニトリルを溶媒とする揮発性電解質を注入した。その後、色素を担持した作用極に対向するように対極、樹脂シート及びもう1枚のPETフィルムを順次重ね合わせた。このとき、樹脂シートとしては、エチレン−メタクリル酸共重合体(商品名:ニュクレル、三井・デュポンポリケミカル社製)からなり、20μm×70mm×70mmの寸法を有する四角形状の樹脂シートを配置した。そして、PETフィルムの周縁部を熱圧着し、色素増感太陽電池を得た。
【0085】
(実施例2)
第1集電体及び第2集電体を平織物に織り込まず、第1集電体及び第2集電体を平織物の外側の面上に載せ、第1集電体を第2線材に、第2集電体を第1線材に抵抗溶接にて接合させたこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池を作製した。
【0086】
(比較例1)
第1集電体のみを平織物に織り込み、第2集電体を平織物に設けなかったこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池を作製した。
【0087】
(比較例2)
第1集電体及び第2集電体のいずれも平織物に設けなかったこと以外は実施例1と同様にして色素増感太陽電池を作製した。
【0088】
[特性評価]
実施例1〜2及び比較例1〜2で得られた色素増感太陽電池に対し、ソーラーシミュレータ(AM1.5、100mW/cm)にて光を照射して、電流電位曲線を得た。そして、この電流電位曲線の結果から発電効率を算出した。結果を表1に示す。
【表1】

【0089】
表1に示す結果より、実施例1〜2の色素増感太陽電池は、比較例1〜2の色素増感太陽電池に比べて、発電効率が十分に高くなっていることが分かった。
【0090】
このことから、本発明の色素増感太陽電池は、第1集電体及び第2集電体をそれぞれ第2線材及び第1線材に接触させることで、色素増感太陽電池に優れた発電効率を付与できることが確認された。
【符号の説明】
【0091】
2…作用極
3…対極
5…電解質
21…織物
21A…第1線材
21B…第2線材
22A…第1集電体
22B…第2集電体
23…多孔質酸化物半導体層
100…色素増感太陽電池



【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性の第1線材に交差するように導電性の第2線材を織り込んで成る織物と、
前記第2線材に接触するように設けられる第1集電体と、
前記第1線材に接触するように設けられる第2集電体と、
前記織物を被覆する多孔質酸化物半導体層とを備えており、
前記第1集電体及び前記第2集電体が、前記第1線材及び前記第2線材よりも低い抵抗を有することを特徴とする作用極。
【請求項2】
前記第1集電体が溶接によって前記2線材と接合され、前記第2集電体が溶接によって前記第1線材と接合されている請求項1に記載の作用極。
【請求項3】
前記第1集電体及び前記第2集電体がそれぞれ、前記第1線材及び前記第2線材よりも大きい断面積を有する請求項1又は2に記載の作用極。
【請求項4】
前記第1集電体及び前記第2集電体がいずれも帯状である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の作用極。
【請求項5】
前記第1線材及び前記第2線材がそれぞれ、コア部と、前記コア部を被覆する被覆層とを有し、前記被覆層がTiを含み、前記コア部が、前記被覆層よりも低い抵抗を有する金属材料で構成される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の作用極。
【請求項6】
前記第1集電体及び前記第2集電体が前記織物に織り込まれている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の作用極。
【請求項7】
前記第1集電体及び前記第2集電体がそれぞれ、前記織物において等間隔に複数本設けられている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の作用極。
【請求項8】
作用極と、
前記作用極に対向配置される対極と、
前記作用極及び前記対極に接触する電解質とを備えており、
前記作用極が、請求項1〜7のいずれか一項に記載の作用極で構成される色素増感太陽電池。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−84240(P2012−84240A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−227057(P2010−227057)
【出願日】平成22年10月6日(2010.10.6)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【Fターム(参考)】