使用インジケータを備える患者専用管類セットを有する多投与医療流体注入システム
単回使用、単独患者、または患者専用管類セット(300)について、開示される。管類セット(300)は、少なくとも1つの逆止弁(304)とともに、使用インジケータ(320)を含む。本使用インジケータ(320)は、管類セット(300)が注入のためにすでに使用されている場合、可視表示を提供する。この点において、ピストン(340)は、ある流体圧力に曝露されると、ある位置から別の位置に移動する。一実施形態において、医療流体注入システムは、注入デバイスと、該注入デバイスと相互接続される多患者管類セットと、該多患者管類セットと相互接続される患者専用管類セットであって、少なくとも1つの弁と、該患者専用管類セットを通る流動に応答して、第1の位置から第2の位置に移動可能な使用インジケータとを備える、患者専用管類セットとを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本願は、米国仮出願第61/167,551号(2009年4月8日出願、名称「MULTI−DOSE MEDICAL FLUID INJECTION SYSTEM HAVING PATIENT−SPECIFIC TUBING SET WITH USE INDICATOR」)に基づく優先権を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、概して、再使用可能、すなわち、多患者管類セット(例えば、複数の患者によって使用するため)とともに、使い捨てまたは単回使用、すなわち、患者専用管類セット(例えば、単独患者によって使用するため)を有する、医療流体注入システムの分野に関する。
【背景技術】
【0003】
種々の医療手技は、1つ以上の医療流体が患者に注入されることを要求する。例えば、医療撮像手技は、しばしば、おそらく生理食塩水または他の流体とともに、患者への造影剤の注入を伴う。他の医療手技は、治療目的で患者に1つ以上の流体を注入することを伴う。自動注入器が、これらの種類の用途に使用され得る。
【0004】
自動注入器は、概して、一般的に、パワーヘッドと呼ばれるものを含む。1つ以上のシリンジが、種々の様式で(例えば、着脱可能に、後方装填式、前方装填式、側面装填式)パワーヘッドに搭載され得る。各シリンジは、典型的には、シリンジプランジャ、ピストン等として特徴付けられ得るものを含む。シリンジプランジャドライバの動作が、シリンジの外筒の内側で、およびそれに対して、関連シリンジプランジャを軸方向に前進させるように、それぞれのそのようなシリンジプランジャは、パワーヘッドに組み込まれる適切なシリンジドライバと界面接触する(例えば、接触および/または一時的に相互接続する)ように設計される。1つの典型的なシリンジプランジャドライバは、ネジ山付き主ネジまたは駆動ネジに搭載される、ラムの形態である。1つの回転方向への駆動ネジの回転が、1つの軸方向に関連ラムを前進させる一方で、反対の回転方向への駆動ネジの回転は、反対の軸方向に関連ラムを前進させる。
【0005】
自動注入器によって使用されるシリンジを分類する方法の1つは、流体によって充填または装填される様式である。自動注入器シリンジは、予充填され得る。すなわち、シリンジは、ある施設において、流体で充填され、次いで、別の施設(例えば、最終用途施設)に出荷される。空のシリンジが、最終用途施設に出荷され、次いで、少なくとも2つの一般的様式において、流体で充填され得る。空のシリンジが、最終用途施設(例えば、充填部)内のある場所において、流体で充填され、次いで、最終用途施設(例えば、撮像室)内の別の場所に輸送され得、そこで、次いで、流体を含むシリンジが、自動注入器に設置される。代替として、空のシリンジは、最終用途施設(例えば、撮像室)において、自動注入器に設置され、次いで、流体によって装填または充填され得る。
【0006】
個々の空のシリンジは、上述に従って、単回投与容器として特徴付けられ得るものから充填され得る。この場合、シリンジは、単独患者における単回注入のために使用される。それによって、本単回注入後、シリンジ内に残留する造影剤は、無駄となる。また、自動注入器から患者へと延在する管類セット全体も(1つ以上の弁およびカテーテル等、管類セットに組み込まれ得る、種々の構成要素を含む)、廃棄される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書で使用される場合、「流体的に相互接続された」等の語句は、2つ以上の構成要素または実体が、その間を流体が(例えば、一方向に、または双方向に)流動できるような様式で(直接または間接的に)、接続されていることを指す。例えば、「注入デバイスが患者と流体的に相互接続されている」とは、流体が、注入デバイスから任意の相互接続デバイス((例えば、管類、コネクタ)を介して患者の中へ(例えば、患者の血管系の中へ)流動することができる、構成を表す。
【0008】
本明細書で使用される場合、「流動的に隔絶された」等の語句は、その間の流体の流動が少なくとも一時的に妨害されることが意図される、構成要素または実体の関係を表す。例えば、「注入デバイスが患者から流動的に隔絶されている」とは、注入デバイスからの流体が、患者に流動するのを少なくとも一時的に妨害されることが意図される構成を表す。そのような流動不能は、相互接続デバイスが、現在、注入デバイスおよび患者を流動的に接続していないため、あるいは弁等の1つ以上のデバイスが、現在、注入デバイスと患者との間の流動を妨害するように意図される、構成または配置にあるためであり得る。
【0009】
本明細書で使用される場合、「着脱可能に相互接続された」とは、構成要素または実体が相互接続されるが、なお相互から離脱あるいは分断される能力を保持し、離脱もしくは分断後に、構成要素または実体のうちの少なくとも1つが再使用可能な状態にあり続ける構成要素あるいは実体間の関係を表す。例えば、「多患者管類セットが患者専用管類セットと着脱可能に相互接続されている」とは、多患者管類セットが、現在、多患者管類セットが患者専用管類セットから離脱または分断可能な様式で、患者専用管類と相互接続されている状態を表す。さらに、分断後、多患者管類セットおよび患者専用管類セットのうちの少なくとも1つは、別の構成要素と相互接続(例えば、着脱可能に)される能力を保持する(例えば、同一多患者管類セットが、ある患者専用管類セットと同時に相互接続され、そこから分断後、別の患者専用管類セットと相互接続され得るように)。
【0010】
本発明の第1の局面は、注入デバイスと、多患者管類セットと、患者専用管類セットとを使用する、医療流体注入システムによって具現化される。多患者管類セットは、患者専用管類セットと注入デバイスとの間に配置される(例えば、多患者管類セットと患者専用管類セットとの間の着脱可能相互接続によって)。患者専用管類セットは、少なくとも1つの弁とともに、患者専用管類セットを通る流動に応答して、第1の位置から第2の位置に移動可能な使用インジケータを含む。
【0011】
本発明の第2の局面は、注入デバイスと、多患者管類セットと、患者専用管類セットとを使用する、医療流体注入システムによって具現化される。多患者管類セットは、患者専用管類セットと注入デバイスとの間に配置される(例えば、多患者管類セットと患者専用管類セットとの間の着脱可能相互接続によって)。患者専用管類セットは、少なくとも1つの弁とともに、使用インジケータを含む。使用インジケータは、筐体と、筐体内に移動可能に配置され、筐体を通る流路と界面接触するピストンとを含む。
【0012】
いくつかの特徴の改良および追加特徴が、本発明の上述の第1および第2の局面のそれぞれに、別個に適用可能である。これらの特徴の改良および追加特徴は、個別に、または任意の組み合わせで使用され得る。そのようなものとして、論議される以下の特徴のそれぞれは、任意の他の特徴または第1および第2の局面の特徴の組み合わせとともに使用され得るが、そのように要求はされない。以下の論議は、本発明の第3の局面の論議の開始まで、第1および第2の局面それぞれに別個に適用可能である。
【0013】
任意の適切な弁が、患者専用管類セットによって利用され得、例えば、逆止弁である。第1および第2の弁(例えば、二重逆止弁)は、患者専用管類セットを通る流路に沿って配置され得る。1つ以上の弁が、患者専用管類セットによって利用され、任意の種類の汚染物が、そのような弁を越えて進み、多患者管類セットおよび/または注入デバイスに到達する潜在性を低減させ得る。多患者管類セットおよび/または注入デバイスの汚染は、(例えば、異なる患者のために)それを最初に滅菌することなく、後続注入のために使用されるその能力に影響を及ぼし得る。
【0014】
使用インジケータをその第2の位置に有することは、患者専用管類セットが使用されたことの可視表示を提供する目的のためであり得る(例えば、廃棄されるべきであるように、すなわち、最初に滅菌されることなく、再使用されるべきではないように)。使用インジケータは、その第2の位置に移動後、ロックされ得る。使用インジケータは、その第2の位置において、突出された構成にあり得、したがって、使用インジケータは、ポップアップまたはポップアウト式インジケータとして特徴付けられ得る。
【0015】
使用インジケータは、筐体と、筐体内に移動可能に配置され、筐体を通る流路と界面接触するピストンとを含み得る。したがって、流路内の流体は、ピストンに接触し得、流路内の流体の圧力は、ピストンに力を付与し得る。ピストンは、筐体を通る流路内である流体圧力に曝露されると、第1の位置から第2の位置に軸方向に移動し得、筐体を通る流動に対して直角である経路にそって移動し得、または両方であり得る。ピストンの少なくとも一部は、ピストンがその第2の位置にある時、筐体を越えて突出または延在し得る。ピストンは、その第1の位置からその第2の位置に移動すると、空間中に向けられるものとして特徴付けされ得る(例えば、ピストンが、本空間と界面接触するように、すなわち、ピストンが、その第1の位置からその第2の位置に移動することによって、別の構造(使用インジケータに加えたある構造)と物理的に接触しないように)。1つ以上の戻り止め等が、その第2の位置に移動後、ピストンをロックまたは抑止するために、筐体中に組み込まれ得る。一実施形態では、第1の位置からその第2の位置にピストンを移動させるために、少なくとも15psiの流体圧力が要求される。
【0016】
注入デバイスは、任意の適切な種類であり得、例えば、自動注入器である。システムは、他の構成要素を含み得る。一実施形態では、システムは、注入デバイスを「再装填」するために使用され得る、流体源を含む(例えば、新しい患者専用管類セットのために、以前の患者専用管類セットを切り替えた後、別の患者に流入を提供するために)。
【0017】
本発明の第3の局面は、医療流体注入システムを使用する方法によって具現化される。第1の患者専用管類セットは、多患者管類セットと相互接続される。流体は、多患者管類セットを通して、次いで、第1の患者専用管類セットを通して、向けられる。第1の患者専用管類セットを通るいかなる逆流も、遮断作用に曝露され、それによって、多患者管類セットに到達可能となることが意図されされない(例えば、多患者管類セットが、異なる患者において、再使用され得るために、汚染されないように)。第1の患者専用管類セットは、第1の使用インジケータを含み得、第1の使用インジケータが、少なくともある状態に曝露されると、物理的変化の形態としての単一応答が、誘発される。
【0018】
いくつかの特徴の改良および追加特徴が、本発明の第3の局面に適用可能である。これらの特徴の改良および追加特徴は、個別に、または任意の組み合わせで使用され得る。そのようなものとして、論議される以下の特徴のそれぞれは、任意の他の特徴または第3の局面の特徴の組み合わせとともに使用され得るが、そのように要求はされない。以下の議論は、少なくとも本発明の第3の局面に適用可能である。
【0019】
第1の使用インジケータの「物理的変化」は、任意の適切な種類であり得る。代表的物理的変化は、第1の使用インジケータ全体のサイズ変化、第1の使用インジケータ全体の形状変化、または両方であり得る。例えば、第1の使用インジケータが、ピストン筐体に対して、移動可能に配置されるピストンの形態にある場合、物理的変化は、筐体に対するピストンの移動から生じ得る(例えば、筐体に対して、突出または「より突出した」位置へと)。ピストンは、本移動を提供するために、変形しなくてもよいが、第1の使用インジケータの形状全体は、ピストンが、筐体に対して突出/より突出された位置へと移動すると、依然として、変化するものとして適切に特徴付けられ得る。
【0020】
第1の使用インジケータの単一の誘発された応答は、第1の位置から第2の位置への第1のインジケータ要素の移動であり得る。第1のインジケータ要素は、その第2の位置に移動後、保持され得る。第1のインジケータ要素の移動は、いくつかの特徴付けに対する主題である。1つは、本移動が、第1のインジケータ要素の変形を伴うことなく始動され得ることである。すなわち、本特徴付けでは、第1のインジケータ要素自体は、第1の位置から第2の位置に移動する際、サイズおよび/または形状変化を経験する必要はない。もう1つは、本移動が、第1のインジケータ要素を視覚的に観察可能な位置(例えば、突出位置)に移動させることを伴い得ることである。さらにもう1つは、本移動が、第1のインジケータ要素を空間中に移動させることを伴い得ることである。一実施形態では、第1のインジケータ要素は、ピストンの形態であり得る。
【0021】
第1の患者専用管類セットは、多患者管類セットから分断され(例えば、流体が第1の患者に注入される、第1の患者に関連する注入プロトコルの完了後)、第2の患者専用管類セットが、多患者管類セットと接続され得る。第1の患者専用管類セットに関連する種々のステップは、本第2の患者専用管類セットのために繰り返され得る(例えば、注入プロトコルは、第2の患者に関して実行され、そこで、流体が、第2の患者に注入され得る)。第1および第2の患者専用管類セットそれぞれを通して向けられる流体は、共通流体源から取得され得る。
【0022】
いくつかの特徴の改良および追加特徴が、本発明の上述の第1、第2、および第3の局面のそれぞれに、別個に適用可能である。これらの特徴の改良および追加特徴は、上述の本発明の第1、第2、および第3の局面のそれぞれに関して、個別に、または任意の組み合わせで使用され得る。「単数の」という文脈等に限定されることを目的とする、本発明の任意の他の種々の局面の任意の特徴は、「唯一の」、「単一の」、「限定される」等の用語によって、本明細書で明確に説明される。一般的に受け入れられている根拠の実践に従って特徴を導入するだけでは、対応する特徴を単数に限定されない(例えば、自動注入器が「1つのシリジンジ」を含むことを示すだけでは、自動注入器が単一のシリンジしか含まないことを意味しない)。また、「少なくとも1つの」等の語句を使用しないことも、対応する特徴を単数に限定しない(例えば、自動注入器が「1つのシリジンジ」を含むことを示すだけでは、自動注入器が単一のシリンジしか含まないことを意味しない)。特定の特徴に関する「少なくとも概して」等といった語句の使用は、対応する特性およびそのごくわずかな変形例を包含する(例えば、シリンジ外筒が少なくとも概して円筒形であると示すことで、円筒形であるシリンジ外筒を包含する)。最後に、1つ以上の特徴に関する「一実施形態では」といった語句の使用は、関連特徴の使用を単一の実施形態に限定しない。
【0023】
注入デバイスは、多使用流体セットと、少なくとも1つの患者専用流体セットとを使用して、流体を送達するために使用され得る。一実施形態では、注入デバイスは、自動注入器である。流体放出を提供するために利用され得る、任意の自動注入器は、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類であり得る。任意のそのような自動注入器は、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類の1つ以上のシリンジプランジャドライバを利用し得、それぞれのそのようなシリンジプランジャドライバは、少なくとも双方向運動(例えば、流体を放出するための第1の方向の運動、流体の装填または後続の流体放出動作のための位置に戻るための第2の方向の運動)が可能であり、それぞれのそのようなシリンジプランジャドライバは、(例えば、流体を放出するように)少なくとも1つの方向にシリンジプランジャを前進させることができるよう、任意の適切な様式で(例えば、機械的接触によって、(機械的または別様の)適切な連結によって)、その対応するシリンジプランジャと相互作用し得る。各シリンジプランジャドライバは、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類の1つ以上の駆動源を利用し得る。複数の駆動源出力が、所与の時に単一のシリンジプランジャを前進させるように任意の適切な様式で組み合わせられ得る。1つ以上の駆動源が、単一のシリンジプランジャドライバ専用であり得、1つ以上の駆動源が、複数のシリンジプランジャドライバと関連し得(例えば、1つのシリンジプランジャから別のシリンジプランジャに出力を変更するように、ソートの伝送を組み込む)、またはそれらの組み合わせである。代表的な駆動源の形態は、ブラシ付きまたはブラシレス電気モータ、油圧モータ、空気モータ、圧電モータ、またはステッピングモータを含む。
【0024】
任意のそのような自動注入器は、任意の適切な医療用途(例えば、コンピュータ断層撮影法またはCT撮像、磁気共鳴映像法またはMRI、単光子放射型コンピュータ断層撮影法またはSPECT撮像、陽電子放射型コンピュータ断層撮影法PET撮像、X線撮像、血管造影法、光学撮像、超音波撮像)を無制限に含む、1つ以上の医療流体の送達が所望される任意の適切な用途に使用され得る。任意のそのような自動注入器は、適切な撮像システム(例えば、CTスキャナ)等の、任意の構成要素または構成要素の組み合わせと併せて使用され得る。例えば、任意のそのような自動注入器と1つ以上の他の構成要素との間で、情報を伝えることができる(例えば、スキャン遅延情報、注入開始信号、注入速度)。
【0025】
任意の適切な数のシリンジが、任意の適切な様式で(例えば、着脱可能に、前方装填式、後方装填式、側面装填式)、任意のそのような自動注入器とともに利用され得、任意の適切な医療流体が、任意のそのような自動注入器の所与のシリンジから放出され得(例えば、造影剤、放射性医薬品、生理食塩水、およびそれらの任意の組み合わせ)、任意の適切な流体が、任意の適切な様式で(例えば、連続的に、同時に)多重シリンジ自動注入器構成から放出され得、またはそれらの任意の組み合わせである。一実施形態では、自動注入器の動作によってシリンジから放出される流体は、導管(例えば、医療管類セット)の中へ向けられ、本導管は、任意の適切な様式でシリンジと流体的に相互接続され、流体を所望の場所に(例えば、注入のために患者に挿入されるカテーテルに)向けられる。複数のシリンジが、(例えば、単一の注入部位に提供するために)共通導管の中へ放出し得、または1つのシリンジが、(例えば、1つの注入部位に提供するために)1つの導管の中へ放出し得る一方で、別のシリンジは、(例えば、異なる注入部位に提供するために)異なる導管の中へ放出し得る。一実施形態では、各シリンジは、シリンジ外筒と、シリンジ外筒内に配置され、かつシリンジに対して移動可能であるプランジャとを含む。本プランジャは、シリンジプランジャ駆動アセンブリが、少なくとも1つの方向に、およびおそらくは2つの異なる反対方向に、プランジャを前進させることができるように、自動注入器のシリンジプランジャ駆動アセンブリと界面接触し得る。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1は、自動注入器の一実施形態の概略図である。
【図2A】図2Aは、携帯型スタンド搭載式の二重ヘッド自動注入器の一実施形態の斜視図である。
【図2B】図2Bは、図2Aの自動注入器によって使用される、パワーヘッドの拡大部分分解斜視図である。
【図2C】図2Cは、図2Aの自動注入器によって使用される、シリンジプランジャ駆動アセンブリの一実施形態の概略図である。
【図3A】図3Aは、携帯型スタンド搭載式の二重ヘッド自動注入器の一実施形態の斜視図である。
【図3B】図3Bは、図3Aの多投与注入システムによって使用され得る、バルク流体容器ホルダモジュールの斜視図である。
【図4A】図4Aは、図3Aの多投与注入システムによって使用され得る、多使用管類セットの斜視図である。
【図4B】図4Bは、図3Aの多投与注入システムによって使用され得る、患者専用管類セットの斜視図である。
【図5A】図5Aは、図3Aの多投与注入システムによって使用され得る、カセットの斜視上面図である。
【図5B】図5Bは、図5Aのカセットの斜視底面図である。
【図6】図6は、多投与注入システムから複数の患者に医療流体を送達する方法の工程図である。
【図7】図7は、多患者管類セットおよび患者専用管類セットの両方を使用する、多投与注入システムの別の実施形態の概略図である。
【図8】図8は、多患者管類セットおよび患者専用管類セットの両方を使用する、多投与注入システムの別の実施形態の概略図である。
【図9A】図9Aは、図7−8の多投与注入システムによって使用され得る、患者専用管類セットの一実施形態の斜視図である。
【図9B】図9Bは、図9Aの患者専用管類セットから、その「使用済み」位置にある、インジケータの斜視図である。
【図9C】図9Cは、図9Aの患者専用管類セットからのインジケータの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、パワーヘッド12を有する、自動注入器10の形態における注入デバイスの一実施形態の概略図を表す。1つ以上のグラフィカルユーザインターフェースまたはGUI11は、パワーヘッド12と関連付けられ得る。各GUI11は、1)任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類であり得る、2)任意の適切な様式で、パワーヘッド12と動作可能に相互接続され得る、3)任意の適切な場所に配置され得る、4)以下の機能の1つまたは任意の組み合わせを提供するように構成され得;自動注入器10の動作の1つ以上の側面を制御する、自動注入器10の動作と関連する1つ以上のパラメータを入力/編集する、(例えば、自動注入器10の動作と関連する)適切な情報を表示するといった、機能のいずれかを提供するように構成され得、または5)先述の内容の任意の組み合わせである。任意の適切な数のGUI11が利用され得る。一実施形態では、自動注入器10は、パワーヘッド12とは別であるが、パワーヘッド12と通信するコンソールによって組み込まれるGUI11を含む。別の実施形態では、自動注入器10は、パワーヘッド12の一部であるGUI11を含む。さらに別の実施形態では、自動注入器10は、パワーヘッド12と通信する別個のコンソール上で1つのGUI11を利用し、また、パワーヘッド12上にある別のGUI11も利用する。各GUI11は、同じ機能性または一式の機能性を提供することができ、またはGUI11は、それぞれの機能性に関して、少なくともある点で異なり得る。
【0028】
シリンジ28は、本パワーヘッド12上に設置され得、設置されると、自動注入器10の一部と見なされ得る。いくつかの注入手技は、シリンジ28内で生成される比較的高い圧力をもたらし得る。この点において、圧力ジャケット26内にシリンジ28を配置することが望ましいことがある。圧力ジャケット26は、典型的には、パワーヘッド12上にシリンジ28を設置するステップの一部として、またはそのステップの後に、シリンジ28がその中に配置されることを可能にする様式で、パワーヘッド12と関連付けられる。圧力ジャケット26は、典型的には、種々のシリンジ28が、複数の注入手技のために、圧力ジャケット26内に位置付けられ、そこから除去される際に、パワーヘッド12と関連付けられたままとなる。自動注入器10が低圧注入のために構成/利用される場合、および/または、自動注入器10とともに利用されるシリンジ28が、圧力ジャケット26によって提供される追加支持なしで、高圧注入に耐えるのに十分な耐久性である場合に、自動注入器10は、圧力ジャケット26を排除し得る。いずれの場合でも、シリンジ28から放出される流体は、任意の適切な様式でシリンジ28と流体的に相互接続され得、流体を任意の適切な場所に(例えば、患者に)向け得る、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類の導管38の中へ向けられ得る。
【0029】
パワーヘッド12は、シリンジ28から流体を放出するようにシリンジ28(例えば、そのプランジャ32)と相互作用する(例えば、界面接触する)シリンジプランジャ駆動アセンブリまたはシリンジプランジャドライバ14を含む。本シリンジプランジャ駆動アセンブリ14は、駆動出力18(例えば、回転可能な駆動ネジ)に電力供給する、駆動源16(例えば、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類のモータ、オプションの歯車装置等)を含む。ラム20は、駆動出力18によって、適切な経路(例えば、軸方向)に沿って前進させられ得る。ラム20は、以下で論議される様式で、シリンジ28の対応する部分と相互作用または界面接触するための連結器22を含み得る。
【0030】
シリンジ28は、(例えば、双頭矢印Bと一致する軸に沿った軸方向の往復運動のために)シリンジ外筒30内に移動可能に配置されるプランジャまたはピストン32を含む。プランジャ32は、連結器34を含み得る。本シリンジプランジャ連結器34は、シリンジプランジャ駆動アセンブリ14がシリンジ外筒30内でシリンジプランジャ32を後退させることを可能にするように、ラム連結器22と相互作用または界面接触し得る。シリンジプランジャ連結器34は、ヘッドまたはボタン36bとともに、シリンジプランジャ32の本体から延在する、シャフト36aの形態であり得る。しかしながら、シリンジプランジャ連結器34は、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類であり得る。
【0031】
概して、自動注入器10のシリンジプランジャ駆動アセンブリ14は、(例えば、対応するシリンジ28から流体を放出するように)少なくとも1つの方向に(シリンジ外筒30に対して)シリンジプランジャ32を移動または前進させることできるよう、任意の適切な様式で(例えば、機械的接触によって、(機械的または別様の)適切な連結によって)シリンジ28のシリンジプランジャ32と相互作用し得る。すなわち、シリンジプランジャ駆動アセンブリ14は、(例えば、同駆動源16の動作を介して)双方向運動が可能であり得るが、自動注入器10は、シリンジプランジャ駆動アセンブリ14の動作が、実際には、自動注入器10によって使用されている各シリンジプランジャ32を1つの方向にしか移動させないように構成され得る。しかしながら、シリンジプランジャ駆動アセンブリ14は、2つの異なる方向のそれぞれに(例えば、共通軸方向経路に沿った異なる方向に)、それぞれのそのようなシリンジプランジャ32を移動させることができるよう、自動注入器10によって使用されている各シリンジプランジャ32と相互作用するように構成され得る。
【0032】
シリンジプランジャ32の後退は、後続の注入または放出のために、シリンジ外筒30の中への流体の装填に適応するために利用され得、後続の注入または放出のために、または任意の他の適切な目的で、シリンジ外筒30の中へ流体を実際に引き込むために利用され得る。ある構成は、シリンジプランジャ駆動アセンブリ14がシリンジプランジャ32を後退させることができることを求めないことがあり、ラム連結器22およびシリンジプランジャ連結器34が必要でないことがある。この場合、シリンジプランジャ駆動アセンブリ14は、(例えば、別の予充填されたシリンジ28が設置された後に)別の流体送達動作を実行する目的で後退させられ得る。ラム連結器22およびシリンジプランジャ連結器34が利用される時でさえも、ラム20がシリンジプランジャ32を前進させて、シリンジ28から流体を放出する(例えば、ラム20が、単純にシリンジプランジャ連結器34、またはシリンジプランジャ32の近位端を直接「押し進め」てもよい)時に、これらの構成要素は連結されてもされなくてもよい。ラム連結器22およびシリンジプランジャ連結器34を連結状態または条件で配置するため、ラム連結器22およびシリンジプランジャ連結器34を非連結状態または条件で配置するため、または両方のために、任意の適切な寸法または寸法の組み合わせで、任意の単一の運動または運動の組み合わせが利用され得る。
【0033】
シリンジ28は、任意の適切な様式で、パワーヘッド12上に設置され得る。例えば、シリンジ28は、パワーヘッド12上に直接設置されるように構成することができる。図示された実施形態では、シリンジ28とパワーヘッド12との間に界面を提供するように、筐体24がパワーヘッド12上に適切に搭載される。この筐体24は、シリンジ28の1つ以上の構成が設置され得るアダプタの形態であり得、シリンジ28の少なくとも1つの構成は、任意のそのようなアダプタを使用することなく、パワーヘッド12上に直接設置することができる。また、筐体24は、シリンジ28の1つ以上の構成が設置され得る、面板の形態であり得る。この場合、面板は、パワーヘッド12上にシリンジ28を設置するために要求されるようなものであり得、面板なしでシリンジ28をパワーヘッド12上に設置することはできない。圧力ジャケット26が使用されている時は、シリンジ28に関して本明細書で論議される種々の様式で、圧力ジャケット26がパワーヘッド12上に設置され得、次いで、シリンジ28は、その後、圧力ジャケット26の中に設置される。
【0034】
筐体24は、シリンジ28を設置する時に、パワーヘッド12上に搭載され、パワーヘッド12に対して固定位置に留まり得る。別の選択肢は、シリンジ28の設置に適応するように、筐体24およびパワーヘッド12を移動可能に相互接続することである。例えば、筐体24は、双頭矢印Aを含む平面内で移動して、ラム連結器22とシリンジプランジャ連結器34との間で、連結状態または条件および非連結状態または条件のうちの1つ以上を提供し得る。
【0035】
1つの特定の自動注入器構成が、図2Aに図示され、参照数字40によって識別され、少なくとも概して、図1の自動注入器10に従う。自動注入器40は、携帯型スタンド48上に搭載されるパワーヘッド50を含む。自動注入器40用の一対のシリンジ86a、86bが、パワーヘッド50上に搭載される。流体が、自動注入器40の動作中にシリンジ86a、86bから放出され得る。
【0036】
携帯型スタンド48は、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類であり得る。スタンド48を携帯型にするために、車輪、ローラ、キャスタ等が利用され得る。パワーヘッド50は、携帯型スタンド48に対して固定位置で維持することができる。しかしながら、少なくとも何らかの様式で、パワーヘッド50の位置が携帯型スタンド48に対して調整可能となることを可能にすることが望ましいことがある。例えば、シリンジ86a、86bのうちの1つ以上の中へ流体を装填または引出する時に、携帯型スタンド48に対して1つの位置でパワーヘッド50を有すること、および注入手技の実施のために携帯型スタンド48に対して異なる位置でパワーヘッド50を有することが望ましいことがある。この点において、パワーヘッド50は、任意の適切な様式で(例えば、パワーヘッド50が少なくともある可動域を通して旋回させられ、その後、所望の位置で維持され得るように)携帯型スタンド48と移動可能に相互接続され得る。
【0037】
パワーヘッド50は、流体を提供するために任意の適切な様式で支持することができると理解されたい。例えば、携帯型構造上に搭載される代わりに、パワーヘッド50は、支持アセンブリと相互接続することができ、支持アセンブリは、順に、適切な構造(例えば、天井、壁、床)に搭載される。パワーヘッド50用の任意の支持アセンブリが、(例えば、1つ以上の他の支持セクションに対して位置付け直され得る1つ以上の支持セクションを有することによって)少なくとも何らかの点で位置調整可能であり得、または固定位置で維持され得る。また、パワーヘッド50は、固定位置で維持されるよう、または支持アセンブリに対して調整可能となるよう、任意のそのような支持アセンブリと統合され得る。
【0038】
パワーヘッド50は、グラフィカルユーザインターフェースまたはGUI52を含む。本GUI52は、自動注入器40の動作の1つ以上の側面を制御する自動注入器40の動作と関連する1つ以上のパラメータを入力/編集し、および(例えば、自動注入器40の動作と関連する)適切な情報を表示する機能のうちの1つ、または任意の組み合わせを提供するように構成され得る。また、自動注入器40は、それぞれ任意の適切な様式で(例えば、1つ以上のケーブルを介して)、パワーヘッド50と通信し得る、検査室の中または任意の他の適切な場所でテーブル上に配置されるか、または電子機器ラック上に搭載されるか、または両方であり得る、コンソール42および電力パック46を含み得る。電力パック46は、注入器40用の電力供給部、コンソール42とパワーヘッド50との間の通信を提供するためのインターフェース回路、遠隔コンソール、遠隔手動または足踏み制御スイッチ、または他の相手先ブランド製造業者(OEM)の遠隔制御接続(例えば、自動注入器40の動作が撮像システムのX線被曝と同期化されることを可能にする)等の遠隔ユニットへの自動注入器40の接続を可能にするための回路、および任意の他の適切な構成要素のうちの1つ以上を、任意の適切な組み合わせで含み得る。コンソール42は、タッチスクリーンディスプレイ44を含み得、それは順に、操作者が自動注入器40の動作の1つ以上の側面を遠隔制御することを可能にし、操作者が自動注入器40の動作と関連する1つ以上のパラメータを入力/編集することを可能にし、操作者が自動注入器40の自動化動作のためのプログラムを特定し、記憶することを可能にし(後に、操作者による開始時に自動注入器40によって自動的に実行することができる)、および自動注入器40の動作と関連し、その動作の任意の側面を含む任意の適切な情報を表示する機能のうちの1つ以上を任意の適切な組み合わせで提供し得る。
【0039】
パワーヘッド50とのシリンジ86a、86bの統合に関する種々の詳細を図2Bに提示する。シリンジ86a、86bのそれぞれは、同じ一般的構成要素を含む。シリンジ86aは、シリンジ外筒88a内で可動性に配置されるプランジャまたはピストン90aを含む。パワーヘッド50の動作を介した、軸100a(図2A)に沿ったプランジャ90aの運動は、シリンジ86aのノズル89aを通してシリンジ外筒88a内から流体を放出する。適切な導管(図示せず)が、典型的には、流体を所望の場所(例えば、患者)に向けるように、任意の適切な様式で、ノズル89aと流体的に相互接続される。同様に、シリンジ86bは、シリンジ外筒88b内で移動可能に配置されるプランジャまたはピストン90bを含む。パワーヘッド50の動作を介した、軸100b(図2A)に沿ったプランジャ90bの運動は、シリンジ86bのノズル89bを通してシリンジ外筒88b内から流体を放出する。パワーヘッド50の動作を介した、軸100b(図2A)に沿った第1の方向と反対方向におけるプランジャ90bの運動は、パワーヘッド50が、流体源に流体的に相互接続される場合、シリンジ86bのノズル89bを通してシリンジ外筒88b中に流体を装填し得る。適切な導管(図示せず)が、典型的には、流体を所望の場所(例えば、患者)に向くように、および/または所望の場所(例えば、流体容器)から流体を装填するように、任意の適切な様式で、ノズル89bと流体的に相互接続される。
【0040】
シリンジ86aは、中間面板102aを介して、パワーヘッド50と相互接続される。本面板102aは、シリンジ外筒88aの少なくとも一部を支持し、任意の追加機能性または機能性の組み合わせを提供/適応し得る架台104を含む。台82aが、面板102aと界面接触するために、パワーヘッド50上に配置され、パワーヘッド50に対して固定される。シリンジ86aに対するシリンジプランジャ駆動アセンブリまたはシリンジプランジャドライバ56(図2C)の各部分である、ラム74(図2C)のラム連結器76は、パワーヘッド50上に搭載されると、面板102aに近接して位置付けられる。シリンジプランジャ駆動アセンブリ56に関する詳細を、図2Cに関して以下でより詳細に論議する。概して、ラム連結器76は、シリンジ86aのシリンジプランジャ90aと連結され得、次いで、ラム連結器76およびラム74(図2C)は、軸100a(図2A)に沿ってシリンジプランジャ90aを移動させるように、パワーヘッド50に対して移動させられ得る。それは、シリンジプランジャ90aを移動させ、シリンジ86aのノズル89aを通して流体を放出する時に、ラム連結器76がシリンジプランジャ90aと係合されるが、実際には連結されないようなものであり得る。
【0041】
面板102aは、パワーヘッド50上の台82aに面板102aを搭載するために、および、パワーヘッド50上の台82aから面板102aを除去するために、(それぞれ、シリンジプランジャ90a、90bの運動と関連し、図2Aに図示される)少なくとも概して、軸100a、100bに対して直角である平面内で移動させられ得る。面板102aは、シリンジプランジャ90aを、パワーヘッド50上の対応するラム連結器76と連結するために使用され得る。この点において、面板102aは、一対のハンドル106aを含む。概して、シリンジ86aが最初に面板102a内に位置付けられると、ハンドル106aは、順に、(それぞれ、シリンジプランジャ90a、90bの運動と関連し、図2Aに図示される)少なくとも概して、軸100a、100bに対して直角である平面内でシリンジ86aを移動/平行移動させるように、移動させられ得る。ハンドル106aを1つの位置に移動させることにより、少なくとも概して下向きの方向に(面板102aに対して)シリンジ86aを移動/平行移動させて、シリンジプランジャ90aを、その対応するラム連結器76と連結する。ハンドル106aを別の位置に移動させることにより、少なくとも概して上向きの方向に(面板102aに対して)シリンジ86aを移動/平行移動させて、シリンジプランジャ90aを、その対応するラム連結器76から分断する。
【0042】
シリンジ86bは、中間面板102bを介して、パワーヘッド50と相互接続される。台82bが、面板102bと界面接触するために、パワーヘッド50上に配置され、パワーヘッド50に対して固定される。シリンジ86bに対するシリンジプランジャ駆動アセンブリ56の各部分である、ラム74(図2C)のラム連結器76は、パワーヘッド50に搭載されると、面板102bに近接して位置付けられる。シリンジプランジャ駆動アセンブリ56に関する詳細を、再度、図2Cに関して以下でより詳細に論議する。概して、ラム連結器76は、シリンジ86bのシリンジプランジャ90bと連結され得、ラム連結器76およびラム74(図2C)は、軸100b(図2A)に沿ってシリンジプランジャ90bを移動させるように、パワーヘッド50に対して移動させられ得る。それは、シリンジプランジャ90bを移動させ、シリンジ86bのノズル89bを通して流体を放出する時に、ラム連結器76がシリンジプランジャ90bと係合されるが、実際には連結されないようなものであり得る。
【0043】
面板102bは、パワーヘッド50上の台82bに面板102bを搭載するために、および、パワーヘッド50上の台82bから面板102bを除去するために、(それぞれ、シリンジプランジャ90a、90bの運動と関連し、図2Aに図示される)少なくとも概して、軸100a、100bに対して直角である平面内で動かされ得る。面板102bはまた、シリンジプランジャ90bを、パワーヘッド50上の対応するラム連結器76と連結するために使用され得る。この点において、面板102bは、一対のハンドル106bを含む。概して、シリンジ86bが最初に面板102b内に位置付けられると、シリンジ86bは、その長軸100b(図2A)に沿って、面板102bに対して回転させられ得る。本回転は、ハンドル106bを動かすことによって、シリンジ86bを把持して旋回させることによって、または両方によって実現され得る。いずれの場合でも、本回転は、(それぞれ、シリンジプランジャ90a、90bの運動と関連し、図2Aに図示される)少なくとも概して、軸100a、100bに対して直角である平面内で、シリンジ86bおよび面板102bの両方を移動/平行移動させる。シリンジ86bを1つの方向に回転させることにより、少なくとも概して下向きの方向にシリンジ86bおよび面板102bを移動/平行移動させて、シリンジプランジャ90bを、その対応するラム連結器76と連結する。シリンジ86bを反対方向に回転させることにより、少なくとも概して上向きの方向にシリンジ86bおよび面板102bを移動/平行移動させて、シリンジプランジャ90bを、その対応するラム連結器76から分断する。
【0044】
図2Bに図示されるように、シリンジプランジャ90bは、プランジャ本体92と、シリンジプランジャ連結器94とを含む。本シリンジプランジャ連結器94は、プランジャ本体92から離間したヘッド96とともに、プランジャ本体92から延在するシャフト98を含む。ラム連結器76のそれぞれは、ラム連結器76の面の上のより小型のスロットの後に位置付けられるより大型のスロットを含む。シリンジプランジャ連結器94のヘッド96は、ラム連結器76のより大型のスロット内に位置付けられ得、シリンジプランジャ連結器94のシャフト98は、シリンジプランジャ90bおよびその対応するラム連結器76が連結状態または条件である時に、ラム連結器76の面の上のより小型のスロットを通って延在し得る。シリンジプランジャ90aは、その対応するラム連結器76と界面接触するために、同様のシリンジプランジャ連結器94を含み得る。
【0045】
パワーヘッド50は、自動注入器40の場合では、シリンジ86a、86bから流体を放出するために利用される。すなわち、パワーヘッド50は、シリンジ86a、86bのそれぞれから流体を放出する原動力を提供する。シリンジプランジャ駆動アセンブリまたはシリンジプランジャドライバとして特徴付けられ得るものの一実施形態が、図2Cに図示され、参照数字56によって識別され、シリンジ86a、86bのそれぞれから流体を放出するために、パワーヘッド50によって利用され得る。別個のシリンジプランジャ駆動アセンブリ56が、シリンジ86a、86bのそれぞれに対するパワーヘッド50に組み込まれ得る。この点において、図2A−Bを再度参照すると、パワーヘッド50は、シリンジプランジャ駆動アセンブリ56のそれぞれを別個に制御する際に使用するための手動ノブ80aおよび80bを含み得る。
【0046】
最初に、図2Cのシリンジプランジャ駆動アセンブリ56に関して、その個々の構成要素のそれぞれは、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類であり得る。シリンジプランジャ駆動アセンブリ56は、出力シャフト60を有するモータ58を含む。駆動歯車62が、モータ58の出力シャフト60上に搭載され、それとともに回転する。駆動歯車62は、被駆動歯車64と係合されるか、または少なくとも係合可能である。本被駆動歯車64は、駆動ネジまたはシャフト66上に搭載され、それとともに回転する。その周囲で駆動ネジ66が回転する軸は、参照数字68によって識別される。1つ以上の軸受72が、駆動ネジ66を適切に支持する。
【0047】
台車またはラム74が、駆動ネジ66上に移動可能に搭載される。概して、1つの方向への駆動ネジ66の回転が、対応するシリンジ86a/bの方向へ駆動ネジ66に沿って(それにより、軸68に沿って)ラム74を軸方向に前進させる一方で、反対方向への駆動ネジ66の回転は、対応するシリンジ86a/bから離れて駆動ネジ66に沿って(それにより、軸68に沿って)ラム74を軸方向に前進させる。この点において、駆動ネジ66の少なくとも一部の周囲は、ラム74の少なくとも一部と界面接触する螺旋ネジ山70を含む。ラム74はまた、駆動ネジ66の回転中にラム74が回転することを可能にしない、適切なブッシング78内で移動可能に搭載される。したがって、駆動ネジ66の回転は、駆動ネジ66の回転方向によって決定される方向で、ラム74の軸方向移動を提供する。
【0048】
ラム74は、対応するシリンジ86a/bのシリンジプランジャ90a/bのシリンジプランジャ連結器94と着脱可能に連結され得る連結器76を含む。ラム連結器76およびシリンジプランジャ連結器94が適切に連結されると、シリンジプランジャ90a/bは、ラム74とともに移動する。図2Cは、シリンジ86a/bが、ラム74に連結されることなく、その対応する軸100a/bに沿って移動させられ得る構成を図示する。シリンジプランジャ90a/bのヘッド96が、ラム連結器76と整列しているが、軸68が依然として図2のオフセット構成にある状態でその対応する軸100a/bに沿って移動させられる場合、シリンジ86a/bは、それに沿ってラム74が移動する軸68に対して直角である平面内で平行移動させられ得る。このことは、上述の様式でラム連結器76とシリンジプランジャ連結器96との間で連結係合を確立する。
【0049】
図1および2A−Cの自動注入器10、40はそれぞれ、流体が対象(例えば、患者)に注入される医療撮像用途に限ることなく、任意の適切な用途に使用され得る。自動注入器10、40の代表的な医療撮像用途は、限定するものではなく、CT撮像、MRI、SPECT撮像、PET撮像、X線撮像、血管造影法、光学撮像、および超音波撮像を含む。自動注入器10、40はそれぞれ、単独で、または1つ以上の他の構成要素と組み合わせて使用することができる。自動注入器10、40はそれぞれ、例えば、情報が自動注入器10、40と1つ以上の他の構成要素との間で伝えられ得るように(例えば、スキャン遅延情報、注入開始信号、注入速度)、1つ以上の構成要素と動作可能に相互接続され得る。
【0050】
限定するものではないが、単一ヘッド構成(単一のシリンジ用)および二重ヘッド構成(2つのシリンジ用)を含む任意の数のシリンジが、自動注入器10、40のそれぞれによって利用され得る。多重シリンジ構成の場合は、各自動注入器10、40は、任意の好適な様式で、任意のタイミングシーケンスに従って、種々のシリンジから流体を放出し得る(例えば、2つ以上のシリンジからの連続放出、2つ以上のシリンジからの同時放出、またはそれらの任意の組み合わせ)。複数のシリンジが、(例えば、単一の注入部位に提供するために)共通導管の中へ放出し得、または1つのシリンジが、(例えば、1つの注入部位に提供するために)1つの導管の中へ放出し得る一方で、別のシリンジは、(例えば、異なる注入部位に提供するために)異なる導管の中へ放出し得る。自動注入器10、40のそれぞれによって利用される、それぞれのそのようなシリンジは、任意の適切な流体(例えば、医療流体)、例えば、造影剤、放射性医薬品、生理食塩水、およびそれらの任意の組み合わせを含み得る。自動注入器10、40のそれぞれによって利用される、それぞれのそのようなシリンジは、任意の適切な様式で設置され得る(例えば、後方装填構成が利用され得る、前方装填構成が利用され得る、側面装填構成が利用され得る)。
【0051】
図3Aは、多投与注入システム108の一実施形態の斜視図である。多投与注入システム108は、自動注入器40を含み得る(自動注入器40のパワーヘッド50は、図3Aに例証される。自動注入器40の他の部分は、図3Aに例証されない)。多投与注入システム108は、多使用管類または管セット110(図4Aを参照して説明される)と、患者専用管類または管セット112(図4Bを参照して説明され、また、「患者毎消耗品112」として特徴付けられ得る)とを含み得る。さらに、多投与注入システム108は、カセット114(図5Aおよび5Bを参照して説明される)と、バルク流体容器ホルダモジュール116とを含み得る。多投与注入システム108では、流体は、バルク流体容器ホルダモジュール116から、多使用管類セット110および患者専用管類セット112を通して、患者(例えば、カテーテル260等を通して、患者の血管系)に輸送され得る。多投与注入システム108は、1つ以上のバルク容器から1人以上の患者に流体を輸送および/または混合するように動作可能であり得る。この点において、多投与注入システム108は、バルク容器の安全かつ容易な使用だけではなく、生理食塩水シリンジ126、造影剤シリンジ127、および多使用管類セット110の複数回の使用(例えば、複数の患者にわたって)を可能にし得る。
【0052】
多投与注入システム108における使用の場合、シリンジ126、127は、空で提供され得る。さらに、各シリンジ126、127は、任意の適切な構成であり得る。図3Aに示されるように、生理食塩水シリンジ126(生理食塩水ボトル118に流動的に相互接続されたシリンジ)は、造影剤シリンジ127(造影剤ボトル120に流動的に相互接続されたシリンジ)と同一構成であり得る。故に、一般的空のシリンジが、パワーヘッド50上のシリンジ搭載場所のいずれかに設置され、生理食塩水シリンジ126または造影剤シリンジ127のいずれかとして使用されるように動作可能なように供給され得る。
【0053】
バルク流体容器ホルダモジュール116は、単独患者および/または複数の患者への生理食塩水ならびに/あるいは造影剤の送達のために、生理食塩水ボトル118と、造影剤ボトル120とを保持するように動作可能であり得る。そのような構成は、例えば、MRIおよびCT撮像等の撮像手技と併用して、造影剤および生理食塩水を送達する際に使用され得る。他の実施形態では、バルク流体容器ホルダモジュール116は、任意の適切な種類および数のバルク容器を保持するように構成され得る。バルク容器の数および/または種類は、特定の医療流体送達手技に対応し得る。任意の適切な流体は、バルク流体容器ホルダモジュール116上に設置された各個々のバルク容器内に含まれ得る。
【0054】
バルク流体容器ホルダモジュール116は、支持部122によって支持され得る。支持部122は、バルク流体容器ホルダモジュール116の高さが調節され得るように、調節可能であり得る。支持部122は、概して、バルク流体容器ホルダモジュール116が、パワーヘッド50より高いレベルに配置されるように、調節され得る。そのような位置付けは、重力によって補助されるバルク流体容器ホルダモジュール116からパワーヘッド50への流動を可能にする。支持部122は、例えば、垂直ポールの形態であり得る。支持部122は、独立型ユニットであり得、またはパワーヘッド50のための携帯式スタンド48等、多投与注入システム108の別の構成要素に取り付けられ、それによって支持可能であり得る。
【0055】
バルク流体容器ホルダモジュール116は、2つの容器ホルダ、すなわち、生理食塩水容器ホルダ124および造影剤容器ホルダ125を含み得る。図3Aに示されるように、容器ホルダ124、125は、それぞれ、生理食塩水ボトル118および造影剤ボトル120の形状に対応し得る。例えば、図3Aに示されるように、容器ホルダ124、125は、それぞれ、ボトル118、120を収容するための陥凹を備えてもよく、陥凹は、ボトル118、120の形状に対応するように成形され得る。容器ホルダ124、125は、その中に配置される容器(例えば、生理食塩水ボトル118、造影剤ボトル120)を載せ(例えば、ボトル118、120の一部の形状に対応する、容器ホルダ124、125の一部と接触させることによって、ボトル118、120を支持し)得る。生理食塩水ボトル118および造影剤ボトル120はそれぞれ、例えば、500ミリリットルボトルまたは任意の他の適切なサイズであり得る。生理食塩水ボトル118および造影剤ボトル120は、ボトル118、120の開口部が、下方に向くように保持され得る。開口部は、カセット114に流動的に相互接続され得る。
【0056】
流体源として、ボトル118、120を採用する、多投与注入システムは、概して、本明細書に説明されるが、他の種類の流体源も想定される。例えば、異なる形状のボトル、流体バッグ、および/または任意の他の適切な種類の流体源ならびに/あるいはバルク流体容器が、ボトル118、120の一方もしくは両方と置換され得る。そのような実施形態では、容器ホルダ124、125は、異なる形状のボトル、流体バッグ、あるいは他の適切な種類の流体源および/またはバルク流体容器に対応するように成形され得る。そのような容器は、任意の適切な構成、体積、および/または形状であり得る。各容器ホルダ124、125は、バルク容器の流体出口が、下方に配置されるように、バルク容器を所定の位置に保持するように構成され得る。さらに、複数の容器ホルダを含むシステムでは、各容器ホルダは、特定のバルク容器専用に構成され得る(例えば、容器ホルダのうちの1つ以上は、特定の多投与注入システム108内の1つ以上の他の容器ホルダと異なって構成され得る)。例えば、生理食塩水ボトル118は、造影剤容器ホルダ125内に設置されるように動作不可能であるように成形され得る。さらに、容器ホルダ124、125は、異なる種類のバルク容器を収容するように調節可能であり得る。
【0057】
バルク流体容器ホルダモジュール116は、その中に配置される1つ以上のバルク容器を加温するように動作可能な構成要素を含み得る。バルク容器を加熱するための任意の適切な手段が、利用され得る。例えば、バルク流体容器ホルダモジュール116は、それによって発生される熱が、バルク容器に伝達され、したがって、その中の流体を加熱し得るように、容器ホルダ124、125の1つ以上の表面に沿って配置される、1つ以上の抵抗要素を含み得る。この点において、容器ホルダ124、125は、その中に挿入されるボトル118、120を載せ(例えば、容器ホルダ124、125の表面は、ボトル118、120の形状の一部に対応し得る)、容器ホルダ124、125からボトル118、120に熱を伝達する補助をし得る、接触面積をもたらし得る。バルク流体容器ホルダモジュール116は、例えば、容器ホルダ124、125のバルク容器および/または表面内に含まれる流体等、種々の部材の温度を感知するように動作可能なセンサを含み得る。バルク容器が加熱され得る温度は、調節可能であり得る。バルク流体容器ホルダモジュール116は、例えば、その中に配置されるバルク容器の任意の1つ以上を体温またはその近傍のレベルまで加温するように動作可能であり得る。
【0058】
バルク流体容器ホルダモジュール116は、カセット114が、バルク流体容器ホルダモジュール116に可撤性かつ交換可能に固定され得るように構成され得る。例えば、バルク流体容器ホルダモジュール116は、カセット114をバルク流体容器ホルダモジュール116中にスナップ留めさせる特徴を含み得る。それは、カセット114が、任意のツールを使用せず、手動で、バルク流体容器ホルダモジュール116に着脱可能に設置され、そこから除去可能であるようなものであり得る。ネジ、バネ荷重ピン、磁石、または任意の他の適切な機構等の他の種類の機構が、カセット114をバルク流体容器ホルダモジュール116に可撤性かつ交換可能に固定するために使用され得る。
【0059】
本明細書で使用される場合、「着脱可能に連結された」とは、構成要素が相互接続されるが、なお相互から離脱される能力を保持し、離脱後に、構成要素のうちの少なくとも1つが使用可能な状態にあり続ける、構成要素間の関係を表す。
【0060】
バルク流体容器ホルダモジュール116は、RFIDタグを読取可能な1つ以上の無線自動識別(RFID)タグ読取機を含み得る。1つ以上のRFIDタグ読取機は、バルク流体容器ホルダモジュール116内に設置された各容器(例えば、生理食塩水ボトル118および造影剤ボトル120の両方)上に配置されたボトルRFIDタグ128を読取可能であり得る。ボトルRFIDタグ128から読み取られた情報は、例えば、正確なバルク容器の検証、バルク容器の変化の通知、およびバルク容器がバルク流体容器ホルダモジュール116に接続されている時間の長さの追跡を含む、複数の異なる方法で使用され得る。ボトルRFIDタグ128から読み取られた情報は、例えば、ロット番号、有効期限および/または時間、内容物、濃度、ならびに/あるいは充填体積を含み得る。ボトルRFIDタグ128から読み取られた情報は、多投与注入器システム108に相互接続される自動注入器40および/または他のデバイスに転送され得る。1つ以上のRFIDタグ読取機は、どのボトル118、120がどの容器ホルダ124、125内にあるかを区別するように動作可能であり得る。この点において、1つ以上のRFIDタグ読取機は、誤配置されたボトル(例えば、造影剤容器ホルダ125内に留置された生理食塩水ボトル118)を検出するように動作可能であり得る。
【0061】
1つ以上のRFIDタグ読取機は、カセット114上に配置されたRFIDタグを読み取るように動作可能であり得る。この点において、多投与注入システム108は、いつカセット114が除去され、および/またはいつ新しいカセット114が設置されたかを判定するように動作可能であり得る。また、多投与注入システム108は、カセット114の変更が必要とされる時を判定するように動作可能であって、そのような状況を多投与注入システム108をオペレータ(例えば、医療従事者)に示し得る(例えば、GUI52および/または可聴警告を介して)。
【0062】
ボトル118、120および/またはカセット114識別および情報の取扱の他の適切な方法が、単独あるいは連携して、多投与注入システム108によって採用され得る。例えば、機械可読ラベル(例えば、バーコード)および/または人間可読ラベルが採用され、上述のRFIDタグおよび読取機の機能のいくつかを行い得る。
【0063】
バルク流体容器ホルダモジュール116は、色分けおよび/または他の視覚インジケータを含み、オペレータが多投与注入システム108を設定する際の補助となり得る。例えば、生理食塩水ボトル118は、生理食塩水ボトル118が設置される、生理食塩水容器ホルダ124内に配置される紫色部分と一致する、紫色部分(例えば、ボトルに取り付けられたラベル上)を含み得る。この点において、オペレータは、生理食塩水ボトル118(紫色部分を含む)を生理食塩水容器ホルダ124(紫色部分を含む)と整合させ得る。同様に、造影剤ボトル120および対応する造影剤容器ホルダ125は、例えば、黄色特徴によって、色分けされ得る。当然ながら、任意の適切な色および/または記号が、視覚インジケータとして使用され、多投与注入システム108オペレータが多投与注入システム108を設定する際の補助となり得る。
【0064】
図5Bを簡単に参照すると、カセット114は、生理食塩水弁176と、造影剤弁178とを含み得る。バルク流体容器ホルダモジュール116は、カセット114の弁176、178を作動するように動作可能な弁アクチュエータ130、131(図3B)を含み得る。各弁176、178は、特定の弁176、178に関連するメス型六角形部材を回転させることによって、作動可能であり得る。弁176、178は、任意の適切な構成(例えば、止水栓式弁)であって、そこを通る流体流量を制御するように動作可能であり得る。この点において、弁176、178は、完全閉鎖位置から完全開放位置に連続的に調節可能であるように動作可能であり得る。
【0065】
バルク流体容器ホルダモジュール116および/またはカセット114は、カセット114がバルク流体容器ホルダモジュール116上に設置された後、多投与注入システム108に弁176、178の位置を判定させる特徴を含み得る。例えば、弁176、178は、メス型六角形部材が360度自由に回転するのを防止する、硬質停止部を特徴とし得る。故に、弁アクチュエータ130、131は、弁176、178の位置が分かる時点である、弁176、178が硬質停止部に当接するまで、弁176、178を駆動させ得る。別の実施例では、カセット114は、弁176、178が特定の位置(例えば、開放または閉鎖)にある時、作動され得る、スイッチ(および関連電気接続)を含み得、多投与注入システム108は、作動されたスイッチを読み取り、弁176、178の位置を判定可能であり得る。さらに別の実施例では、弁176、178は、その位置に関するインジケータ(例えば、視覚、磁気)を含み得、バルク流体容器ホルダモジュール116は、インジケータの感知に基づいて、弁176、178の位置を判定するように動作可能なセンサを含み得る。
【0066】
図3Bは、カセット114と、生理食塩水ボトル118と、造影剤ボトル120と、が除去された、バルク流体容器ホルダモジュール116の斜視図である。バルク流体容器ホルダモジュール116の生理食塩水弁アクチュエータ130および造影剤弁アクチュエータ131は、対応する弁176、178の対応するメス型六角形部材と界面接触するように動作可能な六角形オス型突起を備え得る。弁アクチュエータ130、131はそれぞれ、モータまたは任意の他の適切な機構を含み、六角形オス型突起を回転させ、弁176、178を調節し得る。図5Bおよび3Bには、六角形の楔止として示されるが、バルク流体容器ホルダモジュール116の弁アクチュエータ130、131をカセット114の弁176、178と機械的に界面接触させる任意の適切な方法が、多投与注入システム108に組み込まれ得る。さらに、カセット114の弁176、178の作動の任意の他の適切な方法が、利用され得る。
【0067】
図3Aに戻ると、バルク流体容器ホルダモジュール116は、生理食塩水ボトル118および/または造影剤ボトル120内の流体レベルを検出するように動作可能な1つ以上のセンサを含み得る。例えば、光学センサが、生理食塩水ボトル118および/または造影剤ボトル120の開口部に近接して配置され、生理食塩水ボトル118および/または造影剤ボトル120が、空になった時または空に近づいた時を検出し得る。任意の適切な場所または複数の場所に配置される、任意の適切な種類のセンサあるいは複数のセンサが、バルク流体容器ホルダモジュール116によって利用され得る。センサは、概して、取り付けられた生理食塩水ボトル118および/または造影剤ボトル120内の流体体積レベルを検出するように配置され、あるいはセンサは、生理食塩水ボトル118および/または造影剤ボトル120が、あるレベルに到達した(例えば、空に近づいた)時を検出するように配置され得る。
【0068】
バルク流体容器ホルダモジュール116は、多投与注入システム108の他の部分と通信するように動作可能であり得る。この点において、本明細書に論じられるバルク流体容器ホルダモジュール116の種々の特徴は、多投与注入システム108の他の部分(例えば、自動注入器40のパワーヘッド50および/またはGUI52)に位置する構成要素によって制御ならびに/あるいは指示され得る。例えば、弁アクチュエータ130、131の作動は、パワーヘッド50によって、制御され、それと同期され得る。バルク流体容器ホルダモジュール116のボトル加熱器は、パワーヘッド50によって制御され得る(例えば、ユーザは、GUI52から、ボトル加温器をオン/オフし、ボトル加温器の設定温度を設定し得る)。さらに、バルク流体容器ホルダモジュール116は、バルク流体容器ホルダモジュール116内に設置されるボトル118、120および/またはカセット114から取得したRFIDタグ情報をパワーヘッド50または多投与注入システム108の他の適切な構成要素に通信し得る。バルク流体容器ホルダモジュール116は、流体レベル情報(例えば、上述のセンサから取得した)を通信し得る。バルク流体容器ホルダモジュール116と多投与注入システム108の他の構成要素との間の通信は、直接電気接続(例えば、有線)または無線接続を含む、任意の適切な方法あるいは技術を介してであり得る。
【0069】
例証されるバルク流体容器ホルダモジュール116およびバルク流体容器ホルダモジュール116に関する付随の議論は、生理食塩水ボトル118および造影剤ボトル120のために指定される容器ホルダ124、125について説明する。しかしながら、バルク流体容器ホルダモジュール116は、特定の用途または手技のために、任意の適切な数の容器を保持するように構成され得る。例えば、多投与注入システム108の実施形態は、単一流体源のみ必要とされる手技の場合、単一容器ホルダを含み得る。さらなる実施例の場合、多投与注入システム108の実施形態は、3つ以上の異なる流体源が要求され得る手技の場合、3つ以上の容器ホルダを含み得る。さらなる実施例では、多投与注入システム108の実施形態は、容器ホルダのいくつかが、同一種類の流体を含む別個のバルク容器を保持する、3つ以上の容器ホルダを含み得る。そのようなシステムを使用して、バルク容器の置換を補助する、および/またはバルク容器の1つが空になった時あるいは空に近づいた時、流体の送達を継続するように動作可能であり得る。
【0070】
バルク流体容器ホルダモジュール116は、パワーヘッド50と併用して、ボトル118、ボトル120、またはボトル118およびボトル120の両方から、流体を輸送するように動作可能であり得る。そのような輸送は、連続的にまたは同時に行われ得る。例えば、特定の患者は、特定の手技の際、造影剤のみ受け取り、その場合、造影剤ボトル120からの造影剤は、パワーヘッド50上に設置された造影剤シリンジ127中に装填されるであろう。別の実施例では、患者は、最初に、ある用量の生理食塩水を受け取った後、ある用量の造影剤を受け取り得(または、その逆)、その場合、造影剤ボトル120からの造影剤は、パワーヘッド50上に設置された造影剤シリンジ127中に装填され、生理食塩水ボトル118からの生理食塩水は、パワーヘッド50上に設置された生理食塩水シリンジ126中に装填されるであろう。別の実施例では、患者は、ある用量の生理食塩水を受け取り、同時に、ある用量の造影剤を受け取り得、その場合、造影剤ボトル120からの造影剤は、パワーヘッド50上に設置された造影剤シリンジ127中に装填され、生理食塩水ボトル118からの生理食塩水は、パワーヘッド50上に設置された生理食塩水シリンジ126中に装填され得る。2つの流体は、多使用管類セット110内で一緒に混合し、希釈された用量の造影剤を患者に効果的に送達し得る。
【0071】
図4Aは、多使用管類セット110の斜視図であって、図4Bは、患者専用管類セット112の斜視図である。多使用管類セット110は、図4Aに例証されるように、カセット114に恒久的に相互接続され得る。この点において、多使用管類セット110およびカセット114は、単一ユニットとして、ともにパッケージ化され、交換され得る。代替として、カセット114および多使用管類セット110は、相互に相互接続され得る(例えば、ルアーコネクタ、返しを使用して)、別個のアイテムであり得る。
【0072】
カセット114に流動的に相互接続されるのは、2つの流体管、すなわち、生理食塩水管132および造影剤管134である。管132、134は、種々の場所間に流体の流動を向けるための任意の適切な構造であり得る。管132、134は、カセット114をパワーヘッド50上のシリンジ126、127の対応するノズルと流動的に相互接続し得る。この点において、生理食塩水管132は、生理食塩水コネクタ142に流動的に相互接続され得る。生理食塩水コネクタ142は、パワーヘッド50上の生理食塩水シリンジ126のノズルに直接接続するように動作可能なルアー式コネクタの形態であり得る。造影剤管134は、造影剤コネクタ144に流動的に相互接続され得る。造影剤コネクタ144は、パワーヘッド50上の造影剤シリンジ127のノズルに直接接続するように動作可能なルアー式コネクタの形態であり得る。生理食塩水管132および造影剤管134とその対応するノズルとの間の接続のために、任意の適切な流体コネクタが、本明細書に説明されるルアー式コネクタと置換され得る。
【0073】
生理食塩水管132は、生理食塩水Yコネクタ138(または、任意の他の適切なコネクタ)を介して、生理食塩水コネクタ142に相互接続され得、あるいは生理食塩水コネクタ142は、単純に、生理食塩水管132中へと通じる短い延長管と関連付けられ得る。また、生理食塩水Yコネクタ138は、生理食塩水管と造影剤管とのYコネクタ150に流動的に相互接続され得る。生理食塩水Yコネクタ138と生理食塩水管と造影剤管とのYコネクタ150との間に位置付けられるのは、生理食塩水管一方向逆止弁146であり得る。生理食塩水管一方向逆止弁146は、生理食塩水Yコネクタ138から、生理食塩水管と造影剤管とのYコネクタ150への方向にのみ、流体流動を許可にするように動作可能であり得る。生理食塩水管一方向逆止弁146は、生理食塩水管一方向逆止弁146が開放し、流体を流動させる前に、生理食塩水管一方向逆止弁146の上流に存在する、クラッキング圧(例えば、生理食塩水管一方向逆止弁146が動作する最小上流圧力)以上の圧力を要求し得る。同様に、造影剤管134は、造影剤Yコネクタ140(または、任意の他の適切なコネクタ)を介して、造影剤コネクタ144に相互接続され得、あるいは造影剤コネクタ144は、単純に、造影剤管134中に通じる短い延長管と関連付けられ得る。また、造影剤Yコネクタ140は、生理食塩水管と造影剤管とのYコネクタ150に流動的に相互接続され得る。造影剤Yコネクタ140と生理食塩水管と造影剤管とのYコネクタ150との間に位置付けられるのは、造影剤管一方向逆止弁148であり得る。造影剤管一方向逆止弁148は、生理食塩水管一方向逆止弁146と同様に構成され得、造影剤Yコネクタ140から、生理食塩水管と造影剤管とのYコネクタ150の方向にのみ、流体流動を許可するように動作可能であり得る。生理食塩水管一方向逆止弁146および造影剤管一方向逆止弁148はともに、パワーヘッド50の生理食塩水シリンジ126および造影剤シリンジ127から患者への流体の流動を許可する一方、少なくとも、反対方向への逆流を防止する。
【0074】
図4Aに例証されるように、生理食塩水管132および造影剤管134は、結合された管区分136において一緒に結合され得る(但し、流動的にともに結合されてはいない)。そのような構成は、生理食塩水管132および造影剤管134が、相互から完全に分離する場合に生じ得る、管のもつれを低減させるのに有用である。生理食塩水管132および造影剤管134は、任意の適切な長さであり得る。例えば、管132、134は、バルク流体容器ホルダモジュール116に取り付けられたカセット114が、パワーヘッド50の上方に位置付けられ、重力が、バルク流体容器ホルダモジュール116からパワーヘッド50へと下る生理食塩水および造影剤の流動を補助し得るような長さであり得る。
【0075】
生理食塩水管132は、生理食塩水の粘度ならびに医療流体送達手技の際にその中で予期される流速および圧力に適切な内径を伴って構成され得る。さらに、生理食塩水管132の壁厚および材料は、とりわけ、流体送達手技の際に予期される圧力に基づいて、選択され得る。同様に、造影剤管134は、使用される造影剤の粘度ならびに医療流体送達手技の際にその中で予期される流速および圧力に適切な内径を伴って構成され得る。造影剤管134の壁厚および材料は、とりわけ、流体送達手技の際に予期される圧力に基づいて、選択され得る。
【0076】
生理食塩水コネクタ142および造影剤コネクタ144は、色分けされる、または別様にマークされ、多投与注入システム108の設定を補助し得る。例えば、生理食塩水ボトル118のマーキングに関して上述の色分け方式を引き続き利用する場合、生理食塩水コネクタ142は、紫色に色分けされ得る。さらに、パワーヘッド50上の生理食塩水シリンジ126のノズルおよび/または他の部分もまた、紫色に色分けされ得る。同様に、造影剤コネクタ144ならびにパワーヘッド50上の造影剤シリンジ127の対応するノズルおよび/または他の部分は、黄色に色分けされ得る。さらに、生理食塩水コネクタ142および造影剤コネクタ144は、コネクタ142、144のそれぞれが、対応するシリンジ126、127から、その対応するノズルにのみ取り付けられるように動作可能であるように、一意的に構成され得る(例えば、一意的に楔止される、一意的に定寸される)。
【0077】
生理食塩水管と造影剤管とのYコネクタ150に相互接続されるのは、延長管152であり得る。延長管152は、コイル状であって、延長管152の取扱を補助し、もつれを低減させ得る。延長管152は、任意の適切な長さであり得る。例えば、延長管152は、多投与注入システム108を利用する撮像手技の前、間、および後に見られ得る、パワーヘッド50と患者専用管類セット112との間の典型的距離に対応する長さであり得る。
【0078】
生理食塩水管と造影剤管とのYコネクタ150の反対の延長管152の端部には、無針消毒可能メス型ルアーコネクタ154があり得る。患者内に挿入される、カテーテル260(図3A)等のカテーテルは、典型的には、メス型ルアーコネクタ(例えば、カテーテル界面メス型ルアー262)を有する。延長管152の端部に、メス型ルアーコネクタ154を有することによって、患者内に設置されるカテーテルへのメス型ルアー154の直接の偶発的取り付けが、防止されるはずである(例えば、延長管152の端部における、メス型ルアーコネクタ154へのカテーテル260に接続される、カテーテル界面メス型ルアー262の直接接続不能によって)。したがって、患者流体によって、多使用管類セット110が汚染される機会が、低減されるはずである。この点において、後述の患者専用管類セット112等、各端にオス型ルアーコネクタを伴う、一意的管類セットが、延長管152をカテーテル界面メス型ルアー262に相互接続するために要求される。さらに、メス型ルアーコネクタ154は、消毒可能であって、したがって、新しい患者専用管類セット112に流動的に相互接続される前に、洗浄され得る。
【0079】
留意されるように、次に、図4Bを参照すると、患者専用管類セット112は、2つのオス型ルアー接続、すなわち、メス型ルアー154(多使用管類セット110から)に相互接続するように動作可能なオス型ルアー156と、例えば、カテーテル界面メス型ルアー262および患者内に挿入されるカテーテル260(図3A)に相互接続するように動作可能な患者界面オス型ルアー162とを含み得る。患者専用管類セット112は、アクセスルアー158等の代替アクセスポートを含み得る。アクセスルアー158を使用して、例えば、患者内に挿入され、患者界面オス型ルアー162を介して接続される、カテーテル260の開存性を確認し得る。アクセスルアー158を使用して、例えば、代替流体(例えば、生理食塩水または造影剤の代替)を患者に送達し得る。アクセスルアー158は、任意の他の適切な手技および/または流体送達のために使用され得る。任意の他の適切な種類の流体アクセスデバイスが、アクセスルアー158に追加される、またはそれと置換され得る。
【0080】
また、患者専用管類セット112は、二重一方向逆止弁160を含み得る。二重一方向逆止弁160は、患者界面オス型ルアー162からオス型ルアー156へと向かう方向における流体流動を防止し得る。この点において、二重一方向逆止弁160は、患者からの流体による、多使用管類セット110の汚染の潜在性を低減させ得る。次いで、これは、特定の患者からの流体が、別の患者からの流体と混合する潜在性を低減させることによって、いくつかの患者に流体を供給するために、多使用管類セット110の使用を可能となるはずである。二重一方向逆止弁160は、2つの直列に配置された個々の一方向逆止弁を備え得る。そのような構成は、一方向逆止弁のうちの一方が故障する場合、他方の一方向逆止弁が、機能性を維持し、患者から多使用管類セット110中への流体の逆流の潜在性を低減させ得るという点において、あるレベルの冗長性を提供する。
【0081】
患者専用管類セット112の二重一方向逆止弁160は、(例えば、患者専用管類セット112を通る流体の正常流動に対して)Yコネクタ164の下流に位置付けられる。代替構成では、二重一方向逆止弁160は、Yコネクタ164とオス型ルアー156との間のYコネクタ164の上流に配置され得る。別の配列では、二重一方向逆止弁160の一つの一方向弁が、Yコネクタ164の各側に配置され得る。二重一方向逆止弁160の一方向逆止弁の任意の他の適切な構成が、患者専用管類セット112内で利用され得る。
【0082】
簡単に図3Aに戻ると、患者専用管類セット112は、患者内に挿入され得る、カテーテル260に流動的に相互接続され得る。この点において、カテーテル界面メス型ルアー262は、患者界面オス型ルアー162に流動的に接続するように動作可能であり得る。カテーテル260は、それを通して、多投与注入システム108からの流体が、患者の血管系に流入し、その後、患者の流体と混合し得る、流体出口ポート261を含み得る。
【0083】
図5Aは、多投与注入システム108によって使用される、カセット114の斜視上面図である。図5Bは、図5Aのカセット114の斜視底面図である。カセット114は、バルク流体容器ホルダモジュール116に選択的に固着可能であり得る。カセット114は、カセット114が、バルク流体容器ホルダモジュール116に固着され得るように、バルク流体容器ホルダモジュール116上の特徴に対応する、特徴を含み得る。例えば、カセット114は、バルク流体容器ホルダモジュール116中にスナップ留めされ得る。クリップ、ネジ等を使用して、カセット114を固着し得る。カセット114をバルク流体容器ホルダモジュール116に選択的に固着する任意の他の適切な手段が、採用され得る。
【0084】
カセット114は、カセットRFIDタグ174等の識別特徴を含み得る。バルク流体容器ホルダモジュール116は、カセット114に取り付けられる、RFIDタグ174を読み取るように動作可能なRFIDタグ読取機(図示せず)を含み得る。この点において、バルク流体容器ホルダモジュール116は、カセット114に関する情報を判定するように動作可能であり得る。そのような情報は、例えば、カセット114部品番号、カセット114製造番号、およびカセット114構成情報を含み得る。そのような情報は、多投与注入システム108の他の構成要素に通信され得る。そのような情報は、例えば、操作、検証、または記録目的のために使用され得る。さらに、カセットRFIDタグ174を使用して、バルク流体容器ホルダモジュール116に取り付けられたカセット114の存在を追跡し、カセット114に相互接続されるバルク流体容器からの流体の流動を追跡することによって、カセット114の使用履歴が、展開され得る。そのような使用履歴を使用して、例えば、カセット114(およびまた、随意に、カセット114に接続された多使用管類セット110)を交換すべき時、ならびに/あるいは生理食塩水ボトル118および/または造影剤ボトル120を交換すべき時を判定し得る。さらに、RFIDタグ読取機は、特定のカセット114が除去されるべき時、および/または異なるカセット114と交換されるべき時を検出するように動作可能であり得る。
【0085】
カセットRFIDタグ174は、カセット114上の任意の適切な場所に配置され得る。RFIDタグ読取機は、バルク流体容器ホルダモジュール116上または多投与注入システム108の任意の他の適切な構成要素上の任意の適切な場所に配置され得る。
【0086】
例証されるように、カセット114は、生理食塩水スパイク170および造影剤スパイク172の形態として、2つのバルク流体容器流体界面を含む。スパイク170、172は、ボトル118、120から流出するのに伴って、ボトル118、120中に空気を流入させるように通気され得る。必要に応じて、例えば、バルク流体容器が折り畳み可能である場合、スパイク170、172は、通気口を含まなくてもよい。カセット114は、適切な数のバルク流体容器流体界面を含み得る。スパイク170、172は、カセット114に固定して固着され、カセット114がバルク流体容器ホルダモジュール116に固着されると、カセット114から上方に向くように配置され得る。この点において、生理食塩水ボトル118(図3A)等の流体容器は、生理食塩水ボトル118を生理食塩水スパイク170上に押下および/または降下することによって、カセット114に流動的に相互接続され得る。流体相互接続は、生理食塩水ボトル118が生理食塩水スパイク170上に降下されるのに伴って、生理食塩水スパイク170が、生理食塩水ボトル118の隔膜または他の穿刺可能障壁を穿刺することによって、達成され得る。生理食塩水ボトル118は、生理食塩水ボトル118を上方に引き上げることによって、カセット114から除去され得る。加えて、生理食塩水スパイク170に流動的に相互接続されると、クリップ、ツイストロック、スナップ、あるいは任意の他の適切な固着デバイスまたは複数のデバイス等の追加固着特徴を使用して、生理食塩水ボトル118を生理食塩水スパイク170上にさらに固着し得る。造影剤ボトル120は、類似様式で、造影剤スパイク172に固着され得る。
【0087】
生理食塩水スパイク170は、順に、生理食塩水管132に流動的に相互接続される、生理食塩水弁176に流動的に相互接続され得る。生理食塩水弁176は、完全開放(例えば、生理食塩水スパイク170と生理食塩水管132との間の流体流動を制限しない)と完全閉鎖(例えば、生理食塩水スパイク170と生理食塩水管132との間の流動が存在しない)位置との間を変動するように動作可能な止水栓式弁であり得る。また、生理食塩水弁176は、そこを通る部分的流体流動を可能にする、中間位置に位置付けられるように動作可能であり得る。生理食塩水弁176は、カセット114の筐体115内に配置され得る。また、筐体115は、生理食塩水スパイク170の一部と、生理食塩水管132を生理食塩水弁176に、および生理食塩水スパイク170を生理食塩水弁176に流動的に相互接続する流体通路とを含み得る。造影剤スパイク172および造影剤管134は、同様に構成された造影剤弁178に流動的に相互接続され得る。造影剤弁178は、生理食塩水弁176と同様に構成され得る。
【0088】
カセット114は、生理食塩水印180を含み、ユーザが生理食塩水ボトル118の設置のための適切な場所を判定する補助となり得る。生理食塩水印180は、文字S等の記号の形態であり得る。さらに、生理食塩水印180は、紫色(または、任意の他の適切な色)に色分けされ得る。カセット114は、文字C等の造影剤印182を含み得る。造影剤印182は、黄色(または、任意の他の適切な色)に色分けされ得る。
【0089】
次に、弁176、178の動作について、造影剤弁178が、パワーヘッド50上の造影剤シリンジ127に流動的に相互接続される、例示的構成において説明される。生理食塩水の流動は、類似様式で制御され得、特定の流体源(例えば、生理食塩水ボトル118、造影剤ボトル120)が、パワーヘッド50上の任意の適切なシリンジ126、127に流動的に相互接続され得ることを理解されるであろう。造影剤弁178は、パワーヘッド50上の造影剤シリンジ127の移動に関連して用いられ、造影剤ボトル120から、カセット114、多使用管類セット110、患者専用管類セット112を通って、患者内へと造影剤の輸送を達成し得る。そのような流動を達成するために、造影剤弁178は、造影剤シリンジ127のプランジャの後退の際、開放位置に配置され得る。そのような後退の際、真空力が、造影剤シリンジ127内に発生し、取り付けられた造影剤管134に伝達され、それによって、造影剤ボトル120から造影剤シリンジ127中に流体を装填し得る。造影剤管一方向逆止弁148は、造影剤管一方向逆止弁148の下流の多使用管類セット110の一部からの流体が、造影剤シリンジ127中に流動するのを防止し得る。十分な量の流体が、造影剤シリンジ127中に装填されると、造影剤弁178は、閉鎖され、造影剤シリンジ127のプランジャが前進され得る。閉鎖された造影剤弁178は、造影剤が、造影剤ボトル120中に逆流するのを防止し得る。一方、造影剤管一方向逆止弁148は、造影剤シリンジ127から、延長管152、患者専用管類セット112、患者内へと、そこを通る流動を許可し得る。生理食塩水弁176およびパワーヘッド50の対応する生理食塩水シリンジ126の類似操作は、生理食塩水ボトル118から患者内への生理食塩水の輸送を促進するように動作可能であり得る。
【0090】
弁176、178は、バルク流体容器ホルダモジュール116によって、その作動を促進するための特徴を含み得る。図5Bに例証されるように、弁176、178はそれぞれ、メス型六角形を含み得る。そのようなメス型六角形は、バルク流体容器ホルダモジュール116の対応するオス型六角形突起(図示せず)と界面接触するように動作可能である。オス型六角形突起は、カセット114が、バルク流体容器ホルダモジュール116内に挿入されるのに伴って、カセット114上のメス型六角形と係合し得る。故に、バルク流体容器ホルダモジュール116は、弁176、178を作動させる(例えば、開放、閉鎖)ために、オス型六角形突起を駆動させる(例えば、回転)ように動作可能な部材(例えば、モータ)を含み得る。弁176、178のそのような作動は、多投与注入システム108の任意の適切な構成要素または構成要素の組み合わせとして配置される、制御要素(例えば、ハードウェアおよび/またはソフトウェア)によって制御され得る。例えば、制御要素は、パワーヘッド50内に配置され得る。したがって、パワーヘッド50上のシリンジ126、127のプランジャの移動と弁176、178の位置との間の同期が、達成され得る。弁176、178を作動させる任意の他の適切な手段が、多投与注入システム108によって利用され得る。例えば、六角形以外の突起形状が使用され得、オス型およびメス型突起の場所が、逆であり得、磁気界面等の他の種類の界面が、使用され得、またはカセット114は、弁位置駆動部材(例えば、モータ)を含み得、バルク流体容器ホルダモジュール116と弁176、178との間の電子界面(例えば、電気接点)を通して制御され得る。
【0091】
図6は、多投与注入システム108から医療流体を複数の患者に送達する、方法190の工程図である。方法190における第1のステップ192は、通信リンクを介して、バルク流体容器ホルダモジュール116を注入デバイス(例えば、パワーヘッド50)に通信的に相互接続することであり得る。通信リンクは、有線電気ケーブル、無線接続、または任意の他の適切な通信リンクであり得る。本方法190の残りは、パワーヘッド50上の生理食塩水シリンジ126を使用して生理食塩水を、パワーヘッド50上の造影剤シリンジ127を使用して造影剤を送達する文脈において説明される。シリンジ126、127は、逆であり得、または他の実施形態では、他の種類の流体が、送達され得ることを理解されるであろう。
【0092】
次のステップ194は、新しい多使用管類セット110をバルク流体容器ホルダモジュール116およびパワーヘッド50に取り付けることであり得る。多使用管類セット110は、カセット114に予め接続され得る。本取り付けは、カセット114をバルク流体容器ホルダモジュール116内の対応する受け取り場所に挿入するステップを含み得る。本ステップ194の次の部分は、生理食塩水コネクタ142をパワーヘッド50の生理食塩水シリンジ126の対応するノズルに相互接続することであり得る。この後、造影剤コネクタ144を造影剤シリンジ127のノズルに相互接続することが続いてもよい。また、本ステップ194は、カセットRFIDタグ174をRFIDタグ読取機によって読み取るステップを含み得る。多投与注入システム108は、正確なカセット114が、多投与注入システム108によって行われる手技のために設置されたことを検証し得る。さらに、本ステップ194は、上述のバルク流体容器ホルダモジュール116および/またはカセット114の構成要素を使用して、多投与注入システム108によって、弁176、178の位置を判定するステップを含み得る。また、本ステップ194は、所定の構成にある(例えば、ボトル118、120と多使用管類セット110との間の流動を防止するために閉鎖される)ように、弁176、178を作動させるステップを含み得る。
【0093】
この後、生理食塩水ボトル118および造影剤ボトル120をカセット114に流動的に取り付けるステップ196が続き得る。ユーザは、ボトル118、120、容器ホルダ124、125、および/またはカセット114上の色分けによって、本ステップ196において補助を受け得る。例えば、カセット114上の生理食塩水ボトル118、生理食塩水容器ホルダ124、および生理食塩水印180インジケータはすべて、紫色に色分けされ、ユーザを補助し得る。同様に、造影剤関連構成要素は、黄色に色分けされ得る。任意の他の適切な色分け方式が、使用され得る。ボトル118、120の取り付けは、ボトル118、120をカセット114の対応するスパイク170、172上に降下させるステップを備え得る。
【0094】
次のステップ198は、ボトル118、120内の流体を加温することであり得る。これは、容器ホルダ124、125内に配置される抵抗加熱要素を励起することによって達成され得る。ボトル118、120内の流体は、初期設定温度(例えば、流体を受け取る患者の体内温度)に加熱され得る。代替として、ボトル118、120内の流体を加熱する任意の適切な方法が、使用され得る。ボトル118、120は、任意の適切な標的温度に加熱され得る。ボトル118、120はそれぞれ、同一温度に加熱され得、または各ボトル118、120は、異なる標的温度に加熱され得る。
【0095】
次のステップであるステップ200は、患者専用管類セット112を多使用管類セット110に取り付けるステップを含み得る。これは、(例えば、アルコール綿棒によって)多使用管類セット110の消毒可能メス型ルアーコネクタ154を消毒し、メス型ルアーコネクタ154を洗浄および/または滅菌するステップを含み得る。この後、消毒可能メス型ルアーコネクタ154をオス型ルアー156に相互接続するステップが続き得る。
【0096】
次のステップ202は、流体送達構成要素(例えば、シリンジ126、127、多使用管類セット110の管類、および患者専用管類セット112)を初期化することであり得る。本ステップ202は、上方を向く(例えば、したがって、シリンジ126、127のノズルが上方を向く)ように、パワーヘッド50を配向するステップを含み得る。次に、弁176、178が開放され、シリンジ126、127のプランジャが、後退され、ボトル118、120から多使用管類セット110およびシリンジ126、127中に流体を装填し得る。シリンジ126、127内の空気は、シリンジ126、127の上部に蓄積され得る。次に、弁176、178が、閉鎖され、シリンジ126、127のプランジャが延出し、シリンジ126、127内の空気および流体が、一方向逆止弁146、148を通過し、延長管152および患者専用管類セット112を通るように付勢し得る。本プロセスは、少なくとも実質的にすべての空気が、管類から、患者界面オス型ルアー162を通って排出されるまで、繰り返され得る。生理食塩水管132および造影剤管134は、そのようなプロセスを使用して、個々または同時に浄化され得る。さらに、多使用管類セット110は、患者専用管類セット112(その後、浄化される必要がある)の取り付けに先立って、浄化され得る。多使用管類セット110は、ボトル118、120が交換されるまで、または多使用管類セット110が交換されるまで、再浄化される必要はないが、患者専用管類セット112は、交換される度に浄化されるべきである。
【0097】
次のステップ204は、患者内に挿入されたカテーテル260に相互接続される、患者専用管類セット112の患者界面オス型ルアー162を対応するメス型ルアー(例えば、カテーテル界面メス型ルアー262)に接続することであり得る。次いで、カテーテル260の開存性が、アクセスルアー158を通して検証され得る。
【0098】
次のステップ206は、カテーテル260の流体出口ポート261を通して、多投与注入システム108から患者に流体を注入することであり得る。これは、パワーヘッド50を下方向き位置に配置するステップを含み得る。この点において、シリンジ126、127内の空気またはシリンジ126、127に進入する空気は、シリンジ126、127内に捕捉され得る。
【0099】
ステップ206および方法190の残りは、パワーヘッド50上の造影剤シリンジ127を使用して、患者内に造影剤を注入する文脈において説明される。生理食塩水を注入するための手技は、類似であり得ることを理解されたい。さらに、パワーヘッド50のシリンジ126、127のいずれかは、任意の適切な流体の注入のために使用され得る。
【0100】
ステップ206に進み、造影剤弁178が、開放され、造影剤シリンジ127のプランジャが後退され、造影剤ボトル120から造影剤シリンジ127中に造影剤を装填し得る。本ステップの際、造影剤管一方向逆止弁148は、造影剤管一方向逆止弁148の下流の流体が造影剤シリンジ127に進入するのを防止するはずである。次に、造影剤弁178が閉鎖され、造影剤シリンジ127のプランジャが、延出される。閉鎖された造影剤弁178は、流体が造影剤ボトル120に流入するのを防止し、造影剤管一方向逆止弁148は、造影剤管134内の圧力が、造影剤シリンジ127のプランジャの移動によって上昇するのに伴って、そこを通る流動を可能にするはずである。この点において、造影剤は、造影剤管一方向逆止弁148を通過して、延長管152、患者専用管類セット112、カテーテル260を通って、患者内へと流動し得る。
【0101】
造影剤シリンジ127のプランジャの後退および延長と連結される、造影剤弁178の開放および閉鎖のシーケンスは、患者が所定の用量の造影剤を受け取るまで、繰り返され得る。故に、次のステップ208は、患者が全所望の用量の造影剤を受け取ったかどうかを調査/判定することであり得る。患者が、全用量を受け取っていない場合、造影剤を注入するステップ206は、継続し得る。患者が全用量を受け取った場合、次のステップ210は、注入プロセスを停止することであり得る。特定の患者のための注入プロトコルは、任意の適切な数の段階を利用し得、各段階は、任意の適切な流体を使用し得ることを理解されたい(例えば、注入プロトコルは、造影剤および生理食塩水の注入を交互に行うステップを伴ってもよい、造影剤の少なくとも1回の注入および生理食塩水の少なくとも1回の注入を含み得る等である)。
【0102】
注入プロセスが停止されると、次のステップ212は、消毒可能メス型ルアーコネクタ154をオス型ルアー156から分断することによって、多使用管類セット110を患者専用管類セット112から分断することであり得る。
【0103】
次のステップ214は、生理食塩水ボトル118および造影剤ボトル120が、後続患者の流体送達の性能のために十分な流体を含むかどうかを判定することであり得る。生理食塩水ボトル118、造影剤ボトル120、または両方が、交換される必要があると判定される場合、次のステップ215は、交換されたボトル118および/または120内に含まれる任意の流体を適切なシリンジ126および/または127中に装填することであり得る。この点において、流体は、次の患者に注入するために利用可能であり得る。次のステップ216は、適切なボトルを除去し、ステップ196に進み、新しいボトルを流動的に取り付けることであり得る。次いで、プロセス190は、新しい患者専用管類セット112を使用して、後続患者のために継続され得る。ボトル118、120が、交換される必要がないと判定される場合、プロセス190における次のプロセスは、ステップ200に進み、新しい患者専用管類セット112を使用して、後続患者において、プロセスを継続することであり得る。
【0104】
多使用管類セット110が交換されるべきであると判定されると、プロセス190は、停止され、多使用管類セット110が交換され得る。次いで、使用済み多使用管類セット110は、廃棄あるいは一新(例えば、洗浄および/または滅菌)され得る。多使用管類セット110が交換されるべきであるとの判定は、例えば、多使用管類セット110が使用されていた時間の所定の長さ、そこを通って移動する所定の体積の流体、汚染および/または損傷の疑惑、あるいは任意の他の適切な基準に基づき得る。
【0105】
また、多投与注入システム108は、生理食塩水ボトル118および/または造影剤ボトル120の交換に関連する、ある機能を果たすように動作可能であり得る。例えば、造影剤ボトル120が空に近づくと、パワーヘッド50は、任意の残りの造影剤を造影剤シリンジ127中に装填し得る。次いで、ユーザは、造影剤ボトル120を交換し得る。次いで、造影剤シリンジ127のプランジャは、造影剤管134内の空気が新しい造影剤ボトル120中に付勢されるように、造影剤弁178を開放した状態で、延出され得る。したがって、浄化ステップ202は、回避され得、または要求される浄化量が、低減され得る。この点において、造影剤ボトル120は、拡張可能であるか、空洞域を有するか、または任意の他の適切な特徴(例えば、通気口)を有することによって、造影剤シリンジ127からその中に流体が付勢されることを可能にし得る。
【0106】
加えて、流体を患者に注入していない時、生理食塩水弁176および造影剤弁178の一方または両方が、開放位置に残され得る。これによって、望ましくない圧力が、パワーヘッド50のシリンジ126、127内に蓄積されるのを防止し得る。
【0107】
図7は、注入システム220(例えば、多投与注入システム、医療流体注入システム、多投与医療流体注入システム)の別の実施形態を表す。第1の流体源222は、第1の流体源管類224によって、第1の注入デバイス226と流動的に相互接続される。第2の流体源228は、第2の流体源管類230によって、第2の注入デバイス232と流動的に相互接続される。任意の適切な流体が、第1の流体源222および第2の流体源228のそれぞれによって利用され得る。一実施形態では、第1の流体源222は、造影剤を利用する一方、第2の流体源228は、生理食塩水または任意の他の適切な生体適合性洗浄媒体を利用する。第1の流体源222および第2の流体源228はそれぞれ、複数回の注入または注入手技(例えば、複数の患者のため)に十分な流体体積を有し得る。
【0108】
第1の注入デバイス226および第2の注入デバイス232はそれぞれ、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類であり得る(例えば、自動注入器)。第1の流体源管類224および第2の流体源管類230はそれぞれ、任意の適切な導管(例えば、医療管類)の形態であり得る。任意の適切な構成要素または構成要素の組み合わせが、第1の流体源管類224および第2の流体源管類230の一方またはそれぞれに組み込まれ得る(例えば、任意の適切な種類の1つ以上の弁)。
【0109】
多使用または多患者管類セット234は、注入デバイス226、232のそれぞれと流動的に相互接続される。多患者管類セット234の3つの異なる部品または区分が存在する。すなわち、第1の注入デバイス226から延在する第1の注入デバイス管類236、第2の注入デバイス232から延在する第2の注入デバイス管類238、および共通排出管類240である。第1の注入デバイス226から排出される流体は、第1の注入デバイス管類236中へ、次いで、共通排出管類240中へ向けられる。第2の注入デバイス232から排出される流体は、第2の注入デバイス管類238中へ、次いで、共通排出管類240中へ向けられる。
【0110】
第1の注入デバイス管類236、第2の注入デバイス管類238、および共通排出管類240は、一体的に形成され得、または1つ以上の適切なコネクタが利用され、多患者管類セット234の隣接区分を流動的に相互接続し得る。適切なコネクタを使用して、第1の注入デバイス管類236を第1の注入デバイス226に設置し得る一方、適切なコネクタを使用して、第2の注入デバイス管類238を第2の注入デバイス232に設置し得る。任意の適切な種類のコネクタ242は、共通排出管類240の自由端に提供され得る。
【0111】
使い捨て、単回使用、単独患者、または患者専用管類セット244は、任意の適切な種類のコネクタ246によって、多患者管類セット234の共通排出管類240と流動的に相互接続される。単独患者管類セット244は、管類248を含む。適切な血管系アクセスデバイス(例えば、カテーテル)250が、管類248と適切に相互接続され得る(例えば、適切なコネクタを介して)。
【0112】
任意の適切な構成要素または構成要素の組み合わせが、多患者管類セット234および単独患者管類セット244の一方またはそれぞれに組み込まれ得る(例えば、任意の適切な種類の1つ以上の弁)。多患者管類セット234および単独患者管類セット244のそれぞれによって利用される管類は、任意の適切な種類であり得る(例えば、医療管類)。
【0113】
図8は、注入システム260(例えば、多投与注入システム、医療流体注入システム、多投与医療流体注入システム)の別の実施形態を表す。注入システム260は、第1の流体源262と、第2の流体源266と、自動注入器270と、再使用可能または多患者管類セット276と、上述の単独患者管類セット244とを含む。第1の流体源262は、第1の流体源管類278(多患者管類セット276の一部であり得る)によって、自動注入器270上に設置される第1のシリンジ272と流動的に相互接続される。第2の流体源266は、第2の流体源管類280(多患者管類セット276の一部であり得る)によって、自動注入器270上に設置される第2のシリンジ274と流動的に相互接続される。任意の適切な流体が、第1の流体源262および第2の流体源266のそれぞれによって利用され得る。一実施形態では、第1の流体源262は、造影剤を利用する一方、第2の流体源266は、生理食塩水または任意の他の適切な生体適合性洗浄媒体を利用する。第1の流体源262および第2の流体源266はそれぞれ、複数回の注入または注入手技(例えば、複数の患者のため)に十分な流体体積を有し得る。第1の流体源管類278および第2の流体源管類280はそれぞれ、任意の適切な導管(例えば、医療管類)の形態であり得る。任意の適切な構成要素または構成要素の組み合わせが、第1の流体源管類278および第2の流体源管類280(例えば、任意の適切な種類の1つ以上の弁)の一方またはそれぞれに組み込まれ得る。
【0114】
多患者管類セット276は、自動注入器270上の第1のシリンジ272から延在する第1のシリンジ管類282と、自動注入器270上の第2のシリンジ274から延在する第2のシリンジ管類284と、共通排出管類286とを含む。自動注入器270によって第1のシリンジ272から排出された流体は、第1のシリンジ管類282中へ、次いで、共通排出管類286中へ向けられる。自動注入器270によって、第2のシリンジ274からから排出された流体は、第2のシリンジ管類284中へ、次いで、共通排出管類286中へ向けられる。
【0115】
第1の流体源管類278、第2の流体源管類280、第1のシリンジ管類282、第2のシリンジ管類284、および共通排出管類286は、一体的に形成されるか、適切なコネクタが利用され、多患者管類セット276の各対の隣接区分を流動的に相互接続するか、または多患者管類セット276の一部は、1つ以上のコネクタによって組み込まれる多患者管類セット276の1つ以上の他の部分と一体的に形成され得る。適切なコネクタを使用して、第1のシリンジ管類282を第1のシリンジ272に設置し得る一方、適切なコネクタを使用して、第2のシリンジ管類284を第2のシリンジ274に設置し得る。任意の適切な種類のコネクタ290が、共通排出管類286の自由端に提供され得る。
【0116】
任意の適切な構成要素または構成要素の組み合わせが、上述のように、多患者管類セット276および単独患者管類セット244の一方またはそれぞれに組み込まれ得る(例えば、任意の適切な種類の1つ以上の弁)。例えば、第1のシリンジ管類282および第2のシリンジ管類284はそれぞれ、適切な弁288(例えば、栓)を含み、単独患者管類セット244中に向けられることなく、流体源262、266からの流体をそれぞれのシリンジ272、274中に装填されることを可能にし得る。多患者管類セット276によって利用される管類は、任意の適切な種類であり得る(例えば、医療管類)。
【0117】
注入システム220、260のそれぞれによって使用される単独患者管類セット244は、図4Bの上述の患者専用管類セット112の形態であるか、または少なくともそれを利用し得る。また、単独患者管類セット244は、図9A−Cに例証され、次に、検討される、単独患者管類セット300の形態であるか、または少なくともそれを利用し得る(例えば、単独患者管類セット300は、単独患者管類セット244の全体を規定し得、またはそうでなくてもよい)。
【0118】
図9A−Cの単独患者管類セット300は、任意の適切な種類(例えば、医療管類)の管類302を含む。適切なコネクタ310a、310bが、単独患者管類セット300の各端に提供される。多患者管類セット(例えば、234、276)は、コネクタ310aによって、単独患者管類セット300と相互接続され得る一方、血管系アクセスデバイス(例えば、250)は、コネクタ310bによって、単独患者管類セット300と相互接続され得る。単独患者管類セット300は、単独患者管類セット244(管類セット112を含む)の任意の一部を規定し得、またはその全体を規定し得る。したがって、コネクタ310a、310bは、上述のもの以外のコネクタと界面接触し得る(例えば、単独患者管類セット300は、その多患者管類セット端において、多患者管類セット244の端部区分を規定し得、単独患者管類セット300は、その血管系アクセスデバイス端において、多患者管類セット244の端部区分を規定し得、単独患者管類セット300は、多患者管類セット244の中間区分を規定し得る)。
【0119】
単独患者管類セット300は、管類302に沿って、直列に配置される一対の逆止弁304を含む。逆止弁304はそれぞれ、図9Aの矢印によって示される方向に、単独患者管類セット300を通って、流体流動させる(例えば、コネクタ310aからコネクタ310bへの流動)。逆止弁304はそれぞれ、コネクタ310a、310b間の任意の適切な場所に配置され得、例証されるように、相互に隣接する必要はない。1つ以上のアクセスポートが、例えば、無針弁308および適切なコネクタ306を介して、単独患者管類セット300のために提供され得る(例えば、シリンジが流体を単独患者管類セット300中に向けることを可能にするため)。
【0120】
また、単独患者管類セット300は、「使用」インジケータ320として特徴付けられ得るものを組み込む。概して、本使用インジケータ320は、単独患者管類セット300が使用されたことの可視表示を提供する。使用インジケータ320は、筐体322と、筐体322内に移動可能に配置される、ピストン340とを含む。流路324は、筐体322を通って延在し、入口ポート326と、出口ポート328と、内側チャンバ330とを含む。管類302は、そこを通って、入口ポート326および出口ポート328が延在する、対向するように配置されたプラグに搭載され得る。
【0121】
ピストン340は、筐体322内に移動可能に配置され、ヘッド342を含む。本ヘッド342は、内側チャンバ330と界面接触する。したがって、ピストン340のヘッド342は、流路324に曝露される(例えば、流路と界面接触する。すなわち、流路324内の流体がヘッド342に接触する/と界面接触する)。内側チャンバ330内のある流体圧力の発生は、図9Aおよび9Cに例証される位置から、図9Bに例証される位置へとピストン342を移動させる。図9A/9Cの構成では、ピストン340の端面344は、ピストン340の周縁の周りに配置される筐体322の端面334と同一平面であるか、またはそれと比較して陥凹され得る(例えば、内側に離間される)ことに留意されたい。図9Bの展開位置では、ピストン340の端面344は、筐体322の端面334を越えて配置される(例えば、ピストン340に対して突出または延出された位置)。筐体322は、戻り止め332または任意の他の適切なロック機構(例えば、スナップロック式特徴)を組み込み、位置が、図9Aおよび9Cの位置から図9Bの突出された位置へと移動すると、ピストン340をその突出された位置に保持し得る。したがって、使用インジケータ320は、ポップアップまたはポップアウト式インジケータ320として特徴付けられ得る。一実施形態では、ピストン340を図9Bの突出または延出された位置に移動するために、15psiの最小圧力が要求される。他の最小圧力値が、適切であり得る。
【0122】
使用インジケータ320に関して認められ得る、いくつかの観察事項が存在する。使用インジケータ320は、単独患者管類セット300が、注入プロトコルにおいて使用されたこと、より具体的には、単独患者管類セット300が、少なくともある圧力に曝露されたことの可視表示を提供し得る。使用インジケータ320が応答する圧力は、任意の適切な様式で、設定または確立され得る。
【0123】
単一応答は、使用インジケータ320が、流路324内において、ある圧力に曝露されると、誘発され得る。すなわち、ピストン340が、移動する。ピストン340の本移動は、空間中へであり得る。すなわち、移動は、ピストン340を別の(概して、使用インジケータ320に関連して、「別の」)構造に係合させ、追加応答を提供する目的のためには行われない。ピストン340は、軸方向経路に沿って移動し、単独患者管類セット300が使用されたことの可視表示を提供し得る。また、ピストン340は、使用インジケータ320を通って(具体的には、流路324を通って)流動する流体に対して、直角に移動可能として特徴付けられ得る。
【0124】
本発明の上述の説明は、例証および説明のために提示されている。さらに、本説明は、本発明を本明細書で開示される形態に限定することを目的としない。その結果として、変形例および修正は、上述の教示に相応であり、関連技術の技能および知識は、本発明の範囲内である。上述で説明される実施形態はさらに、本発明を実践する公知の最良のモードを説明すること、およびそのような実施形態または他の実施形態で、かつ本発明の特定の用途または使用法によって必要とされる種々の修正とともに、当業者が本発明を利用できるようにすることを目的とする。添付の請求項は、従来技術によって可能となる程度で、代替実施形態を含むと解釈されることが意図される。
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本願は、米国仮出願第61/167,551号(2009年4月8日出願、名称「MULTI−DOSE MEDICAL FLUID INJECTION SYSTEM HAVING PATIENT−SPECIFIC TUBING SET WITH USE INDICATOR」)に基づく優先権を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、概して、再使用可能、すなわち、多患者管類セット(例えば、複数の患者によって使用するため)とともに、使い捨てまたは単回使用、すなわち、患者専用管類セット(例えば、単独患者によって使用するため)を有する、医療流体注入システムの分野に関する。
【背景技術】
【0003】
種々の医療手技は、1つ以上の医療流体が患者に注入されることを要求する。例えば、医療撮像手技は、しばしば、おそらく生理食塩水または他の流体とともに、患者への造影剤の注入を伴う。他の医療手技は、治療目的で患者に1つ以上の流体を注入することを伴う。自動注入器が、これらの種類の用途に使用され得る。
【0004】
自動注入器は、概して、一般的に、パワーヘッドと呼ばれるものを含む。1つ以上のシリンジが、種々の様式で(例えば、着脱可能に、後方装填式、前方装填式、側面装填式)パワーヘッドに搭載され得る。各シリンジは、典型的には、シリンジプランジャ、ピストン等として特徴付けられ得るものを含む。シリンジプランジャドライバの動作が、シリンジの外筒の内側で、およびそれに対して、関連シリンジプランジャを軸方向に前進させるように、それぞれのそのようなシリンジプランジャは、パワーヘッドに組み込まれる適切なシリンジドライバと界面接触する(例えば、接触および/または一時的に相互接続する)ように設計される。1つの典型的なシリンジプランジャドライバは、ネジ山付き主ネジまたは駆動ネジに搭載される、ラムの形態である。1つの回転方向への駆動ネジの回転が、1つの軸方向に関連ラムを前進させる一方で、反対の回転方向への駆動ネジの回転は、反対の軸方向に関連ラムを前進させる。
【0005】
自動注入器によって使用されるシリンジを分類する方法の1つは、流体によって充填または装填される様式である。自動注入器シリンジは、予充填され得る。すなわち、シリンジは、ある施設において、流体で充填され、次いで、別の施設(例えば、最終用途施設)に出荷される。空のシリンジが、最終用途施設に出荷され、次いで、少なくとも2つの一般的様式において、流体で充填され得る。空のシリンジが、最終用途施設(例えば、充填部)内のある場所において、流体で充填され、次いで、最終用途施設(例えば、撮像室)内の別の場所に輸送され得、そこで、次いで、流体を含むシリンジが、自動注入器に設置される。代替として、空のシリンジは、最終用途施設(例えば、撮像室)において、自動注入器に設置され、次いで、流体によって装填または充填され得る。
【0006】
個々の空のシリンジは、上述に従って、単回投与容器として特徴付けられ得るものから充填され得る。この場合、シリンジは、単独患者における単回注入のために使用される。それによって、本単回注入後、シリンジ内に残留する造影剤は、無駄となる。また、自動注入器から患者へと延在する管類セット全体も(1つ以上の弁およびカテーテル等、管類セットに組み込まれ得る、種々の構成要素を含む)、廃棄される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書で使用される場合、「流体的に相互接続された」等の語句は、2つ以上の構成要素または実体が、その間を流体が(例えば、一方向に、または双方向に)流動できるような様式で(直接または間接的に)、接続されていることを指す。例えば、「注入デバイスが患者と流体的に相互接続されている」とは、流体が、注入デバイスから任意の相互接続デバイス((例えば、管類、コネクタ)を介して患者の中へ(例えば、患者の血管系の中へ)流動することができる、構成を表す。
【0008】
本明細書で使用される場合、「流動的に隔絶された」等の語句は、その間の流体の流動が少なくとも一時的に妨害されることが意図される、構成要素または実体の関係を表す。例えば、「注入デバイスが患者から流動的に隔絶されている」とは、注入デバイスからの流体が、患者に流動するのを少なくとも一時的に妨害されることが意図される構成を表す。そのような流動不能は、相互接続デバイスが、現在、注入デバイスおよび患者を流動的に接続していないため、あるいは弁等の1つ以上のデバイスが、現在、注入デバイスと患者との間の流動を妨害するように意図される、構成または配置にあるためであり得る。
【0009】
本明細書で使用される場合、「着脱可能に相互接続された」とは、構成要素または実体が相互接続されるが、なお相互から離脱あるいは分断される能力を保持し、離脱もしくは分断後に、構成要素または実体のうちの少なくとも1つが再使用可能な状態にあり続ける構成要素あるいは実体間の関係を表す。例えば、「多患者管類セットが患者専用管類セットと着脱可能に相互接続されている」とは、多患者管類セットが、現在、多患者管類セットが患者専用管類セットから離脱または分断可能な様式で、患者専用管類と相互接続されている状態を表す。さらに、分断後、多患者管類セットおよび患者専用管類セットのうちの少なくとも1つは、別の構成要素と相互接続(例えば、着脱可能に)される能力を保持する(例えば、同一多患者管類セットが、ある患者専用管類セットと同時に相互接続され、そこから分断後、別の患者専用管類セットと相互接続され得るように)。
【0010】
本発明の第1の局面は、注入デバイスと、多患者管類セットと、患者専用管類セットとを使用する、医療流体注入システムによって具現化される。多患者管類セットは、患者専用管類セットと注入デバイスとの間に配置される(例えば、多患者管類セットと患者専用管類セットとの間の着脱可能相互接続によって)。患者専用管類セットは、少なくとも1つの弁とともに、患者専用管類セットを通る流動に応答して、第1の位置から第2の位置に移動可能な使用インジケータを含む。
【0011】
本発明の第2の局面は、注入デバイスと、多患者管類セットと、患者専用管類セットとを使用する、医療流体注入システムによって具現化される。多患者管類セットは、患者専用管類セットと注入デバイスとの間に配置される(例えば、多患者管類セットと患者専用管類セットとの間の着脱可能相互接続によって)。患者専用管類セットは、少なくとも1つの弁とともに、使用インジケータを含む。使用インジケータは、筐体と、筐体内に移動可能に配置され、筐体を通る流路と界面接触するピストンとを含む。
【0012】
いくつかの特徴の改良および追加特徴が、本発明の上述の第1および第2の局面のそれぞれに、別個に適用可能である。これらの特徴の改良および追加特徴は、個別に、または任意の組み合わせで使用され得る。そのようなものとして、論議される以下の特徴のそれぞれは、任意の他の特徴または第1および第2の局面の特徴の組み合わせとともに使用され得るが、そのように要求はされない。以下の論議は、本発明の第3の局面の論議の開始まで、第1および第2の局面それぞれに別個に適用可能である。
【0013】
任意の適切な弁が、患者専用管類セットによって利用され得、例えば、逆止弁である。第1および第2の弁(例えば、二重逆止弁)は、患者専用管類セットを通る流路に沿って配置され得る。1つ以上の弁が、患者専用管類セットによって利用され、任意の種類の汚染物が、そのような弁を越えて進み、多患者管類セットおよび/または注入デバイスに到達する潜在性を低減させ得る。多患者管類セットおよび/または注入デバイスの汚染は、(例えば、異なる患者のために)それを最初に滅菌することなく、後続注入のために使用されるその能力に影響を及ぼし得る。
【0014】
使用インジケータをその第2の位置に有することは、患者専用管類セットが使用されたことの可視表示を提供する目的のためであり得る(例えば、廃棄されるべきであるように、すなわち、最初に滅菌されることなく、再使用されるべきではないように)。使用インジケータは、その第2の位置に移動後、ロックされ得る。使用インジケータは、その第2の位置において、突出された構成にあり得、したがって、使用インジケータは、ポップアップまたはポップアウト式インジケータとして特徴付けられ得る。
【0015】
使用インジケータは、筐体と、筐体内に移動可能に配置され、筐体を通る流路と界面接触するピストンとを含み得る。したがって、流路内の流体は、ピストンに接触し得、流路内の流体の圧力は、ピストンに力を付与し得る。ピストンは、筐体を通る流路内である流体圧力に曝露されると、第1の位置から第2の位置に軸方向に移動し得、筐体を通る流動に対して直角である経路にそって移動し得、または両方であり得る。ピストンの少なくとも一部は、ピストンがその第2の位置にある時、筐体を越えて突出または延在し得る。ピストンは、その第1の位置からその第2の位置に移動すると、空間中に向けられるものとして特徴付けされ得る(例えば、ピストンが、本空間と界面接触するように、すなわち、ピストンが、その第1の位置からその第2の位置に移動することによって、別の構造(使用インジケータに加えたある構造)と物理的に接触しないように)。1つ以上の戻り止め等が、その第2の位置に移動後、ピストンをロックまたは抑止するために、筐体中に組み込まれ得る。一実施形態では、第1の位置からその第2の位置にピストンを移動させるために、少なくとも15psiの流体圧力が要求される。
【0016】
注入デバイスは、任意の適切な種類であり得、例えば、自動注入器である。システムは、他の構成要素を含み得る。一実施形態では、システムは、注入デバイスを「再装填」するために使用され得る、流体源を含む(例えば、新しい患者専用管類セットのために、以前の患者専用管類セットを切り替えた後、別の患者に流入を提供するために)。
【0017】
本発明の第3の局面は、医療流体注入システムを使用する方法によって具現化される。第1の患者専用管類セットは、多患者管類セットと相互接続される。流体は、多患者管類セットを通して、次いで、第1の患者専用管類セットを通して、向けられる。第1の患者専用管類セットを通るいかなる逆流も、遮断作用に曝露され、それによって、多患者管類セットに到達可能となることが意図されされない(例えば、多患者管類セットが、異なる患者において、再使用され得るために、汚染されないように)。第1の患者専用管類セットは、第1の使用インジケータを含み得、第1の使用インジケータが、少なくともある状態に曝露されると、物理的変化の形態としての単一応答が、誘発される。
【0018】
いくつかの特徴の改良および追加特徴が、本発明の第3の局面に適用可能である。これらの特徴の改良および追加特徴は、個別に、または任意の組み合わせで使用され得る。そのようなものとして、論議される以下の特徴のそれぞれは、任意の他の特徴または第3の局面の特徴の組み合わせとともに使用され得るが、そのように要求はされない。以下の議論は、少なくとも本発明の第3の局面に適用可能である。
【0019】
第1の使用インジケータの「物理的変化」は、任意の適切な種類であり得る。代表的物理的変化は、第1の使用インジケータ全体のサイズ変化、第1の使用インジケータ全体の形状変化、または両方であり得る。例えば、第1の使用インジケータが、ピストン筐体に対して、移動可能に配置されるピストンの形態にある場合、物理的変化は、筐体に対するピストンの移動から生じ得る(例えば、筐体に対して、突出または「より突出した」位置へと)。ピストンは、本移動を提供するために、変形しなくてもよいが、第1の使用インジケータの形状全体は、ピストンが、筐体に対して突出/より突出された位置へと移動すると、依然として、変化するものとして適切に特徴付けられ得る。
【0020】
第1の使用インジケータの単一の誘発された応答は、第1の位置から第2の位置への第1のインジケータ要素の移動であり得る。第1のインジケータ要素は、その第2の位置に移動後、保持され得る。第1のインジケータ要素の移動は、いくつかの特徴付けに対する主題である。1つは、本移動が、第1のインジケータ要素の変形を伴うことなく始動され得ることである。すなわち、本特徴付けでは、第1のインジケータ要素自体は、第1の位置から第2の位置に移動する際、サイズおよび/または形状変化を経験する必要はない。もう1つは、本移動が、第1のインジケータ要素を視覚的に観察可能な位置(例えば、突出位置)に移動させることを伴い得ることである。さらにもう1つは、本移動が、第1のインジケータ要素を空間中に移動させることを伴い得ることである。一実施形態では、第1のインジケータ要素は、ピストンの形態であり得る。
【0021】
第1の患者専用管類セットは、多患者管類セットから分断され(例えば、流体が第1の患者に注入される、第1の患者に関連する注入プロトコルの完了後)、第2の患者専用管類セットが、多患者管類セットと接続され得る。第1の患者専用管類セットに関連する種々のステップは、本第2の患者専用管類セットのために繰り返され得る(例えば、注入プロトコルは、第2の患者に関して実行され、そこで、流体が、第2の患者に注入され得る)。第1および第2の患者専用管類セットそれぞれを通して向けられる流体は、共通流体源から取得され得る。
【0022】
いくつかの特徴の改良および追加特徴が、本発明の上述の第1、第2、および第3の局面のそれぞれに、別個に適用可能である。これらの特徴の改良および追加特徴は、上述の本発明の第1、第2、および第3の局面のそれぞれに関して、個別に、または任意の組み合わせで使用され得る。「単数の」という文脈等に限定されることを目的とする、本発明の任意の他の種々の局面の任意の特徴は、「唯一の」、「単一の」、「限定される」等の用語によって、本明細書で明確に説明される。一般的に受け入れられている根拠の実践に従って特徴を導入するだけでは、対応する特徴を単数に限定されない(例えば、自動注入器が「1つのシリジンジ」を含むことを示すだけでは、自動注入器が単一のシリンジしか含まないことを意味しない)。また、「少なくとも1つの」等の語句を使用しないことも、対応する特徴を単数に限定しない(例えば、自動注入器が「1つのシリジンジ」を含むことを示すだけでは、自動注入器が単一のシリンジしか含まないことを意味しない)。特定の特徴に関する「少なくとも概して」等といった語句の使用は、対応する特性およびそのごくわずかな変形例を包含する(例えば、シリンジ外筒が少なくとも概して円筒形であると示すことで、円筒形であるシリンジ外筒を包含する)。最後に、1つ以上の特徴に関する「一実施形態では」といった語句の使用は、関連特徴の使用を単一の実施形態に限定しない。
【0023】
注入デバイスは、多使用流体セットと、少なくとも1つの患者専用流体セットとを使用して、流体を送達するために使用され得る。一実施形態では、注入デバイスは、自動注入器である。流体放出を提供するために利用され得る、任意の自動注入器は、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類であり得る。任意のそのような自動注入器は、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類の1つ以上のシリンジプランジャドライバを利用し得、それぞれのそのようなシリンジプランジャドライバは、少なくとも双方向運動(例えば、流体を放出するための第1の方向の運動、流体の装填または後続の流体放出動作のための位置に戻るための第2の方向の運動)が可能であり、それぞれのそのようなシリンジプランジャドライバは、(例えば、流体を放出するように)少なくとも1つの方向にシリンジプランジャを前進させることができるよう、任意の適切な様式で(例えば、機械的接触によって、(機械的または別様の)適切な連結によって)、その対応するシリンジプランジャと相互作用し得る。各シリンジプランジャドライバは、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類の1つ以上の駆動源を利用し得る。複数の駆動源出力が、所与の時に単一のシリンジプランジャを前進させるように任意の適切な様式で組み合わせられ得る。1つ以上の駆動源が、単一のシリンジプランジャドライバ専用であり得、1つ以上の駆動源が、複数のシリンジプランジャドライバと関連し得(例えば、1つのシリンジプランジャから別のシリンジプランジャに出力を変更するように、ソートの伝送を組み込む)、またはそれらの組み合わせである。代表的な駆動源の形態は、ブラシ付きまたはブラシレス電気モータ、油圧モータ、空気モータ、圧電モータ、またはステッピングモータを含む。
【0024】
任意のそのような自動注入器は、任意の適切な医療用途(例えば、コンピュータ断層撮影法またはCT撮像、磁気共鳴映像法またはMRI、単光子放射型コンピュータ断層撮影法またはSPECT撮像、陽電子放射型コンピュータ断層撮影法PET撮像、X線撮像、血管造影法、光学撮像、超音波撮像)を無制限に含む、1つ以上の医療流体の送達が所望される任意の適切な用途に使用され得る。任意のそのような自動注入器は、適切な撮像システム(例えば、CTスキャナ)等の、任意の構成要素または構成要素の組み合わせと併せて使用され得る。例えば、任意のそのような自動注入器と1つ以上の他の構成要素との間で、情報を伝えることができる(例えば、スキャン遅延情報、注入開始信号、注入速度)。
【0025】
任意の適切な数のシリンジが、任意の適切な様式で(例えば、着脱可能に、前方装填式、後方装填式、側面装填式)、任意のそのような自動注入器とともに利用され得、任意の適切な医療流体が、任意のそのような自動注入器の所与のシリンジから放出され得(例えば、造影剤、放射性医薬品、生理食塩水、およびそれらの任意の組み合わせ)、任意の適切な流体が、任意の適切な様式で(例えば、連続的に、同時に)多重シリンジ自動注入器構成から放出され得、またはそれらの任意の組み合わせである。一実施形態では、自動注入器の動作によってシリンジから放出される流体は、導管(例えば、医療管類セット)の中へ向けられ、本導管は、任意の適切な様式でシリンジと流体的に相互接続され、流体を所望の場所に(例えば、注入のために患者に挿入されるカテーテルに)向けられる。複数のシリンジが、(例えば、単一の注入部位に提供するために)共通導管の中へ放出し得、または1つのシリンジが、(例えば、1つの注入部位に提供するために)1つの導管の中へ放出し得る一方で、別のシリンジは、(例えば、異なる注入部位に提供するために)異なる導管の中へ放出し得る。一実施形態では、各シリンジは、シリンジ外筒と、シリンジ外筒内に配置され、かつシリンジに対して移動可能であるプランジャとを含む。本プランジャは、シリンジプランジャ駆動アセンブリが、少なくとも1つの方向に、およびおそらくは2つの異なる反対方向に、プランジャを前進させることができるように、自動注入器のシリンジプランジャ駆動アセンブリと界面接触し得る。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1は、自動注入器の一実施形態の概略図である。
【図2A】図2Aは、携帯型スタンド搭載式の二重ヘッド自動注入器の一実施形態の斜視図である。
【図2B】図2Bは、図2Aの自動注入器によって使用される、パワーヘッドの拡大部分分解斜視図である。
【図2C】図2Cは、図2Aの自動注入器によって使用される、シリンジプランジャ駆動アセンブリの一実施形態の概略図である。
【図3A】図3Aは、携帯型スタンド搭載式の二重ヘッド自動注入器の一実施形態の斜視図である。
【図3B】図3Bは、図3Aの多投与注入システムによって使用され得る、バルク流体容器ホルダモジュールの斜視図である。
【図4A】図4Aは、図3Aの多投与注入システムによって使用され得る、多使用管類セットの斜視図である。
【図4B】図4Bは、図3Aの多投与注入システムによって使用され得る、患者専用管類セットの斜視図である。
【図5A】図5Aは、図3Aの多投与注入システムによって使用され得る、カセットの斜視上面図である。
【図5B】図5Bは、図5Aのカセットの斜視底面図である。
【図6】図6は、多投与注入システムから複数の患者に医療流体を送達する方法の工程図である。
【図7】図7は、多患者管類セットおよび患者専用管類セットの両方を使用する、多投与注入システムの別の実施形態の概略図である。
【図8】図8は、多患者管類セットおよび患者専用管類セットの両方を使用する、多投与注入システムの別の実施形態の概略図である。
【図9A】図9Aは、図7−8の多投与注入システムによって使用され得る、患者専用管類セットの一実施形態の斜視図である。
【図9B】図9Bは、図9Aの患者専用管類セットから、その「使用済み」位置にある、インジケータの斜視図である。
【図9C】図9Cは、図9Aの患者専用管類セットからのインジケータの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、パワーヘッド12を有する、自動注入器10の形態における注入デバイスの一実施形態の概略図を表す。1つ以上のグラフィカルユーザインターフェースまたはGUI11は、パワーヘッド12と関連付けられ得る。各GUI11は、1)任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類であり得る、2)任意の適切な様式で、パワーヘッド12と動作可能に相互接続され得る、3)任意の適切な場所に配置され得る、4)以下の機能の1つまたは任意の組み合わせを提供するように構成され得;自動注入器10の動作の1つ以上の側面を制御する、自動注入器10の動作と関連する1つ以上のパラメータを入力/編集する、(例えば、自動注入器10の動作と関連する)適切な情報を表示するといった、機能のいずれかを提供するように構成され得、または5)先述の内容の任意の組み合わせである。任意の適切な数のGUI11が利用され得る。一実施形態では、自動注入器10は、パワーヘッド12とは別であるが、パワーヘッド12と通信するコンソールによって組み込まれるGUI11を含む。別の実施形態では、自動注入器10は、パワーヘッド12の一部であるGUI11を含む。さらに別の実施形態では、自動注入器10は、パワーヘッド12と通信する別個のコンソール上で1つのGUI11を利用し、また、パワーヘッド12上にある別のGUI11も利用する。各GUI11は、同じ機能性または一式の機能性を提供することができ、またはGUI11は、それぞれの機能性に関して、少なくともある点で異なり得る。
【0028】
シリンジ28は、本パワーヘッド12上に設置され得、設置されると、自動注入器10の一部と見なされ得る。いくつかの注入手技は、シリンジ28内で生成される比較的高い圧力をもたらし得る。この点において、圧力ジャケット26内にシリンジ28を配置することが望ましいことがある。圧力ジャケット26は、典型的には、パワーヘッド12上にシリンジ28を設置するステップの一部として、またはそのステップの後に、シリンジ28がその中に配置されることを可能にする様式で、パワーヘッド12と関連付けられる。圧力ジャケット26は、典型的には、種々のシリンジ28が、複数の注入手技のために、圧力ジャケット26内に位置付けられ、そこから除去される際に、パワーヘッド12と関連付けられたままとなる。自動注入器10が低圧注入のために構成/利用される場合、および/または、自動注入器10とともに利用されるシリンジ28が、圧力ジャケット26によって提供される追加支持なしで、高圧注入に耐えるのに十分な耐久性である場合に、自動注入器10は、圧力ジャケット26を排除し得る。いずれの場合でも、シリンジ28から放出される流体は、任意の適切な様式でシリンジ28と流体的に相互接続され得、流体を任意の適切な場所に(例えば、患者に)向け得る、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類の導管38の中へ向けられ得る。
【0029】
パワーヘッド12は、シリンジ28から流体を放出するようにシリンジ28(例えば、そのプランジャ32)と相互作用する(例えば、界面接触する)シリンジプランジャ駆動アセンブリまたはシリンジプランジャドライバ14を含む。本シリンジプランジャ駆動アセンブリ14は、駆動出力18(例えば、回転可能な駆動ネジ)に電力供給する、駆動源16(例えば、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類のモータ、オプションの歯車装置等)を含む。ラム20は、駆動出力18によって、適切な経路(例えば、軸方向)に沿って前進させられ得る。ラム20は、以下で論議される様式で、シリンジ28の対応する部分と相互作用または界面接触するための連結器22を含み得る。
【0030】
シリンジ28は、(例えば、双頭矢印Bと一致する軸に沿った軸方向の往復運動のために)シリンジ外筒30内に移動可能に配置されるプランジャまたはピストン32を含む。プランジャ32は、連結器34を含み得る。本シリンジプランジャ連結器34は、シリンジプランジャ駆動アセンブリ14がシリンジ外筒30内でシリンジプランジャ32を後退させることを可能にするように、ラム連結器22と相互作用または界面接触し得る。シリンジプランジャ連結器34は、ヘッドまたはボタン36bとともに、シリンジプランジャ32の本体から延在する、シャフト36aの形態であり得る。しかしながら、シリンジプランジャ連結器34は、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類であり得る。
【0031】
概して、自動注入器10のシリンジプランジャ駆動アセンブリ14は、(例えば、対応するシリンジ28から流体を放出するように)少なくとも1つの方向に(シリンジ外筒30に対して)シリンジプランジャ32を移動または前進させることできるよう、任意の適切な様式で(例えば、機械的接触によって、(機械的または別様の)適切な連結によって)シリンジ28のシリンジプランジャ32と相互作用し得る。すなわち、シリンジプランジャ駆動アセンブリ14は、(例えば、同駆動源16の動作を介して)双方向運動が可能であり得るが、自動注入器10は、シリンジプランジャ駆動アセンブリ14の動作が、実際には、自動注入器10によって使用されている各シリンジプランジャ32を1つの方向にしか移動させないように構成され得る。しかしながら、シリンジプランジャ駆動アセンブリ14は、2つの異なる方向のそれぞれに(例えば、共通軸方向経路に沿った異なる方向に)、それぞれのそのようなシリンジプランジャ32を移動させることができるよう、自動注入器10によって使用されている各シリンジプランジャ32と相互作用するように構成され得る。
【0032】
シリンジプランジャ32の後退は、後続の注入または放出のために、シリンジ外筒30の中への流体の装填に適応するために利用され得、後続の注入または放出のために、または任意の他の適切な目的で、シリンジ外筒30の中へ流体を実際に引き込むために利用され得る。ある構成は、シリンジプランジャ駆動アセンブリ14がシリンジプランジャ32を後退させることができることを求めないことがあり、ラム連結器22およびシリンジプランジャ連結器34が必要でないことがある。この場合、シリンジプランジャ駆動アセンブリ14は、(例えば、別の予充填されたシリンジ28が設置された後に)別の流体送達動作を実行する目的で後退させられ得る。ラム連結器22およびシリンジプランジャ連結器34が利用される時でさえも、ラム20がシリンジプランジャ32を前進させて、シリンジ28から流体を放出する(例えば、ラム20が、単純にシリンジプランジャ連結器34、またはシリンジプランジャ32の近位端を直接「押し進め」てもよい)時に、これらの構成要素は連結されてもされなくてもよい。ラム連結器22およびシリンジプランジャ連結器34を連結状態または条件で配置するため、ラム連結器22およびシリンジプランジャ連結器34を非連結状態または条件で配置するため、または両方のために、任意の適切な寸法または寸法の組み合わせで、任意の単一の運動または運動の組み合わせが利用され得る。
【0033】
シリンジ28は、任意の適切な様式で、パワーヘッド12上に設置され得る。例えば、シリンジ28は、パワーヘッド12上に直接設置されるように構成することができる。図示された実施形態では、シリンジ28とパワーヘッド12との間に界面を提供するように、筐体24がパワーヘッド12上に適切に搭載される。この筐体24は、シリンジ28の1つ以上の構成が設置され得るアダプタの形態であり得、シリンジ28の少なくとも1つの構成は、任意のそのようなアダプタを使用することなく、パワーヘッド12上に直接設置することができる。また、筐体24は、シリンジ28の1つ以上の構成が設置され得る、面板の形態であり得る。この場合、面板は、パワーヘッド12上にシリンジ28を設置するために要求されるようなものであり得、面板なしでシリンジ28をパワーヘッド12上に設置することはできない。圧力ジャケット26が使用されている時は、シリンジ28に関して本明細書で論議される種々の様式で、圧力ジャケット26がパワーヘッド12上に設置され得、次いで、シリンジ28は、その後、圧力ジャケット26の中に設置される。
【0034】
筐体24は、シリンジ28を設置する時に、パワーヘッド12上に搭載され、パワーヘッド12に対して固定位置に留まり得る。別の選択肢は、シリンジ28の設置に適応するように、筐体24およびパワーヘッド12を移動可能に相互接続することである。例えば、筐体24は、双頭矢印Aを含む平面内で移動して、ラム連結器22とシリンジプランジャ連結器34との間で、連結状態または条件および非連結状態または条件のうちの1つ以上を提供し得る。
【0035】
1つの特定の自動注入器構成が、図2Aに図示され、参照数字40によって識別され、少なくとも概して、図1の自動注入器10に従う。自動注入器40は、携帯型スタンド48上に搭載されるパワーヘッド50を含む。自動注入器40用の一対のシリンジ86a、86bが、パワーヘッド50上に搭載される。流体が、自動注入器40の動作中にシリンジ86a、86bから放出され得る。
【0036】
携帯型スタンド48は、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類であり得る。スタンド48を携帯型にするために、車輪、ローラ、キャスタ等が利用され得る。パワーヘッド50は、携帯型スタンド48に対して固定位置で維持することができる。しかしながら、少なくとも何らかの様式で、パワーヘッド50の位置が携帯型スタンド48に対して調整可能となることを可能にすることが望ましいことがある。例えば、シリンジ86a、86bのうちの1つ以上の中へ流体を装填または引出する時に、携帯型スタンド48に対して1つの位置でパワーヘッド50を有すること、および注入手技の実施のために携帯型スタンド48に対して異なる位置でパワーヘッド50を有することが望ましいことがある。この点において、パワーヘッド50は、任意の適切な様式で(例えば、パワーヘッド50が少なくともある可動域を通して旋回させられ、その後、所望の位置で維持され得るように)携帯型スタンド48と移動可能に相互接続され得る。
【0037】
パワーヘッド50は、流体を提供するために任意の適切な様式で支持することができると理解されたい。例えば、携帯型構造上に搭載される代わりに、パワーヘッド50は、支持アセンブリと相互接続することができ、支持アセンブリは、順に、適切な構造(例えば、天井、壁、床)に搭載される。パワーヘッド50用の任意の支持アセンブリが、(例えば、1つ以上の他の支持セクションに対して位置付け直され得る1つ以上の支持セクションを有することによって)少なくとも何らかの点で位置調整可能であり得、または固定位置で維持され得る。また、パワーヘッド50は、固定位置で維持されるよう、または支持アセンブリに対して調整可能となるよう、任意のそのような支持アセンブリと統合され得る。
【0038】
パワーヘッド50は、グラフィカルユーザインターフェースまたはGUI52を含む。本GUI52は、自動注入器40の動作の1つ以上の側面を制御する自動注入器40の動作と関連する1つ以上のパラメータを入力/編集し、および(例えば、自動注入器40の動作と関連する)適切な情報を表示する機能のうちの1つ、または任意の組み合わせを提供するように構成され得る。また、自動注入器40は、それぞれ任意の適切な様式で(例えば、1つ以上のケーブルを介して)、パワーヘッド50と通信し得る、検査室の中または任意の他の適切な場所でテーブル上に配置されるか、または電子機器ラック上に搭載されるか、または両方であり得る、コンソール42および電力パック46を含み得る。電力パック46は、注入器40用の電力供給部、コンソール42とパワーヘッド50との間の通信を提供するためのインターフェース回路、遠隔コンソール、遠隔手動または足踏み制御スイッチ、または他の相手先ブランド製造業者(OEM)の遠隔制御接続(例えば、自動注入器40の動作が撮像システムのX線被曝と同期化されることを可能にする)等の遠隔ユニットへの自動注入器40の接続を可能にするための回路、および任意の他の適切な構成要素のうちの1つ以上を、任意の適切な組み合わせで含み得る。コンソール42は、タッチスクリーンディスプレイ44を含み得、それは順に、操作者が自動注入器40の動作の1つ以上の側面を遠隔制御することを可能にし、操作者が自動注入器40の動作と関連する1つ以上のパラメータを入力/編集することを可能にし、操作者が自動注入器40の自動化動作のためのプログラムを特定し、記憶することを可能にし(後に、操作者による開始時に自動注入器40によって自動的に実行することができる)、および自動注入器40の動作と関連し、その動作の任意の側面を含む任意の適切な情報を表示する機能のうちの1つ以上を任意の適切な組み合わせで提供し得る。
【0039】
パワーヘッド50とのシリンジ86a、86bの統合に関する種々の詳細を図2Bに提示する。シリンジ86a、86bのそれぞれは、同じ一般的構成要素を含む。シリンジ86aは、シリンジ外筒88a内で可動性に配置されるプランジャまたはピストン90aを含む。パワーヘッド50の動作を介した、軸100a(図2A)に沿ったプランジャ90aの運動は、シリンジ86aのノズル89aを通してシリンジ外筒88a内から流体を放出する。適切な導管(図示せず)が、典型的には、流体を所望の場所(例えば、患者)に向けるように、任意の適切な様式で、ノズル89aと流体的に相互接続される。同様に、シリンジ86bは、シリンジ外筒88b内で移動可能に配置されるプランジャまたはピストン90bを含む。パワーヘッド50の動作を介した、軸100b(図2A)に沿ったプランジャ90bの運動は、シリンジ86bのノズル89bを通してシリンジ外筒88b内から流体を放出する。パワーヘッド50の動作を介した、軸100b(図2A)に沿った第1の方向と反対方向におけるプランジャ90bの運動は、パワーヘッド50が、流体源に流体的に相互接続される場合、シリンジ86bのノズル89bを通してシリンジ外筒88b中に流体を装填し得る。適切な導管(図示せず)が、典型的には、流体を所望の場所(例えば、患者)に向くように、および/または所望の場所(例えば、流体容器)から流体を装填するように、任意の適切な様式で、ノズル89bと流体的に相互接続される。
【0040】
シリンジ86aは、中間面板102aを介して、パワーヘッド50と相互接続される。本面板102aは、シリンジ外筒88aの少なくとも一部を支持し、任意の追加機能性または機能性の組み合わせを提供/適応し得る架台104を含む。台82aが、面板102aと界面接触するために、パワーヘッド50上に配置され、パワーヘッド50に対して固定される。シリンジ86aに対するシリンジプランジャ駆動アセンブリまたはシリンジプランジャドライバ56(図2C)の各部分である、ラム74(図2C)のラム連結器76は、パワーヘッド50上に搭載されると、面板102aに近接して位置付けられる。シリンジプランジャ駆動アセンブリ56に関する詳細を、図2Cに関して以下でより詳細に論議する。概して、ラム連結器76は、シリンジ86aのシリンジプランジャ90aと連結され得、次いで、ラム連結器76およびラム74(図2C)は、軸100a(図2A)に沿ってシリンジプランジャ90aを移動させるように、パワーヘッド50に対して移動させられ得る。それは、シリンジプランジャ90aを移動させ、シリンジ86aのノズル89aを通して流体を放出する時に、ラム連結器76がシリンジプランジャ90aと係合されるが、実際には連結されないようなものであり得る。
【0041】
面板102aは、パワーヘッド50上の台82aに面板102aを搭載するために、および、パワーヘッド50上の台82aから面板102aを除去するために、(それぞれ、シリンジプランジャ90a、90bの運動と関連し、図2Aに図示される)少なくとも概して、軸100a、100bに対して直角である平面内で移動させられ得る。面板102aは、シリンジプランジャ90aを、パワーヘッド50上の対応するラム連結器76と連結するために使用され得る。この点において、面板102aは、一対のハンドル106aを含む。概して、シリンジ86aが最初に面板102a内に位置付けられると、ハンドル106aは、順に、(それぞれ、シリンジプランジャ90a、90bの運動と関連し、図2Aに図示される)少なくとも概して、軸100a、100bに対して直角である平面内でシリンジ86aを移動/平行移動させるように、移動させられ得る。ハンドル106aを1つの位置に移動させることにより、少なくとも概して下向きの方向に(面板102aに対して)シリンジ86aを移動/平行移動させて、シリンジプランジャ90aを、その対応するラム連結器76と連結する。ハンドル106aを別の位置に移動させることにより、少なくとも概して上向きの方向に(面板102aに対して)シリンジ86aを移動/平行移動させて、シリンジプランジャ90aを、その対応するラム連結器76から分断する。
【0042】
シリンジ86bは、中間面板102bを介して、パワーヘッド50と相互接続される。台82bが、面板102bと界面接触するために、パワーヘッド50上に配置され、パワーヘッド50に対して固定される。シリンジ86bに対するシリンジプランジャ駆動アセンブリ56の各部分である、ラム74(図2C)のラム連結器76は、パワーヘッド50に搭載されると、面板102bに近接して位置付けられる。シリンジプランジャ駆動アセンブリ56に関する詳細を、再度、図2Cに関して以下でより詳細に論議する。概して、ラム連結器76は、シリンジ86bのシリンジプランジャ90bと連結され得、ラム連結器76およびラム74(図2C)は、軸100b(図2A)に沿ってシリンジプランジャ90bを移動させるように、パワーヘッド50に対して移動させられ得る。それは、シリンジプランジャ90bを移動させ、シリンジ86bのノズル89bを通して流体を放出する時に、ラム連結器76がシリンジプランジャ90bと係合されるが、実際には連結されないようなものであり得る。
【0043】
面板102bは、パワーヘッド50上の台82bに面板102bを搭載するために、および、パワーヘッド50上の台82bから面板102bを除去するために、(それぞれ、シリンジプランジャ90a、90bの運動と関連し、図2Aに図示される)少なくとも概して、軸100a、100bに対して直角である平面内で動かされ得る。面板102bはまた、シリンジプランジャ90bを、パワーヘッド50上の対応するラム連結器76と連結するために使用され得る。この点において、面板102bは、一対のハンドル106bを含む。概して、シリンジ86bが最初に面板102b内に位置付けられると、シリンジ86bは、その長軸100b(図2A)に沿って、面板102bに対して回転させられ得る。本回転は、ハンドル106bを動かすことによって、シリンジ86bを把持して旋回させることによって、または両方によって実現され得る。いずれの場合でも、本回転は、(それぞれ、シリンジプランジャ90a、90bの運動と関連し、図2Aに図示される)少なくとも概して、軸100a、100bに対して直角である平面内で、シリンジ86bおよび面板102bの両方を移動/平行移動させる。シリンジ86bを1つの方向に回転させることにより、少なくとも概して下向きの方向にシリンジ86bおよび面板102bを移動/平行移動させて、シリンジプランジャ90bを、その対応するラム連結器76と連結する。シリンジ86bを反対方向に回転させることにより、少なくとも概して上向きの方向にシリンジ86bおよび面板102bを移動/平行移動させて、シリンジプランジャ90bを、その対応するラム連結器76から分断する。
【0044】
図2Bに図示されるように、シリンジプランジャ90bは、プランジャ本体92と、シリンジプランジャ連結器94とを含む。本シリンジプランジャ連結器94は、プランジャ本体92から離間したヘッド96とともに、プランジャ本体92から延在するシャフト98を含む。ラム連結器76のそれぞれは、ラム連結器76の面の上のより小型のスロットの後に位置付けられるより大型のスロットを含む。シリンジプランジャ連結器94のヘッド96は、ラム連結器76のより大型のスロット内に位置付けられ得、シリンジプランジャ連結器94のシャフト98は、シリンジプランジャ90bおよびその対応するラム連結器76が連結状態または条件である時に、ラム連結器76の面の上のより小型のスロットを通って延在し得る。シリンジプランジャ90aは、その対応するラム連結器76と界面接触するために、同様のシリンジプランジャ連結器94を含み得る。
【0045】
パワーヘッド50は、自動注入器40の場合では、シリンジ86a、86bから流体を放出するために利用される。すなわち、パワーヘッド50は、シリンジ86a、86bのそれぞれから流体を放出する原動力を提供する。シリンジプランジャ駆動アセンブリまたはシリンジプランジャドライバとして特徴付けられ得るものの一実施形態が、図2Cに図示され、参照数字56によって識別され、シリンジ86a、86bのそれぞれから流体を放出するために、パワーヘッド50によって利用され得る。別個のシリンジプランジャ駆動アセンブリ56が、シリンジ86a、86bのそれぞれに対するパワーヘッド50に組み込まれ得る。この点において、図2A−Bを再度参照すると、パワーヘッド50は、シリンジプランジャ駆動アセンブリ56のそれぞれを別個に制御する際に使用するための手動ノブ80aおよび80bを含み得る。
【0046】
最初に、図2Cのシリンジプランジャ駆動アセンブリ56に関して、その個々の構成要素のそれぞれは、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類であり得る。シリンジプランジャ駆動アセンブリ56は、出力シャフト60を有するモータ58を含む。駆動歯車62が、モータ58の出力シャフト60上に搭載され、それとともに回転する。駆動歯車62は、被駆動歯車64と係合されるか、または少なくとも係合可能である。本被駆動歯車64は、駆動ネジまたはシャフト66上に搭載され、それとともに回転する。その周囲で駆動ネジ66が回転する軸は、参照数字68によって識別される。1つ以上の軸受72が、駆動ネジ66を適切に支持する。
【0047】
台車またはラム74が、駆動ネジ66上に移動可能に搭載される。概して、1つの方向への駆動ネジ66の回転が、対応するシリンジ86a/bの方向へ駆動ネジ66に沿って(それにより、軸68に沿って)ラム74を軸方向に前進させる一方で、反対方向への駆動ネジ66の回転は、対応するシリンジ86a/bから離れて駆動ネジ66に沿って(それにより、軸68に沿って)ラム74を軸方向に前進させる。この点において、駆動ネジ66の少なくとも一部の周囲は、ラム74の少なくとも一部と界面接触する螺旋ネジ山70を含む。ラム74はまた、駆動ネジ66の回転中にラム74が回転することを可能にしない、適切なブッシング78内で移動可能に搭載される。したがって、駆動ネジ66の回転は、駆動ネジ66の回転方向によって決定される方向で、ラム74の軸方向移動を提供する。
【0048】
ラム74は、対応するシリンジ86a/bのシリンジプランジャ90a/bのシリンジプランジャ連結器94と着脱可能に連結され得る連結器76を含む。ラム連結器76およびシリンジプランジャ連結器94が適切に連結されると、シリンジプランジャ90a/bは、ラム74とともに移動する。図2Cは、シリンジ86a/bが、ラム74に連結されることなく、その対応する軸100a/bに沿って移動させられ得る構成を図示する。シリンジプランジャ90a/bのヘッド96が、ラム連結器76と整列しているが、軸68が依然として図2のオフセット構成にある状態でその対応する軸100a/bに沿って移動させられる場合、シリンジ86a/bは、それに沿ってラム74が移動する軸68に対して直角である平面内で平行移動させられ得る。このことは、上述の様式でラム連結器76とシリンジプランジャ連結器96との間で連結係合を確立する。
【0049】
図1および2A−Cの自動注入器10、40はそれぞれ、流体が対象(例えば、患者)に注入される医療撮像用途に限ることなく、任意の適切な用途に使用され得る。自動注入器10、40の代表的な医療撮像用途は、限定するものではなく、CT撮像、MRI、SPECT撮像、PET撮像、X線撮像、血管造影法、光学撮像、および超音波撮像を含む。自動注入器10、40はそれぞれ、単独で、または1つ以上の他の構成要素と組み合わせて使用することができる。自動注入器10、40はそれぞれ、例えば、情報が自動注入器10、40と1つ以上の他の構成要素との間で伝えられ得るように(例えば、スキャン遅延情報、注入開始信号、注入速度)、1つ以上の構成要素と動作可能に相互接続され得る。
【0050】
限定するものではないが、単一ヘッド構成(単一のシリンジ用)および二重ヘッド構成(2つのシリンジ用)を含む任意の数のシリンジが、自動注入器10、40のそれぞれによって利用され得る。多重シリンジ構成の場合は、各自動注入器10、40は、任意の好適な様式で、任意のタイミングシーケンスに従って、種々のシリンジから流体を放出し得る(例えば、2つ以上のシリンジからの連続放出、2つ以上のシリンジからの同時放出、またはそれらの任意の組み合わせ)。複数のシリンジが、(例えば、単一の注入部位に提供するために)共通導管の中へ放出し得、または1つのシリンジが、(例えば、1つの注入部位に提供するために)1つの導管の中へ放出し得る一方で、別のシリンジは、(例えば、異なる注入部位に提供するために)異なる導管の中へ放出し得る。自動注入器10、40のそれぞれによって利用される、それぞれのそのようなシリンジは、任意の適切な流体(例えば、医療流体)、例えば、造影剤、放射性医薬品、生理食塩水、およびそれらの任意の組み合わせを含み得る。自動注入器10、40のそれぞれによって利用される、それぞれのそのようなシリンジは、任意の適切な様式で設置され得る(例えば、後方装填構成が利用され得る、前方装填構成が利用され得る、側面装填構成が利用され得る)。
【0051】
図3Aは、多投与注入システム108の一実施形態の斜視図である。多投与注入システム108は、自動注入器40を含み得る(自動注入器40のパワーヘッド50は、図3Aに例証される。自動注入器40の他の部分は、図3Aに例証されない)。多投与注入システム108は、多使用管類または管セット110(図4Aを参照して説明される)と、患者専用管類または管セット112(図4Bを参照して説明され、また、「患者毎消耗品112」として特徴付けられ得る)とを含み得る。さらに、多投与注入システム108は、カセット114(図5Aおよび5Bを参照して説明される)と、バルク流体容器ホルダモジュール116とを含み得る。多投与注入システム108では、流体は、バルク流体容器ホルダモジュール116から、多使用管類セット110および患者専用管類セット112を通して、患者(例えば、カテーテル260等を通して、患者の血管系)に輸送され得る。多投与注入システム108は、1つ以上のバルク容器から1人以上の患者に流体を輸送および/または混合するように動作可能であり得る。この点において、多投与注入システム108は、バルク容器の安全かつ容易な使用だけではなく、生理食塩水シリンジ126、造影剤シリンジ127、および多使用管類セット110の複数回の使用(例えば、複数の患者にわたって)を可能にし得る。
【0052】
多投与注入システム108における使用の場合、シリンジ126、127は、空で提供され得る。さらに、各シリンジ126、127は、任意の適切な構成であり得る。図3Aに示されるように、生理食塩水シリンジ126(生理食塩水ボトル118に流動的に相互接続されたシリンジ)は、造影剤シリンジ127(造影剤ボトル120に流動的に相互接続されたシリンジ)と同一構成であり得る。故に、一般的空のシリンジが、パワーヘッド50上のシリンジ搭載場所のいずれかに設置され、生理食塩水シリンジ126または造影剤シリンジ127のいずれかとして使用されるように動作可能なように供給され得る。
【0053】
バルク流体容器ホルダモジュール116は、単独患者および/または複数の患者への生理食塩水ならびに/あるいは造影剤の送達のために、生理食塩水ボトル118と、造影剤ボトル120とを保持するように動作可能であり得る。そのような構成は、例えば、MRIおよびCT撮像等の撮像手技と併用して、造影剤および生理食塩水を送達する際に使用され得る。他の実施形態では、バルク流体容器ホルダモジュール116は、任意の適切な種類および数のバルク容器を保持するように構成され得る。バルク容器の数および/または種類は、特定の医療流体送達手技に対応し得る。任意の適切な流体は、バルク流体容器ホルダモジュール116上に設置された各個々のバルク容器内に含まれ得る。
【0054】
バルク流体容器ホルダモジュール116は、支持部122によって支持され得る。支持部122は、バルク流体容器ホルダモジュール116の高さが調節され得るように、調節可能であり得る。支持部122は、概して、バルク流体容器ホルダモジュール116が、パワーヘッド50より高いレベルに配置されるように、調節され得る。そのような位置付けは、重力によって補助されるバルク流体容器ホルダモジュール116からパワーヘッド50への流動を可能にする。支持部122は、例えば、垂直ポールの形態であり得る。支持部122は、独立型ユニットであり得、またはパワーヘッド50のための携帯式スタンド48等、多投与注入システム108の別の構成要素に取り付けられ、それによって支持可能であり得る。
【0055】
バルク流体容器ホルダモジュール116は、2つの容器ホルダ、すなわち、生理食塩水容器ホルダ124および造影剤容器ホルダ125を含み得る。図3Aに示されるように、容器ホルダ124、125は、それぞれ、生理食塩水ボトル118および造影剤ボトル120の形状に対応し得る。例えば、図3Aに示されるように、容器ホルダ124、125は、それぞれ、ボトル118、120を収容するための陥凹を備えてもよく、陥凹は、ボトル118、120の形状に対応するように成形され得る。容器ホルダ124、125は、その中に配置される容器(例えば、生理食塩水ボトル118、造影剤ボトル120)を載せ(例えば、ボトル118、120の一部の形状に対応する、容器ホルダ124、125の一部と接触させることによって、ボトル118、120を支持し)得る。生理食塩水ボトル118および造影剤ボトル120はそれぞれ、例えば、500ミリリットルボトルまたは任意の他の適切なサイズであり得る。生理食塩水ボトル118および造影剤ボトル120は、ボトル118、120の開口部が、下方に向くように保持され得る。開口部は、カセット114に流動的に相互接続され得る。
【0056】
流体源として、ボトル118、120を採用する、多投与注入システムは、概して、本明細書に説明されるが、他の種類の流体源も想定される。例えば、異なる形状のボトル、流体バッグ、および/または任意の他の適切な種類の流体源ならびに/あるいはバルク流体容器が、ボトル118、120の一方もしくは両方と置換され得る。そのような実施形態では、容器ホルダ124、125は、異なる形状のボトル、流体バッグ、あるいは他の適切な種類の流体源および/またはバルク流体容器に対応するように成形され得る。そのような容器は、任意の適切な構成、体積、および/または形状であり得る。各容器ホルダ124、125は、バルク容器の流体出口が、下方に配置されるように、バルク容器を所定の位置に保持するように構成され得る。さらに、複数の容器ホルダを含むシステムでは、各容器ホルダは、特定のバルク容器専用に構成され得る(例えば、容器ホルダのうちの1つ以上は、特定の多投与注入システム108内の1つ以上の他の容器ホルダと異なって構成され得る)。例えば、生理食塩水ボトル118は、造影剤容器ホルダ125内に設置されるように動作不可能であるように成形され得る。さらに、容器ホルダ124、125は、異なる種類のバルク容器を収容するように調節可能であり得る。
【0057】
バルク流体容器ホルダモジュール116は、その中に配置される1つ以上のバルク容器を加温するように動作可能な構成要素を含み得る。バルク容器を加熱するための任意の適切な手段が、利用され得る。例えば、バルク流体容器ホルダモジュール116は、それによって発生される熱が、バルク容器に伝達され、したがって、その中の流体を加熱し得るように、容器ホルダ124、125の1つ以上の表面に沿って配置される、1つ以上の抵抗要素を含み得る。この点において、容器ホルダ124、125は、その中に挿入されるボトル118、120を載せ(例えば、容器ホルダ124、125の表面は、ボトル118、120の形状の一部に対応し得る)、容器ホルダ124、125からボトル118、120に熱を伝達する補助をし得る、接触面積をもたらし得る。バルク流体容器ホルダモジュール116は、例えば、容器ホルダ124、125のバルク容器および/または表面内に含まれる流体等、種々の部材の温度を感知するように動作可能なセンサを含み得る。バルク容器が加熱され得る温度は、調節可能であり得る。バルク流体容器ホルダモジュール116は、例えば、その中に配置されるバルク容器の任意の1つ以上を体温またはその近傍のレベルまで加温するように動作可能であり得る。
【0058】
バルク流体容器ホルダモジュール116は、カセット114が、バルク流体容器ホルダモジュール116に可撤性かつ交換可能に固定され得るように構成され得る。例えば、バルク流体容器ホルダモジュール116は、カセット114をバルク流体容器ホルダモジュール116中にスナップ留めさせる特徴を含み得る。それは、カセット114が、任意のツールを使用せず、手動で、バルク流体容器ホルダモジュール116に着脱可能に設置され、そこから除去可能であるようなものであり得る。ネジ、バネ荷重ピン、磁石、または任意の他の適切な機構等の他の種類の機構が、カセット114をバルク流体容器ホルダモジュール116に可撤性かつ交換可能に固定するために使用され得る。
【0059】
本明細書で使用される場合、「着脱可能に連結された」とは、構成要素が相互接続されるが、なお相互から離脱される能力を保持し、離脱後に、構成要素のうちの少なくとも1つが使用可能な状態にあり続ける、構成要素間の関係を表す。
【0060】
バルク流体容器ホルダモジュール116は、RFIDタグを読取可能な1つ以上の無線自動識別(RFID)タグ読取機を含み得る。1つ以上のRFIDタグ読取機は、バルク流体容器ホルダモジュール116内に設置された各容器(例えば、生理食塩水ボトル118および造影剤ボトル120の両方)上に配置されたボトルRFIDタグ128を読取可能であり得る。ボトルRFIDタグ128から読み取られた情報は、例えば、正確なバルク容器の検証、バルク容器の変化の通知、およびバルク容器がバルク流体容器ホルダモジュール116に接続されている時間の長さの追跡を含む、複数の異なる方法で使用され得る。ボトルRFIDタグ128から読み取られた情報は、例えば、ロット番号、有効期限および/または時間、内容物、濃度、ならびに/あるいは充填体積を含み得る。ボトルRFIDタグ128から読み取られた情報は、多投与注入器システム108に相互接続される自動注入器40および/または他のデバイスに転送され得る。1つ以上のRFIDタグ読取機は、どのボトル118、120がどの容器ホルダ124、125内にあるかを区別するように動作可能であり得る。この点において、1つ以上のRFIDタグ読取機は、誤配置されたボトル(例えば、造影剤容器ホルダ125内に留置された生理食塩水ボトル118)を検出するように動作可能であり得る。
【0061】
1つ以上のRFIDタグ読取機は、カセット114上に配置されたRFIDタグを読み取るように動作可能であり得る。この点において、多投与注入システム108は、いつカセット114が除去され、および/またはいつ新しいカセット114が設置されたかを判定するように動作可能であり得る。また、多投与注入システム108は、カセット114の変更が必要とされる時を判定するように動作可能であって、そのような状況を多投与注入システム108をオペレータ(例えば、医療従事者)に示し得る(例えば、GUI52および/または可聴警告を介して)。
【0062】
ボトル118、120および/またはカセット114識別および情報の取扱の他の適切な方法が、単独あるいは連携して、多投与注入システム108によって採用され得る。例えば、機械可読ラベル(例えば、バーコード)および/または人間可読ラベルが採用され、上述のRFIDタグおよび読取機の機能のいくつかを行い得る。
【0063】
バルク流体容器ホルダモジュール116は、色分けおよび/または他の視覚インジケータを含み、オペレータが多投与注入システム108を設定する際の補助となり得る。例えば、生理食塩水ボトル118は、生理食塩水ボトル118が設置される、生理食塩水容器ホルダ124内に配置される紫色部分と一致する、紫色部分(例えば、ボトルに取り付けられたラベル上)を含み得る。この点において、オペレータは、生理食塩水ボトル118(紫色部分を含む)を生理食塩水容器ホルダ124(紫色部分を含む)と整合させ得る。同様に、造影剤ボトル120および対応する造影剤容器ホルダ125は、例えば、黄色特徴によって、色分けされ得る。当然ながら、任意の適切な色および/または記号が、視覚インジケータとして使用され、多投与注入システム108オペレータが多投与注入システム108を設定する際の補助となり得る。
【0064】
図5Bを簡単に参照すると、カセット114は、生理食塩水弁176と、造影剤弁178とを含み得る。バルク流体容器ホルダモジュール116は、カセット114の弁176、178を作動するように動作可能な弁アクチュエータ130、131(図3B)を含み得る。各弁176、178は、特定の弁176、178に関連するメス型六角形部材を回転させることによって、作動可能であり得る。弁176、178は、任意の適切な構成(例えば、止水栓式弁)であって、そこを通る流体流量を制御するように動作可能であり得る。この点において、弁176、178は、完全閉鎖位置から完全開放位置に連続的に調節可能であるように動作可能であり得る。
【0065】
バルク流体容器ホルダモジュール116および/またはカセット114は、カセット114がバルク流体容器ホルダモジュール116上に設置された後、多投与注入システム108に弁176、178の位置を判定させる特徴を含み得る。例えば、弁176、178は、メス型六角形部材が360度自由に回転するのを防止する、硬質停止部を特徴とし得る。故に、弁アクチュエータ130、131は、弁176、178の位置が分かる時点である、弁176、178が硬質停止部に当接するまで、弁176、178を駆動させ得る。別の実施例では、カセット114は、弁176、178が特定の位置(例えば、開放または閉鎖)にある時、作動され得る、スイッチ(および関連電気接続)を含み得、多投与注入システム108は、作動されたスイッチを読み取り、弁176、178の位置を判定可能であり得る。さらに別の実施例では、弁176、178は、その位置に関するインジケータ(例えば、視覚、磁気)を含み得、バルク流体容器ホルダモジュール116は、インジケータの感知に基づいて、弁176、178の位置を判定するように動作可能なセンサを含み得る。
【0066】
図3Bは、カセット114と、生理食塩水ボトル118と、造影剤ボトル120と、が除去された、バルク流体容器ホルダモジュール116の斜視図である。バルク流体容器ホルダモジュール116の生理食塩水弁アクチュエータ130および造影剤弁アクチュエータ131は、対応する弁176、178の対応するメス型六角形部材と界面接触するように動作可能な六角形オス型突起を備え得る。弁アクチュエータ130、131はそれぞれ、モータまたは任意の他の適切な機構を含み、六角形オス型突起を回転させ、弁176、178を調節し得る。図5Bおよび3Bには、六角形の楔止として示されるが、バルク流体容器ホルダモジュール116の弁アクチュエータ130、131をカセット114の弁176、178と機械的に界面接触させる任意の適切な方法が、多投与注入システム108に組み込まれ得る。さらに、カセット114の弁176、178の作動の任意の他の適切な方法が、利用され得る。
【0067】
図3Aに戻ると、バルク流体容器ホルダモジュール116は、生理食塩水ボトル118および/または造影剤ボトル120内の流体レベルを検出するように動作可能な1つ以上のセンサを含み得る。例えば、光学センサが、生理食塩水ボトル118および/または造影剤ボトル120の開口部に近接して配置され、生理食塩水ボトル118および/または造影剤ボトル120が、空になった時または空に近づいた時を検出し得る。任意の適切な場所または複数の場所に配置される、任意の適切な種類のセンサあるいは複数のセンサが、バルク流体容器ホルダモジュール116によって利用され得る。センサは、概して、取り付けられた生理食塩水ボトル118および/または造影剤ボトル120内の流体体積レベルを検出するように配置され、あるいはセンサは、生理食塩水ボトル118および/または造影剤ボトル120が、あるレベルに到達した(例えば、空に近づいた)時を検出するように配置され得る。
【0068】
バルク流体容器ホルダモジュール116は、多投与注入システム108の他の部分と通信するように動作可能であり得る。この点において、本明細書に論じられるバルク流体容器ホルダモジュール116の種々の特徴は、多投与注入システム108の他の部分(例えば、自動注入器40のパワーヘッド50および/またはGUI52)に位置する構成要素によって制御ならびに/あるいは指示され得る。例えば、弁アクチュエータ130、131の作動は、パワーヘッド50によって、制御され、それと同期され得る。バルク流体容器ホルダモジュール116のボトル加熱器は、パワーヘッド50によって制御され得る(例えば、ユーザは、GUI52から、ボトル加温器をオン/オフし、ボトル加温器の設定温度を設定し得る)。さらに、バルク流体容器ホルダモジュール116は、バルク流体容器ホルダモジュール116内に設置されるボトル118、120および/またはカセット114から取得したRFIDタグ情報をパワーヘッド50または多投与注入システム108の他の適切な構成要素に通信し得る。バルク流体容器ホルダモジュール116は、流体レベル情報(例えば、上述のセンサから取得した)を通信し得る。バルク流体容器ホルダモジュール116と多投与注入システム108の他の構成要素との間の通信は、直接電気接続(例えば、有線)または無線接続を含む、任意の適切な方法あるいは技術を介してであり得る。
【0069】
例証されるバルク流体容器ホルダモジュール116およびバルク流体容器ホルダモジュール116に関する付随の議論は、生理食塩水ボトル118および造影剤ボトル120のために指定される容器ホルダ124、125について説明する。しかしながら、バルク流体容器ホルダモジュール116は、特定の用途または手技のために、任意の適切な数の容器を保持するように構成され得る。例えば、多投与注入システム108の実施形態は、単一流体源のみ必要とされる手技の場合、単一容器ホルダを含み得る。さらなる実施例の場合、多投与注入システム108の実施形態は、3つ以上の異なる流体源が要求され得る手技の場合、3つ以上の容器ホルダを含み得る。さらなる実施例では、多投与注入システム108の実施形態は、容器ホルダのいくつかが、同一種類の流体を含む別個のバルク容器を保持する、3つ以上の容器ホルダを含み得る。そのようなシステムを使用して、バルク容器の置換を補助する、および/またはバルク容器の1つが空になった時あるいは空に近づいた時、流体の送達を継続するように動作可能であり得る。
【0070】
バルク流体容器ホルダモジュール116は、パワーヘッド50と併用して、ボトル118、ボトル120、またはボトル118およびボトル120の両方から、流体を輸送するように動作可能であり得る。そのような輸送は、連続的にまたは同時に行われ得る。例えば、特定の患者は、特定の手技の際、造影剤のみ受け取り、その場合、造影剤ボトル120からの造影剤は、パワーヘッド50上に設置された造影剤シリンジ127中に装填されるであろう。別の実施例では、患者は、最初に、ある用量の生理食塩水を受け取った後、ある用量の造影剤を受け取り得(または、その逆)、その場合、造影剤ボトル120からの造影剤は、パワーヘッド50上に設置された造影剤シリンジ127中に装填され、生理食塩水ボトル118からの生理食塩水は、パワーヘッド50上に設置された生理食塩水シリンジ126中に装填されるであろう。別の実施例では、患者は、ある用量の生理食塩水を受け取り、同時に、ある用量の造影剤を受け取り得、その場合、造影剤ボトル120からの造影剤は、パワーヘッド50上に設置された造影剤シリンジ127中に装填され、生理食塩水ボトル118からの生理食塩水は、パワーヘッド50上に設置された生理食塩水シリンジ126中に装填され得る。2つの流体は、多使用管類セット110内で一緒に混合し、希釈された用量の造影剤を患者に効果的に送達し得る。
【0071】
図4Aは、多使用管類セット110の斜視図であって、図4Bは、患者専用管類セット112の斜視図である。多使用管類セット110は、図4Aに例証されるように、カセット114に恒久的に相互接続され得る。この点において、多使用管類セット110およびカセット114は、単一ユニットとして、ともにパッケージ化され、交換され得る。代替として、カセット114および多使用管類セット110は、相互に相互接続され得る(例えば、ルアーコネクタ、返しを使用して)、別個のアイテムであり得る。
【0072】
カセット114に流動的に相互接続されるのは、2つの流体管、すなわち、生理食塩水管132および造影剤管134である。管132、134は、種々の場所間に流体の流動を向けるための任意の適切な構造であり得る。管132、134は、カセット114をパワーヘッド50上のシリンジ126、127の対応するノズルと流動的に相互接続し得る。この点において、生理食塩水管132は、生理食塩水コネクタ142に流動的に相互接続され得る。生理食塩水コネクタ142は、パワーヘッド50上の生理食塩水シリンジ126のノズルに直接接続するように動作可能なルアー式コネクタの形態であり得る。造影剤管134は、造影剤コネクタ144に流動的に相互接続され得る。造影剤コネクタ144は、パワーヘッド50上の造影剤シリンジ127のノズルに直接接続するように動作可能なルアー式コネクタの形態であり得る。生理食塩水管132および造影剤管134とその対応するノズルとの間の接続のために、任意の適切な流体コネクタが、本明細書に説明されるルアー式コネクタと置換され得る。
【0073】
生理食塩水管132は、生理食塩水Yコネクタ138(または、任意の他の適切なコネクタ)を介して、生理食塩水コネクタ142に相互接続され得、あるいは生理食塩水コネクタ142は、単純に、生理食塩水管132中へと通じる短い延長管と関連付けられ得る。また、生理食塩水Yコネクタ138は、生理食塩水管と造影剤管とのYコネクタ150に流動的に相互接続され得る。生理食塩水Yコネクタ138と生理食塩水管と造影剤管とのYコネクタ150との間に位置付けられるのは、生理食塩水管一方向逆止弁146であり得る。生理食塩水管一方向逆止弁146は、生理食塩水Yコネクタ138から、生理食塩水管と造影剤管とのYコネクタ150への方向にのみ、流体流動を許可にするように動作可能であり得る。生理食塩水管一方向逆止弁146は、生理食塩水管一方向逆止弁146が開放し、流体を流動させる前に、生理食塩水管一方向逆止弁146の上流に存在する、クラッキング圧(例えば、生理食塩水管一方向逆止弁146が動作する最小上流圧力)以上の圧力を要求し得る。同様に、造影剤管134は、造影剤Yコネクタ140(または、任意の他の適切なコネクタ)を介して、造影剤コネクタ144に相互接続され得、あるいは造影剤コネクタ144は、単純に、造影剤管134中に通じる短い延長管と関連付けられ得る。また、造影剤Yコネクタ140は、生理食塩水管と造影剤管とのYコネクタ150に流動的に相互接続され得る。造影剤Yコネクタ140と生理食塩水管と造影剤管とのYコネクタ150との間に位置付けられるのは、造影剤管一方向逆止弁148であり得る。造影剤管一方向逆止弁148は、生理食塩水管一方向逆止弁146と同様に構成され得、造影剤Yコネクタ140から、生理食塩水管と造影剤管とのYコネクタ150の方向にのみ、流体流動を許可するように動作可能であり得る。生理食塩水管一方向逆止弁146および造影剤管一方向逆止弁148はともに、パワーヘッド50の生理食塩水シリンジ126および造影剤シリンジ127から患者への流体の流動を許可する一方、少なくとも、反対方向への逆流を防止する。
【0074】
図4Aに例証されるように、生理食塩水管132および造影剤管134は、結合された管区分136において一緒に結合され得る(但し、流動的にともに結合されてはいない)。そのような構成は、生理食塩水管132および造影剤管134が、相互から完全に分離する場合に生じ得る、管のもつれを低減させるのに有用である。生理食塩水管132および造影剤管134は、任意の適切な長さであり得る。例えば、管132、134は、バルク流体容器ホルダモジュール116に取り付けられたカセット114が、パワーヘッド50の上方に位置付けられ、重力が、バルク流体容器ホルダモジュール116からパワーヘッド50へと下る生理食塩水および造影剤の流動を補助し得るような長さであり得る。
【0075】
生理食塩水管132は、生理食塩水の粘度ならびに医療流体送達手技の際にその中で予期される流速および圧力に適切な内径を伴って構成され得る。さらに、生理食塩水管132の壁厚および材料は、とりわけ、流体送達手技の際に予期される圧力に基づいて、選択され得る。同様に、造影剤管134は、使用される造影剤の粘度ならびに医療流体送達手技の際にその中で予期される流速および圧力に適切な内径を伴って構成され得る。造影剤管134の壁厚および材料は、とりわけ、流体送達手技の際に予期される圧力に基づいて、選択され得る。
【0076】
生理食塩水コネクタ142および造影剤コネクタ144は、色分けされる、または別様にマークされ、多投与注入システム108の設定を補助し得る。例えば、生理食塩水ボトル118のマーキングに関して上述の色分け方式を引き続き利用する場合、生理食塩水コネクタ142は、紫色に色分けされ得る。さらに、パワーヘッド50上の生理食塩水シリンジ126のノズルおよび/または他の部分もまた、紫色に色分けされ得る。同様に、造影剤コネクタ144ならびにパワーヘッド50上の造影剤シリンジ127の対応するノズルおよび/または他の部分は、黄色に色分けされ得る。さらに、生理食塩水コネクタ142および造影剤コネクタ144は、コネクタ142、144のそれぞれが、対応するシリンジ126、127から、その対応するノズルにのみ取り付けられるように動作可能であるように、一意的に構成され得る(例えば、一意的に楔止される、一意的に定寸される)。
【0077】
生理食塩水管と造影剤管とのYコネクタ150に相互接続されるのは、延長管152であり得る。延長管152は、コイル状であって、延長管152の取扱を補助し、もつれを低減させ得る。延長管152は、任意の適切な長さであり得る。例えば、延長管152は、多投与注入システム108を利用する撮像手技の前、間、および後に見られ得る、パワーヘッド50と患者専用管類セット112との間の典型的距離に対応する長さであり得る。
【0078】
生理食塩水管と造影剤管とのYコネクタ150の反対の延長管152の端部には、無針消毒可能メス型ルアーコネクタ154があり得る。患者内に挿入される、カテーテル260(図3A)等のカテーテルは、典型的には、メス型ルアーコネクタ(例えば、カテーテル界面メス型ルアー262)を有する。延長管152の端部に、メス型ルアーコネクタ154を有することによって、患者内に設置されるカテーテルへのメス型ルアー154の直接の偶発的取り付けが、防止されるはずである(例えば、延長管152の端部における、メス型ルアーコネクタ154へのカテーテル260に接続される、カテーテル界面メス型ルアー262の直接接続不能によって)。したがって、患者流体によって、多使用管類セット110が汚染される機会が、低減されるはずである。この点において、後述の患者専用管類セット112等、各端にオス型ルアーコネクタを伴う、一意的管類セットが、延長管152をカテーテル界面メス型ルアー262に相互接続するために要求される。さらに、メス型ルアーコネクタ154は、消毒可能であって、したがって、新しい患者専用管類セット112に流動的に相互接続される前に、洗浄され得る。
【0079】
留意されるように、次に、図4Bを参照すると、患者専用管類セット112は、2つのオス型ルアー接続、すなわち、メス型ルアー154(多使用管類セット110から)に相互接続するように動作可能なオス型ルアー156と、例えば、カテーテル界面メス型ルアー262および患者内に挿入されるカテーテル260(図3A)に相互接続するように動作可能な患者界面オス型ルアー162とを含み得る。患者専用管類セット112は、アクセスルアー158等の代替アクセスポートを含み得る。アクセスルアー158を使用して、例えば、患者内に挿入され、患者界面オス型ルアー162を介して接続される、カテーテル260の開存性を確認し得る。アクセスルアー158を使用して、例えば、代替流体(例えば、生理食塩水または造影剤の代替)を患者に送達し得る。アクセスルアー158は、任意の他の適切な手技および/または流体送達のために使用され得る。任意の他の適切な種類の流体アクセスデバイスが、アクセスルアー158に追加される、またはそれと置換され得る。
【0080】
また、患者専用管類セット112は、二重一方向逆止弁160を含み得る。二重一方向逆止弁160は、患者界面オス型ルアー162からオス型ルアー156へと向かう方向における流体流動を防止し得る。この点において、二重一方向逆止弁160は、患者からの流体による、多使用管類セット110の汚染の潜在性を低減させ得る。次いで、これは、特定の患者からの流体が、別の患者からの流体と混合する潜在性を低減させることによって、いくつかの患者に流体を供給するために、多使用管類セット110の使用を可能となるはずである。二重一方向逆止弁160は、2つの直列に配置された個々の一方向逆止弁を備え得る。そのような構成は、一方向逆止弁のうちの一方が故障する場合、他方の一方向逆止弁が、機能性を維持し、患者から多使用管類セット110中への流体の逆流の潜在性を低減させ得るという点において、あるレベルの冗長性を提供する。
【0081】
患者専用管類セット112の二重一方向逆止弁160は、(例えば、患者専用管類セット112を通る流体の正常流動に対して)Yコネクタ164の下流に位置付けられる。代替構成では、二重一方向逆止弁160は、Yコネクタ164とオス型ルアー156との間のYコネクタ164の上流に配置され得る。別の配列では、二重一方向逆止弁160の一つの一方向弁が、Yコネクタ164の各側に配置され得る。二重一方向逆止弁160の一方向逆止弁の任意の他の適切な構成が、患者専用管類セット112内で利用され得る。
【0082】
簡単に図3Aに戻ると、患者専用管類セット112は、患者内に挿入され得る、カテーテル260に流動的に相互接続され得る。この点において、カテーテル界面メス型ルアー262は、患者界面オス型ルアー162に流動的に接続するように動作可能であり得る。カテーテル260は、それを通して、多投与注入システム108からの流体が、患者の血管系に流入し、その後、患者の流体と混合し得る、流体出口ポート261を含み得る。
【0083】
図5Aは、多投与注入システム108によって使用される、カセット114の斜視上面図である。図5Bは、図5Aのカセット114の斜視底面図である。カセット114は、バルク流体容器ホルダモジュール116に選択的に固着可能であり得る。カセット114は、カセット114が、バルク流体容器ホルダモジュール116に固着され得るように、バルク流体容器ホルダモジュール116上の特徴に対応する、特徴を含み得る。例えば、カセット114は、バルク流体容器ホルダモジュール116中にスナップ留めされ得る。クリップ、ネジ等を使用して、カセット114を固着し得る。カセット114をバルク流体容器ホルダモジュール116に選択的に固着する任意の他の適切な手段が、採用され得る。
【0084】
カセット114は、カセットRFIDタグ174等の識別特徴を含み得る。バルク流体容器ホルダモジュール116は、カセット114に取り付けられる、RFIDタグ174を読み取るように動作可能なRFIDタグ読取機(図示せず)を含み得る。この点において、バルク流体容器ホルダモジュール116は、カセット114に関する情報を判定するように動作可能であり得る。そのような情報は、例えば、カセット114部品番号、カセット114製造番号、およびカセット114構成情報を含み得る。そのような情報は、多投与注入システム108の他の構成要素に通信され得る。そのような情報は、例えば、操作、検証、または記録目的のために使用され得る。さらに、カセットRFIDタグ174を使用して、バルク流体容器ホルダモジュール116に取り付けられたカセット114の存在を追跡し、カセット114に相互接続されるバルク流体容器からの流体の流動を追跡することによって、カセット114の使用履歴が、展開され得る。そのような使用履歴を使用して、例えば、カセット114(およびまた、随意に、カセット114に接続された多使用管類セット110)を交換すべき時、ならびに/あるいは生理食塩水ボトル118および/または造影剤ボトル120を交換すべき時を判定し得る。さらに、RFIDタグ読取機は、特定のカセット114が除去されるべき時、および/または異なるカセット114と交換されるべき時を検出するように動作可能であり得る。
【0085】
カセットRFIDタグ174は、カセット114上の任意の適切な場所に配置され得る。RFIDタグ読取機は、バルク流体容器ホルダモジュール116上または多投与注入システム108の任意の他の適切な構成要素上の任意の適切な場所に配置され得る。
【0086】
例証されるように、カセット114は、生理食塩水スパイク170および造影剤スパイク172の形態として、2つのバルク流体容器流体界面を含む。スパイク170、172は、ボトル118、120から流出するのに伴って、ボトル118、120中に空気を流入させるように通気され得る。必要に応じて、例えば、バルク流体容器が折り畳み可能である場合、スパイク170、172は、通気口を含まなくてもよい。カセット114は、適切な数のバルク流体容器流体界面を含み得る。スパイク170、172は、カセット114に固定して固着され、カセット114がバルク流体容器ホルダモジュール116に固着されると、カセット114から上方に向くように配置され得る。この点において、生理食塩水ボトル118(図3A)等の流体容器は、生理食塩水ボトル118を生理食塩水スパイク170上に押下および/または降下することによって、カセット114に流動的に相互接続され得る。流体相互接続は、生理食塩水ボトル118が生理食塩水スパイク170上に降下されるのに伴って、生理食塩水スパイク170が、生理食塩水ボトル118の隔膜または他の穿刺可能障壁を穿刺することによって、達成され得る。生理食塩水ボトル118は、生理食塩水ボトル118を上方に引き上げることによって、カセット114から除去され得る。加えて、生理食塩水スパイク170に流動的に相互接続されると、クリップ、ツイストロック、スナップ、あるいは任意の他の適切な固着デバイスまたは複数のデバイス等の追加固着特徴を使用して、生理食塩水ボトル118を生理食塩水スパイク170上にさらに固着し得る。造影剤ボトル120は、類似様式で、造影剤スパイク172に固着され得る。
【0087】
生理食塩水スパイク170は、順に、生理食塩水管132に流動的に相互接続される、生理食塩水弁176に流動的に相互接続され得る。生理食塩水弁176は、完全開放(例えば、生理食塩水スパイク170と生理食塩水管132との間の流体流動を制限しない)と完全閉鎖(例えば、生理食塩水スパイク170と生理食塩水管132との間の流動が存在しない)位置との間を変動するように動作可能な止水栓式弁であり得る。また、生理食塩水弁176は、そこを通る部分的流体流動を可能にする、中間位置に位置付けられるように動作可能であり得る。生理食塩水弁176は、カセット114の筐体115内に配置され得る。また、筐体115は、生理食塩水スパイク170の一部と、生理食塩水管132を生理食塩水弁176に、および生理食塩水スパイク170を生理食塩水弁176に流動的に相互接続する流体通路とを含み得る。造影剤スパイク172および造影剤管134は、同様に構成された造影剤弁178に流動的に相互接続され得る。造影剤弁178は、生理食塩水弁176と同様に構成され得る。
【0088】
カセット114は、生理食塩水印180を含み、ユーザが生理食塩水ボトル118の設置のための適切な場所を判定する補助となり得る。生理食塩水印180は、文字S等の記号の形態であり得る。さらに、生理食塩水印180は、紫色(または、任意の他の適切な色)に色分けされ得る。カセット114は、文字C等の造影剤印182を含み得る。造影剤印182は、黄色(または、任意の他の適切な色)に色分けされ得る。
【0089】
次に、弁176、178の動作について、造影剤弁178が、パワーヘッド50上の造影剤シリンジ127に流動的に相互接続される、例示的構成において説明される。生理食塩水の流動は、類似様式で制御され得、特定の流体源(例えば、生理食塩水ボトル118、造影剤ボトル120)が、パワーヘッド50上の任意の適切なシリンジ126、127に流動的に相互接続され得ることを理解されるであろう。造影剤弁178は、パワーヘッド50上の造影剤シリンジ127の移動に関連して用いられ、造影剤ボトル120から、カセット114、多使用管類セット110、患者専用管類セット112を通って、患者内へと造影剤の輸送を達成し得る。そのような流動を達成するために、造影剤弁178は、造影剤シリンジ127のプランジャの後退の際、開放位置に配置され得る。そのような後退の際、真空力が、造影剤シリンジ127内に発生し、取り付けられた造影剤管134に伝達され、それによって、造影剤ボトル120から造影剤シリンジ127中に流体を装填し得る。造影剤管一方向逆止弁148は、造影剤管一方向逆止弁148の下流の多使用管類セット110の一部からの流体が、造影剤シリンジ127中に流動するのを防止し得る。十分な量の流体が、造影剤シリンジ127中に装填されると、造影剤弁178は、閉鎖され、造影剤シリンジ127のプランジャが前進され得る。閉鎖された造影剤弁178は、造影剤が、造影剤ボトル120中に逆流するのを防止し得る。一方、造影剤管一方向逆止弁148は、造影剤シリンジ127から、延長管152、患者専用管類セット112、患者内へと、そこを通る流動を許可し得る。生理食塩水弁176およびパワーヘッド50の対応する生理食塩水シリンジ126の類似操作は、生理食塩水ボトル118から患者内への生理食塩水の輸送を促進するように動作可能であり得る。
【0090】
弁176、178は、バルク流体容器ホルダモジュール116によって、その作動を促進するための特徴を含み得る。図5Bに例証されるように、弁176、178はそれぞれ、メス型六角形を含み得る。そのようなメス型六角形は、バルク流体容器ホルダモジュール116の対応するオス型六角形突起(図示せず)と界面接触するように動作可能である。オス型六角形突起は、カセット114が、バルク流体容器ホルダモジュール116内に挿入されるのに伴って、カセット114上のメス型六角形と係合し得る。故に、バルク流体容器ホルダモジュール116は、弁176、178を作動させる(例えば、開放、閉鎖)ために、オス型六角形突起を駆動させる(例えば、回転)ように動作可能な部材(例えば、モータ)を含み得る。弁176、178のそのような作動は、多投与注入システム108の任意の適切な構成要素または構成要素の組み合わせとして配置される、制御要素(例えば、ハードウェアおよび/またはソフトウェア)によって制御され得る。例えば、制御要素は、パワーヘッド50内に配置され得る。したがって、パワーヘッド50上のシリンジ126、127のプランジャの移動と弁176、178の位置との間の同期が、達成され得る。弁176、178を作動させる任意の他の適切な手段が、多投与注入システム108によって利用され得る。例えば、六角形以外の突起形状が使用され得、オス型およびメス型突起の場所が、逆であり得、磁気界面等の他の種類の界面が、使用され得、またはカセット114は、弁位置駆動部材(例えば、モータ)を含み得、バルク流体容器ホルダモジュール116と弁176、178との間の電子界面(例えば、電気接点)を通して制御され得る。
【0091】
図6は、多投与注入システム108から医療流体を複数の患者に送達する、方法190の工程図である。方法190における第1のステップ192は、通信リンクを介して、バルク流体容器ホルダモジュール116を注入デバイス(例えば、パワーヘッド50)に通信的に相互接続することであり得る。通信リンクは、有線電気ケーブル、無線接続、または任意の他の適切な通信リンクであり得る。本方法190の残りは、パワーヘッド50上の生理食塩水シリンジ126を使用して生理食塩水を、パワーヘッド50上の造影剤シリンジ127を使用して造影剤を送達する文脈において説明される。シリンジ126、127は、逆であり得、または他の実施形態では、他の種類の流体が、送達され得ることを理解されるであろう。
【0092】
次のステップ194は、新しい多使用管類セット110をバルク流体容器ホルダモジュール116およびパワーヘッド50に取り付けることであり得る。多使用管類セット110は、カセット114に予め接続され得る。本取り付けは、カセット114をバルク流体容器ホルダモジュール116内の対応する受け取り場所に挿入するステップを含み得る。本ステップ194の次の部分は、生理食塩水コネクタ142をパワーヘッド50の生理食塩水シリンジ126の対応するノズルに相互接続することであり得る。この後、造影剤コネクタ144を造影剤シリンジ127のノズルに相互接続することが続いてもよい。また、本ステップ194は、カセットRFIDタグ174をRFIDタグ読取機によって読み取るステップを含み得る。多投与注入システム108は、正確なカセット114が、多投与注入システム108によって行われる手技のために設置されたことを検証し得る。さらに、本ステップ194は、上述のバルク流体容器ホルダモジュール116および/またはカセット114の構成要素を使用して、多投与注入システム108によって、弁176、178の位置を判定するステップを含み得る。また、本ステップ194は、所定の構成にある(例えば、ボトル118、120と多使用管類セット110との間の流動を防止するために閉鎖される)ように、弁176、178を作動させるステップを含み得る。
【0093】
この後、生理食塩水ボトル118および造影剤ボトル120をカセット114に流動的に取り付けるステップ196が続き得る。ユーザは、ボトル118、120、容器ホルダ124、125、および/またはカセット114上の色分けによって、本ステップ196において補助を受け得る。例えば、カセット114上の生理食塩水ボトル118、生理食塩水容器ホルダ124、および生理食塩水印180インジケータはすべて、紫色に色分けされ、ユーザを補助し得る。同様に、造影剤関連構成要素は、黄色に色分けされ得る。任意の他の適切な色分け方式が、使用され得る。ボトル118、120の取り付けは、ボトル118、120をカセット114の対応するスパイク170、172上に降下させるステップを備え得る。
【0094】
次のステップ198は、ボトル118、120内の流体を加温することであり得る。これは、容器ホルダ124、125内に配置される抵抗加熱要素を励起することによって達成され得る。ボトル118、120内の流体は、初期設定温度(例えば、流体を受け取る患者の体内温度)に加熱され得る。代替として、ボトル118、120内の流体を加熱する任意の適切な方法が、使用され得る。ボトル118、120は、任意の適切な標的温度に加熱され得る。ボトル118、120はそれぞれ、同一温度に加熱され得、または各ボトル118、120は、異なる標的温度に加熱され得る。
【0095】
次のステップであるステップ200は、患者専用管類セット112を多使用管類セット110に取り付けるステップを含み得る。これは、(例えば、アルコール綿棒によって)多使用管類セット110の消毒可能メス型ルアーコネクタ154を消毒し、メス型ルアーコネクタ154を洗浄および/または滅菌するステップを含み得る。この後、消毒可能メス型ルアーコネクタ154をオス型ルアー156に相互接続するステップが続き得る。
【0096】
次のステップ202は、流体送達構成要素(例えば、シリンジ126、127、多使用管類セット110の管類、および患者専用管類セット112)を初期化することであり得る。本ステップ202は、上方を向く(例えば、したがって、シリンジ126、127のノズルが上方を向く)ように、パワーヘッド50を配向するステップを含み得る。次に、弁176、178が開放され、シリンジ126、127のプランジャが、後退され、ボトル118、120から多使用管類セット110およびシリンジ126、127中に流体を装填し得る。シリンジ126、127内の空気は、シリンジ126、127の上部に蓄積され得る。次に、弁176、178が、閉鎖され、シリンジ126、127のプランジャが延出し、シリンジ126、127内の空気および流体が、一方向逆止弁146、148を通過し、延長管152および患者専用管類セット112を通るように付勢し得る。本プロセスは、少なくとも実質的にすべての空気が、管類から、患者界面オス型ルアー162を通って排出されるまで、繰り返され得る。生理食塩水管132および造影剤管134は、そのようなプロセスを使用して、個々または同時に浄化され得る。さらに、多使用管類セット110は、患者専用管類セット112(その後、浄化される必要がある)の取り付けに先立って、浄化され得る。多使用管類セット110は、ボトル118、120が交換されるまで、または多使用管類セット110が交換されるまで、再浄化される必要はないが、患者専用管類セット112は、交換される度に浄化されるべきである。
【0097】
次のステップ204は、患者内に挿入されたカテーテル260に相互接続される、患者専用管類セット112の患者界面オス型ルアー162を対応するメス型ルアー(例えば、カテーテル界面メス型ルアー262)に接続することであり得る。次いで、カテーテル260の開存性が、アクセスルアー158を通して検証され得る。
【0098】
次のステップ206は、カテーテル260の流体出口ポート261を通して、多投与注入システム108から患者に流体を注入することであり得る。これは、パワーヘッド50を下方向き位置に配置するステップを含み得る。この点において、シリンジ126、127内の空気またはシリンジ126、127に進入する空気は、シリンジ126、127内に捕捉され得る。
【0099】
ステップ206および方法190の残りは、パワーヘッド50上の造影剤シリンジ127を使用して、患者内に造影剤を注入する文脈において説明される。生理食塩水を注入するための手技は、類似であり得ることを理解されたい。さらに、パワーヘッド50のシリンジ126、127のいずれかは、任意の適切な流体の注入のために使用され得る。
【0100】
ステップ206に進み、造影剤弁178が、開放され、造影剤シリンジ127のプランジャが後退され、造影剤ボトル120から造影剤シリンジ127中に造影剤を装填し得る。本ステップの際、造影剤管一方向逆止弁148は、造影剤管一方向逆止弁148の下流の流体が造影剤シリンジ127に進入するのを防止するはずである。次に、造影剤弁178が閉鎖され、造影剤シリンジ127のプランジャが、延出される。閉鎖された造影剤弁178は、流体が造影剤ボトル120に流入するのを防止し、造影剤管一方向逆止弁148は、造影剤管134内の圧力が、造影剤シリンジ127のプランジャの移動によって上昇するのに伴って、そこを通る流動を可能にするはずである。この点において、造影剤は、造影剤管一方向逆止弁148を通過して、延長管152、患者専用管類セット112、カテーテル260を通って、患者内へと流動し得る。
【0101】
造影剤シリンジ127のプランジャの後退および延長と連結される、造影剤弁178の開放および閉鎖のシーケンスは、患者が所定の用量の造影剤を受け取るまで、繰り返され得る。故に、次のステップ208は、患者が全所望の用量の造影剤を受け取ったかどうかを調査/判定することであり得る。患者が、全用量を受け取っていない場合、造影剤を注入するステップ206は、継続し得る。患者が全用量を受け取った場合、次のステップ210は、注入プロセスを停止することであり得る。特定の患者のための注入プロトコルは、任意の適切な数の段階を利用し得、各段階は、任意の適切な流体を使用し得ることを理解されたい(例えば、注入プロトコルは、造影剤および生理食塩水の注入を交互に行うステップを伴ってもよい、造影剤の少なくとも1回の注入および生理食塩水の少なくとも1回の注入を含み得る等である)。
【0102】
注入プロセスが停止されると、次のステップ212は、消毒可能メス型ルアーコネクタ154をオス型ルアー156から分断することによって、多使用管類セット110を患者専用管類セット112から分断することであり得る。
【0103】
次のステップ214は、生理食塩水ボトル118および造影剤ボトル120が、後続患者の流体送達の性能のために十分な流体を含むかどうかを判定することであり得る。生理食塩水ボトル118、造影剤ボトル120、または両方が、交換される必要があると判定される場合、次のステップ215は、交換されたボトル118および/または120内に含まれる任意の流体を適切なシリンジ126および/または127中に装填することであり得る。この点において、流体は、次の患者に注入するために利用可能であり得る。次のステップ216は、適切なボトルを除去し、ステップ196に進み、新しいボトルを流動的に取り付けることであり得る。次いで、プロセス190は、新しい患者専用管類セット112を使用して、後続患者のために継続され得る。ボトル118、120が、交換される必要がないと判定される場合、プロセス190における次のプロセスは、ステップ200に進み、新しい患者専用管類セット112を使用して、後続患者において、プロセスを継続することであり得る。
【0104】
多使用管類セット110が交換されるべきであると判定されると、プロセス190は、停止され、多使用管類セット110が交換され得る。次いで、使用済み多使用管類セット110は、廃棄あるいは一新(例えば、洗浄および/または滅菌)され得る。多使用管類セット110が交換されるべきであるとの判定は、例えば、多使用管類セット110が使用されていた時間の所定の長さ、そこを通って移動する所定の体積の流体、汚染および/または損傷の疑惑、あるいは任意の他の適切な基準に基づき得る。
【0105】
また、多投与注入システム108は、生理食塩水ボトル118および/または造影剤ボトル120の交換に関連する、ある機能を果たすように動作可能であり得る。例えば、造影剤ボトル120が空に近づくと、パワーヘッド50は、任意の残りの造影剤を造影剤シリンジ127中に装填し得る。次いで、ユーザは、造影剤ボトル120を交換し得る。次いで、造影剤シリンジ127のプランジャは、造影剤管134内の空気が新しい造影剤ボトル120中に付勢されるように、造影剤弁178を開放した状態で、延出され得る。したがって、浄化ステップ202は、回避され得、または要求される浄化量が、低減され得る。この点において、造影剤ボトル120は、拡張可能であるか、空洞域を有するか、または任意の他の適切な特徴(例えば、通気口)を有することによって、造影剤シリンジ127からその中に流体が付勢されることを可能にし得る。
【0106】
加えて、流体を患者に注入していない時、生理食塩水弁176および造影剤弁178の一方または両方が、開放位置に残され得る。これによって、望ましくない圧力が、パワーヘッド50のシリンジ126、127内に蓄積されるのを防止し得る。
【0107】
図7は、注入システム220(例えば、多投与注入システム、医療流体注入システム、多投与医療流体注入システム)の別の実施形態を表す。第1の流体源222は、第1の流体源管類224によって、第1の注入デバイス226と流動的に相互接続される。第2の流体源228は、第2の流体源管類230によって、第2の注入デバイス232と流動的に相互接続される。任意の適切な流体が、第1の流体源222および第2の流体源228のそれぞれによって利用され得る。一実施形態では、第1の流体源222は、造影剤を利用する一方、第2の流体源228は、生理食塩水または任意の他の適切な生体適合性洗浄媒体を利用する。第1の流体源222および第2の流体源228はそれぞれ、複数回の注入または注入手技(例えば、複数の患者のため)に十分な流体体積を有し得る。
【0108】
第1の注入デバイス226および第2の注入デバイス232はそれぞれ、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類であり得る(例えば、自動注入器)。第1の流体源管類224および第2の流体源管類230はそれぞれ、任意の適切な導管(例えば、医療管類)の形態であり得る。任意の適切な構成要素または構成要素の組み合わせが、第1の流体源管類224および第2の流体源管類230の一方またはそれぞれに組み込まれ得る(例えば、任意の適切な種類の1つ以上の弁)。
【0109】
多使用または多患者管類セット234は、注入デバイス226、232のそれぞれと流動的に相互接続される。多患者管類セット234の3つの異なる部品または区分が存在する。すなわち、第1の注入デバイス226から延在する第1の注入デバイス管類236、第2の注入デバイス232から延在する第2の注入デバイス管類238、および共通排出管類240である。第1の注入デバイス226から排出される流体は、第1の注入デバイス管類236中へ、次いで、共通排出管類240中へ向けられる。第2の注入デバイス232から排出される流体は、第2の注入デバイス管類238中へ、次いで、共通排出管類240中へ向けられる。
【0110】
第1の注入デバイス管類236、第2の注入デバイス管類238、および共通排出管類240は、一体的に形成され得、または1つ以上の適切なコネクタが利用され、多患者管類セット234の隣接区分を流動的に相互接続し得る。適切なコネクタを使用して、第1の注入デバイス管類236を第1の注入デバイス226に設置し得る一方、適切なコネクタを使用して、第2の注入デバイス管類238を第2の注入デバイス232に設置し得る。任意の適切な種類のコネクタ242は、共通排出管類240の自由端に提供され得る。
【0111】
使い捨て、単回使用、単独患者、または患者専用管類セット244は、任意の適切な種類のコネクタ246によって、多患者管類セット234の共通排出管類240と流動的に相互接続される。単独患者管類セット244は、管類248を含む。適切な血管系アクセスデバイス(例えば、カテーテル)250が、管類248と適切に相互接続され得る(例えば、適切なコネクタを介して)。
【0112】
任意の適切な構成要素または構成要素の組み合わせが、多患者管類セット234および単独患者管類セット244の一方またはそれぞれに組み込まれ得る(例えば、任意の適切な種類の1つ以上の弁)。多患者管類セット234および単独患者管類セット244のそれぞれによって利用される管類は、任意の適切な種類であり得る(例えば、医療管類)。
【0113】
図8は、注入システム260(例えば、多投与注入システム、医療流体注入システム、多投与医療流体注入システム)の別の実施形態を表す。注入システム260は、第1の流体源262と、第2の流体源266と、自動注入器270と、再使用可能または多患者管類セット276と、上述の単独患者管類セット244とを含む。第1の流体源262は、第1の流体源管類278(多患者管類セット276の一部であり得る)によって、自動注入器270上に設置される第1のシリンジ272と流動的に相互接続される。第2の流体源266は、第2の流体源管類280(多患者管類セット276の一部であり得る)によって、自動注入器270上に設置される第2のシリンジ274と流動的に相互接続される。任意の適切な流体が、第1の流体源262および第2の流体源266のそれぞれによって利用され得る。一実施形態では、第1の流体源262は、造影剤を利用する一方、第2の流体源266は、生理食塩水または任意の他の適切な生体適合性洗浄媒体を利用する。第1の流体源262および第2の流体源266はそれぞれ、複数回の注入または注入手技(例えば、複数の患者のため)に十分な流体体積を有し得る。第1の流体源管類278および第2の流体源管類280はそれぞれ、任意の適切な導管(例えば、医療管類)の形態であり得る。任意の適切な構成要素または構成要素の組み合わせが、第1の流体源管類278および第2の流体源管類280(例えば、任意の適切な種類の1つ以上の弁)の一方またはそれぞれに組み込まれ得る。
【0114】
多患者管類セット276は、自動注入器270上の第1のシリンジ272から延在する第1のシリンジ管類282と、自動注入器270上の第2のシリンジ274から延在する第2のシリンジ管類284と、共通排出管類286とを含む。自動注入器270によって第1のシリンジ272から排出された流体は、第1のシリンジ管類282中へ、次いで、共通排出管類286中へ向けられる。自動注入器270によって、第2のシリンジ274からから排出された流体は、第2のシリンジ管類284中へ、次いで、共通排出管類286中へ向けられる。
【0115】
第1の流体源管類278、第2の流体源管類280、第1のシリンジ管類282、第2のシリンジ管類284、および共通排出管類286は、一体的に形成されるか、適切なコネクタが利用され、多患者管類セット276の各対の隣接区分を流動的に相互接続するか、または多患者管類セット276の一部は、1つ以上のコネクタによって組み込まれる多患者管類セット276の1つ以上の他の部分と一体的に形成され得る。適切なコネクタを使用して、第1のシリンジ管類282を第1のシリンジ272に設置し得る一方、適切なコネクタを使用して、第2のシリンジ管類284を第2のシリンジ274に設置し得る。任意の適切な種類のコネクタ290が、共通排出管類286の自由端に提供され得る。
【0116】
任意の適切な構成要素または構成要素の組み合わせが、上述のように、多患者管類セット276および単独患者管類セット244の一方またはそれぞれに組み込まれ得る(例えば、任意の適切な種類の1つ以上の弁)。例えば、第1のシリンジ管類282および第2のシリンジ管類284はそれぞれ、適切な弁288(例えば、栓)を含み、単独患者管類セット244中に向けられることなく、流体源262、266からの流体をそれぞれのシリンジ272、274中に装填されることを可能にし得る。多患者管類セット276によって利用される管類は、任意の適切な種類であり得る(例えば、医療管類)。
【0117】
注入システム220、260のそれぞれによって使用される単独患者管類セット244は、図4Bの上述の患者専用管類セット112の形態であるか、または少なくともそれを利用し得る。また、単独患者管類セット244は、図9A−Cに例証され、次に、検討される、単独患者管類セット300の形態であるか、または少なくともそれを利用し得る(例えば、単独患者管類セット300は、単独患者管類セット244の全体を規定し得、またはそうでなくてもよい)。
【0118】
図9A−Cの単独患者管類セット300は、任意の適切な種類(例えば、医療管類)の管類302を含む。適切なコネクタ310a、310bが、単独患者管類セット300の各端に提供される。多患者管類セット(例えば、234、276)は、コネクタ310aによって、単独患者管類セット300と相互接続され得る一方、血管系アクセスデバイス(例えば、250)は、コネクタ310bによって、単独患者管類セット300と相互接続され得る。単独患者管類セット300は、単独患者管類セット244(管類セット112を含む)の任意の一部を規定し得、またはその全体を規定し得る。したがって、コネクタ310a、310bは、上述のもの以外のコネクタと界面接触し得る(例えば、単独患者管類セット300は、その多患者管類セット端において、多患者管類セット244の端部区分を規定し得、単独患者管類セット300は、その血管系アクセスデバイス端において、多患者管類セット244の端部区分を規定し得、単独患者管類セット300は、多患者管類セット244の中間区分を規定し得る)。
【0119】
単独患者管類セット300は、管類302に沿って、直列に配置される一対の逆止弁304を含む。逆止弁304はそれぞれ、図9Aの矢印によって示される方向に、単独患者管類セット300を通って、流体流動させる(例えば、コネクタ310aからコネクタ310bへの流動)。逆止弁304はそれぞれ、コネクタ310a、310b間の任意の適切な場所に配置され得、例証されるように、相互に隣接する必要はない。1つ以上のアクセスポートが、例えば、無針弁308および適切なコネクタ306を介して、単独患者管類セット300のために提供され得る(例えば、シリンジが流体を単独患者管類セット300中に向けることを可能にするため)。
【0120】
また、単独患者管類セット300は、「使用」インジケータ320として特徴付けられ得るものを組み込む。概して、本使用インジケータ320は、単独患者管類セット300が使用されたことの可視表示を提供する。使用インジケータ320は、筐体322と、筐体322内に移動可能に配置される、ピストン340とを含む。流路324は、筐体322を通って延在し、入口ポート326と、出口ポート328と、内側チャンバ330とを含む。管類302は、そこを通って、入口ポート326および出口ポート328が延在する、対向するように配置されたプラグに搭載され得る。
【0121】
ピストン340は、筐体322内に移動可能に配置され、ヘッド342を含む。本ヘッド342は、内側チャンバ330と界面接触する。したがって、ピストン340のヘッド342は、流路324に曝露される(例えば、流路と界面接触する。すなわち、流路324内の流体がヘッド342に接触する/と界面接触する)。内側チャンバ330内のある流体圧力の発生は、図9Aおよび9Cに例証される位置から、図9Bに例証される位置へとピストン342を移動させる。図9A/9Cの構成では、ピストン340の端面344は、ピストン340の周縁の周りに配置される筐体322の端面334と同一平面であるか、またはそれと比較して陥凹され得る(例えば、内側に離間される)ことに留意されたい。図9Bの展開位置では、ピストン340の端面344は、筐体322の端面334を越えて配置される(例えば、ピストン340に対して突出または延出された位置)。筐体322は、戻り止め332または任意の他の適切なロック機構(例えば、スナップロック式特徴)を組み込み、位置が、図9Aおよび9Cの位置から図9Bの突出された位置へと移動すると、ピストン340をその突出された位置に保持し得る。したがって、使用インジケータ320は、ポップアップまたはポップアウト式インジケータ320として特徴付けられ得る。一実施形態では、ピストン340を図9Bの突出または延出された位置に移動するために、15psiの最小圧力が要求される。他の最小圧力値が、適切であり得る。
【0122】
使用インジケータ320に関して認められ得る、いくつかの観察事項が存在する。使用インジケータ320は、単独患者管類セット300が、注入プロトコルにおいて使用されたこと、より具体的には、単独患者管類セット300が、少なくともある圧力に曝露されたことの可視表示を提供し得る。使用インジケータ320が応答する圧力は、任意の適切な様式で、設定または確立され得る。
【0123】
単一応答は、使用インジケータ320が、流路324内において、ある圧力に曝露されると、誘発され得る。すなわち、ピストン340が、移動する。ピストン340の本移動は、空間中へであり得る。すなわち、移動は、ピストン340を別の(概して、使用インジケータ320に関連して、「別の」)構造に係合させ、追加応答を提供する目的のためには行われない。ピストン340は、軸方向経路に沿って移動し、単独患者管類セット300が使用されたことの可視表示を提供し得る。また、ピストン340は、使用インジケータ320を通って(具体的には、流路324を通って)流動する流体に対して、直角に移動可能として特徴付けられ得る。
【0124】
本発明の上述の説明は、例証および説明のために提示されている。さらに、本説明は、本発明を本明細書で開示される形態に限定することを目的としない。その結果として、変形例および修正は、上述の教示に相応であり、関連技術の技能および知識は、本発明の範囲内である。上述で説明される実施形態はさらに、本発明を実践する公知の最良のモードを説明すること、およびそのような実施形態または他の実施形態で、かつ本発明の特定の用途または使用法によって必要とされる種々の修正とともに、当業者が本発明を利用できるようにすることを目的とする。添付の請求項は、従来技術によって可能となる程度で、代替実施形態を含むと解釈されることが意図される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療流体注入システムであって、
注入デバイスと、
該注入デバイスと相互接続される多患者管類セットと、
該多患者管類セットと相互接続される患者専用管類セットであって、
少なくとも1つの弁と、
該患者専用管類セットを通る流動に応答して、第1の位置から第2の位置に移動可能な使用インジケータと
を備える、患者専用管類セットと
を備える、システム。
【請求項2】
医療流体注入システムであって、
注入デバイスと、
該注入デバイスと相互接続される多患者管類セットと、
該多患者管類セットと相互接続される患者専用管類セットであって、
少なくとも1つの弁と、
使用インジケータであって、該使用インジケータは、筐体と該筐体内に移動可能に配置されるピストンとを備え、該ピストンは、該筐体を通る流路と界面接触する、使用インジケータと
を備える、患者専用管類セットと
を備える、システム。
【請求項3】
前記ピストンは、前記患者専用管類セットを通る流動に応答して、第1の位置から第2の位置に移動可能である、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記ピストンは、前記流路内の少なくともある圧力への曝露に応答して、第1の位置から第2の位置に移動可能である、請求項2−3のいずれかに記載のシステム。
【請求項5】
前記注入デバイスは、シリンジを搭載した自動注入器を備え、前記多患者管類セットは、該シリンジと着脱可能に相互接続される、請求項1−4のいずれかに記載のシステム。
【請求項6】
前記少なくとも1つの弁は、前記患者専用管類セットの流路に沿って配置される、第1および第2の弁を備える、請求項1−5のいずれかに記載のシステム。
【請求項7】
前記第1および第2の弁は、それぞれ、第1および第2の逆止弁を備える、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記少なくとも1つの弁は、逆止弁を備える、請求項1−5のいずれかに記載のシステム。
【請求項9】
前記使用インジケータが前記第2の位置にあることは、前記患者専用管類セットを既に使用したことを示す、請求項2−8のいずれかに記載のシステム。
【請求項10】
前記使用インジケータは、ポップアウト式インジケータを備える、請求項1−9のいずれかに記載のシステム。
【請求項11】
前記使用インジケータは、前記第1の位置から前記第2の位置へ移動すると、該第2の位置にロックされる、請求項2−9のいずれかに記載のシステム。
【請求項12】
前記使用インジケータを前記第1の位置から前記第2の位置に移動させるために、15psiの最小圧力が要求される、請求項1−11のいずれかに記載のシステム。
【請求項13】
前記使用インジケータは、前記第1の位置から前記第2の位置に移動されると、空間中に向けられ、該第2の位置にある場合、該空間と継続して界面接触する、請求項1−12のいずれかに記載のシステム。
【請求項14】
前記使用インジケータは、筐体と、該筐体内に移動可能に配置されるピストンとを備え、該ピストンは、該筐体を通る流路と界面接触する、請求項1および5−13のいずれかに記載のシステム。
【請求項15】
前記ピストンは、前記流路内の少なくともある流体圧力の発生に応答して、前記第1の位置から前記第2の位置に軸方向に移動する、請求項3、4、および14のいずれかに記載のシステム。
【請求項16】
前記筐体は、前記第2の位置に移動されると、前記ピストンを抑止する戻り止めを備える、請求項2−4および14−15のいずれかに記載のシステム。
【請求項17】
前記ピストンは、前記第2の位置にある時、前記筐体を越えて延在する、請求項2−4および14−16のいずれかに記載のシステム。
【請求項18】
前記ピストンは、前記流路を通過する流体の方向に対して直角である経路に沿って移動する、請求項2−4および14−17のいずれかに記載のシステム。
【請求項19】
前記ピストンを移動させるために、15psiの最小圧力が要求される、請求項2−4および14−18のいずれかに記載のシステム。
【請求項20】
前記ピストンは、前記第1の位置から前記第2の位置に移動されると、空間中に向けられ、該第2の位置にある場合、該空間と継続して界面接触する、請求項2−4および14−19のいずれかに記載のシステム。
【請求項21】
前記患者専用管類セットは、その対向端に第1および第2のコネクタを備える、請求項1−20のいずれかに記載のシステム。
【請求項22】
前記注入デバイスと流動的に相互接続される流体源をさらに備える、請求項1−21のいずれかに記載のシステム。
【請求項23】
前記流体源は、前記注入デバイスによる複数回の注入に対応する流体体積を備える、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記患者専用管類セットは、前記多患者管類セットと着脱可能に相互接続される、請求項1−23のいずれかに記載のシステム。
【請求項25】
医療流体注入システムを使用する方法であって、
第1の患者専用管類セットを多患者管類セットと相互接続するステップを含む第1の相互接続ステップを実行するステップであって、該第1の患者専用管類セットは、第1の使用インジケータを備える、ステップと、
該注入デバイスから、該多患者管類セットを通って、次いで、該第1の患者専用管類セットを通って、医療流体を向けるステップを含む第1の指向ステップを実行するステップと、
該第1の患者専用管類セットを通って、該多患者管類中への逆流を遮断するステップを含む第1の遮断ステップを実行するステップと、
該第1の使用インジケータによる該第1の指向ステップに対する単一応答を誘発するステップを含む第1の誘発ステップを実行するステップであって、該単一応答は、該第1の使用インジケータの物理的変化である、ステップと
を含む、方法。
【請求項26】
前記第1の誘発ステップは、第1のインジケータ要素を第1の位置から第2の位置に移動させるステップを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記第1のインジケータ要素を移動させるステップの後、前記第1のインジケータ要素を前記第2の位置に保持するステップをさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記第1のインジケータ要素を移動させるステップは、前記第1のインジケータ要素を変形させることなく始動される、請求項26−27のいずれかに記載の方法。
【請求項29】
前記第1のインジケータ要素を移動させるステップは、前記第1のインジケータ要素を視覚的に観察可能位置に移動させるステップを含む、請求項26−28のいずれかに記載の方法。
【請求項30】
前記第1のインジケータ要素を移動させるステップは、前記第1のインジケータ要素を空間中に移動させるステップを含む、請求項26−29のいずれかに記載の方法。
【請求項31】
前記第1の患者専用管類セットを前記多患者管類セットから分断するステップと、
該第2の患者専用管類セットを該多患者管類セットと相互接続するステップを含む第2の相互接続ステップを実行するステップであって、該第2の患者専用管類セットは、第2の使用インジケータを備える、ステップと、
前記注入デバイスから、該多患者管類セットを通って、次いで、該第2の患者専用管類セットを通って、医療流体を向けるステップを含む第2の指向ステップを実行するステップと、
該第2の患者専用管類セットを通って、該多患者管類中への逆流を遮断するステップを含む第2の遮断ステップを実行するステップと、
該第2の使用インジケータによる該第2の指向ステップに対する単一応答を誘発するステップを含む第2の誘発ステップを実行するステップであって、該単一応答は、該第2の使用インジケータの物理的変化である、ステップと
を含む、請求項25−30のいずれかに記載の方法。
【請求項32】
前記第2の誘発ステップは、第2のインジケータ要素を第2の位置から第2の位置に移動させるステップを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記第2のインジケータ要素を移動させるステップの後、前記第2のインジケータ要素を前記第2の位置に保持するステップをさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記第2のインジケータ要素を移動させるステップは、前記第2のインジケータ要素を変形させることなく始動される、請求項32−33のいずれかに記載の方法。
【請求項35】
前記第2のインジケータ要素を移動させるステップは、前記第2のインジケータ要素を視覚的に観察可能位置に移動させるステップを含む、請求項32−34のいずれかに記載の方法。
【請求項36】
前記第2のインジケータ要素を移動させるステップは、前記第2のインジケータ要素を空間中に移動させるステップを含む、請求項32−35のいずれかに記載の方法。
【請求項37】
前記第1および第2の指向ステップそれぞれのための前記医療流体は、共通流体源から取得される、請求項31−36のいずれかに記載の方法。
【請求項1】
医療流体注入システムであって、
注入デバイスと、
該注入デバイスと相互接続される多患者管類セットと、
該多患者管類セットと相互接続される患者専用管類セットであって、
少なくとも1つの弁と、
該患者専用管類セットを通る流動に応答して、第1の位置から第2の位置に移動可能な使用インジケータと
を備える、患者専用管類セットと
を備える、システム。
【請求項2】
医療流体注入システムであって、
注入デバイスと、
該注入デバイスと相互接続される多患者管類セットと、
該多患者管類セットと相互接続される患者専用管類セットであって、
少なくとも1つの弁と、
使用インジケータであって、該使用インジケータは、筐体と該筐体内に移動可能に配置されるピストンとを備え、該ピストンは、該筐体を通る流路と界面接触する、使用インジケータと
を備える、患者専用管類セットと
を備える、システム。
【請求項3】
前記ピストンは、前記患者専用管類セットを通る流動に応答して、第1の位置から第2の位置に移動可能である、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記ピストンは、前記流路内の少なくともある圧力への曝露に応答して、第1の位置から第2の位置に移動可能である、請求項2−3のいずれかに記載のシステム。
【請求項5】
前記注入デバイスは、シリンジを搭載した自動注入器を備え、前記多患者管類セットは、該シリンジと着脱可能に相互接続される、請求項1−4のいずれかに記載のシステム。
【請求項6】
前記少なくとも1つの弁は、前記患者専用管類セットの流路に沿って配置される、第1および第2の弁を備える、請求項1−5のいずれかに記載のシステム。
【請求項7】
前記第1および第2の弁は、それぞれ、第1および第2の逆止弁を備える、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記少なくとも1つの弁は、逆止弁を備える、請求項1−5のいずれかに記載のシステム。
【請求項9】
前記使用インジケータが前記第2の位置にあることは、前記患者専用管類セットを既に使用したことを示す、請求項2−8のいずれかに記載のシステム。
【請求項10】
前記使用インジケータは、ポップアウト式インジケータを備える、請求項1−9のいずれかに記載のシステム。
【請求項11】
前記使用インジケータは、前記第1の位置から前記第2の位置へ移動すると、該第2の位置にロックされる、請求項2−9のいずれかに記載のシステム。
【請求項12】
前記使用インジケータを前記第1の位置から前記第2の位置に移動させるために、15psiの最小圧力が要求される、請求項1−11のいずれかに記載のシステム。
【請求項13】
前記使用インジケータは、前記第1の位置から前記第2の位置に移動されると、空間中に向けられ、該第2の位置にある場合、該空間と継続して界面接触する、請求項1−12のいずれかに記載のシステム。
【請求項14】
前記使用インジケータは、筐体と、該筐体内に移動可能に配置されるピストンとを備え、該ピストンは、該筐体を通る流路と界面接触する、請求項1および5−13のいずれかに記載のシステム。
【請求項15】
前記ピストンは、前記流路内の少なくともある流体圧力の発生に応答して、前記第1の位置から前記第2の位置に軸方向に移動する、請求項3、4、および14のいずれかに記載のシステム。
【請求項16】
前記筐体は、前記第2の位置に移動されると、前記ピストンを抑止する戻り止めを備える、請求項2−4および14−15のいずれかに記載のシステム。
【請求項17】
前記ピストンは、前記第2の位置にある時、前記筐体を越えて延在する、請求項2−4および14−16のいずれかに記載のシステム。
【請求項18】
前記ピストンは、前記流路を通過する流体の方向に対して直角である経路に沿って移動する、請求項2−4および14−17のいずれかに記載のシステム。
【請求項19】
前記ピストンを移動させるために、15psiの最小圧力が要求される、請求項2−4および14−18のいずれかに記載のシステム。
【請求項20】
前記ピストンは、前記第1の位置から前記第2の位置に移動されると、空間中に向けられ、該第2の位置にある場合、該空間と継続して界面接触する、請求項2−4および14−19のいずれかに記載のシステム。
【請求項21】
前記患者専用管類セットは、その対向端に第1および第2のコネクタを備える、請求項1−20のいずれかに記載のシステム。
【請求項22】
前記注入デバイスと流動的に相互接続される流体源をさらに備える、請求項1−21のいずれかに記載のシステム。
【請求項23】
前記流体源は、前記注入デバイスによる複数回の注入に対応する流体体積を備える、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記患者専用管類セットは、前記多患者管類セットと着脱可能に相互接続される、請求項1−23のいずれかに記載のシステム。
【請求項25】
医療流体注入システムを使用する方法であって、
第1の患者専用管類セットを多患者管類セットと相互接続するステップを含む第1の相互接続ステップを実行するステップであって、該第1の患者専用管類セットは、第1の使用インジケータを備える、ステップと、
該注入デバイスから、該多患者管類セットを通って、次いで、該第1の患者専用管類セットを通って、医療流体を向けるステップを含む第1の指向ステップを実行するステップと、
該第1の患者専用管類セットを通って、該多患者管類中への逆流を遮断するステップを含む第1の遮断ステップを実行するステップと、
該第1の使用インジケータによる該第1の指向ステップに対する単一応答を誘発するステップを含む第1の誘発ステップを実行するステップであって、該単一応答は、該第1の使用インジケータの物理的変化である、ステップと
を含む、方法。
【請求項26】
前記第1の誘発ステップは、第1のインジケータ要素を第1の位置から第2の位置に移動させるステップを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記第1のインジケータ要素を移動させるステップの後、前記第1のインジケータ要素を前記第2の位置に保持するステップをさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記第1のインジケータ要素を移動させるステップは、前記第1のインジケータ要素を変形させることなく始動される、請求項26−27のいずれかに記載の方法。
【請求項29】
前記第1のインジケータ要素を移動させるステップは、前記第1のインジケータ要素を視覚的に観察可能位置に移動させるステップを含む、請求項26−28のいずれかに記載の方法。
【請求項30】
前記第1のインジケータ要素を移動させるステップは、前記第1のインジケータ要素を空間中に移動させるステップを含む、請求項26−29のいずれかに記載の方法。
【請求項31】
前記第1の患者専用管類セットを前記多患者管類セットから分断するステップと、
該第2の患者専用管類セットを該多患者管類セットと相互接続するステップを含む第2の相互接続ステップを実行するステップであって、該第2の患者専用管類セットは、第2の使用インジケータを備える、ステップと、
前記注入デバイスから、該多患者管類セットを通って、次いで、該第2の患者専用管類セットを通って、医療流体を向けるステップを含む第2の指向ステップを実行するステップと、
該第2の患者専用管類セットを通って、該多患者管類中への逆流を遮断するステップを含む第2の遮断ステップを実行するステップと、
該第2の使用インジケータによる該第2の指向ステップに対する単一応答を誘発するステップを含む第2の誘発ステップを実行するステップであって、該単一応答は、該第2の使用インジケータの物理的変化である、ステップと
を含む、請求項25−30のいずれかに記載の方法。
【請求項32】
前記第2の誘発ステップは、第2のインジケータ要素を第2の位置から第2の位置に移動させるステップを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記第2のインジケータ要素を移動させるステップの後、前記第2のインジケータ要素を前記第2の位置に保持するステップをさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記第2のインジケータ要素を移動させるステップは、前記第2のインジケータ要素を変形させることなく始動される、請求項32−33のいずれかに記載の方法。
【請求項35】
前記第2のインジケータ要素を移動させるステップは、前記第2のインジケータ要素を視覚的に観察可能位置に移動させるステップを含む、請求項32−34のいずれかに記載の方法。
【請求項36】
前記第2のインジケータ要素を移動させるステップは、前記第2のインジケータ要素を空間中に移動させるステップを含む、請求項32−35のいずれかに記載の方法。
【請求項37】
前記第1および第2の指向ステップそれぞれのための前記医療流体は、共通流体源から取得される、請求項31−36のいずれかに記載の方法。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【公表番号】特表2012−523276(P2012−523276A)
【公表日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−504738(P2012−504738)
【出願日】平成22年4月5日(2010.4.5)
【国際出願番号】PCT/US2010/029895
【国際公開番号】WO2010/117922
【国際公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(511215045)マリンクロッド エルエルシー (12)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月5日(2010.4.5)
【国際出願番号】PCT/US2010/029895
【国際公開番号】WO2010/117922
【国際公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(511215045)マリンクロッド エルエルシー (12)
【Fターム(参考)】
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