説明

使用済みセラミックファイバーの再生方法

【課題】 使用済みセラミックファイバー中に含まれる異物を除去することによって、バージン製品を併用することなく、高品質の製品を製造可能な使用済みセラミックファイバーの再生方法を提供する。
【解決手段】 使用済みセラミックファイバーと結合材と水とを遠心分離槽11内で解繊及び粉砕し、使用済みセラミックファイバー中の異物を分離した後、この異物を含む混濁液17を成形槽16に移送し混濁液17中に含まれる異物を沈降分離して、上澄み層中のセラミックファイバーを成形槽16内に配置した成形枠19内に吸引成形することにより、バージン製品を併用することなく使用済みセラミックファイバーのみで再利用可能なセラミックファイバー成形体30を得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用済みセラミックファイバー中に含まれる地金、スラグ、スケール、及び金物類等のいずれか1又は2以上の異物を除去したセラミックファイバーを、例えば、フェルト、ボード、又はモールドにし、断熱シール材、バックアップ材、及び各種モールド材に再利用するための使用済みセラミックファイバーの再生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、セラミックファイバーは、加工性及び断熱性等の優れた特性を有するため、例えば、バルク状、ブランケット状、あるいはブランケットを折り畳んだモジュールとして、例えば、各種加熱炉の天井又は壁の断熱材、扉又は蓋のシール材に広く使われている。
このバルク状、ブランケット状、又はモジュールとしたセラミックファイバーは、炉の部分補修又は全面張替え時に新たなものに取り替えられており、その結果、大量の使用済みセラミックファイバーが産業廃棄物として回収されている。この使用済みセラミックファイバーは、セラミックファイバーが熱履歴又は炉内介在物との反応によって、収縮部分及び焼結部分のいずれか一方又は双方を含んでおり、また、例えば、地金、スラグ、及びスケールのいずれか1又は2以上の異物の混入により、再利用のための処理が難しく、再利用が困難であった。
【0003】
そこで、この廃棄物を有効活用する方法として、例えば、特許文献1には、原料のセラミックファイバーの一部に代えて、使用済みのブランケット又はファイバーボードのようなファイバー製品を細かく解砕したものと、結合材を含む水を、全体が湿潤状態になるように添加してから混合し、この湿潤状態の混合物を型内に充填し加圧して成形するセラミックファイバーの再生方法が提案されている。
また、特許文献2には、無機繊維からなる断熱材の廃材を乾式解繊し、解繊した後の廃材に新しい無機繊維を混合して綿状とし、バインダーを混合して成形プレスで加熱及び成形することにより、断熱成形体を製造する方法が提案されている。
【0004】
【特許文献1】特開2001−335379号公報
【特許文献2】特開平9−210289号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来の使用済みセラミックファイバーの再生方法では、使用済みセラミックファイバーが未使用セラミックファイバー(バージン製品)の一部の代替でしかなく、使用済みセラミックファイバーのみでの再生は行われていない。また、焼結して生成した例えば、塊、地金、スラグ、及びスケールのいずれか1又は2以上の異物を、回収したブランケット又はモジュールから除去できない。このため、従来の再生方法では、異物を含む使用済みセラミックファイバーを再生すると、例えば、再生したセラミックファイバーの製品品質が低下したり、またこの再生品を使用した雰囲気炉などの寿命低下の問題を生じるか、あるいは、これら問題を回避するために、例えば、事前に異物を除去するプロセスが必要となる。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、使用済みセラミックファイバー中に含まれる異物を湿式の成形槽内で除去することにより、バージン製品を使用することなく、使用済みセラミックファイバー原料のみで高品質の製品が製造可能な使用済みセラミックファイバーの再生方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的に沿う請求項1記載の使用済みのセラミックファイバーの再生方法は、使用済みセラミックファイバーと結合材と水とを遠心分離槽内で解繊及び粉砕し、前記使用済みセラミックファイバー中の異物を分離した後、この異物を含む混濁液を成形槽に移送し該混濁液中に含まれる異物を沈降分離して、上澄み層中のセラミックファイバーを前記成形槽内に配置した成形枠内に吸引成形することにより、バージン製品を併用することなく前記使用済みセラミックファイバーのみで再利用可能なセラミックファイバー成形体を得る。
【0008】
請求項1記載の使用済みセラミックファイバーの再生方法において、使用済みセラミックファイバーとは、例えば、各種加熱炉の天井又は壁の断熱材、各種扉又は蓋の断熱シール材に使用されたブランケット、及びモジュールを構成するものである。なお、セラミックファイバーは、その直径が例えば1μm以上10μm以下程度のものであり、その材質としては、例えば、アルミナ−シリカ、アルミナ、又はムライトがある。
また、結合材としては、例えば、有機系及び無機系の水溶性、コロイド系、及びエマルジョン系のバインダーのいずれか1種以上を必須成分とし、必要に応じて、例えば、凝集材あるいは無機又は有機フィラーが添加配合される。なお、バインダーとしては、例えば、ラテックス、でんぷん、アクリル樹脂、又はカルボキシメチルセルロースの有機系バインダー、及び、コロイダルシリカ、アルミナゾル、又はリン酸アルミニウムの無機系バインダーのいずれか1種以上が選択できる。ここで、必要に応じて、例えば、高分子系凝集材、あるいは硫酸アルミニウム又はポリ塩化アルミニウムの無機系凝集材が使用でき、無機又は有機フィラーとしては、例えば、他の無機繊維、有機繊維(例えば、パルプ又はポリプロピレン繊維)、及び無機粉末(例えば、アルミナ、シリカ、ムライト、又は粘土鉱物)が使用できる。
使用済みセラミックファイバー中に含まれている異物としては、例えば、使用によりセラミックファイバーを構成する素材そのものが焼結して形成された粒(塊)状物又は粉状物、セラミックファイバーの極短繊維物、使用によりセラミックファイバーに付着した地金、スラグ、及びスケールのいずれか1又は2以上がある。
【0009】
請求項1記載の使用済みセラミックファイバーの再生方法において、成形槽内の混濁液を攪拌することで、攪拌によって生じる混濁液の流れ(対流)が形成されるため、この流れの影響を受け易い例えばセラミックファアイバーが混濁液中に均一に分散される。このため、攪拌によって生じる流れの影響を受けにくい物、例えば、焼結して形成された粒状物又は粉状物、極短繊維物、地金、スラグ、及びスケールを成形槽の底部に沈殿させることができる。
また、上澄み層中の使用済みセラミックファイバーを成形槽内に配置した成形枠内に吸引成形する方式としては、成形枠の下方から吸引することが好ましく、吸引を行う手段としては、例えば、真空ポンプ又は吸引ポンプを使用できる。
なお、セラミックファイバーを成形枠に吸引成形させた後、成形枠を成形槽から引き上げ、更に吸引を行ってセラミックファイバー堆積層の脱水を行い、搬送及び乾燥の後処理を容易にすることが好ましい。
【0010】
請求項2記載の使用済みセラミックファイバーの再生方法は、請求項1記載の使用済みセラミックファイバーの再生方法において、前記成形枠を介して吸引成形時に分離されたろ過溶液を、前記遠心分離槽に戻して循環させる。
請求項2記載の使用済みセラミックファイバーの再生方法において、成形枠を介して吸引成形時に分離されたろ過溶液を循環させて使用するので、成形後の廃液を発生させることが無く、且つ水使用量を循環使用しない場合と比較して例えば1/10程度に低減でき、多量の水を使用することなく使用済みのセラミックファイバーを再生できる。
【0011】
請求項3記載の使用済みセラミックファイバーの再生方法は、請求項1及び2記載の使用済みセラミックファイバーの再生方法において、前記再利用可能なセラミックファイバー成形体の乾燥をマイクロ波加熱により行う。
請求項3記載の使用済みセラミックファイバーの再生方法において、マイクロ波加熱を行う手段としては、例えばマイクロ波加熱方式を使用した電気炉、乾燥炉、又は電子レンジを使用できる。
このように、セラミックファイバー成形体の乾燥を、マイクロ波加熱により行うことで、セラミックファイバー成形体の内部から乾燥できるため、水分の移動に伴う結合材のマイグレーション(しみ出し)が生じない。通常の熱風乾燥では、水分の移動による結合材のマイグレーションを防止するために、使用する結合材の種類によって適当なゲル化材又は凝集材を併用し、結合材をファイバーに固着する処理が行われるが、固着できる結合材には制限があった。セラミックファイバー成形体の乾燥をマイクロ波加熱によって行うことで、結合材選択の自由度が広がる。
【0012】
請求項4記載の使用済みセラミックファイバーの再生方法は、請求項1〜3記載の使用済みセラミックファイバーの再生方法において、前記遠心分離槽の周辺部には、比重差による遠心分離により前記使用済みセラミックファイバー中から除去された前記異物を貯蔵可能な異物回収部が設けられている。
請求項4記載の使用済みセラミックファイバーの再生方法において、異物回収部を遠心分離槽の周辺部に設けることで、比重差により遠心分離槽の周壁部内面側へ飛ばされた高比重物を、異物回収部内へ誘導できる。
なお、異物回収部は、遠心分離槽の周壁部に、例えば取り外し可能に設けることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
請求項1〜4記載の使用済みセラミックファイバーの再生方法は、使用済みのセラミックファイバーを遠心分離槽内で攪拌するので、使用済みのセラミックファイバーを解繊できると共に異物を分離でき、成形槽内において使用済みのセラミックファイバー中に含まれる異物を比重差により分離することができ、異物の混入が大幅に低減された混濁液を、作業性よく短時間で効率的に作製できる。また、この混濁液の上澄み層中の使用済みセラミックファイバーを吸引成形するので、バージン製品を併用することなく使用済みセラミックファイバーのみで高品質のセラミックファイバー成形体を得ることができ、使用済みセラミックファイバーを廃棄処分することがない。
そして、再生させたセラミックファイバー成形体は、短繊維原料であり、且つ、攪拌等の再生処理により、密度をバージン製品(未使用品)より重くできるので、熱伝導率をバージン製品のものより低減でき、より断熱性を高めた製品を製造できる。
【0014】
特に、請求項2記載の使用済みセラミックファイバーの再生方法は、成形枠を介して吸引成形時に分離されたろ過溶液を循環使用するので、循環使用しない場合と比較して、水使用量を大幅の低減できる。また、溶液を循環使用することで、循環使用しない場合と比較して、排水時における溶液処理作業を削減することができる。
【0015】
請求項3記載の使用済みセラミックファイバーの再生方法は、再利用可能なセラミックファイバー成形体の乾燥をマイクロ波加熱により行うので、結合材選択の自由度が広がると共に、乾燥に要する時間がセラミックファイバー成形体の形状(厚み)に依存しにくく、また過加熱することなく、短時間で効率的な乾燥を実施できる。
【0016】
請求項4記載の使用済みのセラミックファイバー再生方法は、分離した異物が異物回収部で回収できるので、例えばこの異物回収部を周壁部から取り出すだけで異物の回収ができ、遠心分離槽の清掃時における作業性が良好である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここで、図1は本発明の一実施の形態に係る使用済みセラミックファイバーの再生方法を適用する再生装置の説明図である。
【0018】
まず、本発明の一実施の形態に係る使用済みセラミックファイバーの再生方法を適用する再生装置10について説明した後、実施例に係る使用済みセラミックファイバーの再生方法について説明する。
【0019】
図1に示すように、再生装置10は、遠心分離槽11を備えるパルパー(攪拌機の一例)12を有している。また、遠心分離槽11の周壁部13の外側下部には、異物回収部14が設けられている。
異物回収部14は、遠心分離槽11の内部へ向かって開口し、周壁部13の外側へ向かって突出した形状となったものである。この異物回収部14は、例えば、ねじ又はスライドガイドにより、周壁部13外側に着脱可能に取付けられている。なお、異物回収部14は、周壁部13外側に略等間隔で複数箇所設けることも可能であり、また異物回収部14の開口部に例えばネットの網状部材を設けることもできる。
これにより、この遠心分離槽11内に、使用済みセラミックファイバーと結合材と水とを投入した後、攪拌翼を回転させることで遠心分離槽11内に回流を発生させ、使用済みセラミックファイバーと結合材とを攪拌し混合(解繊及び粉砕)すると共に、使用済みセラミックファイバー中に含まれる異物を比重差による遠心分離により周壁部13側へ飛ばし、異物回収部14に貯留できる。
【0020】
遠心分離槽11は、供給配管15を介して再生装置10の成形槽16に接続されており、遠心分離槽11で異物を除去して作製された混濁液(スラリーともいう)17を、供給配管15を介して成形槽16内に供給できる。
成形槽16内の混濁液17を攪拌羽根18で攪拌することで、混濁液17中のセラミックファイバーを成形槽16内に略均一に分散することができると共に、遠心分離槽11で除去できなかった残留異物を成形槽16の底部に沈殿させることができる。そして、成形槽16内に配置した固定枠24に成形枠19を固定した後、真空ポンプ27を作動させ、成形枠19の金網20及び補助部材22の開口部21を介して混濁液17(上澄み層)を吸引することで、金網20の上面にセラミックファイバーを堆積させることができる。
【0021】
成形槽16の近傍には、再生装置10の乾燥炉28が設けられている。
この乾燥炉28は、マイクロ波加熱方式を利用したものであり、成形枠19内に堆積させ載置台29上で脱枠したセラミックファイバー成形体30を装入し、乾燥するものである。
一方、真空ポンプ27は、再生装置10の循環供給手段31に接続されている。
この循環供給手段31は、真空ポンプ27により成形槽16から吸引され、セラミックファイバーが除去された後の溶液(ろ過溶液)を一旦貯留する沈殿槽32を有している。なお、循環供給手段31は、真空ポンプ27と沈殿槽32とを繋ぐ配管33、及び沈殿槽32と遠心分離槽11とを繋ぐ配管34も有している。ここで、配管34には、図示しない送液ポンプが設けられている。
これにより、沈殿槽32で溶液中に含まれる固形物を沈殿により除去したあとの溶液を、遠心分離槽11に戻して循環使用することができる。
【実施例】
【0022】
次に、本発明の作用効果を確認するために行った実施例について説明する。
圧延加熱炉で使用し、表面側に地金及びスケールが付着した使用済みセラミックファイバー及びアルミナファイバーを回収し、再生装置10を用いて再生処理を行った。
回収したセラミックファイバーは、回収時に破断され、形状や異物付着状態が多種多様なもの(例えば、一片が1m程度の大きいものから一片が十数cm程度の小さいもの)であった。この使用済みセラミックファイバー30kgと、水1トンと、結合材であるアクリルラテックス(40質量%固形分)3.5kgと、凝集材として硫酸アルミニウム0.6kgとを、パルパー12の遠心分離槽11内に投入し攪拌した。このとき、遠心分離槽11内で発生した回流により、使用済みセラミックファイバーの表面側に付着した地金及びスケールを分離すると共に、使用済みセラミックファイバーをスラリー状態に解繊することができた。
【0023】
この異物が分離された混濁液17を、パルパー12で複数回作製し、順次成形槽16内に移した。なお、使用した全水量は2.5トンであった。
その後、混濁液17を、成形槽16内に浸漬させた成形枠19内に金網20を介して吸引し、金網20上にセラミックファイバーを堆積成形させた後、この成形枠19を成形槽16から引き上げ載置台19で脱枠した。
作製した厚みが例えば50mm程度の脱枠後のセラミックファイバー成形体30を、マイクロ波加熱方式を用いた乾燥炉28により150℃で乾燥させたところ、約4時間程度で乾燥でき、外部加熱方式で乾燥した場合(例えば36時間程度)と比較して、乾燥時間の大幅短縮を図ることができた。この乾燥後の再生品は、長さ900mm×幅600mm×厚さ50mmであった。
これを、実施例1の成形体とした。
【0024】
また、実施例2の成形体は、前記実施例1の材料投入時に、更にコロイダルシリカ(固形分30質量%)3.5kgを添加し、前記実施例1と同様の操作により成形体を製造したものである。そして、実施例3の成形体は、使用済みセラミックファイバーの一例として使用済みアルミナファイバーを使用し、実施例2と同様コロイダルシリカを添加し、実施例1と同様の操作により成形体を製造したものである。
なお、比較例の成形体は、セラミックファイバーとして、バージンのセラミックファイバーを使用した以外、実施例1と同様の操作によって製造したものである。
この実施例1〜3及び比較例の各成形体の嵩比重、収縮率、及び熱伝導率を表1に示す。
【0025】
【表1】

【0026】
実施例1の成形体は、嵩比重が0.15、熱伝導率(500℃)が0.090kcal/m/hr/℃の低伝熱性の成形体であった。
また、この成形体を1200℃×3時間焼成したところ、地金及びスケールの異物の影響はほとんどなく、収縮率は1.2%であり、実用上問題ないものであった。
この製造した成形体をセラミックファイバーライニング炉のバックアップ材として実機使用した結果、問題なく使用することが可能であった。
なお、実施例2及び3の成形体についても、問題なく使用可能な品質を備えていた。
【0027】
以上、本発明を、一実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組合せて本発明の使用済みセラミックファイバーの再生方法を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の一実施の形態に係る使用済みセラミックファイバーの再生方法を適用する再生装置の説明図である。
【符号の説明】
【0029】
10:再生装置、11:遠心分離槽、12:パルパー(攪拌機)、13:周壁部、14:異物回収部、15:供給配管、16:成形槽、17:混濁液、18:攪拌羽根、19:成形枠、20:金網、21:開口部、22:補助部材、24:固定枠、27:真空ポンプ(吸引手段)、28:乾燥炉、29:載置台、30:セラミックファイバー成形体、31:循環供給手段、32:沈殿槽、33、34:配管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用済みセラミックファイバーと結合材と水とを遠心分離槽内で解繊及び粉砕し、前記使用済みセラミックファイバー中の異物を分離した後、この異物を含む混濁液を成形槽に移送し該混濁液中に含まれる異物を沈降分離して、上澄み層中のセラミックファイバーを前記成形槽内に配置した成形枠内に吸引成形することにより、バージン製品を併用することなく前記使用済みセラミックファイバーのみで再利用可能なセラミックファイバー成形体を得ることを特徴とする使用済みセラミックファイバーの再生方法。
【請求項2】
請求項1記載の使用済みセラミックファイバーの再生方法において、前記成形枠を介して吸引成形時に分離されたろ過溶液を、前記遠心分離槽に戻して循環させることを特徴とする使用済みセラミックファイバーの再生方法。
【請求項3】
請求項1及び2のいずれか1項に記載の使用済みセラミックファイバーの再生方法において、前記再利用可能なセラミックファイバー成形体の乾燥をマイクロ波加熱により行うことを特徴とする使用済みセラミックファイバーの再生方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の使用済みのセラミックファイバー再生方法において、前記遠心分離槽の周辺部には、比重差による遠心分離により前記使用済みセラミックファイバー中から除去された前記異物を貯蔵可能な異物回収部が設けられていることを特徴とする使用済みセラミックファイバーの再生方法。

【図1】
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【公開番号】特開2006−16717(P2006−16717A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−194267(P2004−194267)
【出願日】平成16年6月30日(2004.6.30)
【出願人】(000006655)新日本製鐵株式会社 (6,474)
【出願人】(599074730)新日化サーマルセラミックス株式会社 (9)
【Fターム(参考)】