侵襲性の少ない外科システム及び方法
本発明は、侵襲性の少ない外科的処置を行うためのシステム、特に脊椎固定のための装置及び方法に関する。本システムは、拡張ツールと、作業用/挿入カニューレと、複数のねじと、ねじを接続するための少なくとも1つの固定ロッドと、ロッド挿入装置とを有する。拡張ツールを用いて、患者の切開部を拡張させて開口を形成する。ドリルを用いて、椎骨に孔を形成する。挿入カニューレをねじに取り付け、開口に挿入する。ねじをねじ回しを用いて椎骨に挿入する。操作者は、挿入カニューレを動かして、ねじのヘッド部分を操作して、固定ロッドを受け入れるようにヘッド部分を整列させる。ロッド挿入装置を用いて、固定ロッドをヘッド部分に挿入する。固定ロッドを所定の位置においたら、固定ロッドをねじにロックし、それにより、本システムが脊椎上の所定の位置に固定される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外科用器具に向けられ、特定的には、脊椎固定用の侵襲性の少ない処置のための外科用器具及びその使用方法に向けられる。具体的には、侵襲性の少ない外科用器具は、操作者が複数のねじを脊椎に取り付け、それらの間に脊椎固定ロッドを導入することを可能にする。
【背景技術】
【0002】
脊椎変形の矯正に用いられる脊椎固定システムは、一般に、椎骨の椎弓根、椎弓板、又は横突起に固定された一連の骨ファスナからなる。骨ファスナは、1つ又は2つ以上の細長い脊椎ロッド又はプレートによって、互いに相互接続される。これらの脊椎固定システム及び個々の構成部品を埋め込むための脊椎領域にアクセスするために、従来、開口手法の外科技術が用いられてきた。こうした開口処置は、一般的に、大きな皮膚切開、並びに広範な組織の陥没及び切除を必要とし、その全てが、かなりの術後疼痛と長期入院をもたらすことになる。
【0003】
つい最近では、外科医は、脊椎固定処置の術後の影響を軽減するために、低侵襲技術を用いていた。傍脊椎手法は、低侵襲技術の1つの形態であり、脊椎の後部要素にアクセスするのに筋肉分割(muscle splitting)又は筋肉温存(muscle sparing)を必要とする。このような技術は、脊椎に隣接した組織への外傷を最小にするものである。筋肉及び他の軟組織を切断し、分割し、剥離し、切り裂く開口手法とは違って、傍脊椎手法は、それらの繊維に沿った筋肉の分離又は分割を必要とする。
【0004】
傍脊椎の外科的処置を行うためには、正中皮膚切開を行い、続いて両側/片側筋膜切開を行う。次に、筋肉を分離し、単一の皮膚切開により脊椎への双方向アクセスを可能にする。付加的に、より直接的な手法を可能にするために、1つ又は2つ以上の正中線から外れた皮膚切開を行うこともある。
【0005】
脊椎ロッド固定システムの埋め込みは、一般に、少なくとも2つの工程、すなわち(i)インプラント(例えば、ねじ)を脊椎内に配置する工程と、(ii)ロッドをインプラント間に挿入する工程とを必要とする。インプラントを適切に配置するには、インプラントを脊椎内に正確に位置決めすることが必要である。インプラントの配置には、開始挿入点、インプラントの軌道、及びインプラントのサイズが非常に重要である。
【0006】
脊椎インプラントは、一般に、ねじ部分と、本体部分とを含む。ねじ部分は、脊椎に挿入される。また、本体部分は、一般に、脊椎ロッドが挿入され且つ固定されるチャネルを有する。ロッド挿入処置は、皮膚の切開部を通してロッドを挿入することを必要とし、この切開部は、インプラントを配置するときに通る切開部とは別個のものである。他の実施形態では、ロッドは、インプラントと同じ切開部を通して挿入される。ロッドにより、インプラントが互いに接続される。
【0007】
直接的な視覚化を改善し、ロッドを身体内に様々な深さで固定されたインプラントに接続することを可能にし、さらに一般的に使用が簡単な、侵襲性の少ない脊椎インプラント・ロッド導入システムに対する必要性が存在する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、一般に、侵襲性の少ない外科的処置のための器具に関し、特定的には、骨ねじを椎骨に挿入し、それらの間に固定ロッドを接続するために用い得る侵襲性の少ないシステムに関する。本発明はまた、これらの器具を用いて、侵襲性の少ない外科的処置を行う方法にも関する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
侵襲性の少ないシステムは、拡張ツールと、1つ又は2つ以上の挿入/作業用カニューレと、複数のねじと、該ねじを接続するための少なくとも1つのロッドと、ロッド挿入装置とを含むことができる。外科医が挿入位置を決定した後、患者に切開を行うことができる。次に、拡張ツールを切開部に挿入し、該切開部を拡張し、それを通してツールを挿入することができる。1つの実施形態では、椎骨にガイドワイヤを挿入することができる。ガイドワイヤを組み込む実施形態では、ガイドワイヤを受け入れるために、処置を行うために用いられるツールにカニューレを挿入することができる。切開部が患者の開口を形成するのに望ましい量だけ拡張されるまで、一連の連続的に大きくなる拡張器をガイドワイヤ上に配置することができる。次に、閉鎖位置において、開創器を拡張器の上に挿入することができる。拡張器を取り外すことができ、開創器を開放して切開部を拡大し、開口を形成することができる。このような方法により、固定のために複数の椎骨を露出することが可能である。切開部が拡大された状態で、開創器によって形成された開口内に、挿入カニューレ、骨ねじ、固定ロッド、及び種々の外科用ツールを配置することができる。
【0010】
1つの実施形態では、開口を形成するために切開部のサイズを増大するための拡張機構を用いることができる。拡張機構は、そこを貫通するチャネルを有する、細長い円筒形状を有する少なくとも1つの拡張器を含むことができる。さらに、拡張機構は、切開部を通して挿入される少なくとも2つのブレードを有する開創器を含むことができる。少なくとも2つのブレードは、開放位置と閉鎖位置とを有することができる。ブレードは、閉鎖位置において、少なくとも1つの拡張器の上に挿入されるように構成することができ、開放位置に移動させて開口を形成するように構成することができる。さらに、拡張機構は、細長い部分と、近位端と、遠位端と、該細長い部分の遠位端上の拡大部分とを有することができる挿入装置を含むことができる。内部に挿入装置を受け入れるように、少なくとも1つの拡張器を構成することができる。
【0011】
別の実施形態では、患者に1つ又は2つ以上の切開を行うことができ、サイズが増大する多数の拡張器を用いて切開部を拡張することができる。最も大きい拡張器の上に作業用カニューレを配置することができる。1つの実施形態では、作業用カニューレは、近位端と、遠位端と、近位端から遠位端まで延びるチャネルとを有することができる。作業用カニューレのチャネルは、少なくとも1つの拡張器を受け入れるような大きさ及び構成にすることができる。作業用カニューレが所定の位置に置かれると、拡張器を取り外すことができる。作業用カニューレ内に、挿入カニューレ、骨ねじ、固定ロッド、及び種々の外科用ツールを配置することができる。作業用カニューレを十分大きいものにすることができる(例えば、2つ又はそれ以上の椎骨を露出させることができる)実施形態では、同じ作業用カニューレを通して、多数の挿入カニューレを挿入することができる。
【0012】
他の実施形態では、逐次的拡張器及び/又は開創器を不要にすることができる。挿入カニューレを、弾丸状のヘッドを有する挿入装置に作動的に接続し、単一ユニットとして切開部に挿入することができる。挿入後に挿入装置を取り外し、挿入カニューレを患者内に残したままにし、これを通して処理を行うことができる。1つの実施形態では、挿入装置は、細長い部分と、近位端と、遠位端と、該細長い部分の遠位端上の拡大部分とを有することができる。挿入装置は、挿入カニューレの通路内に受けられるような大きさ及び構成にすることができる。
【0013】
ドリルのようなキャビティ形成装置を用いて、処置に関わる各々の椎骨内にキャビティを形成することができる。ドリルは、作業用カニューレ、開創器、及び/又は挿入カニューレを貫通することができる。他の処置においては、千枚通し、プローブ、及び/又はタップを用いて、椎骨内にキャビティを形成することができる。しかしながら、キャビティを形成するあらゆる手段が考えられる。キャビティが椎骨内に形成されると、次に、ねじを椎骨に挿入することができる。ねじは、シャンク部分及びヘッド部分を有する多軸ねじとすることができる。ヘッド部分は、固定ロッドを受け入れるための、そこを貫通するチャネルを有し、シャンク部分に接続することができるので、ヘッド部分は、シャンク部分の周りにピボット運動することができる。シャンク部分及びヘッド部分を一体のものにし、互いに固定することができる場合、他の処理は、ねじを使用することもできる。
【0014】
ねじは、挿入カニューレに取り付け、単一のユニットとして作業用カニューレ及び/又は開創器に挿入することができる。挿入カニューレ及びねじが作業用カニューレ及び/又は開創器内に配置された状態で、ねじ回しのような埋め込み機構が、挿入カニューレに挿入され、ねじに係合して該ねじを骨内に進めることが可能である。別の実施形態では、患者に挿入する前に、ねじ回しが挿入カニューレに挿入され、ねじに係合することが可能である。次に、これらの装置は、単一ユニットとして作業用カニューレ及び/又は開創器に挿入することができる。他の実施形態では、作業用カニューレ及び/又は開創器に挿入カニューレを挿入し、続いて、該挿入カニューレにねじ及びねじ回しを挿入することができる。全ての実施形態では、挿入カニューレを用いて、ヘッド部分を操作し、固定ロッドの挿入を可能にすることができる。埋め込み機構を用いて、ねじを骨に挿入することができる。
【0015】
1つの実施形態では、挿入カニューレは、近位端と、遠位端と、近位端から遠位端までの通路と、該通路と交差する少なくとも1つのスロットとを有することができる。このような実施形態では、挿入カニューレは、表面を含むこともでき、遠位端は、脊椎固定装置に係合するための、該表面上のねじ付き部分を含むことができる。
【0016】
別の実施形態では、挿入カニューレは、近位端と、遠位端と、近位端から遠位端までの通路と、該通路と交差する少なくとも1つのスロットと、脊椎固定装置に係合するための可撓性部分とを含むことができる。少なくとも1つのスロットは、細長い固定装置を受け入れるような大きさ及び構成にすることができる。可撓性部分は、互いに正反対の位置にある2つのスロットによって定められた一対のアームとすることができる。このような実施形態では、脊椎固定装置の上にアームの対をスナップ嵌めするように構成することができる。別の実施形態では、可撓性部分は、第1の端部分と第2の端部分とを有する少なくとも1つの可撓性部材を含むことができる。第1の端部分は、挿入カニューレに作動可能に接続することができ、第2の端部分は、挿入カニューレに対して自由に移動可能にすることができる。第2の端部分は、脊椎固定装置に係合するような大きさ及び構成にすることができる。
【0017】
さらに別の実施形態では、挿入カニューレは、近位端と、遠位端と、近位端から遠位端までの通路を定めることができる少なくとも1つの側壁とを含むことができる。挿入カニューレは、通路と連通する少なくとも1つの側壁内の少なくとも1つのスロットと、脊椎固定装置に係合するための可撓性部分とを有することができる。可撓性部分は、第1の端部分と第2の端部分とを含むことができる。第1の端部分は、カニューレの少なくとも1つの側壁に作動可能に接続することができ、第2の端部分は、カニューレの通路との間で自由に移動可能にすることができる。第2の端部分は、脊椎固定装置と係合可能にすることができる。
【0018】
別の実施形態では、挿入カニューレは、近位端と、遠位端と、そこを貫通するボアとを有する内側カニューレシャフトを含むことができる。さらに、挿入カニューレは、近位端と、遠位端と、そこを貫通するボアとを有する外側カニューレシャフトを含むことができる。外側カニューレシャフトのボアは、内側カニューレシャフトを受け入れるような大きさ及び構成にすることができる。この実施形態では、可撓性部分は、第1の端部分と第2の端部分とを有する少なくとも1つの可撓性部材を含むことができる。第1の端部分は、内側カニューレシャフトに作動可能に接続することができ、第2の端部分は、内側カニューレシャフトに対して自由に移動可能にすることができる。外側カニューレシャフトは、第1の位置から第2の位置まで内側カニューレシャフトに沿って移動し、かつ、少なくとも1つの可撓性部材の第2の端部分を脊椎固定装置の方向に移動させるような大きさ及び構成にすることができる。さらに、内側カニューレシャフトは、スロットを含むことができ、外側カニューレシャフトは、スロットと係合可能にすることができる突起部を含むことができる。スロットは、少なくとも1つのノッチを有し、外側カニューレシャフトを内側カニューレシャフト上の少なくとも1つの位置に配置するような大きさ及び構成にすることができる。
【0019】
さらに別の実施形態では、カニューレは、長手方向凹部と、該凹部内に配置可能な細長い部材とを有するカニューレシャフトを含むことができる。この実施形態では、可撓性部分は、第1の端部分と第2の端部分とを有する少なくとも1つの可撓性部材を含むことができる。第1の端部分は、カニューレシャフトに作動可能に接続することができ、第2の端部分は、カニューレシャフトに対して自由に移動可能にすることができる。細長い部材は、少なくとも1つの可撓性部材に係合し、少なくとも1つの可撓性部材を脊椎固定装置の方向に移動させることができるような大きさ及び構成にすることができる。
【0020】
さらに、1つの実施形態では、埋め込み機構は、挿入カニューレの通路に挿入されるような大きさ及び構成にすることができる。埋め込み機構は、近位端と、遠位端と、脊椎固定装置に係合する寸法及び形態を有する、遠位端上の係合部分とを有するシャフトを含むことができる。さらに、埋め込み機構は、内側カニューレシャフトの長手方向凹部に係合することができる、係合部分上の突起部を含むことができる。突起部は、凹部に沿って移動可能にすることができる。突起部及び長手方向凹部は、カニューレの少なくとも1つのスロットを脊椎固定装置に対して位置合わせするように構成することができる。
【0021】
さらに、他の実施形態では、埋め込み機構は、近位端と遠位端とを有する第1のスリーブをさらに含むことができる。第1のスリーブは、シャフトの周りに配置可能である。係合部分は、突起部分と、少なくとも1つの肩部分とを含むことができる。突起部分は、インプラントのシャンク部分に係合することができ、少なくとも1つの肩部分は、インプラントのヘッド部分のチャネルに係合することができる。脊椎固定装置のヘッド部分は、雌ねじを有することができ、第1のスリーブの遠位端は、ねじ付き部分を有することができ、該第1のスリーブのねじ付き部分は、脊椎固定装置のヘッド部分の雌ねじに係合するような大きさ及び構成にすることができる。
【0022】
別の実施形態では、インプラントポジショナは、カニューレの通路に挿入されるような大きさ及び構成にすることができる。インプラントポジショナは、細長いシャフトと、近位端と、遠位端と、脊椎固定装置に係合する寸法及び形態を有する該遠位端上の係合部分とを有し、該脊椎固定装置をカニューレに対して操作することができる。
【0023】
固定装置挿入装置を用いて、固定ロッドをねじのヘッド部分に挿入することができる。1つの実施形態では、ねじを挿入するのに用いられる切開部からある距離を置いて、患者に別個の切開を行うことができる。固定装置挿入装置は、固定ロッドに連結することができ、別個の切開部を通して、ねじのヘッド部分の側部に該固定ロッドを挿入するために用いることができる。1つのこのような実施形態では、固定装置挿入装置は、細長いシャフトと、近位端、遠位端、及び細長い固定ロッドに係合するための該遠位端にある係合部分を有する可動部材とを含むことができる。可動部材は、細長いシャフト内に配置することができる。さらに、固定装置挿入装置は、可動部材と作動可能に関連付けられた作動機構を含むことができる。作動機構は、可動部材を第1の位置と第2の位置との間で移動させるように構成することができる。
【0024】
別の実施形態では、ロッド挿入装置を用いて、固定ロッドを、挿入カニューレを通して下方に、ねじの上部を通してヘッド部分内に配置することができる。固定ロッドが所定の位置に置かれると、作業用カニューレ、開創器、及び/又は挿入カニューレに沿ってロックキャップを配置し、ねじのヘッド部分に係合させることができ、該固定ロッドを内部に固定することができる。
【0025】
1つの実施形態では、侵襲性の少ない処置を行う方法は、可撓性部分を有する第1のカニューレを準備し、第2のカニューレを準備し、第1及び第2のインプラントを準備することを含むことができる。第1及び第2のインプラントは、シャンク部分と、ヘッド部分と、細長い固定装置を受け入れるための、該ヘッド部分を貫通するチャネルとを含むことができる。本方法は、第1のカニューレの可撓性部分を第1のインプラントに取り付け、第2のカニューレを第2のインプラントに取り付けることをさらに含むことができる。さらに、第1のインプラントを第1の椎骨に挿入し、第2のインプラントを第2の椎骨に挿入することができる。さらに、第1及び第2のインプラントのヘッド部分のチャネルに、細長い固定装置を挿入することができる。第1及び第2のインプラントのヘッド部分内に、細長い固定装置をロックすることができる。可撓性部分が一対のアームであることが可能な実施形態では、本方法は、第1のインプラントのヘッド部分を一対のアーム間にスナップ嵌めすることをさらに含むことができる。さらに、インプラントポジショナを第1及び第2のカニューレの少なくとも一方に挿入し、第1及び第2のインプラントの少なくとも一方のヘッド部分を第1及び第2のカニューレの少なくとも一方に対して操作することができる。
【0026】
別の実施形態では、本方法は、細長いシャフトと、細長い固定ロッドに係合するための、該細長いシャフト内に配置された可動部材と、該可動部材と作動可能に関連付けられた作動機構とを有する固定装置挿入装置を準備することをさらに含むことができる。作動機構は、可動部材を第1の位置と第2の位置との間で移動させるように構成することができる。本方法は、付加的に、第1の開口及び第1の切開部のうちの少なくとも1つを通して、第1のインプラント及び第1のカニューレを挿入し、第1の開口、第1の切開部、及び第2の開口のうちの少なくとも1つを通して第2のインプラント及び第2のカニューレを挿入することを含むことができる。さらに、本方法は、第3の切開部及び第3の開口のうちの少なくとも1つを形成し、固定装置挿入装置を用いて、第3の切開部及び第3の開口の1つを通して、第1及び第2のインプラントの少なくとも1つのヘッド部分のチャネル内に、細長い固定装置を配置することを含むことができる。
【0027】
別の実施形態では、侵襲性の少ない処置を行う方法は、ねじ付き部分を有する第1のカニューレを準備し、第2のカニューレを準備し、第1及び第2のインプラントを準備することを含むことができる。第1及び第2のインプラントは、シャンク部分と、ヘッド部分と、細長い固定装置を受け入れるための、該ヘッド部分を貫通するチャネルとを含むことができる。第1のインプラントのヘッド部分は、ねじ山を有することもできる。本方法は、第1のカニューレのねじ付き部分を、第1のインプラントのねじ山に係合し、第2のカニューレを第2のインプラントに取り付けることをさらに含むことができる。さらに、第1のインプラントを第1の脊椎に挿入することができ、第2のインプラントを第2の椎骨に挿入することができる。付加的に、第1及び第2のインプラントのヘッド部分のチャネルに、細長い固定装置を挿入することができる。第1及び第2のインプラントのヘッド部分において、細長い固定装置をロックすることができる。
【0028】
さらに別の実施形態では、本方法は、切開を行い、インプラントのシャンク部分を椎骨に挿入することを含むことができる。本方法は、シャンク部分を埋め込み機構と係合させることをさらに含むことができる。ヘッド部分をカニューレと係合させ、ユニットを形成することができ、このユニットを切開部に挿入することができる。付加的に、本方法は、インプラントのシャンク部分が椎骨に挿入された後、ヘッド部分をインプラントのシャンクと係合させることを含むことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明は、同じ参照符号が同じ要素を表す、以下の図面を参照することによってより良く理解することができる。図面は、単独で又は他の構造的特徴と組み合わせて用いることができる特定の構造的特徴を示すための例示にすぎず、本発明は、示される実施形態に制限すべきではない。
【0030】
本発明の侵襲性の少ないシステムは、患者の切開部を拡張するための手段(例えば、一連の拡張器、開創器)と、少なくとも1つの挿入/作業用カニューレと、複数のねじと、ねじを接続するための少なくとも1つのロッドと、ロッド挿入装置とを含むのがよい。しかしながら、当業者であれば、本発明の種々の要素になし得る多くの修正及び変形を認識することを理解すべきである。また、器具及びインプラントを、脊椎への埋め込みに関連して説明するけれども、それらを他の外科手術において患者の他の部位に用いてもよい。
【0031】
〔A.拡張ツール〕
インプラントを受け入れる椎骨を含んだ脊椎のX線撮影画像を撮る。X線撮影画像から、患者の背中の挿入箇所を決める。次に、患者の背中の切開を行い、侵襲性の少ないシステムを用いる開口を形成する。次に、開口を拡張させる。当業者であれば、以下にさらに詳細に説明する装置を含む任意の数の装置を用いて、患者の開口の拡張を行うことを理解すべきである。
【0032】
〔1.トロカール及びガイドワイヤ〕
図1に示すように、トロカール100は、近位端部120及び遠位端部30を有する細長い部材110であるのがよい。トロカール100を、例えば、X線透視誘導を用いて、患者の切開部から挿入し、椎骨に係合させるのがよい。トロカール100の遠位端部130は、椎骨の皮質を貫通する孔をあける及び/又は形成するための先端部135を有するのがよい。さらに、トロカール100は、その遠位端部130に細長い前部分102を有するのがよい。細長い前部分102は、開口のサイズを増大させ、椎骨への経皮的な通路を形成するのを助ける。また、変形実施形態では、トロカール100の遠位端部130は、椎骨に係合してトロカール100を椎骨の所定の位置に保持するためのねじ山(図示せず)を有していてもよい。
【0033】
トロカール100の近位端部120は、ハンドル125を追加的に有するのがよい。ハンドル125は、操作者がトロカール100を使用/操作するのをより容易にする。ハンドル125は、細長い部材110と一体に形成されていてもよいし、或いは、近位端部120に機械的に接合されていてもよい。ハンドル125は、X線透視観察下において即ちX線を用いるときに見えなくなるように、X線透過性であるのがよい。さらに、ハンドル125は、取り外しできるように構成されていてもよい。1つの実施形態では、ハンドル125は、T字形状である。別の実施形態では、ハンドル125の形状は、球状である。さらに、トロカール100は、近位端部120から遠位端部130まで延びるチャネル140を含むのがよい。
【0034】
ガイドワイヤ又はロッド150をトロカール100の近位端部120のところでチャネル140の中に挿入し、トロカール100によって形成された椎弓根内の孔の中に配置する。ハンドル125を有する実施形態では、ガイドワイヤ150をハンドル125の中に挿入してもよい。図1に示すガイドワイヤ150を用いて、種々の装置及び/又はインプラントを患者内に且つ脊椎に向かって案内する。例えば、ガイドワイヤ150を用いて、拡張器、挿入/作業用カニューレ、ドリル、ねじ回し、及びインプラント(例えば、骨ねじ)を脊椎上の箇所に案内する。本明細書に説明する任意の装置は、ガイドワイヤ150を用いることなしに患者に挿入されてもよいことに留意すべきである。ガイドワイヤ150を、それが椎骨に係合するまでチャネル140を通して下方に挿入する。その後、手術用木槌又は他の打ち込み器具(図示せず)を用いて、ガイドワイヤ150を、トロカール100によって形成された孔に打ち込む。このように、ガイドワイヤ150を椎骨に固定する。
【0035】
操作者がガイドワイヤ150を椎骨に打ち込むことを助けるために、ガイドワイヤ150は、その近位端部154に配置されたキャップ152を有するのがよい。このような構成は、木槌又は他の器具をガイドワイヤ150に押し当ててそれを打ち付けるための拡大した表面を操作者に提供する。キャップ152は、金属、プラスチック又はゴムで作られてもよいし、繰り返される衝撃に耐えることができるその他の任意の材料で作られてもよい。さらに、キャップ152は、任意の形状(例えば、円形、多角形、球形状)又はサイズを有する。さらに、キャップ152は、ガイドワイヤ150を骨に埋め込むために用いる別の構成部品(例えば、スラップハンマ)と係合可能であるのがよい。
【0036】
トロカール100/ガイドワイヤ150を挿入するステップを、処置が行う椎骨の数及び/又はインプラントの数に応じて、別個の切開部又は同じ切開部を通して任意の回数繰り返すのがよい。
【0037】
〔2.拡張器〕
ガイドワイヤ150を所定の位置に配置したら、トロカール100を患者の身体から取り外す。2004年7月2日に出願された「Sequential Dilator System」と題する米国特許出願番号第10/884,705号(この米国特許出願の内容全体を本明細書に援用する。)に開示されているような一連の拡張器システムを用いて、患者の開口を拡大する。しかしながら、任意の拡張器システムを、侵襲性の少ないシステムと共に用いてもよいことを理解すべきである。
【0038】
拡張器挿入装置、例えば、図2に示す拡張器挿入装置200を、ガイドワイヤ150に伝わらせて、椎骨の近くの手術部位に向かって下方に挿入する。拡張器挿入装置200は、ガイドワイヤ150を受け入れる中央ボア212を含む細長いシャフト210を有するのがよい。拡張器挿入装置200は、その近位端部214にあるハンドル216と、その遠位端部218にある弾丸形状の先端部220とを有する。ハンドル216を取り外し可能にすることにより、拡張器挿入装置200の上に1つ又は2つ以上の拡張器チューブ350(図3A)を挿入することが可能である。さらに、弾丸形状の先端部220は、開口を拡張させ、椎骨への拡張した経皮通路を形成するのを助ける。しかしながら、先端部220は、任意の形状であり、拡大されていてもよいし、拡大されていなくてもよい。
【0039】
拡張器挿入装置200を所定の箇所に配置したら、拡張器挿入装置200の上に、図3Aに示すような1つ又は2つ以上の異なる大きさの拡張器チューブ350を挿入する。拡張器挿入装置200を用いないで、1つ又は2つ以上の拡張器チューブ350をガイドワイヤ150の上に直接挿入してもよいことに留意すべきである。拡張器チューブ350は、細長いシャフト352を有し、この細長いシャフト352は、拡張器挿入装置200及び/又は他の拡張器350を収容するように寸法及び形状が決められ且つ細長いシャフト352を貫通するチャネル354を有している。さらに、拡張器チューブ350は、患者の身体内における拡張器350の深さの視覚的表示を操作者に与えるマーキング355を有するのがよい。
【0040】
内径D(図3B)を有する第1の拡張器350を、拡張器挿入装置200の上に配置し、椎骨の近くの手術部位まで下げる。しかしながら、拡張器挿入装置200及び第1の拡張器350を互いに取り付け、単一のユニットとして身体に挿入してもよいことを理解すべきである。次に、第1の拡張器350から挿入装置200を取り外す。その後、第1の拡張器350の上に、第1の拡張器350の外径D’よりも大きい内径を有する第2の挿入装置350を挿入する。このプロセスを、開口が、外科医により所望され且つ処置を行うのに適切な寸法(例えば、インプラント及び/又は器具を収容するのに十分に大きい寸法)に拡張されるまで、順番により大きい拡張器350を用いて何度も繰り返すのがよい。また、処置のために多数の開口を用いる実施形態では、各々の開口について拡張プロセスを繰り返すのがよい。
【0041】
1つの実施形態では、最も大きい拡張器350を所定の箇所に配置した後、作業用カニューレ475(図4A及び図4B)を拡張器350の上に配置し、手術される椎骨の近くの手術部位まで下げる。作業用カニューレ475は、外科医がアクセス可能なままである近位端部476と、作業用カニューレ475を挿入した時に手術部位に隣接して配置される遠位端部478とを有する。さらに、作業用カニューレ475は、チャネル480を有し、このチャネル480は、近位端部476の開口497から遠位端部478の開口498まで延び、このチャネル480の中を通して操作者がインプラント及び手術用器具を挿入するのがよい。作業用カニューレ475は、近位端部476から遠位端部478まで一定の直径を有するのがよい。さらに、作業用カニューレ475は、手術中に外科医が作業用カニューレ475を掴むことを可能にするための及び/又は作業用カニューレ475を手術台に固定することを可能にするためのハンドル482を近位端部476に有するのがよい。このように、手術中、作業用カニューレ475を静止状態に保持するのがよい。
【0042】
作業用カニューレ475を所定の箇所に配置したら、全ての拡張器350及び/又はガイドワイヤ150を身体から取り外す。1つの実施形態では、インプラント及び器具を手術部位に案内するために、ガイドワイヤ150を所定の箇所に維持してもよい。しかしながら、各拡張器350の上にそれよりも大きい拡張器350を配置した後、各拡張器350を取り外すのがよい。処置の異なる部分を、異なる作業用カニューレ475によって行ってもよい。作業用カニューレ475が、多数の椎骨を露出させるのに十分大きいものである場合、処置全体を単一の作業用カニューレ475によって、即ち、患者に別の開口を形成することなしに行ってもよい。しかしながら、拡張器350に加えて又はその代わりに、開口を拡張するその他の手段、例えば開創器を用いてもよい。
【0043】
〔3.開創器〕
2004年8月13日に出願された「Multiple−Blade Retractor」という名称の米国特許出願(代理人整理番号8932−804−999(708716−999781)、その内容全体を本明細書に援用する)に開示されるような開創器500を用いて、患者の開口を拡大するのがよい。1つの実施形態では、閉鎖位置(図5A)の開創器500のブレード502を、開口の中に且つ少なくとも1つの拡張器350の上に配置する。別の実施形態では、拡張器350を用いることなく、開創器500を患者の開口内に直接挿入してもよい。開創器500を患者の開口内に置き、次いで、開創器500のハンドル504を互いに押して、ブレード502を広げる(図5B)。ロック機構506を用いて、ブレード502を開放位置にロックするのがよい。ロック機構506は、ねじ山付きロッド508と、ナット510とを含むのがよい。ナット510を、それがハンドル504に係合するまで、ねじ付きロッド508上で回転させる。しかしながら、開創器を開放位置に保持するために、開創器500をロックする任意の手段も用いることができる。引き続いて行われる全ての外科的処置は、開創器500のブレード502によって形成された拡大した開口内で、即ち、ブレード502間で行うのがよい。当業者であれば、患者の開口を拡大するために、外科的技術分野において周知のその他の任意の開創器を用いてもよいことを認識すべきである。
【0044】
〔B.埋め込みツール〕
〔1.骨ねじ〕
図6A及び図6Bに示す本発明の1つの実施形態では、椎骨に挿入すべきインプラントは、多軸式のねじ650であるのがよい。しかしながら、任意のねじが、脊椎ロッドを受け入れる寸法及び形態に構成されたロッド受け入れチャネルに組み込まれ、又は、固定することができる限り、かかる任意のねじを侵襲性の少ないシステムと共に用いることが考えられる。骨ねじ650は、シャンク部分654と、このシャンク部分654に作動可能に接続されたヘッド部分652とを有する。シャンク部分654にねじ山が設けられるのがよく、ねじ山はタッピンねじであるのがよい。骨ねじ650は、ヘッド部分652がシャンク部分654に関節式に連結され且つそれに対して回転可能であるような多軸式である。シャンク部分654は、ヘッド部分652と別個の部品であり、ヘッド部分652に係合するのがよい。シャンク部分654をヘッド部分652と一体にしてもよく、その場合、シャンク部分654とヘッド部分652との間の移動はない。
【0045】
シャンク部分654は、ヘッド部分652内に受け入れられる近位端部658を有する。1つの実施形態では、シャンク部分654は、ヘッド部分652内にスナップ嵌めされるのがよい。シャンク部分654の近位端部658は、例えば、手術用ツールの六角形部分を受け入れるようにそれに対応した六角形形態等の手術用ツール係合凹部674を有するのがよい。さらに、シャンク部分654は、ガイドワイヤ150を受け入れる中央の軸方向チャネル660を有するのがよく、それにより、ねじ650を椎骨の近くの手術部位に案内することができる。他の形状及び形態のシャンク部分654及びヘッド部分652を用いて、ヘッド部分652とシャンク部分654との間の多軸式回転を行ってもよい。
【0046】
図6A及び図6Bに示すように、ヘッド部分652は、円筒形であるのがよく、ベース部分662と、互いに間隔をおいて配置された2つのアーム664とを有するのがよい。アーム664は、手術用ツール(例えば、以下に説明される種々の挿入カニューレ)に係合するための面取り縁部668及び凹部670を有するのがよい。1つの実施形態では、アーム664は、種々の挿入カニューレ及び/又は他の手術用ツールに係合する雄ねじ(図示せず)を有する。ヘッド部分652は、中央ボア667を有するのがよい。中央ボア667は、シャンク部分654の近位端部658がヘッド部分652の遠位端665の遠位開口663を貫いて延びるように、ヘッド部分652を貫通するのがよい。アーム664は、中央ボア667と交差するチャネル666を形成するのがよい。チャネル666は、固定ロッドを受け入れることができる任意の形状(例えば、U字形状)である。さらに、ヘッド部分652は、キャップ681及び/又は外科用器具(例えば、ねじ回し、挿入カニューレ等)の雄ねじ680に係合させるための雌ねじ672をボア667の壁に有するのがよい。キャップ681は、ボア667内に受け入れられるのがよい。固定ロッドを骨ねじ内に保持するために、ヘッド部分652の近位端部671のところで異なる機構と相互作用するその他のキャップを用いてもよい。
【0047】
〔2.挿入カニューレ〕
インプラント(例えば、ねじ、固定ロッド)を挿入するために、挿入カニューレを用いるのがよい。しかしながら、当業者であれば、全ての処置に対して挿入カニューレを用いる必要がないことを理解すべきである。挿入カニューレを骨ねじ650及び/又はその他のツール(例えば、ねじ回し)に接続し、1つのユニットとして、作業用カニューレ475及び/又は開創器500によって形成された開口を通して挿入するのがよい。別の実施形態では、挿入カニューレを患者内に配置した後、骨ねじ650及び/又はその他のツールを挿入カニューレに挿入してもよい。ガイドワイヤ150を用いる実施形態では、挿入カニューレ、骨ねじ650及び/又はその他のツール(例えば、ねじ回し)をガイドワイヤ150に沿って椎骨まで挿入するのがよい。
【0048】
用いられる挿入カニューレのタイプは、例えば、外科医の好み、身体の生体組織、及び/又は外科的処置の要件によって決まる。特に、挿入カニューレは、固定ロッドを骨ねじに挿入することができる方法を要因として選択される。幾つかの実施形態では、固定ロッドを骨ねじの側面から挿入するように、挿入カニューレを設計するのがよい。これらの実施形態では、骨ねじを患者に挿入した切開部とは別個の切開部を通して、固定ロッドを挿入するのがよい。他の実施形態では、脊椎ロッドを骨ねじの上部を貫くように挿入するように、挿入カニューレを設計してもよい。また、骨ねじを挿入した切開部と同じ切開部を通して、脊椎ロッドを挿入してもよい。他の実施形態では、ロッドを骨ねじの上部又は側部のいずれかから挿入することを可能にするように、挿入カニューレを構成するのがよい。
【0049】
作業用カニューレ475又は開創器500を用いない実施形態では、挿入カニューレを、挿入装置200(挿入カニューレ内に嵌合するように特別に設計される)に接続するのがよく、患者の切開部を通して、挿入装置200と共に単一のユニットとして挿入するのがよい。ガイドワイヤ150を用いて、挿入装置/カニューレ構成を椎骨まで案内するのがよい。挿入カニューレから、挿入装置200及び/又はガイドワイヤ150(用いられる場合)を引き出し、挿入カニューレを通して処置の全工程を行うのがよい。挿入カニューレを通して、例えば、ドリル、骨ねじ、ねじ回し、固定ロッド、及び他の外科用ツールを挿入するのがよい。他の実施形態では、何らかの付加的な器具を用いることなしに、挿入カニューレを患者の開口に直接挿入してもよい。かくして、挿入カニューレは、開口を拡張させ/縮める機能を実施する。
【0050】
しかしながら、任意の組み合わせの器具(例えば、トロカール100、ガイドワイヤ150、挿入装置200、拡張器350、作業用カニューレ475、及び/又は開創器500)を用いて、患者の身体への挿入カニューレの挿入を助けてもよいことに留意すべきである。
【0051】
侵襲性の少ない処置を行う際、後で説明するような挿入カニューレを2つ以上用いて、例えば、骨ねじ650を隣接した椎骨に挿入し、骨ねじ650を保持し、それを操作するのがよい。挿入カニューレは、患者の別個の切開部を通して挿入され及び/又は同じ切開部を通して挿入される。例えば、作業用カニューレ475を用いる実施形態では、別個の切開部が、別個の作業用カニューレ475を有し、別個の挿入カニューレを各々の作業用カニューレ475を通して椎骨まで挿入するのがよい。作業用カニューレ475が十分に大きい場合には、多数の挿入カニューレを作業用カニューレ475に挿入してもよいことを認識すべきである。さらに、開創器500を用いる実施形態では、開創器500によって形成された開口を通して、多数の挿入カニューレを挿入するのがよい。このような実施形態では、作業用カニューレ475又は開創器500を通して、処置全体を行うことができる。
【0052】
挿入カニューレの1つの利点は、ヘッド部分652の配向を各々のカニューレの近位端部を介して目に見えることである。したがって、外科医は、チャネル666内の固定ロッドの位置を確認することができる。手術部位を覗くことができる外科医の能力をさらに向上させるために、後で説明する任意の挿入カニューレは、光源を有していてもよい。さらに、挿入カニューレは、手術部位の外科医の視野を妨げる可能性がある流体及び組織を除去し、これにより手術部位の外科医の視野が改善されるように、吸引・洗浄システムを含んでいてもよい。さらに、顕微鏡又は内視鏡(図示せず)を挿入カニューレに取り付け、拡大した手術部位の視野を得てもよい。また、処置が挿入カニューレの安定化を必要とする場合、例えば、SYNTHES(登録商標)の「Spine Synframe Access and Retractor System」のような、任意の数の取り付け具の1つに、挿入カニューレを連結してもよい。これらの取り付け具は、例えば、手術台に取り付けられ、挿入カニューレを患者に対する所定の位置に保持し、これにより手術中に外科医又は看護師が挿入カニューレを保持する必要性を排除することが可能である。
【0053】
さらに、本明細書に説明される任意の挿入カニューレの構成部品は、例えば、金属、プラスチック、ゴム、材料の組み合わせ、又は複合材料で作られる。例えば、構成部品は、ステンレス鋼、チタン、アルミニウム、合金、炭素繊維複合材、又はポリマー(例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン、様々な種類のポリエステル、ポリカーボネート、Teflon(登録商標)コーティングを施した金属、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE))から作られる。また、挿入カニューレの構成部品は、反射防止コーティングを有してもよく、及び/又はX線透過性としてもよい。さらに、挿入カニューレの構成部品は、例えば、鋳造、押出し成形、射出成形、圧縮成形、鍛造、機械加工、又はトランスファー成形によって作られる。
【0054】
挿入カニューレの種々の構成部品を作るために用いられる材料を決定するとき、(例えば、オートクレーブ、病院における滅菌のために用いられる洗浄製品を使用する)滅菌/洗浄に耐える能力、重量、耐久性、汚染に対する耐性(例えば、血液又は手術に用いられる物質からの)、及び特に手術中に一般に用いられるゴム手袋を用いて構成部品を把持する能力を含む、種々の要因を考えることができる。
【0055】
さらに、以下に説明される挿入カニューレのカニューレシャフトは、円形の断面を有するものとして示すことができるが、断面は、例えば、楕円、正方形、矩形、三角形、又は他の多角形といった任意の形状にすることができる。
【0056】
〔a.側部挿入カニューレ〕
図7Aに示すように、挿入カニューレ700は、外側カニューレシャフト720内に収容された内側カニューレシャフト710を有する。さらに、図7B及び図7Cに示すように、内側カニューレシャフト710は、近位端部712と、遠位端部714と、近位端部712から遠位端部714まで延びるボア716とを有する。ボア716は、中心軸線718を有し、脊椎インプラント(例えば、骨ねじ)及び/又は外科用器具を受け入れる寸法及び形態を有するのがよい。ボア716は、ガイドワイヤ150、挿入装置200、及び/又は少なくとも1つの拡張器350の上に配置されるように構成されてもよい。チャネル又はスロット722が、内側カニューレシャフト710の遠位端部714に配置され、中心軸線718に対してある角度(例えば、直角)で延びるのがよい。チャネル又はスロット722は、U字形状であるのがよいが、他の形状であることも考えられ、以下により詳細に説明するように、チャネル又はスロット722を通して挿入することができる固定ロッドの少なくとも一部分を収容することもできる。
【0057】
内側カニューレシャフト710の内径は、例えば、約3mm〜約20mm、より好ましくは約12mm〜約15mmである。しかしながら、内径は、骨ねじ650及び/又はツールを内側カニューレシャフト710の中に通して配置することができる限り、任意の寸法である。内側カニューレシャフト710の外径は、例えば、約3mm〜約20mm、より好ましくは約14mm〜約17mmである。さらに、内側カニューレシャフト710の長さは、例えば、約40mm〜約160mm、より好ましくは約110mm〜約130mmである。チャネル又はスロット722の幅は、例えば、約3mm〜約10mm、より好ましくは約4mm〜約7mmである。チャネル又はスロット722の高さはまた、例えば、約3mm〜約20mm、より好ましくは約10mm〜約14mmである。これらの寸法は、後で説明する図8Bの内側カニューレシャフトにも適用可能であることに留意すべきである。
【0058】
図7D及び図7Eは、外側カニューレシャフト720の実施形態を示す。外側カニューレシャフト720は、近位端部724と、遠位端部726と、近位端部724から遠位端部726まで延びるボア728とを有する。ボア728は、中心軸線735を有し、内側カニューレシャフト710を受け入れる大きさ及び形態を有するのがよい。後で明らかになる理由で、外側カニューレシャフト720がその全長にわたって内側カニューレシャフト710の外面に沿って摺動することを可能にするために、外側カニューレシャフト720の長さは、内側カニューレシャフト710の長さよりも短いのがよい。また、外側カニューレシャフト720の遠位端部726は、内側カニューレシャフト710の遠位端部714と緊密に係合するように、内向きにテーパするのがよい。
【0059】
外側カニューレシャフト720の内径は、内側カニューレシャフト710の外径よりも大きく、外側カニューレシャフト720の外径は、例えば、約3mm〜約20mm、より好ましくは約16mm〜約19mmである。さらに、外側カニューレシャフト720の長さは、例えば、約20mm〜約140mm、より好ましくは約70mm〜約80mmである。これらの寸法は、後で説明する図8Eの外側カニューレシャフトにも適用可能であることに留意すべきである。
【0060】
内側カニューレシャフト710に対する外側カニューレシャフト720の回転を防止するために、及び/又は、2つの構成部品を整列させた状態に保持するために、外側カニューレシャフト720は、ボア728の内壁に配置された少なくとも1つの突起部740(図7D)を有し、この突起部740は、内側カニューレシャフト710の壁の少なくとも1つのスロット750(図7B参照)と係合する。1つの実施形態では、突起部740は、止めばね752を外側カニューレシャフト720に係合させるように開口760(図7F)を貫通するねじ、ピン、又はボルトであってもよい。変形例として、内側カニューレシャフト710が突起部を有し、外側カニューレシャフト720がスロットを有していてもよい。突起部740は、スロット750内を移動するのがよい。上記回転を防ぎ、及び/又は、内側カニューレシャフト710及び外側カニューレシャフト720を互いに整列させた状態に維持するその他の方法を考えてもよい。例えば、内側カニューレシャフト710及び外側カニューレシャフト720は、互いに対応する平坦な壁部分を有していてもよい。
【0061】
付加的に、外側カニューレシャフト720の近位端部724は、少なくとも1つのハンドル部分を有し、操作者が、外側カニューレシャフト720を内側カニューレシャフト710に沿って移動させることを可能にするのがよい。使用の際、操作者は、ハンドル部分の周りに自分の指を巻き付けるのがよい。図7Eの実施形態に示すように、外側カニューレシャフト720は、正反対の位置にある一対のハンドル738を有するのがよい。ハンドル738は、近位端部724と一体形成されてもよいし、例えば、溶接、接着又は機械的な手段(例えば、ねじ、ボルト)によって近位部端724に取り付けられてもよい。さらに、内側カニューレシャフト710と同様、外側カニューレシャフト720は、その遠位端部726を貫通するチャネル又はスロット727を有するのがよい。チャネル又はスロット727は、内側カニューレシャフト710のチャネル又はスロット722と整列し、その結果、固定ロッドの少なくとも一部分をチャネル又はスロット722、727を通して挿入することができる。チャネル又はスロット727の幅は、例えば、約3mm〜約10mm、より好ましくは約5mm〜約8mmである。チャネル又はスロット727の高さは、例えば、約3mm〜約10mm、より好ましくは約5mm〜約8mmである。チャネル又はスロット727の寸法は、後で説明する図8Eのチャネル又はスロットにも適用されることに留意すべきである。
【0062】
図7F及び図7Gは、挿入カニューレ700内の骨ねじ650の配置を示す。骨ねじ650を、内側カニューレシャフト710の遠位端部714のボア716内に配置するのがよく、骨ねじ650及び挿入カニューレ700を、単一のユニットとして患者に挿入するのがよい。挿入カニューレ700が既に患者内に配置されている別の処置においては、引き続き、骨ねじ650を近位端部712から遠位端部714までボア716に沿って挿入するのがよい。骨ねじ650、特にそのヘッド部分652を挿入カニューレ700に対して固定するために、外側カニューレシャフト720の遠位端部726が内側カニューレシャフト710の近位端部712に近づいて配置される第1の位置(図7F参照)から、外側カニューレシャフト720の遠位端部726が内側カニューレシャフト710の遠位端部714に近づいて配置される第2の位置(図7G参照)まで、外側カニューレシャフト720を移動させることができる。操作者は、骨ねじ650を挿入カニューレ700に対して固定する前に、チャネル又はスロット722、727を骨ねじ650のヘッド部分652のチャネル666と整列させるのがよい。
【0063】
外側カニューレシャフト720は、撓むことができる止めばね752(図7F参照)を有するのがよく、止めばね752は、第1の位置において溝756に係合し、第2の位置において溝758(図7B参照)に係合する。特に、止めばね752の突起部(図示せず)は、ハンドル738の開口758を通り且つ溝756、758に係合することができる。このような構成は、外側カニューレシャフト720が内側カニューレシャフト710に対して第1の位置又は第2の位置にあることを、操作者に触覚的に及び/又は聴覚的に示すことができる。1つの実施形態では、止めばね752の突起部と溝756、758との係合により、外側カニューレシャフト720を内側カニューレシャフト710上の第1の位置及び/又は第2の位置にロックさせることができる。
【0064】
図7Gに示す第2の位置において、外側カニューレシャフト720の遠位端部726が、1つ又は2つ以上の可撓性部材736を押すのがよい。このことにより、可撓性部材736が、骨ねじ650のヘッド部分652の凹部670に係合する。こうした係合は、骨ねじ650が挿入カニューレ700に対して軸線方向に移動することを防止する。外側カニューレシャフト720は、アーム737(図7A及び図7H参照)を押すのがよい。アーム737は、骨ねじ650のヘッド部分652に係合し、特に、アーム737は、ヘッド部分652のチャネル666内に嵌合するのがよい。このような位置において、アーム737は、骨ねじ650のヘッド部分652が挿入カニューレ700に対して回転移動することを防止する。このように、ヘッド部分652が、シャンク部分654の周りに枢動運動することを依然として可能にしながら、骨ねじ650のヘッド部分652を挿入カニューレ700に対して軸線方向及び回転方向に固定することができる。幾つかの実施形態では、外側カニューレシャフト720を第2の位置に移動させる前に、可撓性部材736及び/又はアーム737が、挿入カニューレ700に対するねじ650の軸線方向及び/又は回転方向に固定してもよいことに留意すべきである。操作者が挿入カニューレ700を使用して、1つの骨ねじ650のチャネル666を別の骨ねじ650のチャネル666と整列させるように1つの骨ねじ650のヘッド部分652を操作するのがよい。チャネル666同士が整列すると、インプラント(例えば、固定ロッド)をチャネル666の中に挿入することができる。
【0065】
付加的に、操作者がヘッド部分652を整列させるのを助けるために、内側カニューレシャフト710に、平坦な面713、マーク、若しくは刻み目(図示せず)を設けるのがよい。平坦な面713は、処置中に身体の外側に配置されるのがよく、身体内に配置されるチャネル又はスロット722、727及び/又はチャネル666の配向の視覚的なインジケータを操作者に提供する。平坦な面713は、操作者が、チャネル又はスロット722、727を身体内のチャネル666と整列させるのを助ける。
【0066】
図8Aは、挿入カニューレの別の実施形態である挿入カニューレ800を示す。挿入カニューレ700と同様、挿入カニューレ800は、外側カニューレシャフト820内に受け入れられる内側カニューレシャフト810を有している。図8B及び図8Cに示すように、内側カニューレシャフト810は、近位端部812と、遠位端部814と、近位端部812から遠位端部814まで延びるボア816とを有するのがよい。ボア816は、中心軸線818を定め、脊椎インプラント(例えば、骨ねじ)又は外科用器具を受け入れるような大きさ及び形態であるのがよい。チャネル又はスロット822が、内側カニューレシャフト810の遠位端部814に配置され、中心軸線818に対してある角度(例えば、直角)で延びるのがよい。チャネル又はスロット822は、U字形状であるのがよく(他の形状も考えられるが)、固定ロッドの少なくとも一部分を収容することができる。
【0067】
内側カニューレシャフト810の近位端部812は、1つ又は2つ以上の孔815を有するのがよい。孔815を用いて、隣接した挿入カニューレ800間の機構(図示せず)を接続することにより、カニューレを互いに対して定位置に配置してもよいし、互いに対してピボット運動させてもよい。1つの実施形態では、孔815を用いて、固定ロッドを身体内に導くための誘導機構を取り付けるのがよい。誘導機構が取り付けられた挿入カニューレ800を操作するとき、挿入カニューレ800は、椎骨に圧縮力又は延伸力を与えることができる。近位端部812は、手術部位をボア816を通して照明するために用いられる光源を台に載せるように又は固定するように構成されるのがよい。近位端部812は、他の装置に係合するように構成されてもよい。
【0068】
図8D及び図8Eは、外側カニューレシャフト820の実施形態を示す。外側カニューレシャフト820は、近位端部822と、遠位端部824と、近位端部822から遠位端部824まで延びるボア826とを有するのがよい。ボア826は、中心軸線828を定め、内側カニューレシャフト810を受け入れるような大きさ及び形態であるのがよい。後で詳述する理由のために、外側カニューレシャフト820がその全長にわたって内側カニューレシャフト810の外面に沿って摺動することを可能にするために、外側カニューレシャフト820の長さは内側カニューレシャフト810の長さよりも短いのがよい。外側カニューレシャフト820の遠位端部824は、内側カニューレシャフト810の遠位端部814と緊密に係合するように、内向きにテーパするのがよい。
【0069】
外側カニューレシャフト820は、少なくとも1つの係合部分830を有するのがよい。係合部分830は、内側カニューレシャフト810の壁内のスロット838に係合させるための少なくとも1つの突起部836(すなわち、ボア816内の)を有するのがよい。図8Eのような、2つの係合部分830を有する1つの実施形態では、一方の係合部分830が可撓性であり、他方の係合部分830が外側カニューレシャフト820に対して固定されるのがよい。係合部分830は、可撓性であるのがよく、突起部836は、ノッチ840、842、844との間で解放可能にスナップ嵌めされるのがよい。このような構成により、外側カニューレシャフト820が内側カニューレシャフト810に対して回転することを防止し、及び/又は、内側カニューレシャフト810及び外側カニューレシャフト820を特定の配向に保持する(例えば、チャネル又はスロット822、827を互いに整列した状態に保持する)ことを可能にする。挿入カニューレ700と同様、内側カニューレシャフト810及び外側カニューレシャフト820を位置決めする他の手段も考えられる。また、スロット838は、突起部836を受け入れるための1つ又は2つ以上のノッチ840、842、844を有するのがよく、このような構成はまた、外側カニューレシャフト820を、所定の間隔で内側カニューレシャフト810に対して固定することを可能にする。
【0070】
骨ねじ650は、内側カニューレシャフト810の遠位端部814のボア816内に配置され、骨ねじ650及び挿入カニューレ800は、単一のユニットとして患者に挿入されるのがよい。挿入カニューレ800が既に患者内に配置されている別の処置では、引き続いて、骨ねじ650を近位端部812から遠位端部814までボア816に沿って挿入するのがよい。
【0071】
骨ねじ650を上述した挿入カニューレ700に取り付ける方法と同様に、骨ねじ650をカニューレ800に取り付けるのがよい。係合部分830の突起部836がノッチ840に係合する第1の位置から、係合部分830の突起部836がノッチ842又は844に係合する第2の位置まで、外側カニューレシャフト820を移動させる。操作者は、外側カニューレシャフト820を第2の位置に移動させる前に、チャネル又はスロット822、827を骨ねじ650のヘッド部分652のチャネル666と整列させるのがよい。
【0072】
第2の位置(図示せず)において、外側カニューレシャフト820の遠位端部824は、少なくとも1つの可撓性部材832を押すのがよい。しかしながら、多数の可撓性部材を用いてもよいことに留意すべきである。次いで、可撓性部材832、よって突起部834が、骨ねじ650のヘッド部分652の凹部670に係合する。可撓性部材832は、骨ねじ650が挿入カニューレ800に対して軸線方向に移動することを防止する。付加的に、外側カニューレシャフト820は、アーム837(図8A)を押してもよい。アーム837は、骨ねじ650のヘッド部分652に係合することができ、特に、アーム837は、ヘッド部分652のチャネル666内に嵌合されるのがよい。このような位置において、アーム837は、骨ねじ650のヘッド部分652が挿入カニューレ800に対して回転移動することを防止する。このように、骨ねじ650のヘッド部分652を挿入カニューレ800に対して軸線方向及び回転方向に固定することができる。同時に、ヘッド部分652は、シャンク部分654の近位端部658の周りにピボット運動することができる。幾つかの実施形態では、外側カニューレシャフト820を第2の位置に移動させる前に、可撓性部材832及び/又はアーム837が、カニューレ800に対する骨ねじ650の軸線方向及び/又は回転方向に固定できることに留意すべきである。
【0073】
操作者が挿入カニューレ800を使用して、1つの骨ねじ650チャネル666を別の骨ねじ650のチャネル666と整列させるように1つの骨ねじ650のヘッド部分652を操作し、インプラント(例えば、固定ロッド)をチャネル666の中に挿入するのがよい。内側カニューレシャフト810は、チャネル又はスロット822及び/又は827と同じ方向に配向されたチャネル813を有するのがよい。さらに、内側カニューレシャフト810は、チャネル又はスロット822が通る内側カニューレシャフト810の側面に配置された平坦面812aを有するのがよい。チャネル813及び/又は平坦面812aは、処置中に身体の外側に配置されるのがよく、チャネル又はスロット822、827及び/又は身体内のチャネル666の配向の視覚的インジケータを、操作者に提供することができる。このような構成はまた、操作者が、チャネル又はスロット822、827を身体内のチャネル666と整列させるのを助ける。
【0074】
図9Aは、挿入カニューレさらに別の実施形態である挿入カニューレ900を示す。システム900は、カニューレシャフト910と、細長い部品920とを有するのがよい。図9B及び図9Cに示すように、カニューレシャフト910は、近位端部912と、遠位端部914と、近位端部912から遠位端部914まで延びるボア916とを有し、ボア916は、軸線918を有している。チャネル又はスロット928は、カニューレシャフト910の遠位端部914を貫通し、固定ロッドの少なくとも一部分をチャネル又はスロット928の中に通すのがよい。カニューレシャフト910はまた、近位端部912と遠位端部914との間に延び且つ細長い部品920(図9D参照)を保持することができる凹部922を有している。図9Cに示す凹部922の形状は、それに対応する細長い部品920の形状を受け入れるように設計するのがよく、細長い部品920は、凹部922の中を上下方向に動くことができるが、軸線918に対して横方向に凹部から抜け出ることはできない。さらに、凹部922は、細長い部品920の突起部(図示せず)に係合するためのスロット924を有するのがよい。この構成では、細長い部品920が、カニューレシャフト910に対して分離する又はねじれることを防止し、凹部922内での細長い部品920の移動を案内する。
【0075】
カニューレシャフト910の内径は、例えば、約3mm〜約20mm、より好ましくは約12mm〜約15mmである。しかしながら、内径は、これを通して骨ねじ650及び/又はツールを配置することができる限り、任意の寸法である。カニューレシャフト910の外径は、例えば、約3mm〜約20mm、より好ましくは約15mm〜約18mmである。さらに、カニューレシャフト910の長さは、例えば、約40mm〜約160mm、より好ましくは約110mm〜約130mmである。チャネル又はスロット928の幅は、例えば、約3mm〜約10mm、より好ましくは約5mm〜約8mmである。チャネル又はスロット928の高さは、例えば、約3mm〜約20mm、より好ましくは約12mm〜約16mmである。
【0076】
図9Dに示すような細長い部品920は、近位端部930と、遠位端部932とを有する。細長い部品920の長さは、例えば、約20mm〜約140mm、より好ましくは約110mm〜約130mmである。さらに、細長い部品920は、操作者に細長い部品920を作動させるための部分を提供する拡大部分934を有するのがよい。拡大部分934は、細長い部品920上での操作者の把持を強化するために、刻み目のような表面処理を有するのがよい。
【0077】
骨ねじ650は、カニューレシャフト910の遠位端部914のボア916内に配置され、骨ねじ650及び挿入カニューレ900は、単一のユニットとして患者に挿入されるのがよい。カニューレ900が既に患者内に配置されている別の処置においては、引き続き、骨ねじ650を近位端部912から遠位端部914までボア916に沿って挿入するのがよい。操作者は、骨ねじ650のヘッド部分652のチャネル666を用いて、チャネル又はスロット928を配向するのがよい。骨ねじ650を挿入カニューレ900に対して固定するために、細長い部品920の遠位端部932は、可撓性部材927に係合するのがよい。かかる位置において、細長い部品920は、可撓性部材927を骨ねじ650のヘッド部分652の方向に押すので、可撓性部材927が、ヘッド部分652の凹部670に係合する。このように、骨ねじ650のヘッド部分652をカニューレ900に対して固定することができる。幾つかの実施形態では、可撓性部材927は、細長い部品920が可撓性部材927に係合する前に、挿入カニューレ900に対する骨ねじ650の軸線方向に固定できることに留意すべきである。ヘッド部分652は、シャンク部分654の近位端部658に対してピボット運動することができる。このことにより、操作者が、固定ロッドの挿入に備えてヘッド部分652を操作することが可能になる。
【0078】
図10Aは、上述したカニューレと同様、骨ねじ650を保持するために用いることができるカニューレ1000を示す。図10A〜図10Dに示すように、カニューレ1000は、内側カニューレシャフト1010と、外側カニューレシャフト1020とを有するのがよい。内側カニューレシャフト1010は、近位端部1012と、遠位端部1014と、近位端部1012から遠位端部1014まで延びるボア1016とを有するのがよい。内側カニューレシャフト1010の遠位端部1014は、骨ねじ650のヘッド部分652の雌ねじ672に係合するための雄ねじ付き部分1015を有するのがよい。近位端部1012は、カニューレ1000の把持を容易にするために、例えば、刻み目等の表面処理を有するのがよい。付加的に、近位端部1012は、骨ねじ650のチャネル666の配向を示すことができる平坦部分、刻み目又はマーキング(図示せず)を有するのがよい。
【0079】
内側カニューレシャフト1010の内径は、例えば、約3mm〜約20mm、より好ましくは約7mm〜約11mmである。内側シャフト1010の外径は、例えば、約3mm〜約20mm、より好ましくは約10mm〜約12mmである。さらに、内側カニューレシャフト1010の長さは、例えば、約40mm〜約160mm、より好ましくは約110mm〜約130mmである。
【0080】
図10Dに示すように、内側カニューレシャフト1010内に挿入装置1032を配置するのがよい。挿入装置1032は、内側カニューレシャフト1010のボア1016に挿入された外科用器具(例えば、ねじ回し)に係合するためのフィンガ1034を含むのがよい。したがって、外科用器具は、内側カニューレシャフト1010の近位端部1012内にスナップ嵌めされ、それと同時に、内側カニューレシャフト1010の内部で回転させられることが可能である。挿入装置1032はまた、外科用器具の一部に係合するための突起部1036を有するのがよい。
【0081】
外側カニューレシャフト1020は、内側カニューレシャフト1010の上に配置され、その上で移動可能である。外側カニューレシャフト1020は、近位端部1022と、遠位端部1024と、外側カニューレシャフト1020を貫通するように近位端部1022から遠位端部1024まで延びるチャネル1025とを有するのがよい。外側カニューレシャフト1020は、内側カニューレシャフト1010の1つ又は2つ以上の凹部1040に係合するための1つ又は2つ以上の突起部1038を有するのがよい。1つの実施形態では、突起部1038は、外側カニューレシャフト1020の内面を一周する環状の突起部であるのがよい。さらに、凹部1040は、内側カニューレシャフトの外周面の環状凹部であるのがよい。このような構成により、外側カニューレシャフト1020が、内側カニューレシャフト1010に対して軸線方向に移動することが可能にする。
【0082】
さらに、外側カニューレシャフト1020の外径は、骨ねじ650のヘッド部分652の外径と等しいのがよい。外側カニューレシャフト1020の直径とヘッド部分652の直径とが同じである構成においては、外側カニューレシャフト1020の遠位端部1024が、骨ねじ650のヘッド部分652の面取り縁部668に支持される。別の実施形態では、外側カニューレシャフト1020の直径は、骨ねじ650のヘッド部分652の直径よりも大きくてもよい。
【0083】
外側カニューレシャフト1020の内径は、内側カニューレシャフト1010の外径より大きいのがよく、その外径は、例えば、約3mm〜約20mm、より好ましくは約12mm〜約15mmである。さらに、外側カニューレシャフト1020の長さは、例えば、約20mm〜約140mm、より好ましくは約100mm〜約110mmである。
【0084】
骨ねじ650をカニューレ1000に対して固定するために、内側カニューレシャフト1010の雄ねじ付き部分1015を、骨ねじ650(図6A参照)のヘッド部分652の雌ねじ付き部分672に係合させる。しかしながら、内側カニューレシャフト1010を骨ねじ650に係合させるための任意の手段が考えられることに留意すべきである。図10Dに示すように、外側カニューレシャフト1020は、その近位端部1022が内側カニューレシャフト1010の近位端部1012に係合する後方位置にある。いったん内側カニューレシャフト1010がヘッド部分652に係合したら、外側カニューレシャフト1020を内側カニューレシャフト1010の下方に移動させ、突起部1038を凹部1040内で移動させる。また、外側カニューレシャフト1020の遠位端部1024は、骨ねじ650のヘッド部分652に係合する。特に、図10Aに示すように、外側カニューレシャフト1020は、ヘッド部分652の平行なアーム664の間の空間に(すなわち、チャネル666の上部に)挿入することができる、拡張部分1026を有することができる。次に、骨ねじ650をカニューレ1000に対して軸線方向及び回転方向に固定する。
【0085】
〔b.側部及び/又は上部挿入カニューレ〕
図11A及び図11Bは、骨ねじ650の上方又は側方からロッドを挿入するために用いることができる(すなわち、骨ねじ650を側部又は上部に取り付けることができる)挿入カニューレ1100を示す。挿入カニューレ1100は、細長い部材1110を含み、近位端部1112と、遠位端部1114と、近位端部1112から遠位端部1114まで延びるチャネル1116とを有している。さらに、挿入カニューレ1100は、チャネル1116と交わり且つ近位端部1112から遠位端部1114まで延びる第1の長手方向スロット1122を有している。しかしながら、第1のスロット1122は、任意の長さの細長い部材1110をカバーすることができ、近位端部1112からある距離で終わるのがよい。さらに、挿入カニューレ1100は、チャネル1116と交差する第2の長手方向スロット1123を有するのがよい。第2のスロット1123は、第1のスロット1122より短くてもよいし、長くてもよいし、これと同じ長さであってもよい。第2のスロット1123が必要でない場合もあることを認識すべきである。スロット1122、1123により、ロッドをチャネル1116の中で下降させて、骨ねじ650に挿入することを可能にする。
【0086】
挿入カニューレ1100の遠位端部1114は、骨ねじ650のヘッド部分652に係合するのがよい(図11B参照)。例えば、遠位端部1114は、ヘッド部分652の凹部670に係合するための突起部(図示せず)を、細長い部材1110の内壁1125の上に有するのがよい。変形例として、遠位端部1114は、ヘッド部分652に緩く係合してもよい。一般に、カニューレ1100を用いて、骨ねじ650のヘッド部分652を操作することにより、固定装置をヘッド部分652に挿入して取り付けるのがよい。さらに、近位端部1112は、カニューレ1100を取り扱い且つ操作するためのハンドル1124を有するのがよい。また、ハンドル1124は、カニューレ1100を、例えば手術台に取り付けるための取り付け部分1129を有するのがよい。
【0087】
図12Aは、骨ねじ650の上方又は側方から脊椎ロッドを挿入するために用いることができる挿入カニューレの別の実施形態を示す。挿入カニューレ1200は、近位端部1202と、遠位端部1204と、近位端部1202から遠位端部1204まで挿入カニューレ1200を貫いて延びるチャネル1206とを有するのがよい。さらに、挿入カニューレ1200は、チャネル1206と交差する少なくとも1つのスロット1208を有するのがよい。スロット1208により、ロッドをチャネル1206の中で下降させ、それを骨ねじ650に挿入することを可能にする。図12Aに示すように、1つより多いスロット1208を有する実施形態では、スロット1208は、2つのアーム1210及び1212を構成する。このような構成は、アーム1210及び1212を可撓性にし、骨ねじ650、特にそのヘッド部分652を、アーム1210とアーム1212との間にクリップ留め/スナップ嵌めさせる(図12B参照)。変形例として、スロット1208により、ロッドを骨ねじ650の側方から挿入することを可能にする。スロット1208は、挿入カニューレ1200の遠位端部1204から延び且つ近位端部1202からある距離だけ離れた位置まで延びるのがよい。2つ以上のスロット1208を有する実施形態では、スロット1208は、互いに同じ長さであってもよいし、互いに異なる長さであってもよい。
【0088】
さらに、近位端部1202は、刻み目等の表面処理がされてもよいし、或いは、操作者の挿入カニューレ1200の把持を強化するためのグリップを有していてもよい。さらに、アーム1210及び/又は1212は、骨ねじ650のヘッド部分652の凹部670に係合するための突起部1214を有するのがよい。図12Bに示すように、挿入カニューレ1200が骨ねじ650に係合するとき、ヘッド部分652が回転する(すなわち、挿入カニューレ1200内で回転する)ことができるが、ヘッド部分652が挿入カニューレ1200に対して軸線方向に移動することができないように、骨ねじ650を固定するのがよい。1つの実施形態では、骨ねじ650を挿入カニューレ1200に対して固定することにより、回転移動を防止する。カニューレ1200を用いて、ヘッド部分652をシャンク部分654に対してピボット運動させてもよい。
【0089】
挿入カニューレ1100、1200の内径は、例えば、約3mm〜約20mm、より好ましくは約12mm〜約16mmである。カニューレ1100、1200の内径は、これを通して骨ねじ650及び/又はツールを配置することができる限り、任意のサイズであることに留意すべきである。挿入カニューレ1100、1200の外径は、例えば、約3mm〜約20mm、より好ましくは約14mm〜約17mmである。さらに、挿入カニューレ1100、1200は、例えば、約40mm〜約200mm、より好ましくは約140mm〜約160mmである。スロット1208の幅は、例えば、約3mm〜約10mm、より好ましくは約5mm〜約8mmである。スロット1208の高さは、例えば、約30mm〜約160mm、より好ましくは約110mm〜約130mmである。
【0090】
〔3.ドリル〕
ドリル1350(図13A参照)を用いて、骨ねじ650を挿入するキャビティを椎骨内に形成するのがよい。ドリル1350を、作業用カニューレ475、開創器500及び/又は挿入カニューレ内に配置するのがよく、手術部位に向かって下方に移動させるのがよい。例えば、図13Bに示すようなガイドワイヤ150を用いる技術においては、ドリル1350を挿入カニューレ内に挿入し、ガイドワイヤ150によって挿入カニューレの下方に案内するのがよい。ドリル1350を、ガイドワイヤ150によって作業用カニューレ475又は開創器500の下方に案内してもよい。
【0091】
図13Aに示すように、ドリル1350は、ドリルビット1352と、ハンドル1362とを有するのがよい。ドリルビット1352及びハンドル1362は、一体の1つの部品であってもよいし、互いに接続された2つの部品であってもよい。例えば、ドリルビット1352は、継手1364によってハンドル1362に接続されてもよい。ハンドル1362を用いて、手作業で椎骨内に孔をあけることができる。ハンドル1362は、T字形状、球形、又は楕円形であってもよいし、その他の任意の形状であってもよい。しかしながら、ドリル1350がハンドル1362を有していなくてもよく、その代わりに、ドリルビット1352を動力ドリルに取り付けてもよいことに留意すべきである。このように、ドリルビット1352を電気的に又は空気圧で作動させてもよい。
【0092】
図13C及び図13Dに示すように、ドリルビット1352は、シャフト1361と、シャフト1361の近位端部1355にある接続部分1354と、シャフト1361の遠位端部1357に位置する先端部1356とを有するのがよい。さらに、ドリルビット1352は、操作者がガイドワイヤ150の使用を望む処置のための中央ボア1358を有するのがよい。シャフト1361は、均一な直径を有していてもよいし、より大きな直径をもつ部分を有していてもよい。さらに、接続部分1354は、上述したように、ハンドルに取り付けられてもよいし、動力ドリルに接続されてもよい。ドリルビット1352の先端部1356を、当業者に周知のその他の骨切断ドリルビットと同様に構成するのがよい。
【0093】
さらに、1つの実施形態では、近位端部1354と遠位端部1356との間に窓1364を配置するのがよく、窓1364により、例えば、ガイドワイヤ150又は骨組織が、ドリルビット1352の中央ボア1358の中を移動するのを、操作者が見ることを可能にする。さらに、シャフト1361は、所定の間隔で離間配置されたマーキング1362を含むのがよい。このようなマーキング1362は、操作者が、骨組織内のドリルビット1352の深さを監視することを可能にする。
【0094】
使用の際、ドリル1350を、作業用カニューレ475、開創器500、及び/又は挿入カニューレに挿入し、それを椎骨の近くに配置した後、ハンドル1362によって手動で、又は動力ドリルによって電気的に/空気圧で、ドリル1350を回転させ、ねじ650のようなインプラントを固定することができるキャビティを形成する。
【0095】
しかしながら、当業者であれば、骨の中にキャビティを形成する任意の手段を考えられることを理解すべきである。例えば、操作者は、椎骨の中にキャビティを形成するために、ドリル1350の代わりに、又はそれに加えて、千枚通し、プローブ、及び/又はタップを用いてもよい。さらに、幾つかの実施形態では、キャビティを形成するために、最初にドリル又は他のキャビティ形成ツールを用いることなく、骨ねじ650を直接骨に挿入してもよい。
【0096】
〔4.インプラントポジショナ〕
図14は、作業用カニューレ465、開創器500、及び/又は挿入カニューレ内で骨ねじ650を配向するために用いることができるポジショナ1450を示す。ポジショナ1450は、シャフト1452と、このシャフト1452に作動的に接続された前部1454とを含むのがよい。前部1454は、骨ねじ650のヘッド部分652及び/又はシャンク部分654の近位端部658に係合するように構成されるのがよい。特に、前部1454は、凹部674に係合するための突起部1456と、ヘッド部分652のチャネル666に係合するための部分1458とを有するのがよい。ポジショナ1450はまた、シャフト1452上に取り付けることができ且つチャネル666内の部分1458の配向に合致したハンドル1460を有するのがよい。したがって、部分1458が骨ねじ650のチャネル666に係合するとき、ハンドル1460をチャネル666の方向と整列させる。このような構成は、身体の外側に、身体内のチャネル666の配向の視覚インジケータを、操作者に提供する。ハンドル1460を挿入カニューレ上の視覚インジケータ(例えば、平坦面713、812a)と位置合わせすることができる。
【0097】
使用の際、骨ねじ650を作業用カニューレ475、開創器500、及び/又は挿入カニューレ内に配置した後、ポジショナ1450を、骨ねじ650に係合可能である。代替的に、ポジショナ1450を用いて、作業用カニューレ475、開創器500、及び/又は挿入カニューレに沿って、骨ねじ650を挿入してもよい。操作者は、ポジショナ1450を操作し、骨ねじ650のヘッド部分652を回転させることができる。例えば、挿入カニューレに対するヘッド部分652の配向を固定する前、及び/又は固定ロッドを挿入する前、ポジショナ1450を用いて、チャネル666をそれに対応する挿入カニューレのチャネルと共に配向させることができる。代替的に、ヘッド部分652を挿入カニューレに対して既に固定した後、ポジショナ1450を用いて、骨ねじ650のヘッド部分652を操作してもよい。このように、ポジショナ1450を用いて、多数の骨ねじ650のチャネル666を整列させることができるので、固定ロッドを骨ねじ650の中を通るように挿入することができる。
【0098】
〔5.ねじ回し〕
ねじ回し1500を、作業用カニューレ475、開創器500、及び/又は挿入カニューレ700、800、900、1100、1200内に配置するのがよく、骨ねじ650に係合することができる。図15A〜図15Dに示すように、ねじ回し1500は、シャフト1510と、ロックスリーブ1520と、保持スリーブ1530とを含むのがよい。シャフト1510は、遠位端部1514にある係合部分1516と、近位端部1512にある連結部分1513とを有する。さらに、シャフト1510にカニューレを挿入してもよい(すなわち、例えばガイドワイヤ150を受け入れるために、そこを貫通するチャネル(図示せず)を有する)。図15Bに示すように、係合部分1516は、骨ねじ650の凹部674に係合するように、六角形の形状にするのがよい。また、遠位端部1514は、骨ねじ650のヘッド部分652のU字形状チャネル666に係合するための少なくとも1つの肩部1518を有するのがよい。
【0099】
さらに、連結部分1513は、ねじ回し1500を手動で操作するための、ハンドル1515(図15E参照)のようなハンドル部分に連結させるのがよい。ハンドル1515は、T字形状であってもよいし、その他の任意の形状であってもよい。ねじ回し1500にカニューレを挿入することができる実施形態では、ハンドル1515は、それを貫いて延びるチャネル(図示せず)を有するのがよく、このチャネルは、その中にガイドワイヤ150を挿入できるように、シャフト1510を貫いて延びるチャネルと整列するのがよい。代替的に、連結部分1513を、例えば動力ドリルなどのねじ回しを回転させるためのモータを有する装置に接続してもよい。ハンドル1515を、肩部1518の配向に合致させるようにシャフト1510上に配置してもよい。したがって、肩部1518が骨ねじ650のチャネル666に係合するとき、ハンドル1515をチャネル666の方向と整列させることができる。このような構成は、身体の外側からの、身体内のチャネル666の配向の視覚的インジケータを、操作者に提供することになる。ハンドル1515を挿入カニューレ上の視覚的インジケータ(例えば、平坦面713、812a)と整列させ、挿入カニューレのチャネルをチャネル666と整列させてもよい。
【0100】
図15Cは、ロックスリーブ1520を示す。ロックスリーブ1520をシャフト1510に沿って摺動できるように、ロックスリーブ1520のチャネル1528内にシャフト1510を配置するのがよい。ロックスリーブ1520は、グリップ端部1522と、ねじ係合端部1524とを含むのがよい。グリップ端部1522は、操作者がロックスリーブ1520をしっかりと掴むのを可能にするための処理(例えば、刻み付け)又はグリップをもつことができる表面1523を有するのがよい。別の実施形態では、グリップ端部1522は、掴むための少なくとも1つの凹み又は溝(図示せず)を有してもよい。ねじ係合端部1524は、ヘッド部分652の雌ねじ付き部分672に係合するための雄ねじ付き部分1526を有する。
【0101】
図15A及び図15Dに示すように、保持スリーブ1530は、ロックスリーブ1520の上に嵌合するような大きさであるのがよい。保持スリーブ1530は、挿入カニューレ700、800、900、1100、1200から延びるのがよく、操作者は、ねじ回し1500を保持する一方で、同時にねじ回し1500を回転させ、骨ねじ650を椎骨に挿入する。保持スリーブ1530がロックスリーブ1520に対して回転することができるが、軸線方向に移動することができないように、保持スリーブ1530をロックスリーブ1520に接続するのがよい。1つの実施形態では、保持スリーブ1530は、1つ又は2つ以上の長手方向スロット1534と、保持スリーブ1530の内周を周方向に延びる突起部1536とを有するのがよい。スロット1534は、保持スリーブ1530の近位端1532が撓むことを可能にし、これにより突起部1536をロックスリーブ1520の溝1525(図15C参照)の中にスナップ嵌めすること、及び/又はそれから分離することを可能にする。溝1525は、ロックスリーブ1520の周りを周方向に延びるのがよい。別の実施形態では、保持スリーブ1530は、ロックスリーブ1520の1つ又は2つ以上の溝(図示せず)に係合する1つ又は2つ以上の突起部(図示せず)を有するのがよい。
【0102】
付加的に、2つの肩部1518を有する1つの実施形態では、1つの肩部1518は、そこから延びる突起部1518a(図15B参照)を有するのがよい。幾つかの実施形態では、突起部1518aが存在しなくてもよいことに留意すべきである。突起部1518aは、カニューレ700の凹部730(図7C参照)、カニューレ800の凹部860(図8C参照)、及び/又はカニューレ900の凹部938(図9C参照)内に受け入れられ、かつ、これらに沿って移動することができる。ねじ回し1500を挿入カニューレに挿入したら、ねじ回し1500を挿入カニューレに沿って移動させ、凹部730、860、938内の突起部1518aによって案内することが可能である。その後、ねじ回し1500を回転させて、骨ねじ650を椎骨内に前進させる。挿入カニューレは、ねじ回し1500の回転と共に回転する。骨ねじ650を挿入する際に凹部730、860、938から突起部1518を分離させることができる1つの実施形態では、突起部が凹部730、860、938と再び整列するまで、ねじ回し1500を骨ねじ650から取り外すことはできない。また、骨ねじ650内のねじ回し1500の位置のために、突起部1518aを凹部730、860、938と整列させるとき、骨ねじ650のチャネル666を、チャネル又はスロット722及び/又は727、822及び/又は827、或いは928と整列させることができる。次に、ねじ回し1500をねじ650及び挿入カニューレから取り外し、引き続いて、上述のように骨ねじ650を挿入カニューレに対して固定する。
【0103】
使用の際、ねじ回し1500をねじ650に挿入する。図15Fに示すように、係合部分1516は、凹部674に係合し、肩部1518は、U形状のチャネル666に係合する。ロックスリーブ1520のねじ係合端部1524を肩部1518から遠ざかるように配置する第1の位置(図15E参照)から、ロックスリーブ1520のねじ係合端部1524を肩部1518の近くに配置する第2の位置(図15F参照)まで、ロックスリーブ1520を移動させる。ロックスリーブ1520の雄ねじ付き部分1526は、骨ねじ650のヘッド部分652の雌ねじ付き部分672に係合することができる。このように、ねじ回し1500を骨ねじ650に対して軸線方向及び回転方向に固定する。ヘッド部分652及びシャンク部分654を互いに剛く固定することができ、これにより骨ねじ650を埋め込むことが可能になる。ねじ回し1500、骨ねじ650、及び挿入カニューレ700、800、900、1100、1200を互いに接続し、同時に患者に挿入することができる。例えば、図15Fに示すように、ねじ回し1500、骨ねじ650、及びカニューレ1200を、単一のユニットとして患者に挿入してもよい。代替的に、作業用カニューレ475、開創器500、及び/又は挿入カニューレ700、800、900、1100、1200を既に患者に挿入された後、骨ねじ650と共に作業用カニューレ475、開創器500、及び/又は挿入カニューレ700、800、900、1100、1200にねじ回し1500に挿入してもよい。別の実施形態では、ねじ650、作業用カニューレ475、開創器500、及び/又は挿入カニューレ700、800、900、1100、1200を身体内に配置することができ、続いて、ねじ回し1500を内部に挿入することができる。
【0104】
ねじ650を椎骨の近くに配置したら、骨ねじ650を望ましい距離だけ椎骨内に挿入するまで、ねじ回し1500を回転させる。その後、作業用カニューレ475、開創器500、及び/又は挿入カニューレ700、800、900、1100、1200から、ねじ回し1500を取り外す。
【0105】
カニューレ1000を用いる処置においては、ねじ回し1550(図15G参照)のようなねじ回しを用いて、骨ねじ650を挿入するのがよい。ねじ回し1550は、遠位端部1552及び近位端部1553を有するシャフト1551と、遠位端部1552にある六角部分1554と、近位端部1553にあるハンドル1555とを有するのがよい。六角部分1554は、骨ねじ650の凹部674に係合する。さらに、ハンドル1555は、シャフト1551と一体であってもよいし、或いは、シャフト1551に取り付け可能な別個の部品であってもよい。
【0106】
ねじ回し1500をカニューレ1000と係合させるために、カニューレ1000は、ねじ回し1500の拡大部分1556内の雌ねじ付き部分(図示せず)に係合することができる、近位端1012上の雄ねじ付き部分(図示せず)を有するのがよい。このような構成においては、拡大部分1556がシャフト1551及びハンドル1555の周りに軸線方向及び/又は回転可能に移動できるように、拡大部分1556を取り付けることができる。このように、拡大部分1556をカニューレ1000に固定するとき、シャフト1551及びハンドル1555を、カニューレ1000に対して回転させ、及び/又は軸方向に移動させることができる。他の実施形態では、シャフト1551及び/又はハンドル1555に対して拡大部分1556を固定するのがよい。別の実施形態では、ねじ回し1550にぴったりと係合するように撓むことができる少なくとも1つのフィンガ1034によって、ねじ回し1550をボア1016内に保持するのがよい。さらに、各々のフィンガ1034は、ねじ回し1550を係合することができる少なくとも1つの突起部1036を有するのがよい。しかしながら、ねじ回し1550は、カニューレ700、800、900、1100、1200のような、他の任意の挿入カニューレと共に用いてもよいことを理解すべきである。
【0107】
ねじ回し1500と同様に、ねじ回し1550を、挿入カニューレ及び骨ねじ650と共に単一のユニットとして身体に挿入するのがよい。代替的に、挿入カニューレ及び/又は骨ねじ650を身体に挿入した後、挿入カニューレ及び/又はねじ650にねじ回し1550を挿入してもよい。
【0108】
〔6.ロッド挿入装置〕
骨ねじ650を挿入したら、ポジショナ1450及び/又は挿入カニューレを用いて、骨ねじのヘッド部分652を移動させる。多数の骨ねじ650及び固定ロッドの使用を必要とする処置においては、ヘッド部分652を移動させることができる能力が望ましい。特に、ポジショナ1450及び/又は挿入カニューレを用いてヘッド部分652を移動させることにより、操作者が、隣接したヘッド部分652を整列させることを可能にし、全てのヘッド部分652のチャネル666の中に固定ロッドを容易に挿入することができる。
【0109】
用いられる挿入装置のタイプは、外科的処置を行う際に操作者によって用いられる挿入カニューレのタイプによって決まる。例えば、挿入カニューレ700、800、900、1100又は1200を用いる処置においては、挿入装置1600(図16A参照)又は挿入装置1700(図17参照)のような挿入装置を用いて、骨ねじ650の側方から固定ロッドを挿入するのがよい。さらに、挿入カニューレ1100及び/又はカニューレ1200のような装置を用いる処置においては、挿入装置1800(図18参照)と類似したロッド挿入装置を用いて、骨ねじ650の上方から固定ロッドを挿入するのがよい。ポジショナ1450を用いる処置においては、固定ロッドを挿入する前に、ポジショナ1450を取り外すのがよい。
【0110】
〔a.側部挿入装置〕
図16A及び図16Bは、固定ロッド1675に係合し、固定ロッド1675をねじ650の側部又は側方から患者に挿入するために用いるロッド挿入装置1600を示す。しかしながら、挿入装置1600を用いて、骨ねじ650の上部からロッドを挿入できることも認識すべきである。ロッド挿入装置1600は、細長い部材1602と、可動部材1650と、可動部材1650に作動可能に取り付けられた作動部材1620とを含むのがよい。可動部材1650は、細長い部材1602の内側に配置されるが、細長い部材1602の外側に配置されてもよい。さらに、挿入装置1600は、ハンドル部分を有するのがよい。操作者が把持することができる挿入装置1600のいずれの部分も、ハンドル部分とみなし得ることを理解すべきである。ハンドル部分1610は、細長い部材1602の近位端部1604に接続されるのがよい。代替的に、ハンドル部分1610は、細長い部材1602を囲んでもよく、細長い部材1602は、ハンドル1610を貫いて延び、作動部材1620に直接接続される。ハンドル部分1610は、操作者が挿入装置1600を把持するのを可能にするように、グリップ、又は刻み付けのような表面処理を有するのがよい。1つの実施形態では、ハンドル1610の直径は、細長い部材1602の直径よりも大きいのがよい。
【0111】
挿入装置1600の構成部品は、例えば、金属、プラスチック、ゴム、複合材料、又は材料の組み合わせで作られる。例えば、構成部品は、ステンレス鋼、チタン、アルミニウム、合金、炭素繊維複合材、又はポリマー(例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン、様々な種類のポリエステル、ポリカーボネート、Teflon(登録商標)コーティングを施した金属、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE))から作られる。さらに鋳造、押出し成形、射出成形、圧縮成形、鍛造、機械加工、又はトランスファー成形を含む種々の方法を用いて、挿入装置1600の構成部品を作ることができる。
【0112】
挿入装置1600の種々の構成部品を作るのに用いられる材料を決定するとき、種々の要因が考えられるが、要因は、(例えば、オートクレーブ、病院における滅菌のために用いられる洗浄製品を使用する)滅菌/洗浄に耐える能力、重量、耐久性、汚染に対する耐性(例えば、血液又は手術に用いられる物質からの)、及び特に手術中に一般に用いられるゴム手袋を用いて構成部品を把持する能力を含む。ハンドル1610は、他の構成部品と同じ材料で作られてもよいし、異なる材料で作られてもよい。
【0113】
図16A及び図16Bに示すように、細長い部材1602は、近位端部1604と、遠位端部1606と、近位端部1604から遠位端部1606まで延びる通路1608とを含むのがよい。細長い部材1602の近位端部1604は、ハンドル部分1610に隣接して配置されるのがよい。代替的に、細長い部材1602の近位端部1604は、作動部材1620の近くに配置されてもよい。細長い部材1602は、図16Aに示すように湾曲した形状を有していてもよいし、直線であってもよい。細長い部材1602の曲率半径は、例えば、約80mm〜約120mm、より好ましくは約90mm〜約110mm、最も好ましくは約95mm〜約105mmである。固定ロッド1675はまた、曲線状であってもよく、同じ曲率半径を有してもよいし、異なる曲率半径を有していてもよい。他の実施形態では、固定ロッド1675は、直線であるのがよい。
【0114】
ハンドル部分1610は、近位端部1612と、遠位端部1614と、これらの間を通る通路1616とを有するのがよい。ハンドル部分1610及び細長い部材1602が別個の部品であることが可能な実施形態では、ハンドル部分1610及び細長い部分1602は、例えば、ねじ、ナット、ボルト、ねじ山、接着剤、又は溶接によって互いに接合される。細長い部材1602が作動部材1620に係合することができる実施形態では、細長い部材1602は、ハンドル部分1610の通路1616の中を通って延び、作動部材1616のチャネル1618に係合するのがよい。
【0115】
作動部材1620は、ハンドル部分1610の近位端部1612の近くに配置されるのがよい。作動部材1620は、ハンドル部分1610及び/又は細長い部材1602に対して回転可能であるのがよい。作動部材1620の回転により、可動部材1650が、細長い部材1602の通路1608内で移動させる。
【0116】
可動部材1650は、細長い部材1602の通路1608内に配置され、ハンドル部分1610を貫いて延び、作動部材1620に作動可能に接続されている。可動部材1650は、可撓性であってもよいし、剛性であってもよい。1つの実施形態では、可動部材1650は、ケーブルであるのがよい。図16Cに示すように、可動部材1650は、近位端部1652と、遠位端部1654とを有している。可動部材1650の近位端部1652は、作動部材1620のチャネル1618内に受け入れられるのがよい。作動部材1620を回転させると、可動部材1650が細長い部材1602のチャネル1608内で移動するように、可動部材1650は作動部材1620に接続されるのがよい。可動部材1650の遠位端部は、例えば、フック状であるのがよい。1つの実施形態では、固定ロッド1675(図16A参照)に係合し、これを挿入装置1600の通路1608内にしっかりと保持するために、可動部材1650の遠位端部1654に突起部1656を配置するのがよい。可動部材1650は、単一の部品であってもよいし、互いに取り付けられた別個の部品であってもよいことを認識すべきである。別個の部品であるとき、例えば、可動部材1650は、固定ロッドに係合することができるフック状の部分に接続されたケーブルで作られる。
【0117】
作動部材1620を回転させると、可動部材1650の遠位端部1654が細長い部材1602の遠位端部1606から延びる第1の位置から、可動部材1650全体が細長い部分1602内に配置される第2の位置まで、可動部材1650を移動させることができる。作動部材1620を反対方向に回転されると、可動部材1650は、第2の位置から第1の位置まで移動する。
【0118】
作動部材1620を回転させ、可動部材1650の遠位端部1654を細長い部材1602の外側に移動させて、固定ロッド1675に係合させる。突起部1656を固定ロッド1675の受け部分(図示せず)に係合させる。当業者であれば、固定ロッド1675を挿入装置1600から分離することができる限り、固定ロッド1675を細長い部材1602に接続する任意の手段を考えられる(例えば、ねじ山)ことを認識すべきである。次に、作動部材1620を反対方向に回転させ、固定ロッド1675と共に可動部材1650を細長い部材1602内に引き戻す。この位置において、固定ロッド1675を挿入装置1600に対してしっかりと固定することができる。
【0119】
次に、固定ロッド1675を患者の中に及び骨ねじ650のヘッド部分652の中に挿入するのがよい。固定ロッド1675は、組織の中を通る固定ロッドの移動を容易にするために、鋭利な及び/又は先の尖った先端部1676を有するのがよい。固定ロッド1675を所定の位置に配置したら、作動部材1620をもう一度回転させて、可動部材1650を細長い部材1602から延ばす。次に、固定ロッド1675を挿入装置1600から分離し、固定ロッド1675を所定の位置に残したまま、挿入装置1600を患者から取り外す。例えば、2つの骨ねじ650を互いから離間して配置された2つの別個の挿入部位から椎骨に挿入する実施形態では、挿入装置1600(又は任意の側部挿入装置1700)は、皮膚及び筋肉を貫く付加的な切開を骨ねじ650の挿入部位間に行う必要がなく、固定ロッド1675を皮膚及び筋肉の下で骨ねじ650に挿入できるという利点を提供することができる。このような処置は、身体の外傷を最小にすることができる。固定ロッド1675を挿入装置から分離する場合、固定ロッド1675を患者の中に骨ねじ650のヘッド部分652を貫通して挿入する任意の手段を考えることが好ましいことに留意すべきである。
【0120】
挿入装置1600に代わりに、挿入装置1700を用いて、ロッド1750を患者の中に骨ねじ650のヘッド部分652を貫通させて挿入してもよい。挿入装置1700は、本体部分1702と、係合部分1704とを含むのがよい。図17に示すように、挿入装置1700は、上述したような挿入カニューレの上部に接続されるのがよい。他の処置においては、挿入装置1700は、作業用カニューレ475又は開創器500の上部に接続されてもよい。さらに、挿入装置1700は、作業用カニューレ475、開創器500、及び/又は挿入カニューレの長さ方向に沿った任意の位置において、作業用カニューレ475、開創器500、及び/又は挿入カニューレに直接的又は間接的に(別の構成部品を介して)取り付けられてもよい。
【0121】
係合部分1704は、例えば、作業用カニューレ475、開創器500、及び/又は挿入カニューレの近位端部のねじ山(図示せず)に係合させるためのねじ山(図示せず)を有する。代替的に、係合部分1704は、作業用カニューレ475、開創器500、及び/又は挿入カニューレ上のクリップ係合部分に係合させるためのクリップ(図示せず)を有していてもよい。しかしながら、当業者は2つの部品を接続する任意の周知方法を考えてもよい。
【0122】
ロッド1750は、挿入装置1700に対して回転可能である。例えば、ロッド1750の一部を、ロッド1750が開口1710内で回転できるように挿入装置1700の開口1710に挿入し、挿入装置1700に固定するのがよい。ロッド1750は、弧状の移動経路を定めるように形成されるのがよい。1つよりも多い、即ち、2つ以上の挿入カニューレを用いる場合、挿入カニューレを互いに対して固定するのがよい。この場合、挿入カニューレに取り付けられた骨ねじ650のヘッド部分652も、固定された配向になる。挿入カニューレ及びヘッド部分652の配向は、ロッド1750の移動経路を設定する要因である。ロッド1750をヘッド部分に挿入するために、患者の身体の外側の位置から始まるロッド1750を、弧に沿って患者の身体内に移動させ、ロッド1750を骨ねじ650のヘッド部分652に貫通させる。次に、ロッド1750の残りの部分を身体から取り出すとき、ロッド1750の一部をロッド1750の残りの部分から分離し、骨ねじ650内に残す。作業用カニューレ475、開創器500、及び/又は挿入カニューレに接続され、且つ、固定ロッドを弧状の経路に沿って骨ねじ650の中に移動させる任意の装置を考えてもよいことを認識すべきである。
【0123】
〔b.上部挿入装置〕
図18は、骨ねじ650の上部又は上方から固定ロッドを挿入するために用いるロッド挿入装置の実施形態を示す。ロッド挿入装置1800は、遠位端部1802と、近位端部1804とを有する。挿入装置1800はまた、互いに回転可能に接続される第1の細長い部材1806及び第2の細長い部材1808を含む。第1の細長い部材1806は、第1のジョー部分1803を有するのがよく、第2の細長い部材1808は、第2のジョー部分1805を有する。ジョー部分1803、1805は、これらの間に固定ロッドを挿入することができる係合部分1807を構成する。第1の細長い部材1806及び第2の細長い部材1808は両方とも、それぞれの把持部分1810、1812を有し、操作者が、把持部分1810、1812を保持し、細長い部材1806、1808を互いに対して移動させることを可能にする。1つの実施形態では、把持部分1810、1812は、操作者が少なくとも1本の指を置くことができるはさみ型把持部分である。さらに、把持部分1810、1812は、細長い部材1806、1808を互いに対して一定の位置に保持するためのロック機構1814を有するのがよい。1つの実施形態では、ロック機構1814は、細長い部分1806、1808を一定の間隔で互いに対して固定する噛み合い歯1815を有するのがよい。
【0124】
作動の際、操作者は、把持部分1810及び1812を分離させる。このことにより、ジョー部分1803、1805を互いから遠ざかるように移動させ、係合部分1807のサイズを、固定ロッドを受け入れるように増大させる。固定ロッドを係合部分1807に挿入したら、操作者は、把持部分1810、1812を元に戻し、固定ロッドを係合部分1807のジョー部分1803、1805の間に固定する。細長い部材1806、1808を所定の位置にロック機構1814によって保持する。次に、操作者は、挿入装置1800を用いて、ロッド1900等のロッドを挿入カニューレ1100(図19A)及び/又はカニューレ1200(図19B)に沿って、ねじ650の上部から挿入する。固定ロッドに取り付けられるその他の器具を用いて、固定ロッドを骨ねじ内に移動させてもよいことを理解すべきである。
【0125】
〔c.侵襲性の少ない手術方法〕
外科医は、脊椎固定処置を行うために、脊椎のX線撮影画像を用いて、患者の背中の上の1つ又は2つ以上の挿入箇所を決める。次に、行うべき処置及び用いるべき器具に応じて、1つ又は2つ以上の切開を行う。切開部の長さは、例えば、約1cmから約10cm、より好ましくは約2cmから約5cmである。トロカール100を切開部に挿入し、それに続いて、ガイドワイヤ150を椎骨に隣接して又は椎骨の中に配置する。ガイドワイヤ150を椎骨に挿入するために、ハンマ又は他の外科用ツールを用いて、ガイドワイヤ150又はキャップ152を打つのがよい。ガイドワイヤ150が所定の位置にある状態で、トロカール100を取り外す。トロカール100が必要でない場合があり、ガイドワイヤ150を切開部から椎骨に隣接して又は椎骨の中に直接配置してもよいことに留意すべきである。
【0126】
次に、挿入装置200を、ガイドワイヤ150に伝わらせて椎骨に向かって下方に移動させる。挿入装置200に、順番に大きくなる拡張器を挿入することによって、切開部を拡張させる。しかしながら、1つの実施形態では、挿入装置200を用いることなく、拡張器350をガイドワイヤ150に伝わらせて直接挿入してもよい。1つの実施形態では、切開部を、行うべき処置に適切な寸法まで拡張させたら、最も大きい拡張器350の上に作業用カニューレ475又は開創器500を挿入する。幾つかの実施形態では、切開部を拡張させるために、作業用カニューレ475及び/又は開創器500を用いることなく、骨ねじ650及び/又は挿入カニューレを身体に直接挿入してもよいことを理解すべきである。1つの実施形態では、挿入装置200と類似した挿入装置に挿入カニューレを取り付けるのがよい。挿入カニューレ及び挿入装置を、1つのユニットとして切開部に椎骨まで挿入するのがよい。作業用カニューレ475、開創器500、及び/又は挿入カニューレを所定の位置に配置したら、挿入装置200及び/又は拡張器350を患者から取り出す。ガイドワイヤ150は、所定の位置に残しておいてもよいし、取り出してもよい。(例えば、トロカール100、ガイドワイヤ150、挿入装置200、及び/又は拡張器350を用いることなく)作業用カニューレ475、開創器500、又は挿入カニューレを切開部に直接挿入してもよいことに留意すべきである。拡張プロセスは、各々の切開部について繰り返してもよい。
【0127】
作業用カニューレ475、開創器500、及び/又は挿入カニューレによって、開口を形成することができる。単一の挿入カニューレを単一の開口に挿入することができる実施形態では、開口の直径は、例えば、約1cm〜約4cm、より好ましくは約1.5cm〜約3cmである。さらに、単一の開口を通して1つ以上の挿入カニューレを挿入することができる実施形態では、開口の直径は、例えば、約2cm〜約10cm、より好ましくは約2cm〜約5cmである。しかしながら、開口は、楕円形、円形、卵形、正方形、矩形、又は他の多角形等の任意の形状にできることに留意すべきである。
【0128】
作業用カニューレ475を用いる実施形態では、ドリル1350を、ガイドワイヤ150(存在する場合)に伝わらせて作業用カニューレ475に挿入し、ドリル1350を回転させて、1つ又は2つ以上の骨ねじ650を配置すべき椎骨内に1つ又は2つ以上のキャビティを形成する。作業用カニューレ475が十分大きい場合、作業用カニューレ475を通して全体の処置を行うことができる。さらに、開創器500を用いる実施形態では、開創器500のブレード502を広げ、開創器500のブレード502によって形成された開口内で、全体の外科的処置を行う。ドリル1350をガイドワイヤ150(存在する場合)に伝わらせて挿入し、ドリル1350を用いて、椎骨内に1つ又は2つ以上の孔をあける。代替的に、作業用カニューレ475及び/又は開創器500を通してアクセスできる孔を任意の椎骨に形成するために、操作者が、(ガイドワイヤ150を用いることなく)ドリル1350を用いてもよい。幾つかの実施形態では、多数のキャビティを形成するために、多数のガイドワイヤ150を用い、多数のガイドワイヤ150により、多数のツールを骨に案内する。孔をあけるために、挿入カニューレを通してドリルを配置してもよいことも理解すべきである。
【0129】
1つの実施形態では、孔あけ工程の後、ねじ回し1500、1550を用いて、1つ又は2つ以上のシャンク部分654(図2C参照)を椎骨に挿入する。このような実施形態では、続いて、ヘッド部分652及びシャンク部分654を接続するために、押圧装置2000(図20A参照)を用いる。図20Bに示すように、ヘッド部分652を挿入カニューレ1200の遠位端部に接続し、押圧装置2000を挿入カニューレ1200に挿入する。次に、このアセンブリ全体を、作業用カニューレ475及び/又は開創器500に挿入する。操作者によって、並進力を押圧装置2000に付与し、ヘッド部分652をシャンク部分654に係合させ、ヘッド部分652をシャンク部分654の上にスナップ嵌めさせる。その後、組み立て後の骨ねじ650に挿入カニューレ1200を取り付けたままの状態で、押圧装置2000を挿入カニューレ1200から取り外す。挿入カニューレ700、800、900、1000、又は1100を用いて同じ方法を実行してもよい。幾つかの実施形態では、押圧機構を挿入カニューレ自体としてもよく、押圧装置2000が不要である場合もある。操作者は、ヘッド部分652を挿入カニューレ700、800、900、1000、1100、又は1200に取り付け、並進力を挿入カニューレに付与し、ヘッド部分652をシャンク部分654上に挿入する。
【0130】
さらに、シャンク部分654及びヘッド部分652を別個に身体に挿入する1つの実施形態では、患者に開口を形成するための拡張機構を用いない。このような実施形態では、患者の皮膚を通して切開部を形成する。ガイドワイヤ150を、切開部を通して椎骨まで挿入する。シャンク部分654を、ガイドワイヤ150に伝わらせて挿入し、椎骨内に前進させる。ヘッド部分652、挿入カニューレ、及び押圧装置2000(用いられる場合)を互いに接続し、それらを1つのユニットとして、ヘッド部分652がシャンク部分654に係合するまでガイドワイヤ150に伝わらせて挿入する。ヘッド部分652をシャンク部分654に取り付け、続いて、押圧装置2000(用いられる場合)を身体から取り出し、組み立て後の骨ねじ650及び挿入カニューレを身体内に残す。
【0131】
他の実施形態では、上述のように、骨ねじ650を、挿入カニューレ700、800、900、1000、1100、及び/又は1200に接続する及び/又は固定する。次に、(骨ねじ650が取り付けられた)1つ又は2つ以上の挿入カニューレ700、800、900、1000、1100、及び/又は1200を、作業用カニューレ475又は開創器500に挿入し、ガイドワイヤ(存在する場合)によって案内させる。1つの実施形態では、挿入カニューレ700、800、900、1100、及び/又は1200を、骨ねじ650を用いずに、切開部、作業用カニューレ475、又は開創器500の中に配置する。その後、挿入カニューレ700、800、900、1100、及び/又は1200に沿って、骨ねじ650を挿入する。他の実施形態では、骨ねじ650を、作業用カニューレ475又は開創器500の中を通して挿入し、ドリル1350によって形成されたキャビティの中に前進させる。次に、挿入カニューレ700、800、900、1000、1100、及び/又は1200を、作業用カニューレ475又は開創器500の中を通して挿入して、骨ねじ650に接続する及び/又は固定する。
【0132】
ねじ回し1500、1550等の埋め込み機構を用いて、骨ねじ650を椎骨内前進させる。挿入カニューレを身体内に配置する前又は配置した後、ねじ回し1500、1550を挿入カニューレ700、800、900、1100、及び/又は1200に挿入する。挿入カニューレを身体に挿入した後でねじ回し1500、1550、及びねじ650を挿入カニューレに挿入する実施形態では、ねじ回し1500、1550を用いて、骨ねじ650を、挿入カニューレ700、800、900、1100、及び/又は1200の遠位端部に向かって下方に移動させる。カニューレ1000を用いる実施形態では、カニューレ1000及び骨ねじ650を身体内に配置する前又は配置した後、ねじ回し1500を挿入カニューレ1000に挿入する。さらに、当業者であれば、挿入カニューレを埋め込み機構とすることができ、挿入カニューレを用いて、骨ねじ650を骨内に前進させてもよいことを認識すべきである。このような実施形態では、ねじ回し1500、1550は不要であることがある。例えば、ヘッド部分652及びシャンク部分654が単一の一体部品である(例えば、ヘッド及びシャンクが一定の配向を有する)実施形態では、挿入カニューレを骨ねじ650に対して固定するとき、挿入カニューレを回転させて、シャンク部分654を椎骨に挿入する。
【0133】
骨ねじ650を椎弓根の上方に適切に配置し、ドリル1350によって孔を形成した状態で、ねじ回し1500、1550を回転させ、骨ねじ650のシャンク部分654を椎骨の椎弓根内に前進させる。ねじ付きシャンク部分654がセルフタッピンである実施形態では、骨ねじ650を回転させると、シャンク部分654が椎骨に固定される。さらに、挿入カニューレ700、800、900、1100、及び/又は1200を通して骨ねじを下方に挿入する実施形態では、骨ねじ650を回転させ、骨ねじ650を、それが挿入カニューレ700、800、900、1100、及び/又は1200の遠位端部に近づくように移動させる。骨ねじ650を望ましい程度まで椎骨に入れたら、ねじ回し1500、1550をねじ650から分離し、患者から取り外す。
【0134】
カニューレ700、800、900、1100、及び/又は1200を用いる実施形態では、ポジショナ1450を、挿入カニューレ700、800、900、1100、及び/又は1200の中を通して配置し、ガイドワイヤ(存在する場合)に伝わらせて案内させる。ポジショナ1450を用いて、骨ねじ650のヘッド部分652を回転させ、チャネル666を、それに対応する挿入カニューレ700、800、900、1100、及び/又は1200のチャネルと整列させる。次に、上述のように、挿入カニューレ700、800、900、1100、及び/又は1200を骨ねじ650に固定する。挿入カニューレ700、800、900、1100、及び/又は1200を骨ねじ650に固定する前又は固定した後、ポジショナ1450を取り外す。
【0135】
幾つかの実施形態では、骨ねじ650を身体に挿入し且つ/又は骨内に前進させる前、挿入カニューレ700、800、900、1000、1100、及び/又は1200を骨ねじ650に対して固定することに留意すべきである。このような実施形態では、骨ねじを骨に挿入しているとき、ねじ回し1500、1550を用いて、挿入カニューレ700、800、900、1000、1100、及び/又は1200を回転させる。このような構成は、操作者が、それぞれの挿入カニューレのチャネルを身体の外側にある骨ねじ650のチャネル666と整列させることを可能にし、それにより、外科医が直接的に見ることなく身体の内側でチャネルを整列させる必要性がなくなるという利点を提供することができる。
【0136】
ヘッド部分652を固定した状態において、ヘッド部分652が挿入カニューレ700、800、900、1000、1100、1200に対して軸方向及び/又は回転方向に移動することが防止される。同時に、ヘッド部分652は、シャンク部分654の周りにピボット運動することができる。このように、操作者は、挿入カニューレを用いて骨ねじ650のヘッド部分652を配向させ、チャネル666を、隣接した骨ねじ650のチャネル666と整列させる。その後、骨ねじ650のヘッド部分652に固定ロッドを挿入する。
【0137】
外科医が用いる挿入カニューレ及び/又はロッド挿入装置によって、骨ねじ650の上部又は側部から固定ロッドを挿入する。側部から固定ロッドを挿入する処置においては、挿入カニューレが収容された切開部からある距離をおいて、切開(骨ねじ650が配置された切開部とは別個の)を行う。ロッドをねじ650の上部から挿入し、別個の挿入カニューレ(別個の開口内の)を通して骨ねじ650を挿入する処置においては、挿入カニューレ間の皮膚及び筋肉を通して切開を行い、ロッドを椎骨まで配置する。作業用カニューレ475又は開創器500を用いる実施形態では、挿入カニューレの間に組織が存在しないため、ねじ650の上部からロッドを挿入するときに別個の切開部を形成する必要がない。
【0138】
挿入装置1600、1700、又は1800を用い、感触によって又はX線写真の誘導によって、固定ロッドを所定の位置に案内してもよい。挿入装置1600を用いる実施形態では、作業用カニューレ475、開創器500、及び/又は挿入カニューレ700、800、900、1000、1100、1200を挿入するために用いられる切開部からある距離をおいて、別個の切開を行う。上述したように、挿入装置1600をロッド1675に固定する。挿入装置1600を用い、ロッド1675を別の切開部から隣接した骨ねじ650間に位置する皮膚及び筋肉の下を通して、骨ねじ650の側部から骨ねじ650のチャネル666内に案内する。挿入装置1600をロッド1675から分離し、患者から取り外す。ロッドを骨ねじ650に固定する前又は固定した後、分離する工程を行う。挿入装置1600が、身体の外側に配置される挿入カニューレのいずれの部分にも接触又は係合することができない(例えば、挿入装置1600が身体内にのみ配置された挿入カニューレの一部に接触することができる)方法で、挿入装置1600を用いるのがよい。
【0139】
別の実施形態では、挿入装置1700の係合部分1704を作業用カニューレ475、開創器500、及び/又は挿入カニューレに係合させる。隣接した挿入カニューレを、互いに対して一定の向きに配置されるように互いに接続する。上記の挿入装置1600を用いる挿入装置と同様、患者に別個の切開部を形成する。ロッド1750を別個の切開部の中に通して、隣接したねじ650間に位置している皮膚及び筋肉の下で回転させ、骨ねじ650の側方から骨ねじ650のチャネル666内に挿入する。ロッド1750の一部を挿入装置1700から分離し、ロッド1750の残りを患者から取り外す。
【0140】
挿入装置1800を用いる実施形態では、固定ロッドを、ジョー部1803と1805との間の係合部分1807に挿入する。ロック機構1814の噛合い歯1815を係合させることによって、ジョー部1803及び1805を固定ロッドの上の所定位置にロックする。次に、図19A及び図19Bに示すように、挿入装置1800を用いて、固定ロッドをカニューレ1100又は1200の中に通して、骨ねじ650のヘッド部分652の中に配置する。固定ロッドを骨ねじ650に固定する前又は固定した後、挿入装置1800を固定ロッドから分離し、患者から取り外す。
【0141】
患者の別個の開口を通して2つ又はそれ以上のカニューレ1100、1200を身体に挿入する1つの実施形態では、固定ロッドを一方のカニューレ1100、1200に沿って挿入し、皮膚の下で回転させ、少なくとも1つの他方のカニューレ1100、1200に挿入する。側方からの挿入技術と同様、こうした技術は、2つ又はそれ以上のカニューレ1100、1200間の皮膚及び筋肉貫く付加的な切開を行う必要なく、固定ロッドを皮膚及び筋肉の下を通して骨ねじ650に挿入することを可能にするという利点を提供する。
【0142】
外科医は、作業用カニューレ475、開創器500、及び/又は挿入カニューレの中を見下ろすことによって、ロッドが骨ねじ650を貫くように挿入されていることを直接見ることができる。しかしながら、幾つかの技術においては、操作者は、自分の手及び/又は指を用いる任意の装置も用いることなく、挿入カニューレに沿って及び/又は挿入カニューレの中に、固定ロッドを挿入してもよいことを理解すべきである。固定ロッドを挿入しているとき、挿入カニューレを操作して、固定ロッドの導入をさらに容易にしてもよい。
【0143】
固定ロッドを骨ねじ650のチャネル666内に固定するために、図6Aに示すようなロックキャップ681をヘッド部分652内にねじ込む。ロックキャップねじ回し2100(図21参照)を用いて、ロックキャップ681を挿入カニューレに沿って移動させる。ロックキャップねじ回し2100のプロング2102は、ロックキャップ681上の受け部分(図示せず)に係合する。次に、ねじ回し2100を回転させ、ロックキャップ681の雄ねじ部分680がヘッド部分652の雌ねじ部分672に係合させる。この工程は、各々の骨ねじ650について繰り返してもよい。当業者であれば、固定ロッドを骨ねじ650に保持することが可能な限り、任意のロックキャップ(例えば、ナット、クリップ等)を用い得ることを認識すべきである。例えば、ロックキャップが、ヘッド部分652の周りに配置することができるナット(図示せず)である幾つかの実施形態では、ロックキャップをねじ650に係合させる前に、挿入カニューレを身体から取り出す。さらに、ロックキャップねじ回しが、異なる形状のロックキャップに対応するように異なる配向を有してもよい(例えば、ロックキャップねじ回しは、ロックキャップの対応する六角形の凹部に係合するように六角形の部分を有することができる)ことも認識するであろう。他の実施形態では、ロックキャップねじ回しは不要である(例えば、ロックキャップが、ヘッド部分652の上にねじ込まれるナットであることが可能な場合)。図22に示すように、全てのロックキャップ681を骨ねじ650内に配置したら、固定ロッドを骨ねじ650に対して固定する。
【0144】
作業用カニューレ475、開創器500、及び/又は挿入カニューレを、骨ねじ650から分離し、患者から取り出す。開口を、当業者に周知の方法によって閉じる。
【0145】
上記の説明及び図面は、本発明の好ましい実施形態を示すが、添付の特許請求の範囲に定められる本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、種々の追加、修正、及び代用を本明細書になし得ることを理解するであろう。特に、本発明は、その精神又は本質的な特徴から逸脱することなく、他の特定の形態、構造、構成、割合において、かつ、他の要素、材料、及び構成部品を用いて具体化できることが、当業者には明らかであろう。当業者であれば、本発明の原理から逸脱することなく、特定の環境及び作動要件に特に適合された、本発明の実施に用いられる、構造、構成、割合、材料、及び構成部品、並びに他のものの多くの修正と共に本発明を用い得ることを認識するであろう。したがって、ここに開示された実施形態は、全ての点で、例示とみなすべきであって制限とみなすべきではなく、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって示されており、上記の説明に制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0146】
【図1】トロカールの例示的な実施形態、及び脊椎内に配置されたガイドワイヤの例示的な実施形態の側面図である。
【図2】挿入装置の例示的な実施形態の部分断面図である。
【図3A】拡張器の例示的な実施形態の側面図である。
【図3B】A−Aに沿った図3Aの拡張器の平面図である。
【図4A】作業用カニューレの例示的な実施形態の部分断面図である。
【図4B】図4Aの作業用カニューレの平面図である。
【図5A】閉鎖位置にある開創器の例示的な実施形態の斜視図である。
【図5B】開放位置にある開創器の例示的な実施形態の斜視図である。
【図6A】ねじの例示的な実施形態の断面図である。
【図6B】図6Aのねじの例示的な実施形態の平面図である。
【図7A】挿入カニューレの例示的な実施形態の斜視図である。
【図7B】図7Aの挿入カニューレの内側部分の例示的な実施形態の斜視図である。
【図7C】図7Bの内側部分の平面図である。
【図7D】図7Aの挿入カニューレの外側部分の例示的な実施形態の部分断面図である。
【図7E】図7Dの外側部分の斜視図である。
【図7F】図6Aのねじに係合する第1の位置にある図7Aの挿入カニューレの斜視図である。
【図7G】図6Aのねじに係合する第2の位置にある図7Aの挿入カニューレの斜視図である。
【図7H】図7Aの挿入カニューレの別の斜視図である。
【図8A】挿入カニューレの別の例示的な実施形態の斜視図である。
【図8B】図8Aの挿入カニューレの内側部分の例示的な実施形態の斜視図である。
【図8C】図8Bの内側部分の平面図である。
【図8D】図8Aの挿入カニューレの外側部分の例示的な実施形態の部分断面図である。
【図8E】図8Dの外側部分の斜視図である。
【図9A】挿入カニューレの別の例示的な実施形態の斜視図である。
【図9B】図9Aの挿入カニューレの部分の例示的な実施形態の斜視図である。
【図9C】図9Bの部分の平面図である。
【図9D】図9Bの部分に挿入するための細長い部品の例示的な実施形態の斜視図である。
【図10A】挿入カニューレの別の例示的な実施形態の斜視図である。
【図10B】図10Aの挿入カニューレの外側部分の例示的な実施形態の断面図である。
【図10C】図10Aの挿入カニューレの内側部分の例示的な実施形態の断面図である。
【図10D】図10Aの挿入カニューレの断面図である。
【図11A】挿入カニューレの別の例示的な実施形態の斜視図である。
【図11B】図6Aのねじを係合する、図11Aの挿入カニューレの斜視図である。
【図12A】挿入カニューレの別の例示的な実施形態の斜視図である。
【図12B】図6Aのねじを係合する、図12Aの挿入カニューレの側面図である。
【図13A】ドリルの例示的な実施形態の側面図である。
【図13B】カニューレを通して脊椎内に孔をあける、図13Aのドリルの側面図である。
【図13C】図13Aのドリルのドリルビットの例示的な実施形態の側面図である。
【図13D】図13Aのドリルのドリルビットの例示的な実施形態の側面図である。
【図14】インプラントポジショナの例示的な実施形態の側面図である。
【図15A】ねじ回しの例示的な実施形態の側面図である。
【図15B】図15Aのねじ回しの内側シャフトの例示的な実施形態の側面図である。
【図15C】図15Aのねじ回しの第1のスリーブの例示的な実施形態の部分断面図である。
【図15D】図15Aのねじ回しの第2のスリーブの例示的な実施形態の断面図である。
【図15E】例示的なハンドル部分を有する、図15Aのねじ回しの側面図である。
【図15F】図12Aの挿入カニューレ内に配置され、図6Aのねじに係合する、図15Aのねじ回しの側面図である。
【図15G】ねじ回しの別の例示的な実施形態の側面図である。
【図16A】ロッド挿入装置の例示的な実施形態の斜視図である。
【図16B】図16Aのロッド挿入装置の部分断面図である。
【図16C】図16Aのロッド挿入装置の可動部材の例示的な実施形態の側面図である。
【図17】挿入カニューレに係合し、図6Aのねじを通してロッドが配置されたロッド挿入装置の別の例示的な実施形態の側面図である。
【図18】ロッド挿入装置の別の例示的な実施形態の側面図である。
【図19A】図11Aの挿入カニューレに挿入されるロッドの例示的な実施形態の斜視図である。
【図19B】図12Aの挿入カニューレに挿入されるロッドの別の例示的な実施形態の斜視図である。
【図20A】押圧器の例示的な実施形態の側面図である。
【図20B】図12Aの挿入カニューレ内に配置された、図20Aの押圧器の例示的な実施形態の側面図である。
【図20C】図6Aのねじのシャンク部分の例示的な実施形態の側面図である。
【図21】ロックキャップねじ回しの例示的な実施形態の斜視図である。
【図22】脊椎に取り付けられた固定システムの例示的な実施形態の斜視図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、外科用器具に向けられ、特定的には、脊椎固定用の侵襲性の少ない処置のための外科用器具及びその使用方法に向けられる。具体的には、侵襲性の少ない外科用器具は、操作者が複数のねじを脊椎に取り付け、それらの間に脊椎固定ロッドを導入することを可能にする。
【背景技術】
【0002】
脊椎変形の矯正に用いられる脊椎固定システムは、一般に、椎骨の椎弓根、椎弓板、又は横突起に固定された一連の骨ファスナからなる。骨ファスナは、1つ又は2つ以上の細長い脊椎ロッド又はプレートによって、互いに相互接続される。これらの脊椎固定システム及び個々の構成部品を埋め込むための脊椎領域にアクセスするために、従来、開口手法の外科技術が用いられてきた。こうした開口処置は、一般的に、大きな皮膚切開、並びに広範な組織の陥没及び切除を必要とし、その全てが、かなりの術後疼痛と長期入院をもたらすことになる。
【0003】
つい最近では、外科医は、脊椎固定処置の術後の影響を軽減するために、低侵襲技術を用いていた。傍脊椎手法は、低侵襲技術の1つの形態であり、脊椎の後部要素にアクセスするのに筋肉分割(muscle splitting)又は筋肉温存(muscle sparing)を必要とする。このような技術は、脊椎に隣接した組織への外傷を最小にするものである。筋肉及び他の軟組織を切断し、分割し、剥離し、切り裂く開口手法とは違って、傍脊椎手法は、それらの繊維に沿った筋肉の分離又は分割を必要とする。
【0004】
傍脊椎の外科的処置を行うためには、正中皮膚切開を行い、続いて両側/片側筋膜切開を行う。次に、筋肉を分離し、単一の皮膚切開により脊椎への双方向アクセスを可能にする。付加的に、より直接的な手法を可能にするために、1つ又は2つ以上の正中線から外れた皮膚切開を行うこともある。
【0005】
脊椎ロッド固定システムの埋め込みは、一般に、少なくとも2つの工程、すなわち(i)インプラント(例えば、ねじ)を脊椎内に配置する工程と、(ii)ロッドをインプラント間に挿入する工程とを必要とする。インプラントを適切に配置するには、インプラントを脊椎内に正確に位置決めすることが必要である。インプラントの配置には、開始挿入点、インプラントの軌道、及びインプラントのサイズが非常に重要である。
【0006】
脊椎インプラントは、一般に、ねじ部分と、本体部分とを含む。ねじ部分は、脊椎に挿入される。また、本体部分は、一般に、脊椎ロッドが挿入され且つ固定されるチャネルを有する。ロッド挿入処置は、皮膚の切開部を通してロッドを挿入することを必要とし、この切開部は、インプラントを配置するときに通る切開部とは別個のものである。他の実施形態では、ロッドは、インプラントと同じ切開部を通して挿入される。ロッドにより、インプラントが互いに接続される。
【0007】
直接的な視覚化を改善し、ロッドを身体内に様々な深さで固定されたインプラントに接続することを可能にし、さらに一般的に使用が簡単な、侵襲性の少ない脊椎インプラント・ロッド導入システムに対する必要性が存在する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、一般に、侵襲性の少ない外科的処置のための器具に関し、特定的には、骨ねじを椎骨に挿入し、それらの間に固定ロッドを接続するために用い得る侵襲性の少ないシステムに関する。本発明はまた、これらの器具を用いて、侵襲性の少ない外科的処置を行う方法にも関する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
侵襲性の少ないシステムは、拡張ツールと、1つ又は2つ以上の挿入/作業用カニューレと、複数のねじと、該ねじを接続するための少なくとも1つのロッドと、ロッド挿入装置とを含むことができる。外科医が挿入位置を決定した後、患者に切開を行うことができる。次に、拡張ツールを切開部に挿入し、該切開部を拡張し、それを通してツールを挿入することができる。1つの実施形態では、椎骨にガイドワイヤを挿入することができる。ガイドワイヤを組み込む実施形態では、ガイドワイヤを受け入れるために、処置を行うために用いられるツールにカニューレを挿入することができる。切開部が患者の開口を形成するのに望ましい量だけ拡張されるまで、一連の連続的に大きくなる拡張器をガイドワイヤ上に配置することができる。次に、閉鎖位置において、開創器を拡張器の上に挿入することができる。拡張器を取り外すことができ、開創器を開放して切開部を拡大し、開口を形成することができる。このような方法により、固定のために複数の椎骨を露出することが可能である。切開部が拡大された状態で、開創器によって形成された開口内に、挿入カニューレ、骨ねじ、固定ロッド、及び種々の外科用ツールを配置することができる。
【0010】
1つの実施形態では、開口を形成するために切開部のサイズを増大するための拡張機構を用いることができる。拡張機構は、そこを貫通するチャネルを有する、細長い円筒形状を有する少なくとも1つの拡張器を含むことができる。さらに、拡張機構は、切開部を通して挿入される少なくとも2つのブレードを有する開創器を含むことができる。少なくとも2つのブレードは、開放位置と閉鎖位置とを有することができる。ブレードは、閉鎖位置において、少なくとも1つの拡張器の上に挿入されるように構成することができ、開放位置に移動させて開口を形成するように構成することができる。さらに、拡張機構は、細長い部分と、近位端と、遠位端と、該細長い部分の遠位端上の拡大部分とを有することができる挿入装置を含むことができる。内部に挿入装置を受け入れるように、少なくとも1つの拡張器を構成することができる。
【0011】
別の実施形態では、患者に1つ又は2つ以上の切開を行うことができ、サイズが増大する多数の拡張器を用いて切開部を拡張することができる。最も大きい拡張器の上に作業用カニューレを配置することができる。1つの実施形態では、作業用カニューレは、近位端と、遠位端と、近位端から遠位端まで延びるチャネルとを有することができる。作業用カニューレのチャネルは、少なくとも1つの拡張器を受け入れるような大きさ及び構成にすることができる。作業用カニューレが所定の位置に置かれると、拡張器を取り外すことができる。作業用カニューレ内に、挿入カニューレ、骨ねじ、固定ロッド、及び種々の外科用ツールを配置することができる。作業用カニューレを十分大きいものにすることができる(例えば、2つ又はそれ以上の椎骨を露出させることができる)実施形態では、同じ作業用カニューレを通して、多数の挿入カニューレを挿入することができる。
【0012】
他の実施形態では、逐次的拡張器及び/又は開創器を不要にすることができる。挿入カニューレを、弾丸状のヘッドを有する挿入装置に作動的に接続し、単一ユニットとして切開部に挿入することができる。挿入後に挿入装置を取り外し、挿入カニューレを患者内に残したままにし、これを通して処理を行うことができる。1つの実施形態では、挿入装置は、細長い部分と、近位端と、遠位端と、該細長い部分の遠位端上の拡大部分とを有することができる。挿入装置は、挿入カニューレの通路内に受けられるような大きさ及び構成にすることができる。
【0013】
ドリルのようなキャビティ形成装置を用いて、処置に関わる各々の椎骨内にキャビティを形成することができる。ドリルは、作業用カニューレ、開創器、及び/又は挿入カニューレを貫通することができる。他の処置においては、千枚通し、プローブ、及び/又はタップを用いて、椎骨内にキャビティを形成することができる。しかしながら、キャビティを形成するあらゆる手段が考えられる。キャビティが椎骨内に形成されると、次に、ねじを椎骨に挿入することができる。ねじは、シャンク部分及びヘッド部分を有する多軸ねじとすることができる。ヘッド部分は、固定ロッドを受け入れるための、そこを貫通するチャネルを有し、シャンク部分に接続することができるので、ヘッド部分は、シャンク部分の周りにピボット運動することができる。シャンク部分及びヘッド部分を一体のものにし、互いに固定することができる場合、他の処理は、ねじを使用することもできる。
【0014】
ねじは、挿入カニューレに取り付け、単一のユニットとして作業用カニューレ及び/又は開創器に挿入することができる。挿入カニューレ及びねじが作業用カニューレ及び/又は開創器内に配置された状態で、ねじ回しのような埋め込み機構が、挿入カニューレに挿入され、ねじに係合して該ねじを骨内に進めることが可能である。別の実施形態では、患者に挿入する前に、ねじ回しが挿入カニューレに挿入され、ねじに係合することが可能である。次に、これらの装置は、単一ユニットとして作業用カニューレ及び/又は開創器に挿入することができる。他の実施形態では、作業用カニューレ及び/又は開創器に挿入カニューレを挿入し、続いて、該挿入カニューレにねじ及びねじ回しを挿入することができる。全ての実施形態では、挿入カニューレを用いて、ヘッド部分を操作し、固定ロッドの挿入を可能にすることができる。埋め込み機構を用いて、ねじを骨に挿入することができる。
【0015】
1つの実施形態では、挿入カニューレは、近位端と、遠位端と、近位端から遠位端までの通路と、該通路と交差する少なくとも1つのスロットとを有することができる。このような実施形態では、挿入カニューレは、表面を含むこともでき、遠位端は、脊椎固定装置に係合するための、該表面上のねじ付き部分を含むことができる。
【0016】
別の実施形態では、挿入カニューレは、近位端と、遠位端と、近位端から遠位端までの通路と、該通路と交差する少なくとも1つのスロットと、脊椎固定装置に係合するための可撓性部分とを含むことができる。少なくとも1つのスロットは、細長い固定装置を受け入れるような大きさ及び構成にすることができる。可撓性部分は、互いに正反対の位置にある2つのスロットによって定められた一対のアームとすることができる。このような実施形態では、脊椎固定装置の上にアームの対をスナップ嵌めするように構成することができる。別の実施形態では、可撓性部分は、第1の端部分と第2の端部分とを有する少なくとも1つの可撓性部材を含むことができる。第1の端部分は、挿入カニューレに作動可能に接続することができ、第2の端部分は、挿入カニューレに対して自由に移動可能にすることができる。第2の端部分は、脊椎固定装置に係合するような大きさ及び構成にすることができる。
【0017】
さらに別の実施形態では、挿入カニューレは、近位端と、遠位端と、近位端から遠位端までの通路を定めることができる少なくとも1つの側壁とを含むことができる。挿入カニューレは、通路と連通する少なくとも1つの側壁内の少なくとも1つのスロットと、脊椎固定装置に係合するための可撓性部分とを有することができる。可撓性部分は、第1の端部分と第2の端部分とを含むことができる。第1の端部分は、カニューレの少なくとも1つの側壁に作動可能に接続することができ、第2の端部分は、カニューレの通路との間で自由に移動可能にすることができる。第2の端部分は、脊椎固定装置と係合可能にすることができる。
【0018】
別の実施形態では、挿入カニューレは、近位端と、遠位端と、そこを貫通するボアとを有する内側カニューレシャフトを含むことができる。さらに、挿入カニューレは、近位端と、遠位端と、そこを貫通するボアとを有する外側カニューレシャフトを含むことができる。外側カニューレシャフトのボアは、内側カニューレシャフトを受け入れるような大きさ及び構成にすることができる。この実施形態では、可撓性部分は、第1の端部分と第2の端部分とを有する少なくとも1つの可撓性部材を含むことができる。第1の端部分は、内側カニューレシャフトに作動可能に接続することができ、第2の端部分は、内側カニューレシャフトに対して自由に移動可能にすることができる。外側カニューレシャフトは、第1の位置から第2の位置まで内側カニューレシャフトに沿って移動し、かつ、少なくとも1つの可撓性部材の第2の端部分を脊椎固定装置の方向に移動させるような大きさ及び構成にすることができる。さらに、内側カニューレシャフトは、スロットを含むことができ、外側カニューレシャフトは、スロットと係合可能にすることができる突起部を含むことができる。スロットは、少なくとも1つのノッチを有し、外側カニューレシャフトを内側カニューレシャフト上の少なくとも1つの位置に配置するような大きさ及び構成にすることができる。
【0019】
さらに別の実施形態では、カニューレは、長手方向凹部と、該凹部内に配置可能な細長い部材とを有するカニューレシャフトを含むことができる。この実施形態では、可撓性部分は、第1の端部分と第2の端部分とを有する少なくとも1つの可撓性部材を含むことができる。第1の端部分は、カニューレシャフトに作動可能に接続することができ、第2の端部分は、カニューレシャフトに対して自由に移動可能にすることができる。細長い部材は、少なくとも1つの可撓性部材に係合し、少なくとも1つの可撓性部材を脊椎固定装置の方向に移動させることができるような大きさ及び構成にすることができる。
【0020】
さらに、1つの実施形態では、埋め込み機構は、挿入カニューレの通路に挿入されるような大きさ及び構成にすることができる。埋め込み機構は、近位端と、遠位端と、脊椎固定装置に係合する寸法及び形態を有する、遠位端上の係合部分とを有するシャフトを含むことができる。さらに、埋め込み機構は、内側カニューレシャフトの長手方向凹部に係合することができる、係合部分上の突起部を含むことができる。突起部は、凹部に沿って移動可能にすることができる。突起部及び長手方向凹部は、カニューレの少なくとも1つのスロットを脊椎固定装置に対して位置合わせするように構成することができる。
【0021】
さらに、他の実施形態では、埋め込み機構は、近位端と遠位端とを有する第1のスリーブをさらに含むことができる。第1のスリーブは、シャフトの周りに配置可能である。係合部分は、突起部分と、少なくとも1つの肩部分とを含むことができる。突起部分は、インプラントのシャンク部分に係合することができ、少なくとも1つの肩部分は、インプラントのヘッド部分のチャネルに係合することができる。脊椎固定装置のヘッド部分は、雌ねじを有することができ、第1のスリーブの遠位端は、ねじ付き部分を有することができ、該第1のスリーブのねじ付き部分は、脊椎固定装置のヘッド部分の雌ねじに係合するような大きさ及び構成にすることができる。
【0022】
別の実施形態では、インプラントポジショナは、カニューレの通路に挿入されるような大きさ及び構成にすることができる。インプラントポジショナは、細長いシャフトと、近位端と、遠位端と、脊椎固定装置に係合する寸法及び形態を有する該遠位端上の係合部分とを有し、該脊椎固定装置をカニューレに対して操作することができる。
【0023】
固定装置挿入装置を用いて、固定ロッドをねじのヘッド部分に挿入することができる。1つの実施形態では、ねじを挿入するのに用いられる切開部からある距離を置いて、患者に別個の切開を行うことができる。固定装置挿入装置は、固定ロッドに連結することができ、別個の切開部を通して、ねじのヘッド部分の側部に該固定ロッドを挿入するために用いることができる。1つのこのような実施形態では、固定装置挿入装置は、細長いシャフトと、近位端、遠位端、及び細長い固定ロッドに係合するための該遠位端にある係合部分を有する可動部材とを含むことができる。可動部材は、細長いシャフト内に配置することができる。さらに、固定装置挿入装置は、可動部材と作動可能に関連付けられた作動機構を含むことができる。作動機構は、可動部材を第1の位置と第2の位置との間で移動させるように構成することができる。
【0024】
別の実施形態では、ロッド挿入装置を用いて、固定ロッドを、挿入カニューレを通して下方に、ねじの上部を通してヘッド部分内に配置することができる。固定ロッドが所定の位置に置かれると、作業用カニューレ、開創器、及び/又は挿入カニューレに沿ってロックキャップを配置し、ねじのヘッド部分に係合させることができ、該固定ロッドを内部に固定することができる。
【0025】
1つの実施形態では、侵襲性の少ない処置を行う方法は、可撓性部分を有する第1のカニューレを準備し、第2のカニューレを準備し、第1及び第2のインプラントを準備することを含むことができる。第1及び第2のインプラントは、シャンク部分と、ヘッド部分と、細長い固定装置を受け入れるための、該ヘッド部分を貫通するチャネルとを含むことができる。本方法は、第1のカニューレの可撓性部分を第1のインプラントに取り付け、第2のカニューレを第2のインプラントに取り付けることをさらに含むことができる。さらに、第1のインプラントを第1の椎骨に挿入し、第2のインプラントを第2の椎骨に挿入することができる。さらに、第1及び第2のインプラントのヘッド部分のチャネルに、細長い固定装置を挿入することができる。第1及び第2のインプラントのヘッド部分内に、細長い固定装置をロックすることができる。可撓性部分が一対のアームであることが可能な実施形態では、本方法は、第1のインプラントのヘッド部分を一対のアーム間にスナップ嵌めすることをさらに含むことができる。さらに、インプラントポジショナを第1及び第2のカニューレの少なくとも一方に挿入し、第1及び第2のインプラントの少なくとも一方のヘッド部分を第1及び第2のカニューレの少なくとも一方に対して操作することができる。
【0026】
別の実施形態では、本方法は、細長いシャフトと、細長い固定ロッドに係合するための、該細長いシャフト内に配置された可動部材と、該可動部材と作動可能に関連付けられた作動機構とを有する固定装置挿入装置を準備することをさらに含むことができる。作動機構は、可動部材を第1の位置と第2の位置との間で移動させるように構成することができる。本方法は、付加的に、第1の開口及び第1の切開部のうちの少なくとも1つを通して、第1のインプラント及び第1のカニューレを挿入し、第1の開口、第1の切開部、及び第2の開口のうちの少なくとも1つを通して第2のインプラント及び第2のカニューレを挿入することを含むことができる。さらに、本方法は、第3の切開部及び第3の開口のうちの少なくとも1つを形成し、固定装置挿入装置を用いて、第3の切開部及び第3の開口の1つを通して、第1及び第2のインプラントの少なくとも1つのヘッド部分のチャネル内に、細長い固定装置を配置することを含むことができる。
【0027】
別の実施形態では、侵襲性の少ない処置を行う方法は、ねじ付き部分を有する第1のカニューレを準備し、第2のカニューレを準備し、第1及び第2のインプラントを準備することを含むことができる。第1及び第2のインプラントは、シャンク部分と、ヘッド部分と、細長い固定装置を受け入れるための、該ヘッド部分を貫通するチャネルとを含むことができる。第1のインプラントのヘッド部分は、ねじ山を有することもできる。本方法は、第1のカニューレのねじ付き部分を、第1のインプラントのねじ山に係合し、第2のカニューレを第2のインプラントに取り付けることをさらに含むことができる。さらに、第1のインプラントを第1の脊椎に挿入することができ、第2のインプラントを第2の椎骨に挿入することができる。付加的に、第1及び第2のインプラントのヘッド部分のチャネルに、細長い固定装置を挿入することができる。第1及び第2のインプラントのヘッド部分において、細長い固定装置をロックすることができる。
【0028】
さらに別の実施形態では、本方法は、切開を行い、インプラントのシャンク部分を椎骨に挿入することを含むことができる。本方法は、シャンク部分を埋め込み機構と係合させることをさらに含むことができる。ヘッド部分をカニューレと係合させ、ユニットを形成することができ、このユニットを切開部に挿入することができる。付加的に、本方法は、インプラントのシャンク部分が椎骨に挿入された後、ヘッド部分をインプラントのシャンクと係合させることを含むことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明は、同じ参照符号が同じ要素を表す、以下の図面を参照することによってより良く理解することができる。図面は、単独で又は他の構造的特徴と組み合わせて用いることができる特定の構造的特徴を示すための例示にすぎず、本発明は、示される実施形態に制限すべきではない。
【0030】
本発明の侵襲性の少ないシステムは、患者の切開部を拡張するための手段(例えば、一連の拡張器、開創器)と、少なくとも1つの挿入/作業用カニューレと、複数のねじと、ねじを接続するための少なくとも1つのロッドと、ロッド挿入装置とを含むのがよい。しかしながら、当業者であれば、本発明の種々の要素になし得る多くの修正及び変形を認識することを理解すべきである。また、器具及びインプラントを、脊椎への埋め込みに関連して説明するけれども、それらを他の外科手術において患者の他の部位に用いてもよい。
【0031】
〔A.拡張ツール〕
インプラントを受け入れる椎骨を含んだ脊椎のX線撮影画像を撮る。X線撮影画像から、患者の背中の挿入箇所を決める。次に、患者の背中の切開を行い、侵襲性の少ないシステムを用いる開口を形成する。次に、開口を拡張させる。当業者であれば、以下にさらに詳細に説明する装置を含む任意の数の装置を用いて、患者の開口の拡張を行うことを理解すべきである。
【0032】
〔1.トロカール及びガイドワイヤ〕
図1に示すように、トロカール100は、近位端部120及び遠位端部30を有する細長い部材110であるのがよい。トロカール100を、例えば、X線透視誘導を用いて、患者の切開部から挿入し、椎骨に係合させるのがよい。トロカール100の遠位端部130は、椎骨の皮質を貫通する孔をあける及び/又は形成するための先端部135を有するのがよい。さらに、トロカール100は、その遠位端部130に細長い前部分102を有するのがよい。細長い前部分102は、開口のサイズを増大させ、椎骨への経皮的な通路を形成するのを助ける。また、変形実施形態では、トロカール100の遠位端部130は、椎骨に係合してトロカール100を椎骨の所定の位置に保持するためのねじ山(図示せず)を有していてもよい。
【0033】
トロカール100の近位端部120は、ハンドル125を追加的に有するのがよい。ハンドル125は、操作者がトロカール100を使用/操作するのをより容易にする。ハンドル125は、細長い部材110と一体に形成されていてもよいし、或いは、近位端部120に機械的に接合されていてもよい。ハンドル125は、X線透視観察下において即ちX線を用いるときに見えなくなるように、X線透過性であるのがよい。さらに、ハンドル125は、取り外しできるように構成されていてもよい。1つの実施形態では、ハンドル125は、T字形状である。別の実施形態では、ハンドル125の形状は、球状である。さらに、トロカール100は、近位端部120から遠位端部130まで延びるチャネル140を含むのがよい。
【0034】
ガイドワイヤ又はロッド150をトロカール100の近位端部120のところでチャネル140の中に挿入し、トロカール100によって形成された椎弓根内の孔の中に配置する。ハンドル125を有する実施形態では、ガイドワイヤ150をハンドル125の中に挿入してもよい。図1に示すガイドワイヤ150を用いて、種々の装置及び/又はインプラントを患者内に且つ脊椎に向かって案内する。例えば、ガイドワイヤ150を用いて、拡張器、挿入/作業用カニューレ、ドリル、ねじ回し、及びインプラント(例えば、骨ねじ)を脊椎上の箇所に案内する。本明細書に説明する任意の装置は、ガイドワイヤ150を用いることなしに患者に挿入されてもよいことに留意すべきである。ガイドワイヤ150を、それが椎骨に係合するまでチャネル140を通して下方に挿入する。その後、手術用木槌又は他の打ち込み器具(図示せず)を用いて、ガイドワイヤ150を、トロカール100によって形成された孔に打ち込む。このように、ガイドワイヤ150を椎骨に固定する。
【0035】
操作者がガイドワイヤ150を椎骨に打ち込むことを助けるために、ガイドワイヤ150は、その近位端部154に配置されたキャップ152を有するのがよい。このような構成は、木槌又は他の器具をガイドワイヤ150に押し当ててそれを打ち付けるための拡大した表面を操作者に提供する。キャップ152は、金属、プラスチック又はゴムで作られてもよいし、繰り返される衝撃に耐えることができるその他の任意の材料で作られてもよい。さらに、キャップ152は、任意の形状(例えば、円形、多角形、球形状)又はサイズを有する。さらに、キャップ152は、ガイドワイヤ150を骨に埋め込むために用いる別の構成部品(例えば、スラップハンマ)と係合可能であるのがよい。
【0036】
トロカール100/ガイドワイヤ150を挿入するステップを、処置が行う椎骨の数及び/又はインプラントの数に応じて、別個の切開部又は同じ切開部を通して任意の回数繰り返すのがよい。
【0037】
〔2.拡張器〕
ガイドワイヤ150を所定の位置に配置したら、トロカール100を患者の身体から取り外す。2004年7月2日に出願された「Sequential Dilator System」と題する米国特許出願番号第10/884,705号(この米国特許出願の内容全体を本明細書に援用する。)に開示されているような一連の拡張器システムを用いて、患者の開口を拡大する。しかしながら、任意の拡張器システムを、侵襲性の少ないシステムと共に用いてもよいことを理解すべきである。
【0038】
拡張器挿入装置、例えば、図2に示す拡張器挿入装置200を、ガイドワイヤ150に伝わらせて、椎骨の近くの手術部位に向かって下方に挿入する。拡張器挿入装置200は、ガイドワイヤ150を受け入れる中央ボア212を含む細長いシャフト210を有するのがよい。拡張器挿入装置200は、その近位端部214にあるハンドル216と、その遠位端部218にある弾丸形状の先端部220とを有する。ハンドル216を取り外し可能にすることにより、拡張器挿入装置200の上に1つ又は2つ以上の拡張器チューブ350(図3A)を挿入することが可能である。さらに、弾丸形状の先端部220は、開口を拡張させ、椎骨への拡張した経皮通路を形成するのを助ける。しかしながら、先端部220は、任意の形状であり、拡大されていてもよいし、拡大されていなくてもよい。
【0039】
拡張器挿入装置200を所定の箇所に配置したら、拡張器挿入装置200の上に、図3Aに示すような1つ又は2つ以上の異なる大きさの拡張器チューブ350を挿入する。拡張器挿入装置200を用いないで、1つ又は2つ以上の拡張器チューブ350をガイドワイヤ150の上に直接挿入してもよいことに留意すべきである。拡張器チューブ350は、細長いシャフト352を有し、この細長いシャフト352は、拡張器挿入装置200及び/又は他の拡張器350を収容するように寸法及び形状が決められ且つ細長いシャフト352を貫通するチャネル354を有している。さらに、拡張器チューブ350は、患者の身体内における拡張器350の深さの視覚的表示を操作者に与えるマーキング355を有するのがよい。
【0040】
内径D(図3B)を有する第1の拡張器350を、拡張器挿入装置200の上に配置し、椎骨の近くの手術部位まで下げる。しかしながら、拡張器挿入装置200及び第1の拡張器350を互いに取り付け、単一のユニットとして身体に挿入してもよいことを理解すべきである。次に、第1の拡張器350から挿入装置200を取り外す。その後、第1の拡張器350の上に、第1の拡張器350の外径D’よりも大きい内径を有する第2の挿入装置350を挿入する。このプロセスを、開口が、外科医により所望され且つ処置を行うのに適切な寸法(例えば、インプラント及び/又は器具を収容するのに十分に大きい寸法)に拡張されるまで、順番により大きい拡張器350を用いて何度も繰り返すのがよい。また、処置のために多数の開口を用いる実施形態では、各々の開口について拡張プロセスを繰り返すのがよい。
【0041】
1つの実施形態では、最も大きい拡張器350を所定の箇所に配置した後、作業用カニューレ475(図4A及び図4B)を拡張器350の上に配置し、手術される椎骨の近くの手術部位まで下げる。作業用カニューレ475は、外科医がアクセス可能なままである近位端部476と、作業用カニューレ475を挿入した時に手術部位に隣接して配置される遠位端部478とを有する。さらに、作業用カニューレ475は、チャネル480を有し、このチャネル480は、近位端部476の開口497から遠位端部478の開口498まで延び、このチャネル480の中を通して操作者がインプラント及び手術用器具を挿入するのがよい。作業用カニューレ475は、近位端部476から遠位端部478まで一定の直径を有するのがよい。さらに、作業用カニューレ475は、手術中に外科医が作業用カニューレ475を掴むことを可能にするための及び/又は作業用カニューレ475を手術台に固定することを可能にするためのハンドル482を近位端部476に有するのがよい。このように、手術中、作業用カニューレ475を静止状態に保持するのがよい。
【0042】
作業用カニューレ475を所定の箇所に配置したら、全ての拡張器350及び/又はガイドワイヤ150を身体から取り外す。1つの実施形態では、インプラント及び器具を手術部位に案内するために、ガイドワイヤ150を所定の箇所に維持してもよい。しかしながら、各拡張器350の上にそれよりも大きい拡張器350を配置した後、各拡張器350を取り外すのがよい。処置の異なる部分を、異なる作業用カニューレ475によって行ってもよい。作業用カニューレ475が、多数の椎骨を露出させるのに十分大きいものである場合、処置全体を単一の作業用カニューレ475によって、即ち、患者に別の開口を形成することなしに行ってもよい。しかしながら、拡張器350に加えて又はその代わりに、開口を拡張するその他の手段、例えば開創器を用いてもよい。
【0043】
〔3.開創器〕
2004年8月13日に出願された「Multiple−Blade Retractor」という名称の米国特許出願(代理人整理番号8932−804−999(708716−999781)、その内容全体を本明細書に援用する)に開示されるような開創器500を用いて、患者の開口を拡大するのがよい。1つの実施形態では、閉鎖位置(図5A)の開創器500のブレード502を、開口の中に且つ少なくとも1つの拡張器350の上に配置する。別の実施形態では、拡張器350を用いることなく、開創器500を患者の開口内に直接挿入してもよい。開創器500を患者の開口内に置き、次いで、開創器500のハンドル504を互いに押して、ブレード502を広げる(図5B)。ロック機構506を用いて、ブレード502を開放位置にロックするのがよい。ロック機構506は、ねじ山付きロッド508と、ナット510とを含むのがよい。ナット510を、それがハンドル504に係合するまで、ねじ付きロッド508上で回転させる。しかしながら、開創器を開放位置に保持するために、開創器500をロックする任意の手段も用いることができる。引き続いて行われる全ての外科的処置は、開創器500のブレード502によって形成された拡大した開口内で、即ち、ブレード502間で行うのがよい。当業者であれば、患者の開口を拡大するために、外科的技術分野において周知のその他の任意の開創器を用いてもよいことを認識すべきである。
【0044】
〔B.埋め込みツール〕
〔1.骨ねじ〕
図6A及び図6Bに示す本発明の1つの実施形態では、椎骨に挿入すべきインプラントは、多軸式のねじ650であるのがよい。しかしながら、任意のねじが、脊椎ロッドを受け入れる寸法及び形態に構成されたロッド受け入れチャネルに組み込まれ、又は、固定することができる限り、かかる任意のねじを侵襲性の少ないシステムと共に用いることが考えられる。骨ねじ650は、シャンク部分654と、このシャンク部分654に作動可能に接続されたヘッド部分652とを有する。シャンク部分654にねじ山が設けられるのがよく、ねじ山はタッピンねじであるのがよい。骨ねじ650は、ヘッド部分652がシャンク部分654に関節式に連結され且つそれに対して回転可能であるような多軸式である。シャンク部分654は、ヘッド部分652と別個の部品であり、ヘッド部分652に係合するのがよい。シャンク部分654をヘッド部分652と一体にしてもよく、その場合、シャンク部分654とヘッド部分652との間の移動はない。
【0045】
シャンク部分654は、ヘッド部分652内に受け入れられる近位端部658を有する。1つの実施形態では、シャンク部分654は、ヘッド部分652内にスナップ嵌めされるのがよい。シャンク部分654の近位端部658は、例えば、手術用ツールの六角形部分を受け入れるようにそれに対応した六角形形態等の手術用ツール係合凹部674を有するのがよい。さらに、シャンク部分654は、ガイドワイヤ150を受け入れる中央の軸方向チャネル660を有するのがよく、それにより、ねじ650を椎骨の近くの手術部位に案内することができる。他の形状及び形態のシャンク部分654及びヘッド部分652を用いて、ヘッド部分652とシャンク部分654との間の多軸式回転を行ってもよい。
【0046】
図6A及び図6Bに示すように、ヘッド部分652は、円筒形であるのがよく、ベース部分662と、互いに間隔をおいて配置された2つのアーム664とを有するのがよい。アーム664は、手術用ツール(例えば、以下に説明される種々の挿入カニューレ)に係合するための面取り縁部668及び凹部670を有するのがよい。1つの実施形態では、アーム664は、種々の挿入カニューレ及び/又は他の手術用ツールに係合する雄ねじ(図示せず)を有する。ヘッド部分652は、中央ボア667を有するのがよい。中央ボア667は、シャンク部分654の近位端部658がヘッド部分652の遠位端665の遠位開口663を貫いて延びるように、ヘッド部分652を貫通するのがよい。アーム664は、中央ボア667と交差するチャネル666を形成するのがよい。チャネル666は、固定ロッドを受け入れることができる任意の形状(例えば、U字形状)である。さらに、ヘッド部分652は、キャップ681及び/又は外科用器具(例えば、ねじ回し、挿入カニューレ等)の雄ねじ680に係合させるための雌ねじ672をボア667の壁に有するのがよい。キャップ681は、ボア667内に受け入れられるのがよい。固定ロッドを骨ねじ内に保持するために、ヘッド部分652の近位端部671のところで異なる機構と相互作用するその他のキャップを用いてもよい。
【0047】
〔2.挿入カニューレ〕
インプラント(例えば、ねじ、固定ロッド)を挿入するために、挿入カニューレを用いるのがよい。しかしながら、当業者であれば、全ての処置に対して挿入カニューレを用いる必要がないことを理解すべきである。挿入カニューレを骨ねじ650及び/又はその他のツール(例えば、ねじ回し)に接続し、1つのユニットとして、作業用カニューレ475及び/又は開創器500によって形成された開口を通して挿入するのがよい。別の実施形態では、挿入カニューレを患者内に配置した後、骨ねじ650及び/又はその他のツールを挿入カニューレに挿入してもよい。ガイドワイヤ150を用いる実施形態では、挿入カニューレ、骨ねじ650及び/又はその他のツール(例えば、ねじ回し)をガイドワイヤ150に沿って椎骨まで挿入するのがよい。
【0048】
用いられる挿入カニューレのタイプは、例えば、外科医の好み、身体の生体組織、及び/又は外科的処置の要件によって決まる。特に、挿入カニューレは、固定ロッドを骨ねじに挿入することができる方法を要因として選択される。幾つかの実施形態では、固定ロッドを骨ねじの側面から挿入するように、挿入カニューレを設計するのがよい。これらの実施形態では、骨ねじを患者に挿入した切開部とは別個の切開部を通して、固定ロッドを挿入するのがよい。他の実施形態では、脊椎ロッドを骨ねじの上部を貫くように挿入するように、挿入カニューレを設計してもよい。また、骨ねじを挿入した切開部と同じ切開部を通して、脊椎ロッドを挿入してもよい。他の実施形態では、ロッドを骨ねじの上部又は側部のいずれかから挿入することを可能にするように、挿入カニューレを構成するのがよい。
【0049】
作業用カニューレ475又は開創器500を用いない実施形態では、挿入カニューレを、挿入装置200(挿入カニューレ内に嵌合するように特別に設計される)に接続するのがよく、患者の切開部を通して、挿入装置200と共に単一のユニットとして挿入するのがよい。ガイドワイヤ150を用いて、挿入装置/カニューレ構成を椎骨まで案内するのがよい。挿入カニューレから、挿入装置200及び/又はガイドワイヤ150(用いられる場合)を引き出し、挿入カニューレを通して処置の全工程を行うのがよい。挿入カニューレを通して、例えば、ドリル、骨ねじ、ねじ回し、固定ロッド、及び他の外科用ツールを挿入するのがよい。他の実施形態では、何らかの付加的な器具を用いることなしに、挿入カニューレを患者の開口に直接挿入してもよい。かくして、挿入カニューレは、開口を拡張させ/縮める機能を実施する。
【0050】
しかしながら、任意の組み合わせの器具(例えば、トロカール100、ガイドワイヤ150、挿入装置200、拡張器350、作業用カニューレ475、及び/又は開創器500)を用いて、患者の身体への挿入カニューレの挿入を助けてもよいことに留意すべきである。
【0051】
侵襲性の少ない処置を行う際、後で説明するような挿入カニューレを2つ以上用いて、例えば、骨ねじ650を隣接した椎骨に挿入し、骨ねじ650を保持し、それを操作するのがよい。挿入カニューレは、患者の別個の切開部を通して挿入され及び/又は同じ切開部を通して挿入される。例えば、作業用カニューレ475を用いる実施形態では、別個の切開部が、別個の作業用カニューレ475を有し、別個の挿入カニューレを各々の作業用カニューレ475を通して椎骨まで挿入するのがよい。作業用カニューレ475が十分に大きい場合には、多数の挿入カニューレを作業用カニューレ475に挿入してもよいことを認識すべきである。さらに、開創器500を用いる実施形態では、開創器500によって形成された開口を通して、多数の挿入カニューレを挿入するのがよい。このような実施形態では、作業用カニューレ475又は開創器500を通して、処置全体を行うことができる。
【0052】
挿入カニューレの1つの利点は、ヘッド部分652の配向を各々のカニューレの近位端部を介して目に見えることである。したがって、外科医は、チャネル666内の固定ロッドの位置を確認することができる。手術部位を覗くことができる外科医の能力をさらに向上させるために、後で説明する任意の挿入カニューレは、光源を有していてもよい。さらに、挿入カニューレは、手術部位の外科医の視野を妨げる可能性がある流体及び組織を除去し、これにより手術部位の外科医の視野が改善されるように、吸引・洗浄システムを含んでいてもよい。さらに、顕微鏡又は内視鏡(図示せず)を挿入カニューレに取り付け、拡大した手術部位の視野を得てもよい。また、処置が挿入カニューレの安定化を必要とする場合、例えば、SYNTHES(登録商標)の「Spine Synframe Access and Retractor System」のような、任意の数の取り付け具の1つに、挿入カニューレを連結してもよい。これらの取り付け具は、例えば、手術台に取り付けられ、挿入カニューレを患者に対する所定の位置に保持し、これにより手術中に外科医又は看護師が挿入カニューレを保持する必要性を排除することが可能である。
【0053】
さらに、本明細書に説明される任意の挿入カニューレの構成部品は、例えば、金属、プラスチック、ゴム、材料の組み合わせ、又は複合材料で作られる。例えば、構成部品は、ステンレス鋼、チタン、アルミニウム、合金、炭素繊維複合材、又はポリマー(例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン、様々な種類のポリエステル、ポリカーボネート、Teflon(登録商標)コーティングを施した金属、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE))から作られる。また、挿入カニューレの構成部品は、反射防止コーティングを有してもよく、及び/又はX線透過性としてもよい。さらに、挿入カニューレの構成部品は、例えば、鋳造、押出し成形、射出成形、圧縮成形、鍛造、機械加工、又はトランスファー成形によって作られる。
【0054】
挿入カニューレの種々の構成部品を作るために用いられる材料を決定するとき、(例えば、オートクレーブ、病院における滅菌のために用いられる洗浄製品を使用する)滅菌/洗浄に耐える能力、重量、耐久性、汚染に対する耐性(例えば、血液又は手術に用いられる物質からの)、及び特に手術中に一般に用いられるゴム手袋を用いて構成部品を把持する能力を含む、種々の要因を考えることができる。
【0055】
さらに、以下に説明される挿入カニューレのカニューレシャフトは、円形の断面を有するものとして示すことができるが、断面は、例えば、楕円、正方形、矩形、三角形、又は他の多角形といった任意の形状にすることができる。
【0056】
〔a.側部挿入カニューレ〕
図7Aに示すように、挿入カニューレ700は、外側カニューレシャフト720内に収容された内側カニューレシャフト710を有する。さらに、図7B及び図7Cに示すように、内側カニューレシャフト710は、近位端部712と、遠位端部714と、近位端部712から遠位端部714まで延びるボア716とを有する。ボア716は、中心軸線718を有し、脊椎インプラント(例えば、骨ねじ)及び/又は外科用器具を受け入れる寸法及び形態を有するのがよい。ボア716は、ガイドワイヤ150、挿入装置200、及び/又は少なくとも1つの拡張器350の上に配置されるように構成されてもよい。チャネル又はスロット722が、内側カニューレシャフト710の遠位端部714に配置され、中心軸線718に対してある角度(例えば、直角)で延びるのがよい。チャネル又はスロット722は、U字形状であるのがよいが、他の形状であることも考えられ、以下により詳細に説明するように、チャネル又はスロット722を通して挿入することができる固定ロッドの少なくとも一部分を収容することもできる。
【0057】
内側カニューレシャフト710の内径は、例えば、約3mm〜約20mm、より好ましくは約12mm〜約15mmである。しかしながら、内径は、骨ねじ650及び/又はツールを内側カニューレシャフト710の中に通して配置することができる限り、任意の寸法である。内側カニューレシャフト710の外径は、例えば、約3mm〜約20mm、より好ましくは約14mm〜約17mmである。さらに、内側カニューレシャフト710の長さは、例えば、約40mm〜約160mm、より好ましくは約110mm〜約130mmである。チャネル又はスロット722の幅は、例えば、約3mm〜約10mm、より好ましくは約4mm〜約7mmである。チャネル又はスロット722の高さはまた、例えば、約3mm〜約20mm、より好ましくは約10mm〜約14mmである。これらの寸法は、後で説明する図8Bの内側カニューレシャフトにも適用可能であることに留意すべきである。
【0058】
図7D及び図7Eは、外側カニューレシャフト720の実施形態を示す。外側カニューレシャフト720は、近位端部724と、遠位端部726と、近位端部724から遠位端部726まで延びるボア728とを有する。ボア728は、中心軸線735を有し、内側カニューレシャフト710を受け入れる大きさ及び形態を有するのがよい。後で明らかになる理由で、外側カニューレシャフト720がその全長にわたって内側カニューレシャフト710の外面に沿って摺動することを可能にするために、外側カニューレシャフト720の長さは、内側カニューレシャフト710の長さよりも短いのがよい。また、外側カニューレシャフト720の遠位端部726は、内側カニューレシャフト710の遠位端部714と緊密に係合するように、内向きにテーパするのがよい。
【0059】
外側カニューレシャフト720の内径は、内側カニューレシャフト710の外径よりも大きく、外側カニューレシャフト720の外径は、例えば、約3mm〜約20mm、より好ましくは約16mm〜約19mmである。さらに、外側カニューレシャフト720の長さは、例えば、約20mm〜約140mm、より好ましくは約70mm〜約80mmである。これらの寸法は、後で説明する図8Eの外側カニューレシャフトにも適用可能であることに留意すべきである。
【0060】
内側カニューレシャフト710に対する外側カニューレシャフト720の回転を防止するために、及び/又は、2つの構成部品を整列させた状態に保持するために、外側カニューレシャフト720は、ボア728の内壁に配置された少なくとも1つの突起部740(図7D)を有し、この突起部740は、内側カニューレシャフト710の壁の少なくとも1つのスロット750(図7B参照)と係合する。1つの実施形態では、突起部740は、止めばね752を外側カニューレシャフト720に係合させるように開口760(図7F)を貫通するねじ、ピン、又はボルトであってもよい。変形例として、内側カニューレシャフト710が突起部を有し、外側カニューレシャフト720がスロットを有していてもよい。突起部740は、スロット750内を移動するのがよい。上記回転を防ぎ、及び/又は、内側カニューレシャフト710及び外側カニューレシャフト720を互いに整列させた状態に維持するその他の方法を考えてもよい。例えば、内側カニューレシャフト710及び外側カニューレシャフト720は、互いに対応する平坦な壁部分を有していてもよい。
【0061】
付加的に、外側カニューレシャフト720の近位端部724は、少なくとも1つのハンドル部分を有し、操作者が、外側カニューレシャフト720を内側カニューレシャフト710に沿って移動させることを可能にするのがよい。使用の際、操作者は、ハンドル部分の周りに自分の指を巻き付けるのがよい。図7Eの実施形態に示すように、外側カニューレシャフト720は、正反対の位置にある一対のハンドル738を有するのがよい。ハンドル738は、近位端部724と一体形成されてもよいし、例えば、溶接、接着又は機械的な手段(例えば、ねじ、ボルト)によって近位部端724に取り付けられてもよい。さらに、内側カニューレシャフト710と同様、外側カニューレシャフト720は、その遠位端部726を貫通するチャネル又はスロット727を有するのがよい。チャネル又はスロット727は、内側カニューレシャフト710のチャネル又はスロット722と整列し、その結果、固定ロッドの少なくとも一部分をチャネル又はスロット722、727を通して挿入することができる。チャネル又はスロット727の幅は、例えば、約3mm〜約10mm、より好ましくは約5mm〜約8mmである。チャネル又はスロット727の高さは、例えば、約3mm〜約10mm、より好ましくは約5mm〜約8mmである。チャネル又はスロット727の寸法は、後で説明する図8Eのチャネル又はスロットにも適用されることに留意すべきである。
【0062】
図7F及び図7Gは、挿入カニューレ700内の骨ねじ650の配置を示す。骨ねじ650を、内側カニューレシャフト710の遠位端部714のボア716内に配置するのがよく、骨ねじ650及び挿入カニューレ700を、単一のユニットとして患者に挿入するのがよい。挿入カニューレ700が既に患者内に配置されている別の処置においては、引き続き、骨ねじ650を近位端部712から遠位端部714までボア716に沿って挿入するのがよい。骨ねじ650、特にそのヘッド部分652を挿入カニューレ700に対して固定するために、外側カニューレシャフト720の遠位端部726が内側カニューレシャフト710の近位端部712に近づいて配置される第1の位置(図7F参照)から、外側カニューレシャフト720の遠位端部726が内側カニューレシャフト710の遠位端部714に近づいて配置される第2の位置(図7G参照)まで、外側カニューレシャフト720を移動させることができる。操作者は、骨ねじ650を挿入カニューレ700に対して固定する前に、チャネル又はスロット722、727を骨ねじ650のヘッド部分652のチャネル666と整列させるのがよい。
【0063】
外側カニューレシャフト720は、撓むことができる止めばね752(図7F参照)を有するのがよく、止めばね752は、第1の位置において溝756に係合し、第2の位置において溝758(図7B参照)に係合する。特に、止めばね752の突起部(図示せず)は、ハンドル738の開口758を通り且つ溝756、758に係合することができる。このような構成は、外側カニューレシャフト720が内側カニューレシャフト710に対して第1の位置又は第2の位置にあることを、操作者に触覚的に及び/又は聴覚的に示すことができる。1つの実施形態では、止めばね752の突起部と溝756、758との係合により、外側カニューレシャフト720を内側カニューレシャフト710上の第1の位置及び/又は第2の位置にロックさせることができる。
【0064】
図7Gに示す第2の位置において、外側カニューレシャフト720の遠位端部726が、1つ又は2つ以上の可撓性部材736を押すのがよい。このことにより、可撓性部材736が、骨ねじ650のヘッド部分652の凹部670に係合する。こうした係合は、骨ねじ650が挿入カニューレ700に対して軸線方向に移動することを防止する。外側カニューレシャフト720は、アーム737(図7A及び図7H参照)を押すのがよい。アーム737は、骨ねじ650のヘッド部分652に係合し、特に、アーム737は、ヘッド部分652のチャネル666内に嵌合するのがよい。このような位置において、アーム737は、骨ねじ650のヘッド部分652が挿入カニューレ700に対して回転移動することを防止する。このように、ヘッド部分652が、シャンク部分654の周りに枢動運動することを依然として可能にしながら、骨ねじ650のヘッド部分652を挿入カニューレ700に対して軸線方向及び回転方向に固定することができる。幾つかの実施形態では、外側カニューレシャフト720を第2の位置に移動させる前に、可撓性部材736及び/又はアーム737が、挿入カニューレ700に対するねじ650の軸線方向及び/又は回転方向に固定してもよいことに留意すべきである。操作者が挿入カニューレ700を使用して、1つの骨ねじ650のチャネル666を別の骨ねじ650のチャネル666と整列させるように1つの骨ねじ650のヘッド部分652を操作するのがよい。チャネル666同士が整列すると、インプラント(例えば、固定ロッド)をチャネル666の中に挿入することができる。
【0065】
付加的に、操作者がヘッド部分652を整列させるのを助けるために、内側カニューレシャフト710に、平坦な面713、マーク、若しくは刻み目(図示せず)を設けるのがよい。平坦な面713は、処置中に身体の外側に配置されるのがよく、身体内に配置されるチャネル又はスロット722、727及び/又はチャネル666の配向の視覚的なインジケータを操作者に提供する。平坦な面713は、操作者が、チャネル又はスロット722、727を身体内のチャネル666と整列させるのを助ける。
【0066】
図8Aは、挿入カニューレの別の実施形態である挿入カニューレ800を示す。挿入カニューレ700と同様、挿入カニューレ800は、外側カニューレシャフト820内に受け入れられる内側カニューレシャフト810を有している。図8B及び図8Cに示すように、内側カニューレシャフト810は、近位端部812と、遠位端部814と、近位端部812から遠位端部814まで延びるボア816とを有するのがよい。ボア816は、中心軸線818を定め、脊椎インプラント(例えば、骨ねじ)又は外科用器具を受け入れるような大きさ及び形態であるのがよい。チャネル又はスロット822が、内側カニューレシャフト810の遠位端部814に配置され、中心軸線818に対してある角度(例えば、直角)で延びるのがよい。チャネル又はスロット822は、U字形状であるのがよく(他の形状も考えられるが)、固定ロッドの少なくとも一部分を収容することができる。
【0067】
内側カニューレシャフト810の近位端部812は、1つ又は2つ以上の孔815を有するのがよい。孔815を用いて、隣接した挿入カニューレ800間の機構(図示せず)を接続することにより、カニューレを互いに対して定位置に配置してもよいし、互いに対してピボット運動させてもよい。1つの実施形態では、孔815を用いて、固定ロッドを身体内に導くための誘導機構を取り付けるのがよい。誘導機構が取り付けられた挿入カニューレ800を操作するとき、挿入カニューレ800は、椎骨に圧縮力又は延伸力を与えることができる。近位端部812は、手術部位をボア816を通して照明するために用いられる光源を台に載せるように又は固定するように構成されるのがよい。近位端部812は、他の装置に係合するように構成されてもよい。
【0068】
図8D及び図8Eは、外側カニューレシャフト820の実施形態を示す。外側カニューレシャフト820は、近位端部822と、遠位端部824と、近位端部822から遠位端部824まで延びるボア826とを有するのがよい。ボア826は、中心軸線828を定め、内側カニューレシャフト810を受け入れるような大きさ及び形態であるのがよい。後で詳述する理由のために、外側カニューレシャフト820がその全長にわたって内側カニューレシャフト810の外面に沿って摺動することを可能にするために、外側カニューレシャフト820の長さは内側カニューレシャフト810の長さよりも短いのがよい。外側カニューレシャフト820の遠位端部824は、内側カニューレシャフト810の遠位端部814と緊密に係合するように、内向きにテーパするのがよい。
【0069】
外側カニューレシャフト820は、少なくとも1つの係合部分830を有するのがよい。係合部分830は、内側カニューレシャフト810の壁内のスロット838に係合させるための少なくとも1つの突起部836(すなわち、ボア816内の)を有するのがよい。図8Eのような、2つの係合部分830を有する1つの実施形態では、一方の係合部分830が可撓性であり、他方の係合部分830が外側カニューレシャフト820に対して固定されるのがよい。係合部分830は、可撓性であるのがよく、突起部836は、ノッチ840、842、844との間で解放可能にスナップ嵌めされるのがよい。このような構成により、外側カニューレシャフト820が内側カニューレシャフト810に対して回転することを防止し、及び/又は、内側カニューレシャフト810及び外側カニューレシャフト820を特定の配向に保持する(例えば、チャネル又はスロット822、827を互いに整列した状態に保持する)ことを可能にする。挿入カニューレ700と同様、内側カニューレシャフト810及び外側カニューレシャフト820を位置決めする他の手段も考えられる。また、スロット838は、突起部836を受け入れるための1つ又は2つ以上のノッチ840、842、844を有するのがよく、このような構成はまた、外側カニューレシャフト820を、所定の間隔で内側カニューレシャフト810に対して固定することを可能にする。
【0070】
骨ねじ650は、内側カニューレシャフト810の遠位端部814のボア816内に配置され、骨ねじ650及び挿入カニューレ800は、単一のユニットとして患者に挿入されるのがよい。挿入カニューレ800が既に患者内に配置されている別の処置では、引き続いて、骨ねじ650を近位端部812から遠位端部814までボア816に沿って挿入するのがよい。
【0071】
骨ねじ650を上述した挿入カニューレ700に取り付ける方法と同様に、骨ねじ650をカニューレ800に取り付けるのがよい。係合部分830の突起部836がノッチ840に係合する第1の位置から、係合部分830の突起部836がノッチ842又は844に係合する第2の位置まで、外側カニューレシャフト820を移動させる。操作者は、外側カニューレシャフト820を第2の位置に移動させる前に、チャネル又はスロット822、827を骨ねじ650のヘッド部分652のチャネル666と整列させるのがよい。
【0072】
第2の位置(図示せず)において、外側カニューレシャフト820の遠位端部824は、少なくとも1つの可撓性部材832を押すのがよい。しかしながら、多数の可撓性部材を用いてもよいことに留意すべきである。次いで、可撓性部材832、よって突起部834が、骨ねじ650のヘッド部分652の凹部670に係合する。可撓性部材832は、骨ねじ650が挿入カニューレ800に対して軸線方向に移動することを防止する。付加的に、外側カニューレシャフト820は、アーム837(図8A)を押してもよい。アーム837は、骨ねじ650のヘッド部分652に係合することができ、特に、アーム837は、ヘッド部分652のチャネル666内に嵌合されるのがよい。このような位置において、アーム837は、骨ねじ650のヘッド部分652が挿入カニューレ800に対して回転移動することを防止する。このように、骨ねじ650のヘッド部分652を挿入カニューレ800に対して軸線方向及び回転方向に固定することができる。同時に、ヘッド部分652は、シャンク部分654の近位端部658の周りにピボット運動することができる。幾つかの実施形態では、外側カニューレシャフト820を第2の位置に移動させる前に、可撓性部材832及び/又はアーム837が、カニューレ800に対する骨ねじ650の軸線方向及び/又は回転方向に固定できることに留意すべきである。
【0073】
操作者が挿入カニューレ800を使用して、1つの骨ねじ650チャネル666を別の骨ねじ650のチャネル666と整列させるように1つの骨ねじ650のヘッド部分652を操作し、インプラント(例えば、固定ロッド)をチャネル666の中に挿入するのがよい。内側カニューレシャフト810は、チャネル又はスロット822及び/又は827と同じ方向に配向されたチャネル813を有するのがよい。さらに、内側カニューレシャフト810は、チャネル又はスロット822が通る内側カニューレシャフト810の側面に配置された平坦面812aを有するのがよい。チャネル813及び/又は平坦面812aは、処置中に身体の外側に配置されるのがよく、チャネル又はスロット822、827及び/又は身体内のチャネル666の配向の視覚的インジケータを、操作者に提供することができる。このような構成はまた、操作者が、チャネル又はスロット822、827を身体内のチャネル666と整列させるのを助ける。
【0074】
図9Aは、挿入カニューレさらに別の実施形態である挿入カニューレ900を示す。システム900は、カニューレシャフト910と、細長い部品920とを有するのがよい。図9B及び図9Cに示すように、カニューレシャフト910は、近位端部912と、遠位端部914と、近位端部912から遠位端部914まで延びるボア916とを有し、ボア916は、軸線918を有している。チャネル又はスロット928は、カニューレシャフト910の遠位端部914を貫通し、固定ロッドの少なくとも一部分をチャネル又はスロット928の中に通すのがよい。カニューレシャフト910はまた、近位端部912と遠位端部914との間に延び且つ細長い部品920(図9D参照)を保持することができる凹部922を有している。図9Cに示す凹部922の形状は、それに対応する細長い部品920の形状を受け入れるように設計するのがよく、細長い部品920は、凹部922の中を上下方向に動くことができるが、軸線918に対して横方向に凹部から抜け出ることはできない。さらに、凹部922は、細長い部品920の突起部(図示せず)に係合するためのスロット924を有するのがよい。この構成では、細長い部品920が、カニューレシャフト910に対して分離する又はねじれることを防止し、凹部922内での細長い部品920の移動を案内する。
【0075】
カニューレシャフト910の内径は、例えば、約3mm〜約20mm、より好ましくは約12mm〜約15mmである。しかしながら、内径は、これを通して骨ねじ650及び/又はツールを配置することができる限り、任意の寸法である。カニューレシャフト910の外径は、例えば、約3mm〜約20mm、より好ましくは約15mm〜約18mmである。さらに、カニューレシャフト910の長さは、例えば、約40mm〜約160mm、より好ましくは約110mm〜約130mmである。チャネル又はスロット928の幅は、例えば、約3mm〜約10mm、より好ましくは約5mm〜約8mmである。チャネル又はスロット928の高さは、例えば、約3mm〜約20mm、より好ましくは約12mm〜約16mmである。
【0076】
図9Dに示すような細長い部品920は、近位端部930と、遠位端部932とを有する。細長い部品920の長さは、例えば、約20mm〜約140mm、より好ましくは約110mm〜約130mmである。さらに、細長い部品920は、操作者に細長い部品920を作動させるための部分を提供する拡大部分934を有するのがよい。拡大部分934は、細長い部品920上での操作者の把持を強化するために、刻み目のような表面処理を有するのがよい。
【0077】
骨ねじ650は、カニューレシャフト910の遠位端部914のボア916内に配置され、骨ねじ650及び挿入カニューレ900は、単一のユニットとして患者に挿入されるのがよい。カニューレ900が既に患者内に配置されている別の処置においては、引き続き、骨ねじ650を近位端部912から遠位端部914までボア916に沿って挿入するのがよい。操作者は、骨ねじ650のヘッド部分652のチャネル666を用いて、チャネル又はスロット928を配向するのがよい。骨ねじ650を挿入カニューレ900に対して固定するために、細長い部品920の遠位端部932は、可撓性部材927に係合するのがよい。かかる位置において、細長い部品920は、可撓性部材927を骨ねじ650のヘッド部分652の方向に押すので、可撓性部材927が、ヘッド部分652の凹部670に係合する。このように、骨ねじ650のヘッド部分652をカニューレ900に対して固定することができる。幾つかの実施形態では、可撓性部材927は、細長い部品920が可撓性部材927に係合する前に、挿入カニューレ900に対する骨ねじ650の軸線方向に固定できることに留意すべきである。ヘッド部分652は、シャンク部分654の近位端部658に対してピボット運動することができる。このことにより、操作者が、固定ロッドの挿入に備えてヘッド部分652を操作することが可能になる。
【0078】
図10Aは、上述したカニューレと同様、骨ねじ650を保持するために用いることができるカニューレ1000を示す。図10A〜図10Dに示すように、カニューレ1000は、内側カニューレシャフト1010と、外側カニューレシャフト1020とを有するのがよい。内側カニューレシャフト1010は、近位端部1012と、遠位端部1014と、近位端部1012から遠位端部1014まで延びるボア1016とを有するのがよい。内側カニューレシャフト1010の遠位端部1014は、骨ねじ650のヘッド部分652の雌ねじ672に係合するための雄ねじ付き部分1015を有するのがよい。近位端部1012は、カニューレ1000の把持を容易にするために、例えば、刻み目等の表面処理を有するのがよい。付加的に、近位端部1012は、骨ねじ650のチャネル666の配向を示すことができる平坦部分、刻み目又はマーキング(図示せず)を有するのがよい。
【0079】
内側カニューレシャフト1010の内径は、例えば、約3mm〜約20mm、より好ましくは約7mm〜約11mmである。内側シャフト1010の外径は、例えば、約3mm〜約20mm、より好ましくは約10mm〜約12mmである。さらに、内側カニューレシャフト1010の長さは、例えば、約40mm〜約160mm、より好ましくは約110mm〜約130mmである。
【0080】
図10Dに示すように、内側カニューレシャフト1010内に挿入装置1032を配置するのがよい。挿入装置1032は、内側カニューレシャフト1010のボア1016に挿入された外科用器具(例えば、ねじ回し)に係合するためのフィンガ1034を含むのがよい。したがって、外科用器具は、内側カニューレシャフト1010の近位端部1012内にスナップ嵌めされ、それと同時に、内側カニューレシャフト1010の内部で回転させられることが可能である。挿入装置1032はまた、外科用器具の一部に係合するための突起部1036を有するのがよい。
【0081】
外側カニューレシャフト1020は、内側カニューレシャフト1010の上に配置され、その上で移動可能である。外側カニューレシャフト1020は、近位端部1022と、遠位端部1024と、外側カニューレシャフト1020を貫通するように近位端部1022から遠位端部1024まで延びるチャネル1025とを有するのがよい。外側カニューレシャフト1020は、内側カニューレシャフト1010の1つ又は2つ以上の凹部1040に係合するための1つ又は2つ以上の突起部1038を有するのがよい。1つの実施形態では、突起部1038は、外側カニューレシャフト1020の内面を一周する環状の突起部であるのがよい。さらに、凹部1040は、内側カニューレシャフトの外周面の環状凹部であるのがよい。このような構成により、外側カニューレシャフト1020が、内側カニューレシャフト1010に対して軸線方向に移動することが可能にする。
【0082】
さらに、外側カニューレシャフト1020の外径は、骨ねじ650のヘッド部分652の外径と等しいのがよい。外側カニューレシャフト1020の直径とヘッド部分652の直径とが同じである構成においては、外側カニューレシャフト1020の遠位端部1024が、骨ねじ650のヘッド部分652の面取り縁部668に支持される。別の実施形態では、外側カニューレシャフト1020の直径は、骨ねじ650のヘッド部分652の直径よりも大きくてもよい。
【0083】
外側カニューレシャフト1020の内径は、内側カニューレシャフト1010の外径より大きいのがよく、その外径は、例えば、約3mm〜約20mm、より好ましくは約12mm〜約15mmである。さらに、外側カニューレシャフト1020の長さは、例えば、約20mm〜約140mm、より好ましくは約100mm〜約110mmである。
【0084】
骨ねじ650をカニューレ1000に対して固定するために、内側カニューレシャフト1010の雄ねじ付き部分1015を、骨ねじ650(図6A参照)のヘッド部分652の雌ねじ付き部分672に係合させる。しかしながら、内側カニューレシャフト1010を骨ねじ650に係合させるための任意の手段が考えられることに留意すべきである。図10Dに示すように、外側カニューレシャフト1020は、その近位端部1022が内側カニューレシャフト1010の近位端部1012に係合する後方位置にある。いったん内側カニューレシャフト1010がヘッド部分652に係合したら、外側カニューレシャフト1020を内側カニューレシャフト1010の下方に移動させ、突起部1038を凹部1040内で移動させる。また、外側カニューレシャフト1020の遠位端部1024は、骨ねじ650のヘッド部分652に係合する。特に、図10Aに示すように、外側カニューレシャフト1020は、ヘッド部分652の平行なアーム664の間の空間に(すなわち、チャネル666の上部に)挿入することができる、拡張部分1026を有することができる。次に、骨ねじ650をカニューレ1000に対して軸線方向及び回転方向に固定する。
【0085】
〔b.側部及び/又は上部挿入カニューレ〕
図11A及び図11Bは、骨ねじ650の上方又は側方からロッドを挿入するために用いることができる(すなわち、骨ねじ650を側部又は上部に取り付けることができる)挿入カニューレ1100を示す。挿入カニューレ1100は、細長い部材1110を含み、近位端部1112と、遠位端部1114と、近位端部1112から遠位端部1114まで延びるチャネル1116とを有している。さらに、挿入カニューレ1100は、チャネル1116と交わり且つ近位端部1112から遠位端部1114まで延びる第1の長手方向スロット1122を有している。しかしながら、第1のスロット1122は、任意の長さの細長い部材1110をカバーすることができ、近位端部1112からある距離で終わるのがよい。さらに、挿入カニューレ1100は、チャネル1116と交差する第2の長手方向スロット1123を有するのがよい。第2のスロット1123は、第1のスロット1122より短くてもよいし、長くてもよいし、これと同じ長さであってもよい。第2のスロット1123が必要でない場合もあることを認識すべきである。スロット1122、1123により、ロッドをチャネル1116の中で下降させて、骨ねじ650に挿入することを可能にする。
【0086】
挿入カニューレ1100の遠位端部1114は、骨ねじ650のヘッド部分652に係合するのがよい(図11B参照)。例えば、遠位端部1114は、ヘッド部分652の凹部670に係合するための突起部(図示せず)を、細長い部材1110の内壁1125の上に有するのがよい。変形例として、遠位端部1114は、ヘッド部分652に緩く係合してもよい。一般に、カニューレ1100を用いて、骨ねじ650のヘッド部分652を操作することにより、固定装置をヘッド部分652に挿入して取り付けるのがよい。さらに、近位端部1112は、カニューレ1100を取り扱い且つ操作するためのハンドル1124を有するのがよい。また、ハンドル1124は、カニューレ1100を、例えば手術台に取り付けるための取り付け部分1129を有するのがよい。
【0087】
図12Aは、骨ねじ650の上方又は側方から脊椎ロッドを挿入するために用いることができる挿入カニューレの別の実施形態を示す。挿入カニューレ1200は、近位端部1202と、遠位端部1204と、近位端部1202から遠位端部1204まで挿入カニューレ1200を貫いて延びるチャネル1206とを有するのがよい。さらに、挿入カニューレ1200は、チャネル1206と交差する少なくとも1つのスロット1208を有するのがよい。スロット1208により、ロッドをチャネル1206の中で下降させ、それを骨ねじ650に挿入することを可能にする。図12Aに示すように、1つより多いスロット1208を有する実施形態では、スロット1208は、2つのアーム1210及び1212を構成する。このような構成は、アーム1210及び1212を可撓性にし、骨ねじ650、特にそのヘッド部分652を、アーム1210とアーム1212との間にクリップ留め/スナップ嵌めさせる(図12B参照)。変形例として、スロット1208により、ロッドを骨ねじ650の側方から挿入することを可能にする。スロット1208は、挿入カニューレ1200の遠位端部1204から延び且つ近位端部1202からある距離だけ離れた位置まで延びるのがよい。2つ以上のスロット1208を有する実施形態では、スロット1208は、互いに同じ長さであってもよいし、互いに異なる長さであってもよい。
【0088】
さらに、近位端部1202は、刻み目等の表面処理がされてもよいし、或いは、操作者の挿入カニューレ1200の把持を強化するためのグリップを有していてもよい。さらに、アーム1210及び/又は1212は、骨ねじ650のヘッド部分652の凹部670に係合するための突起部1214を有するのがよい。図12Bに示すように、挿入カニューレ1200が骨ねじ650に係合するとき、ヘッド部分652が回転する(すなわち、挿入カニューレ1200内で回転する)ことができるが、ヘッド部分652が挿入カニューレ1200に対して軸線方向に移動することができないように、骨ねじ650を固定するのがよい。1つの実施形態では、骨ねじ650を挿入カニューレ1200に対して固定することにより、回転移動を防止する。カニューレ1200を用いて、ヘッド部分652をシャンク部分654に対してピボット運動させてもよい。
【0089】
挿入カニューレ1100、1200の内径は、例えば、約3mm〜約20mm、より好ましくは約12mm〜約16mmである。カニューレ1100、1200の内径は、これを通して骨ねじ650及び/又はツールを配置することができる限り、任意のサイズであることに留意すべきである。挿入カニューレ1100、1200の外径は、例えば、約3mm〜約20mm、より好ましくは約14mm〜約17mmである。さらに、挿入カニューレ1100、1200は、例えば、約40mm〜約200mm、より好ましくは約140mm〜約160mmである。スロット1208の幅は、例えば、約3mm〜約10mm、より好ましくは約5mm〜約8mmである。スロット1208の高さは、例えば、約30mm〜約160mm、より好ましくは約110mm〜約130mmである。
【0090】
〔3.ドリル〕
ドリル1350(図13A参照)を用いて、骨ねじ650を挿入するキャビティを椎骨内に形成するのがよい。ドリル1350を、作業用カニューレ475、開創器500及び/又は挿入カニューレ内に配置するのがよく、手術部位に向かって下方に移動させるのがよい。例えば、図13Bに示すようなガイドワイヤ150を用いる技術においては、ドリル1350を挿入カニューレ内に挿入し、ガイドワイヤ150によって挿入カニューレの下方に案内するのがよい。ドリル1350を、ガイドワイヤ150によって作業用カニューレ475又は開創器500の下方に案内してもよい。
【0091】
図13Aに示すように、ドリル1350は、ドリルビット1352と、ハンドル1362とを有するのがよい。ドリルビット1352及びハンドル1362は、一体の1つの部品であってもよいし、互いに接続された2つの部品であってもよい。例えば、ドリルビット1352は、継手1364によってハンドル1362に接続されてもよい。ハンドル1362を用いて、手作業で椎骨内に孔をあけることができる。ハンドル1362は、T字形状、球形、又は楕円形であってもよいし、その他の任意の形状であってもよい。しかしながら、ドリル1350がハンドル1362を有していなくてもよく、その代わりに、ドリルビット1352を動力ドリルに取り付けてもよいことに留意すべきである。このように、ドリルビット1352を電気的に又は空気圧で作動させてもよい。
【0092】
図13C及び図13Dに示すように、ドリルビット1352は、シャフト1361と、シャフト1361の近位端部1355にある接続部分1354と、シャフト1361の遠位端部1357に位置する先端部1356とを有するのがよい。さらに、ドリルビット1352は、操作者がガイドワイヤ150の使用を望む処置のための中央ボア1358を有するのがよい。シャフト1361は、均一な直径を有していてもよいし、より大きな直径をもつ部分を有していてもよい。さらに、接続部分1354は、上述したように、ハンドルに取り付けられてもよいし、動力ドリルに接続されてもよい。ドリルビット1352の先端部1356を、当業者に周知のその他の骨切断ドリルビットと同様に構成するのがよい。
【0093】
さらに、1つの実施形態では、近位端部1354と遠位端部1356との間に窓1364を配置するのがよく、窓1364により、例えば、ガイドワイヤ150又は骨組織が、ドリルビット1352の中央ボア1358の中を移動するのを、操作者が見ることを可能にする。さらに、シャフト1361は、所定の間隔で離間配置されたマーキング1362を含むのがよい。このようなマーキング1362は、操作者が、骨組織内のドリルビット1352の深さを監視することを可能にする。
【0094】
使用の際、ドリル1350を、作業用カニューレ475、開創器500、及び/又は挿入カニューレに挿入し、それを椎骨の近くに配置した後、ハンドル1362によって手動で、又は動力ドリルによって電気的に/空気圧で、ドリル1350を回転させ、ねじ650のようなインプラントを固定することができるキャビティを形成する。
【0095】
しかしながら、当業者であれば、骨の中にキャビティを形成する任意の手段を考えられることを理解すべきである。例えば、操作者は、椎骨の中にキャビティを形成するために、ドリル1350の代わりに、又はそれに加えて、千枚通し、プローブ、及び/又はタップを用いてもよい。さらに、幾つかの実施形態では、キャビティを形成するために、最初にドリル又は他のキャビティ形成ツールを用いることなく、骨ねじ650を直接骨に挿入してもよい。
【0096】
〔4.インプラントポジショナ〕
図14は、作業用カニューレ465、開創器500、及び/又は挿入カニューレ内で骨ねじ650を配向するために用いることができるポジショナ1450を示す。ポジショナ1450は、シャフト1452と、このシャフト1452に作動的に接続された前部1454とを含むのがよい。前部1454は、骨ねじ650のヘッド部分652及び/又はシャンク部分654の近位端部658に係合するように構成されるのがよい。特に、前部1454は、凹部674に係合するための突起部1456と、ヘッド部分652のチャネル666に係合するための部分1458とを有するのがよい。ポジショナ1450はまた、シャフト1452上に取り付けることができ且つチャネル666内の部分1458の配向に合致したハンドル1460を有するのがよい。したがって、部分1458が骨ねじ650のチャネル666に係合するとき、ハンドル1460をチャネル666の方向と整列させる。このような構成は、身体の外側に、身体内のチャネル666の配向の視覚インジケータを、操作者に提供する。ハンドル1460を挿入カニューレ上の視覚インジケータ(例えば、平坦面713、812a)と位置合わせすることができる。
【0097】
使用の際、骨ねじ650を作業用カニューレ475、開創器500、及び/又は挿入カニューレ内に配置した後、ポジショナ1450を、骨ねじ650に係合可能である。代替的に、ポジショナ1450を用いて、作業用カニューレ475、開創器500、及び/又は挿入カニューレに沿って、骨ねじ650を挿入してもよい。操作者は、ポジショナ1450を操作し、骨ねじ650のヘッド部分652を回転させることができる。例えば、挿入カニューレに対するヘッド部分652の配向を固定する前、及び/又は固定ロッドを挿入する前、ポジショナ1450を用いて、チャネル666をそれに対応する挿入カニューレのチャネルと共に配向させることができる。代替的に、ヘッド部分652を挿入カニューレに対して既に固定した後、ポジショナ1450を用いて、骨ねじ650のヘッド部分652を操作してもよい。このように、ポジショナ1450を用いて、多数の骨ねじ650のチャネル666を整列させることができるので、固定ロッドを骨ねじ650の中を通るように挿入することができる。
【0098】
〔5.ねじ回し〕
ねじ回し1500を、作業用カニューレ475、開創器500、及び/又は挿入カニューレ700、800、900、1100、1200内に配置するのがよく、骨ねじ650に係合することができる。図15A〜図15Dに示すように、ねじ回し1500は、シャフト1510と、ロックスリーブ1520と、保持スリーブ1530とを含むのがよい。シャフト1510は、遠位端部1514にある係合部分1516と、近位端部1512にある連結部分1513とを有する。さらに、シャフト1510にカニューレを挿入してもよい(すなわち、例えばガイドワイヤ150を受け入れるために、そこを貫通するチャネル(図示せず)を有する)。図15Bに示すように、係合部分1516は、骨ねじ650の凹部674に係合するように、六角形の形状にするのがよい。また、遠位端部1514は、骨ねじ650のヘッド部分652のU字形状チャネル666に係合するための少なくとも1つの肩部1518を有するのがよい。
【0099】
さらに、連結部分1513は、ねじ回し1500を手動で操作するための、ハンドル1515(図15E参照)のようなハンドル部分に連結させるのがよい。ハンドル1515は、T字形状であってもよいし、その他の任意の形状であってもよい。ねじ回し1500にカニューレを挿入することができる実施形態では、ハンドル1515は、それを貫いて延びるチャネル(図示せず)を有するのがよく、このチャネルは、その中にガイドワイヤ150を挿入できるように、シャフト1510を貫いて延びるチャネルと整列するのがよい。代替的に、連結部分1513を、例えば動力ドリルなどのねじ回しを回転させるためのモータを有する装置に接続してもよい。ハンドル1515を、肩部1518の配向に合致させるようにシャフト1510上に配置してもよい。したがって、肩部1518が骨ねじ650のチャネル666に係合するとき、ハンドル1515をチャネル666の方向と整列させることができる。このような構成は、身体の外側からの、身体内のチャネル666の配向の視覚的インジケータを、操作者に提供することになる。ハンドル1515を挿入カニューレ上の視覚的インジケータ(例えば、平坦面713、812a)と整列させ、挿入カニューレのチャネルをチャネル666と整列させてもよい。
【0100】
図15Cは、ロックスリーブ1520を示す。ロックスリーブ1520をシャフト1510に沿って摺動できるように、ロックスリーブ1520のチャネル1528内にシャフト1510を配置するのがよい。ロックスリーブ1520は、グリップ端部1522と、ねじ係合端部1524とを含むのがよい。グリップ端部1522は、操作者がロックスリーブ1520をしっかりと掴むのを可能にするための処理(例えば、刻み付け)又はグリップをもつことができる表面1523を有するのがよい。別の実施形態では、グリップ端部1522は、掴むための少なくとも1つの凹み又は溝(図示せず)を有してもよい。ねじ係合端部1524は、ヘッド部分652の雌ねじ付き部分672に係合するための雄ねじ付き部分1526を有する。
【0101】
図15A及び図15Dに示すように、保持スリーブ1530は、ロックスリーブ1520の上に嵌合するような大きさであるのがよい。保持スリーブ1530は、挿入カニューレ700、800、900、1100、1200から延びるのがよく、操作者は、ねじ回し1500を保持する一方で、同時にねじ回し1500を回転させ、骨ねじ650を椎骨に挿入する。保持スリーブ1530がロックスリーブ1520に対して回転することができるが、軸線方向に移動することができないように、保持スリーブ1530をロックスリーブ1520に接続するのがよい。1つの実施形態では、保持スリーブ1530は、1つ又は2つ以上の長手方向スロット1534と、保持スリーブ1530の内周を周方向に延びる突起部1536とを有するのがよい。スロット1534は、保持スリーブ1530の近位端1532が撓むことを可能にし、これにより突起部1536をロックスリーブ1520の溝1525(図15C参照)の中にスナップ嵌めすること、及び/又はそれから分離することを可能にする。溝1525は、ロックスリーブ1520の周りを周方向に延びるのがよい。別の実施形態では、保持スリーブ1530は、ロックスリーブ1520の1つ又は2つ以上の溝(図示せず)に係合する1つ又は2つ以上の突起部(図示せず)を有するのがよい。
【0102】
付加的に、2つの肩部1518を有する1つの実施形態では、1つの肩部1518は、そこから延びる突起部1518a(図15B参照)を有するのがよい。幾つかの実施形態では、突起部1518aが存在しなくてもよいことに留意すべきである。突起部1518aは、カニューレ700の凹部730(図7C参照)、カニューレ800の凹部860(図8C参照)、及び/又はカニューレ900の凹部938(図9C参照)内に受け入れられ、かつ、これらに沿って移動することができる。ねじ回し1500を挿入カニューレに挿入したら、ねじ回し1500を挿入カニューレに沿って移動させ、凹部730、860、938内の突起部1518aによって案内することが可能である。その後、ねじ回し1500を回転させて、骨ねじ650を椎骨内に前進させる。挿入カニューレは、ねじ回し1500の回転と共に回転する。骨ねじ650を挿入する際に凹部730、860、938から突起部1518を分離させることができる1つの実施形態では、突起部が凹部730、860、938と再び整列するまで、ねじ回し1500を骨ねじ650から取り外すことはできない。また、骨ねじ650内のねじ回し1500の位置のために、突起部1518aを凹部730、860、938と整列させるとき、骨ねじ650のチャネル666を、チャネル又はスロット722及び/又は727、822及び/又は827、或いは928と整列させることができる。次に、ねじ回し1500をねじ650及び挿入カニューレから取り外し、引き続いて、上述のように骨ねじ650を挿入カニューレに対して固定する。
【0103】
使用の際、ねじ回し1500をねじ650に挿入する。図15Fに示すように、係合部分1516は、凹部674に係合し、肩部1518は、U形状のチャネル666に係合する。ロックスリーブ1520のねじ係合端部1524を肩部1518から遠ざかるように配置する第1の位置(図15E参照)から、ロックスリーブ1520のねじ係合端部1524を肩部1518の近くに配置する第2の位置(図15F参照)まで、ロックスリーブ1520を移動させる。ロックスリーブ1520の雄ねじ付き部分1526は、骨ねじ650のヘッド部分652の雌ねじ付き部分672に係合することができる。このように、ねじ回し1500を骨ねじ650に対して軸線方向及び回転方向に固定する。ヘッド部分652及びシャンク部分654を互いに剛く固定することができ、これにより骨ねじ650を埋め込むことが可能になる。ねじ回し1500、骨ねじ650、及び挿入カニューレ700、800、900、1100、1200を互いに接続し、同時に患者に挿入することができる。例えば、図15Fに示すように、ねじ回し1500、骨ねじ650、及びカニューレ1200を、単一のユニットとして患者に挿入してもよい。代替的に、作業用カニューレ475、開創器500、及び/又は挿入カニューレ700、800、900、1100、1200を既に患者に挿入された後、骨ねじ650と共に作業用カニューレ475、開創器500、及び/又は挿入カニューレ700、800、900、1100、1200にねじ回し1500に挿入してもよい。別の実施形態では、ねじ650、作業用カニューレ475、開創器500、及び/又は挿入カニューレ700、800、900、1100、1200を身体内に配置することができ、続いて、ねじ回し1500を内部に挿入することができる。
【0104】
ねじ650を椎骨の近くに配置したら、骨ねじ650を望ましい距離だけ椎骨内に挿入するまで、ねじ回し1500を回転させる。その後、作業用カニューレ475、開創器500、及び/又は挿入カニューレ700、800、900、1100、1200から、ねじ回し1500を取り外す。
【0105】
カニューレ1000を用いる処置においては、ねじ回し1550(図15G参照)のようなねじ回しを用いて、骨ねじ650を挿入するのがよい。ねじ回し1550は、遠位端部1552及び近位端部1553を有するシャフト1551と、遠位端部1552にある六角部分1554と、近位端部1553にあるハンドル1555とを有するのがよい。六角部分1554は、骨ねじ650の凹部674に係合する。さらに、ハンドル1555は、シャフト1551と一体であってもよいし、或いは、シャフト1551に取り付け可能な別個の部品であってもよい。
【0106】
ねじ回し1500をカニューレ1000と係合させるために、カニューレ1000は、ねじ回し1500の拡大部分1556内の雌ねじ付き部分(図示せず)に係合することができる、近位端1012上の雄ねじ付き部分(図示せず)を有するのがよい。このような構成においては、拡大部分1556がシャフト1551及びハンドル1555の周りに軸線方向及び/又は回転可能に移動できるように、拡大部分1556を取り付けることができる。このように、拡大部分1556をカニューレ1000に固定するとき、シャフト1551及びハンドル1555を、カニューレ1000に対して回転させ、及び/又は軸方向に移動させることができる。他の実施形態では、シャフト1551及び/又はハンドル1555に対して拡大部分1556を固定するのがよい。別の実施形態では、ねじ回し1550にぴったりと係合するように撓むことができる少なくとも1つのフィンガ1034によって、ねじ回し1550をボア1016内に保持するのがよい。さらに、各々のフィンガ1034は、ねじ回し1550を係合することができる少なくとも1つの突起部1036を有するのがよい。しかしながら、ねじ回し1550は、カニューレ700、800、900、1100、1200のような、他の任意の挿入カニューレと共に用いてもよいことを理解すべきである。
【0107】
ねじ回し1500と同様に、ねじ回し1550を、挿入カニューレ及び骨ねじ650と共に単一のユニットとして身体に挿入するのがよい。代替的に、挿入カニューレ及び/又は骨ねじ650を身体に挿入した後、挿入カニューレ及び/又はねじ650にねじ回し1550を挿入してもよい。
【0108】
〔6.ロッド挿入装置〕
骨ねじ650を挿入したら、ポジショナ1450及び/又は挿入カニューレを用いて、骨ねじのヘッド部分652を移動させる。多数の骨ねじ650及び固定ロッドの使用を必要とする処置においては、ヘッド部分652を移動させることができる能力が望ましい。特に、ポジショナ1450及び/又は挿入カニューレを用いてヘッド部分652を移動させることにより、操作者が、隣接したヘッド部分652を整列させることを可能にし、全てのヘッド部分652のチャネル666の中に固定ロッドを容易に挿入することができる。
【0109】
用いられる挿入装置のタイプは、外科的処置を行う際に操作者によって用いられる挿入カニューレのタイプによって決まる。例えば、挿入カニューレ700、800、900、1100又は1200を用いる処置においては、挿入装置1600(図16A参照)又は挿入装置1700(図17参照)のような挿入装置を用いて、骨ねじ650の側方から固定ロッドを挿入するのがよい。さらに、挿入カニューレ1100及び/又はカニューレ1200のような装置を用いる処置においては、挿入装置1800(図18参照)と類似したロッド挿入装置を用いて、骨ねじ650の上方から固定ロッドを挿入するのがよい。ポジショナ1450を用いる処置においては、固定ロッドを挿入する前に、ポジショナ1450を取り外すのがよい。
【0110】
〔a.側部挿入装置〕
図16A及び図16Bは、固定ロッド1675に係合し、固定ロッド1675をねじ650の側部又は側方から患者に挿入するために用いるロッド挿入装置1600を示す。しかしながら、挿入装置1600を用いて、骨ねじ650の上部からロッドを挿入できることも認識すべきである。ロッド挿入装置1600は、細長い部材1602と、可動部材1650と、可動部材1650に作動可能に取り付けられた作動部材1620とを含むのがよい。可動部材1650は、細長い部材1602の内側に配置されるが、細長い部材1602の外側に配置されてもよい。さらに、挿入装置1600は、ハンドル部分を有するのがよい。操作者が把持することができる挿入装置1600のいずれの部分も、ハンドル部分とみなし得ることを理解すべきである。ハンドル部分1610は、細長い部材1602の近位端部1604に接続されるのがよい。代替的に、ハンドル部分1610は、細長い部材1602を囲んでもよく、細長い部材1602は、ハンドル1610を貫いて延び、作動部材1620に直接接続される。ハンドル部分1610は、操作者が挿入装置1600を把持するのを可能にするように、グリップ、又は刻み付けのような表面処理を有するのがよい。1つの実施形態では、ハンドル1610の直径は、細長い部材1602の直径よりも大きいのがよい。
【0111】
挿入装置1600の構成部品は、例えば、金属、プラスチック、ゴム、複合材料、又は材料の組み合わせで作られる。例えば、構成部品は、ステンレス鋼、チタン、アルミニウム、合金、炭素繊維複合材、又はポリマー(例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン、様々な種類のポリエステル、ポリカーボネート、Teflon(登録商標)コーティングを施した金属、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE))から作られる。さらに鋳造、押出し成形、射出成形、圧縮成形、鍛造、機械加工、又はトランスファー成形を含む種々の方法を用いて、挿入装置1600の構成部品を作ることができる。
【0112】
挿入装置1600の種々の構成部品を作るのに用いられる材料を決定するとき、種々の要因が考えられるが、要因は、(例えば、オートクレーブ、病院における滅菌のために用いられる洗浄製品を使用する)滅菌/洗浄に耐える能力、重量、耐久性、汚染に対する耐性(例えば、血液又は手術に用いられる物質からの)、及び特に手術中に一般に用いられるゴム手袋を用いて構成部品を把持する能力を含む。ハンドル1610は、他の構成部品と同じ材料で作られてもよいし、異なる材料で作られてもよい。
【0113】
図16A及び図16Bに示すように、細長い部材1602は、近位端部1604と、遠位端部1606と、近位端部1604から遠位端部1606まで延びる通路1608とを含むのがよい。細長い部材1602の近位端部1604は、ハンドル部分1610に隣接して配置されるのがよい。代替的に、細長い部材1602の近位端部1604は、作動部材1620の近くに配置されてもよい。細長い部材1602は、図16Aに示すように湾曲した形状を有していてもよいし、直線であってもよい。細長い部材1602の曲率半径は、例えば、約80mm〜約120mm、より好ましくは約90mm〜約110mm、最も好ましくは約95mm〜約105mmである。固定ロッド1675はまた、曲線状であってもよく、同じ曲率半径を有してもよいし、異なる曲率半径を有していてもよい。他の実施形態では、固定ロッド1675は、直線であるのがよい。
【0114】
ハンドル部分1610は、近位端部1612と、遠位端部1614と、これらの間を通る通路1616とを有するのがよい。ハンドル部分1610及び細長い部材1602が別個の部品であることが可能な実施形態では、ハンドル部分1610及び細長い部分1602は、例えば、ねじ、ナット、ボルト、ねじ山、接着剤、又は溶接によって互いに接合される。細長い部材1602が作動部材1620に係合することができる実施形態では、細長い部材1602は、ハンドル部分1610の通路1616の中を通って延び、作動部材1616のチャネル1618に係合するのがよい。
【0115】
作動部材1620は、ハンドル部分1610の近位端部1612の近くに配置されるのがよい。作動部材1620は、ハンドル部分1610及び/又は細長い部材1602に対して回転可能であるのがよい。作動部材1620の回転により、可動部材1650が、細長い部材1602の通路1608内で移動させる。
【0116】
可動部材1650は、細長い部材1602の通路1608内に配置され、ハンドル部分1610を貫いて延び、作動部材1620に作動可能に接続されている。可動部材1650は、可撓性であってもよいし、剛性であってもよい。1つの実施形態では、可動部材1650は、ケーブルであるのがよい。図16Cに示すように、可動部材1650は、近位端部1652と、遠位端部1654とを有している。可動部材1650の近位端部1652は、作動部材1620のチャネル1618内に受け入れられるのがよい。作動部材1620を回転させると、可動部材1650が細長い部材1602のチャネル1608内で移動するように、可動部材1650は作動部材1620に接続されるのがよい。可動部材1650の遠位端部は、例えば、フック状であるのがよい。1つの実施形態では、固定ロッド1675(図16A参照)に係合し、これを挿入装置1600の通路1608内にしっかりと保持するために、可動部材1650の遠位端部1654に突起部1656を配置するのがよい。可動部材1650は、単一の部品であってもよいし、互いに取り付けられた別個の部品であってもよいことを認識すべきである。別個の部品であるとき、例えば、可動部材1650は、固定ロッドに係合することができるフック状の部分に接続されたケーブルで作られる。
【0117】
作動部材1620を回転させると、可動部材1650の遠位端部1654が細長い部材1602の遠位端部1606から延びる第1の位置から、可動部材1650全体が細長い部分1602内に配置される第2の位置まで、可動部材1650を移動させることができる。作動部材1620を反対方向に回転されると、可動部材1650は、第2の位置から第1の位置まで移動する。
【0118】
作動部材1620を回転させ、可動部材1650の遠位端部1654を細長い部材1602の外側に移動させて、固定ロッド1675に係合させる。突起部1656を固定ロッド1675の受け部分(図示せず)に係合させる。当業者であれば、固定ロッド1675を挿入装置1600から分離することができる限り、固定ロッド1675を細長い部材1602に接続する任意の手段を考えられる(例えば、ねじ山)ことを認識すべきである。次に、作動部材1620を反対方向に回転させ、固定ロッド1675と共に可動部材1650を細長い部材1602内に引き戻す。この位置において、固定ロッド1675を挿入装置1600に対してしっかりと固定することができる。
【0119】
次に、固定ロッド1675を患者の中に及び骨ねじ650のヘッド部分652の中に挿入するのがよい。固定ロッド1675は、組織の中を通る固定ロッドの移動を容易にするために、鋭利な及び/又は先の尖った先端部1676を有するのがよい。固定ロッド1675を所定の位置に配置したら、作動部材1620をもう一度回転させて、可動部材1650を細長い部材1602から延ばす。次に、固定ロッド1675を挿入装置1600から分離し、固定ロッド1675を所定の位置に残したまま、挿入装置1600を患者から取り外す。例えば、2つの骨ねじ650を互いから離間して配置された2つの別個の挿入部位から椎骨に挿入する実施形態では、挿入装置1600(又は任意の側部挿入装置1700)は、皮膚及び筋肉を貫く付加的な切開を骨ねじ650の挿入部位間に行う必要がなく、固定ロッド1675を皮膚及び筋肉の下で骨ねじ650に挿入できるという利点を提供することができる。このような処置は、身体の外傷を最小にすることができる。固定ロッド1675を挿入装置から分離する場合、固定ロッド1675を患者の中に骨ねじ650のヘッド部分652を貫通して挿入する任意の手段を考えることが好ましいことに留意すべきである。
【0120】
挿入装置1600に代わりに、挿入装置1700を用いて、ロッド1750を患者の中に骨ねじ650のヘッド部分652を貫通させて挿入してもよい。挿入装置1700は、本体部分1702と、係合部分1704とを含むのがよい。図17に示すように、挿入装置1700は、上述したような挿入カニューレの上部に接続されるのがよい。他の処置においては、挿入装置1700は、作業用カニューレ475又は開創器500の上部に接続されてもよい。さらに、挿入装置1700は、作業用カニューレ475、開創器500、及び/又は挿入カニューレの長さ方向に沿った任意の位置において、作業用カニューレ475、開創器500、及び/又は挿入カニューレに直接的又は間接的に(別の構成部品を介して)取り付けられてもよい。
【0121】
係合部分1704は、例えば、作業用カニューレ475、開創器500、及び/又は挿入カニューレの近位端部のねじ山(図示せず)に係合させるためのねじ山(図示せず)を有する。代替的に、係合部分1704は、作業用カニューレ475、開創器500、及び/又は挿入カニューレ上のクリップ係合部分に係合させるためのクリップ(図示せず)を有していてもよい。しかしながら、当業者は2つの部品を接続する任意の周知方法を考えてもよい。
【0122】
ロッド1750は、挿入装置1700に対して回転可能である。例えば、ロッド1750の一部を、ロッド1750が開口1710内で回転できるように挿入装置1700の開口1710に挿入し、挿入装置1700に固定するのがよい。ロッド1750は、弧状の移動経路を定めるように形成されるのがよい。1つよりも多い、即ち、2つ以上の挿入カニューレを用いる場合、挿入カニューレを互いに対して固定するのがよい。この場合、挿入カニューレに取り付けられた骨ねじ650のヘッド部分652も、固定された配向になる。挿入カニューレ及びヘッド部分652の配向は、ロッド1750の移動経路を設定する要因である。ロッド1750をヘッド部分に挿入するために、患者の身体の外側の位置から始まるロッド1750を、弧に沿って患者の身体内に移動させ、ロッド1750を骨ねじ650のヘッド部分652に貫通させる。次に、ロッド1750の残りの部分を身体から取り出すとき、ロッド1750の一部をロッド1750の残りの部分から分離し、骨ねじ650内に残す。作業用カニューレ475、開創器500、及び/又は挿入カニューレに接続され、且つ、固定ロッドを弧状の経路に沿って骨ねじ650の中に移動させる任意の装置を考えてもよいことを認識すべきである。
【0123】
〔b.上部挿入装置〕
図18は、骨ねじ650の上部又は上方から固定ロッドを挿入するために用いるロッド挿入装置の実施形態を示す。ロッド挿入装置1800は、遠位端部1802と、近位端部1804とを有する。挿入装置1800はまた、互いに回転可能に接続される第1の細長い部材1806及び第2の細長い部材1808を含む。第1の細長い部材1806は、第1のジョー部分1803を有するのがよく、第2の細長い部材1808は、第2のジョー部分1805を有する。ジョー部分1803、1805は、これらの間に固定ロッドを挿入することができる係合部分1807を構成する。第1の細長い部材1806及び第2の細長い部材1808は両方とも、それぞれの把持部分1810、1812を有し、操作者が、把持部分1810、1812を保持し、細長い部材1806、1808を互いに対して移動させることを可能にする。1つの実施形態では、把持部分1810、1812は、操作者が少なくとも1本の指を置くことができるはさみ型把持部分である。さらに、把持部分1810、1812は、細長い部材1806、1808を互いに対して一定の位置に保持するためのロック機構1814を有するのがよい。1つの実施形態では、ロック機構1814は、細長い部分1806、1808を一定の間隔で互いに対して固定する噛み合い歯1815を有するのがよい。
【0124】
作動の際、操作者は、把持部分1810及び1812を分離させる。このことにより、ジョー部分1803、1805を互いから遠ざかるように移動させ、係合部分1807のサイズを、固定ロッドを受け入れるように増大させる。固定ロッドを係合部分1807に挿入したら、操作者は、把持部分1810、1812を元に戻し、固定ロッドを係合部分1807のジョー部分1803、1805の間に固定する。細長い部材1806、1808を所定の位置にロック機構1814によって保持する。次に、操作者は、挿入装置1800を用いて、ロッド1900等のロッドを挿入カニューレ1100(図19A)及び/又はカニューレ1200(図19B)に沿って、ねじ650の上部から挿入する。固定ロッドに取り付けられるその他の器具を用いて、固定ロッドを骨ねじ内に移動させてもよいことを理解すべきである。
【0125】
〔c.侵襲性の少ない手術方法〕
外科医は、脊椎固定処置を行うために、脊椎のX線撮影画像を用いて、患者の背中の上の1つ又は2つ以上の挿入箇所を決める。次に、行うべき処置及び用いるべき器具に応じて、1つ又は2つ以上の切開を行う。切開部の長さは、例えば、約1cmから約10cm、より好ましくは約2cmから約5cmである。トロカール100を切開部に挿入し、それに続いて、ガイドワイヤ150を椎骨に隣接して又は椎骨の中に配置する。ガイドワイヤ150を椎骨に挿入するために、ハンマ又は他の外科用ツールを用いて、ガイドワイヤ150又はキャップ152を打つのがよい。ガイドワイヤ150が所定の位置にある状態で、トロカール100を取り外す。トロカール100が必要でない場合があり、ガイドワイヤ150を切開部から椎骨に隣接して又は椎骨の中に直接配置してもよいことに留意すべきである。
【0126】
次に、挿入装置200を、ガイドワイヤ150に伝わらせて椎骨に向かって下方に移動させる。挿入装置200に、順番に大きくなる拡張器を挿入することによって、切開部を拡張させる。しかしながら、1つの実施形態では、挿入装置200を用いることなく、拡張器350をガイドワイヤ150に伝わらせて直接挿入してもよい。1つの実施形態では、切開部を、行うべき処置に適切な寸法まで拡張させたら、最も大きい拡張器350の上に作業用カニューレ475又は開創器500を挿入する。幾つかの実施形態では、切開部を拡張させるために、作業用カニューレ475及び/又は開創器500を用いることなく、骨ねじ650及び/又は挿入カニューレを身体に直接挿入してもよいことを理解すべきである。1つの実施形態では、挿入装置200と類似した挿入装置に挿入カニューレを取り付けるのがよい。挿入カニューレ及び挿入装置を、1つのユニットとして切開部に椎骨まで挿入するのがよい。作業用カニューレ475、開創器500、及び/又は挿入カニューレを所定の位置に配置したら、挿入装置200及び/又は拡張器350を患者から取り出す。ガイドワイヤ150は、所定の位置に残しておいてもよいし、取り出してもよい。(例えば、トロカール100、ガイドワイヤ150、挿入装置200、及び/又は拡張器350を用いることなく)作業用カニューレ475、開創器500、又は挿入カニューレを切開部に直接挿入してもよいことに留意すべきである。拡張プロセスは、各々の切開部について繰り返してもよい。
【0127】
作業用カニューレ475、開創器500、及び/又は挿入カニューレによって、開口を形成することができる。単一の挿入カニューレを単一の開口に挿入することができる実施形態では、開口の直径は、例えば、約1cm〜約4cm、より好ましくは約1.5cm〜約3cmである。さらに、単一の開口を通して1つ以上の挿入カニューレを挿入することができる実施形態では、開口の直径は、例えば、約2cm〜約10cm、より好ましくは約2cm〜約5cmである。しかしながら、開口は、楕円形、円形、卵形、正方形、矩形、又は他の多角形等の任意の形状にできることに留意すべきである。
【0128】
作業用カニューレ475を用いる実施形態では、ドリル1350を、ガイドワイヤ150(存在する場合)に伝わらせて作業用カニューレ475に挿入し、ドリル1350を回転させて、1つ又は2つ以上の骨ねじ650を配置すべき椎骨内に1つ又は2つ以上のキャビティを形成する。作業用カニューレ475が十分大きい場合、作業用カニューレ475を通して全体の処置を行うことができる。さらに、開創器500を用いる実施形態では、開創器500のブレード502を広げ、開創器500のブレード502によって形成された開口内で、全体の外科的処置を行う。ドリル1350をガイドワイヤ150(存在する場合)に伝わらせて挿入し、ドリル1350を用いて、椎骨内に1つ又は2つ以上の孔をあける。代替的に、作業用カニューレ475及び/又は開創器500を通してアクセスできる孔を任意の椎骨に形成するために、操作者が、(ガイドワイヤ150を用いることなく)ドリル1350を用いてもよい。幾つかの実施形態では、多数のキャビティを形成するために、多数のガイドワイヤ150を用い、多数のガイドワイヤ150により、多数のツールを骨に案内する。孔をあけるために、挿入カニューレを通してドリルを配置してもよいことも理解すべきである。
【0129】
1つの実施形態では、孔あけ工程の後、ねじ回し1500、1550を用いて、1つ又は2つ以上のシャンク部分654(図2C参照)を椎骨に挿入する。このような実施形態では、続いて、ヘッド部分652及びシャンク部分654を接続するために、押圧装置2000(図20A参照)を用いる。図20Bに示すように、ヘッド部分652を挿入カニューレ1200の遠位端部に接続し、押圧装置2000を挿入カニューレ1200に挿入する。次に、このアセンブリ全体を、作業用カニューレ475及び/又は開創器500に挿入する。操作者によって、並進力を押圧装置2000に付与し、ヘッド部分652をシャンク部分654に係合させ、ヘッド部分652をシャンク部分654の上にスナップ嵌めさせる。その後、組み立て後の骨ねじ650に挿入カニューレ1200を取り付けたままの状態で、押圧装置2000を挿入カニューレ1200から取り外す。挿入カニューレ700、800、900、1000、又は1100を用いて同じ方法を実行してもよい。幾つかの実施形態では、押圧機構を挿入カニューレ自体としてもよく、押圧装置2000が不要である場合もある。操作者は、ヘッド部分652を挿入カニューレ700、800、900、1000、1100、又は1200に取り付け、並進力を挿入カニューレに付与し、ヘッド部分652をシャンク部分654上に挿入する。
【0130】
さらに、シャンク部分654及びヘッド部分652を別個に身体に挿入する1つの実施形態では、患者に開口を形成するための拡張機構を用いない。このような実施形態では、患者の皮膚を通して切開部を形成する。ガイドワイヤ150を、切開部を通して椎骨まで挿入する。シャンク部分654を、ガイドワイヤ150に伝わらせて挿入し、椎骨内に前進させる。ヘッド部分652、挿入カニューレ、及び押圧装置2000(用いられる場合)を互いに接続し、それらを1つのユニットとして、ヘッド部分652がシャンク部分654に係合するまでガイドワイヤ150に伝わらせて挿入する。ヘッド部分652をシャンク部分654に取り付け、続いて、押圧装置2000(用いられる場合)を身体から取り出し、組み立て後の骨ねじ650及び挿入カニューレを身体内に残す。
【0131】
他の実施形態では、上述のように、骨ねじ650を、挿入カニューレ700、800、900、1000、1100、及び/又は1200に接続する及び/又は固定する。次に、(骨ねじ650が取り付けられた)1つ又は2つ以上の挿入カニューレ700、800、900、1000、1100、及び/又は1200を、作業用カニューレ475又は開創器500に挿入し、ガイドワイヤ(存在する場合)によって案内させる。1つの実施形態では、挿入カニューレ700、800、900、1100、及び/又は1200を、骨ねじ650を用いずに、切開部、作業用カニューレ475、又は開創器500の中に配置する。その後、挿入カニューレ700、800、900、1100、及び/又は1200に沿って、骨ねじ650を挿入する。他の実施形態では、骨ねじ650を、作業用カニューレ475又は開創器500の中を通して挿入し、ドリル1350によって形成されたキャビティの中に前進させる。次に、挿入カニューレ700、800、900、1000、1100、及び/又は1200を、作業用カニューレ475又は開創器500の中を通して挿入して、骨ねじ650に接続する及び/又は固定する。
【0132】
ねじ回し1500、1550等の埋め込み機構を用いて、骨ねじ650を椎骨内前進させる。挿入カニューレを身体内に配置する前又は配置した後、ねじ回し1500、1550を挿入カニューレ700、800、900、1100、及び/又は1200に挿入する。挿入カニューレを身体に挿入した後でねじ回し1500、1550、及びねじ650を挿入カニューレに挿入する実施形態では、ねじ回し1500、1550を用いて、骨ねじ650を、挿入カニューレ700、800、900、1100、及び/又は1200の遠位端部に向かって下方に移動させる。カニューレ1000を用いる実施形態では、カニューレ1000及び骨ねじ650を身体内に配置する前又は配置した後、ねじ回し1500を挿入カニューレ1000に挿入する。さらに、当業者であれば、挿入カニューレを埋め込み機構とすることができ、挿入カニューレを用いて、骨ねじ650を骨内に前進させてもよいことを認識すべきである。このような実施形態では、ねじ回し1500、1550は不要であることがある。例えば、ヘッド部分652及びシャンク部分654が単一の一体部品である(例えば、ヘッド及びシャンクが一定の配向を有する)実施形態では、挿入カニューレを骨ねじ650に対して固定するとき、挿入カニューレを回転させて、シャンク部分654を椎骨に挿入する。
【0133】
骨ねじ650を椎弓根の上方に適切に配置し、ドリル1350によって孔を形成した状態で、ねじ回し1500、1550を回転させ、骨ねじ650のシャンク部分654を椎骨の椎弓根内に前進させる。ねじ付きシャンク部分654がセルフタッピンである実施形態では、骨ねじ650を回転させると、シャンク部分654が椎骨に固定される。さらに、挿入カニューレ700、800、900、1100、及び/又は1200を通して骨ねじを下方に挿入する実施形態では、骨ねじ650を回転させ、骨ねじ650を、それが挿入カニューレ700、800、900、1100、及び/又は1200の遠位端部に近づくように移動させる。骨ねじ650を望ましい程度まで椎骨に入れたら、ねじ回し1500、1550をねじ650から分離し、患者から取り外す。
【0134】
カニューレ700、800、900、1100、及び/又は1200を用いる実施形態では、ポジショナ1450を、挿入カニューレ700、800、900、1100、及び/又は1200の中を通して配置し、ガイドワイヤ(存在する場合)に伝わらせて案内させる。ポジショナ1450を用いて、骨ねじ650のヘッド部分652を回転させ、チャネル666を、それに対応する挿入カニューレ700、800、900、1100、及び/又は1200のチャネルと整列させる。次に、上述のように、挿入カニューレ700、800、900、1100、及び/又は1200を骨ねじ650に固定する。挿入カニューレ700、800、900、1100、及び/又は1200を骨ねじ650に固定する前又は固定した後、ポジショナ1450を取り外す。
【0135】
幾つかの実施形態では、骨ねじ650を身体に挿入し且つ/又は骨内に前進させる前、挿入カニューレ700、800、900、1000、1100、及び/又は1200を骨ねじ650に対して固定することに留意すべきである。このような実施形態では、骨ねじを骨に挿入しているとき、ねじ回し1500、1550を用いて、挿入カニューレ700、800、900、1000、1100、及び/又は1200を回転させる。このような構成は、操作者が、それぞれの挿入カニューレのチャネルを身体の外側にある骨ねじ650のチャネル666と整列させることを可能にし、それにより、外科医が直接的に見ることなく身体の内側でチャネルを整列させる必要性がなくなるという利点を提供することができる。
【0136】
ヘッド部分652を固定した状態において、ヘッド部分652が挿入カニューレ700、800、900、1000、1100、1200に対して軸方向及び/又は回転方向に移動することが防止される。同時に、ヘッド部分652は、シャンク部分654の周りにピボット運動することができる。このように、操作者は、挿入カニューレを用いて骨ねじ650のヘッド部分652を配向させ、チャネル666を、隣接した骨ねじ650のチャネル666と整列させる。その後、骨ねじ650のヘッド部分652に固定ロッドを挿入する。
【0137】
外科医が用いる挿入カニューレ及び/又はロッド挿入装置によって、骨ねじ650の上部又は側部から固定ロッドを挿入する。側部から固定ロッドを挿入する処置においては、挿入カニューレが収容された切開部からある距離をおいて、切開(骨ねじ650が配置された切開部とは別個の)を行う。ロッドをねじ650の上部から挿入し、別個の挿入カニューレ(別個の開口内の)を通して骨ねじ650を挿入する処置においては、挿入カニューレ間の皮膚及び筋肉を通して切開を行い、ロッドを椎骨まで配置する。作業用カニューレ475又は開創器500を用いる実施形態では、挿入カニューレの間に組織が存在しないため、ねじ650の上部からロッドを挿入するときに別個の切開部を形成する必要がない。
【0138】
挿入装置1600、1700、又は1800を用い、感触によって又はX線写真の誘導によって、固定ロッドを所定の位置に案内してもよい。挿入装置1600を用いる実施形態では、作業用カニューレ475、開創器500、及び/又は挿入カニューレ700、800、900、1000、1100、1200を挿入するために用いられる切開部からある距離をおいて、別個の切開を行う。上述したように、挿入装置1600をロッド1675に固定する。挿入装置1600を用い、ロッド1675を別の切開部から隣接した骨ねじ650間に位置する皮膚及び筋肉の下を通して、骨ねじ650の側部から骨ねじ650のチャネル666内に案内する。挿入装置1600をロッド1675から分離し、患者から取り外す。ロッドを骨ねじ650に固定する前又は固定した後、分離する工程を行う。挿入装置1600が、身体の外側に配置される挿入カニューレのいずれの部分にも接触又は係合することができない(例えば、挿入装置1600が身体内にのみ配置された挿入カニューレの一部に接触することができる)方法で、挿入装置1600を用いるのがよい。
【0139】
別の実施形態では、挿入装置1700の係合部分1704を作業用カニューレ475、開創器500、及び/又は挿入カニューレに係合させる。隣接した挿入カニューレを、互いに対して一定の向きに配置されるように互いに接続する。上記の挿入装置1600を用いる挿入装置と同様、患者に別個の切開部を形成する。ロッド1750を別個の切開部の中に通して、隣接したねじ650間に位置している皮膚及び筋肉の下で回転させ、骨ねじ650の側方から骨ねじ650のチャネル666内に挿入する。ロッド1750の一部を挿入装置1700から分離し、ロッド1750の残りを患者から取り外す。
【0140】
挿入装置1800を用いる実施形態では、固定ロッドを、ジョー部1803と1805との間の係合部分1807に挿入する。ロック機構1814の噛合い歯1815を係合させることによって、ジョー部1803及び1805を固定ロッドの上の所定位置にロックする。次に、図19A及び図19Bに示すように、挿入装置1800を用いて、固定ロッドをカニューレ1100又は1200の中に通して、骨ねじ650のヘッド部分652の中に配置する。固定ロッドを骨ねじ650に固定する前又は固定した後、挿入装置1800を固定ロッドから分離し、患者から取り外す。
【0141】
患者の別個の開口を通して2つ又はそれ以上のカニューレ1100、1200を身体に挿入する1つの実施形態では、固定ロッドを一方のカニューレ1100、1200に沿って挿入し、皮膚の下で回転させ、少なくとも1つの他方のカニューレ1100、1200に挿入する。側方からの挿入技術と同様、こうした技術は、2つ又はそれ以上のカニューレ1100、1200間の皮膚及び筋肉貫く付加的な切開を行う必要なく、固定ロッドを皮膚及び筋肉の下を通して骨ねじ650に挿入することを可能にするという利点を提供する。
【0142】
外科医は、作業用カニューレ475、開創器500、及び/又は挿入カニューレの中を見下ろすことによって、ロッドが骨ねじ650を貫くように挿入されていることを直接見ることができる。しかしながら、幾つかの技術においては、操作者は、自分の手及び/又は指を用いる任意の装置も用いることなく、挿入カニューレに沿って及び/又は挿入カニューレの中に、固定ロッドを挿入してもよいことを理解すべきである。固定ロッドを挿入しているとき、挿入カニューレを操作して、固定ロッドの導入をさらに容易にしてもよい。
【0143】
固定ロッドを骨ねじ650のチャネル666内に固定するために、図6Aに示すようなロックキャップ681をヘッド部分652内にねじ込む。ロックキャップねじ回し2100(図21参照)を用いて、ロックキャップ681を挿入カニューレに沿って移動させる。ロックキャップねじ回し2100のプロング2102は、ロックキャップ681上の受け部分(図示せず)に係合する。次に、ねじ回し2100を回転させ、ロックキャップ681の雄ねじ部分680がヘッド部分652の雌ねじ部分672に係合させる。この工程は、各々の骨ねじ650について繰り返してもよい。当業者であれば、固定ロッドを骨ねじ650に保持することが可能な限り、任意のロックキャップ(例えば、ナット、クリップ等)を用い得ることを認識すべきである。例えば、ロックキャップが、ヘッド部分652の周りに配置することができるナット(図示せず)である幾つかの実施形態では、ロックキャップをねじ650に係合させる前に、挿入カニューレを身体から取り出す。さらに、ロックキャップねじ回しが、異なる形状のロックキャップに対応するように異なる配向を有してもよい(例えば、ロックキャップねじ回しは、ロックキャップの対応する六角形の凹部に係合するように六角形の部分を有することができる)ことも認識するであろう。他の実施形態では、ロックキャップねじ回しは不要である(例えば、ロックキャップが、ヘッド部分652の上にねじ込まれるナットであることが可能な場合)。図22に示すように、全てのロックキャップ681を骨ねじ650内に配置したら、固定ロッドを骨ねじ650に対して固定する。
【0144】
作業用カニューレ475、開創器500、及び/又は挿入カニューレを、骨ねじ650から分離し、患者から取り出す。開口を、当業者に周知の方法によって閉じる。
【0145】
上記の説明及び図面は、本発明の好ましい実施形態を示すが、添付の特許請求の範囲に定められる本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、種々の追加、修正、及び代用を本明細書になし得ることを理解するであろう。特に、本発明は、その精神又は本質的な特徴から逸脱することなく、他の特定の形態、構造、構成、割合において、かつ、他の要素、材料、及び構成部品を用いて具体化できることが、当業者には明らかであろう。当業者であれば、本発明の原理から逸脱することなく、特定の環境及び作動要件に特に適合された、本発明の実施に用いられる、構造、構成、割合、材料、及び構成部品、並びに他のものの多くの修正と共に本発明を用い得ることを認識するであろう。したがって、ここに開示された実施形態は、全ての点で、例示とみなすべきであって制限とみなすべきではなく、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって示されており、上記の説明に制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0146】
【図1】トロカールの例示的な実施形態、及び脊椎内に配置されたガイドワイヤの例示的な実施形態の側面図である。
【図2】挿入装置の例示的な実施形態の部分断面図である。
【図3A】拡張器の例示的な実施形態の側面図である。
【図3B】A−Aに沿った図3Aの拡張器の平面図である。
【図4A】作業用カニューレの例示的な実施形態の部分断面図である。
【図4B】図4Aの作業用カニューレの平面図である。
【図5A】閉鎖位置にある開創器の例示的な実施形態の斜視図である。
【図5B】開放位置にある開創器の例示的な実施形態の斜視図である。
【図6A】ねじの例示的な実施形態の断面図である。
【図6B】図6Aのねじの例示的な実施形態の平面図である。
【図7A】挿入カニューレの例示的な実施形態の斜視図である。
【図7B】図7Aの挿入カニューレの内側部分の例示的な実施形態の斜視図である。
【図7C】図7Bの内側部分の平面図である。
【図7D】図7Aの挿入カニューレの外側部分の例示的な実施形態の部分断面図である。
【図7E】図7Dの外側部分の斜視図である。
【図7F】図6Aのねじに係合する第1の位置にある図7Aの挿入カニューレの斜視図である。
【図7G】図6Aのねじに係合する第2の位置にある図7Aの挿入カニューレの斜視図である。
【図7H】図7Aの挿入カニューレの別の斜視図である。
【図8A】挿入カニューレの別の例示的な実施形態の斜視図である。
【図8B】図8Aの挿入カニューレの内側部分の例示的な実施形態の斜視図である。
【図8C】図8Bの内側部分の平面図である。
【図8D】図8Aの挿入カニューレの外側部分の例示的な実施形態の部分断面図である。
【図8E】図8Dの外側部分の斜視図である。
【図9A】挿入カニューレの別の例示的な実施形態の斜視図である。
【図9B】図9Aの挿入カニューレの部分の例示的な実施形態の斜視図である。
【図9C】図9Bの部分の平面図である。
【図9D】図9Bの部分に挿入するための細長い部品の例示的な実施形態の斜視図である。
【図10A】挿入カニューレの別の例示的な実施形態の斜視図である。
【図10B】図10Aの挿入カニューレの外側部分の例示的な実施形態の断面図である。
【図10C】図10Aの挿入カニューレの内側部分の例示的な実施形態の断面図である。
【図10D】図10Aの挿入カニューレの断面図である。
【図11A】挿入カニューレの別の例示的な実施形態の斜視図である。
【図11B】図6Aのねじを係合する、図11Aの挿入カニューレの斜視図である。
【図12A】挿入カニューレの別の例示的な実施形態の斜視図である。
【図12B】図6Aのねじを係合する、図12Aの挿入カニューレの側面図である。
【図13A】ドリルの例示的な実施形態の側面図である。
【図13B】カニューレを通して脊椎内に孔をあける、図13Aのドリルの側面図である。
【図13C】図13Aのドリルのドリルビットの例示的な実施形態の側面図である。
【図13D】図13Aのドリルのドリルビットの例示的な実施形態の側面図である。
【図14】インプラントポジショナの例示的な実施形態の側面図である。
【図15A】ねじ回しの例示的な実施形態の側面図である。
【図15B】図15Aのねじ回しの内側シャフトの例示的な実施形態の側面図である。
【図15C】図15Aのねじ回しの第1のスリーブの例示的な実施形態の部分断面図である。
【図15D】図15Aのねじ回しの第2のスリーブの例示的な実施形態の断面図である。
【図15E】例示的なハンドル部分を有する、図15Aのねじ回しの側面図である。
【図15F】図12Aの挿入カニューレ内に配置され、図6Aのねじに係合する、図15Aのねじ回しの側面図である。
【図15G】ねじ回しの別の例示的な実施形態の側面図である。
【図16A】ロッド挿入装置の例示的な実施形態の斜視図である。
【図16B】図16Aのロッド挿入装置の部分断面図である。
【図16C】図16Aのロッド挿入装置の可動部材の例示的な実施形態の側面図である。
【図17】挿入カニューレに係合し、図6Aのねじを通してロッドが配置されたロッド挿入装置の別の例示的な実施形態の側面図である。
【図18】ロッド挿入装置の別の例示的な実施形態の側面図である。
【図19A】図11Aの挿入カニューレに挿入されるロッドの例示的な実施形態の斜視図である。
【図19B】図12Aの挿入カニューレに挿入されるロッドの別の例示的な実施形態の斜視図である。
【図20A】押圧器の例示的な実施形態の側面図である。
【図20B】図12Aの挿入カニューレ内に配置された、図20Aの押圧器の例示的な実施形態の側面図である。
【図20C】図6Aのねじのシャンク部分の例示的な実施形態の側面図である。
【図21】ロックキャップねじ回しの例示的な実施形態の斜視図である。
【図22】脊椎に取り付けられた固定システムの例示的な実施形態の斜視図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の開口を通して脊椎固定装置を椎骨内に埋め込むためのシステムであって、
カニューレを有し、このカニューレは、近位端部と、遠位端部と、前記近位端部から前記遠位端部まで延びる通路と、前記通路と交差する少なくとも1つのスロットと、前記脊椎固定装置に係合するための可撓性部分と、を有し、
前記少なくとも1つのスロットは、細長い固定装置を受け入れる寸法及び形態を有するシステム。
【請求項2】
前記開口を形成するために、切開部の寸法を大きくするための拡張機構を更に有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記拡張機構は、前記切開部を通して挿入される少なくとも2つのブレードを有する開創器を含み、前記少なくとも2つのブレードは、前記開口を形成するために広げられるように構成される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記拡張機構は、細長い円筒形状を有する少なくとも1つの拡張器を有し、この拡張器は、それを貫通するチャネルを有する、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記拡張機構は、更に、開創器を有し、前記開創器は、開放位置及び閉鎖位置をもつ少なくとも2つのブレードを有し、前記少なくとも2つのブレードは、前記閉鎖位置において前記少なくとも1つの拡張器の上に挿入されるように構成され、且つ、前記開口を形成するために前記開放位置に移動するように構成される、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記拡張機構は、更に、挿入装置を有し、
前記挿入装置は、細長い部分と、近位端部と、遠位端部と、前記細長い部分の遠位端部に位置する拡大部分と、を有し、
前記少なくとも1つの拡張器は、その内部に前記挿入装置を受け入れるように構成される、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記拡張機構は、更に、作業用カニューレを有し、
前記作業用カニューレは、近位端部と、遠位端部と、前記近位端部から前記遠位端部まで延びるチャネルと、を有し、前記作業用カニューレのチャネルは、前記少なくとも1つの拡張器を受け入れるような寸法及び形態を有する、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記拡張機構は、挿入装置を含み、
前記挿入装置は、細長い部分と、近位端部と、遠位端部と、前記細長い部分の遠位端部に位置する拡大部分と、を有し、
前記挿入装置は、前記カニューレの通路内に受けられる寸法及び形態を有する、請求項2に記載のシステム。
【請求項9】
前記可撓性部分は、互いに反対側に位置する2つのスロットによって定められる一対のアームであり、前記一対のアームは、前記脊椎固定装置の上にスナップ嵌めするように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記可撓性部分は、少なくとも1つの可撓性部材を有し、前記可撓性部材は、第1の端部分及び第2の端部分を有し、前記第1の端部分は、前記カニューレに作動可能に接続され、前記第2の端部分は、前記カニューレに対して自由に移動可能であり、且つ、前記脊椎固定装置に係合する寸法及び形態を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記カニューレは、内側カニューレシャフトと、外側カニューレシャフトと、を有し、
前記内側カニューレシャフトは、近位端部と、遠位端部と、貫通するボアと、を有し、
前記外側カニューレシャフトは、近位端部と、遠位端部と、貫通するボアと、を有し、
前記外側カニューレシャフトのボアは、前記内側カニューレシャフトを受け入れる寸法及び形態を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記可撓性部分は、少なくとも1つの可撓性部材を有し、前記可撓性部材は、第1の端部分及び第2の端部分を有し、前記第1の端部分は、前記内側カニューレシャフトに作動可能に接続され、前記第2の端部分は、前記内側カニューレシャフトに対して自由に移動可能であり、前記外側カニューレシャフトは、第1の位置から第2の位置まで前記内側カニューレシャフトに沿って移動し、且つ、前記少なくとも1つの可撓性部材の第2の端部分を前記脊椎固定装置に向かって移動させる寸法及び形態を有する、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記内側カニューレシャフトは、スロットを有し、前記外側カニューレシャフトは、前記スロットと係合可能な突起部を有する、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記スロットは、少なくとも1つのノッチを有し、且つ、前記外側カニューレシャフトを前記内側カニューレシャフト上の少なくとも1つの箇所に配置する寸法及び形態を有する、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
更に、前記脊椎固定装置を椎骨内に埋め込むための埋め込み機構を有し、
前記埋め込み機構は、シャフトを有し、前記シャフトは、近位端部と、遠位端部と、前記脊椎固定装置に係合する寸法及び形態を有し且つ前記遠位端部に位置する係合部分と、を有し、
前記埋め込み機構は、前記カニューレの通路に挿入される寸法及び形態を有する、請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
前記埋め込み機構は、前記係合部分に位置する突起を含み、前記内側カニューレシャフトは、長手方向凹部を含み、前記突起は前記長手方向凹部に沿って移動可能であり、前記突起及び前記長手方向凹部は、前記カニューレの少なくとも1つのスロットを前記脊椎固定装置に対して整列させるように構成される、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記カニューレは、長手方向凹部を含むカニューレシャフトと、前記凹部内に配置可能な細長い部材と、を有する請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
前記可撓性部分は、少なくとも1つの可撓性部材を有し、前記可撓性部材は、第1の端部分及び第2の端部分を有し、前記第1の端部分は、前記カニューレシャフトに作動可能に接続され、第2の端部分は、前記カニューレシャフトに対して自由に移動可能であり、前記細長い部材は、前記少なくとも1つの可撓性部材に係合する寸法及び形態を有し、前記少なくとも1つの可撓性部材を前記脊椎固定装置に向かって移動させる、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
更に、前記カニューレの通路に挿入される寸法及び形態を有するインプラントポジショナを有し、前記インプラントポジショナは、細長いシャフトと、近位端部と、遠位端部と、前記遠位端部に位置する係合部分と、を有し、前記係合部分は、前記脊椎固定装置に係合し且つ前記脊椎固定装置を前記カニューレに対して操作する寸法及び形態を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項20】
更に、前記脊椎固定装置を椎骨内に埋め込むための埋め込み機構を有し、前記埋め込み機構は、シャフトを有し、前記シャフトは、近位端部と、遠位端部と、前記遠位端部に位置する係合部分と、を有し、前記係合部分は、前記脊椎固定装置に係合する寸法及び形態を有し、
前記埋め込み機構は、前記カニューレの通路に挿入される寸法及び形態を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項21】
前記埋め込み機構は、更に、第1のスリーブを有し、前記第1のスリーブは、近位端部及び遠位端部を有し、且つ、前記シャフトの周りに配置可能である、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記脊椎固定装置は、ヘッド部分と、シャンク部分と、を有し、
前記ヘッド部分は、前記細長い固定装置を受け入れるためのチャネルを有し、
前記埋め込み機構の係合部分は、突起部分と、少なくとも1つの肩部分と、を有し、前記突起部分は、前記脊椎固定装置の前記シャンク部分に係合し、前記少なくとも1つの肩部分は、前記脊椎固定装置のヘッド部分のチャネルに係合する、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記脊椎固定装置のヘッド部分は雌ねじ部を有し、前記第1のスリーブの遠位端部は、ねじ山付き部分を有し、該第1のスリーブのねじ山付き部分は、前記脊椎固定装置のヘッド部分の雌ねじ部に係合する寸法及び形態を有する、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記埋め込み機構は、更に、第2のスリーブを有し、前記第1のスリーブは、凹部を有し、前記第2のスリーブは、突起を有し、前記突起は、記第2のスリーブが前記第1のスリーブに対して軸方向に移動することを防止しながら前記第2のスリーブが前記第1のスリーブに対して回転することを可能にするように、前記凹部に係合する、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記埋め込み機構は、更に、前記シャフトの近位端部に位置する接続部分を有し、前記接続部分は、駆動機構に取り付け可能である、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
更に、前記脊椎固定装置に前記細長い固定装置を挿入するための固定装置挿入装置を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項27】
前記固定装置挿入装置は、細長いシャフトと、前記細長い固定ロッドに係合するために前記細長いシャフト内に配置された可動部材と、前記可動部材と作動可能に結合された作動機構と、を有し、前記作動機構は、前記可動部材を第1の位置と第2の位置との間で移動させるように構成される、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記固定装置挿入装置は、更にハンドル部分を有する、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記細長い固定ロッドは、前記可動部材に連結されるように構成された係合部分を有する、請求項27に記載のシステム。
【請求項30】
前記固定装置挿入装置は、それを前記カニューレに接続するように構成された連結部分と、受け入れ部分と、を有し、前記受け入れ部分は、前記細長い固定装置にピボット運動可能に係合するように構成され、且つ、前記細長い固定装置を弧に沿ってピボット運動させて前記脊椎固定装置内に挿入させるように構成される、請求項26に記載のシステム。
【請求項31】
前記細長い固定装置は、弧状のロッドである、請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
前記固定装置挿入装置は、第1のジョー部分を有する第1の細長い部材と、第2のジョー部分を有する第2の細長い部材と、を有し、前記第2の細長い部材は、前記第1の細長い部材にピボット運動可能に接続され、
前記第1のジョー部分及び第2のジョー部分は、前記細長い固定装置に係合するための係合部分を構成する、請求項26に記載のシステム。
【請求項33】
前記挿入装置は、更に、ロック機構を有し、前記ロック機構は、前記第1の細長い部材及び前記第2の細長い部材の相対的位置を固定するように構成される、請求項32に記載のシステム。
【請求項34】
前記脊椎固定装置は、チャネルを有するヘッド部分と、シャンク部分と、を有し、
前記カニューレは、更に、操作者が前記カニューレの少なくとも1つのスロットを前記脊椎固定装置のヘッド部分のチャネルと整列させることを可能にするように設計され且つ構成された視覚的インジケータを有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項35】
前記脊椎固定装置は、更に、ヘッド部分を有し、前記ヘッド部分は、外周と、この外周に位置する少なくとも1つの凹部と、を有し、前記カニューレの遠位端部は、前記ヘッド部分の少なくとも1つの凹部に係合するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項36】
更に、ロックキャップを有し、前記カニューレの通路は、前記ロックキャップを受け入れるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項37】
更に、ロックキャップねじ回しを有し、前記ロックキャップねじ回しは、細長いシャフトと、近位端部と、遠位端部と、前記遠位端部に位置する係合部分と、を有し、且つ、前記カニューレの通路内に配置されるように構成され、前記ロックキャップの係合部分は、前記ロックねじに係合する、請求項36に記載のシステム。
【請求項38】
患者の開口を通して脊椎固定装置を椎骨内に埋め込むためのシステムであって、
カニューレを有し、このカニューレは、近位端部と、遠位端部と、表面と、前記近位端から前記遠位端まで延びる通路と、を有し、前記遠位端部は、前記脊椎固定装置に係合するために前記表面上に位置するねじ山付き部分を有し、前記少なくとも1つのスロットは、細長い固定装置を受け入れるように構成されるシステム。
【請求項39】
前記開口を形成するために、患者の切開部の寸法を大きくするための拡張機構を更に有する、請求項38に記載のシステム。
【請求項40】
前記拡張機構は、細長い円筒形状を有する少なくとも1つの拡張器を有し、この拡張器は、それを貫通するチャネルを有する、請求項39に記載のシステム。
【請求項41】
前記拡張機構は、更に、開創器を有し、前記開創器は、開放位置及び閉鎖位置をもつ少なくとも2つのブレードを有し、前記少なくとも2つのブレードは、前記閉鎖位置において前記少なくとも1つの拡張器の上に挿入されるように構成され、且つ、前記開口を形成するために前記開放位置に移動するように構成される、請求項40に記載のシステム。
【請求項42】
前記少なくとも1つの拡張器は、外周を有し、前記拡張機構は、更に、作業用カニューレを有し、前記作業用カニューレは、近位端部と、遠位端部と、前記近位端部から前記遠位端部まで延びる通路と、を有し、且つ、前記少なくとも1つの拡張器の外周の上に挿入されるように構成される、請求項40に記載のシステム。
【請求項43】
前記拡張機構は、更に、挿入装置を有し、
前記挿入装置は、細長い部分と、近位端部と、遠位端部と、前記細長い部分の遠位端部に位置する拡大部分と、を有し、
前記カニューレの通路は、前記挿入装置を受け入れる寸法及び形態を有する、請求項38に記載のシステム。
【請求項44】
前記カニューレは、内側カニューレシャフトと、外側カニューレシャフトと、を有し、
前記内側カニューレシャフトは、近位端部と、遠位端部と、を有し、
前記外側カニューレシャフトは、近位端部と、遠位端部と、貫通するボアと、を有し、
前記外側カニューレシャフトは、前記内側カニューレシャフトを前記ボア内に受け入れるように構成され、且つ、前記内側カニューレシャフトの上を移動するように構成される、請求項38に記載のシステム。
【請求項45】
前記カニューレは、更に、挿入装置を有し、前記挿入装置は、ツールを受け入れるように構成された複数のフィンガを有する、請求項44に記載のシステム。
【請求項46】
前記脊椎固定装置は、ヘッド部分を有し、前記ヘッド部分は、雌ねじ部と、前記ヘッド部分を貫通するチャネルと、を有し、前記ねじ山付き部分は、前記内側カニューレシャフトの遠位端部に配置され、且つ、前記脊椎固定装置のヘッド部分の雌ねじ部に係合する寸法及び形態を有する、請求項44に記載のシステム。
【請求項47】
前記内側カニューレシャフトは、少なくとも1つの凹部を有し、前記外側カニューレシャフトは、少なくとも1つの突起を有し、前記突起は、前記少なくとも1つの凹部内で移動するように構成され、その結果、前記外側カニューレシャフトが第1の位置と第2の位置との間で移動可能である、請求項46に記載のシステム。
【請求項48】
前記外側カニューレシャフトは、その遠位端部に位置する少なくとも1つの拡張部分を有し、前記少なくとも1つの拡張部分は、前記脊椎固定装置のヘッド部分のチャネル内に配置可能に構成される、請求項47に記載のシステム。
【請求項49】
更に、前記脊椎固定装置を椎骨内に埋め込むための埋め込み機構を有し、
前記埋め込み機構は、シャフトを有し、前記シャフトは、近位端部と、遠位端部と、前記脊椎固定装置に係合する寸法及び形態を有し且つ前記遠位端部に位置する係合部分と、を有し、
前記埋め込み機構は、前記カニューレの通路に挿入される寸法及び形態を有する、請求項38に記載のシステム。
【請求項50】
更に、前記細長い固定装置を前記脊椎固定装置に挿入するための固定装置挿入装置を有する、請求項38に記載のシステム。
【請求項51】
前記固定装置挿入装置は、細長いシャフトと、前記細長い固定ロッドに係合するために前記細長いシャフト内に配置された可動部材と、前記可動部材と作動可能に結合された作動機構と、を有し、前記作動機構は、前記可動部材を第1の位置と第2の位置との間で移動させるように構成される、請求項50に記載のシステム。
【請求項52】
前記固定装置挿入装置は、更にハンドル部分を有する、請求項51に記載のシステム。
【請求項53】
前記細長い固定ロッドは、前記可動部材に連結されるように構成された係合部分を有する、請求項51に記載のシステム。
【請求項54】
患者の開口を通して脊椎固定装置を椎骨内に埋め込むためのシステムであって、
カニューレを有し、このカニューレは、近位端部と、遠位端部と、前記近位端部から前記遠位端部までの通路を定める少なくとも1つの側壁と、を有し、前記カニューレは、更に、前記少なくとも1つの側壁に位置し且つ前記通路と連通する少なくとも1つのスロットと、前記脊椎固定装置に係合するための可撓性部分とを有し、前記可撓性部分は、第1の端部分及び第2の端部分を有し、前記第1の端部分は、前記カニューレの少なくとも1つの側壁に作動可能に接続され、前記第2の端部分は、前記カニューレの通路の中に及びその外に自由に移動可能であり、且つ、前記脊椎固定装置と係合可能である、システム。
【請求項55】
更に、前記脊椎固定装置を椎骨内に埋め込むための埋め込み機構を有し、前記埋め込み機構は、シャフトを有し、前記シャフトは、近位端部と、遠位端部と、前記遠位端部に位置する係合部分と、を有し、前記係合部分は、前記脊椎固定装置に係合する寸法及び形態を有し、
前記埋め込み機構は、前記カニューレの通路に挿入される寸法及び形態を有する、請求項54に記載のシステム。
【請求項56】
前記埋め込み機構は、更に、第1のスリーブを有し、前記第1のスリーブは、近位端部及び遠位端部を有し、且つ、前記シャフトの周りに配置可能である、請求項55に記載のシステム。
【請求項57】
前記脊椎固定装置は、ヘッド部分と、シャンク部分と、を有し、
前記ヘッド部分は、前記細長い固定装置を受け入れるためのチャネルを有し、
前記埋め込み機構の係合部分は、突起部分と、少なくとも1つの肩部分と、を有し、前記突起部分は、前記脊椎固定装置の前記シャンク部分に係合し、前記少なくとも1つの肩部分は、前記脊椎固定装置のヘッド部分のチャネルに係合する、請求項56に記載のシステム。
【請求項58】
前記脊椎固定装置のヘッド部分は、雌ねじ部を有し、前記第1のスリーブの遠位端部は、ねじ山付き部分を有し、前記第1のスリーブのねじ山付き部分は、前記脊椎固定装置のヘッド部分の雌ねじ部に係合する寸法及び形態を有する、請求項57記載のシステム。
【請求項59】
前記カニューレの内径は約3mm〜約20mmである、請求項54に記載のシステム。
【請求項60】
前記カニューレの内径は約12mm〜約16mmである請求項59に記載のシステム。
【請求項61】
前記カニューレの外径は約3mm〜約20mmである請求項59に記載のシステム。
【請求項62】
前記カニューレの外径は約14mm〜約17mmである請求項61に記載のシステム。
【請求項63】
前記カニューレの長さは約40mm〜約200mmである請求項61に記載のシステム。
【請求項64】
前記カニューレの長さは約140mm〜約160mmである請求項63に記載のシステム。
【請求項65】
前記少なくとも1つのスロットの幅は約3mm〜約10mmであり、その高さは約30mm〜約160mmである請求項63に記載のシステム。
【請求項66】
前記少なくとも1つのスロットの幅は約5mm〜約8mmであり、その高さは約110mm〜約130mmである請求項65に記載のシステム。
【請求項1】
患者の開口を通して脊椎固定装置を椎骨内に埋め込むためのシステムであって、
カニューレを有し、このカニューレは、近位端部と、遠位端部と、前記近位端部から前記遠位端部まで延びる通路と、前記通路と交差する少なくとも1つのスロットと、前記脊椎固定装置に係合するための可撓性部分と、を有し、
前記少なくとも1つのスロットは、細長い固定装置を受け入れる寸法及び形態を有するシステム。
【請求項2】
前記開口を形成するために、切開部の寸法を大きくするための拡張機構を更に有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記拡張機構は、前記切開部を通して挿入される少なくとも2つのブレードを有する開創器を含み、前記少なくとも2つのブレードは、前記開口を形成するために広げられるように構成される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記拡張機構は、細長い円筒形状を有する少なくとも1つの拡張器を有し、この拡張器は、それを貫通するチャネルを有する、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記拡張機構は、更に、開創器を有し、前記開創器は、開放位置及び閉鎖位置をもつ少なくとも2つのブレードを有し、前記少なくとも2つのブレードは、前記閉鎖位置において前記少なくとも1つの拡張器の上に挿入されるように構成され、且つ、前記開口を形成するために前記開放位置に移動するように構成される、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記拡張機構は、更に、挿入装置を有し、
前記挿入装置は、細長い部分と、近位端部と、遠位端部と、前記細長い部分の遠位端部に位置する拡大部分と、を有し、
前記少なくとも1つの拡張器は、その内部に前記挿入装置を受け入れるように構成される、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記拡張機構は、更に、作業用カニューレを有し、
前記作業用カニューレは、近位端部と、遠位端部と、前記近位端部から前記遠位端部まで延びるチャネルと、を有し、前記作業用カニューレのチャネルは、前記少なくとも1つの拡張器を受け入れるような寸法及び形態を有する、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記拡張機構は、挿入装置を含み、
前記挿入装置は、細長い部分と、近位端部と、遠位端部と、前記細長い部分の遠位端部に位置する拡大部分と、を有し、
前記挿入装置は、前記カニューレの通路内に受けられる寸法及び形態を有する、請求項2に記載のシステム。
【請求項9】
前記可撓性部分は、互いに反対側に位置する2つのスロットによって定められる一対のアームであり、前記一対のアームは、前記脊椎固定装置の上にスナップ嵌めするように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記可撓性部分は、少なくとも1つの可撓性部材を有し、前記可撓性部材は、第1の端部分及び第2の端部分を有し、前記第1の端部分は、前記カニューレに作動可能に接続され、前記第2の端部分は、前記カニューレに対して自由に移動可能であり、且つ、前記脊椎固定装置に係合する寸法及び形態を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記カニューレは、内側カニューレシャフトと、外側カニューレシャフトと、を有し、
前記内側カニューレシャフトは、近位端部と、遠位端部と、貫通するボアと、を有し、
前記外側カニューレシャフトは、近位端部と、遠位端部と、貫通するボアと、を有し、
前記外側カニューレシャフトのボアは、前記内側カニューレシャフトを受け入れる寸法及び形態を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記可撓性部分は、少なくとも1つの可撓性部材を有し、前記可撓性部材は、第1の端部分及び第2の端部分を有し、前記第1の端部分は、前記内側カニューレシャフトに作動可能に接続され、前記第2の端部分は、前記内側カニューレシャフトに対して自由に移動可能であり、前記外側カニューレシャフトは、第1の位置から第2の位置まで前記内側カニューレシャフトに沿って移動し、且つ、前記少なくとも1つの可撓性部材の第2の端部分を前記脊椎固定装置に向かって移動させる寸法及び形態を有する、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記内側カニューレシャフトは、スロットを有し、前記外側カニューレシャフトは、前記スロットと係合可能な突起部を有する、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記スロットは、少なくとも1つのノッチを有し、且つ、前記外側カニューレシャフトを前記内側カニューレシャフト上の少なくとも1つの箇所に配置する寸法及び形態を有する、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
更に、前記脊椎固定装置を椎骨内に埋め込むための埋め込み機構を有し、
前記埋め込み機構は、シャフトを有し、前記シャフトは、近位端部と、遠位端部と、前記脊椎固定装置に係合する寸法及び形態を有し且つ前記遠位端部に位置する係合部分と、を有し、
前記埋め込み機構は、前記カニューレの通路に挿入される寸法及び形態を有する、請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
前記埋め込み機構は、前記係合部分に位置する突起を含み、前記内側カニューレシャフトは、長手方向凹部を含み、前記突起は前記長手方向凹部に沿って移動可能であり、前記突起及び前記長手方向凹部は、前記カニューレの少なくとも1つのスロットを前記脊椎固定装置に対して整列させるように構成される、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記カニューレは、長手方向凹部を含むカニューレシャフトと、前記凹部内に配置可能な細長い部材と、を有する請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
前記可撓性部分は、少なくとも1つの可撓性部材を有し、前記可撓性部材は、第1の端部分及び第2の端部分を有し、前記第1の端部分は、前記カニューレシャフトに作動可能に接続され、第2の端部分は、前記カニューレシャフトに対して自由に移動可能であり、前記細長い部材は、前記少なくとも1つの可撓性部材に係合する寸法及び形態を有し、前記少なくとも1つの可撓性部材を前記脊椎固定装置に向かって移動させる、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
更に、前記カニューレの通路に挿入される寸法及び形態を有するインプラントポジショナを有し、前記インプラントポジショナは、細長いシャフトと、近位端部と、遠位端部と、前記遠位端部に位置する係合部分と、を有し、前記係合部分は、前記脊椎固定装置に係合し且つ前記脊椎固定装置を前記カニューレに対して操作する寸法及び形態を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項20】
更に、前記脊椎固定装置を椎骨内に埋め込むための埋め込み機構を有し、前記埋め込み機構は、シャフトを有し、前記シャフトは、近位端部と、遠位端部と、前記遠位端部に位置する係合部分と、を有し、前記係合部分は、前記脊椎固定装置に係合する寸法及び形態を有し、
前記埋め込み機構は、前記カニューレの通路に挿入される寸法及び形態を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項21】
前記埋め込み機構は、更に、第1のスリーブを有し、前記第1のスリーブは、近位端部及び遠位端部を有し、且つ、前記シャフトの周りに配置可能である、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記脊椎固定装置は、ヘッド部分と、シャンク部分と、を有し、
前記ヘッド部分は、前記細長い固定装置を受け入れるためのチャネルを有し、
前記埋め込み機構の係合部分は、突起部分と、少なくとも1つの肩部分と、を有し、前記突起部分は、前記脊椎固定装置の前記シャンク部分に係合し、前記少なくとも1つの肩部分は、前記脊椎固定装置のヘッド部分のチャネルに係合する、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記脊椎固定装置のヘッド部分は雌ねじ部を有し、前記第1のスリーブの遠位端部は、ねじ山付き部分を有し、該第1のスリーブのねじ山付き部分は、前記脊椎固定装置のヘッド部分の雌ねじ部に係合する寸法及び形態を有する、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記埋め込み機構は、更に、第2のスリーブを有し、前記第1のスリーブは、凹部を有し、前記第2のスリーブは、突起を有し、前記突起は、記第2のスリーブが前記第1のスリーブに対して軸方向に移動することを防止しながら前記第2のスリーブが前記第1のスリーブに対して回転することを可能にするように、前記凹部に係合する、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記埋め込み機構は、更に、前記シャフトの近位端部に位置する接続部分を有し、前記接続部分は、駆動機構に取り付け可能である、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
更に、前記脊椎固定装置に前記細長い固定装置を挿入するための固定装置挿入装置を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項27】
前記固定装置挿入装置は、細長いシャフトと、前記細長い固定ロッドに係合するために前記細長いシャフト内に配置された可動部材と、前記可動部材と作動可能に結合された作動機構と、を有し、前記作動機構は、前記可動部材を第1の位置と第2の位置との間で移動させるように構成される、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記固定装置挿入装置は、更にハンドル部分を有する、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記細長い固定ロッドは、前記可動部材に連結されるように構成された係合部分を有する、請求項27に記載のシステム。
【請求項30】
前記固定装置挿入装置は、それを前記カニューレに接続するように構成された連結部分と、受け入れ部分と、を有し、前記受け入れ部分は、前記細長い固定装置にピボット運動可能に係合するように構成され、且つ、前記細長い固定装置を弧に沿ってピボット運動させて前記脊椎固定装置内に挿入させるように構成される、請求項26に記載のシステム。
【請求項31】
前記細長い固定装置は、弧状のロッドである、請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
前記固定装置挿入装置は、第1のジョー部分を有する第1の細長い部材と、第2のジョー部分を有する第2の細長い部材と、を有し、前記第2の細長い部材は、前記第1の細長い部材にピボット運動可能に接続され、
前記第1のジョー部分及び第2のジョー部分は、前記細長い固定装置に係合するための係合部分を構成する、請求項26に記載のシステム。
【請求項33】
前記挿入装置は、更に、ロック機構を有し、前記ロック機構は、前記第1の細長い部材及び前記第2の細長い部材の相対的位置を固定するように構成される、請求項32に記載のシステム。
【請求項34】
前記脊椎固定装置は、チャネルを有するヘッド部分と、シャンク部分と、を有し、
前記カニューレは、更に、操作者が前記カニューレの少なくとも1つのスロットを前記脊椎固定装置のヘッド部分のチャネルと整列させることを可能にするように設計され且つ構成された視覚的インジケータを有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項35】
前記脊椎固定装置は、更に、ヘッド部分を有し、前記ヘッド部分は、外周と、この外周に位置する少なくとも1つの凹部と、を有し、前記カニューレの遠位端部は、前記ヘッド部分の少なくとも1つの凹部に係合するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項36】
更に、ロックキャップを有し、前記カニューレの通路は、前記ロックキャップを受け入れるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項37】
更に、ロックキャップねじ回しを有し、前記ロックキャップねじ回しは、細長いシャフトと、近位端部と、遠位端部と、前記遠位端部に位置する係合部分と、を有し、且つ、前記カニューレの通路内に配置されるように構成され、前記ロックキャップの係合部分は、前記ロックねじに係合する、請求項36に記載のシステム。
【請求項38】
患者の開口を通して脊椎固定装置を椎骨内に埋め込むためのシステムであって、
カニューレを有し、このカニューレは、近位端部と、遠位端部と、表面と、前記近位端から前記遠位端まで延びる通路と、を有し、前記遠位端部は、前記脊椎固定装置に係合するために前記表面上に位置するねじ山付き部分を有し、前記少なくとも1つのスロットは、細長い固定装置を受け入れるように構成されるシステム。
【請求項39】
前記開口を形成するために、患者の切開部の寸法を大きくするための拡張機構を更に有する、請求項38に記載のシステム。
【請求項40】
前記拡張機構は、細長い円筒形状を有する少なくとも1つの拡張器を有し、この拡張器は、それを貫通するチャネルを有する、請求項39に記載のシステム。
【請求項41】
前記拡張機構は、更に、開創器を有し、前記開創器は、開放位置及び閉鎖位置をもつ少なくとも2つのブレードを有し、前記少なくとも2つのブレードは、前記閉鎖位置において前記少なくとも1つの拡張器の上に挿入されるように構成され、且つ、前記開口を形成するために前記開放位置に移動するように構成される、請求項40に記載のシステム。
【請求項42】
前記少なくとも1つの拡張器は、外周を有し、前記拡張機構は、更に、作業用カニューレを有し、前記作業用カニューレは、近位端部と、遠位端部と、前記近位端部から前記遠位端部まで延びる通路と、を有し、且つ、前記少なくとも1つの拡張器の外周の上に挿入されるように構成される、請求項40に記載のシステム。
【請求項43】
前記拡張機構は、更に、挿入装置を有し、
前記挿入装置は、細長い部分と、近位端部と、遠位端部と、前記細長い部分の遠位端部に位置する拡大部分と、を有し、
前記カニューレの通路は、前記挿入装置を受け入れる寸法及び形態を有する、請求項38に記載のシステム。
【請求項44】
前記カニューレは、内側カニューレシャフトと、外側カニューレシャフトと、を有し、
前記内側カニューレシャフトは、近位端部と、遠位端部と、を有し、
前記外側カニューレシャフトは、近位端部と、遠位端部と、貫通するボアと、を有し、
前記外側カニューレシャフトは、前記内側カニューレシャフトを前記ボア内に受け入れるように構成され、且つ、前記内側カニューレシャフトの上を移動するように構成される、請求項38に記載のシステム。
【請求項45】
前記カニューレは、更に、挿入装置を有し、前記挿入装置は、ツールを受け入れるように構成された複数のフィンガを有する、請求項44に記載のシステム。
【請求項46】
前記脊椎固定装置は、ヘッド部分を有し、前記ヘッド部分は、雌ねじ部と、前記ヘッド部分を貫通するチャネルと、を有し、前記ねじ山付き部分は、前記内側カニューレシャフトの遠位端部に配置され、且つ、前記脊椎固定装置のヘッド部分の雌ねじ部に係合する寸法及び形態を有する、請求項44に記載のシステム。
【請求項47】
前記内側カニューレシャフトは、少なくとも1つの凹部を有し、前記外側カニューレシャフトは、少なくとも1つの突起を有し、前記突起は、前記少なくとも1つの凹部内で移動するように構成され、その結果、前記外側カニューレシャフトが第1の位置と第2の位置との間で移動可能である、請求項46に記載のシステム。
【請求項48】
前記外側カニューレシャフトは、その遠位端部に位置する少なくとも1つの拡張部分を有し、前記少なくとも1つの拡張部分は、前記脊椎固定装置のヘッド部分のチャネル内に配置可能に構成される、請求項47に記載のシステム。
【請求項49】
更に、前記脊椎固定装置を椎骨内に埋め込むための埋め込み機構を有し、
前記埋め込み機構は、シャフトを有し、前記シャフトは、近位端部と、遠位端部と、前記脊椎固定装置に係合する寸法及び形態を有し且つ前記遠位端部に位置する係合部分と、を有し、
前記埋め込み機構は、前記カニューレの通路に挿入される寸法及び形態を有する、請求項38に記載のシステム。
【請求項50】
更に、前記細長い固定装置を前記脊椎固定装置に挿入するための固定装置挿入装置を有する、請求項38に記載のシステム。
【請求項51】
前記固定装置挿入装置は、細長いシャフトと、前記細長い固定ロッドに係合するために前記細長いシャフト内に配置された可動部材と、前記可動部材と作動可能に結合された作動機構と、を有し、前記作動機構は、前記可動部材を第1の位置と第2の位置との間で移動させるように構成される、請求項50に記載のシステム。
【請求項52】
前記固定装置挿入装置は、更にハンドル部分を有する、請求項51に記載のシステム。
【請求項53】
前記細長い固定ロッドは、前記可動部材に連結されるように構成された係合部分を有する、請求項51に記載のシステム。
【請求項54】
患者の開口を通して脊椎固定装置を椎骨内に埋め込むためのシステムであって、
カニューレを有し、このカニューレは、近位端部と、遠位端部と、前記近位端部から前記遠位端部までの通路を定める少なくとも1つの側壁と、を有し、前記カニューレは、更に、前記少なくとも1つの側壁に位置し且つ前記通路と連通する少なくとも1つのスロットと、前記脊椎固定装置に係合するための可撓性部分とを有し、前記可撓性部分は、第1の端部分及び第2の端部分を有し、前記第1の端部分は、前記カニューレの少なくとも1つの側壁に作動可能に接続され、前記第2の端部分は、前記カニューレの通路の中に及びその外に自由に移動可能であり、且つ、前記脊椎固定装置と係合可能である、システム。
【請求項55】
更に、前記脊椎固定装置を椎骨内に埋め込むための埋め込み機構を有し、前記埋め込み機構は、シャフトを有し、前記シャフトは、近位端部と、遠位端部と、前記遠位端部に位置する係合部分と、を有し、前記係合部分は、前記脊椎固定装置に係合する寸法及び形態を有し、
前記埋め込み機構は、前記カニューレの通路に挿入される寸法及び形態を有する、請求項54に記載のシステム。
【請求項56】
前記埋め込み機構は、更に、第1のスリーブを有し、前記第1のスリーブは、近位端部及び遠位端部を有し、且つ、前記シャフトの周りに配置可能である、請求項55に記載のシステム。
【請求項57】
前記脊椎固定装置は、ヘッド部分と、シャンク部分と、を有し、
前記ヘッド部分は、前記細長い固定装置を受け入れるためのチャネルを有し、
前記埋め込み機構の係合部分は、突起部分と、少なくとも1つの肩部分と、を有し、前記突起部分は、前記脊椎固定装置の前記シャンク部分に係合し、前記少なくとも1つの肩部分は、前記脊椎固定装置のヘッド部分のチャネルに係合する、請求項56に記載のシステム。
【請求項58】
前記脊椎固定装置のヘッド部分は、雌ねじ部を有し、前記第1のスリーブの遠位端部は、ねじ山付き部分を有し、前記第1のスリーブのねじ山付き部分は、前記脊椎固定装置のヘッド部分の雌ねじ部に係合する寸法及び形態を有する、請求項57記載のシステム。
【請求項59】
前記カニューレの内径は約3mm〜約20mmである、請求項54に記載のシステム。
【請求項60】
前記カニューレの内径は約12mm〜約16mmである請求項59に記載のシステム。
【請求項61】
前記カニューレの外径は約3mm〜約20mmである請求項59に記載のシステム。
【請求項62】
前記カニューレの外径は約14mm〜約17mmである請求項61に記載のシステム。
【請求項63】
前記カニューレの長さは約40mm〜約200mmである請求項61に記載のシステム。
【請求項64】
前記カニューレの長さは約140mm〜約160mmである請求項63に記載のシステム。
【請求項65】
前記少なくとも1つのスロットの幅は約3mm〜約10mmであり、その高さは約30mm〜約160mmである請求項63に記載のシステム。
【請求項66】
前記少なくとも1つのスロットの幅は約5mm〜約8mmであり、その高さは約110mm〜約130mmである請求項65に記載のシステム。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図7F】
【図7G】
【図7H】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図8E】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【図13A】
【図13B】
【図13C】
【図13D】
【図14】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図15D】
【図15E】
【図15F】
【図15G】
【図16A】
【図16B】
【図16C】
【図17】
【図18】
【図19A】
【図19B】
【図20A】
【図20B】
【図20C】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図7F】
【図7G】
【図7H】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
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【図8E】
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【図10A】
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【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【図13A】
【図13B】
【図13C】
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【図14】
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【図16A】
【図16B】
【図16C】
【図17】
【図18】
【図19A】
【図19B】
【図20A】
【図20B】
【図20C】
【図21】
【図22】
【公表番号】特表2008−514365(P2008−514365A)
【公表日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−534712(P2007−534712)
【出願日】平成17年9月28日(2005.9.28)
【国際出願番号】PCT/US2005/034609
【国際公開番号】WO2006/039279
【国際公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【出願人】(505377463)ジンテス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (186)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月28日(2005.9.28)
【国際出願番号】PCT/US2005/034609
【国際公開番号】WO2006/039279
【国際公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【出願人】(505377463)ジンテス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (186)
【Fターム(参考)】
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