説明

便器上面設備

【課題】フロントベースプレートの可動プレートに対する取り付けが堅固であり、昇降時におけるフロントベースプレートのガタツキが防止される便器上面設備を提供する。
【解決手段】便座ボックス10は、リヤベースプレート20と、昇降可能なフロントベースプレート40と、カバーケース50とによって外殻が形成されている。リヤベースプレート20に昇降装置30等が設置されている。フロントベースプレート40は、係合部44を縦壁部33bに係合させると共に、ビス46を主板部33cにねじ込むことによって可動プレート33に固定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洋風便器の後部上面に設置される便座ボックス、タンクカバー等の便器上面設備に係り、特に昇降式の便器上面設備に関する。
【背景技術】
【0002】
洋風便器の上面に設置された便座ボックスあるいはタンクカバーなどの便器上面設備に便座を俯仰方向に回動可能に取り付けた便器設備が周知である。
【0003】
この便座ボックス等と洋風便器上面との間に尿などの汚れが染み込んで臭気の原因となり易い。そこで、便座ボックスを洋風便器に対し上下動可能とし、洋風便器の清掃時に便座ボックスを便座と共に上方に移動(浮上)させるようにしたものが提案されている。
【0004】
例えば、特開2004−324168号公報には、フロントベースプレートを昇降可能とした便座ボックスが記載されている。また、特開2004−97392号公報には、フロントベースプレートを昇降可能としたロータンクカバーが記載されている。
【0005】
これらの便器上面設備にあっては、リヤベースプレートに浮上ユニットと通称される昇降装置が設置されている。この昇降装置は、可動プレートを駆動装置によって上下させるように構成されている。フロントベースプレートはこの可動プレートにビスによって取り付けられている。
【特許文献1】特開2004−324168号公報
【特許文献2】特開2004−97392号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の便器上面設備にあっては、フロントベースプレートはビスによって可動プレートに取り付けられているが、取り付け剛性が不足するため、フロントベースプレートが昇降するときにフロントベースプレートにガタツキが生じることがあった。
【0007】
本発明は、フロントベースプレートの可動プレートに対する取り付けが堅固であり、昇降時におけるフロントベースプレートのガタツキが防止される便器上面設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明(請求項1)の便器上面設備は、洋風便器の後部上面に設置される便器上面設備であって、該洋風便器に固定されるリヤベースプレートと、該リヤベースプレートの前部側に配置された昇降可能なフロントベースプレートと、該フロントベースプレートを昇降させる昇降装置とを有し、該昇降装置は、該リヤベースプレートに固定された駆動装置と、該駆動装置によって昇降する可動プレートとを有し、前記フロントベースプレートは該可動プレートに取り付けられている便器上面設備において、該フロントベースプレートは、該可動プレートに対し、係合部と、固着手段とによって連結されていることを特徴とするものである。
【0009】
請求項2の便器上面設備は、請求項1において、前記可動プレートは、略水平な主板部と、該主板部から立設された縦壁部とを備えており、前記フロントベースプレートは、該主板部に対し固着手段によって固定されており、前記係合部は該縦壁部に係合していることを特徴とする。
【0010】
請求項3の便器上面設備は、請求項2において、前記縦壁部は便器左右方向に延在していることを特徴とするものである。
【0011】
請求項4の便器上面設備は、請求項2又は3において、前記係合部は、前記縦壁部に上方から係合していることを特徴とするものである。
【0012】
請求項5の便器上面設備は、請求項2ないし4のいずれか1項において、前記係合部は、前記縦壁部を挟圧していることを特徴とするものである。
【0013】
請求項6の便器上面設備において、請求項2ないし5のいずれか1項において、前記縦壁部は前記主板部の後部に設けられていることを特徴とするものである。
【0014】
請求項7の便器上面設備において、請求項1ないし5のいずれか1項において、前記固着手段は螺子部材であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の便器上面設備では、フロントベースプレートが可動プレートに対し係合部と固着手段とによって連結されているので、フロントベースプレートの取り付けが堅固であり、フロントベースプレートの昇降時におけるガタツキが防止される。
【0016】
請求項2の便器上面設備によると、フロントベースプレートは、可動プレートの略水平な主板部と、該主板部から立ち上がる立壁部の双方に連結されているので、フロントベースプレートの取り付けが堅固である。
【0017】
請求項3の便器上面設備にあっては、フロントベースプレートの前後方向の動きが縦壁部との係合によって阻止されるので、フロントベースプレートの可動プレートへの取り付けが堅固なものとなる。
【0018】
請求項4の便器上面設備によると、係合部を縦壁部に対し上方から係合させているので、縦壁部に対しフロントベースプレートを容易に連結することができる。
【0019】
請求項5の便器上面設備によると、係合部が縦壁部を挟圧しているので、フロントベースプレートの縦壁部への取り付けが堅固である。
【0020】
請求項6の便器上面設備によると、フロントベースプレートの前部の下方への傾動が防止される。
【0021】
請求項7の便器上面設備によると、固着手段による固着が容易であり、且つ堅固である。また、修理等の際に固着を容易に解除することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。
【0023】
第1図は実施の形態に係る便器上面設備を備えた洋風便器の側面図であり、(a)図はフロントベースプレートの浮上前、(b)図はフロントベースプレートの浮上後の状態を示している。第2図は、この便器上面設備の分解斜視図、第3図は昇降装置付近の斜視図である。第4図はリヤベースプレートの平面図、第5図はリヤベースプレートの底面図である。第6図はフロントベースプレートの可動プレートへの取り付け構造を示す分解斜視図、第7図は係合部と縦壁部との係合関係を示す斜視図、第8図は係合部の一部破断斜視図、第9図は係合したフロントベースプレートと可動プレートとを示す斜視図、第10図は第9図のX−X線断面図、第11図は第10図のXI−XI線断面図である。
【0024】
便鉢1aを有する陶器製の洋風便器1の後部上面に便座ボックス10が設置されており、この便座ボックス10に便座2及び便蓋3が起倒方向回動自在に取り付けられている。
【0025】
この実施の形態では、第2図の通り、洋風便器1の後部に開放口1bが設けられている。また、この洋風便器1の最後部の上面の左右両端部にそれぞれボルト挿通孔1cが設けられている。洋風便器1の後面には給水ホースを引き込むための孔1dが設けられている。
【0026】
洋風便器1の開放口1bと便鉢1aとの間の平面部1eに取付部材4が設置され、ボルト5によって洋風便器1に固定されている。該取付部材4の後部側は、開放口1b上に張り出ている。
【0027】
該取付部材4の前縁部の左右両端側には、リヤベースプレート20を係止する係止片4aが設けられている。この係止片4aは、取付部材4から起立し、前方へ延出する逆L字形状である。
【0028】
この実施の形態では、便座ボックス10は、該取付部材4を介して便器1に固定されたリヤベースプレート20と、このリヤベースプレート20の前部側に配置された昇降可能なフロントベースプレート40と、該フロントベースプレート40と共に昇降する無底箱状の合成樹脂製のカバーケース50とによって外殻が形成されている。フロントベースプレート40に温水洗浄ノズル40Aが設置されている。
【0029】
リヤベースプレート20には、昇降装置30のほか、温水洗浄ノズル40Aへ温水を供給するためのヒータ付き温水タンク、ヒータ及び電動ファンよりなる部屋暖房ファン、電源基板、制御回路基板、便鉢やトラップ部へ水を供給するためのバルブユニット等(図示略)が設けられている。
【0030】
第2図〜第5図の通り、リヤベースプレート20は、合成樹脂製の板状部材であり、開放口1bを覆う大きさを有する。このリヤベースプレート20は、便座ボックス10の底面の主要部(前縁側を除く部分)を構成する大きさを有している。
【0031】
このリヤベースプレート20の前縁部の下面に鋼などの金属製の補強材21が取り付けられている。この実施の形態では、補強材21は、リヤベースプレート20の左端近傍から右端近傍まで延在する板状であり、ビス22(第5図)によってリヤベースプレート20に固着されている。
【0032】
リヤベースプレート20及び補強材21の左右両端側には、これらを上下に貫く開口23が設けられている。リヤベースプレート20の後部の左右両端部にはボルト挿通孔24が設けられている。
【0033】
開口23に取付部材4の係止片4aが差し込まれるように補強材付きリヤベースプレート20を洋風便器1の後部上面に載置し、リヤベースプレート20を若干後方にスライドさせると、L字形の係止片4aが開口23の前縁に係合すると共に、リヤベースプレート20のボルト挿通孔24が洋風便器1の後縁の左右両端部のボルト挿通孔1cと重なり合う。これらのボルト挿通孔24,1cにボルト(図示略)を通してナットを締め込むことにより、リヤベースプレート20が洋風便器1に固定される。
【0034】
なお、リヤベースプレート20には、給水ホース等を引き通すための切込状の透口部26が設けられている。
【0035】
このリヤベースプレート20上に昇降装置30が設置されている。第3図に明示の通り、この昇降装置30は、リヤベースプレート20に固定された固定プレート31と、該固定プレート31上に設置された昇降用の駆動装置32と、該駆動装置32によって昇降される可動プレート33と、可動プレート33の昇降を案内すると共に、可動プレート33の下降速度を緩速にするためのダンパ34等を備えている。
【0036】
駆動装置32は、図示は省略するが、上下方向に延設されたラックと、該ラックに噛合するピニオンと、該ピニオンを回転させるモータとを有する。モータは固定プレート31に設けられてもよく、可動プレート33に設けられてもよい。
【0037】
この駆動装置32は、温水洗浄装置用リモコン(図示略)に設けられた昇降スイッチを操作することにより動作する。
【0038】
なお、固定プレート31は便器の左右方向に延在する金属製平板状であり、その前縁は補強材21の後端の上方か、又はそれよりも若干後方に位置している。ただし、固定プレート31の前縁が補強材21の上方に位置してもよい。
【0039】
第3図及び第6図に明示の通り、可動プレート33は、略水平な主板部33cと、該主板部33cの後部の左右2箇所から立設された逆L字形縦断面形状の立上片33aと、主板部33cの後縁から立設された縦壁部33bとを有する。主板部33cは便器の左右方向に延在する平板状である。縦壁部33bは、可動プレート33の左右方向の中央付近に位置し、左右方向に延在している。この可動プレート33は、金属製であり、主板部33c、立上片33a及び縦壁部33bは折曲加工や溶接などにより一体となっている。
【0040】
第3図の通り、ダンパ34は、固定プレート31に固定されたシリンダ34aと、該シリンダ34a内のピストン(図示略)と、該ピストンに連なり、シリンダ34aから上方に進退可能に突設されたピストンロッド34bとを有するオイルダンパである。ピストンロッド34bの上端に可動プレート33の立上片33aが取り付けられている。可動プレート33には、複数個の雌ねじ孔35が設けられている。
【0041】
フロントベースプレート40は、合成樹脂製の板状部材であり、便座ボックス10の底面のうち前縁側を構成するものである。
【0042】
第6図〜第11図の通り、フロントベースプレート40は、ビス挿通孔41を有した水平プレート部42と、この水平プレート部42の後縁から立設され、左右方向に延在した縦プレート部43と、この縦プレート部43の左右両側部分にそれぞれ設けられた係合部44等を有している。
【0043】
この係合部44は、縦プレート部43の上端付近から後方へ延出した天板部44aと、天板部44aの後縁から垂下する垂下部44bと、側縁部44c(第10図)と、縦プレート部43の後面から垂下部44bに向って突設された凸条44dとを有する。
【0044】
この凸条44dは、垂下部44bと縦プレート部43との間隔を狭めるように形成されたものであり、複数本、互いに平行に上下方向に延設されている。凸条44dの下部は、下端側ほど縦プレート部43からの突出高さが減少するように傾斜している。
【0045】
なお、側縁部44cは、フロントベースプレート40の左右方向の中央から離隔した側の垂下部44b側辺に沿って上下方向に延設されており、垂下部44bと縦プレート部43とを連結している。
【0046】
このフロントベースプレート40は、その後縁側がリヤベースプレート20の前縁側の上方に位置する。フロントベースプレート40の前縁側は、リヤベースプレート20の前縁から所定長さ(例えば50〜100mm程度)前方に延出し、その前端がカバーケース50の前縁と合致するよう構成されている。
【0047】
このフロントベースプレート40には、人体臀部を温水で洗浄するための温水洗浄ノズル40Aのほか、図示は省略するが、モータ駆動式温水切替弁装置や、便座2及び便蓋3を開閉させる電動開閉ユニット、人体臀部に向けて温風を吹き出してその乾燥を行う温風ファン、便鉢内から臭気を含んだ空気を吸引して脱臭する脱臭ファン及び脱臭カートリッジ等が設けられている。なお、詳細な図示は省略するが、水平プレート部42には、これらの機器を設置するための凹凸やボス部等が設けられている。
【0048】
このフロントベースプレート40の後部を前記可動プレート33上に載置し、この際、係合部44を縦壁部33bの左右両端側の上端に上方から嵌合させる。そして、ボルト又はビス46をフロントベースプレート40のボルト挿通孔41を通して可動プレート33の雌ねじ孔35にねじ込むことにより、フロントベースプレート40が可動プレート33に固定される。
【0049】
なお、係合部44を縦壁部33bに嵌合させると、縦壁部33bが凸条44dと垂下部44bとの間で挟み付けられる。即ち、凸条44dの下端と垂下部44bとの間隔は、縦壁部33bの板厚よりも大きく設定されており、縦壁部33bを係合部44に導入し易くしている。凸条44dの上部と垂下部44bとの間隔は縦壁部33bの板厚よりも若干小さくなるように設定されている。そのため、縦壁部33bが係合部44に差し込まれると、縦壁部33bが垂下部44bと凸条44dとで挟み付けられた挟圧状態となる。これにより、フロントベースプレート40の前後方向の動きが阻止される。
【0050】
前記カバーケース50は、第1図の通り、下側のメインカバー部51と、該メインカバー部51に着脱可能に装着されたトップカバー部52とからなる。メインカバー部51がフロントベースプレート40に取り付けられている。
【0051】
便座ボックス10を洋風便器1に取り付けるには、まず取付部材4を第2図の如く洋風便器1にボルト5によって取り付けておく。次いで、リヤベースプレート20、昇降装置30、フロントベースプレート40及びメインカバー部51が一体となった便座ボックス10の本体部分を該取付部材4上に載せ、前述の通り、開口23の前縁部に係止片4aを係合させると共に、ボルト挿通孔24,1cにボルト(図示略)を通し、該ボルトにナット(図示略)を締め込み、便座ボックス10の本体部分を洋風便器1に固定する。次いで、メインカバー部51にトップカバー部52を装着する。
【0052】
このように構成された便座ボックス10を有する洋風便器設備において、リモコンの浮上スイッチを操作すると、昇降装置30の駆動装置32のモータが正転し、第1図(b)の如くフロントベースプレート40及びカバーケース50が上昇する。これにより、便座ボックス10で覆われていた洋風便器平面部1eが露出するので、この平面部1e等を念入りに掃除することができる。
【0053】
リモコンの下降スイッチを操作すると、駆動装置32のモータが逆転し、フロントベースプレート40及びカバーケース50が第1図(a)の如く洋風便器1上に降下した着底状態となる。
【0054】
この実施の形態では、フロントベースプレート40を、螺子(この実施の形態ではボルト又はビス46)と、係合部44の縦壁部33bへの係合との2つの連結機構によって可動プレート33に連結しているので、フロントベースプレート40と可動プレート33との連結が堅固である。そのため、フロントベースプレート40の昇降時のガタツキが防止される。
【0055】
特に、この実施の形態では、係合部44を縦壁部33bに係合させてフロントベースプレート40の前後方向の動きを阻止し、水平プレート部42を水平な主板部33cにボルト又はビス46によって留め付けるようにしているので、フロントベースプレート40の可動プレート33への連結が堅固である。
【0056】
また、この実施の形態では、係合部44において縦壁部33bを垂下部44bと凸条44dとによって挟圧しているので、フロントベースプレートの取り付けが堅固である。垂下部44b及び凸条44dはフロントベースプレート40と一体の合成樹脂製であるため、垂下部44b及び凸条44dは縦壁部33bに強固に押し付けられる。
【0057】
この実施の形態では、係合部44を縦壁部33bに対し上方から係合させているので、両者の係合作業が容易である。なお、凸条44dの下端側を傾斜させているので、縦壁部33bの係合部44への挿入がスムーズに行われる。
【0058】
この便座ボックス10では、リヤベースプレート20の前縁部に補強材21を設けているので、リヤベースプレート20の前縁部の反り等の変形が防止される。このため、便座ボックス10を取付部材4に取り付けるべく便座ボックス10の本体部を取付部材4上に載せたときにリヤベースプレート20の前縁部が取付部材4に全面的に密着するように重なる。このため、係止片4aをスムーズに開口23に差し込み、便座ボックス10の本体部と取付部材4とを連結することができる。従って、便座ボックス10の据え付け作業を容易に行うことができる。
【0059】
この実施の形態にあっては、補強材21及びリヤベースプレート20の左右両端側の開口23を取付部材4の係止片4aに係止させるので、リヤベースプレート20の取付部材4への取り付けが堅固なものとなる。
【0060】
この実施の形態では、補強材21をリヤベースプレート20の下面側に取り付けているので、リヤベースプレート20の上面側に機器を補強材21との干渉なしに設置することができる。そのため、機器の配置自由度が高い。
【0061】
さらに、この実施の形態によると、昇降装置30を補強材21の近傍領域に配置しているので、昇降装置30の重量が大きい場合であってもリヤベースプレート20の変形が防止される。
【0062】
[別の実施の形態]
係合部の別形状例について第12図〜第14図を参照して説明する。
【0063】
第12図の係合部44Aは、縦壁部33bの上縁の略全体に上方から嵌合する逆L字形の縦断面形状のものである。
【0064】
第13図の係合部44Bは、縦壁部33bの側縁に対し上方から嵌合するように、水平断面がL字形状とされたものである。
【0065】
第14図(a),(b)の係合部44Cは、縦壁部33bの上縁の略全体に対し上方から嵌合するように逆L字形の縦断面形状になっていると共に、係合部44Cの両側部にあっては、縦壁部33bの側縁に対し上方から嵌合するように、水平断面がL字形状とされたものである。なお、第14図(b)は同(a)のB−B線断面図である。
【0066】
上記実施の形態は本発明の一例であり、本発明は図示以外の形態とされてもよい。例えば、上記実施の形態では、フロントベースプレート40は昇降装置30によって昇降するよう構成されているが、手動によって昇降するよう構成されてもよい。
【0067】
上記実施の形態では、螺子によってフロントベースプレートを可動プレートに固着しているが、接着剤によって固着してもよい。
【0068】
上記実施の形態では、凸条44dの上部と垂下部44bとの間隔は縦壁部33bの板厚よりも若干小さくなるように設定されているが、この間隔は、フロントベースプレートの前後の動きをおさえることができればよく、縦壁部33bの板厚と略同等の厚みであってもよく、また、それよりも若干大きくてもよい。
【0069】
上記実施の形態では、係合部を縦壁部に係合させているが、縦壁部以外の箇所に係合部を係合させてもよい。
【0070】
本発明では、可動プレートは縦壁部を有しないものであってもよい。
【0071】
上記実施の形態では便器上面設備は便座ボックスであるが、タンクカバーであってもよい。便座ボックスやタンクカバーの形状、大きさは特に限定されるものではない。
【0072】
上記実施の形態の係合部の数や形状は本発明の一例であり、これに限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】実施の形態に係る便器上面設備を備えた洋風便器の側面図である。(a)図はフロントベースプレートの浮上前、(b)図はフロントベースプレートの浮上後の状態を示している。
【図2】便器上面設備の分解斜視図である。
【図3】昇降装置付近の斜視図である。
【図4】リヤベースプレートの平面図である。
【図5】リヤベースプレートの底面図である。
【図6】フロントベースプレートの可動プレートへの取り付け構造を示す分解斜視図である。
【図7】係合部と縦プレート部との係合関係を示す斜視図である。
【図8】係合部の一部破断斜視図である。
【図9】係合したフロントベースプレートと可動プレートとを示す斜視図である。
【図10】図9のX−X線断面図である。
【図11】図10のXI−XI線断面図である。
【図12】係合部の別形状の説明図である。
【図13】係合部の別形状の説明図である。
【図14】係合部の別形状の説明図である。
【符号の説明】
【0074】
1 洋風便器
1a 便鉢
1b 開放口
1c ボルト挿通孔
1e 平面部
2 便座
3 便蓋
4 取付部材
4a 係止片
10 便座ボックス
20 リヤベースプレート
21 補強材
23 開口
30 昇降装置
31 固定プレート
32 駆動装置
33 可動プレート
33a 立上片
33b 縦壁部
33c 主板部
34 ダンパ
35 雌ねじ孔
40 フロントベースプレート
41 挿通孔
42 水平プレート部
43 縦プレート部
44,44A,44B,44C 係合部
44a 天板部
44b 垂下部
44c 側縁部
44d 凸条
50 カバーケース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洋風便器の後部上面に設置される便器上面設備であって、
該洋風便器に固定されるリヤベースプレートと、
該リヤベースプレートの前部側に配置された昇降可能なフロントベースプレートと、
該フロントベースプレートを昇降させる昇降装置と
を有し、該昇降装置は、該リヤベースプレートに固定された駆動装置と、該駆動装置によって昇降する可動プレートとを有し、前記フロントベースプレートは該可動プレートに取り付けられている便器上面設備において、
該フロントベースプレートは、該可動プレートに対し、係合部と、固着手段とによって連結されていることを特徴とする便器上面設備。
【請求項2】
請求項1において、前記可動プレートは、略水平な主板部と、該主板部から立設された縦壁部とを備えており、
前記フロントベースプレートは、該主板部に対し前記固着手段によって固定されており、前記係合部は該縦壁部に係合していることを特徴とする便器上面設備。
【請求項3】
請求項2において、前記縦壁部は便器左右方向に延在していることを特徴とする便器上面設備。
【請求項4】
請求項2又は3において、前記係合部は、前記縦壁部に上方から係合していることを特徴とする便器上面設備。
【請求項5】
請求項2ないし4のいずれか1項において、前記係合部は、前記縦壁部を挟圧していることを特徴とする便器上面設備。
【請求項6】
請求項2ないし5のいずれか1項において、前記縦壁部は前記主板部の後部に設けられていることを特徴とする便器上面設備。
【請求項7】
請求項1ないし5のいずれか1項において、前記固着手段は螺子部材であることを特徴とする便器上面設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−285169(P2009−285169A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−141206(P2008−141206)
【出願日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願人】(000000479)株式会社INAX (1,429)
【Fターム(参考)】