便座便蓋装置
【課題】便蓋にヒータ手段を設ける方式を採用する便蓋便座装置を提供する。
【解決手段】便座便蓋装置1は、基部2と、基部2に開閉可能に設けられた便座3と、基部2に開閉可能に設けられた閉鎖状態の便座3の上方に位置する便蓋4とを備える。便蓋4は、便蓋4が閉鎖されている状態で便座3を暖めることができるヒータ手段6を備えている。
【解決手段】便座便蓋装置1は、基部2と、基部2に開閉可能に設けられた便座3と、基部2に開閉可能に設けられた閉鎖状態の便座3の上方に位置する便蓋4とを備える。便蓋4は、便蓋4が閉鎖されている状態で便座3を暖めることができるヒータ手段6を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は便座および便蓋を有する便座便蓋装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1には、便蓋が開放するとき、便座に着座している人の背中に対面するように便蓋の裏面にヒータを設けた便座装置が開示されている。このものでは、便蓋が開放しているとき、便座に着座している人の背中をヒータにより暖めることができる。特許文献2には、便蓋の裏面に温風吹出口、ヒータおよびブロアを設けた便座装置が開示されている。このものでは、便蓋が開放されているときヒータおよびブロアが作動し、温風吹出口から温風を吹き出し、使用者の腰部周辺を暖める。
【特許文献1】特開2000−279349号公報
【特許文献2】特開平6−66497号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記した装置によれば、便蓋が開放されているときにヒータが作動する方式であり、便蓋が閉鎖されている状態で便座を暖める方式ではない。更に、便座に着座する使用者の足もと等の足を暖める方式ではない。
【0004】
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、便蓋にヒータ手段を設ける方式を採用する便蓋便座装置を提供することを共通の課題とする。殊に、様相1また2の本発明は、便蓋が閉鎖されている状態で便蓋を暖める方式を採用する便蓋便座装置を提供することを課題とする。更に様相3の本発明は、便座に着座する使用者の足を暖める方式を採用する便蓋便座装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)様相1の本発明に係る便座便蓋装置は、基部と、基部に開閉可能に設けられた便座と、基部に開閉可能に設けられた閉鎖状態の便座の上方に位置する便蓋とを具備する便座便蓋装置において、便蓋は、便蓋が閉鎖されている状態で便座を暖めることができるヒータ手段を備えていることを特徴とするものである。便蓋のヒータ手段は、便蓋が閉鎖されている状態で、便座を暖めることができる。この場合、便座の放熱性を抑えつつ、便蓋のヒータ手段により便座を暖めることができる。このため使用者が便座に着座するとき、便蓋のヒータ手段により便座は既に暖められているので、寒い時期に好適する。便座が湿気をもつとき、便蓋のヒータ手段により便座の湿気をとることができる。
【0006】
(2)様相2の本発明に係る便座便蓋装置は、基部と、基部に開閉可能に設けられた便座と、基部に開閉可能に設けられた閉鎖状態の便座の上方に位置する便蓋とを具備する便座便蓋装置において、便蓋は、便蓋が閉鎖されている状態で便蓋を暖めることができるヒータ手段を備えており、且つ、使用者のトイレへの進入が検知されるとき、便蓋のヒータ手段を発熱させることにより、便蓋開放前に便座を暖める発熱指令手段が設けられていることを特徴とするものである。
【0007】
使用者のトイレへの進入が検知されるとき、発熱指令手段は、便蓋のヒータ手段を発熱させることにより、便蓋開放前に便座を暖めることができる。このため、使用者のトイレへの進入が検知されたときから、使用者が便座に着座するまでの間に、便蓋が閉鎖されている状態で、ヒータ手段は便座を確実に暖めることができる。
【0008】
様相2によれば、発熱指令手段は、使用者のトイレへの進入が検知されないとき、便蓋が閉鎖されている状態でヒータ手段で便蓋を暖める指令またはヒータ手段をオフとする指令(または、単位時間あたりの発熱量を小さくする指令)をヒータ手段に出力するモードと、使用者のトイレへの進入が検知されるとき、使用者のトイレへの進入検知の前よりも、便蓋のヒータ手段の単位時間当たりの発熱量を増加させることにより、便蓋の開放前に便座を急速に暖めるモードとを実行する態様を採用することができる。この態様では、便蓋の開放前にヒータ手段の発熱量を増加させるため、便座を急速に暖めることができ、寒い時期または寒冷地等に適する。
【0009】
(3)様相3の本発明に係る便座便蓋装置は、基部と、基部に開閉可能に設けられた便座と、基部に開閉可能に設けられた閉鎖状態の便座の上方に位置する便蓋とを具備する便座便蓋装置において、便蓋はヒータ手段を備えており、且つ、便蓋は、分割可能な複数の分割体で構成されており、ヒータ手段は複数の分割体のうちの少なくとも一つに設けられており、ヒータ手段を有する分割体のうちの少なくとも一つは、便座に着座する使用者の足に対面可能とされており、分割体のヒータ手段により使用者の足を暖めることを特徴とするものである。
【0010】
ヒータ手段を有する分割体のうちの少なくとも一つは、便座に着座する使用者の足に対面することができる。この場合、分割体のヒータ手段により使用者の足を暖めることができる。この場合、暖められる足は、下肢でも良いし、足首でも良いし、上肢でも良い。下肢、または、下肢よりも下の部位が好ましい。ヒータ手段は便座を暖めることができる機能を有することが好ましい。便蓋を構成する分割体の数は特に限定されるものではないが、2個を例示することができる。分割体は、便器の巾方向(便座に着座する着座者の左手と右手とを繋ぐ方向)に分割されることが好ましい。分割体のヒータ手段としては、便蓋が閉鎖された状態において、便蓋よりも下方に位置する便座を暖める形態を例示することができる。
【発明の効果】
【0011】
各様相の本発明によれば、便蓋にヒータ手段を設ける新規な方式を採用する便蓋便座装置を提供することができる。殊に様相1また2の本発明によれば、便蓋が閉鎖されている状態で便座を暖める方式を採用する便蓋便座装置を提供することができる。更に様相3の本発明は、便座に着座する使用者の足(例えば下肢、足首、上肢)を暖める方式を採用する便蓋便座装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
各様相によれば、ヒータ手段を有する分割体は、便座に着座する使用者の足に対して遠ざかる方向および/または近づく方向に変位可能とされている形態を例示することができる。この場合、サイズが大きい使用者のとき、便座に着座する使用者の足に対して分割体を遠ざかる方向に変位させる。サイズが小さな使用者のとき、便器の巾方向において、便座に着座する使用者の足に対して分割体を近づける方向に変位させる。また寒いときには、便座に着座する使用者の足に対して分割体のヒータ手段を近づける方向に変位させることができる。
【0013】
各様相によれば、便蓋は、ヒータ手段を覆うカバー部をヒータ手段と便座との間に有しており、カバー部は赤外線透過性を有する形態を例示することができる。また、使用者の足等の身体にヒータ手段が直接触れることが抑えられる。便蓋は、ヒータ手段に対面すると共にヒータ手段に対して便座と反対側に設けられ、ヒータ手段からの赤外線を反射させる赤外線反射要素を有する形態を例示することができる。この場合、便座、使用者の足等の身体から遠ざかる方向にヒータ手段から放出される赤外線を、赤外線反射要素により便座、使用者の足等の身体に向けて反射させることができる。故に、便座、使用者の足等の身体を効率よく暖めることができる。
【0014】
各様相によれば、発熱指令手段は、便蓋が閉鎖されているとき、便座を殺菌または減菌させる殺菌減菌モードを便蓋が閉鎖されている状態で実行する形態を例示することができる。殺菌減菌モードは、定期的にまたは不定期的に所定時間実行することができる。便蓋が閉鎖されており、便座のうち使用者の尻が接触する便座上面にヒータ手段が対面するため、便座のうち使用者の尻が接触する便座上面を集中的に効率よく殺菌または減菌することができる。殺菌減菌モードでは、便座の加熱温度を通常の便座加熱モードよりも高くすることが好ましい。
【0015】
各様相によれば、発熱指令手段は、使用者のトイレへの進入が検知されないとき、便蓋が閉鎖されている状態で便座を暖める指令またはヒータ手段をオフとする指令をヒータ手段に出力するモードと、使用者のトイレへの進入が検知されるとき、使用者のトイレへの進入検知の前よりも、便蓋のヒータ手段の単位時間当たりの発熱量を増加させることにより、便蓋の開放前に便座を暖めるモードとを実行する形態を例示することができる。この場合、使用者のトイレへの進入が検知されるとき、使用者のトイレへの進入検知の前よりも、便蓋のヒータ手段の発熱量を増加させる。これにより使用者がトイレへ進入してから、便蓋が開放される前の間に、便座を迅速に暖めることができる。
【0016】
また、発熱指令手段は、使用者のトイレへの進入が検知されるにもかわらず、便蓋が開放されているとき、便蓋を閉鎖させると共に便蓋のヒータ手段を発熱させる指令を出力し、便蓋が閉鎖されている状態でヒータ手段で便座を暖める形態を例示することができる。この場合、便蓋が開放されているときであっても、使用者のトイレへの進入が検知されると、便蓋を閉鎖させると共に便蓋のヒータ手段を発熱させるため、便蓋が閉鎖されている状態で便座を暖めることができる。
【0017】
各様相によれば、発熱指令手段は、使用者のトイレへの進入が検知されないとき、便蓋が閉鎖されている状態で便座を暖める指令またはヒータ手段をオフとする指令をヒータ手段に出力するモードと、使用者のトイレへの進入が検知されるとき、使用者のトイレへの進入検知の前よりも、便蓋のヒータ手段の発熱量を増加させることにより、便蓋の開放前に便座を暖めるモードと、便座に着座する使用者の足に便蓋の分割体が対面する状態で、便座に着座する使用者の足を暖める指令をヒータ手段に出力するモードとを実行する形態を例示することができる。
【実施例1】
【0018】
図1および図2は実施例1を示す。便座便蓋装置1は洋式便器に搭載されるものであり、図1および図2に示すように、洋式便器に取り付けられる箱状の基部2と、上下方向に開閉可能に基部2に設けられた便座3と、上下方向に開閉可能に基部2に設けられた閉鎖状態の便座3の上方に位置する便蓋4とを備える。便蓋4は電気式のヒータ手段6を備えている。ヒータ手段6は輻射ヒータで形成されている。図2に示すように、ヒータ手段6はホルダ6xを介して便蓋4のうち便座3に対面する側の内面4iに取り付けられている。内面4iとヒータ手段6との間には隙間6kが形成されている。便蓋4が閉鎖されている状態で、ヒータ手段6は便座3に対面しており、便蓋4が閉鎖されている状態で便座3を暖めることができる。便蓋4は後述する実施例と異なり、分割されていない。
【0019】
図2に示すように、便蓋4は、ヒータ手段6を覆うカバー部42と、ヒータ手段6に対面する赤外線反射要素43とを有する。カバー部42は、赤外線透過性を有しており、ヒータ手段6と便座3との間に配置されている。このように便蓋4のヒータ手段6はカバー部42で覆われている。この場合、便座3等の加熱対象物を暖めるとき、便座3等の加熱対象物とヒータ手段6とが直接接触することが抑制される。カバー部42は赤外線を良好に透過させ得るように、アクリル板等のプラスチック板で形成できる。
【0020】
赤外線反射要素43は、赤外線を反射させる性質を有しており、ヒータ手段6に対して便座3と反対側の内面4iに配置されている。この場合、便座3から遠ざかる方向にヒータ手段6から放出される赤外線を、赤外線反射要素43により、便座3に向けて反射させることができる。故に、便蓋4の内面4iの温度上昇を抑制しつつ、便座3等の加熱対象物を効率よく暖めることができる。赤外線反射要素43は、アルミニウム、アルミニウム合金またはステンレス鋼などの金属のように、赤外線を反射させる性質が高い材料を基材として形成されている。
【0021】
図2に示すように、便蓋4が閉鎖されているとき、便蓋4は便座3の上方に配置されており、便座3のうち使用者の尻が着座する便座上面3uを上側から覆っている。この状態で便蓋4のヒータ手段6が発熱すると、便蓋4が閉鎖されている状態で、便蓋4のヒータ手段6は、ヒータ手段6の下側に配置されている便座3を暖めることができる。この場合、便座3の熱は上方に移行し易いが、便蓋4が閉じて便座3を上方から覆っている。このため便座3からの放熱性を効果的に抑えつつ、便蓋4のヒータ手段6により便座3を暖めることができる。このため使用者が便蓋4を開放させて便座3に着座するとき、便蓋4のヒータ手段6により便座3は既に暖められているので、寒い時期や寒冷地等に好適する。更に、便座3、または、便座3に被覆した便座カバーが仮に湿気をもつときであっても、便蓋4のヒータ手段6により便蓋4を暖めれば、便座3の上側からの加熱により、便座3または便座カバーの湿気をとることができ、着座時における快適性を向上させ得る。
【0022】
従来、暖房便座として、便座3に設けたヒータ手段6により便座3を暖める方式が採用されている。この場合、便座3のうち使用者の尻が接触する便座上面3uだけを加熱すれば足りるにも拘わらず、使用者の尻が接触しない便座底面3dもかなり暖められることになり、加熱効率が必ずしも充分ではない。この点本実施例のように、便蓋4に設けたヒータ手段6により便座3を暖める方式が採用されているため、便座3のうち、使用者の尻が接触する便座上面3uを優先的に暖めることができる。故に、便座上面3uを迅速に高めることができる利点が得られる。
【0023】
また便座3を殺菌または減菌したいことがある。この点本実施例によれば、便蓋4が閉鎖されているとき、便座3の加熱温度を通常の便座加熱モードよりも上昇させて高温に維持することにより、便座3を殺菌または減菌させる殺菌減菌モードを実行する。殺菌減菌モードは、定期的にまたは不定期的に所定時間実行することができる。これにより便座3のうち使用者の尻が接触する便座上面3uを殺菌または減菌することができる。このように殺菌減菌モードでは、通常の便座加熱モードよりも、単位時間当たりのヒータ手段6の発熱量を高くすることが好ましい。殺菌減菌モードは、殺菌スイッチが設けられているときには殺菌スイッチを操作したり、あるいは、制御装置のタイマ機能により所定時間経過したときに実行することができる。
【0024】
本実施例によれば、便蓋4が閉鎖されており、且つ、使用者が便座3に着座していないときに、ヒータ手段6が発熱して便座3を暖める方式が採用されているが、これに限らず、便蓋4が開放されており、且つ、使用者が便座3に着座しているときに、ヒータ手段6が発熱する方式としても良い。この場合、便蓋4が開放しているため、便座3よりも、便座3に着座している使用者の背中を便蓋4のヒータ手段6により暖めることができる。なお、本実施例に係る便座便蓋装置1は、便座3に着座している使用者の局部に洗浄水を吐出する洗浄機能を有するタイプでも良いし、洗浄機能を有しないタイプでも良い。
【実施例2】
【0025】
図3および図4は実施例2を示す。本発明の実施例2について具体的に説明する。本実施例は実施例1と基本的には同様の構成および同様の作用効果を有する。便蓋4が開放されていると、ヒータ手段6と便座3が離れ過ぎ、便蓋4のヒータ手段6が発熱したしても、便蓋4のヒータ手段6は便座3をあまり効率よく暖めることができない。そこで本実施例によれば、便座3に使用者が着座していない条件と、便蓋4が開放されている条件とが満たされたときには、制御装置7は便蓋4を閉鎖させる指令を出力し、便蓋4を強制的に閉鎖させる。そして、便蓋4が閉鎖され、便蓋4で便座3を覆った状態で、制御装置は便蓋4のヒータ手段6を発熱させ、便座3を暖めることができる。
【0026】
図4に示すように、制御装置7は、センサの信号が入力される入力処理回路70と、CPU71と、記憶手段として機能するメモリ72と、制御信号をヒータ手段6に出力する出力処理回路73とをもつ。便座3に着座したことを検知する着座センサ75、便蓋4の開閉状態を検知する便蓋開閉センサ76、ヒータ手段6の温度を調整する温度スイッチ77、トイレへの使用者の進入を検知する進入センサ78が基部2に設けられている。着座センサ75、便蓋開閉センサ76、温度スイッチ77、進入センサ78の各信号が制御装置7の入力処理回路70に入力される。制御装置7からの指令により、開閉駆動装置5は便座3及び便蓋4の開閉を行う。
【0027】
図3は制御装置7が実行するフローチャートの一例を示す。このフローチャートは発熱指令手段として機能するが、フローチャートはこれに限定されるものではない。まず着座センサ75、便蓋開閉センサ76といった各センサの信号を読み込む(ステップS2)。便蓋4が開放している条件(ステップS4)、便座3に使用者が着座していない条件(ステップS6)の双方が満たされるとき、制御装置7は便蓋4を強制的に閉鎖させる指令を開閉駆動装置5に出力すると共に(ステップS8)、ヒータ手段6をオンする指令(ステップS10)を出力する。この結果、便蓋4が閉鎖された状態で、便蓋4のヒータ手段6は便座3を暖めることができる。更に、殺菌減菌モードを実行する時期か否か制御装置7は判定する(ステップS12)。殺菌減菌モードを実行する時期であれば、ヒータ手段6の単位時間あたりの発熱量を殺菌減菌モード実行前よりも、また、通常の便座加熱モードよりも増加させる。この結果、便座3の温度を殺菌温度領域に上昇させ、便座3を殺菌または減菌させる殺菌減菌モードを所定時間実行する(ステップS14)。殺菌減菌モードを実行する時期でなければ(ステップS12のNO)、ヒータ手段6の単位時間あたりの発熱量を通常値にして便座3を暖める(ステップS16)。なお、殺菌減菌モードを実行する時期でなければ、ヒータ手段6をオフにしても良い。本実施例によれば、使用者がトイレに進入するまでは、ヒータ手段6をオフにして節電を図ることにしても良い。この場合、使用者がトイレに進入したことが検知された後、ヒータ手段6をオンにして発熱させても良い。なお、殺菌減菌モードを実行する時期か否かは、CPU71のタイマ機能により、前回の殺菌減菌モードを実行する時期からの経過時間で判定することができる。あるいは、殺菌減菌モードを実行するスイッチが操作されているときには、殺菌減菌モードを実行することにしても良い。
【実施例3】
【0028】
図5は実施例3を示す。実施例3について具体的に説明する。本実施例は実施例1と基本的には同様の構成および同様の作用効果を有する。図1,図2,図4を準用できる。本実施例においても実施例1と同様に、便蓋4に取り付けられているヒータ手段6は、便蓋4が閉鎖されている状態で便蓋4を暖めることができる。便蓋4に取り付けたヒータ手段6により便座3を暖めるため、便座3のうち、使用者の尻が接触する便座上面3uを優先的に暖めることができ、便座上面3uを迅速に高めることができる。図4に示すように、使用者のトイレへの進入を検知する進入センサ78が基部2またはトイレに設けられている。進入センサ78としては、赤外線センサ方式、光センサ方式、音センサ方式、機械的スイッチセンサ、トイレ室内の照明スイッチなどの公知の方式を例示できる。使用者のトイレへの進入を進入センサ78が検知しないときには、便蓋4のヒータ手段6をオフとしたり、ヒータ手段6の単位時間あたりの発熱量を小さくし、節電を図る。
【0029】
これに対して、使用者のトイレへの進入を進入センサ78が検知すると、ヒータ手段6をオフからオンに切り替えたり、ヒータ手段6をオンにしたまま単位時間当たりの発熱量を増加させる。この結果、使用者の進入の検知前よりも、ヒータ手段6の単位時間当たり発熱量を高めとする。従って、使用者がトイレへ進入してから、便蓋4を開放するまでの間に、便蓋4のヒータ手段6により便座3を暖めることができる。この結果、便座3のうち、使用者の尻が接触する便座上面3uを迅速に高めることができる。このように短時間のうちの便座上面3uを加熱するため、ヒータ手段6の単位時間当たり発熱量を高くすることが好ましい。
【0030】
図5は、制御装置7が実行するフローチャートの一例を示す。このフローチャートは発熱指令手段として機能するが、フローチャートはこれに限定されるものではない。進入センサ78の信号を読み込む(ステップSB2)。使用者がトイレへ進入したか否か、つまり、トイレへの入室の有無を判定する(ステップSB4)。トイレへの入室が検知されていなければ、ヒータ手段6をオフとするか、あるいは、単位時間あたりのヒータ手段6の発熱量を低めとする(ステップSB8)。これに対して、使用者のトイレへの進入が検知されていれば、ヒータ手段6をオフからオンに切り替えるか、あるいは、ヒータ手段6をオンにしたまま単位時間あたりの発熱量を入室検知前よりも増加させる(ステップSB6)。この結果、使用者がトイレに進入してから、使用者が便蓋4を開放させるまでの間に、ヒータ手段6の発熱量が増加するため、便蓋4が閉鎖されている状態で便蓋4のヒータ手段6により便座3を迅速に暖めることができる。このように短時間の間に便座3を迅速に暖める方式が採用されているが、便蓋4のヒータ手段6は便座3のうち使用者の尻が接触する便座上面3uを優先的に暖めるものであるため、加熱効率が良い。
【実施例4】
【0031】
図6〜図8は実施例4を示す。本実施例は実施例1と基本的には同様の構成および同様の作用効果を有する。以下、実施例1と相違する部分を中心として説明するる。本実施例においても実施例1と同様に、図6に示すように、便座便蓋装置1は、基部2と、基部2に開閉可能に設けられた便座3と、基部2に開閉可能に設けられた閉鎖状態の便座3の上方に位置する便蓋4とを備えている。便蓋4は、便蓋4を暖めることができるヒータ手段6を備えている。便蓋4は、便蓋4の巾方向(矢印D方向)において見切線44xを介して分割可能な二つの分割体44で構成されている。ヒータ手段6は二つの分割体44にそれぞれ設けられている。二つの分割体44はそれぞれ、便蓋4の閉鎖時において便座3に対面する便座加熱位置と、便座3に着座する使用者の足MAに対面する足暖房位置とに切り替え可能とされている。
【0032】
図6、図7、図8の(A)位置は、閉鎖されている便蓋4に取り付けられているヒータ手段6で便座3を加熱する便座加熱位置を示す。図8の(D)位置は、便座3に着座している使用者の足MAを暖めている足暖房位置を示す。図6、図7,図8の(A)位置に示す状態では、二つの分割体44で形成された便蓋4は、閉鎖しているため、便座3に対面する便座加熱位置となる。この結果、便蓋4が閉鎖しているとき、分割体44のヒータ手段6は、便座3に対面しており、便座3を暖めることができる。殊に便座3のうち、使用者の尻が接触する便座上面3uを優先的な暖めることができる。従って前述したようにトイレへの使用者の進入を進入センサ78が検知すると、制御装置7はヒータ手段6の作動を制御して、便蓋4のヒータ手段6により便座3を迅速に加熱することができる。更に、図8の(D)に示すように、分割体44の位置が足暖房位値に切り替えられているとき、分割体44およびヒータ手段6は、便座3に着座する使用者の足MAに対面しており、便座に着座している使用者の足MAを暖めることができ、寒い時期に好適する。更に説明を加える。図8に示すように、分割体開閉機構4Aは、分割体44と、便蓋4の巾方向(矢印D方向)にのびるように分割体44に形成されたレール状案内部50と、案内部50に相対的に案内される被案内部として機能する複数の回転体51と、回転体51を保持する第1保持部52と、第1保持部52を介して分割体44を便器の巾方向(矢印D方向)に揺動させて上下方向(矢印Y1、Y2方向)に回動させるように枢支する揺動軸53をもつ第2保持部54とをもつ。
【0033】
便器不使用状態では、図8の(A)位置とされている。図8の(A)位置においては、二つの分割体44で形成された便蓋4は、閉鎖しており、便座3に対面する便座加熱位置となる。しかし使用者がトイレに進入していないときには、制御装置はヒータ手段6をオフとするか、あるいは、ヒータ手段6を発熱させたとしても微小発熱モードとされるため、節電が図られる。これに対して、使用者がトイレに進入することが進入センサにより検知されると、その信号は制御装置に入力される。この結果、制御装置はヒータ手段6をオフからオンさせて発熱させるか、オン状態のまま単位時間当たりの発熱量を増加させる。この状態では、分割体44のヒータ手段6は便座3に対面しているため、便座3を暖めることができる。ヒータ手段6の単位時間当たりの発熱量を高くして、便座3を急速に暖めることが好ましい。前述したように、便座3のうち、使用者の尻が接触する便座上面3uを優先的に暖めることができる。
【0034】
本実施例によれば、使用者が便座に着座するときには、図8の(A)位置→(B)位置→(C)位置→(D)位置の順に、便蓋4の分割体44を移動させる。本実施例では手動操作で分割体44を移動させる。この場合、図8の(B)位置に示すように、手動操作により分割体44を便蓋4の巾方向(矢印D方向)において拡開方向(矢印D1方向)に移動させる。この場合、案内部50に対して回転体51に対し滑らすことにより、分割体44を便蓋4の拡開方向(矢印D1方向)に移動させる。これにより二つの分割体44が互いに離間するように二つの分割体44を広げる(図8の(C)の位置)。このように二つの分割体44が拡開位置に広げられた状態で、図8の(D)位置に示すように、分割体44の巾方向(矢印D方向)の端部44aが下方に位置するように、揺動軸53を中心として分割体44を手動操作により下方(矢印Y2方向)に揺動させる。これにより分割体44が基部2に吊持されて足暖房位置に切り替えられる。このように分割体44が基部2に吊持される状態では、分割体44のヒータ手段6は便器の側面に対面する。このため便座3に着座する使用者の足に分割体44のヒータ手段6が対面する。これにより便蓋4を構成する分割体44のヒータ手段6により、使用者の足MAを暖めることができ、寒い時期に好適する。
【0035】
ヒータ手段6の温度を調整する温度スイッチ77(図4参照)の操作により、使用者の好みに合わせてヒータ手段6の温度を調整することができる。夏期等のように暑い時期には、ヒータ手段6をオフとすることもできる。図8に示すように、便蓋4のヒータ手段6は、カールされた伸縮可能な給電線60を介して基部2の給電端子62に繋がれている。給電線60の伸縮性または可撓性により、分割体44の移動変位に対処することができる。使用者の排泄が終了すると、図8の(D)位置→(C)位置→(B)位置→(A)位置の順に、便蓋4の分割体44を手動で戻す。
【実施例5】
【0036】
図9〜図11は実施例5を示す。本実施例は実施例1と基本的には同様の構成および同様の作用効果を有する。図6及び図7を準用することができる。図9に示すように、便蓋4は、便蓋4の巾方向(矢印D方向)において分割可能な二つの分割体44で構成されている。ヒータ手段6は二つの分割体44にそれぞれ設けられている。ヒータ手段6を有する二つの分割体44は、便蓋4の閉鎖時に便座3に対面する便座加熱位置(図9(A)の位置)と、便座3に着座する使用者の足に対面する足暖房位置(図9(D)の位置)とに切り替え可能とされている。
【0037】
使用者がトイレに進入していないときには、制御装置はヒータ手段6をオフとするか、あるいは、オンとしつつも単位時間あたりの発熱量を小さくするため、節電が図られる。これに対して、使用者がトイレに進入することが進入センサにより検知されると、その信号は制御装置に入力される。この結果、制御装置はヒータ手段6をオフからオンさせて発熱させるか、あるいは、オンとしつつも単位時間あたりの発熱量を大きくする。この結果、分割体44のヒータ手段6は便座3に対面しているため、便座3を迅速に暖めることができる。
【0038】
前記した実施例と同様に、便座に使用者が着座するときには、図9の(A)位置→(B)位置→(C)位置→(D)位置の順に、便蓋4の分割体44を移動させる。図9の(D)位置に示すように、分割体44が足暖房位値に切り替えられているとき、分割体44のヒータ手段6は、便座3に着座している使用者の足MAに対面してこれを暖めることができる。更に説明を加える。図9に示すように、分割体開閉機構4Aは駆動タイプであり、分割体44と、便蓋4の巾方向(矢印D方向)にのびるように分割体44に形成された案内部50と、案内部50に相対的に案内される回転体51と、回転体51を保持する第1保持部52と、第1保持部52を介して分割体44を上下方向(矢印Y1、Y2方向)に揺動させるように枢支する揺動軸53をもつ第2保持部54とをもつ。図10に示すように、案内部50は、歯部55aをもつラック部55を有する。回転体51は、ラック部55に噛み合う歯部56aをもつピニオン部56を有する。ピニオン部56は第1モータ57のモータ軸に連結されており、第1モータ57により回転駆動される。揺動軸53は第2モータ58で回転駆動される。第2モータ58が一方向に駆動すると、揺動軸53が矢印S1方向に回転し、揺動軸53に係合する第1保持部52が同方向に回転し、ひいては分割体44が揺動軸53の回りで矢印Y2方向に揺動する。
【0039】
図9の(A)位置においては、二つの分割体44で形成された便蓋4は、閉鎖しており、便座3に対面する便座加熱位置となるため、分割体44のヒータ手段6は、便座3を暖めることができる。殊に便座3のうち、使用者の尻が接触する便座上面3uを優先的な暖めることができる。そして、使用者がトイレに進入することが進入センサにより検知されると、その信号は制御装置に入力される。この結果、制御装置からの指令により第1モータ57が駆動すると、ピニオン部56がラック部55に噛み合いつつ回転する。従って、ラック部55をもつ案内部50を滑らすことにより、分割体44を便蓋4の巾方向(矢印D方向)において拡開方向(矢印D1方向)移動させ、二つの分割体44が互いに離間するように二つの分割体44を広げる(図9(D)の位置)。次に、制御装置からの指令により第2モータ58が回転すると、揺動軸53が矢印S1方向に回転する。このため図9(D)の位置に示すように、分割体44の巾方向の端部44aが下方に位置するように、揺動軸53を中心として分割体44を下方(矢印Y2方向)に揺動させる。これにより分割体44が基部2に吊持される。このように分割体44が基部2に吊持される状態では、分割体44のヒータ手段6は便器の側面に対面する。このため便座3に着座する使用者の足に分割体44のヒータ手段6が対面する。これにより分割体44のヒータ手段6が使用者の足を暖めることができ、寒い時期に好適する。使用者の排泄が終了すると、第1モータ57および第2モータ58を逆動させる。これにより、図9の(D)位置→(C)位置→(B)位置→(A)位置の順に、便蓋4の分割体44を戻す。ヒータ手段6は、カールされた伸縮可能な給電線60で給電端子62に繋がれている。給電線60の伸縮性および可撓性により、分割体44の変位に対処することができる。
【実施例6】
【0040】
図12は実施例6を示す。図12に示すように、分割体44は、便器の巾方向(矢印D方向)において、便座3に着座する使用者の足に対して遠ざかる方向(矢印E1方向)および近づく方向(矢印E2方向)に変位可能とされている。サイズが大きな使用者のとき、便器の巾方向(矢印D方向)において、便座3に着座する使用者の足に対して分割体44を遠ざかる方向(矢印E1方向)に変位させる。またはサイズが小さな使用者のとき、便座3に着座する使用者の足に対して分割体44を近づける方向(矢印E2方向)に変位させる。また寒いときには、便座3に着座する使用者の足に対して分割体44のヒータ手段6を近づける方向(矢印E2方向)に変位させることができる。
【実施例7】
【0041】
図13〜図15は実施例7を示す。便座便蓋装置1は、図13〜図15に示すように、基部2と、基部2に開閉可能に設けられた便座3と、基部2に開閉可能に設けられた閉鎖状態の便座3の上方に位置する便蓋4とを備える。便蓋4はヒータ手段6を備えている。便蓋4のヒータ手段6は、便蓋4が閉鎖されている状態で便座3に対面しており、便蓋4が閉鎖されている状態で便座3を暖めることができる。便蓋4は互いに離間可能な分割体44で構成されている。分割体44に接続された作動軸44kは、便器の巾方向(矢印D方向)においてスライド可能とされていると共に、上下方向(矢印Y1、Y2方向)に揺動可能とされている。作動軸44kが矢印D方向にスライドすると、分割体44は互いに離間できる(図14参照)。分割体44が離間した状態で、作動軸44kが下方(矢印Y2方向)に揺動すると、分割体44は便器の側方に対面する(図15参照)。
【0042】
本実施例においても、図2を準用することができる。図2に示すように、便蓋4は、ヒータ手段6を覆うカバー部42と、ヒータ手段6に対面する赤外線反射要素43とを有する。カバー部42は、赤外線透過性を有しており、ヒータ手段6と便座3との間に配置されている。このように便蓋4のヒータ手段6はカバー部42で覆われているため、便座3を暖めるとき、便座3を過熱させることが抑えられる。便蓋4が閉じているとき、便蓋4は便座3の上方に配置されている。この状態で便蓋4のヒータ手段6がオンされていると、便蓋4が閉鎖されている状態で、便蓋4のヒータ手段6は便座3を暖めることができる。この場合、便蓋4が閉じているため、便座3からの放熱性を抑えつつ、便蓋4のヒータ手段6により便座3を暖めることができる。このため使用者が便座3に着座するとき、便蓋4のヒータ手段6により便座3は既に暖められているので、寒い時期に好適する。便座3または便座カバーが湿気をもつときであっても、便蓋4のヒータ手段6により便蓋4を暖めれば、便座3の湿気をとることができる。
【0043】
(他の実施例)
上記した各実施例の特徴を併合させることができる。その他、本発明は上記し且つ図面に示した実施例のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できるものである。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は便座便蓋装置に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】実施例1に係り、便座便蓋装置の斜視図である。
【図2】実施例1に係り、図1のII−II線に沿って切断した便座便蓋装置の断面図である。
【図3】実施例2に係り、制御装置が実行するフローチャートの一例である。
【図4】実施例2に係り、制御装置のブロック図である。
【図5】実施例3に係り、制御装置が実行するフローチャートの一例である。
【図6】実施例4に係り、便座便蓋装置の斜視図である。
【図7】実施例4に係り、図6のVII−VII線に沿って切断した便座便蓋装置の断面図である。
【図8】実施例4に係り、便蓋を構成する分割体の移動状態を示す構成図である。
【図9】実施例5に係り、便蓋を構成する分割体の移動状態を示す構成図である。
【図10】実施例5に係り、分割体を駆動させる駆動機構の一部を示す構成図である。
【図11】実施例5に係り、分割体を駆動させる駆動機構の一部を示す構成図である。
【図12】実施例6に係り、便蓋を構成する分割体の作動を模式的に示す斜視図である。
【図13】実施例7に係り、便器に搭載した便座便蓋装置の斜視図である。
【図14】実施例7に係り、便器に搭載した便座便蓋装置の分割体を拡開している状態を示す斜視図である。
【図15】実施例7に係り、便器に搭載した便座便蓋装置の分割体を拡開させた後に下降に移動させた状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0046】
1は便座便蓋装置、2は基部、3は便座、4は便蓋、42はカバー部、43は赤外線反射要素、44は分割体、6はヒータ手段、60は給電線、7は制御装置、75は着座センサ、78は進入センサを示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は便座および便蓋を有する便座便蓋装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1には、便蓋が開放するとき、便座に着座している人の背中に対面するように便蓋の裏面にヒータを設けた便座装置が開示されている。このものでは、便蓋が開放しているとき、便座に着座している人の背中をヒータにより暖めることができる。特許文献2には、便蓋の裏面に温風吹出口、ヒータおよびブロアを設けた便座装置が開示されている。このものでは、便蓋が開放されているときヒータおよびブロアが作動し、温風吹出口から温風を吹き出し、使用者の腰部周辺を暖める。
【特許文献1】特開2000−279349号公報
【特許文献2】特開平6−66497号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記した装置によれば、便蓋が開放されているときにヒータが作動する方式であり、便蓋が閉鎖されている状態で便座を暖める方式ではない。更に、便座に着座する使用者の足もと等の足を暖める方式ではない。
【0004】
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、便蓋にヒータ手段を設ける方式を採用する便蓋便座装置を提供することを共通の課題とする。殊に、様相1また2の本発明は、便蓋が閉鎖されている状態で便蓋を暖める方式を採用する便蓋便座装置を提供することを課題とする。更に様相3の本発明は、便座に着座する使用者の足を暖める方式を採用する便蓋便座装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)様相1の本発明に係る便座便蓋装置は、基部と、基部に開閉可能に設けられた便座と、基部に開閉可能に設けられた閉鎖状態の便座の上方に位置する便蓋とを具備する便座便蓋装置において、便蓋は、便蓋が閉鎖されている状態で便座を暖めることができるヒータ手段を備えていることを特徴とするものである。便蓋のヒータ手段は、便蓋が閉鎖されている状態で、便座を暖めることができる。この場合、便座の放熱性を抑えつつ、便蓋のヒータ手段により便座を暖めることができる。このため使用者が便座に着座するとき、便蓋のヒータ手段により便座は既に暖められているので、寒い時期に好適する。便座が湿気をもつとき、便蓋のヒータ手段により便座の湿気をとることができる。
【0006】
(2)様相2の本発明に係る便座便蓋装置は、基部と、基部に開閉可能に設けられた便座と、基部に開閉可能に設けられた閉鎖状態の便座の上方に位置する便蓋とを具備する便座便蓋装置において、便蓋は、便蓋が閉鎖されている状態で便蓋を暖めることができるヒータ手段を備えており、且つ、使用者のトイレへの進入が検知されるとき、便蓋のヒータ手段を発熱させることにより、便蓋開放前に便座を暖める発熱指令手段が設けられていることを特徴とするものである。
【0007】
使用者のトイレへの進入が検知されるとき、発熱指令手段は、便蓋のヒータ手段を発熱させることにより、便蓋開放前に便座を暖めることができる。このため、使用者のトイレへの進入が検知されたときから、使用者が便座に着座するまでの間に、便蓋が閉鎖されている状態で、ヒータ手段は便座を確実に暖めることができる。
【0008】
様相2によれば、発熱指令手段は、使用者のトイレへの進入が検知されないとき、便蓋が閉鎖されている状態でヒータ手段で便蓋を暖める指令またはヒータ手段をオフとする指令(または、単位時間あたりの発熱量を小さくする指令)をヒータ手段に出力するモードと、使用者のトイレへの進入が検知されるとき、使用者のトイレへの進入検知の前よりも、便蓋のヒータ手段の単位時間当たりの発熱量を増加させることにより、便蓋の開放前に便座を急速に暖めるモードとを実行する態様を採用することができる。この態様では、便蓋の開放前にヒータ手段の発熱量を増加させるため、便座を急速に暖めることができ、寒い時期または寒冷地等に適する。
【0009】
(3)様相3の本発明に係る便座便蓋装置は、基部と、基部に開閉可能に設けられた便座と、基部に開閉可能に設けられた閉鎖状態の便座の上方に位置する便蓋とを具備する便座便蓋装置において、便蓋はヒータ手段を備えており、且つ、便蓋は、分割可能な複数の分割体で構成されており、ヒータ手段は複数の分割体のうちの少なくとも一つに設けられており、ヒータ手段を有する分割体のうちの少なくとも一つは、便座に着座する使用者の足に対面可能とされており、分割体のヒータ手段により使用者の足を暖めることを特徴とするものである。
【0010】
ヒータ手段を有する分割体のうちの少なくとも一つは、便座に着座する使用者の足に対面することができる。この場合、分割体のヒータ手段により使用者の足を暖めることができる。この場合、暖められる足は、下肢でも良いし、足首でも良いし、上肢でも良い。下肢、または、下肢よりも下の部位が好ましい。ヒータ手段は便座を暖めることができる機能を有することが好ましい。便蓋を構成する分割体の数は特に限定されるものではないが、2個を例示することができる。分割体は、便器の巾方向(便座に着座する着座者の左手と右手とを繋ぐ方向)に分割されることが好ましい。分割体のヒータ手段としては、便蓋が閉鎖された状態において、便蓋よりも下方に位置する便座を暖める形態を例示することができる。
【発明の効果】
【0011】
各様相の本発明によれば、便蓋にヒータ手段を設ける新規な方式を採用する便蓋便座装置を提供することができる。殊に様相1また2の本発明によれば、便蓋が閉鎖されている状態で便座を暖める方式を採用する便蓋便座装置を提供することができる。更に様相3の本発明は、便座に着座する使用者の足(例えば下肢、足首、上肢)を暖める方式を採用する便蓋便座装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
各様相によれば、ヒータ手段を有する分割体は、便座に着座する使用者の足に対して遠ざかる方向および/または近づく方向に変位可能とされている形態を例示することができる。この場合、サイズが大きい使用者のとき、便座に着座する使用者の足に対して分割体を遠ざかる方向に変位させる。サイズが小さな使用者のとき、便器の巾方向において、便座に着座する使用者の足に対して分割体を近づける方向に変位させる。また寒いときには、便座に着座する使用者の足に対して分割体のヒータ手段を近づける方向に変位させることができる。
【0013】
各様相によれば、便蓋は、ヒータ手段を覆うカバー部をヒータ手段と便座との間に有しており、カバー部は赤外線透過性を有する形態を例示することができる。また、使用者の足等の身体にヒータ手段が直接触れることが抑えられる。便蓋は、ヒータ手段に対面すると共にヒータ手段に対して便座と反対側に設けられ、ヒータ手段からの赤外線を反射させる赤外線反射要素を有する形態を例示することができる。この場合、便座、使用者の足等の身体から遠ざかる方向にヒータ手段から放出される赤外線を、赤外線反射要素により便座、使用者の足等の身体に向けて反射させることができる。故に、便座、使用者の足等の身体を効率よく暖めることができる。
【0014】
各様相によれば、発熱指令手段は、便蓋が閉鎖されているとき、便座を殺菌または減菌させる殺菌減菌モードを便蓋が閉鎖されている状態で実行する形態を例示することができる。殺菌減菌モードは、定期的にまたは不定期的に所定時間実行することができる。便蓋が閉鎖されており、便座のうち使用者の尻が接触する便座上面にヒータ手段が対面するため、便座のうち使用者の尻が接触する便座上面を集中的に効率よく殺菌または減菌することができる。殺菌減菌モードでは、便座の加熱温度を通常の便座加熱モードよりも高くすることが好ましい。
【0015】
各様相によれば、発熱指令手段は、使用者のトイレへの進入が検知されないとき、便蓋が閉鎖されている状態で便座を暖める指令またはヒータ手段をオフとする指令をヒータ手段に出力するモードと、使用者のトイレへの進入が検知されるとき、使用者のトイレへの進入検知の前よりも、便蓋のヒータ手段の単位時間当たりの発熱量を増加させることにより、便蓋の開放前に便座を暖めるモードとを実行する形態を例示することができる。この場合、使用者のトイレへの進入が検知されるとき、使用者のトイレへの進入検知の前よりも、便蓋のヒータ手段の発熱量を増加させる。これにより使用者がトイレへ進入してから、便蓋が開放される前の間に、便座を迅速に暖めることができる。
【0016】
また、発熱指令手段は、使用者のトイレへの進入が検知されるにもかわらず、便蓋が開放されているとき、便蓋を閉鎖させると共に便蓋のヒータ手段を発熱させる指令を出力し、便蓋が閉鎖されている状態でヒータ手段で便座を暖める形態を例示することができる。この場合、便蓋が開放されているときであっても、使用者のトイレへの進入が検知されると、便蓋を閉鎖させると共に便蓋のヒータ手段を発熱させるため、便蓋が閉鎖されている状態で便座を暖めることができる。
【0017】
各様相によれば、発熱指令手段は、使用者のトイレへの進入が検知されないとき、便蓋が閉鎖されている状態で便座を暖める指令またはヒータ手段をオフとする指令をヒータ手段に出力するモードと、使用者のトイレへの進入が検知されるとき、使用者のトイレへの進入検知の前よりも、便蓋のヒータ手段の発熱量を増加させることにより、便蓋の開放前に便座を暖めるモードと、便座に着座する使用者の足に便蓋の分割体が対面する状態で、便座に着座する使用者の足を暖める指令をヒータ手段に出力するモードとを実行する形態を例示することができる。
【実施例1】
【0018】
図1および図2は実施例1を示す。便座便蓋装置1は洋式便器に搭載されるものであり、図1および図2に示すように、洋式便器に取り付けられる箱状の基部2と、上下方向に開閉可能に基部2に設けられた便座3と、上下方向に開閉可能に基部2に設けられた閉鎖状態の便座3の上方に位置する便蓋4とを備える。便蓋4は電気式のヒータ手段6を備えている。ヒータ手段6は輻射ヒータで形成されている。図2に示すように、ヒータ手段6はホルダ6xを介して便蓋4のうち便座3に対面する側の内面4iに取り付けられている。内面4iとヒータ手段6との間には隙間6kが形成されている。便蓋4が閉鎖されている状態で、ヒータ手段6は便座3に対面しており、便蓋4が閉鎖されている状態で便座3を暖めることができる。便蓋4は後述する実施例と異なり、分割されていない。
【0019】
図2に示すように、便蓋4は、ヒータ手段6を覆うカバー部42と、ヒータ手段6に対面する赤外線反射要素43とを有する。カバー部42は、赤外線透過性を有しており、ヒータ手段6と便座3との間に配置されている。このように便蓋4のヒータ手段6はカバー部42で覆われている。この場合、便座3等の加熱対象物を暖めるとき、便座3等の加熱対象物とヒータ手段6とが直接接触することが抑制される。カバー部42は赤外線を良好に透過させ得るように、アクリル板等のプラスチック板で形成できる。
【0020】
赤外線反射要素43は、赤外線を反射させる性質を有しており、ヒータ手段6に対して便座3と反対側の内面4iに配置されている。この場合、便座3から遠ざかる方向にヒータ手段6から放出される赤外線を、赤外線反射要素43により、便座3に向けて反射させることができる。故に、便蓋4の内面4iの温度上昇を抑制しつつ、便座3等の加熱対象物を効率よく暖めることができる。赤外線反射要素43は、アルミニウム、アルミニウム合金またはステンレス鋼などの金属のように、赤外線を反射させる性質が高い材料を基材として形成されている。
【0021】
図2に示すように、便蓋4が閉鎖されているとき、便蓋4は便座3の上方に配置されており、便座3のうち使用者の尻が着座する便座上面3uを上側から覆っている。この状態で便蓋4のヒータ手段6が発熱すると、便蓋4が閉鎖されている状態で、便蓋4のヒータ手段6は、ヒータ手段6の下側に配置されている便座3を暖めることができる。この場合、便座3の熱は上方に移行し易いが、便蓋4が閉じて便座3を上方から覆っている。このため便座3からの放熱性を効果的に抑えつつ、便蓋4のヒータ手段6により便座3を暖めることができる。このため使用者が便蓋4を開放させて便座3に着座するとき、便蓋4のヒータ手段6により便座3は既に暖められているので、寒い時期や寒冷地等に好適する。更に、便座3、または、便座3に被覆した便座カバーが仮に湿気をもつときであっても、便蓋4のヒータ手段6により便蓋4を暖めれば、便座3の上側からの加熱により、便座3または便座カバーの湿気をとることができ、着座時における快適性を向上させ得る。
【0022】
従来、暖房便座として、便座3に設けたヒータ手段6により便座3を暖める方式が採用されている。この場合、便座3のうち使用者の尻が接触する便座上面3uだけを加熱すれば足りるにも拘わらず、使用者の尻が接触しない便座底面3dもかなり暖められることになり、加熱効率が必ずしも充分ではない。この点本実施例のように、便蓋4に設けたヒータ手段6により便座3を暖める方式が採用されているため、便座3のうち、使用者の尻が接触する便座上面3uを優先的に暖めることができる。故に、便座上面3uを迅速に高めることができる利点が得られる。
【0023】
また便座3を殺菌または減菌したいことがある。この点本実施例によれば、便蓋4が閉鎖されているとき、便座3の加熱温度を通常の便座加熱モードよりも上昇させて高温に維持することにより、便座3を殺菌または減菌させる殺菌減菌モードを実行する。殺菌減菌モードは、定期的にまたは不定期的に所定時間実行することができる。これにより便座3のうち使用者の尻が接触する便座上面3uを殺菌または減菌することができる。このように殺菌減菌モードでは、通常の便座加熱モードよりも、単位時間当たりのヒータ手段6の発熱量を高くすることが好ましい。殺菌減菌モードは、殺菌スイッチが設けられているときには殺菌スイッチを操作したり、あるいは、制御装置のタイマ機能により所定時間経過したときに実行することができる。
【0024】
本実施例によれば、便蓋4が閉鎖されており、且つ、使用者が便座3に着座していないときに、ヒータ手段6が発熱して便座3を暖める方式が採用されているが、これに限らず、便蓋4が開放されており、且つ、使用者が便座3に着座しているときに、ヒータ手段6が発熱する方式としても良い。この場合、便蓋4が開放しているため、便座3よりも、便座3に着座している使用者の背中を便蓋4のヒータ手段6により暖めることができる。なお、本実施例に係る便座便蓋装置1は、便座3に着座している使用者の局部に洗浄水を吐出する洗浄機能を有するタイプでも良いし、洗浄機能を有しないタイプでも良い。
【実施例2】
【0025】
図3および図4は実施例2を示す。本発明の実施例2について具体的に説明する。本実施例は実施例1と基本的には同様の構成および同様の作用効果を有する。便蓋4が開放されていると、ヒータ手段6と便座3が離れ過ぎ、便蓋4のヒータ手段6が発熱したしても、便蓋4のヒータ手段6は便座3をあまり効率よく暖めることができない。そこで本実施例によれば、便座3に使用者が着座していない条件と、便蓋4が開放されている条件とが満たされたときには、制御装置7は便蓋4を閉鎖させる指令を出力し、便蓋4を強制的に閉鎖させる。そして、便蓋4が閉鎖され、便蓋4で便座3を覆った状態で、制御装置は便蓋4のヒータ手段6を発熱させ、便座3を暖めることができる。
【0026】
図4に示すように、制御装置7は、センサの信号が入力される入力処理回路70と、CPU71と、記憶手段として機能するメモリ72と、制御信号をヒータ手段6に出力する出力処理回路73とをもつ。便座3に着座したことを検知する着座センサ75、便蓋4の開閉状態を検知する便蓋開閉センサ76、ヒータ手段6の温度を調整する温度スイッチ77、トイレへの使用者の進入を検知する進入センサ78が基部2に設けられている。着座センサ75、便蓋開閉センサ76、温度スイッチ77、進入センサ78の各信号が制御装置7の入力処理回路70に入力される。制御装置7からの指令により、開閉駆動装置5は便座3及び便蓋4の開閉を行う。
【0027】
図3は制御装置7が実行するフローチャートの一例を示す。このフローチャートは発熱指令手段として機能するが、フローチャートはこれに限定されるものではない。まず着座センサ75、便蓋開閉センサ76といった各センサの信号を読み込む(ステップS2)。便蓋4が開放している条件(ステップS4)、便座3に使用者が着座していない条件(ステップS6)の双方が満たされるとき、制御装置7は便蓋4を強制的に閉鎖させる指令を開閉駆動装置5に出力すると共に(ステップS8)、ヒータ手段6をオンする指令(ステップS10)を出力する。この結果、便蓋4が閉鎖された状態で、便蓋4のヒータ手段6は便座3を暖めることができる。更に、殺菌減菌モードを実行する時期か否か制御装置7は判定する(ステップS12)。殺菌減菌モードを実行する時期であれば、ヒータ手段6の単位時間あたりの発熱量を殺菌減菌モード実行前よりも、また、通常の便座加熱モードよりも増加させる。この結果、便座3の温度を殺菌温度領域に上昇させ、便座3を殺菌または減菌させる殺菌減菌モードを所定時間実行する(ステップS14)。殺菌減菌モードを実行する時期でなければ(ステップS12のNO)、ヒータ手段6の単位時間あたりの発熱量を通常値にして便座3を暖める(ステップS16)。なお、殺菌減菌モードを実行する時期でなければ、ヒータ手段6をオフにしても良い。本実施例によれば、使用者がトイレに進入するまでは、ヒータ手段6をオフにして節電を図ることにしても良い。この場合、使用者がトイレに進入したことが検知された後、ヒータ手段6をオンにして発熱させても良い。なお、殺菌減菌モードを実行する時期か否かは、CPU71のタイマ機能により、前回の殺菌減菌モードを実行する時期からの経過時間で判定することができる。あるいは、殺菌減菌モードを実行するスイッチが操作されているときには、殺菌減菌モードを実行することにしても良い。
【実施例3】
【0028】
図5は実施例3を示す。実施例3について具体的に説明する。本実施例は実施例1と基本的には同様の構成および同様の作用効果を有する。図1,図2,図4を準用できる。本実施例においても実施例1と同様に、便蓋4に取り付けられているヒータ手段6は、便蓋4が閉鎖されている状態で便蓋4を暖めることができる。便蓋4に取り付けたヒータ手段6により便座3を暖めるため、便座3のうち、使用者の尻が接触する便座上面3uを優先的に暖めることができ、便座上面3uを迅速に高めることができる。図4に示すように、使用者のトイレへの進入を検知する進入センサ78が基部2またはトイレに設けられている。進入センサ78としては、赤外線センサ方式、光センサ方式、音センサ方式、機械的スイッチセンサ、トイレ室内の照明スイッチなどの公知の方式を例示できる。使用者のトイレへの進入を進入センサ78が検知しないときには、便蓋4のヒータ手段6をオフとしたり、ヒータ手段6の単位時間あたりの発熱量を小さくし、節電を図る。
【0029】
これに対して、使用者のトイレへの進入を進入センサ78が検知すると、ヒータ手段6をオフからオンに切り替えたり、ヒータ手段6をオンにしたまま単位時間当たりの発熱量を増加させる。この結果、使用者の進入の検知前よりも、ヒータ手段6の単位時間当たり発熱量を高めとする。従って、使用者がトイレへ進入してから、便蓋4を開放するまでの間に、便蓋4のヒータ手段6により便座3を暖めることができる。この結果、便座3のうち、使用者の尻が接触する便座上面3uを迅速に高めることができる。このように短時間のうちの便座上面3uを加熱するため、ヒータ手段6の単位時間当たり発熱量を高くすることが好ましい。
【0030】
図5は、制御装置7が実行するフローチャートの一例を示す。このフローチャートは発熱指令手段として機能するが、フローチャートはこれに限定されるものではない。進入センサ78の信号を読み込む(ステップSB2)。使用者がトイレへ進入したか否か、つまり、トイレへの入室の有無を判定する(ステップSB4)。トイレへの入室が検知されていなければ、ヒータ手段6をオフとするか、あるいは、単位時間あたりのヒータ手段6の発熱量を低めとする(ステップSB8)。これに対して、使用者のトイレへの進入が検知されていれば、ヒータ手段6をオフからオンに切り替えるか、あるいは、ヒータ手段6をオンにしたまま単位時間あたりの発熱量を入室検知前よりも増加させる(ステップSB6)。この結果、使用者がトイレに進入してから、使用者が便蓋4を開放させるまでの間に、ヒータ手段6の発熱量が増加するため、便蓋4が閉鎖されている状態で便蓋4のヒータ手段6により便座3を迅速に暖めることができる。このように短時間の間に便座3を迅速に暖める方式が採用されているが、便蓋4のヒータ手段6は便座3のうち使用者の尻が接触する便座上面3uを優先的に暖めるものであるため、加熱効率が良い。
【実施例4】
【0031】
図6〜図8は実施例4を示す。本実施例は実施例1と基本的には同様の構成および同様の作用効果を有する。以下、実施例1と相違する部分を中心として説明するる。本実施例においても実施例1と同様に、図6に示すように、便座便蓋装置1は、基部2と、基部2に開閉可能に設けられた便座3と、基部2に開閉可能に設けられた閉鎖状態の便座3の上方に位置する便蓋4とを備えている。便蓋4は、便蓋4を暖めることができるヒータ手段6を備えている。便蓋4は、便蓋4の巾方向(矢印D方向)において見切線44xを介して分割可能な二つの分割体44で構成されている。ヒータ手段6は二つの分割体44にそれぞれ設けられている。二つの分割体44はそれぞれ、便蓋4の閉鎖時において便座3に対面する便座加熱位置と、便座3に着座する使用者の足MAに対面する足暖房位置とに切り替え可能とされている。
【0032】
図6、図7、図8の(A)位置は、閉鎖されている便蓋4に取り付けられているヒータ手段6で便座3を加熱する便座加熱位置を示す。図8の(D)位置は、便座3に着座している使用者の足MAを暖めている足暖房位置を示す。図6、図7,図8の(A)位置に示す状態では、二つの分割体44で形成された便蓋4は、閉鎖しているため、便座3に対面する便座加熱位置となる。この結果、便蓋4が閉鎖しているとき、分割体44のヒータ手段6は、便座3に対面しており、便座3を暖めることができる。殊に便座3のうち、使用者の尻が接触する便座上面3uを優先的な暖めることができる。従って前述したようにトイレへの使用者の進入を進入センサ78が検知すると、制御装置7はヒータ手段6の作動を制御して、便蓋4のヒータ手段6により便座3を迅速に加熱することができる。更に、図8の(D)に示すように、分割体44の位置が足暖房位値に切り替えられているとき、分割体44およびヒータ手段6は、便座3に着座する使用者の足MAに対面しており、便座に着座している使用者の足MAを暖めることができ、寒い時期に好適する。更に説明を加える。図8に示すように、分割体開閉機構4Aは、分割体44と、便蓋4の巾方向(矢印D方向)にのびるように分割体44に形成されたレール状案内部50と、案内部50に相対的に案内される被案内部として機能する複数の回転体51と、回転体51を保持する第1保持部52と、第1保持部52を介して分割体44を便器の巾方向(矢印D方向)に揺動させて上下方向(矢印Y1、Y2方向)に回動させるように枢支する揺動軸53をもつ第2保持部54とをもつ。
【0033】
便器不使用状態では、図8の(A)位置とされている。図8の(A)位置においては、二つの分割体44で形成された便蓋4は、閉鎖しており、便座3に対面する便座加熱位置となる。しかし使用者がトイレに進入していないときには、制御装置はヒータ手段6をオフとするか、あるいは、ヒータ手段6を発熱させたとしても微小発熱モードとされるため、節電が図られる。これに対して、使用者がトイレに進入することが進入センサにより検知されると、その信号は制御装置に入力される。この結果、制御装置はヒータ手段6をオフからオンさせて発熱させるか、オン状態のまま単位時間当たりの発熱量を増加させる。この状態では、分割体44のヒータ手段6は便座3に対面しているため、便座3を暖めることができる。ヒータ手段6の単位時間当たりの発熱量を高くして、便座3を急速に暖めることが好ましい。前述したように、便座3のうち、使用者の尻が接触する便座上面3uを優先的に暖めることができる。
【0034】
本実施例によれば、使用者が便座に着座するときには、図8の(A)位置→(B)位置→(C)位置→(D)位置の順に、便蓋4の分割体44を移動させる。本実施例では手動操作で分割体44を移動させる。この場合、図8の(B)位置に示すように、手動操作により分割体44を便蓋4の巾方向(矢印D方向)において拡開方向(矢印D1方向)に移動させる。この場合、案内部50に対して回転体51に対し滑らすことにより、分割体44を便蓋4の拡開方向(矢印D1方向)に移動させる。これにより二つの分割体44が互いに離間するように二つの分割体44を広げる(図8の(C)の位置)。このように二つの分割体44が拡開位置に広げられた状態で、図8の(D)位置に示すように、分割体44の巾方向(矢印D方向)の端部44aが下方に位置するように、揺動軸53を中心として分割体44を手動操作により下方(矢印Y2方向)に揺動させる。これにより分割体44が基部2に吊持されて足暖房位置に切り替えられる。このように分割体44が基部2に吊持される状態では、分割体44のヒータ手段6は便器の側面に対面する。このため便座3に着座する使用者の足に分割体44のヒータ手段6が対面する。これにより便蓋4を構成する分割体44のヒータ手段6により、使用者の足MAを暖めることができ、寒い時期に好適する。
【0035】
ヒータ手段6の温度を調整する温度スイッチ77(図4参照)の操作により、使用者の好みに合わせてヒータ手段6の温度を調整することができる。夏期等のように暑い時期には、ヒータ手段6をオフとすることもできる。図8に示すように、便蓋4のヒータ手段6は、カールされた伸縮可能な給電線60を介して基部2の給電端子62に繋がれている。給電線60の伸縮性または可撓性により、分割体44の移動変位に対処することができる。使用者の排泄が終了すると、図8の(D)位置→(C)位置→(B)位置→(A)位置の順に、便蓋4の分割体44を手動で戻す。
【実施例5】
【0036】
図9〜図11は実施例5を示す。本実施例は実施例1と基本的には同様の構成および同様の作用効果を有する。図6及び図7を準用することができる。図9に示すように、便蓋4は、便蓋4の巾方向(矢印D方向)において分割可能な二つの分割体44で構成されている。ヒータ手段6は二つの分割体44にそれぞれ設けられている。ヒータ手段6を有する二つの分割体44は、便蓋4の閉鎖時に便座3に対面する便座加熱位置(図9(A)の位置)と、便座3に着座する使用者の足に対面する足暖房位置(図9(D)の位置)とに切り替え可能とされている。
【0037】
使用者がトイレに進入していないときには、制御装置はヒータ手段6をオフとするか、あるいは、オンとしつつも単位時間あたりの発熱量を小さくするため、節電が図られる。これに対して、使用者がトイレに進入することが進入センサにより検知されると、その信号は制御装置に入力される。この結果、制御装置はヒータ手段6をオフからオンさせて発熱させるか、あるいは、オンとしつつも単位時間あたりの発熱量を大きくする。この結果、分割体44のヒータ手段6は便座3に対面しているため、便座3を迅速に暖めることができる。
【0038】
前記した実施例と同様に、便座に使用者が着座するときには、図9の(A)位置→(B)位置→(C)位置→(D)位置の順に、便蓋4の分割体44を移動させる。図9の(D)位置に示すように、分割体44が足暖房位値に切り替えられているとき、分割体44のヒータ手段6は、便座3に着座している使用者の足MAに対面してこれを暖めることができる。更に説明を加える。図9に示すように、分割体開閉機構4Aは駆動タイプであり、分割体44と、便蓋4の巾方向(矢印D方向)にのびるように分割体44に形成された案内部50と、案内部50に相対的に案内される回転体51と、回転体51を保持する第1保持部52と、第1保持部52を介して分割体44を上下方向(矢印Y1、Y2方向)に揺動させるように枢支する揺動軸53をもつ第2保持部54とをもつ。図10に示すように、案内部50は、歯部55aをもつラック部55を有する。回転体51は、ラック部55に噛み合う歯部56aをもつピニオン部56を有する。ピニオン部56は第1モータ57のモータ軸に連結されており、第1モータ57により回転駆動される。揺動軸53は第2モータ58で回転駆動される。第2モータ58が一方向に駆動すると、揺動軸53が矢印S1方向に回転し、揺動軸53に係合する第1保持部52が同方向に回転し、ひいては分割体44が揺動軸53の回りで矢印Y2方向に揺動する。
【0039】
図9の(A)位置においては、二つの分割体44で形成された便蓋4は、閉鎖しており、便座3に対面する便座加熱位置となるため、分割体44のヒータ手段6は、便座3を暖めることができる。殊に便座3のうち、使用者の尻が接触する便座上面3uを優先的な暖めることができる。そして、使用者がトイレに進入することが進入センサにより検知されると、その信号は制御装置に入力される。この結果、制御装置からの指令により第1モータ57が駆動すると、ピニオン部56がラック部55に噛み合いつつ回転する。従って、ラック部55をもつ案内部50を滑らすことにより、分割体44を便蓋4の巾方向(矢印D方向)において拡開方向(矢印D1方向)移動させ、二つの分割体44が互いに離間するように二つの分割体44を広げる(図9(D)の位置)。次に、制御装置からの指令により第2モータ58が回転すると、揺動軸53が矢印S1方向に回転する。このため図9(D)の位置に示すように、分割体44の巾方向の端部44aが下方に位置するように、揺動軸53を中心として分割体44を下方(矢印Y2方向)に揺動させる。これにより分割体44が基部2に吊持される。このように分割体44が基部2に吊持される状態では、分割体44のヒータ手段6は便器の側面に対面する。このため便座3に着座する使用者の足に分割体44のヒータ手段6が対面する。これにより分割体44のヒータ手段6が使用者の足を暖めることができ、寒い時期に好適する。使用者の排泄が終了すると、第1モータ57および第2モータ58を逆動させる。これにより、図9の(D)位置→(C)位置→(B)位置→(A)位置の順に、便蓋4の分割体44を戻す。ヒータ手段6は、カールされた伸縮可能な給電線60で給電端子62に繋がれている。給電線60の伸縮性および可撓性により、分割体44の変位に対処することができる。
【実施例6】
【0040】
図12は実施例6を示す。図12に示すように、分割体44は、便器の巾方向(矢印D方向)において、便座3に着座する使用者の足に対して遠ざかる方向(矢印E1方向)および近づく方向(矢印E2方向)に変位可能とされている。サイズが大きな使用者のとき、便器の巾方向(矢印D方向)において、便座3に着座する使用者の足に対して分割体44を遠ざかる方向(矢印E1方向)に変位させる。またはサイズが小さな使用者のとき、便座3に着座する使用者の足に対して分割体44を近づける方向(矢印E2方向)に変位させる。また寒いときには、便座3に着座する使用者の足に対して分割体44のヒータ手段6を近づける方向(矢印E2方向)に変位させることができる。
【実施例7】
【0041】
図13〜図15は実施例7を示す。便座便蓋装置1は、図13〜図15に示すように、基部2と、基部2に開閉可能に設けられた便座3と、基部2に開閉可能に設けられた閉鎖状態の便座3の上方に位置する便蓋4とを備える。便蓋4はヒータ手段6を備えている。便蓋4のヒータ手段6は、便蓋4が閉鎖されている状態で便座3に対面しており、便蓋4が閉鎖されている状態で便座3を暖めることができる。便蓋4は互いに離間可能な分割体44で構成されている。分割体44に接続された作動軸44kは、便器の巾方向(矢印D方向)においてスライド可能とされていると共に、上下方向(矢印Y1、Y2方向)に揺動可能とされている。作動軸44kが矢印D方向にスライドすると、分割体44は互いに離間できる(図14参照)。分割体44が離間した状態で、作動軸44kが下方(矢印Y2方向)に揺動すると、分割体44は便器の側方に対面する(図15参照)。
【0042】
本実施例においても、図2を準用することができる。図2に示すように、便蓋4は、ヒータ手段6を覆うカバー部42と、ヒータ手段6に対面する赤外線反射要素43とを有する。カバー部42は、赤外線透過性を有しており、ヒータ手段6と便座3との間に配置されている。このように便蓋4のヒータ手段6はカバー部42で覆われているため、便座3を暖めるとき、便座3を過熱させることが抑えられる。便蓋4が閉じているとき、便蓋4は便座3の上方に配置されている。この状態で便蓋4のヒータ手段6がオンされていると、便蓋4が閉鎖されている状態で、便蓋4のヒータ手段6は便座3を暖めることができる。この場合、便蓋4が閉じているため、便座3からの放熱性を抑えつつ、便蓋4のヒータ手段6により便座3を暖めることができる。このため使用者が便座3に着座するとき、便蓋4のヒータ手段6により便座3は既に暖められているので、寒い時期に好適する。便座3または便座カバーが湿気をもつときであっても、便蓋4のヒータ手段6により便蓋4を暖めれば、便座3の湿気をとることができる。
【0043】
(他の実施例)
上記した各実施例の特徴を併合させることができる。その他、本発明は上記し且つ図面に示した実施例のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できるものである。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は便座便蓋装置に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】実施例1に係り、便座便蓋装置の斜視図である。
【図2】実施例1に係り、図1のII−II線に沿って切断した便座便蓋装置の断面図である。
【図3】実施例2に係り、制御装置が実行するフローチャートの一例である。
【図4】実施例2に係り、制御装置のブロック図である。
【図5】実施例3に係り、制御装置が実行するフローチャートの一例である。
【図6】実施例4に係り、便座便蓋装置の斜視図である。
【図7】実施例4に係り、図6のVII−VII線に沿って切断した便座便蓋装置の断面図である。
【図8】実施例4に係り、便蓋を構成する分割体の移動状態を示す構成図である。
【図9】実施例5に係り、便蓋を構成する分割体の移動状態を示す構成図である。
【図10】実施例5に係り、分割体を駆動させる駆動機構の一部を示す構成図である。
【図11】実施例5に係り、分割体を駆動させる駆動機構の一部を示す構成図である。
【図12】実施例6に係り、便蓋を構成する分割体の作動を模式的に示す斜視図である。
【図13】実施例7に係り、便器に搭載した便座便蓋装置の斜視図である。
【図14】実施例7に係り、便器に搭載した便座便蓋装置の分割体を拡開している状態を示す斜視図である。
【図15】実施例7に係り、便器に搭載した便座便蓋装置の分割体を拡開させた後に下降に移動させた状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0046】
1は便座便蓋装置、2は基部、3は便座、4は便蓋、42はカバー部、43は赤外線反射要素、44は分割体、6はヒータ手段、60は給電線、7は制御装置、75は着座センサ、78は進入センサを示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部と、前記基部に開閉可能に設けられた便座と、前記基部に開閉可能に設けられた閉鎖状態の便座の上方に位置する便蓋とを具備する便座便蓋装置において、
前記便蓋は、前記便蓋が閉鎖されている状態で前記便座を暖めることができるヒータ手段を備えていることを特徴とする便座便蓋装置。
【請求項2】
基部と、前記基部に開閉可能に設けられた便座と、前記基部に開閉可能に設けられた閉鎖状態の前記便座の上方に位置する便蓋とを具備する便座便蓋装置において、
前記便蓋は、前記便蓋が閉鎖されている状態で前記便蓋を暖めることができるヒータ手段を備えており、且つ、
使用者のトイレへの進入が検知されるとき、前記便蓋の前記ヒータ手段を発熱させることにより、前記便蓋の開放前に前記便座を暖める発熱指令手段が設けられていることを特徴とする便座便蓋装置。
【請求項3】
請求項2において、前記発熱指令手段は、使用者がトイレへ進入するにもかかわらず前記便蓋が開放されているとき、前記便蓋を閉鎖させると共に前記便蓋の前記ヒータ手段を発熱させる指令を出力し、前記便蓋が閉鎖されている状態で前記便座を暖めることを特徴とする便座便蓋装置。
【請求項4】
請求項1〜3のうちのいずれか一項において、前記発熱指令手段は、使用者のトイレへの進入が検知されないとき、前記便蓋が閉鎖されている状態で前記ヒータ手段で前記便蓋を暖める指令または前記ヒータ手段をオフとする指令を前記ヒータ手段に出力するモードと、使用者のトイレへの進入が検知されるとき、使用者のトイレへの進入検知の前よりも、前記便蓋の前記ヒータ手段の発熱量を増加させることにより、前記便蓋の開放前に前記便座を急速に暖めるモードとを実行することを特徴とする便座便蓋装置。
【請求項5】
請求項1〜4のうちのいずれか一項において、前記発熱指令手段は、前記便蓋が閉鎖されているとき、前記便座を殺菌または減菌させる殺菌減菌モードを実行することを特徴とする便座便蓋装置。
【請求項6】
基部と、前記基部に開閉可能に設けられた便座と、前記基部に開閉可能に設けられた閉鎖状態の前記便座の上方に位置する便蓋とを具備する便座便蓋装置において、
前記便蓋はヒータ手段を備えており、且つ、前記便蓋は、分割可能な複数の分割体で構成されており、前記ヒータ手段は複数の前記分割体のうちの少なくとも一つに設けられており、前記ヒータ手段を有する前記分割体のうちの少なくとも一つは、前記便座に着座する使用者の足に対面可能とされており、前記分割体の前記ヒータ手段により使用者の足を暖めることを特徴とする便座便蓋装置。
【請求項7】
請求項6において、前記ヒータ手段は前記便蓋が閉鎖されているとき前記便蓋を暖めることを特徴とする便座便蓋装置。
【請求項8】
請求項7において、前記発熱指令手段は、使用者のトイレへの進入が検知されないとき、前記便蓋が閉鎖されている状態で前記便座を暖める指令または前記ヒータ手段をオフとする指令を前記ヒータ手段に出力するモードと、使用者のトイレへの進入が検知されるとき、使用者のトイレへの進入検知の前よりも、前記便蓋のヒータ手段の単位時間当たりの発熱量を増加させることにより、前記便蓋の開放前に前記便座を暖めるモードと、前記便座に着座する使用者の足に前記便蓋の前記分割体が対面する状態で、前記便座に着座する使用者の足を暖める指令を前記ヒータ手段に出力するモードとを実行することを特徴とする便座便蓋装置。
【請求項9】
請求項6〜8のうちのいずれか一項において、前記ヒータ手段を有する前記分割体は、前記便座に着座する使用者の足に対して遠ざかる方向および/または近づく方向に変位可能とされていることを特徴とする便座便蓋装置。
【請求項10】
請求項1〜9のうちのいずれか一項において、前記便蓋は、前記ヒータ手段を覆うカバー部を前記ヒータ手段と前記便座との間に有しており、前記カバー部は赤外線透過性を有することを特徴とする便座便蓋装置。
【請求項11】
請求項1〜10のうちのいずれか一項において、前記便蓋は、前記ヒータ手段に対面すると共に前記ヒータ手段に対して前記便座と反対側に設けられ、前記ヒータ手段からの赤外線を反射させる赤外線反射要素を有することを特徴とする便座便蓋装置。
【請求項1】
基部と、前記基部に開閉可能に設けられた便座と、前記基部に開閉可能に設けられた閉鎖状態の便座の上方に位置する便蓋とを具備する便座便蓋装置において、
前記便蓋は、前記便蓋が閉鎖されている状態で前記便座を暖めることができるヒータ手段を備えていることを特徴とする便座便蓋装置。
【請求項2】
基部と、前記基部に開閉可能に設けられた便座と、前記基部に開閉可能に設けられた閉鎖状態の前記便座の上方に位置する便蓋とを具備する便座便蓋装置において、
前記便蓋は、前記便蓋が閉鎖されている状態で前記便蓋を暖めることができるヒータ手段を備えており、且つ、
使用者のトイレへの進入が検知されるとき、前記便蓋の前記ヒータ手段を発熱させることにより、前記便蓋の開放前に前記便座を暖める発熱指令手段が設けられていることを特徴とする便座便蓋装置。
【請求項3】
請求項2において、前記発熱指令手段は、使用者がトイレへ進入するにもかかわらず前記便蓋が開放されているとき、前記便蓋を閉鎖させると共に前記便蓋の前記ヒータ手段を発熱させる指令を出力し、前記便蓋が閉鎖されている状態で前記便座を暖めることを特徴とする便座便蓋装置。
【請求項4】
請求項1〜3のうちのいずれか一項において、前記発熱指令手段は、使用者のトイレへの進入が検知されないとき、前記便蓋が閉鎖されている状態で前記ヒータ手段で前記便蓋を暖める指令または前記ヒータ手段をオフとする指令を前記ヒータ手段に出力するモードと、使用者のトイレへの進入が検知されるとき、使用者のトイレへの進入検知の前よりも、前記便蓋の前記ヒータ手段の発熱量を増加させることにより、前記便蓋の開放前に前記便座を急速に暖めるモードとを実行することを特徴とする便座便蓋装置。
【請求項5】
請求項1〜4のうちのいずれか一項において、前記発熱指令手段は、前記便蓋が閉鎖されているとき、前記便座を殺菌または減菌させる殺菌減菌モードを実行することを特徴とする便座便蓋装置。
【請求項6】
基部と、前記基部に開閉可能に設けられた便座と、前記基部に開閉可能に設けられた閉鎖状態の前記便座の上方に位置する便蓋とを具備する便座便蓋装置において、
前記便蓋はヒータ手段を備えており、且つ、前記便蓋は、分割可能な複数の分割体で構成されており、前記ヒータ手段は複数の前記分割体のうちの少なくとも一つに設けられており、前記ヒータ手段を有する前記分割体のうちの少なくとも一つは、前記便座に着座する使用者の足に対面可能とされており、前記分割体の前記ヒータ手段により使用者の足を暖めることを特徴とする便座便蓋装置。
【請求項7】
請求項6において、前記ヒータ手段は前記便蓋が閉鎖されているとき前記便蓋を暖めることを特徴とする便座便蓋装置。
【請求項8】
請求項7において、前記発熱指令手段は、使用者のトイレへの進入が検知されないとき、前記便蓋が閉鎖されている状態で前記便座を暖める指令または前記ヒータ手段をオフとする指令を前記ヒータ手段に出力するモードと、使用者のトイレへの進入が検知されるとき、使用者のトイレへの進入検知の前よりも、前記便蓋のヒータ手段の単位時間当たりの発熱量を増加させることにより、前記便蓋の開放前に前記便座を暖めるモードと、前記便座に着座する使用者の足に前記便蓋の前記分割体が対面する状態で、前記便座に着座する使用者の足を暖める指令を前記ヒータ手段に出力するモードとを実行することを特徴とする便座便蓋装置。
【請求項9】
請求項6〜8のうちのいずれか一項において、前記ヒータ手段を有する前記分割体は、前記便座に着座する使用者の足に対して遠ざかる方向および/または近づく方向に変位可能とされていることを特徴とする便座便蓋装置。
【請求項10】
請求項1〜9のうちのいずれか一項において、前記便蓋は、前記ヒータ手段を覆うカバー部を前記ヒータ手段と前記便座との間に有しており、前記カバー部は赤外線透過性を有することを特徴とする便座便蓋装置。
【請求項11】
請求項1〜10のうちのいずれか一項において、前記便蓋は、前記ヒータ手段に対面すると共に前記ヒータ手段に対して前記便座と反対側に設けられ、前記ヒータ手段からの赤外線を反射させる赤外線反射要素を有することを特徴とする便座便蓋装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2007−54295(P2007−54295A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−243147(P2005−243147)
【出願日】平成17年8月24日(2005.8.24)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年8月24日(2005.8.24)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】
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