説明

係合構造及び給電システム

【課題】自走式装置を予め設定された所定位置に正確に且つ確実に停止させる。
【解決手段】セキュリティロボット1に配設された第1係合部材15と、充電装置2に配設された第2係合部材21とを備え、第1係合部材15が、進行方向に対して先窄まり形状に形成され、進行方向に対して略同一の所定角度をなす略平面状の2辺を有する凸部151を有し、第2係合部材21が、セキュリティロボット1が侵入する方向である侵入方向に対して先拡がり形状に形成され、侵入方向に対して略同一の所定角度をなす略平面状の2辺を有する凹部211を有し、セキュリティロボット1が、凸部151の2辺がそれぞれ凹部211の2辺と係合することによって充電装置2に係止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自走式装置に配設された第1係合部材と、固定装置に配設された第2係合部材とからなる係合構造、及び、第1係合部材が配設された自走式装置と、第2係合部材が配設された固定装置とからなる給電システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、蓄電池を駆動用電源として使用して、自走する自走式装置が知られている。このような自走式装置では、走行に伴い蓄電池の電力が消費されるため、商用電源と接続された充電装置を介して充電する必要がある。従って、自走式装置に配設された充電端子と、充電装置に設けられた給電端子とを接続して充電を行う際に、自走式装置側の充電端子を充電装置の給電端子に接続させる際の位置合わせが困難であるという課題があった。
【0003】
上記課題を解消するために、種々の装置、方法等が提案されている。例えば、自走式掃除機に配設された充電端子を、充電装置の給電端子よりも水平方向に幅広とする充電式走行システムが提案されている(特許文献1参照)。この充電式走行システムによれば、自走式掃除機が充電装置の中心から多少、左右にずれた状態で給電端子に接近した場合であっても、確実に充電端子と給電端子とを接続させることができる。
【特許文献1】特開2006−95007号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記充電式走行システムにおいても、なお、自走式掃除機の位置合わせの精度が充分では無い場合には、充電端子と給電端子とを接続させることができない虞がある。例えば、自走式掃除機が給電端子の幅方向に対して直行する方向を基準として、所定角度(例えば10°)以上傾斜した方向から近接した場合には、充電端子と給電端子とを接続させることができない場合があった。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、自走式装置を予め設定された所定位置に正確に且つ確実に停止させることの可能な係合構造、及び、自走式装置を確実に給電することの可能な給電システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記第1の目的を達成するために、請求項1に記載の係合構造は、自走式装置に配設された第1係合部材と、固定装置に配設された第2係合部材とからなる係合構造であって、前記第1係合部材が、進行方向に対して先窄まり形状に形成され、進行方向に対して略30°をなす略平面状の2辺を有する凸部を有し、前記自走式装置の上部に略水平に配設され、前記2辺を含み所定の高さを有する略三角柱状に形成されると共に、その幅が、前記自走式装置の幅の1/2以上、且つ、前記自走式装置の幅未満に形成され、前記第2係合部材は、前記自走式装置が侵入する方向である侵入方向に対して先拡がり形状に形成され、前記侵入方向に対して略30°をなす略平面状の2辺を有する凹部を有し、前記第1係合部材と係合するべく所定の高さに略水平に配設されると共に、略板状の部材に前記凹部が切り欠かれて形成され、前記自走式装置が、前記凸部の2辺が、それぞれ、前記凹部の2辺と係合することによって前記固定装置に係止されることを特徴としている。
【0007】
また上記第2の目的を達成するために、請求項2に記載の給電システムは、第1係合部材が配設された自走式装置と、第2係合部材が配設された固定装置と、を備える給電システムであって、前記自走式装置が、駆動用電源として機能する蓄電池と、前記蓄電池を充電する自走側充電端子と、を備え、前記固定装置が、前記自走側充電端子と当接して前記蓄電池を充電する固定側充電端子を備え、前記第1係合部材が、進行方向に対して先窄まり形状に形成され、進行方向に対して略30°をなす略平面状の2辺を有する凸部を有し、前記自走式装置の上部に略水平に配設され、前記2辺を含み所定の高さを有する略三角柱状に形成されると共に、その幅が、前記自走式装置の幅の1/2以上、且つ、前記自走式装置の幅未満に形成され、前記第2係合部材が、前記自走式装置が侵入する方向である侵入方向に対して先拡がり形状に形成され、前記侵入方向に対して略30°をなす略平面状の2辺を有する凹部を有し、前記第1係合部材と係合するべく所定の高さに略水平に配設されると共に、略板状の部材に前記凹部が切り欠かれて形成され、前記自走式装置が、前記凸部の2辺が、それぞれ、前記凹部の2辺と係合することによって前記固定装置に係止され、前記自走側充電端子が、前記自走式装置の下部に配設され、前記固定側充電端子が、前記自走側充電端子と当接するべく所定の高さに配設されていることを特徴としている。
【0008】
請求項3に記載の係合構造は、自走式装置に配設された第1係合部材と、固定装置に配設された第2係合部材とからなる係合構造であって、前記第1係合部材が、進行方向に対して先窄まり形状に形成され、進行方向に対して略同一の所定角度をなす略平面状の2辺を有する凸部を有し、前記第2係合部材が、前記自走式装置が侵入する方向である侵入方向に対して先拡がり形状に形成され、前記侵入方向に対して略同一の前記所定角度をなす略平面状の2辺を有する凹部を有し、前記自走式装置が、前記凸部の2辺がそれぞれ前記凹部の2辺と係合することによって前記固定装置に係止されることを特徴としている。
【0009】
請求項4に記載の係合構造は、請求項3に記載の係合構造であって、前記第1係合部材が、前記2辺を含み所定の高さを有する略三角柱状に形成されていることを特徴としている。
【0010】
請求項5に記載の係合構造は、請求項3又は請求項4に記載の係合構造であって、前記第1係合部材が、その幅が前記自走式装置の幅の1/2以上、且つ、前記自走式装置の幅未満に形成されていることを特徴としている。
【0011】
請求項6に記載の係合構造は、請求項5に記載の係合構造であって、前記第2係合部材が、略板状の部材に前記凹部が切り欠かれて形成されていることを特徴としている。
【0012】
請求項7に記載の係合構造は、請求項3〜請求項6のいずれかに記載の係合構造であって、前記所定角度が、45°以下であることを特徴としている。
【0013】
請求項8に記載の係合構造は、請求項7に記載の係合構造であって、前記所定角度が、略30°であることを特徴としている。
【0014】
請求項9に記載の係合構造は、請求項3〜請求項8のいずれかに記載の係合構造であって、前記第1係合部材が、前記自走式装置の上部に略水平に配設され、前記第2係合部材が、前記第1係合部材と係合するべく所定の高さに略水平に配設されていることを特徴としている。
【0015】
請求項10に記載の給電システムは、第1係合部材が配設された自走式装置と、第2係合部材が配設された固定装置と、を備える給電システムであって、請求項3〜請求項8のいずれかに記載の係合構造を備え、前記自走式装置が、駆動用電源として機能する蓄電池と、前記蓄電池を充電する自走側充電端子と、を備え、前記固定装置が、前記自走側充電端子と当接して前記蓄電池を充電する固定側充電端子を備え、前記第1係合部材及び第2係合部材が、前記自走側充電端子を前記固定側充電端子に当接させるべく配設されていることを特徴としている。
【0016】
請求項11に記載の給電システムは、請求項10に記載の給電システムであって、前記自走側充電端子が、前記自走式装置の下部に配設され、前記固定側充電端子が、前記自走側充電端子と当接するべく所定の高さに配設されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に記載の係合構造によれば、自走式装置に配設された第1係合部材が、進行方向に対して先窄まり形状に形成され、進行方向に対して略同一の所定角度をなす略平面状の2辺を有する凸部を有している。また、固定装置に配設された第2係合部材が、自走式装置が侵入する方向である侵入方向に対して先拡がり形状に形成され、侵入方向に対して略同一の所定角度をなす略平面状の2辺を有する凹部を有している。そして、自走式装置が、凸部の2辺がそれぞれ凹部の2辺と係合することによって固定装置に係止されるため、自走式装置を予め設定された所定位置に正確に且つ確実に停止させることができる。
【0018】
すなわち、自走式装置の位置合わせの精度が充分では無い場合であっても、第2係合部材に形成された略平面状の2辺を有する凹部の一方の辺に、第1係合部材に形成された略平面状の2辺を有する凸部の先端(又は凸部の一方の辺の一部)が当接し、凸部の先端(又は凸部の一方の辺の一部)が凹部の前記一方の辺に沿って摺動することによって、凸部の2辺がそれぞれ凹部の2辺と係合して固定装置に係止されるため、自走式装置を予め設定された所定位置に正確に且つ確実に停止させることができるのである。
【0019】
また、第1係合部材が凸部の2辺を含み所定の高さを有する略三角柱状に形成されているため、第1係合部材を簡素な構造で実現することができる。
【0020】
更に、第1係合部材の幅が、自走式装置の幅の1/2以上、且つ、自走式装置の幅未満に形成されているため、第1係合部材が自走式装置の走行を阻害することなく、且つ、自走式装置を予め設定された所定位置に更に確実に停止させることができる。
【0021】
すなわち、第1係合部材の幅が広い程、自走式装置を予め設定された所定位置に更に確実に停止させることができるのであるが、自走式装置の幅以上である場合には、第1係合部材が自走式装置の走行を阻害する場合があるため、第1係合部材の幅は、自走式装置の幅の1/2以上、且つ、自走式装置の幅未満に形成されていることが好ましいのである。
【0022】
加えて、第2係合部材が、略板状の部材に凹部が切り欠かれて形成されているため、第2係合部材を簡素な構造で実現することができる。
【0023】
また、第1係合部材の凸部の2辺と自走式装置の進行方向とのなす角であって、且つ、第2係合部材の凹部の2辺と自走式装置の侵入方向とのなす角である所定角度が、略30°であるため、自走式装置を予め設定された所定位置に更に確実に停止させることができる。
【0024】
すなわち、第1係合部材の凸部の2辺と自走式装置の進行方向とのなす角であって、且つ、第2係合部材の凹部の2辺と自走式装置の侵入方向とのなす角である所定角度が、略30°であるため、自走式装置の位置合わせの精度が充分では無い場合であっても、第2係合部材に形成された略平面状の2辺を有する凹部の一方の辺に、第1係合部材に形成された略平面状の2辺を有する凸部の先端(又は凸部の一方の辺の一部)が当接し、凸部の先端(又は凸部の一方の辺の一部)が凹部の前記一方の辺に沿って摺動することが更に容易となるため、自走式装置を予め設定された所定位置に更に確実に停止させることができるのである。
【0025】
更に、第1係合部材が自走式装置の上部に略水平に配設され、第2係合部材が第1係合部材と係合するべく所定の高さに略水平に配設されているため、自走式装置を予め設定された所定位置に更に確実に停止させることができる。
【0026】
すなわち、第1係合部材が自走式装置の上部に略水平に配設され、第2係合部材が第1係合部材と係合するべく所定の高さに略水平に配設されているため、自走式装置の位置合わせの精度が充分では無い場合であっても、第2係合部材に形成された略平面状の2辺を有する凹部の一方の辺に、第1係合部材に形成された略平面状の2辺を有する凸部の先端(又は凸部の一方の辺の一部)が当接した際に、自走式装置の進行方向が容易に修正されるので、自走式装置を予め設定された所定位置に更に確実に停止させることができるのである。
【0027】
請求項2に記載の給電システムによれば、請求項3〜請求項8のいずれかに記載の係合構造を備え、自走式装置が、駆動用電源として機能する蓄電池と、蓄電池を充電する自走側充電端子と、を備え、固定装置が、自走側充電端子と当接して蓄電池を充電する固定側充電端子を備え、第1係合部材及び第2係合部材が、自走側充電端子を固定側充電端子に当接させるべく配設されているため、自走側充電端子を固定側充電端子に正確に且つ確実に当接させ、自走式装置の蓄電池を確実に給電することができる。
【0028】
すなわち、請求項3〜請求項8のいずれかに記載の係合構造を備えるため、自走式装置に配設された第1係合部材が、進行方向に対して先窄まり形状に形成され、進行方向に対して略同一の所定角度をなす略平面状の2辺を有する凸部を有している。また、固定装置に配設された第2係合部材が、自走式装置が侵入する方向である侵入方向に対して先拡がり形状に形成され、侵入方向に対して略同一の所定角度をなす略平面状の2辺を有する凹部を有している。そして、自走式装置が、凸部の2辺がそれぞれ凹部の2辺と係合することによって固定装置に係止されるため、自走式装置を予め設定された所定位置に正確に且つ確実に停止させることができ、自走側充電端子を固定側充電端子に正確に且つ確実に当接させて確実に給電することができる。
【0029】
つまり、自走式装置の位置合わせの精度が充分では無い場合であっても、第2係合部材に形成された略平面状の2辺を有する凹部の一方の辺に、第1係合部材に形成された略平面状の2辺を有する凸部の先端(又は凸部の一方の辺の一部)が当接し、凸部の先端(又は凸部の一方の辺の一部)が凹部の前記一方の辺に沿って摺動することによって、凸部の2辺がそれぞれ凹部の2辺と係合して固定装置に係止されるため、自走式装置を予め設定された所定位置に正確に且つ確実に停止させることができ、自走側充電端子を固定側充電端子に正確に且つ確実に当接させて確実に給電することができるのである。
【0030】
また、自走側充電端子が自走式装置の下部に配設され、固定側充電端子が自走側充電端子と当接するべく所定の高さに配設されているため、自走側充電端子を固定側充電端子に更に確実に当接させることができる。
【0031】
すなわち、自走側充電端子が自走式装置の下部に配設され、固定側充電端子が自走側充電端子と当接するべく所定の高さに配設されているため、自走式装置の駆動力が自走側充電端子を固定側充電端子に圧接される力に反映され易くなるので、自走側充電端子を固定側充電端子に更に確実に当接させることができるのである。
【0032】
請求項3に記載の係合構造によれば、自走式装置に配設された第1係合部材が、進行方向に対して先窄まり形状に形成され、進行方向に対して略同一の所定角度をなす略平面状の2辺を有する凸部を有している。また、固定装置に配設された第2係合部材が、自走式装置が侵入する方向である侵入方向に対して先拡がり形状に形成され、侵入方向に対して略同一の所定角度をなす略平面状の2辺を有する凹部を有している。そして、自走式装置が、凸部の2辺がそれぞれ凹部の2辺と係合することによって固定装置に係止されるため、自走式装置を予め設定された所定位置に正確に且つ確実に停止させることができる。
【0033】
すなわち、自走式装置の位置合わせの精度が充分では無い場合であっても、第2係合部材に形成された略平面状の2辺を有する凹部の一方の辺に、第1係合部材に形成された略平面状の2辺を有する凸部の先端(又は凸部の一方の辺の一部)が当接し、凸部の先端(又は凸部の一方の辺の一部)が凹部の前記一方の辺に沿って摺動することによって、凸部の2辺がそれぞれ凹部の2辺と係合して固定装置に係止されるため、自走式装置を予め設定された所定位置に正確に且つ確実に停止させることができるのである。
【0034】
請求項4に記載の係合構造によれば、第1係合部材が凸部の2辺を含み所定の高さを有する略三角柱状に形成されているため、第1係合部材を簡素な構造で実現することができる。
【0035】
請求項5に記載の係合構造によれば、第1係合部材の幅が、自走式装置の幅の1/2以上、且つ、自走式装置の幅未満に形成されているため、第1係合部材が自走式装置の走行を阻害することなく、且つ、自走式装置を予め設定された所定位置に更に確実に停止させることができる。
【0036】
すなわち、第1係合部材の幅が広い程、自走式装置を予め設定された所定位置に更に確実に停止させることができるのであるが、自走式装置の幅以上である場合には、第1係合部材が自走式装置の走行を阻害する場合があるため、第1係合部材の幅は、自走式装置の幅の1/2以上、且つ、自走式装置の幅未満に形成されていることが好ましいのである。
【0037】
請求項6に記載の係合構造によれば、第2係合部材が、略板状の部材に凹部が切り欠かれて形成されているため、第2係合部材を簡素な構造で実現することができる。
【0038】
請求項7に記載の係合構造によれば、第1係合部材の凸部の2辺と自走式装置の進行方向とのなす角であって、且つ、第2係合部材の凹部の2辺と自走式装置の侵入方向とのなす角である所定角度が45°以下であるため、自走式装置を予め設定された所定位置に更に確実に停止させることができる。
【0039】
すなわち、第1係合部材の凸部の2辺と自走式装置の進行方向とのなす角であって、且つ、第2係合部材の凹部の2辺と自走式装置の侵入方向とのなす角である所定角度が45°超である場合には、凹部の一方の辺に凸部の先端が当接しても、自走式装置の移動方向を修正するための力(=自走式装置の進行方向への駆動力が凹部の一方の辺に作用した際に生じる凹部から自走式装置への反力)が得られず、凸部の先端が凹部の一方の辺に沿って摺動することが困難となる(=凹部の一方の辺に凸部の先端が当接した状態で自走式装置が停止する)ため、凸部の2辺がそれぞれ凹部の2辺と係合するまで自走式装置を走行させることができないことがあるからである。
【0040】
請求項8に記載の係合構造によれば、第1係合部材の凸部の2辺と自走式装置の進行方向とのなす角であって、且つ、第2係合部材の凹部の2辺と自走式装置の侵入方向とのなす角である所定角度が、略30°であるため、自走式装置を予め設定された所定位置に更に確実に停止させることができる。
【0041】
すなわち、第1係合部材の凸部の2辺と自走式装置の進行方向とのなす角であって、且つ、第2係合部材の凹部の2辺と自走式装置の侵入方向とのなす角である所定角度が、略30°であるため、自走式装置の位置合わせの精度が充分では無い場合であっても、第2係合部材に形成された略平面状の2辺を有する凹部の一方の辺に、第1係合部材に形成された略平面状の2辺を有する凸部の先端(又は凸部の一方の辺の一部)が当接し、凸部の先端(又は凸部の一方の辺の一部)が凹部の前記一方の辺に沿って摺動することが更に容易となるため、自走式装置を予め設定された所定位置に更に確実に停止させることができるのである。
【0042】
請求項9に記載の係合構造によれば、第1係合部材が自走式装置の上部に略水平に配設され、第2係合部材が第1係合部材と係合するべく所定の高さに略水平に配設されているため、自走式装置を予め設定された所定位置に更に確実に停止させることができる。
【0043】
すなわち、第1係合部材が自走式装置の上部に略水平に配設され、第2係合部材が第1係合部材と係合するべく所定の高さに略水平に配設されているため、自走式装置の位置合わせの精度が充分では無い場合であっても、第2係合部材に形成された略平面状の2辺を有する凹部の一方の辺に、第1係合部材に形成された略平面状の2辺を有する凸部の先端(又は凸部の一方の辺の一部)が当接した際に、自走式装置の進行方向が容易に修正されるので、自走式装置を予め設定された所定位置に更に確実に停止させることができるのである。
【0044】
請求項10に記載の給電システムによれば、請求項3〜請求項8のいずれかに記載の係合構造を備え、自走式装置が、駆動用電源として機能する蓄電池と、蓄電池を充電する自走側充電端子と、を備え、固定装置が、自走側充電端子と当接して蓄電池を充電する固定側充電端子を備え、第1係合部材及び第2係合部材が、自走側充電端子を固定側充電端子に当接させるべく配設されているため、自走側充電端子を固定側充電端子に正確に且つ確実に当接させ、確実に給電することができる。
【0045】
すなわち、請求項3〜請求項8のいずれかに記載の係合構造を備えるため、自走式装置に配設された第1係合部材が、進行方向に対して先窄まり形状に形成され、進行方向に対して略同一の所定角度をなす略平面状の2辺を有する凸部を有している。また、固定装置に配設された第2係合部材が、自走式装置が侵入する方向である侵入方向に対して先拡がり形状に形成され、侵入方向に対して略同一の所定角度をなす略平面状の2辺を有する凹部を有している。そして、自走式装置が、凸部の2辺がそれぞれ凹部の2辺と係合することによって固定装置に係止されるため、自走式装置を予め設定された所定位置に正確に且つ確実に停止させることができ、自走側充電端子を固定側充電端子に正確に且つ確実に当接させて自走式装置の蓄電池を確実に給電することができる。
【0046】
つまり、自走式装置の位置合わせの精度が充分では無い場合であっても、第2係合部材に形成された略平面状の2辺を有する凹部の一方の辺に、第1係合部材に形成された略平面状の2辺を有する凸部の先端(又は凸部の一方の辺の一部)が当接し、凸部の先端(又は凸部の一方の辺の一部)が凹部の前記一方の辺に沿って摺動することによって、凸部の2辺がそれぞれ凹部の2辺と係合して固定装置に係止されるため、自走式装置を予め設定された所定位置に正確に且つ確実に停止させることができ、自走側充電端子を固定側充電端子に正確に且つ確実に当接させて確実に自走式装置の蓄電池を給電することができるのである。
【0047】
請求項11に記載の給電システムによれば、自走側充電端子が自走式装置の下部に配設され、固定側充電端子が自走側充電端子と当接するべく所定の高さに配設されているため、自走側充電端子を固定側充電端子に更に確実に当接させることができる。
【0048】
すなわち、自走側充電端子が自走式装置の下部に配設され、固定側充電端子が自走側充電端子と当接するべく所定の高さに配設されているため、自走式装置の駆動力が自走側充電端子を固定側充電端子に圧接される力に反映され易くなるので、自走側充電端子を固定側充電端子に更に確実に当接させることができるのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0049】
以下に本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る給電システムの一例を示す構成図である。給電システム100は、セキュリティロボット1及び充電装置2を備えている。図の(a)は平面図である、(b)は断面図である。図2は、セキュリティロボット1の一例を示す斜視図である。
【0050】
図1、図2に示すように、セキュリティロボット1(自走式装置に相当する)は、本体部10、キャタピラ11、充電端子12、撮像レンズ13、障害物検知センサ14、第1係合部材15、検出部16、蓄電池17を備えている。本体部10は、内部に、蓄電池17及び図略の制御部、モータ等が収納された筐体であって、下部にキャタピラ11が配設され、前面に充電端子12、撮像レンズ13及び障害物検知センサ14が配設され、上部に第1係合部材15及び検出部16が配設されている。
【0051】
図1に示すように、充電装置2(固定装置に相当する)は、本体部20、第2係合部材21、充電端子22、及び発光部23を備えている。
【0052】
キャタピラ(商標名)11は、セキュリティロボット1の下部左側及び右側に配設され、図略の制御部からの指示に基づいて図略のモータを介してセキュリティロボット1を走行(前進、後進及び旋回)駆動するものである。
【0053】
充電端子12(自走側充電端子に相当する)は、充電装置2に配設された充電端子22と当接して、商用電源からの電力を蓄電池17に供給する(=蓄電池17を充電する)ものである。また、充電端子12は、本体部10の前方下部に配設されている。
【0054】
撮像レンズ13は、図略の撮像素子に被写体像信号を形成させるものである。図略の撮像素子は、CCD(Charge Coupled Device)等からなり、撮像レンズ13を介して被写体像信号を生成し、図略の制御部へ出力するものである。
【0055】
障害物検知センサ14は、超音波センサ等からなり、本体部10の前面に配設され、セキュリティロボット1の前方に位置する障害物を検出して、障害物検出信号を図略の制御部に出力するものである。
【0056】
第1係合部材15(係合構造の一部に相当する)は、充電装置2に配設された第2係合部材21と係合することによってセキュリティロボット1を充電装置2の所定位置(ここでは、充電端子12が充電装置2に配設された充電端子22と当接する位置)に係止されるものである。また、第1係合部材15は、セキュリティロボット1の進行方向に対して先窄まり形状に形成され、進行方向に対して予め設定された所定角度θ1(ここでは、θ1=30°)をなす(=拡がり角が60°である)平面状の2辺を有する凸部151を有している。
【0057】
更に、第1係合部材15は、セキュリティロボット1の上部に水平に配設され、凸部151に形成された2辺を含み所定の高さ(例えば、20mm)を有する三角柱状に形成されると共に、その幅Bが、セキュリティロボット1の幅B0の1/2以上、且つ、セキュリティロボット1の幅B0未満(例えば、幅B=セキュリティロボット1の幅B0×2/3)に形成されている。
【0058】
検出部16は、発光部23から発光された赤外光ビームMを受光して検出するものであって、基体部161及び光ビームセンサ162等を備えて構成されている。基体部161は、円柱状に形成され、セキュリティロボット1の本体部10の上面から突出するべく配設されている。光ビームセンサ162は、検出部16における基体部161の側面全周に沿って所定間隔で複数(例えば、8個)配置され、例えば、充電装置2の発光部23から発光された赤外光ビームMの受光を検出し、赤外光ビーム検出信号を図略の制御部に出力するものである。
【0059】
図3は、光ビームセンサ162の配設位置の一例を示す平面図である。光ビームセンサ162には、図に示すように、進行方向側に配置された光ビームセンサ162を起点として、時計回りに、番号「1」、番号「2」、…、番号「8」が割り当てられている。
【0060】
図4は、セキュリティロボット1を充電装置2へ走行させるためのセキュリティロボット1の進行方向変更動作を説明する平面図である。セキュリティロボット1に配設された図略の制御部には、赤外光ビームMを検出した光ビームセンサ162の方向に、セキュリティロボット1を回転させるための回転角度が記憶されている。そして、例えば、図4(a)に示すように、番号「2」が割り当てられた光ビームセンサ162と、番号「3」が割り当てられた光ビームセンサ162と、によって赤外光ビームMが検出された場合には、制御部は、セキュリティロボット1を「時計回りに67.5度」回転させ、その結果、図4(b)に示すように、赤外光ビームMが到来する方向に(すなわち、充電装置2の正面に)、セキュリティロボット1の進行方向が向くことになる。
【0061】
再び、図1、図2に戻って、セキュリティロボット1及び充電装置2の構成について説明する。蓄電池17は、セキュリティロボット1の駆動源であって、図略のモータを介してキャタピラ11等を駆動すると共に、検出部16、図略の制御部等を駆動するものである。また、蓄電池17は、充電端子12及び充電装置2に配設された充電端子22を介して商用電源から電力が供給される(=充電される)ものである。
【0062】
本体部20は、充電装置2の基体部であって、図1に示すように、上部に第2係合部材21が配設され、側面下部に充電端子22が配設され、側面上部に発光部23が配設されている。
【0063】
第2係合部材21(係合構造の一部に相当する)は、セキュリティロボット1に配設された第1係合部材15と係合することによってセキュリティロボット1を充電装置2の所定位置(ここでは、充電端子12が充電装置2に配設された充電端子22と当接する位置)に係止されるものである。また、第2係合部材21は、セキュリティロボット1が侵入する方向である侵入方向(ここでは、図1の一点鎖線左方向)に対して先拡がり形状に形成され、侵入方向に対して予め設定された所定角度θ2(ここでは、30°)をなす(=拡がり角が60°である)平面状の2辺を有する凹部211を備えている。更に、第2係合部材21は、第1係合部材15と係合するべく所定の高さに水平に配設されると共に、板状の部材に凹部211が切り欠かれて形成されている。
【0064】
充電端子22(固定側充電端子に相当する)は、商用電源に接続され、セキュリティロボット1に配設された充電端子12と当接して、商用電源からの電力を蓄電池17に供給する(=蓄電池17を充電する)ものである。また、充電端子22は、セキュリティロボット1に配設された充電端子12と当接するべく所定の高さ方向位置に配設されている。
【0065】
発光部23は、LED(Light Emitting Diode)等からなり、セキュリティロボット1に配設された検出部16によって検出される赤外光ビームMを発光するものである。また、発光部23は、充電装置2の本体部20の正面に、垂直方向(略上下方向)に直線状に複数個(ここでは、4個)配置されている。
【0066】
ここで、セキュリティロボット1の充電動作について説明する。なお、以下の動作は、図略の制御部の指示に基づいて行われるものである。まず、予め設定されたセキュリティロボット1の充電タイミングになったと判断された場合に、光ビームセンサ162によって赤外光ビームMが検出されたか否かが判断される。そして、光ビームセンサ162により赤外光ビームMが検出されたと判断された場合に、監視動作が終了され、赤外光ビームMを検出した光ビームセンサ162の方向に、セキュリティロボット1の進行方向が向くように、図略のモータが制御され、キャタピラ11が駆動されてセキュリティロボット1が回転される。
【0067】
次に、セキュリティロボット1が直進され、セキュリティロボット1に配設された第1係合部材15の凸部151が、充電装置2に配設された第2係合部材21の凹部211と当接及び摺動することによってセキュリティロボット1の進行方向が修正され、第1係合部材15の凸部151の2辺と、第2係合部材21の凹部211の2辺とが係合することによってセキュリティロボット1が停止される。第1係合部材15の凸部151の2辺と、第2係合部材21の凹部211の2辺とが係合された状態では、充電端子12が充電装置2の充電端子22と当接されており、充電端子12及び充電端子22を介して蓄電池17の充電が開始される。
【0068】
図5は、第1係合部材15及び第2係合部材21によってセキュリティロボット1の進行方向が修正される状況の一例を説明する平面図である。(a)に示すように、第2係合部材21に形成された平面状の2辺を有する凹部211の一方の辺に、第1係合部材15に形成された平面状の2辺を有する凸部151の一方の辺の一部A1が当接し、凸部151の一方の辺の一部A1が凹部211の一方の辺に沿って摺動することによって、凸部151の2辺がそれぞれ凹部211の2辺と係合して充電装置2に係止される。
【0069】
また、(b)に示すように、第2係合部材21に形成された平面状の2辺を有する凹部211の一方の辺の端点P1に、第1係合部材15に形成された平面状の2辺を有する凸部151の一方の辺の一点が当接し、凸部151の一方の辺の一点が凹部211の一方の辺の端点P1に沿って摺動することによって、凸部151の2辺がそれぞれ凹部211の2辺と係合して充電装置2に係止される。
【0070】
更に、(c)に示すように、第2係合部材21に形成された平面状の2辺を有する凹部211の一方の辺の1点P2に、第1係合部材15に形成された平面状の2辺を有する凸部151の頂点が当接し、凸部151の頂点が凹部211の点P2を含む辺に沿って摺動することによって、凸部151の2辺がそれぞれ凹部211の2辺と係合して充電装置2に係止される。
【0071】
図6は、第1係合部材15及び第2係合部材21の拡がり角が90°である場合にセキュリティロボット1の進行方向が修正される状況の一例を説明する平面図である。(a)に示すように、第2係合部材21に形成された平面状の2辺を有する凹部211の一方の辺に、第1係合部材15に形成された平面状の2辺を有する凸部151の一方の辺の一部A2が当接する。しかし、図5(a)の場合と比較して、セキュリティロボット1の進行方向と凹部211の一方の辺とのなす角が大きいため、凸部151の一方の辺の一部A2が凹部211の一方の辺に沿って摺動することが困難となる。
【0072】
また、(b)に示すように、第2係合部材21に形成された平面状の2辺を有する凹部211の一方の辺の端点P1に、第1係合部材15に形成された平面状の2辺を有する凸部151の一方の辺の一点が当接する。しかし、図5(b)の場合と比較して、セキュリティロボット1の進行方向と凹部211の点P3を含む辺とのなす角が大きいため、凸部151の一方の辺の一点が凹部211の一方の辺の端点P1に沿って摺動することが困難となる。
【0073】
更に、(c)に示すように、第2係合部材21に形成された平面状の2辺を有する凹部211の一方の辺の1点P4に、第1係合部材15に形成された平面状の2辺を有する凸部151の頂点が当接する。しかし、図5(c)の場合と比較して、セキュリティロボット1の進行方向と凹部211の凹部211の点P4を含む辺とのなす角が大きいため、凸部151の頂点が凹部211の点P2を含む辺に沿って摺動することが困難となる。
【0074】
図7は、第1係合部材15及び第2係合部材21の拡がり角が30°である場合にセキュリティロボット1の進行方向が修正される状況の一例を説明する平面図である。(a)に示すように、第2係合部材21に形成された平面状の2辺を有する凹部211の一方の辺に、第1係合部材15に形成された平面状の2辺を有する凸部151の一方の辺の一部A3が当接し、凸部151の一方の辺の一部A2が凹部211の一方の辺に沿って摺動することによって、凸部151の2辺がそれぞれ凹部211の2辺と係合して充電装置2に係止される。
【0075】
また、(b)に示すように、第2係合部材21に形成された平面状の2辺を有する凹部211の一方の辺の端点P5に、第1係合部材15に形成された平面状の2辺を有する凸部151の一方の辺の一点が当接し、凸部151の一方の辺の一点が凹部211の一方の辺の端点P5に沿って摺動することによって、凸部151の2辺がそれぞれ凹部211の2辺と係合して充電装置2に係止される。
【0076】
更に、(c)に示すように、第2係合部材21に形成された平面状の2辺を有する凹部211の一方の辺の1点P4に、第1係合部材15に形成された平面状の2辺を有する凸部151の頂点が当接し、凸部151の頂点が凹部211の点P6を含む辺に沿って摺動することによって、凸部151の2辺がそれぞれ凹部211の2辺と係合して充電装置2に係止される。
【0077】
図7に示すように、第1係合部材15及び第2係合部材21の拡がり角が狭い(ここでは、30°)場合には、セキュリティロボット1は確実に充電装置2に係止されるが、第1係合部材15の幅Bをセキュリティロボット1の幅B0の1/2以上とするためには、第1係合部材15を大きくする必要があり、特に、セキュリティロボット1の長さより長くなる場合には、第1係合部材15がセキュリティロボット1の走行を阻害する虞がある。更に、図7(c)に示すように、第1係合部材15の先端が凹部211の一方の辺に当接する場合には、第1係合部材15の先端に大きな力が加えられるため、第1係合部材15の強度を大きくする必要があり、第1係合部材15のコストが増大することになる。
【0078】
このようにして、セキュリティロボット1に配設された第1係合部材15が、進行方向に対して先窄まり形状に形成され、進行方向に対して略同一の所定角度(ここでは、30°)をなす略平面状の2辺を有する凸部151を有している。また、充電装置2に配設された第2係合部材21が、セキュリティロボット1が侵入する方向である侵入方向に対して先拡がり形状に形成され、侵入方向に対して略同一の所定角度(ここでは、30°)をなす略平面状の2辺を有する凹部211を有している。そして、セキュリティロボット1が、凸部151の2辺がそれぞれ凹部211の2辺と係合することによって充電装置2に係止されるため、セキュリティロボット1を予め設定された所定位置(ここでは、セキュリティロボット1の充電端子12が充電装置2の充電端子22と当接する位置)に正確に且つ確実に停止させることができる。
【0079】
すなわち、セキュリティロボット1の位置合わせの精度が充分では無い場合であっても、第2係合部材21に形成された平面状の2辺を有する凹部211の一方の辺に、第1係合部材15に形成された平面状の2辺を有する凸部151の先端(又は凸部151の一方の辺の一部)が当接し、凸部151の先端(又は凸部151の一方の辺の一部)が凹部211の前記一方の辺に沿って摺動することによって、凸部151の2辺がそれぞれ凹部211の2辺と係合して充電装置2に係止されるため、セキュリティロボット1を予め設定された所定位置に正確に且つ確実に停止させることができるのである。
【0080】
また、第1係合部材15が凸部151の2辺を含み所定の高さ(ここでは、20mm)を有する三角柱状に形成されているため、第1係合部材15を簡素な構造で実現することができる。
【0081】
更に、第1係合部材15の幅Bが、セキュリティロボット1の幅B0の1/2以上、且つ、セキュリティロボット1の幅B0未満に形成されている(ここでは、幅B=セキュリティロボット1の幅B0×2/3)ため、第1係合部材15がセキュリティロボット1の走行を阻害することなく、且つ、セキュリティロボット1を予め設定された所定位置に更に確実に停止させることができる。
【0082】
すなわち、第1係合部材15の幅Bが広い程、セキュリティロボット1を予め設定された所定位置に更に確実に停止させることができるのであるが、セキュリティロボット1の幅B0以上である場合には、第1係合部材15がセキュリティロボット1の走行を阻害する場合があるため、第1係合部材15の幅Bは、セキュリティロボット1の幅B0の1/2以上、且つ、セキュリティロボット1の幅B0未満に形成されていることが好ましいのである。
【0083】
加えて、第2係合部材21が、板状の部材に凹部211が切り欠かれて形成されているため、第2係合部材21を簡素な構造で実現することができる。
【0084】
また、第1係合部材15の凸部151の2辺とセキュリティロボット1の進行方向とのなす角であって、且つ、第2係合部材21の凹部211の2辺とセキュリティロボット1の侵入方向とのなす角である所定角度θ1、θ2が、30°であるため、セキュリティロボット1を予め設定された所定位置に更に確実に停止させることができる。
【0085】
すなわち、第1係合部材15の凸部151の2辺とセキュリティロボット1の進行方向とのなす角であって、且つ、第2係合部材21の凹部211の2辺とセキュリティロボット1の侵入方向とのなす角である所定角度θ1、θ2が、30°であるため、セキュリティロボット1の位置合わせの精度が充分では無い場合であっても、第2係合部材21に形成された平面状の2辺を有する凹部211の一方の辺に、第1係合部材15に形成された平面状の2辺を有する凸部151の先端(又は凸部151の一方の辺の一部)が当接し、凸部151の先端(又は凸部151の一方の辺の一部)が凹部211の前記一方の辺に沿って摺動することが更に容易となるため、セキュリティロボット1を予め設定された所定位置に更に確実に停止させることができるのである(図7〜図9参照)。
【0086】
更に、第1係合部材15がセキュリティロボット1の上部に水平に配設され、第2係合部材21が第1係合部材15と係合するべく所定の高さに水平に配設されているため、セキュリティロボット1を予め設定された所定位置に更に確実に停止させることができる。
【0087】
すなわち、第1係合部材15がセキュリティロボット1の上部に水平に配設され、第2係合部材21が第1係合部材15と係合するべく所定の高さに水平に配設されているため、セキュリティロボット1の位置合わせの精度が充分では無い場合であっても、第2係合部材21に形成された平面状の2辺を有する凹部211の一方の辺に、第1係合部材15に形成された平面状の2辺を有する凸部151の先端(又は凸部151の一方の辺の一部)が当接した際に、セキュリティロボット1の進行方向が容易に修正されるので、セキュリティロボット1を予め設定された所定位置に更に確実に停止させることができるのである。
【0088】
加えて、充電装置2が、充電端子22と当接して蓄電池17を充電する充電端子12を備え、第1係合部材15及び第2係合部材21が、充電端子12を充電端子22に当接させるべく配設されているため、充電端子12を充電端子22に正確に且つ確実に当接させ、セキュリティロボット1の蓄電池17を確実に給電することができる。
【0089】
すなわち、セキュリティロボット1が、第1係合部材15に形成された凸部151の2辺がそれぞれ第2係合部材21に形成された凹部211の2辺と係合することによって充電装置2に係止されるため、セキュリティロボット1を予め設定された所定位置に正確に且つ確実に停止させることができ、充電端子12を充電端子22に正確に且つ確実に当接させて蓄電池17を確実に給電することができる。
【0090】
また、充電端子12がセキュリティロボット1の下部に配設され、充電端子22が充電端子12と当接するべく所定の高さに配設されているため、充電端子12を充電端子22に更に確実に当接させることができる。
【0091】
すなわち、充電端子12がセキュリティロボット1の下部に配設され、充電端子22が充電端子12と当接するべく所定の高さに配設されているため、セキュリティロボット1の駆動力が充電端子12を充電端子22に圧接される力に反映され易くなるので、充電端子12を充電端子22に更に確実に当接させることができるのである。
【0092】
なお、本発明は、以下の形態にも適用可能である。
(A)本実施形態では、自走式装置がセキュリティロボット1である場合について説明したが、その他の機能を有する自走式装置である形態でもよい。例えば、自走式装置が貨物等を搬送する搬送台車である形態でもよいし、自走式装置が室内の床面を清掃する清掃ロボットである形態でもよい。また、自走式装置が予め設定された物理量を検出する検出ロボットである形態でもよい。
【0093】
(B)本実施形態では、固定装置が充電装置である場合について説明したが、その他の機能を有する固定装置である形態でもよい。例えば、固定装置が、自走式装置によって収集された情報を受信する固定端末装置である形態でもよい。
【0094】
(C)本実施形態では、第1係合部材15が、三角柱状に形成されている形態について説明したが、第1係合部材15が、進行方向に対して先窄まり形状に形成され、進行方向に対して略同一の所定角度をなす略平面状の2辺を有する凸部151を有する形態であればよい。例えば、第1係合部材15が、三角柱の側面の一面と、三角柱の幅と同一幅の四角柱の一面と、を接合した平面視略ロケット状の形状である形態でもよい。
【0095】
(D)本実施形態では、第1係合部材15の幅Bが、セキュリティロボット1の幅B0の2/3である場合について説明したが、第1係合部材15の幅Bが、セキュリティロボット1の幅B0の1/2以上、且つ、セキュリティロボット1の幅B0未満に形成されている形態であればよい。例えば、第1係合部材15の幅Bが、セキュリティロボット1の幅B0の1/2である形態でもよいし、第1係合部材15の幅Bが、セキュリティロボット1の幅B0の4/5である形態でもよい。
【0096】
(E)本実施形態では、所定角度θ1、θ2が30°である場合について説明したが、所定角度θ1、θ2が45°以下である形態であればよい。例えば、所定角度θ1、θ2が25°である形態でもよいし、所定角度θ1、θ2が35°である形態でもよい。
【0097】
(F)本実施形態では、第1係合部材15が、セキュリティロボット1の上部に配設されている形態について説明したが、第1係合部材15が、セキュリティロボット1のその他の位置(例えば、略中央部)に配設されている形態でもよい。
【0098】
(G)本実施形態では、充電端子12が、セキュリティロボット1の下部に配設されている形態について説明したが、充電端子12が、セキュリティロボット1のその他の位置(例えば、略中央部)に配設されている形態でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】は、本発明に係る給電システムの一例を示す構成図である。
【図2】は、セキュリティロボットの一例を示す斜視図である。
【図3】は、光ビームセンサの配設位置の一例を示す平面図である。
【図4】は、セキュリティロボットを充電装置へ走行させるためのセキュリティロボットの進行方向変更動作を説明する平面図である。
【図5】は、第1係合部材及び第2係合部材によってセキュリティロボットの進行方向が修正される状況の一例を説明する平面図である。
【図6】は、第1係合部材及び第2係合部材の拡がり角が90°である場合にセキュリティロボットの進行方向が修正される状況の一例を説明する平面図である。
【図7】は、第1係合部材及び第2係合部材の拡がり角が30°である場合にセキュリティロボットの進行方向が修正される状況の一例を説明する平面図である。
【符号の説明】
【0100】
100 給電システム
1 セキュリティロボット(自走式装置)
12 充電端子(自走側充電端子)
13 撮像レンズ
15 第1係合部材
151 凸部
16 検出部
17 蓄電池
2 充電装置(固定装置)
21 第2係合部材
211 凹部
22 充電端子(固定側充電端子)
23 発光部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自走式装置に配設された第1係合部材と、固定装置に配設された第2係合部材とからなる係合構造であって、
前記第1係合部材は、進行方向に対して先窄まり形状に形成され、進行方向に対して略30°をなす略平面状の2辺を有する凸部を有し、
前記自走式装置の上部に略水平に配設され、前記2辺を含み所定の高さを有する略三角柱状に形成されると共に、その幅が、前記自走式装置の幅の1/2以上、且つ、前記自走式装置の幅未満に形成され、
前記第2係合部材は、前記自走式装置が侵入する方向である侵入方向に対して先拡がり形状に形成され、前記侵入方向に対して略30°をなす略平面状の2辺を有する凹部を有し、
前記第1係合部材と係合するべく所定の高さに略水平に配設されると共に、略板状の部材に前記凹部が切り欠かれて形成され、
前記自走式装置は、前記凸部の2辺が、それぞれ、前記凹部の2辺と係合することによって前記固定装置に係止されることを特徴とする係合構造。
【請求項2】
第1係合部材が配設された自走式装置と、第2係合部材が配設された固定装置と、を備える給電システムであって、
前記自走式装置は、
駆動用電源として機能する蓄電池と、
前記蓄電池を充電する自走側充電端子と、
を備え、
前記固定装置は、
前記自走側充電端子と当接して前記蓄電池を充電する固定側充電端子を備え、
前記第1係合部材は、進行方向に対して先窄まり形状に形成され、進行方向に対して略30°をなす略平面状の2辺を有する凸部を有し、
前記自走式装置の上部に略水平に配設され、前記2辺を含み所定の高さを有する略三角柱状に形成されると共に、その幅が、前記自走式装置の幅の1/2以上、且つ、前記自走式装置の幅未満に形成され、
前記第2係合部材は、前記自走式装置が侵入する方向である侵入方向に対して先拡がり形状に形成され、前記侵入方向に対して略30°をなす略平面状の2辺を有する凹部を有し、
前記第1係合部材と係合するべく所定の高さに略水平に配設されると共に、略板状の部材に前記凹部が切り欠かれて形成され、
前記自走式装置は、前記凸部の2辺が、それぞれ、前記凹部の2辺と係合することによって前記固定装置に係止され、
前記自走側充電端子は、前記自走式装置の下部に配設され、
前記固定側充電端子は、前記自走側充電端子と当接するべく所定の高さに配設されていることを特徴とする給電システム。
【請求項3】
自走式装置に配設された第1係合部材と、固定装置に配設された第2係合部材とからなる係合構造であって、
前記第1係合部材は、進行方向に対して先窄まり形状に形成され、進行方向に対して略同一の所定角度をなす略平面状の2辺を有する凸部を有し、
前記第2係合部材は、前記自走式装置が侵入する方向である侵入方向に対して先拡がり形状に形成され、前記侵入方向に対して略同一の前記所定角度をなす略平面状の2辺を有する凹部を有し、
前記自走式装置は、前記凸部の2辺が、それぞれ、前記凹部の2辺と係合することによって前記固定装置に係止されることを特徴とする係合構造。
【請求項4】
前記第1係合部材は、前記2辺を含み所定の高さを有する略三角柱状に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の係合構造。
【請求項5】
前記第1係合部材は、その幅が、前記自走式装置の幅の1/2以上、且つ、前記自走式装置の幅未満に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の係合構造。
【請求項6】
前記第2係合部材は、略板状の部材に前記凹部が切り欠かれて形成されていることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の係合構造。
【請求項7】
前記所定角度は、45°以下であることを特徴とする請求項3〜請求項6のいずれかに記載の係合構造。
【請求項8】
前記所定角度は、略30°であることを特徴とする特徴とする請求項7に記載の係合構造。
【請求項9】
前記第1係合部材は、前記自走式装置の上部に略水平に配設され、
前記第2係合部材は、前記第1係合部材と係合するべく所定の高さに略水平に配設されていることを特徴とする請求項3〜請求項8のいずれかに記載の係合構造。
【請求項10】
第1係合部材が配設された自走式装置と、第2係合部材が配設された固定装置、を備える給電システムであって、
請求項3〜請求項8のいずれかに記載の係合構造を備え、
前記自走式装置は、
駆動用電源として機能する蓄電池と、
前記蓄電池を充電する自走側充電端子と、
を備え、
前記固定装置は、
前記自走側充電端子と当接して前記蓄電池を充電する固定側充電端子を備え、
前記第1係合部材及び第2係合部材は、前記自走側充電端子を前記固定側充電端子に当接させるべく配設されていることを特徴とする給電システム。
【請求項11】
前記自走側充電端子は、前記自走式装置の下部に配設され、
前記固定側充電端子は、前記自走側充電端子と当接するべく所定の高さに配設されていることを特徴とする請求項10に記載の給電システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−220071(P2008−220071A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−55053(P2007−55053)
【出願日】平成19年3月6日(2007.3.6)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】