説明

係止用特徴部および識別特徴部を含むオーバーモールド成形されたアクセスポート

患者の皮下アクセスを可能にするためのアクセスポートを開示する。一実施形態では、ポートは、隔壁を介してアクセス可能な流体用空洞を画定する内部本体を含む。その本体の少なくとも一部分の周りに、シリコンを含む弾性外側カバーが配設される。フランジが、ポート本体に含まれ、外側カバーによってカバーされる。そのフランジは、針を隔壁に当て損なう場合に事実上外側カバー中に針が貫通するのを妨げるように、ポート本体の外周の周りで隔壁近傍を径方向に延在する。フランジはさらに、外側カバーをポート本体に固定する係止用特徴部と、アクセスポートの少なくとも1つの属性を示す情報を担持する、X線撮像法によって観察可能な識別特徴部との両方を含むことができる。外側カバーは、抗菌性/抗血栓性のコーティングを塗布するための適切な表面を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本願は、2009年11月17日出願の「Implantable Overmolded Access Port Including Anchoring Identification Feature」と題する米国仮特許出願第61/262,126号の利益を主張するものであり、その文献は参照によりその全体が本明細書に援用される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
[0002]簡潔に要約すると、本発明の実施形態は、患者の皮下アクセスを可能にするためのアクセスポートを対象とする。具体的には、一実装形態では、アクセスポートは、患者の体に植え込まれ、次いで、患者の脈管構造に導入されたカテーテルに流体連結される。そのように配置および構成されると、アクセスポートに、針または他の輸液/吸引デバイスによって経皮的にアクセスすることができ、それによりポートおよびカテーテルを介して患者の脈管構造に薬物を投与する、またはそこから血液または他の流体を吸引することができる。
【0003】
[0003]一実施形態では、ポートは内部本体を含み、その内部本体は、隔壁を介してアクセス可能な流体用空洞を画定する。本体の少なくとも一部分の周りに、シリコンを含む弾性外側カバーが配設される。フランジが、ポート本体に含まれ、外側カバーによってカバーされる。フランジは、ポートにアクセスしようと試みているとき針が隔壁に当たらなかった場合など、針が外側カバー内までの実質的な距離を貫通するのを妨げるように、ポート本体の外周の周りで隔壁近傍において径方向に延在する。
【0004】
[0004]一実施形態では、アクセスポートのフランジはさらに、外側カバーをポート本体に固定する係止用特徴部と、アクセスポートの少なくとも1つの属性を示す情報を担持する、X線撮像法によって観察可能な識別特徴部との両方を含むことができる。外側カバーはまた、抗菌性/抗血栓性のコーティングを塗布するための適切な表面を形成する。
【0005】
[0005]本発明の実施形態のこれらのおよび他の特徴は、以下の説明および添付の請求項からより完全に明らかになるか、または本明細書で以下に記載する本発明の実施形態の具体化によって習得することができる。
【0006】
[0006]添付の図面に例示した特定の実施形態を参照することによって本開示をより具体的に説明する。これらの図面は、本発明の典型的な実施形態しか示しておらず、したがって、本発明の範囲を限定するものと見なされないことが理解される。本発明の例示的な実施形態を、添付の図面を用いてさらに具体的かつ詳細に説明および解説する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1A】[0007]一実施形態による植え込み可能なオーバーモールド成形式アクセスポートの図である。
【図1B】[0007]一実施形態による植え込み可能なオーバーモールド成形式アクセスポートの図である。
【図1C】[0007]一実施形態による植え込み可能なオーバーモールド成形式アクセスポートの図である。
【図1D】[0007]一実施形態による植え込み可能なオーバーモールド成形式アクセスポートの図である。
【図2A】[0008]オーバーモールド成形部分を取り外した、図1A〜図1Dのアクセスポートの図である。
【図2B】[0008]オーバーモールド成形部分を取り外した、図1A〜図1Dのアクセスポートの図である。
【図2C】[0008]オーバーモールド成形部分を取り外した、図1A〜図1Dのアクセスポートの図である。
【図2D】[0008]オーバーモールド成形部分を取り外した、図1A〜図1Dのアクセスポートの図である。
【図3A】[0009]一実施形態による植え込み可能なオーバーモールド成形式アクセスポートの図である。
【図3B】[0009]一実施形態による植え込み可能なオーバーモールド成形式アクセスポートの図である。
【図3C】[0009]一実施形態による植え込み可能なオーバーモールド成形式アクセスポートの図である。
【図3D】[0009]一実施形態による植え込み可能なオーバーモールド成形式アクセスポートの図である。
【図3E】[0009]一実施形態による植え込み可能なオーバーモールド成形式アクセスポートの図である。
【図3F】[00010]一実施形態によるアクセスポート本体の底面図である。
【図4】[00011]図3A〜図3Eのアクセスポートと共に使用するポートフランジの上面図である。
【図5】[00012]一実施形態によるポートフランジの上面図である。
【図6】[00013]図6Aは、一実施形態によるポートフランジおよび関連の構成要素の図である。図6Bは、一実施形態によるポートフランジおよび関連の構成要素の図である。図6Cは、一実施形態によるポートフランジおよび関連の構成要素の図である。
【図7】[00014]一実施形態による植え込み可能なオーバーモールド成形式アクセスポートの斜視図である。
【図8】[00015]一実施形態による植え込み可能なオーバーモールド成形式アクセスポートの斜視図である。
【図9】[00016]一実施形態による識別特徴部を含む植え込み可能なアクセスポートの断面図である。
【図10】[00017]一実施形態による係止用特徴部を含む植え込み可能なアクセスポートの本体部分の斜視図である。
【図11】[00018]一実施形態による係止用特徴部を含む植え込み可能なアクセスポートの本体部分の斜視図である。
【図12】[00019]一実施形態による係止用特徴部を含む植え込み可能なアクセスポートの本体部分の斜視図である。
【図13】[00020]図13Aは、一実施形態による弾性の本体部分を含む植え込み可能なアクセスポートの図である。図13Bは、一実施形態による弾性の本体部分を含む植え込み可能なアクセスポートの図である。
【図14】[00021]図14Aは、一実施形態による係止用特徴部を含む植え込み可能なアクセスポート本体の図である。図14Bは、一実施形態による係止用特徴部を含む植え込み可能なアクセスポート本体の図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[00022]次に図を参照する。図中では、同様の構造には同様の参照名が与えられる。図面は、本発明の例示的な実施形態の図式的かつ概略的な表現であり、限定的ではなく、必ずしも縮尺が正確ではないことが理解される。
【0009】
[00023]簡潔にするために、用語「proximal(近位)」は、本明細書で説明するデバイスを使用する臨床医に相対的により近くなる方向を指し、用語「distal(遠位)」は、臨床医から相対的により遠くなる方向を指すことを理解されたい。例えば、患者の体内に設置した方のカテーテルの端部はカテーテルの遠位端と見なし、体外に残っているカテーテルの端部はカテーテルの近位端である。さらに、請求項を含む本明細書で用いる用語「including」、「has」および「having」は、用語「comprising」と同じ意味を有するものとする。
【0010】
[00024]図1A〜図14Bに、概して患者の体の皮下アクセスを可能にするためのアクセスポートを対象とする本発明の実施形態の様々な特徴を示す。具体的には、一実装形態では、アクセスポートは、患者の体内に植え込まれ、次いで、患者の脈管構造に導入されたカテーテルに流体連結される。そのように配置および構成されると、アクセスポートには、針または他の輸液/吸引デバイスによって経皮的にアクセスすることができ、それによりポートおよびカテーテルを介して患者の脈管構造に薬物を投与する、またはそこから血液または他の流体を吸引することができる。
【0011】
[00025]さらに、本明細書で説明する実施形態では、アクセスポートは弾性外側カバーを含み、その弾性外側カバーにより、植え込みの際の患者の快適性が向上し、患者の体内にポートを縫合または別法で固定する選択肢が強化される。さらに、弾性外側カバーは、一実施形態では、シリコンなどの生体適合性材料を含む。その生体適合性材料により、アクセスポートの植え込みによる患者のリスクまたは感染を低減するために抗菌性および/または抗血栓性のコーティングをその上に塗布できる適切な表面が形成される。アクセスポートのさらなる特徴部は、一実施形態では、X線撮像によってポートの属性を識別する識別特徴部と、外側カバーを内部ポート本体に固定する係止用特徴部とを含む。
【0012】
[00026]まず図1A〜図2Dを参照すると、図には、一実施形態による、全体を10で示す植え込み可能なアクセスポート(「ポート」)の様々な図が示されている。図示のように、ポート10は内部本体12を含み、その内部本体12は、底面14および流体用空洞20(図2A)を画定する。以下でさらに論じる外側カバー16が、流体用空洞20への開口部22と、流体用空洞をカバーするように開口部内に設置された貫通可能な隔壁24とを除いて、本体12を事実上カバーするように本体12の周りに配設される。
【0013】
[00027]さらに詳細には、例示の実施形態の隔壁24は、リテーニングリング26によって流体用空洞20の開口部22内の適位置に保持され、そのリテーニングリング26は、ポート本体12に締まり嵌めで係合するように開口部22内に挿入される。外側カバー16は、図1Cから最もよく分かるように、リテーニングリング26の周りの円形の領域までポート10の本体12の表面をカバーする。外側カバーは、添付の図に明示的に示したものに加えて他の構成を含むことができる。
【0014】
[00028]本実施形態では、ポート10の本体12は、チタンまたは他の適切な金属材料を含む。本明細書で説明する他の実施形態では、ポート本体は非金属材料を含む。ポート10のさらなる細部には、皮下に設置した後にポートの識別を助ける、隔壁28の上面に含まれる複数の触知特徴部28と、流体用空洞20と流体連絡する流体出口30とが含まれる。流体用空洞20と、ステムに取り付けられたカテーテルとの間に流体の通路が設けられるように、流体出口30内には、導管を画定するステム32がしっかりと受容される。
【0015】
[00029]言及したように、外側カバー16は、弾性材料を含み、ポート本体12をカバーする。一実施形態では、外側カバー16は、生体適合性材料であるショアA硬度30のシリコンを含むが、熱可塑性エラストマーを含む他の適切な生体適合性材料および弾性材料を用いることもできると理解される。外側カバー16は、弾性の性質により、体内に植え込まれたときに患者の体に対する快適性を向上させる。さらに、外側カバー16は針によって穿孔可能であり、そのため、外側カバーの任意の数の位置を通して縫合して固定して、患者の体内にポートを固定するのを容易にすることができる。
【0016】
[00030]さらに、弾性外側カバー16により、一実施形態では、ポート10に1つまたは複数のコーティングを塗布するのに適切な表面が形成される。これは、例えば、ポート本体12がチタンもしくは他の金属、またはDELRIN(商標)の名称で市販されているアセチル樹脂、つまり、コーティングをそれに接着させるのが従来から比較的難しい材料を含む場合に当てはまる。
【0017】
[00031]例示的な一実施形態では、ポート10の上または周りにおいて細菌の成長および/または血栓の形成を防止するために、抗菌性および/または抗血栓性の(1つまたは複数の)コーティングを外側カバー16の表面に塗布することができる。ポート10の外側カバー16に塗布できるコーティングの非限定的な例は、以下の文献で見つけることができる。「Antimicrobial Silver Compositions」と題する2005年8月1日出願の米国特許出願公開第2007/0003603号、「Methods and Compositions for Metal Nanoparticle Treated Surfaces」と題する2007年2月8日出願の米国特許出願公開第2007/0207335号、および「Antimicrobial Site Dressings」と題する2007年4月25日出願の米国特許出願公開第2007/0293800号。さらなるコーティングの例を以下の文献で見つけることができる。「Method of Making Anti−Microbial Polymeric Surfaces」と題する米国特許第6,808,738号、「Drug Delivery via Therapeutic Hydrogels」と題する米国特許第6,475,516号、および「Method of Making Anti−Microbial Polymeric Surfaces」と題する2002年2月26日出願の米国特許出願第2004/0086568号。上述の特許および特許出願はそれぞれ、参照によりその全体が本明細書に援用される。当業者なら理解できるように、他のコーティングを用いることもできる。
【0018】
[00032]一実施形態では、外側カバーに塗布される抗菌性コーティングは、銀を含み、さらに、CAS番号633−03−4、Brilliant Greenとして一般に知られる染料成分など、外側カバーの明らかな変色を防止する成分を含む。さらに別の実施形態では、外側カバーの表面に所望の性質をもたらすために、抗菌性材料、抗血栓性材料、または他の適切な材料を、外側カバーの材料に加え、そこから所望の速度で溶離するように構成することができる。一実施形態では、例えばPantone3272Mおよびそれに近い色など、PANTONE(登録商標)Matching System(Pantone Inc.、Carlstadt、New Jersey)の特定の色範囲内に入るように、外側カバーを着色することができる。
【0019】
[00033]図1A〜図2Dに示す本実施形態のポート10の本体12およびリテーニングリング26はチタンを含むことに留意されたい。以下に説明するいくつかの実施形態では、ポート本体に他の材料が用いられる。本明細書で開示されているものに加えて、本明細書で説明する実施形態の精神から逸脱することなしに、ポートの様々な構成要素に他の適切な材料を用いることができると留意されたい。
【0020】
[00034]一実施形態によれば、ポート10はさらにフランジ40を含み、そのフランジ40は、ポート本体12の外周の周りで径方向に延在する。図1Bから最もよく分かるように、フランジ40は、隔壁24および流体用空洞20の開口部22の周りでそれらの近傍に円周方向に配置される。そのように構成されると、フランジ40は、針または他の輸液/吸引デバイスが外側カバー16のうちのポート10の隔壁24に比較的近い部分に貫通するのを防止する針ガードとして機能する。これは、さらに、針の使用者が、弾性外側カバー16を貫通し、したがって、一実施形態ではシリコンなどの弾性材料も含む隔壁24にアクセスしたと思い込むことを防止する。このような場合には、使用者が針で外側カバーを貫通することが、フランジ40によって妨げられ、それにより、隔壁24にアクセスするために使用者が針を再挿入する必要があることが示され、したがって、さらなる問題が防止される。本実施形態では、フランジはポート本体と一体形成され、したがってチタンを含むことが理解される。しかし、他の実施形態では、フランジは、別個に製造することができ、他の適切な材料を含むことができ、ポート本体のうちの隔壁近傍以外の他の領域から延在することができ、異なる形状および構成を含むことができる。
【0021】
[00035]一実施形態では、フランジ40は、特定の特徴または属性を含むのでポートの識別を可能にするようにも働く。例えば、フランジ40は識別特徴部を1つまたは複数含むことができ、それらの識別特徴部は、患者の体内に植え込んだ後にポートの対応する属性の識別を可能にするように、X線撮像または他の同様の撮像法によって観察可能である。識別特徴部が表示できる属性の一例は、一般に高圧注入と呼ばれる比較的高速でポートを通る流体の輸液に関わるポートの性能である。例えば、患者の体に対してコンピューター断層撮影(「CT」)撮像法に関連してポート10を通して造影剤を注入するときには、このように高圧注入可能であることは有用である。一例では、ポートを通る高圧注入の流れは、いくつかの要因に応じて変更できるが、1秒当たり約0から5ミリリットルの速度で行われる。
【0022】
[00036]上記の事項によれば、一実施形態では、ポートフランジ40は、図1C、図1D、および図2Dから最もよく分かる識別特徴部50を1つまたは複数含む。具体的には、本実施形態の識別特徴部50は英数字の目印52を含み、その目印52はフランジ40の本体に画定される。より詳細には、本実施形態のフランジ40は、3つで1組の英数字の目印52を含み、目印はそれぞれ、ポートがX線によって撮像されるときにCT形の孔とそれを囲繞するフランジ本体との間に放射線造影が行われるように、フランジの厚さを通して画定された文字「CT」を含む。「CT」形の文字の配向は、X線による文字の観察が患者の体に対してポートが適切に配置および配向されているかどうかを示すようになっている。
【0023】
[00037]上記で説明した識別特徴部50を、図1A〜図2Dに示す「CT」など、1つまたは複数の英数字とすることができることが企図される。さらに、本開示は、1つまたは複数の記号、模様、文字、設計、それらの組み合わせなど、フランジ上に他のしるしを使用することを企図する。アクセスポートの様々な属性のうちの1つまたは複数を特定的に識別する識別特徴部を調整するために、(1つまたは複数の)識別特徴部を任意のサイズ、形状、またはその両方とすることができる。具体的には、一実施形態では、(1つまたは複数の)識別特徴部は、論じてきたように、植え込まれたポートの、医師に対して高圧注入性能に関する情報を担持することができる。識別特徴部は、ポートのタイプ、カテーテルのタイプ、製造日、ロット番号、部品番号などを含む、属性の他の例を担持することができる。他の実施形態では、識別特徴部を他の方式で画定することができる。
【0024】
[00038]一実施形態では、フランジ40は、ポート本体12と外側カバー16とを固定して係合する係止用特徴部として、さらに別の機能を果たす。上記で言及したように、本実施形態の英数字の目印(「CT」)52は、フランジ40の厚さを通る孔として画定され、そのフランジはポート10の内部本体12に含まれている。ポート10の製造中に、外側カバー16は、オーバーモールド成形プロセスによってポート本体12を囲繞する。そのオーバーモールド成形プロセスでは、シリコンまたは他の適切な流動可能な材料が、フランジ40を含むポート本体の大部分をシリコンが包むように、ポート本体12を含むモールド型に注入される。次いで、シリコンを硬化させて外側カバー16を形成することができる。オーバーモールド成形プロセス中には、流動可能なシリコンは、CT形の目印52の孔を通って流れ、硬化が完了した後でその孔の中に残って、CT形の孔の中およびそれを通した接合がシリコンによって画定され、したがって、外側カバー16が単一部片としてポート本体12に係止されそれらの分離が防止される。
【0025】
[00039]以下でさらに分かるように、ここで説明する係止用特徴部を、図1A〜図2Dに示すものから改変することができる。一実施形態では、接着剤を使用して、外側カバー16をポート本体12に、特にポート本体の開口部22近傍の外側カバーの円形の終端部の周りに接着することができる。外側カバーをこの領域に接着することは、外側カバーの外側の表面に塗布される任意のコーティングまたは層が外側カバー16の下に漏出するのを防止するように働くことができる。適切な接着剤の例は、NuSil Technology LLC of Carpinteria、CAから入手可能である。
【0026】
[00040]図1Dから最もよく分かるように、一実施形態では、外側カバー16と同じ材料を含むインサート56を、内部ポート本体12の底面14に固着させ、その後で、外側カバーのオーバーモールド成形を行う。インサート56の目的は、外側カバーが本体上にオーバーモールド成形される前に、内部ポート本体12をモールド型内に安定させ固定するのを助けることである。一実施形態では、外側カバー16およびインサート56の両方が、オーバーモールド成形プロセス中に互いに一体になるように、シリコンを含む。図3Fに示す別の実施形態では、チタンなど、適切な放射線不透過性の材料を含むディスク70を、内部ポート本体12の底面14にあるインサート56の代わりに用いることができ、そのディスク70は、植え込み後にポートの特徴または属性を識別できるように、X線撮像装置との相互作用によって観察可能な識別特徴部50を含むことができる。例示の実施形態では、ディスクは、文字「CT」の英数字の切り抜き部を含む。
【0027】
[00041]図3A〜図3Eに、別の実施形態によるポート10の様々な図を示す。それらの図では、ポートの内部本体12は、DELRIN(商標)という名前で市販されているアセチル樹脂などの熱可塑性物質を含む。図3Bから最もよく分かるように、ポート本体12はベース12Aおよびキャップ12Bを含み、それらのベース12Aおよびキャップ12Bは、流体用空洞20を画定しそれらの間に隔壁24を捕捉するように、超音波溶接または他の適切なプロセスによって互いに結合される。したがって、図1A〜図2Dの前述の実施形態の金属製ポートとしてリテーニングリングは用いられない。
【0028】
[00042]図3A〜図3Eのポート10は、ポート10の本体12に取り付けられる別個に製造された構成要素としてフランジ40を含む。具体的には、図4をさらに参照すると、本実施形態のフランジ40は、中心孔40Aを含み、そのため、フランジが中心孔40Aを通してポート本体12を受容可能であり、図3Bおよび図3Cから最もよく分かるようにキャップ12B上に画定されたレッジの上に着座する。フランジ40の中心孔40Aの外周の周りには、切り欠き60が複数画定され、それらの切り欠き60は、レッジ上のキャップ12Bに含まれる複数の延長タブ62に対応する。切り欠き60および対応するタブ62は、フランジ40がレッジの上で正確な配向のときにのみ着座可能になり、すなわち、英数字の目印がポートに対して確実に正確な配向に配置されるように、互いに対してキー止めされる。
【0029】
[00043]本実施形態では、フランジ40が図3Cに示すように製造中にキャップ12B上に適切に配置された後で、その切り欠き60はキャップのタブ62を覆うように着座する。次いで、フランジ40をキャップ12B上にロックし、そこから移動するのを防止するように、溶解、機械的処理、または他の適切な変形プロセスによって、タブ62を変形させることができる。
【0030】
[00044]言及したように、図4にさらに、各識別特徴部50の英数字の目印52、中心孔40A、および切り欠き60を含むフランジ40の詳細を示す。本実施形態では、フランジはチタンを含み、フランジ40の外周は、概して、英数字の目印52のうちの対応する1つを有する膨らんだ三角形を画定し、その目印は、識別特徴部と、外側カバー16をポート本体12に固定する係止用特徴部の両方として働き、三角形の各頂点に配置されることに留意されたい。一実施形態では、「CT」形の目印52はワイヤEDM切削によってフランジ40に形成されるが、スタンピング、モールド成形などを含む他の許容できる方法を用いることもできる。フランジのサイズ、形状、および組成は、識別特徴部の構成と共に、本明細書に示し説明するものから変更できることが理解される。例えば、フランジ他の適切な材料を「Systems and Methods for Radiographically Identifying an Access Port」と題する2010年6月8日出願の同時係属の米国特許出願第12/796,133号に見つけることができ、その文献は参照によりその全体が本明細書に援用される。
【0031】
[00045]図5〜図9に、フランジ40に関連する追加の実施形態の詳細を示す。図5に、一実施形態によるフランジ40を示す。その図では、ここでは英数字の目印52として示す識別特徴部50は、フランジの厚さ全体を通して画定されないが、フランジの厚さの一部のみを通って画定されて、くぼんだ特徴部が形成される。一実施形態では、目印52は、フランジ40の約0.381mm(0.015インチ)の深さまで画定され、フランジの全体の厚さは約0.508mm(0.020インチ)である。他の深さおよびフランジの厚さも可能である。これにより、図1Cおよび図3Dに示す斜視図など、上から下にポート10を見るときにのみ、「CT」形の目印52を(植え込み前に)視覚的に見ることが可能になる。さらに、このようにして形成されたCT形の目印52により、ポートの植え込み後にX線撮像によって目印を撮像可能にするのに十分な放射線造影が与えられ、したがって、ポート10の識別特徴部として所望の役割を果たす。目印52を、ワイヤEDM加工、レーザエッチングなどによって形成することができる。さらに、フランジのための係止用特徴部として働く複数の貫通孔76がフランジ40の厚さを通して画定される。フランジ40は、図1A〜図3Eに示すのと同様に配置される。
【0032】
[00046]上記の実施形態および以下の選択した実施形態では、例えば図5に示すように上から下など、所定の方向でしか(例えば、植え込み前に)視覚的に見ることができないように、ポートの属性を識別する識別特徴部が構成されることに留意されたい。このように識別特徴部を視覚的に見る方向が限定されていることは、一実施形態では、臨床医にポートの上部を示すために有用である。すなわち、上側が上になるようにポートが設置されると、ポートを患者の体内に挿入するのに適切な配向を示す識別特徴部を視覚的に識別することができる。ポートが上下反対になっていると、識別特徴部は、視覚的に観察不能であり、したがって、ポートが上下反対になっていると臨床医に示される。したがって、こうした特徴部は、ポートの適切な配向について臨床医が混乱することがなくなるように働くことができる。さらに、一実施形態では、臨床医がフランジのCT形の目印の切り抜き部を、縫合糸がそれを貫通する縫合用の穴と間違える可能性をなくすように、ポートの外側カバーの全てまたは一部分を不透明にできることが理解される。
【0033】
[00047]図6A〜図6Cに、別の実施形態によるフランジ40を示す。その図では、それぞれ識別特徴部50として働く「CT」形の英数字の目印52が、前述の実施形態のようにフランジの厚さを通して切り抜き部として画定されている。各目印52の「CT」に対応するように、隆起するように浮き彫りして文字「CT」を画定する弾性で不透明の三角形プラグ80が、各目印の「CT」形切り抜き部に挿入され、それにより保持されている。そのように配置されると、プラグにより、図1Cおよび図3Dに示す斜視図など、ポート10を上から下に見るときにのみ「CT」形目印52を(植え込み前に)視覚的に見ることが可能になる。ポートの底部から視覚的に見ると、プラグにより、それぞれの目印52を観察することが防止される。その代わりに、本実施形態では三角形のプラグ底部の形状が見られる。プラグがそれに挿入される目印の切り抜き部の設計に対応するために、プラグ上面の隆起した浮き彫りが可能であるのと同様に、プラグの形状を変更できることに留意されたい。
【0034】
[00048]図7に、一実施形態によるポート10を示す。その図では、ポートの外側カバー16は、外側カバーを不透明にするようにつや消し面84または別法で曇らせた面を含む。ポート10のつや消し面16は、一実施形態では、オーバーモールド成形段階で実現され、その際、外側カバー16を内部ポート本体12にオーバーモールド成形するのに使用されるモールド型の表面は、例えば、モールド型の表面をビードブラスティングすることによって実現された粗面を含む。こうしたモールド型で外側カバー16がオーバーモールド成形されると、図7のつや消し面84が生じる。つや消し面または不透明の面を外側カバー16に形成する他の適切な方法を用いることもできることが理解される。さらに別の実施形態では、外側カバーの底面のみがつや消しである。
【0035】
[00049]別の実施形態では、ポートの外側カバーに、それを不透明にするように布構造またはメッシュ構造を組み込む/埋め込むことができる。さらに別の実施形態では、ビードブラスティングの代わりに、不透明の粗面をモールド成形するときに、モールド型の表面を、ポート外側カバーに加えられるダイヤモンド形のメッシュ表面の特徴部をその上に画定するように処理することができる。さらに別の実施形態では、外側カバーを少なくとも部分的に不透明にするように、ロゴまたは他の特徴部をポート外側カバーに刻むか、またはカバーがポート本体にオーバーモールド成形されるモールド型表面に表面特徴部として含まれるようにすることができる。したがって、外側カバー不透明度に対するこれらの処理および他の処理が企図される。
【0036】
[00050]図8に一実施形態によるポート10を示す。その図では、着色剤または他の適切な不透明の添加剤が、外側カバーを不透明にするように、外側カバー16を形成するのに使用する材料、例えばシリコンに含まれる。一実施形態では、Kreative Liquid Color of Ontario、CAから供給されるKreative Color Purple、K−6050−13などの着色剤を、オーバーモールド成形プロセスの前にシリコンと混合し、その結果、オーバーモールド成形が完了した後にはポート10の外側カバー16が不透明になる。もちろん、外側カバーを不透明にするのに他の材料および方法を用いることができる。着色剤または不透明の添加剤の所望の特徴は、一実施形態では、放射線半透過性、生体適合性、外側カバーがそれから作製される材料との親和性を含む。
【0037】
[00051]図9に別の実施形態によるポート10を示す。図9に示すように、フランジ40に加えて、副次的なプレート90がフランジの下に配置されている。フランジ40と同様に、そのプレート90は、外側カバー16によってカバーされ、一実施形態では、ポート10の外側カバー16と内部本体12とを固定して係合する係止用特徴部として働く貫通孔を含む。やはりフランジ40と同様に、プレート90は、チタン、三酸化ビスマスまたは他の適切な材料を含むこともでき、組成がフランジ40とは異なるものとすることができる。プレート90を図9に示すように配置することにより、図1Cおよび図3Dのように、上から下への視点に対するフランジ40の識別特徴部として働く目印の視覚的な観察が制限される。
【0038】
[00052]図10〜図12に、ポート10の内部本体12のための係止用特徴部の追加の例を開示する様々な実施形態を示す。説明する係止用特徴部は、内部ポート本体にオーバーモールド成形された外側カバーの固定において上記の実施形態で説明した、「CT」形の目印の切り抜き部およびフランジ40の他の係止用特徴部と同様に動作する。
【0039】
[00053]図10では、係止用特徴部130は、ポート本体12のフランジ140上に含まれる。フランジ140は、円周方向に、ポート本体12に含まれる隔壁24の周りおよびその近傍に配置される。具体的には、係止用特徴部は、フランジ140を通って画定される複数の貫通孔142として実装される。さらに、1つまたは複数の延長部146が、フランジ140の下方で追加の貫通孔148を画定するのに十分な距離だけポート本体12から延在する。係止用特徴部を含む、本明細書のこの実施形態および他の実施形態に関連して説明してきたように、外側カバーを形成するのに使用されるシリコンまたは他の適切な材料は、オーバーモールド成形プロセス中にポートの内部本体12の周りで流れ、係止用特徴部130を貫通して、望ましくはポート本体への外側カバーの接着が強化される。
【0040】
[00054]図11に、ポート本体12のための係止用特徴部130の別の例を示す。その図では、ポート本体12の底部14近傍に、環状の溝150が画定されている。溝内には溝からポート本体底面14まで延在するように複数の貫通孔152が画定されて、オーバーモールド成形プロセス中に外側カバーの材料がそれを通って流れることが可能になる。
【0041】
[00055]図12に、係止用特徴部130のさらに別の例を示す。その図では、ポート本体12の表面から複数の歯160が延在する。具体的には、対向する対の歯160は、図12では互いに向かって延在するようになっており、適切な空間が設けられるように、対向する歯同士の間だけでなく、歯とポート本体12の隣接する側面との間にも隙間が設けられている。その空間を通って、外側カバーの材料が流動して、その後、オーバーモールド成形後に固体化して外側カバーをポート本体に係止することができる。歯のサイズ、形状、数、および配置は、数通りに変更することができる。より概略的には、前述の実施形態は係止用特徴部の単なる例であり、係止用特徴部の他のタイプおよび構成が本発明の実施形態の原理内に存在できることが理解される。
【0042】
[00056]図13Aおよび図13Bに一実施形態によるポート210を示す。図では、ポートの本体212が、本体のノーズ部分を画定する第1の本体部分212Aと、本体の残りの部分を画定する第2の本体部分212Bとを含む。本実施形態では、第1の本体部分212Aは、アセチル樹脂または他の熱可塑性物質など、比較的剛性のある生体適合性材料を含み、第2の本体部分212Bは、シリコンまたは他の適切な生体適合性材料など、オーバーモールド成形された弾性材料を含む。そのように構成されると、第1の本体部分212Aによって画定されたポート本体のノーズ部は、患者の組織中に画定されたポケットにポートを設置するのを助けるように比較的剛性があり、第2の本体部分212Bによって画定されたポート本体212の残りの部分は、患者の快適性を向上させポート210の縫合可能性を改善するように弾性である。第2の本体部分のオーバーモールド成形を前述の実施形態と同様にして実現することができる。
【0043】
[00057]図14Aおよび図14Bに、係止用特徴部130のさらに別の例を示す。その図では、複数のダブテール延長部220が、ポート本体のキャップ12Bの円形の側面からその円周の周りで延在する。ダブテール延長部220により、隣接する蟻継ぎ間に十分な表面積および捕捉領域が設けられる。その隣接する蟻継ぎ間を通って、外側カバーの材料が流れて、その後、オーバーモールド成形後に固体化して外側カバーをポート本体に係止することができる。ダブテール歯のサイズ、形状、数、配置、および間隔は、数通りに変更することができる。例えば、ポートのキャップに含まれることに加えて、ダブテール延長部をポートのベースに含むこともできる。さらに、図ではポートキャップの全周の周りで延在するようになっているが、一実施形態では、その円周の一部分の周りにのみダブテール延長部を画定することもできる。これらのおよび他の変更形態が企図される。
【0044】
[00058]本発明の実施形態を、本開示の精神から逸脱することなしに他の特定の形態で実施することができる。説明した実施形態は、全ての点において単なる例示であり、限定的なものではないと見なすべきであり。したがって、これらの実施形態の範囲は、前述の説明ではなく添付の請求項によって指定される。請求項の等価物の意味および範囲内に包含される全ての変更が、その範囲内に含まれるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の皮下アクセスを可能にするためのアクセスポートであって、
隔壁を介してアクセス可能な流体用空洞を画定する本体と、
前記本体の少なくとも一部分の周りに配設された弾性外側カバーと、
前記外側カバーにカバーされ前記本体から延在し、針を前記隔壁内に貫通させようとするとき前記針が前記外側カバー内のフランジを貫通するのを妨げるフランジと
を備える、アクセスポート。
【請求項2】
前記フランジが、前記本体の外周の周りで径方向に延在し、さらに、前記外側カバーを前記本体に固定する係止用特徴部を含む、請求項1に記載のアクセスポート。
【請求項3】
前記外側カバーが、前記本体を覆ってほぼリテーニングリングまでオーバーモールド成形され、前記リテーニングリングが、前記隔壁を前記本体に固定し、前記係止用特徴部が、前記フランジを通して画定された複数の孔を含む、請求項2に記載のアクセスポート。
【請求項4】
前記外側カバーがシリコンを含み、前記フランジがチタンを含み、前記孔が、英数字を形成するように画定される、請求項3に記載のアクセスポート。
【請求項5】
前記本体が、前記外側カバーを前記本体に固定する、前記外側カバーによってカバーされた係止用特徴部を含み、前記係止用特徴部が、前記本体から延在する複数の歯および複数のダブテール延長部のうちの一方を含む、請求項1に記載のアクセスポート。
【請求項6】
前記外側カバーが、抗菌性成分および抗血栓性成分のうちの少なくとも一方を含む、請求項1に記載のアクセスポート。
【請求項7】
患者の皮下アクセスを可能にするためのアクセスポートであって、
隔壁を介してアクセス可能な流体用空洞を画定する本体と、
前記本体の少なくとも一部分の周りに配設された弾性外側カバーと、
前記外側カバーによってカバーされ前記本体から前記隔壁近傍まで延在するフランジであって、X線撮像法によって観察可能な識別特徴部を含み、前記識別特徴部が、前記アクセスポートの少なくとも1つの属性を示す情報を担持する、フランジと
を備える、アクセスポート。
【請求項8】
前記フランジが、前記本体の外周の周りで延在し、前記識別特徴部が、英数字または記号文字を複数含み、前記アクセスポートが高圧注入できることを示す、請求項7に記載のアクセスポート。
【請求項9】
前記識別特徴部が、前記外側カバーを前記本体に固定する係止用特徴部として働くように、前記フランジを通して画定された少なくとも1つの孔を含む、請求項7に記載のアクセスポート。
【請求項10】
前記本体が金属材料を含み、前記フランジが前記本体と一体形成される、請求項7に記載のアクセスポート。
【請求項11】
前記フランジが、前記本体とは別個に製造され、前記フランジが、キー止めされる切り欠きを複数含み、前記切り欠きがそれぞれ、前記アクセスポートの本体上にある、同様にキー止めされるタブにフィットし、前記タブが、前記フランジが前記本体によって保持されるように、前記タブを覆うように前記フランジの切り欠きが設置された後で変形する、請求項7に記載のアクセスポート。
【請求項12】
前記ポートの本体がアセチル樹脂を含み、前記フランジが、チタンを含み、針が前記外側カバー内までの実質的な距離を貫通するのを妨げる、請求項7に記載のアクセスポート。
【請求項13】
患者の皮下アクセスを可能にするためのアクセスポートであって、
隔壁を介してアクセス可能な流体用空洞を画定する本体と、
アクセスポートの外面を画定するように前記本体を事実上カバーする弾性外側カバーと、
前記外側カバーによってカバーされ前記本体の外周の周りで延在するフランジであって、X線撮像法によって観察可能な識別特徴部を含み、前記識別特徴部が、前記アクセスポートの少なくとも1つの属性を示す情報を担持する、フランジと
を備える、アクセスポート。
【請求項14】
前記フランジがさらに、前記外側カバーを前記本体に固定する係止用特徴部を含む、請求項13に記載のアクセスポート。
【請求項15】
前記係止用特徴部と前記識別特徴部とが互いに一体であり、前記フランジが、針が前記外側カバー内までの実質的な距離を貫通するのを妨げるように配置される、請求項14に記載のアクセスポート。
【請求項16】
前記フランジが、概して、三角形を画定し、前記識別特徴部が、前記フランジの各頂点に配設された英数字の目印を含む、請求項15に記載のアクセスポート。
【請求項17】
前記英数字の目印が、前記フランジ内のくぼんだ特徴部として画定され、前記フランジがさらに、前記フランジを通して画定された貫通孔を複数備える、請求項16に記載のアクセスポート。
【請求項18】
前記識別特徴部が、前記フランジを通して画定された目印を含み、弾性プラグが、少なくとも1つの方向からの前記目印視覚的な観察を防止するように、前記目印に配設される、請求項13に記載のアクセスポート。
【請求項19】
前記外側カバーによって画定された前記外面が、細菌の付着および血栓の形成のうちの少なくとも一方を抑制するためにコーティングをその上に塗布する適切な表面を形成する、請求項13に記載のアクセスポート。
【請求項20】
患者の皮下アクセスを可能にするためのアクセスポートであって、
隔壁を介してアクセス可能な流体用空洞を画定する本体を備え、
前記本体が、
事実上剛性のある材料を含むノーズ部分、および
弾性材料を含む残りの部分
によって画定される、アクセスポート。
【請求項21】
前記残りの部分が、前記ポートの本体上にオーバーモールド成形され、シリコンを含み、前記ノーズ部分が熱可塑性材料を含む、請求項20に記載のアクセスポート。
【請求項22】
患者の皮下アクセスを可能にするためのアクセスポートであって、
隔壁を介してアクセス可能な流体用空洞を画定する本体と、
前記本体の少なくとも一部分の周りに配設された弾性外側カバーと、
前記外側カバーによってカバーされ前記本体から延在するフランジであって、X線撮像法によって観察可能な識別特徴部を含み、前記識別特徴部が、アクセスポートの少なくとも1つの属性を示す情報を担持する、フランジと
を備え、
前記外側カバーの少なくとも一部分が、少なくとも1つの方向からの前記識別特徴部の視覚的な観察が防止されるように構成される、アクセスポート。
【請求項23】
前記外側カバーがシリコンを含み、前記外側カバーの表面の少なくとも一部分が、前記表面の一部分が事実上不透明になるようにつや消しである、請求項22に記載のアクセスポート。
【請求項24】
前記外側カバーが、シリコンが不透明になるように着色剤と混合されたシリコンを含む、請求項23に記載のアクセスポート。
【請求項25】
患者の皮下アクセスを可能にするためのアクセスポート製造方法であって、
隔壁を介してアクセス可能な流体用空洞を画定する本体を形成するステップであって、前記ポート本体が、前記ポート本体から前記隔壁近傍を径方向に延在するフランジを含み、前記フランジが係止用特徴部を含む、ステップと、
弾性外側カバーで少なくとも前記フランジをカバーするステップであって、前記外側カバーが、前記外側カバーを前記本体に係止するように前記フランジ上に含まれる前記係止用特徴部を囲繞する、ステップと
を含む、方法。
【請求項26】
前記外側カバーにコーティングを塗布するステップであって、前記コーティングが、抗菌性成分および抗血栓性成分のうちの少なくとも一方を含む、ステップをさらに含む、請求項25に記載のアクセスポート製造方法。
【請求項27】
少なくとも前記フランジをカバーする前記ステップがさらに、前記ポートの本体の大部分の周りに前記外側カバーをオーバーモールド成形するステップであって、前記外側カバーがシリコンを含む、ステップを含む、請求項25に記載のアクセスポート製造方法。
【請求項28】
前記外側カバーをオーバーモールド成形する前記ステップが、前記ポートの本体の大部分の周りに前記外側カバーをオーバーモールド成形するステップを含み、前記外側カバーの表面の少なくとも一部分が、それを通した視覚的な観察を防止するためにつや消し面を含む、請求項27に記載のアクセスポート製造方法。
【請求項29】
患者の皮下アクセスを可能にするためのアクセスポートであって、
隔壁を介してアクセス可能な流体用空洞を画定するように協働するベースおよび取り付け可能なキャップを含む本体と、
前記本体の少なくとも一部分の周りに配設された弾性外側カバーと、
前記外側カバーにカバーされ前記本体から延在するフランジであって、放射線不透過性の材料を含み、前記外側カバーの大部分の距離だけ針が貫通するのを妨げるように配置されるフランジと
を備える、アクセスポート。
【請求項30】
前記フランジが、チタンを含み、前記本体のキャップから径方向に延在する、請求項29に記載のアクセスポート。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図3F】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14A】
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【図14B】
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【公表番号】特表2013−510652(P2013−510652A)
【公表日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−538852(P2012−538852)
【出願日】平成22年11月1日(2010.11.1)
【国際出願番号】PCT/US2010/054994
【国際公開番号】WO2011/062750
【国際公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(591018693)シー・アール・バード・インコーポレーテッド (106)
【氏名又は名称原語表記】C R BARD INCORPORATED
【Fターム(参考)】