説明

保冷容器及び補強枠

【課題】前開き時の保形強度に優れ、段積み状態で前壁部を開放した場合に、左右側壁部のぐらつきを規制でき、上部からの荷重を安定性よく支えることができる保冷容器を提供する。
【解決手段】合成樹脂発泡体を主体として形成された底部11及び前後壁部12,14及び左右側壁部13,15よりなる平面略矩形の容器本体10と、その上面開口部10aを覆う蓋体20とからなり、容器本体10の前壁部12の少なくとも一部を、下端部の折曲可能な連接部31aを介して外側に開放可能に設けた保冷容器Aにおいて、容器本体10の上部開口端部に、開放可能な前壁部分12aを含めて全周に渡って連続する平面略矩形の補強枠1を被着し、前開き状態を安定させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保冷を要する生鮮物等の物品の保管、運搬に使用される前開き可能な保冷容器及びこれに使用される補強枠に関するものである。
【背景技術】
【0002】
各種生鮮物等の保管、輸送等に使用する保冷容器として、合成樹脂発泡体を主材とする容器本体と、その上面開口部を覆う蓋体とよりなり、これら容器本体及び蓋体の外側面が可撓性のあるカバー体により覆われて構成された容器において、使用上の要求から、蓋着状態のままで四周の側壁の一部、例えば前壁部を開放可能に構成した容器が知られている。
【0003】
すなわち、かかる保冷容器の使用において、各種生鮮物等の物品を収納して大型冷蔵庫(冷蔵室)内で段積みした状態で内容物を冷却し予冷を行うことが行われているが、この際、容器内部(特に下部)への冷気流通をよくするために、段積み状態のままで各容器の側壁の一部、例えば前壁部を開放できる構造のものが使用されることが多い。また、段積み状態での保管、輸送中において、一部の内容物の確認や出し入れを必要とする場合があり、この場合にも、蓋着状態及び段積み状態のままで前壁部を開放できる構造が求められる。そのため、前壁部の少なくとも一部、特には略全面を開放できる構造の容器が種々提案されている。
【0004】
例えば、下記の特許文献1には、底部と前後壁部及び左右側壁部とよりなる容器本体と、該容器本体の上面開口部を覆う蓋体とからなる保冷保温ボックスにおいて、前壁部の全部もしくは一部を外側に開放可能に構成したものが提案されている。
【0005】
また、下記の特許文献2には、車両の荷台積載用保冷カバーとして、断熱材より形成された別体の保冷容器に対し包被使用するものにおいて、手前面の少なくとも一部をその下端部を支点にして開閉可能に構成したものが提案されている。
【特許文献1】特開平11−59739号公報
【特許文献2】特開2002−104543号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記特許文献1の保冷保温ボックスのように、前壁部の全部又は一部を開放するようにした容器の場合、その開放によって容器前面が左右に分断された状態になる。そのため、蓋着状態であっても、上部から大きな荷重、例えば段積み荷重が作用すると、左右側壁部が外側に拡開したり、ぐらつきが生じ易くなり、段積み状態が不安定になり易いものである。特に、特許文献1の容器のように、容器本体が折り畳み可能に形成されている場合、各側壁と底部の一体性に乏しく、前記の問題の発生がさらに顕著になる。もちろん、合成樹脂発泡体により、容器本体の底部と左右側壁部及び後壁部の4面を一体に成形した容器の場合も、前壁部を開放した状態においては左右側壁部がぐらつき易くなり、段積み荷重を安定性よく支えることができないものである。
【0007】
前記特許文献2の荷台積載用保冷カバーの場合も、カバー自体は、特許文献1の場合と同様に、前面開放時には左右側板が拡開したりぐらつきが生じ易く、段積み状態で手前面を開放するのには適さないないものである。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなしたものであり、特に前開き可能な保冷容器において、前開き時の保形強度に優れ、多数を段積みした状態で前壁部を開放した場合にも、左右側壁部の拡開やぐらつきを規制できて、段積み荷重等の上部からの荷重を安定性よく支えることができ、しかも前壁部の開閉操作が容易で、かつ保冷効果も良好に保持できる保冷容器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決する本発明の保冷容器は、合成樹脂発泡体を主体として形成された底部及び前後壁部及び左右側壁部よりなる平面略矩形の容器本体と、前記容器本体の上面開口部を覆う蓋体とからなり、前記容器本体の前壁部の少なくとも一部が、下端部の折曲可能な連接部を介して外側に開放可能に設けられてなる保冷容器において、前記容器本体上部の開口端部に、前記開放可能な前壁部分から前面両側コーナー部に渡って連続する補強枠が被着されてなることを特徴とする。特に、前記補強枠部は、開放可能な前壁部分を含めて全周に渡って連続する平面略矩形をなしているものとするのが好ましい。
【0010】
この保冷容器によれば、内部に生鮮物等の物品を収納して包装した状態において、前壁部の少なくとも一部の前壁部分を外側に折曲して開放することができる。例えば、大型冷蔵庫内において、保冷容器を複数段に段積みして、内容物品を冷却し予冷を行う際、段積み状態のままで前記前壁部分を開放することができ、また、輸送中や保管中に、内容物品を確認したり、一部の物品を取り出す必要がある場合にも、段積み状態のままで前記前壁部分を開放できる。
【0011】
しかも、本発明の場合、前記のように前壁部分を開放した状態においても、前記容器本体上部の開口端部における前記の前壁部分が、該前壁部分から前面両側コーナー部に渡って連続する補強枠により補強され、特に前記補強枠が平面略矩形をなすように全周に渡って連続している場合は、該開口端部が連続状に保持されて補強されているため、前面で分離状態になる容器本体の特に左右側壁部の動きが封じられて、上部から大きい荷重が作用しても、左右側壁部が拡開したり、ぐらついたりするおそれがなく、前開き状態での容器全体の保形性に優れ、段積み荷重を安定性よく支えることができる。すなわち、段積み状態で前壁部分を開放する(前開き)使用が問題なく可能になる。
【0012】
特に、前記容器本体が、前記開放可能な前壁部分を除いて、底部、後側壁部及び左右側壁部の4面を含む全体を一体に成形してなるものとするのが好ましく、この場合、前開き使用時の保形性、段積み荷重に対する安定性がさらによくなるばかりか、底部と、後側壁部及び左右側壁部との間からの冷気流出の虞がなく、保冷効果を良好に保持できる。
【0013】
前記前壁部の少なくとも一部が上端から底部位置まで開口せしめられるとともに、該開口部に嵌合する前壁部分が、その下端部で前記底部に対し折曲可能に連接されて開閉可能に設けられてなるものとすることができる。これにより、前記前壁部の少なくとも一部、例えば中央部の前壁部分を、底部まで大きく開放することができる。しかも、非開放状態においては、前記前壁部分が底部上で前記開口部に嵌合することで、閉止状態が安定する上、冷気流出を適度に抑制できることにもなる。
【0014】
前記の保冷容器において、前記開放可能な前壁部分が、上半部と下半部とに分離形成されるとともに、上半部が下半部に対し外側に折曲可能に連接されてなるものとすることができる。
【0015】
この場合、前記前壁部における開放可能な前壁部分の全体を大きく開放させる場合と、上半部のみを開放させる場合とを、使用上における開放目的に応じて選択できる。例えば、冷蔵庫内で段積みしての冷却予冷の際には、上半部のみを外側に折曲して開放することにより、外側への張り出しを小さくでき、限られたスペース内に効率良く段積みしかつ前壁部の一部を開放させることができる。
【0016】
特に、前記のように外側に折曲した上半部を下半部に対し面ファスナー等の係合手段により係合するようにした場合、前記開放状態での外方への張り出しがさらに小さくなり、この状態で台車やパレットに載せて移動させる場合にも、開放した前記前壁部分が他物に接触したりすることがない。
【0017】
前記前壁部の開口部が、左右両側に若干幅の端壁部分を残して形成され、左右両側の端壁部分の少なくとも下半部と底部端縁とに沿って補強用枠部材が取着されてなるものとすることができる。これにより、前記開口部の周縁を補強でき、前壁部分の開閉や内容物品の出し入れの繰り返しによる損傷を防止できる。
【0018】
前記補強用枠部材の前記両側部分に沿う部分に、容器内側面に沿って開口部内方に張り出して、前記開口部に嵌合する前記前壁部分の位置決めをなす張り出し係合部が一体に形成されてなるものとすることができる。これにより、前記前壁部分を開放状態から前記開口部に嵌合して閉止する際、前壁部分の過度の入り込みを防止できて所定位置に確実に嵌合できる。その上、前記の嵌合状態において、前記張り出し係合部が前記前壁部分と両側端壁部分との間からの冷気流出を抑制できることになり、保冷状態を良好に保持できる。
【0019】
前記容器本体及び蓋体は、容器外側面がカバー体により覆われており、前記開放可能な前壁部分が前記カバー体により折曲可能に連接されてなる。これにより、容器本体及び蓋体の合成樹脂発泡体の外面を保護でき、その耐久性を向上できる上、前記前壁部分の開閉のための折曲可能な連接部を、カバー体により形成でき、充分な連接及び折曲強度を保有できる。
【0020】
前記開放可能な前壁部分の両側より前記カバー体の一部が延設されて、該延設部片と該延設部片が対接し得る前面両側部分とに、相互に係合自在な面ファスナー等の係合手段が取着されてなるものとすることができる。これにより、開放可能な前壁部分を閉止状態に良好に保持できるとともに、前記延設部片により前記前壁部分と両側部分との間の隙間を塞ぐことができ、閉止状態での冷気流出を抑制できる。
【0021】
前記補強枠は、前後及び左右の四辺に略対応する4つの断面略伏凹形の枠部材が、容器本体上部の開口端部に嵌合被着されて平面略矩形に連接構成されてなる。これにより、適度の保形強度を持ち、上記したように容器本体上部の開口端部を補強できる。前記補強枠における前壁部に対応する枠部材は、その内側板が下方に延長形成されて、前記前壁部分のが前記前壁部の開口部に嵌合する前壁部分の上端部が当接し得るように設けられてなるものが好ましく、これにより、前記前壁部分を開放状態から前記開口部に嵌合して閉止した際に、該前壁部分の上端部が過度に入り込むのを防止できるとともに、該上端部と補強枠との間からの冷気流出を抑制できることになる。
【0022】
特に、前記の補強枠として、前後及び左右の四辺に対応する4つの枠部材により平面略矩形に連接可能に構成されてなるものにおいて、前記4つの枠部材のうち、一方の相対向する両辺の第1の対をなす枠部材は該辺の長さよりやや短く、他方の相対向する両辺の第2の対をなす枠部材は、両端部がコーナー部に沿って互いの対向方向に屈曲延成されて平面略コ字形をなし、該枠部材の両端部と前記第1の枠部材の端部とが突き合わせ状に連接されるものが好ましい。
【0023】
この構成の補強枠によれば、上記したように、容器本体上部の変形、特に左右側壁部の拡開やぐらつきを規制できる上、特に、前記他方の第2の枠部材がその両端部の屈曲延成により平面略コ字形をなしているために、該両端部に嵌合する相対向する側壁部の相互の拡がりを規制でき、補強枠による保形効果が一層安定したものになる。
【0024】
前記第1の枠部材の両端部には、前記第2の枠部材の両端部の水平板部の下に挿入される連結片が突設され、該連結片に係合孔が形成されるとともに、その上に載設する前記枠部材の水平板部の下面に前記係合孔に対し嵌入可能な係合突起が設けられ、容器本体の開口端部に対する被着状態において、前記係合孔に前記係合突起が嵌入せしめられるものが特に好適に使用される。これにより、前記補強枠の組立が容易になり、容器本体の上端開口部に被着するのと同時に、枠部材を相互を連結することができる。
【0025】
前記の補強枠として、平面略コ字形の前記第2の枠部材の内外両側板には、長手方向の所要間隔毎に、容器本体上部の開口端部に対する嵌合時の抜け止めになる逆鉤が設けられてなるものが好ましい。すなわち、前記枠部材は、一旦容器本体上部の開口端部に被着されると、前記逆鉤の引っかかり作用で容易に外れることがなく、安定性のよい被着状態を保持できる。また、前記一方の枠部材は、両端部の連結片が前記他方の枠部材の下に挿入されて係合連結されるため、容易に外れることがない。
【発明の効果】
【0026】
本発明の保冷容器は、内部に生鮮物等の物品を収納して段積みした状態において、前壁部の少なくとも一部の前壁部分を、その必要に応じて適宜開放することができるばかりか、特に、前記容器本体上部の開口端部に平面略矩形の前記補強枠が被着されて連続状に保持されているため、前記のように前壁部分を開放した状態においても、補強枠により左右側壁部の動きが封じられて、上部から大きい荷重が作用しても、左右側壁部が拡開したり、ぐらついたりするおそれがなく、前開き状態での容器全体の保形性に優れ、段積み荷重を安定性よく支えることができる。それゆえ、段積み状態のままで前壁部分を開放する使用が容易に可能になる。
【0027】
特に、前記容器本体の底部、後側壁部、左右側壁部の4面を一体に成形して、前記前壁部の前壁部分のみを連接構成した場合は、前記4面の各壁部の一体性や保形性が良好になり、さらに安定性よく段積み荷重を支えることができる上、閉止状態での保冷効果も良好に保持できる。
【0028】
また、本発明の補強枠を使用することにより、容器本体上部の前後左右各辺の開口端部に対応する4つの断面略伏凹形の枠部材よりなるもので、それぞれの成形が容易であり、また容器本体上部の開口端部に対して容易に被着して連接構成でき、しかも容器本体上部の開口端部に取着した状態において、良好な補強効果を発揮できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
次に本発明の実施の形態を図面に示す実施例に基づいて説明する。
【0030】
図1は本発明に係る保冷容器の蓋体を開き、前壁部分を開放した状態の一部を欠截した斜視図、図2は蓋体を被せた包装状態の断面図、図3は同上の蓋体を省略して示す平面図、図4は同上の一部の拡大図、図5は同一部の断面図、図6は前壁部分を除く容器本体(カバー体は省略)の分解斜視図、図7は同上の前壁部の枠部材と側壁部の枠部材との端部構造を示す拡大斜視図、図8は同連結状態の断面図、図9は平面略コ字形の枠部材の拡大断面図、図10は後壁部の側の枠部材の一部の拡大断面図、図11は前壁部の開口部における補強用枠部材の取着状態を示す拡大断面図、図12は前壁部分を閉止した状態の補強用枠部材の部分の断面図、図13及び図14は同保冷容器の使用状態を示す斜視図と断面図である。
【0031】
図に示すように、本発明の保冷容器Aは、合成樹脂発泡体Fを主体として形成された底部11及び前後側壁部12,14及び左右側壁部13,15よりなる平面略矩形の容器本体10と、前記容器本体10の上面開口部10aを覆う蓋体20とからなる。前記容器本体10及び蓋体20は、それぞれ主体となる合成樹脂発泡体Fの容器外側面が可撓性のある防水性シート材を用いて構成したカバー体30、40により被装されて構成されている。そして、後述するように、前記容器本体10の前壁部12の少なくとも一部が、下端部の折曲可能なカバー体30による連接部31aを介して外側に開放可能に設けられている。12aは開放可能な前壁部分を示す。
【0032】
本発明の場合、前記容器本体10の上部における開口端部には、前記開放可能な前壁部分12aを含めて全周に渡って連続する平面略矩形をなす補強枠1が被着され補強されている。
【0033】
前記補強枠1は、合成樹脂材や金属材等の剛性素材により形成されてなり、前記容器本体10の前後壁部12,14及び左右側壁部13,15による四周各辺の上端部に対応する4つの断面略伏凹形の枠部材2,3,4,5によりなり、該枠部材2,3,4,5が容器本体10上部の開口端部に嵌合被着されることにより、前記容器本体10に対応した平面略矩形に連接構成されている。
【0034】
図6に分解して示すように、前記4つの枠部材2,3,4,5のうち、一方の相対向する両辺、例えば前後両辺の第1の対をなす枠部材2及び4は該辺の長さよりやや短く、他方の相対向する両辺、例えば左右両辺の第2の対をなす枠部材3,5は、それぞれの両端部3a,3a及び5a,5aが前記開口端部のコーナー部に沿って相対向方向に屈曲延成されて平面略コ字形をなし、該枠部材3,5の端部3a,5aと前記第1の枠部材2,4の端部2a,4aとが突き合わせ状に連接されるように形成されている。
【0035】
連接の手段として、図7及び図8に拡大して示すように、前記第1の枠部材2,4の端部2a,4aには、前記第2の枠部材3,5の端部3a,5aの水平板部の下に挿入される連結片2b,4bが突設され、該連結片2b,4bに係合孔2c,4cが形成されるとともに、その上に載設する前記枠部材3,5の水平板部の下面に前記係合孔2c,4cに対し嵌入可能な係合突起3c,5cが設けられ、前記容器本体10の開口端部に対する被着状態において、前記係合孔2c,4cに前記係合突起3c,5cが嵌入せしめられるようになっている。これにより、前記補強枠1の組立が容易になり、容器本体10の開口端部に被着するのと同時に、前記各枠部材2,3,4,5を相互を連結することができる。
【0036】
前記の補強枠1における平面略コ字形の前記第2の枠部材3,5には、断面逆凹形の内外両側板の長手方向の所要間隔毎に、容器本体10上部の開口端部に対する嵌合時の抜け止めになる逆鉤3d,5dが設けられており、一旦、容器本体10の開口端部(図の場合は左右側壁部13,15の上端部)に被着した状態において、前記逆鉤3d,5dが合成樹脂発泡体Fに対して食い込んで引っかかりとなり、該開口端部からの浮きや離脱を阻止できるようになっている(図9の拡大図参照)。またこれにより、前記一方の枠部材2,4についても、前記連結片2b,4bを介して被着状態に安定性よく保持できるようになっている。
【0037】
さらに、図の場合、前記補強枠1を構成する4つの枠部材2,3,4,5のうち、後壁部14の上端部に嵌合被着される枠部材4の内側には、長手方向の所要間隔毎に、被着状態において、後壁部14の上端部に有するスリット14dに差し込まれる補強リブ4dが設けられるとともに、該後壁部14に突き刺し可能な下方向きの突き刺しピン4eが設けられており、前記被着状態を安定性よく保持できるようになっている。前壁部12の側の枠部材2にも補強リブ2dが設けられている。
【0038】
前記容器本体10は、前記の開放可能な前壁部分12aを除いて、底部11、後側壁部14及び左右側壁部13,15の4面を含む全体が、主体となる合成樹脂発泡体により一体に成形されている。そして、前壁部12は、その幅方向の少なくとも一部(全部又は一部)、例えば図のように、前壁部12における左右両側に若干幅の端壁部分12e,12eを残すようにして、幅方向の中央部分が前壁部12の上端から底部11の上面近傍位置まで開口せしめられるとともに、これとは別に成形されて前記開口部16に対して前記補強枠1の下で嵌合する前壁部分12aが、前記カバー体30による折曲可能な連接部31aを介して前記底部11と連接され外側に開放可能に設けられている。
【0039】
そのため、前記カバー体30は、前記容器本体10の底部11、前後壁部12,14及び左右側壁部13,15に対応する各面部分が、縫製手段等により連接構成されるとともに、前壁部12に対応する前面部分32が、左右側壁部13,15に対応する側面部分と切り離されて底部11に対応する部分から連続する前面下部31に対して折曲可能に連接されており、前記前壁部分12aは、前記前面部分32に装着されることにより、折曲可能な前記連接部31aを介して開閉可能に設けられている。
【0040】
また、前記カバー体30の左右側面部分より連続する前面両側部分30a,30aは、前記端壁部分12e,12eの前面に接着手段等により装着され、さらにその上端部が、前記端壁部分12e,12eの上端部、好ましくは該上端部に嵌合被着された前記補強枠1の一部、例えば平面コ字形の前記第2の枠部材3,5の端部3a,5aに対し、図4及び図5のように該部分を貫通する止め手段36,36により固定されており、前記端壁部分12e,12eの前面からの浮きや外れを防止できるように設けられている。図5,図7及び図8中の符号3eは、前記止め手段36の貫通を可能にする切欠である。前記枠部材5の端部にも同様の切欠が設けられる。この切欠3eを貫通孔とすることもできる。
【0041】
前記開放可能な前壁部分12aは、1枚の板状をなすものであってもよいが、図示する実施例の場合は、上半部12bと下半部12cとに分離形成されて、それぞれ前記カバー体30の前記前面部分32に装着されることにより、前記上半部12bが前記下半部分12cに対して前記前面部分32による連接部33で外側に折曲可能に連接されている。すなわち、前記容器本体10の上面に蓋体20を被せた状態において、前記前壁部分12aの上半部12bのみを外側に折曲して開放させることができるようになっている。前記上半部12bと下半部12cの部分の前記カバー体30による前面部分32の外側には、前記上半部12bを前記下半部12cの外側に折曲して合せた状態に保持するために、相互に係合自在な面ファスナー等の係合手段34a、34bが設けられている。
【0042】
前記開放可能な前壁部分12aの両側には、前記カバー体30の前面部分32の一部が側方に延設されて、この延設部片32a,32aと、該延設部片32a,32aが対接し得る前記カバー体30の左右側面部分より連続する前面両側部分30a,30aとに、相互に係合自在な面ファスナー等の係合手段35a,35bが取着されており、この係合手段35a,35bの係合により前記前壁部分12aが開口部16に嵌合した閉止状態に保持できるようになっている。前記延設部片32aは、前記係合手段35aとともに、上半部12bと下半部12cのそれぞれに対応する部分に分離して形成されているが、これが連続状をなすものであってもよい。
【0043】
なお、図の場合、前記の補強枠1の前壁部12に対応する断面略逆凹形の枠部材2は、その内側板2fが下方に延長形成されており、前記前壁部分12aが前記開口部16に嵌合したときに、その上端部が前記内側板2fの延長部に当接して、それ以上は内方に入り込むまないように嵌合位置が規制され、かつ前壁部分12aと前記枠部材2との間の隙間からの冷気流出を防止できるようになっている。
【0044】
さらに、前記前壁部12の開口部16には、左右両側の端壁部分12e,12eの少なくとも下半部と底部11の端縁とに沿って、合成樹脂の成形体等よりなる正面よりみてL字形の補強用枠部材18が接着手段等により固定され取着されており、前壁部分12aの開閉の繰り返しや内容物品の出し入れによる損傷を防止できるようになっている。図の場合、前記補強用枠部材18は、対称形の左右部18a,18aに分割形成されているが、これを一体成形しておくこともできる。この補強用枠部材18は、縦辺部分が前記端壁部分12eに嵌着されるとともに、横方向部分に有する突き刺しピン18cが底部11の端部に突き刺されることにより取着されている。
【0045】
この補強用枠部材18の前記両側の端壁部分12e,12eに沿う部分には、それぞれ容器内側面に沿って開口部16の内方に張り出した張り出し係合部18b,18bが一体に形成されており、前記開口部16に嵌合する前記前壁部分12aの両側端部が該張り出し係合部18b,18bに当接するように設けられている。これにより、前記張り出し係合部18b,18bは、前記開口部16に嵌合する前記前壁部分12aの容器内方への入り込みを阻止するとともに、該前壁部分12aと端壁部分12eとの間からの冷気流出を防止できるようになっている。
【0046】
前記張り出し係合部18b,18bは、左右側壁部13,15の内面との間に、図12のように板状の蓄冷体60を挿入保持するための間隙Sを保有するように形成されている。前記蓄冷体60の形状や収納形態によっては、前記間隙Sを設けない場合もある。符号19は、端壁部分12e,12eの前面における前記補強用枠部材18の装着による段差を解消するために付設された補助板であり、容器本体10を構成する合成樹脂発泡体Fと同系樹脂の発泡板等よりなる。
【0047】
符号37は、前記前壁部分12aの開閉操作用の操作部材であり、開口部16に嵌合した前壁部分12aを引き出せるように設けられている。符号38は前記カバー体30の左右側面部分に付設した提げ手部である。符号11aは前記底部11の上面に形成した凸部である。符号21は前記蓋体20に設けた被着状態を保持するための係止片であり、該係止片21と容器本体10のカバー体30の外側面とに、被着状態において相互に係合自在な面ファスナー等の係合手段22,39が設けられている。この係合片と係合手段を前後壁部の側に設けることもできる。
【0048】
なお、前記容器本体10のカバー体30及び蓋体20のカバー体40は、可撓性のある防水性シート材のみにより構成する場合のほか、プラスチック段ボール等の剛性を有する板状材を中芯にして、その表面を防水性シート材により覆ったものを使用することもできる。
【0049】
前記カバー体30,40を構成する防水性シート材としては、例えばアルミ蒸着フィルムやシート、ポリエチレンクロス、ターポリン(PVC、EVA)、ポリエステルタフナー、ナイロンタフナー等の材質である。もちろん、前記の防水性シート材以外の布地や合成樹脂や紙等により構成したものであってもよい。また、前記シート材は、必ずしも防水性を有する必要はないが、洗浄や拭き取りの容易性等から防水性を有するシート材が好ましい。
【0050】
前記容器本体10及び蓋体20は、合成樹脂発泡体Fの主として容器内側面に保護層としての合成樹脂製シートを積層手段等により被覆したものよりなる。これにより使用上での破損防止に効果があり、かつ汚れがつき難いものとなっている。
【0051】
前記の容器本体1及び蓋体2に使用する合成樹脂発泡体は、その原料に、発泡性合成樹脂粒子を予備発泡して得られた予備発泡粒子を使用して発泡成形したものよりなる。前記発泡性合成樹脂粒子は、合成樹脂に物理型発泡剤を含浸させてなり、加熱によって発泡するものであり、予備発泡させたものも含まれる。なお、本発明では、予備発泡させた所謂予備発泡粒子を主に使用する。
【0052】
上記発泡性合成樹脂粒子を構成する合成樹脂材料としては、例えばスチレン改質ポリエチレン系樹脂、あるいはポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合体等のポリスチレン系樹脂、あるいはポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン系樹脂、あるいはポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、あるいはポリウレタン等を用いることができる。これらの合成樹脂の混合物やモノマーの共重合体なども使用できる。
【0053】
また、前記の樹脂に混入する物理型発泡剤としては、例えば、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素類、あるいはシクロペンタン、シクロブタン等の脂肪族環化水素類、あるいはアセトンメチルエチルケトン等のケトン類、メタノール、エタノールイソプロピルアルコールなどのアルコール類、あるいは水や二酸化炭素等を用いることができる。
【0054】
また、前記の発泡樹脂発泡体の少なくとも容器内側面に被覆する合成樹脂製シートとしては、ポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合体等のポリスチレン系樹脂、あるいはポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン系樹脂、あるいはポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、あるいはナイロン等のポリアミド系樹脂等により形成されたフィルムやシートあるいはこれらの複合材が挙げられ、容器本体と同質の素材を用いることができる。
【0055】
さらに、前記合成樹脂シートとして、アルミニウム等の金属を蒸着した蒸着フィルムやシート、あるいはアルミニウム等を薄く成形して前記樹脂フイルムやシートにラミネートした複合材を用いることができる。蒸着フィルムやアルミニウム薄く成形したものを用いると、保冷効果の持続性が向上する上、外観的体裁も良く、より好ましいものとなる。
【0056】
上記実施例の保冷容器Aの使用において、容器本体10の前壁部12の開放可能な前壁部分12aを図13のように開口部16に嵌合して閉止した状態にしておく。こうして、容器内部に保冷対象の生鮮物等の物品(図示省略)を容器本体10に収納し、さらに蓋体20を被せて包装した状態において、これを段積みしたままで、容器本体10の前壁部12の少なくとも一部の前壁部分12aを外側に開放することができる。
【0057】
例えば、大型冷蔵庫内において内容物を冷却し予冷を行う際は、前記保冷容器Aを蓋着状態のまま複数段に段積みしておいて、容器本体10の前壁部12における少なくとも一部の前壁部分12aを、段積み状態のまま外側に開放することができる。また、前記の包装状態での保管、輸送中に内容物品を取り出す場合にも、同様に、前記前壁部分12aを段積み状態のまま外側に開放することができる。
【0058】
前記前壁部分12aが、図示するように上半部12bと下半部12cとに分離して形成されている場合は、図13及び図14のように、前記前壁部分12aにおける上半部12bのみを下半部12cに対し外側に折曲して開放することも、また図1のように、上半部12bと下半部12cの全体を外側に開放することもできる。すなわち、使用上の必要に応じて、前記の開放状態を選択できる。
【0059】
特に、前記前壁部分12aの上半部12bのみを外側に折曲して下半部12cに対し係合手段34a、34bにより係合して開放した場合は、外側への張り出しが小さくなり、限られたスペース内に効率よく段積みして前壁部12の一部を開放させることができ、この開放状態で台車やパレットに載せて移動させる場合にも、開放した前記前壁部分12aが他物に接触したりする虞れがなく、予冷作業等が行い易くなる。
【0060】
しかも、前記のように前壁部分12aを開放した状態において、前記容器本体10の上部における開口端部は、該端部に被着された平面略矩形の前記補強枠1により連続状に保持されて補強されているため、前面で分離状態になる容器本体10の特に左右側壁部13,15の動きが封じられて、上部から大きい荷重が作用しても、左右側壁部13,15が拡開したり、ぐらついたりするおそれがない。そのため、前開き状態での容器全体の保形性に優れ、段積み荷重等の上部からの大きな荷重を安定性よく支えることができる。以て、段積み状態で前壁部分12を開放する使用(前開き使用)が問題なく可能になる。
【0061】
そして、前記の前壁部分12aを開口部16に嵌合して閉止した状態においては、前記前壁部分12aは、その上端部が、補強枠1の前側の枠部材2における内側板2fの延長部に当接し、かつ両側端部が、両側の補強用枠部材18の張り出し係合部18b,18bに当接して位置決めされ、さらに両側の延設部片32aと、容器本体10の前面両側部分30a,30aに有する係合手段34a、34bの係合により、閉止状態に安定性よく保持され、該前壁部分12aが嵌合自在に構成されているものであっても、嵌合部分の隙間からの冷気流通を抑えることができ、保冷状態を良好に保持できる。
【0062】
なお、上記した実施例では、棚板を使用しない保冷容器について説明したが、このほか、図15及び図16の実施例のように、例えば、容器本体10の後壁部14の内面に、前記補強用枠部材18の前記張り出し係合部18b,18bの上端と同高さ位置に仕切棚板50を受ける棚板受支用の段部14aを設け、該段部14aと前記張り出し係合部18b,18bの上に仕切棚板50を受支するように構成した容器において、前壁部12の開放構造、補強枠1の構成等については上記と同様に実施することができる。この実施例において、上記した実施例と共通する構成部位については、同符号を付してその説明は省略する。
【0063】
この実施例において、前記後壁部14の内面には、開口端部から前記仕切棚板50を受ける所要の高さ位置まで延びる縦方向の凹部14bが間隔をおいて複数個所に形成されており、該凹部14bの下端段部が前記棚板受支用の段部14aとして形成されている。
【0064】
前記凹部14bによる前記段部14aの幅、間隔および個数等は、受支状態の安定性や強度等を考慮して適宜設定できる。例えば、図のように両端部近傍と中央部との3個所に前記段部14aを形成する場合のほか、両端部近傍のみに形成することも、また中央部に一つのやや幅広の段部を形成することもできる。
【0065】
前記の段部14aと前記張り出し係合部18bとにより受支される仕切棚板50は、前記容器本体10の内部に挿入できる平面略長方形の板状体よりなり、前記後壁部14と対応する側辺部の前記凹部14bとの対応位置に該凹部14bに嵌合しかつ前記段部14aに係止し得る突縁51が形成されている。図の場合、仕切棚板50と容器本体10の左右側壁部13,15の内面との間に、蓄冷体60を挿入保持できるように形成されている。
【0066】
前記仕切棚板50は、ブラスチック段ボールや発泡もしくは非発泡のプラスチック板その他の各種ボード等の、保冷対象の物品を受けることができる強度を有する種々の板状体を使用でき、中でも、プラスチック段ボールが、軽量で取り扱い易くて強度もあり、特に好ましく用いられる。
【0067】
前記蓄冷体60としては、合成樹脂製の容体内部に液状の蓄冷剤を封入した略四角形の板状をなすもののほか、蓄冷効果のある種々の構成形態の蓄冷体を使用できる。
【0068】
また、上記したいずれの実施例においても、蓋体20を容器本体10とは別体にして被着自在に構成した場合について説明したが、この蓋体20については、例えば、該蓋体20のカバー体40を容器本体10のカバー体30の後面部分に開閉可能に連接しておくことも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明は、果菜類、肉類、魚介類等の生鮮物その他の保冷を要する物品の保管、運搬用の保冷容器に好適に利用でき、さらには保冷を要する各種商品の持ち帰り容器にも好適に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の1実施例に係る保冷容器の蓋体を開き、前壁部分を開放した状態の一部を欠截した斜視図である。
【図2】同上の蓋体を被せた包装状態の断面図である。
【図3】同上の蓋体を省略して示す平面図である。
【図4】同上の一部の拡大図である。
【図5】前図のV−V線の断面図である。
【図6】前壁部分を除く容器本体(カバー体は省略)の分解斜視図である。
【図7】同上の前壁部の枠部材と側壁部の枠部材との端部構造を示す拡大斜視図である。
【図8】同上の連結状態の断面図である。
【図9】平面略コ字形の枠部材の拡大断面図である。
【図10】後壁部の側の枠部材の一部の拡大断面図である。
【図11】前壁部の開口部における補強用枠部材の取着状態を示す拡大断面図である。
【図12】前壁部分を閉止した状態の補強用枠部材の部分の断面図である。
【図13】同上の保冷容器の使用状態を示す斜視図である。
【図14】同上の断面図である。
【図15】本発明の他の実施例を示す同保冷容器の前壁部分を除く容器本体の補強枠を省略した斜視図である。
【図16】同上の蓋体を被せた包装状態の断面図である。
【符号の説明】
【0071】
A 保冷容器
S 間隙
1 補強枠
2,3,4,5 枠部材
2b,4b 連結片
2c,4c 係合孔
2d,4d 補強リブ
3c,5c 係合突起
3d,5d 逆鉤
2f 内側板
10 容器本体
11 底部
12,14 前後壁部
12a 開放可能な前壁部分
12b 上半部
12c 下半部
12e 端壁部分
14a 段部
14b 凹部
14d スリット
13,15 左右側壁部
16 開口部
18 補強用枠部材
18a,18a 左右部
18b,18b 張り出し係合部
20 蓋体
21 係止片
22 係合手段
30 カバー体
30a,30a 前面両側部分
31 前面下部
31a 連接部
32 前面部分
32a,32a 延設部片
34a、34b 係合手段
35a,35b 係合手段
36 止め手段
40 カバー体
50 仕切棚板
51 突縁
60 蓄例体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂発泡体を主体にして形成された底部及び前後壁部及び左右側壁部よりなる平面略矩形の容器本体と、前記容器本体の上面開口部を覆う蓋体とからなり、前記容器本体の前壁部における少なくとも一部が、下端部の折曲可能な連接部を介して外側に開放可能に設けられてなる保冷容器において、
前記容器本体上部の開口端部に、前記開放可能な前壁部分から前面両側コーナー部に渡って連続する補強枠が被着されてなることを特徴とする保冷容器。
【請求項2】
前記補強枠部が、開放可能な前壁部分を含めて全周に渡って連続する平面略矩形をなしている請求項1に記載の保冷容器。
【請求項3】
前記容器本体は、前記開放可能な前壁部分を除いて、底部、後側壁部及び左右側壁部の4面を含む全体が一体に成形されてなる請求項1または2に記載の保冷容器。
【請求項4】
前記前壁部の少なくとも一部が上端から底部位置まで開口せしめられるとともに、該開口部に嵌合する前壁部分が、その下端部で前記底部に対し折曲可能に連接されて開閉可能に設けられてなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の保冷容器。
【請求項5】
前記開放可能な前壁部分が、上半部分と下半部分とに分離形成されるとともに、上半部分が下半部分に対し外側に折曲可能に連接されてなる請求項4に記載の保冷容器。
【請求項6】
前記前壁部の開口部が、左右両側に若干幅の端壁部分を残して形成され、左右両側の端壁部分の少なくとも下半部と底部端縁とに沿って補強用枠部材が取着されてなる請求項4または5に記載の保冷容器。
【請求項7】
前記補強用枠部材の前記両側の端壁部分に沿う部分には、容器内側面に沿って開口部内方に張り出し、前記開口部に嵌合する前記前壁部分の位置決めをなす張り出し係合部が一体に形成されてなる請求項6に記載の保冷容器。
【請求項8】
前記容器本体及び蓋体は、容器外側面がカバー体により覆われており、前記開放可能な前壁部分が前記カバー体により折曲可能に連接されてなる請求項1〜7のいずれか1項に記載の保冷容器。
【請求項9】
前記開放可能な前壁部分の両側より前記カバー体の一部が延設されて、該延設部片と該延設部片が対接し得る前面両側部分とに、相互に係合自在な係合手段が取着されてなる請求項8に記載の保冷容器。
【請求項10】
前記補強枠は、前後及び左右の四辺に略対応する4つの断面略伏凹形の枠部材が、容器本体上部の開口端部に嵌合被着されて平面略矩形に連接構成されてなる請求項1〜9のいずれか1項に記載の保冷容器。
【請求項11】
前壁部に対応する枠部材は、その内側板が下方に延長形成されて、前記前壁部分のが前記前壁部の開口部に嵌合する前壁部分の上端部が当接し得るように設けられてなる請求項10に記載の保冷容器。
【請求項12】
平面略矩形の容器本体と、前記容器本体の上面開口部を覆う蓋体とからなり、前記容器本体の前壁部の少なくとも一部が外側に開放可能に設けられてなる保冷容器において、前記容器本体上部の開口端部に被着される補強枠であって、
前後及び左右の四辺に対応する4つの枠部材により平面略矩形に連接可能に構成されてなり、前記4つの枠部材のうち、一方の相対向する両辺の第1の対をなす枠部材は該辺の長さよりやや短く、他方の相対向する両辺の第2の対をなす枠部材は、両端部がコーナー部に沿って互いの対向方向に屈曲延成されて平面略コ字形をなし、該枠部材の両端部と前記第1の枠部材の端部とが突き合わせ状に連接されることを特徴とする補強枠。
【請求項13】
前記第1の枠部材の両端部には、前記第2の枠部材の両端部の水平板部の下に挿入される連結片が突設され、該連結片に係合孔が形成されるとともに、その上に載設する前記枠部材の水平板部の下面に前記係合孔に対し嵌入可能な係合突起が設けられ、容器本体の開口端部に対する被着状態において、前記係合孔に前記係合突起が嵌入せしめられる請求項12に記載の補強枠。
【請求項14】
平面略コ字形の前記第2の枠部材の内外両側板には、長手方向の所要間隔毎に、容器本体上部の開口端部に対する嵌合時の抜け止めになる逆鉤が設けられてなる請求項13に記載の補強枠。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2006−51961(P2006−51961A)
【公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−233190(P2004−233190)
【出願日】平成16年8月10日(2004.8.10)
【出願人】(000002440)積水化成品工業株式会社 (1,335)
【Fターム(参考)】