保護シートの装着構造体
【課題】
ＬＣＤディスプレイ（液晶ディスプレイ）やタッチパネル等の表面を保護の必要な被保護部材に対して、保護シートを貼り付ける際に、接着面の適切な位置に位置決めして、誰でも容易に貼り付けることのできる保護シートの装着構造体を提供する。
【解決手段】 保護シート装着構造体は、従来の一方面に粘着剤の形成された保護シートと、粘着剤の形成された保護シートの一方面に剥離シートを貼り合わせ、保護シートの他方面に当該保護シートの平面形状よりも少し大きな装着補助シートを貼り合わせる。装着補助シートは、その周辺部分に、粘着剤の塗布されていない取っ手部と位置合わせ部が形成される。
ＬＣＤディスプレイ（液晶ディスプレイ）やタッチパネル等の表面を保護の必要な被保護部材に対して、保護シートを貼り付ける際に、接着面の適切な位置に位置決めして、誰でも容易に貼り付けることのできる保護シートの装着構造体を提供する。
【解決手段】 保護シート装着構造体は、従来の一方面に粘着剤の形成された保護シートと、粘着剤の形成された保護シートの一方面に剥離シートを貼り合わせ、保護シートの他方面に当該保護シートの平面形状よりも少し大きな装着補助シートを貼り合わせる。装着補助シートは、その周辺部分に、粘着剤の塗布されていない取っ手部と位置合わせ部が形成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
この発明は、保護シートの装着構造体に関し、特に例えば画像形成装置，電子手帳，ゲーム装置又はＰＤＡ等の電子機器に設けられる液晶表示器（ＬＣＤディスプレイ；以下「ＬＣＤ」と略称する場合もある）又はＬＣＤの表面に装着されるタッチパネルに対して、容易に所定の貼着位置へ貼り付けることを可能とした保護シートの装着構造体に関する。
【背景技術】
【０００２】
画像形成装置，電子手帳，ゲーム装置，携帯電話又はＰＤＡ等の電子機器においては、液晶表示器やＬＣＤの表面（上面）に装着されたタッチパネルが装着される。そのＬＣＤやタッチパネルを保護するために、保護シートが貼り付けられる。保護シーとは、ＬＣＤやタッチパネルの表面が汚れたり傷ついたりするのを防いでいる。特に、軽く接触することによって座標を入力するためのタッチパネルは、その表面をボールペンやスタイラスペンのような先の尖った物で押すため、傷が付きやすく、またボールペンのインク等がタッチパネル表面に付着して汚れ易い。また、指で直接操作する場合は、ＬＣＤやタッチペンが傷付けられることのない反面、指紋がつき見苦しくなる。このような弊害を防止するための保護シートとしては、特許文献１又は特許文献２のような技術がある。
【特許文献１】特開２０００−２４９５９６号公報
【特許文献２】特開２００２−３０４２５４号公報
【０００３】
特許文献１及び特許文献２のような保護シートは、ＬＣＤやタッチパネル等に貼着されることにより、ＬＣＤやタッチパネル等が直接汚れたり傷ついたりすることを防止している。また、保護シートを貼着しておけば、その保護シートが汚れたり傷ついたりしても、保護シートを交換するだけで使用前と同様の状態にできるので、傷ついたＬＣＤやタッチパネル自体を交換する必要もなく、部品の交換コストを低減できる。
【０００４】
しかし、特許文献１又は特許文献２のような保護シートは、機械を用いずに人手によりＬＣＤ又はタッチパネルに貼り付ける際に、粘着剤の塗布された裏面をＬＣＤ又はタッチパネルの貼付面（表面）へ近づけておおよその位置を決め、貼付面へ押し付けて貼り付けることになる。そのとき、不慣れなユーザーにとっては、貼付面への正確な決めが容易でなく、貼り付け位置又は角度がずれて見苦しくなったり、貼り付けるときの押し付け方によって気泡が入ったりし易い。また、ＬＤＣ又はタッチパネルの装着された電子機器のハウジングの構造によって、例えばハウジングの表面とＬＤＣ又はタッチパネルの表面との段差が大きいと、保護シーとの位置決めと貼り付けが一層困難となる。しかも、保護シートの粘着剤の塗布された接着面を保護する補助シートをはがしてから貼り付け作業を行うとき、保護シートの接着面がＬＣＤ又はタッチパネルに吸着して貼り付け位置がずれて、何度も貼ったり剥がしたりし、その間に粘着力が低下したり、気泡が入り易い。さらに、ユーザーの指が保護シートの接着面又は表面に触れ易く、接着面等に指紋が付いてしまうことがある。このように、指紋が付いたり、気泡が入ると、保護シートを貼り付けた後のＬＣＤが見づらくなる等の問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
それゆえに、この発明の主たる目的は、液晶表示器（ＬＣＤ）又はタッチパネルのような被保護面に保護シートを貼り付ける場合に、保護シートを貼り付ける人の技量や経験に左右されることなく、素人であっても位置決めが容易で見栄えよく貼り付けることを可能にした、保護シートの装着構造体を提供することである。
この発明のその他の目的は、保護シートの粘着面等に指紋を付けたり、気泡の生じることをできる限り低減し得る、保護シートの装着構造体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
請求項１に係る発明は、電子機器の被保護面に貼り付けられる保護シートを装着するための保護シートの装着構造体であって、保護シートと、剥離シートと、装着補助シートとを備える。保護シートが被保護面の表面を覆う平面形状を有し、その一方面に粘着層を形成して構成される。剥離シートは、保護シートの粘着層の形成された面に貼り合わせられ、保護シートを被保護面に貼るとき剥がされる。装着補助シートは、保護シートの平面形状よりも大きな平面形状を有し、被保護面の少なくとも一辺に沿って位置合わせ可能な形状に形成される位置合わせ部と、位置合わせ部とは異なる一辺に突出して形成される取っ手部とを含む。
【０００７】
請求項２に係る発明は、請求項１の発明において、液晶表示器と液晶表示器を収納し保持するハウジングとを含む。被保護面は、液晶表示器である。位置合わせ部は、液晶表示器のある一辺の形状により貼り付ける位置を特定可能な形状を有することを特徴とする。
【０００８】
請求項３に係る発明は、請求項１の発明において、電子機器が液晶表示器と、液晶表示器の表面に装着されかつタッチすることによって座標入力するためのタッチパネルと、液晶表示器ならびにタッチパネルを収納し保持するハウジングとを含む。被保護面は、タッチパネルである。位置合わせ部は、タッチパネルのある一辺の形状により貼り付ける位置を特定可能な形状を有することを特徴とする。
【０００９】
請求項４に係る発明は、請求項２又は請求項３の発明において、ハウジングが位置合わせ部を差込可能な空隙を有し、位置合わせ部の形状が空隙の形状に対応することによって位置決め可能とされる。
【００１０】
請求項５に係る発明は、請求項１ないし請求項３の発明において、保護シートの厚さが、剥離シートおよび装着補助シートよりも厚く選ばれる。
【発明の効果】
【００１１】
この発明によれば、液晶表示器（ＬＣＤ）又はタッチパネルのような被保護面に保護シートを貼り付ける場合に、保護シートを貼り付ける人の技量や経験に左右されることなく、素人であっても位置決めが容易で見栄えよく貼り付けることのできる、保護シートの装着構造体が得られる。
また、保護シートの粘着面等に指紋を付けたり、気泡の生じることをできる限り低減することができる。
【実施例】
【００１２】
図１はこの発明の一実施例の保護シートの装着構造体の構造を示す分解斜視図である。図１において、この実施例の保護シートの装着構造体１０は、保護シート１１と、保護シート１１の裏面に貼り付けられる剥離シート（又は粘着面保護シート）１２と、保護シート１１の表面に貼られる装着補助シート（又は表面保護フィルム）１３とから構成される。
【００１３】
具体的には、保護シート１１は、その平面形状が電子機器の被保護面となる液晶表示器又はタッチパネル（図示せず）の平面形状と略同じ形状（例えば矩形形状）か若干小さな形状に選ばれ、ＬＣＤ又はタッチパネルに貼り付けられる貼着面（裏面）１１ａに粘着剤（又は貼着剤）が塗布される。この保護シート１１は、透明で適度の強度のある材質のもの（例えば、粘着層を含めて０．１５ｍｍ前後の厚さのハードコート＋ＰＥＴ）が用いられる。保護シート１１の裏面（粘着面）には、粘着剤の粘着力の低下を防止するために、剥離シート（又は粘着面保護シート）１２が貼り合わせられる。この剥離シート１２は、保護シート１１を剥がしたときに、保護シート１１の裏面の粘着力が低下しないように、くっつき易く剥がれ易い材質（例えばシリコンコートポリエステル）のものが用いられる。剥離シート１２の平面形状は、保護シート１１及び装着補助シート１３の平面形状よりも大きな形状に選ばれる。装着補助シート１３は、保護シート１１の平面形状と略同じか若干大きな平面部分１３１を有し、この平面部分１３１の何れかの一辺（例えば短辺の一方で、図示の左辺）に位置決め部１３２が形成され、他方辺（例えば図示の右辺）に取っ手部１３３が形成される。位置決め部１３２は、保護シート１１を貼り付ける際に、保護シート１１の位置決めを容易にするための形状に選ばれ、例えば保護シート１１を貼るタッチパネル（又はＬＣＤ）とハウジングの空隙の形状として、短辺（縦辺）より少し小さな長さであって２〜５ｍｍの幅に突出した、帯状の形状に選ばれる。取っ手部１３３は、位置決め及び装着する際にユーザーの手で掴まれる片であり、指先で持ちやすい形状（例えば位置決め部１３２の幅よりも５〜１０倍程度大きな幅の形状）に選ばれる。この装着補助シート１３の裏面は、保護シート１１の上面に貼り合わせたときに、適度の密着性を有しかつ剥がし易いように加工される。そのため、装着補助シート１３は、保護シート１１の位置決めと装着（又は貼着）時における保護シート１１を押しつけて密着性を高めるための補助具となる。また位置決め部１３２及び／又は取っ手部１３３は、必要に応じて着色され、平面部分１３１との境界を分かり易くする。
【００１４】
上述のような保護シートの装着構造体１０を製造する場合は、まず保護シート１１が所定のサイズに切断されて、一方面に粘着材を塗布することによって粘着層が形成される。この保護シート１１が、剥離シート１２の上面に貼り付けられる。また、剥離シート１２の平面形状と略同じ大きさの装着補助シート１３が準備され、装着補助シート１３の位置決め部１３２と取っ手部１３３の部分にこれらの形状をした片が張られる。そして、保護シート１１の貼られた剥離シート１２の上面から、装着補助シート（表面保護フィルム）１３がさらに貼り付けられる。その後、装着補助シート１３の必要とする平面形状の型で押さえつけられ、装着補助シート１３を必要とする形状のミシン目を入れる。そして、装着補助シート１３の周辺の残余の部分が取り除かれて、本実施例の保護シートの装着構造体１０が製造される。
【００１５】
次に、保護シートの装着構造体１０を使って保護シート１０を電子機器のタッチパネル又は液晶表示器の表面に装着する場合を説明する。図２は保護シート１０をタッチパネル又はＬＣＤへ貼り付ける際に剥離シート１１をはがした状態の図である。この状態では、保護シート１０の粘着層が下向きとなって、装着補助シート１３の裏面に付着した状態となる。
【００１６】
図３は保護シート１０を貼り付ける対象の一例のゲーム装置２０である。ゲーム装置２０は、ハウジング２１の一方主面に開口部を形成し、その開口部からタッチパネル２２がその表面を露出させて保持される。タッチパネル２２の下面には、タッチパネル２２を操作する際の図柄やスイッチ等の画像を表示するための液晶表示器（ＬＣＤ）が収納され保持されている。そして、タッチパネル２２の表面の左側端部とハウジング２１の開口部近傍の内壁部との間には、位置決め部１３２の形状に合致するような空隙が形成されている。必要に応じて、ハウジング２１の一方主面であって、開口部を挟む左右に操作スイッチ２３ａ，２３ｂが装着される。
【００１７】
図４は保護シート１１の貼られた装着補助シート１３を用いてタッチパネル２２に位置決めして張り付ける状態を説明するための斜視図である。先ず、図１に示す保護シートの装着構造体１０を準備し、図２に示すように剥離シート１２を剥がす。その状態で、装着する人（装着者）は、右手で装着補助シート１３の取っ手部１３３を持ち、位置決め部１３２を開口部の右斜め方向からハウジング２１とタッチパネル２２の空隙へ差し込み、空隙と位置決め部１３２とが所定の位置関係となるように、位置決めする。そして、装着者は、装着補助シート１３の位置決め部１３２の近傍の上面を左手の指で押さえ，左手の指で装着補助シート１３の上面を撫でながら徐々に右方向へ移動させる。このとき、装着者は、取っ手１３３を持っている右手の位置をタッチパネル２２の表面に近づけて、装着補助シート１３の全面をタッチパネル２２の表面に貼り付ける。そして、保護シート１１がタッチパネル２２にしっかりと貼り付けられた状態で、装着補助シート１３が引き上げられて保護シート１１から剥がされる。このようにして、タッチパネル２２上には、保護シート１１が所定の位置に位置決めされて、しっかりと貼り付けられる。
【００１８】
以上説明したように、保護シートの装着構造体１０を図１のように構成し、装着補助シート１３の裏面に保護シート１１を付着させた状態で、図４を参照して説明したように、位置決め部１３２を用いて位置決めし、かつ装着補助シート１３の上面から押さえつけながら保護シート１１をタッチパネル２２の表面に貼り付ければ、位置決めが容易となり、所定の位置へ正確に位置決めでき、見栄えよく保護シート１１をタッチパネル２２に貼り付けることが可能となる。しかも、装着補助シート１３の形状に工夫を凝らせているので、装着する人の熟練を要することなく、素人でも簡単に見栄えよく保護シートを装着することもできる。
【００１９】
図５は位置決め部の他の例の拡大図である。この実施例の装着構造体１０Ａは、装着補助シート１３ａの位置決め部１３２ａの形状を三角形の形状にし、ハウジング２１とタッチパネル２２の空隙も、位置決め部１３２ａの三角形状の逆の形状をした形に選ばれる。この位置決め部１３２ａのように形成すれば、三角形の頂点を合わせかつ斜辺部分を合わせることによって位置決め精度を高めることもできる。なお、位置決め部１３２の形状は、実施例に記載の形状に限らず、適宜の形状を選択可能である。
【図面の簡単な説明】
【００２０】
【図１】この発明の一実施例の保護シートの装着構造体の構造を示す分解斜視図である。
【図２】粘着面保護シートを剥がした状態の保護シートの装着構造体の例を示す図である。
【図３】保護シートを貼り付ける対象の一例であるゲーム装置に保護シートを貼り付ける状態の斜視図である。
【図４】保護シートの装着状態の断面図である。
【図５】装着補助シートの位置決め部の他の例の拡大図である。
【００２１】
１０ 保護シートの装着構造体
１１ 保護シート
１２ 粘着面保護シート
１３ 装着補助シート
１３１ 装着補助シートの平面部分
１３２ 位置決め部
１３３ 取っ手部
２０ ゲーム装置
２１ ハウジング
２２ タッチパネル
【技術分野】
【０００１】
この発明は、保護シートの装着構造体に関し、特に例えば画像形成装置，電子手帳，ゲーム装置又はＰＤＡ等の電子機器に設けられる液晶表示器（ＬＣＤディスプレイ；以下「ＬＣＤ」と略称する場合もある）又はＬＣＤの表面に装着されるタッチパネルに対して、容易に所定の貼着位置へ貼り付けることを可能とした保護シートの装着構造体に関する。
【背景技術】
【０００２】
画像形成装置，電子手帳，ゲーム装置，携帯電話又はＰＤＡ等の電子機器においては、液晶表示器やＬＣＤの表面（上面）に装着されたタッチパネルが装着される。そのＬＣＤやタッチパネルを保護するために、保護シートが貼り付けられる。保護シーとは、ＬＣＤやタッチパネルの表面が汚れたり傷ついたりするのを防いでいる。特に、軽く接触することによって座標を入力するためのタッチパネルは、その表面をボールペンやスタイラスペンのような先の尖った物で押すため、傷が付きやすく、またボールペンのインク等がタッチパネル表面に付着して汚れ易い。また、指で直接操作する場合は、ＬＣＤやタッチペンが傷付けられることのない反面、指紋がつき見苦しくなる。このような弊害を防止するための保護シートとしては、特許文献１又は特許文献２のような技術がある。
【特許文献１】特開２０００−２４９５９６号公報
【特許文献２】特開２００２−３０４２５４号公報
【０００３】
特許文献１及び特許文献２のような保護シートは、ＬＣＤやタッチパネル等に貼着されることにより、ＬＣＤやタッチパネル等が直接汚れたり傷ついたりすることを防止している。また、保護シートを貼着しておけば、その保護シートが汚れたり傷ついたりしても、保護シートを交換するだけで使用前と同様の状態にできるので、傷ついたＬＣＤやタッチパネル自体を交換する必要もなく、部品の交換コストを低減できる。
【０００４】
しかし、特許文献１又は特許文献２のような保護シートは、機械を用いずに人手によりＬＣＤ又はタッチパネルに貼り付ける際に、粘着剤の塗布された裏面をＬＣＤ又はタッチパネルの貼付面（表面）へ近づけておおよその位置を決め、貼付面へ押し付けて貼り付けることになる。そのとき、不慣れなユーザーにとっては、貼付面への正確な決めが容易でなく、貼り付け位置又は角度がずれて見苦しくなったり、貼り付けるときの押し付け方によって気泡が入ったりし易い。また、ＬＤＣ又はタッチパネルの装着された電子機器のハウジングの構造によって、例えばハウジングの表面とＬＤＣ又はタッチパネルの表面との段差が大きいと、保護シーとの位置決めと貼り付けが一層困難となる。しかも、保護シートの粘着剤の塗布された接着面を保護する補助シートをはがしてから貼り付け作業を行うとき、保護シートの接着面がＬＣＤ又はタッチパネルに吸着して貼り付け位置がずれて、何度も貼ったり剥がしたりし、その間に粘着力が低下したり、気泡が入り易い。さらに、ユーザーの指が保護シートの接着面又は表面に触れ易く、接着面等に指紋が付いてしまうことがある。このように、指紋が付いたり、気泡が入ると、保護シートを貼り付けた後のＬＣＤが見づらくなる等の問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
それゆえに、この発明の主たる目的は、液晶表示器（ＬＣＤ）又はタッチパネルのような被保護面に保護シートを貼り付ける場合に、保護シートを貼り付ける人の技量や経験に左右されることなく、素人であっても位置決めが容易で見栄えよく貼り付けることを可能にした、保護シートの装着構造体を提供することである。
この発明のその他の目的は、保護シートの粘着面等に指紋を付けたり、気泡の生じることをできる限り低減し得る、保護シートの装着構造体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
請求項１に係る発明は、電子機器の被保護面に貼り付けられる保護シートを装着するための保護シートの装着構造体であって、保護シートと、剥離シートと、装着補助シートとを備える。保護シートが被保護面の表面を覆う平面形状を有し、その一方面に粘着層を形成して構成される。剥離シートは、保護シートの粘着層の形成された面に貼り合わせられ、保護シートを被保護面に貼るとき剥がされる。装着補助シートは、保護シートの平面形状よりも大きな平面形状を有し、被保護面の少なくとも一辺に沿って位置合わせ可能な形状に形成される位置合わせ部と、位置合わせ部とは異なる一辺に突出して形成される取っ手部とを含む。
【０００７】
請求項２に係る発明は、請求項１の発明において、液晶表示器と液晶表示器を収納し保持するハウジングとを含む。被保護面は、液晶表示器である。位置合わせ部は、液晶表示器のある一辺の形状により貼り付ける位置を特定可能な形状を有することを特徴とする。
【０００８】
請求項３に係る発明は、請求項１の発明において、電子機器が液晶表示器と、液晶表示器の表面に装着されかつタッチすることによって座標入力するためのタッチパネルと、液晶表示器ならびにタッチパネルを収納し保持するハウジングとを含む。被保護面は、タッチパネルである。位置合わせ部は、タッチパネルのある一辺の形状により貼り付ける位置を特定可能な形状を有することを特徴とする。
【０００９】
請求項４に係る発明は、請求項２又は請求項３の発明において、ハウジングが位置合わせ部を差込可能な空隙を有し、位置合わせ部の形状が空隙の形状に対応することによって位置決め可能とされる。
【００１０】
請求項５に係る発明は、請求項１ないし請求項３の発明において、保護シートの厚さが、剥離シートおよび装着補助シートよりも厚く選ばれる。
【発明の効果】
【００１１】
この発明によれば、液晶表示器（ＬＣＤ）又はタッチパネルのような被保護面に保護シートを貼り付ける場合に、保護シートを貼り付ける人の技量や経験に左右されることなく、素人であっても位置決めが容易で見栄えよく貼り付けることのできる、保護シートの装着構造体が得られる。
また、保護シートの粘着面等に指紋を付けたり、気泡の生じることをできる限り低減することができる。
【実施例】
【００１２】
図１はこの発明の一実施例の保護シートの装着構造体の構造を示す分解斜視図である。図１において、この実施例の保護シートの装着構造体１０は、保護シート１１と、保護シート１１の裏面に貼り付けられる剥離シート（又は粘着面保護シート）１２と、保護シート１１の表面に貼られる装着補助シート（又は表面保護フィルム）１３とから構成される。
【００１３】
具体的には、保護シート１１は、その平面形状が電子機器の被保護面となる液晶表示器又はタッチパネル（図示せず）の平面形状と略同じ形状（例えば矩形形状）か若干小さな形状に選ばれ、ＬＣＤ又はタッチパネルに貼り付けられる貼着面（裏面）１１ａに粘着剤（又は貼着剤）が塗布される。この保護シート１１は、透明で適度の強度のある材質のもの（例えば、粘着層を含めて０．１５ｍｍ前後の厚さのハードコート＋ＰＥＴ）が用いられる。保護シート１１の裏面（粘着面）には、粘着剤の粘着力の低下を防止するために、剥離シート（又は粘着面保護シート）１２が貼り合わせられる。この剥離シート１２は、保護シート１１を剥がしたときに、保護シート１１の裏面の粘着力が低下しないように、くっつき易く剥がれ易い材質（例えばシリコンコートポリエステル）のものが用いられる。剥離シート１２の平面形状は、保護シート１１及び装着補助シート１３の平面形状よりも大きな形状に選ばれる。装着補助シート１３は、保護シート１１の平面形状と略同じか若干大きな平面部分１３１を有し、この平面部分１３１の何れかの一辺（例えば短辺の一方で、図示の左辺）に位置決め部１３２が形成され、他方辺（例えば図示の右辺）に取っ手部１３３が形成される。位置決め部１３２は、保護シート１１を貼り付ける際に、保護シート１１の位置決めを容易にするための形状に選ばれ、例えば保護シート１１を貼るタッチパネル（又はＬＣＤ）とハウジングの空隙の形状として、短辺（縦辺）より少し小さな長さであって２〜５ｍｍの幅に突出した、帯状の形状に選ばれる。取っ手部１３３は、位置決め及び装着する際にユーザーの手で掴まれる片であり、指先で持ちやすい形状（例えば位置決め部１３２の幅よりも５〜１０倍程度大きな幅の形状）に選ばれる。この装着補助シート１３の裏面は、保護シート１１の上面に貼り合わせたときに、適度の密着性を有しかつ剥がし易いように加工される。そのため、装着補助シート１３は、保護シート１１の位置決めと装着（又は貼着）時における保護シート１１を押しつけて密着性を高めるための補助具となる。また位置決め部１３２及び／又は取っ手部１３３は、必要に応じて着色され、平面部分１３１との境界を分かり易くする。
【００１４】
上述のような保護シートの装着構造体１０を製造する場合は、まず保護シート１１が所定のサイズに切断されて、一方面に粘着材を塗布することによって粘着層が形成される。この保護シート１１が、剥離シート１２の上面に貼り付けられる。また、剥離シート１２の平面形状と略同じ大きさの装着補助シート１３が準備され、装着補助シート１３の位置決め部１３２と取っ手部１３３の部分にこれらの形状をした片が張られる。そして、保護シート１１の貼られた剥離シート１２の上面から、装着補助シート（表面保護フィルム）１３がさらに貼り付けられる。その後、装着補助シート１３の必要とする平面形状の型で押さえつけられ、装着補助シート１３を必要とする形状のミシン目を入れる。そして、装着補助シート１３の周辺の残余の部分が取り除かれて、本実施例の保護シートの装着構造体１０が製造される。
【００１５】
次に、保護シートの装着構造体１０を使って保護シート１０を電子機器のタッチパネル又は液晶表示器の表面に装着する場合を説明する。図２は保護シート１０をタッチパネル又はＬＣＤへ貼り付ける際に剥離シート１１をはがした状態の図である。この状態では、保護シート１０の粘着層が下向きとなって、装着補助シート１３の裏面に付着した状態となる。
【００１６】
図３は保護シート１０を貼り付ける対象の一例のゲーム装置２０である。ゲーム装置２０は、ハウジング２１の一方主面に開口部を形成し、その開口部からタッチパネル２２がその表面を露出させて保持される。タッチパネル２２の下面には、タッチパネル２２を操作する際の図柄やスイッチ等の画像を表示するための液晶表示器（ＬＣＤ）が収納され保持されている。そして、タッチパネル２２の表面の左側端部とハウジング２１の開口部近傍の内壁部との間には、位置決め部１３２の形状に合致するような空隙が形成されている。必要に応じて、ハウジング２１の一方主面であって、開口部を挟む左右に操作スイッチ２３ａ，２３ｂが装着される。
【００１７】
図４は保護シート１１の貼られた装着補助シート１３を用いてタッチパネル２２に位置決めして張り付ける状態を説明するための斜視図である。先ず、図１に示す保護シートの装着構造体１０を準備し、図２に示すように剥離シート１２を剥がす。その状態で、装着する人（装着者）は、右手で装着補助シート１３の取っ手部１３３を持ち、位置決め部１３２を開口部の右斜め方向からハウジング２１とタッチパネル２２の空隙へ差し込み、空隙と位置決め部１３２とが所定の位置関係となるように、位置決めする。そして、装着者は、装着補助シート１３の位置決め部１３２の近傍の上面を左手の指で押さえ，左手の指で装着補助シート１３の上面を撫でながら徐々に右方向へ移動させる。このとき、装着者は、取っ手１３３を持っている右手の位置をタッチパネル２２の表面に近づけて、装着補助シート１３の全面をタッチパネル２２の表面に貼り付ける。そして、保護シート１１がタッチパネル２２にしっかりと貼り付けられた状態で、装着補助シート１３が引き上げられて保護シート１１から剥がされる。このようにして、タッチパネル２２上には、保護シート１１が所定の位置に位置決めされて、しっかりと貼り付けられる。
【００１８】
以上説明したように、保護シートの装着構造体１０を図１のように構成し、装着補助シート１３の裏面に保護シート１１を付着させた状態で、図４を参照して説明したように、位置決め部１３２を用いて位置決めし、かつ装着補助シート１３の上面から押さえつけながら保護シート１１をタッチパネル２２の表面に貼り付ければ、位置決めが容易となり、所定の位置へ正確に位置決めでき、見栄えよく保護シート１１をタッチパネル２２に貼り付けることが可能となる。しかも、装着補助シート１３の形状に工夫を凝らせているので、装着する人の熟練を要することなく、素人でも簡単に見栄えよく保護シートを装着することもできる。
【００１９】
図５は位置決め部の他の例の拡大図である。この実施例の装着構造体１０Ａは、装着補助シート１３ａの位置決め部１３２ａの形状を三角形の形状にし、ハウジング２１とタッチパネル２２の空隙も、位置決め部１３２ａの三角形状の逆の形状をした形に選ばれる。この位置決め部１３２ａのように形成すれば、三角形の頂点を合わせかつ斜辺部分を合わせることによって位置決め精度を高めることもできる。なお、位置決め部１３２の形状は、実施例に記載の形状に限らず、適宜の形状を選択可能である。
【図面の簡単な説明】
【００２０】
【図１】この発明の一実施例の保護シートの装着構造体の構造を示す分解斜視図である。
【図２】粘着面保護シートを剥がした状態の保護シートの装着構造体の例を示す図である。
【図３】保護シートを貼り付ける対象の一例であるゲーム装置に保護シートを貼り付ける状態の斜視図である。
【図４】保護シートの装着状態の断面図である。
【図５】装着補助シートの位置決め部の他の例の拡大図である。
【００２１】
１０ 保護シートの装着構造体
１１ 保護シート
１２ 粘着面保護シート
１３ 装着補助シート
１３１ 装着補助シートの平面部分
１３２ 位置決め部
１３３ 取っ手部
２０ ゲーム装置
２１ ハウジング
２２ タッチパネル
【特許請求の範囲】
【請求項１】
電子機器の被保護面に貼り付けられる保護シートを装着するための保護シートの装着構造体であって、
前記保護シートが被保護面の表面を覆う平面形状を有し、その一方面に粘着層を形成して構成され、
前記保護シートの粘着層の形成された面に貼り合わせられ、保護シートを前記被保護面に貼るとき剥がされる剥離シート、
前記保護シートの平面形状よりも大きな平面形状を有し、前記被保護面の少なくとも一辺に沿って位置合わせ可能な形状に形成される位置合わせ部と、位置合わせ部とは異なる一辺に突出して形成される取っ手部とを含む装着補助シートを備えた保護シートの装着構造体。
【請求項２】
前記電子機器は、液晶表示器と液晶表示器を収納し保持するハウジングとを含み、
前記被保護面は、前記液晶表示器であり、
前記位置合わせ部は、を、前記液晶表示器のある一辺の形状により貼り付ける位置を特定可能な形状を有することを特徴とする、請求項１に記載の保護シートの装着構造体。
【請求項３】
前記電子機器は、液晶表示器と、液晶表示器の表面に装着されかつタッチすることによって座標入力するためのタッチパネルと、液晶表示器ならびにタッチパネルを収納し保持するハウジングとを含み、
前記被保護面は、タッチパネルであり、
前記位置合わせ部は、前記タッチパネルのある一辺の形状により貼り付ける位置を特定可能な形状を有することを特徴とする、請求項１に記載の保護シートの装着構造体。
【請求項４】
前記ハウジングは、前記位置合わせ部を差込可能な空隙を有し、
前記位置合わせ部の形状が、前記空隙の形状に対応することによって位置決め可能とされる、請求項２または請求項３に記載の保護シートの装着構造体。
【請求項５】
前記保護シートの厚さは、前記剥離シートおよび前記装着補助シートよりも厚く選ばれる、請求項１ないし請求項４のいずれかに記載の保護シートの装着構造体。
【請求項１】
電子機器の被保護面に貼り付けられる保護シートを装着するための保護シートの装着構造体であって、
前記保護シートが被保護面の表面を覆う平面形状を有し、その一方面に粘着層を形成して構成され、
前記保護シートの粘着層の形成された面に貼り合わせられ、保護シートを前記被保護面に貼るとき剥がされる剥離シート、
前記保護シートの平面形状よりも大きな平面形状を有し、前記被保護面の少なくとも一辺に沿って位置合わせ可能な形状に形成される位置合わせ部と、位置合わせ部とは異なる一辺に突出して形成される取っ手部とを含む装着補助シートを備えた保護シートの装着構造体。
【請求項２】
前記電子機器は、液晶表示器と液晶表示器を収納し保持するハウジングとを含み、
前記被保護面は、前記液晶表示器であり、
前記位置合わせ部は、を、前記液晶表示器のある一辺の形状により貼り付ける位置を特定可能な形状を有することを特徴とする、請求項１に記載の保護シートの装着構造体。
【請求項３】
前記電子機器は、液晶表示器と、液晶表示器の表面に装着されかつタッチすることによって座標入力するためのタッチパネルと、液晶表示器ならびにタッチパネルを収納し保持するハウジングとを含み、
前記被保護面は、タッチパネルであり、
前記位置合わせ部は、前記タッチパネルのある一辺の形状により貼り付ける位置を特定可能な形状を有することを特徴とする、請求項１に記載の保護シートの装着構造体。
【請求項４】
前記ハウジングは、前記位置合わせ部を差込可能な空隙を有し、
前記位置合わせ部の形状が、前記空隙の形状に対応することによって位置決め可能とされる、請求項２または請求項３に記載の保護シートの装着構造体。
【請求項５】
前記保護シートの厚さは、前記剥離シートおよび前記装着補助シートよりも厚く選ばれる、請求項１ないし請求項４のいずれかに記載の保護シートの装着構造体。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【公開番号】特開２００６−１４５９１８（Ｐ２００６−１４５９１８Ａ）
【公開日】平成１８年６月８日（２００６．６．８）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００４−３３６７８４（Ｐ２００４−３３６７８４）
【出願日】平成１６年１１月１９日（２００４．１１．１９）
【出願人】（０００２３３７７８）任天堂株式会社 (1,115)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１８年６月８日（２００６．６．８）
【国際特許分類】
【出願日】平成１６年１１月１９日（２００４．１１．１９）
【出願人】（０００２３３７７８）任天堂株式会社 (1,115)
【Ｆターム（参考）】
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