説明

保護集電体を使用した腐食防止

バッテリは、第1の電極、第2の電極、電解質、及び第1の電極と関連付けられ、溶融塩電解質による腐食を軽減させる保護層のような表面処理を有する集電体を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、その全ての内容全体が引用により本明細書に組み込まれる、2004年3月16日に共に出願された米国特許仮出願シリアル番号第60/553,443号及び第60/553,636号、並びに2004年5月17日に出願された第60/571,776号に対する優先権を主張する。
【0002】
本発明はバッテリに関し、詳細には充電式リチウムバッテリに用いる集電体に関する。
【背景技術】
【0003】
溶融塩電解質は、特に自動車用途において従来の有機電解質よりも安全であると考えられている。しかしながら、集電体の腐食は、溶融塩電解質を有するバッテリの性能に深刻な影響を与え、サイクル能力及び高速性能を低下させる。腐食は、充電又は放電中の金属コレクタ、典型的にはアルミニウム(Al)又は鉄(Fe)の表面上での溶融塩電解質の酸化に起因する。腐食は、バッテリ寿命を有意に減少させる可能性がある。
【0004】
従って、集電体の腐食を軽減させることができると、例えば自動車用途においてより安全なリチウムイオン(Li−ion)バッテリの使用が実施可能になる。
【0005】
Olsenに付与された米国特許第5,518,839号は、固体電気化学セルにおけるニッケルコーティングされたアルミニウム集電体を記載している。しかしながら、これは、溶融塩電解質を有するLiイオンバッテリ内の集電体の保護を記載していない。
本明細書に引用される特許は、引用により本明細書に組み込まれる。
【0006】
【特許文献1】米国特許仮出願シリアル番号第60/553,443号
【特許文献2】米国特許仮出願シリアル番号第60/553,636号
【特許文献3】米国特許仮出願シリアル番号第60/571,776号
【特許文献4】米国特許第5,518,839号
【特許文献5】米国特許第6,224,824号
【特許文献6】米国特許第4,448,611号
【特許文献7】米国特許第5,938,914号
【特許文献8】米国特許第5,591,544号
【特許文献9】米国特許第6,402,795号
【特許文献10】米国特許第3,639,100号
【特許文献11】米国特許第4,463,071号
【特許文献12】米国特許第5,552,241号
【特許文献13】米国特許第5,589,291号
【特許文献14】米国特許第6,326,104号
【特許文献15】米国特許第6,365,301号
【特許文献16】米国特許第6,544,691号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
バッテリは、第1の電極、第2の電極、溶融塩電解質のような電解質、及び第1の電極と関連付けられる集電体を含む。集電体は、溶融塩電解質による集電体の腐食を軽減させる表面処理を有する。表面処理は、酸素、窒化物、硫化物、リン化物、及び/又は炭化物を含む保護層のような保護層とすることができる。保護層は、タングステンのような集電体、又はアルミニウム集電体上に形成されたアルミニウム合金のような、集電体の材料上に形成された表面合金よりも実質的により優れた耐食性を有する金属膜とすることができる。保護層は、金属、金属合金、金属炭化物、金属酸化物、及び金属リン化物から成る材料のグループから選択された1つ又はそれ以上の材料を含むことができ、これらの実施例は、タングステン、炭化チタン、炭化タンタル、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ニッケル、リン化銅、リン化ニッケル、リン化鉄、及び鉄窒化物を含む。
【0008】
表面処理はまた、集電体のアノード酸化又は集電体の表面電位を実質的に低下させる処理とすることができる。1つの実施例では、集電体は実質的にアルミニウム金属であり、保護層は集電体よりもアルミニウム含量が低いアルミニウム合金である。
【0009】
1つの実施例では、バッテリは、溶融塩電解質を有するリチウムイオンバッテリであり、しかしながら本明細書に記載された改良型集電体は、例えば他のカチオン種に基づく他のバッテリ技術で用いることができる。
【0010】
改良型バッテリは、集電体の表面上に保護層を有する集電体を含む。1つの実施例では、集電体はアルミフォイルであり、保護層は、その構成元素として周期律表の第3又はこれに続く周期の2族から14族に属する少なくとも1つの元素を有する酸化物と、その構成元素として周期律表の第3又はこれに続く周期の2族から14族に属する少なくとも1つの元素を有する炭化物と、その構成元素として周期律表の第3又はこれに続く周期の2族から14族に属する少なくとも1つの元素を有する窒化物と、タングステンとから成るグループから選択された電子伝導性材料のような材料を含む。実施例は、酸化スズ、酸化チタン、酸化インジウムスズ、酸化タンタル、酸化タングステン、酸化クロム、及び酸化タリウムを含む。保護層はまた、優れた電気化学的安定性を有する酸化マグネシウム、チタン酸バリウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、及びシリカを含むことができる。他の例示的な保護層は、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo及びWの酸化物、炭化物、窒化物、並びに酸窒化物、酸炭化物、混合金属化合物(酸化物、窒化物、及び炭化物)、及び同様のもの等の本明細書で考察された材料の組合せを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
1つ又はそれ以上の電子伝導性材料を含む保護層は、表面の腐食を防止又は遅らせるように、他の場合では溶融塩と接触状態になるはずの表面上に配置された保護層において用いることができる。例えば、溶融塩Liイオンバッテリ内のAl集電体の表面は、溶融塩電解質によるAl表面の腐食を実質的に保護するために1つ又はそれ以上の電子伝導性材料を含む保護層を担持することができる。
【0012】
保護層として用いるための改良型電子伝導性材料が開発されている。溶融塩電解質を有するLiイオンバッテリ内で用いる保護層用の電子伝導性材料が記載されている。これらの保護層は、これらが配置される表面例えば集電体の表面の分解を軽減又は排除することができる。電子伝導性材料は、高電子伝導性、溶融塩との非反応性、微粒子型(0.5ナノメートル−1ミクロンの範囲の平均直径を有するナノ粒子のような)、及び高密度を含む特性を有することができる。
【0013】
導電性材料は一般に、バッテリの通常の使用状態及び動作温度において少なくとも1×10-2S/cm、より好ましくは少なくとも1×103S/cmの導電性を有することができる。
【0014】
リチウムイオンバッテリ内の溶融塩電解質による集電体の腐食の問題を軽減又は排除することができる保護層が記載される。集電体は、アルミニウム、鉄、他の金属、又は他の導電性材料を含むことができる。手法としては、電子伝導性材料による集電体の物理的コーティング、化学的コーティング(例えば、酸化添加剤によるAl表面電位の減少)、及び/又は促進AlへのAl合金薄膜の提供を含む。
【0015】
新規の方法及び材料は、溶融塩電解質と接触した状態で構成部品(電極コレクタ、負極、正極、他の電気的構成部品、又はハウジング構成部品)表面上に保護層を形成し、構成部品表面の腐食を遅らせ又は防止するように記載されている。
【0016】
図1は、集電体10及び22、負極層(アノード層)12、14及び18の電解質、セパレータ16、並びに正極20を示すLiイオンバッテリ構造を示す。正極は、カソード電気活物質、電子伝導性材料、及びバインダ材料を含み、負極は、アノード電気活物質、電子伝導性材料、及びバインダ材料を含む。集電体は、24及び26に示す保護層によって各々覆われる。
【0017】
電解質が溶融塩電解質であり、集電体が各々アルミフォイルを含む場合(多くの場合、従来のLiイオンバッテリにおいて)、電解質はアルミフォイル上で分解する。
【0018】
本明細書に記載した幾つかの実施例では、溶融塩Liイオンバッテリ内のAl集電体への保護層の提供が記載されている。Al集電体の表面上への保護層を提供することにより、溶融塩電解質によるAl集電体の腐食を実質的に防止することができ、溶融塩Liイオンバッテリのサイクル能力を向上させることができる。
【0019】
しかしながら、本発明は、Al集電体への保護層の提供に限定されない。他の材料から形成された集電体は、本発明による保護層を備えることができる。同じ又は異なる組成の保護層はまた、負極及び/又は正極、或いは他の場合には溶融塩と接触状態になる他のバッテリ構成部品表面に施工してもよい。
【0020】
リチウムイオンバッテリのようなバッテリ内の溶融塩電解質による集電体の腐食の問題を軽減させる保護集電体が記載される。集電体は、アルミニウム、鉄、別の金属、又は他の導電性材料を含むことができる。保護層形成の手法は、電子伝導性材料による集電体の物理的コーティング、化学的コーティング(例えば、酸化添加剤を用いたAl表面電位の減少)、及び/又は促進AlへのAl合金薄膜の提供を含む。
【0021】
1つの手法では、保護層は、例えば、物理的コーティング法によって集電体に提供される。保護層は、集電体へ向かう電子又は集電体からの電子を透過する。保護層は、導電性ポリマーを含むことができる。
【0022】
例えば、充電式リチウムベースのバッテリシステムに用いられる集電体は、1つ又はそれ以上の保護層でコーティングすることができる。例示的な保護層は、タングステン(W)、プラチナ(Pt)、炭化チタン(TiC)、炭化タンタル(TaC)、炭化タングステン(WC)、酸化チタン(例えば、Ti47)、リン化銅(Cu23)、リン化ニッケル(Ni23)、リン化鉄(FeP)、及び同様のものを含む。与えられる化学式は、例示的なものである。例えば、酸化チタンという用語はまた、TiO2、及びチタニウムと酸素との非化学量論化合物、並びに上述の他の化合物を備えた同様のものを含む。
【0023】
改良型集電体は、アルミニウム、又は溶融塩電解質による腐食の影響を受け易い他の金属、及び集電体の腐食を軽減するように作用するアルミニウム(又は他の集電体材料)の表面上の保護層を含むことができる。従って、改良型バッテリは、溶融塩電解質、電極(正極及び負極)、及び溶融塩電解質による集電体の腐食を軽減する表面処理を有する集電体を含む。
【0024】
集電体に対する表面処理は、化学的及び/又は物理的堆積プロセス、化学浴法、アノード酸化技術、或いは他のプロセス又はプロセスの組合せを含むことができる。集電体は、アルミニウム、銅、鉄、鋼(ステンレス鋼のような)、ニッケル、亜鉛、導電性ポリマー、金属ポリマー(金属マイラーのような)、及び同様のものを含むことができる。
【0025】
保護層は、ポリアルキレンオキサイド(ポリエチレンオキサイドのような)、導電性ポリマー((ポリエチレンオキサイドのような)、導電性ポリマー(ポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリフッ化ビニリデン、これらの誘導体、又は他の導電性ポリマー等の)等)、ポリカーボネート、PVDF、ポリマー複合体、及び同様のもの等のポリマーを含むことができる。
【0026】
(保護層組成物)
他の実施例では、集電体に施工された保護層は、金属又は金属合金、ホウ化物、炭化物、窒化物、酸化物、フッ化物、他のハロゲン化物、ケイ化物、リン化物、硫化物(又は他のカルコゲニド)を含むことができる。実施例は、金属ホウ化物、金属炭化物、金属窒化物、金属酸化物、金属フッ化物(及び他の金属ハロゲン化物)、金属シリサイド、金属リン化物、及び金属カルコゲニドを含む。化合物は、例えば2つ又はそれ以上の金属種を含む混合金属化合物とすることができる。保護層はまた、酸窒化物、酸炭化物、又はC、N、O、Si、P、及びSのグループから1つ又はそれ以上の原子を含む他の化合物を含むことができる。
【0027】
保護層は、固体電解質、ガラス材料、結晶材料、非晶質材料、エラストマ、ゾルゲル、及び同様のものの層を含むことができる。保護層は、ポリアルキレンオキサイド(ポリエチレンオキサイドのような)、導電性ポリマー(ポリピロールのような)、ポリカーボネート、PVDF、ポリマー複合体(例えば、リチウム化合物との)、及び同様のもの等のポリマーを含むことができる。ある化合物は、本明細書で検討される1つ又はそれ以上のカテゴリーに分類することができる。
【0028】
鉄ベース保護層は、溶融塩含有アルカリ酸化物に対する耐食性をもたらすことができる。鋼等のこのような鉄ベース材料を用いて、本発明によるバッテリ内の集電体を保護することができる。保護層はまた、Zhangに付与された米国特許第6,224,824号に記載されるようなニッケル含有合金を含むことができる。
【0029】
鉄(又は鉄含有)集電体は、電解質による腐食を軽減させるために窒化することができ、従って保護層は鉄窒化物を含む。鉄製集電体などの集電体は、表面腐食を軽減させる酸化浴を用いて、例えばGrellet他に付与された米国特許第4,448,611号に記載されるような酸化浴を用いて表面処理することができる。保護層は、例えばDawless他に付与された米国特許第5,938,914号に記載されるような、銅、銀、又は銅銀合金を含むことができる。
【0030】
Fauteux他に付与された米国特許第5,591,544号は、下塗り材料によるコーティングを含む、アルミニウム集電体の界面インピーダンスを低減する方法を記載している。このような材料は、集電体腐食を軽減させるために他の技術の代わりに或いは他の技術に加えて用いることができる。
【0031】
集電体は、例えば、Olsenに付与された米国特許第5,518,839号に記載された電気メッキ技術を用いて、例えば電気メッキ金属膜のような金属膜でコーティングすることができる。ニッケルメッキ、或いは他の金属又は合金メッキ集電体は、溶融塩電解質を有するLiイオンバッテリに用いることができる。
【0032】
別の手法では、1つ又はそれ以上の酸化添加剤は、集電体の表面上に配置され、集電体の表面電位を減少させ、溶融塩電解質によるその腐食を軽減する。例えば、アルミニウム集電体を用いて、Al23又はNiO薄膜がAl酸化電位を減少させることができる。
【0033】
別の手法では、集電体は、薄い合金膜でコーティングすることができ、該合金が電解質による腐食に対し耐性がある。例えば、アルミニウム集電体は、アルミニウム合金でコーティングすることができる。アルミニウム合金は、アルミニウムと1つ又はそれ以上の遷移金属との間の合金とすることができる。
【0034】
Chu他に付与された米国特許第6,402,795号は、電極用の保護層として用いることができ、本発明の実施形態にも同様に用いることができるリチウムリン酸窒化物のような、リチウムイオン透過材料を開示している。電極保護層用に用いられるリチウムイオン透過材料はまた、集電体用の保護層として用いることができる。例えば、保護層は、リチウム化合物(リチウム塩のような)、リチウム合金(LiAl合金のような)、酸化リチウム、水酸化物、又は他のリチウム化合物を含むことができる。保護層は、リチウムイオン(チタニウムジスルフィドのような)又は他の硫化物で層間化合物を形成する化合物を含むことができる。
【0035】
別の実施例では、酸化コーティングは、集電体上にハロゲン化物コーティングを形成することによって集電体の表面上に形成することができ、酸化コーティングは続いて、熱及び酸素の組合せに対する暴露、他の化学的処理、及び/又はバッテリ内の溶融塩電解質に対するハロゲン化物層の暴露によって形成される。ハロゲン化物層は、例えば、Rickに付与された米国特許第3,639,100号に記載されたものを出典とするプロセスを用いて形成することができる。二酸化チタンの保護層は、集電体上のチタンハロゲン化物層の形成を含むプロセスよって集電体上に形成することができ、空気中での加熱が続く。
【0036】
保護層は、組成物のような、第1の導電性材料及び第2の材料の混合物を含む。第1の導電性材料は、金属、導電性ポリマー、又は他の導電性材料とすることができる。第2の材料は、酸化物(金属酸化物のような)、炭化物、硫化物、窒化物、又は他の材料とすることができる。本明細書に記載したような2つ又はそれ以上の組成物は、保護層として用いることができる。
【0037】
他の実施例では、保護層は、溶融塩電解質に対して非反応性(例えば非触媒性)である材料を含むことができる。保護層は、無機電子伝導性材料(金属、金属酸化物、金属炭化物、及び同様のものなど)、導電性ポリマーのような有機電子伝導性材料、又は有機及び無機材料の組合せ(有機ポリマーと混合した無機粒子のような)、或いは有機修飾シリケートを含むことができる。
【0038】
保護層は、有機及び無機成分の両方を含むことができる。例えば、保護層は、無機粒子(TiC、TaC、又はW粒子など)と電子伝導性ポリマーとの混合物を含むことができる。
【0039】
保護層は、金属(遷移金属など)、金属合金、金属酸化物、金属炭化物、金属窒化物、金属酸化物、金属酸窒化物、金属酸炭化物、又は金属リン化物を含むことができる。実施例は、W、Pt、TiC、TaC、WC、又はTi47を含む。
【0040】
保護層は、酸化物、他の酸素含有化合物(リン酸塩又は硫酸塩など)、炭化物、リン化物、窒化物、酸窒化物、硫化物、金属及び1つ又はそれ以上の他の元素(S、N、O、C、及びPから成るグループから選択された元素など)を含む化合物、ハロゲン化物、導電性ガラス、シリコン化合物、半導体、導電性プラスチック、セラミック、合金、又は他の導電性(半導電性を含む)材料を含むことができる。
【0041】
保護層は、例えば、その構成元素として周期律表の第3又はこれに続く周期の2族から14族に属する少なくとも1つの元素を有する酸化物と、その構成元素として周期律表の第3又はこれに続く周期の2族から14族に属する少なくとも1つの元素を有する炭化物と、その構成元素として周期律表の第3又はこれに続く周期の2族から14族に属する少なくとも1つの元素を有する窒化物と、タングステンとから成るグループから選択された材料である電子伝導性材料のような材料とすることができる。実施例は、酸化物中の金属の酸化数が比較的高く、従って酸化に対する耐性が良好であるSnO2、Ti47、In23/SnO2(ITO)、Ta25、WO2、W1849、CrO2、及びTl23を含む。実施例はまた、優れた電気化学的安定性を有するMgO、BaTiO3、TiO2、ZrO2、Al23、及びSiO2を含む。他の実施例は、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo及びWの酸化物、炭化物、窒化物、並びに(酸窒化物、酸炭化物、混合金属化合物(酸化物、窒化物、及び炭化物)、及び同様のものなど)本明細書で考察された材料の組合せを含む。保護層は、バルクでは非導電性とすることができるが、薄膜として使用される場合には許容値を超えてセルインピーダンスが増加しない。
【0042】
保護層は、遷移金属合金、アルミニウム合金(アルミニウムと1つ又はそれ以上の遷移金属とを含む合金とすることができる)、又は他の合金、或いは金属間化合物等の合金を含むことができる。合金は、下にある表面よりも電解質による腐食に対してより耐性があるものとすることができる。例えば、アルミニウム集電体は、アルミニウム合金でコーティングすることができる。アルミニウム合金は、アルミニウムと1つ又はそれ以上の遷移金属との間の合金とすることができる。
【0043】
保護層は、非金属酸化物又は他の非金属化合物を含むことができる。保護層厚さは、単分子層、ナノスケール以下、ナノスケール(0.5ナノメートル−1ミクロン)又はマイクロスケール(1ミクロン−1ミリメートル)とすることができる。
【0044】
電子伝導性材料は、集電体の表面上に堆積された膜又は粒子の形態とすることができる。保護層は、顆粒、球体、棒、フレーク、又は他の粒子形態を含むことができる。電子伝導性材料は、微粒子の場合にサイズ分布を有することができ、又は実質的に単分散とすることができる。粒度スケールは、所望のバッテリサイズ又は有利な特性に応じてナノスケール、マイクロスケール、又はミリメートルスケールとすることができる。電子伝導性粒子はまた、分解問題を防止又は軽減するためのコーティングを備えることができる。粒子保護層又は他の保護層は、例えば機械的強度を増大するため及び/又は間隙を減少させるために結合剤又は充填剤を更に含むことができる。
【0045】
非導電性又は導電性粒子コアは、第2の導電性材料の導電性コーティングでコーティングし、改良された電子伝導性材料を提供することができる。粒子上の薄膜の厚さは、粒子の有効寸法(例えば直径)よりも実質的に小さい可能性がある。膜厚は、コーティングを通る実質的な電子透過を可能にするように選択することができる。
【0046】
炭素膜又は炭素粒子は、薄い酸化物、窒化物、炭化物、又はタングステン膜で付加的にコーティングすることができる。例えば、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、又はタングステン或いはプラチナのような他の遷移金属でコーティングされた炭素は、保護層として用いることができる。例えば、TiO2のような薄い金属酸化物膜は、保護層として用いることができる。
【0047】
保護層はまた、構成部品表面の処理によって形成することができる。例えば、集電体のアルミニウム表面は、保護層の形成をアルミニウム基板上に誘起するように処理することができる。例えば、アルミニウムと反応物との間の表面反応、又は保護アルミニウム合金コーティングを形成するために表面合金化を用いることができる。
【0048】
1つ又はそれ以上の酸化添加剤は、集電体の表面上に配置し、集電体の表面電位を減少させ、溶融塩電解質によるその腐食を軽減させることができる。例えば、Al23又はNiO薄膜は、アルミニウム集電体を用いてAl酸化電位を低下させることができる。保護層は、溶融塩と表面との間の接触の防止による、別の機構による、又は機構の何らかの組合せによる表面電位の低下によって機能することができる。
【0049】
集電体に施工された保護層は、リチウム化合物(リチウム塩のような)、リチウム合金(LiAl合金のような)、酸化物(例えば、遷移金属酸化物、酸化リチウム、又は混合酸化物等の金属酸化物)、水酸化物、他の遷移金属化合物(遷移金属カルコゲニドのような)、リチウムイオンと共に層間化合物を形成する化合物(チタニウムジスルフィドのような)、他の硫化物、固体電解質の層、ガラス材料、結晶材料、非晶質材料、エラストマ、ゾルゲル、及び同様のものを含むことができる。保護層は、ポリアルキレンオキサイド(ポリエチレンオキサイドのような)、導電性ポリマー(ポリピロールのような)、ポリカーボネート、PVDF、ポリマー複合体(例えば、リチウム化合物との)、及び同様のもの等のポリマーを含むことができる。ある化合物は、上述のカテゴリーの1つ又はそれ以上に分類することができる。
【0050】
本明細書に記載された改良された保護層は、負極、正極、電極コレクタ、又は溶融塩型バッテリの他の構成部品等の1つ又はそれ以上の構成部品の表面に施工することができる。本明細書に記載された改良された保護層はまた、バッテリ技術において良く知られているように、従来の結合剤のような他の材料を含むことができる。
【0051】
本明細書に開示された電子伝導性材料はまた、必要に応じて他の電解質(すなわち非溶融塩電解質)と併せて、又は他のシステムで用いることができる。
【0052】
従って、溶融塩に対して非反応性の材料を、例えばAl集電体のような集電体上にコーティングし、例えば炭素でコーティングされたAl−Rexamシートと比較して性能を向上させることができる。保護層は、集電体及び正極の両方に施工することができる。
【0053】
本明細書に記載した材料又は方法の2つ又はそれ以上を組合せて集電体の耐食性を高めるようにすることができる。
【0054】
(保護層形成)
保護層は、集電体の表面処理の結果として形成することができる。表面処理は、物理的又は化学的堆積プロセス、化学浴処理、酸処理、ガルバニメッキ(電気メッキ)、有機キャリア(ポリマー又は複合体のような)を用いた金属の堆積に続いて加熱、溶媒、又は他の手段による有機物成分の除去、或いは他のプロセスもしくはプロセスの組合せとすることができる。
【0055】
保護層は、集電体で見られるものとは異なる金属の酸化物を含むことができ、例えばアルミニウム集電体が二酸化チタン保護層を有することができる。金属膜を堆積し、次いで酸化することができる。
【0056】
集電体は、保護層の形成前に、例えば保護層の接着を高めるために単分子層(例えば、金属単分子層)又は他の薄膜の堆積により前処理することができる。
【0057】
保護層は、集電体と電解質との間、又は集電体と電解質内部の好適な添加剤との間の反応物として形成することができる。保護層は、蒸発、昇華、物理的蒸着、化学的蒸着、プラズマ処理、スパッタリング、熱処理、光化学処理、モノシラン処理、アノード酸化、及び同様のもの等の化学的又は物理的堆積法を用いて集電体上に堆積させることができる。
【0058】
保護層はまた、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフッ化ビニリデン、これらの誘導体、又は他の導電性ポリマー等の導電性ポリマーとすることができる。
【0059】
保護層は、あらゆる薄膜コーティング或いは堆積プロセス、合金形成プロセス、又は他のプロセスによって形成することができる。保護層は、好適な溶融塩電解質又は他のバッテリ構成部品で用いることができ、或いは相互作用により形成することができる。
【0060】
保護層は、溶融塩電解質に少量の水性又は有機材料を付加することによって形成することができ、集電体と溶融塩電解質の構成要素の反応によって形成することができ、或いは保護膜を形成するように集電体の材料と反応する構成要素の蒸着のような集電体の処理によって形成することができる。
【0061】
他の実施例では、集電体と接触状態又は近接している電極は、集電体と相互作用して、集電体上に保護層を形成する構成要素を含むことができる。保護層は、セルの初期充電又は放電時の溶融塩電解質内の材料と集電体との間の反応によって形成することができる。
【0062】
保護層は、シートの形態とすることができ、又はナノ粒子膜のような粒子として堆積させることができる。保護層は、無機成分及び有機成分(溶媒のような)を含むスラリーとして敷設することができる。溶媒は、保護層形成後熱的に除去することができる。
【0063】
(溶融塩電解質)
溶融塩電解質は、電解質を用いたデバイスの動作温度で溶融される(すなわち液体である)1つ又はそれ以上の塩を含む電解質である。溶融塩電解質はまた、水性溶媒を必要としないような、溶融、非水性電解質として説明することができる。
【0064】
本発明の実施形態で用いることができる溶融塩電解質は、Giffordに付与された米国特許第4,463,071号、Mamantov他に付与された第5,552,241号、Carlin他に付与された第5,589,291号、Caja他に付与された第6,326,104号、Michotに付与された第6,365,301号、及びGuidottiに付与された第6,544,691号に記載されている。
【0065】
本発明の溶融塩電解質は、アンモニウム、ホスホニウム、オキソニウム、スルホニウム、アミジニウム、イミダゾリウム、ピラゾリウム等のオニウム、及びPF6-、BF4-、CF3SO3-、(CF3SO2)N-、(FSO22-等の低塩基性陰イオンを含むことができる。本発明の溶融塩電解質はまた、Y+-(−SO2Rf2)(−XRf3)を含むことができ、式中Y+は、イミダゾリウムイオン、アンモニウムイオン、スルホニウムイオン、ピリジニウム、(n)(iso)チアゾリルイオン、及び(n)(iso)オキサゾリウムイオンから成るグループから選択された陽イオンであり、これは、前記陽イオンが−CH2Rf1又は−OCH2Rf1(式中RfはC1-10ポリフルオロアルキルである)の少なくとも1つの置換基を有し、Rf2及びRf3が単独でC1-10ペルフルオロフェニルであるか或いは共にC1-10ペルフルオロアルキレンからなることができ、Xが−SO2−又は−CO−である場合に、任意選択的にC1-10アルキルもしくはエーテル結合を有するC1-10アルキルと置換することができる。リチウムベースのバッテリでは、溶融塩電解質はまた、以下のLiPF6、LiAsF6、LiSbF6、LiBF4、LiClO4、LiCF3SO3、Li(CF3SO22N、Li(C25SO22N、LiC49SO3、Li(CF3SO23C、LiBPh4、LiBOB、及びLi(CF3SO2)(CF3CO)Nの1つ又はそれ以上のような、リチウム塩を含むことができる。
【0066】
(保護層形成)
保護層は、負の電気活物質と電解質との間、又は負の電気活物質と電解質内部の好適な添加剤との間の反応物として形成することができる。保護層は、蒸発、昇華、物理的蒸着、化学的蒸着、プラズマ処理、スパッタリング、熱処理、光化学処理、モノシラン処理、ゾルゲル処理、アノード酸化、及び同様のもの等の化学的又は物理的蒸着法を用いて負極上に堆積させることができる。
【0067】
保護層は、何らかの薄膜コーティング或いは堆積プロセス、合金形成プロセス、又は他のプロセスによって形成することができる。保護層は、好適な溶融塩電解質又は他のバッテリ構成部品で用いることができ、或いは相互作用により形成することができる。
【0068】
保護層は、負極の表面上に重合可能な材料を堆積し、保護層を形成するために原位置で重合させることにより形成することができる。本明細書で用いられる重合という用語は、共重合プロセスを含む。例えば、固体ポリマー電解質層は、前駆体分子を堆積し、続いて例えばUVを用いて重合することによって形成することができる。前駆体分子は、有機物(重合可能な有機分子のような)又は無機物(シラン誘導体のような)とすることができる。
【0069】
保護層形成は、保護層の形成中に負の電気活物質の反応を抑制するように、低温(液体窒素温度のような)又は無酸素大気下で行うことができる。
【0070】
保護層は、溶融塩電解質に少量の水性又は有機材料を付加することによって形成することができ、又はリチウム電極と融解性電解質の成分の反応によって形成することができ、或いはLiと反応する成分を蒸着させて保護膜を形成するような、Li金属電極の処理によって形成することができる。保護層は更に(又は代替として)、本明細書に記載したように例えば組成又は形成プロセスを用いて、正極上に形成することができる。保護層は、セルの初期充電又は放電時に、溶融塩電解質内の材料と集電体との間の反応によって形成することができる。
【0071】
従って、本発明の実施例では、集電体は、保護層を用いて電解質との反応に対して保護することができる。保護層は、均一な薄膜の形態とすることができ、又はナノ粒子膜のような粒子として堆積させることができる。
【0072】
(正極)
バッテリの正極(バッテリ放電のカソード)は、あらゆる好適な材料から形成することができる。リチウムイオンバッテリ用の正極は、リチウムコバルト酸化物(LiXCoO2)、リチウムマンガン酸化物(LiXMn24)、リチウムニッケル酸化物(LiXNiO2)、他のリチウム遷移金属酸化物、リチウム金属リン酸塩、フッ化リチウム金属リン酸塩、及び他のリチウム金属カルコゲニドを含むことができ、ここで金属は遷移金属とすることができる。正極又は負極のリチウム含量は、バッテリ充電状態に応じて実質的に変わる可能性がある。正極は、更に電子伝導性材料及びバインダを含むことができる。
【0073】
(他の電極要素)
電極(負極又は正極)は、電子伝導性材料のような非電気活物質を更に含むことができる。非電気活物質は、正常動作条件下では電解質と実質的に相互作用しない。
【0074】
電子伝導性材料は、黒鉛のような炭素含有材料を含むことができる。他の例示的な電子伝導性材料は、ポリアニリン又は他の導電性ポリマー、炭素繊維、カーボンブラック(アセチレンブラック、又はケッチェンブラックのような)、並びにコバルト、銅、ニッケル、他の金属、又は金属化合物のような非電気活性金属(例えば、リチウムイオンバッテリ内)を含む。電子伝導性材料は、粒子(本明細書で用いられるように本用語は顆粒、フレーク、粉末及び同様のものを含む)、繊維、メッシュ、シート、或いは他の二次元又は三次元フレームワークの形態とすることができる。
【0075】
電極は、ポリエチレンのようなバインダを更に含むことができる。バインダは、ポリテトラフルオロエチレンのようなフルオロポリマーとすることができる。バインダは、電極の機械的特性を向上させ、電極の製造又は処理を容易にする目的、或いは他の目的のために1つ又はそれ以上の不活物質を含むことができる。例示的なバインダ材料は、フルオロポリマー(ポリテトラフルオロエチレン、ポリ二フッ化ビニリデン(PVdF)、及び同様のもの等)、ポリオレフィン及びこれらの誘導体、ポリエチレン酸化物、アクリルポリマー(ポリメタクリレートを含む)、合成ゴム、及び同様のものを含む。
【0076】
電極は、電解質の領域及び/又は電解質或いは他の1つ又は複数の構成要素から負極を分離するためのイオン伝導保護層を更に含むことができる。電極は、不活性酸化物、ポリマー、及び同様のもの等の非導電性、非電気活物質を更に含むことができる。
【0077】
(バッテリ構成)
例示的なバッテリは、正極、負極、電解質、リチウム塩を含む電解質、並びに負極及び正極のそれぞれに関連付けられた第1及び第2のカレントコレクタを含む。本発明の実施例はまた、溶融塩電解質バッテリを含み、同様に他の非水性電解質二次(充電式)バッテリを含む。例示的なバッテリは、導線と、例えば第1及び第2のカレントコレクタと導通して電気接触を形成する密閉コンテナのような好適なパッケージとを更に含むことができる。
【0078】
バッテリは、負極と正極との間の直接接触を防止する目的で、負極と正極との間に設置された1つ又はそれ以上のセパレータを更に含むことができる。セパレータは任意であり、固体電解質が同じ機能をもたらすことができる。セパレータは、ポリマー(ポリエチレン又はポリプロピレンのような)、ゾルゲル材料、有機修飾シリケート、ガラス、セラミック、ガラスセラミック、又は他の材料等の材料を含む多孔性材料とすることができ、多孔性シート、メッシュ、繊維性マット(布)、又は他の形態のものとすることができる。セパレータは、1つ又は両方の電極の表面に取り付けることができる。
【0079】
(他の用途)
本明細書に記載された負極の他の用途は、他のアルカリイオンバッテリ、他の充電式バッテリ、他の電気化学的デバイス、及び同様のものを含む。
【0080】
上述の実施例は、一般に溶融塩電解質を有するリチウムイオンバッテリに関する。しかしながら、記載された手法は、バッテリ技術の当業者には明らかなように、他のバッテリ技術で機能するように適合させることができる。例えば、必要に応じてバッテリ技術に対して、又は有機電解質のような他の形態の電解質による機能に対して他のイオンを透過する保護層を提供することができる。
【0081】
上述の実施例は、種々の形態の集電体に適用可能である。集電体は、アルミニウム、銅、鉄、鋼(ステンレス鋼のような)、ニッケル、亜鉛、導電性ポリマー、金属ポリマー(金属マイラーのような)、及び同様のものを含むことができる。
【0082】
集電体は、シート(平坦又は湾曲したもの)、棒、メッシュ、多孔性、粒状、二次元又は三次元格子、或いは他のあらゆる形態等のあらゆる物理的形態をとることができる。
【0083】
(バッテリサイクル試験の実施例)
(実施例1)
ラミネートセルを以下に挙げる材料で構成した。
カソード
カソード活物質:LiCoO2
電子伝導性材料:アセチレンブラック
バインダ:PVdF
カレントコレクタ:コーティングされたアルミフォイル
コーティングペースト:分散アセチレンブラック及びNMP中のPVdF
アノード
アノード活物質:Li4Ti512
電子伝導性材料:アセチレンブラック
バインダ:PVdF
カレントコレクタ:アルミフォイル
電解質
溶媒:EMI−FSI
リチウム塩:Li−TFSI(1.0M)
セパレータ:PP多孔性膜
サイクル試験条件
調整後、100サイクルで1Ccc−cc充電−放電
【0084】
(実施例2)
カソードカレントコレクタをコーティングするためにアセチレンブラックの代わりにWC粉末を適用。他の条件は実施例1と同じである。
対照1
カソードカレントコレクタとしてアルミフォイルを使用。他の条件は実施例1と同じである。
対照2
カソードカレントコレクタとしてニッケルブレードを使用。他の条件は実施例1と同じである。


上の表1はこの結果を示し、キャパシタンス保持率が集電体用の保護層としてWCを用いると最も高いことを示している。
【0085】
本発明は、上述の例示的な実施例に限定されない。実施例は、本発明の範囲を限定するものではない。本明細書に記載した方法、装置、組成物、及び同様のものは、例証に過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。ここでの変更及び他の用途は、当業者には想起されるであろう。本発明の範囲は、請求項の技術的範囲によって定義される。
【0086】
本明細書において言及された特許、特許出願、又は出版物は、引用により組み込まれるものとして各個々の文書が具体的及び個別に示されているように、同じ範囲の引用により本明細書に組み込まれる。詳細には、2004年3月16日に両方が出願された米国特許仮出願シリアル番号第60/553,443号及び第60/553,636号、並びに2004年5月17日に出願された第60/571,776号は、その全体が本明細書に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】各々が保護層を有する集電体を含むバッテリの構造を示す図である。
【符号の説明】
【0088】
10、22 集電体
12 アノード層
14、18 電解質
16 セパレータ
20 カソード層
24、26 保護層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の電極と、
第2の電極と、
溶融塩電解質と、
前記第1の電極と関連付けられ、前記溶融塩電解質による腐食を軽減させる保護層を有する集電体と、
を含むバッテリ。
【請求項2】
前記保護層が、遷移金属炭化物を含む請求項1に記載のバッテリ。
【請求項3】
前記遷移金属炭化物が、タングステン炭化物である請求項1に記載のバッテリ。
【請求項4】
前記遷移金属炭化物が、タンタル炭化物である請求項1に記載のバッテリ。
【請求項5】
前記保護層が、窒化物を含む請求項1に記載のバッテリ。
【請求項6】
前記保護層が、炭化物を含む請求項1に記載のバッテリ。
【請求項7】
前記保護層が、硫化物を含む請求項1に記載のバッテリ。
【請求項8】
前記保護層が、リン化物を含む請求項1に記載のバッテリ。
【請求項9】
前記保護層が、金属酸化物を含む請求項1に記載のバッテリ。
【請求項10】
前記保護層が、溶融塩電解質に対して、集電体よりも実質的により優れた耐食性を有する金属膜を含む請求項1に記載のバッテリ。
【請求項11】
前記金属膜が、タングステン膜である請求項10に記載のバッテリ。
【請求項12】
前記集電体がアルミニウムであり、前記保護層がアルミニウム以外の金属の酸化物である請求項1に記載のバッテリ。
【請求項13】
前記保護層が、酸化アルミニウム、酸化チタン、又は酸化ニッケルを含む請求項1に記載のバッテリ。
【請求項14】
前記保護層が、リン化銅、リン化ニッケル、又はリン化鉄を含む請求項1に記載のバッテリ。
【請求項15】
前記集電体が実質的にアルミニウム金属であり、前記保護層が前記集電体よりもアルミニウム含量が低いアルミニウム合金である請求項1に記載のバッテリ。
【請求項16】
前記バッテリが、リチウム塩を含む溶融塩電解質を有するリチウムイオンバッテリであることを特徴とする請求項1に記載のバッテリ。

【図1】
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【公表番号】特表2008−501213(P2008−501213A)
【公表日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−504069(P2007−504069)
【出願日】平成17年3月16日(2005.3.16)
【国際出願番号】PCT/US2005/008769
【国際公開番号】WO2005/089383
【国際公開日】平成17年9月29日(2005.9.29)
【出願人】(505438890)トヨタ モーター エンジニアリング アンド マニュファクチャリング ノース アメリカ インコーポレイテッド (15)
【氏名又は名称原語表記】TOYOTA MOTOR ENGINEERING & MANUFACTURING NORTH AMERICA, INC.
【住所又は居所原語表記】25 ATLANTIC AVENUE,ERLANGER, KENTUCKY 41018, UNITED STATES OF AMERICA
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】