説明

信号の遅延敏感測定のための方法及び装置

【課題】測定時間を短縮できる方法と装置を提供する。
【解決手段】i)少なくとも部分的に強度変調された信号PE(t)の瞬間値を検出し、ii)強度変調の周波数ω1とは異なる周波数ω2を有する、第1の基準信号Um(t)の瞬間値を検出し、iii)混合信号値UΔを得るために、PE(t)の検出された瞬間値を、Um(t)の検出された瞬間値と混合し、iv)ω2及びω1の双方と異なる周波数Δωを有する、第2の基準信号UI(t)の瞬間値を検出し、v)同じ周波数Δωを有するが、UI(t)に対して位相シフトされている、第3の基準信号UQ(t)の瞬間値を検出し、vi)第1の測定信号値を得るために、UΔをUI(t)の検出された瞬間値と混合し、vii)第2の測定信号値を得るために、UΔをUQ(t)の検出された瞬間値と混合し、及びviii)該二つの測定信号値からPE(t)の振幅及び/又は位相位置を計算する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、少なくとも部分的に強度変調された信号の振幅、及び/又は位相位置の検出のための方法、およびその方法を実行するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
距離測定用の位相または遅延に敏感なミキサー装置素子は、現状技術から周知である。そのような素子は、いわゆる電磁放射のためのフォトゲートフォトミキシング装置(PG−PMD)として、例えば特許文献1および特許文献2に記述されている。PG−PMD素子の代案としてこのミキサー装置素子は、例えば特許文献3に開示されているような、MSM−PMD素子(MSM:金属−半導体−金属)として、同様に設計されることができる。
【0003】
現状技術から周知であるミキサー装置素子に共通な特徴は、それらが光導電材料、特に半導体材料がそれらの間に延伸する読み出し電極を持っていることである。さらに、二つまたはそれ以上の透明変調ゲートが、半導体材料の上に備えられる。
【0004】
装置素子の光導電性部分が、強度変調を受けた望ましくは可視または赤外のスペクトル領域である電磁放射により照射されると、その時点に検出器に衝突している強度に応じて、読み出し電極間の装置素子の導電率が変化する。互いに相対的に反転された、または位相が180度シフトされた、振幅変調電流または電圧信号が同時に変調ゲートに(PG−PMD素子の場合)、または同様に直接読み出し電極に(MSM−PMD素子の場合)印加されると、読み出し電極に混合信号が受信され、信号は入射した放射の強度変調の周波数と基準周波数の間の差の周波数により変調される。ミキサー素子の読み出し電極における出力信号は、同様に発生した放射の強度に依存する。読み出し電極の二つの出力信号が互いに加算されると、ただ直流成分(DC)を含む、発生した放射の強度に依存する信号が得られる。他方、読み出し電極の二つの出力信号の間の差分信号は、ただ相関信号成分を含む。従ってこの差分信号はまた、入射した強度変調放射の位相および振幅双方の情報を搬送する。
【0005】
変調またはミキサー素子の読み出し電極が、互いに相対的に反転された、または位相が180度シフトされた、信号により接続されるので、記述される方法はまたプッシュプル検出または「バランス検出」とも呼ばれる。プッシュプル方法は、先に記述したように、ミキサー装置の二つの出力信号の間の差を形成することにより、直流成分と強度変調された放射の混合構造の非対称性を抑制し、相関するこれらの信号のみを考慮することができるようにする。
【0006】
測定に際して振幅と信号の位相は未知の変数なので、ミキサー上に衝突する放射の変調信号および基準信号の変調信号に依存して、それらの差が形成された後に、測定信号の振幅および位相を測定するために、基準信号の異なる位相位置を伴う少なくとも二つの測定が必要である。
【0007】
現状技術から周知の検出器では、空間分割多重法または時分割多重法のどちらかを用いて、二つの測定が実行される。
【0008】
空間分割多重法では、検出器または画素は二つのミキサー装置を有する。二つのミキサー装置素子は、例えばクロスオーバー型式のペアに配置された読み出し電極を形成するために、互いに他の次に分離して配置されるか、または同様に統合された成分であるようにされることができる。装置の大きな特徴は、それぞれの第2の検出器素子の基準信号に対して相対的にそれらが理論的には90度位相がシフトされる一方で、それぞれの検出器素子の基準信号がプッシュプル変調されることである。このようにして、測定されるべき二つの信号の相関関数が測定されることができ、位相と振幅が評価されることができる。空間分割多重法の場合、二つの自己相関関数を同時に評価することができるように、各々の画素に対して一つの信号ミキサー素子の表面積を約2倍にする必要がある。
【0009】
時分割多重法の場合、二つの関連する測定の間にミキサー素子の基準信号が互いに相対的に位相をシフトされ、信号の自己相関関数は時系列に連続して測定される。従って時分割多重法は、空間分割多重法の2倍の測定時間を要する。これは、特に測定時間が主要な役割を演じる用途において、欠点である。例えば道路交通における距離が検出される場合、短い測定時間が必須であり、運転者または自律したシステムは、例えば妨害を避けるための充分な反応時間が与えられるべきである。
【0010】
【特許文献1】独国特許出願第19635932号明細書
【特許文献2】独国特許発明第19704496号明細書
【特許文献3】国際公開第WO02/33922号パンフレット
【特許文献4】独国特許出願公開第19821974号明細書
【特許文献5】独国特許出願第102004016624号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
他方本発明の目的は、先に記述した現状技術の不具合を避けることができるようにした、方法と装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この目的は、本発明に従い、
i)少なくとも部分的に強度変調された信号の瞬間値を検出し、
ii)強度変調の周波数とは異なる周波数を有する、第1の基準信号の瞬間値を検出し、
iii)混合信号値を得るために、該少なくとも部分的に強度変調された信号の検出された瞬間値を、該第1の基準信号の検出された瞬間値と混合し、
iv)該第1の基準信号の周波数及び該強度変調の周波数の双方と異なる周波数を有する、第2の基準信号の瞬間値を検出し、
v)該第2の基準信号と同じ周波数を有するが、該第2の基準信号に対して位相シフトされている、第3の基準信号の瞬間値を検出し、
vi)第1の測定信号値を得るために、該混合信号値を該第2の基準信号の検出された瞬間値と混合し、
vii)第2の測定信号値を得るために、該混合信号値を該第3の基準信号の検出された瞬間値と混合し、及び
viii)該二つの測定信号値から該少なくとも部分的に強度変調された信号の振幅及び/又は位相位置を計算する、
ステップからなる、少なくとも部分的に強度変調された信号の振幅及び/又は位相位置を検出する方法を提供することにより達成される。
【0013】
それぞれの信号に対応する検出器が用いられるならば、「強度変調された信号」は、純粋な電気信号、電磁信号の双方、望ましくは可視または赤外のスペクトル領域、または超音波信号であることができる。超音波信号に対しては、「強度変調」は振幅変調として解釈されなければならない。
【0014】
基準信号は、電気または電磁信号または超音波信号であることができる。
【0015】
信号の用語「周波数」は、ここ及び以下では、最も単純な場合信号が正弦信号または余弦信号であり、または単一周波数により変調された信号であることを意味する。しかしながら任意の他の周期的または準周期的(例えばランダムノイズ)な変調を用いることができ、従って「周波数」は不連続な周波数または周波数範囲の完全な組を意味する。ここでは「同じ周波数」は、信号の間の時間的な相関の意味で用いられる。
【0016】
用語「位相」または「位相位置」は、一般的に時間的な信号の遅延を記述するために用いられるが、与えられる実施形態では、正弦変調の最も単純な場合のみが示される。
【0017】
本発明の原理は、強度変調された信号と、強度変調された信号の振幅と位相位置の情報とを搬送する第1の基準信号との間の混合した信号と、第1の基準信号の周波数及び強度変調された信号の周波数とは相違する既知の周波数の第2及び第3の基準信号とを混合することに基づいている。この方法で二つの相関関数が得られ、全ての信号の周波数と位相が既知であれば、これから強度変調された信号の振幅と位相が計算できる。
【0018】
本発明に従う方法は、一回の測定(「ワンショット」)で強度変調された信号の振幅と位相を検出する事を可能にする。この方法で、時分割多重と比較すると二つの因子により測定時間が低減され、また空間分割多重と比較するとチップ上の実質的な表面積が節減され、従ってチップの充填率はほぼ2倍になる。
【0019】
本発明のあるバージョンは、望ましくはステップiii)が、以下の
a)少なくとも第1の中間値を得るために、該少なくとも部分的に強度変調された信号の検出された瞬間値を該第1の基準信号の検出された瞬間値と混合し、
b)少なくとも第2の中間値を得るために、該少なくとも部分的に強度変調された信号を該第1の基準信号の−1倍した瞬間値と混合し、
c)該混合信号値を得るために、該第1と第2の中間値の間の差を形成する、ステップを含む。
【0020】
強度変調信号を、プッシュプル動作、即ち第1の基準信号と一度、及びそれとは反転された同一周波数の信号で一度、混合することは、混合信号を形成するために、二つの得られた中間信号の間の利点のある差分形式を可能にする。この差分形式で、中間信号の全ての直接成分は互いに相殺され、混合信号は相関信号成分のみを含む。この方法で、例えば環境光による、非相関の背景信号の効率的な抑制が行われる。しかしながら、例えば成分の処理に由来することができる、ミキサーの非対称性は同様にバランスされる。
【0021】
本発明のあるバージョンは、ステップi)、ii)、iii)が同時に実行されることが特に望ましい。この方法でステップi)、ii)、iii)は、特に低雑音および効果的なやりかたで実行される。これは例えば、PG−MPDまたはMSM−PMD型の単一のフォトミキシング装置で、同時に行なうことができる。
【0022】
第一の基準信号の瞬間値と少なくとも部分的に強度変調された信号の瞬間値が同時に検出される場合は、特に好都合である。この検出がプッシュプル法で行なわれる場合は、測定に要する時間は二つの因子により低減される。
【0023】
ステップvi)、vii)が同時に実行される本発明のバージョンは、特に有利である。混合信号を第二と第3の基準信号と同時に混合することは、シリアル時間分割多重法とは異なり、並列の相関信号の生成を可能にして、それにより測定時間を実質的に節減する。この場合も、測定に要する時間は再度二つの因子により低減される。特に同じ接続配置を用いることにより避けられる、ステップvi)とvii)の間の短い時間のずれは、結果の相対的位相ずれが既知である限り重要ではない。
【0024】
第二の基準信号の瞬間値と第3の基準信号の瞬間値が同時に検出される場合は、好都合である。この方法で、二つの値が互いに固定され既知である位相関係を有することが保証される。
【0025】
第二の基準信号の周波数が、第一の基準信号の周波数と少なくとも部分的に強度変調された信号の周波数との間の差の周波数に等しい場合は、有利である。ステップvi)およびvii)でこのようにして起こるいわゆるホモダイン混合は、混合信号の二つの自己相関関数の値である、測定信号値を得ることを可能にし、従って強度変調信号の振幅と位相がこれらから計算されることができる。
【0026】
トリガ信号が第1の基準信号を強度変調信号に対して比例し位相がロックされた変調信号と混合することにより形成され、第2の基準信号をこのトリガ信号と結合して位相がロックされる本発明のバージョンは、特に望ましい。この結合を用いて、全ての信号の位相と周波数が既知となり互いに向かってドリフトしないことが容易に達成される。
【0027】
さらに、第1と第2の中間信号値の和が形成される場合は、好都合である。和の信号は直流成分のみを含むが、特に非相関または非強度変調の背景信号を考慮しており、ミキサーに衝突する全ての強度を測定できるようにする。
【0028】
第2と第3の基準信号の位相が互いに90度位相シフトされている場合は、互いに相関または自己相関関数に垂直な直角位相成分の値が、測定信号として得られる。
【0029】
装置に関しては、第1、第2、第3の基準信号用の信号源が備えられ、該第1の基準信号の周波数が該強度変調の周波数とは異なり、かつ少なくとも一つのミキサー装置素子が備えられ、該ミキサー装置素子は該強度変調信号を該第1の基準信号と混合するために備えられ、該装置は該ミキサー装置素子の出力信号を一方では該第2の基準信号と、また他方では該第3の基準信号と混合するための二つの機器を有し、該第2と第3の基準信号が相対的に互いに位相シフトされている装備により、本発明に従って目的が達成される。、
【0030】
ミキサー装置の本発明に従う設計は、時分割多重および空間分割多重なしで、ミキサー装置素子により放射された信号の二つの相関関数を検出出来るようにし、同時に単一の測定で強度変調信号の振幅と位相を測定出来るようにするので利点がある。ミキサー装置素子には二つ以上の読み出し電極の必要がないばかりか、時分割多重でのような、相関関数の個々の測定の間に第1の基準信号の位相位置をシフトすることも不必要である。
【0031】
相関関数の並列評価は、時分割多重装置よりも二つの因子により測定をより迅速にすることと、空間分割多重検出器を伴うチップとの比較では、ここでも二つの因子により、検出チップの充填率における増加を可能にする。
【0032】
装置がさらに強度変調信号用の信号源を有する場合は、好都合である。この信号が直接対象に導かれ、これに反射されて、ミキサー装置素子により検出されると、対象とミキサー装置素子の間の距離が検出された信号の位相位置から決定されることができる。
【0033】
強度変調信号用の信号源が電磁放射用の放射源である場合は、好都合である。この放射の望ましい周波数範囲は、可視または近赤外領域に存在する。
【0034】
電磁放射を検出するための装置は主として以下によりカバーされるが、請求される装置はまた、超音波用のミキサー装置素子と共に用いられることができる。
【0035】
ミキサー装置素子が、望ましくはPG−PMD素子またはMSM−PMD素子である、フォトミキシング装置である、本発明のバージョンが望ましい。本発明で用いられることができるようなMSM−PMD素子は、それらの間に存在する光導電性の半導体材料を伴う、二つの読み出し電極を有する。二つの読み出し電極は、光導電材料に伝導するように接続される。読み出し電極が第1の電気基準信号により変調される一方で、強度変調される放射は光導電材料層に衝突する。光導電層内で生成された電荷キャリアは、二つの読み出し電極の電場内を移動する。読み出し電極で生成された生成電流または電圧変動は、光導電層の電気伝導率と印加される基準電圧の積に依存する。入射電磁放射の強度と、強度変調と第1の基準信号の間の位相差に依存して、電流または電圧信号は読み出し電極でタップされる。しかしながらそのようなフォトミキシング装置は、特許文献4に記述されているように、より複雑な構成を有することができる。このようにして、基準電圧がそれに印加されることができる、追加の透明変調ゲートが光導電層の上に備えられることができ、読み出し電極は単に電流または電圧の変調、即ち混合信号を測定するためのみに用いられる。追加の変調ゲートを伴うそのようなPMD素子は、PG−PMD素子と呼ばれる。特許文献5に開示されるような、追加の記憶ゲート及び記憶構成を備える配置が、同様に用いられることができる。電極の形状は、特定の用途及びとりわけ例えば半導体シリコンまたはガリウム砒素である、用いられる光導電材料に依存する。それらは点状またはストリップ形状(MSM)であることができ、またはその他の幾何学的形状を有することができる。原則として、現状技術から既知である全てのミキサー装置素子が本発明に従う装置に用いられることができる。
【0036】
二つの読み出し電極の出力信号の間の差分信号を形成するための、望ましくは差動増幅器である機器を備える、本発明のバージョンが特に望ましい。ミキサー装置素子の出力信号の差分信号は、相関信号成分のみを含んでいる。
【0037】
ミキサーの出力信号の間の和を形成するための機器が備えられる場合、この和信号は、混合信号の非相関直流成分にのみ、従って非変調背景信号の強度に、依存する。このようにして得られた和信号は、例えば積分器である、信号処理機器で評価されることができる。
【0038】
本発明の特に望ましいバージョンでは、第2と第3の基準信号は、相対的に互いに90度位相シフトされている。この方法で、強度変調信号の位相と振幅が特に大きな精度で測定されることができる、偶と奇の相関関数がミキサーの出力で得られる。
【0039】
第2,第3の基準信号の周波数が、強度変調信号の強度変調の周波数と該第一の基準信号の間の差の周波数に等しく、第2、第3の基準信号がその差の周波数に組合せられて位相がロックされる場合は、好都合である。この方法で、二つの自己相関信号が二つのミキサーの出力で得られる。強度変調信号の位相は、これらから計算されることができる。
【0040】
ミキサー装置素子の二つの出力信号の間の差分信号が、いわゆるIQミキサーを用いて処理される、本発明のバージョンは特に望ましい。そのようなIQミキサーは、デジタルまたはアナログの部品として、市場で入手することができる。略語IQは、ミキサーへの入力信号が他の第3の基準信号と90度位相がシフトされた第2の基準信号と混合されることを意味する、「位相が直角位相である」ことに立脚する。位相の測定精度を向上させるために、ミキサー12、13はプッシュプルミキサーとして装置に存在する、ミキサー装置素子のように設計されることができる。
【0041】
本発明の代替のバージョンでは、互いに並列でミキサー装置素子の二つの出力信号の間に差を形成する二つの別個の差動増幅器が、IQミキサーまたは二つの別個のミキサー素子の代わりに備えられる。これらの差動増幅器がそれらの供給側又は電力側で変調信号と接続された場合、この信号はミキサー装置素子の出力信号の間の差分信号と直ちに混合される。先と同じように相対的に互いに位相がシフトされた二つの第2、第3の基準信号がこの差動増幅器に印加される場合は、相関関数に対応する信号が再度この差動増幅器の出力で得られる。
【0042】
アナログ−デジタルコンバータが、信号の方向で少なくとも一つの差動増幅器の後に、または二つのミキシング機器の後に備えられ、従ってそれ以降の信号処理がデジタル的に実行される、本発明のバージョンは特に望ましい。
【0043】
アナログ−デジタルコンバータの前のサンプルホールドリンクの積分時間が、第二の基準信号の周波数の逆数またはその整数倍に等しい場合は、好都合である。
【0044】
本発明の特に望ましいバージョンでは、装置の素子の少なくとも一部がチップ上に集積される。ミキサー装置素子、差動及び加算増幅器及びアナログ−デジタルコンバータが、チップ上の差動増幅器の後に集積される場合は、特に好都合である。この方法でデジタル信号が、特に第2、第3の基準信号との混合のための、さらなる処理のために取得される。さらに、それらの下流の構成要素を伴ういくつかのミキサー装置素子が、検出器アレイを形成するためにチップ上に集積されることができる。各々のミキサー装置素子は、3次元画像を検出するために画像検出チップの画素を形成する。そのチップがCMOSテクノロジを具体化している場合は、好都合である。
【0045】
本発明の代替のバージョンでは、各々の場合に一つまたはそれ以上のミキサー装置素子がチップ上で二つの下流の差動増幅器とそれぞれ集積され、従って直角位相信号がこの画像検出チップからアナログまたは同様にデジタルの形式で直ちに取得されることができるならば、好都合である。
【0046】
本発明の特に望ましいバージョンでは、ミキサー装置素子の読み出し電極が、望まれない電荷キャリア、特にミキサー装置素子の外の光により生成された電荷キャリアを除去する機器に接続されている。このようにして、プッシュプルの必要な信号は殆ど毀損されない一方で、基本的に非変調の外光により生成される同相信号は実質的に抑制、即ち特に線形のダイナミックレンジにされることができる。これらの除去機器は、周期的に動作される。
【0047】
この方法で、ミキサー装置素子内で起こる信号の集積は、一定の間隔で中断される。蓄積された電荷キャリアはその際に放電され、従って集積処理は新しく始めることができる。この方法で、ミキサー装置素子のオーバーフローが防止される。
【0048】
ミキサー装置素子のリセットに起因する、残りの機器の崩壊を可能な限り小さく維持するために、二つの読み出し電極またはミキサー装置の積分素子を、そのミキサー装置の出力信号の周期の長さの整数倍に対応する間隔で、リセットすることが好都合である。そのリセットが混合信号の発振のゼロクロスで起こるならば、さらに好都合である。
【0049】
リセットに起因する残りの回路の崩壊効果をさらに極小化するために、読み出し電極が回路の残りからミキサー装置素子を切り離す装置を伴って、結線されることが有利である。これらの切り離し装置は、基本的にリセット装置と同期して動作され、ミキサー装置がリセットされる時はいつでも残りの回路からミキサー装置を切り離す。切り離し装置は、信号の方向で除去装置の後に配置される。ミキサー装置素子の再接続、即ち二つの引き続く積分時間の開始が、リセットの直後で混合信号のゼロクロスがまだ続いている時におこるならば、好都合である。ミキサー素子の積分時間は、望ましくは混合信号の周波数の逆数の整数倍であるべきであり、かつさらに次のリセットの前に保持時間を持つべきである。
【0050】
電荷キャリアを除去する装置及びミキサー装置素子を切り離す装置は、単純なスイッチであることができ、または望ましいバージョンでは金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOS−FET)である。
【0051】
本発明のさらなる利点、特徴及び用途の可能性は、以下の望ましいバージョンの記述とそれに添付された図面から明瞭になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0052】
本発明の望ましいバージョンの模式図は、図1に示される。図を参照して、本発明に従う装置の望ましいバージョンと本発明に従う方法の動作モードの双方が、以下に記述される。
【0053】
この装置は、PMD素子として設計されるフォトミキシング素子1と、読み出し回路2を有する。PMDミキサー素子1と、アナログ−デジタルコンバータ11を含む読み出し回路2は、単一のチップ3に集積されている。デジタルIQミキサー回路4は、チップ3の外部に配置されている。
【0054】
代替案としてIQミキサー回路4は、同様にアナログ回路の形式で設計されることができ、他のモジュール1,2と共にチップ3に集積されることもできる。
【0055】
示されたMSM−PMDミキサー素子1は、それらの間に構成された光導電半導体層に導電的に接続された二つの読み出し電極を含む。このPMDミキサー素子1は、プッシュプル動作のために結線されている。検出過程のよりよい理解のために、PMDミキサー素子1は二つの別個のミキサー1a、1bおよび入射電磁放射用の検出器1cを伴う等価回路として表わされる。検出器1cでは、入射電磁放射P(t)は、電流信号I(t)=SP(t)に変換される。ここでSはミキサー装置素子の感度である。
【0056】
この等価回路は、相対的に互いに反転された二つの基準信号がPMDミキサー素子の二つの読み出し電極に存在し、かつ相関信号に対しては、同様に相対的に互いに反転された混合信号がPMDミキサー素子1の二つの読み出し電極で取り出されることができることを、特に明らかにする。
【0057】
非相関信号P(t)、±U(t)は常に、I(t)およびI(t)に対する等価平均値の、P(t)またはΔU(t)の期間の最長関連信号の和または最短時間にわたるそれらの積分またはそれらの整数倍になる。
【0058】
相関信号P(t)、±U(t)は常に、I(t)およびI(t)に対する等価プッシュプル値の、P(t)またはΔU(t)の期間の最長関連信号の和または最短時間にわたるそれらの積分またはそれらの整数倍になる。
【0059】
PMDミキサー素子1の読み出し電極の一つは、第1の基準電圧U(t)によりインパクトを受ける。他方それとは反転された基準信号−U(t)は、PMDミキサー素子1の第2の読み出し電極に印加される。二つの基準信号U(t)および−U(t)の周波数または角周波数ωは、同一である。基準信号は任意の周期信号または準周期信号であることができ、単純化のために以下では、双方の基準信号はU(t)=cosω・tの形式の余弦信号であると仮定される。
【0060】
A・sin(ωt−Φ)の形式の強度変調光放射信号P(t)が、PMDフォトミキサー1の光導電半導体層に衝突する。Aは光放射信号の振幅、ωはその周波数、Φは信号の位相位置である。電磁入力信号P(t)は、光ミキシング装置で電流信号I(t)に変換される。
【0061】
入射電磁放射の強度変調の変調周波数は、示されるバージョンでは20MHzである。
【0062】
このために、基準信号Uおよび−Uの周波数は50KHzシフトされ、従って20.05MHzである。
【0063】
電磁入力信号P(t)またはその電流信号I(t)は、PMDミキサー素子1でプッシュプル動作により基準信号U(t)と混合される。この方法により、相対的に互いに反転された二つの信号I(t)、I(t)が、I(t)〜Asin(Δωt−Φ)およびI(t)〜A−sin(Δωt−Φ)の形式で、PMDミキサー素子1の読み出し電極で得られる。Δωは、光放射信号P(t)または電気基準信号U(t)の角周波数ω,ωの間の差である。
【0064】
PMDミキサー素子1の出力信号I(t)、I(t)は、読み出し回路2を用いて読み出される。読み出し回路2は、基本的に差動および加算増幅器9,積分器10,アナログ−デジタルコンバータ11からなる。PMDミキサー1の出力信号の間の差I(t)−I(t)および和I(t)+I(t)の双方が、差動および加算増幅器9を用いて形成される。和信号UΣは、PMG素子上に衝突する電磁電流の非相関信号成分に依存し、従ってそれに続く積分器10で積分される和信号は、検出器に突き当たる非変調の放射の強度の測定値である。
【0065】
差動増幅器の出力信号UΔ(t)は、項Asin(Δωt−Φ)に依存する、電圧信号である。それは、変調放射信号の振幅Aとその位相位置Φの、双方についての情報を含んでいる。
【0066】
本発明の示されるバージョンでは、差分信号UΔ(t)は、同様にチップ3上に配置されたアナログ−デジタルコンバータ11を用いて、デジタル信号UΔ(KT)に変換される。アナログ−デジタルコンバータ11のサンプルホールドリンクのクロック周波数は、光放射信号P(t)と第1の基準信号U(t)の間の、混合信号の周波数Δf=Δω/2πに対応する。デジタル化された出力信号UΔ(KT)は、チップから引き出され、デジタルIQミキサー回路4に入力される。しかしながら代替のバージョンではアナログ−デジタルコンバータ11は取り除かれ、IQミキサー回路4はまたアナログ型式であることができる。
【0067】
ここで、デジタル化された差分信号UΔは、二つの別個のミキサーに並行に導かれる。それらはそこで、第2または第3の基準信号U(t)またはU(t)と、各々混合される。信号源14,15により生成された第2および第3の基準信号U(t)、U(t)は、強度変調放射信号P(t)および第1の基準信号U(t)の間の混合信号と同じ角周波数Δωを有する。
【0068】
基準信号U(t)とU(t)はさらに、信号源14,15または5,6,8の間の点線の接続で表示される、混合信号UΔ(t)と結合されて位相をロックされる。この結合を実行するために、第1の基準信号はさらに信号源8の変調器を駆動する信号と混合される。このように生成されたトリガ信号はまた角周波数Δωを有し、混合信号UΔ(t)に対して固定された位相関係を有する。第2、第3の基準信号のための信号源13,14は、UΔ(t)への結合と同時に起こるように、トリガ信号に結合されて位相をロックされる。
【0069】
第2の基準信号U(t)はまた同相の信号とも呼ばれ、その差分信号UΔ(KT)に対する絶対位相位置は任意に選択されてよい。第3の基準信号U(t)は直角位相信号とも呼ばれ、第2の基準信号U(t)に対して90度位相がシフトされている。従って第2、第3の基準信号U(t)、U(t)は同様に、正弦および余弦信号と呼ばれることができる。二つのミキサー素子12,13の出力信号は、ホモダイン混合が関係しているので、光放射信号P(t)の位相位置Φの正弦または余弦に依存する。従ってミキサー12,13の出力信号は、偶の(正弦)または奇の(余弦)自己相関関数に対応する。光放射信号P(t)の位相位置Φは、これら二つの関数からarctan((sin−Φ)/(cos−Φ))として計算されることができる。加算リンク器16,17はミキサー素子12,13の出力信号の足しあわせを可能にし、この加算はアナログ−デジタルコンバータ11のサンプルホールドリンクのクロック周波数の逆数TΔ=1/Δfに対応する。
【0070】
本発明の他のバージョンが、図2に模式的に示される。変調された電磁放射P(t)のMSM−PMDミキサー素子1’および信号源8’、また基準信号U(t)、−U(t)用の信号源5’、6’は、図2のそれらに同一である。しかしながら、PMD素子1’の二つの読み出し電極は各々が、読み出し回路2’の二つの並列に接続された差動増幅器20’、21’に接続されている。さらに、PMD素子1’の二つの読み出し電極は、読み出し電極上の二つの信号の和を形成するために、加算増幅器に接続されている。しかしながらこの加算増幅器は、単純化のために図示されていない。
【0071】
PMD素子1’の読み出し電極の二つの信号I(t)、I(t)の間の差は、差動増幅器20’、21’で形成される。電力の接続は、第2または第3の基準信号U(t)またはU(t)により影響される。これらの信号は、図1に示されるバージョンの信号源14,15と同一である、信号源22’または23’により生成される。基準信号U(t)、U(t)の周波数は、PMD素子上に衝突する電磁放射P’(t)の強度変調の周波数と第1の基準信号U’(t)の周波数の間の差の周波数に等しい。さらに、信号源22’、23’は、この周波数の信号に位相がロックされている。
【0072】
差動増幅器20’、21’の非線形特性のために、差分信号U’Δがこの差動増幅器で形成されるのみならず、この差分信号は基準信号U(t)またはU(t)と同時に混合される。従って信号の直角位相成分または偶と奇の自己相関関数が、差動増幅器20’、21’の出力で直ちに得られる。二つの差動増幅器20’、21’の後の信号は、図1に示されるバージョンのミキサー12、13の後の信号に対応する。直角位相信号は図2ではアナログ形式で表示されるので、アナログ−デジタルコンバータ24’または25’は差動増幅器20’、21’の後に配置され、従って直角位相信号はさらなる処理のために、チップ3’からデジタル形式で取り出されることができる。
【0073】
図1及び2に表わされるPMD素子1、1’及び読み出し回路2、2’は、画像検出のための2次元アレイからのセグメントを表わす。各々のPMD素子1、1’には、読み出し回路2、2’と二つのさらなるミキサーが割り当てられる。点線の境界3’の内部にある素子は、各々が画像検出チップ上に集積され、従ってこれはさらなる信号及び画像処理のためにデジタル信号を出力する。
【0074】
本発明の代替のバージョンが、概要をより判りやすくするために、強度変調放射信号P”(t)のためのPMDミキサー素子1”、信号源5”、6”、8”及び第1の基準信号U”(t)及び差動増幅器9”のみが表わされた、図3に示される。この点で図示された装置は、図1に示されるバージョンと構造的に同一である。PMDミキサー素子はPG−PMD素子であり、従って図1、2からのMSM−PMD素子と比較して、読み出し電極の代わりに第1の基準信号にプッシュプル動作で接続された、二つの追加の変調ゲートを有する。このPG−PMD素子は、生成された記号信号の統合を引き起こす、追加の散乱キャパシタンス31”又は32”を示す。
【0075】
従って図示される装置は、図1、2に示されるバージョンと比較して、PMDミキサー素子に集積される電荷を除去するため、及びPMDミキサー素子1”を残りの回路配置と切り離すための、追加の機器を有する。
【0076】
PMD素子1”に集積される電荷キャリアを除去する素子は、二つのスイッチ26”、27”からなり、それらが閉になると、素子の読み出し電極を経由してPMDミキサー素子からアース28”へ、電荷キャリアを直接放電する。スイッチとして模式的に示される素子26”、27”は、MOSFETトランジスタとして実現される。これらのスイッチは同時に周期的に動作され、従ってある予め定められた積分期間の後には、PMD素子1”はリセットされ、全ての電荷キャリアの集積は放電されることができる。この方法では、素子1”のオーバーフローが防止されるので、これは利点である。二つのリセット処理の間の積分期間は、信号I(t)またはI(t)の複数の変調周波数の正確な積分である。
【0077】
このPMD素子1”の周期的なリセットの、下流読み出し回路9”への、及び従って混合信号U”Δ(t)への干渉を防止するために、PMD素子1”を読み出し回路2”から切り離すための機器29”が、追加で備えられる。従ってPMD素子1”を切り離すための機器29”は、スイッチ30”として模式的に示される、二つのさらなるMOSFETからなる。どちらの場合も、スイッチ素子26”、27”を閉じてPMD素子1”をリセットする直前に、PMD素子1”はスイッチ30”を用いて以下の読み出し回路から切り離され、従ってリセットは以下の回路2”といかなる干渉も起こさない。図示されるバージョンでは、PMD素子1”が以下の読み出し回路3”から切り離される周期は、混合信号I”(t)、I”(t)の周期の整数倍である。さらに干渉を最小化するためにPMD素子1”は、混合信号I”(t)、I”(t)のゼロクロスの期間中に、精密に読み出し回路に再度接続される。
【0078】
本記述、図面及び請求項から当業者に明かされる全ての特徴は、例えそれらが特定のさらなる特徴と関連してのみ特に記述されたとしても、それが明示的に除外され、または技術的条件がそのような組合せを不可能で意味がないとしない限り、個々にまたは任意の所望の組合せの双方で組合せられることができることが、開示の独創性を期すために指摘される。特徴の全ての考えうる組合せの包括的明示表現は、記述の簡潔性と読みやすさのためにのみここでは割愛されている。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明に従う方法を実施するための、本発明に従う装置の第1バージョンを模式的に示す。
【図2】本発明に従う方法を実施するための、本発明に従う装置の代替バージョンを模式的に示す。
【図3】本発明に従う装置の第3バージョンを模式的に示す。
【符号の説明】
【0080】
1,1’、1” フォトミキサー素子
1c,1c’、1c” 等価回路におけるフォトミキサー素子1,1’、1”の要素
1a,1a’、1a” 等価回路におけるフォトミキサー素子1,1’、1”の要素
1b,1b’、1b” 等価回路におけるフォトミキサー素子1,1’、1”の要素
2,2’、2” 読み出し回路
3,3’ チップ
4 デジタルIQミキサー素子
5,6;5’,6’;5”,6” 基準信号源
8,8’、8” 変調した電気放射源
9,9” 差動および加算増幅器
10 積分器
11 アナログ−デジタルコンバータ
12,13 ミキサー素子
14,15 信号源
16,17 加算リンク器
20’、21’ 並列接続の差動増幅器
22’、23’ 信号源
24’、25’ アナログ−デジタルコンバータ
26”、27” スイッチ
28” アース
29” PMD素子を読み出し回路から切り離す装置
30” スイッチ
31”、32” 散乱キャパシタンス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
i)少なくとも部分的に強度変調された信号(P(t))の瞬間値を検出し、
ii)強度変調の周波数(ω)とは異なる周波数(ω)を有する、第1の基準信号(U(t))の瞬間値を検出し、
iii)混合信号値(UΔ)を得るために、該少なくとも部分的に強度変調された信号(P(t))の検出された瞬間値を、該第1の基準信号(U(t))の検出された瞬間値と混合し、
iv)該第1の基準信号の周波数(ω)及び該強度変調の周波数(ω)の双方と異なる周波数(Δω)を有する、第2の基準信号(U(t))の瞬間値を検出し、
v)該第2の基準信号と同じ周波数(Δω)を有するが、該第2の基準信号(U(t))に対して位相シフトされている、第3の基準信号(U(t))の瞬間値を検出し、
vi)第1の測定信号値を得るために、該混合信号値(UΔ)を該第2の基準信号(U(t))の検出された瞬間値と混合し、
vii)第2の測定信号値を得るために、該混合信号値(UΔ)を該第3の基準信号(U(t))の検出された瞬間値と混合し、及び
viii)該二つの測定信号値から該少なくとも部分的に強度変調された信号(P(t))の振幅及び/又は位相位置を計算する、
ステップからなる、少なくとも部分的に強度変調された信号(P(t))の振幅及び/又は位相位置を検出する方法。
【請求項2】
ステップiii)が、以下の
a)少なくとも第1の中間値(I)を得るために、該少なくとも部分的に強度変調された信号(P(t))の検出された瞬間値を該第1の基準信号(U(t))の検出された瞬間値と混合し、
b)少なくとも第2の中間値を得るために、該少なくとも部分的に強度変調された信号(P(t))の瞬間値を該第1の基準信号(U(t))の−1倍した瞬間値と混合し、
c)該混合信号値(UΔ)を得るために、該第1と第2の中間値の間の差を形成する、ステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ステップi)、ii)及びiii)が同時に実行されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
該第1の基準信号(U(t))の瞬間値及び、該少なくとも部分的に強度変調された信号(P(t))の瞬間値が、同時に検出されることを特徴とする、請求項1乃至2のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
ステップvi)及びvii)が同時に実行されることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
該第2の基準信号(U(t))の瞬間値及び、該第3の基準信号(U(t))の瞬間値が、同時に検出されることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
該第2の基準信号の周波数が、該第1の基準信号(U(t))の周波数(ω)と該少なくとも部分的に強度変調された信号(P(t))の周波数(ω)の間の差に等しいことを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
該第1の基準信号(U(t))を、該強度変調信号と、周波数が同じで、比例し、位相ロックされた、ある変調信号と混合してトリガ信号を形成し、かつ該第2の基準信号が該トリガ信号と結合されて位相ロックされることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
該第1と第2の中間信号値の和が形成されることを特徴とする、請求項2乃至8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
該第2と第3の基準信号の位相は、相対的に互いに90度シフトされていることを特徴とする、請求項1乃至9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
該強度変調放射は、電磁放射であり、望ましくは可視のスペクトル領域であり、特に望ましくは赤外のスペクトル領域であることを特徴とする、請求項1乃至10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
請求項1乃至10のいずれかに記載の処理を実行する装置。
【請求項13】
第1、第2、第3の基準信号用の信号源が備えられ、該第1の基準信号の周波数が該強度変調の周波数とは異なり、かつ少なくとも一つのミキサー装置素子が備えられ、該ミキサー装置素子は該強度変調信号を該第1の基準信号と混合するために備えられ、該装置は該ミキサー装置素子の出力信号を該第2の基準信号及び該第3の基準信号と混合するための二つの機器を有し、該第2と第3の基準信号が相対的に互いに位相シフトされていることを特徴とする、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
該ミキサー装置素子は、二つの読み出し電極を有することを特徴とする、請求項12または13に記載の装置。
【請求項15】
該二つの読み出し電極の出力信号の間の差分信号を形成するための、望ましくは差動増幅器である機器を有することを特徴とする、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
該差分形成機器が、信号の方向に対して該ミキシング機器の前に配置されることを特徴とする、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
該第2と第3の基準信号の位相が、相対的に互いに90度位相シフトされていることを特徴とする、請求項12乃至16のいずれかに記載の装置。
【請求項18】
該二つの読み出し電極の出力信号の間の和信号を形成するための、望ましくは加算増幅器である機器を有することを特徴とする、請求項12乃至17のいずれかに記載の装置。
【請求項19】
該ミキサー装置素子は、望ましくはPG−PMD素子またはMSM−PMD素子である、フォトミキシング装置であることを特徴とする、請求項12乃至18のいずれかに記載の装置。
【請求項20】
該第1の基準信号を反転した基準信号用の信号源を有し、かつ該ミキサー装置素子が該第1の基準信号に備えられ、また該強度変調信号を混合するために該信号が反転されることを特徴とする、請求項12乃至19のいずれかに記載の装置。
【請求項21】
該第2,第3の基準信号の周波数は、該放射の強度変調の周波数と該第一の基準信号の周波数の間の差の周波数に等しく、該第2、第3の基準信号は該強度変調放射の周波数と該第一の基準信号の周波数の間の差の周波数を伴う、これに結合されて位相がロックされることを特徴とする、請求項12乃至20のいずれかに記載の装置。
【請求項22】
該強度変調信号用の信号源を有することを特徴とする、請求項12乃至21のいずれかに記載の装置。
【請求項23】
該強度変調信号用の信号源は電磁放射用の信号源であり、望ましくは可視のスペクトル領域の放射用であり、特に望ましくは赤外のスペクトル領域であることを特徴とする、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
該信号源は、500kHzと500MHzの間の周波数、望ましくは1MHzと100MHzの間の、特に望ましくは20MHzの周波数を伴う信号の強度変調用の機器を有することを特徴とする、請求項22または23に記載の装置。
【請求項25】
該強度変調信号の強度変調の周波数と該第一の基準信号の周波数の間の差の周波数は、1kHzと100kHzの間、望ましくは30kHzと70kHzの間、特に望ましくは50kHzであることを特徴とする、請求項12乃至25のいずれかに記載の装置。
【請求項26】
少なくとも二つのミキシング機器が並列に接続されることを特徴とする、請求項12乃至25のいずれかに記載の装置。
【請求項27】
該ミキシング機器がデジタル回路技術を用いていることを特徴とする、請求項12乃至26のいずれかに記載の装置。
【請求項28】
該ミキシング機器がIQミキサー素子に集積されることを特徴とする、請求項12乃至27のいずれかに記載の装置。
【請求項29】
該ミキシング機器が少なくとも二つの差動増幅器であり、第一の差動増幅器の供給接続が該第2の基準周波数で変調され、第二の差動増幅器の供給接続が該第3の基準周波数で変調されることを特徴とする、請求項12乃至28のいずれかに記載の装置。
【請求項30】
該強度変調放射の位相位置を測定する評価ユニットが、信号の方向で該ミキシング機器の後に備えられることを特徴とする、請求項12乃至29のいずれかに記載の装置。
【請求項31】
アナログ−デジタルコンバータが、信号の方向で該差動増幅器の後に備えられることを特徴とする、請求項12乃至30のいずれかに記載の装置。
【請求項32】
該アナログ−デジタルコンバータのサンプルホールドリンクの積分時間が、該第二の基準信号の周波数の逆数に等しいことを特徴とする、請求項12乃至31のいずれかに記載の装置。
【請求項33】
該装置の素子の少なくとも一部が、チップ上に集積されることを特徴とする、請求項12乃至32のいずれかに記載の装置。
【請求項34】
該ミキサー装置素子の該読み出し電極が、該ミキサー装置素子から電荷キャリアを除去するための機器に接続されることを特徴とする、請求項12乃至33のいずれかに記載の装置。
【請求項35】
該ミキサー装置素子を残りの装置から切り離すための機器が備えられることを特徴とする、請求項12乃至34のいずれかに記載の装置。
【請求項36】
除去及び/又は切り離すための機器がトランジスタ、望ましくはMOS−FETであることを特徴とする、請求項34または35に記載の装置。
【請求項37】
マッピングレンズシステムおよび請求項12乃至36のいずれかに記載の装置のアレイを有する、3Dカメラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−78490(P2006−78490A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−263349(P2005−263349)
【出願日】平成17年9月12日(2005.9.12)
【出願人】(505123538)ピーエムディー テクノロジーズ ゲーエムベーハー (3)
【氏名又は名称原語表記】PMD Technologies GmbH
【Fターム(参考)】