信号処理に関する改良
無線周波数信号をサンプリングする方法は、無線周波数信号を受信して、無線周波数信号と発振器信号とを用いて光信号を変調して、変調された信号を生成して、変調された信号にフィルタをかけて、中間周波数信号を生成して、幾つかの光学的にインターリーブされたアナログ対ディジタル変換器を使用して、中間周波数信号をサンプリング周波数でサンプリングすることを含み、フィルタは、中間通過帯域と中間ロールオフとを有しており、中間通過帯域と中間ロールオフとを組み合わせて、第1の帯域幅を有する中間周波数帯域を規定している。サンプリング周波数の半分の連続する倍数間に、中間周波数帯域が規定されるように、発振器信号とサンプリング周波数とを組み合わせて構成する。更に、無線周波数信号をサンプリングするための、対応する装置も開示されている。更に、上述と同様の技術を使用して、無線周波数信号を合成する装置と方法が開示されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線周波数信号の処理に関する改良に関係する。本発明は、特に、受信信号の曖昧でない確実な(unambiguous)ダウンコンバージョンの問題と、無線周波数信号を合成する問題とに応用できる。本発明は、無線周波数信号をディジタル方式で処理する装置に対するインターフェイスに応用されると期待される。
【背景技術】
【0002】
無線周波数信号の処理を容易にするために、無線周波数スペクトルの大きなセクションをサンプリングすることが、多くの応用において必要とされている。無線周波数スペクトルは、約0.5GHz乃至約30GHzの周波数範囲をカバーしている。しかしながら、一般に利用可能な従来の受信機は、数MHzのみの周波数帯域で動作している。従来の受信機を約300MHzの帯域幅まで機能させることができるが、帯域幅がより大きくなるのに従って、従来の受信機の周波数応答は、幾つかの応用に対して十分に均一でなくなる場合がある。従って、全無線周波数スペクトルのより広い範囲にわたってサンプリングするために、このような従来の受信機の幾つかを組み合わせることが提案された。しかしながら、必要な数の受信機を組み合わせることは困難であるので、無線周波数スペクトルの大きな部分にわたってサンプリングすることは、依然として困難である。ディジタル方式で生成された信号から無線周波数信号を合成する問題に対して、同様の問題がある。
【0003】
無線周波数スペクトルの広い範囲にわたってどのようにして曖昧でなく確実にサンプリングするかという問題と、これに対応して、無線周波数スペクトルの広い範囲にわたってどのようにして信号を合成するかという問題とを検討した結果として、本発明が生成された。
【発明の概要】
【0004】
本発明の第1の態様によると、無線周波数信号をサンプリングする方法であって、前記無線周波数信号を受信するステップと、前記無線周波数信号と発振器信号とを用いて光信号を変調して、変調された信号を生成するステップと、前記変調された信号にフィルタをかけて、中間周波数信号を選択するステップと、前記中間周波数信号をサンプリング周波数でサンプリングするステップと、を含み、前記フィルタは、中間通過帯域と中間ロールオフとを有しており、前記中間通過帯域と前記中間ロールオフとを組み合わせて、第1の帯域幅を有する中間周波数帯域を規定しており、前記サンプリング周波数の半分の連続する倍数間に、前記中間周波数帯域が規定されるように、前記発振器信号と前記サンプリング周波数とを組み合わせて構成する、方法を提供する。前記中間周波数信号をサンプリングするステップは、幾つかの光学的にインターリーブされたアナログ対ディジタル変換器を使用して達成され得る。
【0005】
幾つかの光学的にインターリーブされたアナログ対ディジタル変換器を使用して得ることができる高いサンプリング周波数と、本質的に広帯域の光周波数の変換プロセスとを組み合わせることによって、無線周波数スペクトルの広い範囲にわたってサンプリングし、一方で、フィルタのロールオフに対して利用可能な帯域幅を確保することによってナイキスト境界における曖昧さを回避して、扱い易いフィルタリング要件を維持することができる。
【0006】
前記無線周波数信号の前記周波数と無関係に、前記サンプリング周波数の半分の連続する倍数間に、前記中間周波数帯域を規定できるように、前記発振器信号の周波数は可変であり得る。前記発振器信号の前記周波数は、同調可能であり得る。その代わりに、前記発振器信号の前記周波数は、幾つかの固定周波数発振器信号間で切換え可能であってもよい。幾つかの固定周波数間で切換え可能な発振器信号を使用すると、発振器周波数を同調させるときの遅延が回避される。
【0007】
無線周波数信号を受信するステップは、帯域を規定するフィルタ(band-defining filter)を無線周波数信号にかけるサブステップを含んでもよく、前記帯域を規定するフィルタは、帯域を規定する通過帯域と、帯域を規定するロールオフとを有しており、前記帯域を規定する通過帯域と前記帯域を規定するロールオフとを組み合わせて、前記第1の帯域幅にほぼ等しい第2の帯域幅を規定している。動作が要求される周波数の範囲が広い場合に、第2の帯域幅が第1の帯域幅にほぼ等しいことが、特に好都合である。前記帯域を規定する通過帯域は、幾つかの固定周波数帯域間で切換え可能であり得る。帯域を規定するフィルタは、切換え可能なフィルタバンクであり得る。高いサンプリング周波数は、ほんの少数のフィルタが必要であることを意味するので、幾つかの固定周波数間でフィルタの通過帯域を切換えることができるフィルタバンクの使用が可能である。例えば、サンプリング周波数が、毎秒8ギガサンプルである場合に、曖昧でない帯域幅は4GHzである。これは、1GHzのフィルタのロールオフを考慮して、2GHzの帯域幅の7個の間隔で、4GHz乃至18GHzの無線周波数スペクトルをサンプリングすることを可能にする。この場合は、7つのみのフィルタが必要である。これは、複雑な同調フィルタを不要にして、フィルタの通過帯域を同調させるときの遅延を回避するので、広い帯域幅をサンプリングする特に便利なやり方を示している。切換え可能な発振器周波数と組み合わせて、フィルタバンクを使用すると、特に便利である。
【0008】
前記中間周波数信号は、ゼロの周波数と、前記サンプリング周波数の半分との間に規定され得る。
【0009】
前記サンプリング周波数は、毎秒1ギガサンプルを超えていてもよく、より好ましくは毎秒5ギガサンプルを超えており、更により好ましくは毎秒8ギガサンプルを超えている。
【0010】
幾つかのアナログ対ディジタル変換器を光学的にインターリーブする前記ステップは、光信号を前記中間周波数信号で変調して、光学的に搬送される中間周波数信号を生成するサブステップと、パルス信号を光整流子スイッチに通して、幾つかのインターリーブされたパルスを生成するサブステップと、幾つかの光検出器において、前記インターリーブされたパルスを検出するサブステップと、を含み、前記光検出器の各々は、前記アナログ対ディジタル変換器のうちの1つに関連付けられ得る。ここでは、「光整流子スイッチ(optical commutator switch)」という用語を使用して、光スイッチのツリー、又は光デマルチプレクサとして機能するように構成された光スイッチのマトリックスを指していることが分かるであろう。
【0011】
本発明の第2の態様によると、無線周波数信号をサンプリングするサンプリング装置であって、前記無線周波数信号を受信する受信機と、前記無線周波数信号と発振器信号とを用いて光信号を変調して、変調された信号を生成する変調器と、前記変調された信号にフィルタをかけて、中間周波数信号を選択するように動作可能なフィルタと、前記中間周波数信号をサンプリング周波数でサンプリングするサンプラと、を具備しており、前記フィルタは、中間通過帯域と中間ロールオフとを有しており、前記中間通過帯域と前記中間ロールオフとを組み合わせて、第1の帯域幅を有する中間周波数帯域を規定しており、前記サンプリング周波数の半分の連続する倍数間に、前記中間周波数帯域が規定されるように、前記発振器信号と前記サンプリング周波数とを組み合わせて構成する、サンプリング装置を提供する。
【0012】
本発明の第3の態様によると、無線周波数信号を合成する方法であって、幾つかの光学的にインターリーブされたディジタル対アナログ変換器を使用して、ディジタル信号から中間周波数信号を生成するステップと、前記中間周波数信号と発振器信号とを用いて光信号を変調することによって、変調された信号を生成するステップと、第1のフィルタを前記変調された信号にかけて、前記無線周波数信号を選択するステップと、を含み、前記第1のフィルタは、第1の通過帯域と第1のロールオフとを有しており、前記第1の通過帯域と前記第1のロールオフとを組み合わせて、第1の帯域幅を規定しており、前記第1の帯域幅が、有効サンプリングレートの半分の連続する倍数間に規定される帯域幅以下になるように、前記ディジタル信号の前記有効サンプリングレートを選択する、方法を提供する。
【0013】
本発明の第4の態様によると、無線周波数信号を合成する合成装置であって、幾つかの光学的にインターリーブされたディジタル対アナログ変換器を使用して、ディジタル信号から中間周波数信号を生成する手段と、前記中間周波数信号と発振器信号とを用いて光信号を変調する変調器と、前記変調された信号から前記無線周波数信号を選択するように動作可能な第1のフィルタと、を具備しており、前記第1のフィルタは、第1の通過帯域と第1のロールオフとを有しており、前記第1の通過帯域と前記第1のロールオフとを組み合わせて、第1の帯域幅を規定しており、前記第1の帯域幅が、有効サンプリングレートの半分の連続する倍数間に規定される帯域幅以下になるように、前記ディジタル信号の前記有効サンプリングレートを選択する、合成装置を提供する。
【0014】
本発明の第5の態様によると、前記サンプリング装置と、合成装置と、ディジタル無線周波数メモリは、無線周波数信号を受信して、前記無線周波数信号をディジタル方式で処理して、前記処理された無線周波数信号を再送信するように、組み合わせて動作することができる、上述において定義されているサンプリング装置と、上述において定義されている合成装置と、ディジタル無線周波数メモリとを提供する。
【0015】
次に、添付の図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を例示的に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1a】本発明の第1の実施形態に従って、受信信号を処理するステップを示している。
【図1b】本発明の第1の実施形態に従って、受信信号を処理するステップを示している。
【図1c】本発明の第1の実施形態に従って、受信信号を処理するステップを示している。
【図2】図1a乃至1cに示されているステップを行なうように動作可能な周波数ダウンコンバータの概略図である。
【図3】図2に示されている第1の実施形態の一部分を形成している切換えフィルタバンクの応答を概略的に示している。
【図4】図2に示されている第1の実施形態のコンポーネントを更に詳しく示す概略図である。
【図5a】本発明の第2の実施形態に従って、無線周波数信号を合成することができるステップを示している。
【図5b】本発明の第2の実施形態に従って、無線周波数信号を合成することができるステップを示している。
【図5c】本発明の第2の実施形態に従って、無線周波数信号を合成することができるステップを示している。
【図6】図5a乃至5cに示されているステップを行なうように動作可能な合成装置の概略図である。
【図7】図6に示されている第2の実施形態のコンポーネントを更に詳しく示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
後述の本発明の実施形態は、無線周波数信号のサンプリング及び合成のための方法と装置とを提供している。このような方法と装置は、ディジタル無線周波数メモリ又はディジタルオシロスコープに対するインターフェイスに応用されると考えられる。
【0018】
図1a乃至1cは、本発明の実施形態に基づくサンプリング方法において行なわれるステップを概略的に示している。図1a乃至1cの各々は、周波数領域の信号の振幅のプロットである。図1aには、帯域を規定するフィルタによって規定された受信信号が示されている。受信信号は、陰影を付けたエリア100によって示されているが、図1a乃至1cに関連して概略的に示されている方法によって、陰影を付けたエリア内の任意の信号を更に処理できることが分かるであろう。帯域を規定するフィルタは、参照番号110によって表されている点線によって示されている中心周波数fcと、矢印120によって示されている通過帯域と、参照番号130によって表されている点線によって示されているロールオフ領域とを有する。この信号は、光ミキサを使用して周波数変換され、フィルタにかけられた受信信号を使用して、光信号を変調して、次に、周波数fIoの局部発振器を使用して、光信号を更に変調する。結果として得られた光信号を、電気信号に再び変換する。電気信号は、fIo±fcに信号のスペクトルのレプリカを有する。図1bは、このプロセスを表している。即ち、図1bは、110における元の中心周波数と、150における局部発振器信号fIoと、低い方の周波数スペクトルのレプリカとを示しており、低い方の周波数スペクトルのレプリカは、中心周波数がftであり、中心周波数ftは、点線140によって示されている。高い方の周波数スペクトルのレプリカは、示されていない。図1cは、最後の帯域フィルタをかけた後の信号を示している。図1cは、図1aに示されている幅に等しい幅の通過帯域であって、ftに中心を置く通過帯域と、点線160によって示されているロールオフとを有している。
【0019】
帯域フィルタをかけた後の残りの信号は、図1cの陰影を付けた領域によって示されている。この残りの信号は、点線170によって示されているサンプリング周波数fsでサンプリングされるのに適している。対応するナイキスト周波数fnは、図1cにおいて点線180によって概略的に示されており、サンプリング周波数fsの半分に等しい。対応するナイキスト周波数fnが、点線160によって示されているフィルタのロールオフの高い方の端部よりも高くなるほど、サンプリング周波数は十分に高い。従って、サンプリングされる信号の全帯域幅と、使用されるフィルタのロールオフ特性を考慮した十分な帯域幅とが、サンプリング周波数によって規定されるベースバンド内に含まれる。後述の実施形態では、適切な帯域を規定するフィルタを選択することによって、信号の帯域幅を2GHzに規定する。毎秒8ギガサンプル(giga-samples per second, GS/s)のサンプリングレートを選択することによって、1GHzのフィルタのロールオフが与えられる。
【0020】
本発明の第1の実施形態に基づくサンプリング装置200が、図2に示されている。サンプリング装置200は、入力無線周波数信号を2段階で処理する。第1に、信号をベースバンド周波数に光学的に周波数変換する。サンプリング装置が機能するサンプリングレートによって、ベースバンド周波数が規定される。第2に、周波数変換された信号を、幾つかのアナログ対ディジタル変換器によってサンプリングする。幾つかのアナログ対ディジタル変換器は、光整流子スイッチを使用してインターリーブされている。
【0021】
入力無線周波数信号は、アンテナ205によって受信されて、サンプリング装置によって処理されて、ディジタル信号が生成される。ディジタル信号は、ディジタル無線周波数メモリ255に渡される。装置200は、4GHz乃至18GHzの周波数帯域にわたって機能して、約2GHzの瞬時帯域幅の無線周波数信号を処理するように設計されている。受信信号は、帯域を規定するフィルタ210に渡される。フィルタ210は、サンプリング装置によってサンプリングされる2GHzの帯域を規定する。当該実施形態において、フィルタの通過帯域は、2GHzの幅であり、通過帯域よりも1GHz高い周波数と低い周波数とにおいて40dBで阻止する。
【0022】
当該実施形態では、フィルタ210は、切換え可能なフィルタバンクによって提供される。1GHzのステップで、5GHzから19GHzまで、フィルタの中心周波数を切換えて、連続する通過帯域を重ね合わせることができる。これは、図3に概略的に示されている。図3は、周波数に対する入力フィルタバンクの周波数応答のプロット300を示している。フィルタバンクのフィルタは、2つの重なり合っているグループで示されている。即ち、参照番号310で表示されている実線のグループと、参照番号320で表示されている点線のグループである。分かり易くするために、フィルタバンク210中のフィルタの全てが、図3に示されているとは限らないことが分かるであろう。しかしながら、連続する通過帯域が重なり合っているので、1GHzまでの帯域幅の任意の受信信号を全て確実に処理できることに留意すべきである。
【0023】
フィルタにかけられた受信信号を変調器215に入力として供給して、これを使用して、レーザダイオード220によって供給された光信号を変調する。変調器215は、0.5GHz乃至18GHzの周波数範囲にわたって動作可能な市販のマッハ−ツェンダ変調器である。次に、結果として得られた変調された光信号を周波数変換する。第2の変調器225は、変調された光信号と、局部発振器源230からの局部発振器信号とを、入力として受信する。変調器225は、別の市販のマッハ−ツェンダ変調器であり、5GHz乃至19GHzの周波数範囲にわたって動作可能である。帯域を規定するフィルタ210によって規定された周波数帯域に応じて、局部発振器源230を切換えて、5GHz乃至19GHzの周波数を1GHzのステップで選択できるので、信号の周波数を、信号をサンプリングする周波数によって規定されるベースバンドに変換できる。サンプリング装置は、毎秒8ギガサンプルのサンプリング周波数で動作する。このサンプリング周波数は、サンプルレートの半分の周波数までの曖昧でないベースバンドに対応している。当該実施形態では、これは、ベースバンドに対する4GHzの上限に対応している。変調された光信号を局部発振器信号によって変調して、和の周波数と、差の周波数と、変調された光信号の元の周波数とにおいて、変調された信号のスペクトルのレプリカを生成する。1GHz乃至3GHzの帯域中に差の周波数が入るように、局部発振器信号の周波数を選択する。
【0024】
第2の変調器225からの出力を、フォトダイオード235に渡して、電気信号に変換する。当該実施形態において、フォトダイオード235は、高い電力を処理するフォトダイオードであり、0乃至10GHzの範囲の周波数の信号を感知できる。次に、フォトダイオード235からの電気出力を帯域フィルタ240によってフィルタにかけて、望ましくないスペクトルのレプリカを信号から取り除くので、信号のベースバンドのレプリカのみがサンプリングされる。フィルタ240は、1GHz乃至3GHzの通過帯域を有し、100MHzと4GHzとにおいて40dBで減衰させる。従って、入力無線周波数信号から、サンプリングに適したベースバンド信号への、光周波数変換が達成される。
【0025】
サンプリングプロセスの第2の段階は、周波数変換された信号のサンプリングを装置400によって行なうことである。装置400は、周波数変換された信号と、レーザダイオード245によって供給された光搬送波信号と、クロック250によって供給されたクロック信号とを、入力として受信する。装置400は、幾つかのインターリーブされたサンプルを出力する。幾つかのインターリーブされたサンプルは、ディジタル無線周波数メモリ255への入力を形成する。
【0026】
装置400は、図4により詳しく示されている。受信した周波数変換された信号は、変調器410に供給される。受信した周波数変換された信号を使用して、レーザダイオード245の出力を強度変調する。次に、2ランクの光整流子スイッチによって、信号を4つのフォトダイオード450に分配する。2ランクの光整流子スイッチは、第1のランクのスイッチ430を具備している。第1のランクのスイッチ430は、ライン254において4GHzの周波数でクロック信号を受信して、パルス信号を2つの第2のランクのスイッチ440に供給する。第2のランクのスイッチ440の各々は、2GHzの周波数でクロック信号を受信する。各第2のランクのスイッチ440は、パルス信号を、4つのフォトダイオード450のうちの1つに供給する。コンポーネント410と、430と、440の各々は、マッハ−ツェンダ変調器であり、1つの出力(コンポーネント410)又は2つの出力(コンポーネント430、440)の何れかであり、無線周波数信号によって駆動されて光信号を変調するか、又はクロック信号によって駆動されてスイッチとして動作するように構成されている。このようなコンポーネントは、市販で入手可能である。
【0027】
フォトダイオード240は、0GHz乃至6GHzの周波数範囲にわたって応答し、関連するアナログ対ディジタル変換器460に、電気信号を供給する。当該実施形態では、アナログ対ディジタル変換器は、8ビットの解像度を有し、2GS/sのサンプリングレートを供給する。上述のように2ランクの光整流子スイッチを使用して、4つのこのようなアナログ対ディジタル変換器をインターリーブすることによって、8GS/sの組み合わされたサンプリングレートが達成される。次に、アナログ対ディジタル変換器からの出力を、ディジタル無線周波数メモリの入力に渡す。ディジタル無線周波数メモリにおいて、信号の処理を行なうことができる。
【0028】
上述から、4GHz乃至18GHzの全帯域を、異なる2GHzの細分した部分で、曖昧でなくサンプリングできることに留意すべきである。必要な36GS/sのサンプリング周波数と、コストと、サイズと、重みと、電力との条件を考慮すると、全帯域を処理するのは望ましくないであろう。ディジタル無線周波数メモリに対する信号処理の条件も、極端に重くなるであろう。適用されたサンプリング技術は、広帯域の光周波数の変換技術を適用することによって、ナイキスト境界におけるスペクトルの折り返しに関連する問題を回避し、更に、高いサンプリングレートを達成するために、幾つかのインターリーブされたアナログ対ディジタル変換器を使用し、その結果、フィルタのロールオフに対する空間を提供して、煩雑なフィルタリング条件を回避できる。
【0029】
本発明の上述の実施形態は、4GHz乃至18GHzの周波数範囲における信号をサンプリングするように動作可能である。幾つかの応用では、この範囲をより低い周波数に拡張することが望ましい場合があると考えられる。周波数の変換段階を切換えることによって、3GHzまでの周波数の信号を曖昧でなくサンプリングできる。しかしながら、1GHzのフィルタのロールオフを提供する必要があるので、3GHz乃至4GHzでは、これは実行できない。上述のような1段階の周波数変換も実行できない。その理由は、低い方の周波数スペクトルのレプリカと、元の受信信号とが重なり合って、フィルタリング要求を実行できないからである。
【0030】
2段階の周波数変換プロセスを使用することによって、この問題を回避でき、最初に受信した信号を、中間のフィルタリング段階においてフィルタにかけて除去することができる。従って、例えば、3GHz乃至5GHzの周波数帯域における受信信号をサンプリングするために、別の周波数変換段階を追加して、上述の装置と同様の装置を使用できる。即ち、第1に、8GHzの局部発振器信号を使用して、4GHzと、12GHzとに中心を置くスペクトルのレプリカを生成して、2GHzの幅の通過帯域と1GHzのロールオフとを有する帯域フィルタを使用して、高い方の周波数スペクトルのレプリカを選択する。第2に、14GHzの局部発振器信号を適用して、2GHzに中心を置く希望のスペクトルのレプリカと、26GHzに中心を置く高い方の周波数スペクトルのレプリカとを生成する。次に、上述のように低い方の周波数をサンプリングする前に、上述のように適切なフィルタリングをかける。当業者が読むと、この技術を使用して、他の周波数における他の信号を容易にサンプリングできることが、容易に分かるであろう。
【0031】
4GHz乃至18GHzの周波数帯域における信号をサンプリングする本発明の実施形態を記載したが、次に、4GHz乃至18GHzの帯域における信号を合成する本発明の実施形態を記載する。上述の本発明のサンプリング方法の場合のように、信号を2段階で合成する。第1の段階では、幾つかのインターリーブされたディジタル対アナログ変換器によって、ディジタル無線周波数メモリからの出力を、ベースバンドのアナログ信号に変換する。第2の段階では、ベースバンド信号を、希望の出力周波数に光学的に周波数変換する。
【0032】
図5a乃至5cは、本発明の第2の実施形態に基づく合成方法において行なわれるステップを概略的に示している。図1a乃至1cと同様に、図5a乃至5cは、無線周波数信号を合成する際の3つの段階における周波数領域の信号の振幅のプロットを示している。図5aは、インターリーブされたディジタル対アナログ変換器からの出力500を示している。出力500は、この方法の第1の段階で生成される。出力500は、周波数fcに中心を置いている。周波数fcは、参照番号510によって表されている点線によって示されている。出力500は、矢印515によって示されている帯域幅を有する。信号は、fsの有効サンプルレートで生成されるサンプルから形成される。fsの有効サンプルレートは、当該実施形態では8GS/sである。これは、fsの半分に等しいナイキスト周波数fnを有する。周波数の上限のfnを有する曖昧でないベースバンドの中に全帯域幅515が入ることができるほど、サンプルレートが十分に大きいことが保証されている。更に、フィルタのロールオフを含むのに十分な曖昧でない帯域幅があることが保証されている。
【0033】
図5bと5cは、第2の実施形態の方法の第2の周波数変換段階を示している。信号500を使用して、周波数fIoにおける局部発振器信号540を変調して、和の周波数と差の周波数fIo±fcに中心を置くスペクトルのレプリカ550、560を形成する。図5cは、最終的な出力の無線周波数信号550を示している。図5bに示されている信号に帯域フィルタをかけることによって、最終的な出力の無線周波数信号550が得られる。帯域フィルタは、fIo−fcのスペクトルのレプリカ550の中心周波数に中心を置いており、インターリーブされたディジタル対アナログ変換器によって生成された信号の帯域幅515に等しい幅の通過帯域と、点線570によって示されているロールオフとを有している。次に、この信号550を、送信のために適切なアンテナに送ることができる。
【0034】
図6は、図5を参照して既に記載した方法を行なうように動作可能な合成装置600を示している。装置600は、図5を参照して既に記載した方法の第1の信号合成段階を行なうように動作可能なコンポーネントの部分700、620と、図5を参照して既に記載した方法の第2の周波数変換段階を行なうように動作可能なコンポーネントの部分630、640、650、660、670、680、690とを具備している。コンポーネント700は、周波数範囲1GHz乃至3GHzのベースバンド信号を生成する。コンポーネント700は、図7を参照して後で更に詳しく記載される。帯域フィルタ620によって、ベースバンド信号にフィルタをかける。帯域フィルタ620は、1GHz乃至3GHzの通過帯域と、100MHzと4GHzとにおける40dBの減衰とを有する。次に、出力信号を提供するために、フィルタにかけられた信号を、第2の段階のコンポーネントによって周波数変換する。
【0035】
図5aに概略的に示されている信号に対応する、フィルタにかけられた信号は、帯域フィルタ620から変調器630への入力を構成しており、変調器640から受信した信号を変調する。変調器640から受信した信号は、レーザダイオード650の出力を、切換え可能な局部発振器660の出力によって変調したものである。変調器630、640の両者は、マッハ−ツェンダ変調器である。変調器630は、1GHz乃至3GHzの範囲の周波数を有する無線周波数信号で、光信号を変調するように動作可能である。変調器640は、5GHz乃至19GHzの範囲の周波数を有する無線周波数信号で、光信号を変調するように動作可能である。局部発振器660の出力の周波数を、5GHz乃至19GHzの周波数範囲にわたって、1GHzのステップで切換えることができる。変調器630に受信されるフィルタにかけられた信号の周波数が、適切な周波数帯域に変換されるように、局部発振器660の出力の周波数を選択する。例えば、変調器630によって受信されるフィルタにかけられた信号を、2GHzの中心周波数から7GHzの中心周波数に変換することが望ましい場合は、周波数9GHzの局部発振器信号を選択する。当業者に分かるように、フォトダイオード670への変調器630の出力は、図5bに示されている信号に対応している。
【0036】
当該実施形態において、変調器630は、マッハ−ツェンダ光変調器であり、1GHz乃至3GHzの周波数範囲の無線周波数信号で、光信号を変調するように動作可能である。レーザダイオード650は、1550nmの波長を有する光信号を、+18dBmの出力電力で出力する。変調器640は、別のマッハ−ツェンダ光変調器であり、5GHz乃至19GHzの範囲の周波数を有する無線周波数信号で、光信号を変調するように動作可能である。
【0037】
変調器630の出力をフォトダイオード670に渡す。フォトダイオード670は、0GHz乃至20GHzの周波数範囲の無線周波数信号を出力するように動作可能である。フォトダイオード670から出力された無線周波数信号は、切換えフィルタバンク680によってフィルタにかけられる。切換えフィルタバンク680の通過帯域は、2GHzの幅があり、通過帯域よりも1GHz高い周波数と低い周波数とにおいて40dBで阻止する。通過帯域の中心周波数は、5GHz乃至19GHzの範囲の周波数間で、1GHzのステップで切換え可能である。フィルタ680を使用して、フォトダイオードによって出力された信号の適切なスペクトルのレプリカを選択して、局部発振器信号の出力の任意の残りの成分の強度を下げる。フィルタ680からの出力は、図5cに概略的に示されている信号に対応しており、送信のためにアンテナ690に渡される。
【0038】
図7は、装置600のコンポーネント700をより詳しく示している。コンポーネント700は、幾つかのディジタル無線周波数メモリ(図7に示されていない)から、4つの信号710を受信する。信号は、4つのディジタル信号によってアナログ変換器720に受信される。アナログ変換器720は、ディジタル信号710をアナログ信号に変換する。次に、これらのアナログ信号を光学的にインターリーブする。個々のディジタル対アナログ変換器の帯域幅に制限があるので、幾つかのディジタル対アナログ変換器を単純に直接的にインターリーブできないことに留意すべきである。その代わりに、後述するように、コンポーネント700を使用して、ディジタル対アナログ変換器を光学的にインターリーブする必要がある。
【0039】
ディジタル対アナログ変換器720からの出力を使用して、レーザ730からの出力を、マッハ−ツェンダ変調器740において変調する。レーザ730は、1550nmの波長で放出するレーザダイオードである。次に、これらの変調された出力を、光スイッチ750、760のツリーに渡す。光スイッチ750、760は、本質的に、本発明の第1の実施形態に関連して既に記載した整流子スイッチの逆になることが分かるであろう。クロック790からの信号によって制御されるタイミングで、ディジタル対アナログ変換器720の各々は、8ビットの解像度を備えた2GS/sの信号を生成する。更に、クロック790は、4GHzで切換えるスイッチ750と、8GHzで切換えるスイッチ760とに、入力を供給するので、4つのインターリーブされたアナログ対ディジタル変換器の有効サンプルレートは、8GS/sである。同様の光スイッチのマトリックスは、公開された特許出願番号GB2259595Aに記載されている。スイッチ760からの出力は、電気信号に再び変換するためにフォトダイオード770に渡される。次に、フィルタ620によってこの電気信号にフィルタをかけて、無線周波数信号を生成するために、図5、6を参照して既に記載したように処理する。
【0040】
本発明の上述の実施形態は、4GHz乃至18GHzの周波数範囲の信号をサンプリング又は合成するように動作可能である。1GHzのフィルタのロールオフを考慮すると、周波数の変換段階を切換えることによって、3GHzまでの周波数の信号を曖昧でなくサンプリング又は合成できる。しかしながら、合成する実施形態の例示的なケースでは、3GHz乃至4GHzの周波数に対して、低い方のスペクトルのレプリカの帯域を切り離すために使用される帯域フィルタ680のロールオフは、ベースバンド信号と重なり合うので、アンテナ690に供給される信号は、元のベースバンド信号と希望の出力帯域との両者からの成分を含むことになる。サンプリングの場合に、同様の問題が発生する。
【0041】
2段階の周波数変換プロセスを使用することによって、この問題を回避でき、中間のフィルタリング段階において、ベースバンド周波数の信号をフィルタにかけて除去することができる。従って、例えば、1GHz乃至3GHzのベースバンド信号から、3GHz乃至5GHzの周波数帯域の出力信号を生成するために、別の周波数変換段階を追加して、上述の装置と同様の装置を使用できる。即ち、第1に、8GHzの局部発振器信号を使用して、6GHzと10GHzとに中心を置くスペクトルのレプリカを生成して、2GHzの幅の通過帯域と1GHzのロールオフとを有する帯域フィルタを使用して、高い方の周波数のスペクトルのレプリカを選択する。第2に、7GHzの局部発振器信号を適用して、4GHzに中心を置く希望のスペクトルのレプリカを生成して、適切なフィルタリングをかける。当業者が読むと、この技術を使用して、他の周波数における他の信号を容易にサンプリングできることと、同様の技術を使用して、信号合成の場合に発生する同様の問題を回避できることが、容易に分かるであろう。
【0042】
本発明の第3の実施形態によると、上述のサンプリングの実施形態と合成の実施形態とを組み合わせる。サンプリングの実施形態と合成の実施形態とを組み合わせることによって、1つのコンパクトなデバイスを作ることができる。組み合わせた装置のサンプリング部と合成部との両者にクロック信号を供給する1つのみのクロック信号源と、光入力を両者のサンプリングに供給する1つのみのレーザダイオードとを必要とする、1つのコンパクトなニオブ酸リチウムデバイスに、光整流子スイッチを都合良く組み合わせることができる。更に、1つの切換え可能な局部発振器を、サンプリングコンポーネントと合成コンポーネントとの両者に対して使用することができる。組み合わせた装置は、無線周波数信号を送受信するアンテナと、無線周波数信号を処理するディジタル無線周波数メモリとの間におけるインターフェイスとして機能することができる。
【0043】
上述の実施形態は、全ての点で例示的であることに留意すべきである。請求項に定義されている本発明の範囲から逸脱することなく、上述の実施形態から変更とバリエーションが可能である。このような変更とバリエーションは、当業者に容易に明らかになるであろう。例えば、上述の2ランクのみの光整流子スイッチを使用するのではなく、より多くのランクの光整流子スイッチを使用できることに留意すべきである。更に、上述には、電気領域においてフィルタを使用することが記載されているが、例えば、フィルタ240の機能を行なうために、ファブリ−ペローの光学フィルタを使用して、電気領域に変換する必要を回避できることが分かるであろう。更に、当業者は、十分に広い帯域幅を有するアナログコンポーネントが利用できる場合に、上述の実施形態における光学コンポーネントのうちの幾つかを、アナログコンポーネントに置換できることが分かるであろう。最後に、装置の動作周波数は、上述の0.5GHz乃至18GHzに制限されておらず、上述で開示された原理と同様の原理を適用することによって、相当により広い範囲の周波数をカバーするように拡張できることが、明らかであるだろう。光周波数変換プロセスは、無線周波数信号に適用される場合に本質的に広帯域であり、本発明の発明者は、このようなプロセスを約60GHzの周波数に適用することができた。
【0044】
最後に、任意の1つの実施形態に関する上述の任意の特徴は、単独で使用される場合も、又は記載されている他の特徴と組み合わせて使用される場合もあり、更に、実施形態のうちの任意の他の実施形態の1つ以上の特徴と組み合わせて使用される場合も、又は実施形態のうちの任意の他の実施形態と組み合わせて使用される場合もあることが、明らかに分かることに留意すべきである。
【符号の説明】
【0045】
100・・・受信信号、110,140,510・・・中心周波数、120・・・通過帯域、130,160,570・・・ロールオフ領域、150,540・・・局部発振器信号、170・・・サンプリング周波数、180・・・ナイキスト周波数、200・・・サンプリング装置、205,690・・・アンテナ、210,240,310,320,560,620,680・・・フィルタ、215,225,410,630,640,740・・・変調器、220,245,650,730・・・レーザダイオード、230,660・・・局部発振器、235,245,450,670,770・・・フォトダイオード、250,790・・・クロック、254・・・クロック信号、430,430,440,750,760・・・スイッチ、255・・・ディジタル無線周波数メモリ、300・・・周波数応答のプロット、460,720・・・ディジタル対アナログ変換器、500・・・出力、515・・・帯域幅、550,560・・・レプリカ、600・・・合成装置、710・・・ディジタル信号。
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線周波数信号の処理に関する改良に関係する。本発明は、特に、受信信号の曖昧でない確実な(unambiguous)ダウンコンバージョンの問題と、無線周波数信号を合成する問題とに応用できる。本発明は、無線周波数信号をディジタル方式で処理する装置に対するインターフェイスに応用されると期待される。
【背景技術】
【0002】
無線周波数信号の処理を容易にするために、無線周波数スペクトルの大きなセクションをサンプリングすることが、多くの応用において必要とされている。無線周波数スペクトルは、約0.5GHz乃至約30GHzの周波数範囲をカバーしている。しかしながら、一般に利用可能な従来の受信機は、数MHzのみの周波数帯域で動作している。従来の受信機を約300MHzの帯域幅まで機能させることができるが、帯域幅がより大きくなるのに従って、従来の受信機の周波数応答は、幾つかの応用に対して十分に均一でなくなる場合がある。従って、全無線周波数スペクトルのより広い範囲にわたってサンプリングするために、このような従来の受信機の幾つかを組み合わせることが提案された。しかしながら、必要な数の受信機を組み合わせることは困難であるので、無線周波数スペクトルの大きな部分にわたってサンプリングすることは、依然として困難である。ディジタル方式で生成された信号から無線周波数信号を合成する問題に対して、同様の問題がある。
【0003】
無線周波数スペクトルの広い範囲にわたってどのようにして曖昧でなく確実にサンプリングするかという問題と、これに対応して、無線周波数スペクトルの広い範囲にわたってどのようにして信号を合成するかという問題とを検討した結果として、本発明が生成された。
【発明の概要】
【0004】
本発明の第1の態様によると、無線周波数信号をサンプリングする方法であって、前記無線周波数信号を受信するステップと、前記無線周波数信号と発振器信号とを用いて光信号を変調して、変調された信号を生成するステップと、前記変調された信号にフィルタをかけて、中間周波数信号を選択するステップと、前記中間周波数信号をサンプリング周波数でサンプリングするステップと、を含み、前記フィルタは、中間通過帯域と中間ロールオフとを有しており、前記中間通過帯域と前記中間ロールオフとを組み合わせて、第1の帯域幅を有する中間周波数帯域を規定しており、前記サンプリング周波数の半分の連続する倍数間に、前記中間周波数帯域が規定されるように、前記発振器信号と前記サンプリング周波数とを組み合わせて構成する、方法を提供する。前記中間周波数信号をサンプリングするステップは、幾つかの光学的にインターリーブされたアナログ対ディジタル変換器を使用して達成され得る。
【0005】
幾つかの光学的にインターリーブされたアナログ対ディジタル変換器を使用して得ることができる高いサンプリング周波数と、本質的に広帯域の光周波数の変換プロセスとを組み合わせることによって、無線周波数スペクトルの広い範囲にわたってサンプリングし、一方で、フィルタのロールオフに対して利用可能な帯域幅を確保することによってナイキスト境界における曖昧さを回避して、扱い易いフィルタリング要件を維持することができる。
【0006】
前記無線周波数信号の前記周波数と無関係に、前記サンプリング周波数の半分の連続する倍数間に、前記中間周波数帯域を規定できるように、前記発振器信号の周波数は可変であり得る。前記発振器信号の前記周波数は、同調可能であり得る。その代わりに、前記発振器信号の前記周波数は、幾つかの固定周波数発振器信号間で切換え可能であってもよい。幾つかの固定周波数間で切換え可能な発振器信号を使用すると、発振器周波数を同調させるときの遅延が回避される。
【0007】
無線周波数信号を受信するステップは、帯域を規定するフィルタ(band-defining filter)を無線周波数信号にかけるサブステップを含んでもよく、前記帯域を規定するフィルタは、帯域を規定する通過帯域と、帯域を規定するロールオフとを有しており、前記帯域を規定する通過帯域と前記帯域を規定するロールオフとを組み合わせて、前記第1の帯域幅にほぼ等しい第2の帯域幅を規定している。動作が要求される周波数の範囲が広い場合に、第2の帯域幅が第1の帯域幅にほぼ等しいことが、特に好都合である。前記帯域を規定する通過帯域は、幾つかの固定周波数帯域間で切換え可能であり得る。帯域を規定するフィルタは、切換え可能なフィルタバンクであり得る。高いサンプリング周波数は、ほんの少数のフィルタが必要であることを意味するので、幾つかの固定周波数間でフィルタの通過帯域を切換えることができるフィルタバンクの使用が可能である。例えば、サンプリング周波数が、毎秒8ギガサンプルである場合に、曖昧でない帯域幅は4GHzである。これは、1GHzのフィルタのロールオフを考慮して、2GHzの帯域幅の7個の間隔で、4GHz乃至18GHzの無線周波数スペクトルをサンプリングすることを可能にする。この場合は、7つのみのフィルタが必要である。これは、複雑な同調フィルタを不要にして、フィルタの通過帯域を同調させるときの遅延を回避するので、広い帯域幅をサンプリングする特に便利なやり方を示している。切換え可能な発振器周波数と組み合わせて、フィルタバンクを使用すると、特に便利である。
【0008】
前記中間周波数信号は、ゼロの周波数と、前記サンプリング周波数の半分との間に規定され得る。
【0009】
前記サンプリング周波数は、毎秒1ギガサンプルを超えていてもよく、より好ましくは毎秒5ギガサンプルを超えており、更により好ましくは毎秒8ギガサンプルを超えている。
【0010】
幾つかのアナログ対ディジタル変換器を光学的にインターリーブする前記ステップは、光信号を前記中間周波数信号で変調して、光学的に搬送される中間周波数信号を生成するサブステップと、パルス信号を光整流子スイッチに通して、幾つかのインターリーブされたパルスを生成するサブステップと、幾つかの光検出器において、前記インターリーブされたパルスを検出するサブステップと、を含み、前記光検出器の各々は、前記アナログ対ディジタル変換器のうちの1つに関連付けられ得る。ここでは、「光整流子スイッチ(optical commutator switch)」という用語を使用して、光スイッチのツリー、又は光デマルチプレクサとして機能するように構成された光スイッチのマトリックスを指していることが分かるであろう。
【0011】
本発明の第2の態様によると、無線周波数信号をサンプリングするサンプリング装置であって、前記無線周波数信号を受信する受信機と、前記無線周波数信号と発振器信号とを用いて光信号を変調して、変調された信号を生成する変調器と、前記変調された信号にフィルタをかけて、中間周波数信号を選択するように動作可能なフィルタと、前記中間周波数信号をサンプリング周波数でサンプリングするサンプラと、を具備しており、前記フィルタは、中間通過帯域と中間ロールオフとを有しており、前記中間通過帯域と前記中間ロールオフとを組み合わせて、第1の帯域幅を有する中間周波数帯域を規定しており、前記サンプリング周波数の半分の連続する倍数間に、前記中間周波数帯域が規定されるように、前記発振器信号と前記サンプリング周波数とを組み合わせて構成する、サンプリング装置を提供する。
【0012】
本発明の第3の態様によると、無線周波数信号を合成する方法であって、幾つかの光学的にインターリーブされたディジタル対アナログ変換器を使用して、ディジタル信号から中間周波数信号を生成するステップと、前記中間周波数信号と発振器信号とを用いて光信号を変調することによって、変調された信号を生成するステップと、第1のフィルタを前記変調された信号にかけて、前記無線周波数信号を選択するステップと、を含み、前記第1のフィルタは、第1の通過帯域と第1のロールオフとを有しており、前記第1の通過帯域と前記第1のロールオフとを組み合わせて、第1の帯域幅を規定しており、前記第1の帯域幅が、有効サンプリングレートの半分の連続する倍数間に規定される帯域幅以下になるように、前記ディジタル信号の前記有効サンプリングレートを選択する、方法を提供する。
【0013】
本発明の第4の態様によると、無線周波数信号を合成する合成装置であって、幾つかの光学的にインターリーブされたディジタル対アナログ変換器を使用して、ディジタル信号から中間周波数信号を生成する手段と、前記中間周波数信号と発振器信号とを用いて光信号を変調する変調器と、前記変調された信号から前記無線周波数信号を選択するように動作可能な第1のフィルタと、を具備しており、前記第1のフィルタは、第1の通過帯域と第1のロールオフとを有しており、前記第1の通過帯域と前記第1のロールオフとを組み合わせて、第1の帯域幅を規定しており、前記第1の帯域幅が、有効サンプリングレートの半分の連続する倍数間に規定される帯域幅以下になるように、前記ディジタル信号の前記有効サンプリングレートを選択する、合成装置を提供する。
【0014】
本発明の第5の態様によると、前記サンプリング装置と、合成装置と、ディジタル無線周波数メモリは、無線周波数信号を受信して、前記無線周波数信号をディジタル方式で処理して、前記処理された無線周波数信号を再送信するように、組み合わせて動作することができる、上述において定義されているサンプリング装置と、上述において定義されている合成装置と、ディジタル無線周波数メモリとを提供する。
【0015】
次に、添付の図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を例示的に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1a】本発明の第1の実施形態に従って、受信信号を処理するステップを示している。
【図1b】本発明の第1の実施形態に従って、受信信号を処理するステップを示している。
【図1c】本発明の第1の実施形態に従って、受信信号を処理するステップを示している。
【図2】図1a乃至1cに示されているステップを行なうように動作可能な周波数ダウンコンバータの概略図である。
【図3】図2に示されている第1の実施形態の一部分を形成している切換えフィルタバンクの応答を概略的に示している。
【図4】図2に示されている第1の実施形態のコンポーネントを更に詳しく示す概略図である。
【図5a】本発明の第2の実施形態に従って、無線周波数信号を合成することができるステップを示している。
【図5b】本発明の第2の実施形態に従って、無線周波数信号を合成することができるステップを示している。
【図5c】本発明の第2の実施形態に従って、無線周波数信号を合成することができるステップを示している。
【図6】図5a乃至5cに示されているステップを行なうように動作可能な合成装置の概略図である。
【図7】図6に示されている第2の実施形態のコンポーネントを更に詳しく示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
後述の本発明の実施形態は、無線周波数信号のサンプリング及び合成のための方法と装置とを提供している。このような方法と装置は、ディジタル無線周波数メモリ又はディジタルオシロスコープに対するインターフェイスに応用されると考えられる。
【0018】
図1a乃至1cは、本発明の実施形態に基づくサンプリング方法において行なわれるステップを概略的に示している。図1a乃至1cの各々は、周波数領域の信号の振幅のプロットである。図1aには、帯域を規定するフィルタによって規定された受信信号が示されている。受信信号は、陰影を付けたエリア100によって示されているが、図1a乃至1cに関連して概略的に示されている方法によって、陰影を付けたエリア内の任意の信号を更に処理できることが分かるであろう。帯域を規定するフィルタは、参照番号110によって表されている点線によって示されている中心周波数fcと、矢印120によって示されている通過帯域と、参照番号130によって表されている点線によって示されているロールオフ領域とを有する。この信号は、光ミキサを使用して周波数変換され、フィルタにかけられた受信信号を使用して、光信号を変調して、次に、周波数fIoの局部発振器を使用して、光信号を更に変調する。結果として得られた光信号を、電気信号に再び変換する。電気信号は、fIo±fcに信号のスペクトルのレプリカを有する。図1bは、このプロセスを表している。即ち、図1bは、110における元の中心周波数と、150における局部発振器信号fIoと、低い方の周波数スペクトルのレプリカとを示しており、低い方の周波数スペクトルのレプリカは、中心周波数がftであり、中心周波数ftは、点線140によって示されている。高い方の周波数スペクトルのレプリカは、示されていない。図1cは、最後の帯域フィルタをかけた後の信号を示している。図1cは、図1aに示されている幅に等しい幅の通過帯域であって、ftに中心を置く通過帯域と、点線160によって示されているロールオフとを有している。
【0019】
帯域フィルタをかけた後の残りの信号は、図1cの陰影を付けた領域によって示されている。この残りの信号は、点線170によって示されているサンプリング周波数fsでサンプリングされるのに適している。対応するナイキスト周波数fnは、図1cにおいて点線180によって概略的に示されており、サンプリング周波数fsの半分に等しい。対応するナイキスト周波数fnが、点線160によって示されているフィルタのロールオフの高い方の端部よりも高くなるほど、サンプリング周波数は十分に高い。従って、サンプリングされる信号の全帯域幅と、使用されるフィルタのロールオフ特性を考慮した十分な帯域幅とが、サンプリング周波数によって規定されるベースバンド内に含まれる。後述の実施形態では、適切な帯域を規定するフィルタを選択することによって、信号の帯域幅を2GHzに規定する。毎秒8ギガサンプル(giga-samples per second, GS/s)のサンプリングレートを選択することによって、1GHzのフィルタのロールオフが与えられる。
【0020】
本発明の第1の実施形態に基づくサンプリング装置200が、図2に示されている。サンプリング装置200は、入力無線周波数信号を2段階で処理する。第1に、信号をベースバンド周波数に光学的に周波数変換する。サンプリング装置が機能するサンプリングレートによって、ベースバンド周波数が規定される。第2に、周波数変換された信号を、幾つかのアナログ対ディジタル変換器によってサンプリングする。幾つかのアナログ対ディジタル変換器は、光整流子スイッチを使用してインターリーブされている。
【0021】
入力無線周波数信号は、アンテナ205によって受信されて、サンプリング装置によって処理されて、ディジタル信号が生成される。ディジタル信号は、ディジタル無線周波数メモリ255に渡される。装置200は、4GHz乃至18GHzの周波数帯域にわたって機能して、約2GHzの瞬時帯域幅の無線周波数信号を処理するように設計されている。受信信号は、帯域を規定するフィルタ210に渡される。フィルタ210は、サンプリング装置によってサンプリングされる2GHzの帯域を規定する。当該実施形態において、フィルタの通過帯域は、2GHzの幅であり、通過帯域よりも1GHz高い周波数と低い周波数とにおいて40dBで阻止する。
【0022】
当該実施形態では、フィルタ210は、切換え可能なフィルタバンクによって提供される。1GHzのステップで、5GHzから19GHzまで、フィルタの中心周波数を切換えて、連続する通過帯域を重ね合わせることができる。これは、図3に概略的に示されている。図3は、周波数に対する入力フィルタバンクの周波数応答のプロット300を示している。フィルタバンクのフィルタは、2つの重なり合っているグループで示されている。即ち、参照番号310で表示されている実線のグループと、参照番号320で表示されている点線のグループである。分かり易くするために、フィルタバンク210中のフィルタの全てが、図3に示されているとは限らないことが分かるであろう。しかしながら、連続する通過帯域が重なり合っているので、1GHzまでの帯域幅の任意の受信信号を全て確実に処理できることに留意すべきである。
【0023】
フィルタにかけられた受信信号を変調器215に入力として供給して、これを使用して、レーザダイオード220によって供給された光信号を変調する。変調器215は、0.5GHz乃至18GHzの周波数範囲にわたって動作可能な市販のマッハ−ツェンダ変調器である。次に、結果として得られた変調された光信号を周波数変換する。第2の変調器225は、変調された光信号と、局部発振器源230からの局部発振器信号とを、入力として受信する。変調器225は、別の市販のマッハ−ツェンダ変調器であり、5GHz乃至19GHzの周波数範囲にわたって動作可能である。帯域を規定するフィルタ210によって規定された周波数帯域に応じて、局部発振器源230を切換えて、5GHz乃至19GHzの周波数を1GHzのステップで選択できるので、信号の周波数を、信号をサンプリングする周波数によって規定されるベースバンドに変換できる。サンプリング装置は、毎秒8ギガサンプルのサンプリング周波数で動作する。このサンプリング周波数は、サンプルレートの半分の周波数までの曖昧でないベースバンドに対応している。当該実施形態では、これは、ベースバンドに対する4GHzの上限に対応している。変調された光信号を局部発振器信号によって変調して、和の周波数と、差の周波数と、変調された光信号の元の周波数とにおいて、変調された信号のスペクトルのレプリカを生成する。1GHz乃至3GHzの帯域中に差の周波数が入るように、局部発振器信号の周波数を選択する。
【0024】
第2の変調器225からの出力を、フォトダイオード235に渡して、電気信号に変換する。当該実施形態において、フォトダイオード235は、高い電力を処理するフォトダイオードであり、0乃至10GHzの範囲の周波数の信号を感知できる。次に、フォトダイオード235からの電気出力を帯域フィルタ240によってフィルタにかけて、望ましくないスペクトルのレプリカを信号から取り除くので、信号のベースバンドのレプリカのみがサンプリングされる。フィルタ240は、1GHz乃至3GHzの通過帯域を有し、100MHzと4GHzとにおいて40dBで減衰させる。従って、入力無線周波数信号から、サンプリングに適したベースバンド信号への、光周波数変換が達成される。
【0025】
サンプリングプロセスの第2の段階は、周波数変換された信号のサンプリングを装置400によって行なうことである。装置400は、周波数変換された信号と、レーザダイオード245によって供給された光搬送波信号と、クロック250によって供給されたクロック信号とを、入力として受信する。装置400は、幾つかのインターリーブされたサンプルを出力する。幾つかのインターリーブされたサンプルは、ディジタル無線周波数メモリ255への入力を形成する。
【0026】
装置400は、図4により詳しく示されている。受信した周波数変換された信号は、変調器410に供給される。受信した周波数変換された信号を使用して、レーザダイオード245の出力を強度変調する。次に、2ランクの光整流子スイッチによって、信号を4つのフォトダイオード450に分配する。2ランクの光整流子スイッチは、第1のランクのスイッチ430を具備している。第1のランクのスイッチ430は、ライン254において4GHzの周波数でクロック信号を受信して、パルス信号を2つの第2のランクのスイッチ440に供給する。第2のランクのスイッチ440の各々は、2GHzの周波数でクロック信号を受信する。各第2のランクのスイッチ440は、パルス信号を、4つのフォトダイオード450のうちの1つに供給する。コンポーネント410と、430と、440の各々は、マッハ−ツェンダ変調器であり、1つの出力(コンポーネント410)又は2つの出力(コンポーネント430、440)の何れかであり、無線周波数信号によって駆動されて光信号を変調するか、又はクロック信号によって駆動されてスイッチとして動作するように構成されている。このようなコンポーネントは、市販で入手可能である。
【0027】
フォトダイオード240は、0GHz乃至6GHzの周波数範囲にわたって応答し、関連するアナログ対ディジタル変換器460に、電気信号を供給する。当該実施形態では、アナログ対ディジタル変換器は、8ビットの解像度を有し、2GS/sのサンプリングレートを供給する。上述のように2ランクの光整流子スイッチを使用して、4つのこのようなアナログ対ディジタル変換器をインターリーブすることによって、8GS/sの組み合わされたサンプリングレートが達成される。次に、アナログ対ディジタル変換器からの出力を、ディジタル無線周波数メモリの入力に渡す。ディジタル無線周波数メモリにおいて、信号の処理を行なうことができる。
【0028】
上述から、4GHz乃至18GHzの全帯域を、異なる2GHzの細分した部分で、曖昧でなくサンプリングできることに留意すべきである。必要な36GS/sのサンプリング周波数と、コストと、サイズと、重みと、電力との条件を考慮すると、全帯域を処理するのは望ましくないであろう。ディジタル無線周波数メモリに対する信号処理の条件も、極端に重くなるであろう。適用されたサンプリング技術は、広帯域の光周波数の変換技術を適用することによって、ナイキスト境界におけるスペクトルの折り返しに関連する問題を回避し、更に、高いサンプリングレートを達成するために、幾つかのインターリーブされたアナログ対ディジタル変換器を使用し、その結果、フィルタのロールオフに対する空間を提供して、煩雑なフィルタリング条件を回避できる。
【0029】
本発明の上述の実施形態は、4GHz乃至18GHzの周波数範囲における信号をサンプリングするように動作可能である。幾つかの応用では、この範囲をより低い周波数に拡張することが望ましい場合があると考えられる。周波数の変換段階を切換えることによって、3GHzまでの周波数の信号を曖昧でなくサンプリングできる。しかしながら、1GHzのフィルタのロールオフを提供する必要があるので、3GHz乃至4GHzでは、これは実行できない。上述のような1段階の周波数変換も実行できない。その理由は、低い方の周波数スペクトルのレプリカと、元の受信信号とが重なり合って、フィルタリング要求を実行できないからである。
【0030】
2段階の周波数変換プロセスを使用することによって、この問題を回避でき、最初に受信した信号を、中間のフィルタリング段階においてフィルタにかけて除去することができる。従って、例えば、3GHz乃至5GHzの周波数帯域における受信信号をサンプリングするために、別の周波数変換段階を追加して、上述の装置と同様の装置を使用できる。即ち、第1に、8GHzの局部発振器信号を使用して、4GHzと、12GHzとに中心を置くスペクトルのレプリカを生成して、2GHzの幅の通過帯域と1GHzのロールオフとを有する帯域フィルタを使用して、高い方の周波数スペクトルのレプリカを選択する。第2に、14GHzの局部発振器信号を適用して、2GHzに中心を置く希望のスペクトルのレプリカと、26GHzに中心を置く高い方の周波数スペクトルのレプリカとを生成する。次に、上述のように低い方の周波数をサンプリングする前に、上述のように適切なフィルタリングをかける。当業者が読むと、この技術を使用して、他の周波数における他の信号を容易にサンプリングできることが、容易に分かるであろう。
【0031】
4GHz乃至18GHzの周波数帯域における信号をサンプリングする本発明の実施形態を記載したが、次に、4GHz乃至18GHzの帯域における信号を合成する本発明の実施形態を記載する。上述の本発明のサンプリング方法の場合のように、信号を2段階で合成する。第1の段階では、幾つかのインターリーブされたディジタル対アナログ変換器によって、ディジタル無線周波数メモリからの出力を、ベースバンドのアナログ信号に変換する。第2の段階では、ベースバンド信号を、希望の出力周波数に光学的に周波数変換する。
【0032】
図5a乃至5cは、本発明の第2の実施形態に基づく合成方法において行なわれるステップを概略的に示している。図1a乃至1cと同様に、図5a乃至5cは、無線周波数信号を合成する際の3つの段階における周波数領域の信号の振幅のプロットを示している。図5aは、インターリーブされたディジタル対アナログ変換器からの出力500を示している。出力500は、この方法の第1の段階で生成される。出力500は、周波数fcに中心を置いている。周波数fcは、参照番号510によって表されている点線によって示されている。出力500は、矢印515によって示されている帯域幅を有する。信号は、fsの有効サンプルレートで生成されるサンプルから形成される。fsの有効サンプルレートは、当該実施形態では8GS/sである。これは、fsの半分に等しいナイキスト周波数fnを有する。周波数の上限のfnを有する曖昧でないベースバンドの中に全帯域幅515が入ることができるほど、サンプルレートが十分に大きいことが保証されている。更に、フィルタのロールオフを含むのに十分な曖昧でない帯域幅があることが保証されている。
【0033】
図5bと5cは、第2の実施形態の方法の第2の周波数変換段階を示している。信号500を使用して、周波数fIoにおける局部発振器信号540を変調して、和の周波数と差の周波数fIo±fcに中心を置くスペクトルのレプリカ550、560を形成する。図5cは、最終的な出力の無線周波数信号550を示している。図5bに示されている信号に帯域フィルタをかけることによって、最終的な出力の無線周波数信号550が得られる。帯域フィルタは、fIo−fcのスペクトルのレプリカ550の中心周波数に中心を置いており、インターリーブされたディジタル対アナログ変換器によって生成された信号の帯域幅515に等しい幅の通過帯域と、点線570によって示されているロールオフとを有している。次に、この信号550を、送信のために適切なアンテナに送ることができる。
【0034】
図6は、図5を参照して既に記載した方法を行なうように動作可能な合成装置600を示している。装置600は、図5を参照して既に記載した方法の第1の信号合成段階を行なうように動作可能なコンポーネントの部分700、620と、図5を参照して既に記載した方法の第2の周波数変換段階を行なうように動作可能なコンポーネントの部分630、640、650、660、670、680、690とを具備している。コンポーネント700は、周波数範囲1GHz乃至3GHzのベースバンド信号を生成する。コンポーネント700は、図7を参照して後で更に詳しく記載される。帯域フィルタ620によって、ベースバンド信号にフィルタをかける。帯域フィルタ620は、1GHz乃至3GHzの通過帯域と、100MHzと4GHzとにおける40dBの減衰とを有する。次に、出力信号を提供するために、フィルタにかけられた信号を、第2の段階のコンポーネントによって周波数変換する。
【0035】
図5aに概略的に示されている信号に対応する、フィルタにかけられた信号は、帯域フィルタ620から変調器630への入力を構成しており、変調器640から受信した信号を変調する。変調器640から受信した信号は、レーザダイオード650の出力を、切換え可能な局部発振器660の出力によって変調したものである。変調器630、640の両者は、マッハ−ツェンダ変調器である。変調器630は、1GHz乃至3GHzの範囲の周波数を有する無線周波数信号で、光信号を変調するように動作可能である。変調器640は、5GHz乃至19GHzの範囲の周波数を有する無線周波数信号で、光信号を変調するように動作可能である。局部発振器660の出力の周波数を、5GHz乃至19GHzの周波数範囲にわたって、1GHzのステップで切換えることができる。変調器630に受信されるフィルタにかけられた信号の周波数が、適切な周波数帯域に変換されるように、局部発振器660の出力の周波数を選択する。例えば、変調器630によって受信されるフィルタにかけられた信号を、2GHzの中心周波数から7GHzの中心周波数に変換することが望ましい場合は、周波数9GHzの局部発振器信号を選択する。当業者に分かるように、フォトダイオード670への変調器630の出力は、図5bに示されている信号に対応している。
【0036】
当該実施形態において、変調器630は、マッハ−ツェンダ光変調器であり、1GHz乃至3GHzの周波数範囲の無線周波数信号で、光信号を変調するように動作可能である。レーザダイオード650は、1550nmの波長を有する光信号を、+18dBmの出力電力で出力する。変調器640は、別のマッハ−ツェンダ光変調器であり、5GHz乃至19GHzの範囲の周波数を有する無線周波数信号で、光信号を変調するように動作可能である。
【0037】
変調器630の出力をフォトダイオード670に渡す。フォトダイオード670は、0GHz乃至20GHzの周波数範囲の無線周波数信号を出力するように動作可能である。フォトダイオード670から出力された無線周波数信号は、切換えフィルタバンク680によってフィルタにかけられる。切換えフィルタバンク680の通過帯域は、2GHzの幅があり、通過帯域よりも1GHz高い周波数と低い周波数とにおいて40dBで阻止する。通過帯域の中心周波数は、5GHz乃至19GHzの範囲の周波数間で、1GHzのステップで切換え可能である。フィルタ680を使用して、フォトダイオードによって出力された信号の適切なスペクトルのレプリカを選択して、局部発振器信号の出力の任意の残りの成分の強度を下げる。フィルタ680からの出力は、図5cに概略的に示されている信号に対応しており、送信のためにアンテナ690に渡される。
【0038】
図7は、装置600のコンポーネント700をより詳しく示している。コンポーネント700は、幾つかのディジタル無線周波数メモリ(図7に示されていない)から、4つの信号710を受信する。信号は、4つのディジタル信号によってアナログ変換器720に受信される。アナログ変換器720は、ディジタル信号710をアナログ信号に変換する。次に、これらのアナログ信号を光学的にインターリーブする。個々のディジタル対アナログ変換器の帯域幅に制限があるので、幾つかのディジタル対アナログ変換器を単純に直接的にインターリーブできないことに留意すべきである。その代わりに、後述するように、コンポーネント700を使用して、ディジタル対アナログ変換器を光学的にインターリーブする必要がある。
【0039】
ディジタル対アナログ変換器720からの出力を使用して、レーザ730からの出力を、マッハ−ツェンダ変調器740において変調する。レーザ730は、1550nmの波長で放出するレーザダイオードである。次に、これらの変調された出力を、光スイッチ750、760のツリーに渡す。光スイッチ750、760は、本質的に、本発明の第1の実施形態に関連して既に記載した整流子スイッチの逆になることが分かるであろう。クロック790からの信号によって制御されるタイミングで、ディジタル対アナログ変換器720の各々は、8ビットの解像度を備えた2GS/sの信号を生成する。更に、クロック790は、4GHzで切換えるスイッチ750と、8GHzで切換えるスイッチ760とに、入力を供給するので、4つのインターリーブされたアナログ対ディジタル変換器の有効サンプルレートは、8GS/sである。同様の光スイッチのマトリックスは、公開された特許出願番号GB2259595Aに記載されている。スイッチ760からの出力は、電気信号に再び変換するためにフォトダイオード770に渡される。次に、フィルタ620によってこの電気信号にフィルタをかけて、無線周波数信号を生成するために、図5、6を参照して既に記載したように処理する。
【0040】
本発明の上述の実施形態は、4GHz乃至18GHzの周波数範囲の信号をサンプリング又は合成するように動作可能である。1GHzのフィルタのロールオフを考慮すると、周波数の変換段階を切換えることによって、3GHzまでの周波数の信号を曖昧でなくサンプリング又は合成できる。しかしながら、合成する実施形態の例示的なケースでは、3GHz乃至4GHzの周波数に対して、低い方のスペクトルのレプリカの帯域を切り離すために使用される帯域フィルタ680のロールオフは、ベースバンド信号と重なり合うので、アンテナ690に供給される信号は、元のベースバンド信号と希望の出力帯域との両者からの成分を含むことになる。サンプリングの場合に、同様の問題が発生する。
【0041】
2段階の周波数変換プロセスを使用することによって、この問題を回避でき、中間のフィルタリング段階において、ベースバンド周波数の信号をフィルタにかけて除去することができる。従って、例えば、1GHz乃至3GHzのベースバンド信号から、3GHz乃至5GHzの周波数帯域の出力信号を生成するために、別の周波数変換段階を追加して、上述の装置と同様の装置を使用できる。即ち、第1に、8GHzの局部発振器信号を使用して、6GHzと10GHzとに中心を置くスペクトルのレプリカを生成して、2GHzの幅の通過帯域と1GHzのロールオフとを有する帯域フィルタを使用して、高い方の周波数のスペクトルのレプリカを選択する。第2に、7GHzの局部発振器信号を適用して、4GHzに中心を置く希望のスペクトルのレプリカを生成して、適切なフィルタリングをかける。当業者が読むと、この技術を使用して、他の周波数における他の信号を容易にサンプリングできることと、同様の技術を使用して、信号合成の場合に発生する同様の問題を回避できることが、容易に分かるであろう。
【0042】
本発明の第3の実施形態によると、上述のサンプリングの実施形態と合成の実施形態とを組み合わせる。サンプリングの実施形態と合成の実施形態とを組み合わせることによって、1つのコンパクトなデバイスを作ることができる。組み合わせた装置のサンプリング部と合成部との両者にクロック信号を供給する1つのみのクロック信号源と、光入力を両者のサンプリングに供給する1つのみのレーザダイオードとを必要とする、1つのコンパクトなニオブ酸リチウムデバイスに、光整流子スイッチを都合良く組み合わせることができる。更に、1つの切換え可能な局部発振器を、サンプリングコンポーネントと合成コンポーネントとの両者に対して使用することができる。組み合わせた装置は、無線周波数信号を送受信するアンテナと、無線周波数信号を処理するディジタル無線周波数メモリとの間におけるインターフェイスとして機能することができる。
【0043】
上述の実施形態は、全ての点で例示的であることに留意すべきである。請求項に定義されている本発明の範囲から逸脱することなく、上述の実施形態から変更とバリエーションが可能である。このような変更とバリエーションは、当業者に容易に明らかになるであろう。例えば、上述の2ランクのみの光整流子スイッチを使用するのではなく、より多くのランクの光整流子スイッチを使用できることに留意すべきである。更に、上述には、電気領域においてフィルタを使用することが記載されているが、例えば、フィルタ240の機能を行なうために、ファブリ−ペローの光学フィルタを使用して、電気領域に変換する必要を回避できることが分かるであろう。更に、当業者は、十分に広い帯域幅を有するアナログコンポーネントが利用できる場合に、上述の実施形態における光学コンポーネントのうちの幾つかを、アナログコンポーネントに置換できることが分かるであろう。最後に、装置の動作周波数は、上述の0.5GHz乃至18GHzに制限されておらず、上述で開示された原理と同様の原理を適用することによって、相当により広い範囲の周波数をカバーするように拡張できることが、明らかであるだろう。光周波数変換プロセスは、無線周波数信号に適用される場合に本質的に広帯域であり、本発明の発明者は、このようなプロセスを約60GHzの周波数に適用することができた。
【0044】
最後に、任意の1つの実施形態に関する上述の任意の特徴は、単独で使用される場合も、又は記載されている他の特徴と組み合わせて使用される場合もあり、更に、実施形態のうちの任意の他の実施形態の1つ以上の特徴と組み合わせて使用される場合も、又は実施形態のうちの任意の他の実施形態と組み合わせて使用される場合もあることが、明らかに分かることに留意すべきである。
【符号の説明】
【0045】
100・・・受信信号、110,140,510・・・中心周波数、120・・・通過帯域、130,160,570・・・ロールオフ領域、150,540・・・局部発振器信号、170・・・サンプリング周波数、180・・・ナイキスト周波数、200・・・サンプリング装置、205,690・・・アンテナ、210,240,310,320,560,620,680・・・フィルタ、215,225,410,630,640,740・・・変調器、220,245,650,730・・・レーザダイオード、230,660・・・局部発振器、235,245,450,670,770・・・フォトダイオード、250,790・・・クロック、254・・・クロック信号、430,430,440,750,760・・・スイッチ、255・・・ディジタル無線周波数メモリ、300・・・周波数応答のプロット、460,720・・・ディジタル対アナログ変換器、500・・・出力、515・・・帯域幅、550,560・・・レプリカ、600・・・合成装置、710・・・ディジタル信号。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線周波数信号をサンプリングする方法であって、
(i)前記無線周波数信号を受信するステップと、
(ii)前記無線周波数信号と発振器信号とを用いて光信号を変調して、変調された信号を生成するステップと、
(iii)前記変調された信号にフィルタをかけて、中間周波数信号を選択するステップと、
(iv)幾つかの光学的にインターリーブされたアナログ対ディジタル変換器を使用して、前記中間周波数信号をサンプリング周波数でサンプリングするステップと、
を含み、
前記フィルタは、中間通過帯域と中間ロールオフとを有しており、
前記中間通過帯域と前記中間ロールオフとを組み合わせて、第1の帯域幅を有する中間周波数帯域を規定しており、
前記サンプリング周波数の半分の連続する倍数間に、前記中間周波数帯域が規定されるように、前記発振器信号と前記サンプリング周波数とを組み合わせて構成する、
方法。
【請求項2】
前記無線周波数信号の前記周波数と無関係に、前記サンプリング周波数の半分の連続する倍数間に、前記中間周波数帯域を規定できるように、前記発振器信号の周波数は可変である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記発振器信号の前記周波数は、同調可能である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記発振器信号の前記周波数は、幾つかの固定周波数発振器信号間で切換え可能である、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記無線周波数信号を受信するステップは、帯域を規定するフィルタを前記無線周波数信号にかけるサブステップを含み、
前記帯域を規定するフィルタは、帯域を規定する通過帯域と、帯域を規定するロールオフとを有しており、
前記帯域を規定する通過帯域と前記帯域を規定するロールオフとを組み合わせて、前記第1の帯域幅にほぼ等しい第2の帯域幅を規定している、請求項1乃至4の何れか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記帯域を規定する通過帯域は、幾つかの固定周波数帯域間で切換え可能である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記中間周波数信号は、ゼロの周波数と、前記サンプリング周波数の半分との間に規定される、請求項1乃至6の何れか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記サンプリング周波数は、毎秒1ギガサンプルを超えており、より好ましくは毎秒5ギガサンプルを超えており、更により好ましくは毎秒8ギガサンプルを超えている、請求項1乃至7の何れか1項に記載の方法。
【請求項9】
幾つかのアナログ対ディジタル変換器を光学的にインターリーブする前記ステップは、
(i)光信号を前記中間周波数信号で変調して、光学的に搬送される中間周波数信号を生成するサブステップと、
(ii)前記光学的に搬送される中間周波数信号を光整流子スイッチに通して、幾つかのインターリーブされたパルスを生成するサブステップと、
(iv)幾つかの光検出器において、前記インターリーブされたパルスを検出するサブステップと、
を含み、
前記光検出器の各々は、前記アナログ対ディジタル変換器のうちの1つに関連付けられている、請求項1乃至8の何れか1項に記載の方法。
【請求項10】
無線周波数信号をサンプリングするサンプリング装置であって、
(i)前記無線周波数信号を受信する受信機と、
(ii)前記無線周波数信号と発振器信号とを用いて光信号を変調して、変調された信号を生成する変調器と、
(iii)前記変調された信号にフィルタをかけて、中間周波数信号を選択するように動作可能なフィルタと、
(iv)前記中間周波数信号をサンプリング周波数でサンプリングするサンプラと、
を具備しており、
前記フィルタは、中間通過帯域と中間ロールオフとを有しており、
前記中間通過帯域と前記中間ロールオフとを組み合わせて、第1の帯域幅を有する中間周波数帯域を規定しており、
前記サンプリング周波数の半分の連続する倍数間に、前記中間周波数帯域が規定されるように、前記発振器信号と前記サンプリング周波数とを組み合わせて構成する、
サンプリング装置。
【請求項11】
前記無線周波数信号の前記周波数と無関係に、前記サンプリング周波数の半分の連続する倍数間に、前記中間周波数帯域を規定できるように、前記発振器信号の周波数は可変である、請求項10に記載のサンプリング装置。
【請求項12】
前記発振器信号の前記周波数は、同調可能である、請求項11に記載のサンプリング装置。
【請求項13】
前記発振器信号の前記周波数は、幾つかの固定周波数発振器信号間で切換え可能である、請求項12に記載のサンプリング装置。
【請求項14】
前記受信機は、前記無線周波数信号にフィルタをかけるための、帯域を規定するフィルタを具備しており、
前記帯域を規定するフィルタは、帯域を規定する通過帯域と、帯域を規定するロールオフとを有しており、
前記帯域を規定する通過帯域と前記帯域を規定するロールオフとを組み合わせて、前記第1の帯域幅にほぼ等しい第2の帯域幅を規定している、請求項10乃至13の何れか1項に記載のサンプリング装置。
【請求項15】
前記帯域を規定する通過帯域は、幾つかの固定周波数帯域間で切換え可能である、請求項14に記載のサンプリング装置。
【請求項16】
前記中間周波数信号は、ゼロの周波数と、前記サンプリング周波数の半分との間に規定される、請求項10乃至15の何れか1項に記載のサンプリング装置。
【請求項17】
前記サンプリング周波数は、毎秒1ギガサンプルを超えており、より好ましくは毎秒5ギガサンプルを超えており、更により好ましくは毎秒8ギガサンプルを超えている、請求項10乃至16の何れか1項に記載のサンプリング装置。
【請求項18】
前記幾つかの光学的にインターリーブされたアナログ対ディジタル変換器は、
(i)光信号を前記中間周波数信号で変調して、光学的に搬送される中間周波数信号を生成する変調器と、
(iii)前記光学的に搬送される中間周波数信号から、幾つかのインターリーブされたパルスを生成するように動作可能な光整流子スイッチと、
(iv)前記インターリーブされたパルスを検出する幾つかの光検出器と、
を具備しており、
前記光検出器の各々は、前記幾つかの光学的にインターリーブされたアナログ対ディジタル変換器のうちの1つに関連付けられている、請求項10乃至17の何れか1項に記載のサンプリング装置。
【請求項19】
無線周波数信号を合成する方法であって、
(i)幾つかの光学的にインターリーブされたディジタル対アナログ変換器を使用して、ディジタル信号から中間周波数信号を生成するステップと、
(ii)前記中間周波数信号と発振器信号とを用いて光信号を変調することによって、変調された信号を生成するステップと、
(iii)第1のフィルタを前記変調された信号にかけて、前記無線周波数信号を選択するステップと、
を含み、
前記第1のフィルタは、第1の通過帯域と第1のロールオフとを有しており、
前記第1の通過帯域と前記第1のロールオフとを組み合わせて、第1の帯域幅を規定しており、
前記第1の帯域幅が、有効サンプリングレートの半分の連続する倍数間に規定される帯域幅以下になるように、前記ディジタル信号の前記有効サンプリングレートを選択する、
方法。
【請求項20】
無線周波数信号を合成する合成装置であって、
(i)幾つかの光学的にインターリーブされたディジタル対アナログ変換器を使用して、ディジタル信号から中間周波数信号を生成する手段と、
(ii)前記中間周波数信号と発振器信号とを用いて光信号を変調する変調器と、
(iii)前記変調された信号から前記無線周波数信号を選択するように動作可能な第1のフィルタと、
を具備しており、
前記第1のフィルタは、第1の通過帯域と第1のロールオフとを有しており、
前記第1の通過帯域と前記第1のロールオフとを組み合わせて、第1の帯域幅を規定しており、
前記第1の帯域幅が、有効サンプリングレートの半分の連続する倍数間に規定される帯域幅以下になるように、前記ディジタル信号の前記有効サンプリングレートを選択する、
合成装置。
【請求項21】
前記サンプリング装置と、合成装置と、ディジタル無線周波数メモリは、
無線周波数信号を受信して、
前記無線周波数信号をディジタル方式で処理して、
前記処理された無線周波数信号を再送信するように、組み合わせて動作することができる、
請求項10乃至18の何れか1項に記載のサンプリング装置と、請求項20に記載の合成装置と、ディジタル無線周波数メモリ。
【請求項22】
無線周波数信号をサンプリングする方法であって、
(i)前記無線周波数信号を受信するステップと、
(ii)前記無線周波数信号と発振器信号とを用いて信号を変調して、変調された信号を生成するステップと、
(iii)前記変調された信号にフィルタをかけて、中間周波数信号を生成するステップと、
(iv)前記中間周波数信号をサンプリング周波数でサンプリングするステップと、
を含み、
前記フィルタは、中間通過帯域と中間ロールオフとを有しており、
前記中間通過帯域と前記中間ロールオフとを組み合わせて、第1の帯域幅を有する中間周波数帯域を規定しており、
前記サンプリング周波数の半分の連続する倍数間に、前記中間周波数帯域が規定されるように、前記発振器信号と前記サンプリング周波数とを組み合わせて構成する、
方法。
【請求項23】
図1乃至4を参照して、ここに実質的に記載されている、サンプリング装置。
【請求項24】
図1乃至4を参照して、ここに実質的に記載されている、無線周波数信号をサンプリングする方法。
【請求項25】
図5乃至7を参照して、ここに実質的に記載されている、合成装置。
【請求項26】
図5乃至7を参照して、ここに実質的に記載されている、無線周波数信号を合成する方法。
【請求項1】
無線周波数信号をサンプリングする方法であって、
(i)前記無線周波数信号を受信するステップと、
(ii)前記無線周波数信号と発振器信号とを用いて光信号を変調して、変調された信号を生成するステップと、
(iii)前記変調された信号にフィルタをかけて、中間周波数信号を選択するステップと、
(iv)幾つかの光学的にインターリーブされたアナログ対ディジタル変換器を使用して、前記中間周波数信号をサンプリング周波数でサンプリングするステップと、
を含み、
前記フィルタは、中間通過帯域と中間ロールオフとを有しており、
前記中間通過帯域と前記中間ロールオフとを組み合わせて、第1の帯域幅を有する中間周波数帯域を規定しており、
前記サンプリング周波数の半分の連続する倍数間に、前記中間周波数帯域が規定されるように、前記発振器信号と前記サンプリング周波数とを組み合わせて構成する、
方法。
【請求項2】
前記無線周波数信号の前記周波数と無関係に、前記サンプリング周波数の半分の連続する倍数間に、前記中間周波数帯域を規定できるように、前記発振器信号の周波数は可変である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記発振器信号の前記周波数は、同調可能である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記発振器信号の前記周波数は、幾つかの固定周波数発振器信号間で切換え可能である、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記無線周波数信号を受信するステップは、帯域を規定するフィルタを前記無線周波数信号にかけるサブステップを含み、
前記帯域を規定するフィルタは、帯域を規定する通過帯域と、帯域を規定するロールオフとを有しており、
前記帯域を規定する通過帯域と前記帯域を規定するロールオフとを組み合わせて、前記第1の帯域幅にほぼ等しい第2の帯域幅を規定している、請求項1乃至4の何れか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記帯域を規定する通過帯域は、幾つかの固定周波数帯域間で切換え可能である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記中間周波数信号は、ゼロの周波数と、前記サンプリング周波数の半分との間に規定される、請求項1乃至6の何れか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記サンプリング周波数は、毎秒1ギガサンプルを超えており、より好ましくは毎秒5ギガサンプルを超えており、更により好ましくは毎秒8ギガサンプルを超えている、請求項1乃至7の何れか1項に記載の方法。
【請求項9】
幾つかのアナログ対ディジタル変換器を光学的にインターリーブする前記ステップは、
(i)光信号を前記中間周波数信号で変調して、光学的に搬送される中間周波数信号を生成するサブステップと、
(ii)前記光学的に搬送される中間周波数信号を光整流子スイッチに通して、幾つかのインターリーブされたパルスを生成するサブステップと、
(iv)幾つかの光検出器において、前記インターリーブされたパルスを検出するサブステップと、
を含み、
前記光検出器の各々は、前記アナログ対ディジタル変換器のうちの1つに関連付けられている、請求項1乃至8の何れか1項に記載の方法。
【請求項10】
無線周波数信号をサンプリングするサンプリング装置であって、
(i)前記無線周波数信号を受信する受信機と、
(ii)前記無線周波数信号と発振器信号とを用いて光信号を変調して、変調された信号を生成する変調器と、
(iii)前記変調された信号にフィルタをかけて、中間周波数信号を選択するように動作可能なフィルタと、
(iv)前記中間周波数信号をサンプリング周波数でサンプリングするサンプラと、
を具備しており、
前記フィルタは、中間通過帯域と中間ロールオフとを有しており、
前記中間通過帯域と前記中間ロールオフとを組み合わせて、第1の帯域幅を有する中間周波数帯域を規定しており、
前記サンプリング周波数の半分の連続する倍数間に、前記中間周波数帯域が規定されるように、前記発振器信号と前記サンプリング周波数とを組み合わせて構成する、
サンプリング装置。
【請求項11】
前記無線周波数信号の前記周波数と無関係に、前記サンプリング周波数の半分の連続する倍数間に、前記中間周波数帯域を規定できるように、前記発振器信号の周波数は可変である、請求項10に記載のサンプリング装置。
【請求項12】
前記発振器信号の前記周波数は、同調可能である、請求項11に記載のサンプリング装置。
【請求項13】
前記発振器信号の前記周波数は、幾つかの固定周波数発振器信号間で切換え可能である、請求項12に記載のサンプリング装置。
【請求項14】
前記受信機は、前記無線周波数信号にフィルタをかけるための、帯域を規定するフィルタを具備しており、
前記帯域を規定するフィルタは、帯域を規定する通過帯域と、帯域を規定するロールオフとを有しており、
前記帯域を規定する通過帯域と前記帯域を規定するロールオフとを組み合わせて、前記第1の帯域幅にほぼ等しい第2の帯域幅を規定している、請求項10乃至13の何れか1項に記載のサンプリング装置。
【請求項15】
前記帯域を規定する通過帯域は、幾つかの固定周波数帯域間で切換え可能である、請求項14に記載のサンプリング装置。
【請求項16】
前記中間周波数信号は、ゼロの周波数と、前記サンプリング周波数の半分との間に規定される、請求項10乃至15の何れか1項に記載のサンプリング装置。
【請求項17】
前記サンプリング周波数は、毎秒1ギガサンプルを超えており、より好ましくは毎秒5ギガサンプルを超えており、更により好ましくは毎秒8ギガサンプルを超えている、請求項10乃至16の何れか1項に記載のサンプリング装置。
【請求項18】
前記幾つかの光学的にインターリーブされたアナログ対ディジタル変換器は、
(i)光信号を前記中間周波数信号で変調して、光学的に搬送される中間周波数信号を生成する変調器と、
(iii)前記光学的に搬送される中間周波数信号から、幾つかのインターリーブされたパルスを生成するように動作可能な光整流子スイッチと、
(iv)前記インターリーブされたパルスを検出する幾つかの光検出器と、
を具備しており、
前記光検出器の各々は、前記幾つかの光学的にインターリーブされたアナログ対ディジタル変換器のうちの1つに関連付けられている、請求項10乃至17の何れか1項に記載のサンプリング装置。
【請求項19】
無線周波数信号を合成する方法であって、
(i)幾つかの光学的にインターリーブされたディジタル対アナログ変換器を使用して、ディジタル信号から中間周波数信号を生成するステップと、
(ii)前記中間周波数信号と発振器信号とを用いて光信号を変調することによって、変調された信号を生成するステップと、
(iii)第1のフィルタを前記変調された信号にかけて、前記無線周波数信号を選択するステップと、
を含み、
前記第1のフィルタは、第1の通過帯域と第1のロールオフとを有しており、
前記第1の通過帯域と前記第1のロールオフとを組み合わせて、第1の帯域幅を規定しており、
前記第1の帯域幅が、有効サンプリングレートの半分の連続する倍数間に規定される帯域幅以下になるように、前記ディジタル信号の前記有効サンプリングレートを選択する、
方法。
【請求項20】
無線周波数信号を合成する合成装置であって、
(i)幾つかの光学的にインターリーブされたディジタル対アナログ変換器を使用して、ディジタル信号から中間周波数信号を生成する手段と、
(ii)前記中間周波数信号と発振器信号とを用いて光信号を変調する変調器と、
(iii)前記変調された信号から前記無線周波数信号を選択するように動作可能な第1のフィルタと、
を具備しており、
前記第1のフィルタは、第1の通過帯域と第1のロールオフとを有しており、
前記第1の通過帯域と前記第1のロールオフとを組み合わせて、第1の帯域幅を規定しており、
前記第1の帯域幅が、有効サンプリングレートの半分の連続する倍数間に規定される帯域幅以下になるように、前記ディジタル信号の前記有効サンプリングレートを選択する、
合成装置。
【請求項21】
前記サンプリング装置と、合成装置と、ディジタル無線周波数メモリは、
無線周波数信号を受信して、
前記無線周波数信号をディジタル方式で処理して、
前記処理された無線周波数信号を再送信するように、組み合わせて動作することができる、
請求項10乃至18の何れか1項に記載のサンプリング装置と、請求項20に記載の合成装置と、ディジタル無線周波数メモリ。
【請求項22】
無線周波数信号をサンプリングする方法であって、
(i)前記無線周波数信号を受信するステップと、
(ii)前記無線周波数信号と発振器信号とを用いて信号を変調して、変調された信号を生成するステップと、
(iii)前記変調された信号にフィルタをかけて、中間周波数信号を生成するステップと、
(iv)前記中間周波数信号をサンプリング周波数でサンプリングするステップと、
を含み、
前記フィルタは、中間通過帯域と中間ロールオフとを有しており、
前記中間通過帯域と前記中間ロールオフとを組み合わせて、第1の帯域幅を有する中間周波数帯域を規定しており、
前記サンプリング周波数の半分の連続する倍数間に、前記中間周波数帯域が規定されるように、前記発振器信号と前記サンプリング周波数とを組み合わせて構成する、
方法。
【請求項23】
図1乃至4を参照して、ここに実質的に記載されている、サンプリング装置。
【請求項24】
図1乃至4を参照して、ここに実質的に記載されている、無線周波数信号をサンプリングする方法。
【請求項25】
図5乃至7を参照して、ここに実質的に記載されている、合成装置。
【請求項26】
図5乃至7を参照して、ここに実質的に記載されている、無線周波数信号を合成する方法。
【図1a】
【図1b】
【図1c】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図6】
【図7】
【図1b】
【図1c】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図6】
【図7】
【公表番号】特表2012−523152(P2012−523152A)
【公表日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−502810(P2012−502810)
【出願日】平成22年4月1日(2010.4.1)
【国際出願番号】PCT/GB2010/050580
【国際公開番号】WO2010/112939
【国際公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(390038014)ビ−エイイ− システムズ パブリック リミテッド カンパニ− (74)
【氏名又は名称原語表記】BAE SYSTEMS plc
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月1日(2010.4.1)
【国際出願番号】PCT/GB2010/050580
【国際公開番号】WO2010/112939
【国際公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(390038014)ビ−エイイ− システムズ パブリック リミテッド カンパニ− (74)
【氏名又は名称原語表記】BAE SYSTEMS plc
【Fターム(参考)】
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