説明

個人ゲーム装置の仮想リーシュ

仮想リーシュ及びコマンドダウンロードの機能をハンドヘルド個人ゲーム装置(「PGD」)に提供する方法及びシステムが開示される。ホストゲームシステムは、各種賭け金ベースのゲームの事前に決定されるゲーム結果に関するデータを有するゲームシードを生成するように構成されるゲームサーバ、及びPGDと仮想リーシュを確立するように構成される認証サーバを備える。仮想リーシュは、PGDユーザ、PGDの場所、PGD自体、及び/又はPGD上のソフトウェアコードを繰り返し認証又は確認するようになっている。関連するPGD内に備えられるのは、ゲーム関連情報を表示するようになっているディスプレイ、ゲーム関連コードを実行するように構成されるプロセッサ、及びプロセッサが実行するコンピュータコードのダウンロードコマンドを含むメモリである。コンピュータコードのダウンロードコマンドは、PGDがゲームシードに基づいて独立してゲームプレーを処理すると共に表示するのに十分なコードを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包括的にはゲーム機及びゲームシステムに関し、特に、モバイルゲームシステム及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲームはますます人気を得ている業界であり、カジノ及び他のゲーム施設は、プレーするゲームを提示する新しくエキサイティングな方法を常に探し求めている。一般に、多くのゲームは、既知のスロットマシン、ビデオポーカーマシン等の大型で独立型のゲーム装置に提示される。他のゲームは、クラップ、ブラックジャック、及びルーレットのテーブルゲーム等の、ゲーム装置以外の何かに提示される。さらに、キノ及びビンゴ等のゲームは、そのゲームをプレーヤに提示するように特に構成されるエリア(例えば、要員(personnel)がキノカードを選び、コールされた番号が大型ディスプレイに表示されるエリア)においてプレーされる。
【0003】
このようなゲームを現在提示する方法の大きな欠点は、プレーヤが指定された特定の場所及び/又は特定のゲーム機又はテーブルでしか特定のゲームに参加できないことである。例えば、ビデオポーカー又は「レッド・ホワイト・ブルー(Red White and Blue)」等の特定のスロットゲームをプレーするには、プレーヤは大規模なホテル及び/又はカジノを移動して、実際のビデオポーカー又は「レッド・ホワイト・ブルー」ゲーム機がある特定のゲームエリアに行く必要がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、向上した可用性及びゲームの利便性が望まれるように、カジノ及び他のゲーム運営者は一般に、ゲーム装置へのより大きなアクセス可能性及びゲームをプレーする機会を顧客に提供することを望む。このために、米国特許第6,628,939号並びに米国特許出願第10/672,307号及び同第10/871,876号は、ハンドヘルド(把持型)「個人ゲーム装置(「PGD」)」等の無線ゲームプレーヤにゲームを提供するシステム及び方法について開示している。もちろん、プレーヤが、このようなPGDの使用を通す等してモバイル及び/又は遠隔場所からゲームイベントに参加する許可を得ているときは常に、さらなる問題が発生する。カジノ所有のあらゆるPGDのセキュリティ、増大する不正の阻止、PGD使用の柔軟性、及びプレーヤ認証及び確認は、このようなさらなる問題の数例にすぎない。
【0005】
モバイルゲーム装置を提供し、ゲームシステムを適宜サポートする既存のシステム及び方法は妥当であったが、通常、改良は歓迎及び奨励される。上記に照らして、PGDが関与するモバイルゲームに改良された機能を提供するより詳細な方法及びシステムを開発することが望ましく、特に、このような方法及びシステムは、同様レベル又はより良好なレベルの柔軟性でありながら、強化されたセキュリティ機能及びプレーヤ認証機能を含むことが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
改良されたモバイルゲームシステム及び方法を提供することが本発明の利点である。これは、多くの実施の形態において、少なくとも1つのモバイルゲームユニット又はPGDへのサポートをゲーム機又はゲームシステム内又はその周辺に提供することにより実現される。本発明の多くの実施の形態によれば、開示されるシステム及び方法は、賭け金を受け入れ、賭け金に基づいてゲームをプレーし、ゲームの結果に基づいて配当金を認めるようになっているPGD、ゲーム機、及び/又はゲームシステムの使用を含むことができる。本発明は、特に、PGDを介してゲームをプレーヤに提示し、ゲーム結果を照合確認し、使用についてPGDを確認し、特定のプレーヤ及び/又は使用エリアを認証し、PGD上でのゲームアプリケーションの使用を制御する各種方法も含む。
【0007】
1又は複数の実施の形態では、PGDは、表示画面、プロセッサ及びメモリを含む処理ユニット、並びに処理ユニットに関連する無線通信インタフェースを備えることができる。無線通信インタフェースは、データを受信してこれを処理ユニットに提供すると共に、処理ユニットにより提供されたデータを送信する。1又は複数の実施の形態では、受信される情報は、遠隔場所で生成され、ゲーム装置がゲームをプレーヤに提示するために使用されるゲームデータを含む。いくつかの実施の形態では、PGDは、カジノ又はゲーム施設により所有され提供されるアイテムであるが、他の実施の形態では、PGDとしてプレーヤが所有する装置の使用を含むことができる。カジノ又は施設所有のPGDとプレーヤ所有のPGDとの組み合わせを含むゲームシステムへのさらなる実施の形態も提供される。
【0008】
いくつかの実施の形態では、PGDは、処理ユニット及び他の電子回路を収容した本体を有するハンドヘルド装置である。PGDは、磁気ストリップカード、スマートカード、又はクレジットカード情報等の他のエンコード情報源を読み取るカードリーダを備えることができる。PGDは、音声をプレーヤに向けて出力するスピーカを備えることもできる。一実施の形態では、PGDは、遠隔装置又はネットワークから取り外し可能であるか、又はこれらから独立して動作することが可能である。換言すれば、PGDの動作中、ネットワーク接続があってもなくてもよく、又は必要であってもなくてもよい。一実施の形態では、データは、無線通信インタフェースを介して送信されることに代えて、又はそれに加えて、有線RS−232、USB、又はIEEE−1394接続等の別の種類の通信インタフェース又は赤外線送信器/受信器を通じて送信及び/又は受信してもよい。PGDは、好ましくは、プレーヤがプレー入力を提供する手段を備える。一実施の形態では、ディスプレイは、タッチスクリーンを使用するようなタッチセンシティブであってもよい。PGDはまた、ボタンを備えてもよく、又は音声入力を受け入れるためのマイクロホンを備えてもよい。
【0009】
一実施の形態では、PGDには、ゲームデータサーバを含むゲームシステムが関連付けられる。処理ユニットは、無線通信インタフェースを介してゲームデータサーバ等の遠隔場所からゲームデータを受信し、ゲームデータを利用して、ゲームビデオ情報をディスプレイに提示することを含め、ゲームをプレーヤに提示する。一実施の形態では、ゲーム装置はプレーヤ入力を備え、処理ユニットは、無線通信インタフェースを介して上記入力を遠隔場所に送信する。一実施の形態では、PGDインタフェースは、PGDとゲームデータサーバを含む1又は複数の装置との間のインタフェースとして機能する。PGDインタフェースには、インターネットゲートウェイ、ホテル予約システム、資金取引ネットワーク、又は他のネットワーク及び装置を含む他のネットワーク及び装置を関連付けることもできる。このようにして、プレーヤはPGDを使用してサービスへのアクセスを得て、インターネットを閲覧し、単にゲームをプレーする以外の他のアクティビティに参加したり、又は情報を得ることができる。
【0010】
各種実施の形態では、プレーヤは、PGDでゲームをプレーしたい場合、勝つ可能性が関わるゲーム(即ち、カジノ式ゲーム又は賭博ゲーム)に参加するには、賭け金又は参加料(ante)を出す必要がある。そのイベントでは、プレーヤは、クレジットカード又はプレーヤの金融口座に関連するプレーヤ追跡カードをリーダに通す等して、クレジットを提供する。クレジットは、既存のクレジットを有する関連する独立型ゲーム機から等、他の手段によって転送してもよい。プレーヤのクレジットが確認された場合、プレーヤが選択した1又は複数のゲームをPGDでプレーすることが許可される。ゲームサーバは、映像データ及び音声データ等の、再生するゲームに関するゲームデータを生成する。この情報はPGDに送られ、PGDにおいて、ゲームビデオ及び音声がプレーヤに提示される。必要に応じて、プレーヤは、タッチセンシティブスクリーン又はボタン(複数可)等を介してゲームに関連するプレーヤの判断に関する入力を提供することができる。
【0011】
いくつかの実施の形態では、PGDは、常駐するゲームコードを記憶する。このゲームコードはゲームを提示するに際して有用であるが、それだけではゲームを提示することができない場合がある。このような場合、ゲームサーバを、ゲーム結果に関する情報を生成するように構成することができる。ゲーム結果データはPGDに提供され、常駐ゲームコードと共に使用されてゲームが提示される。一実施の形態では、このようなゲーム結果データすなわち情報は、少なくとも部分的に1又は複数の擬似乱数発生器により生成される数値データを含む。ゲーム結果データすなわち情報はまた、プロセスをイネーブルするために必要な配当表又は他の類似のデータを含んでもよい。一実施の形態では、プレーヤはゲームプレーを「事前購入」することができる。この実施の形態では、プレーヤは、賭け金を支払う。支払い額は、各ゲームの賭け金額と組み合わせられて、プレーヤがプレーできるゲーム数を決める。ゲームサーバは、プレーヤが支払ったゲーム数分のゲーム結果データを生成するように構成される。ゲーム結果データは、無線通信リンクを介してPGDに送ることができる。別の実施の形態では、ゲーム結果データは、スマートカード又はPGDが読み取り可能なポータブルメモリモジュール等のポータブル記憶装置に記憶される。
【0012】
本発明の一実施の形態は、PGDをアクティブ化する方法を含む。アクティブ化情報が、例えば、ゲームサーバにより第1の場所で生成される。このアクティブ化情報は、例えば、無線送信器のネットワークを介して送信される。PGDは、アクティブ化情報を検出した場合にアクティブ化され、検出しない場合には非アクティブ化されるか、又は非アクティブ化されたままである。一実施の形態では、アクティブ化情報は、定期的に送信されるか、又は連続的に送信され、様々な間隔で確認される。本発明の別の態様では、事前購入済みチャンスゲームを選択的に表示するゲーム装置が提供される。このゲーム装置は、中央ゲームシステムと通信して、第1の時間に生成された、事前購入済みチャンスゲームのプレー及び結果を制御するゲームデータを選択的に受信する通信インタフェースを備える。ユニットは、表示画面、1又は複数の入力機構、及びマイクロプロセッサ素子を備える。このプロセッサは、1)第1の時間後の選択された第2の時間にゲームデータを使用して事前購入済みチャンスゲームの、1又は複数の入力機構を操作することにより選択的にアクティブ化されるプレーを開始し、2)チャンスゲームの生成された結果を表示画面に選択的に表示するように構成される。
【0013】
したがって、本発明のこの態様では、第1の時間に、1又は複数のチャンスゲームが事前購入され、中央ゲームシステム(例えば、バックエンドサーバ)で事前実行され、その後、そのプレー及び結果を、第1の時間後の第2の時間に遠隔ゲーム装置でプレーして閲覧することができる。したがって、事前購入済みチャンスゲームは、安全なゲーム環境又はシステム(例えば、中央ゲームシステム)で完全に実行されてから、プレビュー済みゲームデータの形態でPGDに転送されて、プレーヤが暇なときにPGDでチャンスゲームのプレー及び結果が完全にリプレー実行される。本質的に、事前購入済みチャンスゲームのプレー及び結果は、PGDでプレーされ閲覧される前にサーバ側で「既知」であり、承認されている。プレビューされたゲームデータがPGDに転送されると、このゲーム装置は単に、チャンスゲームのプレー及び結果を見るために、場合によっては遠隔的に適用されるだけである。
【0014】
いくつかの実施の形態によれば、ゲームのプレー及び結果のビデオクリップ(複数可)が、サーバからPGD又は他のモバイルゲーム装置に転送又はダウンロードされて、第2の時間に時間をずらしてリプレーされる。このような実施の形態では、PGDは本質的に、ビデオクリップの次の「フレームシーケンス」で何が起こるのかを見ることができるようにする、おそらくボタンを押下するだけのこと以外の、あらゆるプレーヤ入力をなくした表示機構に格下げされる。
【0015】
別の特定の実施の形態では、ポータブルPGD用に事前購入済みゲームプレーを実行する方法であって、中央ゲームシステムにおいて、1又は複数の事前購入済みチャンスゲームのプレー及び結果を表すプレビュー済みゲームデータを選択的に生成するステップを含み、最後のゲームは第1の時間に生成される、方法が提供される。次に、プレビュー済みゲームデータを中央ゲームシステムからゲーム装置に選択的に通信し、第1の時間後の、時間をずらした第2の時間に閲覧されたゲーム装置からの閲覧後ゲームデータを中央ゲームシステムと照合確認して、閲覧後ゲームデータを認証する。
【0016】
特定の一実施の形態では、イベントを選択的に通信するステップは、中央ゲームシステムとゲーム装置との間で通信するためのリムーバブル通信インタフェースを通じてプレビュー済みゲームデータを通信するステップを含む。イベントを選択的に通信するステップは、リーダ装置を介して、プレビュー済みゲームデータをリムーバブル通信インタフェースの記憶ユニットに記憶するステップをさらに含み、閲覧後ゲームデータイベントを照合確認するステップは、リーダ装置を介して、リムーバブル通信インタフェースの記憶ユニットから閲覧後ゲームデータを検索するステップを含む。一構成では、通信インタフェースは、PGDと中央ゲームシステムとの間で選択的に通信するリムーバブル周辺機器及び/又は記憶装置を備えることができる。リムーバブル周辺機器は、その間でゲームデータの少なくとも一部を転送して、チャンスゲームのプレー及び結果を生じさせる。さらに、リムーバブル周辺機器/記憶装置は、特に、スマートカード、Eキードングル、メモリスティック、及び/又はセキュアデジタルカードである。
【0017】
さらに別の特定の実施の形態では、遠隔ゲーム装置でゲームプレーを実行する方法は、ゲーム装置でプレビュー済みゲームデータを選択的に受信するステップを含む。中央ゲームシステムで実行され、1又は複数の事前購入済みチャンスゲームを表すプレビュー済みゲームデータであって、最後のゲームは第1の時間に実行される。該方法は、ゲーム装置の1又は複数の入力機構から、プレビュー済みゲームデータのプレーを開始する入力命令を受け取るステップをさらに含む。このデータは、中央ゲームシステムにより実行された1又は複数の事前購入済みチャンスゲームのプレー及び結果を表す。最後に、該方法は、第1の時間後の第2の時間に、1又は複数の事前購入済みチャンスゲームのプレー及び結果をゲーム装置の表示画面に表示するステップを含み、その後、プレビュー済みゲームデータは閲覧後ゲームデータを構成する。
【0018】
本発明の各種実施の形態は、使用及びゲーム結果の照合確認についてPGDを確認する方法を含む。各種実施の形態では、プレーヤの指紋等の生体認証情報が、個人ゲーム装置で読み取られ、金融取引及び/又はゲームプレー資格に対するプレーヤの資格の確認に使用される。一実施の形態では、PGDでプレーされるゲームの結果は、ゲームサーバ又は金融サーバに送信される。これらの実際の結果は、生成されたゲーム結果データから決められた結果と照合確認される。照合確認ステップは、ゲーム(複数可)のプレーに関連するプレーヤの勝敗を確認する。
【0019】
さらに別の実施の形態では、複数の賭け金ベースゲームそれぞれの所定のゲーム結果に関するデータを有するゲームシードを生成するように構成されるゲームサーバを、ゲームシステム全体の一部として含むことができる。このようなゲームサーバは、個人ゲーム装置がゲームシード(seed)を将来のゲームプレー中に使用することに備えて、ゲームシードを記憶装置に送るように構成することもできる。上記ゲームサーバと通信する認証サーバを、個人ゲーム装置との仮想リーシュ(leash:繋がり)を確立するように構成することができ、このような仮想リーシュは、個人ゲーム装置のユーザ、個人ゲーム装置の場所、又はこれらの両方を認証又は確認するようになっている。さらに、関連するハンドヘルド個人ゲーム装置は、個人ゲーム装置のプロセッサにより実行される少なくとも1つのコンピュータコードダウンロードコマンドを含むメモリを備えることもできる。このようなコンピュータコードダウンロードコマンドは、個人ゲーム装置が、ゲームシードに基づいて独立してゲームプレーを処理して個人ゲーム装置のディスプレイに表示するために十分なコードを含むことができる。
【0020】
上記実施の形態の1又は複数では、仮想リーシュを使用して、適正なプレーヤ、各個人ゲーム装置の適正な場所等の複数の項目を確認又は認証することができる。このような1又は複数の項目を繰り返しチェックし、それにより、このような項目を繰り返し認証又は確認することができない場合に、個人ゲーム装置での賭け金ベースのゲームを一時停止又は終了させることができる。このような繰り返しチェックは、「ハートビート(heartbeat)」とみなすことができ、システムアラート、アラーム、プレーヤ警告、及び/又はゲームセッションの終了若しくは一時中止がハートビート違反の性質に応じて行われる。
【0021】
本発明の他の方法、特徴、及び利点が、以下の図面及び詳細な説明を調べることにより当業者に明白であるか、又は明白になるであろう。このような追加の方法、特徴、及び利点はすべて本明細書内に含まれ、本発明の範囲内にあり、且つ添付の特許請求の範囲により保護されることを意図するものである。
【0022】
含まれる図面は例示を目的とし、開示される本発明のPGDの使用によるモバイルゲームのシステム及び方法に可能な構造及びプロセスステップの例を提供する役割を果たすにすぎない。これらの図面は、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、当業者により本発明に対して行われ得る形態及び詳細のあらゆる変更を制限するものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明によるシステム及び方法の例示的な応用例を以下に説明する。これらの例は専ら、発明の情況を追加し、本発明の理解を助けるためだけに提供されている。したがって、本発明はこれらの特定の詳細のいくつか又はすべてがなくとも実施可能なことは当業者には明白であろう。場合によっては、本発明を不必要に曖昧にしないように、既知のプロセスステップについては詳細に説明していない。他の応用例も可能であり、したがって、以下の例は、技術的範囲及び設定のいずれにおいても決定的なもの、又は制限するものとして解釈されるべきではない。以下の詳細な説明では、説明の一部をなし、例示として本発明の特定の実施形態が示される添付図面を参照する。これらの実施形態を、当業者が本発明を実施できるように十分に詳細に説明するが、これらの例は限定ではなく、したがって、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、他の実施形態を使用することも可能であり、変更を行うことが可能なことが理解されるであろう。
【0024】
概して、本発明は、プレーヤがプレーするゲームを提示するようになっているPGDを含む。本発明の好ましい実施形態では、少なくとも1つのゲームはチャンスゲーム、特に、ゲームをプレーする資格を得るにはプレーヤが金銭的な賭け金を賭ける必要があるようなゲームを含み、資格を得た上で、1又は複数のゲーム結果により、賞金又は他の景品がプレーヤに認可されることになる。1又は複数の実施形態では、PGDには、後述するように、ゲームシステム全体の一部としてゲーム機、ゲームサーバ、及び/又はゲームネットワークが関連付けられる。したがって、以下の詳細な説明は3つの基本的なタイプのPGDプロセスを提供する。第1の各種シリアルPGDプロセスを説明し、その後、代替のビデオクリップベースのPGDプロセスを考察し、その後、ゲーム「シード」が関わるものを含む各種ダウンロードコマンドPGDプロセスが続く。最後に、シリアル、ビデオクリップ、又はダウンロードコマンドの任意のプロセスタイプと併用できる機能が提供される。このような機能としては、仮想リーシュを使用してPGDを特定のプレーヤ及び/又は場所に制限すること、並びにPGDドッキングステーションとして動作する専用独立型ゲーム機を使用することが含まれる。
【0025】
個人ゲーム装置
図1は、本発明の一実施形態による例示的な個人ゲーム装置(「PGD」)20を示す。一般に、PGD20は本体すなわち筐体22を備える。本体22は、広範囲の材料から広範囲の形状に構築することができる。一実施形態では、本体22は、1又は複数の成形されたポリプロピレン又は他のプラスチック材料から構築される。本体22は、金属又は広範囲の他の材料で構築してもよい。示すように、本体22はほぼ矩形の形状であり、前側又は前面24、後側又は後面(見えない)、上端部26、底端部28、第1の側30、及び第2の側32を有する。好ましくは、本体22は、種々の構成要素が配置される密閉された内部スペース(図示せず)を画定する。
【0026】
好ましい実施形態では、PGD20は、映像及び音声のゲームデータをプレーヤに提示する。図示するように、PGD20はディスプレイ34を備える。ディスプレイは本体22の前面24に配置されるため、上方にプレーヤに向かって面する。好ましい実施形態では、ディスプレイ34は、液晶ディスプレイ(「LCD」)、特にタッチスクリーン入力可能なLCDを含む。他のタイプのディスプレイが設けられてもよいことが理解されよう。PGD20は、少なくとも1つのスピーカ36の形態で音声生成装置も備える。一実施形態では、スピーカ36は、本体22の上部又はカバー部分の下に位置決めされ、1又は複数の穿孔又は開口を有し、そこを通じて音声を容易に伝えることができる。図示するように、スピーカ36は、本体22の底端部28付近、ディスプレイ34の概して反対側に配置される。スピーカ36又は追加のスピーカは、本体22の片側又は両側30、32等の広範囲の場所に設けてもよいことが理解されるであろう。
【0027】
好ましい実施形態では、PGD20は、別の装置からデータを送信且つ/又は受信する。したがって、PGD20は、1又は複数のデータ入力及び/若しくは出力装置又はインタフェースを備える。一実施形態では、PGD20は、例えば、PGD20とコンピュータ等の別の装置との間に延びるケーブルを通じてデータの送信及び受け入れを行うためのRS−232データポート38を備える。一実施形態では、PGD20は、例えばまた、ケーブルを通じてデータの送信及び受け入れを行うUSBデータポート40を備える。一実施形態では、PGD20は、無線の赤外線光の形態で情報を伝送する赤外線データ送信器/受信器42を備える。好ましい実施形態では、PGD20は、例えば、IEEE−802.1x又はBluetooth(登録商標)規格に準拠した無線周波数で動作する無線通信装置/インタフェース等の別の無線通信装置44を備える。
【0028】
好ましくは、プレーヤがゲームをプレーするため等の入力をPGD20に提供することが可能である。上述したように、一入力手段として、入力はディスプレイ34を通じて行われる。ディスプレイ34は、スタイラス又は他の装置を介して入力を受け入れるように構成することもできる。一実施形態では、PGD20はキーパッド46を備える。1又は複数の実施形態では、キーパッド46は、例えば、プレーヤが指でボタンを押下することによりアクティブ化することができる1又は複数のキー又はボタンを有するシールされたキーパッドである。PGD20は、プレーヤからの音声入力を受け入れるように構成されるマイクロホン48を備えることができる。上記入力装置に代えて、又は上記入力装置に加えて、他の入力装置を設けてもよい。例えば、プレーヤは、ジョイスティック(図示せず)を通じて入力を提供することができ得る。ジョイスティックは、PGD20の本体22に直接関連付けられた制御要素を備えてもよい。別法として、ジョイスティックはPGD20と別体であり、例えば、PGD20のデータポートにジョイスティックをプラグインすることにより通信してもよい。カード、チケット等の別の要素から情報を読み取るスマートカードリーダ、光学リーダ、又は他の入力装置を設けてもよい。PGDは、キーボード又はマウスを備えてもよい。
【0029】
一実施形態では、PGD20は、カメラ等の画像収集装置41を備える。画像収集装置41を使用して、例えば、PGD20のユーザ又はプレーヤの画像を取り込むことができる。この画像情報は、より詳細に後述するように、セキュリティ又は認証のために使用することができる。PGD20は指紋スキャナ49を備えてもよい。一実施形態では、示すように、指紋スキャナ49は、「スピン」ボタン又は「ドロー(draw:カードを引く)」ボタンのユーザ入力ボタンの後即ち下に配置してもよい。このようにして、ユーザ又はプレーヤが意識して参加する必要なく、プレーヤの指紋を得ることができる。後述するように、プレーヤのスキャンされた指紋情報を認証のために使用することができる。このようなスキャン装置は、フロリダ州メルボルンに所在のAuthenTec,Inc.により提供されるものと同様であってもよい。PGD20はカードリーダ50を備えることができる。図示するように、カードリーダ50はPGD20の本体22の側30に配置される。好ましい実施形態では、カードリーダ50は、情報をカードの磁気ストリップから読み取る磁気ストリップリーダを含む。カードリーダは、データをスマートカード又はポータブルメモリモジュールに書き込む、即ち記憶するよう構成することも可能である。
【0030】
図示するように、カードリーダ50は、PGD20の側30に位置決めされたスロットを備える。PGD20は、例えば、充電式バッテリパックを使用してバッテリにより給電してもよい。PGD20への給電を制御するオン/オフボタン47を設けてもよい。より詳細に後述するように、PGD20は独立型ゲーム機又は他のゲーム装置にドッキング、又は他の様式で関連付けることができる。PGD20がドッキングされるようなとき、容易に理解されるように、ドッキング解除即ち「遠隔」モードで後に使用するために、装置の内部バッテリを充電することができる。このような遠隔モードにある間、PGD20の低バッテリ状態の適当な検出手段、警告、及び予防手段を設けることもできる。
【0031】
好ましくは、PGD20は、入力の受け入れ及び出力の提供を含め、装置の動作を制御する制御手段を備える。このような制御手段の一実施形態を図2に示す。示すように、PGD20は、好ましくは、制御手段として機能する計算環境を備える。計算環境は、中央処理ユニット52を含む。中央処理ユニット52は、好ましくは、既知であり、Intel、AMD、Transmeta、及びSun Microsystems,Inc.等により製造されるマイクロプロセッサを含む。中央処理ユニット52には、双方向システムバス54が関連付けられる。システムバス54は、例えば、ビデオメモリ又はメインメモリをアドレッシングするための32本のアドレス線を含むことができる。さらに、システムバス54は、好ましくは、データをバス54に関連する構成要素間で転送するための32ビット又は64ビットのデータバスを含む。別法として、別個のデータ線及びアドレス線を使用することに代えて、複合データ/アドレス線を使用してもよい。
【0032】
ディスプレイ34はバス54に接続される。一実施形態では、ビデオメモリ(図示せず)がバス54に関連して提供される。ビデオメモリは、デュアルポートビデオランダムアクセスメモリであってもよい。ビデオメモリは、好ましくは、LCDディスプレイ34に結合され、これを駆動するように構成される。もちろん、ビデオメモリはCRT又は他の適した表示装置に結合してもよい。メモリ56はシステムバス54に関連付けられる。一実施形態では、メモリ56はダイナミックランダムアクセスメモリ(「DRAM」)、同期DRAM、又は他の形態のランダムアクセスメモリを含む。メモリ56は、電子的に消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ(「EEPROM」)等の他の形態も同様に有してもよい。好ましくは、メモリ56は、データの読み書きが可能なタイプのものである。好ましくは、大容量記憶装置58にも、バス54を介してアクセス可能である。大容量記憶装置58は、読み取り専用タイプのもの(CD光学ドライブ又はDVD光学ドライブ)であってもよく、又はフラッシュメモリ、コンパクトフラッシュ、又はCD/DVD−R/Wドライブ等の読み書きする種類のものであってもよい。
【0033】
図示のように、種々の入力装置及び出力装置をシステムバス54、ひいてはバスに付随するその他の構成要素に関連付けることができる。図示のように、スピーカ36、キーパッド46、及びカードリーダ50がシステムバス54に付随される。種々のデータ入力/出力装置(「I/O装置」)を、具体的に示していないが、例えばRS−232ポート38、USB40、及び赤外線通信送信器/受信器42を通じてシステムバス54に関連付けることもできる。理解されるように、これらの装置/要素は異なるプロトコルに従って動作し、異なる構造を有し、システムバス54と通信するために適当なインタフェースを設けられてもよい。例えば、赤外線送信器/受信器は、発光素子及びリンクを含む物理層及び既知のようにソフトウェア及び/又はハードウェアを含む他の層を含む異なる層を有することができる。現在既知の、又は後に開発される種々の他の入力/出力装置をPGD20に関連付けることができる。
【0034】
好ましくは、上述したように、PGD20は、IEEE802.1x規格又はBluetooth(登録商標)規格に従って動作する無線の無線周波数通信インタフェースを備える。このような無線通信インタフェースの構造/プロトコルは既知であるため、本明細書において詳細に説明しない。しかしながら、通常、このようなインタフェース44は、双方向データ通信を可能にする。詳細に説明したように、PGD20は、ゲームネットワークに関連付けられた少なくとも1つの装置を含む広範囲の装置/システムと通信することができ得る。本発明によれば、PGD20は、通信インタフェース44(又は赤外線送信器/受信器等の他の入力/出力装置)を通じてプログラムコードを含むデータを送受信することができる。より詳細に後述する一例として、ゲームサーバは、送受信器を介して、要求されたアプリケーションコードをPGD20の通信インタフェース44に送信することができる。中央処理ユニット52は、受信したコードを、コード受信時に実行してもよく、且つ/又はメモリ56に記憶して後で実行してもよい。一実施形態では、PGD20は、ハードドライブ、CD−ROM等の大容量データ記憶装置(図示せず)を備えることができる。1又は複数の実施形態では、メモリ56は、スマートカード又は同様の容易に取り外し可能な(且つ交換可能な)装置を含むことができる。このような場合、動作コード等のデータを、CD−ROMドライブに配置されたCD−ROMを介して、又は符号化されたスマートカード又はポータブルメモリモジュールを挿入することによりPGD20に関連付けることができる。
【0035】
上記の例示的なPGD20は多くの詳細に関してかなり特定的であるが、広範囲の同様の適した装置をPGDとして使用してもよいことが容易に理解されるであろう。他の例示的なPGD及びそれらの特徴は、Wellsに発行された「Wireless Game Player」と題する本願と権利者が共通の米国特許第6,846,238号に提供されており、この全体を参照により本明細書に援用する。適したPGDの付加的な特徴及び応用例を、「Apparatus and Methods for Wireless Gaming Communications」と題するNguyen等による本願と権利者が共通の米国特許出願第10/937,990号において見出すこともでき、この全体を参照により本明細書に援用する。上記の援用されるPGDのすべてのアイテム及び特徴が所与のPGD又は関連システムに求められるわけではなく、開示されていない他のアイテム及び特徴を含めてもよいことが理解されよう。場合によっては、PGDは、例えば、販売、レンタル、又は精算手順を通じてカジノ経営者又はゲームオペレータにより提供されてもよく、又は他の例では、適したPGDは、プレーヤ又は別の第三者により提供される外部装置であってもよい。このような個人所有の外部PGDは、例えば、携帯情報端末(「PDA」)、ラップトップ、iPod(登録商標)、携帯電話、又は他の任意の同様の適した装置であってもよい。本明細書において考察するように、用語「PGD」の使用は、上記に開示された例示的なPGD20並びに本発明の任意の目的でPGDとして機能できる他の任意の適した装置を指すことができ、このような1又は複数の装置はポータブル若しくはハンドヘルド式であってもよく、又はそうでなくてもよいことが理解されるであろう。さらに、用語「ポータブル」ゲーム装置及び用語「モバイル」ゲーム装置が使用されるが、関連する例では、他の適した非ポータブルPGDの使用で置き換えてもよい。
【0036】
汎用PGDゲームシステム
1又は複数の実施形態では、PGD20にはゲームシステムが関連付けられる。好ましい実施形態では、PGD20は、このようなシステムに関連付けられている場合のみ動作可能であるか、又はこのようなシステムに関連付けられない限り少なくとも特定の機能又は特徴を提示することができない。本発明の一実施形態による例示的なゲームシステム60を図3に示す。図3に示すように、ゲームサーバ60は個人ゲーム装置インタフェース62を備える。このPGDインタフェース62は、PGD20と各種ネットワーク、サーバ、及び他の装置との間のデータ通信のためのゲートウェイとして機能する。一実施形態では、PGD20とPGDインタフェース62との間のデータ通信は、PGDインタフェース62に関連付けられた送受信器64を介して行われる。一般に、送受信器は、情報をPGDインタフェース62から受け取ってPGD20に送り、且つ/又はPGD20から情報を受け取るように構成される。示すように、PGD20は送受信器64と直接通信することができる。しかし、このようなデータを正確に伝送できる範囲に制限があることが理解されるであろう。したがって、1又は複数の実施形態では、1又は複数の中継器66を設けて、データを受信し、適当な場所に再送信することができる。
【0037】
上述したように、好ましい実施形態では、PGDインタフェース62は、1又は複数のPGD20と1又は複数の他の装置、システム、又はネットワークとの間のゲートウェイ又はインタフェースとして機能する。インタフェース62は、無線インタフェースの形態であるかドッキングステーションの形態(より詳細に後述する)であるかに関わらず、売店、スロット、又は他のタイプのゲーム機、店頭装置、パーソナルコンピュータ等に関連付けてもよく、又はその内部に存在してもよい。図示のように、一実施形態では、PGDインタフェース62には、直接リンクを介して(図3に示すように)又はネットワークを介して(図9に示すように)金融サーバ68が関連付けられる。金融サーバ68はコンピュータであってもよく、処理ユニット及び1又は複数のデータファイルを有するコンピュータに関連付けられていてもよい。金融サーバ68は、好ましくは、金融取引データを確認するように構成される。例えば、プレーヤの、PGD20を使用してのゲームプレーを許可するために、プレーヤに賭け金を出すように要求することができる。一実施形態では、賭け金はクレジットカードを使用して出すことができる。このような場合、プレーヤは、クレジットカードをPGD20に関連付けられたカードリーダ50に通すことができる。このデータを金融サーバ68に送り、確認することができる(そして、当該技術分野において既知のように、取引データ、取引時刻、及び取引額等の金融取引データが生成される)。
【0038】
一実施形態では、システム60はゲームサーバ70を含む。示すように、ゲームサーバ70には、直接又はネットワークを介してPGDインタフェース62が関連付けられる。1又は複数の実施形態では、ゲームサーバ70は、ゲームコードを実行するよう構成されているプロセッサ等の計算装置であるか、又はこのような計算装置に関連付けられている。好ましくは、ゲームサーバ70は、インタフェース62を介してゲームデータをPGD20に提供するように構成される。このゲームデータは、画像をPGD20のディスプレイ34に生成するための映像データ及びスピーカ36から発せられる音声を生成するための音声データを含むことができる。ゲームサーバ70は、好ましくは、ゲームプレー中に、プレーヤ選択等の入力をプレーヤから受け取るようにも構成されている。一実施形態では、予約サーバ72が、直接又はネットワークを介してPGDインタフェース62に接続される。予約サーバ72は、予約選択を受け入れ、空いているホテルの部屋、料金、ショー、レストラン等に関する情報を提供して、PGD20のプレーヤが予約選択をする際に使用できるように構成することができる。
【0039】
PGD20は図2に示すように直接ネットワークリンクを介して他の装置と通信してもよいが、図9に示すようにネットワークを介して種々の他の装置と通信してもよい。例えば、PGD20は、特に、ゲームサーバ70及び金融サーバ68の他に、ネットワークを介して賞金サーバ90、プレーヤ追跡サーバ92、プログレッシブサーバ94、認証サーバ96、会計サーバ98、プロモーションサーバ100、及びキャッシュレス取引サーバ102と通信することができる。理解されるように、このようなサーバは別個の物理的な装置であってもよく、又はいくつか若しくはすべてを、1つの総合装置において、各「サーバ」が、所与の機能又はサービスタイプを制御する1又は複数のプログラム又はモジュールを含むような、単一の物理的な装置に統合してもよい。各サーバは、種々の任意の場所に存在してもよく、且つサーバによっては他のサーバから隔てられた場所に存在してもよい。もちろん、1つの典型的な場所は、カジノの要員しかアクセスできないバックルーム又は他の安全が確保された場所内である。他に考えられるサーバの場所としては、例えば、独立型ゲーム機それ自体、売店、又はカジノ若しくはゲーム施設から離れた遠隔場所を挙げることができる。後述するように、PGD20は、無線通信インタフェース62を使用して無線通信リンクを介して、又は図8を参照して、ドッキングステーション88との直接接続を介してこれらの他の装置と通信することができる。図9を参照すると、インタフェース62及び/又はドッキングステーション88は、次に、売店104、スロット若しくは他のタイプのゲーム機106、パーソナルコンピュータ108、又は店頭装置110等に関連付けられてもよく、又は統合されてもよい。次に、これら装置をネットワークに接続するか、又は関連付けることができる。
【0040】
一実施形態では、図2に示すように、PGDインタフェース70はインターネットゲートウェイ74に接続される。このインターネットゲートウェイは、例えば、インターネットサービスプロバイダを通じてインターネットに結合される計算装置を含むことができる。一実施形態では、図9に示すように、インターネットは、PGD20をサーバ等の他の種々の装置に接続できるようにするネットワークを含むか、又はその一部であってもよい。別の実施形態では、ネットワークは、これらの装置が関連付けられる専用ゲームネットワークを含む。PGDインタフェース62は、異なるプロトコルに従って動作する装置、システム、及びネットワーク間の通信を容易にするように構成することができる。例えば、PGDインタフェース62は、無線IEEE 802.1x規格に従ってPGD20と通信するように構成され得る。一方で、PGDインタフェース62は、IEEE1394(「ファイアワイヤ」)プロトコル又はEthernet等に従って動作する金融サーバ、ゲームサーバ、予約サーバ、及び他のサーバと通信するように構成され得る。さらに、PGDインタフェース62は、PPPプロトコル又はSLIPプロトコルに従ってインターネットゲートウェイ74と通信するように構成される。
【0041】
理解されるように、PGD20に/から送られるデータには、好ましくは、アドレス又は情報の意図する宛先の他の識別子が提供される。PGDインタフェース62はこのアドレス情報を使用して、PGD20から受け取ったデータをゲームサーバ70等の特定の宛先に向ける。同様に、PGD20に向けられたデータも、好ましくは、特定の意図する宛先を識別するアドレスが関連付けられる。2つ以上のPGD20がインタフェース62に関連付けられることがあり、したがって、データを意図する宛先に適宜関連付けるために一意のアドレス又は識別子が必要なことが理解されよう。1又は複数の実施形態では、PGD20に、特定のアドレス又は不正装置がシステム60に関連付けられるのを防ぐためのパスワード等の他のセキュリティ情報をプログラムすることができる。一実施形態では、各PGD20は、RSA又はDSA等のデータ暗号/復号方式を実施することができる。PGD20に/から送られる情報又はデータのいくつか又はすべてを暗号化して、不正ユーザによる傍受及び使用を防ぐことができる。暗号鍵/復号鍵(複数可)を、モジュール又は同様のリムーバブル装置を使用してPGD20に関連付けることができる。PGD20を機能させるためにモジュールを得るようにユーザに求めることができる。
【0042】
図1に示すPGD20等の個人ゲーム装置を使用する各種方法について、これより説明する。まず、プレーヤがPGD20を取得する。1つの例では、カジノで、プレーヤがPGD20を借りることができる。例えば、カジノは、プレーヤがPGD20を得ることができる中央デスク又はステーションを有する。一実施形態では、プレーヤがPGDを使用し終えたときにPGDを確実に返却するのを助けるために、装置を貸し出す際にデポジットを残すようにプレーヤに求めることができる。いくつかの実施形態では、例えば、プレーヤがPGDを使用する時間、即ちPGDを借りている時間に対して料金を支払うことにより装置を借りるようにプレーヤに求めることができる。代替として、プレーヤは、カジノ又は他のゲーム施設からPGDを購入することもでき得る。この選択肢は、プレーヤが各自のPGDを有したい、又は所有したい場合、またカジノ又はゲーム運営者が設定された種類のPGD及び/又はPGDプログラミングのみを有するより安全なシステムにしたい場合に特に有用である。
【0043】
さらに他の実施形態では、プレーヤは、上述したように、外部PDA、iPod(登録商標)、携帯電話、又は他の同様な装置等の各自の装置を使用することができる。このような場合、プレーヤは、必要なシステムソフトウェアをサポート可能な別個の外部装置を提供するように求められる。好ましくは、次に、プレーヤは、1又は複数のシステムプログラムを各自の外部PDA又は他の装置にダウンロードさせるプロセスを経る必要がある。カジノPGD又は適宜プログラムされた各自の装置を得た後、プレーヤは、売店、スロットマシン、カジノエリア、パーソナルコンピュータ等(図9参照)を含む種々の場所で装置を使用することができ得る。PGDを得るプロセスは、主要な3タイプのPGDプロセス:シリアル、ビデオクリップ、及びコマンドダウンロードのいずれにも適用可能である。
【0044】
プロセスタイプI:シリアルPGDプロセス
プレーヤすなわちユーザは、適宜プログラムされたPGDを得た後、1又は複数のアクティビティに参加することができ得る。一実施形態では、いくつかのアクティビティをPGD自体により提示することができる。例えば、ソフトウェアコードをメモリ56に記憶し、PGDの処理ユニット52がこれを実行して、音楽の再生、「使い方」又は「ヘルプ」の情報表示等の特定の機能を可能にすることができる。しかし、いくつかの実施形態では、適正なPGDにより完全にサポートされる機能数は制限される。これによりPGDが有する必要のあるメモリ総量が制限され、これは、特定の装置がメモリに関して制限される場合に有利である。このような状況では、図3に示すゲームシステムのように、1又は複数の機能又はアクティビティを、PGDをゲームシステムに関連付けるだけでサポートすることができる。
【0045】
一実施形態では、PGDは、例えば、例示的なPGD20のオン/オフボタン47を使用してオンになると、信号をPGDインタフェース62又は他の装置に送信して、通信リンクを確立するようになっている。この通信リンクが提供されると、データをPGD20及び他のネットワーク/システム/装置に送信又はPGD20及び他のネットワーク/システム/装置から送信することができる。通信リンクが確立されると、マスタメニュー情報をPGDインタフェース62から送信することができる。例えば、カジノ要員がメニュー情報を生成し、PGDインタフェース62に関連するメモリにロードすることができる。PGD20がPGDインタフェース62との通信リンクを確立すると、メニュー情報をPGD20に送信してPGD20上に表示することができる。
【0046】
次に、プレーヤは、表示されたメニューから1又は複数のアクティビティ又は機能を選択することができる。入力は、メニューアイテムに関連する画面34のエリアに触れること、キーパッド入力を提供すること、又は他の様式で提供することができる。一実施形態では、プレーヤは、無料で、アクティビティに参加するか又はサービスを得ることができる。例えば、プレーヤは、カジノ提供のPGD20等のPGDを使用して、無料でインターネットにアクセスすることができる。プレーヤは、無料でショー、チケット、ホテル、レストラン、及び他の情報を得て、予約等を行うことができる。
【0047】
1又は複数の実施形態では、プレーヤは、1又は複数のアクティビティに参加するために料金を支払うよう求められる。好ましい実施形態では、プレーヤは、1又は複数のゲームをプレーするために賭け金又は参加料を出すように求められる。もちろん、1又は複数のゲームを無料で提供してもよい。別法として、プレーヤは、ゲームの結果が勝ち結果である場合に報奨金又は勝つことに対する資格を得る場合に、賭け金又は参加料を出すように求められる。別の実施形態では、カジノ又は他の当事者が賞金を無料で出すことができる。例えば、プレーヤは、ゲームの勝者である場合に賞金(お金、ホテル宿泊券、無料ディナー等)が与えられる、1又は複数の無料のゲームをプレーすることができる。
【0048】
プレーヤが賭け金を出すように求められるか、又は賭け金を出したい場合、プレーヤは種々の方法でそれを行うことができる。一実施形態では、プレーヤはクレジットカードを使用してクレジット又は価値を提供することができる。上述したように、プレーヤはクレジットカードをカードリーダ50に通すことができる。このようなプレーヤカードから読み取られたデータをPGD20から金融サーバに送り、検証することができる。別の実施形態では、プレーヤはデポジットをゲームオペレータに出し、プレーヤカードを受け取ることができる。例えば、プレーヤは、カジノ所有のPGD20を借り出す場合、そのような使用に対する金銭的デポジット又はクレジットデポジットを出すことができる。デポジットにプレーヤアカウント及び/又はプレーヤカードを関連付けることができる。デポジットデータはマスタデータベースに記憶することができ、特定のファイルに識別子が割り当てられる。その識別子をプレーヤカードに記憶することができる。後に、プレーヤは、プレーヤカードをリーダに通すことができる。読み取られた識別子を送信し、デポジットデータを対応するファイルから得ることができる。プレーヤがクレジット又は価値を提供する種々の他の方法を提供し得る。例えば、プレーヤに、符号化チケット(バーコード等)、スマートカード、又はプレーヤのクレジット又は支払いの確認を提供する他の要素を提供することができる。容易に理解されるように、プレーヤが各自の別個に所有されるPGDを有する場合にも、例えば、クレジットアカウントに関する金融プログラムのダウンロードを通じて同様の方法を使用することができる。
【0049】
一実施形態では、プレーヤは、入力をPGD20に提供することにより賭け金又は参加料の額を選択することができる。例えば、プレーヤがプレーするゲームを選択すると、ゲームサーバは賭け金画面データを送信することができる。賭け金画面は、それぞれ価値(0.25米ドル、1.00米ドル等)を有する1個〜5個の任意のクレジットを賭けられることをプレーヤに示すことができる。プレーヤは望む賭け金を選択することができる。データを受け取ると、ゲームサーバは、例えば、クレジットカードをリーダに通して、必要なクレジットを提供するようにプレーヤに命令することができる。一実施形態では、プレーヤは、賭け金を出すことができる一揃いのクレジットを作成することができる。例えば、プレーヤは、大きな金額のデポジットをオペレータに出すことができるか、又はクレジットカードを使用して大きな金額のデポジットを作ることができる。このデポジットにはプレーヤのアカウントを関連付けることができる。プレーヤの合計クレジットをPGDで表示することができる。このような構成は、プレーヤが20ドル紙幣を提供して20の1ドルクレジットを生成することができ、クレジット数がプレーヤに示された現行のゲーム機の構成と同様である。プレーヤの賭け金又は参加料の確認が提供されると、プレーヤはゲームをプレーすることができる。好ましい実施形態では、ゲームデータがゲームサーバ70により生成され、PGDに送られる。図1は、ビデオポーカーの画面を表示している例示的なPGD20の一実施形態を示し、画面は、カード及び指示をプレーヤに表示している。プレーヤは、必要に応じて入力をゲームサーバ70に提供することができる。一実施形態では、プレーヤは、ゲームの途中で賭け金又は参加料を上げたり、又は他の賭け金を出すことができる。このような場合、プレーヤは上述したようにクレジットを提供することができる。
【0050】
ゲームの結果に応じて、賞金又は勝ちをプレーヤに提供することができる。一実施形態では、勝ちはプレーヤのアカウントに関連付けられるか、又はプレーヤのクレジットカードアカウントにクレジットしてもよい。別の実施形態では、PGD20は、チケットプリンタ又は価値が関連付けられた要素(又は少なくともプレーヤが勝った価値に関するデータ)を発行する他の装置を備えることができる。ゲーム又はゲーム群の終了時に、結果(複数可)が会計サーバにアップロードされる(通信リンクがある場合)か、又はセキュアメモリに記憶されて、後にアップロードされ照合確認される(PGDと会計サーバとの間に通信リンクがない場合)。プレーヤは、任意の数のゲームをプレーし、他のアクティビティに切り替えるか、又はPGD20に随時戻ることができる。
【0051】
1又は複数の実施形態では、PGD20が返却され且つ盗まれないのを保証する手段を提供することができる。まず、一実施形態では、PGD20を特定のエリアでの使用に制限することができる。例えば、装置の使用許可を特定のゲームルーム内のみにする。出口を監視することにより、PGD20の盗み又は損失を制御することができる。別の実施形態では、PGD20が横断した場合に、1又は複数のセキュリティ対策が発動されることになる「フェンス」を作成することができる。フェンスは、PGD20が制限エリア内で検出可能な信号を発する1又は複数のエミッタを含むことができる。PGD20は、信号を検出すると、PGD20が認可エリアから持ち出されつつあることを警告する大音量の可聴信号を(スピーカ36等により)生成するように構成することができる。PGD20は、警告メッセージをプレーヤに表示するように構成することもできる。一実施形態では、PGD20のメモリは消去して、(ゲームオペレータに戻して装置をリセットせずには)装置がそれ以上使用されないようにし、仮に装置に関連付けられた任意の重要な情報があった場合にプレーヤがそれを得るという状況をなくすことによりゲームオペレータを守ることができる。別の実施形態では、ネットワーク又は通信接続がないとき、PGD20の動作が単にディセーブル(不能化)される。このようにして、PGD20は、制限され画定された周界内でのみ動作可能である。これらの実施形態のさらなる詳細を以下においてより詳細に提供する。
【0052】
これに関連して、PGD20のいくつかの実施形態における利点は、ゲームコードが使用中以外にPGD20に記憶されない、又は存在しないように構成可能なことである。特に、ゲームの提示及びプレーに利用されるゲームコードは、ゲームサーバ70等の遠隔に記憶することができる。ゲームデータは、ゲームを提示する許可がある場合のみ、PGD20に転送することができる。したがって、このような実施形態では、装置が盗まれても、泥棒が、所有権のある重要なゲームコードを得ることにならない。もちろん、他の実施形態は、特に、コード、プログラム、又はプログラムの部分が盗難又は調べられても、ゲームオペレータにとって特に問題ではない場合、このようなゲームコード、ゲームコードの部分、及び/又は他の関連システムプログラムをPGDに記憶したままにすることができる時間を含むことができる。例えば、単に特定のタイプのゲームをディスプレイに表示する仕方をPGDに命令するが、乱数発生器(「RNG」)機能、他のゲーム結果プログラムコード、又は他の所有権を有する機密コードをまったく含まないコードの部分は、将来使用するためにPGDに残したままにしておいたほうがよく、それにより、所与のゲーム又はゲームセッションに求められるダウンロード量が最小化される。
【0053】
本発明の1又は複数の実施形態では、PGD20は特定のプレーヤに向けて「カスタマイズ」することができる。一実施形態では、プレーヤはプレーヤアカウントを作成することができる。このアカウントは、クレジット情報を含むのみならず、プレーヤ参照情報を含むこともできる。例えば、プレーヤは、特定のゲームをプレーし、特定の金種で賭けることを好むことを指定することができる。これらの好みは、プレーヤがサインアップシート上で示し、次に、サインアップシートを使用してアカウントを作成することにより、又はプレーヤがアカウント生成に使用できるプログラムインタフェースに入力することにより作成することができる。PGD20は他の様式でカスタマイズすることができる。例えば、PGDは、グラフィカルユーザインタフェースを介して情報を表示するように構成することができる。インタフェースの要素の色(複数可)をパーソナライズすることができる。さらに、メニュー、「ボタン」レイアウト等をカスタマイズすることもできる。一実施形態では、プレーヤの好みは、プレーヤカード又は他のポータブル入力装置に記憶することもできる。
【0054】
例えば、プレーヤは、プレーヤアカウントを作成するとき、好みを入力することができる。これらの好みは、ポータブルカードに記憶することができる。プレーヤは、PGD20を使用して、個人情報を読み取り、それに従ってPGD20を構成することができる。一実施形態では、プレーヤに、各自のプレーヤアカウントに関する情報を含むプレーヤカードが発行される。プレーヤがプレーヤカードをPGD20のカードリーダ50に通すと、アカウント番号等のプレーヤアカウントに関する情報を提供することができる。次に、プレーヤアカウントにアクセスし、アカウント内の情報を使用してPGD20をパーソナライズすることができる。例えば、PGDインタフェース62はプレーヤアカウント情報を使用して、パーソナライズされた表示メニューを生成し、又はプレーヤのデフォルト賭け金でカスタマイズされたようにプレーヤの好きなゲームを自動的に提示することができる。
【0055】
本発明の別の実施形態について、図4〜図7を参照して説明する。これらの図は、上述したPGD20等のゲーム装置を使用してゲームを提示する方法の一実施形態を示す。本発明の他の各種特徴が示され、この方法に関連して以下において説明されるが、特徴が単独で、又は他の組み合わせで、且つ他の使用方法で実施されてもよいことが理解される。開示される各種方法ステップは特定の順序で提示されるが、他の順序も可能であり、又は好ましくさえある場合もあることが理解されるであろう。例えば、プレーヤがクレジットを購入することができ、それからプレーヤの身元が確認且つ/又は認証されることが開示されるが、場合によってはこれらのステップの順序を逆にしたほうが好ましいことがある。
【0056】
図4は、本発明によるゲームを提示する一方法を示す。図示したように、方法は、上述したようなシステム60を介して実施することができ、システムは1又は複数のPGD20を備える。図示のように、本発明の方法は、プレーヤがゲーム装置を得るステップS1から始まる。ゲーム装置は、上述したPGD20、PDA、ラップトップ、携帯電話、又は他の適した電子装置等の種々のタイプであってもよい。装置はポータブルであってもなくてもよく、システムの他の装置から離れて配置してもよい。さらに、PGDは、カジノ又は他のゲームオペレータから提供されるか又は購入されるものであってもよい。別法として、PGDは、プレーヤが所有及び提供するような、普通はシステム外部からのものであってもよい。場合によっては、適したPGDの第三者プロバイダも代替形態であってもよい。
【0057】
ステップS2において、プレーヤは1又は複数のゲームをプレーする権利を購入するか、又は取得する。このような一方法を図5を参照して詳細に説明する。図5に示すように、ステップS2Aにおいて、好ましくは、プレーヤに、少なくとも、1又は複数のゲームプレーイベントを購入する選択肢が提示される。示すように、プレーヤには、プレーヤアカウントに関する選択肢等の種々の他の選択肢を提示することもできる。上述したように、プレーヤは、例えば、ゲーム購入又は賭け金を出すために価値を提供するために使用するアカウントを有する。アカウントには、銀行又は他の金融エンティティを関連付けることができるか、又はカジノ又はゲームプレゼンターを関連付けることができる。示す実施形態では、プレーヤには、(a)アカウントを照合確認する、(b)ゲームを購入する、(c)アカウントに関する問い合わせをレビュー又は作成する、(d)現金を引き出す、又は(e)現金を入金するという選択肢が提示される。選択肢(a)及び(c)〜(e)は、種々の様式で実施され得るため、本明細書において詳細に説明しない。しかし、これらの選択肢には、ユーザがアカウントにアクセスし、入金し、引き出し、アカウント情報を得る等を行えるようにする各種方法の関連付けることができる。
【0058】
プレーヤが選択肢(b)を選択した場合、ステップS2Bにおいて、プレーヤは1又は複数のゲーム又はゲームイベントを購入することが許される。この機能は種々の様式で実現される。一実施形態では、この選択により、PGD20がゲームサーバ70に接続される。好ましくは、次に、プレーヤは賭け金額を選択又は入力する。例えば、プレーヤは、100.00ドルの価値のゲームをプレーすることを選択することができる。ステップS2Cにおいて、プレーヤは、賭けると選択した金額を表す価値を提供する。上述したように、プレーヤはクレジットカードを使用して、この支払いを提供することができる。PGD20が例えば、貨幣識別器又は硬貨選別器を備えることにより支払いを受け入れるように構成されている場合、プレーヤは現金を使用することもできる。一実施形態では、プレーヤは、カジノ又は他のゲームプロバイダを使用して確立されたプレーヤ金融口座を利用することができる。提供される価値は、プレーヤポイント又はゲームプロバイダが受け入れる他の特徴等の金銭価値以外を含むことができる。
【0059】
ステップS2Dにおいて、プレーヤはプレーする1又は複数のゲームを選択する。一実施形態では、プレーヤに、ゲームが選択されるメニューを提示することができる。プレーヤは、プレーする1又は複数のゲームを選択することができる。一実施形態では、プレーヤに、賭け金額に関連してプレーされるゲーム数に関する情報を提供することができる。例えば、プレーヤは、賭け金100.00ドルを選択してビデオポーカーゲームをプレーすることができる。次に、特定の各ゲームに賭けたい金額を示すようにプレーヤに求めることができる。例えば、各ゲームに0.25ドル賭けたいのか、それとも1.00ドル掛けたいのかを示すようにプレーヤに求めることができ、又はデフォルト賭け金をゲームのうちの1又は複数に適用することもできる。プレーヤが各ゲームの賭け金に1.00ドルを選択するか、又はデフォルト賭け金が各ゲームで1.00ドルであり、プレーヤが100.00ドル掛けた場合、ゲームサーバはプレーヤに、100回のビデオポーカーゲームをプレーする資格を得たことを示すことができる。
【0060】
上記ステップの一般的な目的は、プレーヤがプレーを望み、且つ賭け金又はプレーの支払いを提供したゲーム数を定義することである。述べたように、ゲーム数は、プレーヤが掛けたい総額及び各ゲーム当たりの賭け金額又は各ゲームをプレーするコストを含む複数の要因に応じて異なる。したがって、ステップは各種要因に応じて異なる。例えば、ゲームプレーパッケージをプレーヤ選択に提供することができる。ゲームプレーパッケージは、ビデオポーカーゲームを25.00ドル等の特定の賭け金で各ゲームにつき1.00ドルで25回プレーするか、又はさらに割り引く選択肢を含むことができる。この例では、プレーヤはゲームプレーパッケージのうちの1つを選択して、適当な賭け金を出す必要があるだけである。
【0061】
次に、プレーヤの身元及び/又はプレーヤがゲームをプレーする権利を確認することができる。一実施形態では、ステップS2Eにおいて、プレーヤに関する特定の情報が得られる。示すように、この情報は、プレーヤの指紋等の生体認証情報を含む。ステップS2Fにおいて、集められた情報を使用して、プレーヤを識別し、且つ/又はゲームをプレーする資格を確認する。一実施形態では、これは、集められた生体認証情報を記憶されている生体認証情報と比較することを含む。例えば、プレーヤがカジノに金融口座を開設するときに、又はPGD20を借りるときに、プレーヤに生体認証情報の提供を求めることができる。この情報は、確認プロセスに使用するために記憶される。他の情報を使用してプレーヤを識別し、且つ/又はゲームプレーの資格を確認してもよいことが理解されよう。例えば、確認は、パスワード等の識別子の使用を通じて実現してもよい。網膜スキャン、顔の特徴(カメラ41を使用してプレーヤの画像を取り込むこと等により)、又は他の認証を介するもの等の他の生体認証を使用してもよい。
【0062】
一実施形態では、確認ステップは、プレーヤがゲームをプレーする法定年齢であるかを確認することを含む。一実施形態では、年齢が確認されたプレーヤしか、口座の開設、PGD20の取得、又はPGD20でのプレーが許可されない。この構成では、プレーヤは、第1に法定年齢になっていなくては口座又は装置にアクセスすることができないため、プレーヤの生体認証情報がファイル上の生体認証情報に一致した場合に、確認が保証される。これにより、例えば、未成年が他人のPGD20を使用してゲームをプレーすることが回避されると共に、許可を受けたプレーヤ以外の第三者が有効なPGD20を使用することが回避される。このようなプレーヤの確認又は認証の手順は、1又は複数のシステムサーバ又は構成要素、例えば、図9の認証サーバ96等により実行することができる。
【0063】
ステップS2Gにおいて、ゲームサーバ70はゲーム情報を提供する。一実施形態では、上述したように、これは、ゲームコードをPGD20にダウンロードすることを含む。ゲームコードは、PGD20がユーザが選択した1又は複数のゲームを提示できるようにする実際の実行可能コードを含む。本発明の一実施形態では、基本ゲームコードはPGD20に記憶されることができるか又は存在することができる。このゲームコードは、それ自体ではPGD20にゲームを提示させることができない。この構成では、PGD20がゲームを提示するには、追加のコード又はデータをPGD20に供給しなければならない。他の実施形態では、PGDに記憶されている基本ゲームコードがより大きくてよく、場合によっては、PGDのゲームプレー及びゲーム提示のかなりの能力又は完全な能力をイネーブルさせるように、PGDの記憶装置及び計算機能をさらに使用することが望ましいことがある。このような場合は、より詳細に後述するように、システムサーバからの1又は複数のプログラム全体のコマンドダウンロードを含む。
【0064】
一実施形態では、ゲームサーバ70は、ゲーム結果及び/又は配当表情報を送信するように構成される。ゲーム結果情報は、好ましくは、PGD20に提供されたときに、PGD20に結果データに関連する特定の結果を有するゲームを提示させるランダムに生成されたゲーム結果データを含む。例えば、ゲーム結果データは、ゲームコードに提供されると、ゲームコードにその対応する結果を有するゲームを提示させる数値コード等の乱数により生成される結果を含む。「スロット」タイプのゲームの場合、結果コードは勝ち結果「チェリー3個」を表すことができる。他の実施形態では、結果コードは、ゲームコードを使用してゲームを提示するために使用されるより詳細なデータを含むことができる。例えば、データは、ブラックジャックゲームでプレーヤに配るべき特定のカードと共に、捨てたいカードに基づいてプレーヤが選択できる可能な追加のカードを表す。ゲームサーバ70によりPGD20に提供されるデータはプレーされるゲーム数に依存することが理解されよう。例えば、プレーヤが、各賭けゲーム当たり1.00ドルで、賭け金100.00ドルを選択した上記に提供された例では、ゲームサーバは、少なくとも100のゲームに関する情報を提供しなければならない。しかし、プレーヤが賭け金レベルを変更できる場合、及び/又は最初に購入してプレーした100ゲームでの累積勝ちで追加のゲームをプレーできる場合等、さらなるゲームについての情報が望ましい場合がある。
【0065】
示したように、データは配当表データを含むこともできる。このデータは有用であり、結果及び/又は勝ち結果の支払額を計算している。配当表は一般に、ゲーム結果から独立しているが、賭け金額に応じて異なることが理解されよう。したがって、配当表は、プレーヤが異なる賭け金額を選択する場合に、勝ち金額を計算する必要がある。一実施形態では、追加のデータがPGD20に提供される。このデータは、プレーヤに関する生体認証データ及び/又は全地球測位システム(「GPS」)データを含み得る。データ又は情報がステップS2HにおいてPGD20に提供されると、ゲームサーバ70は、好ましくは、後の照合確認のために情報を金融サーバ68に送る。この情報は、例えば、データがPGD20に提供された各ゲームに関連する勝敗に関するデータを含む。このようにして、プレーヤがゲームをプレーするときに、各ゲームに関連する勝敗を追跡して確認することができる。
【0066】
再び図4を参照すると、ステップS3において、プレーヤはゲームセッションを開始する。プレーヤは、例示的なPGD20等のPGD又は上述したような他の任意の適したゲーム装置を得る。セッションを開始するには、プレーヤに特定のソースからPGDを得るように求めてもよく、又はユーザは単に装置をオンにするだけ等でもよい。好ましい実施形態では、ステップS4において、通信がゲームサーバ70とPGDとの間で開始される。一実施形態では、情報がゲームサーバ70からPGDに送信され、PGDにより受信されると、ゲームを提示するモードにPGDを保つ。したがって、この情報は「アクティブ化情報」と呼ぶことができる。この情報は、PGDに断続的に送信されるデータを含むことができる。情報送信の間隔は様々であってもよいが、5秒〜30秒である。
【0067】
このような実施形態は、PGDが本質的に遠隔サーバの洗練されたディスプレイであり、遠隔サーバが真に1又は複数の対象となるゲームを実行しているエンティティであるような、PGD及びサーバが関与する「シリアル」のアクション単位のプロセスとみなすことができる。1又は複数のシステムプログラムをPGDに完全にダウンロードして「オフライン」ゲームを拡張させることを含む代替的な「コマンドダウンロード」実施形態を、以下においてさらに詳細に提供する。いずれの形態の実施形態でも、アクティブ化情報及び/又はプログラムコマンドダウンロード情報は、無線通信リンクを介して送信される。好ましくは、送受信器64及び各種中継器66は、それぞれの数、場所、及び電力を含み、PGDがアクティブ化情報を受信する「ゲームゾーン」を作成するように構成される。好ましくは、このゾーン外では、アクティブ化情報及び/又はダウンロード情報はPGDにより受信されない。
【0068】
いくつかの実施形態、特に「シリアル」プロセスを含む実施形態では、PGDは、特定の時間期間にわたってアクティブ化情報を受信しない場合、それ以上のゲームプレーを自動的に阻止するように構成される。このようにして、PGDのユーザは、法律で規制された(proscribed)ゲームゾーン又はカジノ内等の特定の指定エリア内以外でゲームプレーに参加することができない。いくつかの実施形態では、PGD20の特定の特徴は、アクティブ化情報から独立してアクティブ化されたままである。例えば、プレーヤがゲームをプレビュー等することができる他の各種メニュー特徴は、引き続きアクティブなままにすることもできる。プレーヤが、カジノ所有のPGD20以外の装置、例えば、外部の個人所有のPDA等を介してゲームをプレーしている場合、ゲームプレーから独立した特徴等の各種特徴は、アクティブなままであってもよい。
【0069】
一実施形態では、ステップS5において、PGDはゲームプレーについて確認される。図6はこのような方法の一例を示すが、他の方法を使用してもよい。図6を参照すると、ステップS5Aにおいて、生体認証及び/又は他の確認情報がプレーヤから得られる。一実施形態では、これは、PGDの指紋リーダ49を使用して指紋情報を読み取ることを含むことができる。さらに、一実施形態では、PGDの場所に関するGPSデータがPGDより得られる。ステップS5Bにおいて、好ましくは、生体認証情報が前に得られた生体認証情報(図5のステップ1G参照)と比較される。ステップS5Cにおいて、生体認証情報が一致しない場合、ステップS5Dにおいてセッションは終了する。他の実施形態では、生体認証情報が一致しない場合、プレーヤに対して、1又は複数の追加の回数分、指紋を再スキャンする等により生体認証情報を一致させるように試すことを求めることができる。
【0070】
生体認証情報が一致する場合、ステップS5Eにおいて、ゲームサーバ68からのアクティブ化情報が評価される。これは、情報の品質又は受信時刻を評価し、特定の基準又は要件を満たしているか否かを判断することを含む。アクティブ化情報が要件を満たさない場合、ステップS5Gにおいて、セッションは終了する。アクティブ化情報が要件を満たす場合、ステップS5Hにおいて、PGDはゲームプレーについての確認を得る。再び図4を参照すると、ステップS6において、次に、プレーヤはゲームプレーに参加することができる。一実施形態では、プレーヤがプレーすると選択したゲームのうちの1つがプレーヤに提示される。好ましくは、ステップS7において、プレーされるべきゲームがまだ残っているか否か、及びプレーヤがプレーを継続したいか否かが判断される。ゲームがまだ残っている、又はプレーヤがプレーを継続したい場合、好ましくは、PGDはステップS5において再確認されてから、次のゲームがプレーのために提示される。
【0071】
上述したように、一実施形態では、ゲームがプレーのために提示されるとき、PGDは常駐のゲームコードを、ダウンロードされたゲームデータと共に使用して、ゲームを提示する。ゲームデータは、プレーするゲームの特定の「結果」を表すデータを含むことができる。プレーヤがプレーを止めたい場合、又はすべてのゲームをプレーし終えている場合、ステップS8において、好ましくは、プレーされた1又は複数のゲームの結果がPGDに記憶される。これらのゲーム結果は、確認のためにゲームサーバ70に送信される。ステップS9において、ゲームプレーが停止すると、いくつかの実施形態、特にPGDとサーバとの間に「シリアル」ゲームプレープロセスを含む実施形態では、ゲームサーバ70はアクティブ化情報を送信するのを止め、これにより、PGDのプレーヤによるゲームプレーへのそれ以上のいかなる使用も阻止する。
【0072】
ステップS10において、好ましくは、ゲーム結果が確認される。図7は、このような方法の一実施形態を示す。ステップS10Aにおいて、PGDはゲームサーバ70との通信リンクを確立する。ステップS10Bにおいて、認証が行われる。好ましくは、この認証は、プレーヤが、個人識別番号(「PIN」)又は(上述したような指紋のような)生体認証等の他の識別子を提供することを含む。認証が成功した場合、認証サーバ96はゲームサーバ70、金融サーバ68、及び/又は1つ若しくは複数の他のシステム構成要素に、現在のプレーヤがプレーに承認されたことを通知することができる。次に、ステップS10Cにおいて、ゲームサーバ70は、好ましくは、金融サーバ68との通信リンクを確立する。ゲームサーバ70は、PGDにより提供されたゲーム結果データを送信する。この情報は様々であるが、特定のPGD又は「ゲームセット」を識別する情報並びに各ゲームの勝敗情報及び/又は総合的な勝ち若しくは負け情報を表す金銭差引残高等のゲームの結果を含むことができる。
【0073】
ステップS10Dにおいて、金融サーバ68は、ゲーム情報が当初生成された(図5のステップS1H参照)ときにゲームサーバ70により提供された、前に提供されたセッションデータを検索する。ステップS10Eにおいて、一実施形態では、金融サーバ68はゲームデータに関連する結果を生成する。これは、金融サーバ68が、各ゲーム結果に関連する金銭的な勝ち又は負け並びに全ゲームの総合的な勝ち又は負けを判断することを含む。ステップS10Fにおいて、金融サーバは、PGDにより提供された結果データを、ゲームサーバ70が生成したゲームデータに基づく結果データと比較する。
【0074】
ステップS10Gにおいて、データが同じではない場合、ステップS10Hにおいて、好ましくは、プレーヤに照合確認の不一致が通知される。次に、プレーヤは、ステップS10Iにおいて、カジノの担当者とコンタクトをとってこの問題をさらに調べる等により、助けを求めるように勧められる。ステップS10Jにおいて、金融サーバ68は、好ましくは、この問題を調べる際に担当者が使用するために、照合確認の実行に使用されたデータを記憶する。ステップS10Gにおいてデータが照合確認される場合、ステップS10Kにおいて、好ましくは、特定のゲームの勝ち又はゲーム群の総合的な勝ちが所定の閾値を超えているか否かが判断される。超えている場合、好ましくは、ゲーム結果は再度確認される。このステップは、ゲームの勝ちを確かめる等のさらなる監査手順を含むこともできる。このさらなる照合確認に失敗した場合、プレーヤに、ステップS10Iでのように担当者にコンタクトをとるように勧めることができる。
【0075】
ステップS10Kにおいて、勝ち金額が閾値未満である場合、ステップS10Lにおいて、プレーヤに、照合確認が行われたことが通知される。ステップ10Mにおいて、好ましくは、プレーヤにあらゆる勝ち金額が支払われる。プレーヤがゲーム金融口座を有する場合、これは、金融サーバ68が単に、プレーヤの口座情報を更新することを含む。プレーヤには、チケット、クレジットカード口座への入金等の他の様式で勝ち金額を支払うこともできる。ステップS10Nにおいて、好ましくは、金融サーバ68は、プレーヤによるレビューのために勝ち情報をPGDに送信する。例えば、PGDに、「おめでとうございます。1015クレジットを獲得しました。口座への入金が完了しており、現在の合計クレジットは1873です」等のメッセージを表示させることができる。
【0076】
本発明のさらなる態様について図8を参照して説明する。上述したように、一実施形態では、プレーヤは本質的に、1又は複数のゲームをプレーする権利を購入し、ゲームの結果を定義するか、又はゲームの結果を含むデータ又は情報が、後のゲームプレーで使用するために生成される。図8は、ユーザがプレーするゲームを購入できるシステムを示す。図示のように、システム60は、1又は複数のステーション80を備えることができる。ステーション80は、売店等の専用ステーションを含んでもよく、ホームコンピュータを含んでもよく、又は後述するように独立型ゲーム機の形態をとることさえ可能である。図示のように、ステーション80は、プロセッサ82、モニタ84、及びキーボード86を有するデスクトップコンピュータの形態を有する。ステーション80は、種々の他の形態を有し得る。ステーション80は、好ましくは、例えばインターネット又は専用通信リンクを介して、ゲームサーバ70と1回又は複数回リンクされる。
【0077】
一実施形態では、ユーザは、ステーション80を利用して、プレーするゲームを購入することができる。一実施形態では、ステーション80は、ゲームを購入する際、又は口座管理等の他のアクティビティに参加する際に、メニュー又は他の情報をユーザに表示するように構成される。一実施形態では、プレーヤがプレーするゲームを首尾良く購入した場合、ゲームサーバ70は、ゲーム結果情報を売店70に送信するように構成することができる。次に、ゲーム結果情報をスマートカードインタフェース90に向けることができ、そこで、データをプレーヤのスマートカード92に書き込むことができる。データがカード92に記憶されると、プレーヤはデータを取り出してから、上述した例示的なPGD20等の適したPGDに入力することができる。ゲーム装置に入力されると、その情報をカード92から読み出して、1又は複数のゲームを提示する際に使用することができる。
【0078】
別の実施形態では、ステーション80はドッキングステーション88を含むことができる。PGD20は、ドッキングステーション88とインタフェースし、情報をステーション80とPGD20との間で伝送できるように構成することができる。一実施形態では、ゲーム結果情報は、ドッキングステーション88を介してPGD20に提供することができる。この実施形態では、ユーザは、PGD20を得てから、PGD20をドッキングステーション88に関連付けてもよく、又はPGD20がすでにドッキングステーション88に関連付けられており、本質的にその場所から「貸し出され」てもよい。いくつかの実施形態では、ドッキングステーション88及び/又は全体ステーション80は、より詳細に後述するように、独立型ゲーム機の形態であってもよく、又は独立型ゲーム機に取り付けられてもよい。これらの実施形態では、ゲームを実施するステップの厳密な順序が図4〜図7において記したものと異なってもよいことが理解されるであろう。
【0079】
本発明によれば、プレーヤは、PGDを介して特に上述したもの以外の広範囲の商品又はサービスにアクセスすることが可能である。例えば、プレーヤは、ルームチャージアカウントにアクセスして、ホテルでの滞在に関連する現在の部屋の料金を見ることができる。プレーヤは、例えば、バレット(valet:係員)券識別番号を入力することにより係員付き駐車サービス(valet service)から自分の車を要求することができる。プレーヤは、広範囲の他の商品、サービス、又は情報を得るか、又は広範囲の他のアクティビティに参加することができる。
【0080】
本発明のPGDは多くの利点を有する。第1に、プレーヤはPGDを使用して、固定場所以外でゲームに参加することができる。プレーヤは、従来の固定ゲーム装置の場所から移された(removed)場所でゲームをプレーすることができる。こういった場所としては、プレーヤのホテルの部屋、レストラン、バー又はラウンジ、スポーツブック、ホテル/カジノのプールエリア、及び固定ゲーム装置から離れた広範囲の他のエリアを挙げることができる。もちろん、プレーヤは、据置きのゲーム機エリアでPGDを利用してゲームに参加することもでき、さらにはPGD及び据置きの独立型ゲーム機の両方で同時にプレーされるゲームに参加することさえも可能である。
【0081】
PGDの別の利点は、この装置が容易に可搬なことである。プレーヤは、レストランからホテルの部屋等、場所から場所に移動する際に装置を携帯することができる。したがって、プレーヤが、食事又はカジノ内の或る場所から別の場所への移動等の他のアクティビティに従事している間に、プレーヤのゲームをプレーする能力を邪魔しないことができる。PGDの別の利点は、そのコンフィギュレーションにより使用しやすいものとなることである。PGDは、好ましくは、ハンドヘルド式で無線式であるため、プレーヤが容易に持ち運ぶことができる。さらに、例示的なPGD20の設計はかなり単純であり、経験のないユーザであっても使用法を容易に理解することができる。一般に、ディスプレイに表示されるか、又はスピーカ36を通じて可聴的に提供される指示等により、プレーヤにとって必要な作業を促すことができる。いくつかの実施形態では、プレーヤが、各自に馴染みのあるPDA、ラップトップ、携帯電話、又は他の適した個人の装置を使用することができることも利点である。
【0082】
PGD20はまた多目的であり、プレーヤによるプレーのためにゲームを提示することに制限されるものではない。上述したように、PGD20のプレーヤ又はユーザは、PGDを利用して、広範囲の情報にアクセスし、広範囲のサービスを得ることができる。プレーヤは、インターネットにアクセスして、そこから情報(ニュース及び天気等)を得ることができ、且つインターネットを通じて(例えば、ウェブサイトを有するベンダーに注文することにより)商品及びサービスを得ることができる。プレーヤは、部屋、ショー、又はレストランの予約をすることができ、ホテル/カジノの情報を得ることができる。
【0083】
本発明の一態様は、装置が、ゲームを提示するための常駐のゲームコードを有するが、追加のゲームデータなしではゲームをプレーすることができない1又は複数のPGDを介してゲームを提示する方法である。好ましくは、追加のゲームデータは、RNG及び/又は配当表情報等のゲーム結果データを含む。この構成は、ゲームコードのほぼすべてをPGDに記憶することができ、それにより、ゲームプレーに向けての装置のコンフィグレーションに関連するダウンロード時間が低減されるという利点を有する。しかし、同時に、PGDは最初に追加データを受信しなければゲームを提示しない。
【0084】
ゲームの関連する利点は、プレーヤが1回で複数のゲームの支払いを行うことができることである。各ゲームがプレーされるときに、クレジットカード認証等により各ゲームの支払いを確認するように強制されずに、プレーヤは複数のゲームの「ゲーム結果」をすべて同時に支払う。本発明の一態様として、ゲーム結果は、スマートカード等のゲームカードに提供することができる。次に、プレーヤはゲーム結果を保持して、それを使用して、様々な時に、様々な場所でゲームをポータブル装置(例えば、PGD)でプレーすることができる。例えば、プレーヤは、100のゲームを購入し、関連する「結果」をプレーヤカードに記憶することができる。PGDは結果情報を読み取り、これを使用してゲームをプレーヤに提示することができる。次に、プレーヤは、ゲームの追加を後の時間にプレーすることを選択することができ、後の時間のプレーは異なる装置を使用してであっても可能である。その後の時間に、結果情報を再び読み取って使用して、追加のゲームを提示することができる。
【0085】
本発明の別の利点は、PGDが適正な場所(複数可)で、適正なプレーヤ(複数可)により使用されており、且つ/又は盗まれていない若しくは改竄されていないことを保証する構成である。説明したように、これは、アクティブ化情報がPGDに送信され、その情報が受信されていない、又は確認されない場合、PGDはプレーするゲームを提示さず、且つ/又はアラーム若しくは他の警告信号を発することができるシステムを含む。これは、例えば、ユーザがPGDを持ち出すこと、又は認可されていない場所で使用しようとすることを防ぐ。これはまた、未成年者による使用等、不正又は認可されていないPGDの使用を防ぐこともできる。このような「仮想リーシュ」タイプの構成のさらなる詳細を以下において提供する。
【0086】
プロセスタイプII:ビデオクリップベースのPGDプロセス
図10及び図11に示す本発明の別の態様では、1又は複数の事前購入済みチャンスゲームを選択的に表示する、全体的に116で示されるモバイルゲームシステムが提供される。モバイルゲームシステム116は、遠隔PGD(図1に表されるPGD20等)と、中央ゲームシステム120とPGDとの間で通信して、第1の時間に中央ゲームシステムにより生成された、1又は複数の事前購入済みチャンスゲームのプレー及び結果を表すプレビュー済みゲームデータを選択的に受信するようになっている通信インタフェース118(図11)と、を含む。遠隔PGD20は、表示画面34を支持する筐体22及び1又は複数の入力機構46をさらに備える。1)プレビュー済みゲームデータのプレー又は処理を開始し、且つ2)第1の時間後の時間をずらした第2の時間に、1又は複数のチャンスゲームのプレー及び結果を表示画面34に選択的に表示するように構成されるゲーム装置のマイクロプロセッサ装置52が含まれる。
【0087】
したがって、本発明のこの態様では、第1の時間に、1又は複数のチャンスゲームは事前購入され、中央ゲームシステム120(例えば、バックエンドサーバ)で事前実行され、その後、そのプレー及び結果を、第1の時間後の第2の時間にPGD20でプレーして閲覧することができる。したがって、事前購入済みチャンスゲームは、安全なゲーム環境又はシステム(例えば、中央ゲームシステム120)で完全に実行されてから、プレビュー済みゲームデータの形態で遠隔PGDに転送されて、プレーヤが暇なときに各自の遠隔PGD上でチャンスゲームのプレー及び結果が完全にリプレー実行される。本質的に、事前購入済みチャンスゲームのプレー及び結果は、ゲーム装置でプレーされ閲覧される前にサーバ側で「既知」であり、承認される。プレビューされたゲームデータが遠隔PGDに転送されると、PGDは単に、チャンスゲームのプレー及び結果を見るために適用されるだけである。したがって、最も基本的なレベルでは、ゲームのプレー及び結果のビデオクリップ(複数可)が、サーバからモバイルゲーム装置に転送又はダウンロードされて、第2の時間に時間をずらしてリプレーされる。PGDは本質的に、ビデオクリップの次の「フレームシーケンス」で何が起こるのかを見ることができるようにする、おそらくボタンを押下するだけのこと以外のあらゆるプレーヤ入力をなくした表示機構に格下げされる。例えば、複数のゲームビデオクリップをサーバ又はバックエンドで、第1の時間に事前生成することができる。顧客が、後の第2の時間に見るために1又は複数の事前生成ゲームを購入した場合、このデータを、設定された順序、シーケンス等なしでPGDに割り振る(例えば、ランダムに)ことができる。PGDは単に、第1の時間に安全な環境ですでに行われたイベントに関連するビデオクリップを再生するだけである。しかし、プレーヤにとってはこの局面は未知であり、関心を持つ可能性は低い。
【0088】
この手法は、連続した「プレー」及び「結果」が単にビデオクリップ又はセッションファイルの形態にすぎず、払い出し及び/又は紛争の解決のためにサーバにより明確に定義されて記録が残されるため、改竄の危険性を大幅に低減する。このように、セキュリティ問題にサーバ側から対処する。したがって、勝つビデオゲームを「選択」して「選ぶ」ことができないため、ハッカーにとって「先見」してどのゲームが好都合であるかを判断することに利益はまったくない。
【0089】
本発明の別の態様では、1又は複数のチャンスゲームのPGD20での閲覧済みのプレー及び結果を表す閲覧後ゲームデータが、中央ゲームシステムに記憶されているプレビュー済みのゲームデータと突き合わせられて、又は照合確認されて、PGDから転送されたゲーム結果を認証する。明白なように、このようなデータ認証は、データ改竄の危険性を大幅に、さらに高い程度で低減するために望ましい。この形態の遠隔ゲームは、チャンスゲームのプレー及び結果の閲覧をオフラインで行うことができるという点で極めて有利である。手短に言えば、モバイルゲーム装置のプレーヤがゲームを実行中に、PGD20がバックエンドゲームシステムに接続されていない間に、プレーのオフライン構成要素が実行されるのに対して、プレーのオンライン構成要素は、チャンスゲームの事前購入、ポイント回収、現金化、及び/又はプレーの照合確認のためのバックエンドゲームシステムとの同期等の時に行われる。このようにして、すべての取引が法的カジノ管轄内で行われる。
【0090】
さらに、本発明は、スタンドアロンモバイルゲーム方法を提供し、完全オフラインゲームプレー(即ち、プレー及び結果の閲覧)を、プレー及び結果をモバイルゲーム装置で表示している間にインターネットを通じての接続又は他のあらゆるネットワーク接続を必要とせずに、又はプレーヤがカジノ施設に物理的に存在する要件なしで実施する。したがって、携帯電話ネットワークカバレージ等のあらゆるタイプのネットワーク接続を利用できない場合であっても、モバイルゲーム装置上のゲームをほぼどこでも実行することができる。
【0091】
再び図10を参照して、本発明のこのモバイルゲーム態様についてこれよりさらに詳細に説明する。本発明によれば、モバイルゲームシステム116全体は、中央ゲームシステム120及び例示的なPGD20等の1又は複数の遠隔ゲーム装置を含む。中央ゲームシステム120は通常、ネットワークシステム等を通じて相互接続されたマスタゲームサーバ70及び複数のスタンドアロンゲーム端末(図示せず)を含む。手短に言えば、中央ゲームシステムは、大型単一サーバ装置を含むことができるが、協働して中央ゲームシステムを形成する複数の相互接続されたサーバにより提供されるほうが好ましい。図3において上で説明したように、例えば、これらはマスタゲームサーバ70、金融サーバ68、予約サーバ72、会計サーバ等を含むことができる。例えば、会計サーバは、各種クレジットイン取引/クレジットアウト取引を認可し、クレジットカード取引を有効化し、クレジット間転送円滑化を行うために利用される。サーバはまた、システムネゴシエーションを介してゲーム装置から従来の装置(マスタサーバから金融)へのクレジット転送を行えるようにすることもできる。
【0092】
図1を参照して上で説明したように、例示的なPGD20は、筐体22、表示画面34、1又は複数の入力装置46、マイクロプロセッサ装置52、及び内部メモリ52を備えて、ゲームを実行する。即ちモバイルゲーム装置でのチャンスゲームのプレー及び結果を表示する。好ましくは、遠隔PGDは個人、モバイル、又はポータブルのゲーム装置であるが、本発明のこの態様では、同様にデスクトップコンピュータ又は遠隔に固定された、即ちスタンドアロンのゲーム装置であってもよいことがさらに理解されよう。しかし、好ましくは、個人又はモバイルのゲーム装置は、PDA、携帯電話、ラップトップコンピュータ、専用モバイルゲーム装置等のほぼあらゆる電子通信ユニットを含む。
【0093】
中央ゲームシステム120とモバイルゲーム装置20との間の通信インタフェース118を介した双方向通信は、本明細書においてすでに述べた種々のI/O装置技法(即ち、無線インタフェース、RS−232ポート38、USBポート40等)を使用して提供することができるが、通信インタフェース118(図11)は、好ましくは、PGDから自在に取り外し可能である。本発明のこの態様では、通信インタフェースは、中央ゲームシステム120とモバイルPGD20(図10)との間でスタンドアロンオフラインゲームに必要な関連プレビュー済みゲームデータを受信して転送することが可能なリムーバブル中間通信インタフェース118により提供することができる。
【0094】
リムーバブル通信インタフェース118は、換言すれば、任意の専用スタンドアロンカードリーダ、プレーヤ端末、又は売店119に配置されたシステムカードリーダ装置121を通じて中央ゲームシステム120とインタフェースすることができる。同様に、リムーバブル通信インタフェース118は、同様のカードリーダ装置50を通じて任意のモバイルゲーム装置とインタフェースすることができる。例として、システムカードリーダ121を通じて、事前購入済みチャンスゲームのプレー及び結果を表すプレビュー済みゲームデータが、リムーバブル通信インタフェース118にダウンロードされて、そのメモリユニットに記憶される。次に、リムーバブル通信インタフェース118を取り外して、モバイルゲーム装置即ちPGD20のカードリーダ50に挿入することができ、事前購入済みチャンスゲームのプレー及び結果を見るために選択された、暇な第2の時間に抽出して処理することができる。特定の一構成では、ユーザの暇なときに、本発明は、前の第1の時間にゲームサーバで完全に実行されたチャンスゲームのプレー及び結果を、時間をずらして閲覧できるようにする。
【0095】
こうして、本発明は、スタンドアロンモバイルゲーム方法を提供し、完全オフラインゲームプレーの実行を、インターネットを通じたライブ接続又は他のあらゆるネットワーク接続を必要とせずに実施する。プレーヤは、実際に、モバイルゲーム装置でプレー及び結果を見ている間にカジノ施設に物理的に存在する必要がない。したがって、携帯電話ネットワークカバレージ等のあらゆるタイプのネットワーク接続を利用できない場合であっても、ゲームをほぼどこでも実行することができる。
【0096】
したがって、リムーバブル通信インタフェースは、もっとも基本的なレベルでは、プレビュー済みゲームデータを中央ゲームシステム120からモバイルゲーム装置即ちPGD20に転送して、第2の時間に時間をずらしてプレー及び結果を行えると共に、データ照合確認のためにモバイルゲーム装置から元の中央ゲームシステムに閲覧後ゲームデータを転送することが可能な大容量ポータブルメモリユニットにより提供することができる。このような従来のメモリユニットとしては、コンパクトフラッシュモジュール、フラッシュドライブ、メモリスティック、スマートカード、マイクロドライブ等が挙げられるが、これらに制限されるものではない。
【0097】
より好ましくは、データ改竄の危険性を低減するための使用可能データの暗号化及び復号化、プレーヤを保護するためのプレーヤ識別機能の実行、ゲーム法的管轄内でのゲーム動作をイネーブルさせるか、又はイネーブルさせないためのGPSロケーション機能等の増強した機能が可能なリムーバブル中間通信インタフェース118を提供することが望ましい。例として、図11に示すように、通信インタフェース118は、好ましくは、JAVA(登録商標)ベースのスマートカード、Eキードングル、及び他のマイクロコントローラシステムにより提供され、プロセッサ装置及び内部バッテリを組み込んで、上記機能の実行を可能にする。
【0098】
従来のスマートカードは、コンピュータチップ122が埋め込まれたクレジットカードサイズのプラスチックカードである。チップ122は、内部メモリを有するマイクロプロセッサか、又は非プログラマブルロジックを有するメモリチップのいずれかであることができる。チップ接続は、直接物理的接触又はコンタクトレス電磁インタフェースのいずれかを介する。通常、スマートカードに適用されるチップは、マイクロプロセッサチップ及びメモリチップである。メモリチップは、2つのうちでより安価であるが、それに対応して、提供するデータ管理セキュリティは低減する。メモリチップは処理に関してカードリーダのセキュリティに依存し、セキュリティ要件により、カードを低〜中のセキュリティで使用することができる場合に理想的である。
【0099】
一方、マイクロプロセッサチップは、メモリ内の情報の追加、削除、及び他の操作が可能である。データの暗号化及び復号化が、スマートカードのセキュリティ機能を増大させるために好ましいため、このチップが好ましい。マイクロプロセッサチップの、データのみならずアプリケーションをもダウンロードする能力は、急速に進化している。例として、JavaCardスマートカードは、Sun MicrosystemsからのJava技術に基づく。Javaはオブジェクト指向、プラットフォーム独立、マルチスレッドのプログラミング環境である。Javaは、スマートウェブ及びネットワークサービスの土台であり、プラットフォーム独立を通じて安全な企業の拡張を可能にする。異なるシステムは、基礎を成すハードウェア又はシステムソフトウェアに関係なく、互いに−Javaベースのスマートカードからスーパーコンピュータに−通信することができる。
【0100】
本発明によれば、リムーバブル通信インタフェース118は、好ましくは、プレーヤ認証及びモバイルゲーム装置の適正な場所ベースの動作を促進するための1又は複数のセキュリティ特徴を備える。例えば、プレーヤに、インタフェースの使用を開始できるようにするために、個人識別番号の入力を求めることができる。別の実施形態では、プレーヤ識別装置123を、プレーヤを識別可能な生体認証センサの形態でスマートカードに組み込むことができる。より具体的には、生体認証センサ123は指紋センサ、マイクロホン等である。
【0101】
さらに、リムーバブル通信インタフェース118は、装置の場所を確認する小型GPSセンサ124を備えることができる。位置確認を使用して、モバイルゲーム装置又は他のPGD20が法的ゲーム管轄内でのみ動作していることを保証すると共に、なくなった、又は盗まれた装置を追跡することができる。リムーバブル通信インタフェースにより、モバイルゲーム装置が制限エリア即ち不法ゲーム管轄内にあることが検出された場合、プログラムロジックは、遠隔通信インタフェースへの、又はそこからのデータ転送又はゲーム実行を許可しないことができる。GPSは、全地球測位システムを表し、今日、いつでも、どんな天気でも、どこでも地球上のGPSセンサの正確な位置を識別可能なより正確なシステムの1つである。手短に言えば、このようなセンサを使用して、リムーバブル通信インタフェースの場所をおよそ数m以内で突きとめることができる。他の測位技術としては、三角測量技法が挙げられる。
【0102】
別の特定の実施形態では、モバイルゲーム装置は、中央ゲームシステムとの通信を可能にする無線通信インタフェース44(図2)等の第2の補助通信インタフェース、又は補助通信インタフェースを備えることができる。これは、IEEE802.1x、Bluetooth、IrDA、TDMA、CDMA、GSM、及びHomeRF等の任意の無線通信プロトコルを含んでもよい。補助通信インタフェースは、USBポート40、RS−232ポート38、又は汎用I/Oポート等の任意の従来の有線I/O装置の接続又はポートにより提供してもよい。
【0103】
より詳細に後述するように、補助通信インタフェースを利用して、ファームウェア更新、広告、ビデオ更新、ゲーム提示に関連する制御コード、及び選択されたチャンスゲームを閲覧するためのゲームロジック等のより大きなソフトウェアアプリケーションを個人ゲーム装置にダウンロードすることができる。一方、モバイルゲーム装置での1又は複数のチャンスゲームのプレー及び結果に影響するすべてのプレビュー済みゲームデータ並びにすべての閲覧後ゲームデータは、中央ゲームシステムとのデータ照合確認のために、好ましくは、リムーバブル中間通信インタフェースを通じて転送される。しかし、必要であれば両方の通信インタフェースを適用できることが理解されるであろう。
【0104】
これより図12A〜図12Dを参照して、本発明のこの態様の全体的な動作及び応用例について説明する。本発明のこの態様のゲーム実行は、プレーセッション全体が第1の時間に、事前購入済みチャンスゲームのプレー及び結果を表すプレビュー済みゲームデータの形態でゲームサーバ70により生成されてから、モバイルゲーム装置にダウンロードされて、後の第2の時間にプレー及び結果が閲覧されるため、受動的な性質とみなされる。ゲームデータは、ビデオクリップ等のプリセットフォーマット又はmpegファイル等のゲーム提示ロジックファイルの形態である。最も基本的な形態では、ゲームのプレー及び結果に関連するビデオデータが、サーバからモバイルゲーム装置に転送又はダウンロードされ、第2の時間に時間をずらしてリプレーされる。結果として、この受動実行実施形態は、データ改竄の危険性が大幅に低いという点でより安全である。
【0105】
図10及び図12Aに最もよく示すように、動作はステップ140から始まり、ステップ142において、プレーヤは、モバイルゲームシステム116に接続して使用するために、例示的なPGD20等のモバイルゲーム装置を購入、レンタル、リース等をする。ステップ144において、プレーヤは、モバイルゲーム装置で見るために1又は複数のチャンスゲームを事前購入することを選択すると、発行されたリムーバブル通信インタフェース118(例えば、スマートカード)をシステムカードリーダ121に挿入することができる。このようなカードリーダ121は、好ましくは、中央ゲームシステム120と直接通信し、ネットワーク接続されたゲーム端末又は売店119等のスタンドアロン装置等に配置することができる。手短に言えば、他の特定の実施形態では、述べたように、ゲーム装置20を、プレーヤ端末又はスタンドアロン売店への直接のハード配線により、上記無線プロトコルの任意のもの(例えば、補助通信インタフェース44)を通じてゲームシステムに接続してもよい。
【0106】
リムーバブル通信インタフェース118をシステムカードリーダ121に挿入すると、初期ログインメニューがプレーヤ端末又は売店の近傍の表示画面(図示せず)に表示され、選択コマンドを入力するようにプレーヤに指示する。例として、ログインメニューは、まずPINコード又は上述した他の生体認証識別情報を入力するようにプレーヤに指示することができる。こういったセキュリティ対策が満たされると、プレーヤは、適宜指示される情報を入力することにより、より多くのチャンスゲーム上の購入を選択することができる。より詳細に後述するように、このような事前購入ゲームパラメータは、事前購入したいチャンスゲーム数及びスロットゲーム、ポーカー、パチンコ、複数参加型(multiple hand)ポーカーゲーム、パイゴウポーカー、ブラックジャック、キノ、ビンゴ、ルーレット、クラップ、及びカードゲーム等のビデオゲームのタイプを選択することを含むことができる。144において表示メニューから選択可能な他の事前購入パラメータは、賭け金総額(例えば、クレジット数のドル総額)又は1ゲーム当たりの賭け金のデノミネーション(例えば、1ゲーム当たり0.25ドルベット(賭)又はクレジット数ベット)を含むことができる。ステップ144において、プレーヤは最低でも、事前購入したいゲームタイプ及びゲーム数及び/又は所望の賭け金総額を選択しなければならない。このゲーム事前購入手順について、図12Bのフロー図を参照してより詳細に後述する。
【0107】
プレーするゲームタイプ、ゲーム数、デノミネーションベット等を選択した後、各ゲームのプレーが中央サーバ70により実行されて、プレビュー済みゲームデータが生成される。このデータは、データセッション全体又はビデオデータの形態で、後の第2の時間に時間をずらして見られるゲームプレゼンテーション全体、事前購入済みゲームのゲームプレー、及びゲーム結果を表す。PGDでのこの形態のゲームは、上述したアクション単位の「シリアル」プロセス並びに後述するコンピュータプログラム(複数可)の「コマンドダウンロード」プロセスといくらか異なることが容易に理解されよう。上記「シリアル」プロセス実施形態では、アクティビティは一般に、中央サーバとPGDとの間でアクション単位で常に行われるが、以下の「ダウンロードコマンド」プロセスでは、実際のコンピュータプログラム及びコードがPGDにダウンロードされてPGDで動作する。しかし、本明細書において述べたように、本「ビデオクリップ」実施形態は、アクション単位のシリアル処理が必要なく、且つゲームプレーのかなりの処理又は計算がPGDで必要ないように、mpeg又は他の同様のプリセットビデオファイルのみのダウンロードを含む。この意味で、これらの「ビデオクリップ」実施形態は、「シリアル」実施形態と「コマンドダウンロード」実施形態の両方の各種の利点及び制限を含む。
【0108】
提供される「ビデオクリップ」実施形態内で、記録保持及び照合確認を後で行うために、ステップ146において、プレビュー済みゲームデータ及びすべての購入データがゲームサーバ70の記録に記録される。中央ゲームシステムによる購入データの記録に含まれるのは、ゲーム選択(例えば、リトルグリーンメン(Little Green Men)のゲームテーマ)、ゲーム購入日時(例えば、2004/9/20に購入)、ゲームデータ期限切れ日(例えば、購入日から3ヶ月(この事前購入済みゲームセット内の最後のチャンスゲームの結果が生成される時間に対応する「第1の時間」と混同しないこと))、選択されたゲーム配当表データ(例えば、IGT#1234(リトルグリーンメンに対してゲーム管理委員会により事前承認された配当表シリアルナンバー、97%ペイバック、25セントデノミネーション等))、口座データ(即ち、賭け金総額(例えば、支払われた料金100ドル))、及びゲームデノミネーション(例えば、0.25ドル)である。また、この購入記録には、プレーヤ識別データ(例えば、ジョンスミス、プレーヤID#3456P及び必要に応じた法的規制)等のオプションデータを含めることもできる。
【0109】
ステップ146における購入データ記録が完了すると、ステップ148において、プレビュー済みゲームデータがモバイルゲーム装置20にダウンロードされる。ここでも、用語「モバイルゲーム装置」が本明細書での考察に頻繁に使用されるが、任意の適したモバイル、ポータブル、又は非ポータブルPGDを本発明において適宜使用することが可能である。上述したように、プレビュー済みゲームデータは、事前購入済みチャンスゲームのプレー及び結果のゲームプレゼンテーションを表す。したがって、ダウンロードされるこのデータは、ゲームプレゼンテーションのビデオクリップの形態、又はゲームプレゼンテーションを指示するセッションファイル及び事前購入済みチャンスゲームのプレー及び結果をグラフィックスで示すロジックゲームデータの形態であることができる。
【0110】
このような情報は、プレーを実行し、結果を生成してモバイルゲーム装置に提示するために、モバイルゲーム装置20に組み込むことが必要である。したがって、転送されるゲームデータは単に、例えばビデオクリップの形態であるため、ディスプレイでのゲームのプレー及び結果の閲覧を行うために、選択されたゲームテーマに対応するゲームプレゼンテーションデータ及びゲームロジックデータをモバイルゲーム装置20に転送する必要がない。これにより、ダウンロードされるデータ量を大幅に低減することができる。より重要なことに、ダウンロードデータは本質的に、「未処理の」データではなくプレー及び結果の「ビデオ」データであるため、データ改竄を大幅に減らすことができる。したがって、プレーヤがデータを変更することに利益はまったくない。
【0111】
再び図12Aを参照すると、ステップ150において、リムーバブル通信インタェース118がモバイルゲーム装置20に挿入され、プレビュー済みゲームデータがゲームサーバから転送される。上述したように、各モバイルゲーム装置20は、リムーバブル通信インタフェース118の形態がスマートカードであれ、Eキードングルであれ、フラッシュメモリ装置であれ、現場ベースのマシンからの直接ダウンロードであれ、リムーバブル通信インタフェース118の受け入れに適したカードリーダ50を備える。
【0112】
より詳細に後述するように、図12Aのステップ152において、特定の一実施形態では、オプションの確認イベントを要求することができる。このような確認の利用により、モバイルゲーム装置での動作プレーを許可するために、プレーヤ識別情報及び/又はプレーヤ位置情報の入力を求めるさらなるセキュリティ対策が提供される。
【0113】
次に、プレーヤは、モバイルゲーム装置20のオフライン操作を開始して、法的管轄の問題がなければほぼどこでも、いつでもプレビュー済みゲームデータを見ることができる。モバイルゲーム装置20の1又は複数の入力機構46のプレーヤ操作を通じて、1又は複数の事前購入済みチャンスゲームのプレー及び結果の閲覧を開始することができる。上述したように、モバイルゲーム装置の表示装置に示されるチャンスゲームのこのようなプレー及び結果「ビデオクリップ」の実行及び閲覧、このうちの最後は第1の時間の後の第2の時間に生成される。したがって、事前購入済みゲームの時間をずらした実行及び閲覧をほぼどこでも行うことができる。このとき、プレビュー済みゲームデータは閲覧後ゲームデータになり、閲覧後ゲームデータは、この場合、変更されていなければ本質的に同じゲームデータのデータ照合確認のための専門用語である。他の実施形態では、このような閲覧後、ゲームデータを閲覧済みと「フラグ」をつけることができる。
【0114】
再び図12Aを参照すると、ステップ154において各ゲームのプレー及び結果を閲覧した後、ステップ156において、モバイルゲーム装置20は閲覧がすべて終わっているか否かを判断する。プレビュー済みゲームデータの閲覧がまだ残っている場合、残っているすべてのゲームがモバイルゲーム装置20においてなくなるまで、プレーを続けることができる。ゲームプレーが残っていない場合、ステップ158において、ゲーム装置のマイクロプロセッサ装置52は、閲覧後ゲームデータを再びリムーバブル通信インタフェース118に記憶するように指示される。
【0115】
上述したように、特に勝ちゲームセッションの場合に、口座を現金化するため、又はカジノ運営と「精算」するために、プレーヤ又はユーザは、閲覧後ゲームデータを再び中央ゲームシステム120の会計サーバ68に通信しなければならない。これは、リムーバブル通信インタフェース118をモバイルゲーム装置のカードリーダ50から取り出して、中央ゲームシステム120の会計サーバ68と通信可能なシステムカードリーダ121に挿入することにより行われる。これらのカードリーダ121は、例えば、ゲーム端末又は指定の売店に配置することができる。手短に言えば、他の照合確認技法として、PGDにより生成される電話コードによる照合確認、秘密鍵(PGDにより生成される)を使用してのインターネットアクセス、及び/又は電話システムを介しての音声識別を挙げることができる。
【0116】
したがって、本発明によれば、160において、閲覧後ゲームデータを、中央ゲームシステム120により生成されて記憶されているプレビュー済みゲームデータと照合確認しなければならない。このようにして、データを認証して、データ改竄の危険性を大幅に最小化し、且つ/又は阻止することができる。手短に言えば、閲覧後ゲームデータがシステムカードリーダ121を介してリムーバブル通信インタフェース118からダウンロードされると、会計サーバ68は、ゲームサーバ70からリムーバブル通信インタフェース118に最初にダウンロードされた関連するプレビュー済みゲームデータを呼び出す。その後、システム生成プレビュー済みゲームデータのゲームプレー及び結果(即ち、ゲーム結果)が、モバイルゲーム装置(例えば、PGD20)から転送された閲覧後ゲームデータと比較されて、データ照合確認され、162において手順が終了する。このようなデータ照合確認については、図12Dを参照してさらに詳細に説明する。
【0117】
これより図12Bを参照する。図12Bでは、1又は複数のチャンスゲームの事前購入(ステップ144)を、図12Aの受動モバイルゲーム方法での場合に関してさらに詳細に考察する。上述したように、プレーヤは、中央ゲームシステム120に結合されたシステムカードリーダ121及び表示画面を有する任意の売店、ゲーム端末等で、中央ゲームシステム120のゲームサーバ70にアクセスすることができる。このようなアクセスは、より詳細に後述する専用独立型ゲーム機において行うこともできる。ステップ164においてゲームの事前購入を開始した後、ステップ166において示すものと同様のユーザフレンドリなメニューが表示画面に表示される。このメニュー例では、1又は複数のチャンスゲームを事前購入するには、ステップ168において、プレーヤは「B」を選択する。
【0118】
ステップ170において、プレーヤは、プレーヤのリムーバブル通信インタフェース118を指定のカードリーダ121(例えば、売店にある)に挿入して、ゲームサーバ70との通信を確立するように指示される。手短に言えば、この段階で、図12Aのステップ152と同様のオプションの識別確認手順を行うことができる。このイベントをより詳細に後述する。
【0119】
再び図12Bを参照すると、プレーヤ端末又は売店の表示画面で、ゲームサーバ70は、プレーヤが賭けたい賭け金総額を入力するようにプレーヤに指示することができる。例えば、プレーヤは総額で100.00ドルを賭けると決めることができる。特定の一実施形態では、ゲーム管理委員会により定められるような賭け金制御制御のために、及びゲームプレーヤ保護のために、最大賭け金総額限度を適用することができる。最大賭け金限度は、プレーヤ追跡技法と同様に、過去のゲームアクティビティ、クレジット履歴等に基づいて特定のプレーヤに対してカスタマイズすることができる。これらの、及び他の「被害最小化」の技法及び特徴が、例えば、「Player Verification System and Method for Remote Gaming Terminals」と題するNguyen他による本願と権利者が共通であり同時係属中の米国特許出願第10/708,168号において見出すこともでき、この全体を参照により本明細書に援用する。
【0120】
賭け金ベット総額の入力の他に、ステップ170において、プレーヤは通常、他の特定のパラメータを選択しなければならない。例えば、ゲームサーバ70は、通貨デノミネーション(例えば、0.25ドル)、事前購入したいゲーム数、及び/又は要求され得るさらなる入力をさらに入力するようにプレーヤに指示することができる。一般に、3つの(3)パラメータ選択が提供されると、4番目の(4)パラメータを導出することができる。例として、固定ベットのみのコンフィギュレーションが選択又は提供される場合、本発明の事前購入イベント中に、賭けたい固定デノミネーション及び事前購入するゲーム数を選択するようにプレーヤに指示することができる。1ゲーム当たりのデノミネーションベットは固定されているため、もちろん、賭け金総額は、固定デノミネーションベットとプレーするゲーム数との積になる。別法として、これらの固定ベットのコンフィギュレーションでは、この事前購入イベント中、プレーヤは賭け金総額を入力し、事前購入すると選択したゲーム総数を入力して、それにより、固定ベット額が決まるか、又は固定ベット額を入力し、プレーできるゲーム総数が決まる。
【0121】
その後、図12Bのステップ172において、売店又はゲーム端末の表示画面は、賭け金総額を支払うようにプレーヤに指示することができる。従来の技法を用いて、支払いは、紙幣検証器(validity)若しくは硬貨選別器(acceptor)、ATMを通じて現金を挿入することを通じて、又はクレジットカード情報の入力若しくはカードをゲーム機若しくは売店に配置されているカードリーダに通すことを通じて行うことができる。さらに、プレーヤは、プレーヤ追跡アカウント又はゲーム施設との口座を有する場合、単に前に確立した口座から適当な資金を引き出すだけでもよい。支払いが行われると、172において、プレーヤに、ゲーム事前購入してプレーしたいチャンスゲームのタイプを選択するように指示することができる。例えば、ステップ174において、プレーヤは、例えば、各種スロットゲーム、ポーカー、パチンコ、複数参加型ポーカーゲーム、パイゴウポーカー、ブラックジャック、キノ、ビンゴ、ルーレット、クラップ、及び他のカードゲームの中から選択することができる。
【0122】
しかし、より複雑な応用例では、2つ以上のタイプのゲームをゲーム事前購入に選択することができる。こういったマルチゲーム事前購入選択では、固定ベットを適用するか、それとも可変ベットを適用するかに関わらず、パラメータ選択は、プレーヤが選択された1ゲーム当たりの賭け金総額を分けることができ、それから上記選択パラメータの入力が指示されるという点でさらに複雑になる。ステップ174において、メニューにより、利用可能なゲームのうちの1又は複数を選択するようにプレーヤに指示することができる。プレーヤは、(タッチスクリーン又はボタンを介して)2つ以上のゲームタイプ及び選択された1ゲームタイプ当たりに賭けたい賭け金総額を選択することができる。例えば、プレーヤは、リトルグリーンメンに総額30ドル($30)を賭け、レッドホワイトアンドブルーに総額50ドル($50)を賭け、トリプルプレーポーカーに総額20ドル($20)を賭けたいものとすることができる。
【0123】
このマルチゲーム選択実施形態では、メニュー選択順は図12Bに示す順を辿らなくてもよい。しかし、本明細書全体を通しての方法の表示及び説明は1つの特定の順序になっているが、これを当てはめる必要がない。例えば、今述べたように、本発明の技術思想及び特質から逸脱することなく、ゲーム選択は賭け金額前等に行ってもよい。さらに、プレーヤはステップ170において賭け金総額を入力し得るが、入力した賭け金総額を賭けるように要求されない。この状況では、プレーヤは残りの賭け金総額についてクレジットメータ等を有することができる。例えば、ステップ170において賭け金総額100ドル($100)から始まり、プレーヤがゲームを20回プレーし、1ゲーム当たり2(2)ラインで、1ドル($1)デノミネーションベットを選択した場合、合計で40ドル($40)になり、60ドル($60)が余り、これは口座に入金される。
【0124】
これより図12Bのステップ176及び178を参照する。ゲーム事前購入手順中でのリムーバブル通信インタフェース118の適宜使用を認証して確認するために、プレーヤにプレーヤIDを入力するように求めることができる。この構成では、識別センサ又は装置を売店、端末、又はリムーバブル通信インタフェースに配置することができる。他の構成では、このようなプレーヤ識別手順は、事前購入手順の他の多くの場合で行うことができる。それにも関わらず、ゲーム事前購入手順を完了する前のこのオプションのプレーヤの認証及び確認は、セキュリティのために行うことができる。このようなシステム、特徴、及び手順は同様であるため、より詳細な説明が、図12Cの確認及びゲームプレー手順において続けられる。要求されるすべての識別及びセキュリティパラメータが満たされると、図12Bのステップ178において、ゲームサーバ70は、選択されたゲームに対して、ゲームサーバによりランダムに生成される数、並びにゲームロジック及びプレゼンテーション等を使用して1又は複数のチャンスゲームのプレー及び結果を即座に生成する。好ましくは、プレビュー済みゲームデータに含まれるセッション全体又はビデオクリップは、ゲーム装置にダウンロードされる前にゲームサーバで生成されて記憶される。
【0125】
他の特定の実施形態では、プレビュー済みゲームデータ形態の任意の所定の数(例えば、10、50、100等)の事前生成ゲームのパッケージが利用可能である。所望のゲーム数及び/又はプレーヤにより選択されるパッケージに応じて、サーバは、恐らく、100のゲームの、利用可能な10,000の事前生成ゲームパッケージのうちの1つをランダムに選択することができる。こうして、選択されたこのパッケージは、ゲームサーバにより順次実行された100のゲームのプレー及び結果(ビデオクリップ)のプレビュー済みゲームデータを含む。したがって、この実施形態では、プレビュー済みゲームデータの生成は、厳密にゲーム購入の際にではない。このような事前生成パッケージは、プレーヤが実際にパッケージで利用可能な次の最大ゲーム数未満を購入する状況であってもダウンロードすることができ得る。例えば、50の事前生成ゲームのパッケージを購入することができるが、プレーヤは30のゲームを事前購入するのみである。この場合、購入されたゲームは最初の一続きの30のゲームのプレビュー済みゲームデータを構成するため、データ改竄を大幅に低減することができる。ここでも、ハッカーが「先見」することができた場合であっても、「ビデオクリップ」の順序の変更に成功することはできない。
【0126】
次に、ステップ180において、生成されたプレビュー済みゲームデータをゲーム装置にダウンロードする。ステップ180において、プレビュー済みゲームデータと共にゲーム装置にダウンロードすることができる、アクセスされる他のオプションデータは、生体認証識別情報、GPS位置確認データ、並びに広告データを含む他の任意の関連プレーヤ追跡情報を含む。今生成されたか、又は事前生成されたこのプレビュー済みゲームデータと共に、ゲーム管理委員会により事前承認された、選択された1又は複数のゲームに対応する配当表シリアルナンバー、ペイバックパーセント、及びベットに受け入れられるデノミネーション、ゲームセッション口座データも同様に計算することができる。ステップ182において、ゲームサーバ70は、プレビュー済みゲームデータ及び他のすべての関連ゲームデータを会計サーバ68に送る。ステップ184においてゲームの事前購入が終了すると、システムは図12Aのステップ146に戻り、関連データが、後のデータ照合確認のために会計サーバに記憶される。
【0127】
再び図12A及び図12Cの152に戻ると、モバイルゲーム装置20のプレー前に、オプションの身元及び場所の確認手順を開始することができる。このプレーヤ身元及び場所の確認手順は、ゲーム事前購入中にゲーム端末又は売店で行われる図12Bのゲーム事前購入イベント176のものと同様である。例えば、上述しかつ図11に示したように、リムーバブル通信インタフェース118(スマートカードの形態で)は、オプションとして、指紋認識センサ等の生体認証識別センサ123及び/又はGPSセンサ124若しくは最後の既知の位置又は三角測量を使用する測位装置を備える。このような身元及び/又は場所の確認又は「仮想リーシュ」手順は、詳細に後述するようにゲームプレー中に行うこともできる。
【0128】
指紋は、個人の身元を識別する確実で安価な手段を提供する。これは、危険であるか又は忘れられやすいPIN又はパスワードよりもはるかに安全である。指紋を通じてプレーヤを取引プロセスに直接リンクすることにより、通常、認証されたプレーヤが、短い数字列又は文字列を偶然知った誰かではなく、実際に存在することのより確実な証拠が与えられる。この機能は、メリーランド州ティモニアム(Timonium)に所在のbiometric Associates(www.biometricassociates.com)及びスウェーデン、ストックホルム所在のfingerprint Cards AB(www.fingerprint.se)等の企業により、プレーヤ認証が必要な種々のアクセス装置に挿入可能な、完全な埋め込み可能な指紋識別システムに設計された。これらの製品は、モジュール内のすべてのセンサ、プロセッサ、及び意思決定機能を行い、生体認証認識の、スマートカード及び無線周波数識別(「RFID」)トークン等の小型の大量生産製品への組み込みを大幅に簡易化した。もちろん、適当であり得る場合、他の適した指紋センサ、プロセッサ、及び装置をこれに加えて、又はこれに代えて使用してもよい。
【0129】
手短に言えば、一例では、リムーバブル通信インタフェース118の指紋センサ123が指紋パターンを認識できるように、プレーヤの1本又は複数本の指を最初に登録しなければならない。これは、プロセスをアクティブ化し制御する外部登録ステーションに関連して実現される。プレーヤが指先を指紋センサ123に置くと、指紋センサ123は指の表面の静電容量の小さな変動を検出して取り込み、指紋の一意の突起パターンの三次元電子イメージを作成する。これらの信号が検証されてから、登録ステーションの制御下で通信インタフェース118の保護されたメモリにプログラムされる。このような情報は、ゲーム事前購入手順中にプレビュー済みゲームデータの一部として通信インタフェースにダウンロードすることもできる。登録プロセスが完了し、且つ/又はプレビュー済みゲームデータがダウンロードされると、モジュールは「ロック」され、その後、センサに任意の指を配置すると、確認プロセスが開始される。これは、特別にプログラムされたアルゴリズムを使用して、前に記憶された「登録」テンプレートと指紋イメージとを比較することを含む。
【0130】
説明した生体認証センサ装置は、リムーバブル通信インタフェースに組み込まれるが、PC又はラップトップコンピュータにプラグインして指紋イメージを提供することができる利用可能なスタンドアロン指紋センサである。識別装置として指紋リーダのさらなる説明もWells他に2002年12月3日に発行され、「Gaming Device Identification Method and Apparatus」と題する本願と権利者が共通の米国特許第6,488,585号に提供され、この全体を参照により本明細書に援用する。PIN番号又はパスワード等の他のタイプの確認方法を、別個に、又は生体認証識別方法と組み合わせて使用してもよい。本発明と共に使用できる他の生体認証識別方法としては、カメラを使用した特徴識別、網膜スキャナを使用した網膜パターン識別、マイクロホンを使用した音声パターン識別入力、及び手描き入力パッドを使用した手描き認識が挙げられるが、これらに限定されない。
【0131】
図12Cのステップ181においてこの確認手順を開始した後、まず、プレーヤに、指を指紋センサ123の上に置くように求め、ステップ188において、指紋データを取り込むことができる。述べたように、静電容量アレイセンサチップが、指表面の静電容量の小さな変動を検出して取り込み、指紋の一意のパターンの三次元電気イメージを作成する。ステップ190において、次に、通信インタフェースのマイクロプロセッサを使用して、この三次元イメージを登録手順中に登録された三次元電気イメージと比較する。指紋対応のスマートカードの場合、ステップ192においてデータが一致しない場合、ステップ194において、プレーヤは通信インタフェースの使用からロックアウトされる。ステップ192においてデータ結果が一致する場合、カードを保持する人物(PINを偶然知った誰かではなく)が認可されたプレーヤとして確認される。
【0132】
さらに、PGD20等のモバイルゲーム装置及び/又はリムーバブル通信インタフェース118は、述べたように、小型GPS装置又はセンサ124を有して、装置の場所を確認することができる。位置確認を使用して、モバイルゲーム装置がカジノの法的ゲームエリア内でのみ使用されることを保証すると共に、なくなった、又は盗まれた装置を追跡することができる。ゲーム端末又は売店は、モバイルゲーム装置が規制エリア内にあることを検出した場合、そのモバイルゲーム装置との通信を切断することができる。したがって、ステップ196において、通信インタフェース118の現在の使用位置で計算されたGPSデータを、それらのゲームが合法である法的管轄と比較することができる。このような情報は、ゲーム事前購入手順中に、プレビュー済みゲームデータの一部として通信インタフェースにダウンロードすることもできる。
【0133】
GPS対応スマートカードの場合、現在位置GPSデータがステップ198において法的管轄GPSデータと一致しない場合、ステップ200において、プレーヤは通信インタフェースの使用からロックアウトされる。現在位置GPSデータ結果がステップ198において法的管轄GPSデータと一致する場合、潜在的な使用を開始することができる。即ち、認証されたプレーヤの指紋が確認され、合法ゲーム管轄が確認されると、カード上の「スマートチップ」構成要素が自動的にアクティブ化され、ステップ202において、先に進んで、ホストシステムとの保護された通信を確立する。
【0134】
セキュリティを追加するために、モバイルゲーム装置は、暗号化されたシリアルナンバー(コード)を有することができ、これを、モバイルゲーム装置の確認及び認証に使用する。電子キーを装置と併用することもできる。電子キーシステムを使用する場合、モバイルゲーム装置は、キーがゲーム装置のレセプタクルに挿入されるまでアクティブ化することができない。さらに、場合によっては、プレーヤはプライバシー保護のために身元を明かしたくないことがある。そのような匿名性を望むプレーヤの場合、プレーヤを一意のID(例えば、プレーヤのシリアルナンバー12345)として識別することができる。この一意のIDは、プレーヤにより選択されてもよく、中央ゲームシステムによりランダムに生成されてもよく、各装置に割り振ってもよい。次に、プレーヤはセキュア金融サーバに知られる。同様に、他の多くの形態のセキュリティを適用することも可能である。当業者は、本発明の真の精神及び性質から逸脱することなく、当該技術分野(the field)において既知の他の従来のセキュリティ技法を実施して、データを安全にすることができる。
【0135】
モバイルゲーム装置20でのゲームプレーについて、これよりさらに詳細に説明する。述べたように、プレーヤは、リムーバブル通信インタフェース118により要求されるすべての身元情報及び法的管轄確認を満たした場合、図12Aのステップ154に対応する図12Cのステップ202においてプレーを開始することができる。本発明によれば、示したように、モバイルゲーム装置20は、オプションとして、固定ベット及び/又は可変ベット方式を提供することができる。しかし、いずれのベット方式も、ゲーム事前購入時に選択する必要がある。この理由は、プレビュー済みゲームデータのモバイルゲーム装置での閲覧中、プレーヤの対話が閲覧中セッションの開始・停止のみであるためである。したがって、述べたように、データは本質的に、すでに消費されたイベントの時間をずらしたものであるため、ゲームデータの閲覧中にベット方式を変更することはできない。
【0136】
したがって、第2の時間にプレビュー済みゲームデータのプレー及び結果の閲覧を開始するには、プレーヤは単に、各ゲーム毎に、又は1回だけ「プレー(PLAY)」入力機構46を実行するだけである。プレーヤは単に、プレー及び結果の、mpegファイル等のビデオクリップを見るだけであるため、プレーヤの対話は、プレビュー済みゲームデータの表示の開始及び停止だけであり得る。例えば、スロットゲーム体験をシミュレーションするために、入力ボタンのうちの1つがスロットハンドル又はスピンボタンを表して、各ゲームでスロットリールの回転を開始させることができる。リールが停止し、ゲームが終了すると、プレーヤに、「プレー」ボタンをアクティブ化して、ビデオクリップの閲覧を開始するように求めることができる。このようにしてプレー及び結果を閲覧するのに適したプレーヤ対話を必要としない他の潜在的なゲームとしては、パチンコ、キノ、ビンゴ、及びルーレットが挙げられるがこれらに限定されない。
【0137】
ところで、プレビュー済みゲームデータの生成中、ゲームサーバは、ゲームのプレー及び結果の提示と同じように、プレーヤの口座の口座メーターをグラフィックス的にビデオクリップに挿入して表示することができる。ここでも、この安全な技法は、「未処理の」データではなく「ビデオ」データを転送するだけであるため、データ改竄を大幅に低減させる。上記で示したように、プレビュー済みゲームデータが実際に、第2の時間にプレーヤにより閲覧されると、プレーヤよる閲覧済みであるとゲームデータにフラグを付けられる。その後、図12Aのステップ158において、この閲覧後ゲームデータは次に、データ照合確認のためにリムーバブル通信インタフェース118に記憶される。
【0138】
これより図12Dのデータ照合確認手順を参照し、この手順は、プレーヤがまず、リムーバブル通信インタフェース118をシステムカードリーダ121に挿入するステップ206から始まる。ゲーム事前購入手順及び/又はゲームプレー手順において先に示したように、ステップ152において、プレーヤに、PIN番号、コード、指紋、及び/又は他の生体認証情報等のプレーヤ識別データを入力するように求めることができる。識別及び確認手順を満たした後、通信が、リムーバブル通信インタフェース118が配置された売店、独立型ゲーム機(後述)、又は他のゲーム端末との間に確立される。
【0139】
ステップ208において、図12Bのステップ166と同様のメニュー選択肢リストが、システムカードリーダ121に隣接した、又はその近傍にある表示画面に表示される。この例では、口座を照合確認するために、ステップ210において、プレーヤは「A」を選択し、会計サーバ68は、リムーバブル通信インタフェース118に含まれている閲覧後ゲームデータのアップロードを開始する。述べたように、この閲覧後ゲームデータは、フラグが付いているが、プレビュー済みゲームデータと同一のデータであるべきである。
【0140】
従来のデータ識別技法を適用して、ステップ212において、会計サーバ68は、図12Bのステップ180においてゲーム事前購入手順中にリムーバブル通信インタフェースに当初ダウンロードした、対応するプレビュー済みゲームデータを検索する。ステップ214において、閲覧後ゲームデータがアップロードされて検索され、ステップ218において照合確認される。次に、会計サーバ68のコンパレータが、プレビュー済みゲームデータを閲覧後ゲームデータと比較して、データの不一致を探す。ステップ220においてデータの不一致が検出された場合、会計サーバ68は、この照合確認手順中に、ステップ222において不一致をプレーヤに通知する。例えば、可聴アラームを発し、且つ/又は可聴アラームにより、端末表示画面の売店でプレーヤに通知することができる。ステップ224において、カジノ担当者とコンタクトをとり、データ不一致の原因を突きとめるようにプレーヤに勧めることもできる。さらなるセキュリティ理由により、ステップ226において、モバイルゲーム装置カードデータ及びゲームプログラムのスナップショットを作成することができる。
【0141】
ステップ220において、コンパレータが、プレビュー済みゲームデータと閲覧後ゲームデータとが同一であると判断した場合、ステップ230において、会計サーバ68は、勝ち数が予め確立されている理論上の最大勝ち数以下であるか否かを判断する。ステップ230でのこの問い合わせが肯定である場合、エラーが発生し、234において安全な取引(即ち、プレー関連/勝ち情報の更新)をまさに開始しようとするため、会計サーバ68はより高いセキュリティ確認モードになる。
【0142】
ステップ230において、これが当てはまらないと判断された場合、ステップ232において、会計サーバ68は、データ照合確認手順に成功したことをプレーヤに通知する。次に、ステップ234において、プレーヤの口座残高が更新される。次に、ステップ236において、この情報が、補助通信インタフェース118を通じてプレーヤがプレーしている売店又はゲーム端末ディスプレイ及び/又はプレーヤのPGDに転送される。次に、ステップ162において、モバイルゲーム手順の動作が終了する。
【0143】
プロセスタイプIII:コマンドダウンロードPGDプロセス
さらに別の基本的なタイプのPGDプロセスは、概して、PGDでのゲームのために、ソフトウェアの大部分をPGDにダウンロードすることを含む。このような場合は、1又は複数のプログラム全体をシステムサーバからコマンドダウンロードすることを含むことができる。ゲームサーバ及び金融サーバからポータブル装置にコードをシリアル送信するのではなく、又は固定ビデオクリップを転送するのではなく、サーバからPGDへのゲーム全体のコマンドダウンロードを提供することができる。このような転送は、中央サーバからPGDにダウンロードするために、ゲームソフトウェアのいくつか又はすべてを、例えばJava(登録商標)等の適したコンピュータ言語にコード変換することを含むことができる。ここでは、説明のためにJava(登録商標)の例が提供されているが、このような目的に適した他の言語を使用してもよい。このようにして、ライン毎又はセクション毎にゲームプレーをサーバから装置に送信するという面倒なプロセスではなく、処理及び個々のゲームプレー計算をPGD自体で扱うことができる。
【0144】
広く認識され、使用されているこのようなコンピュータ言語の使用により、多くの異なる製造業者又はベンダーの装置にダウンロードを直接行うことができ、それにより、プレーヤが様々なPDA又は上述したPGD等の他の適した装置を提供することが可能にもなる。中央サーバは、特定のPGDが特定のバージョンのゲーム、例えばゲームのJava(登録商標)ベースのバージョン等のダウンロードを要求していることに気付くメイン装置であることができる。中央サーバは、特定のPGDがどの種類のダウンロードを要求しているかを厳密に認識するようになっていることもでき、それにより、適当なダウンロード及び/又はコード変換を行い、その特定のPGDをサポートすることができる。必要な場合、さらに多くの装置を全体システムと併用する潜在的なPGDとして含むために、例えば、フロリダ州フォートローダデール(Fort Lauderdale)に所在のCitrix Systems, Inc.により提供されるもの等の追加の変換ソフトウェアを使用することもできる。
【0145】
このコマンドダウンロードプロセスは、ゲームプレーコードの大部分の転送を含むため、場合によっては、個々のPGDをシステムから切り離して、分離された「オフライン」ゲームプレーにすることができる。容易に理解されるように、このような切り離し及びオフライン状態は単に、先に提供した代替の各種のライン毎のシリアルプロセス実施形態では不可能である。実施形態によっては、例えば、「レッドホワイトアンドブルー」又は「リトルグリーンメン」等の特定のゲームのゲームソフトウェアセット全体を各種の個々のPGDに送信してプレーすることもできるものもあれば、このようなゲームソフトウェアセットの主要部分のみを送信するものもある。実際のゲームプレー結果が、カジノにより所有及び運営されるサーバ又はゲーム機等の管理された装置で事前に決定されるように、ホストサーバ又はゲーム機に保持されるソフトウェアの重要な一部分はRNGである。上述した「ビデオクリップ」タイプのPGDプロセスと同様に、システムサーバ又は管理されたゲーム機に配置されたRNGを使用して、実際のゲームプレー結果を事前に決定することができる。このような事前に決定された結果を「シード(seed)」と呼ぶことができる。
【0146】
コマンドダウンロードプロセスのコンテキスト内で、このような「シード」は、結果、ゲームプレー、及びプレゼンテーションの全体のビデオクリップと異なり、事前に決定されるゲーム結果の最も基本的な形態である必要があるだけであり、それ以上のものではない。上記ビデオクリップPGDプロセスタイプと同様に、このようなシードはここでも事前に決定されるゲームプレー結果であり、このような事前に決定されるゲーム結果は、好ましくは、中央サーバ又はゲーム機等のカジノにより管理される装置で作成される。このような基本的なゲームシードを使用する場合、ゲームプレー及びプレゼンテーションを、事前に決定されたゲーム結果又はシードに辿り着く広範囲の方法で行うことができる。換言すれば、各シードが含む必要のある情報は、PGDが実際のゲームプレーの結果を判断するのに十分な情報だけであり、PGDにその結果をどのように提示するかの指示を含まない。ゲームソフトウェアの所与のコマンドダウンロードにより、PGDが、最終的に、ダウンロードされた任意のゲームシードを反映したゲーム結果になる各自のゲームプレゼンテーションを実行できるのに十分な情報を提供することができる。このようなゲームシードを作成し、中央サーバ又は他の同様の装置からPGDに転送する方法は、各種のビデオクリップPGDプロセスタイプについて提供した方法と同様であるが、特定のゲームシードのコンピュータコード量は、ビデオクリップ全体のコンピュータコード量よりもはあるかに小さくできる。
【0147】
このようなコマンドダウロードタイプのPGDプロセスは、少なくともPGDへのダウンロード又は通信にかかる総時間量に関して、他のタイプのPGDプロセスを改良することができる。特定のタイプのゲーム、例えば「エルビス(Elvis)」ゲーム、「ホィールオブフォーチュン(Wheel of Fortune)」ゲーム、又は「リトルグリーンメン」ゲーム等の初期コマンドダウンロードには相当量の時間がかかるが、このようなコマンドダウンロードは一般に、その特定のタイプのゲームにとって一度きりのイベントである。次に、そのタイプのゲームのPGDでの実際のゲームプレーは、その初期コマンドダウンロードのゲームソフトウェアを使用して何度も行うことができ、限られた量のみが、中央サーバ又はカジノにより管理されるゲーム機にさらにダウンロード又は通信される。このようなさらなるダウンロード又は通信は、ゲームシードの転送を含むことができるが、基本的なゲームシード情報の通信に必要な時間は比較的最小であることが容易に理解されよう。逆に、PGDでプレーするビデオクリップ全体をダウンロードするために必要な時間は、長期で比較すると比較的大きくなり得る。例えば、潜在的な転送速度56Kビット/毎秒で、1つのゲームプレービデオクリップの転送には約30秒かかり、特定のゲームタイプのソフトウェアの完全なダウンロードコマンドの転送には約10分かかり、基本的なゲームシードの転送には約1秒かかる。ビデオクリップPGDプロセスタイプは一般に、20ゲームプレー以下の場合にはより高速であるが、コマンドダウンロードPGDプロセスタイプは、それ以降の任意の数のゲームプレーで長期にわたり大幅に高速になる。もちろん、上記例は単なる説明的な性質のものであり、利用可能な技術並びに関わる各種プログラム及びクリップのサイズを仮定すると、他の転送速度及び時間が当てはまる。
【0148】
事前に決定されるゲーム結果即ちシードが、種々の異なる特定のゲームタイプに汎用であることも意図される。例えば、1又は複数のゲームシード又は事前に決定された結果を任意の「エルビス」ゲーム、「ホィールオブフォーチュン」ゲーム、「リトルグリーンメン」ゲーム、又は各種の他の特定のゲームタイプに適用することができる。このような構成が使用される場合、ダウンロードされるゲームモジュールが汎用シードを解釈し、ゲームの特定のプレゼンテーションに汎用シードを利用して、そのシードの特定のゲーム結末又は結果に到達できるように、例えば、Java(登録商標)ベースのダウンロード等、ダウンロードされる各ゲームモジュールのコードの少なくとも一部を含むことが好ましい。例えば、所与の汎用シードが、所与の各ゲームプレーに好都合な10xの払出しを表すことができる。その汎用ゲームシードが、「リトルグリーンメン」ゲームを実行しているPGDに含まれる場合、そのリトルグリーンメンゲームのPGDへのゲームソフトウェアのダウンロードコマンドは、「10x」結果を有する汎用シードを読み取り、適当なペイラインに3つの皿を示すゲーム結果を提示するようになっていることができ、この結果はそのリトルグリーンメンゲームの場合での10x払出しに一致する。しかし、代わりにPGDが「ホィールオブフォーチュン」ゲームを実行している場合、ホィールオブフォーチュンゲームのPGDへのゲームソフトウェアのダウンロードコマンドは、「10x」結果を有する同じ汎用ゲームシードを読み取り、例えば、適当なペイラインに3つのボーナス)を示すゲーム結果を提示するようになっていることができ、この結果はホィールオブフォーチュンゲームの場合の10x払出しに一致する。これらの2つの特定例を提供したが、他の多くの特定のゲームタイプ及び結果を使用してもよいことが容易に理解されよう。もちろん、所与の汎用ゲームシードが「勝ちなし」又はゼロ結果をプレーヤに対して表す場合、プレー中の任意ゲームの特定のゲームソフトウェアは、その汎用ゲームシードを解釈してから、プレー中の特定のゲームが何であれ、そのゲームに払出しがない適当なゲームプレー及び結果を提示することができる。
【0149】
また容易に理解されるように、事前に決定されるゲームプレー及びこのゲームプレーのPGDへの転送に関してプロセッサに固有の多くの特徴は、ビデオクリップPGDプロセスタイプ及びダウンロードコマンドPGDプロセスタイプの両方に共通することができる。このような特徴は、不一致を明らかにする方法を含むことができる。プレーヤが、例えば10のビデオクリップ、ゲームシード、又はゲーム結果のブロックを購入する場合、好ましくは、これらの結果をプレーヤの特定のPDA又はポータブルゲーム装置に転送する前にホストサーバに記録することができる。プレーヤが電源損失、バッテリ故障、又は他の誤作動を主張した場合、記録されたバージョンがホストサーバに記憶されているため、全く同じ10のビデオクリップ、又はゲームシードを再び後でダウンロードすることができる。好ましい実施形態では、確認及びセキュリティ両方の目的での、ダウンロードされた任意のゲーム結果の公式バージョンは、ホストサーバに記憶されているバージョンである。したがって、プレーヤがホストサーバに記憶されている額と照合が確認されない最終全体額又はゲームプレー残高を表示したPGDを提示する場合、ホストサーバに記憶されている額が公式に認められるべき額であることができる。額が異なることによる争議は、他のゲーム機又はカジノの誤作動又は不一致と同様に扱うことができる。
【0150】
このような上記特徴は、特に、1つのゲームのアクティブ化が最終ゲーム結果に繋がることを含む「スロット」タイプ又は他の同様のタイプのゲームに適用可能である。或る形態のプレーヤ対話を含み得るゲームタイプ、例えば、ビデオポーカー又はビデオブラックジャックタイプのゲーム等の場合、繰り返し機会により最適なプレーが明らかになり、それに従って最適なプレーを行えるようになるまで同じゲームを何度もプレーする複数の機会をプレーヤに提供することは現実的ではない。このようなタイプのゲームでは、プレーヤ及びゲーム施設を電源障害、装置故障、及び/又は誤作動の結果から保護する、より高度な特徴が必要である。このようなさらなる特徴としては、特に、フラッシュRAM又は電源損失時にゲーム結果を保持可能な他のメモリ装置を提供すること、及び/又は個々の各ゲームプレー後にゲーム結果をホストサーバ又はシステムに転送する能力が含まれる。
【0151】
ゲームシード、ビデオクリップ、又はいずれかの形態の事前に決定されたゲーム結果のブロックをシステムサーバ又は他のホスト装置からPGDへシステムが直接転送する能力の他に、いずれかの形態の事前に決定されたゲーム結果は、Nguyen他による「Apparatus for Pre-Determined Game Outcomes」と題する同一譲受人に譲渡され、同時係属中の米国特許出願第10/937,989号に記載(この全体を参照により本明細書に援用する)のように、別個のメモリユニットに記憶することもできる。そこに記されるように、スマートカード、カートリッジ、「メモリスティック」、USBメモリ周辺機器、又は他のこのような装置等のポータブル且つリムーバブルのメモリ装置は、プレーヤID及びプレーヤIDに関連する1又は複数の事前に決定されるゲーム結果を含むことができる。ポータブルメモリ装置は、PGD等のゲーム装置に通信的に結合することが可能であり、1又は複数の事前に決定されるゲーム結果をゲーム装置に提供することが可能であり、ゲーム装置からの通信的な結合及び切断が可能であり、且つゲーム装置又はPGDからの物理的な接続及び切断が可能である。
【0152】
各種電子形態のポータブルメモリ装置、例えば、メモリ「スティック」、カートリッジ、スマートカード等の他に、ポータブルゲームプレーは、プリペイドチケット又は他の有形媒体の使用を含むこともできる。このようなプリペイドチケット又は他の有形の媒体は、特定のゲーム結果に対応する特定の符号化情報を含むことができる。別法として、プリペイドチケットは、PGD又は他のポータブルゲーム装置にすでに記憶されているゲームプレーをアンロックすることができる。例えば、いくつかの実施形態では、多数の事前に決定されたゲームプレー又はシードのブロックダウンロードを、ゲームシードのうちのいくつか、さらにはすべてに対して事前に支払いが行われていないにも関わらず、所与のPGDに対して一度に行うことができる。特定の実施形態では、特定のゲームソフトウェアの各コマンドダウンロードは、支払いが行われているか否かに関わらず、100、1000又はそれよりも多くのゲームシードのブロックダウンロードで実現することができる。個々のゲームプレーは、プレーヤが支払いを済ませた後に行うことができ、支払いは、例えば、PGD周辺機器で読み取り可能なプライペイドチケットを通じて実現することができる。
【0153】
このような未払いシードの事前ダウンロードの使用により、予約申し込み及び/又は匿名でのゲームプレーも可能である。例えば、2人のプレーヤが同じ所与のPGDでのプレーに登録することができ、このPGDには先にダウンロードされ記憶されている未払いの多くのゲームシードを有することができる。プレーヤ1は、PGDでのプレーを決めた場合、装置でのプレーヤ1に特に設計されたプレーヤアカウントにログインし、装置もまた、後述する種々の「仮想リーシュ」方法及び装置を通じてプレーヤ1を認識するようになっていてもよい。次に、プレーヤ1は、装置に先に記憶されている未払いのシードを使用して複数のゲームを所望に応じてプレーし、プレー後、プレーヤ1のプレーヤ口座に、そのようなプレーに対する料金が特別に課されるか、又はその旨が記載される。後に、プレーヤ2が同様に、同じPGDにログインして、同様に未払いゲームシードブロックから選び出した他のゲームプレーをすることができ、プレー後、プレーヤ2の口座にそのようなプレーに対する料金が課される。先に大量にダウンロードされた中で、使用されない残りのゲームシード又はプレーは、料金が課されず、又は代替では、このようなシード又はゲームプレーに対して事前に料金が課されている場合には、適宜返金することができる。このような実施形態では、非良心的なプレーヤが、未払いゲームシードの支払いを選択する前にリバースエンジニアリングしてこのような未払いゲームシードを解析できないように、任意のゲームシード、特に未払いゲームシードに対してさらなるセキュリティを含むことが好ましいことがある。このようなセキュリティは、特に、容易に理解されるように、各種暗号化技法及びハッシュ技法並びに適当なシステムキーなしでは理解できない特定のコードを含むことができる。
【0154】
コマンドダウンロードプロセスのために適合されているゲームシステム及びPGDを含む潜在的なシナリオの具体例をこれより説明するが、このような例が単なる例示であり、決して制限する性質のものではない。或る状況では、「ポールプレーヤ(Paul Player)」が、Java(登録商標)プログラムを実行して表示するようになっている個人所有PDAと共にカジノに入店する。自分のPDAがカジノ内に設置されている適宜のゲームシステムと併用可能であることを理解して、ポールはダウンロード可能ゲームデスクに近づき、自身の個人所有PDAが、カジノで賭けを目的としてダウンロード可能なチャンスゲームを実行することが可能であることを確認する。この時点で、接続を自身の個人PDAとダウンロード可能ゲームデスクにあるダウンロードインタフェースとの間に行うことができる。このようなインタフェースは、容易に理解されるように有線であっても無線であってもよい。次に、ポールは、例えば、リトルグリーンメン、ホィールオブフォーチュン、及び/又は他の各種タイプのゲームを含む、ダウンロードする1又は複数のゲームタイプを選択し、その後、システムホストからポールのPDAへの各ゲームのゲームソフトウェアのコマンドダウンロードが行われる。
【0155】
1又は複数のゲームがポールのPDAにダウンロードされた後、ポールは、購入したい実際のゲームプレー数を決めることができる。例えば、ポールは、各ゲームにつき1ドルで10のゲームプレーを購入し、その後、ゲームシードブロックをポールのPDAにダウンロードすることができる。上述したように、このようなゲームシードは、リトルグリーンメン等の特定のゲームタイプに固有であってもよく、又は種々のゲームタイプでプレーできるような汎用性のものであってもよい。次に、ポールは、すでに購入済みの10のゲームプレーの他にさらにプレーしたい場合に、ゲームシードを記憶しているいくつかの別個のメモリユニットを購入又は借り出すことも決める。ポールが、このようなメモリ装置をゲームデスクから持ち出すときにメモリ装置に記憶されているあらゆるゲームプレーの購入が求められるが、いくつかの実施形態は、このようなメモリスティック又はユニットの貸し出し手順を含むことができ、それにより、メモリ装置に記憶されているゲームシードがプレーのために実際にダウンロードされるまでは料金が課されない。例えば、ポールが、それぞれ10のゲームを記憶した5個のメモリユニットを借り出し、メモリユニットのうちの2つにあるゲームしかプレーしない場合、記憶されている手が付けられていないゲームシードに他の3個のメモリユニットを返却するときに、ポール又は彼の口座に対して料金は課されない。もちろん、所望であれば、全料金を貸し出し時に支払うこともできる。
【0156】
いずれの場合でも、次に、ポールはゲームソフトウェアがダウンロードされ記憶されている自身の個人PDAを受け取り、ダウンロード可能ゲームデスクから去る。次に、ポールはカジノ内のレストランに行き、席が空くのを待っている間に5つのゲームをプレーする。食事後、ポールはカジノ内のホテルロビーに出向いて友人を待ち、ここで、他に5つのゲームをプレーする。後に友人とカジノフロアをぶらつきながら、ポールはポータブルメモリユニットのうちの2つを挿入して、それぞれに記憶されている10のゲームをすべてプレーし、その後、中程度の勝ちを得て、プレーの停止を決める。後に、ポールはダウンロード可能ゲームデスクに戻り、全体的な勝ちを主張し、使用しなかったメモリユニットを返却する。実際に使用されなかった3個のメモリユニットの確認後、適宜、返金を提供することができるか、又はポールの口座に対して料金が課されない。PDAでの勝ちを反映した全体残高の確認を行うことができ、このとき、ダウンロード可能ゲームデスクもカジノにあるキャッシャーケージの一部であり得る場合、ポールには、例えば、口座への入金、チケットバウチャーの提供、又は単なる現金での支払いにより払出しを行うことができる。
【0157】
気に入っているゲームの1又は複数が自身の個人PDAにダウンロードされている状態で、次に、後に、ポールはカジノ又は同様の適宜適合されたゲーム施設に戻り、当初行われたコマンドダウンロードと同じコマンドダウンロードを使用して同じゲームをさらにプレーすることができる。例えば、ポールは翌日戻り、直接ダウンロード又はポータブルメモリ装置へのダウンロードのいずれかにより20のゲームシードを購入し、その後、前回訪れたときに装置にダウンロードした同じコマンドダウンロードソフトウェアを使用して、結果にそれらのゲームシードを使用するゲームをプレーすることができる。次に、特定ゲームのゲームソフトウェアのこのようなコマンドダウンロードは、ポールが残しておきたければPDAに存在することができ、その後、カジノに多数回戻ったときのプレーを容易にするのにさらに役立つ。
【0158】
もちろん、このようなソフトウェアがリバースエンジニアリングに対して耐性を有することが好ましく、各種シュリンクラップ契約により、自身のPDAへのコマンドダウンロードを受け入れるあらゆるプレーヤのこのようなリバースエンジニアリングの要求が阻止され、且つ/又はいかなる場合でもリバースエンジニアリングされた場合に、企業秘密又は重要なゲームコードをまったく含まないようにこのようなソフトウェアのダウンロードコマンドを書くこともできる。例えば、PDA又は他のPGDに転送されるソフトウェアは一般に、ゲームプレゼンテーション及び他の表示コードのみに関連するもののみであるように、RNG及び/又は他の重要なゲーム決定機能又はプロセスは、中央サーバ又は他の適したシステム装置で実行されるように留めておくことができる。このようなゲームプレゼンテーション及び表示コードは、潜在的なリバースエンジニアリング又は外部解析に関して非重要であることができるが、シリアルPGDプロセスでホストシステムに存在するよりもこのようなコードをコマンドダウンロードさせてPGDに存在させたほうが好ましいような実のある性質であることができる。
【0159】
専用ゲーム機
上述したように、ゲームコード若しくはビデオクリップの各種ダウンロード、又は単純なシリアルプロセス対話は、中央サーバ又は補助アウトレットへの直接接続から、或いはこのようなサーバへのインタフェースから種々のシステム構成要素と行うことができる。このような補助アウトレット、インタフェース、又はさらにはサーバは、独立型ゲーム機自体である。これより図13Aを参照すると、該図は、賭け金を受け入れ、チャンスゲームを提示する例示的な独立型ゲーム機を斜視図である。ゲーム機310は、トップボックス311及びメインキャビネット312を備え、メインキャビネット312はゲーム機内部(図示せず)を概して囲み、ユーザが見ることができる。このトップボックス及び/又はメインキャビネットは共に又は別個に、複数の内部ゲーム機構成要素を内部に収容するようになっている外側筐体を形成する。メインキャビネット312はメインドア319をゲーム機正面に備えることができ、好ましくは、メインドア319は開いて、ゲーム機内部へのアクセスを提供する。通常、メインドアには、1又は複数のプレーヤ入力スイッチ又はボタン321、コイン選別器322及び紙幣又はチケット識別機323等の1つ若しくは複数の金銭又はクレジット受入器、コイントレイ324、及びベリーガラス(belly glass)325が取り付けられる。メインドア319を通じて、第1のビデオディスプレイモニタ326及び1又は複数の情報パネル327が見える。第1のビデオディスプレイモニタ326は通常、陰極線管、高解像度フラットパネルLCD、プラズマ/LEDディスプレイ、又は他の従来の、若しくは他のタイプの適当なビデオモニタである。別法として、ディスプレイモニタ326に代えて、複数のゲームリールを第1のゲーム機ディスプレイとして使用することができ、当業者に容易に理解されるように、好ましくは、このようなゲームリールは電子的に制御される。
【0160】
トップボックス311は通常、メインキャビネット312の上に配置され、チケットプリンタ328、キーパッド332、1又は複数のさらなるディスプレイ330、カードリーダ331、1又は複数のスピーカ332、トップガラス333、1又は複数のカメラ324、及び第2のビデオディスプレイモニタ335を備えることができ、第2のビデオディスプレイモニタ335は同様に、陰極線管、高解像度フラットパネルLCD、プラズマ/LEDディスプレイ、又は他の任意の従来の、若しくは他のタイプの適当なビデオモニタである。別法として、第2のディスプレイモニタ335をなくして、例えば、特に1又は複数の可動ダイス、回転ホィール、又は回転ディスプレイ等の他の移動構成要素を備え得るゲームリール又は物理的なジオラマ等の他のディスプレイで置き換えてもよい。多くの製造、モデル、タイプ、及び多様性のゲーム機が存在し、このようなゲームのすべてが上述した各アイテムを備えるわけではなく、多くのゲーム機が示されていない他のアイテムを含むことが理解されよう。このようなゲーム機は、例えば、IGT等の多くの製造業者により作成することができる。
【0161】
特に電子ゲーム機に関して、IGT製の電子ゲーム機には、ラップトップPC又はデスクトップPC等の汎用コンピュータから電子ゲーム機を差別化する特別な機構及び追加の回路が設けられる。ゲーム機は公正性を確保するようにかなり規制され、多くの場合、何百万ドルもの金銭報奨を払い出すように動作可能であるため、ゲーム環境に適用されるセキュリティ考慮事項及び多くの厳しい規制要件を満たすために、汎用コンピュータとは大きく異なるハードウェアアーキテクチャ及びソフトウェアアーキテクチャが通常の電子ゲーム機に実装可能である。汎用計算マシンと比較した電子ゲーム機のこのような多くの特殊性のより詳細な説明及びこのような電子ゲーム機に見られる追加の、又は異なる構成要素及び特徴の具体例が、例えば、Nguyen他による「Class II/Class III Hybrid Gaming Machine, System And Methods」と題する、同一譲受人に譲渡され、同時係属中の米国特許出願第10/995,636号に見出すことができ、この全体を参照により本明細書に援用する。
【0162】
提供した基本的なゲーム機能に関して、ゲーム機310が、例えば、スポーツイベント又は特にスロットマシンゲーム、キノゲーム、ビデオポーカーゲーム、ビデオブラックジャックゲーム、及び/又は他の任意のビデオテーブルゲーム等の一般的なプレーでの賭け等、任意の数のゲームイベント、特にプレーヤの賭け及び潜在的な金銭的又は他の払出しを含むチャンスゲームを提示してプレーされるよう構成されている。ゲーム機310は通常、物理的な現ユーザとのライブゲームプレーに適合することができるが、このようなゲーム機が遠隔ゲーム端末でのユーザとのゲームプレーに適合されていることも可能である。他の特徴、機能、及び装置をゲーム機310に関連して使用することもでき、本発明が、任意の又はすべてのこのような追加のタイプの特徴、機能、及び装置を包含し得るゲーム機又は装置と併せて使用できるものである。
【0163】
本発明との併用に特に意図される1つのアイテムは、上述したようなPGD用のドッキングステーションを組み込んだ独立型ゲーム機を含む。次に、図13B及び図13Cを参照すると、本発明の各種実施形態による、関連するPGDドッキングステーションを有する2つの例示的な専用ゲーム機を斜視図で示している。まず図13Bを参照すると、独立型専用ゲーム機410は本質的にゲーム機310とほぼ同様であることができ、注目すべき例外はドッキングステーション488の存在である。特に、ゲーム機410は、上述したドッキングステーション88と本質的に同一又はほぼ同様であり、独立して設置され、ゲーム機とは別体のドッキングステーション488を備えることができる。したがって、全体をサポートするゲームシステムに使用されるようになっている任意の適したPGD20を、ドッキングステーション488を有するこのようなゲーム機410と併せて使用することができる。有線接続489等の適した接続により、ドッキングステーション488をゲーム機410に接続することができ、このようなドッキングステーション488を独立型ゲーム機410に組み込むために必要であり得る任意の関連する追加のソフトウェア、ハードウェア、及び配線(図示せず)を備えることもできる。別法として、ゲーム機410は単に、ドッキングステーション488を、図8に関連して上述したような遠隔配置された全体ゲームシステムに接続するコンジットであってもよい。
【0164】
次に、図13Cを参照すると、独立型専用ゲーム機510もゲーム機310又は410と本質的にほぼ同様であるが、注目すべき例外は一体型ドッキングステーション588の存在である。この実施形態では、関連するPGD520をドッキングステーション588に物理的にドッキングさせてゲーム機510に残すことができるように、一体型ドッキングステーション588をゲーム機自体内に組み込むことができる。示すように、専用PGD520は、一体型ドッキングステーション588から取り外される過程にある。このような専用PGDは、上述したPGD20等の任意の普通に適したPGDと本質的にほぼ同様であることができるが、1つの注目すべき相違は、専用PGD520が特に、物理的なピン、ロック、ラッチ機構等(図示せず)によりドッキングステーション588にドッキングしてその状態を保つようになっていることである。一般的に、一体型ドッキングステーション588及び専用PGD520は、上記ドッキングステーション488及びPGD20と本質的にほぼ同様であるが、いくつかの特徴及び機能の追加が好ましい場合もある。
【0165】
考えられる1つの追加特徴として、専用PGD520はさらに、「ドッキング」モードのとき、即ち専用ゲーム機510等の関連するホストゲーム装置に配置されているときに、異なる様式で動作するようになっていてもよい。例えば、PGD520は、一体型ドッキングステーション588にドッキングされているときに、ゲーム機510への第2の又は他の追加のディスプレイとして動作することができる。PGD520のこのような第2のディスプレイモードは、一体型ドッキングステーション588が通常の第2の又は他の追加ディスプレイに代えて実装された場合に、特に好ましいであろう。専用ゲーム機510の特定の場合でのように、ドッキングステーション588がこのような第2の又は追加ディスプレイの代替にならない場合、例えば、情報パネルが代替になっている場合等、PGD520はさらに別の第2、第3、又はさらに追加のディスプレイとして機能することができる。このようなディスプレイを使用して、さらに多くの情報、例えば、ボーナス情報、プレーヤ追跡、配当表、広告、及び/又は他の有用情報等をプレーヤに表示することができる。ゲームプレーが現在、ゲーム機510で行われていないとき、ドッキングされたPGD520は、一般的なマシン呼び込み(attract)モード又はPGD520の取り外し可能性を指摘する特定の呼び込みモード等の呼び込みモードの一部として使用することもできる。例えば、PGD520は、「許可された遠隔場所のどこにでも携帯可能で、このスロットマシンを通じてゲームプレーできる!(Take Me to Any Authorized Remote Location to Play Games Through This Slot Machine!)」の効果のための呼び込みモードメッセージを表示することができる。
【0166】
もちろん、このようなPGD520が実際にゲーム機510からドッキングされていない場合、好ましくは、ディスプレイが、詳細に上述したようにPGD520でプレー中のあらゆるゲームの第1のゲームディスプレイとして動作する。各種実施形態では、各PGD520は、特に、各PGD520をゲーム機510の専用一体型ドッキングステーション588に取り付け、ドッキングし、可能であればロックするために専用ハードウェアが必要な場合、実際のカジノ又は他の資金提供しているゲーム運営者により所有及び運営されることができる。別法として、ドッキングステーション588は、プレーヤが各自の個人のポータブルゲーム装置を提供することもできるように、別個の個人所有PDA及び他の可能性のあるPGDとインタフェースするようになっていてもよい。他の実施形態では、特に、単に一体型ドッキングステーション588からPGD520を取り外すことで、外部PDAがドッキングステーションとインタフェースできるようになることが非実用的である場合、一体型ドッキングステーション588及びプロプラエタリPGDを有し、且つ外部PGDとインタフェースするための関連する有線ドッキングステーション488を有する専用ゲーム機を提供することができる。
【0167】
本明細書に開示する各種システム及び実施態様は、外部PDA及び他の適したPGDを使用することができるように、一般的なドッキングステーション88又は専用ゲーム機との併用されるようになっている専用ドッキングステーション488の使用を含むことができるが、以下の考察は、一体化ゲーム機の専用ドッキングステーションにドッキングされたプロプラエタリPGDが使用される実施形態に特に当てはまる。上述したように、このような実施形態は、2つの主要モード、即ちドッキングモード及びアンドッキングモードを有するPGDの使用を含むことができる。PGDは、ドッキングされているときに、第2の又は他の追加の視覚及び/又は音声ディスプレイ等の補助装置として機能することができるが、好ましくは、認可されたプレーヤによる遠隔ゲームに使用するために取り外し可能である。いくつかの実施形態では、このような取り外し可能なPGDは、ゲーム機を動作させる「変動(floating)」ゲームライセンスの使用を含むことができる。当該技術分野において既知のように、所与のゲーム施設は、所与のタイプのゲーム機、例えば、等級IIIゲーム機等に対して設定された数のライセンスを有する傾向がある。特定のタイプのゲーム機の設定限度を超えないように、取り外し可能な各PGDは、随時、使用中の所与のタイプのゲーム機等級に許容される全体ゲーム機ライセンス数が存在するような、変動ライセンス下で動作するよう構成されていてもよい。
【0168】
いくつかの実施形態では、これは、各プロプラエタリPGDと、PGDシステムと併用される各専用独立型ゲーム機との間に1対1の関連性を作ることにより実現することができる。このような構成下では、所与のPGD520は、所与の関連付けられた専用ゲーム機510に対してドッキング、取り外し、及び借り出しを行うべきであり、そして、その所与のゲーム機に対してのみ返却できる。PGDがゲーム機から取り外されて使用されている間、関連付けられた独立型ゲーム機は他のあらゆるプレーヤによるプレーに利用することができず、「ゲーム機は現在利用できません:遠隔使用中(Gaming Machine Currently Unavailable: In Remote Use)」等の単純なメッセージを独立型ゲーム機に表示することができる。好ましくは、独立型ゲーム機は、遠隔配置されたPGDが使用されていないとき、又は少なくとも、PGDを借り出して取り外していたプレーヤがログオフしたときに利用できるようになる。このようにして、例えば、等級IIIゲーム機等の特定のゲーム機を動作させるライセンスは、1人のみ又は他者が随時プレーできるように、独立型ゲーム機及び関連付けられた特定の取り外し可能なPGDに常に残る。
【0169】
このような一実施形態では、PGDを独立型ゲーム機から借り出したプレーヤは、PGDを関連付けられた特定の独立型ゲーム機に返却することができるか、又はPGDを複数の指定場所のどこにでも返却することができる。さらに、このようなプレーヤは、取り外したPGDを、プレーヤに関連するホテルの部屋等のいくつかの持ち帰り場所に持ち帰ることが可能であり、この場合、PGDをホテルの部屋に残すことが許容される。上記と同様に、独立型ゲーム機は、プレーヤが、取り外し貸し出されたPGDと共に規制ゲームエリアを出る等の場合に、ライブの直接プレーにも利用できる。もちろん、例えば、貸し出されたPGDの盗難若しくは他の任意の形態の義務不履行使用を阻止又は低減するために、プロプラエタリPGDの取り外し及び貸し出しを許可する前に、プログラムに属し、デポジットを出すようにプレーヤに要求することが望ましいことがある。しかし、プレーヤはゲームセッション終了後に独立型ゲーム機に戻りたくないことがあるため、プロプライエタリPGDと独立型ゲーム機との間に1対1の対応性を含むこのような実施形態は、いくつかの点で不便であり得る。このようなPGDが適当な返却場所に残される場合、各PGDをマッチングして関連付けられた独立型ゲーム機に再ドッキングするまでにいくらかのダウンタイムが存在する可能性があり、これにより、他のプレーヤはこのようなPGDをしばらくの間利用できなくなる。
【0170】
他の実施形態では、各プロプラエタリPGDと関連付けられた独立型ゲーム機との間に1対1の関係を必要としないより複雑なシステムを確立することができる。このような実施形態では、複数の適したPGD及び複数の専用ゲーム機を、任意のPGDを任意の専用ゲーム機にドッキングすることができる全体システムに組み込むことができる。このようにして、PGDを借り出しているプレーヤがそのゲーム機との関連終了を選択した後に、カジノ要員が再ドッキング準備のできたゲーム機に便利である任意のPGDをドッキングすることができるため、PGDをゲーム機により容易に再ドッキングすることができる。このようなシステム下では、遠隔セッションが終了し、再ドッキング準備のできたゲーム機が、各機の特定のPGDを探す必要なく、交換用PGDを素早く再ドッキングすることができるように、余剰のPGDを有することが好ましい。
【0171】
このような構成は、プレーヤ及びゲーム機へのPGDのドッキングの監督を担当するカジノ要員の観点からより好都合であるが、このようなシステムは、随時、提供される数が、カジノ又はゲーム施設の許容最大を超えないように保証するゲーム機ライセンス追跡の視点からより複雑である。このようなシステムでは、関連付けられた独立型ゲーム機がそのライセンスをPGDに殆ど移譲又は結び付けない限り、各PGDでの賭け金ベースのゲームを許可せず、且つ/又はさらには実行できなくすることが望ましくなる。このようにして、各PGDは随時複数の機能に向けて動作可能であるが、賭け金ベースのゲームの場合、関連する物理的な独立型ゲーム機が物理的なゲーム機自体でのライブゲームに一時的に利用できなくなっているときにのみ使用することができる。もちろん、所与のカジノ又はゲーム施設が、適当な管理規制機関又は委員会による各種ゲーム機契約要件に違反しないように保証する他の適した構成を実施することも可能であり、このような他の構成も本明細書に開示される本発明のPGDシステムとの併用に含まれる。
【0172】
図13Cに示すようなドッキングされたPGD及び専用ゲーム機構成の使用により、スロットマシンでの従来のゲーム体験並びに管理された環境内でのモバイルゲーム体験にシームレスに移ることが可能である。先に暗示したように、専用PGD520が関連付けられたゲーム機510にドッキングしている時間中、許可されたプレーヤは、PGDの「アンドッキング」選択肢を選択することにより、PGDを借り出して遠隔でプレーすることにすることができる。これは、例えば、通知イベントをゲーム機及び/又は中央システムサーバのMGCに向けて作成する画面上のボタン、外部ボタン、又はラッチレバー型装置等の各種装置を介して実現することができる。このようなPGD520アンドッキング要求は、ホストゲーム機510及びPGD520の両方でのいくつかのモード変更並びにシステムレベル通知を必要とする。上述したように、ホストゲーム機510において、メインゲームスクリーン及び任意の関連するゲームディスプレイを単純に「遠隔レベル動作」表示様式に切り替えて、スロットマシンが遠隔でプレー中であることを明らかにすることができる。
【0173】
さらに、遠隔ディスプレイソフトウェアを初期化し、無線接続を介してメインスクリーンディスプレイをPGAにリダイレクトすることができる。コード変換が次に行われて、ディスプレイ、音声、暗号化、及び他のゲーム機能を、PGDの機能に向けて適宜スケーリングすることができるが、特に、同じプロプラエタリPGDがシステム内で再利用される場合、このようなコード変換はすでに実現されていることが好ましい。各PGDに所与の独立型ゲーム機が1対1で関連付けられる場合、独立型ゲーム機でプレー可能な任意のゲームのこのようなコード変換は、好ましくは、最初にゲーム機にインストールされるときに関連付けられたPGDに向けて行われる。特定のゲームソフトウェアの新しいバージョン又はパッチが提供され得る場合を除き、その後、PGDへのさらなるコマンドダウンロードは不必要であり得る。各種PGDが、関連する異なるシステム対応独立型ゲーム機と交換可能に使用される場合、特に、このような各種独立型ゲーム機がプレー可能な様々な異なるタイプのゲームを有する場合、やはり、各PGDがコマンドダウンロードを介して多くの又はすべての可能なゲームタイプをコード変換してダウンロードさせることが好ましい。
【0174】
複数の転送可能PGDを含むこのような構成で、PGDで可能な各ゲームタイプの記憶が非現実的であるように、ゲームタイプが多すぎる場合、適宜、ゲーム機に新たにドッキングされると初期インタフェースを実行することができるように各転送可能PGDを適合することが好ましい。このような初期インタフェースは、PGD及び/又は独立型専用ゲーム機が、互いでプレー可能なゲームについて互いに問い合わせることを含むことができる。独立型ゲーム機でプレー可能なゲームについて、マッチングする、ダウンロードされたゲームがPGDで見つけられない場合、このような欠けている1又は複数のゲームの適当なコマンドダウンロードを、新しいホストゲーム機と新たにドッキングされたPGDとの間で行うことができる。ホスト専用ゲーム機が、例えば、リトルグリーンメン等のたった1つの特定のゲームタイプしかプレーできない場合、必要なコマンドダウンロードはたった1回であるか、又は新たにドッキングされたPGDがすでにリトルグリーンメンゲームのモジュールをダウンロードしている場合、まったく必要ない。例えば、各種ゲームキングタイプのゲーム機の場合等、複数のゲームが新しいホストゲーム機で可能である場合、複数回のコマンドダウンロードが必要になる。
【0175】
上述したように、プレーヤがPGDをドッキングされた独立型ゲーム機からアンドッキングして借り出すと決めた場合、種々のアクティビティをPGD、ゲーム機、及び中央システムサーバで行う必要がある。いくつかの実施形態では、無線ネットワーク接続が、好ましくは、PGDとカジノネットワーク又はシステムとの間に先に確立されており、それにより、PGDがホストゲーム機から取り外され、可能であれば取り外されたゲーム機と協働して遠隔モードで動作していると、全体のネットワーク又はシステムがPGDを認識することができる。上述したように、ゲームの変動ライセンスをPGDに移譲することができる。関連する独立型ゲーム機ではなく中央ゲームサーバが遠隔ゲームセッション提供の仕事を引き継ぐ場合、それに従ってゲームセッションを移すことができる。
【0176】
PGDのアンドッキング要求は、プレーヤがPGDをアンドッキングして遠隔的に動作する許可を受けていることを確認するプレーヤの肯定的な識別、並びに継続する遠隔使用中にPGDをその特定のプレーヤに電子的に「繋ぎ止める(leash)」認証メカニズムも必要とする。これは、指紋、声紋、顔認識、他の生体認証識別子、及び/又は特に借り出されたPGDで賭け金ベースのゲームが遠隔的に行われている場合、許可を受けたプレーヤのみがPGDを使用していることを保証する種々の他のメカニズムを含む。もちろん、このようなアイテムは、PGDに内蔵された指紋スキャナ、マイクロホン、及び/又はカメラ等のアイテムを実装すると共に、後述するように適正なプレーヤを確認して認証するようになっているシステムソフトウェアをPGD、システムサーバ、又は両方の場所に実装する必要がある。
【0177】
仮想リーシュ
上記の考慮事項の他に、上記「シリアル」、「ビデオクリップ」、又は「コマンドダウンロード」というPGDの基本的なプロセスタイプのいずれに関しても実施することができる別の大きな特徴が、所与のPGDを特定のユーザ、特定のゲームプレーエリア、又は両方に有効に繋ぎ止める少なくとも1つの「仮想リーシュ」の特徴である。このような仮想リーシュメカニズムがプロプラエタリPGD及び個人所有の外部PGDの両方と併用できることが理解されよう。さらに、このような1又は複数の仮想リーシュは種々の要因に関係するが、適正なプレーヤ、適正なゲーム場所、又は他のこのような適正な要因に関するこのようないかなる要因の断絶も、関連するゲームセッションの一時停止、PGDの全体動作の終了、又は両方に繋がる。適宜、アラーム又は警告をPGD及び/又は全体システム若しくはネットワークに発することもできる。さらに、随時、複数の仮想リーシュ(例えば、特定プレーヤリーシュ、許可場所リーシュ、適正PGDリーシュ、及び適正ソフトウェアリーシュ)が使用中であることができるが、用語「仮想リーシュ」の使用は、適宜、1又は複数のリーシュを指していることが理解されよう。
【0178】
仮想リーシュの一形態は、適正なプレーヤが関連するPGDを使用していることを認証又は確認するために使用される個人リーシュである。各種実施形態では、いくつかの形態の生体認証を使用して、PGDを特定の許可を受けたプレーヤに繋ぎ止めることができ、特に、賭け金ベースのゲームアクティビティの場合に、他の誰でもなく許可を受けたプレーヤだけがPGDを使用できるようにする。プレーヤを生体認証的に、又は他の手段を介して識別するようになっている種々の異なるアイテムのうちの1又は複数を実施することができ、そのうちのいくつかを先に提供した。ここでも、これらとして、例えば、指紋センサ、マイクロホン、網膜スキャナ、カメラ、キーパッド、及び/又は電子パッド及びスタイラスを挙げることができ、これらはそれぞれ、所与のプレーヤの指紋、声紋、網膜、顔の特徴、PIN番号、及び/又はデジタル署名を判断するために使用することができる。他の形態の生体認証及び他のプレーヤ識別子も適用できる。いくつかの実施形態では、このようなアイテムのうちの1又は複数をPGD自体に内蔵することができ、他の実施形態は、PGD、他の或るシステム要素、又はインタフェースと通信している装置の使用を含む。内蔵された認証装置及びシステムベースのプレーヤ認証装置の組み合わせも可能である。もちろん、各種形態の分析ソフトウェア及び登録された、又は既知のプレーヤに対応する管理ファイルも、このような任意のプレーヤ識別システムに提供する必要がある。また、理解されるように、このようなプレーヤ認証は2つ以上の識別子の使用を含むことができる。
【0179】
任意の形態の仮想リーシュに関して、仮想リーシュを確立し、次いで保持することの両方が可能なことが理解されよう。即ち、PGDが最初に貸し出されたとき、又はドッキングステーションを有するホストゲーム機から取り外されたとき等に、オリジナルプレーヤ、場所、装置、及び/又はソフトウェア認証及び確認を行うことができる。仮想リーシュは、少なくとも部分的に、種々のユーザ識別子(例えば、PIN又は指紋)を受け入れることにより確立することができるが、このような仮想リーシュは、少なくとも部分的に、種々のPGD識別子を受け入れることによっても確立することができる。このようなPGD識別子としては、例えば、特に、PGD上の、又はPGDに関連付けられたRFIDタグからの情報又はデータ、PGDに取り付けられた、又は他の様式で関連付けられたドングル、PGDに記憶されているトランザクション証明、又はPGDの場所特定プログラム又は特徴を挙げることができる。上述したように、このような場所特定プログラムは、GPS式プログラム又はシステムであることができ、PGDに内蔵又は他の方式で関連付けることができる。
【0180】
仮想リーシュは、確立されると、PGDからの将来のチェック若しくは「ping」及び/又は図9の認証サーバ96等の1又は複数の他のシステム構成要素によって保持することができる。例えば、PGDが許可を受けたプレーヤに最初に借り出されるときに、指紋の生体認証読み取り値を測定することができる。システム(例えば、認証サーバ96)は、読み取られた指紋から、現在のプレーヤが正当なプレーヤであることを判断することができ、それにより、ゲームをPGDで開始することができる。その後、PGDでのゲームセッションを維持するために、繰り返し指紋の読み取り値を定期的に提供するようにプレーヤに求めることができる。このような繰り返しの読み取りは、適宜、毎分、15秒毎、又は毎秒、2秒毎等、定期的に行うことができる。別法として、このような読み取りは、システムを欺くことによるPGDの潜在的な不正使用を妨げるように、ランダムに行うこともできる。仮想リーシュを通じてのこのような繰り返しのチェック又はピンギング(pinging)は、適正なヒートビートがPGDと認証サーバ96等の適正なシステム構成要素との間に存在しなければPGDをゲーム目的のためには動作不能にさせることができるという点で「ハートビート」と考えることができる。
【0181】
いくつかの実施形態では、PGDは、許可を受けたか、又は適正なプレーヤが現在PGDを保持していることを検出するようになっている特徴を含むことができる。これは、例えば、PGDの縁部に埋め込まれた静電容量触感装置を使用することにより実現することができる。このような装置は、タッチ式光スイッチと同様であり、PGDで動作するソフトウェアにより使用されて、プレーヤがPGDを依然として保有しているかを検出する。プレーヤがPGDを下に置くか、又は他の様式で装置との物理的な接続を失う場合、オペレーティングソフトウェアはこれを感知し、ユーザがもはやユニットを所有していないことを、無線接続を介してシステムに通知し、アイドル又はスリープモードに戻る。プレーヤがPGDを再び手に取った場合、装置は、例えば、1又は複数の生体認証感知方法を介してユーザの完全な再認証を要求することができる。また、オペレーティングソフトウェアにより決定される定期的なイベントで、PGDは、特定のゲームセッションを続けるには、再認証するようにプレーヤに求めることができる。
【0182】
適宜許可を受けたプレーヤだけがPGDをプレーしているかを判断するために使用することができるさらに別の方法は、或る形態の補助識別及び関連する検出装置を使用することである。このような補助プレーヤ識別は、例えば、RFIDプレーヤ追跡カード又は他の適したRFIDアイテム及びRFID読み取り装置及びシステムを含むことができる。このような個人識別RFID関連のゲーム装置及びその特徴の詳細は、同一譲受人に譲渡され、Benbrahimにより2004年7月22日に出願された「Remote Gaming Eligibility System And Method Using RFID Tags」と題する同時係属中の米国特許出願第10/897,822号に提供されており、この全体を参照により本明細書に援用する。他のこのような補助識別アイテム及び方法は、上記米国特許出願第10/937,990号にも開示されており、この全体を上記参照により本明細書に援用する。実際には、指紋又は他の生体認証識別を定期的に連続して提供するようにプレーヤに求めるのではなく、PGD又は他のシステム装置は、RFIDカード、トークン、ブレスレット等の補助プレーヤ識別アイテムを定期的に「ピング(ping)」して、正確な応答を予期することができる。実際に、補助識別装置のこのピングは、1又は複数の仮想リーシュの有効なハートビートになることができる。応答を受信しない、又は受信した応答が正しくない(即ち、ハートビートがない、又は不適正なハートビート)の場合、PGDは、ゲームプレーを即座に一時停止し、許可を受けたプレーヤの実際の生体認証を要求するようになっていることができる。
【0183】
いくつかの実施形態では、適正又は許可を受けたユーザ又はプレーヤの判断は、例えば、所与のゲーム、所与のPGD、又は所与の場所で、種々の潜在的な要因に従ってプレーが許可された1人若しくは複数のユーザ又はプレーヤの以前に確立されたリストに依存することができる。このような以前に承認されたユーザ又はプレーヤは、例えば、PGDを所有又は借り出すユーザ又はゲームシードを購入するユーザに限定することができる。他の実施形態では、プレーヤ群を、所与のゲーム、所与のPGD、又は設定場所でプレーする許可を受けたとしてリストすることができる。例えば、夫が、PGDを借り出し、且つ/又はPGDでゲームプレーするゲームシードを購入した人物である場合、夫及び妻の両者をそれらのゲーム及び/又はそのPGDでの許可を受けた、又は適正なプレーヤとしてリストすることができる。したがって、第1のユーザがゲームシードを購入するか、又は別様にPGDでプレーするゲーム又はゲーム数を決定するが、第2のユーザが、ゲームを実際にプレーする、又はゲームプレーを要求する人物であることができる。述べたように、場合によっては、第2のユーザを第1のユーザと同じ人物に制限することが好ましいこともあり、他方ではユーザ群がこのような第2のユーザである資格を獲得することもある。さらに別の実施形態では、例えば、或る人が別の人又は購入者を含まない人物群のためにゲームを購入したい場合、第2のユーザが第1のユーザと別人であることが可能であり、1人又は複数の購入者が適正又は許可を受けたプレーヤのみであるという制限が作られる。
【0184】
賭け金ベースのゲームアクティビティを装置で行うために、別の形態の仮想リーシュをPGDの適正な場所に関して作成することができる。各種場所感知手段を使用して、PGDが特定の指定されたゲームエリア内にあるときだけ、ゲーム動作を可能にすることができる。そのような場所検出及び関連する通信のために、無線インフラを敷設することができる。プレーヤ特有の仮想リーシュを含む上記実施形態と同様に、特に賭け金ベースのゲームアクティビティに関して、PGDが法的ゲームエリアの境界を越えて持ち出されたときに、PGDを動作不能にすることができる。また、プレーヤ特有の仮想リーシュを含む上記実施形態において述べたように、装置の適正な場所を常時維持するように、PGDの特定の場所に関してハートビートを生成することができる。
【0185】
いくつかの実施形態では、このような場所ベースの仮想リーシュは、カジノ所有のプロプラエタリPGDが返却され、盗難されないことを保証する手段を提供することもできる。例えば、カジノ所有又は他の非プレーヤ所有のPGDが制限されたゲームエリア又は敷地から持ち出された場合、このような持ち出しの検出を即座に行うことができ、1又は複数のセキュリティ対策を発動することができる。このようなセキュリティ対策は、システム及び/又は各種カジノ要員又はセキュリティ要員への警告並びに大音量の可聴信号を含むことができる。このような信号は、プレーヤ並びに近傍のセキュリティ要員への警告メッセージであることができ、PGD自体及び/又は外部システムスピーカから発することができる。さらなるセキュリティ対策は、リバースエンジニアリングを或る外部の非管理場所で行うことができないようにPGDのメモリを消去することを含むことができる。
【0186】
理解されるように、PGDのプレーを特定の「許可を受けた」ゲーム場所又はエリアに制限する作業には、典型的なRFの受け入れが困難なカジノ環境の場合、複数の考慮事項が関わる。場所を特定する一方法は、複数の「ピコセル」の実施を含むことができる。一般的に既知のように、このようなピコセルは、パワー量及び範囲が限られた無線システムアクセスポイントを含むことができる。このような限られたパワー及び範囲は、多数のピコセルを使用することにより補うことができ、全体的な結果として、画定される制限エリアの厳密な形状及びサイズに関してより厳格に制御することができる。より強力なアクセスポイントのほうが長距離にわたる検出及び使用が可能な信号を発することができるのに対して、ピコセルは、数フィート又は数ヤードを超える距離での検出又は通信が不可能であるような限られた範囲を有する傾向がある。もちろん、PGAでのピコセル信号強度及び受信器感度も、ピコセルの厳格な動作範囲を設定できるように制御することができる。設定されると、PGDは、システムピコセルからの信号を検出することができるときだけ、ゲームに関して動作可能である。PGDが制限ゲームエリアから出て移動し、数フィート又は数ヤード以内にピコセルがなくなると、ピコセル信号を聞くことはできず、PGDでのゲームを一時停止又は終了させることができる。
【0187】
図14Aは、本発明の一実施形態による、少なくとも1つのPGD及び複数の仮想リーシュ端末をピコセルの形態で有する例示的なカジノフロアレイアウトを上面図で示す。カジノ600は、フロアレイアウトに各種アイテム、例えば、特に、メイン又はプライマリ入口領域601、賭け金ベースのゲームがプレーされるようになっているメイン又はプライマリゲームフロア602、関連するホテル又はホテル施設への1組のエレベータへの廊下又は他の通路603、及びカジノ内のレストラン、店、又は他の提携企業への入口領域604等を含むことができる。もちろん、他の多くのフロアレイアウトアイテム及びアイテムタイプが存在してもよく、少数のみが本例での説明のために示されることが理解されよう。一般的に既知のように、カジノ600内には、ゲームに適正な場所及びエリア及びゲームに適正ではない場所及びエリアが存在し得る。例えば、プライマリゲームフロア602の大部分はゲームに適正であり、多くのゲーム機、ゲームテーブル、及び他のタイプのゲーム装置があり、それらのアクティビティが実施される。ゲームが適当ではない、又は合法ではない可能性があるエリアとしては、出入り口601及び604等の出入り口近傍領域並びにホテル通路603等の他の非ゲームエリアへの廊下又は通路が含まれる。特に、各種法的規制又は法的規則により、レストラン入り口604等の、子供が受け入れられ、存在する店又はレストランへの出入り口から所与の距離以内の場所でゲームを行わないことを要求することができる。
【0188】
したがって、複数のピコセル605を、カジノ600内の、プライマリゲームフロア602の大部分等のゲームアクティビティを合法的に行うことができるエリア内及びそのエリア周辺に確立することができる。各ピコセル605は、外周606と示される限られた短距離範囲を有することができ、その範囲内では、ピコセルから発せられた信号をPGD20等のPGDで検出することができる。複数のピコセルを戦略的に特定の様式で配置することにより、カジノ又は他のゲーム施設は、PGDが少なくとも1つのシステムピコセルからの信号を拾うことができ、したがって賭け金ベースのゲームに関して動作可能な全体領域を作ることができる。図14Aに示すように、カジノ600のこの領域は、任意のピコセル605の範囲外周606内に入るすべてのエリアに対応する。PGDは、ピコセルのこのような任意の範囲外周内にない場合、ピコセル信号を拾うことができないはずであり、それにより、ユーザがゲームセッションを指定ゲーム領域外で開始又は継続できないようにする。
【0189】
このようなピコセル605は、例えば、ゲームフロアの天井又は他の代替の場所に配置された汎用無線アクセスポイントとして確立することができる。いくつかの実施形態では、ゲームフロア上の1又は複数のゲーム機、ゲーム端末、売店、又は他のアイテムは、ピコセルのホストとして機能することができる。容易に理解されるように、任意の所与のゲーム機、端末、売店等はまた、他の方法で、仮想リーシュ機能のためにシステムエミッタとして機能するようになっていてもよい。仮想リーシュタイプの信号を発するために使用される場合、ゲーム機は、例えば、そのキャンドル(candle)を介してそうするようになっていてもよい。
【0190】
図14Aに示すように、2つ以上のセルの範囲に関していくらか重複するように複数のピコセル605を向けることが望ましいことがある。このような重複設計は、セルが離れて離間する場合に発生し得る補償範囲の各種「穴」を回避するのみならず、特定のピコセルが何等かの理由により失われた、破損した、又は機能しなくなった場合により多量の予備補償範囲に提供する。説明のための例示的なPGDに関して、このPGD20は実際には通路603内にあり、したがって、任意のシステムピコセルの範囲外周にない。このため、PGD603のユーザは、この場所でPGDでゲームアクティビティに参加することができない。ユーザは、通路603を出て少なくとも1つのピコセル605の範囲606内に移動した場合、ゲームセッションを開始又は続けることができる。
【0191】
PGDの場所の特定に使用することができる別の方法は、システム内の各PGDの厳密な物理的場所を特定する三角測量を含むことができる。一般的に既知のように、三角測量は、3つ以上の信号感知装置且つ/又は発信装置の使用を含むことができ、少なくとも3つはPGD等の対象装置からの信号を検出可能である。各信号感知装置はそれ自体ではPGD又は他の装置の場所を特定することができないが、このような場所は、複数の信号感知装置を使用することにより特定することができる。一般に、各信号感知装置は通常、PGD又は他の発信装置の場所に関して、単一の感知装置を中心にして円を規定する(proscribe)ことができるように、装置自体から対象PGD又は信号を発している他の同様の装置までの距離を検出することができる。少なくとも3つの信号感知装置を使用することにより、3つ以上のこのような円を規定することができ、このようなすべての円の交点が発信装置の厳密な場所を画定する。ゲーム環境内でのこのような三角測量手法のさらなる詳細は、例えば、Nelsonに発行された「Method And Apparatus For Monitoring Or Controlling A Gaming Machine Based On Gaming Machine Location」と題する、同一譲受人に譲渡された米国特許第6,843,725号に開示されており、この全体を参照により本明細書に援用する。
【0192】
説明のために、図14Bに、本発明の一実施形態による少なくとも1つのPGDが存在し、三角測量装置の形態の複数の仮想リーシュ端末のみがある例示的な同じカジノフロアレイアウトを上面図で示す。カジノ600がピコセル装置及び三角測量装置の両方を同じ環境又はエリア内に有することが可能であるが、いずれの形態の場所感知システムも独立して使用することができる。三角測量システムに関して、少なくとも3つの三角測量装置607をカジノのあちこちに、好ましくはカジノフロアプラン及び指定のゲーム許容領域の形状に基づく戦略的な場所に配置することができる。このような三角測量装置は、無線システムアクセスポイント、トップタワーの形態であってよく、又はゲームフロア上方の天井に結合してもよい。別法として、上記ピコセル実施形態でのように、このような三角測量装置は、1又は複数のゲーム機、端末、又は売店でホストすることができる。上記ピコセル実施形態と異なり、所与のPGDは、単にカジノでの三角測量装置607からの信号を検出することができるという理由で、必ずしも賭け金ベースのゲーム目的で動作可能である必要はない。むしろ、各三角測量装置607は、例えば、三角測量装置においてPGDからの信号を読み取ることにより、それ自体と所与のPGDとの距離を特定するようになっている。
【0193】
任意の1つの三角測量装置にとって、このような距離は、三角測量装置からの距離外周608に沿う可能な任意の場所として認識することができる。もちろん、示すように、カジノフロアプラン外の場所はPGD可能場所として含めないことができる。PGD20等の所与のPGDの距離外周が、2つの異なる三角測量装置607で確立されると、1つ、又は多くとも2つの場所候補がPGD20に可能である。場合によっては、所与のPGDの厳密な位置をピンポイントするために、第3の三角測量装置が必要になる。図示のように、3つの異なる三角測量装置607の距離外周608が使用されて、PGD20の位置が関連するレストランの出入り口604の近傍であるが、その現在の場所でのPGD20でのゲームアクティビティを禁止するほどは近くない場所としてピンポイントされた。距離外周608が三角測量装置607の範囲を表さないことを理解されたい。むしろ、このような各三角測量装置の範囲はかなり広く、カジノフロア上の多く又はすべての場所及び距離にまで及び得る。このような範囲は示していない。
【0194】
このような三角測量手法を使用することの一利点は、適合ゲームエリア外にあるが、それでもまだ1又は複数のシステム装置と無線通信しているPGDが、適合ゲームエリア外にありながら、ゲームアクティビティを行わないようにすることができることである。信号検出範囲が設計によりかなり大きいため、システムは、厳密なPGD場所を特定し、それに従って動作するようになっている。いくつかの実施形態では、システム内の検出場所に基づいて「イエス」又は「ノー」信号を所与のPGDに送信することができる。その場合、各PGDは、承認されたゲームエリア外にあるときは常に、システムから送信されるイエス又はノー信号に基づいてゲームセッションを阻止、一時停止、及び/又は終了させるようになっていることができる。上記に加えて、他の適した特定の場所感知方法を、全体のPGDベースのゲームシステムと併用するために利用することもでき、このような特定の場所感知方法としては、例えば、特に、WiFi位置感知、(https://www.ekahau.com等のRF指紋)、到着時間差(「TDOA」)、及びアクティブRFタグが挙げられる。
【0195】
仮想リーシュのさらに別の形態は、ゲームプレーを試みている装置が全体の無線及び仮想リーシュシステムに適正な装置であるかの確認を行えるように、実際のPGD自体に関して作ることができる。このようなリーシュは、種々の異なる識別装置を使用して作成することができる。例えば、特別に符号化されたRFIDタグを各PGD内に設置するか、又は取り付けることができ、このようなRFIDタグがシステムに登録される。このようにして、正しく登録及び許可されたあらゆるPGDが、カジノ所有であるか、それとも個人所有であるかに関わらず、システムにより認識可能なそれ自体の別個の識別子を有することができる。もちろん、他のタイプ及び形態の識別装置も同様に使用することが可能である。例えば、ゲームを開始又は継続するために、専用ドングル、Eキー、USB周辺機器、又は他のアタッチメントをPGDに取り付ける必要がある。このようなドングル、Eキー、USB周辺機器、又は他のアタッチメントも、関連するPGDを積極的に識別し、個別化する特別な識別子を有することができる。そして、特に所与のPGD又は1組のPGDの厳密なIDを判断することが望ましい場合、特別な識別子は、仮想リーシュプロセスの一環としてシステムにより読み取ることができる。
【0196】
別法として、又は任意の上記物理的な装置に加えて、識別証明又は他の形態の電子識別をPGDに記憶することができる。このようなトランザクション証明又は他の形態の電子識別は、当初の登録又は最初のコマンドダウンロードプロセスの一環として加えることができ、変更不可能ファイルとしてPGDに残ることができる。変更不可能識別ファイルを個人所有のPGDからダウンロードして、最終的に除去又は削除する場合等のファイルの任意の除去すなわち削除は、結果として、装置の再登録又は新しいデジタル識別子を含む新しいファイルのダウンロードが必要になる。したがって、個人所有のPGDの登録及び/又はコマンドダウンロードプロセスの一部は、システムが後で装置を特に識別することができるように、個別化識別子を含む変更不可能ファイルのダウンロードを含む。
【0197】
さらに別の形態の仮想リーシュは、無線ゲームシステムに使用するためにPGDにダウンロードされる任意の特定のソフトウェアモジュール又はプログラムに関して作ることができる。容易に理解されるように、各種ソフトウェアモジュール及びプログラムは、モジュール又はプログラムを識別する短いコード部分を含むことができ、このような識別部分は、不適当若しくは不正な識別又はトランザクションが低減又は阻止されるように、暗号化又は他の様式でセキュア化することができる。許可を受けたモジュール又はプログラムが使用されていることを保証するのみならず、適正なバージョン及び/又は改訂版が使用されていることを保証するために、このようなアイテムを使用して、1又は複数の重要なソフトウェアプログラム又はモジュールに、このような識別コードを仮想リーシュプロセスの一環として提出するように求めることができる。例えば、「リトルグリーンメン」の許可を受けた或るバージョンは、ネバダ州での使用に適正であるが、その同じバージョンは、ニュージャージー州又はモナコ国等の別のゲーム法的管轄内では不適正又は違法であることがある。個人所有のPGDが、或る法的管轄内でダウンロードされた、許可を受けた適正なゲームバージョンを有する場合、このバージョンは、ユーザにより、又は他の様式で削除されていないと仮定して、後で再び使用するには、その前に、同じ又は他の任意の法的管轄内で適正であると確認を受ける必要がある。
【0198】
実際に、「トランザクション証明」は、カジノ所有であるか、それとも個人所有であるかに関わらず、所与のPGDに記憶される1又は複数のソフトウェア構成要素又はコードさえも作成することができる。このようなトランザクション証明は仮想リーシュプロセスの一環として作成することもでき、そのコード部分を使用するゲームを開始又は継続可能にする前に、1又は複数の証明アイテムが確認される。このようなトランザクション証明アイテムは、例えば、特に、任意の所与のソフトウェアモジュール又はプログラムのソフトウェアバージョン及び/又は改訂版、ダウンロードされたゲームのタイプ、ダウンロードされた任意の特定のゲーム、カジノ識別子、PGDの所有者、プレーヤ、所有者群、若しくはプレーヤ群に関する識別子、タイムスタンプ、ダウンロードされた任意のゲーム又はゲームシードに関するトランザクションデータ(例えば、ゲームタイトル、ゲームタイプ、シード数、支払われた金額)、装置識別子、及び装置を使用しての登録又はトランザクションが行われた法的管轄等の特定のゲームの法的管轄に関する任意の法的管轄要件に関連することができる。
【0199】
特定プレーヤ、許可を受けた場所、特定のPGD、及び許可を受けたソフトウェアリーシュを超えた他の仮想リーシュ構成要素を使用することも可能である。このような他の構成要素又はタイプは、特に、所与のPGD自体を識別する他の方法、ゲームセッションの特定の識別子、及び被害最小化構成要素を含み得る。これらの追加の構成要素の1又は複数の確認は、上述した個人識別リーシュ及び場所確認リーシュの場合と同様に、貸し出し時及び/又はゲームセッション中に要求することができる。PGD及び/又はゲームセッション識別の場合、PGDがどこに行くのか、並びにゲーム及び他のアクティビティがPGDでどのように行われたかを厳密に追跡することが望ましいことがある。PGDでゲーム及び/若しくは他のPGDアクティビティを継続する、又は行うために、これらの追加の構成要素の1又は複数の適当なフィードバックを、ハートビートの一環として要求することができる。
【0200】
このような追加アイテムに関して、異常又は他の疑いのある挙動若しくはパターンを検出するようになっているシステムサーバ上で、アクティビティを監視することができる。このようなシステムサーバは、認証サーバ96及び/又はさらに、データを追跡し、普通ではない、若しくは目立つアクティビティに対して解析を実行するようになっている1つ若しくは複数の他のサーバを含み得る。特定の警告項目としては、PGDの場所の突然の変化が含まれる(特に、潜在的な不正アクティビティが行われている可能性があるように、このような場所の変更が物理的に可能ではない場合)。他の可能な警告項目としては、不正アクティビティ又は装置プレーヤの変更により生じる可能性のある、ベット限度、ベットパターン、ゲームプレー選択及び/又は他のPGDベースのアクティビティの急な変化も含まれる。
【0201】
各種ソフトウェアモジュール及びプログラムをシステムサーバ上でアクティブにし、このような疑いのある、又は異常なアクティビティを検出することができ、検出されたイベントのタイプに基づいて警告又はアラームのレベルを変えることができる。場合によっては、低レベル警告により、単に所与のプレーヤ又はPGDに対する認識を高めるだけであってよく、その先のアクティビティがより密に調べられる。所与のPGDがカジノの一端から他端にほんの数秒で移動したことが明らかになった場合等のより緊急性の高い状況では、セキュリティ要員への、物理的にそのことを調べるためのアラーム又は警告が適当であり得る。解析プロセスを支援するために、各PGDの追跡された場所及びアクティビティのヒストグラムを、少なくとも一時的にシステムサーバ又はデータベースに記憶することができる。このようなヒストグラム及び他の追跡され記憶されたデータは、システムによる自動的な使用が可能であり、必要であれば、オペレータ要員による調査に利用することもできる。
【0202】
最後に、図15を参照して、本発明の各種実施形態による、所与のPGDに関連するプレーヤ及び場所を認証し確認する例示的な一方法を示すフローチャートを説明する。提供されるフローチャートはいくつかの点で総合的であるが、提供されるあらゆるステップが必要なわけではなく、他のステップを含んでもよく、且つ所与のゲームオペレータが望むようにステップの順序を並べ替えてもよい。開始ステップ700の後、PGDでの賭け金ベースのゲームプレーに寄与する1又は複数のサーバを有する適したゲームシステムが、プロセスステップ702において提供される。続く判断ステップ704において、さらに必要な入力が、事前に決定されるゲーム結果についてのデータを含む1又は複数のゲームシードだけであるゲームの実行に十分な量のコードがPGDに存在するか否かについて、問い合わせが行われる。存在しない場合、方法はプロセスステップ706に移り、各種プログラム又はモジュールのコードのコマンドダウンロードが、システムからPGDに提供される。これが行われた後、判断ステップ704が繰り返され、十分なレベルのプログラムコードがPGDに存在するまで、ステップ706及び704が数回、潜在的に繰り返される。
【0203】
所望のゲームの実行に十分なコードがPGDに存在すると、方法はプロセスステップ708に進み、プレーするゲーム数に関するユーザ入力が受け入れられる。次のプロセスステップ710において、ユーザからのプレーするこのようなゲームへの支払いが受け入れられ、次に、プロセスステップ712において、事前に決定される所定の1組のゲーム結果が生成される。プロセスステップ714において、これらの所定のゲーム結果は、システムサーバ又はデータベースに記憶され、プロセスステップ716において、シード形態に変換されて記憶装置に送られ、プロセスステップ718において、記憶装置に記憶される。ここでも、このような記憶装置は、ゲームがプレーされる実際のPGDの一部であってもよく、又は別体であってもよい。次に、プロセスステップ720において、ユーザが実際のゲームをPGDでプレーする準備ができたときに、仮想リーシュを確立することができる。プロセスステップ722において、仮想リーシュを監視し、判断ステップ724において、任意の実質的な違反が仮想リーシュに対して発生したか否かについて問い合わせが行われる。発生した場合、ゲームセッションは一時停止又は終了し、終了ステップ724において、方法は即座に終了する。
【0204】
しかし、仮想リーシュが変わらないままであり、違反されていない場合、方法はプロセスステップ726に続き、PGDに存在するダウンロードコマンドコードが、記憶されているゲームシードの1又は複数を使用して実行される。次に、プロセスステップ728において、このようなゲーム実行のゲーム結果を提示又は表示することができる。その後、判断ステップ730において、ゲームセッションが終了したか否かについて問い合わせが行われる。終了していない場合、方法はプロセスステップ722に戻り、ステップ722〜730が繰り返される。しかし、ゲームセッションが実際に終了している場合、方法はプロセスステップ732に移り、全体のゲーム結果が、システムに以前に記憶されている事前に決定されたゲーム結果と照合確認される。照合確認されたゲーム結果及び照合確認がとれなかったゲーム結果の対応方法については、上述した。この照合確認後、方法は終了ステップ732において終了する。ここでも、各種の詳細且つ追加のステップも同様に含めることができ、これらの例示的な方法の多くの変形を実施することも可能である。
【0205】
上記発明を、明瞭にするため、且つ理解のために例示及び例として詳細に説明したが、本発明の精神及び本質的な特徴から逸脱することなく、上記発明を他の多くの特定の変形形態及び実施形態において具現し得ることが認識されよう。特定の変更及び変形を実施することが可能であり、本発明が上記詳細により制限されず、むしろ、添付の特許請求の範囲により規定されるべきであることが理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0206】
【図1】本発明の一実施形態による例示的なPGDの斜視図である。
【図2】図1に示したPGDの例示的な構成要素配置のブロック図である。
【図3】本発明によるPGDを備える例示的なゲームシステムの概略図である。
【図4】本発明の一実施形態によるPGDを使用してゲームを提示する例示的な方法を示すフローチャートである。
【図5】PGDでプレーするゲームを購入する例示的な方法を示すフローチャートである。
【図6】本発明によるゲームプレーのためにPGDを確認する例示的な一方法を示すフローチャートである。
【図7】本発明の一実施形態によるゲーム結果を確認する例示的な方法を示すフローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態による少なくとも1つのPGDと併せて使用する例示的なドッキングステーションを示す図である。
【図9】本発明の別の実施形態によるシステムのさらに別の実施形態を示す図である。
【図10】本発明のさらに別の態様により構築された、遠隔ゲーム装置及びリムーバブル通信インタフェースを備えた例示的な別のゲームシステムの概略図である。
【図11】スマートカードの形態の、図10のゲームシステムの例示的なリムーバブル通信インタフェースの拡大上面図である。
【図12A】図10のゲームシステムの例示的な各種受動モバイルゲーム方法を示す一連のフローチャートである。
【図12B】図10のゲームシステムの例示的な各種受動モバイルゲーム方法を示す一連のフローチャートである。
【図12C】図10のゲームシステムの例示的な各種受動モバイルゲーム方法を示す一連のフローチャートである。
【図12D】図10のゲームシステムの例示的な各種受動モバイルゲーム方法を示す一連のフローチャートである。
【図13A】賭け金を受け入れ、チャンスゲームを提示するようになっている例示的なゲーム機を斜視図である。
【図13B】本発明の各種実施形態による、関連するPGDドッキングステーションを有する1つの例示的な専用ゲーム機の斜視図である。
【図13C】本発明の各種実施形態による、関連するPGDドッキングステーションを有する1つの例示的な専用ゲーム機の斜視図である。
【図14A】本発明の一実施形態による、少なくとも1つのPGD及びピコセルの形態の複数の仮想リーシュ端末を有する例示的なカジノフロアレイアウトの上面図である。
【図14B】本発明の一実施形態による、少なくとも1つのPGD及び三角測量装置の形態の複数の仮想リーシュ端末を有する例示的なカジノフロアレイアウトの上面図である。
【図15】本発明の各種実施形態による所与のPGDに関連するプレーヤ及び場所を認証し確認する例示的な一方法を示すフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
賭け金を受け入れ、該賭け金に基づいてゲームをプレーすると共に該ゲームの結果に基づいて金銭的な払出しを認可するゲームシステムであって、
関連するハンドヘルド(把手型)個人ゲーム装置でプレーされる特定数の賭け金ベースのゲームに関する入力を受け入れ、該特定数の賭け金ベースの各ゲームの事前に決定されるゲーム結果に関するデータを有するゲームシードを生成し、且つ、前記特定数の賭け金ベースの各ゲームの前記ゲームシードを、前記個人ゲーム装置が将来にゲームプレーする際に使用する記憶装置に送信するように構成されるゲームサーバであって、前記賭け金ベースのゲームは、賭け金を出し、該賭け金に基づいてゲームをプレーし、及び前記ゲームの結果に基づいて払出しを認可するよう構成されている、ゲームサーバと、
前記ゲームサーバと通信し、前記認可された所定の各ゲーム結果に関連する金融データを追跡するように構成される金融サーバと、
前記ゲームサーバと通信し、仮想リーシュ(leash:繋がり)を前記個人ゲーム装置との間に確立するように構成される認証サーバであって、前記仮想リーシュは、前記個人ゲーム装置のユーザ、該個人ゲーム装置の場所、該個人ゲーム装置自体、該個人ゲーム装置に記憶されているソフトウェア、又はこれらの任意の組み合わせを認証又は確認するよう構成されている、認証サーバと、
ゲーム関連情報を表示するディスプレイ、ゲーム関連コードを実行するプロセッサ、及び該プロセッサが実行するコンピュータコードの少なくとも1つのダウンロードコマンドを含むメモリを備えるハンドヘルド個人ゲーム装置と
を備え、
前記コンピュータコードの少なくとも1つのダウンロードコマンドは、前記ハンドヘルド個人ゲーム装置が前記ゲームシードの1つに基づいて独立してゲームプレーを処理すると共に前記ディスプレイに表示するのに十分なコードを含み、前記個人ゲーム装置は、前記ゲームサーバ及び前記認証サーバの両方と通信するように構成されている
ことを特徴とするゲームシステム。
【請求項2】
請求項1記載のゲームシステムにおいて、プレーする前記特定数の賭け金ベースのゲームは、前記ゲームシードが前記個人ゲーム装置に送信される前に支払われるべきゲームブロックを含むことを特徴とするゲームシステム。
【請求項3】
請求項1又は2記載のゲームシステムにおいて、該システムは、
前記ゲームシードを記憶するポータブルメモリ装置をさらに備え、該ポータブルメモリ装置は、前記個人ゲーム装置から着脱されるようになっている
ことを特徴とするゲームシステム。
【請求項4】
請求項1−3いずれかに記載のゲームシステムにおいて、前記ゲームサーバは、無線通信リンクを介して、前記特定数のゲームのそれぞれの前記ゲームシードを前記個人ゲーム装置に送信するように構成されていることを特徴とするゲームシステム。
【請求項5】
請求項1−4いずれかに記載のゲームシステムにおいて、前記ゲームサーバは、カジノ要員のみがアクセス可能な安全を確保されたエリアに配置されていることを特徴とするゲームシステム。
【請求項6】
請求項1−5いずれかに記載のゲームシステムにおいて、前記ゲームサーバは独立型ゲーム機に配置されていることを特徴とするゲームシステム。
【請求項7】
請求項1−5いずれかに記載のゲームシステムにおいて、前記ゲームサーバは売店に配置されていることを特徴とするゲームシステム。
【請求項8】
請求項1−7いずれかに記載のゲームシステムにおいて、前記金融サーバはさらに、前記特定数のゲームのそれぞれの前記所定のゲーム結果に関する情報を前記ゲームサーバから受け入れるよう構成されており、前記受け入れた情報を、前記個人ゲーム装置での前記将来のゲームプレーからの実際の結果と照合確認するようにさらに構成されていることを特徴とするゲームシステム。
【請求項9】
請求項1−8いずれかに記載のゲームシステムにおいて、前記仮想リーシュは、少なくとも部分的に、前記ユーザのPIN、パスワード、指紋、声紋、網膜スキャン、写真、又はデジタル署名のうちの少なくとも1つを受け入れることにより確立されることを特徴とするゲームシステム。
【請求項10】
請求項1−9いずれに記載のゲームシステムにおいて、前記仮想リーシュは、前記ユーザが前記個人ゲーム装置を扱っている間に該ユーザの指紋を読み取ることにより確立されることを特徴とするゲームシステム。
【請求項11】
請求項1−10いずれかに記載のゲームシステムにおいて、前記仮想リーシュは、少なくとも部分的に、前記個人ゲーム装置のRFIDタグ、ドングル、トランザクション証明、又は場所特定機能のうちの少なくとも1つからデータを受け入れることにより確立されることを特徴とするゲームシステム。
【請求項12】
請求項1−11いずれかに記載のゲームシステムにおいて、該システムは、前記個人ゲーム装置とインタフェースするように構成される少なくとも1つのドッキングステーションをさらに備え、前記ゲームシードは、該少なくとも1つのドッキングステーションを介して前記個人ゲーム装置に送信されることを特徴とするゲームシステム。
【請求項13】
請求項12記載のゲームシステムにおいて、前記少なくとも1つのドッキングステーションは、関連するゲーム施設のゲーム領域内に配置される独立型ゲーム機に付随していることを特徴とするゲームシステム。
【請求項14】
請求項13記載のゲームシステムにおいて、前記少なくとも1つのドッキングステーションは、前記独立型ゲーム機内に一体化されていることを特徴とするゲームシステム。
【請求項15】
請求項1−14いずれかに記載のゲームシステムにおいて、前記ハンドヘルド個人ゲーム装置は、前記ユーザにより所有される個人外部装置を含み、前記ゲームサーバ、前記金融サーバ、及び前記認証サーバの1又は複数は、前記ユーザとは別のゲーム施設により所有及び運営されることを特徴とする記載のゲームシステム。
【請求項16】
請求項15記載のゲームシステムにおいて、前記仮想リーシュは、少なくとも部分的に、前記個人外部装置のRFIDタグ、ドングル、トランザクション証明、又は場所特定機能のうちの少なくとも1つからデータを受け入れることにより前記個人外部装置との間に確立されることを特徴とするゲームシステム。
【請求項17】
請求項1−16いずれかに記載のゲームシステムにおいて、前記仮想リーシュは、少なくとも部分的に、1又は複数のシステム装置から信号を発することにより確立されることを特徴とするゲームシステム。
【請求項18】
請求項17記載のゲームシステムにおいて、仮想リーシュ信号を発する前記1又は複数のシステム装置は、前記個人ゲーム装置を含むことを特徴とするゲームシステム。
【請求項19】
請求項18又は18記載のゲームシステムにおいて、該システムは、前記仮想リーシュ信号を発する1又は複数のゲーム機をさらに備えることを特徴とするゲームシステム。
【請求項20】
請求項17−19いずれかに記載のゲームシステムにおいて、前記仮想リーシュ信号を発するようになっている1又は複数の無線アクセスポイントをさらに備えることを特徴とするゲームシステム。
【請求項21】
賭け金を受け入れ、該賭け金に基づいてゲームをプレーすると共に該ゲームの結果に基づいて金銭的な払出しを認可するよう構成されたゲーム機であって、
複数の内部ゲーム機構成要素を内部に収容するように構成される外側筐体と、
前記複数の内部ゲーム機構成要素の少なくとも1つと通信し、前記賭け金ベースのゲームの1又は複数の態様を実行又は制御するマスタゲームコントローラと、
外部のハンドヘルド個人ゲーム装置とインタフェースするよう構成されたドッキングステーションであって、前記個人ゲーム装置は、ゲーム関連情報を表示するようになっているディスプレイ、ゲーム関連コードを実行するように構成されたプロセッサ、及び該プロセッサが実行するコンピュータコードの少なくとも1つのダウンロードコマンドを記憶するメモリを備え、前記コンピュータコードの少なくとも1つのダウンロードコマンドは、前記個人ゲーム装置が、前記賭け金ベースのゲームの所定のゲーム結果に関するデータを有するゲームシードに基づいて、独立して前記賭け金ベースのゲームのプレーを処理すると共に前記ディスプレイに表示するのに十分なコードを含む、ドッキングステーションと、
を備えることを特徴とするゲーム機。
【請求項22】
請求項21記載のゲーム機において、前記ゲームシードは、前記ドッキングステーションを介して前記個人ゲーム装置に送信されることを特徴とするゲーム機。
【請求項23】
請求項21又は22記載のゲーム機において、前記ゲームシードは、前記ドッキングステーションから、前記ゲームシードを記憶するポータブルメモリ装置に送信され、該ポータブルメモリ装置は、前記個人ゲーム装置から着脱可能であり、前記ゲームシードは、前記ポータブルメモリ装置から前記個人ゲーム装置に送信されることを特徴とするゲーム機。
【請求項24】
請求項23記載のゲーム機において、前記ポータブルメモリ装置は、前記個人ゲーム装置から物理的に着脱可能であることを特徴とするゲーム機。
【請求項25】
請求項21−24いずれか記載のゲーム機において、前記コンピュータコードのダウンロードコマンドは、前記ドッキングステーションを介して前記個人ゲーム装置に送信されることを特徴とするゲーム機。
【請求項26】
賭け金ベースのゲームを管理する方法であって、
関連するハンドヘルド個人ゲーム装置での前記賭け金ベースのゲームのプレーを促進するよう構成された1又は複数のサーバを有するゲームシステムを提供するステップであって、前記賭け金ベースのゲームは、賭け金を出し、ゲームをプレーし、該ゲームの結果に基づいて払出しを認可することを含んでいる、ゲームシステムを提供するステップと、
前記個人ゲーム装置でプレーするいくつかの賭け金ベースのゲームに関する入力を、第1のユーザから受け入れるステップであって、前記個人ゲーム装置は、ゲーム関連情報を表示するディスプレイ、ゲーム関連コードを実行するように構成されるプロセッサ、及び該プロセッサが実行するコンピュータコードの少なくとも1つのダウンロードコマンドを含むメモリを備え、該コンピュータコードの少なくとも1つのダウンロードコマンドは、前記個人ゲーム装置が、各ゲームの所定のゲーム結果に関するデータを有するゲームシードに基づいて、ゲームプレーを処理すると共に前記ディスプレイに表示するのに十分なコードを含んでいる、入力受け入れステップと、
1又は複数のサーバを有する前記システムにおいて、前記個人ゲーム装置でプレーする前記特定数の賭け金ベースのゲームのそれぞれに、所定のゲーム結果を生成するステップと、
前記特定数のゲームのそれぞれの前記所定ゲーム結果を、前記ゲームシード内のデータの形態で、前記個人ゲーム装置が使用する記憶装置に送信するステップと、
後で使用するために、前記特定数のゲームのそれぞれの前記ゲームシードを前記記憶装置に記憶するステップと、
前記記憶されたゲームシードからの第1のゲームシードを使用して、前記個人ゲーム装置で前記コンピュータコードの少なくとも1つのダウンロードコマンドを実行して、前記第1のゲームシードに対応するゲームを前記ディスプレイに提示するステップと、
を含むことを特徴とするゲーム管理方法。
【請求項27】
請求項26記載のゲーム管理方法において、前記特定数の賭け金ベースのゲームの少なくとも1つをプレーするための掛け金の支払いを前記第1のユーザから受け取るステップをさらに含むことを特徴とするゲーム管理方法。
【請求項28】
請求項25又は26記載のゲーム管理方法において、前記記憶装置は、スマートカード、プレーヤカード、ポータブルメモリモジュール、及び前記個人ゲーム装置のメモリから成る群から選択されることを特徴とするゲーム管理方法。
【請求項29】
請求項26−28いずれかに記載のゲーム管理方法において、該方法はさらに、
前記特定数のゲームのそれぞれの前記所定のゲーム結果に関するデータを、前記1又は複数のシステムサーバの少なくとも1つに記憶するステップと、
前記記憶されたデータを、前記ゲームシードを使用して前記個人ゲーム装置で前記実行されたゲームプレーからの実際の結果と照合確認するステップと、
を含むことを特徴とするゲーム管理方法。
【請求項30】
請求項26−29いずれかに記載のゲーム管理方法において、該方法はさらに、前記個人ゲーム装置と前記1又は複数のシステムサーバの少なくとも1つとの間に仮想リーシュを確立するステップを含むことを特徴とするゲーム管理方法。
【請求項31】
請求項30記載のゲーム管理方法において、前記仮想リーシュは、少なくとも部分的に、適正ユーザのPIN、パスワード、指紋、声紋、網膜スキャン、写真、又はデジタル署名のうちの少なくとも1つを受け入れることにより確立されることを特徴とするゲーム管理方法。
【請求項32】
請求項30又は31記載のゲーム管理方法において、前記仮想リーシュは、少なくとも部分的に、前記個人ゲーム装置が、賭け金ベースのゲームアクティビティの提供が許容された場所にあると判断することにより確立されることを特徴とするゲーム管理方法。
【請求項33】
請求項30−32いずれかに記載のゲーム管理方法において、前記仮想リーシュは、少なくとも部分的に、前記個人ゲーム装置が、賭け金ベースのゲームアクティビティを提供するのに適正な装置であると判断することにより確立される、ことを特徴とするゲーム管理方法。
【請求項34】
請求項30−33いずれかに記載のゲーム管理方法において、前記仮想リーシュは、少なくとも部分的に、前記個人ゲーム装置に記憶されているソフトウェアが、前記ゲームのプレーに承認されたソフトウェアであると判断することにより確立されることを特徴とするゲーム管理方法。
【請求項35】
請求項30−34いずれかに記載のゲーム管理方法において、前記仮想リーシュは、少なくとも部分的に、前記個人ゲーム装置からの信号の発信を介して確立されることを特徴とするゲーム管理方法。
【請求項36】
請求項30−35いずれかに記載のゲーム管理方法において、前記仮想リーシュは、少なくとも部分的に、ピコセル、三角測量装置、無線アクセスポイント、及びキャンドルから成る群から選択される1又は複数の装置からの信号の発信を介して確立されることを特徴とするゲーム管理方法。
【請求項37】
請求項30−37いずれかに記載のゲーム管理方法において、該方法はさらに、前記仮想リーシュを繰り返し監視するステップであって、それにより、適正ユーザ、前記個人ゲーム装置の適正場所、該個人ゲーム装置自体、該個人ゲーム装置に記憶されているソフトウェア、又はこれらの任意の組み合わせに関連する1又は複数の要因が適正な状態を保っているか否かを判断するステップを含むゲーム管理方法。
【請求項38】
請求項37記載のゲーム管理方法において、該方法は、前記1又は複数の要因の少なくとも1つが不適正である、又は不適正になる場合、前記個人ゲーム装置での前記特定数のゲームのプレーを阻止するステップを含むことを特徴とするゲーム管理方法。
【請求項39】
請求項26−38いずれかに記載のゲーム管理方法において、前記個人ゲーム装置とインタフェースするように構成されるドッキングステーションを提供するステップをさらに含み、前記送信するステップは、前記ドッキングステーションを介して行われることを特徴とするゲームの管理方法。
【請求項40】
請求項26−39いずれかに記載のゲーム管理方法において、該方法はさらに、
前記個人ゲーム装置で前記ゲームをプレーする要求に関する入力を、第2のユーザから受け取るステップと、
前記第2のユーザが、前記ゲームをプレーすることができる適正ユーザであることを確認するステップと
を含むことを特徴とするゲーム管理方法。
【請求項41】
請求項40記載のゲーム管理方法において、前記第1のユーザ及び前記第2のユーザは両者とも同じ人物であるか、又は確立された事前承認済みのユーザ群からでなければならないことを特徴とするゲーム管理方法。
【請求項42】
賭け金を受け入れ、該賭け金に基づいてゲームをプレーすると共に該ゲームの結果に基づいて金銭的な払出しを認可するよう構成されているゲームシステムであって、
関連する個人ゲーム装置でプレーする特定数の賭け金ベースのゲームに関する入力を受け入れ、該特定数の賭け金ベースの各ゲームの所定のゲーム結果に関するデータを有するゲームシードを生成し、且つ前記特定数の賭け金ベースの各ゲームの前記ゲームシードを、前記個人ゲーム装置が将来にゲームプレーする際に使用する記憶装置に送信するように構成されるように構成されるゲームサーバであって、前記個人ゲーム装置にコンピュータコードの少なくとも1つのダウンロードコマンドを提供するようにさらに構成され、前記コンピュータコードの少なくとも1つのダウンロードコマンドは、前記個人ゲーム装置が前記ゲームシードの1つに基づいて独立してゲームプレーを処理すると共に前記個人ゲーム装置のディスプレイに表示するのに十分なコードを含んでいる、ゲームサーバと、
前記ゲームサーバと通信し、仮想リーシュを前記個人ゲーム装置との間に確立するように構成された認証サーバであって、前記仮想リーシュは、前記個人ゲーム装置のユーザ、該個人ゲーム装置の場所、該個人ゲーム装置自体、該個人ゲーム装置に記憶されているソフトウェア、又はこれらの任意の組み合わせを認証又は確認するよう構成されている、認証サーバと
を備えることを特徴とするゲームシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図12D】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15】
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【公表番号】特表2008−546443(P2008−546443A)
【公表日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−516901(P2008−516901)
【出願日】平成18年5月31日(2006.5.31)
【国際出願番号】PCT/US2006/021230
【国際公開番号】WO2006/138064
【国際公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.コンパクトフラッシュ
2.ETHERNET
【出願人】(592123897)アイジーティー (44)
【Fターム(参考)】