説明

個人情報保護管理システム及び個人情報保護管理方法

【課題】ユーザIDやパスワード等の情報を管理するとともに、静的情報、動的情報も一緒に送ることができる。
【解決手段】ユーザ12が使用するTV受像機などの端末機器である端末11から、IPTVサービス事業者の動的情報(番組、商品)を提供するメタデータサーバ13に問い合わせて、メタデータサーバ13から端末11に動的情報が提供される。また、端末11から送られてきたユーザの個人情報を電気通信サービス事業者が提供するサービスプロバイダ(SP)管理サーバ14で管理するとともに、個人情報転送の際に電気通信サービス事業者によって事前に登録されたサービスプロバイダか、どうかを確認した後に、個人情報をサービスプロバイダのSP側システム15に転送する。SP側システム15は、ユーザ12からSP管理サーバ14経由で提供された個人情報を利用し、ユーザ12に有益なサービス情報を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザがPCなどからブログ・映像の閲覧や商品購入などのサービスを利用した際に、そのユーザが現在閲覧している記事や番組、商品といった動的に変化する情報(動的情報)とユーザのID情報、メールアドレスなど静的な情報(静的情報)とを組み合わせてサービスの提供事業者(サービスプロバイダ)に提供するときにおける個人情報を保護管理するシステム及び個人情報保護管理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットを利用した検索サービスやインターネット上での商品販売、映像サービスなどの情報が展開されている。このような検索サービスや商品販売などでは、ユーザの検索キーワードや購入/閲覧した商品や映像などの動的情報を基に、ユーザが興味を持ちそうな動的情報や広告を検索結果の画面などに表示することが行われている。
【0003】
また、ポータルサーバにて視聴する映像を選択してログインすると、その情報を配信サーバへ転送し、ユーザ認証はユーザIDとパスワードによって行われているが、サービスプロバイダに対する信用については、ユーザで判断するしかないのが現状である(特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2004−021280号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように動的情報や広告を検索しその結果の画面上で、ユーザは、ユーザ登録を行わないと、以後は、サービスプロバイダからメールによりユーザの興味のある情報は通知されることない。また、ユーザ登録の際に、静的情報であるユーザIDとパスワード、メールアドレスなどを登録すれば、メールなどによる情報の通知は、可能であるが、ユーザにとっては、ユーザIDとパスワードが盗まれて本人に成りすましされることなどがあり、信頼性が不明確なサービスプロバイダにメールアドレスなどを登録することに一抹の不安がある、問題を持っている。
【0005】
また、ユーザ登録を行っても、ユーザはサービスを利用するたびに、ユーザIDとパスワードの入力操作を行う必要があるために、操作が煩雑となる問題もある。
【0006】
本発明の目的は、上記の問題点を解決し、ユーザIDやパスワード等の情報の提供を行うときに、事前に登録されたサービスプロバイダを介して行うようにしたので、ユーザIDやパスワード等の情報管理が確保されるとともに、電気通信事業者があらかじめ登録されたサービスプロバイダにのみ個人情報を提供し、静的な情報だけでなく、動的な情報も一緒に送ることができる個人情報保護管理システム及び個人情報保護管理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を達成するために、請求項1に係る発明は、ユーザが使用する端末と、該端末からの問い合わせに応じて動的情報を提供し、コンテンツに含まれる動的情報を管理するメタデータサーバと、個人情報を管理するとともに、サービスプロバイダ側システムを管理する管理サーバと、該管理サーバ経由で提供された個人情報を利用してサービス情報を提供するサービスプロバイダ側システムとを備え、
前記端末、前記メタデータサーバ、前記管理サーバ、前記サービスプロバイダ側システムとをネットワークを介して各々接続し各種情報の授受を行なう個人情報保護管理システムであって、
前記端末は、動的情報を前記メタデータサーバに要求する手段と、個人情報とともに端末認証IDを前記管理サーバに送信する手段とを有し、
前記メタデータサーバは、前記端末からの要求に応じて動的情報を前記端末に提供する手段を有し、
前記管理サーバは、端末認証を行うとともに個人情報が事前に登録されているかを確認する手段と、個人情報を確認したなら個人情報を前記サービスプロバイダ側システムに転送する手段とを有し、
前記サービスプロバイダ側システムは、前記管理サーバから送られてきた個人情報を管理すると共に前記端末にサービス情報を送信する手段を有することを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に係る発明は、ユーザが使用する端末と、該端末からの問い合わせに応じて動的情報を提供し、コンテンツに含まれる動的情報を管理するメタデータサーバと、個人情報を管理するとともに、サービスプロバイダ側システムを管理する管理サーバと、該管理サーバ経由で提供された個人情報を利用してサービス情報を提供するサービスプロバイダ側システムとを備え、
前記端末、前記メタデータサーバ、前記管理サーバ、前記サービスプロバイダ側システムとをネットワークを介して各々接続し各種情報の授受を行なうシステムで使用する個人情報保護管理方法であって、
前記端末は、動的情報を前記メタデータサーバに要求するステップと、個人情報とともに端末認証IDを前記管理サーバに送信するステップとを有し、
前記メタデータサーバは、前記端末からの要求に応じて動的情報を前記端末に提供するステップを有し、
前記管理サーバは、端末認証を行うとともに個人情報が事前に登録されているかを確認するステップと、個人情報を確認したなら個人情報を前記サービスプロバイダ側システムに転送するステップとを有し、
前記サービスプロバイダ側システムは、前記管理サーバから送られてきた個人情報を管理すると共に前記端末にサービス情報を送信するステップを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、情報提供先となるサービスプロバイダ(SP側システム)は、電気通信サービス事業者(管理サーバ)によって予め登録されたサービスプロバイダに限定されるために、情報漏れなどを生じることがなく、ユーザは安心感を得ることができる利点がある。
【0010】
また、本発明によれば、電気通信サービス事業者に保存されているユーザID、住所、氏名、電話番号等の情報が、サービスプロバイダに送られるので、これらの情報入力操作する手間を省くことができるとともに、電気通信事業者があらかじめ登録されたサービスプロバイダにのみ個人情報を提供し、静的な情報だけでなく、動的な情報も一緒に送ることができる利点がある。
【0011】
さらに、本発明によれば、サービスプロバイダ側では、PCやテレビでの商品閲覧から、オペレータを介したリアルタイムな商品説明、購入へのシームレスな連携を実現することができる。例えば、サービスプロバイダ側のオペレータは、電話を掛けて来た時にユーザが、その時に閲覧していた商品を認識することができるので、的確な応対が可能になる利点がある。
【0012】
さらにまた、電気通信サービス事業者が保有するユーザ情報を利用することができるので、ユーザ情報に間違いのないことを確認することができる利点もある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の実施の形態を示す構成図である。図1において、11はユーザ(利用者)12が使用する端末で、この端末11には、動的情報を要求する手段11aと、個人情報および端末認証IDを後述するSP管理サーバ14に送信する手段11bとを有する。なお、端末11は、一般的には、IPTVサービス事業者や電気通信サービス事業者が提供するサービスを利用するために家庭内に設置する機器であり、この機器としては、STB(Set Top Box)やTV受像機、DVR(Digital Video Recorder)などがある。
【0014】
13は例えばIPTVサービス事業者の動的情報を提供するメタデータサーバで、このメタデータサーバ13には、端末11からの要求の受信手段13aと、動的情報を端末11に提供する手段13bとを有し、このメタデータサーバ13は、テレビ番組などのコンテンツに含まれる動的情報(メタデータ)を管理し、端末11からの要求の問い合わせを受信手段13bで受信し、その問い合わせに応じてメタデータを手段13bにより端末11に提供する。このメタデータサーバ13が、管理する動的情報の例として次のような情報が挙げられる。
【0015】
番組名、放送日時、放送時間、放送チャンネル、出演者、使用されている局名、スポンサー名、流されたCM,コンテンツで使用された商品名、etc。
【0016】
14は電気通信サービス事業者が提供するサービスプロバイダ(SP)管理サーバで、このSP管理サーバ14には、端末11からの端末認証および個人情報登録確認手段14aと、個人情報をサービスプロバイダへ転送する手段14bとを有し、このSP管理サーバ14は、端末11から送られてきたユーザの個人情報(動的、静的を問わず)を,端末認証および個人情報登録確認手段14aで確認し管理するとともに、個人情報転送の際には、電気通信サービス事業者によって事前に登録されたサービスプロバイダかどうかを確認した後に、上記個人情報をサービスプロバイダのSP側システム15に転送手段14bにより転送する。
【0017】
また、このSP管理サーバ14は、ユーザ側端末11、及びSP側システム15の確認のため、回線認証を含む複数の認証手段を利用し、成りすましを防止する機能も有している。
【0018】
さらに、ユーザ12の求めに応じて、サービスプロバイダのSP側システム15に対して、一度提供した個人情報の削除要求などの機能も有している。
【0019】
15は、サービスプロバイダのSP側システムで、このSP側システム15は、電気通信サービス事業者によって事前に登録されるとともに、システム15には、個人情報管理および確認手段15aと、端末11にサービス情報を送信する手段15bとを有し、ユーザ12からSP管理サーバ14を経由して提供されたユーザの個人情報を前記管理および確認手段15aにて管理、確認し、ユーザ12にとって有益なサービス情報を送信手段15bによりユーザ12に提供する。
【0020】
なお、16は個人情報データベース、17はネットワークで、このネットワーク17には、端末11、メタデータサーバ13、SP管理サーバ14及びSP側システム15がそれぞれ接続され、ネットワーク17を介して各種情報の授受が行われる。
【0021】
次に、図2のシーケンス説明図により、実施の形態の作用を述べる。端末11からユーザ12に対して、情報をサービスプロバイダ側に送ってよいかの確認が発せられ、ユーザ12が「OK」の確認をしたなら、その確認「OK」を端末11に送る。
【0022】
これにより、端末11はメタデータサーバ13に対して動的な情報を要求する。すると、メタデータサーバ13から端末11に動的な情報が送られ、端末11は動的な情報を取得する。
【0023】
その後、端末11から個人情報をSP管理サーバ14に送信する。すると、SP管理サーバ14は、個人情報の転送に際して、予め登録されているサービスプロバイダであることを確認し、「OK」なら、SP側システム15に個人情報を転送する。なお、上記確認で、「NG」なら、エラー・メッセージをユーザ12に送信する。
【0024】
上記図1に示す実施の形態をより具体化した内容を次に述べる。ユーザ12のメールアドレスなどを管理している電気通信サービス事業者には、信用のあるサービスプロバイダの情報を保持しておくSP管理手段(管理サーバ)14が設けられる。また、ユーザ12がインターネットアクセスに使用する有線・無線の回線に回線IDを付与する。
【0025】
ここで、ユーザ12が、通信サービスを利用する際には、電気通信サービス事業者が、まず回線IDを用いてユーザ認証を行い、ユーザ12のサービス利用状況をモニタする。ユーザ12が、信用あるサービスプロバイダのSP側システム15にアクセスすると、ユーザ12の静的情報をサービスプロバイダのSP側システム15に通知するか否かを、ユーザ12に問い合わせ、許可があった場合に、静的情報をSP側システム15に通知する。
【0026】
これにより、サービスプロバイダのSP側システム15は、動的情報と静的情報を入手することができ、ユーザ12は成りすましの不安が解消され、また、サービス利用のたびに、ユーザIDとパスワードの入力操作が不要となる。
【0027】
上記実施の形態において、個人情報(動的情報、静的情報を含む)の保存場所は、ユーザ側の端末11の個人情報データベース16であっても、電気通信サービス事業者のSP管理サーバ14であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施の形態を示す構成図。
【図2】実施の形態の作用の述べるシーケンス説明図。
【符号の説明】
【0029】
11…端末
11a…動的情報を要求する手段
11b…個人情報および端末認証IDをSP管理サーバに送信する手段
12…ユーザ
13…メタデータサーバ
13a…端末からの要求の受信手段
13b…動的情報を端末に提供する手段
14…サービスプロバイダ(SP)管理サーバ
14a…端末認証および個人情報登録確認手段
14b…個人情報をサービスプロバイダへ転送する手段
15…SP側システム
15a…個人情報管理および確認手段
15b…端末にサービス情報を送信する手段
16…個人情報データベース
17…ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが使用する端末と、該端末からの問い合わせに応じて動的情報を提供し、コンテンツに含まれる動的情報を管理するメタデータサーバと、個人情報を管理するとともに、サービスプロバイダ側システムを管理する管理サーバと、該管理サーバ経由で提供された個人情報を利用してサービス情報を提供するサービスプロバイダ側システムとを備え、
前記端末、前記メタデータサーバ、前記管理サーバ、前記サービスプロバイダ側システムとをネットワークを介して各々接続し各種情報の授受を行なう個人情報保護管理システムであって、
前記端末は、動的情報を前記メタデータサーバに要求する手段と、個人情報とともに端末認証IDを前記管理サーバに送信する手段とを有し、
前記メタデータサーバは、前記端末からの要求に応じて動的情報を前記端末に提供する手段を有し、
前記管理サーバは、端末認証を行うとともに個人情報が事前に登録されているかを確認する手段と、個人情報を確認したなら個人情報を前記サービスプロバイダ側システムに転送する手段とを有し、
前記サービスプロバイダ側システムは、前記管理サーバから送られてきた個人情報を管理すると共に前記端末にサービス情報を送信する手段を有することを特徴とする個人情報保護管理システム。
【請求項2】
ユーザが使用する端末と、該端末からの問い合わせに応じて動的情報を提供し、コンテンツに含まれる動的情報を管理するメタデータサーバと、個人情報を管理するとともに、サービスプロバイダ側システムを管理する管理サーバと、該管理サーバ経由で提供された個人情報を利用してサービス情報を提供するサービスプロバイダ側システムとを備え、
前記端末、前記メタデータサーバ、前記管理サーバ、前記サービスプロバイダ側システムとをネットワークを介して各々接続し各種情報の授受を行なうシステムで使用する個人情報保護管理方法であって、
前記端末は、動的情報を前記メタデータサーバに要求するステップと、個人情報とともに端末認証IDを前記管理サーバに送信するステップとを有し、
前記メタデータサーバは、前記端末からの要求に応じて動的情報を前記端末に提供するステップを有し、
前記管理サーバは、端末認証を行うとともに個人情報が事前に登録されているかを確認するステップと、個人情報を確認したなら個人情報を前記サービスプロバイダ側システムに転送するステップとを有し、
前記サービスプロバイダ側システムは、前記管理サーバから送られてきた個人情報を管理すると共に前記端末にサービス情報を送信するステップを有することを特徴とする個人情報保護管理方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate