説明

個人認証セキュリティ装置

【課題】車両盗難防止のためのセキュリティ装置は、イモピライザー等の信頼性の高い製品が国内でも出現している。しかし、技術的にこれを上回る犯罪が起きており、今後は更なる改善を必要とする。その際の信頼性と操作簡易化を両立する装置が求められている。また、国内特有のキー付自動車盗難にも対応する装置が望まれる。
【解決手段】本発明では、従来からのセキュリティ装置であるドアの開閉及びエンジン始動・停止のキーシステムに加え、駆動伝達部での接断や制動機能に関する切り替えの許可に生体認証による方式を採用する。更に、生体認証を上述のドアやエンジンに対してもキーシステムと併用して設定し、キーレスも可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
自動車の盗難防止のシステム、装置に関する分野であり、自動車の作動機能の許可・停止に関する個人認証の事項、その判定に用いる生体認証のためのセンサー及びシステムを制御する電子システムが含まれる。自動車のセキュリティへの信頼性の向上と操作容易化の両立が必要な分野である。
【背景技術】
【0002】
世界的に見ると、自動車の盗難に見舞われる確率は、外国の方が国内よりは大きい。したがって、多くの自動車のセキュリティとしてのシステムや装置は外国の方が発達し、普及している。しかし、近年日本でもこれらの犯罪の増加が問題となっている。特に日本の中古車が海外で人気が高く、それらの売買がビジネスとなるため、盗難車がその供給源のひとつとなりつつあり、セキュリティシステムを熟知している人間がそのシステムの弱点を見いだして防止技術を破ってしまう傾向が強い。
【0003】
世界的には、IC技術を用いるイモビライザー(電子式移動ロック装置)が普及しつつある。しかし、この方式はキーに対する複製防止としては効果あるが、破られてしまう場合も増加している。それ以上のセキュリティ向上策として、指紋、虹彩、静脈パターン等の生体認証の技術が数多く提案されている。その背景としては、これらの生体測定センサーやデータ処理での信頼性向上が大きく寄与している。(図3参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
以下の特許文献を見ると、特許文献1,7,8,9等のような生体認証による個人認証でエンジンの始動やステアリングロック解除を可能とする単純なシステムは存在するが、特許文献5で記載されているようなシフトレバー等の駆動伝達部の接合機能部位や駆動伝達部の制動機能部位が生体認証とつながっている方策が主体的なものは見当たらない。
【0005】
また、それ以外のドアの開閉及びエンジン等原動機の始動・停止に関する生体認証に関する特許は特許文献2,3,4,6,12等と数多く存在するが、センサーとデータ認証システムの車載での単純な生体認証システムではセキュリティが低いとして、ICカード、携帯情報機器、リモートディバイス、車外のサーバ機での照会情報の保管等複数の自動車に搭載していないシステムや追加のディバイスを組合せないとセキュリティが向上しないとの考えに従った特許が多い。
【0006】
本発明のように、車載の単純な生体認証を、駆動伝達部の接合機能や制動機能の認許を主体として適用し、更に、ドアの開閉、エンジン等原動機の始動・停止と階層的に管理し、複雑な操作を排除してセキュリティを確保する発明は少ない。
【0007】
また、記録されている照会対象の個人情報のセキュリティ確保のため、特許文献5,8,10,11等はデータの暗号化や盗難時のデータ消去等の方策が含まれている。本発明では、生体認証と同様に単純な個人情報データを消去し、初期設定状態に戻す方式を用いているが、いくつかの方策との組合せでトータルのセキュリティ向上と操作性容易化を両立させている。
【特許文献1】特開2003−182528(静脈センサー認証によるエンジン始動許可)
【特許文献2】特開2000−311220(生体認証を免許証ICカードメモリーと照合、両者の情報で自動車操作を許可)
【特許文献3】特開2001−342760(指紋による認証であるが、ICカードと指紋読み取りと従来のキーの組み合わせで使用許可を出すシステム)
【特許文献4】特開2005−36523(生体認証をサーバ、携帯端末等の通信を介して行うシステム)
【特許文献5】特開2006−514348(自動車等の盗難防止の対象としてシフトレバーが記載、しかし、システムはレバー等の破壊に対するリモートコントロールによるシステム)
【特許文献6】特開2000−85536(自動車の車外からの生体認証システムであるが,リモートユニットを介するもの)
【特許文献7】特開2002−47840(生体認証によるエンジン始動許可のシステム)
【特許文献8】特開2003−214241(エンジン始動許可と生体認証の組合せ及び格納情報の保護)
【特許文献9】特開2002−145019(ステアリングとエンジン始動を許可する指紋認識システム)
【特許文献10】特開2001−273498(暗号化する生体認証データで個人認証)
【特許文献11】特開2003−250181(車両移動情報による認知で、盗難車のセキュリティデータをリモートで消去)
【特許文献12】特開2009−12585(携帯機による盗難防止装置)
【非特許文献】
【0008】
下記の非特許文献では、イモビライザー(電子式移動ロック装置)が自動車盗難防止として効果が大きいことを述べている。しかし、日本では、「キーあり」車の盗難がいまだ多く、イモビライザーでもキー付では効果が無い。警視庁でも、防犯や窃盗リスクに関する意識の高揚を訴えている。エンジンをかけたままの離車は、狙われるリスクが大きい。
【非特許文献1】警視庁ホームページより「自動車盗、車上ねらいの被害にあわないために」被害の推移と防犯対策について、まとめられている。(2009年7月1日現在)
【非特許文献2】(社)日本自動車工業会ホームページより「No.86盗難車対策について」ここでは、盗難の実態や業界の技術的対応状況をレポートしている。(2009年7月1日現在)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、ドアの開閉及びエンジン等原動機の始動・停止に従来からあるキーシステムを採用している自動車のセイフティシステムを大幅にその水準を向上させることを目指している。その候補の一つとして存在するイモビライザーのシステムは、特に日本ではキー付盗難があるため、必ずしも有効ではなく、家族等複数で使う場合は、キーの複製が作りにくい点が逆に不便となってしまう。イモビライザーと同等以上の信頼性があり、取扱に関する簡便さを両立させる自動車のセキュリティ装置が待望されている。
【0010】
キー無し盗難でイモビライザーシステムの車両での盗難も無視できない件数が発生しており、盗む側も技術的にレベルアップしている。この課題に対して、既存の同様なセイフティシステム装置ではシステム装置の多重化が進んでおり、セキュリティは多少向上するが、その分操作のわずらわしさを伴うのが現状である。従って、さらなるセキュリティをめざし、信頼性と共に操作容易性も合わせて両立することをめざす。また、特に、日本国内特有な「キー付」車両盗難を防止するための課題もしっかりと解決する方策が求められる。
【0011】
個別の装置やシステムは、できるだけ単純で、コストと信頼性の両立を目指し、トータルとして、セイフティの高水準と自動車運転操作性の向上との両立技術を取り入れることが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
従来からの自動車のキーシステムに加えて、エンジン(5)等の原動機とタイヤ回転部間(11)をつなぐ駆動伝達部(10)の接合機能部位(8)又は制動機能部位(15)の作動又は解除を許可するために指紋(2)、虹彩(1)、静脈パターン等の生体認証を利用する手段で、自動車盗難防止のためのセイフティ向上を行うシステムを構築する。これにより、たとえキー付アイドリング状態で離車しても、自動車の運転へのセキュリティを保つことができる。ここでは、駆動伝達部の接合機能部位の作動への認証許可システムを適用することとキーへの認証とはことなり、運転者自身の個人認証システムを導入することで実現している。
【0013】
また、アイドリングストップのシステム(図5参照)との連携により、省エネルギー効果と相まって、キー付離車時の盗難にも大きな効果をもたらす。同時に、アイドリングストップシステムと連成することで、エンジン始動・停止と駆動伝達部(10)の接合機能部位(8)又は制動機能部位(15)の作動・解除へのセキュリティ操作を連携させ、操作の容易化を達成することができる。ここで、アイドリングストップのシステムとは、車両停車時のアイドリングストップを自動的に行う機構で燃料消費量節約が目的である。すなわち、停車を検知してエンジンを停止し、発進動作を検知してエンジン(5)を再始動するシステムで、マニュアル車、アートマチック車、ハイブリット車等によって具体的な操作手順が若干違う.(図5参照)
【0014】
既存の発明として、ドア(4)の開閉への生体認証が多く提案されているが、本発明では、キーレスや煩わしさからの開放の観点からキー(3)での開閉に置き換えることが可能な生体認証を提案している。
【0015】
また、生体認証をエンジン始動停止に用いる装置も多く提案されているが、本発明では、補助的な機能としてしか取り扱わない。エンジン等の原動機とタイヤ回転部間をつなぐ駆動伝達部(10)の接合機能部位(8)又は制動機能部位(15)の作動又は解除を許可するサブシステム装置とエンジン始動・停止に関する同様なサブシステム装置が多重となっているため、個別でのサブシステム装置でのセキュリティ向上のための複雑化は必ずしも必要ではない。
【0016】
また、生体認証の登録情報は、車両に搭載する装置を嫌う考え方の発明が多く見られる。今までの事例では、登録情報を定置のサーバ上においたり、携帯通信機器(専用リモコン、携帯電話等)上においたり、ICカードを別途作りその上においたりする事例である。これらでは、セキュリティのため、サーバの保全が必要で、キー以外にも携帯保管する機器が追加になり、それらの装置の管理が大変である。これらのキーや携帯装置を置き忘れたり、盗まれると、致命的なリスクを負うことになり、常に細心の注意をしながら保持する必要がある。車両(9)上に生体認証の情報を載せておくと盗まれる可能性があることは、大いなるリスクとなるが、本発明では、生体認証の登録データを保管し、認証を司り、外部からの生体認証のテータは受理し登録データ(13)と照合し、その結果を示す暗号化されているデータのみ出力し、登録データは外部には出力しない電子システム装置を持ち、この電子システム装置を頑丈なケースに内蔵させ、生体認証なしにケースを開けたり解体する又は電子システムの回路からデータを抜き取ろうとする異常な操作を行うとそのような登録されていない等の異常な操作を感知して、自動的に登録データ(13)に関連の無いデータを上書きして、生体認証の登録データを消滅する機能を持つ装置としている。更に、通常の場合は、電子システムは生体認証の登録データがまだ登録されていない初期状態の状態に戻されるもので、すべての制御システムをインストールする必要は無いようにすることができる。また、同時に、すべての自動車の運転に関する操作機能がロックされることも可能である。また、このように盗難で持ち去られた車両に対して、その状態に対応して、本装置とは完全に独立している車両位置追跡システムで車両の位置を特定し、車両(9)を回収後、再度リセットして使用することができる。
【0017】
また、認証システム(12)を車両上に搭載することで、自動車の運転の現場での運転許可を与える人への生体認証の登録が可能である。しかし、認証レベルとして、本人、家族、友人と3ランクを定め、特に友人については、限定期間での認可となる。もちろん、車両整備のためのロック全面開放モードも用意できる。この際、整備時は認証データ(13)は消滅させ誰からも読み取られないことが可能である。
【0018】
本発明では、生体認証の特徴を生かして、従来のキーのみ保持すれば良く、万が一キーを紛失しても、自分の生体での認証だけでも自動車を運転することが可能である。また、紛失したキーを他人が使おうとしても、生体認証が無いと車は運転ができない方式である。
【0019】
車室内での指紋(2)又は静脈パターン等による生体認証の容易化に関して、運転席の運転者がシフトレバー(7)又はハンドル部等の操作器具の特定のくぼみ(又は突起部)や指の位置を指定する表面形状等に指等を置き、センサー(2)による測定が可能となるように手で操作器具を握り、本来の操作が、自然体で、できることで指紋や静脈パターン等を測定し、又は視線をセンサー(1)方向に向けるだけで認証を完了する虹彩等の方式で、生体認証のための特別な操作なしに認証が完了する。
【発明の効果】
【0020】
自動車のセキュリティのシステム装置として、ドア(4)の開閉とエンジン(5),(6)始動・停止にキーシステムを適用している従来からの方策に対して、駆動伝達部(10)に駆動伝達(8)と制動ブレーキによる機能停止(15)に関する生体認証を採用し、セキュリティのサブシステム装置を追加し、且つキーエントリー方式から運転手の個人認証へ切り替えることで、高いセキュリティと共にキー付盗難への防犯効果を獲得している。
【0021】
エンジンのアイドリング状態での離車はキー付盗難の典型的パターンであるが、対応が可能となる。また、駐、停車時のアイドリング状態が5秒以上ではエンジンを停止する方が省エネルギーになるとされており、アイドリングストップシステムと盗難へのセキュリティを自動的に連成させることで、急な離車への防犯と省エネルギーが両立する。(図5参照)
【0022】
ドアの開閉への生体認証も用意されており、これは主として、車の乗り降りでのキー操作への煩わしさへの対応をめざしたものである。更に、エンジン始動・停止に関する生体認証を併用することで、キーレスで生体認証(1),(2)だけで車両の運転が可能となる。また、アイドリングストップシステム(図5参照)と連成することで、エンジン始動・停止と駆動伝達系への制約へのセキュリティ操作を連携させ、操作の容易化を達成することができる。
【0023】
生体認証の登録データは車載とし、車両の上で、バックアップ、追加認証等がすべて簡単に行うことができる。登録装置自身が開錠、解体されると自動的に登録データが消去され、初期設定状態に戻る方式で車載のリスクに対応している。更に、盗難車両に対して、その盗難車両の位置を特定し、車両を回収後、再度リセットして使用することができる。認証レベルとして、本人、家族、友人と3ランクを定め、特に友人については、限定期間での認可となる。もちろん、車両整備のためのロック全面開放モードも用意できる。この際、整備時は認証データは消滅させ誰からも読み取られないことが可能である。
【0024】
本発明では、生体認証の特徴を生かして、従来のキーのみ保持すれば良く、万が一キーを紛失しても、自分の生体での認証だけでも自動車を運転することが可能である。また、紛失したキーを他人が使おうとしても、生体認証が無いと車は運転ができない方式である。
【0025】
車室内での指紋又は静脈パターン等による生体認証の容易化に関して、運転席の運転者がシフトレバー(7)又はハンドル部等の操作器具の特定のくぼみ(又は突起部)や指の位置を指定する表面形状等に指等を置き(図2参照)、センサーによる測定が可能となるように手で操作器具を握り、本来の操作が、自然体で、できることで指紋や静脈パターン等を測定し、又は視線をセンサー(4)方向に向けるだけで認証を完了する虹彩等の方式で、生体認証のための特別な操作なしに認証が完了する。特に、センサーによる生体認証を意識することなく、従来の自動車の運転操作の中で自然に認証が完了するよう、人間工学的検討がされ、認証のエラー率の減少に寄与している。(図3参照)
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1は、本発明の車両盗難防止セキュリティ装置を示している。
【図2】図2は、本発明のセキュリティのシステムの機能のフローチャートを描いたものである。
【図3】図3は、各種生体認証システムの信頼性の比較を示す。
【図4】図4は、現状の車両盗難セキュリティ装置と本発明の装置との比較を示す。
【図5】図5は、アイドリングストップのシステムの操作手順とその内容を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
生体認証のセンサーは、ドアの開閉にはガラスの内部からの光学的な認識による方式(1)や車体、ドア等の表面部に内蔵され、車外から接触することのできるセンサー(2)(開閉できるカバー付でも良い)が用意される。
【0028】
運転席周りの生体認証用センサーは、シフトレバー(7)又はハンドル部等の操作器具の特定のくぼみ(又は突起部)や指の位置を指定する表面形状(2)等に指等を置き、センサーによる測定が可能となるように手で操作器具を握り、本来の操作が、自然体で、できることで指紋や静脈パターン等を測定する方式又は手が伸ばしやすい箇所に接触しやすいボタンを用意する方式等がある。虹彩等による生体認証は、視線をセンサー(1)方向に向けるだけで認証を完了する方式が用意されるものとする。(図2参照)
【0029】
生体認証は、車両上にすべての装置が車載されており、運転者許諾の認証もすべて車両上で行うことができる。生体認証の登録データの保全のため、それに関わるすべての装置は頑丈なケースに内蔵されており、登録データを盗取される行為に対しては、登録データをダミーのデータで上書きすることで防止する方策を有している。
【0030】
更に、ドアの開閉、エンジン始動・停止、駆動伝達部(10)の接合機能部位(8)又は制動機能部位(15)の作動・解除に関しては、作動のための電気信号の制御、電気信号によるアクチュエータの作動、それを受けて作動する各種レバー類のロック機構等の設定が用意されている。同時に、オリジナルから用意されているキーシステムとは別に、生体認証による許諾の信号により上述の作動を起動することができる。
【0031】
これらの車両盗難防止へのセキュリティシステムの装置を設定するに当たり、自動車の各部ハード部品への剛性向上等の設計対応がセキュリティを向上させる前提となる。本発明の装置に関する構成装置や配線への攻撃を守るため、それらが配置ざれているボンネット、トランクルーム、エンジンルーム等のカバー類のロック構造を強化し、物理的攻撃に十分に耐えられるようにすることが前提である。また、同様に、容易に車室内に侵入を許さないために、ドアの開閉のロック構造も強化し、物理的攻撃に十分に耐えられるようにすることが前提となる。更に、鍵穴から鍵のコピーが取れないような方式(2ウェイキー方式等)が設定されていることが好ましい。
【0032】
本発明のシステム装置は、既存のキーシステムだけでなく、各種の自動車のセキュリティ装置(車両の追跡装置、アラームシステム等)と共存することができ、更にいくつかのシステムや装置(アイドリングストップのシステム等)とお互いに連成することができる。(図5参照)
【実施例】
【0033】
図1は、本発明の車両盗難防止セキュリティ装置を示している。セキュリティの関門は、ドア(3)の開閉とエンジン(5)始動・停止が従来からのセキュリティとしてのキー(3)による関門があり、本発明はこれらの機能と並行して、駆動伝達部(10)に駆動伝達(8)と制動ブレーキ(15)による機能停止に関する生体認証(1),(2)を採用し、セキュリティのサブシステムを追加し、且つキーエントリー方式から運転手の個人認証へ切り替えることで、高いセキュリティと共にキー付盗難への防犯効果を獲得している。また、キーレスのシステムのために、ドア(4)の開閉に虹彩認証(1),(14)、エンジン始動・停止に指紋等認証のボタン、又はアイドルストップのシステムと連成する指紋等認証(2)を追加することができる。
【0034】
図2は、本発明のセキュリティのシステムの機能のフローチャートを描いたものである。基本構成は図1に準じるが、既存のセキュリティ製品とり共存と協調ができている。ここでは、車両上で生体認証、登録をすべて行うことができ、登録データ(13)、電子制御基板(12)は、コピーされないように、攻撃をかけられると、登録データに上書きによる消去を行うものとする。
【産業上の利用可能性】
【0035】
世界的に見ると、自動車の盗難防止に見舞われる確率は、外国の方が国内よりは大きい。したがって、多くの自動車のセキュリティシステムや装置は外国の方が発達し、普及し、多くの企業がこの分野で自動車のセキュリティ製品を販売している。これらの犯罪の増加に対応するため、日本の市場でも自動車のセキュリティ製品が普及するようになってきた。海外で定番となっている装置も日本の代理店を通じ.シェアを伸ばしており、最近では、それらの先行していた海外の製品を超えるような日本製のセキュリティ装置が発売されている。
【0036】
しかし、近年日本でも盗難事件が増加し、且つ組織的な犯罪も増加して、セキュリティシステムを熟知している人間がそのシステムや装置の弱点を見いだして防止技術を破ってしまう傾向が強い。また、世界的に定着しつつあるIC技術を用いるイモビライザー(電子式移動ロック装置)ても破られてしまう場合も増加している。更に、車両盗難へのリスク感覚の低い日本国内では、キー付盗難が多く、これに対する十分なセキュリティ装置は無かった。これらのいくつかのニーズにより、現行の上位モデルでも不満要素が増加しつつあり、更なるセキュリティへの信頼性の要求強くなるものと考える。と同時に、現行の複雑な扱い方に対して、操作容易化も商品力として、重要な要素になりつつある。
【0037】
それ以上のセキュリティ向上策として、特許等の動向として、指紋、虹彩、静脈パターン等の生体認証の技術が数多く提案されている。その背景としては、これらの生体測定センサーやデータ処理での信頼性向上が大きく寄与しており、現在は実際に市場に出現する時期に到達している。(図3参照)
【0038】
これらのセキュリティ信頼性、日本国特有なキー付盗難への対応、操作性の簡易化等を満たす装置として本発明は強力なポテンシャルを持っている。
【符号の説明】
【0039】
1 虹彩認証センサー
2 指紋等認証センサー
3 キー
4 ドア
5 エンジン
6 エンジンスターター
7 シフトレバー等
8 接合機能部位、変速機
9 車両、自動車
10 駆動伝達部
11 タイヤ
12 電子制御装置、基板
13 生体認証登録データ
14 眼球
15 制動機能部位、ブレーキ
16 アクセルペダル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドアの開閉及びエンジン等原動機の始動・停止に従来からあるキーシステムを持つ自動車のセイフティシステムの装置において、エンジン等の原動機とタイヤ回転部間をつなぐ駆動伝達部の接合機能部位(シフトレバー、駆動モードレバー、クラッチ等)又は駆動伝達部の制動機能部位(ブレーキペタル、サイドブレーキレバー等)の作動又は解除を許可するために指紋、虹彩、静脈パターン等の生体認証を利用するシステムを持つ装置
【請求項2】
請求項1の装置において、ドライバー席から離席する又は運転席のドア部エリアを人が横切る場合毎に、エンジン等の原動機とタイヤ回転部間をつなぐ駆動伝達部の接合機能の作動を許可するために指紋、虹彩、静脈パターン等の生体認証を必要とするシステムを持つ装置
【請求項3】
請求項2の装置において、運転席での運転に関する操作であるエンジン始動・停止と駆動伝達系の接合機能部位又は制動機能部位の作動・解除等へのセキュリティ操作を、アイドリングストップの装置と連携させ、アイドリングストップの装置における「車両駐停車時のアイドリングストップを自動的に行う機構(マニュアル車、アートマチック車、ハイブリット車等によって具体的な操作手順が若干違うが)で、駐停車を(マニュアル車では「変速段を中立・ニュートラルにしてクラッチ接合時」、オートマチック車では、「何もしない状態」又は「専用ボタン押下」又は「変速等切り替え段をニュートラル」等の状態で、「ブレーキ作動」及び「車速ゼロ状態」を組合せる一連の操作により)検知してエンジンを停止し、発進する時は、請求項2の運転者の離車の検知後の生体認証とアイドリングストップの装置の発進動作(マニュアル車ではクラッチ切断、オートマチック車では、変速等切り替え段を中立又は専用ボタン押下等)を検知してエンジンを再始動する機能を連携するシステムを持つ装置
【請求項4】
請求項1、請求項2、請求項3の装置において、駆動伝達部の接合機能の作動用レバーの作動力によってレバーが破損する強度より、駆動伝達部の接合機能の作動に対するロック機構の強度の方が強い装置
【請求項5】
請求項1、請求項2、請求項3、請求項4の装置において、自動車のドアを施錠、解錠する手段として、指紋、虹彩、静脈パターン等の生体認証を追加して利用できる装置
【請求項6】
請求項1、請求項2、請求項4、請求項5の装置において、駐停車時のアイドリングストップの装置が組合わされていない場合に、指紋、虹彩、静脈パターン等の生体認証にてエンジン始動、停止を行う装置
【請求項7】
請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6の装置において、指紋、虹彩、静脈パターン等の生体認証を許可する人物に対して、ランク別に、その認証有効期間及び新規認証の許可機能を設定できる装置を、自動車に内蔵する方式又はリモートコントロール装置を用いる方式等により実現する装置
【請求項8】
請求項7の装置において、指紋、虹彩、静脈パターン等の生体認証のランクとして、本人、家族、友人の登録を設定し、本人及び家族は登録後継続して生体認証が許可され、友人は登録後一定時間で登録が無効となり生体認証が使用できなくなる。と同時に、本人の登録はシステム初期設定時に設定し、新規の家族の登録は「本人だけ」又は「本人又は登録済みの家族」が新規認証の許可ができ、友人は「本人又は登録済みの家族」が新規認証の許可をおこなう装置
【請求項9】
請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7、請求項8の装置において、車室内での指紋又は静脈パターン等による生体認証に関して、運転席の運転者がシフトレバー又はハンドル部等の操作器具の特定のくぼみ(又は突起部)や指の位置を指定する表面形状等に指等を置き、センサーによる測定が可能となるように手で操作器具を握り、本来の操作が、自然体で、できることで指紋や静脈パターン等を測定し、又は視線をセンサー方向に向けるだけで認証を完了する虹彩等の方式で、生体認証のための特別な操作なしに認証が完了する装置
【請求項10】
請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7、請求項8の装置において、車室内での虹彩による生体認証に関して、ダッシュボード、バックミラー又は天井部からの折りたたみ機構にセンサーを設け、運転席のドライバーの認証をセンサーの方向に視線を向くことで完了する装置
【請求項11】
請求項5、請求項6、請求項9、請求項10の装置において、自動車のドアを施錠、解錠する手段として生体認証を用いる方式の場合で、車外からの生体認証に虹彩による方式、車室内の運転席周りでの生体認証に指紋又は静脈パターン等による方式を適用する装置
【請求項12】
請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7、請求項8、請求項9、請求項10、請求項11の装置において、これらの装置と独立している車両位置通報のための信号を発する装置を併用する装置
【請求項13】
請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7、請求項8、請求項9、請求項10、請求項11の装置において、これらの装置と独立している車両振動レベルセンサー又は車両周辺の接近センサー等に反応する警報システム又はドアの開閉やエンジン始動・停止に関するキーシステムで異常なキー操作が生じる時に反応する警報システム等の装置を併用する装置
【請求項14】
請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7、請求項8、請求項9、請求項10、請求項11、請求項12、請求項13の装置において、生体認証の登録データを保管し、認証を司り、外部からの生体認証のテータは受理し登録データと照合し、その結果を示す暗号化されているデータのみ出力し、登録データは外部には出力しない電子システム装置を持ち、この電子システム装置を頑丈なケースに内蔵させ、生体認証なしに開けたり解体する又は電子システムの回路からデータを抜き取ろうとする異常な操作することを感知して、自動的に登録データに関連の無いデータを上書きして、生体認証の登録データを消滅する機能を持つ装置

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−25903(P2011−25903A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−187871(P2009−187871)
【出願日】平成21年7月24日(2009.7.24)
【出願人】(300004278)
【Fターム(参考)】