個別量の粘性材料を分配するための装置及び方法
少量の粘性材料を被加工物上に分配するための装置及び方法を提供する。ナロープロファイル分配装置(10)は、清浄及び/又は交換のために分配装置(10)の本体(22)から取り外し可能な個々の構成部材を代表する流体チャンバ(28)、ノズル(35)、及び弁座ディスク(62、136)を有する。ノズル(35)は、伝熱体(44)により流体チャンバ(28)と結合し、この伝熱体は、例えば、伝熱体(44)内に画定されている空気通路(86、88、90)を経由する流体を冷却することによって冷却されることができる。分配装置(10)の本体(22)は、分配装置(10)内の粘性材料の流れを制御するために針(22)の移動を調整する空気圧式アクチュエータ(78、80)のエアキャビティ(80)から排気される空気により冷却されることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[発明の分野]
本発明は、包括的に、分配装置及び分配方法に関し、特に、個別量の粘性材料を被加工物上に非接触に分配するための装置及び方法に関する。
【0002】
[関連出願の相互参照]
本願は、米国仮出願第60/487,034号(2003年7月14日付で出願)の利益を主張するものであり、上記米国仮出願の開示内容は本明細書に参照により援用される。
【背景技術】
【0003】
[発明の背景]
超小型電子ハードウェア及び他の製品の製造において、空気圧式分配装置は、少量又は小滴の高粘性材料を基板又は被加工物上に非接触に分配するために用いられる。例示的な高粘性材料としては、はんだフラックス、はんだペースト、接着剤、はんだマスク、熱化合物、油脂、封入剤、注封材料、インク、及びシリコーンが挙げられるが、これらに限定されない。一般に、かかる高粘性材料は、その自重により室温では容易に流れることができない。
【0004】
粘性材料のための従来の空気圧式の非接触式分配装置は、吐出通路を囲む弁座と選択的に係合するように往復動するエアオペレートバルブ要素を有する。一般に噴射(jetting)と呼ばれるプロセスでは、弁座との接触から針を後退させることによって小滴が分配され、これにより、圧力下で、針を弁座から引き離しているギャップを介して、充填された流体チャンバから吐出通路へ或る量の粘性材料を流すことが可能となる。次いで、分配装置を閉鎖するように針が弁座へ迅速に移動し、これにより、或る量の粘性材料が吐出通路から押出され、同等量の粘性材料が吐出通路の吐出孔から噴射される。噴射された少量の粘性材料は、吐出口から離隔している被加工物上に小滴として推進される。
【0005】
従来の非接触式分配装置における弁座の交換及び清浄は、分配装置の内表面に清浄工具でアクセスすることが困難であるため、時間がかかるとともに労力を要するプロセスである。一般に、弁座は流体チャンバと一体形であるため、取り外し不可能であり、そのため、流体チャンバへのアクセスが制限され、接合部に円形の直角コーナーが生じ、これは、清浄するのが困難である。さらに、弁座は、針をガイドするガイドフィンガ又はガイドベーンを有し得り、それにより、針先は、弁座との再現性のある流体シールがわずかな不整合(misalignments:ミスアラインメント)を許容可能にする。しかしながら、ガイドベーンは、短時間では効果的に十分に清浄することが困難である直角コーナーを形成する。
【0006】
従来の非接触式分配装置の分解及び再組立ては、複数の工具を伴う困難なプロセスである。さらに、再組立ての際、構成部材間の正確な空間関係を確立するのに計器が必要とされる。このように複雑であるため、分解及び再組立ては時間がかかり、組立て手順に熟練した技術者であっても完了するのに45分もかかる可能性がある。
【0007】
いくつかの従来の分配装置では、流体チャンバの弁座と針の先とは、対応する寸法特性を有するように慎重に重ね合わされるマッチドペアを構成する。例えば、吐出通路の直径を変えるために弁座を交換しようとする試みはいずれも、漏出を生じることが多いが、その理由は、針先と新しい弁座とがマッチドペアではないため、十分なシールを行うことができないからである。したがって、かかる従来の分配装置では、分配孔の直径は、既存の針及び弁座を、製造時に弁座とマッチさせた針先を有する針と交換することによってしか変えることができない。
【0008】
従来の空気圧式の非接触式分配装置において直面する別の問題は、ノイズである。分配装置は、エアピストンキャビティから加圧空気を供給及び除去するようにソレノイド弁を切り替えることによって開放/閉鎖される。加圧空気は、針を往復動させるエアピストンに作用する。分配装置を閉鎖するには、エアピストンキャビティから周囲環境へ排気通路を通して空気圧を排気するようにソレノイド弁を切り替える。空気が排気通路を急激に流れることにより、傍を通る者に可聴な音が生じる。従来のサイレンサー又は消音器(muffler:マフラー)を用いて、弁排気ポートにおけるノイズを低減することができる。しかしながら、ソレノイド弁の排気ポートは、通常は螺合接続による消音器の取り付けを可能にするようにアクセス可能でなければならない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本明細書中で説明した、粘性材料のための従来の分配装置のこれらの及び他の欠点を克服する分配装置を提供することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
[概要]
本発明の1つの実施の形態では、装置は、吐出口、エアキャビティ、及び、加圧空気をエアキャビティに選択的に供給することにより、粘性材料の流れが吐出口に導かれる開放位置と吐出口への粘性材料の流れが遮断される閉鎖位置との間で移動可能な弁要素を有する本体を備える。当該装置は、少なくとも、弁要素が開放状態から閉鎖位置に移動する際に、エアキャビティと流体連通状態に選択的に結合する排気ポートを有するソレノイド弁をさらに備える。ソレノイド弁の排気ポートにより本体のエアキャビティと結合する空気通路が本体内に延出する。エアキャビティから排気された加圧空気は、空気通路を流れて本体を冷却する。
【0011】
本発明の別の実施の形態では、装置は、冷媒ガス供給源と、粘性材料の流れを受け入れる吐出通路を有する分配体と、この分配体と熱的に結合する伝熱部材とを備える。温度センサは、伝熱部材と熱的に結合する。コントローラは、温度センサと、伝熱部材を冷却する冷却手段とに電気的に結合する。コントローラは、温度センサから受け取った温度信号に応答して、冷却手段に伝熱部材及び分配体を冷却させる。
【0012】
本発明のさらに別の実施の形態では、分配装置用の弁座ディスクは、通路、分配装置から粘性材料の流れを受け入れるように位置する通路の入口、及び通路を囲む弁座を有する本体を備える。弁座は、通路への粘性材料の流れを遮断するように弁要素と接触することが可能である。入口は、弁要素が該入口に接触しないように通路から離隔している。
【0013】
本発明のさらに別の実施の形態では、粘性材料を分配する装置は、本体と、この本体に取り外し自在に取り付けられる流体チャンバハウジングと、流体チャンバハウジングに取り外し自在に取り付け可能なノズルとを備える。ノズルは、流体チャンバハウジングに取り付けられる際に、流体チャンバハウジングにより画定される流体チャンバと流体連通状態に選択的に結合する吐出通路を有する。流体チャンバハウジングの内側には、流体チャンバハウジングの内壁を粘性液体と接触しないように覆うライナが取り外し自在に配置される。
【0014】
本発明のさらに別の実施の形態では、分配装置用のノズルアセンブリは、ノズルと、このノズルの吐出通路と結合する吐出通路を有する弁座ディスクとを備える。弁座ディスクは、粘性材料の流れを遮断するよう、分配装置の弁要素と接触するように位置する弁座を有する。ノズルアセンブリは、弁要素が開いているときに弁座ディスクの吐出通路へ流すための粘性材料を収容する流体チャンバハウジングと、分配装置に取り外し自在に取り付けられるリテーナとをさらに備える。リテーナは、弁座ディスクがノズルと流体チャンバとの間に配置された状態で、弁座ディスク、流体チャンバハウジング、及びノズルを分配装置に固定する。
【0015】
本発明のさらに別の実施の形態では、ノズルアセンブリは、分配装置から粘性材料の流れを受け入れるように位置する吐出通路を有する分配体を備える。吐出通路は、粘性材料を吐出する吐出口を有する。ノズルアセンブリは、分配体を分配装置に取り外し自在に取り付ける伝熱体をさらに備える。伝熱体は、冷媒ガスの流れを受け入れるようになっている流体通路を有し、この流体通路は、当該流体通路を出る冷媒ガスの流れが吐出通路から吐出される粘性材料と衝突しないように位置する。
【0016】
本発明のさらに別の実施の形態では、ノズルアセンブリは、吐出通路を有する分配体と、この分配体の吐出通路と結合する吐出通路を有する弁座ディスク、及び弁座とを備える。弁座は、弁座ディスクの吐出通路への粘性材料の流れを遮断するよう、分配装置の弁要素と接触するように位置する。ノズルアセンブリは、弁座ディスクが分配体と弁要素との間に配置されるように、分配体及び弁座を分配装置に取り外し自在に固定する伝熱体をさらに備える。
【0017】
本発明のさらに別の実施の形態では、粘性材料を分配する方法は、粘性材料をノズルの吐出通路内に導くこと、ノズルの温度をノズルの内部の温度センサにより検知すること、及びノズルの検知された温度を設定点温度と比較することを含む。ノズルの温度が設定点温度よりも高い場合、ノズルを能動的に冷却する。
【0018】
本発明のさらに別の実施形態では、粘性材料を分配する方法は、空気圧式アクチュエータから加圧空気を排気することであって、それにより分配装置から吐出された粘性材料の流れを中断させる、排気することを含む。当該方法は、分配装置内に画定されている空気通路内に排気(exhausted air:排出空気)を導くことにより分配装置の一部を冷却することをさらに含む。
【0019】
本発明のこれら及び他の目的及び利点は、添付の図面及びその説明からより明らかとなるであろう。
【0020】
本明細書中に組み込まれるととともに本明細書の一部を成す添付の図面は、本発明の実施形態を示し、上述の本発明の概説、及び以下の詳細な説明とともに、本発明の原理を説明する役割を果たす。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
[発明の詳細な説明]
図1及び図2を参照すると、コンピュータ制御された非接触式分配システム(図示せず)とともに用いる分配装置10が示されている。本発明の分配装置10は、「少量の液体材料を分配するための方法及び装置(Method and Apparatus for Dispensing Small Amounts of Liquid Material)」と題する米国特許第5,747,102号(その開示内容の全体が参照により本明細書に援用される)に記載されている分配システムと同様又は同一であるものを含めた分配システムに設置することができる。分配装置10は、Asymtek X−1010 Axiom(商標)SMT Dispenser(SMTディスペンサ)、Asymtek X−1020 Axiom(商標)Semiconductor Dispenser(半導体ディスペンサ)、Asymtek M−2020 Millennium(登録商標)Ultra High Speed Semiconductor Dispenser(超高速半導体ディスペンサ)、又はAsymtek M−2010 Millennium(登録商標)Ultra High Speed SMT Dispenser(超高速SMTディスペンサ)、内に設置されると特に有用である。分配装置10は、分配システムの機械的支持部に分配装置10を取り付ける、ダブテール型マウントとしてマウント11(図1及び図2に示す)を有する。
【0022】
分配装置10は、本体22の内側に部分的に配置されているとともに本体22の対向端から部分的に延出している、全体として参照符号12で示されたモジュールと、供給装置14を支持するシリンジホルダ16、ソレノイド弁20、及びシリンジホルダ16とソレノイド弁20との間に配置されている接続箱18を有する。分配装置10に配される電気ケーブル21及び流体導管23、25は、接続箱18にて装置10にインタフェースし、接続箱18は、モジュール12及びソレノイド弁20への電力及び流体に対する集中配分点(centralized distribution point)としての役割を果たす。電気ケーブル21の対向端は、分配装置10の動作を制御する分配システムのコントローラ27(図3)と結合する。流体導管23は、ソレノイド弁20に結合する接続箱18の内側の流体マニホルドに加圧空気を供給し、このソレノイド弁20は、電気ケーブル21及び29を介してコントローラ27から供給される電気信号により導通/非導通にされて、加圧空気を供給して、空気圧作動式分配装置10を開放/閉鎖する。
【0023】
概して、コントローラ27は、1つ又は複数の入力に基づく1つ又は複数の変数を制御するように構成される任意の電気制御装置を含み得る。複数の個々の制御システムを用いて、種々の構成部材(例えば、ソレノイド弁20、冷媒ガス供給部85等)を制御してもよく、また、これらの個々の制御システムは一体型であってもよく、又は単一の組み合わせコントローラ27を集合的に構成することが考えられ得る。例示的なコントローラ27は、当業者に既知のヒューマンマシンインタフェース(HMI)を容易に用いているプログラマブルロジックコントロール(PLC)デバイスを有する。
【0024】
分配装置10は、シリンジ型供給装置14から供給される加圧された粘性材料を分配するように動作可能である。概して、供給装置14は、使い捨てシリンジ又はカートリッジであり、供給装置14を充填する粘性材料は、はんだフラックス、はんだペースト、接着剤、はんだマスク、熱化合物、油脂、封入剤、注封材料、インク、シリコーンが挙げられるが、これらに限定されない任意の高粘性材料である。供給装置14は通常、プランジャの上方のヘッドスペース内に典型的には5psi〜30psiの空気圧が加えられると移動可能なワイパ又はプランジャ(図示せず)を有する。
【0025】
分配装置10、シリンジホルダ16、接続箱18、及びソレノイド弁20は、これらの構成部材を少なくとも一方向で見ると、全体の幅が減少した外形を画定するようにほぼ平坦な構成で整合しており、このため、分配部分のエンベロープ全体が増大する。具体的には、本体22、シリンジホルダ16、接続箱18、及びソレノイド弁20を有する分配装置10の全長Lは従来通りであるが、分配装置10の幅Wは、従来の分配装置に比して著しく減少されている。概して、分配装置10の幅は約1.2インチである。幅がコンパクトであるため、より大きな被加工物を、並置配列された複数の分配装置10により処理すことができる(すなわち、分配領域全体が増大する)。
【0026】
続いて、図3及び図3Aを参照すると、分配装置10はまた、本体22の長手方向内腔26内を軸方向に移動可能な弁要素(針24として示す)、流体チャンバハウジング28、及び参照符号34で全体として示したノズルアセンブリを有する。ノズルアセンブリ34は、ノズル35、及び流体チャンバハウジング28の外側部分と滑り嵌めする伝熱部材44を有する。カラー30、及びばねクリップによりリテーナ32に固定される波形ばね36を有するリテーナ32は、本体22に流体チャンバハウジング28を取り外し自在に固定する。伝熱部材44は、リテーナ32と協働して、ノズル35及び弁座ディスク62を流体チャンバハウジング28に固定する。
【0027】
カラー30の一部は本体22と螺合する。伝熱部材44を捕捉するために伝熱部材44の縁を流体チャンバハウジング28と係合させる一対のフック付きアーム39a、39b(図1)が、リテーナ32から軸方向に延出している。弁体に対するリテーナ32の回転により、フック付きアーム39a、39bが伝熱部材44の上縁のスロットと位置合わせされ、この時点で、下向きの力により、伝熱部材44を流体チャンバハウジング28から取り外すことができる。次いで、ノズル35及び弁座ディスク62は、図3に仮想線で示すように、工具無しで個々の部品として取り外し可能である。次いで、流体チャンバハウジング28を、工具を用いずに本体22から取り外すことができる。これら構成部材の取り外しが容易であることにより、湿潤した内表面を清浄してメンテナンスを行うために分解及び再組立てするのに必要とされる時間が短縮される。弁座ディスク62、ノズル35、及び任意選択的に流体チャンバハウジング28が本体22から取り外されると、針24に加えられた予圧ばね付勢の設定が、これらの構成部材を再組立てするときに再確立されるように維持される。
【0028】
流体チャンバハウジング28を清浄する一代替形態として、既存の流体チャンバハウジング28を本体22から取り外し、新しい又は清浄された流体チャンバハウジング28に交換することができる。特に、分配装置10には、互換性があるとともに周期的に交換可能である流体チャンバハウジング28のセットが設けられ得る。取り外された流体チャンバハウジング28は、再使用のために清浄される得るか、又は任意選択的に廃棄される。
【0029】
図3、図3A、及び図4を参照すると、ノズル35は、ノズルハブ又はマウント48と接合したノズル先端46から構成される。ノズル先端46は、ノズルマウント48の軸方向寸法に沿って延出する中心の軸内腔50に挿入され、例えば、エポキシ樹脂又はろう付けにより固着される。ノズルマウント48の切頭円錐形状すなわち円錐台状面54は、伝熱部材44が流体チャンバハウジング28に設置されて締結されると、伝熱部材44の対応する切頭円錐形状面すなわち円錐台状面52と接触する。円錐台状面52は、円錐台状面54に軸方向荷重を伝達し、その結果、円錐台状面54は、流体チャンバハウジング28にノズル35を流体密に固定する。本発明の一実施形態では、円錐台状面52、54はそれぞれ、約70°のテーパ角度(included angle)でテーパ状になっている。
【0030】
円錐台状面52、54間の接続面(interface)は、表面積を増大させることによって伝熱部材44から効率的な伝熱をノズル35へ促し、この表面積にわたって伝熱部材44とノズルマウント48とが接触する。結果として、円錐台状接続面により、加熱要素84から、ノズル35の液体通路72の内部を流れる粘性材料への伝熱効率が高まる。さらに、円錐台状面52、54間の係合は、設置の際にノズルマウント48に対し伝熱部材44を自己の中心にくるように作用する。
【0031】
従来構造の流体管56は、流体チャンバハウジング28の内側に画定された流体チャンバ60の入口ポート58と供給装置14の出口ポートとを結合する。粘性材料は、圧力下で、供給装置14から流体管56を通って入口ポート58に、最終的に流体チャンバ60に供給される。フィッティング134は、流体管56と入口ポート58との接続面を提供する。
【0032】
続いて、図3、図3A、及び図4を参照すると、流体チャンバ60内には、円錐台状面52によって円錐台状面54に加えられた軸方向荷重により、ノズルマウント48と流体チャンバハウジング28との間に画定されたスペースに捕捉される、弁座インサート又は弁座ディスク62が配置される。弁座ディスク62は、伝熱部材44及びノズル35を流体チャンバハウジング28から取り外すことにより、分配装置10から取り外すことが可能である。弁座ディスク62を取り外すことにより、清浄するための流体チャンバ60へのアクセスも行われる。
【0033】
流体チャンバハウジング28、ノズル35、及び弁座ディスク62は、粘性材料により湿潤する、清浄するために容易に取り外し可能な、分配装置10のモジュール部品軸受面である。結果として、分配装置10のための清浄プロセスが単純化され、清浄時間全体が短縮される。或るいくつかの実施形態では、流体チャンバハウジング28、ノズル35、及び弁座ディスク62を分解及び再組立てすることを含めた全清浄プロセスは、約4〜5分かかるが、これは、従来の分配装置の場合の同等の清浄プロセスよりも1桁速い。日常的な清浄及びメンテナンスは、流体チャンバハウジング28、ノズル35、及び弁座ディスク62を分解及び再組立てするのに必要とされる工具の数を劇的に減らすことにより単純化される。流体チャンバハウジング28、ノズル35、及び弁座ディスク62は、同等の清浄な部品に交換することができ、次いで、まとめて清浄されるため、これらの部品を清浄するのに必要とされる時間がさらに短縮される。或るいくつかの実施形態では、流体チャンバ28は、安価な使い捨て材料から形成することができ、その結果、清浄が回避されるため、メンテナンスがさらに単純化される。
【0034】
弁座ディスク62は、出口66と入口68との間に延在する適した直径を有する流体通路64を含む。新しい状況では、入口68は弁座70を画定するとともに弁座70と同一の空間を占める。入口68を囲む弁座ディスク62の材料が針先76と接触することによって塑性変形している使用後の状況では、本明細書中で説明するように、入口68及び弁座70の位置は異なり得る。本発明の代替的な一実施形態では、弁座ディスク62は、ノズル35のノズルマウント48と一体形であってもよく、したがって、ノズルマウント48とともにユニット又は単一品として分配装置10から取り外し可能であり得る。
【0035】
ノズル先端46は、管状であり、弁座ディスク62の流体通路64からの出口66と同軸である吐出通路72を囲んでいる。吐出通路72は、アスペクト比が比較的高く、このアスペクト比は、吐出口又は吐出孔74の直径に対する通路72の長さの比により決定されるため、ノズル先端46は従来のノズル先端に比して長くて狭小である。好ましくは、吐出孔74の直径に対する吐出通路72の長さの比は、約25:1以上である。本発明の或るいくつかの実施形態では、吐出孔74の直径は、1ミル〜8ミルとすることができ、ノズル先端46の長さは0.375インチとすることができる。
【0036】
この比較的大きなアスペクト比によって、ノズル先端46、又は分配装置の別の部分と、粘性材料が施される被加工物との接触により、従来の分配装置にとってこれまでアクセス不可能な被加工物上の密集した分配領域にノズル先端46がアクセスすることが可能となる。具体的には、大きなアスペクト比は、従来の分配ノズルに比して、ノズルマウント48からノズル先端46が突出することを可能にする。アスペクト比が増すと、ノズルマウント48から突出し得るノズル先端46の長さが増す。ノズル先端46は、分配装置10を囲む環境内の物体と接触する場合に耐損傷性のあるタングステン及びセラミックスが挙げられるがこれらに限定されない任意の適した材料から形成することができる。ノズル先端46は、ノズル先端46からの熱損失を低減する、被覆材等の断熱材料の層46aも含むことができる。層46aがもたらす断熱は、吐出通路72内にある粘性材料の温度を安定化する役割を果たすであろう。ノズル先端46の高いアスペクト比は、分配動作による他の干渉を受けることなく層46aを設けるのに十分なスペースを与える。
【0037】
吐出通路72は、その長さに沿って、粘性材料が吐出される吐出孔74へ延在する方向にテーパ状に(又は狭小に)なっており、それにより、吐出通路72の直径は吐出孔74の近傍で最も狭小となるようになっている。吐出通路72をテーパ状にすることにより、通路長にわたって著しい圧力低下をもたらすことなくアスペクト比を増大させることが可能となり、それにより、吐出孔74にて分配される粘性材料の速度を増大することによって吐出通路72の従来では見られない長さを補償する。ノズル先端46の外径は、先端長の大部分にわたってほぼ均一であり得る。
【0038】
図3、図3A、図4、図5A、及び図5Bを参照すると、針24の下端は、弁座70とシール係合して流体チャンバ60からの液体の流れが流体通路64に入るのを防止するようになっている針先76を有する。針先76に対向する針24の一端は、本体22に形成されるエアキャビティ80内を摺動可能なエアピストン78の穴に固定される。エアピストン78により保持される環状シールは、エアキャビティ80を囲む円筒面との流体密な摺動シールを提供する。以下に説明するように、エアキャビティ80に選択的に供給される加圧空気は、弁座70とのシール係合に対する針先76の制御された往復動を可能にする。針先76が弁座70から離れた後退位置に位置している状態では、或る量の粘性材料が流体チャンバ60から弁座ディスク62の流体通路64を通って、ノズル先端46の吐出通路72を通って流れる。同等量の粘性材料が吐出孔74から離れ小滴を形成するが、これは、弁座70へ向かうとともに弁座70と接触する針先76の迅速な移動によるものである。空気を含んだ小滴の粘性材料が吐出孔74からプリント回路基板等の被加工物(図示せず)へ推進され、被加工物上に堆積(付着)する。
【0039】
針先76は、円形の弁座70とシール接触を行うためにほぼ球状をしている。通常、針先76の半径は、シール係合がもたらされるように弁座70と弁座ディスク62の流体通路64との寸法に従って選択される。弁座70が摩耗し、且つ/又は塑性変形すると、シール係合は、線接触から環状の面接触に変化し得る。
【0040】
図6を参照するとともに、本発明の代替的な一実施形態によれば、分配装置10には、複数の異なる弁座ディスク62と有効にシール係合をなすことが可能な凸曲面を特徴とする針先82を有する針24aが設けられ得り、これらの複数の異なる弁座ディスク62間の入口68及び弁座70の直径は異なっている。特定の一実施形態では、針先82は、約1インチの曲率半径を有することができ、これにより、弁座ディスク62の弁座70を直径が0.010インチ〜0.060インチの範囲の吐出通路64と効果的にシールする。このことは、有利には、針24aまで変えずともより広範にわたって分配される小滴のサイズを変える能力を提供し、それにより、分配装置10の融通性及び分配範囲を向上させる。さらに、針先82の比較的大きな曲率半径は、針先82及び弁座70間の軸外の不整合を許容可能にするサイズとなっている。
【0041】
図3A、図4、図5A、及び図5Bを参照すると、弁座ディスク62、又は弁座ディスク62のうち弁座70を含めた少なくとも中央部分は、440Cステンレス鋼又は303ステンレス鋼等の材料から形成され、この部分は、針先76を形成する材料よりも柔らかい。結果として、弁座70は針先76よりも摩耗が早くなり、針24の動作寿命は長くなる。未使用の弁座ディスク62は、図5Aに示すように、入口68と一致する円形の弁座70を有する。針先76が、最初の分配サイクルの間、閉鎖位置にある弁座70に繰り返し当たると、弁座70は、図5Bに示すように、針先76の形状と相補をなすように又は合致するように塑性変形する。塑性変形又はコイニングにより、弁座70と針先76との間の環状の接触面が形成され、針先76と弁座70とを重なり合うようにマッチさせる必要がなくなる。弁座70は、塑性変形が起こった後では入口68と同一の空間を占めないが、本発明は、そのようには限定されない。弁座ディスク62は、互換性があるとともに、針24まで交換する必要なく交換可能である。弁座ディスク62の整合性により、従来の分配装置にあてはまるように、弁座ディスク62の弁座70と針先76とが同時に重なり合ってマッチドペアを形成する必要がなくなる。
【0042】
弁座70が損傷又は摩耗して流体通路64の直径が単に変わる場合、針24までも新しく設ける必要なく、新しい弁座ディスク62を設けることができる。既存の針24の針先76は、交換用弁座ディスク62の弁座70を変形させ、弁座70との間にシール係合を確立し、交換されたにもかかわらず、弁座70との軸方向の整合を効果的に維持する。弁座70に対する針先76の横方向位置にある針24の長手方向軸に対して半径方向又は横方向の不整合は、弁座70の変形によって対応される。
【0043】
図3及び図3Aを参照すると、柔軟性のある熱フォイル抵抗発熱体とすることができる加熱要素84が、伝熱部材44の外側を囲んでいる。加熱要素84は、伝熱部材44を加熱するために伝熱部材44との十分な伝熱関係又は熱的な接触関係を有する。熱は、伝熱部材44からノズルマウント48に容易に伝導されて、ノズル先端46、及び吐出通路72内にある粘性材料を局所的に加熱する。本発明の或るいくつかの実施形態では、加熱要素84及び/又は伝熱部材44の外側は断熱層84aにより覆われてもよく、この断熱層84aは加熱要素84からの熱損失を制限し、それにより温度調整を助ける。
【0044】
伝熱部材44は、入口通路86、出口通路88、並びに入口通路86及び出口通路88を結合するとともにノズルマウント48の軸長を囲む環状プレナム90(図3A)をさらに組み込んでいる。空気等の冷媒ガスが冷媒流体供給部85から空気導管25及び83を介して入口通路86に供給され、空気導管は、接続箱18の内側に結合される。冷媒ガスは、入口通路86から環状プレナム90を通って流れ、出口通路88から排気されて、ポジティブな流体流を生成する。入口通路86及び出口通路88並びに環状プレナム90の寸法は、流動中の冷媒ガスへの伝熱を最適にするように選択されることが好ましい。本発明は、冷媒ガスを異なる方法で提供することができるか、又は液体等の異なる冷媒流体を用いて冷却を達成することができることを意図する。本発明の代替的な一実施形態では、伝熱体44は、ペルチェクーラー等の熱電冷却装置を用いて冷却されることができる。
【0045】
抵抗温度検知器等の温度センサ92(図3A)が、伝熱部材44内に画定されているブラインドセンサ通路94(図3A)内に配置される。伝熱部材44内に、加熱要素84に近接して配置された温度センサ92は、リード線87、89のセットを介して温度フィードバック信号をコントローラ27に供給する。リード線87、89は、接続箱18から、空気導管83の管腔83aの開端から表出し、温度センサ92と結合する。接続箱18の内側では、リード線87、89は、空気導管83から分岐し、コネクタ95により電気ケーブル21と結合する。より具体的には、リード線87、89は、T継手91(他の場合では、冷媒空気が漏出しないようにシールされる)の1本のアームから出る。
【0046】
コントローラ27(図3)は、加熱要素84を動作させ、冷媒流体供給部85から冷媒入口通路86への冷媒ガスの流れも調整して、ノズル先端46、並びに通路64及び72内にある粘性材料を目標温度(温度設定点で示される)に維持するようにする。温度が設定点未満となる場合、熱が加熱要素84から伝熱部材44に供給され、続いて、ノズル35、及びノズル先端46の内部の粘性材料に伝導される。温度が設定点を超えると、伝熱部材44は、環状プレナム90を介して冷媒ガスの流れにより能動的に冷却され、続いて、ノズル35、及びノズル先端46の内部の粘性材料が冷却される。或るいくつかの実施形態では、コントローラ27は、通路64及び72の内部の粘性材料を正確に温度調整するために、人手を介入せずに、温度センサ92により供給されるフィードバック温度情報のみを用いて、加熱/冷却間で自動的に切り替わる。本発明は、能動冷却(通路83a及び86並びにプレナム90を通る空気流として示されている)が、伝熱部材44及び/又はノズル35の温度をこれら構造部から熱を除去することによって下げる任意の冷却機構とすることができることを意図する。
【0047】
流動性、及び正確且つ再現可能な量の粘性材料の分配を目的として、ノズル35、及び、特にノズル先端46の厳密な加熱及び能動冷却により、通路64及び72内にある粘性材料の粘度のばらつきを最小限に抑える。しかしながら、ノズル先端46は、或る温度未満(ゲル化又は硬化が時期尚早に生じる等、粘性材料の特性を損なうおそれがある)に維持される。通常、ノズル先端46内にある粘性材料の分配率(dispensability)は、その温度を約30℃〜約65℃の範囲に維持することによって高まるが、温度範囲はそのように限定されず、粘性材料の特性に応じて変わり得る。粘性材料は、選択された温度範囲に短時間しか維持されないが、硬化が生じ得る温度を超えることはない。このような理由から、ノズルアセンブリ34のみが温度設定点に保たれ、分配装置10の残りはそのように保たれない。
【0048】
図1〜図3、図3A、及び図7を参照すると、ソレノイド弁20は、ソレノイド弁20から本体22への伝熱を妨げる又は少なくとも低減する介在熱障壁96とともに本体22に直接取り付けられる。本体22へのソレノイド弁20を直接取り付けることにより、空気容量が減ることで、急激な空気圧変動によりエアピストン78の作動が促され、これにより、分配装置10を開放/閉鎖するためにエアキャビティ80を充填する応答時間が短縮される。ソレノイド弁20は通常、ドライバ回路20aからの電気信号により電磁コイル(図示せず)を選択的に導通/非導通にすることによって作動させる可動スプールを有する。ドライバ回路20aは、ソレノイド弁20に電気信号を供給する電源切り替え回路を有する既知の設計となっている。ドライバ回路20aはソレノイド弁20の構造に組み込まれてもよい。
【0049】
ドライバ回路20aからの電気信号に応答して、ソレノイド弁20は、空気入口ポート99と排気ポート100との間の空気供給ポート101への加圧空気用の流路を選択的に切り替える。供給ポート101は、本体22に画定されている通路98を介してエアキャビティ80と連通する。適した電気信号がソレノイド弁20に供給されると、加圧空気は空気入口ポート99から供給ポート101に、続いて通路98に供給される。排気ポート100への流路はソレノイド弁20の内部で遮断される。電気信号が中断すると、空気入口ポート99は遮断され、排気ポート100が供給ポート101と結合する。エアキャビティ80を充填する加圧空気は、通路98、供給ポート101、及び排気ポート100から順次排気される。
【0050】
ソレノイド弁20は、当業者には理解されるように、流路間で加圧空気の流れを切り替えるように動作する任意の三方弁又は四方弁であってもよい。分配装置10におけるソレノイド弁20としての使用に適した三方ソレノイド弁の製品種目は、ソレノイド弁のMHA2製品種目であり、Festo Corporation(Hauppauge, New York所在)から市販されている。
【0051】
図3、図3A、及び図7を参照すると、エアピストン78は、エアキャビティ80の軸方向に移動可能な閉鎖壁(confinement wall)を画定し、エアキャビティ80の側壁により気密にされる(pneumatically sealed)。ソレノイド弁20が、通路98を通る加圧空気でエアキャビティ80を充填するように電気信号により切り替えられると、エアピストン78及び針24は、針先76を弁座70から引き離す方向に軸方向に移動し、それにより、開放位置がもたらされる。逆に、ソレノイド弁20が、電気信号を除去することで加圧空気をエアキャビティ80から排気するように切り替えられると、エアピストン78及び針24は、針先76を弁座70と接触させる方向に軸方向に移動し、それにより、閉鎖位置がもたらされる。
【0052】
ソレノイド弁20の排気ポート100は、熱障壁96内に形成される溝路104により本体22内の空気通路102と流体結合する。熱障壁96内には、供給ポート101を通路98と結合させる開口103も設けられる。エアキャビティ80から排気される加圧空気は、分配装置10が閉鎖してエアピストン78の移動がその閉鎖位置へ向かう際、エアキャビティ80の急激な減圧により冷却される。エアキャビティ80からの冷却された排気は、両閉端間の溝路104により、排気ポート100から空気通路102、続いて、針24の長さを囲む空気プレナム106にかけて導かれる。排気は、本体22内に横断方向に穿孔されている出口通路108を通って、最終的に分配装置10の周囲環境に至るが、明確にするため、実際の配向角度とは変えられている。低温の排気の流れにより、針24及び本体22から熱が除去される。熱は、廃棄するために分配装置10の周囲環境へ放出される。低温の排気の流れは、本体22及び針24から流体チャンバハウジング28及びノズル35への伝熱流を低減することによって、ノズル先端46の温度の厳密な調整に関与する。これにより、本体22の内部で時期尚早のゲル化及び/又は硬化が生じることが防止又は低減される。熱障壁96内の溝路104及び本体22内の空気通路102は協働して、空気流の方向を変えることによって排気される加圧空気により生じるノイズをさらに低減する。
【0053】
熱障壁96、及び本体22内の通路102及び108並びにプレナム106を通って冷却された排気の能動的な空気流は、個別に又は全体として考慮すると、本体22内の熱負荷の熱的管理の助けとなる。この結果、外部の熱源は、ノズル35の温度、及び分配サイクルの際にノズルの内部にある粘性材料の温度に対し影響を及ぼさないか、又は少なくとも最小限の影響しか及ぼさない。
【0054】
ソレノイド弁20は、エアピストン78を静止状態からより速く加速させることによって分配装置10の動作速度を増大させるために、ソレノイド弁20の電磁コイル(図示せず)を導通させるドライバ回路20aによりオーバードライブされ得る。分配装置10を開放するための全応答時間は、電気信号がソレノイド弁20に最初に供給された瞬間から、分配装置10が完全に開放する瞬間までを測定される。全応答時間は、ソレノイド弁20が切り替わって加圧空気を最大流量で通路98に供給するのに必要とされるソレノイド応答時間によるものと、エアキャビティ80を加圧空気で充填するのに必要とされる充填時間(針24が完全に開放された位置にくると終了する)によるものとから成る。ソレノイド応答時間は、ソレノイド弁20の定格電圧を超えて切り替わる際、ドライバ回路20aに、電磁コイルにオーバードライブ電圧を印加させることにより短縮され、これにより、弁応答時間全体が短くなる。例えば、ドライブ回路20aにより、定格5VDCのソレノイド弁20を24VDCの電圧で導通させて、応答時間を短くし、ソレノイド弁20を損傷させることなく開放した状態に維持するように調整することができる。本体22とのソレノイド弁20の密接な結合とともに、ドライバ回路20aのオーバードライブにより、ソレノイド弁20の電気的応答時間も含め4ミリ秒未満で、エアキャビティ80を充填し、針24を開放状態にすることが可能となる。ソレノイド弁20のオーバードライブにより、エアキャビティ80を充填するのに必要とされる時間に対するソレノイド応答に起因する時間的関与を短縮することによって分配装置10を開放する全応答時間が短縮される。通常、3〜4ミリ秒で、エアキャビティ80が空気圧を排気されるとともに針24が閉鎖状態に移動する。この結果、分配装置10を閉鎖するのに必要とされる時間の一部が分配装置10を開放するのに必要とされる時間と重なり得るため、約200Hzの最大動作周波数となる。
【0055】
図3及び図3Aを参照すると、排気に関連する音波を減衰する消音器(sonic muffler)110が本体22内の空気通路102内に設けられ、この消音器110は、エアピストン78の閉鎖応答時間を著しく遅延させることなくエアキャビティ80からの排気に関連するノイズを有意に低減する。消音器110は、例えば、スチールウール、ポリウレタン、又は金属(例えば、青銅、スチール、又はアルミニウム)から形成される多孔質構造であってもよく、又は空気通路102内の空気流を偏向、抑制、又は他の方法で調整することによって空気流を低速にする、内部通路を有するそらせ板(baffle:バッフル)から構成されてもよい。消音器110により生じる背圧は、エアキャビティ80内の関連する空気圧にて分配装置10を閉鎖するための応答時間には影響を及ぼさない。ソレノイド弁20の排気ポート100は、本体22内の空気通路102と流体結合するため、従来の消音器を排気ポート100に取り付けることはできない。
【0056】
ストローク調整アセンブリは、スリーブ116、スリーブ116と螺合する予荷重ねじ(load screw)112、及び予荷重ねじ112により圧縮される圧縮ばね114を有し、この圧縮ばね114は、針24の針先76に対向した端に近接したロードボタン(load button:荷重ボタン)115に対し軸方向の荷重を加える。予荷重ねじ112は、スリーブ116を介して本体22に固定され、本体22に対する回転により軸方向に移動可能である。圧縮ばね114は、部分的に圧縮され、それにより、スリーブ116に対し予荷重ばね112の軸方向位置を調整することにより予荷重される。この予荷重ばねの付勢が行われた後、予荷重ねじ112及びスリーブ116の相対位置に対し恒久的に固定されるようにスレッドロッカー(treadlocker:ねじロック剤)が用いられる。
【0057】
ストローク調整ノブ118が予荷重ねじ112に固定され、その後、ストローク調整ノブ118を用いて、本体22に対して予荷重ねじ112及びスリーブ116を回転させ、弁座70に対して針先76のストローク長を画定するようにする。ゼロストローク長設定の最大予荷重ばね付勢の分配装置10が、図3に示されている。ストローク長の設定により、予荷重ばね付勢の程度が変更される。
【0058】
予荷重ばね付勢を克服するために十分な加圧空気がエアキャビティ80に供給される場合、エアピストン78は、針24及びロードボタン115を弁座70から離す方向に保持する。ロードボタン115とスリーブ116の接触は停止として作用する。結果として、針先76が弁座70から離れ、少量の粘性材料が弁座ディスク62の流体通路64へ流入する。空気圧がエアキャビティ80から排気されると、ばね114からの軸方向荷重により、針24が急激に弁座70へ移動し、これにより、通路72内にある少量の粘性材料が吐出孔74から押し出される。
【0059】
ストローク調整設定により変更された予荷重ばね付勢は、伝熱部材44、ノズル35、及び/又は流体チャンバハウジング28が分配装置10から取り外され、且つ清浄及びメンテナンス等の際に交換される場合に維持される。結果として、予荷重ばね付勢は通常、製造時点に、且つ/又は分配装置10が動作を行う前に設定された値を再調整する必要がない。ばね114の予荷重ばね付勢を維持することができることにより、再組立て及び設置が容易となる。
【0060】
針24は、本体22内でのその軸方向への往復移動の際、軸方向に離間した一対の針ガイド又はブシュ122、124によりガイドされ、このうちブシュ124は、軸受スリーブ125内に位置する。ブシュ122、124は、潤滑剤として作用するPEEK含有グラファイト等のプラスチックから形成され得る。ブシュ122、124の軸方向の間隔は、内部の針24の部分の直径の少なくとも4倍であるように選択され、これは、有利には、複数の分配サイクルにわたって弁座70と繰り返し接触且つシールする針先76の正確な軸方向ガイドを提供且つ保持する。針24の一部を囲む流体シール部126及び針24の異なる部分を囲む流体シール部128は、流体チャンバ60及びエアキャビティ80それぞれをブシュ122、124間の穴26の部分から分離する。
【0061】
同様の参照符号が図1〜図7の同様の特徴を示す図8を参照するとともに、本発明の代替的な一実施形態によれば、ライナ130を流体チャンバハウジング28の内部に配置することができる。ライナ130は、流体チャンバハウジング28の内表面を湿潤させない流体障壁として作用する。ライナ130は、流体チャンバハウジング28から取り外し可能であるため、交換可能である。したがって、流体チャンバハウジング28が本体22から取り外されて新しい又は清浄なライナ130を単に挿入することにより容易に再使用可能である場合、これらの内表面を清浄する必要がない。
【0062】
ライナ130は、アルミニウム及びポリマー(ナイロン)が挙げられるがこれらに限定されない任意の適した材料から形成されることができる。ライナ130は、清浄され、再使用されてもよく、又は比較的安価な材料から形成される場合は単に廃棄されてもよい。ライナ130は、ライナ130とともに取り外し可能な一体型弁座ディスク132、流体管継手134、及び流体シール部135を有するものとして示されているが、本発明はそのように限定されない。
【0063】
同様の参照符号が図1〜図7の同様の特徴を示す図9A及び図9Bを参照するとともに、本発明の代替的な一実施形態によれば、弁座ディスク62(図5A及び図5B)と同様であり、分配装置10(図1)との使用に適した弁座ディスク136は、出口140及び入口142を有する吐出通路138を有する。閉鎖位置では、針先76(図5A)は、入口142から離隔した弁座146の両端にわたる円錐台状面144に接触する。弁座146の幾何学形状は、針先76と円錐台状面144の繰り返しの接触による塑性変形又はコイニングによって確定され得る。弁座146は、弁座146に対する針先76の繰り返し作用による円錐台状面144の漸次的な摩耗、及び吐出される粘性材料に摩滅(abrasives)があることにより、分配装置10(図1)の動作の際に拡がり得る。弁座146は入口142から離隔しているため、針先76との接触による弁座146の幾何学的変化は、入口142に著しい衝撃は与えない。弁座ディスク136は、弁座ディスク62と同じ材料から形成されてもよく、代替的に弁座ディスク136又は少なくとも円錐台状面144は、このような硬度範囲の物質で被覆されてもよい。このことは、円錐台状面144の摩耗が低減するため、摩滅性がある粘性材料を吐出する際に有益であり得る。
【0064】
円錐台状面144のうち弁座146を画定する部分が塑性変形して最初の弁座146を画定してから、弁座ディスク136が分配装置10内に設置され、閉鎖位置にて針先76と接触する。この使用前の凹部形成(dimpling:ディンプリング)により、針先76と接触する弁座146の面積が増大する。分配装置10において許容される場合、凹部形成のない弁座の初期の摩耗高さ(wear rate:摩耗率)は、その後の摩耗高さよりも著しく大きい。初期の弁座146を画定する円錐台状面144の使用前の凹部形成は、弁座ディスク136が分配装置10に最初に設置されたときに高い初期摩耗を被らないように摩耗曲線を平坦にするように作用する。使用前の凹部形成により、高い且つ/又は非線形の初期摩耗高さを被らずに設置されるとすぐに低い線形状態で液体ディスペンサ10を動作させることが可能となる。
【0065】
図10を参照するとともに、本発明の代替的な一実施形態によれば、流体管56を介して本体22(図3)に伝導される粘性材料の温度を上昇させるために熱を加えるヒータ150を流体管56の長さに沿って配置することができる。ヒータ150は、良好な熱接触により流体管56に取り付けられる熱伝導ブロック又は熱伝導体152を有する。熱伝導体152との熱的接触の際、対応するブラインド穴内に、加熱要素154及び温度センサ156が配置される。電気リード線が加熱要素154及び温度センサ156からコントローラ27に延びる。熱伝導体152は、溝が各シェル半体152a、152b内に形成されているクラムシェル型の構造を有し得、この内部に流体管56が収容され、伝熱に効果的な接触をなす。ヒータ150によって流体管56の内部の粘性材料へ供給される熱は、ノズル35(図3A)の粘性材料の加熱を補い、また、吐出通路72(図4)内の粘性材料の流れが、単独のノズル35内の伝熱による効果的な温度制御には速すぎる高流量で分配するのに特に有用となり得る。
【0066】
同様の参照符号が図3Aの同様の特徴を示す図11を参照するとともに、本発明の代替的な形態によれば、伝熱部材44は、入口通路86及び出口通路88と結合する環状内部プレナム160を有し得る。プレナム160は、伝熱部材44の周りに延在し、その結果、ノズルマウント48の軸長が囲まれる。空気導管83から入口通路86に供給される冷媒ガスは、プレナム160を流れ、出口通路88から排気してポジティブな流体流を形成する。内部プレナム160は、個別に提供されてもよく、又はプレナム90(図3A)と組み合わせて提供されてもよい。
【0067】
本発明を、各種実施形態の説明により示し、これらの実施形態をかなり詳細に説明してきたが、添付の特許請求の範囲をこのような詳細に限定又はいずれにしても制限することを本出願人は意図しない。さらなる利点及び変更が当業者には容易に理解されるであろう。したがって、本発明はそのより広い態様において、特定の詳細、代表的な装置及び方法、並びに図示し記載した説明的な例に限定されない。したがって、本出願人の一般的発明概念の精神又は範囲から逸脱せずにかかる詳細から発展させることができる。本発明の範囲自体は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の一実施形態による分配装置の斜視図である。
【図2】明確にするため、電気ケーブル及び空気導管がない状態で示す、図1の分配装置の上面図である。
【図3】図1の線3−3に概ね沿った、分配装置の断面図である。
【図3A】図3の一部の拡大図である。
【図4】図3Aの一部の拡大図である。
【図5A】本発明の一実施形態による針先および弁座ディスクを示す図である。
【図5B】明確にするため、針先が除かれた状態での、閉鎖位置での針先との接触後の弁座の周りの弁座ディスクの塑性変形を示す、図5Aと同様の図である。
【図6】図1の分配装置において使用する針先の代替的な一実施形態の側面図である。
【図7】ソレノイド弁を本体から分離及び断熱する熱障壁の一実施形態の斜視図である。
【図8】図1の分配装置とともに用いる流体チャンバハウジングの代替的な一実施形態の部分断面図である。
【図9A】分配装置において用いる弁座ディスクの代替的な一実施形態の上面図である。
【図9B】分配装置において用いる弁座ディスクの代替的な一実施形態の断面図である。
【図10】本発明の一実施形態による流体管ヒータの斜視図である。
【図11】本発明の代替的な一実施形態による、図3Aと同様の断面図である。
【技術分野】
【0001】
[発明の分野]
本発明は、包括的に、分配装置及び分配方法に関し、特に、個別量の粘性材料を被加工物上に非接触に分配するための装置及び方法に関する。
【0002】
[関連出願の相互参照]
本願は、米国仮出願第60/487,034号(2003年7月14日付で出願)の利益を主張するものであり、上記米国仮出願の開示内容は本明細書に参照により援用される。
【背景技術】
【0003】
[発明の背景]
超小型電子ハードウェア及び他の製品の製造において、空気圧式分配装置は、少量又は小滴の高粘性材料を基板又は被加工物上に非接触に分配するために用いられる。例示的な高粘性材料としては、はんだフラックス、はんだペースト、接着剤、はんだマスク、熱化合物、油脂、封入剤、注封材料、インク、及びシリコーンが挙げられるが、これらに限定されない。一般に、かかる高粘性材料は、その自重により室温では容易に流れることができない。
【0004】
粘性材料のための従来の空気圧式の非接触式分配装置は、吐出通路を囲む弁座と選択的に係合するように往復動するエアオペレートバルブ要素を有する。一般に噴射(jetting)と呼ばれるプロセスでは、弁座との接触から針を後退させることによって小滴が分配され、これにより、圧力下で、針を弁座から引き離しているギャップを介して、充填された流体チャンバから吐出通路へ或る量の粘性材料を流すことが可能となる。次いで、分配装置を閉鎖するように針が弁座へ迅速に移動し、これにより、或る量の粘性材料が吐出通路から押出され、同等量の粘性材料が吐出通路の吐出孔から噴射される。噴射された少量の粘性材料は、吐出口から離隔している被加工物上に小滴として推進される。
【0005】
従来の非接触式分配装置における弁座の交換及び清浄は、分配装置の内表面に清浄工具でアクセスすることが困難であるため、時間がかかるとともに労力を要するプロセスである。一般に、弁座は流体チャンバと一体形であるため、取り外し不可能であり、そのため、流体チャンバへのアクセスが制限され、接合部に円形の直角コーナーが生じ、これは、清浄するのが困難である。さらに、弁座は、針をガイドするガイドフィンガ又はガイドベーンを有し得り、それにより、針先は、弁座との再現性のある流体シールがわずかな不整合(misalignments:ミスアラインメント)を許容可能にする。しかしながら、ガイドベーンは、短時間では効果的に十分に清浄することが困難である直角コーナーを形成する。
【0006】
従来の非接触式分配装置の分解及び再組立ては、複数の工具を伴う困難なプロセスである。さらに、再組立ての際、構成部材間の正確な空間関係を確立するのに計器が必要とされる。このように複雑であるため、分解及び再組立ては時間がかかり、組立て手順に熟練した技術者であっても完了するのに45分もかかる可能性がある。
【0007】
いくつかの従来の分配装置では、流体チャンバの弁座と針の先とは、対応する寸法特性を有するように慎重に重ね合わされるマッチドペアを構成する。例えば、吐出通路の直径を変えるために弁座を交換しようとする試みはいずれも、漏出を生じることが多いが、その理由は、針先と新しい弁座とがマッチドペアではないため、十分なシールを行うことができないからである。したがって、かかる従来の分配装置では、分配孔の直径は、既存の針及び弁座を、製造時に弁座とマッチさせた針先を有する針と交換することによってしか変えることができない。
【0008】
従来の空気圧式の非接触式分配装置において直面する別の問題は、ノイズである。分配装置は、エアピストンキャビティから加圧空気を供給及び除去するようにソレノイド弁を切り替えることによって開放/閉鎖される。加圧空気は、針を往復動させるエアピストンに作用する。分配装置を閉鎖するには、エアピストンキャビティから周囲環境へ排気通路を通して空気圧を排気するようにソレノイド弁を切り替える。空気が排気通路を急激に流れることにより、傍を通る者に可聴な音が生じる。従来のサイレンサー又は消音器(muffler:マフラー)を用いて、弁排気ポートにおけるノイズを低減することができる。しかしながら、ソレノイド弁の排気ポートは、通常は螺合接続による消音器の取り付けを可能にするようにアクセス可能でなければならない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本明細書中で説明した、粘性材料のための従来の分配装置のこれらの及び他の欠点を克服する分配装置を提供することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
[概要]
本発明の1つの実施の形態では、装置は、吐出口、エアキャビティ、及び、加圧空気をエアキャビティに選択的に供給することにより、粘性材料の流れが吐出口に導かれる開放位置と吐出口への粘性材料の流れが遮断される閉鎖位置との間で移動可能な弁要素を有する本体を備える。当該装置は、少なくとも、弁要素が開放状態から閉鎖位置に移動する際に、エアキャビティと流体連通状態に選択的に結合する排気ポートを有するソレノイド弁をさらに備える。ソレノイド弁の排気ポートにより本体のエアキャビティと結合する空気通路が本体内に延出する。エアキャビティから排気された加圧空気は、空気通路を流れて本体を冷却する。
【0011】
本発明の別の実施の形態では、装置は、冷媒ガス供給源と、粘性材料の流れを受け入れる吐出通路を有する分配体と、この分配体と熱的に結合する伝熱部材とを備える。温度センサは、伝熱部材と熱的に結合する。コントローラは、温度センサと、伝熱部材を冷却する冷却手段とに電気的に結合する。コントローラは、温度センサから受け取った温度信号に応答して、冷却手段に伝熱部材及び分配体を冷却させる。
【0012】
本発明のさらに別の実施の形態では、分配装置用の弁座ディスクは、通路、分配装置から粘性材料の流れを受け入れるように位置する通路の入口、及び通路を囲む弁座を有する本体を備える。弁座は、通路への粘性材料の流れを遮断するように弁要素と接触することが可能である。入口は、弁要素が該入口に接触しないように通路から離隔している。
【0013】
本発明のさらに別の実施の形態では、粘性材料を分配する装置は、本体と、この本体に取り外し自在に取り付けられる流体チャンバハウジングと、流体チャンバハウジングに取り外し自在に取り付け可能なノズルとを備える。ノズルは、流体チャンバハウジングに取り付けられる際に、流体チャンバハウジングにより画定される流体チャンバと流体連通状態に選択的に結合する吐出通路を有する。流体チャンバハウジングの内側には、流体チャンバハウジングの内壁を粘性液体と接触しないように覆うライナが取り外し自在に配置される。
【0014】
本発明のさらに別の実施の形態では、分配装置用のノズルアセンブリは、ノズルと、このノズルの吐出通路と結合する吐出通路を有する弁座ディスクとを備える。弁座ディスクは、粘性材料の流れを遮断するよう、分配装置の弁要素と接触するように位置する弁座を有する。ノズルアセンブリは、弁要素が開いているときに弁座ディスクの吐出通路へ流すための粘性材料を収容する流体チャンバハウジングと、分配装置に取り外し自在に取り付けられるリテーナとをさらに備える。リテーナは、弁座ディスクがノズルと流体チャンバとの間に配置された状態で、弁座ディスク、流体チャンバハウジング、及びノズルを分配装置に固定する。
【0015】
本発明のさらに別の実施の形態では、ノズルアセンブリは、分配装置から粘性材料の流れを受け入れるように位置する吐出通路を有する分配体を備える。吐出通路は、粘性材料を吐出する吐出口を有する。ノズルアセンブリは、分配体を分配装置に取り外し自在に取り付ける伝熱体をさらに備える。伝熱体は、冷媒ガスの流れを受け入れるようになっている流体通路を有し、この流体通路は、当該流体通路を出る冷媒ガスの流れが吐出通路から吐出される粘性材料と衝突しないように位置する。
【0016】
本発明のさらに別の実施の形態では、ノズルアセンブリは、吐出通路を有する分配体と、この分配体の吐出通路と結合する吐出通路を有する弁座ディスク、及び弁座とを備える。弁座は、弁座ディスクの吐出通路への粘性材料の流れを遮断するよう、分配装置の弁要素と接触するように位置する。ノズルアセンブリは、弁座ディスクが分配体と弁要素との間に配置されるように、分配体及び弁座を分配装置に取り外し自在に固定する伝熱体をさらに備える。
【0017】
本発明のさらに別の実施の形態では、粘性材料を分配する方法は、粘性材料をノズルの吐出通路内に導くこと、ノズルの温度をノズルの内部の温度センサにより検知すること、及びノズルの検知された温度を設定点温度と比較することを含む。ノズルの温度が設定点温度よりも高い場合、ノズルを能動的に冷却する。
【0018】
本発明のさらに別の実施形態では、粘性材料を分配する方法は、空気圧式アクチュエータから加圧空気を排気することであって、それにより分配装置から吐出された粘性材料の流れを中断させる、排気することを含む。当該方法は、分配装置内に画定されている空気通路内に排気(exhausted air:排出空気)を導くことにより分配装置の一部を冷却することをさらに含む。
【0019】
本発明のこれら及び他の目的及び利点は、添付の図面及びその説明からより明らかとなるであろう。
【0020】
本明細書中に組み込まれるととともに本明細書の一部を成す添付の図面は、本発明の実施形態を示し、上述の本発明の概説、及び以下の詳細な説明とともに、本発明の原理を説明する役割を果たす。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
[発明の詳細な説明]
図1及び図2を参照すると、コンピュータ制御された非接触式分配システム(図示せず)とともに用いる分配装置10が示されている。本発明の分配装置10は、「少量の液体材料を分配するための方法及び装置(Method and Apparatus for Dispensing Small Amounts of Liquid Material)」と題する米国特許第5,747,102号(その開示内容の全体が参照により本明細書に援用される)に記載されている分配システムと同様又は同一であるものを含めた分配システムに設置することができる。分配装置10は、Asymtek X−1010 Axiom(商標)SMT Dispenser(SMTディスペンサ)、Asymtek X−1020 Axiom(商標)Semiconductor Dispenser(半導体ディスペンサ)、Asymtek M−2020 Millennium(登録商標)Ultra High Speed Semiconductor Dispenser(超高速半導体ディスペンサ)、又はAsymtek M−2010 Millennium(登録商標)Ultra High Speed SMT Dispenser(超高速SMTディスペンサ)、内に設置されると特に有用である。分配装置10は、分配システムの機械的支持部に分配装置10を取り付ける、ダブテール型マウントとしてマウント11(図1及び図2に示す)を有する。
【0022】
分配装置10は、本体22の内側に部分的に配置されているとともに本体22の対向端から部分的に延出している、全体として参照符号12で示されたモジュールと、供給装置14を支持するシリンジホルダ16、ソレノイド弁20、及びシリンジホルダ16とソレノイド弁20との間に配置されている接続箱18を有する。分配装置10に配される電気ケーブル21及び流体導管23、25は、接続箱18にて装置10にインタフェースし、接続箱18は、モジュール12及びソレノイド弁20への電力及び流体に対する集中配分点(centralized distribution point)としての役割を果たす。電気ケーブル21の対向端は、分配装置10の動作を制御する分配システムのコントローラ27(図3)と結合する。流体導管23は、ソレノイド弁20に結合する接続箱18の内側の流体マニホルドに加圧空気を供給し、このソレノイド弁20は、電気ケーブル21及び29を介してコントローラ27から供給される電気信号により導通/非導通にされて、加圧空気を供給して、空気圧作動式分配装置10を開放/閉鎖する。
【0023】
概して、コントローラ27は、1つ又は複数の入力に基づく1つ又は複数の変数を制御するように構成される任意の電気制御装置を含み得る。複数の個々の制御システムを用いて、種々の構成部材(例えば、ソレノイド弁20、冷媒ガス供給部85等)を制御してもよく、また、これらの個々の制御システムは一体型であってもよく、又は単一の組み合わせコントローラ27を集合的に構成することが考えられ得る。例示的なコントローラ27は、当業者に既知のヒューマンマシンインタフェース(HMI)を容易に用いているプログラマブルロジックコントロール(PLC)デバイスを有する。
【0024】
分配装置10は、シリンジ型供給装置14から供給される加圧された粘性材料を分配するように動作可能である。概して、供給装置14は、使い捨てシリンジ又はカートリッジであり、供給装置14を充填する粘性材料は、はんだフラックス、はんだペースト、接着剤、はんだマスク、熱化合物、油脂、封入剤、注封材料、インク、シリコーンが挙げられるが、これらに限定されない任意の高粘性材料である。供給装置14は通常、プランジャの上方のヘッドスペース内に典型的には5psi〜30psiの空気圧が加えられると移動可能なワイパ又はプランジャ(図示せず)を有する。
【0025】
分配装置10、シリンジホルダ16、接続箱18、及びソレノイド弁20は、これらの構成部材を少なくとも一方向で見ると、全体の幅が減少した外形を画定するようにほぼ平坦な構成で整合しており、このため、分配部分のエンベロープ全体が増大する。具体的には、本体22、シリンジホルダ16、接続箱18、及びソレノイド弁20を有する分配装置10の全長Lは従来通りであるが、分配装置10の幅Wは、従来の分配装置に比して著しく減少されている。概して、分配装置10の幅は約1.2インチである。幅がコンパクトであるため、より大きな被加工物を、並置配列された複数の分配装置10により処理すことができる(すなわち、分配領域全体が増大する)。
【0026】
続いて、図3及び図3Aを参照すると、分配装置10はまた、本体22の長手方向内腔26内を軸方向に移動可能な弁要素(針24として示す)、流体チャンバハウジング28、及び参照符号34で全体として示したノズルアセンブリを有する。ノズルアセンブリ34は、ノズル35、及び流体チャンバハウジング28の外側部分と滑り嵌めする伝熱部材44を有する。カラー30、及びばねクリップによりリテーナ32に固定される波形ばね36を有するリテーナ32は、本体22に流体チャンバハウジング28を取り外し自在に固定する。伝熱部材44は、リテーナ32と協働して、ノズル35及び弁座ディスク62を流体チャンバハウジング28に固定する。
【0027】
カラー30の一部は本体22と螺合する。伝熱部材44を捕捉するために伝熱部材44の縁を流体チャンバハウジング28と係合させる一対のフック付きアーム39a、39b(図1)が、リテーナ32から軸方向に延出している。弁体に対するリテーナ32の回転により、フック付きアーム39a、39bが伝熱部材44の上縁のスロットと位置合わせされ、この時点で、下向きの力により、伝熱部材44を流体チャンバハウジング28から取り外すことができる。次いで、ノズル35及び弁座ディスク62は、図3に仮想線で示すように、工具無しで個々の部品として取り外し可能である。次いで、流体チャンバハウジング28を、工具を用いずに本体22から取り外すことができる。これら構成部材の取り外しが容易であることにより、湿潤した内表面を清浄してメンテナンスを行うために分解及び再組立てするのに必要とされる時間が短縮される。弁座ディスク62、ノズル35、及び任意選択的に流体チャンバハウジング28が本体22から取り外されると、針24に加えられた予圧ばね付勢の設定が、これらの構成部材を再組立てするときに再確立されるように維持される。
【0028】
流体チャンバハウジング28を清浄する一代替形態として、既存の流体チャンバハウジング28を本体22から取り外し、新しい又は清浄された流体チャンバハウジング28に交換することができる。特に、分配装置10には、互換性があるとともに周期的に交換可能である流体チャンバハウジング28のセットが設けられ得る。取り外された流体チャンバハウジング28は、再使用のために清浄される得るか、又は任意選択的に廃棄される。
【0029】
図3、図3A、及び図4を参照すると、ノズル35は、ノズルハブ又はマウント48と接合したノズル先端46から構成される。ノズル先端46は、ノズルマウント48の軸方向寸法に沿って延出する中心の軸内腔50に挿入され、例えば、エポキシ樹脂又はろう付けにより固着される。ノズルマウント48の切頭円錐形状すなわち円錐台状面54は、伝熱部材44が流体チャンバハウジング28に設置されて締結されると、伝熱部材44の対応する切頭円錐形状面すなわち円錐台状面52と接触する。円錐台状面52は、円錐台状面54に軸方向荷重を伝達し、その結果、円錐台状面54は、流体チャンバハウジング28にノズル35を流体密に固定する。本発明の一実施形態では、円錐台状面52、54はそれぞれ、約70°のテーパ角度(included angle)でテーパ状になっている。
【0030】
円錐台状面52、54間の接続面(interface)は、表面積を増大させることによって伝熱部材44から効率的な伝熱をノズル35へ促し、この表面積にわたって伝熱部材44とノズルマウント48とが接触する。結果として、円錐台状接続面により、加熱要素84から、ノズル35の液体通路72の内部を流れる粘性材料への伝熱効率が高まる。さらに、円錐台状面52、54間の係合は、設置の際にノズルマウント48に対し伝熱部材44を自己の中心にくるように作用する。
【0031】
従来構造の流体管56は、流体チャンバハウジング28の内側に画定された流体チャンバ60の入口ポート58と供給装置14の出口ポートとを結合する。粘性材料は、圧力下で、供給装置14から流体管56を通って入口ポート58に、最終的に流体チャンバ60に供給される。フィッティング134は、流体管56と入口ポート58との接続面を提供する。
【0032】
続いて、図3、図3A、及び図4を参照すると、流体チャンバ60内には、円錐台状面52によって円錐台状面54に加えられた軸方向荷重により、ノズルマウント48と流体チャンバハウジング28との間に画定されたスペースに捕捉される、弁座インサート又は弁座ディスク62が配置される。弁座ディスク62は、伝熱部材44及びノズル35を流体チャンバハウジング28から取り外すことにより、分配装置10から取り外すことが可能である。弁座ディスク62を取り外すことにより、清浄するための流体チャンバ60へのアクセスも行われる。
【0033】
流体チャンバハウジング28、ノズル35、及び弁座ディスク62は、粘性材料により湿潤する、清浄するために容易に取り外し可能な、分配装置10のモジュール部品軸受面である。結果として、分配装置10のための清浄プロセスが単純化され、清浄時間全体が短縮される。或るいくつかの実施形態では、流体チャンバハウジング28、ノズル35、及び弁座ディスク62を分解及び再組立てすることを含めた全清浄プロセスは、約4〜5分かかるが、これは、従来の分配装置の場合の同等の清浄プロセスよりも1桁速い。日常的な清浄及びメンテナンスは、流体チャンバハウジング28、ノズル35、及び弁座ディスク62を分解及び再組立てするのに必要とされる工具の数を劇的に減らすことにより単純化される。流体チャンバハウジング28、ノズル35、及び弁座ディスク62は、同等の清浄な部品に交換することができ、次いで、まとめて清浄されるため、これらの部品を清浄するのに必要とされる時間がさらに短縮される。或るいくつかの実施形態では、流体チャンバ28は、安価な使い捨て材料から形成することができ、その結果、清浄が回避されるため、メンテナンスがさらに単純化される。
【0034】
弁座ディスク62は、出口66と入口68との間に延在する適した直径を有する流体通路64を含む。新しい状況では、入口68は弁座70を画定するとともに弁座70と同一の空間を占める。入口68を囲む弁座ディスク62の材料が針先76と接触することによって塑性変形している使用後の状況では、本明細書中で説明するように、入口68及び弁座70の位置は異なり得る。本発明の代替的な一実施形態では、弁座ディスク62は、ノズル35のノズルマウント48と一体形であってもよく、したがって、ノズルマウント48とともにユニット又は単一品として分配装置10から取り外し可能であり得る。
【0035】
ノズル先端46は、管状であり、弁座ディスク62の流体通路64からの出口66と同軸である吐出通路72を囲んでいる。吐出通路72は、アスペクト比が比較的高く、このアスペクト比は、吐出口又は吐出孔74の直径に対する通路72の長さの比により決定されるため、ノズル先端46は従来のノズル先端に比して長くて狭小である。好ましくは、吐出孔74の直径に対する吐出通路72の長さの比は、約25:1以上である。本発明の或るいくつかの実施形態では、吐出孔74の直径は、1ミル〜8ミルとすることができ、ノズル先端46の長さは0.375インチとすることができる。
【0036】
この比較的大きなアスペクト比によって、ノズル先端46、又は分配装置の別の部分と、粘性材料が施される被加工物との接触により、従来の分配装置にとってこれまでアクセス不可能な被加工物上の密集した分配領域にノズル先端46がアクセスすることが可能となる。具体的には、大きなアスペクト比は、従来の分配ノズルに比して、ノズルマウント48からノズル先端46が突出することを可能にする。アスペクト比が増すと、ノズルマウント48から突出し得るノズル先端46の長さが増す。ノズル先端46は、分配装置10を囲む環境内の物体と接触する場合に耐損傷性のあるタングステン及びセラミックスが挙げられるがこれらに限定されない任意の適した材料から形成することができる。ノズル先端46は、ノズル先端46からの熱損失を低減する、被覆材等の断熱材料の層46aも含むことができる。層46aがもたらす断熱は、吐出通路72内にある粘性材料の温度を安定化する役割を果たすであろう。ノズル先端46の高いアスペクト比は、分配動作による他の干渉を受けることなく層46aを設けるのに十分なスペースを与える。
【0037】
吐出通路72は、その長さに沿って、粘性材料が吐出される吐出孔74へ延在する方向にテーパ状に(又は狭小に)なっており、それにより、吐出通路72の直径は吐出孔74の近傍で最も狭小となるようになっている。吐出通路72をテーパ状にすることにより、通路長にわたって著しい圧力低下をもたらすことなくアスペクト比を増大させることが可能となり、それにより、吐出孔74にて分配される粘性材料の速度を増大することによって吐出通路72の従来では見られない長さを補償する。ノズル先端46の外径は、先端長の大部分にわたってほぼ均一であり得る。
【0038】
図3、図3A、図4、図5A、及び図5Bを参照すると、針24の下端は、弁座70とシール係合して流体チャンバ60からの液体の流れが流体通路64に入るのを防止するようになっている針先76を有する。針先76に対向する針24の一端は、本体22に形成されるエアキャビティ80内を摺動可能なエアピストン78の穴に固定される。エアピストン78により保持される環状シールは、エアキャビティ80を囲む円筒面との流体密な摺動シールを提供する。以下に説明するように、エアキャビティ80に選択的に供給される加圧空気は、弁座70とのシール係合に対する針先76の制御された往復動を可能にする。針先76が弁座70から離れた後退位置に位置している状態では、或る量の粘性材料が流体チャンバ60から弁座ディスク62の流体通路64を通って、ノズル先端46の吐出通路72を通って流れる。同等量の粘性材料が吐出孔74から離れ小滴を形成するが、これは、弁座70へ向かうとともに弁座70と接触する針先76の迅速な移動によるものである。空気を含んだ小滴の粘性材料が吐出孔74からプリント回路基板等の被加工物(図示せず)へ推進され、被加工物上に堆積(付着)する。
【0039】
針先76は、円形の弁座70とシール接触を行うためにほぼ球状をしている。通常、針先76の半径は、シール係合がもたらされるように弁座70と弁座ディスク62の流体通路64との寸法に従って選択される。弁座70が摩耗し、且つ/又は塑性変形すると、シール係合は、線接触から環状の面接触に変化し得る。
【0040】
図6を参照するとともに、本発明の代替的な一実施形態によれば、分配装置10には、複数の異なる弁座ディスク62と有効にシール係合をなすことが可能な凸曲面を特徴とする針先82を有する針24aが設けられ得り、これらの複数の異なる弁座ディスク62間の入口68及び弁座70の直径は異なっている。特定の一実施形態では、針先82は、約1インチの曲率半径を有することができ、これにより、弁座ディスク62の弁座70を直径が0.010インチ〜0.060インチの範囲の吐出通路64と効果的にシールする。このことは、有利には、針24aまで変えずともより広範にわたって分配される小滴のサイズを変える能力を提供し、それにより、分配装置10の融通性及び分配範囲を向上させる。さらに、針先82の比較的大きな曲率半径は、針先82及び弁座70間の軸外の不整合を許容可能にするサイズとなっている。
【0041】
図3A、図4、図5A、及び図5Bを参照すると、弁座ディスク62、又は弁座ディスク62のうち弁座70を含めた少なくとも中央部分は、440Cステンレス鋼又は303ステンレス鋼等の材料から形成され、この部分は、針先76を形成する材料よりも柔らかい。結果として、弁座70は針先76よりも摩耗が早くなり、針24の動作寿命は長くなる。未使用の弁座ディスク62は、図5Aに示すように、入口68と一致する円形の弁座70を有する。針先76が、最初の分配サイクルの間、閉鎖位置にある弁座70に繰り返し当たると、弁座70は、図5Bに示すように、針先76の形状と相補をなすように又は合致するように塑性変形する。塑性変形又はコイニングにより、弁座70と針先76との間の環状の接触面が形成され、針先76と弁座70とを重なり合うようにマッチさせる必要がなくなる。弁座70は、塑性変形が起こった後では入口68と同一の空間を占めないが、本発明は、そのようには限定されない。弁座ディスク62は、互換性があるとともに、針24まで交換する必要なく交換可能である。弁座ディスク62の整合性により、従来の分配装置にあてはまるように、弁座ディスク62の弁座70と針先76とが同時に重なり合ってマッチドペアを形成する必要がなくなる。
【0042】
弁座70が損傷又は摩耗して流体通路64の直径が単に変わる場合、針24までも新しく設ける必要なく、新しい弁座ディスク62を設けることができる。既存の針24の針先76は、交換用弁座ディスク62の弁座70を変形させ、弁座70との間にシール係合を確立し、交換されたにもかかわらず、弁座70との軸方向の整合を効果的に維持する。弁座70に対する針先76の横方向位置にある針24の長手方向軸に対して半径方向又は横方向の不整合は、弁座70の変形によって対応される。
【0043】
図3及び図3Aを参照すると、柔軟性のある熱フォイル抵抗発熱体とすることができる加熱要素84が、伝熱部材44の外側を囲んでいる。加熱要素84は、伝熱部材44を加熱するために伝熱部材44との十分な伝熱関係又は熱的な接触関係を有する。熱は、伝熱部材44からノズルマウント48に容易に伝導されて、ノズル先端46、及び吐出通路72内にある粘性材料を局所的に加熱する。本発明の或るいくつかの実施形態では、加熱要素84及び/又は伝熱部材44の外側は断熱層84aにより覆われてもよく、この断熱層84aは加熱要素84からの熱損失を制限し、それにより温度調整を助ける。
【0044】
伝熱部材44は、入口通路86、出口通路88、並びに入口通路86及び出口通路88を結合するとともにノズルマウント48の軸長を囲む環状プレナム90(図3A)をさらに組み込んでいる。空気等の冷媒ガスが冷媒流体供給部85から空気導管25及び83を介して入口通路86に供給され、空気導管は、接続箱18の内側に結合される。冷媒ガスは、入口通路86から環状プレナム90を通って流れ、出口通路88から排気されて、ポジティブな流体流を生成する。入口通路86及び出口通路88並びに環状プレナム90の寸法は、流動中の冷媒ガスへの伝熱を最適にするように選択されることが好ましい。本発明は、冷媒ガスを異なる方法で提供することができるか、又は液体等の異なる冷媒流体を用いて冷却を達成することができることを意図する。本発明の代替的な一実施形態では、伝熱体44は、ペルチェクーラー等の熱電冷却装置を用いて冷却されることができる。
【0045】
抵抗温度検知器等の温度センサ92(図3A)が、伝熱部材44内に画定されているブラインドセンサ通路94(図3A)内に配置される。伝熱部材44内に、加熱要素84に近接して配置された温度センサ92は、リード線87、89のセットを介して温度フィードバック信号をコントローラ27に供給する。リード線87、89は、接続箱18から、空気導管83の管腔83aの開端から表出し、温度センサ92と結合する。接続箱18の内側では、リード線87、89は、空気導管83から分岐し、コネクタ95により電気ケーブル21と結合する。より具体的には、リード線87、89は、T継手91(他の場合では、冷媒空気が漏出しないようにシールされる)の1本のアームから出る。
【0046】
コントローラ27(図3)は、加熱要素84を動作させ、冷媒流体供給部85から冷媒入口通路86への冷媒ガスの流れも調整して、ノズル先端46、並びに通路64及び72内にある粘性材料を目標温度(温度設定点で示される)に維持するようにする。温度が設定点未満となる場合、熱が加熱要素84から伝熱部材44に供給され、続いて、ノズル35、及びノズル先端46の内部の粘性材料に伝導される。温度が設定点を超えると、伝熱部材44は、環状プレナム90を介して冷媒ガスの流れにより能動的に冷却され、続いて、ノズル35、及びノズル先端46の内部の粘性材料が冷却される。或るいくつかの実施形態では、コントローラ27は、通路64及び72の内部の粘性材料を正確に温度調整するために、人手を介入せずに、温度センサ92により供給されるフィードバック温度情報のみを用いて、加熱/冷却間で自動的に切り替わる。本発明は、能動冷却(通路83a及び86並びにプレナム90を通る空気流として示されている)が、伝熱部材44及び/又はノズル35の温度をこれら構造部から熱を除去することによって下げる任意の冷却機構とすることができることを意図する。
【0047】
流動性、及び正確且つ再現可能な量の粘性材料の分配を目的として、ノズル35、及び、特にノズル先端46の厳密な加熱及び能動冷却により、通路64及び72内にある粘性材料の粘度のばらつきを最小限に抑える。しかしながら、ノズル先端46は、或る温度未満(ゲル化又は硬化が時期尚早に生じる等、粘性材料の特性を損なうおそれがある)に維持される。通常、ノズル先端46内にある粘性材料の分配率(dispensability)は、その温度を約30℃〜約65℃の範囲に維持することによって高まるが、温度範囲はそのように限定されず、粘性材料の特性に応じて変わり得る。粘性材料は、選択された温度範囲に短時間しか維持されないが、硬化が生じ得る温度を超えることはない。このような理由から、ノズルアセンブリ34のみが温度設定点に保たれ、分配装置10の残りはそのように保たれない。
【0048】
図1〜図3、図3A、及び図7を参照すると、ソレノイド弁20は、ソレノイド弁20から本体22への伝熱を妨げる又は少なくとも低減する介在熱障壁96とともに本体22に直接取り付けられる。本体22へのソレノイド弁20を直接取り付けることにより、空気容量が減ることで、急激な空気圧変動によりエアピストン78の作動が促され、これにより、分配装置10を開放/閉鎖するためにエアキャビティ80を充填する応答時間が短縮される。ソレノイド弁20は通常、ドライバ回路20aからの電気信号により電磁コイル(図示せず)を選択的に導通/非導通にすることによって作動させる可動スプールを有する。ドライバ回路20aは、ソレノイド弁20に電気信号を供給する電源切り替え回路を有する既知の設計となっている。ドライバ回路20aはソレノイド弁20の構造に組み込まれてもよい。
【0049】
ドライバ回路20aからの電気信号に応答して、ソレノイド弁20は、空気入口ポート99と排気ポート100との間の空気供給ポート101への加圧空気用の流路を選択的に切り替える。供給ポート101は、本体22に画定されている通路98を介してエアキャビティ80と連通する。適した電気信号がソレノイド弁20に供給されると、加圧空気は空気入口ポート99から供給ポート101に、続いて通路98に供給される。排気ポート100への流路はソレノイド弁20の内部で遮断される。電気信号が中断すると、空気入口ポート99は遮断され、排気ポート100が供給ポート101と結合する。エアキャビティ80を充填する加圧空気は、通路98、供給ポート101、及び排気ポート100から順次排気される。
【0050】
ソレノイド弁20は、当業者には理解されるように、流路間で加圧空気の流れを切り替えるように動作する任意の三方弁又は四方弁であってもよい。分配装置10におけるソレノイド弁20としての使用に適した三方ソレノイド弁の製品種目は、ソレノイド弁のMHA2製品種目であり、Festo Corporation(Hauppauge, New York所在)から市販されている。
【0051】
図3、図3A、及び図7を参照すると、エアピストン78は、エアキャビティ80の軸方向に移動可能な閉鎖壁(confinement wall)を画定し、エアキャビティ80の側壁により気密にされる(pneumatically sealed)。ソレノイド弁20が、通路98を通る加圧空気でエアキャビティ80を充填するように電気信号により切り替えられると、エアピストン78及び針24は、針先76を弁座70から引き離す方向に軸方向に移動し、それにより、開放位置がもたらされる。逆に、ソレノイド弁20が、電気信号を除去することで加圧空気をエアキャビティ80から排気するように切り替えられると、エアピストン78及び針24は、針先76を弁座70と接触させる方向に軸方向に移動し、それにより、閉鎖位置がもたらされる。
【0052】
ソレノイド弁20の排気ポート100は、熱障壁96内に形成される溝路104により本体22内の空気通路102と流体結合する。熱障壁96内には、供給ポート101を通路98と結合させる開口103も設けられる。エアキャビティ80から排気される加圧空気は、分配装置10が閉鎖してエアピストン78の移動がその閉鎖位置へ向かう際、エアキャビティ80の急激な減圧により冷却される。エアキャビティ80からの冷却された排気は、両閉端間の溝路104により、排気ポート100から空気通路102、続いて、針24の長さを囲む空気プレナム106にかけて導かれる。排気は、本体22内に横断方向に穿孔されている出口通路108を通って、最終的に分配装置10の周囲環境に至るが、明確にするため、実際の配向角度とは変えられている。低温の排気の流れにより、針24及び本体22から熱が除去される。熱は、廃棄するために分配装置10の周囲環境へ放出される。低温の排気の流れは、本体22及び針24から流体チャンバハウジング28及びノズル35への伝熱流を低減することによって、ノズル先端46の温度の厳密な調整に関与する。これにより、本体22の内部で時期尚早のゲル化及び/又は硬化が生じることが防止又は低減される。熱障壁96内の溝路104及び本体22内の空気通路102は協働して、空気流の方向を変えることによって排気される加圧空気により生じるノイズをさらに低減する。
【0053】
熱障壁96、及び本体22内の通路102及び108並びにプレナム106を通って冷却された排気の能動的な空気流は、個別に又は全体として考慮すると、本体22内の熱負荷の熱的管理の助けとなる。この結果、外部の熱源は、ノズル35の温度、及び分配サイクルの際にノズルの内部にある粘性材料の温度に対し影響を及ぼさないか、又は少なくとも最小限の影響しか及ぼさない。
【0054】
ソレノイド弁20は、エアピストン78を静止状態からより速く加速させることによって分配装置10の動作速度を増大させるために、ソレノイド弁20の電磁コイル(図示せず)を導通させるドライバ回路20aによりオーバードライブされ得る。分配装置10を開放するための全応答時間は、電気信号がソレノイド弁20に最初に供給された瞬間から、分配装置10が完全に開放する瞬間までを測定される。全応答時間は、ソレノイド弁20が切り替わって加圧空気を最大流量で通路98に供給するのに必要とされるソレノイド応答時間によるものと、エアキャビティ80を加圧空気で充填するのに必要とされる充填時間(針24が完全に開放された位置にくると終了する)によるものとから成る。ソレノイド応答時間は、ソレノイド弁20の定格電圧を超えて切り替わる際、ドライバ回路20aに、電磁コイルにオーバードライブ電圧を印加させることにより短縮され、これにより、弁応答時間全体が短くなる。例えば、ドライブ回路20aにより、定格5VDCのソレノイド弁20を24VDCの電圧で導通させて、応答時間を短くし、ソレノイド弁20を損傷させることなく開放した状態に維持するように調整することができる。本体22とのソレノイド弁20の密接な結合とともに、ドライバ回路20aのオーバードライブにより、ソレノイド弁20の電気的応答時間も含め4ミリ秒未満で、エアキャビティ80を充填し、針24を開放状態にすることが可能となる。ソレノイド弁20のオーバードライブにより、エアキャビティ80を充填するのに必要とされる時間に対するソレノイド応答に起因する時間的関与を短縮することによって分配装置10を開放する全応答時間が短縮される。通常、3〜4ミリ秒で、エアキャビティ80が空気圧を排気されるとともに針24が閉鎖状態に移動する。この結果、分配装置10を閉鎖するのに必要とされる時間の一部が分配装置10を開放するのに必要とされる時間と重なり得るため、約200Hzの最大動作周波数となる。
【0055】
図3及び図3Aを参照すると、排気に関連する音波を減衰する消音器(sonic muffler)110が本体22内の空気通路102内に設けられ、この消音器110は、エアピストン78の閉鎖応答時間を著しく遅延させることなくエアキャビティ80からの排気に関連するノイズを有意に低減する。消音器110は、例えば、スチールウール、ポリウレタン、又は金属(例えば、青銅、スチール、又はアルミニウム)から形成される多孔質構造であってもよく、又は空気通路102内の空気流を偏向、抑制、又は他の方法で調整することによって空気流を低速にする、内部通路を有するそらせ板(baffle:バッフル)から構成されてもよい。消音器110により生じる背圧は、エアキャビティ80内の関連する空気圧にて分配装置10を閉鎖するための応答時間には影響を及ぼさない。ソレノイド弁20の排気ポート100は、本体22内の空気通路102と流体結合するため、従来の消音器を排気ポート100に取り付けることはできない。
【0056】
ストローク調整アセンブリは、スリーブ116、スリーブ116と螺合する予荷重ねじ(load screw)112、及び予荷重ねじ112により圧縮される圧縮ばね114を有し、この圧縮ばね114は、針24の針先76に対向した端に近接したロードボタン(load button:荷重ボタン)115に対し軸方向の荷重を加える。予荷重ねじ112は、スリーブ116を介して本体22に固定され、本体22に対する回転により軸方向に移動可能である。圧縮ばね114は、部分的に圧縮され、それにより、スリーブ116に対し予荷重ばね112の軸方向位置を調整することにより予荷重される。この予荷重ばねの付勢が行われた後、予荷重ねじ112及びスリーブ116の相対位置に対し恒久的に固定されるようにスレッドロッカー(treadlocker:ねじロック剤)が用いられる。
【0057】
ストローク調整ノブ118が予荷重ねじ112に固定され、その後、ストローク調整ノブ118を用いて、本体22に対して予荷重ねじ112及びスリーブ116を回転させ、弁座70に対して針先76のストローク長を画定するようにする。ゼロストローク長設定の最大予荷重ばね付勢の分配装置10が、図3に示されている。ストローク長の設定により、予荷重ばね付勢の程度が変更される。
【0058】
予荷重ばね付勢を克服するために十分な加圧空気がエアキャビティ80に供給される場合、エアピストン78は、針24及びロードボタン115を弁座70から離す方向に保持する。ロードボタン115とスリーブ116の接触は停止として作用する。結果として、針先76が弁座70から離れ、少量の粘性材料が弁座ディスク62の流体通路64へ流入する。空気圧がエアキャビティ80から排気されると、ばね114からの軸方向荷重により、針24が急激に弁座70へ移動し、これにより、通路72内にある少量の粘性材料が吐出孔74から押し出される。
【0059】
ストローク調整設定により変更された予荷重ばね付勢は、伝熱部材44、ノズル35、及び/又は流体チャンバハウジング28が分配装置10から取り外され、且つ清浄及びメンテナンス等の際に交換される場合に維持される。結果として、予荷重ばね付勢は通常、製造時点に、且つ/又は分配装置10が動作を行う前に設定された値を再調整する必要がない。ばね114の予荷重ばね付勢を維持することができることにより、再組立て及び設置が容易となる。
【0060】
針24は、本体22内でのその軸方向への往復移動の際、軸方向に離間した一対の針ガイド又はブシュ122、124によりガイドされ、このうちブシュ124は、軸受スリーブ125内に位置する。ブシュ122、124は、潤滑剤として作用するPEEK含有グラファイト等のプラスチックから形成され得る。ブシュ122、124の軸方向の間隔は、内部の針24の部分の直径の少なくとも4倍であるように選択され、これは、有利には、複数の分配サイクルにわたって弁座70と繰り返し接触且つシールする針先76の正確な軸方向ガイドを提供且つ保持する。針24の一部を囲む流体シール部126及び針24の異なる部分を囲む流体シール部128は、流体チャンバ60及びエアキャビティ80それぞれをブシュ122、124間の穴26の部分から分離する。
【0061】
同様の参照符号が図1〜図7の同様の特徴を示す図8を参照するとともに、本発明の代替的な一実施形態によれば、ライナ130を流体チャンバハウジング28の内部に配置することができる。ライナ130は、流体チャンバハウジング28の内表面を湿潤させない流体障壁として作用する。ライナ130は、流体チャンバハウジング28から取り外し可能であるため、交換可能である。したがって、流体チャンバハウジング28が本体22から取り外されて新しい又は清浄なライナ130を単に挿入することにより容易に再使用可能である場合、これらの内表面を清浄する必要がない。
【0062】
ライナ130は、アルミニウム及びポリマー(ナイロン)が挙げられるがこれらに限定されない任意の適した材料から形成されることができる。ライナ130は、清浄され、再使用されてもよく、又は比較的安価な材料から形成される場合は単に廃棄されてもよい。ライナ130は、ライナ130とともに取り外し可能な一体型弁座ディスク132、流体管継手134、及び流体シール部135を有するものとして示されているが、本発明はそのように限定されない。
【0063】
同様の参照符号が図1〜図7の同様の特徴を示す図9A及び図9Bを参照するとともに、本発明の代替的な一実施形態によれば、弁座ディスク62(図5A及び図5B)と同様であり、分配装置10(図1)との使用に適した弁座ディスク136は、出口140及び入口142を有する吐出通路138を有する。閉鎖位置では、針先76(図5A)は、入口142から離隔した弁座146の両端にわたる円錐台状面144に接触する。弁座146の幾何学形状は、針先76と円錐台状面144の繰り返しの接触による塑性変形又はコイニングによって確定され得る。弁座146は、弁座146に対する針先76の繰り返し作用による円錐台状面144の漸次的な摩耗、及び吐出される粘性材料に摩滅(abrasives)があることにより、分配装置10(図1)の動作の際に拡がり得る。弁座146は入口142から離隔しているため、針先76との接触による弁座146の幾何学的変化は、入口142に著しい衝撃は与えない。弁座ディスク136は、弁座ディスク62と同じ材料から形成されてもよく、代替的に弁座ディスク136又は少なくとも円錐台状面144は、このような硬度範囲の物質で被覆されてもよい。このことは、円錐台状面144の摩耗が低減するため、摩滅性がある粘性材料を吐出する際に有益であり得る。
【0064】
円錐台状面144のうち弁座146を画定する部分が塑性変形して最初の弁座146を画定してから、弁座ディスク136が分配装置10内に設置され、閉鎖位置にて針先76と接触する。この使用前の凹部形成(dimpling:ディンプリング)により、針先76と接触する弁座146の面積が増大する。分配装置10において許容される場合、凹部形成のない弁座の初期の摩耗高さ(wear rate:摩耗率)は、その後の摩耗高さよりも著しく大きい。初期の弁座146を画定する円錐台状面144の使用前の凹部形成は、弁座ディスク136が分配装置10に最初に設置されたときに高い初期摩耗を被らないように摩耗曲線を平坦にするように作用する。使用前の凹部形成により、高い且つ/又は非線形の初期摩耗高さを被らずに設置されるとすぐに低い線形状態で液体ディスペンサ10を動作させることが可能となる。
【0065】
図10を参照するとともに、本発明の代替的な一実施形態によれば、流体管56を介して本体22(図3)に伝導される粘性材料の温度を上昇させるために熱を加えるヒータ150を流体管56の長さに沿って配置することができる。ヒータ150は、良好な熱接触により流体管56に取り付けられる熱伝導ブロック又は熱伝導体152を有する。熱伝導体152との熱的接触の際、対応するブラインド穴内に、加熱要素154及び温度センサ156が配置される。電気リード線が加熱要素154及び温度センサ156からコントローラ27に延びる。熱伝導体152は、溝が各シェル半体152a、152b内に形成されているクラムシェル型の構造を有し得、この内部に流体管56が収容され、伝熱に効果的な接触をなす。ヒータ150によって流体管56の内部の粘性材料へ供給される熱は、ノズル35(図3A)の粘性材料の加熱を補い、また、吐出通路72(図4)内の粘性材料の流れが、単独のノズル35内の伝熱による効果的な温度制御には速すぎる高流量で分配するのに特に有用となり得る。
【0066】
同様の参照符号が図3Aの同様の特徴を示す図11を参照するとともに、本発明の代替的な形態によれば、伝熱部材44は、入口通路86及び出口通路88と結合する環状内部プレナム160を有し得る。プレナム160は、伝熱部材44の周りに延在し、その結果、ノズルマウント48の軸長が囲まれる。空気導管83から入口通路86に供給される冷媒ガスは、プレナム160を流れ、出口通路88から排気してポジティブな流体流を形成する。内部プレナム160は、個別に提供されてもよく、又はプレナム90(図3A)と組み合わせて提供されてもよい。
【0067】
本発明を、各種実施形態の説明により示し、これらの実施形態をかなり詳細に説明してきたが、添付の特許請求の範囲をこのような詳細に限定又はいずれにしても制限することを本出願人は意図しない。さらなる利点及び変更が当業者には容易に理解されるであろう。したがって、本発明はそのより広い態様において、特定の詳細、代表的な装置及び方法、並びに図示し記載した説明的な例に限定されない。したがって、本出願人の一般的発明概念の精神又は範囲から逸脱せずにかかる詳細から発展させることができる。本発明の範囲自体は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の一実施形態による分配装置の斜視図である。
【図2】明確にするため、電気ケーブル及び空気導管がない状態で示す、図1の分配装置の上面図である。
【図3】図1の線3−3に概ね沿った、分配装置の断面図である。
【図3A】図3の一部の拡大図である。
【図4】図3Aの一部の拡大図である。
【図5A】本発明の一実施形態による針先および弁座ディスクを示す図である。
【図5B】明確にするため、針先が除かれた状態での、閉鎖位置での針先との接触後の弁座の周りの弁座ディスクの塑性変形を示す、図5Aと同様の図である。
【図6】図1の分配装置において使用する針先の代替的な一実施形態の側面図である。
【図7】ソレノイド弁を本体から分離及び断熱する熱障壁の一実施形態の斜視図である。
【図8】図1の分配装置とともに用いる流体チャンバハウジングの代替的な一実施形態の部分断面図である。
【図9A】分配装置において用いる弁座ディスクの代替的な一実施形態の上面図である。
【図9B】分配装置において用いる弁座ディスクの代替的な一実施形態の断面図である。
【図10】本発明の一実施形態による流体管ヒータの斜視図である。
【図11】本発明の代替的な一実施形態による、図3Aと同様の断面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘性材料を分配する装置であって、
吐出口、エアキャビティ、及び、加圧空気を前記エアキャビティに選択的に作用することにより、前記粘性材料の流れが前記吐出口に導かれる開放位置と前記吐出口への前記粘性材料の流れが遮断される閉鎖位置との間で移動可能な弁要素を有する本体と、
少なくとも、前記弁要素が前記開放状態から前記閉鎖位置に移動する際に、前記エアキャビティと流体連通状態に選択的に結合する排気ポートを有するソレノイド弁と、
前記本体内に延在する空気通路であって、前記エアキャビティから排気された前記加圧空気が該空気通路を流れて前記本体を冷却するように、前記ソレノイド弁の前記排気ポートにより前記本体の前記エアキャビティと結合する、空気通路と
を備える、粘性材料を分配する装置。
【請求項2】
前記空気通路は、前記本体内に形成されるプレナムを有し、該プレナムは、前記弁要素の一部を囲む関係を有し、前記空気通路を流れる加圧空気を受け入れるように前記空気通路と結合する、請求項1に記載の粘性材料を分配する装置。
【請求項3】
前記空気通路内に配置されるノイズ低減装置をさらに備え、該ノイズ低減装置は、前記空気通路を流れる加圧空気による音鳴りの発生を低減するように構成される、請求項2に記載の粘性材料を分配する装置。
【請求項4】
前記排気ポートと結合する第1の閉端及び前記空気通路と結合する第2の閉端を有する溝路を有する熱障壁をさらに備え、該熱障壁は、前記溝路が閉鎖されるように前記ソレノイド弁と前記本体との間に位置する、請求項1に記載の粘性材料を分配する装置。
【請求項5】
装置であって、
粘性材料の流れを受け入れる吐出通路を有する分配体と、
前記分配体と熱的に結合する伝熱部材と、
前記伝熱部材と熱的に結合する温度センサと、
前記伝熱部材を冷却する冷却手段と、
前記温度センサ及び前記冷却手段と電気的に結合するコントローラであって、前記温度センサから受け取った温度信号に応答して、前記冷却手段に前記伝熱部材及び前記分配体を冷却させる、コントローラと
を備える装置。
【請求項6】
前記冷却手段は、
冷媒流体を供給することが可能な冷媒流体供給源と、
前記伝熱部材内に延在する流体通路と
をさらに備え、
前記流体通路は、前記冷媒流体供給源と流体連通状態に結合して、前記流体通路に前記冷媒流体の流れを導く、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記冷媒流体はガスである、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記温度センサは電気リード線を有し、
前記装置は、前記冷媒ガス供給部を前記流体通路と結合させる管腔を有する流体導管をさらに備え、前記電気リード線は、前記温度センサから前記流体導管の前記管腔に通される、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記分配体を保持する本体であって、前記分配体は、前記伝熱部材により該本体に取り外し自在に固定される、本体と、
前記本体内に配置される弁要素であって、前記粘性材料が前記分配体の前記吐出通路に流れる開放位置、及び前記吐出通路への前記粘性材料の流れが遮断される閉鎖位置を有する弁要素と
をさらに備える、請求項5に記載の装置。
【請求項10】
前記分配体は、第1の円錐台状面を有し、前記伝熱部材は、前記第1の円錐台状面と接触している第2の円錐台状面を有し、該第2の円錐台状面は、前記第1の円錐台状面に軸方向荷重を加えて、前記分配体を前記本体と固定するようにする、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記冷却手段は熱電冷却装置をさらに備える、請求項5に記載の装置。
【請求項12】
前記コントローラと動作可能に結合するとともに、前記伝熱部材と熱的に結合する加熱要素をさらに備え、前記コントローラは、前記温度センサから受け取った温度信号に応答して、前記加熱要素に前記伝熱部材及び前記分配体を加熱させる、請求項5に記載の装置。
【請求項13】
粘性液体の流れを制御するように動作可能な往復動弁要素を有する、分配装置用の弁座ディスクであって、
通路、前記粘性材料の流れを受け入れるように位置する前記通路の入口、及び前記通路を囲む弁座を有する本体を備え、前記弁座は、前記通路への前記粘性材料の流れを遮断するように前記弁要素と接触することが可能であり、前記入口は、前記弁要素が該入口に接触しないように前記通路から離隔している、分配装置用の弁座ディスク。
【請求項14】
前記弁座ディスクは、前記弁要素に対峙する円錐台状面を有し、該円錐台状面は前記弁座を前記入口から引き離す、請求項13に記載の分配装置用の弁座ディスク。
【請求項15】
前記弁座は前記円錐台状面に環状領域として画定される、請求項14に記載の分配装置用の弁座ディスク。
【請求項16】
分配装置であって、
本体と、
前記本体に取り外し自在に取り付けられるとともに、吐出口を有するノズルと、
前記粘性材料が前記吐出口に流れる開放位置と前記吐出口への前記粘性材料の流れが遮断される閉鎖位置との間で前記本体内を移動可能な弁要素と、
前記ノズルが前記本体に取り付けられる際に前記ノズル及び前記本体の間に配置される弁座ディスクとを備え、
前記弁座ディスクは、通路、前記粘性材料の流れを受け入れるように位置する前記通路の入口、及び前記通路を囲む弁座を有し、該弁座は、前記通路への前記粘性材料の流れを遮断するよう、前記弁要素と接触するように前記弁座ディスクに位置し、前記入口は、前記弁要素が該入口に接触しないように前記通路から離隔している、分配装置。
【請求項17】
前記弁座ディスクは、前記弁要素に対峙する円錐台状面を有し、該円錐台状面は、前記弁座を前記入口から離す、請求項16に記載の分配装置。
【請求項18】
前記弁座は、前記円錐台状面に環状領域として画定される、請求項17に記載の分配装置。
【請求項19】
前記弁座ディスクは前記ノズルと一体形である、請求項16に記載の分配装置。
【請求項20】
粘性材料を分配する装置であって、
本体と、
前記本体に取り外し自在に取り付けられ、流体チャンバを画定する流体チャンバハウジングと、
前記流体チャンバハウジングに取り外し自在に取り付け可能なノズルであって、該ノズルが前記流体チャンバハウジングに取り付けられる際に前記流体チャンバと流体連通状態に選択的に結合する吐出通路を有する、ノズルと、
前記流体チャンバハウジングの内側に取り外し自在に配置されるライナであって、前記流体チャンバハウジングの内壁を前記粘性液体と接触しないように覆うライナと
を備える、粘性材料を分配する装置。
【請求項21】
前記吐出通路を前記流体チャンバと流体連通状態に選択的に結合させる、前記本体内を移動可能な弁要素をさらに備え、
前記弁要素は、前記粘性材料が前記流体チャンバから前記吐出通路に流れる開放位置、及び前記流体チャンバから前記吐出通路への前記粘性材料の流れが遮断される閉鎖位置を有する、請求項20に記載の粘性材料を分配する装置。
【請求項22】
前記ライナは、前記吐出通路への前記粘性材料の流れを遮断するよう、前記弁要素と接触するように位置する弁座を有する、請求項21に記載の粘性材料を分配する装置。
【請求項23】
粘性材料の流れを調整するよう、開放位置と閉鎖位置との間で移動可能な弁要素を有する、粘性材料のための分配装置用のノズルアセンブリであって、
吐出通路を有するノズルと、
前記ノズルの前記吐出通路と結合する吐出通路を有する弁座ディスク、及び該弁座ディスクの前記吐出通路への前記粘性材料の流れを遮断するよう、前記閉鎖位置にて前記弁要素と接触するように位置する弁座と、
前記弁要素が開いているときに前記弁座ディスクの前記吐出通路へ流すための前記粘性材料を収容する流体チャンバハウジングと、
前記分配装置に取り外し自在に取り付けられるリテーナであって、前記弁座ディスクが前記ノズル及び前記流体チャンバの間に配置された状態で、前記弁座ディスク、前記流体チャンバハウジング、及び前記ノズルを前記分配装置に固定する、リテーナと
を備える、粘性材料のための分配装置用のノズルアセンブリ。
【請求項24】
前記ノズルは、円錐台状面を有し、前記リテーナは、前記ノズルの前記円錐台状面に接触する円錐台状面を有する部材であって、前記弁座ディスク、前記流体チャンバハウジング、及び前記ノズルを前記分配装置に固定するように軸力を加える部材を有する、請求項23に記載の粘性材料のための分配装置用のノズルアセンブリ。
【請求項25】
粘性材料の流れを調整するよう、開放位置と閉鎖位置との間で移動可能な弁要素を有する、粘性材料のための分配装置用のノズルアセンブリであって、
前記粘性材料の流れを受け入れるように位置する吐出通路を有する分配体であって、前記吐出通路は、前記粘性材料を吐出する吐出口を有する、分配体と、
前記分配体を前記分配装置に取り外し自在に取り付ける伝熱体であって、該伝熱体は、冷媒ガスの流れを受け入れるようになっている流体通路を有し、該流体通路は、該流体通路を出る前記冷媒ガスの流れが前記吐出通路から吐出される前記粘性材料と衝突しないように配置される、粘性材料のための分配装置用のノズルアセンブリ。
【請求項26】
粘性材料の流れを調整するよう、開放位置と閉鎖位置との間で移動可能な弁要素を有する、粘性材料のための分配装置用のノズルアセンブリであって、
吐出通路を有する分配体と、
前記分配体の前記吐出通路と結合する吐出通路を有する弁座ディスクと、該弁座ディスクの前記吐出通路への前記粘性材料の流れを遮断するよう、前記閉鎖位置にて前記弁要素と接触するように位置する弁座と、
前記弁座ディスクが前記分配体及び前記弁要素の間に配置されるように、前記分配体及び前記弁座を前記分配装置に取り外し自在に固定する伝熱体と
を備える、粘性材料のための分配装置用のノズルアセンブリ。
【請求項27】
前記伝熱体は、前記冷媒ガスの流れを内部へ導くようになっている流体通路を有し、該流体通路は、該流体通路を出る前記冷媒ガスの流れが前記吐出通路から吐出される粘性材料と衝突しないように配置される、請求項26に記載の粘性材料のための分配装置用のノズルアセンブリ。
【請求項28】
粘性材料を分配する方法であって、
前記粘性材料をノズルの吐出通路内に導くこと、
前記ノズルの温度を検知すること、
前記ノズルの前記検知された温度を設定点温度と比較すること、及び
前記ノズルの温度が前記設定点温度よりも高い場合、前記ノズルを能動的に冷却すること
を含む、粘性材料を分配する方法。
【請求項29】
前記ノズルを能動的に冷却することは、冷媒流体の流れを前記ノズルの通路内に導くことをさらに含む、請求項28に記載の粘性材料を分配する方法。
【請求項30】
前記ノズルを通る前記冷媒流体の流れが、前記吐出される粘性材料の分配パターンに影響を及ぼさないように、前記吐出通路からの前記粘性材料を前記ノズルに位置する吐出口から吐出することをさらに含む、請求項29に記載の粘性材料を分配する方法。
【請求項31】
前記ノズルの温度が前記設定点温度未満である場合、前記ノズルを加熱することをさらに含む、請求項28に記載の粘性材料を分配する方法。
【請求項32】
前記ノズルが該ノズルの温度を上げるように加熱される第1の動作状態と、前記ノズルが該ノズルの温度を下げるように能動的に冷却される第2の動作状態との間で自動的に切り替わることをさらに含む、請求項31に記載の粘性材料を分配する方法。
【請求項33】
前記ノズルの温度を検知することは、前記ノズルの内部に配置される温度センサにより前記ノズルの温度を検知することをさらに含む、請求項28に記載の粘性材料を分配する方法。
【請求項34】
分配装置のための粘性材料を分配する方法であって、
空気圧式アクチュエータから加圧空気を排気することであって、それにより前記分配装置から吐出された前記粘性材料の流れを中断させる、排気すること、及び
前記分配装置内に画定されている空気通路内に排気を導くことにより前記分配装置の一部を冷却すること
をさらに含む、分配装置のための粘性材料を分配する方法。
【請求項35】
前記空気圧式アクチュエータは、前記分配装置に取り付けられているソレノイド弁により制御され、前記分配装置は、前記粘性材料が流れるための通路を有し、前記分配装置の一部を冷却することは、前記ソレノイド弁から前記通路への熱の流れを遮断することを含む、請求項34に記載の分配装置のための粘性材料を分配する方法。
【請求項1】
粘性材料を分配する装置であって、
吐出口、エアキャビティ、及び、加圧空気を前記エアキャビティに選択的に作用することにより、前記粘性材料の流れが前記吐出口に導かれる開放位置と前記吐出口への前記粘性材料の流れが遮断される閉鎖位置との間で移動可能な弁要素を有する本体と、
少なくとも、前記弁要素が前記開放状態から前記閉鎖位置に移動する際に、前記エアキャビティと流体連通状態に選択的に結合する排気ポートを有するソレノイド弁と、
前記本体内に延在する空気通路であって、前記エアキャビティから排気された前記加圧空気が該空気通路を流れて前記本体を冷却するように、前記ソレノイド弁の前記排気ポートにより前記本体の前記エアキャビティと結合する、空気通路と
を備える、粘性材料を分配する装置。
【請求項2】
前記空気通路は、前記本体内に形成されるプレナムを有し、該プレナムは、前記弁要素の一部を囲む関係を有し、前記空気通路を流れる加圧空気を受け入れるように前記空気通路と結合する、請求項1に記載の粘性材料を分配する装置。
【請求項3】
前記空気通路内に配置されるノイズ低減装置をさらに備え、該ノイズ低減装置は、前記空気通路を流れる加圧空気による音鳴りの発生を低減するように構成される、請求項2に記載の粘性材料を分配する装置。
【請求項4】
前記排気ポートと結合する第1の閉端及び前記空気通路と結合する第2の閉端を有する溝路を有する熱障壁をさらに備え、該熱障壁は、前記溝路が閉鎖されるように前記ソレノイド弁と前記本体との間に位置する、請求項1に記載の粘性材料を分配する装置。
【請求項5】
装置であって、
粘性材料の流れを受け入れる吐出通路を有する分配体と、
前記分配体と熱的に結合する伝熱部材と、
前記伝熱部材と熱的に結合する温度センサと、
前記伝熱部材を冷却する冷却手段と、
前記温度センサ及び前記冷却手段と電気的に結合するコントローラであって、前記温度センサから受け取った温度信号に応答して、前記冷却手段に前記伝熱部材及び前記分配体を冷却させる、コントローラと
を備える装置。
【請求項6】
前記冷却手段は、
冷媒流体を供給することが可能な冷媒流体供給源と、
前記伝熱部材内に延在する流体通路と
をさらに備え、
前記流体通路は、前記冷媒流体供給源と流体連通状態に結合して、前記流体通路に前記冷媒流体の流れを導く、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記冷媒流体はガスである、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記温度センサは電気リード線を有し、
前記装置は、前記冷媒ガス供給部を前記流体通路と結合させる管腔を有する流体導管をさらに備え、前記電気リード線は、前記温度センサから前記流体導管の前記管腔に通される、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記分配体を保持する本体であって、前記分配体は、前記伝熱部材により該本体に取り外し自在に固定される、本体と、
前記本体内に配置される弁要素であって、前記粘性材料が前記分配体の前記吐出通路に流れる開放位置、及び前記吐出通路への前記粘性材料の流れが遮断される閉鎖位置を有する弁要素と
をさらに備える、請求項5に記載の装置。
【請求項10】
前記分配体は、第1の円錐台状面を有し、前記伝熱部材は、前記第1の円錐台状面と接触している第2の円錐台状面を有し、該第2の円錐台状面は、前記第1の円錐台状面に軸方向荷重を加えて、前記分配体を前記本体と固定するようにする、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記冷却手段は熱電冷却装置をさらに備える、請求項5に記載の装置。
【請求項12】
前記コントローラと動作可能に結合するとともに、前記伝熱部材と熱的に結合する加熱要素をさらに備え、前記コントローラは、前記温度センサから受け取った温度信号に応答して、前記加熱要素に前記伝熱部材及び前記分配体を加熱させる、請求項5に記載の装置。
【請求項13】
粘性液体の流れを制御するように動作可能な往復動弁要素を有する、分配装置用の弁座ディスクであって、
通路、前記粘性材料の流れを受け入れるように位置する前記通路の入口、及び前記通路を囲む弁座を有する本体を備え、前記弁座は、前記通路への前記粘性材料の流れを遮断するように前記弁要素と接触することが可能であり、前記入口は、前記弁要素が該入口に接触しないように前記通路から離隔している、分配装置用の弁座ディスク。
【請求項14】
前記弁座ディスクは、前記弁要素に対峙する円錐台状面を有し、該円錐台状面は前記弁座を前記入口から引き離す、請求項13に記載の分配装置用の弁座ディスク。
【請求項15】
前記弁座は前記円錐台状面に環状領域として画定される、請求項14に記載の分配装置用の弁座ディスク。
【請求項16】
分配装置であって、
本体と、
前記本体に取り外し自在に取り付けられるとともに、吐出口を有するノズルと、
前記粘性材料が前記吐出口に流れる開放位置と前記吐出口への前記粘性材料の流れが遮断される閉鎖位置との間で前記本体内を移動可能な弁要素と、
前記ノズルが前記本体に取り付けられる際に前記ノズル及び前記本体の間に配置される弁座ディスクとを備え、
前記弁座ディスクは、通路、前記粘性材料の流れを受け入れるように位置する前記通路の入口、及び前記通路を囲む弁座を有し、該弁座は、前記通路への前記粘性材料の流れを遮断するよう、前記弁要素と接触するように前記弁座ディスクに位置し、前記入口は、前記弁要素が該入口に接触しないように前記通路から離隔している、分配装置。
【請求項17】
前記弁座ディスクは、前記弁要素に対峙する円錐台状面を有し、該円錐台状面は、前記弁座を前記入口から離す、請求項16に記載の分配装置。
【請求項18】
前記弁座は、前記円錐台状面に環状領域として画定される、請求項17に記載の分配装置。
【請求項19】
前記弁座ディスクは前記ノズルと一体形である、請求項16に記載の分配装置。
【請求項20】
粘性材料を分配する装置であって、
本体と、
前記本体に取り外し自在に取り付けられ、流体チャンバを画定する流体チャンバハウジングと、
前記流体チャンバハウジングに取り外し自在に取り付け可能なノズルであって、該ノズルが前記流体チャンバハウジングに取り付けられる際に前記流体チャンバと流体連通状態に選択的に結合する吐出通路を有する、ノズルと、
前記流体チャンバハウジングの内側に取り外し自在に配置されるライナであって、前記流体チャンバハウジングの内壁を前記粘性液体と接触しないように覆うライナと
を備える、粘性材料を分配する装置。
【請求項21】
前記吐出通路を前記流体チャンバと流体連通状態に選択的に結合させる、前記本体内を移動可能な弁要素をさらに備え、
前記弁要素は、前記粘性材料が前記流体チャンバから前記吐出通路に流れる開放位置、及び前記流体チャンバから前記吐出通路への前記粘性材料の流れが遮断される閉鎖位置を有する、請求項20に記載の粘性材料を分配する装置。
【請求項22】
前記ライナは、前記吐出通路への前記粘性材料の流れを遮断するよう、前記弁要素と接触するように位置する弁座を有する、請求項21に記載の粘性材料を分配する装置。
【請求項23】
粘性材料の流れを調整するよう、開放位置と閉鎖位置との間で移動可能な弁要素を有する、粘性材料のための分配装置用のノズルアセンブリであって、
吐出通路を有するノズルと、
前記ノズルの前記吐出通路と結合する吐出通路を有する弁座ディスク、及び該弁座ディスクの前記吐出通路への前記粘性材料の流れを遮断するよう、前記閉鎖位置にて前記弁要素と接触するように位置する弁座と、
前記弁要素が開いているときに前記弁座ディスクの前記吐出通路へ流すための前記粘性材料を収容する流体チャンバハウジングと、
前記分配装置に取り外し自在に取り付けられるリテーナであって、前記弁座ディスクが前記ノズル及び前記流体チャンバの間に配置された状態で、前記弁座ディスク、前記流体チャンバハウジング、及び前記ノズルを前記分配装置に固定する、リテーナと
を備える、粘性材料のための分配装置用のノズルアセンブリ。
【請求項24】
前記ノズルは、円錐台状面を有し、前記リテーナは、前記ノズルの前記円錐台状面に接触する円錐台状面を有する部材であって、前記弁座ディスク、前記流体チャンバハウジング、及び前記ノズルを前記分配装置に固定するように軸力を加える部材を有する、請求項23に記載の粘性材料のための分配装置用のノズルアセンブリ。
【請求項25】
粘性材料の流れを調整するよう、開放位置と閉鎖位置との間で移動可能な弁要素を有する、粘性材料のための分配装置用のノズルアセンブリであって、
前記粘性材料の流れを受け入れるように位置する吐出通路を有する分配体であって、前記吐出通路は、前記粘性材料を吐出する吐出口を有する、分配体と、
前記分配体を前記分配装置に取り外し自在に取り付ける伝熱体であって、該伝熱体は、冷媒ガスの流れを受け入れるようになっている流体通路を有し、該流体通路は、該流体通路を出る前記冷媒ガスの流れが前記吐出通路から吐出される前記粘性材料と衝突しないように配置される、粘性材料のための分配装置用のノズルアセンブリ。
【請求項26】
粘性材料の流れを調整するよう、開放位置と閉鎖位置との間で移動可能な弁要素を有する、粘性材料のための分配装置用のノズルアセンブリであって、
吐出通路を有する分配体と、
前記分配体の前記吐出通路と結合する吐出通路を有する弁座ディスクと、該弁座ディスクの前記吐出通路への前記粘性材料の流れを遮断するよう、前記閉鎖位置にて前記弁要素と接触するように位置する弁座と、
前記弁座ディスクが前記分配体及び前記弁要素の間に配置されるように、前記分配体及び前記弁座を前記分配装置に取り外し自在に固定する伝熱体と
を備える、粘性材料のための分配装置用のノズルアセンブリ。
【請求項27】
前記伝熱体は、前記冷媒ガスの流れを内部へ導くようになっている流体通路を有し、該流体通路は、該流体通路を出る前記冷媒ガスの流れが前記吐出通路から吐出される粘性材料と衝突しないように配置される、請求項26に記載の粘性材料のための分配装置用のノズルアセンブリ。
【請求項28】
粘性材料を分配する方法であって、
前記粘性材料をノズルの吐出通路内に導くこと、
前記ノズルの温度を検知すること、
前記ノズルの前記検知された温度を設定点温度と比較すること、及び
前記ノズルの温度が前記設定点温度よりも高い場合、前記ノズルを能動的に冷却すること
を含む、粘性材料を分配する方法。
【請求項29】
前記ノズルを能動的に冷却することは、冷媒流体の流れを前記ノズルの通路内に導くことをさらに含む、請求項28に記載の粘性材料を分配する方法。
【請求項30】
前記ノズルを通る前記冷媒流体の流れが、前記吐出される粘性材料の分配パターンに影響を及ぼさないように、前記吐出通路からの前記粘性材料を前記ノズルに位置する吐出口から吐出することをさらに含む、請求項29に記載の粘性材料を分配する方法。
【請求項31】
前記ノズルの温度が前記設定点温度未満である場合、前記ノズルを加熱することをさらに含む、請求項28に記載の粘性材料を分配する方法。
【請求項32】
前記ノズルが該ノズルの温度を上げるように加熱される第1の動作状態と、前記ノズルが該ノズルの温度を下げるように能動的に冷却される第2の動作状態との間で自動的に切り替わることをさらに含む、請求項31に記載の粘性材料を分配する方法。
【請求項33】
前記ノズルの温度を検知することは、前記ノズルの内部に配置される温度センサにより前記ノズルの温度を検知することをさらに含む、請求項28に記載の粘性材料を分配する方法。
【請求項34】
分配装置のための粘性材料を分配する方法であって、
空気圧式アクチュエータから加圧空気を排気することであって、それにより前記分配装置から吐出された前記粘性材料の流れを中断させる、排気すること、及び
前記分配装置内に画定されている空気通路内に排気を導くことにより前記分配装置の一部を冷却すること
をさらに含む、分配装置のための粘性材料を分配する方法。
【請求項35】
前記空気圧式アクチュエータは、前記分配装置に取り付けられているソレノイド弁により制御され、前記分配装置は、前記粘性材料が流れるための通路を有し、前記分配装置の一部を冷却することは、前記ソレノイド弁から前記通路への熱の流れを遮断することを含む、請求項34に記載の分配装置のための粘性材料を分配する方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図3A】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図3A】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2007−530249(P2007−530249A)
【公表日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−520186(P2006−520186)
【出願日】平成16年6月25日(2004.6.25)
【国際出願番号】PCT/US2004/020247
【国際公開番号】WO2005/009627
【国際公開日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願人】(391019120)ノードソン コーポレーション (150)
【氏名又は名称原語表記】NORDSON CORPORATION
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月25日(2004.6.25)
【国際出願番号】PCT/US2004/020247
【国際公開番号】WO2005/009627
【国際公開日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願人】(391019120)ノードソン コーポレーション (150)
【氏名又は名称原語表記】NORDSON CORPORATION
【Fターム(参考)】
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