説明

偏光多重により通信される信号の偏光の監視

【課題】トランスミッタからレシーバへの伝送中に生じる、信号の偏光状態(SOP、state of polarization)の変化の補償が困難な場合がある。
【解決手段】偏光多重化を用いて信号を通信するトランスミッタ変調器である。該トランスミッタ変調器は、第1の変調フォーマットにより第1の信号成分をエンコードする第1の変調器と、第2の変調フォーマットにより、前記第1の信号成分と直交偏光した第2の信号成分をエンコードする第2の変調器と、前記第1の信号成分を変調して前記第1の信号成分に第1の偏光表示波形を導入し、前記第2の信号成分を変調して前記第2の信号成分に第2の偏光表示波形を導入する、前記第1の変調器と前記第2の変調器に結合した偏光表示変調器と、送信するために前記第1の信号成分と前記第2の信号成分とを結合する、前記偏光表示変調器に結合した偏光ビーム結合器とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、信号通信に関し、より具体的には偏光多重により通信される信号の偏光の監視に関する。
【背景技術】
【0002】
偏光多重(polarization multiplexing)を用いて信号通信をする通信システムがある。偏光多重においては、信号は偏光され直交信号成分に分岐される。各信号成分は位相シフトキーイング(PSK)変調等の変調方式(modulation formation)によりデータでエンコード(encode)される。信号成分は結合され、送信される。レシーバは信号を偏光して、2つの直交信号成分に分岐する。各信号成分は復調され、送信されたデータが読み出される。偏光多重によりチャネルの送信容量が二倍になる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、偏光多重には問題もある。一例として、トランスミッタからレシーバへの伝送中に、信号の偏光状態(SOP、state of polarization)が変化することがある。従って、レシーバはこの変化を補償しなければならない。しかし、変化の補償が困難な場合もある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明により、偏光を監視する従来の方法に付随する不利益と問題を軽減または除去することができる。
【0005】
本発明の一実施形態によると、トランスミッタ変調器は、偏光コントローラと、偏光ビームスプリッタと、第1の変調器と、第2の変調器と、偏光表示変調器と、偏光ビーム結合器とを有する。第1の変調器は第1の変調フォーマットにより第1の信号成分をエンコードし、第2の変調器は第2の変調フォーマットにより第2の信号成分をエンコードする。第1の信号成分は第2の信号成分に対して直交偏光している。偏光表示変調器は、第1の信号成分を変調して、第1の偏光表示波形を第1の信号成分に導入し、第2の信号成分を変調して、第2の偏光表示波形を第2の信号成分に導入する。偏光ビーム結合器は、送信するため、第1の信号成分と第2の信号成分とを結合する。
【0006】
本発明の一実施形態によると、受信信号の偏光を監視するシステムは、偏光コントローラと偏光コントローラモニタとを含む。偏光コントローラは、信号を偏光して、第1の信号成分と第2の信号成分とを有する偏光信号を与える。第1の信号成分は第2の信号成分に対して直交偏光している。偏光コントローラモニタは、第1の信号成分の第1の偏光表示波形と、第2の信号成分の第2の偏光表示波形とを監視する。偏光コントローラモニタは、第1の偏光表示波形と第2の偏光表示波形とに応じて前記信号の偏光を調節するかどうか判断する。
【0007】
本発明の実施形態は1つ以上の技術的有利性を提供する。一実施形態の技術的有利性は、偏光多重化を用いて通信される信号成分が、レシーバが偏光コントローラの偏光設定(polarization settings)の調節に使用できる偏光表示波形(polarization indicating waveforms)を有することである。この実施形態では、トランスミッタは、その信号成分に変調表示波形を入れるために信号成分を変調する。レシーバは、その偏光表示波形を用いて、信号成分が正しく偏光しているか判断する。
【0008】
一実施形態の技術的有利性は、レシーバが偏光表示波形を表す偏光表示値を測定できることである。この実施形態では、測定した偏光インジケータ値(measured polarization indicator value)が期待される偏光インジケータ値(expected polarization indicator value)が一致しなければ、レシーバは偏光を調節する。
【0009】
本発明の実施形態には、上記の技術的な有利性を含まないもの、一部を含むもの、すべてを含むものがある。図面、詳細な説明、及び特許請求の範囲に基づき、当業者には容易に1つ以上の技術的な有利性が明らかとなるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明とその特徴及び優位性をよりよく理解してもらうため、添付した図面を参照しつつ以下に説明する。
【0011】
本発明の実施形態とその有利性は、図1乃至図7を参照してよく理解される。図面において、同じ参照符号は同一または対応する要素を示している。
【0012】
図1は、偏光多重化を用いて信号を通信するシステム10の一実施形態を示す図である。この実施形態では、偏光多重化を用いて通信される信号成分は、レシーバが偏光の監視に使用する偏光表示波形(polarization indicating waveforms)を示す。この実施形態では、トランスミッタは、その信号成分に偏光表示波形(polarization indicating waveforms)を入れるために信号成分を変調する。レシーバは、その偏光表示波形を用いて、偏光コントローラから出力される信号成分が正しく偏光しているか判断する。一実施形態では、レシーバは偏光表示波形を表す偏光表示値(polarization indicating value)を測定する。この実施形態では、測定した偏光インジケータ値(measured polarization indicator value)が期待される偏光インジケータ値(expected polarization indicator value)が一致しなければ、レシーバは偏光を調節する。
【0013】
一実施形態では、システム10は信号を通信する。信号は光のパルスとして送信される光信号であってもよい。例えば、光信号の波長は約1550ナノメートルであり、データレートは毎秒10ギガビット、20ギガビット、40ギガビット、またはそれ以上である。信号は、音声、データ、オーディオ、ビデオ、マルチメディアその他の情報、またはこれらの任意の組合せ等の任意の情報を通信ことができる。
【0014】
システム10は複数の装置を含み、その装置はその動作を実行するように動作可能なコンポーネント(components)を有する。例えば、1つの装置(device)はロジック、インターフェイス、メモリ、またはこれらの好適な任意の組合せを含む。「ロジック(logic)」とは、ハードウェア、ソフトウェア、その他のロジック、またはこれらの好適な組合せをいう。ロジックは装置の動作を管理するものであってもよく、例えばプロセッサを含んでいてもよい。「プロセッサ」とは、命令を実行し、データを操作して演算を実行する任意の好適な装置をいう。
【0015】
「インターフェイス」は、入力を受け取り、出力の送り出し、その入出力を好適に処理し、またはこれらの組合せを行うことができ、1つ以上のポート、変換ソフトウェア、またはこれらの両方を含む。「メモリ」は、情報を格納してその読み出し、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、磁気ドライブ、ディスクドライブ、コンパクトディスク(CD)ドライブ、デジタルビデオディスク(DVD)ドライブ、リムーバブルメディアストレージ、その他の任意の好適なストレージメディア、またはこれらの任意の組合せを含む。
【0016】
図示した実施形態では、システム10はトランスミッタ20を含む。このトランスミッタ20はレシーバ28と信号を通信する。トランスミッタ20とレシーバ28は1つまたは複数の変調フォーマットにより通信することもできる。変調フォーマットとは、あるやり方で信号を変調して、その信号にデータをエンコードする方法のことである。変調フォーマットの例としてはPSK(phase-shift keying)変調がある。
【0017】
一実施形態では、PSK変調は差分PSK(DPSK)変調を意味する。DPSK変調では、連続するビット間の位相シフトはビットを表す。n位相シフトキーイング(n−PSK)変調では、n個の相異なる位相シフトを使用してシンボルごとにpビットをエンコードする。ここでn=2である。例えば、差分2値PSK(DBPSK)は2つの位相シフトを使用してシンボルごとに1ビットをエンコードし、差分4相位相シフトキーイングは4つの位相シフトを使用してシンボルごとに2ビットをエンコードする。
【0018】
一実施形態では、トランスミッタ20は、信号にデータをエンコード(encode)するために、偏光多重化を用いて信号を変調する。レシーバ28は偏光多重化を用いて信号を復調し、信号にエンコードされているデータをデコード(decode)する。トランスミッタ20とレシーバ28は、図2を参照して説明する変復調を行う。
【0019】
図2は、図1のシステムが行う信号の偏光多重化の一例を示す図である。ダイアグラム(diagram)12は、PSK変調によりエンコードされた信号を示す。この例では、信号14は波長λを有し、直交偏光された信号成分16、18に分岐される。信号成分16は1つまたは複数の変調フォーマットによりエンコード(encode)され、信号成分18は1つまたは複数の変調フォーマットによりエンコードされている。一例では、信号成分16と18は、同一変調フォーマット(例えば、PSK変調フォーマット)でエンコードされていてもよい。
【0020】
図3は、図1のシステム10で使用するトランスミッタ20の一実施形態を示す図である。トランスミッタ20は、偏光多重化を用いてデータを信号にエンコードする1つまたは複数のコンポーネントを含む。図示した実施形態では、トランスミッタ20は、光源22、偏光コントローラ24、偏光ビームスプリッタ(PBS)26、データ変調器30、偏光インジケータ変調器40、及び偏光ビーム結合器(PBC)50を含み、これらは図のように結合されている。
【0021】
実施形態では、光源22は光ビームを放射し、その光ビームはビットによりエンコードされ情報を通信する信号になる。光源22は連続波の光ビームを放射して、その光ビームを1つ以上の信号成分に分岐してエンコードしてもよい。
【0022】
偏光コントローラ24は、光源22からの信号を偏光して、直交信号成分を生じる。偏光コントローラ24は好適な設定により直交信号成分を与える。例えば、偏光コントローラは約45°に設定される。
【0023】
偏光ビームスプリッタ(PBS)26は信号を分岐して直交信号成分を与える。各信号成分はそれぞれのデータ変調器30で変調される。図示した実施形態では、第1の信号成分をデータ変調器30aで変調し、第2の信号成分をデータ変調器30bで変調する。信号は好適な方法で分割することができる。一実施形態では、信号をデータ変調器30a用の直交信号成分Exと、データ変調器30b用の直交信号成分Eyとに分岐する。
【0024】
データ変調器30(30a及び30b)は、好適な変調フォーマットにより信号を変調してデータをエンコードして、エンコード信号(encoded signal)を与える。データ変調器30a、30bが使用する変調フォーマットは、任意の好適な変調フォーマットでよく、同一のものでも相異なるものであってもよい。
【0025】
一実施形態では、データ変調器30a、30bはPSK変調で信号を変調し、PSKエンコード信号(PSK encoded signals)を与える。この実施形態では、PSK変調器30は1つまたは複数のPSKデータエンコーダを含む。各PSKデータエンコーダは、データ変調器30が受け取った信号の信号成分にデータをエンコードする。PSKデータエンコーダは位相変調器を含む。この位相変調器は信号の位相を変調してデータをその信号にエンコード(encode)する。
【0026】
他の実施形態では、データ変調器30はRZ(return-to-zero)モジュールも含む。RZモジュールはRZ変調によりPSK信号を変調し、各パルス間で信号の振幅をゼロに戻す。RZモジュールはクロックと振幅変調器とを含んでいてもよい。振幅変調器はクロックから受け取ったクロック信号によりPSK信号を変調する。振幅変調器は好適な振幅変調器であればいかなるものであってもよい。一般的に、振幅変調器の例としては、マッハ・ゼンダー変調器等の光強度変調器がある。
【0027】
偏光インジケータ変調器40は、信号成分を変調して、その信号成分に偏光インジケータを導入する。偏光インジケータ(polarization indicators)は、受信信号成分の偏光状態(the state of polarization)と、レシーバ28の偏光ビームスプリッタ(PBS)の軸との間にずれ(misalignment)があるかどうか示すために使用される。一実施形態では、偏光インジケータ変調器40は偏光表示波形を信号成分に導入する。図4Aと図4Bを参照して、偏光表示波形(polarzation indicating waveforms)の例を詳細に説明する。
【0028】
図4Aと図4Bは、図1のシステムで使用し得る偏光インジケータ波形の例を示す図である。偏光インジケータ波形は、特定のデータ変調器30が変調する特定の信号成分に導入される。偏光インジケータ波形の振幅と周波数は好適なものであれば任意である。周波数はトランスミッタ20のビットレートと比較して非常に低い。周波数としては、例えば、RZ DPSK信号のビットレートの1万分の1以下の周波数である。例えば、ビットレートが40×10ビット/秒である場合、周波数は1kHzと20kHzの間であり、例えば10kHzである。
【0029】
ピーク振幅は変調されたPSK信号のピーク振幅と比較して非常に小さい。ピーク振幅の例としては、例えば、全信号パワーの1/4、1/5、1/10、1/20、1/25以下であり、例えば、全信号パワーの5%である。
【0030】
図4Aには、PSK信号に重畳された偏光インジケータ波形64を示すダイアグラム60が含まれている。例示した例では、偏光インジケータ波形64の周波数は比較的低く、約10kHzであり、ピーク振幅は低く、全信号パワーの約5%である。
【0031】
図4Bには、RZ−DPSK信号70に重畳された偏光インジケータ波形74を示すダイアグラム68が含まれている。例示した例では、偏光インジケータ波形74の周波数は比較的低く、約10kHzであり、ピーク振幅は低く、全信号パワーの約5%である。
【0032】
図3に戻って、偏光インジケータ変調器40は、偏光表示波形(polarization indicating waveform)を導入するために信号成分を変調する任意の好適なコンポーネント(components)を含む。図示した実施形態では、偏光インジケータ変調器40は低周波数オシレータ42、スプリッタ44、位相シフタ46、及び変調器48を含む。
【0033】
低周波数オシレータ(LO)42は、周波数fの低周波数信号をスプリッタ44に供給する。周波数fとしては、例えば約10kHzである。スプリッタ44は低周波数信号を分岐して偏光インジケータ信号47a、47bを与える。これらはそれぞれ変調器48a、48bに送られる。位相シフタ46は信号47a、47bをシフトして、信号47a、47b間に位相差を生じさせる。この位相差は、レシーバ28が偏光を調節すべきか判断できるように選択される。例えば、「π」の位相シフトを選択してもよい。
【0034】
変調器48は偏光インジケータ信号47a、47bにより信号成分を変調して、偏光表示波形を信号成分に導入する。図示した実施形態では、偏光インジケータ信号47aから生じる偏光インジケータ波形は1−0.05×cos(2πft)で表され、偏光インジケータ信号47bから生じる変更インジケータ波形は1+0.05×cos(2πft)で表される。
【0035】
変調器48は任意の好適な点で信号成分を変調する。図示した実施形態では、信号成分をデータでエンコードしてから、変調器48がその信号成分を変調する。他の実施形態では、変調器48が信号成分を変調してから、その信号成分にデータをエンコードする。
【0036】
偏光ビームコンバイナ(PBC)50はエンコードされた信号成分を結合してレシーバ28に送信する信号を与える。
【0037】
本発明の範囲から逸脱することなく、トランスミッタ20に修正、追加、または削除をすることができる。トランスミッタ20のコンポーネントは具体的な必要性に応じて一体化されたり、分離されたりしてもよい。さらに、トランスミッタ20の動作を実行する構成要素は、これより多くても少なくてもよいし、他の構成要素であってもよい。また、トランスミッタ20の動作の実行は、いかなる好適なロジックを用いて行われてもよい。本明細書では、「各」とは、集合の各要素、または集合の部分集合の各要素を指す。
【0038】
図5は、図1のシステム10で使用するレシーバ28の一実施形態を示す図である。レシーバ28は、偏光多重化を用いて信号を復調する1つまたは複数の好適なコンポーネントを含む。図示した実施形態では、レシーバ28は偏光コントローラ80、偏光ビームスプリッタ(PBS)84、データ復調器88、偏光コントローラモニタ98を含み、これらは図のように結合している。
【0039】
偏光コントローラ80は、トランスミッタ20から来る直交偏光した信号の偏光状態を、偏光ビームスプリッタ(PBS)84の軸と合わせ直して(realign)、信号間のクロストークを避ける。偏光コントローラ80は、出力される直交偏光された信号の偏光を、PBSの入力に合わせる(align)ように設定する。例えば、偏光コントローラ80は約45°に設定される。一実施形態では、偏光コントローラ80は偏光コントローラモニタ98から命令を受け取る。これについては以下に詳述する。
【0040】
偏光ビームスプリッタ(PBS)84は信号を分岐して直交信号成分を与える。各信号成分はそれぞれのデータ復調器88で復調される。図示した実施形態では、第1の信号成分がデータ復調器88aで復調し、第2の信号成分をデータ復調器88bで復調する。信号は好適な方法で分岐することができる。一実施形態では、信号は直交信号成分に分岐され、1つの信号成分はExにほぼ100%合わされ、他の信号成分はEyにほぼ100%合わされる。成分Exはデータ変調器88aに行き、Eyはデータ変調器88bに行く。
【0041】
データ復調器88は信号成分を復調して伝送されたデータを取得する。データ復調器88は、好適ないかなるフォーマット(例えば、PSK変調)により復調してもよい。一実施形態では、データ復調器88は1つまたは複数のPSKデータデコーダを含み、このPSKデータデコーダがPSK変調により信号成分を復調する。PSKデータデコーダは、連続するビット間の位相シフトを比較して、信号を復調する。PSKデータデコーダは信号を分岐して複数の信号を与え、信号を遅延させて、遅延信号と非遅延信号とを与える。PSKデータデコーダは遅延信号及び非遅延信号に強め合うように(constructively)及び弱め合うように(destructively)干渉し、連続するビットの位相を比較して、データに対応するPSKデコード信号を与える。
【0042】
偏光制御モニタ98は、受信信号の偏光が伝送中に変化していないか監視する。偏光制御モニタ98は偏光コントローラ80に命令を送り、変化を補償するために受信信号の偏光状態を調節する。図6Aと図6Bを参照して、変調調節の例を詳細に説明する。
【0043】
図6A乃至図6Cは、偏光した信号成分のパワーレベルの一例を示す図である。図6Aは、トランスミッタ20における第1の信号成分のパワーレベル112aと第2の信号成分のパワーレベル114aとを示す図である。パワーレベル112aはパワーレベル114aとほぼ同じである。
【0044】
図6Bは、レシーバ28における信号成分のパワーレベルを示す図である。信号の偏光は伝送中に回転し、信号成分間でクロストークが生じることがある。この例では、第2の信号成分のパワーの一部が第1の信号成分のパワーにリーク(leak)しており、クロストークが生じている。
【0045】
図6Cは、偏光コントローラ24が調節した後の信号のパワーレベルを示す図である。伝送中の変化を補償するために偏光を調節している。例えば、偏光コントローラ80は、2つの入来信号成分の偏光状態を、偏光ビームスプリッタ84の軸に合わせ直す(realign)。この例では、偏光ビームスプリッタ84の出力は、ExとEy方向の不要な信号成分を最大限に削除したものである。この例では、第1の信号成分はパワーレベル112cを有し、第2の信号成分はパワーレベル114cを有する。
【0046】
一実施形態では、偏光コントローラモニタ98は、信号成分の偏光表示波形(polarization indicating waveform)を監視(monitor)し、偏光コントローラ80が受信信号の偏光状態を偏光ビームスプリッタ84に対して正しく合わせているか(align)どうか判断する。
【0047】
一実施形態では、受信信号の偏光状態が正しく偏光されているとき、レシーバ28における偏光表示波形(polaraization indicating waveforms)はトランスミッタ20における偏光表示波形とほぼ同じである。例えば、例示した実施形態では、レシーバ28における偏光表示波形は1−0.05×cos(2πft)と1+0.05×cos(2πft)である。偏光表示波形がほぼ同じでなければ、偏光コントローラモニタ98が偏光コントローラ80に命令して偏光を調節する。
【0048】
偏光コントローラモニタ98による偏光表示波形の監視方法は好適なものであればどんな方法であってもよい。一実施形態では、偏光コントローラモニタ98は偏光表示波形を表す偏光インジケータ値(polarization indicator value)を測定する。測定した偏光インジケータ値が期待偏光インジケータ値と一致した場合、正しく偏光されていると判断する。例えば、例示した実施形態では、期待偏光インジケータ値(expected polarization indicator value)を期待偏光表示波形(expected polarization indicating waveform)1−0.05×cos(2πft)と1+0.05×cos(2πft)の差から計算する。波形をローカルのオシレータ信号とかけ合わせて、その積をローパスフィルタ(LPF)でフィルタ除去する。この例では、期待偏光インジケータ値はKである。
【0049】
偏光コントローラモニタ98は、偏光表示波形を監視する好適なコンポーネントを含んでいる。例示した実施形態では、偏光コントローラモニタ98は、低速検出器110、減算器116、ローカルオシレータ118、ミキサ120、ローパスフィルタ(LPF)122を含み、これらは図示したように結合されている。
【0050】
検出器110は偏光表示波形を検出して、その偏光表示波形を表す検出器信号を発生する。一実施形態では、検出器110は、偏光表示波形を表すゆっくり変化する成分のみを検出する低速検出器110を有する。一実施形態では、検出器110はエンコード信号(encoded signal)を測定する。これは光信号であってもよく、その場合検出器110はフォトダイオードを有していてもよい。
【0051】
減算器116、ローカルオシレータ118、ミキサ120、及びローパスフィルタ122を使用して偏光インジケータ値を測定する。減算器116は検出器110からの信号を減算する。図示した実施形態では、減算により0.1×cos(2πft)に比例する電流が生じる。ミキサ120は減算器114からの信号にローカルオシレータ118からのローカルオシレータ信号をかけて、K+K×cos(4πft)に比例する電流を生じる。ローカルオシレータ信号の周波数はfである。cos(4πft)の成分はローパスフィルタによりフィルタ除去され、偏光インジケータ値Kが得られる。この例では、測定した偏光インジケータ値が期待偏光インジケータ値Kと一致するとき、偏光コントローラ80の偏光設定が正しい(proper)ものとする。一致しなければ、偏光を調節する。
【0052】
偏光は適切ないかなる方向に調節してもよい。一実施形態では、一方向で偏光を変化させ、偏光インジケータ値Kを測定する。測定した偏光インジケータ値が期待偏光インジケータ値に近いとき、その方向でさらに変化させる。近くない場合、他の方向で変化させる。
【0053】
本発明の範囲から逸脱することなく、レシーバ28に修正、追加、または削除をすることができる。レシーバ28のコンポーネントは具体的な必要性に応じて一体化されたり、分離されたりしてもよい。さらに、レシーバ28の動作を実行する装置は、これより多くても少なくてもよいし、他の装置であってもよい。また、レシーバ28の動作の実行は、いかなる好適なロジックを用いて行われてもよい。
【0054】
図7は偏光多重化を用いて信号を通信する方法の一実施形態を示す図である。この方法は、図1のシステム10が実施できる。
【0055】
この方法はステップ206で始まり、変更コントローラ24が信号を偏光する。偏光コントローラ24は信号を偏光して、直交信号成分を与える。ステップ210において、偏光ビームスプリッタ26は信号を分岐して、第1の信号成分と第2の信号成分とを有する直交信号成分を与える。ステップ214において、第1の信号成分を変調し、ステップ218において、第2の信号成分を変調する。第1の信号成分と第2の信号成分は適切ないかなる変調フォーマット(例えば、PSK変調)で変調してもよい。
【0056】
ステップ222において、偏光インジケータ変調器40は第1の信号成分及び第2の信号成分を変調し、その第1の信号成分及び第2の信号成分に偏光表示波形を導入する。ステップ224において、偏光ビームスプリッタ50は第1の信号成分と第2の信号成分とを結合して送信用信号を与える。ステップ226において、トランスミッタ20が信号を送信する。
【0057】
ステップ230において、レシーバ28が信号を受信する。ステップ234において、偏光コントローラ80は信号の偏光状態を偏光ビームスプリッタ84の軸に合わせる(align)。ステップ238において、偏光ビームスプリッタ84は信号を分岐して、第1の信号成分と第2の信号成分とを有する直交信号成分を与える。ステップ242において、第1の信号成分を復調し、ステップ246において、第2の信号成分を復調する。
【0058】
ステップ250において、偏光コントローラモニタ98は信号の偏光表示波形を測定する。一実施形態では、低速検出器110がその波形を検出する。検出した波形から測定偏光表示値を求める。
【0059】
ステップ254において、必要があれば偏光を調節する。測定した偏光インジケータ値が期待偏光インジケータ値と一致した場合、偏光を調節する必要はない。一致しない場合、偏光を調節する必要がある。ステップ254において偏光調節が必要であると判断した場合、ステップ258に進み、偏光コントローラモニタ98が偏光コントローラ80に信号の偏光を調節するように命令する。そしてステップ262に進む。ステップ254において偏光調節が必要ないと判断した場合、直接ステップ262に進む。
【0060】
ステップ262において、次の信号を受信する。次の信号を受信した場合、ステップ234に戻り、次の信号を偏光する。次の信号を受信しない場合、本方法は終了する。
【0061】
本発明の範囲から逸脱することなく、本方法に修正、追加、または削除をすることができる。本方法に含まれるステップはこれより多くても少なくてもよく、他のステップが含まれてもよい。また、ステップを好適な任意の順序で実行してもよい。
【0062】
本発明の実施形態は1つ以上の技術的有利性を提供する。一実施形態の技術的有利性は、偏光多重化を用いて通信される信号成分は、レシーバが偏光の監視に使用する偏光表示波形(polarization indicating waveforms)を有することである。この実施形態では、トランスミッタは、その信号成分に変調表示波形を入れるために信号成分を変調する。レシーバは、その偏光表示波形を用いて、受信した信号成分が正しく偏光しているか判断する。
【0063】
一実施形態の技術的有利性は、レシーバが偏光表示波形を表す偏光表示値を測定できることである。この実施形態では、測定した偏光表示値(measured polarization indicator value)が期待される偏光表示値(expected polarization indicator value)が一致しなければ、レシーバは偏光を調節する。
【0064】
本開示を実施形態とそれに一般的に関連づけられた方法とに関して説明したが、これらの実施形態及び方法の変形や置き換えは当業者には明らかである。従って、この開示は上記の実施形態の説明には限定されない。添付した特許請求の範囲に記載した本開示の精神と範囲から逸脱せずに、その他の変更、置き換え、改変も可能である。
【0065】
本発明のいくつかの実施形態を整理すると以下の通りである。
(付記1) 偏光多重化を用いて信号を通信するトランスミッタ変調器であって、
第1の変調フォーマットにより第1の信号成分をエンコードする第1の変調器と、
第2の変調フォーマットにより、前記第1の信号成分と直交偏光した第2の信号成分をエンコードする第2の変調器と、
前記第1の信号成分を変調して前記第1の信号成分に第1の偏光表示波形を導入し、前記第2の信号成分を変調して前記第2の信号成分に第2の偏光表示波形を導入する、前記第1の変調器と前記第2の変調器に結合した偏光表示変調器と、
送信するために前記第1の信号成分と前記第2の信号成分とを結合する、前記偏光表示変調器に結合した偏光ビーム結合器と
を有するトランスミッタ変調器。
(付記2) 前記第1の変調フォーマットは前記第2の変調フォーマットと実質的に同じである、付記1に記載のトランスミッタ変調器。
(付記3) 前記第1の変調フォーマットは位相シフトキーイング(PSK)変調である、付記1に記載のトランスミッタ変調器。
(付記4) 前記第1の偏光表示波形の周波数は前記結合した信号のビットレートの1/10000より小さい、付記1に記載のトランスミッタ変調器。
(付記5) 前記第1の偏光表示波形の振幅は総パワーの1/4より小さい、付記1に記載のトランスミッタ変調器。
(付記6) 前記第1の偏光表示波形と前記第2の偏光表示波形の間に位相シフトを導入する位相シフタをさらに有する、付記1に記載のトランスミッタ変調器。
(付記7) 信号を偏光して前記第1の信号成分と前記第2の信号成分とを有する偏光信号を与える、前記第1の変調器と前記第2の変調器に結合したトランスミッタ偏光コントローラをさらに有する、付記1に記載のトランスミッタ変調器。
(付記8) 偏光信号を分岐して前記第1の信号成分と前記第2の信号成分とを与える、前記第1の変調器と前記第2の変調器とに結合した偏光ビームスプリッタをさらに有する、付記1に記載のトランスミッタ変調器。
(付記9) 偏光多重化を用いて信号を通信する方法であって、
第1の変調フォーマットにより第1の信号成分をエンコードする段階と、
第2の変調フォーマットにより、前記第1の信号成分と直交偏光した第2の信号成分をエンコードする段階と、
前記第1の信号成分を変調して前記第1の信号成分に第1の偏光表示波形を導入する段階と、
前記第2の信号成分を変調して前記第2の信号成分に第2の偏光表示波形を導入する段階と、
送信するために前記第1の信号成分と前記第2の信号成分とを結合する段階とを有する方法。
(付記10) 前記第1の変調フォーマットは前記第2の変調フォーマットと実質的に同じである、付記9に記載の方法。
(付記11) 前記第1の変調フォーマットは位相シフトキーイング(PSK)変調である、付記9に記載の方法。
(付記12) 前記第1の偏光表示波形の周波数は前記結合した信号のビットレートの1/10000より小さい、付記9に記載の方法。
(付記13) 前記第1の偏光表示波形の振幅は総パワーの1/4より小さい、付記9に記載の方法。
(付記14) 前記第1の偏光表示波形と前記第2の偏光表示波形との間に位相シフトを導入する段階をさらに有する、付記9に記載の方法。
(付記15) 信号を偏光して前記第1の信号成分と前記第2の信号成分とを有する偏光信号を与える段階をさらに有する、付記9に記載の方法。
(付記16) 偏光信号を分岐して前記第1の信号成分と前記第2の信号成分とを与える段階をさらに有する、付記9に記載の方法。
(付記17) 偏光多重化を用いて信号を通信するシステムであって、
第1の変調フォーマットにより第1の信号成分をエンコードする手段と、
第2の変調フォーマットにより、前記第1の信号成分と直交偏光した第2の信号成分をエンコードする手段と、
前記第1の信号成分を変調して前記第1の信号成分に第1の偏光表示波形を導入する手段と、
前記第2の信号成分を変調して前記第2の信号成分に第2の偏光表示波形を導入する手段と、
送信するために前記第1の信号成分と前記第2の信号成分とを結合する手段とを有するシステム。
(付記18) 偏光多重化を用いて信号を通信するトランスミッタ変調器であって、
信号を偏光して前記第1の信号成分と前記第2の信号成分とを有する偏光信号を与えるトランスミッタ偏光コントローラと、
前記偏光信号を分岐して前記第1の信号成分と前記第2の信号成分とを与える偏光ビームスプリッタと、
位相シフトキーイング(PSK)変調である第1の変調フォーマットにより前記第1の信号成分をエンコードする第1の変調器と、
前記第1の変調フォーマットと実質的に同じである第2の変調フォーマットにより、前記第1の信号成分と直交偏光した第2の信号成分をエンコードする第2の変調器と、

前記第1の信号成分を変調して、周波数が前記結合した信号のビットレートの1/10000より低く振幅が総パワーの1/4より小さい第1の偏光表示波形を前記第1の信号成分に導入し、前記第2の信号成分を変調して、第2の偏光表示波形を前記第2の信号成分に導入する、前記第1の変調器と前記第2の変調器に結合した偏光表示変調器と、
前記第1の偏光表示波形と前記第2の偏光表示波形の間に位相シフトを導入する位相シフタと、
前記偏光表示変調器に結合した、送信するために前記第1の信号成分と前記第2の信号成分とを結合する偏光ビーム結合器とを有するトランスミッタ変調器。
(付記19) 信号の偏光を監視するシステムであって、
信号を偏光して、第1の信号成分と前記第1の信号成分と直交変調した第2の信号成分とを有する偏光信号を与える偏光コントローラと、
前記第1の信号成分の第1の偏光表示波形を監視し、前記第2の信号成分の第2の偏光表示波形を監視し、前記第1の偏光表示波形と前記第2の偏光表示波形に応じて前記信号の偏光を調節するかどうか判断する、前記偏光コントローラに結合した偏光コントローラモニタとを有するシステム。
(付記20) 前記第1の信号成分は第1の変調フォーマットによりエンコードされ、
前記第2の信号成分は、前記第1の変調フォーマットと実質的に同じ変調フォーマットによりエンコードされる、付記19に記載のシステム。
(付記21) 前記第1の信号成分は位相シフトキーイング(PSK)変調によりエンコードされる、付記19に記載のシステム。
(付記22) 前記第1の偏光表示波形の周波数は前記結合した信号のビットレートの1/10000より小さい、付記19に記載のシステム。
(付記23) 前記第1の偏光表示波形の振幅は総パワーの1/4より小さい、付記19に記載のシステム。
(付記24) 前記偏光コントローラモニタは、前記第1の偏光表示波形と前記第2の偏光表示波形とを表す偏光表示値を測定することにより、前記信号の偏光を調節するかどうか判断し、
前記測定した偏光インジケータ値が期待偏光インジケータ値と一致しないとき、前記信号の偏光を調節する、付記19に記載のシステム。
(付記25) 前記偏光コントローラモニタは、
前記第1の偏光表示波形と前記第2の偏光表示波形との間の差を用いて偏光表示値を測定し、前記測定した偏光表示値により前記信号の偏光を調節するかどうか判断することにより、前記信号の偏光を調節するかどうか判断する、付記19に記載のシステム。
(付記26) 前記偏光コントローラモニタは、さらに
前記第1の偏光表示波形を検出する第1の検出器と、
前記第2の偏光表示波形を検出する第2の検出器とを有する、付記19に記載のシステム。
(付記27) 前記偏光信号を分岐して前記第1の信号成分と前記第2の信号成分とを与える偏光ビームスプリッタをさらに有する、付記19に記載のシステム。
(付記28) 偏光コントローラを監視する方法であって、
信号を偏光して、第1の信号成分と前記第1の信号成分と直交変調した第2の信号成分とを有する偏光信号を与える段階と、
前記第1の信号成分の第1の偏光表示波形を監視する段階と、
前記第2の信号成分の第2の偏光表示波形を監視する段階と、
前記第1の偏光表示波形と前記第2の偏光表示波形に応じて前記信号の偏光を調節するかどうか判断する段階とを有する方法。
(付記29) 前記第1の信号成分は第1の変調フォーマットによりエンコードされ、
前記第2の信号成分は、前記第1の変調フォーマットと実質的に同じ変調フォーマットによりエンコードされる、付記28に記載の方法。
(付記30) 前記第1の信号成分は位相シフトキーイング(PSK)変調によりエンコードされる、付記28に記載の方法。
(付記31) 前記第1の偏光表示波形の周波数は前記結合した信号のビットレートの1/10000より小さい、付記28に記載の方法。
(付記32) 前記第1の偏光表示波形の振幅は総パワーの1/4より小さい、付記28に記載の方法。
(付記33) 前記信号の偏光を調整するかどうか判断する段階は、さらに、
前記第1の偏光表示波形と前記第2の偏光表示波形とを表す偏光表示値を測定する段階と、
前記測定した偏光インジケータ値が期待偏光インジケータ値と一致しないとき、前記信号の偏光を調節する段階とを有する、付記28に記載の方法。
(付記34) 前記信号の偏光を調整するかどうか判断する段階は、さらに、
前記第1の偏光表示波形と前記第2の偏光表示波形との間の差を用いて偏光表示値を測定する段階と、
前記測定した偏光表示値により前記信号の偏光を調節するかどうか判断する段階とを有する、付記28に記載の方法。
(付記35) 前記第1の偏光表示波形を検出する段階と、
前記第2の偏光表示波形を検出する段階とをさらに有する、
付記28に記載の方法。
(付記36) 前記偏光信号を分岐して前記第1の信号成分と前記第2の信号成分とを与える段階をさらに有する、付記28に記載の方法。
(付記37) 信号の偏光を監視するシステムであって、
信号を偏光して、第1の信号成分と前記第1の信号成分と直交変調した第2の信号成分とを有する偏光信号を与える手段と、
前記第1の信号成分の第1の偏光表示波形を監視する手段と、
前記第2の信号成分の第2の偏光表示波形を監視する手段と、
前記第1の偏光表示波形と前記第2の偏光表示波形に応じて前記信号の偏光を調節するかどうか判断する手段とを有するシステム。
(付記38) 受信信号の偏光を監視するシステムであって、
信号を偏光して、第1の信号成分と前記第1の信号成分と直交変調した第2の信号成分とを有する偏光信号を与える偏光コントローラを有し、
前記第1の信号成分は第1の変調フォーマットによりエンコードされ、
前記第2の信号成分は、前記第1の変調フォーマットと実質的に同じ変調フォーマットによりエンコードされる、
前記第1の信号成分は位相シフトキーイング(PSK)変調によりエンコードされ、
前記システムは、さらに、
前記偏光信号を分岐して前記第1の信号成分と前記第2の信号成分とを与える偏光ビームスプリッタと、
前記偏光コントローラに結合した偏光コントローラモニタであって、
周波数が前記結合した信号のビットレートの1/10000より低く、振幅が総パワーの1/4より小さい、前記第1の信号成分の第1の偏光表示波形を監視し、
前記第2の信号成分の第2の偏光表示波形を監視し、
前記第1の偏光表示波形と前記第2の偏光表示波形とを表す偏光表示値を測定し、前記第1の偏光表示波形と前記第2の偏光表示波形との間の差を用いて前記偏光表示値を測定し、前記測定した偏光表示値により前記信号の偏光を調節するかどうか判断することにより、前記第1の偏光表示波形と前記第2の偏光表示波形に応じて前記信号の偏光を調節するかどうか判断し、
前記測定した偏光インジケータ値が期待偏光インジケータ値と一致しないとき、前記信号の偏光を調節する偏光コントローラモニタとを有し、
前記偏光コントローラモニタは、さらに、
前記第1の偏光表示波形を検出する第1の検出器と、
前記第2の偏光表示波形を検出する第2の検出器とを有する
システム。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】偏光多重化を用いて信号を通信するシステムの一実施形態を示す図である。
【図2】図1のシステムが行う信号の偏光多重化の一例を示す図である。
【図3】図1のシステムで使用するトランスミッタの一実施形態を示す図である。
【図4】A及びBは、図1のシステムで使用し得る偏光インジケータ波形の一例を示す図である。
【図5】図1のシステムで使用するレシーバの一実施形態を示す図である。
【図6】Aは、偏光した信号成分のパワーレベルの一例を示す図である。Bは、偏光した信号成分のパワーレベルの他の一例を示す図である。Cは、偏光した信号成分のパワーレベルのさらに別の一例を示す図である。
【図7】偏光多重化を用いて信号を通信する方法の一実施形態を示す図である。
【符号の説明】
【0067】
20 トランスミッタ
22 光源
28 レシーバ
30 データ変調器
48 変調器
88 復調器
110 検出器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
偏光多重化を用いて信号を通信するトランスミッタ変調器であって、
第1の変調フォーマットにより第1の信号成分をエンコードする第1の変調器と、
第2の変調フォーマットにより、前記第1の信号成分と直交偏光した第2の信号成分をエンコードする第2の変調器と、
前記第1の信号成分を変調して前記第1の信号成分に第1の偏光表示波形を導入し、前記第2の信号成分を変調して前記第2の信号成分に第2の偏光表示波形を導入する、前記第1の変調器と前記第2の変調器に結合した偏光表示変調器と、
送信するために前記第1の信号成分と前記第2の信号成分とを結合する、前記偏光表示変調器に結合した偏光ビーム結合器と
を有するトランスミッタ変調器。
【請求項2】
偏光多重化を用いて信号を通信する方法であって、
第1の変調フォーマットにより第1の信号成分をエンコードする段階と、
第2の変調フォーマットにより、前記第1の信号成分と直交偏光した第2の信号成分をエンコードする段階と、
前記第1の信号成分を変調して前記第1の信号成分に第1の偏光表示波形を導入する段階と、
前記第2の信号成分を変調して前記第2の信号成分に第2の偏光表示波形を導入する段階と、
送信するために前記第1の信号成分と前記第2の信号成分とを結合する段階と
を有する方法。
【請求項3】
偏光多重化を用いて信号を通信するシステムであって、
第1の変調フォーマットにより第1の信号成分をエンコードする手段と、
第2の変調フォーマットにより、前記第1の信号成分と直交偏光した第2の信号成分をエンコードする手段と、
前記第1の信号成分を変調して前記第1の信号成分に第1の偏光表示波形を導入する手段と、
前記第2の信号成分を変調して前記第2の信号成分に第2の偏光表示波形を導入する手段と、
送信するために前記第1の信号成分と前記第2の信号成分とを結合する手段と
を有するシステム。
【請求項4】
偏光多重化を用いて信号を通信するトランスミッタ変調器であって、
信号を偏光して前記第1の信号成分と前記第2の信号成分とを有する偏光信号を与えるトランスミッタ偏光コントローラと、
前記偏光信号を分岐して前記第1の信号成分と前記第2の信号成分とを与える偏光ビームスプリッタと、
位相シフトキーイング(PSK)変調である第1の変調フォーマットにより前記第1の信号成分をエンコードする第1の変調器と、
前記第1の変調フォーマットと実質的に同じである第2の変調フォーマットにより、前記第1の信号成分と直交偏光した第2の信号成分をエンコードする第2の変調器と、
前記第1の信号成分を変調して、周波数が前記結合した信号のビットレートの1/10000より低く振幅が総パワーの1/4より小さい第1の偏光表示波形を前記第1の信号成分に導入し、前記第2の信号成分を変調して、第2の偏光表示波形を前記第2の信号成分に導入する、前記第1の変調器と前記第2の変調器に結合した偏光表示変調器と、
前記第1の偏光表示波形と前記第2の偏光表示波形の間に位相シフトを導入する位相シフタと、
前記偏光表示変調器に結合した、送信するために前記第1の信号成分と前記第2の信号成分とを結合する偏光ビーム結合器と
を有するトランスミッタ変調器。
【請求項5】
信号の偏光を監視するシステムであって、
信号を偏光して、第1の信号成分と前記第1の信号成分と直交変調した第2の信号成分とを有する偏光信号を与える偏光コントローラと、
前記第1の信号成分の第1の偏光表示波形を監視し、前記第2の信号成分の第2の偏光表示波形を監視し、前記第1の偏光表示波形と前記第2の偏光表示波形に応じて前記信号の偏光を調節するかどうか判断する、前記偏光コントローラに結合した偏光コントローラモニタと
を有するシステム。
【請求項6】
偏光コントローラを監視する方法であって、
信号を偏光して、第1の信号成分と前記第1の信号成分と直交変調した第2の信号成分とを有する偏光信号を与える段階と、
前記第1の信号成分の第1の偏光表示波形を監視する段階と、
前記第2の信号成分の第2の偏光表示波形を監視する段階と、
前記第1の偏光表示波形と前記第2の偏光表示波形に応じて前記信号の偏光を調節するかどうか判断する段階と
を有する方法。
【請求項7】
信号の偏光を監視するシステムであって、
信号を偏光して、第1の信号成分と前記第1の信号成分と直交変調した第2の信号成分とを有する偏光信号を与える手段と、
前記第1の信号成分の第1の偏光表示波形を監視する手段と、
前記第2の信号成分の第2の偏光表示波形を監視する手段と、
前記第1の偏光表示波形と前記第2の偏光表示波形に応じて前記信号の偏光を調節するかどうか判断する手段と
を有するシステム。
【請求項8】
受信信号の偏光を監視するシステムであって、
信号を偏光して、第1の信号成分と前記第1の信号成分と直交変調した第2の信号成分とを有する偏光信号を与える偏光コントローラを有し、
前記第1の信号成分は第1の変調フォーマットによりエンコードされ、
前記第2の信号成分は、前記第1の変調フォーマットと実質的に同じ変調フォーマットによりエンコードされる、
前記第1の信号成分は位相シフトキーイング(PSK)変調によりエンコードされ、
前記システムは、さらに、
前記偏光信号を分岐して前記第1の信号成分と前記第2の信号成分とを与える偏光ビームスプリッタと、
前記偏光コントローラに結合した偏光コントローラモニタであって、
周波数が前記結合した信号のビットレートの1/10000より低く、振幅が総パワーの1/4より小さい、前記第1の信号成分の第1の偏光表示波形を監視し、
前記第2の信号成分の第2の偏光表示波形を監視し、
前記第1の偏光表示波形と前記第2の偏光表示波形とを表す偏光表示値を測定し、前記第1の偏光表示波形と前記第2の偏光表示波形との間の差を用いて前記偏光表示値を測定し、前記測定した偏光表示値により前記信号の偏光を調節するかどうか判断することにより、前記第1の偏光表示波形と前記第2の偏光表示波形に応じて前記信号の偏光を調節するかどうか判断し、
前記測定した偏光インジケータ値が期待偏光インジケータ値と一致しないとき、前記信号の偏光を調節する偏光コントローラモニタとを有し、
前記偏光コントローラモニタは、さらに、
前記第1の偏光表示波形を検出する第1の検出器と、
前記第2の偏光表示波形を検出する第2の検出器と
を有するシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−172799(P2008−172799A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−5017(P2008−5017)
【出願日】平成20年1月11日(2008.1.11)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】