説明

健康情報提供システム及びその方法

【課題】 個人情報の漏洩を防止すると共に既存の健診情報を活用して健康維持に必要な健康情報を提供する健康情報提供システムを提供するにある。
【解決手段】 健診情報を管理する第1サーバーでは、ネットワークに接続された第2サーバーから提供された短縮情報で識別情報を格納した対応表が参照されてユーザー本人が認証され、個人情報データベースからユーザーを特定する個人特定情報が抽出されて第2サーバーに提供される。第2サーバーにおいては、ユーザーからの短縮情報が短縮情報データベースの短縮情報と比較されて第1サーバーへのアクセスが許可され、第1サーバーに短縮情報が提供される。第1サーバーから提供された個人特定情報及び健診情報データベースから抽出した健診情報が関連付けられて健康情報としてユーザーに提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、健康情報提供システム及びその方法に係り、特に、既存の健康診断及びユーザーを特定する個人特定情報のデータを利用し、健康維持に必要な健康情報を提供する健康情報提供システム及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、職場や市町村、医療機関などで実施される健康診断により作成される健診情報は、老人保健法や労働安全衛生法に基づいて実施者で管理されている。これらの健診情報はほとんどの場合、実施者によって電子化されてデータベースで管理され、健診後に電子化された健診情報を紙媒体に印刷したものとして各個人に提供される。その健診情報には、診断結果を段階的に分類し、改善方法のコメントを一言記載している場合もあれば、健診情報に基づいて保健指導員から指示を受ける場合もある。
【0003】
健康診断の対象であり、近年増加傾向にある脳卒中を例に挙げると、脳卒中を発症する患者のうち、高血圧を放置した人が13%、高血圧治療中と医療対象にならない低めの血圧の患者が87%を占め、健康診断の効果が期待できないものとなっている。高血圧の治療中の患者や、医療対象にならない低めの血圧の患者から、脳卒中の発症の可能性がある患者を早期発見し、その患者を早期治療することが重要である。具体的には、その集団全体の血圧を下げ、高血圧治療の質を高めることが必要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、健診情報に記載されている改善方法のコメントだけでは、専門知識を持たない各個人が健診情報から身体の詳細な健康状態や、具体的な健康管理のための対処方法、例えば、血糖値を下げるための食事療法や、疾病の早期発見、早期治療のために対処しなければならない注意点などを把握することは難しい。また、上記のような指導内容を、専門知識を有する医療関係者から得るためには、病院等の医療機関へ出向かなければならず、時間や金銭的な面で頻繁に利用するのは難しい。また、上記のように医療機関に出向いて再検査する場合、健診毎に手渡される健診情報を個人で長期管理しなければならず、手間が煩雑になってしまう。
【0005】
上記のように各機関で健診情報を電子化して保存しているが、第3者に健康診断の結果や病歴などのプライベートな情報が漏洩してしまう危険性があるため、ネットワークを介して手軽に健診情報を閲覧することが難しいという問題点がある。
【0006】
従って、本発明は上記課題を解決するため、個人情報の漏洩を防止すると共に、既存の健診情報を活用し、健康維持に必要な健康情報をユーザーの要求に応じて提供することができる健康情報提供システム及びその方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明によれば、ネットワークを介して、健康診断の結果を示す健診情報から作成された健康維持に必要な健康情報を、健康診断を受診したユーザーに提供する健康情報提供システムであって、健診情報を管理する第1サーバー及びネットワークに接続された健康情報を提供する第2サーバーから構成され、第1サーバーは、ユーザーを一意に識別する識別情報ごとに対応して設定された短縮情報を格納した対応表と、識別情報毎にユーザーを特定する個人特定情報と健診情報とを格納した個人情報データベースと、第2サーバーから提供された短縮情報で対応表を参照してユーザー本人を認証する第1認証手段と、第1認証手段での認証に基づいて、対応表の識別情報に基づいて、個人情報データベースからユーザーを特定する個人特定情報を抽出し、第2サーバーへ提供する個人特定情報提供手段とを具備し、第2サーバーは、第1サーバーから提供された健診情報を格納した健診情報データベースと、第1サーバーから提供された前記短縮情報を格納した短縮情報データベースと、ユーザーから健康情報の要求時に入力された短縮情報を認証する第2認証手段であって、短縮情報と短縮情報データベースに格納された短縮情報とを比較して当該第2サーバーの第1サーバーへのアクセスを許可する第2認証手段と、第2認証手段での認証に基づいて、第1認証手段に短縮情報を提供する短縮情報提供手段と、第1サーバーから提供された個人特定情報と、短縮情報に基づいて健診情報データベースから抽出した健診情報とを関連付けた健康情報を前記ユーザーに提供する健康情報提供手段とが提供される。
【0008】
また、この発明によれば、ネットワークを介して、健康診断の結果を示す健診情報から作成された健康維持に必要な健康情報を、健康診断を受診したユーザーに提供する健康情報提供方法であって、ユーザーを一意に識別する識別情報ごとに対応して設定された短縮情報が、ユーザーから入力された場合、短縮情報と短縮情報データベースに格納された短縮情報とを比較してウェブサーバーから情報管理サーバーへのアクセスを許可し、情報管理サーバーへのアクセスが許可された場合、情報管理サーバーに短縮情報を提供し、ウェブサーバーから提供された短縮情報で、識別情報ごとに対応して設定された短縮情報を格納した対応表を参照して前記ユーザー本人を認証し、ユーザー本人の認証結果より、対応表の識別情報に基づいて、識別情報毎にユーザーを特定する個人特定情報と健診情報とを格納した個人情報データベースからユーザーを特定する個人特定情報を抽出してウェブサーバーへ提供し、情報管理サーバーから提供された個人特定情報と、健診情報を格納した健診情報データベースから短縮情報に基づいて抽出した健診情報とを関連付けた健康情報をユーザーに提供する。
【0009】
尚、本発明は上記健康情報提供システム及びその方法に限定されることなく、健康情報提供システムでの処理をコンピュータに実行させるプログラム及びそのプログラムが記録される記録媒体への適応も可能である。
【発明の効果】
【0010】
従って、本発明の健康情報提供システムでは、既存の健診情報を活用し、ユーザー自らが所定の機関に出向くことなく、健診情報から健康状態や過去の履歴を把握することができる。また、健康情報から医師等からの指導情報を得ることができるため、基本的な対処方法を自己学習することができる。
【0011】
また、個人特定情報を含む健診情報を管理する情報管理サーバーと、短縮情報と健診情報のみを管理するウェブサーバーとが分離してシステムが構成され、短縮情報に基づいてアクセスするユーザーを認証しているため、個人情報の漏洩を確実に防止することができる。
【0012】
また、ユーザー側からは、詳細な医師の指導内容を手軽に閲覧することができ、日々の健康管理に活用することができるとともに、専門知識を有する医療関係者側からは、自己学習をしたユーザーに対して、基本的な話を省いて専門性の高い指導を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0014】
図1は、本発明の第1実施形態に係る健康情報提供システムを示すブロック図である。図1に示される、健康情報提供システム100は、ネットワーク10を介してユーザーの所有するユーザー端末20へ健康維持に必要な健康情報を提供することができる。この健康情報提供システム100は、健診情報を管理する情報管理サーバー60と、ネットワーク10に接続され、健康情報をユーザー端末20に提供するウェブサーバー50とで構成されている。ウェブサーバー50は、ユーザー端末20からの要求に従って、始めにユーザーから入力された短縮IDを認証して当該ウェブサーバー50の情報管理サーバー60へのアクセスを許可し、短縮IDが情報管理サーバー60に転送される。情報管理サーバー60は、短縮IDに基づいてユーザー本人を認証し、認証結果からユーザーを特定する個人特定情報を抽出してウェブサーバー50へ送信する。そして、ウェブサーバー50は、短縮IDで予め格納された健診情報を抽出し、個人特定情報と健診情報とを関連付けた健康情報をユーザー端末20に提供する。ここで、短縮IDとは、各自治体や医療機関においてユーザーを一意に識別することができる個人IDに対応してランダムに生成された文字列であり、個人IDの情報量より小さい情報として個人IDとは別個に定められている。
【0015】
情報管理サーバー60とウェブサーバー50は、各自治体や医療機関内に設置されたLAN(Local Area Network)等の専用線で接続されている。また、情報管理サーバー60では、切替手段5とルーター4により外部との接続が制御されている。従って、情報管理サーバー60は、ネットワーク10を介してユーザー端末20を含む外部からの接続を拒否し、認証済みのウェブサーバー50からの接続のみを許可する。ウェブサーバー50は、ルーター4を介してネットワーク10と接続されている。ルーター4を介するウェブサーバー50とネットワーク10は、ファイアーウォールの機能の一つである非武装地帯(DMZ(De−Militarized Zone))6を介して接続され、外部からの不正な接続を排除することが可能である。ウェブサーバー50は、ルーター4及びネットワーク10を介してユーザー端末20と接続されており、認証済みのユーザー端末20のみと接続される。
【0016】
次に、図1に示す各構成について説明する。ウェブサーバー50は、情報管理サーバー60からユーザーを特定する個人特定情報を取得し、ユーザー端末20の要求に応じて健康情報を提供するサーバーである。このウェブサーバー50は、情報管理サーバー60へのアクセスを許可する認証手段51と、ユーザー端末20に健康情報を提供する情報提供手段52と、ユーザーの個人ID毎に割り当てられた短縮IDが格納された短縮IDデータベース(以下DBと呼ぶ)53と、標準健診情報55と付加健診情報56とが格納された健診情報DB54とで構成されている。ウェブサーバー50内の健康情報は、必要に応じて、例えば、健診後の一定期間内において、情報管理サーバーの健診情報に基づいて管理者により更新される。尚、標準健診情報55は、既存の健診情報に対応する情報であり、付加健診情報56は、既存の健診情報に新たに付加された情報である。また、ウェブサーバー50において、情報管理サーバー60から供給される個人特定情報はユーザーに対して健康情報と共に提供されるが、この個人特定情報は、ウェブサーバー50において短縮IDと関連付けられて保存されることはない。
【0017】
認証手段51は、ユーザー端末20から提供された短縮IDと、ユーザーが設定したパスワードとに基づいて、短縮IDDB53を参照して短縮IDを認証し、情報管理サーバー60へのアクセスを許可している。情報提供手段52は、認証手段51により認証された場合、ユーザー端末20からの短縮IDを情報管理サーバー60に送信する。後に説明するように、情報管理サーバー60において、短縮IDを利用してユーザーが認証を受けた後に、情報提供手段52は、情報管理サーバー60からのユーザーを特定する個人特定情報(例えば、ユーザー氏名)を取得する。同時に、情報提供手段52は、健診情報DB54に格納された健診情報を抽出し、その健診情報と個人特定情報を健康情報としてユーザー端末20に提供する。短縮IDDB53には、情報管理サーバー60から提供された短縮IDと、ユーザー端末20により設定されたパスワードとが格納されている。健診情報DB54には、情報管理サーバー60から提供された標準健診情報55と付加健診情報56とが格納されている。
【0018】
情報管理サーバー60は、既存の健診情報と関連付けられた個人IDと対応する短縮IDを用いて、個人特定情報を除いたデータのみの健診情報と短縮IDとをウェブサーバー50に提供し、短縮IDにより認証されたユーザーの個人特定情報の一部をウェブサーバー50に提供するサーバーである。この情報管理サーバー60は、ウェブサーバー50とリンクさせるための処理を実行するサーバーリンク手段61と、ウェブサーバー50から提供された短縮IDに基づいてユーザー本人を認証する認証手段62と、ユーザー本人が認証された後にウェブサーバー50へ個人情報を提供する個人特定情報提供手段63と、各自治体や医療機関においてユーザーを一意に識別することができる個人IDと共に個人特定情報及び健診情報等が格納された個人情報DB64とで構成されている。また、サーバーリンク手段61は、個人IDに応じてランダムに短縮IDを生成する短縮ID生成手段65と、既存の健診情報に短縮IDを関連付けるなどの処理を実行する健診情報生成・更新手段66と、個人IDと対応した短縮IDが格納されたID対応表67とで構成されている。
【0019】
認証手段62は、ウェブサーバー50の認証手段51により認証された後、認証手段51から提供された短縮IDと、ID対応表67とに基づいてユーザー本人を認証する。個人特定情報提供手段63は、ユーザー本人が認証された後にID対応表67から、短縮IDに対応する個人IDを取得し、個人IDに基づいて個人情報DB64に格納された個人特定情報を抽出してウェブサーバー50へ提供する。個人情報DB64には、各自治体や医療機関においてユーザーを一意に識別することができる個人IDと、ユーザーを特定することができる個人特定情報、健診情報、健診情報の履歴、医師等による指導情報が格納されている。尚、個人情報DB64に格納されるテーブルについては、図2を参照して以下に説明する。
【0020】
サーバーリンク手段61の短縮ID生成手段65は、個人IDに応じてランダムに短縮IDを生成し、ID対応表67に格納する。健診情報生成・更新手段66は、個人情報DB64に格納された既存の健診情報に短縮IDを関連付けてウェブサーバー50へ提供する。このとき、健診情報生成・更新手段66は、既存の健診情報と、新たに付加された健診情報とを分割して、ウェブサーバー50へ提供する。また、健診情報生成・更新手段66は、個人情報DB64の健診情報が更新されると、ID対応表67を参照して、短縮IDを有するユーザーの健診情報を抽出し、ウェブサーバー50の健診情報DB54を更新する。
【0021】
ユーザー端末20は、ユーザーが所有し、健康情報を閲覧する携帯端末21又はPC22である。携帯端末21からウェブサーバー50へアクセスする場合、携帯電話網11及びネットワーク10、ルーター4を介して接続される。PC22からウェブサーバー50へアクセスする場合、ネットワーク10及びルーター4を介して接続される。ユーザーが健康情報を閲覧する場合、先ず、ユーザー端末20からウェブサーバー50へアクセスし、健康情報を閲覧するためのサイトを表示させる。ユーザー端末20に表示されたサイトから短縮IDとパスワードを入力し、認証された後、ウェブサーバー50から健康情報が提供される。ユーザー端末20に表示される健康情報については、図4〜図7を参照して説明する。尚、ユーザー端末20は、通信機能及び健康情報を表示する機能を有する端末であれば上記端末に限定することなく適応可能である。
【0022】
このように、ウェブサーバー50は、先ず、ユーザー端末20から入力された短縮IDからユーザー本人であると認証された場合、情報管理サーバー60の認証手段62に短縮IDを提供し、情報管理サーバー60は短縮IDとID対応表67とによりユーザー本人であると認証すると、個人特定情報をウェブサーバー50へ提供し、ウェブサーバー50は個人特定情報と健診情報とを健康情報としてユーザー端末20に提供することにより、既存の健診情報を活用し、所定の機関に出向くことなく、健康維持に必要な健康情報をユーザーの要求に応じて提供することができる。また、各自治体や医療機関で使用している個人IDから容易に個人を判定される可能性があるが、短縮IDが第3者に知られてしまった場合でも容易に個人を認識することが難しくなり、更に短縮IDに基づいて認証することにより、情報漏洩を防止することができる。また、短縮IDは、個人IDよりも短縮された情報であるため、ユーザーの入力作業を軽減することができ、高齢者や身体障害者に対しても利便性を向上させることができる。
【0023】
次に、情報管理サーバー60の個人情報DB64に格納されるテーブルについて説明する。図2は、個人情報DBに格納されるテーブルを示す図である。図2に示すテーブル68は、既存の健診情報に個人特定情報等を付加した情報である。テーブル68には、ユーザーを一意に識別することができる個人IDを示す項目と、ユーザーの個人特定情報を示す項目と、既存の健診情報を示す項目と、複数の健診情報の履歴を示す項目と、医師等による指導情報を示す項目とが格納されている。テーブル68の健診情報は、標準健診情報として、複数の健診情報の履歴、指導情報は、付加健康情報として、サーバーリンク手段61の健診情報生成・更新手段66により、ウェブサーバー50へ提供される。テーブル68の個人特定情報の一部、例えば、氏名のみをユーザー認証後、個人特定情報提供手段63によりウェブサーバー50へ提供される。尚、ウェブサーバー50へ提供する個人特定情報は、必要に応じて変更可能である。
【0024】
従って、テーブル68に示す情報をウェブサーバー50に提供し、ユーザー認証された場合に必要な個人情報を提供することにより、ユーザーに健診情報の履歴や、健康維持に必要な指導情報を含む健康情報を提供することができ、第3者への情報漏洩を防ぐことができる。
【0025】
次に、健康情報提供システム100により実行される健康情報提供処理について説明する。図3は、健康情報提供処理を示すフローチャート図である。図3において、先ず、ウェブサーバー50は、ユーザー端末20からの要求に応じて健診情報を閲覧するためのホームページをそのユーザー端末20に提供する(ステップS10)。ユーザー端末20により、ホームページの初期画面から短縮IDとパスワードが入力される(ステップS11)。ウェブサーバー50は、入力された短縮IDとパスワードからユーザー本人を認証し、健診情報の提供を許可されるか否かを判断する(ステップS12)。ステップS12の処理で、認証が許可されない場合、ウェブサーバー50はユーザー端末20に認証不可を示す情報を提供し、エラーを表示させる(ステップS13)。ステップS12の処理で、認証が許可された場合、ウェブサーバー50は情報管理サーバー60へユーザー端末20から入力された短縮IDを送信する(ステップS14)。情報管理サーバー60は、短縮IDとID対応表67からユーザー本人を認証し、健診情報の提供を許可されるか否かを判断する(ステップS15)。
【0026】
ステップS15の処理で、認証が許可されない場合、ステップS13の処理で、情報管理サーバー60は、ウェブサーバー50を介してユーザー端末20に認証不可を示す情報を提供し、エラーを表示させる。尚、ステップS13の処理で、情報管理サーバー60から直接ユーザー端末20にエラー表示させてもよい。ステップS15の処理で、認証が許可された場合、情報管理サーバー60は、ID対応表67から短縮IDに対応する個人IDを取得し、その個人IDに基づいて個人情報DB64に格納された個人特定情報を抽出し、その個人特定情報をウェブサーバー50へ提供する(ステップS16)。ウェブサーバー50は、健診情報DB54に格納された短縮IDに対応する健診情報IDを抽出し、その健診情報IDと情報管理サーバー60の個人特定情報とを健康情報としてユーザー端末20へ提供する(ステップS17)。
【0027】
このように、ユーザー端末20から健康情報の閲覧要求があった場合、ウェブサーバー50及び情報管理サーバー60とで認証を行い、ユーザー本人であると認証された場合に、ウェブサーバー50から情報管理サーバー60から取得した個人特定情報と健診情報とをユーザー端末20に提供することにより、既存の健診情報を活用し、所定の機関に出向くことなく、健康維持に必要な健康情報をユーザーの要求に応じて提供することができる。また、予めウェブサーバー50で既存の健診情報を短縮IDで管理し、認証結果に応じて個人特定情報のみを情報管理サーバー60から取得することにより、ユーザーの要求時に最小限のデータのみで送受信することができると共に、2度の認証処理を実行することで情報漏洩を防ぎ、セキュリティを向上させることができる。
【0028】
次に、ユーザー端末20に表示される健康情報の例を詳細に説明する。図4は、携帯端末に表示される健康情報の例を示す図である。図4(A)〜図4(F)は、携帯端末21へウェブサーバー50から提供される健康情報が表示される過程を示す画面である。先ず、図4(A)に示す画面200には、短縮IDを入力する入力域201と、短縮IDの入力後に次の画面を表示するボタン202と、前の画面に戻るボタン203と、一度表示した次の画面又は次の健康情報に進むボタン204とが表示されている。ユーザーが入力域201に短縮IDを入力し、ボタン202を選択すると、図4(B)の画面205が表示される。
【0029】
図4(B)の画面205には、ログインするための選択域206と、パスワード登録するための選択域207と、パスワード変更するための選択域208と、戻るボタン209と、進むボタン210とが表示される。例えば、すでにユーザーがパスワード登録している場合にログインするための選択域206を選択すると、図4(C)の画面211が表示される。
【0030】
図4(C)の画面211には、パスワードを入力するための入力域212と、ログインするためのボタン213と、戻るボタン214と、進むボタン215とが表示される。ユーザーがパスワードを入力域212に入力し、ボタン213を選択すると、図4(D)の画面220が表示される。
【0031】
図4(D)の画面220には、ユーザーの氏名(○○××様)を表示した表示域221と、健診データの複数の項目を表示するための選択域222と、戻るボタン214と、進むボタン215とが表示される。例えば、ユーザーが選択域222のうち血圧表の項目を選択すると、図4(E)の画面225が表示される。
【0032】
図4(E)の画面225には、ユーザーの氏名、及び血圧データの測定日、血圧値、治療有無が表示され、測定日毎に詳細な情報を表示するための選択域235と、血圧データのグラフを表示するためのボタン226と、戻るボタン227と、進むボタン228とが表示される。例えば、ユーザーが選択域235の測定日「040615」を選択すると、図4(F)の画面229が表示される。また、ユーザーがグラフを表示するボタン226を選択すると、図5(D)の画面249が表示される。
【0033】
図4(F)の画面229には、測定日「040615」の血圧値を示すグラフと、その測定日の注意事項を表示するための選択域230と、血圧分類を表示するための選択域231と、高血圧の治療に関する情報を表示するための選択域232と、戻るボタン233と、進むボタン234とが表示される。例えば、ユーザーが高血圧治療の選択域232を選択すると、図5(A)の画面240が表示され、血圧分類の選択域231を選択すると、図5(B)の画面243が表示され、注意事項の選択域230を選択すると、図5(C)の画面240が表示される。
【0034】
図5は、携帯端末に表示される健診情報の例を示す図である。図5(A)の画面240には、医師等による高血圧に対する指導内容、例えば、目標の血圧値や食事指導などが表示されると共に、戻るボタン241と、進むボタン242とが表示される。また、図5(B)の画面243には、血圧値の分類と、ユーザーの血圧がどの分類であるかが表示されると共に、戻るボタン244と、進むボタン245とが表示される。図5(C)の画面246には、医師等による高血圧に対する注意事項などが表示されると共に、戻るボタン247と、進むボタン248とが表示される。図5(D)の画面249には、ユーザーの氏名と共に毎年度の血圧値の推移を示すグラフと、戻るボタン250と、進むボタン251とが表示される。画面249の血圧値の推移を示すグラフでは、最大血圧、最小血圧、治療有りを判別することができる。
【0035】
このように、携帯端末21から短縮ID及びパスワードを入力することにより、手軽に以前の健診時のデータやグラフ、医師による指導内容を手軽に閲覧することができ、日々の健康管理に活用することができる。尚、図4(B)において、パスワードが設定される前に、ユーザーの生年月日を認証に使用することも可能である。
【0036】
図6は、PCに表示される健診情報の例を示す図である。図6において、PC22に表示される画面260は、PC22から入力された短縮ID及びパスワードに基づいて、ウェブサーバー50から提供される健康情報である。画面260には、ユーザーの生年月日、ユーザーの短縮ID、住所、氏名を示す表示域261と、肥満度に関する情報を示す表示域262と、血圧に関する情報を示す表示域263とが表示される。
【0037】
表示域262には、肥満度の判定結果、例えば、ユーザーの身長、体重、肥満度の割合(%)、標準体重の範囲を示す表示域266と、医師等による肥満度に関するコメントを示す表示域267と、次のページを表示するためのボタン268とが表示されている。また、表示域263には、血圧の判定結果、例えば、ユーザーの血圧値、血圧判定区分を示す表示域270と、医師等による血圧に関するコメントを示す表示域271と、血圧分類のうちユーザーがどの分類であるかを示すグラフ272と、最大血圧と脳卒中発症率との関係のうちユーザーの発症率がどのあたりかを示すグラフ273と、グラフ272とグラフ273とに基づいた血圧値のコメントを示す表示域274と、血圧値の推移をグラフ表示するためのボタン275とが表示されている。
【0038】
図7は、PCに表示される健診情報の例を示す図である。図7において、PC22に表示される画面280は、PC22から入力された短縮ID及びパスワードに基づいて、ウェブサーバー50から提供される健康情報であり、図6に示すボタン268を選択すると表示される。画面280には、ユーザーの氏名を示す表示域281と、飲酒、喫煙に関する情報を示す表示域282と、尿検査に関する情報を示す表示域283とが表示される。
【0039】
表示域282には、飲酒、喫煙の判定結果、例えば、ユーザーの飲酒習慣(一日に摂取する量)、喫煙習慣(一日に喫煙する本数)を示す表示域285と、飲酒習慣の男女差のうち、ユーザーの飲酒習慣がとのあたりであるかを示すグラフ286と、喫煙習慣の男女差のうち、ユーザーの喫煙習慣がとのあたりであるかを示すグラフ287と、医師等による飲酒、喫煙に関するコメントを示す表示域288とが表示されている。また、表示域283には、尿検査の判定結果、例えば、ユーザーの尿糖、尿たん白、尿潜血の有無を示す表示域290と、尿糖の分布とユーザーの検査結果を示すグラフ291と、尿たん白の分布とユーザーの検査結果を示すグラフ292と、尿潜血の分布と自分の検査結果を示すグラフ293と、医師等による血圧に関するコメントを示す表示域294とが表示されている。
【0040】
このように、PC22へ画面260、画面280に示す健診情報を表示することにより、詳細な医師の指導内容を手軽に閲覧することができ、日々の健康管理に活用することができる。また、専門知識を有する医療関係者側からは、自己学習をしたユーザーに対して、基本的な話を省いて専門性の高い指導ができる。
【0041】
尚、上記に示す携帯端末21及びPC22に表示されるそれぞれの画面は、管理者及び医師等の指導者によって任意に設定変更可能である。
【0042】
次に、本発明の第2実施例である健康情報提供システム110について説明する。図8は、本発明の第2実施形態に係る健康情報提供システムを示すブロック図である。図8に示す健康情報提供システム110において、図1に示す健康情報提供システム100と同様の構成については同符号を付して説明を省略する。健康情報提供システム110は、情報管理サーバー600で外字を含む個人特定情報を画像化し、画像化した画像情報をウェブサーバー50に提供する点で健康情報提供システム100と異なる。以下、具体的に説明すると、情報管理サーバー600は、ユーザーの個人特定情報に含まれる外字毎に、その外字を画像化した画像情報が格納された外字表612と、サーバーリンク手段610に外字を含む個人特定情報を画像化する画像化手段611を有する。画像化手段611は、先ず、認証手段62によりユーザー本人であると認証された場合、認証時の短縮IDによりID対応表67から個人IDを取得し、個人IDで個人情報DB64から個人特定情報を抽出する。更に、画像化手段611は、外字表612を参照し、抽出した個人特定情報に外字が含まれていると判断した場合、その個人特定情報を画像化し、画像情報をウェブサーバー50へ提供する。ウェブサーバー50の情報提供手段52は、外字機能を持たないユーザー端末20へ画像情報と共に健診情報を提供する。
【0043】
このように、情報管理サーバー600で外字を含む個人特定情報を画像化し、その画像情報をウェブサーバー50へ提供して外字機能を持たないユーザー端末20へ画像情報を提供することにより、ユーザー端末20に氏名などの個人を識別する情報を正確に表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の第1実施形態に係る健康情報提供システムを示すブロック図
【図2】個人情報DBに格納されるテーブルを示す図
【図3】健康情報提供処理を示すフローチャート図
【図4】携帯端末に表示される健康情報の例を示す図
【図5】携帯端末に表示される健康情報の例を示す図
【図6】PCに表示される健康情報の例を示す図
【図7】PCに表示される健康情報の例を示す図
【図8】本発明の第2実施形態に係る健康情報提供システムを示すブロック図
【符号の説明】
【0045】
4・・・ルーター
5・・・切替手段
6・・・DMZ(非武装地帯)
10・・・ネットワーク
11・・・携帯電話網
20・・・ユーザー端末
21・・・携帯端末
22・・・PC
50・・・ウェブサーバー
51・・・認証手段
52・・・情報提供手段
53・・・短縮IDDB
54・・・個人情報DB
55・・・標準健診情報
56・・・付加健診情報
60、600・・・情報管理サーバー
61・・・サーバーリンク手段
62・・・認証手段
63・・・個人特定情報提供手段
64・・・健診情報DB
65・・・短縮ID生成手段
66・・・健診情報生成・更新手段
67・・・ID対応表
100、110・・・健康情報提供システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して、健康診断の結果を示す健診情報から作成された健康維持に必要な健康情報を、前記健康診断を受診したユーザーに提供する健康情報提供システムであって、
前記健診情報を管理する第1サーバー及び前記ネットワークに接続された前記健康情報を提供する第2サーバーから構成され、
前記第1サーバーは、
前記ユーザーを一意に識別する識別情報ごとに対応して設定された短縮情報を格納した対応表と、
前記識別情報毎に前記ユーザーを特定する個人特定情報と前記健診情報とを格納した個人情報データベースと、
前記第2サーバーから提供された前記短縮情報で前記対応表を参照して前記ユーザー本人を認証する第1認証手段と、
前記第1認証手段での認証に基づいて、前記対応表の前記識別情報に基づいて、前記個人情報データベースから前記ユーザーを特定する個人特定情報を抽出し、前記第2サーバーへ提供する個人特定情報提供手段とを具備し、
前記第2サーバーは、
前記第1サーバーから提供された前記健診情報を格納した健診情報データベースと、
前記第1サーバーから提供された前記短縮情報を格納した短縮情報データベースと、
前記ユーザーから前記健康情報の要求時に入力された前記短縮情報を認証する第2認証手段であって、前記短縮情報と前記短縮情報データベースに格納された前記短縮情報とを比較して当該第2サーバーの前記第1サーバーへのアクセスを許可する第2認証手段と、
前記第2認証手段での認証に基づいて、前記第1認証手段に前記短縮情報を提供する短縮情報提供手段と、
前記第1サーバーから提供された前記個人特定情報と、前記短縮情報に基づいて前記健診情報データベースから抽出した前記健診情報とを関連付けた前記健康情報を前記ユーザーに提供する健康情報提供手段とを具備することを特徴とする健康情報提供システム。
【請求項2】
前記第1サーバーは、
所定の外字と対応する画像を格納した外字表と、
前記外字表に基づいて、前記外字を含む前記個人特定情報を画像化する画像化手段とを有し、
前記第1認証手段により前記ユーザー本人であると認証された場合、前記画像化手段により画像化された画像情報を前記第2サーバーへ提供することを特徴とする請求項1記載の健康情報提供システム。
【請求項3】
前記第1サーバーは、
前記短縮情報を生成して前記対応表に格納する短縮情報生成手段と、
前記短縮情報に関連付けた前記健診情報を前記第2サーバーの前記健診情報データベースへ提供する健診情報提供手段とを有することを特徴とする請求項1又は2記載の健康情報提供システム。
【請求項4】
前記第2サーバーの前記短縮情報データベースは、前記短縮情報と共に前記ユーザーにより設定されたパスワードを格納し、
前記第2認証手段は、前記ユーザーから入力された前記短縮情報及び前記パスワードに基づいて、前記第1サーバーへのアクセスを認証することを特徴とする請求項1乃至3いずれか一項記載の健康情報提供システム。
【請求項5】
前記健診情報提供手段は、前記健診情報を既存の健診情報に対応した標準健診情報と、前記標準健診情報へ新たに付加する付加健診情報とに分割して前記健診情報データベースへ提供することを特徴とする請求項4記載の健康情報提供システム。
【請求項6】
前記健診情報提供手段は、前記個人情報データベースに格納された前記健診情報が更新された場合、前記健診情報データベースに格納された前記短縮情報を有する前記健診情報を更新することを特徴とする請求項4又は5記載の健康情報提供システム。
【請求項7】
前記健康情報は、前記健診情報の履歴、専門家による健康維持に必要な指導情報を含むことを特徴とする請求項1乃至6いずれか一項記載の健康情報提供システム。
【請求項8】
前記第1サーバーは、健康診断を行った複数の機関から前記個人特定情報及び前記健診情報を取得することを特徴とする請求項1乃至7いずれか一項記載の健康情報提供システム。
【請求項9】
ネットワークを介して、健康診断の結果を示す健診情報から作成された健康維持に必要な健康情報を、前記健康診断を受診したユーザーに提供する健康情報提供方法であって、
前記ユーザーを一意に識別する識別情報ごとに対応して設定された短縮情報が、前記ユーザーから入力された場合、当該短縮情報と短縮情報データベースに格納された前記短縮情報とを比較してウェブサーバーから情報管理サーバーへのアクセスを許可し、
前記情報管理サーバーへのアクセスが許可された場合、前記情報管理サーバーに前記短縮情報を提供し、
前記ウェブサーバーから提供された前記短縮情報で、前記識別情報ごとに対応して設定された短縮情報を格納した対応表を参照して前記ユーザー本人を認証し、
前記ユーザー本人の認証結果より、前記対応表の前記識別情報に基づいて、前記識別情報毎に前記ユーザーを特定する個人特定情報と前記健診情報とを格納した個人情報データベースから前記ユーザーを特定する個人特定情報を抽出して前記ウェブサーバーへ提供し、
前記情報管理サーバーから提供された前記個人特定情報と、前記健診情報を格納した健診情報データベースから前記短縮情報に基づいて抽出した前記健診情報とを関連付けた前記健康情報を前記ユーザーに提供することを特徴とする健康情報提供方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−107134(P2006−107134A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−292918(P2004−292918)
【出願日】平成16年10月5日(2004.10.5)
【出願人】(503360115)独立行政法人科学技術振興機構 (1,734)
【Fターム(参考)】