説明

偽造防止貼付体

【課題】模倣品として製造しにくい偽造防止貼付体を提供する。
【解決手段】印刷層の少なくとも一部に形成した第1の印刷領域2は、第1の画像情報4及び第2の画像情報5を構成する画像印刷領域10〜12とその背景印刷領域13とから構成され、第1の画像情報4を構成する画像印刷領域10,12には、金属を含む光輝性材料によって基材表面を100%の第1の隠蔽率で隠蔽する第1隠蔽層を形成するとともに、第2の画像情報5を構成する画像印刷領域11及び背景印刷領域13には、光輝性材料によって基材表面を90%の第2の隠蔽率で隠蔽する第2隠蔽層を形成し、さらに、前記画像印刷領域10,12及び背景印刷領域13には、光輝性材料に比較して可視光吸収性の高い色材料によって隠蔽層を25%の第3の隠蔽率で隠蔽する第3隠蔽層を形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種媒体の偽造、変形防止を図るために、これらの媒体に貼付して真偽判別を行うことができ、特にブランドプロテクション等に用いられる偽造防止貼付体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、知的財産を侵害する粗悪な模倣品被害が大きな社会問題となっている。そこで、模倣品対策として、真正品であることを証明するための認証ラベルを真正品又はそのパッケージに貼り付けることが広く知られている。この認証ラベルには、例えば、特殊インク、ホログラム、磁気記録等、多くの偽造防止手段が施されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
【0003】
また、不正に剥離したことが判定できる密閉シールとしては、剥離する際の応力によって容易に破壊する脆性シートを密封シール用の基材シートとして用いたものや、剥離した後は再貼着できない特殊な接着剤を用いたものなどがあり、これら従来の密封シールは、剥離した後に再封しようとしてもシールが破壊されていて再封は困難であり、剥離した痕跡を外から外観的に容易に判定できる(例えば、特許文献4参照)。
【0004】
また、光の干渉を用いて立体画像を再生し得るホログラムは、高度な製造技術を要するものの、シール、箔等の形態に作成可能であるので、これを、物品の表面に貼着し、その有無により物品が真正品であるか、不正品であるかを判定する手段として使われている。
【0005】
また、このような物品に貼着したホログラムを剥がし、再貼着する悪用がされないように、支持層とホログラム層あるいはこれらの間に設けた剥離層と支持層又はホログラム層で剥離するホログラム脆性シールや、支持層とホログラム形成層との間にパターン状の剥離層を形成しておき、支持層とホログラム形成層が剥離するホログラム脆性シールがある(例えば、特許文献5参照)
【0006】
【特許文献1】特開平10−204363号公報
【特許文献2】特開2000−293108号公報
【特許文献3】特開2002−72889号公報
【特許文献4】特開平07−089293号公報
【特許文献5】実公平05−048210号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1〜3によると、真正品から認証ラベル又は密封シールを剥がすことに成功しさえすれば、その認証ラベルを模倣品に再貼り付けすることにより、不正行為が容易になされるという問題があった。
【0008】
上記のような認証ラベル又は密封シールにおいては、該ラベル又はシールに外観的に似せた模倣品や類似品は比較的にその製造が容易であると云った欠点があり、剥離した後にその模倣品を使って再密封された場合などは、ラベル又はシールが模倣品であるか否かを外観的に判定することは困難で、それを再度剥離して正しいラベル又はシールであることを確認する必要があり、したがって剥離した事実をそのまま直ちに知ることが容易でなく、不正剥離や不正開封に対する即応的な発見が困難な場合がある。
【0009】
また、最近、真正なホログラムに感材を密着させ、ホログラム像を転写する、いわゆるデットコピーにより偽造ホログラムを作成し、それを不正品に接着する事件も発生している。
【0010】
しかしながら、こうした偽造防止策は、高額な機能性材料が必要なため、生産コスト面において、経済性に見合う製品にしか付与することができなかった。
【0011】
本発明は、一般の商業印刷で使用されているインキ等の材料を用いて、可視及び不可視画像を生成し、現在の写真製版装置では複製が不可能であり、特殊鑑定装置等を用いないかぎり画像を認識することができない不可視画像を付与し、かつ、光輝性の画像を安価に付与することにより、模倣品として製造しにくい偽造防止貼付体を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の偽造防止貼付体は、
基材の一方の面に印刷層を、他方の面に接着層を設けた偽造防止貼付体において、
前記印刷層の少なくとも一部に第1の印刷領域を形成し、
該第1の印刷領域は、第1の画像情報及び該第1の画像情報とは異なる第2の画像情報を構成する画像印刷領域と、前記第1の画像情報及び前記第2の画像情報の背景を構成する背景印刷領域と、から構成され、
前記第1の画像情報または前記第2の画像情報のうち一方を構成する画像印刷領域には、金属を含んだ光輝性材料によって基材表面を90〜100%の範囲内の第1の隠蔽率で隠蔽する隠蔽層を形成するとともに、他方を構成する画像印刷領域及び前記背景印刷領域には、前記光輝性材料によって基材表面を70〜90%の範囲内の前記第1の隠蔽率とは異なる第2の隠蔽率で隠蔽する隠蔽層を形成し、
さらに、前記一方を構成する画像印刷領域及び前記背景印刷領域には、前記光輝性材料に比較して可視光吸収性の高い色材料によって隠蔽層を15〜30%の範囲内の第3の隠蔽率で隠蔽する隠蔽層を形成した、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、第1の画像印刷領域(一方の画像印刷領域)に光輝性材料によって第1の隠蔽率(例えば100%)で隠蔽された隠蔽層が形成され、背景領域及び第2の画像印刷領域(他方の画像印刷領域)、つまり第1の画像印刷領域以外の領域に光輝性材料によって第2の隠蔽率(例えば90%)で隠蔽された隠蔽層が形成されるとともに、背景領域及び第1の画像印刷領域、つまり第2の画像印刷領域以外の領域に可視光吸収性の高い色材料によって第3の隠蔽率(例えば25%)で隠蔽された隠蔽層が形成されることで、拡散光領域において第1の画像情報のみが認識され、正反射光領域において第2の画像情報のみが認識され、かつ、赤外線照射時には第1の画像情報のみが認識される。
【0013】
本発明の請求項2に記載の偽造防止貼付体は、
基材の一方の面に印刷層を、他方の面に接着層を設けた偽造防止貼付体において、
前記印刷層の少なくとも一部に第1の印刷領域を形成し、
該第1の印刷領域は、第1の画像情報及び該第1の画像情報とは異なる第2の画像情報を構成する画像印刷領域と、前記第1の画像情報及び前記第2の画像情報の背景を構成する背景印刷領域と、から構成され、
前記第1の画像情報または前記第2の画像情報のうち一方を構成する画像印刷領域及び背景印刷領域には、金属を含んだ光輝性材料によって基材表面を90〜100%の範囲内の第1の隠蔽率で隠蔽する隠蔽層を形成するとともに、他方を構成する画像印刷領域には、前記光輝性材料によって基材表面を70〜90%の範囲内の前記第1の隠蔽率とは異なる第2の隠蔽率で隠蔽する隠蔽層を形成し、
さらに、前記他方を構成する画像印刷領域及び前記背景印刷領域には、前記光輝性材料に比較して可視光吸収性の高い色材料によって隠蔽層を15〜30%の範囲内の第3の隠蔽率で隠蔽する隠蔽層を形成した、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、第1の画像印刷領域(一方の画像印刷領域)に光輝性材料によって第2の隠蔽率(例えば90%)で隠蔽された隠蔽層が形成され、背景領域及び第2の画像印刷領域(他方の画像印刷領域)、つまり第1の画像印刷領域以外の領域に光輝性材料によって第1の隠蔽率(例えば100%)で隠蔽された隠蔽層が形成されるとともに、背景領域及び第1の画像印刷領域、つまり第2の画像印刷領域以外の領域に可視光吸収性の高い色材料によって第3の隠蔽率(例えば25%)で隠蔽された隠蔽層が形成されることで、拡散光領域において第2の画像情報のみが認識され、正反射光領域において第1の画像情報のみが認識され、かつ、赤外線照射時には第2の画像情報のみが認識される。
尚、請求項1,2において、前記金属を含んだ光輝性材料とは、金属を含む材料であればよく、例えばアルミ粉を成分とした銀インキや真鍮粉を成分とした金インキ等の種々の材料(インキ)を含む。
【0014】
本発明の請求項3に記載の偽造防止貼付体は、請求項1または2に記載の偽造防止貼付体であって、
前記印刷層に、前記第1の印刷領域とは別個に第2の印刷領域を形成し、
前記第2の印刷領域は、第3の印刷領域と、該第3の印刷領域よりも面積が小さい第4の印刷領域と、から構成され、
前記第4の印刷領域は、
赤外線吸収性色素を含むブラックインキで構成されたブラックインキ印刷領域と、
赤外線吸収性色素を含まないインキを用いて構成された黒色系である非ブラックインキ印刷領域と、
を含み、前記第4の印刷領域におけるブラックインキ印刷領域と非ブラックインキ印刷領域との比率に応じて、複数の第4の印刷領域における非ブラックインキ印刷領域の領域により第3の画像情報を構成した、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、赤外線反射表示装置等により観察した場合に、前記第1の画像情報及び前記第2の画像情報とは別個に印刷された第3の画像情報が認識される。
【0015】
本発明の請求項4に記載の偽造防止貼付体は、請求項3に記載の偽造防止貼付体であって、
前記第1の画像情報または前記第2の画像情報と前記第3の画像情報との組み合わせにより1つの文字情報が構成される、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、赤外線反射表示装置等により観察した場合にのみ、1つの文字情報を認識することができる。
【0016】
本発明の請求項5に記載の偽造防止貼付体は、請求項1ないし4のいずれかに記載の偽造防止貼付体であって、
前記偽造防止貼付体は、脆質基材からなる、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、剥離したときに偽造防止貼付体が破壊されるため、再生が困難となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明に係る偽造防止貼付体を実施するための最良の形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例1】
【0018】
本発明の実施例を図面に基づいて説明すると、先ず図1は、本発明の実施例1における偽造防止貼付体を示す図であり、(a)は偽造防止貼付体における各印刷領域を示す正面図であり、(b)はラベル1を示す断面図であり、図2は、(a)は拡散光領域における画像情報の視認状況を示す図であり、(b)は正反射光領域における画像情報の視認状況を示す図であり、図3は、赤外線照射時における画像情報の視認状況を示す図であり、図4は、ラベルを観察するときの照明光源と視点とラベルとの位置関係を示す図である。
【0019】
図1には、本発明の実施例1としての偽造防止貼付体であるセキュリティー用ラベル(以下、ラベル1と略称する)1が示されている。該ラベル1は、図1に示されるように、表面に後述する印刷層が形成される表面基材1aと、該表面基材1aの裏面に形成される粘着層1bと、該粘着層1bの裏面に貼着される剥離材1cと、から構成されており、剥離材1cを剥離して粘着層1bを図示しない被貼着体に当接することで、該被貼着体に貼着することができるようになっている。
【0020】
本実施例における表面基材1aは、厚さが約50μmの脆質性を有する白色ポリ塩化ビニルフィルムからなり、粘着層1bは、アクリル系溶剤型粘着剤からなり、剥離材1cは、グラシン紙の片面に剥離処理を施したものからなる。
【0021】
尚、本実施例においては、表面基材1a、粘着層1b、剥離材1cの材質等は上記材質に限定されるものではなく、適宜変更可能であるが、特に表面基材1a及び粘着層1bは、図示しない被貼着体に貼着した後、剥離しようとする際において、表面に印刷層が形成された表面基材1aが破壊されて再度貼着することが不可能な状態に貼着される性質、つまり脆弱性を有していることが好ましく、このようにラベル1を脆弱性を有する材質にて構成することで、ラベル1を被貼着体から剥離して不正に複製すること困難となるとともに、剥離した際に破壊された痕跡が残り、ラベル1が剥離されたこと、すなわち不正行為が行われた可能性があることを早期に発見できるため、不正行為を効果的に防止することができる。
【0022】
表面基材1aの表面中央には、ラベル1を観察する視点の角度を拡散光領域から正反射光領域へ変化させることによって、視認性情報が非視認性情報に変化する第1の画像情報4(「証」を示す文字情報)及び第2の画像情報5(「OK」を示す文字情報)が印刷された円形状の第1の印刷領域2が形成されるとともに、その周囲には、第3の画像情報6L,6R(草花を示す画像情報)及び第4の画像情報7L,7R(「証」を示す文字情報7L,「明」を示す文字情報7R)が印刷された第2の印刷領域3が形成されている。
【0023】
まず、第1の印刷領域2の詳細について説明すると、第1の印刷領域2は、互いに一部が重なり合うように配置された第1の画像情報4及び第2の画像情報5を構成する画像印刷領域10〜12と、該画像印刷領域10〜12の背景(周囲)を構成する背景印刷領域13と、から構成されている。
【0024】
より詳しくは、第1の画像情報4は、「証」の文字のみを構成する画像印刷領域10と、「証」及び「OK」の文字の一部をそれぞれ構成する画像印刷領域12と、からなる。また、第2の画像情報5は、「OK」の文字のみを構成する画像印刷領域11と、「証」及び「OK」の文字の一部を構成する画像印刷領域12と、からなる。すなわち、画像印刷領域12は、「証」及び「OK」の文字の一部をそれぞれ構成する印刷領域であり、第1の画像情報4と第2の画像情報とは互いの一部が重合した状態で配置されているとともに、これら画像印刷領域10〜12及び背景印刷領域13は、アルミ粉を成分とした銀インキ及び該銀インキに比較して可視光吸収性の高い色材料の一例であるバイオレットインキを用いて、ウェットオフセット印刷によって印刷された領域とされている。
【0025】
尚、本実施例では、画像印刷領域10〜12及び背景印刷領域13を、アルミ粉を成分とした銀インキ及び該銀インキに比較して可視光吸収性の高い色材料の一例であるバイオレットインキにて印刷しているが、高輝性材料であれば、銀インキの替わりに例えば真鍮粉を成分とした金インキ等を適用してもよいし、また、該銀インキに比較して可視光吸収性の高い色材料であれば、バイオレットインキの替わりに例えば青インキ等の他色インキをてきようしてもよい。
【0026】
これらのうち画像印刷領域10は、銀インキにより基材表面1aをベタ印刷することにより、銀インキにより基材表面1aを100%の隠蔽率(第1の隠蔽率)で隠蔽する第1隠蔽層と、バイオレットインキにより前記第1隠蔽層表面を所定の網点面積率で印刷することにより、バイオレットインキにより前記第1隠蔽層表面を25%の隠蔽率(第3の隠蔽率)で隠蔽する第3隠蔽層と、が形成された領域とされている。
【0027】
画像印刷領域11は、銀インキにより基材表面1aを所定の網点面積率で印刷することにより、銀インキにより基材表面1aを90%の隠蔽率(第2の隠蔽率)で隠蔽する第2隠蔽層が形成された領域とされている。
【0028】
画像印刷領域12は、銀インキにより基材表面1aをベタ印刷することにより、銀インキにより基材表面1aを100%の隠蔽率(第1の隠蔽率)で隠蔽する第1隠蔽層が形成された領域とされている。
【0029】
背景印刷領域13は、銀インキにより基材表面1aを所定の網点面積率で印刷することにより、銀インキにより基材表面1aを90%の隠蔽率(第2の隠蔽率)で隠蔽する第1隠蔽層と、バイオレットインキにより前記第2隠蔽層表面を所定の網点面積率で印刷することにより、バイオレットインキにより前記第2隠蔽層表面を25%の隠蔽率(第3の隠蔽率)で隠蔽する第3隠蔽層と、が形成された領域とされている。
【0030】
言い換えると、「証」を示す画像印刷領域10,12は、銀インキによりベタ印刷されている。また、「OK」を示す画像印刷領域11と背景印刷領域13、つまり、第1の印刷領域2における「証」を示す画像印刷領域10,12以外の全ての領域は、「OK」を示す画像印刷領域11を含めて銀インキが網点面積率90%で印刷されている。
【0031】
さらに、背景印刷領域13及び「証」を示す画像印刷領域10、つまり、第1の印刷領域2における「OK」を示す画像印刷領域11以外の全ての領域には、「証」を示す画像印刷領域10を含めてバイオレットインキが網点面積率25%で印刷されている。
【0032】
図4には、拡散光領域及び正反射光領域で観察したときの照明光源20と視点21と上記ラベル1の3つの位置関係を図示したものである。照明光源20と視点21とラベル1との位置関係が図4(a)の状態にあるときには拡散光領域で観察したことになり、照明光源20と視点21とラベル1との位置関係が図4(b)の状態にあるときには正反射光領域で観察したことになる。
【0033】
すなわち、図2には、上記のように構成されたラベル1を前記拡散光領域及び前記正反射光領域で観察したときの観察図が示されている。図2(a)で示されるように、拡散光領域で観察した場合には、「証」の文字情報を示す第1の画像情報4のみが観察され、つまり、「OK」の文字情報を示す第2の画像情報5は潜在化して観察できなくなり、正反射光領域で観察した場合には、「OK」の文字情報を示す第2の画像情報5のみが観察され、つまり、「証」の文字情報を示す第1の画像情報4は潜在化して観察できなくなる。
【0034】
このように、光輝性材料である銀インキを用いることによって、基材表面1aに対する隠蔽率の異なる、すなわち、基材表面1a上に適切な隠蔽率の疎密差(100%と90%)を持つ2つの第1隠蔽層及び第2隠蔽層が形成されているとき、拡散光領域においては、上記適切な隠蔽率の疎密差を持つ2つの隠蔽層の両者から観察者の目に到達する反射光量は互いに小さくなるため、視覚的に、隠蔽率の疎密差に由来する色調差すなわち濃淡差を容易に認識することが可能になるため、銀インキでベタ印刷された「証」の文字情報を視認することができる(図2(a)参照)。
【0035】
一方、正反射光領域では、上記2つの隠蔽層には、隠蔽率の疎密差が存在しているにも関わらず、上記2つの隠蔽層の両者から観察者の目に到達する反射光量が共に極端に大きくなるため、隠蔽率の疎密差に由来する色調差すなわち濃淡差を視認することが難しくなり、銀インキでベタ印刷された「証」の文字情報を視認することが難しくなる(図2(b)参照)。
【0036】
また、銀インキを用いて形成された基材表面1aに対する隠蔽率(100%,90%)の極めて密な第1隠蔽層及び第2隠蔽層と、該第1,第2隠蔽層上に、銀インキに比較して可視光吸収性の高い色材料の一例であるバイオレットインキを用いて形成された隠蔽率(25%)の極めて疎な第3隠蔽層を重ねた隠蔽層の2つの隠蔽層においては、上記拡散光領域において、観察者の目に到達する反射光量は、互いに小さくなるため、構成成分は異なっているにも関わらず、上記2つの隠蔽層からの色調及び光輝性の差を視認することが難しくなり、結果として、同じ程度の刺激として人の目に観察されるため、「OK」の文字情報を視認することが難しくなる(図2(a)参照)。
【0037】
一方、上記正反射光領域では、上記光輝性材料のみの隠蔽層から観察者の目に到達する反射光量は極端に大きくなるのに対して、上記可視光吸収性の高い色材料であるバイオレットインキを重ねた隠蔽層から観察者の目に到達する反射光量は相対的に小さくなるため、上記2つの隠蔽層では、反射光量の差に由来する明暗差すなわち色調差を容易に視認することが可能になり、「OK」の文字情報を視認することができる(図2(b)参照)。
【0038】
すなわち、図2に示されるように、拡散光領域においては「証」を示す第1の画像情報4のみが視認され、正反射光領域においては「OK」を示す第2の画像情報のみが視認されることになる。
【0039】
また、「証」の文字情報を構成する画像印刷領域10,12は銀インキがベタ印刷されており、「OK」の文字情報を構成する画像印刷領域11及び背景印刷領域13、つまり、第1の印刷領域2における「証」の文字情報を構成する画像印刷領域10,12以外の全ての領域は銀インキが網点面積率90%で印刷されていることにより、赤外線で第1の印刷領域2を照射した際には、図3に示されるように、「証」の文字情報のみが視認できることになる。
【0040】
すなわち、「OK」を示す第2の画像情報5は、銀インキによって背景印刷領域13と同様の網点面積率(90%)で印刷されていることで、赤外線を照射した際には、背景印刷領域13と同化して「証」の文字情報の背景となるため、網点面積率90%で印刷された背景内に、網点面積率100%(ベタ印刷)された「証」の文字情報のみが、それらの隠蔽率の差によって視認できる。
【0041】
尚、このように視認性情報が非視認性情報に変化する画像情報を構成する技術としては、本出願人が先に出願し、公開された特開2001−121804号公報にて提案されている。
【0042】
次に、第2の印刷領域3の詳細について説明すると、第2の印刷領域3は、ラベル1の中央に配置された第1の印刷領域2の周囲に形成されており、第1の印刷領域2に向かって左側には、「証」の文字を構成する第3の画像情報7Lが印刷されるとともに、草花を示す第4の画像情報6Lが印刷されている。また、第1の印刷領域2に向かって右側には、「明」の文字を構成する第3の画像情報7Rが印刷されるとともに、草花を示す第4の画像情報6Rが印刷されている。
【0043】
図1中拡大図に示されるように、m×mピクセルの第1のハーフトーン領域15には、複数の円形ドット15aで配置された第4の画像情報6L,6Rをシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の3色で印刷し、n×nピクセルの第2ハーフトーン領域には、円形ドット16aで配置された第3の画像情報7L,7Rを、赤外線吸収性色素を含むブラック(Bk)インキ1色で印刷し、該第3の画像情報7L,7Rの周囲の網点16bには、赤外線吸収性色素を含まないシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の3色ベタを配置した。
【0044】
このようにすることで、可視の状態、つまり前記拡散光領域及び前記正反射光領域では、第4の画像情報6L,6Rが認識され、「証」及び「明」を示す第3の画像情報7L,7Rが隠蔽されていることを認識するのは困難な状態となる(図2参照)。また、ラベル1に対して赤外線を照射した場合には、第3の画像情報7L,7Rを認識することができる(図3参照)。
【0045】
つまり、一般の商業印刷で使用されているシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(Bk)の基本4色インキのうちのブラック(Bk)は、カーボンブラックを主体とした黒色顔料で、紫外線領域から赤外線領域まで全域にわたり吸収を示す。一般市場において、例えば大日精化工業株式会社製のクロモファインブラックインキなどは、赤外線を吸収しないという特異な性質を活かしたセキュリティー記録材料も存在するが、前記基本4色のうちのシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)を重ね合わせたものが赤外線を吸収しないことを利用すれば、赤外線カメラ等の特殊な鑑定装置を用いて観察した場合において、カーボンブラック含有のブラック(Bk)インキで印刷された画像のみ視認することができる。
【0046】
よって、2種類の網点画像(第3の画像情報7L,7R及び第4の画像情報6L,6R)を同一平面上に均等配置する場合において、一般の商業印刷で使用されているシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(Bk)の基本4色インキを用いて、可視、不可視画像を生成し、現在の写真製版装置では複製が不可能であり、特殊鑑定装置等を用いないかぎり画像を認識することができない不可視画像を安価に印刷することができる。
【0047】
以上説明してきたように、本発明の実施例1としてのラベル1にあっては、第1の画像印刷領域10,12に銀インキによって第1の隠蔽率(100%)で隠蔽された第1隠蔽層が形成され、背景印刷領域13及び第2の画像印刷領域11、つまり第1の画像印刷領域10,12以外の領域に銀インキによって第2の隠蔽率(90%)で隠蔽された第2隠蔽層が形成されるとともに、背景印刷領域13及び第1の画像印刷領域10、つまり第2の画像印刷領域11以外の領域に可視光吸収性の高い色材料によって第3の隠蔽率(15%)で隠蔽された第3隠蔽層が形成されることで、拡散光領域において第1の画像情報4のみが認識され、正反射光領域において第2の画像情報5のみが認識され、かつ、赤外線照射時には第1の画像情報4のみが認識される。
【0048】
このように、ラベル1を観察する視点の角度を拡散光領域と正反射光領域との間で変化させることによって、第1の画像情報4及び第2の画像情報5が、視認状態と非視認(隠蔽)状態との間で変化することになるだけでなく、赤外線を照射した際には、同じ銀インキにより印刷された第1の画像情報4及び第2の画像情報5からなる複数の画像情報全てが視認されるのではなく、それらのうち一方の画像情報のみが視認される。
【0049】
よって、一般の商業印刷で使用されている1種類の銀インキを、その隠蔽率を異ならせて印刷することで、拡散光領域及び正反射光領域の間で視認状態を変化させるだけでなく、赤外線照射時等においてさらに別個の視認状態を形成することができるため、現在の写真製版装置では複製が不可能であり、特殊鑑定装置等を用いないかぎり画像を認識することができない不可視画像を付与し、かつ、光輝性の画像を安価に付与することにより、模倣品として製造しにくい偽造防止脆性貼付体を構成することができる。
【実施例2】
【0050】
図5〜図7には、本発明の実施例2としてのラベル31が示されている。図5は、本発明の実施例2における偽造防止貼付体を示す正面図であり、図6は、(a)は拡散光領域における画像情報の視認状況を示す図であり、(b)は正反射光領域における画像情報の視認状況を示す図であり、図7は、赤外線照射時における画像情報の視認状況を示す図である。
【0051】
前記実施例1においては、第1の画像情報4及び第2の画像情報5は、互いに一部が重合するように配置されていたが、図5に示されるラベル31に示されるように、第1の画像情報34である「正」の文字情報と、第2の画像情報35である「OK」の文字情報と、が互いに独立状態で配置された状態で印刷されていてもよい。尚、本実施例2において、前記実施例1と同様に構成される部位に関しては、各符号に30を加算した符号を付すことで、その詳細な説明は省略することとする。
【0052】
本実施例2において、「正」を示す第1の画像情報34を構成する画像印刷領域40は、銀インキにより基材表面1aをベタ印刷することにより、銀インキにより基材表面1aを100%の隠蔽率(第1の隠蔽率)で隠蔽する第1隠蔽層と、バイオレットインキにより前記第1隠蔽層表面を所定の網点面積率で印刷することにより、バイオレットインキにより前記第1隠蔽層表面を25%の隠蔽率(第3の隠蔽率)で隠蔽する第3隠蔽層と、が形成された領域とされている。
【0053】
「OK」を示す第2の画像情報35を構成する画像印刷領域41は、銀インキにより基材表面1aを所定の網点面積率で印刷することにより、銀インキにより基材表面1aを90%の隠蔽率(第2の隠蔽率)で隠蔽する第2隠蔽層が形成された領域とされている。
【0054】
背景印刷領域13は、銀インキにより基材表面1aを所定の網点面積率で印刷することにより、銀インキにより基材表面1aを90%の隠蔽率(第2の隠蔽率)で隠蔽する第1隠蔽層と、バイオレットインキにより前記第2隠蔽層表面を所定の網点面積率で印刷することにより、バイオレットインキにより前記第2隠蔽層表面を25%の隠蔽率(第3の隠蔽率)で隠蔽する第3隠蔽層と、が形成された領域とされている。
【0055】
また、第3の画像情報37L,37Rは、「真」の文字情報からなる第3の画像情報37Lと、「品」の文字情報からなる第3の画像情報37Rと、から構成され、前記実施例1と同様に、ブランク(Bk)インキにより構成されている。
【0056】
図6には、上記のように構成されたラベル31を前記拡散光領域及び前記正反射光領域で観察したときの観察図が示されている。図6(a)で示されるように、拡散光領域で観察した場合には、「正」の文字情報を示す第1の画像情報34のみが観察され、つまり、「OK」の文字情報を示す第2の画像情報35は潜在化して観察できなくなり、図6(b)で示されるように、正反射光領域で観察した場合には、「OK」の文字情報を示す第2の画像情報35のみが観察され、つまり、「正」の文字情報を示す第1の画像情報34は潜在化して観察できなくなる。
【0057】
赤外線で第1の印刷領域32を照射した際には、図7に示されるように、「正」の文字情報のみが視認できることになる。すなわち、「OK」を示す第2の画像情報35は、銀インキによって背景印刷領域43と同様の網点面積率(90%)で印刷されており、背景印刷領域43と同化されてしまうため、「正」の文字情報のみが視認できることになる。
【0058】
さらに赤外線で第1の印刷領域32及び第2の印刷領域33双方を照射した際には、図7に示されるように、第3の画像情報37L,37Rである「真」「品」と、これらの中央に配置される第1の画像情報4を構成する「正」の文字情報と、が視認できることになり、これら文字情報の組み合わせにより、「真正品」という1つの文字情報(単語)が形成される。
【0059】
このように、赤外線照射時においてのみ、第1の印刷領域32と第2の印刷領域33それぞれに印刷された画像情報を組み合わせることにより所定の文字情報が形成されるようにすることで、模倣品として製造しにくい偽造防止脆性貼付体を構成することができる。
【0060】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0061】
例えば、前記実施例1,2では、第1,第2,第3の画像情報は文字情報により構成されていたが、画像情報は文字情報に限定されるものではなく、例えば第4の画像情報のような絵柄情報や、あるいは図形、記号等の情報にて構成されていてもよい。また、第4の画像情報6L,6Rを文字情報や図形、記号等の情報としてもよい。
【0062】
また、前記実施例1,2では、第1の印刷領域2,32に態様が異なる2種類の画像情報が印刷されていたが、2種類以上の画像情報を配置してもよい。
【0063】
また、前記実施例1において、画像印刷領域12には、第1の画像情報4を構成する画像印刷領域10と同じ銀インキにより同一の隠蔽率(100%)による第1隠蔽層が形成されていたが、第2の画像情報5を構成する画像印刷領域11と同じ銀インキにより同一の隠蔽率(90%)による第2隠蔽層が形成されていてもよい。
【0064】
また、前記実施例1,2では、第1隠蔽層及び第2隠蔽層の表面に第3隠蔽層が形成されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、第3隠蔽層を表面基材1aの表面に直接形成するものであってもよい。この場合、例えば第1の印刷領域2内を左右方向に横切る万線を上下方向に複数形成し、各万線に第1隠蔽層と第2隠蔽層を交互に配置するとともに、第3隠蔽層を第1隠蔽層及び第2隠蔽層が配置された万線とは異なる万線上に形成すればよい。
【0065】
また、前記実施例1,2では、第1隠蔽層の隠蔽率が100%、第2隠蔽層の隠蔽率が90%、第3隠蔽層の隠蔽率が25%とされていたが、第1隠蔽層の隠蔽率は90〜100%の範囲内、第2隠蔽層の隠蔽率は70〜90%の範囲内、第3隠蔽層の隠蔽率は15〜30%の範囲内の所定値であり、かつ、第1隠蔽層及び第2隠蔽層の隠蔽率がそれぞれ異なる隠蔽率であれば、種々に変更可能である。
【0066】
また、前記実施例1,2では、第1の画像情報4を構成する画像印刷領域10,12には、銀インキによって基材表面を100%の第1の隠蔽率で隠蔽する第1隠蔽層を形成するとともに、第2の画像印刷領域11及び背景印刷領域13には、前記銀インキによって基材表面を90%の第2の隠蔽率で隠蔽する第2隠蔽層を形成し、さらに、画像印刷領域10,12及び背景印刷領域13には、銀インキに比較して可視光吸収性の高いバイオレットインキによって隠蔽層を25%の第3の隠蔽率で隠蔽する第3隠蔽層を形成していたが、本発明はこれに限定されるものではなく、
第2の画像情報5を構成する画像印刷領域11には、銀インキによって基材表面を100%の第1の隠蔽率で隠蔽する第1隠蔽層を形成するとともに、第1の画像印刷領域10,12及び背景印刷領域13には、銀インキによって基材表面を90%の第2の隠蔽率で隠蔽する第2隠蔽層を形成し、さらに、画像印刷領域11及び背景印刷領域13には、銀インキに比較して可視光吸収性の高いバイオレットインキによって隠蔽層を25%の第3の隠蔽率で隠蔽する第3隠蔽層を形成してもよい。
【0067】
さらに、第1の画像情報4(または第2の画像情報5)を構成する画像印刷領域10,12(または画像印刷領域11)及び背景印刷領域13には、銀インキによって基材表面を100%の第1の隠蔽率で隠蔽する第1隠蔽層を形成するとともに、第2の画像情報5(または第1の画像情報4)を構成する画像印刷領域11(または画像印刷領域10,12)には、銀インキによって基材表面を90%の第2の隠蔽率で隠蔽する隠蔽層を形成し、さらに、画像印刷領域11(または画像印刷領域10,12)及び背景印刷領域13には、銀インキに比較して可視光吸収性の高いバイオレットインキによって隠蔽層を25%の第3の隠蔽率で隠蔽する第3隠蔽層を形成するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の実施例1における偽造防止貼付体を示す図であり、(a)は偽造防止貼付体における各印刷領域を示す正面図であり、(b)は偽造防止貼付体を示す断面図である。
【図2】(a)は拡散光領域における画像情報の視認状況を示す図であり、(b)は正反射光領域における画像情報の視認状況を示す図である。
【図3】赤外線照射時における画像情報の視認状況を示す図である。
【図4】ラベルを観察するときの照明光源と視点とラベルとの位置関係を示す図である。
【図5】本発明の実施例2における偽造防止貼付体を示す正面図である。
【図6】(a)は拡散光領域における画像情報の視認状況を示す図であり、(b)は正反射光領域における画像情報の視認状況を示す図である。
【図7】赤外線照射時における画像情報の視認状況を示す図である。
【符号の説明】
【0069】
1 ラベル
1a 基材表面
2 第1の印刷領域
3 第2の印刷領域
4 第1の画像情報(証)
5 第2の画像情報(OK)
6L,6R 第4の画像情報(草花)
7L,7R 第3の画像情報(証明)
10〜12 画像印刷領域
13 背景印刷領域
15 第1のハーフトーン領域
16 第2のハーフトーン領域
20 照明光源
21 視点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材の一方の面に印刷層を、他方の面に接着層を設けた偽造防止貼付体において、
前記印刷層の少なくとも一部に第1の印刷領域を形成し、
該第1の印刷領域は、第1の画像情報及び該第1の画像情報とは異なる第2の画像情報を構成する画像印刷領域と、前記第1の画像情報及び前記第2の画像情報の背景を構成する背景印刷領域と、から構成され、
前記第1の画像情報または前記第2の画像情報のうち一方を構成する画像印刷領域には、金属を含んだ光輝性材料によって基材表面を90〜100%の範囲内の第1の隠蔽率で隠蔽する隠蔽層を形成するとともに、他方を構成する画像印刷領域及び前記背景印刷領域には、前記光輝性材料によって基材表面を70〜90%の範囲内の前記第1の隠蔽率とは異なる第2の隠蔽率で隠蔽する隠蔽層を形成し、
さらに、前記一方を構成する画像印刷領域及び前記背景印刷領域には、前記光輝性材料に比較して可視光吸収性の高い色材料によって隠蔽層を15〜30%の範囲内の第3の隠蔽率で隠蔽する隠蔽層を形成した、
ことを特徴とする偽造防止貼付体。
【請求項2】
基材の一方の面に印刷層を、他方の面に接着層を設けた偽造防止貼付体において、
前記印刷層の少なくとも一部に第1の印刷領域を形成し、
該第1の印刷領域は、第1の画像情報及び該第1の画像情報とは異なる第2の画像情報を構成する画像印刷領域と、前記第1の画像情報及び前記第2の画像情報の背景を構成する背景印刷領域と、から構成され、
前記第1の画像情報または前記第2の画像情報のうち一方を構成する画像印刷領域及び背景印刷領域には、金属を含んだ光輝性材料によって基材表面を90〜100%の範囲内の第1の隠蔽率で隠蔽する隠蔽層を形成するとともに、他方を構成する画像印刷領域には、前記光輝性材料によって基材表面を70〜90%の範囲内の前記第1の隠蔽率とは異なる第2の隠蔽率で隠蔽する隠蔽層を形成し、
さらに、前記他方を構成する画像印刷領域及び前記背景印刷領域には、前記光輝性材料に比較して可視光吸収性の高い色材料によって隠蔽層を15〜30%の範囲内の第3の隠蔽率で隠蔽する隠蔽層を形成した、
ことを特徴とする偽造防止貼付体。
【請求項3】
前記印刷層に、前記第1の印刷領域とは別個に第2の印刷領域を形成し、
前記第2の印刷領域は、第3の印刷領域と、該第3の印刷領域よりも面積が小さい第4の印刷領域と、から構成され、
前記第4の印刷領域は、
赤外線吸収性色素を含むブラックインキで構成されたブラックインキ印刷領域と、
赤外線吸収性色素を含まないインキを用いて構成された黒色系である非ブラックインキ印刷領域と、
を含み、前記第4の印刷領域におけるブラックインキ印刷領域と非ブラックインキ印刷領域との比率に応じて、複数の第4の印刷領域における非ブラックインキ印刷領域の領域により第3の画像情報を構成した、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の偽造防止貼付体。
【請求項4】
前記第1の画像情報または前記第2の画像情報と前記第3の画像情報との組み合わせにより1つの文字情報が構成される、
ことを特徴とする請求項3に記載の偽造防止貼付体。
【請求項5】
前記偽造防止貼付体は、脆質基材からなる、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の偽造防止貼付体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−139557(P2008−139557A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−325636(P2006−325636)
【出願日】平成18年12月1日(2006.12.1)
【出願人】(000102980)リンテック株式会社 (1,750)
【出願人】(391047411)土屋工業株式会社 (9)
【出願人】(303017679)独立行政法人 国立印刷局 (471)
【Fターム(参考)】