像保持体ユニット及びこれを用いた画像形成装置
【課題】保守点検時の像保持体の光暴露による光疲労を有効に回避する。
【解決手段】画像形成装置本体10に像保持体ユニット1を着脱自在に装着し、像保持体ユニット1にて画像を形成する画像形成装置であって、前記像保持体ユニット1が、画像を保持する感光性の像保持体2と、画像形成装置本体10に着脱自在に装着され且つ前記像保持体2を支持する支持枠体3と、前記像保持体2が外部露呈時に像保持体2表面の外部露呈部位を覆うための遮光性保護覆い5と、前記支持枠体3又は像保持体2に設けられて前記遮光性保護覆い5が未使用時に格納される保護覆い格納部4とを備える。
【解決手段】画像形成装置本体10に像保持体ユニット1を着脱自在に装着し、像保持体ユニット1にて画像を形成する画像形成装置であって、前記像保持体ユニット1が、画像を保持する感光性の像保持体2と、画像形成装置本体10に着脱自在に装着され且つ前記像保持体2を支持する支持枠体3と、前記像保持体2が外部露呈時に像保持体2表面の外部露呈部位を覆うための遮光性保護覆い5と、前記支持枠体3又は像保持体2に設けられて前記遮光性保護覆い5が未使用時に格納される保護覆い格納部4とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、像保持体ユニット及びこれを用いた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来における画像形成装置としては、電子写真感光体などの感光性の像保持体が広く用いられている。また、この種の感光性の像保持体及びこの像保持体に対して電子写真プロセスが施される各プロセス器の一部又は全てを一体的にカートリッジ化してプロセスカートリッジとし、画像形成装置本体に前記プロセスカートリッジを着脱自在に装着する方式も広く採用されている。
従来この種の画像形成装置としては、保護シートが感光性の像保持体を覆ったまま機内に装着され、所定操作によって機外に保護シートを排出する技術が知られている(例えば特許文献1,2参照)。
また、プロセスカートリッジを移動するとき、プロセスカートリッジに開けられた作用部材に対応する窓が遮蔽物でカバーされたり、付属の巻き取り保持されたカバーを伸張して像保持体の露出面を覆うようにした技術が知られている(例えば特許文献3,4参照)。
更に、ベルト状感光体からなる像保持体を保護シートで覆い、更に、この保護シートで紙搬送路をも覆うようにした保護シート付きの像保持体ユニットも既に知られている(例えば特許文献5参照)。
【0003】
【特許文献1】特開昭61−3185号公報(実施例,第1図)
【特許文献2】特開昭61−223772号公報(実施例,第3図)
【特許文献3】特開平4−84157号公報(実施例,第9図)
【特許文献4】特開平4−323664号公報(実施例,図3)
【特許文献5】特開平5−232751号公報(実施例,図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の技術的課題は、保守点検時の像保持体の光暴露による光疲労を有効に回避するようにした像保持体ユニット及びこれを用いた画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明は、画像を保持する感光性の像保持体と、画像形成装置本体に着脱自在に装着され且つ前記像保持体を支持する支持枠体と、前記支持枠体又は像保持体に設けられ、前記像保持体が外部露呈時に像保持体表面の外部露呈部位を覆うための遮光性保護覆いが未使用時に格納される保護覆い格納部とを備えた像保持体ユニットである。
請求項2に係る発明は、画像を保持する感光性の像保持体と、画像形成装置本体に着脱自在に装着され且つ前記像保持体表面を支持する支持枠体と、前記像保持体が外部露呈時に像保持体表面の外部露呈部位を覆うための遮光性保護覆いと、前記支持枠体又は像保持体に設けられて前記遮光性保護覆いが未使用時に格納される保護覆い格納部とを備えた像保持体ユニットである。
【0006】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る像保持体ユニットにおいて、保護覆い格納部は、支持枠体を把持する把持部に設けられることを特徴とする像保持体ユニットである。
請求項4に係る発明は、請求項1又は2に係る像保持体ユニットにおいて、保護覆い格納部が、像保持体の内部空間を利用して設けられることを特徴とする像保持体ユニットである。
請求項5に係る発明は、請求項2に係る像保持体ユニットにおいて、保護覆い格納部が開閉可能な蓋を有し、前記遮光性保護覆いは折り畳まれた状態で且つ前記蓋を押圧する状態で前記保護覆い格納部に格納されていることを特徴とする像保持体ユニットである。
請求項6に係る発明は、請求項1又は2に係る像保持体ユニットにおいて、遮光性保護覆いが伸縮自在であり、未使用時には収縮した状態で保護覆い格納部に収容され、使用時には保護覆い格納部から引出可能に伸長するものであることを特徴とする像保持体ユニットである。
【0007】
請求項7に係る発明は、請求項2に係る像保持体ユニットにおいて、遮光性保護覆いが、画像形成装置本体外の所定部位に複数の像保持体ユニットを互いに非接触状態で且つ長さ方向横置き姿勢で置いた状態にて、複数の像保持体ユニットを鉛直方向から見た投影面積の2倍以上の面積を有することを特徴とする像保持体ユニットである。
請求項8に係る発明は、請求項1ないし7いずれかに係る像保持体ユニットにおいて、前記支持枠体に取り外し自在に設けられ、画像形成装置本体に像保持体ユニットを装着する前及び装着する過程では前記像保持体表面の外部露呈部位が保護されると共に、像保持体ユニット装着完了後に支持枠体から取り外される遮光性初期保護覆いを有することを特徴とする像保持体ユニットである。
【0008】
請求項9に係る発明は、画像形成装置本体に像保持体ユニットを着脱自在に装着し、像保持体ユニットにて画像を形成する画像形成装置であって、前記像保持体ユニットが、画像を保持する感光性の像保持体と、画像形成装置本体に着脱自在に装着され且つ前記像保持体を支持する支持枠体と、前記像保持体が外部露呈時に像保持体表面の外部露呈部位を覆うための遮光性保護覆いと、前記支持枠体又は像保持体に設けられて前記遮光性保護覆いが未使用時に格納される保護覆い格納部とを備えた画像形成装置である。
請求項10に係る発明は、請求項9に係る画像形成装置において、複数の像保持体ユニットを有し、各像保持体ユニットが保護覆い格納部及び遮光性保護覆いを有することを特徴とする画像形成装置である。
請求項11に係る発明は、請求項9又は10に係る画像形成装置において、画像形成装置本体が装置前面側を開閉する開閉扉を有し、像保持体ユニットが支持枠体を把持する把持部に保護覆い格納部を有し、前記開閉扉を開放した際に像保持体ユニットの前記保護覆い格納部を装置前面側に露出配置させることを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に係る発明によれば、像保持体ユニットに遮光性保護覆いを簡単に格納することができ、保守点検時に像保持体ユニットを外部に露呈した際に、像保持体の光暴露による光疲労を有効に回避することができる。また、出荷時に遮光性保護覆いを同梱した場合、像保持体ユニットの使用開始後も継続的に遮光性保護覆いを使用することができる。
請求項2に係る発明によれば、保守点検時に像保持体ユニットを外部に露呈した際に、遮光性保護覆いを取り出し、損傷を防止しながら像保持体の光暴露による光疲労を有効に回避することができる。また、外部において事前に遮光性保護覆いを準備する必要がない。
請求項3に係る発明によれば、支持枠体に外部突起を設けることなく、保護覆い格納部を簡単に構成することができる。
請求項4に係る発明によれば、像保持体外に空間を確保することなく保護覆い格納部を構成することができる。
請求項5に係る発明によれば、保護覆い格納部の蓋が開けられた際に遮光性保護覆いを手早く取り出すことができる。
【0010】
請求項6に係る発明によれば、遮光性保護覆いによる像保持体に対する被覆動作及び保護覆い格納部への格納動作を簡単に行うことができる。
請求項7に係る発明によれば、複数の像保持体ユニットについて同時に保守点検する際でも一若しくは像保持体ユニット数よりも少ない数の遮光性保護覆いにて複数の像保持体ユニットを覆うことができる。
【0011】
請求項8に係る発明によれば、像保持体ユニットの像保持体に対して光暴露による光疲労を有効に回避しながら、画像形成装置本体に新規な像保持体ユニットを短時間で装着することができる。
請求項9に係る発明によれば、保守点検時に像保持体ユニットを外部に露呈した際に、遮光性保護覆いを直ちに取り出し、像保持体の光暴露による光疲労を有効に回避することができる。また、出荷時に遮光性保護覆いを同梱した場合、像保持体ユニットの使用開始後も継続的に遮光性保護覆いを使用することができる。更に、異なる画像形成装置との間で像保持体ユニットを入れ替える作業が生じた際にも、外部に露呈する像保持体ユニットの数に応じた遮光性保護覆いによって、全ての像保持体ユニットの光疲労を回避することができる。
請求項10に係る発明によれば、いずれの像保持体ユニットを保守点検する際にも、遮光性保護覆いを直ちに取り出し、像保持体の光暴露による光疲労を有効に回避することができる。
請求項11に係る発明によれば、画像形成装置本体の開閉扉を開放して像保持体ユニットの取外し作業を行うにあたり、像保持体ユニットの取外し作業前に遮光性保護覆いを準備することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
◎実施の形態モデルの概要
先ず、本発明が適用される実施の形態モデルの概要について説明する。
図1は本発明を具現化する実施の形態モデルに係る画像形成装置の概要を示す。
同図において、画像形成装置は、画像形成装置本体10に像保持体ユニット1を着脱自在に装着し、像保持体ユニット1にて画像を形成する画像形成装置であって、前記像保持体ユニット1が、画像を保持する感光性の像保持体2と、画像形成装置本体10に着脱自在に装着され且つ前記像保持体2を支持する支持枠体3と、前記像保持体2が外部露呈時に像保持体2表面の外部露呈部位を覆うための遮光性保護覆い5と、前記支持枠体3又は像保持体2に設けられて前記遮光性保護覆い5が未使用時に格納される保護覆い格納部4とを備えたものである。
【0013】
このような技術的手段において、画像形成装置は、一若しくは複数の像保持体ユニット1を備えていればよく、図1では4つの像保持体ユニット1a〜1dを備えたものを例示している。また、画像形成方式についても、中間転写体を用いる方式など適宜選定して差し支えない。
ここで、像保持体ユニット1は感光性の像保持体2を備えていればよく、この像保持体2の形態としてはドラム状、ベルト状を問わず、また、電荷輸送材料が含まれる被覆層を有する感光体のように光暴露による光疲労に弱い態様に対して特に有効である。
そして、像保持体ユニット1には像保持体2のみでも差し支えないが、この像保持体2に対して所定のプロセスを施すプロセス器を含んでいてもよく、この種のプロセス器としては、像保持体2を帯電する帯電器、像保持体2上のトナー等の残留物を清掃する清掃器、像保持体2上の静電潜像を可視像化する現像器などの一若しくは複数のものが挙げられる。
更に、複数の像保持体ユニット1を備えた態様にあっては、いずれか一つの像保持体ユニット1に保護覆い格納部4を設けて遮光性保護覆い5を格納するようにしてもよいが、各像保持体ユニット1に対する保守点検作業が個々的に生ずることを考慮し、その使い勝手からすれば、各像保持体ユニット1に夫々保護覆い格納部4を設け、夫々の保護覆い格納部4に遮光性保護覆い5を格納することが好ましい。
【0014】
また、保護覆い格納部4は、支持枠体3又は像保持体2に設けるようにすればよい。
ここで、支持枠体3に設ける態様としては、支持枠体3の任意の部位に設けて差し支えないが、外部突起を回避するという観点からすれば、支持枠体3を把持する把持部の空間部を利用する態様が好ましい。
また、像保持体2に設ける態様としては、像保持体2の内部空間を利用することが好ましい。
この場合において、保護覆い格納部4としては、遮光性保護覆い5が格納可能な空間を有し、かつ、画像形成装置本体10に像保持体ユニット1を装着したときに遮光性保護覆い5が像保持体ユニット1に保持されるものであればどのような構造でもよい。
但し、像保持体ユニット1からの遮光性保護覆い5の落下などを有効に回避するという観点からすれば、保護覆い格納部4に開閉可能な蓋を有する態様が好ましい。
このような蓋を有する態様において、遮光性保護覆い5の取出し作業性を良好に保つという観点からすれば、前記遮光性保護覆い5が折り畳まれた状態で且つ前記蓋を押圧する状態で前記保護覆い格納部4に格納されている態様が好ましい。
更に、像保持体ユニット1の取外し作業前に遮光性保護覆い5を準備するという観点からすれば、例えば画像形成装置本体10が装置前面側を開閉する開閉扉を有する態様にあっては、像保持体ユニット1の支持枠体3を把持する把持部に保護覆い格納部4を設け、前記開閉扉を開放した際に像保持体ユニット1の前記保護覆い格納部4を装置前面側に露出配置させるようにすればよい。
【0015】
また、遮光性保護覆い5としては取出し可能な構造であればよく、保護覆い格納部4から遮光性保護覆い5を完全に取り出す態様は勿論であるが、保護覆い格納部4から完全に離脱しない態様も含まれる。この場合、遮光性保護覆い5は例えば伸縮自在であり、未使用時には収縮した状態で保護覆い格納部4に収容され、使用時には保護覆い格納部4から引出可能に伸長するものであればよい。
この種の遮光性保護覆い5としては、未使用時には保護覆い格納部4の巻き取り部材に巻き取り可能に巻き取って収容しておき、使用時に前記巻き取り部材から引出可能にする態様や、蛇腹状あるいは折り畳み状の伸縮可能な構成とし、未使用時には収縮した状態で保護覆い格納部4に収容可能とし、使用時には伸長した状態で引出可能にするなど適宜選定して差し支えない。
更に、遮光性保護覆い5としては、像保持体2の感光特性に応じて光暴露による光疲労を有効に抑える程度の遮光性を備えていればよく、好ましくは光透過率が3%以下、より好ましくは1%以下であるのがよい。
また、遮光性保護覆い5としては、狭い空間の保護覆い格納部4に格納するという観点からすれば、折り畳んだり、丸めたりすることを可能とするために可撓性部材である態様が好ましい。この場合において、遮光性保護覆い5としては50μm以下の厚みであることが好ましい。
更に、遮光性保護覆い5の大きさとしては、像保持体ユニット1の像保持体2表面の外部露呈部位を覆うことが可能であればよいが、像保持体2への光暴露をより有効に回避するという観点からすれば、遮光性保護覆い5は、画像形成装置本体10外の所定部位に一つの像保持体ユニット1を長さ方向横置き姿勢で置いたときの鉛直方向から見た前記像保持体ユニット1の投影面積の2倍以上の面積を有するものが好ましい。
より好ましくは、例えば複数の像保持体ユニット1を有する態様にあっては、遮光性保護覆い5は、画像形成装置本体10外の所定部位に複数の像保持体ユニット1を互いに非接触状態で且つ長さ方向横置き姿勢で置いた状態にて、複数の像保持体ユニット1を鉛直方向から見た投影面積の2倍以上の面積を有するものがよく、例えば4つの像保持体ユニット1を一つの遮光性保護覆い5で覆うようにすることが好ましいが、これに限られるものではなく、二つの遮光性保護覆い5で4つの像保持体ユニット1を覆うようにしても差し支えない。
【0016】
また、像保持体ユニット1の装着動作過程での光暴露による光疲労を有効に回避するという観点からすれば、支持枠体3に取り外し自在に設けられ、画像形成装置本体10に像保持体ユニット1を装着する前及び装着する過程では前記像保持体2表面の外部露呈部位が保護されると共に、像保持体ユニット1装着完了後に支持枠体3から取り外される遮光性初期保護覆い(図示せず)を有する態様が好ましい。
【0017】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を更に詳細に説明する。
◎実施の形態1
―画像形成装置全体の構成―
図2は本発明が適用された画像形成装置の実施の形態1の全体構成を示す。
同図において、画像形成装置は、装置筐体21内に四つの色(本実施の形態ではブラック、イエロ、マゼンタ、シアン)の画像形成部22(具体的には22a〜22d)を横方向に配列し、その上方に各画像形成部22の配列方向に沿って循環搬送される中間転写ベルト23を配設する一方、装置筐体21の下方には記録材が供給可能に収容される記録材供給装置24を配設すると共に、装置筐体21の上部には画像形成済みの記録材が排出収容される記録材排出受け26を設け、前記記録材供給装置24からの記録材を鉛直方向に沿って延びる記録材搬送路25を介して前記記録材排出受け26に排出するようにしたものである。
【0018】
本実施の形態において、各画像形成部22(22a〜22d)は、中間転写ベルト23の循環方向上流側から順に、例えばブラック用、イエロ用、マゼンタ用、シアン用(配列は必ずしもこの順番とは限らない)のトナー像を形成するものであり、例えばドラム状に形成された感光性の像保持体31と、この像保持体31を予め帯電する帯電器32と、この帯電器32にて帯電された像保持体31に静電潜像を書き込む露光器33と、像保持体31上の静電潜像を各色トナーにて可視像化する現像器34と、像保持体31上の残留トナーを清掃する清掃器35とを備えている。
ここで、露光器33は、各画像形成部22に対して共通するものであり、露光容器331内に各色成分の半導体レーザ(図示せず)などの光源からの光を偏向ミラー332で偏向走査し、図示外の結像レンズ、ミラーを介して対応する像保持体31上の露光位置に光像を導くようにしたものである。
【0019】
また、中間転写ベルト23は張架ロール231,232に掛け渡されており、例えば張架ロール231を駆動ロールとして循環移動するようになっている。そして、各像保持体31に対応した中間転写ベルト23の裏面には一次転写器51(例えば一次転写ロール)が配設され、この一次転写器51にトナーの帯電極性と逆極性の電圧を印加することで、像保持体31上のトナー像を中間転写ベルト23側に静電的に転写するようになっている。
更に、中間転写ベルト23の移動方向最下流に位置する画像形成部22dの下流側の張架ロール232に対応した部位には二次転写器52(例えば二次転写ロール)が配設されており、中間転写ベルト23上の一次転写像を記録材に二次転写(一括転写)するようになっている。
更に、中間転写ベルト23の二次転写部位の下流側の張架ロール231に対応した部位には中間転写ベルト23上の残留トナーを清掃する中間清掃器53が設けられている。
ここで、中間転写ベルト23はポリイミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリプロピレン等の樹脂または各種ゴムにカーボンブラック等の帯電防止剤を適当量含有させたものを用い、その体積抵抗率が106〜1014Ω・cmとなるように形成されている。
【0020】
更に、本実施の形態では、記録材供給装置24の送出部61にて送出された記録材は、記録材搬送路25中の適宜数の搬送ロール62にて搬送され、位置合せロール63にて位置合せされた後に二次転写器52の二次転写部位を通過し、定着器66にて未定着トナー像を例えば加熱加圧定着した後、排出ロール67を介して記録材排出受け26に排出収容されるようになっている。
更にまた、本実施の形態では、記録材搬送路25の下部には手差しの記録材が供給可能な手差し供給装置71が設けられ、また、記録材搬送路25の位置合わせロール63と排出ロール67との間には両面記録時の反転用搬送路73が設けられ、適宜数の搬送ロール74が配設されている。
【0021】
―画像形成部―
特に、本実施の形態では、像保持体31は、図3及び図4に示すように、帯電器32及び清掃器35と一体化された像保持体ユニット30として構成されており、この像保持体ユニット30が装置筐体21に対して着脱自在に装着され、夫々の色成分の画像形成部22の一部を構築するようになっている。
ここで、像保持体31は感光性を有するものを広く含むものであるが、良好な画質を長期に亘って安定的に得るには、少なくとも電荷輸送材料が含まれる被覆層を有する感光体を用いるのが好ましい。
この電荷輸送材料としては、p−ベンゾキノン、クロラニル、ブロマニル、アントラキノン等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン等のフルオレノン化合物、キサントン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノビニル系化合物、エチレン系化合物等の電子輸送性化合物、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物等の正孔輸送性化合物が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。これらの電荷輸送材料は、1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
また、この電荷輸送層に用いる結着樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂等が挙げられる。これらの結着樹脂は、1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。電荷輸送材料と結着樹脂との配合比(質量比)は、10:1〜1:5が好ましい。
更に、高分子電荷輸送材としては、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン等の電荷輸送性を有する公知のものを用いることができる。この高分子電荷輸送材はそれだけでも電荷輸送層の構成材料として使用可能であるが、上記結着樹脂と混合して成膜してもよい。
但し、この種の感光体は光暴露による光疲労が顕著に現れ易いことから、保守点検時などにおいて光暴露しないように配慮することが特に必要である。
【0022】
また、前記像保持体31は例えばPP(ポリプロピレン)、PC(ポリカーボネート)、ABSなどのエンジニアリングプラスティックベアリング又は摺動性のよい回転部材を介して樹脂製支持枠体36に対し両端周面部を回転可能に支持されている。
そして、この支持枠体36は前記帯電器32及び清掃器35の夫々の容器部分をも構成したものになっている。
本実施の形態において、帯電器32は、像保持体31に対向した部位が開口する帯電容器321を有し、この帯電容器321内に像保持体31の表面に接触若しくは近接する帯電ロール322を配設したものである。
また、清掃器35は、像保持体31に対向する部位が開口した清掃容器351を有し、この清掃容器351の長手方向に沿う開口一縁部には前記像保持体31に接触する弾性掻き取り板352を設けると共に、前記清掃容器351の長手方向に沿う開口他縁部には前記像保持体31に接触する弾性シール材353を設け、前記清掃容器351内には弾性掻き取り板352で掻き取ったトナー等の残留物を長手方向に沿って均す均し搬送部材354を配設したものである。
このため、本実施の形態では、像保持体ユニット30は、像保持体31の周囲の一部が帯電器32及び清掃器35で覆われ、像保持体31のそれ以外の周囲部分Mが直接露出する構造になっている。
【0023】
更に、本実施の形態において、現像器34は、装置筐体21側に像保持体ユニット30とは別に装着されており、像保持体31に対向して開口し且つ少なくともトナーが含まれる現像剤が収容される現像容器341を有し、この現像容器341の開口部位には像保持体31との対向部位に位置する現像域に向けて現像剤が搬送可能な現像剤保持体342を配設すると共に、この現像容器341の現像剤保持体342の背面側には現像剤が循環しながら撹拌搬送可能な一対の現像剤撹拌搬送部材343,344を配設し、現像剤保持体342とこの現像剤保持体342側に位置する現像剤撹拌搬送部材343との間には撹拌搬送された現像剤が現像剤保持体342側に供給可能な現像剤供給部材345を設け、更に、前記現像剤保持体342に供給された現像剤を層厚規制部材346にて所定層厚に規制した後に現像域に現像剤を供給するようにしたものである。
尚、図2中、符号38(38a〜38d)は各画像形成部22(22a〜22d)の現像器34に新しいトナーを補給するトナー補給器である。
【0024】
―像保持体ユニット―
像保持体ユニット30は、図5及び図6に示すように、長尺な支持枠体36の両端支持枠361,362にて像保持体31の両端周面部を回転可能に支持すると共に、支持枠体36の一部に帯電器32及び清掃器35を一体的に組み込んだものである。
そして、像保持体31のうち支持枠体36の長手方向一端支持枠361から外側に突出する部位には駆動伝達ギア80が装着されると共に、前記支持枠体36の長手方向他端支持枠362の外側には作業者が把持可能な把手90が設けられている。
本実施の形態において、把手90は、装置筐体21内に像保持体ユニット30を装着する際、あるいは、保守点検時に装置筐体21から像保持体ユニット30を離脱する際に作業者が押し込み操作、あるいは、引出操作をするための有底の把持孔91を具備している。
【0025】
特に、本実施の形態では、把手90の裏側には周囲が囲まれた凹所101からなる空間部が形成されている。この凹所101は、本実施の形態では、遮光性保護覆い120を格納するための保護覆い格納部100として利用されるようになっている。
ここで、遮光性保護覆い120は光透過率が3%以下、好ましくは1%以下で厚さが50μm以下の可撓性部材であれば適宜選定して差し支えなく、例えば黒色の塩化ビニールシートや、オレフィン系シート、ポリウレタンシートなどが用いられている。
この遮光性保護覆い120は、例えば装置筐体21外の所定部位に4つの像保持体ユニット30を非接触状態で且つ横置き姿勢で置いた状態で、4つの像保持体ユニット30を鉛直方向から見た投影面積の2倍以上の大きさを有するものであり、必要に応じて折り畳んだり、あるいは、丸めることを可能としたものである。
そして、本実施の形態では、この保護覆い格納部100は、例えば60cm3程度の直方体空間を有するものであり、遮光性保護覆い120を折り畳んだり、あるいは、丸めた状態で格納するものである。このとき、折り畳んだ若しくは丸めた遮光性保護覆い120は、保護覆い格納部壁面を押圧するように、その戻り作用にて保護覆い格納部100としての凹所101の周壁に弾性的に当接することから、両者間の摩擦力にて保護覆い格納部100に保持される。
【0026】
ここで、保護覆い格納部100の好ましい態様としては、図7(a)(b)に示すように、凹所101の開口に開閉自在な蓋102を設けたものが挙げられる。この蓋102は、例えば支持枠体36と同じ樹脂製の板材の一部に回動支点となる切込溝などのヒンジ部103を有し、このヒンジ部103を回転支点として開閉すると共に、その周縁部を凹所101の開口縁受部104に嵌合保持するようになっている。
尚、蓋102には開閉するための摘み突起102aが設けられ、蓋102の開閉動作がし易い構造になっている。また、蓋102には閉じたときに固定する固定機構を必要に応じて設けるようにしてもよい。
更に、例えば像保持体ユニット30が装置筐体21に装着されている際に、前記遮光性保護覆い120が例えば折り畳んだ状態で且つ蓋102を押圧した状態で保護覆い格納部100に格納されているものであれば、装置筐体21から像保持体ユニット30を取り外す際に蓋102を開放すれば、保護覆い格納部100から遮光性保護覆い120は簡単に取り出される。
【0027】
―遮光性初期保護覆い―
また、本実施の形態では、像保持体ユニット30は、図8に示すように、装置筐体21への装着前及び装着する過程において遮光性初期保護覆い150を有している。
この遮光性初期保護覆い150は、像保持体ユニット30の像保持体31の露出部分を保護し、装置筐体21へ像保持体ユニット30を装着後に取り外せるように前記像保持体ユニット30に対して着脱自在に装着されている。
本実施の形態において、初期保護覆い150は、像保持体ユニット30全体を取り囲む略中空直方体状で且つ長手方向に延びる覆い基体151を有している。この覆い基体151は例えばABS樹脂等の合成樹脂にて一体的に製造される。
そして、この覆い基体151には前記像保持体ユニット30の支持枠体36を摺動案内する案内部材(案内レール152,案内壁153)が設けられている。
【0028】
更に、覆い基体151の長手方向一端側の左右両側には一対の位置決め片161,162が設けられている。この位置決め片161,162は覆い基体151の長手方向端部から装置筐体21側に弾性変形可能に突出する弾性突片163を有し、この弾性突片163に鉤状の引っ掛け爪164を一体的に形成したものである。ここで、弾性突片163は縦方向に肉厚の薄い板状に形成されており、その自由端部が略水平方向に首振り可能になっている。一方、装置筐体21側の像保持体ユニット受部の開口周縁には一対の位置決め孔171,172(図9参照)が形成されており、これらの位置決め孔171,172に位置決め片161,162が弾性変形しながら挿入されて位置決めされると共に、位置決め孔171,172縁に位置決め片161,162の各引っ掛け爪164が引き抜き不能に引っ掛かるようになっている。
【0029】
また、本実施の形態では、図8に示すように、初期保護覆い150の覆い基体151の上壁のうち長手方向手前側には像保持体ユニット30を固定するためのロック機構180が設けられている。
更に、本実施の形態では、初期保護覆い150の覆い基体151の上壁には長手方向に沿って案内溝190が設けられており、この案内溝190は覆い基体151の装置筐体21側縁が開口する長尺なもので、案内溝190の開口近傍内側には夫々抜け止め段部191が形成されており、案内溝190の開口幅が狭く設定されている。また、案内溝190のうち抜け止め段部191の手前には順次開口幅が狭まる傾斜部192が形成されている。
本実施の形態において、押し出しレバー200は案内溝190の開口端側に向かって摺動自在に移動し、前記ロック機構180のロック状態を解除すると共に、像保持体ユニット30を案内溝190に沿って押し出すようにしたものである。
【0030】
更にまた、本実施の形態では、押し出しレバー200は案内溝190に沿って装置筐体21側に摺動していくと、案内溝190の抜け止め段部191の傾斜部192に到達する。このとき、押し出しレバー200が案内溝190の傾斜部192に至ると、案内溝190の開口端が外側に押し広げられることになり、これに伴って、一対の位置決め片161,162が相互に離間する方向に押し広げられる。この状態において、初期保護覆い150を引き抜く方向に移動させようとすると、位置決め片161,162の引っ掛かり爪164が位置決め孔171,172縁から離間していることから、位置決め孔171,172から位置決め片161,162を引き抜くことが可能である。
このように、本実施の形態では、押し出しレバー200は位置決め片161,162の装置筐体21への係止状態を解除する操作部材として働くようになっている。
【0031】
−像保持体ユニットの装着方法−
初期保護覆い150が取り付けられた像保持体ユニット30の装着方法を図9に基づいて説明する。
先ず、初期保護覆い150に設けられた位置決め片161,162を像保持体ユニット挿入口縁部に空けられた位置決め孔171,172に挿入する(図9(a)参照)。
このとき、位置決め孔171,172に位置決め片161,162が引っ掛かり、装置筐体21に対して初期保護覆い150及び像保持体ユニット30が引き抜き不能に位置決め固定される(図9(b)参照)。
この状態において、装置筐体21に対して初期保護覆い150は位置決めされるばかりでなく、引き抜き不能に固定されるため、像保持体ユニット30の挿入動作時に初期保護覆い150から手を離しても初期保護覆い150の落下を有効に防止できる。
【0032】
更に、本実施の形態では、位置決め片161,162が装置筐体21側の位置決め孔171,172に嵌合し、かつ、初期保護覆い150の端部と装置筐体21の像保持体ユニット挿入口縁部とが接触しているため、像保持体ユニット30の挿入時に初期保護覆い150から手を離したとしても像保持体ユニット30が装置筐体21挿入時の挿入方向に対して傾くことを防止できる。
また、図8に示すように、初期保護覆い150及び像保持体ユニット30は、像保持体ユニット30を初期保護覆い150に固定するロック機構180を前側端部に備えている。
このとき、図9(c)に示すように、押し出しレバー200を像保持体ユニット30挿入方向へ押し出すことで、像保持体ユニット30は装置筐体21内へ挿入される。像保持体ユニット30とは別個に設けられる初期保護覆い150の押し出しレバー200を、像保持体ユニット30挿入方向へ押し出すことで、ロック機構180のロック状態を解除する。このように、押し出しレバー200はロック解除部材を兼ねるものであり、この押し出しレバー200を像保持体ユニット30とは別個に設け、押し出しレバー200の押し出し動作と、ロック機構180のロック状態の解除とを連動させることで、像保持体ユニット30の初期保護覆い150に対するロックとその解除を容易に実現することができる。
【0033】
更に、初期保護覆い150に設けられた案内溝190に沿って押し出しレバー200を像保持体ユニット30挿入方向へ押し出すと、像保持体ユニット30に設けられた図示外の案内部は、初期保護覆い150に設けられた案内部材(案内レール152及び案内壁153)に案内されて装置筐体21内へと挿入される(図9(c)参照)。
また、本実施の形態では、初期保護覆い150には案内溝190としての隙間があるので、案内溝190から光が初期保護覆い150内に入り像保持体31を光劣化させる虞れがある。そこで、本実施の形態では、初期保護覆い150に図示外の可撓性保護シートを付加し、案内溝190からの光の進入を防止することが可能である。また、本実施の形態のように、像保持体ユニット30として接触帯電法を用いた帯電器32(帯電ロール322を具備)をユニット化している場合には、搬送中などに帯電ロール322によって像保持体31が摩擦帯電してしまう虞れがある。この場合、前記可撓性保護シートを帯電ロール322と像保持体31との間に挟み接触帯電することを防止し、案内溝190から可撓性保護シートの少なくとも一部を初期保護覆い150の外部に出しておくことで、像保持体31の光劣化を低減し、帯電ロール322による像保持体31の摩擦帯電を防止し、像保持体ユニット30挿入時には容易に可撓性保護シートを取り外すことが可能となる。
【0034】
−像保持体ユニットの取外し方法−
次に、装置筐体21からの像保持体ユニット30の取外し方法を図10、図11に基づいて説明する。
先ず、図10(a)に示すように、装置筐体21前面の開閉扉220を開いた後に、装置筐体21に像保持体ユニット30を保持するためのものであって、装置筐体21側に設けられた支軸を中心として、装置筐体21に対して像保持体ユニット30を保持する保持位置R1と、装置筐体21から像保持体ユニット30を取り外し可能な開放位置R2との間で回転可能に設けられている保持扉221を開放位置R2へ回転移動し、像保持体ユニット挿入口222を開放する(図10(b)(c)参照)。
次に、像保持体ユニット30に設けられた把手90を引き抜くことで(図11(a)参照)、装置筐体21に装着された像保持体ユニット30を取り外す(図11(b)参照)。
【0035】
この状態において、装置筐体21の外部に引き抜いた像保持体ユニット30をそのまま放置すると、像保持体31の外部露呈部位が光暴露による光疲労を起こす虞れがある。
そこで、本実施の形態では、図12に示すように、引き抜いた像保持体ユニット30の保護覆い格納部100から遮光性保護覆い120を取り出して広げた後、像保持体ユニット30の上に被せるようにすればよい。
特に、本実施の形態において、像保持体ユニット30の支持枠体36を把持する把手90の近傍に保護覆い格納部100を設ける態様にあっては、装置筐体21前面の開閉扉220を開放する際に、前記像保持体ユニット30の保護覆い格納部100が装置前面側に露出配置されるため、像保持体ユニット30を引き抜く前に保護覆い格納部100から遮光性保護覆い120を前もって取り出すことが可能である。
このため、本実施の形態では、装置筐体21から像保持体ユニット30を引き抜く場合に、その把手90の近傍にある保護覆い格納部100から遮光性保護覆い120を予め取り出すことが可能であるため、像保持体ユニット30の像保持体31に外部露呈部位が存在するとしても、当該外部露呈部位を迅速に遮光性保護覆い120にて覆うことが可能である。このため、像保持体31の外部露呈部位が光暴露による光疲労を起こすことは有効に回避される。
よって、像保持体ユニット30を引き抜いた状態で、像保持体ユニット30の周辺の保守点検作業(ジャム処理、周辺部品の補修など)を安心して行うことができる。
また、本実施の形態では、遮光性保護覆い120は、十分に大きいサイズであるため、図12に示すように、2つの像保持体ユニット30を引出したとしても、一枚で2つの像保持体ユニット30を覆うことができる。
更に、図13に示すように、4つの像保持体ユニット30を引き出したとしても、一枚の遮光性保護覆い120にて4つの像保持体ユニット30全体を覆うことができる。
本実施の形態では、遮光性保護覆い120にて像保持体ユニット30を覆い、30分放置したところ、光疲労の発生は見られなかった。
そして、保守点検作業が終了すると、引き抜いた像保持体ユニット30の保護覆い格納部100に使用した遮光性保護覆い120を再度格納した後、装置筐体21に対して像保持体ユニット30を再装着するようにすればよい。
【0036】
◎実施の形態2
図14は実施の形態2で用いられる像保持体ユニットの概要を示す。
同図において、像保持体ユニット30は、像保持体31の内部空間に保護覆い格納部100を備えたものである。
本実施の形態において、保護覆い格納部100は、図15(a)(b)に示すように、像保持体31の把手90の反対側端部に容器収容室105を有し、遮光性保護覆い120がロール状に丸めた状態で格納可能な筒状容器106を設けると共に、前記容器収納室105に前記筒状容器106を引出可能に収納するようにしたものである。尚、図15(c)に示すように、筒状容器106には取り出し易いように把手部107を設けるようにしてもよい。
【0037】
また、像保持体31の把手90側端部に保護覆い格納部100を設ける場合には、例えば図16に示すように、像保持体31の把手90側端部に容器収容室105を設け、遮光性保護覆い120がロール状に丸めた状態で格納可能な筒状容器106を設けると共に、前記容器収納室105に前記筒状容器106を引出可能に収納するようにすればよい。
但し、本態様にあっては、像保持体31の端部位置に支持枠体36の把手90が存在するため、この把手90が邪魔になって筒状容器106を完全には引出せない可能性がある。
そこで、本態様にあっては、筒状容器106の引出側に切欠部108を設け、例えば図17(a)に示すように、把手90のうち像保持体31の端部を塞ぐ仕切り板110を取外し自在な構造し、図17(b)に示すように、この仕切り板110を取り外した状態で筒状容器106を把手90の端部に当たる位置まで引出し、その状態で筒状容器106の切欠部108から遮光性保護覆い120を取り出すようにすればよい。
【0038】
◎実施の形態3
図18は実施の形態3で用いられる像保持体ユニットの概要を示す。
同図において、像保持体ユニット30は支持枠体36の表面側に箱状の保護覆い格納部100を設けたものであり、この保護覆い格納部100に遮光性保護覆い120を折り畳んだり、あるいは、丸めた状態で格納するようにしたものである。尚、保護覆い格納部100の開口はそのまま開放されていてもよいが、遮光性保護覆い120の落下を有効に回避するという観点からすれば、保護覆い格納部100の開口に図示外の蓋を開閉自在に設けるようにしてもよい。
【0039】
◎実施の形態4
図19は実施の形態4で用いられる像保持体ユニットの概要を示す。
同図において、像保持体ユニット30は、像保持体31の長手方向一端部に対応する支持枠体36の把手90部位に保護覆い格納部100を設けたものである。
この保護覆い格納部100は、図19(a)(b)に示すように、遮光性保護覆い120未使用時に遮光性保護覆い120が巻き取り可能に巻き取られる巻き取り部材(図示外)を内蔵した巻き取り格納部111を有し、遮光性保護覆い120使用時には前記巻き取り格納部111から前記遮光性保護覆い120を引出可能としたものである。
ここで、図19(c)に示すように、遮光性保護覆い120の先端部には鉤爪状の仮止め部112が揺動自在に設けられており、例えば付勢ばね113にて遮光性保護覆い120の裏面側に向かって付勢されている。そして、像保持体31の露出部位全体を覆うように遮光性保護覆い120が引き出された状態で前記仮止め部112が支持枠体36の反対側端部の任意の部位に設けられた被仮止めピン114に仮止めされるようになっている。そして、遮光性保護覆い120による遮光操作が終了すると、前記遮光性保護覆い120の仮止め部112による仮止めを解除すればよく、仮止めを解除した状態で、遮光性保護覆い120は前記巻き取り格納部111に巻き取り格納されるようになっている。
尚、巻き取り格納部111は像保持体31の径寸法より僅かに大きい程度で、像保持体31の露出部位を覆うことができるため、支持枠体36に設けるとしても、それほど配設スペースを必要としない。
【実施例】
【0040】
遮光性保護覆いを採択するに当たり、像保持体ユニットに富士ゼロックス株式会社製P紙(64g/m2)、実施の形態1で用いた黒色の塩化ビニールシート(実施例)、遮光紙を被せ、照度測定を行った。
照度測定条件:
・昼白色蛍光灯2本、天井高さ2.8m
・測定面での照度 630ルクス
・照度測定器 ミノルタ株式会社製デジタル照度計T−1M
図20に結果を示す。
同図によれば、P紙1枚を被せたところ、190ルクスまで照度は低下したが、像保持体ユニットの光暴露による光疲労を防止するという点では未だ不十分であることが理解された。
ここで、P紙を複数枚重ねた比較例について遮光性能を調べたところ、図21に示す結果が得られた。
図21によれば、P紙を10枚重ねた場合で漸く4ルクスに下がることは確認できたが、像保持体ユニットに対して記録材を重ねて保持して置くことは難しく、この記録材を重ねることで遮光性保護覆いを代用することは困難であることが理解される。
実施例の黒色ビニールシートを用いたところ、3ルクスまで照度が低下することが理解される。この場合、像保持体ユニットに黒色ビニールシートを被せて30分以上放置したところ、光暴露による光疲労は全く見られないことが確認された。
尚、表面又は紙繊維が黒色に着色された遮光紙も遮光性能は高いが、コストが高い点、また可撓性が悪く、格納が困難であるため好ましくない。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明が適用される実施の形態の概要を示す説明図である。
【図2】実施の形態1に係る画像形成装置の全体構成を示す説明図である。
【図3】実施の形態1で用いられる画像形成部の詳細を示す説明図である。
【図4】実施の形態1で用いられる像保持体ユニットを示す説明図である。
【図5】実施の形態1で用いられる像保持体の斜視説明図である。
【図6】図5をVI方向から見た矢視図である。
【図7】(a)は実施の形態1における保護覆い格納部の他の例を示す説明図、(b)は(a)のB−B線断面説明図である。
【図8】実施の形態1で用いられる初期保護覆いを示す説明図である。
【図9】(a)〜(c)は像保持体ユニットの装着動作過程を示す説明図である。
【図10】(a)〜(c)は像保持体ユニットの離脱動作過程を示す説明図である。
【図11】(a)(b)は像保持体ユニットの離脱動作過程を示す説明図である。
【図12】2つの像保持体ユニットに対して遮光性保護覆いを使用する状態を示す説明図である。
【図13】4つの像保持体ユニットに対して遮光性保護覆いを使用する状態を示す説明図である。
【図14】実施の形態2で用いられる像保持体ユニットを示す説明図である。
【図15】(a)は実施の形態2で用いられる保護覆い格納部を示す説明図、(b)は(a)中B方向から見た矢視図、(c)は保護覆い受けの変形形態を示す説明図である。
【図16】実施の形態2で用いられる像保持体ユニットの変形形態を示す説明図である。
【図17】(a)は図17に示す変形形態の保護覆い格納部の詳細を示す説明図、(b)は保護覆い受けを引き出した状態を示す説明図である。
【図18】実施の形態3で用いられる像保持体ユニットを示す説明図である。
【図19】(a)は実施の形態4で用いられる像保持体ユニットを示す説明図、(b)は(a)中B方向から見た矢視図、(c)は遮光性保護覆いの仮止め部の一例を示す説明図である。
【図20】実施例で使用する遮光性保護覆いの性能評価を示す説明図である。
【図21】遮光性保護覆いとして用紙を重ねて代用する比較例についての性能評価を示す説明図である。
【符号の説明】
【0042】
1(1a〜1d)…像保持体ユニット,2…像保持体,3…支持枠体,4…保護覆い格納部,5…遮光性保護覆い,10…画像形成装置本体
【技術分野】
【0001】
本発明は、像保持体ユニット及びこれを用いた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来における画像形成装置としては、電子写真感光体などの感光性の像保持体が広く用いられている。また、この種の感光性の像保持体及びこの像保持体に対して電子写真プロセスが施される各プロセス器の一部又は全てを一体的にカートリッジ化してプロセスカートリッジとし、画像形成装置本体に前記プロセスカートリッジを着脱自在に装着する方式も広く採用されている。
従来この種の画像形成装置としては、保護シートが感光性の像保持体を覆ったまま機内に装着され、所定操作によって機外に保護シートを排出する技術が知られている(例えば特許文献1,2参照)。
また、プロセスカートリッジを移動するとき、プロセスカートリッジに開けられた作用部材に対応する窓が遮蔽物でカバーされたり、付属の巻き取り保持されたカバーを伸張して像保持体の露出面を覆うようにした技術が知られている(例えば特許文献3,4参照)。
更に、ベルト状感光体からなる像保持体を保護シートで覆い、更に、この保護シートで紙搬送路をも覆うようにした保護シート付きの像保持体ユニットも既に知られている(例えば特許文献5参照)。
【0003】
【特許文献1】特開昭61−3185号公報(実施例,第1図)
【特許文献2】特開昭61−223772号公報(実施例,第3図)
【特許文献3】特開平4−84157号公報(実施例,第9図)
【特許文献4】特開平4−323664号公報(実施例,図3)
【特許文献5】特開平5−232751号公報(実施例,図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の技術的課題は、保守点検時の像保持体の光暴露による光疲労を有効に回避するようにした像保持体ユニット及びこれを用いた画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明は、画像を保持する感光性の像保持体と、画像形成装置本体に着脱自在に装着され且つ前記像保持体を支持する支持枠体と、前記支持枠体又は像保持体に設けられ、前記像保持体が外部露呈時に像保持体表面の外部露呈部位を覆うための遮光性保護覆いが未使用時に格納される保護覆い格納部とを備えた像保持体ユニットである。
請求項2に係る発明は、画像を保持する感光性の像保持体と、画像形成装置本体に着脱自在に装着され且つ前記像保持体表面を支持する支持枠体と、前記像保持体が外部露呈時に像保持体表面の外部露呈部位を覆うための遮光性保護覆いと、前記支持枠体又は像保持体に設けられて前記遮光性保護覆いが未使用時に格納される保護覆い格納部とを備えた像保持体ユニットである。
【0006】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る像保持体ユニットにおいて、保護覆い格納部は、支持枠体を把持する把持部に設けられることを特徴とする像保持体ユニットである。
請求項4に係る発明は、請求項1又は2に係る像保持体ユニットにおいて、保護覆い格納部が、像保持体の内部空間を利用して設けられることを特徴とする像保持体ユニットである。
請求項5に係る発明は、請求項2に係る像保持体ユニットにおいて、保護覆い格納部が開閉可能な蓋を有し、前記遮光性保護覆いは折り畳まれた状態で且つ前記蓋を押圧する状態で前記保護覆い格納部に格納されていることを特徴とする像保持体ユニットである。
請求項6に係る発明は、請求項1又は2に係る像保持体ユニットにおいて、遮光性保護覆いが伸縮自在であり、未使用時には収縮した状態で保護覆い格納部に収容され、使用時には保護覆い格納部から引出可能に伸長するものであることを特徴とする像保持体ユニットである。
【0007】
請求項7に係る発明は、請求項2に係る像保持体ユニットにおいて、遮光性保護覆いが、画像形成装置本体外の所定部位に複数の像保持体ユニットを互いに非接触状態で且つ長さ方向横置き姿勢で置いた状態にて、複数の像保持体ユニットを鉛直方向から見た投影面積の2倍以上の面積を有することを特徴とする像保持体ユニットである。
請求項8に係る発明は、請求項1ないし7いずれかに係る像保持体ユニットにおいて、前記支持枠体に取り外し自在に設けられ、画像形成装置本体に像保持体ユニットを装着する前及び装着する過程では前記像保持体表面の外部露呈部位が保護されると共に、像保持体ユニット装着完了後に支持枠体から取り外される遮光性初期保護覆いを有することを特徴とする像保持体ユニットである。
【0008】
請求項9に係る発明は、画像形成装置本体に像保持体ユニットを着脱自在に装着し、像保持体ユニットにて画像を形成する画像形成装置であって、前記像保持体ユニットが、画像を保持する感光性の像保持体と、画像形成装置本体に着脱自在に装着され且つ前記像保持体を支持する支持枠体と、前記像保持体が外部露呈時に像保持体表面の外部露呈部位を覆うための遮光性保護覆いと、前記支持枠体又は像保持体に設けられて前記遮光性保護覆いが未使用時に格納される保護覆い格納部とを備えた画像形成装置である。
請求項10に係る発明は、請求項9に係る画像形成装置において、複数の像保持体ユニットを有し、各像保持体ユニットが保護覆い格納部及び遮光性保護覆いを有することを特徴とする画像形成装置である。
請求項11に係る発明は、請求項9又は10に係る画像形成装置において、画像形成装置本体が装置前面側を開閉する開閉扉を有し、像保持体ユニットが支持枠体を把持する把持部に保護覆い格納部を有し、前記開閉扉を開放した際に像保持体ユニットの前記保護覆い格納部を装置前面側に露出配置させることを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に係る発明によれば、像保持体ユニットに遮光性保護覆いを簡単に格納することができ、保守点検時に像保持体ユニットを外部に露呈した際に、像保持体の光暴露による光疲労を有効に回避することができる。また、出荷時に遮光性保護覆いを同梱した場合、像保持体ユニットの使用開始後も継続的に遮光性保護覆いを使用することができる。
請求項2に係る発明によれば、保守点検時に像保持体ユニットを外部に露呈した際に、遮光性保護覆いを取り出し、損傷を防止しながら像保持体の光暴露による光疲労を有効に回避することができる。また、外部において事前に遮光性保護覆いを準備する必要がない。
請求項3に係る発明によれば、支持枠体に外部突起を設けることなく、保護覆い格納部を簡単に構成することができる。
請求項4に係る発明によれば、像保持体外に空間を確保することなく保護覆い格納部を構成することができる。
請求項5に係る発明によれば、保護覆い格納部の蓋が開けられた際に遮光性保護覆いを手早く取り出すことができる。
【0010】
請求項6に係る発明によれば、遮光性保護覆いによる像保持体に対する被覆動作及び保護覆い格納部への格納動作を簡単に行うことができる。
請求項7に係る発明によれば、複数の像保持体ユニットについて同時に保守点検する際でも一若しくは像保持体ユニット数よりも少ない数の遮光性保護覆いにて複数の像保持体ユニットを覆うことができる。
【0011】
請求項8に係る発明によれば、像保持体ユニットの像保持体に対して光暴露による光疲労を有効に回避しながら、画像形成装置本体に新規な像保持体ユニットを短時間で装着することができる。
請求項9に係る発明によれば、保守点検時に像保持体ユニットを外部に露呈した際に、遮光性保護覆いを直ちに取り出し、像保持体の光暴露による光疲労を有効に回避することができる。また、出荷時に遮光性保護覆いを同梱した場合、像保持体ユニットの使用開始後も継続的に遮光性保護覆いを使用することができる。更に、異なる画像形成装置との間で像保持体ユニットを入れ替える作業が生じた際にも、外部に露呈する像保持体ユニットの数に応じた遮光性保護覆いによって、全ての像保持体ユニットの光疲労を回避することができる。
請求項10に係る発明によれば、いずれの像保持体ユニットを保守点検する際にも、遮光性保護覆いを直ちに取り出し、像保持体の光暴露による光疲労を有効に回避することができる。
請求項11に係る発明によれば、画像形成装置本体の開閉扉を開放して像保持体ユニットの取外し作業を行うにあたり、像保持体ユニットの取外し作業前に遮光性保護覆いを準備することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
◎実施の形態モデルの概要
先ず、本発明が適用される実施の形態モデルの概要について説明する。
図1は本発明を具現化する実施の形態モデルに係る画像形成装置の概要を示す。
同図において、画像形成装置は、画像形成装置本体10に像保持体ユニット1を着脱自在に装着し、像保持体ユニット1にて画像を形成する画像形成装置であって、前記像保持体ユニット1が、画像を保持する感光性の像保持体2と、画像形成装置本体10に着脱自在に装着され且つ前記像保持体2を支持する支持枠体3と、前記像保持体2が外部露呈時に像保持体2表面の外部露呈部位を覆うための遮光性保護覆い5と、前記支持枠体3又は像保持体2に設けられて前記遮光性保護覆い5が未使用時に格納される保護覆い格納部4とを備えたものである。
【0013】
このような技術的手段において、画像形成装置は、一若しくは複数の像保持体ユニット1を備えていればよく、図1では4つの像保持体ユニット1a〜1dを備えたものを例示している。また、画像形成方式についても、中間転写体を用いる方式など適宜選定して差し支えない。
ここで、像保持体ユニット1は感光性の像保持体2を備えていればよく、この像保持体2の形態としてはドラム状、ベルト状を問わず、また、電荷輸送材料が含まれる被覆層を有する感光体のように光暴露による光疲労に弱い態様に対して特に有効である。
そして、像保持体ユニット1には像保持体2のみでも差し支えないが、この像保持体2に対して所定のプロセスを施すプロセス器を含んでいてもよく、この種のプロセス器としては、像保持体2を帯電する帯電器、像保持体2上のトナー等の残留物を清掃する清掃器、像保持体2上の静電潜像を可視像化する現像器などの一若しくは複数のものが挙げられる。
更に、複数の像保持体ユニット1を備えた態様にあっては、いずれか一つの像保持体ユニット1に保護覆い格納部4を設けて遮光性保護覆い5を格納するようにしてもよいが、各像保持体ユニット1に対する保守点検作業が個々的に生ずることを考慮し、その使い勝手からすれば、各像保持体ユニット1に夫々保護覆い格納部4を設け、夫々の保護覆い格納部4に遮光性保護覆い5を格納することが好ましい。
【0014】
また、保護覆い格納部4は、支持枠体3又は像保持体2に設けるようにすればよい。
ここで、支持枠体3に設ける態様としては、支持枠体3の任意の部位に設けて差し支えないが、外部突起を回避するという観点からすれば、支持枠体3を把持する把持部の空間部を利用する態様が好ましい。
また、像保持体2に設ける態様としては、像保持体2の内部空間を利用することが好ましい。
この場合において、保護覆い格納部4としては、遮光性保護覆い5が格納可能な空間を有し、かつ、画像形成装置本体10に像保持体ユニット1を装着したときに遮光性保護覆い5が像保持体ユニット1に保持されるものであればどのような構造でもよい。
但し、像保持体ユニット1からの遮光性保護覆い5の落下などを有効に回避するという観点からすれば、保護覆い格納部4に開閉可能な蓋を有する態様が好ましい。
このような蓋を有する態様において、遮光性保護覆い5の取出し作業性を良好に保つという観点からすれば、前記遮光性保護覆い5が折り畳まれた状態で且つ前記蓋を押圧する状態で前記保護覆い格納部4に格納されている態様が好ましい。
更に、像保持体ユニット1の取外し作業前に遮光性保護覆い5を準備するという観点からすれば、例えば画像形成装置本体10が装置前面側を開閉する開閉扉を有する態様にあっては、像保持体ユニット1の支持枠体3を把持する把持部に保護覆い格納部4を設け、前記開閉扉を開放した際に像保持体ユニット1の前記保護覆い格納部4を装置前面側に露出配置させるようにすればよい。
【0015】
また、遮光性保護覆い5としては取出し可能な構造であればよく、保護覆い格納部4から遮光性保護覆い5を完全に取り出す態様は勿論であるが、保護覆い格納部4から完全に離脱しない態様も含まれる。この場合、遮光性保護覆い5は例えば伸縮自在であり、未使用時には収縮した状態で保護覆い格納部4に収容され、使用時には保護覆い格納部4から引出可能に伸長するものであればよい。
この種の遮光性保護覆い5としては、未使用時には保護覆い格納部4の巻き取り部材に巻き取り可能に巻き取って収容しておき、使用時に前記巻き取り部材から引出可能にする態様や、蛇腹状あるいは折り畳み状の伸縮可能な構成とし、未使用時には収縮した状態で保護覆い格納部4に収容可能とし、使用時には伸長した状態で引出可能にするなど適宜選定して差し支えない。
更に、遮光性保護覆い5としては、像保持体2の感光特性に応じて光暴露による光疲労を有効に抑える程度の遮光性を備えていればよく、好ましくは光透過率が3%以下、より好ましくは1%以下であるのがよい。
また、遮光性保護覆い5としては、狭い空間の保護覆い格納部4に格納するという観点からすれば、折り畳んだり、丸めたりすることを可能とするために可撓性部材である態様が好ましい。この場合において、遮光性保護覆い5としては50μm以下の厚みであることが好ましい。
更に、遮光性保護覆い5の大きさとしては、像保持体ユニット1の像保持体2表面の外部露呈部位を覆うことが可能であればよいが、像保持体2への光暴露をより有効に回避するという観点からすれば、遮光性保護覆い5は、画像形成装置本体10外の所定部位に一つの像保持体ユニット1を長さ方向横置き姿勢で置いたときの鉛直方向から見た前記像保持体ユニット1の投影面積の2倍以上の面積を有するものが好ましい。
より好ましくは、例えば複数の像保持体ユニット1を有する態様にあっては、遮光性保護覆い5は、画像形成装置本体10外の所定部位に複数の像保持体ユニット1を互いに非接触状態で且つ長さ方向横置き姿勢で置いた状態にて、複数の像保持体ユニット1を鉛直方向から見た投影面積の2倍以上の面積を有するものがよく、例えば4つの像保持体ユニット1を一つの遮光性保護覆い5で覆うようにすることが好ましいが、これに限られるものではなく、二つの遮光性保護覆い5で4つの像保持体ユニット1を覆うようにしても差し支えない。
【0016】
また、像保持体ユニット1の装着動作過程での光暴露による光疲労を有効に回避するという観点からすれば、支持枠体3に取り外し自在に設けられ、画像形成装置本体10に像保持体ユニット1を装着する前及び装着する過程では前記像保持体2表面の外部露呈部位が保護されると共に、像保持体ユニット1装着完了後に支持枠体3から取り外される遮光性初期保護覆い(図示せず)を有する態様が好ましい。
【0017】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を更に詳細に説明する。
◎実施の形態1
―画像形成装置全体の構成―
図2は本発明が適用された画像形成装置の実施の形態1の全体構成を示す。
同図において、画像形成装置は、装置筐体21内に四つの色(本実施の形態ではブラック、イエロ、マゼンタ、シアン)の画像形成部22(具体的には22a〜22d)を横方向に配列し、その上方に各画像形成部22の配列方向に沿って循環搬送される中間転写ベルト23を配設する一方、装置筐体21の下方には記録材が供給可能に収容される記録材供給装置24を配設すると共に、装置筐体21の上部には画像形成済みの記録材が排出収容される記録材排出受け26を設け、前記記録材供給装置24からの記録材を鉛直方向に沿って延びる記録材搬送路25を介して前記記録材排出受け26に排出するようにしたものである。
【0018】
本実施の形態において、各画像形成部22(22a〜22d)は、中間転写ベルト23の循環方向上流側から順に、例えばブラック用、イエロ用、マゼンタ用、シアン用(配列は必ずしもこの順番とは限らない)のトナー像を形成するものであり、例えばドラム状に形成された感光性の像保持体31と、この像保持体31を予め帯電する帯電器32と、この帯電器32にて帯電された像保持体31に静電潜像を書き込む露光器33と、像保持体31上の静電潜像を各色トナーにて可視像化する現像器34と、像保持体31上の残留トナーを清掃する清掃器35とを備えている。
ここで、露光器33は、各画像形成部22に対して共通するものであり、露光容器331内に各色成分の半導体レーザ(図示せず)などの光源からの光を偏向ミラー332で偏向走査し、図示外の結像レンズ、ミラーを介して対応する像保持体31上の露光位置に光像を導くようにしたものである。
【0019】
また、中間転写ベルト23は張架ロール231,232に掛け渡されており、例えば張架ロール231を駆動ロールとして循環移動するようになっている。そして、各像保持体31に対応した中間転写ベルト23の裏面には一次転写器51(例えば一次転写ロール)が配設され、この一次転写器51にトナーの帯電極性と逆極性の電圧を印加することで、像保持体31上のトナー像を中間転写ベルト23側に静電的に転写するようになっている。
更に、中間転写ベルト23の移動方向最下流に位置する画像形成部22dの下流側の張架ロール232に対応した部位には二次転写器52(例えば二次転写ロール)が配設されており、中間転写ベルト23上の一次転写像を記録材に二次転写(一括転写)するようになっている。
更に、中間転写ベルト23の二次転写部位の下流側の張架ロール231に対応した部位には中間転写ベルト23上の残留トナーを清掃する中間清掃器53が設けられている。
ここで、中間転写ベルト23はポリイミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリプロピレン等の樹脂または各種ゴムにカーボンブラック等の帯電防止剤を適当量含有させたものを用い、その体積抵抗率が106〜1014Ω・cmとなるように形成されている。
【0020】
更に、本実施の形態では、記録材供給装置24の送出部61にて送出された記録材は、記録材搬送路25中の適宜数の搬送ロール62にて搬送され、位置合せロール63にて位置合せされた後に二次転写器52の二次転写部位を通過し、定着器66にて未定着トナー像を例えば加熱加圧定着した後、排出ロール67を介して記録材排出受け26に排出収容されるようになっている。
更にまた、本実施の形態では、記録材搬送路25の下部には手差しの記録材が供給可能な手差し供給装置71が設けられ、また、記録材搬送路25の位置合わせロール63と排出ロール67との間には両面記録時の反転用搬送路73が設けられ、適宜数の搬送ロール74が配設されている。
【0021】
―画像形成部―
特に、本実施の形態では、像保持体31は、図3及び図4に示すように、帯電器32及び清掃器35と一体化された像保持体ユニット30として構成されており、この像保持体ユニット30が装置筐体21に対して着脱自在に装着され、夫々の色成分の画像形成部22の一部を構築するようになっている。
ここで、像保持体31は感光性を有するものを広く含むものであるが、良好な画質を長期に亘って安定的に得るには、少なくとも電荷輸送材料が含まれる被覆層を有する感光体を用いるのが好ましい。
この電荷輸送材料としては、p−ベンゾキノン、クロラニル、ブロマニル、アントラキノン等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン等のフルオレノン化合物、キサントン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノビニル系化合物、エチレン系化合物等の電子輸送性化合物、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物等の正孔輸送性化合物が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。これらの電荷輸送材料は、1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
また、この電荷輸送層に用いる結着樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂等が挙げられる。これらの結着樹脂は、1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。電荷輸送材料と結着樹脂との配合比(質量比)は、10:1〜1:5が好ましい。
更に、高分子電荷輸送材としては、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン等の電荷輸送性を有する公知のものを用いることができる。この高分子電荷輸送材はそれだけでも電荷輸送層の構成材料として使用可能であるが、上記結着樹脂と混合して成膜してもよい。
但し、この種の感光体は光暴露による光疲労が顕著に現れ易いことから、保守点検時などにおいて光暴露しないように配慮することが特に必要である。
【0022】
また、前記像保持体31は例えばPP(ポリプロピレン)、PC(ポリカーボネート)、ABSなどのエンジニアリングプラスティックベアリング又は摺動性のよい回転部材を介して樹脂製支持枠体36に対し両端周面部を回転可能に支持されている。
そして、この支持枠体36は前記帯電器32及び清掃器35の夫々の容器部分をも構成したものになっている。
本実施の形態において、帯電器32は、像保持体31に対向した部位が開口する帯電容器321を有し、この帯電容器321内に像保持体31の表面に接触若しくは近接する帯電ロール322を配設したものである。
また、清掃器35は、像保持体31に対向する部位が開口した清掃容器351を有し、この清掃容器351の長手方向に沿う開口一縁部には前記像保持体31に接触する弾性掻き取り板352を設けると共に、前記清掃容器351の長手方向に沿う開口他縁部には前記像保持体31に接触する弾性シール材353を設け、前記清掃容器351内には弾性掻き取り板352で掻き取ったトナー等の残留物を長手方向に沿って均す均し搬送部材354を配設したものである。
このため、本実施の形態では、像保持体ユニット30は、像保持体31の周囲の一部が帯電器32及び清掃器35で覆われ、像保持体31のそれ以外の周囲部分Mが直接露出する構造になっている。
【0023】
更に、本実施の形態において、現像器34は、装置筐体21側に像保持体ユニット30とは別に装着されており、像保持体31に対向して開口し且つ少なくともトナーが含まれる現像剤が収容される現像容器341を有し、この現像容器341の開口部位には像保持体31との対向部位に位置する現像域に向けて現像剤が搬送可能な現像剤保持体342を配設すると共に、この現像容器341の現像剤保持体342の背面側には現像剤が循環しながら撹拌搬送可能な一対の現像剤撹拌搬送部材343,344を配設し、現像剤保持体342とこの現像剤保持体342側に位置する現像剤撹拌搬送部材343との間には撹拌搬送された現像剤が現像剤保持体342側に供給可能な現像剤供給部材345を設け、更に、前記現像剤保持体342に供給された現像剤を層厚規制部材346にて所定層厚に規制した後に現像域に現像剤を供給するようにしたものである。
尚、図2中、符号38(38a〜38d)は各画像形成部22(22a〜22d)の現像器34に新しいトナーを補給するトナー補給器である。
【0024】
―像保持体ユニット―
像保持体ユニット30は、図5及び図6に示すように、長尺な支持枠体36の両端支持枠361,362にて像保持体31の両端周面部を回転可能に支持すると共に、支持枠体36の一部に帯電器32及び清掃器35を一体的に組み込んだものである。
そして、像保持体31のうち支持枠体36の長手方向一端支持枠361から外側に突出する部位には駆動伝達ギア80が装着されると共に、前記支持枠体36の長手方向他端支持枠362の外側には作業者が把持可能な把手90が設けられている。
本実施の形態において、把手90は、装置筐体21内に像保持体ユニット30を装着する際、あるいは、保守点検時に装置筐体21から像保持体ユニット30を離脱する際に作業者が押し込み操作、あるいは、引出操作をするための有底の把持孔91を具備している。
【0025】
特に、本実施の形態では、把手90の裏側には周囲が囲まれた凹所101からなる空間部が形成されている。この凹所101は、本実施の形態では、遮光性保護覆い120を格納するための保護覆い格納部100として利用されるようになっている。
ここで、遮光性保護覆い120は光透過率が3%以下、好ましくは1%以下で厚さが50μm以下の可撓性部材であれば適宜選定して差し支えなく、例えば黒色の塩化ビニールシートや、オレフィン系シート、ポリウレタンシートなどが用いられている。
この遮光性保護覆い120は、例えば装置筐体21外の所定部位に4つの像保持体ユニット30を非接触状態で且つ横置き姿勢で置いた状態で、4つの像保持体ユニット30を鉛直方向から見た投影面積の2倍以上の大きさを有するものであり、必要に応じて折り畳んだり、あるいは、丸めることを可能としたものである。
そして、本実施の形態では、この保護覆い格納部100は、例えば60cm3程度の直方体空間を有するものであり、遮光性保護覆い120を折り畳んだり、あるいは、丸めた状態で格納するものである。このとき、折り畳んだ若しくは丸めた遮光性保護覆い120は、保護覆い格納部壁面を押圧するように、その戻り作用にて保護覆い格納部100としての凹所101の周壁に弾性的に当接することから、両者間の摩擦力にて保護覆い格納部100に保持される。
【0026】
ここで、保護覆い格納部100の好ましい態様としては、図7(a)(b)に示すように、凹所101の開口に開閉自在な蓋102を設けたものが挙げられる。この蓋102は、例えば支持枠体36と同じ樹脂製の板材の一部に回動支点となる切込溝などのヒンジ部103を有し、このヒンジ部103を回転支点として開閉すると共に、その周縁部を凹所101の開口縁受部104に嵌合保持するようになっている。
尚、蓋102には開閉するための摘み突起102aが設けられ、蓋102の開閉動作がし易い構造になっている。また、蓋102には閉じたときに固定する固定機構を必要に応じて設けるようにしてもよい。
更に、例えば像保持体ユニット30が装置筐体21に装着されている際に、前記遮光性保護覆い120が例えば折り畳んだ状態で且つ蓋102を押圧した状態で保護覆い格納部100に格納されているものであれば、装置筐体21から像保持体ユニット30を取り外す際に蓋102を開放すれば、保護覆い格納部100から遮光性保護覆い120は簡単に取り出される。
【0027】
―遮光性初期保護覆い―
また、本実施の形態では、像保持体ユニット30は、図8に示すように、装置筐体21への装着前及び装着する過程において遮光性初期保護覆い150を有している。
この遮光性初期保護覆い150は、像保持体ユニット30の像保持体31の露出部分を保護し、装置筐体21へ像保持体ユニット30を装着後に取り外せるように前記像保持体ユニット30に対して着脱自在に装着されている。
本実施の形態において、初期保護覆い150は、像保持体ユニット30全体を取り囲む略中空直方体状で且つ長手方向に延びる覆い基体151を有している。この覆い基体151は例えばABS樹脂等の合成樹脂にて一体的に製造される。
そして、この覆い基体151には前記像保持体ユニット30の支持枠体36を摺動案内する案内部材(案内レール152,案内壁153)が設けられている。
【0028】
更に、覆い基体151の長手方向一端側の左右両側には一対の位置決め片161,162が設けられている。この位置決め片161,162は覆い基体151の長手方向端部から装置筐体21側に弾性変形可能に突出する弾性突片163を有し、この弾性突片163に鉤状の引っ掛け爪164を一体的に形成したものである。ここで、弾性突片163は縦方向に肉厚の薄い板状に形成されており、その自由端部が略水平方向に首振り可能になっている。一方、装置筐体21側の像保持体ユニット受部の開口周縁には一対の位置決め孔171,172(図9参照)が形成されており、これらの位置決め孔171,172に位置決め片161,162が弾性変形しながら挿入されて位置決めされると共に、位置決め孔171,172縁に位置決め片161,162の各引っ掛け爪164が引き抜き不能に引っ掛かるようになっている。
【0029】
また、本実施の形態では、図8に示すように、初期保護覆い150の覆い基体151の上壁のうち長手方向手前側には像保持体ユニット30を固定するためのロック機構180が設けられている。
更に、本実施の形態では、初期保護覆い150の覆い基体151の上壁には長手方向に沿って案内溝190が設けられており、この案内溝190は覆い基体151の装置筐体21側縁が開口する長尺なもので、案内溝190の開口近傍内側には夫々抜け止め段部191が形成されており、案内溝190の開口幅が狭く設定されている。また、案内溝190のうち抜け止め段部191の手前には順次開口幅が狭まる傾斜部192が形成されている。
本実施の形態において、押し出しレバー200は案内溝190の開口端側に向かって摺動自在に移動し、前記ロック機構180のロック状態を解除すると共に、像保持体ユニット30を案内溝190に沿って押し出すようにしたものである。
【0030】
更にまた、本実施の形態では、押し出しレバー200は案内溝190に沿って装置筐体21側に摺動していくと、案内溝190の抜け止め段部191の傾斜部192に到達する。このとき、押し出しレバー200が案内溝190の傾斜部192に至ると、案内溝190の開口端が外側に押し広げられることになり、これに伴って、一対の位置決め片161,162が相互に離間する方向に押し広げられる。この状態において、初期保護覆い150を引き抜く方向に移動させようとすると、位置決め片161,162の引っ掛かり爪164が位置決め孔171,172縁から離間していることから、位置決め孔171,172から位置決め片161,162を引き抜くことが可能である。
このように、本実施の形態では、押し出しレバー200は位置決め片161,162の装置筐体21への係止状態を解除する操作部材として働くようになっている。
【0031】
−像保持体ユニットの装着方法−
初期保護覆い150が取り付けられた像保持体ユニット30の装着方法を図9に基づいて説明する。
先ず、初期保護覆い150に設けられた位置決め片161,162を像保持体ユニット挿入口縁部に空けられた位置決め孔171,172に挿入する(図9(a)参照)。
このとき、位置決め孔171,172に位置決め片161,162が引っ掛かり、装置筐体21に対して初期保護覆い150及び像保持体ユニット30が引き抜き不能に位置決め固定される(図9(b)参照)。
この状態において、装置筐体21に対して初期保護覆い150は位置決めされるばかりでなく、引き抜き不能に固定されるため、像保持体ユニット30の挿入動作時に初期保護覆い150から手を離しても初期保護覆い150の落下を有効に防止できる。
【0032】
更に、本実施の形態では、位置決め片161,162が装置筐体21側の位置決め孔171,172に嵌合し、かつ、初期保護覆い150の端部と装置筐体21の像保持体ユニット挿入口縁部とが接触しているため、像保持体ユニット30の挿入時に初期保護覆い150から手を離したとしても像保持体ユニット30が装置筐体21挿入時の挿入方向に対して傾くことを防止できる。
また、図8に示すように、初期保護覆い150及び像保持体ユニット30は、像保持体ユニット30を初期保護覆い150に固定するロック機構180を前側端部に備えている。
このとき、図9(c)に示すように、押し出しレバー200を像保持体ユニット30挿入方向へ押し出すことで、像保持体ユニット30は装置筐体21内へ挿入される。像保持体ユニット30とは別個に設けられる初期保護覆い150の押し出しレバー200を、像保持体ユニット30挿入方向へ押し出すことで、ロック機構180のロック状態を解除する。このように、押し出しレバー200はロック解除部材を兼ねるものであり、この押し出しレバー200を像保持体ユニット30とは別個に設け、押し出しレバー200の押し出し動作と、ロック機構180のロック状態の解除とを連動させることで、像保持体ユニット30の初期保護覆い150に対するロックとその解除を容易に実現することができる。
【0033】
更に、初期保護覆い150に設けられた案内溝190に沿って押し出しレバー200を像保持体ユニット30挿入方向へ押し出すと、像保持体ユニット30に設けられた図示外の案内部は、初期保護覆い150に設けられた案内部材(案内レール152及び案内壁153)に案内されて装置筐体21内へと挿入される(図9(c)参照)。
また、本実施の形態では、初期保護覆い150には案内溝190としての隙間があるので、案内溝190から光が初期保護覆い150内に入り像保持体31を光劣化させる虞れがある。そこで、本実施の形態では、初期保護覆い150に図示外の可撓性保護シートを付加し、案内溝190からの光の進入を防止することが可能である。また、本実施の形態のように、像保持体ユニット30として接触帯電法を用いた帯電器32(帯電ロール322を具備)をユニット化している場合には、搬送中などに帯電ロール322によって像保持体31が摩擦帯電してしまう虞れがある。この場合、前記可撓性保護シートを帯電ロール322と像保持体31との間に挟み接触帯電することを防止し、案内溝190から可撓性保護シートの少なくとも一部を初期保護覆い150の外部に出しておくことで、像保持体31の光劣化を低減し、帯電ロール322による像保持体31の摩擦帯電を防止し、像保持体ユニット30挿入時には容易に可撓性保護シートを取り外すことが可能となる。
【0034】
−像保持体ユニットの取外し方法−
次に、装置筐体21からの像保持体ユニット30の取外し方法を図10、図11に基づいて説明する。
先ず、図10(a)に示すように、装置筐体21前面の開閉扉220を開いた後に、装置筐体21に像保持体ユニット30を保持するためのものであって、装置筐体21側に設けられた支軸を中心として、装置筐体21に対して像保持体ユニット30を保持する保持位置R1と、装置筐体21から像保持体ユニット30を取り外し可能な開放位置R2との間で回転可能に設けられている保持扉221を開放位置R2へ回転移動し、像保持体ユニット挿入口222を開放する(図10(b)(c)参照)。
次に、像保持体ユニット30に設けられた把手90を引き抜くことで(図11(a)参照)、装置筐体21に装着された像保持体ユニット30を取り外す(図11(b)参照)。
【0035】
この状態において、装置筐体21の外部に引き抜いた像保持体ユニット30をそのまま放置すると、像保持体31の外部露呈部位が光暴露による光疲労を起こす虞れがある。
そこで、本実施の形態では、図12に示すように、引き抜いた像保持体ユニット30の保護覆い格納部100から遮光性保護覆い120を取り出して広げた後、像保持体ユニット30の上に被せるようにすればよい。
特に、本実施の形態において、像保持体ユニット30の支持枠体36を把持する把手90の近傍に保護覆い格納部100を設ける態様にあっては、装置筐体21前面の開閉扉220を開放する際に、前記像保持体ユニット30の保護覆い格納部100が装置前面側に露出配置されるため、像保持体ユニット30を引き抜く前に保護覆い格納部100から遮光性保護覆い120を前もって取り出すことが可能である。
このため、本実施の形態では、装置筐体21から像保持体ユニット30を引き抜く場合に、その把手90の近傍にある保護覆い格納部100から遮光性保護覆い120を予め取り出すことが可能であるため、像保持体ユニット30の像保持体31に外部露呈部位が存在するとしても、当該外部露呈部位を迅速に遮光性保護覆い120にて覆うことが可能である。このため、像保持体31の外部露呈部位が光暴露による光疲労を起こすことは有効に回避される。
よって、像保持体ユニット30を引き抜いた状態で、像保持体ユニット30の周辺の保守点検作業(ジャム処理、周辺部品の補修など)を安心して行うことができる。
また、本実施の形態では、遮光性保護覆い120は、十分に大きいサイズであるため、図12に示すように、2つの像保持体ユニット30を引出したとしても、一枚で2つの像保持体ユニット30を覆うことができる。
更に、図13に示すように、4つの像保持体ユニット30を引き出したとしても、一枚の遮光性保護覆い120にて4つの像保持体ユニット30全体を覆うことができる。
本実施の形態では、遮光性保護覆い120にて像保持体ユニット30を覆い、30分放置したところ、光疲労の発生は見られなかった。
そして、保守点検作業が終了すると、引き抜いた像保持体ユニット30の保護覆い格納部100に使用した遮光性保護覆い120を再度格納した後、装置筐体21に対して像保持体ユニット30を再装着するようにすればよい。
【0036】
◎実施の形態2
図14は実施の形態2で用いられる像保持体ユニットの概要を示す。
同図において、像保持体ユニット30は、像保持体31の内部空間に保護覆い格納部100を備えたものである。
本実施の形態において、保護覆い格納部100は、図15(a)(b)に示すように、像保持体31の把手90の反対側端部に容器収容室105を有し、遮光性保護覆い120がロール状に丸めた状態で格納可能な筒状容器106を設けると共に、前記容器収納室105に前記筒状容器106を引出可能に収納するようにしたものである。尚、図15(c)に示すように、筒状容器106には取り出し易いように把手部107を設けるようにしてもよい。
【0037】
また、像保持体31の把手90側端部に保護覆い格納部100を設ける場合には、例えば図16に示すように、像保持体31の把手90側端部に容器収容室105を設け、遮光性保護覆い120がロール状に丸めた状態で格納可能な筒状容器106を設けると共に、前記容器収納室105に前記筒状容器106を引出可能に収納するようにすればよい。
但し、本態様にあっては、像保持体31の端部位置に支持枠体36の把手90が存在するため、この把手90が邪魔になって筒状容器106を完全には引出せない可能性がある。
そこで、本態様にあっては、筒状容器106の引出側に切欠部108を設け、例えば図17(a)に示すように、把手90のうち像保持体31の端部を塞ぐ仕切り板110を取外し自在な構造し、図17(b)に示すように、この仕切り板110を取り外した状態で筒状容器106を把手90の端部に当たる位置まで引出し、その状態で筒状容器106の切欠部108から遮光性保護覆い120を取り出すようにすればよい。
【0038】
◎実施の形態3
図18は実施の形態3で用いられる像保持体ユニットの概要を示す。
同図において、像保持体ユニット30は支持枠体36の表面側に箱状の保護覆い格納部100を設けたものであり、この保護覆い格納部100に遮光性保護覆い120を折り畳んだり、あるいは、丸めた状態で格納するようにしたものである。尚、保護覆い格納部100の開口はそのまま開放されていてもよいが、遮光性保護覆い120の落下を有効に回避するという観点からすれば、保護覆い格納部100の開口に図示外の蓋を開閉自在に設けるようにしてもよい。
【0039】
◎実施の形態4
図19は実施の形態4で用いられる像保持体ユニットの概要を示す。
同図において、像保持体ユニット30は、像保持体31の長手方向一端部に対応する支持枠体36の把手90部位に保護覆い格納部100を設けたものである。
この保護覆い格納部100は、図19(a)(b)に示すように、遮光性保護覆い120未使用時に遮光性保護覆い120が巻き取り可能に巻き取られる巻き取り部材(図示外)を内蔵した巻き取り格納部111を有し、遮光性保護覆い120使用時には前記巻き取り格納部111から前記遮光性保護覆い120を引出可能としたものである。
ここで、図19(c)に示すように、遮光性保護覆い120の先端部には鉤爪状の仮止め部112が揺動自在に設けられており、例えば付勢ばね113にて遮光性保護覆い120の裏面側に向かって付勢されている。そして、像保持体31の露出部位全体を覆うように遮光性保護覆い120が引き出された状態で前記仮止め部112が支持枠体36の反対側端部の任意の部位に設けられた被仮止めピン114に仮止めされるようになっている。そして、遮光性保護覆い120による遮光操作が終了すると、前記遮光性保護覆い120の仮止め部112による仮止めを解除すればよく、仮止めを解除した状態で、遮光性保護覆い120は前記巻き取り格納部111に巻き取り格納されるようになっている。
尚、巻き取り格納部111は像保持体31の径寸法より僅かに大きい程度で、像保持体31の露出部位を覆うことができるため、支持枠体36に設けるとしても、それほど配設スペースを必要としない。
【実施例】
【0040】
遮光性保護覆いを採択するに当たり、像保持体ユニットに富士ゼロックス株式会社製P紙(64g/m2)、実施の形態1で用いた黒色の塩化ビニールシート(実施例)、遮光紙を被せ、照度測定を行った。
照度測定条件:
・昼白色蛍光灯2本、天井高さ2.8m
・測定面での照度 630ルクス
・照度測定器 ミノルタ株式会社製デジタル照度計T−1M
図20に結果を示す。
同図によれば、P紙1枚を被せたところ、190ルクスまで照度は低下したが、像保持体ユニットの光暴露による光疲労を防止するという点では未だ不十分であることが理解された。
ここで、P紙を複数枚重ねた比較例について遮光性能を調べたところ、図21に示す結果が得られた。
図21によれば、P紙を10枚重ねた場合で漸く4ルクスに下がることは確認できたが、像保持体ユニットに対して記録材を重ねて保持して置くことは難しく、この記録材を重ねることで遮光性保護覆いを代用することは困難であることが理解される。
実施例の黒色ビニールシートを用いたところ、3ルクスまで照度が低下することが理解される。この場合、像保持体ユニットに黒色ビニールシートを被せて30分以上放置したところ、光暴露による光疲労は全く見られないことが確認された。
尚、表面又は紙繊維が黒色に着色された遮光紙も遮光性能は高いが、コストが高い点、また可撓性が悪く、格納が困難であるため好ましくない。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明が適用される実施の形態の概要を示す説明図である。
【図2】実施の形態1に係る画像形成装置の全体構成を示す説明図である。
【図3】実施の形態1で用いられる画像形成部の詳細を示す説明図である。
【図4】実施の形態1で用いられる像保持体ユニットを示す説明図である。
【図5】実施の形態1で用いられる像保持体の斜視説明図である。
【図6】図5をVI方向から見た矢視図である。
【図7】(a)は実施の形態1における保護覆い格納部の他の例を示す説明図、(b)は(a)のB−B線断面説明図である。
【図8】実施の形態1で用いられる初期保護覆いを示す説明図である。
【図9】(a)〜(c)は像保持体ユニットの装着動作過程を示す説明図である。
【図10】(a)〜(c)は像保持体ユニットの離脱動作過程を示す説明図である。
【図11】(a)(b)は像保持体ユニットの離脱動作過程を示す説明図である。
【図12】2つの像保持体ユニットに対して遮光性保護覆いを使用する状態を示す説明図である。
【図13】4つの像保持体ユニットに対して遮光性保護覆いを使用する状態を示す説明図である。
【図14】実施の形態2で用いられる像保持体ユニットを示す説明図である。
【図15】(a)は実施の形態2で用いられる保護覆い格納部を示す説明図、(b)は(a)中B方向から見た矢視図、(c)は保護覆い受けの変形形態を示す説明図である。
【図16】実施の形態2で用いられる像保持体ユニットの変形形態を示す説明図である。
【図17】(a)は図17に示す変形形態の保護覆い格納部の詳細を示す説明図、(b)は保護覆い受けを引き出した状態を示す説明図である。
【図18】実施の形態3で用いられる像保持体ユニットを示す説明図である。
【図19】(a)は実施の形態4で用いられる像保持体ユニットを示す説明図、(b)は(a)中B方向から見た矢視図、(c)は遮光性保護覆いの仮止め部の一例を示す説明図である。
【図20】実施例で使用する遮光性保護覆いの性能評価を示す説明図である。
【図21】遮光性保護覆いとして用紙を重ねて代用する比較例についての性能評価を示す説明図である。
【符号の説明】
【0042】
1(1a〜1d)…像保持体ユニット,2…像保持体,3…支持枠体,4…保護覆い格納部,5…遮光性保護覆い,10…画像形成装置本体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を保持する感光性の像保持体と、
画像形成装置本体に着脱自在に装着され且つ前記像保持体を支持する支持枠体と、
前記支持枠体又は像保持体に設けられ、前記像保持体が外部露呈時に像保持体表面の外部露呈部位を覆うための遮光性保護覆いが未使用時に格納される保護覆い格納部とを備えた像保持体ユニット。
【請求項2】
画像を保持する感光性の像保持体と、
画像形成装置本体に着脱自在に装着され且つ前記像保持体を支持する支持枠体と、
前記像保持体が外部露呈時に像保持体表面の外部露呈部位を覆うための遮光性保護覆いと、
前記支持枠体又は像保持体に設けられて前記遮光性保護覆いが未使用時に格納される保護覆い格納部とを備えた像保持体ユニット。
【請求項3】
請求項1又は2記載の像保持体ユニットにおいて、
保護覆い格納部は、支持枠体を把持する把持部に設けられることを特徴とする像保持体ユニット。
【請求項4】
請求項1又は2記載の像保持体ユニットにおいて、
保護覆い格納部は、像保持体の内部空間を利用して設けられることを特徴とする像保持体ユニット。
【請求項5】
請求項2記載の像保持体ユニットにおいて、
保護覆い格納部は開閉可能な蓋を有し、前記遮光性保護覆いは折り畳まれた状態で且つ前記蓋を押圧する状態で前記保護覆い格納部に格納されていることを特徴とする像保持体ユニット。
【請求項6】
請求項1又は2記載の像保持体ユニットにおいて、
遮光性保護覆いは伸縮自在であり、未使用時には収縮した状態で保護覆い格納部に収容され、使用時には保護覆い格納部から引出可能に伸長するものであることを特徴とする像保持体ユニット。
【請求項7】
請求項2記載の像保持体ユニットにおいて、
遮光性保護覆いは、画像形成装置本体外の所定部位に複数の像保持体ユニットを互いに非接触状態で且つ長さ方向横置き姿勢で置いた状態にて、複数の像保持体ユニットを鉛直方向から見た投影面積の2倍以上の面積を有することを特徴とする像保持体ユニット。
【請求項8】
請求項1ないし7いずれかに記載の像保持体ユニットにおいて、
前記支持枠体に取り外し自在に設けられ、画像形成装置本体に像保持体ユニットを装着する前及び装着する過程では前記像保持体表面の外部露呈部位が保護されると共に、像保持体ユニット装着完了後に支持枠体から取り外される遮光性初期保護覆いを有することを特徴とする像保持体ユニット。
【請求項9】
画像形成装置本体に像保持体ユニットを着脱自在に装着し、像保持体ユニットにて画像を形成する画像形成装置であって、
前記像保持体ユニットは、画像を保持する感光性の像保持体と、
画像形成装置本体に着脱自在に装着され且つ前記像保持体を支持する支持枠体と、
前記像保持体が外部露呈時に像保持体表面の外部露呈部位を覆うための遮光性保護覆いと、
前記支持枠体又は像保持体に設けられて前記遮光性保護覆いが未使用時に格納される保護覆い格納部とを備えた画像形成装置。
【請求項10】
請求項9記載の画像形成装置において、
複数の像保持体ユニットを有し、各像保持体ユニットが保護覆い格納部及び遮光性保護覆いを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項9又は10記載の画像形成装置において、
画像形成装置本体は装置前面側を開閉する開閉扉を有し、
像保持体ユニットは支持枠体を把持する把持部に保護覆い格納部を有し、
前記開閉扉を開放した際に像保持体ユニットの前記保護覆い格納部を装置前面側に露出配置させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
画像を保持する感光性の像保持体と、
画像形成装置本体に着脱自在に装着され且つ前記像保持体を支持する支持枠体と、
前記支持枠体又は像保持体に設けられ、前記像保持体が外部露呈時に像保持体表面の外部露呈部位を覆うための遮光性保護覆いが未使用時に格納される保護覆い格納部とを備えた像保持体ユニット。
【請求項2】
画像を保持する感光性の像保持体と、
画像形成装置本体に着脱自在に装着され且つ前記像保持体を支持する支持枠体と、
前記像保持体が外部露呈時に像保持体表面の外部露呈部位を覆うための遮光性保護覆いと、
前記支持枠体又は像保持体に設けられて前記遮光性保護覆いが未使用時に格納される保護覆い格納部とを備えた像保持体ユニット。
【請求項3】
請求項1又は2記載の像保持体ユニットにおいて、
保護覆い格納部は、支持枠体を把持する把持部に設けられることを特徴とする像保持体ユニット。
【請求項4】
請求項1又は2記載の像保持体ユニットにおいて、
保護覆い格納部は、像保持体の内部空間を利用して設けられることを特徴とする像保持体ユニット。
【請求項5】
請求項2記載の像保持体ユニットにおいて、
保護覆い格納部は開閉可能な蓋を有し、前記遮光性保護覆いは折り畳まれた状態で且つ前記蓋を押圧する状態で前記保護覆い格納部に格納されていることを特徴とする像保持体ユニット。
【請求項6】
請求項1又は2記載の像保持体ユニットにおいて、
遮光性保護覆いは伸縮自在であり、未使用時には収縮した状態で保護覆い格納部に収容され、使用時には保護覆い格納部から引出可能に伸長するものであることを特徴とする像保持体ユニット。
【請求項7】
請求項2記載の像保持体ユニットにおいて、
遮光性保護覆いは、画像形成装置本体外の所定部位に複数の像保持体ユニットを互いに非接触状態で且つ長さ方向横置き姿勢で置いた状態にて、複数の像保持体ユニットを鉛直方向から見た投影面積の2倍以上の面積を有することを特徴とする像保持体ユニット。
【請求項8】
請求項1ないし7いずれかに記載の像保持体ユニットにおいて、
前記支持枠体に取り外し自在に設けられ、画像形成装置本体に像保持体ユニットを装着する前及び装着する過程では前記像保持体表面の外部露呈部位が保護されると共に、像保持体ユニット装着完了後に支持枠体から取り外される遮光性初期保護覆いを有することを特徴とする像保持体ユニット。
【請求項9】
画像形成装置本体に像保持体ユニットを着脱自在に装着し、像保持体ユニットにて画像を形成する画像形成装置であって、
前記像保持体ユニットは、画像を保持する感光性の像保持体と、
画像形成装置本体に着脱自在に装着され且つ前記像保持体を支持する支持枠体と、
前記像保持体が外部露呈時に像保持体表面の外部露呈部位を覆うための遮光性保護覆いと、
前記支持枠体又は像保持体に設けられて前記遮光性保護覆いが未使用時に格納される保護覆い格納部とを備えた画像形成装置。
【請求項10】
請求項9記載の画像形成装置において、
複数の像保持体ユニットを有し、各像保持体ユニットが保護覆い格納部及び遮光性保護覆いを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項9又は10記載の画像形成装置において、
画像形成装置本体は装置前面側を開閉する開閉扉を有し、
像保持体ユニットは支持枠体を把持する把持部に保護覆い格納部を有し、
前記開閉扉を開放した際に像保持体ユニットの前記保護覆い格納部を装置前面側に露出配置させることを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2008−275657(P2008−275657A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−115479(P2007−115479)
【出願日】平成19年4月25日(2007.4.25)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年4月25日(2007.4.25)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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