像加熱装置
【課題】設定温度を大きく下げる場合、フリッカ抑制の効果があまり得られない出力波数の組合せの発生を防止すること。
【解決手段】両面プリントモードにおいて、反転搬送開始時、設定温度が5aのように例えば200℃から130℃までセラミックヒータ109cに通電が必要ない温度まで大きく下がるような場合は、温度制御から一時的にはずれ、出力波数を予め設定された組合せで、例えば5bのように出力波数が12波から変化する場合、12波、10波、4波、0波の組合せで0波まで変化させる構成とする。
【解決手段】両面プリントモードにおいて、反転搬送開始時、設定温度が5aのように例えば200℃から130℃までセラミックヒータ109cに通電が必要ない温度まで大きく下がるような場合は、温度制御から一時的にはずれ、出力波数を予め設定された組合せで、例えば5bのように出力波数が12波から変化する場合、12波、10波、4波、0波の組合せで0波まで変化させる構成とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、レーザビームプリンタ等の画像形成装置に搭載される加熱定着装置として用いれば好ましい像加熱装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式の画像形成装置において、記録材上のトナー像の熱定着手段として、ハロゲンヒータを熱源とするヒートローラ式や、セラミックヒータを熱源とするフィルム加熱方式の熱定着装置が用いられている。
【0003】
熱定着装置にはサーミスタなどの温度検出素子が設けられている。この温度検出素子により熱定着装置の温度を検出し、ヒータへの通電を変化させて目標とする温度にヒータの温度を調整している。その温度制御にはPI制御(proportional plus integral control)またはPID制御(proportional plus integral plus derivative control)を、電力制御には波数制御を用いて制御している。波数制御は、交流波形の半波を1波として、所定の波数(以後、基本波数と記す)の内のヒータへ通電する波数を制御する(出力波数を制御する)ことによりヒータへ供給する電力を制御する電力制御方法である。
【0004】
PI制御で温度制御を行い、設定温度を一度に大きく変化させる場合のタイミングチャートを図11に示す。8a、8b、8cは各々、このときの設定温度、供給電力、及びフリッカ(flicker)を表している。8aのように温度Aから温度Bに設定温度を大きく変化させる場合、ヒータへの供給電力が8bのように急激に変化する。このため、急峻な電源電圧の変動が生じ、フリッカが8cのように著しく発生する場合があった。フリッカは負荷に流れる電流が周期的に変動した場合に屋内配線のインピーダンスによる電圧低下が周期的に変動し、負荷装置と同じ屋内配線に接続される白熱電球の明るさがチラチラと変動する現象をいう。一般に電源電圧変動が大きく急峻であるほどフリッカも大きい。
【0005】
特許文献1には、設定温度を温度Aから温度Bへ大きく変化させる場合に課題となるフリッカを抑える二つの方法が開示されている。方法1は、ヒータの設定温度を少しずつ段階的に変化させるという方法である。方法2は、一定時間あたりにヒータに供給する電力を一定量に制限しながら徐々にヒータ温度を変化させる方法である。
【0006】
設定温度を温度Aから段階的に温度Bに変化させた場合のタイミングチャートを図12に示す。図中の9a、9b、9c、9dは各々このときの設定温度、ヒータの温度、供給電力、及びフリッカを表している。
【0007】
また、供給電力を段階的に変化させた場合のタイミングチャートを図13に示す。図中の10a、10b、10cは各々このときの設定温度、供給電力、及びフリッカを表している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平10−186937号公報
【特許文献2】特開2002−296954号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ヒータへ供給する電力は、設定温度と、ヒータの温度を検出する温度検出素子の検出温度と、の差に依存する。したがって、ヒータに流れる電流の波形も、設定温度と、ヒータの温度を検出する温度検出素子の検出温度と、の差に依存する。また、図12に示すように、設定温度が一定でもヒータの温度はリップルを生じるので、設定温度が一定でも設定温度とヒータの温度を検出する温度検出素子の検出温度との差は変動する。したがって、方法1のように設定温度を段階的に変化させる場合、設定温度が一定の期間内であっても、この期間内の出力波数は不確定であるためヒータに流れる電流の波形は多様に変化する。人間の目は8.8Hz程度のチラツキに対して最も敏感であり、逆に、8.8Hzより小さくなるほど、また大きくなるほど感度は下がっていく。そのため、出力波数の組合せ次第では視感度が高い周波数近辺の電圧変動を発生させる通電パターンとなり、フリッカ抑制効果があまり得られないことがあった。
【0010】
また、方法2の場合も、電源電圧の変動、外乱などにより、多様な出力波数の変化の組合せがある。そのため、出力波数の組合せ次第では視感度が高い周波数近辺の電圧変動を発生させる通電パターンとなり、フリッカ抑制効果があまり得られないことがあった。
【0011】
図3は、基本波数が14で、8段階のレベルの出力波数を持つ波数制御における各レベルの通電パターンを示したものである。なお、図3中の斜線で示された半波は通電される電圧を表している。図3に示す通電パターンとなる出力波数を持つ波数制御において、出力波数の組合せでフリッカの抑制効果が変わる例を図14(a)、図14(b)に示す。11a、11cは出力波数の変化の仕方を表したものであり、11a、11c各々の場合のフリッカを表したものが11b、11dである。
【0012】
出力波数を8波から0波まで変化させる場合、8波、4波、0波と順次変化させる場合(図14(b)中の11c)の出力波数の組合せよりも、8波、6波、4波、2波、0波と順次変化させる場合(図14(a)中の11a)の出力波数の組合せの方が、視感度が高い周波数の電圧変動を生じさせる。そのため、出力波数を8波から0波まで変化させる場合のフリッカのピーク値は、8波、4波、0波と順次変化させる場合(図14(b)中の11d)の方が8波、6波、4波、2波、0波と変化させる場合(図14(a)中の11b)よりも低くなる。ヒータへ供給する電力の変化としては、11aのパターンのほうが11cのパターンよりなだらかである。しかしながら、フリッカのレベルは11aのパターンの方が悪い結果となることもある。
【0013】
本発明は上述の課題に鑑みなされたもので、その目的は、フリッカを抑えられる像加熱装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記課題を解決するために、本発明は以下の構成を備える。
【0015】
(1)画像を担持する記録材を加熱する像加熱装置であって、ヒータと、前記ヒータの温度を検出する温度検出素子と、商用電源から前記ヒータへ供給する電力を制御する電力制御手段と、を備え、前記電力制御手段は、前記ヒータへ供給する出力波数を制御することによって前記ヒータへ供給する電力を制御し、前記ヒータへ供給する電力を制御する期間には、前記温度検出素子の検出温度が設定温度を維持するように出力波数を制御する第1の期間と、前記第1の期間に続く第2の期間と、があり、前記第2の期間の間、前記ヒータに流れる電流の波形は予め決まっていることを特徴とする像加熱装置。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、フリッカを抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】像加熱装置を定着装置として搭載する画像形成装置を示す概略構成図
【図2】実施例1〜3におけるヒータ駆動制御部を示すブロック図
【図3】実施例1〜3における出力波数の通電パターンを示した図
【図4】実施例1におけるフローチャートを示した図
【図5】実施例1におけるタイミングチャートを示した図
【図6】実施例2におけるフローチャートを示した図
【図7】実施例2におけるタイミングチャートを示した図
【図8】実施例1及び2における出力波数の変化の仕方の組合せを表した図
【図9】実施例3におけるフローチャートを示した図
【図10】実施例3におけるタイミングチャートを示した図
【図11】従来例におけるタイミングチャートを示した図
【図12】従来例におけるタイミングチャートを示した図
【図13】従来例におけるタイミングチャートを示した図
【図14】(a)、(b)従来例における出力波数の組合せとフリッカの関係を示した図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下本発明を実施するための最良の形態を、実施例により詳しく説明する。
【実施例1】
【0019】
以下、図面を用いて説明する。
【0020】
<画像形成装置の構成>
図1は実施例1における電子写真プロセスを用いた画像形成装置の概略構成図であり、例えばレーザビームプリンタの場合を示している。
【0021】
レーザビームプリンタ本体101(以下、本体101とする)は、次のように構成される。記録材Sを収納するカセット102を有し、カセット102の記録材Sの有無を検知するカセット有無センサ103が設けられている。また、カセット102の記録材Sのサイズを検知するカセットサイズセンサ104、カセット102から記録材Sを繰り出す給紙ローラ105などが設けられている。そして、給紙ローラ105の下流には記録材Sを同期搬送するレジストローラ対106が設けられている。また、レジストローラ対106の下流にはレーザスキャナ部107からレーザ光に基づいて記録材S上にトナー像を形成する画像形成部108が設けられている。さらに、画像形成部108の下流には記録材S上に形成されたトナー像を加熱定着する熱定着装置109(熱定着手段)が設けられている。熱定着装置109の上流には給紙した記録材を検知するトップセンサ150が設けられている。また、熱定着装置109の下流には排紙部の搬送状態を検知する排紙センサ110、記録材Sを排紙する排紙ローラ111、記録の完了した記録材Sを積載する積載トレイ112が設けられている。
【0022】
また、レーザスキャナ部107は、次のように構成されている。まず、後述する外部装置131から送出される画像信号(画像信号VDO)に基づいて変調されたレーザ光を発光するレーザユニット113から構成されている。また、このレーザユニット113からのレーザ光を後述する感光ドラム117上に走査するためのポリゴンモータ114、結像レンズ115、折り返しミラー116等により構成されている。
【0023】
そして、画像形成部108は公知の電子写真プロセスに必要な、感光ドラム117、1次帯電ローラ119、現像器120、転写帯電ローラ121、クリーナ122等から構成されている。
【0024】
熱定着装置(像加熱装置)109は、定着フィルム(エンドレスベルト)109a、加圧ローラ109b、定着フィルム109a内部に設けられた発熱体を備えたセラミックヒータ109c、セラミックヒータ109cの温度を検出する温度検出手段(温度検出素子)としてのサーミスタ109dが設けられている。
【0025】
また、メインモータ123は、給紙ローラ105には給紙ソレノイド124を介して、レジストローラ対106にはレジクラッチ125を介して、搬送ローラ対140には搬送クラッチ143を介して駆動力を与えている。さらに感光ドラム117を含む画像形成部108の各ユニット、熱定着装置109、排紙ローラ111にも駆動力を与えている。
【0026】
また142は手差し給紙口であり、手差し紙有り無しセンサ141によって手差し口に紙が入れられたかどうかを検知する。
【0027】
そして、126は電源回路、高圧回路、CPU及び周辺回路が実装されたエンジンコントロールユニットである。エンジンコントロールユニット126は、レーザスキャナ部107、高圧回路部(画像形成部108)の制御、熱定着装置109による電子写真プロセスの制御、本体101内の記録材Sの搬送制御を行っている。
【0028】
そして、127はビデオコントローラであり、パーソナルコンピュータなどの外部装置131と汎用のインタフェース(USB等)130で接続されている。ビデオコントローラ127は、この汎用インタフェースから送られてくる画像情報をビットデータに展開し、そのビットデータを画像信号VDOとして、エンジンコントロールユニット126へ送出している。
【0029】
<ヒータ駆動制御系のブロック図>
図2はヒータ駆動制御系のブロック図である。ヒータ駆動制御部201(ヒータ駆動制御手段)は、電力制御部202(電力制御手段)と温度制御部203(温度制御手段)を有する。電力制御部202は、温度制御部203からの情報をもとに、電力供給部204(電力供給部)からの熱定着装置109のセラミックヒータ109c(図中単にヒータと記す)への電力の出力を波数制御で制御する。温度制御部203は、サーミスタ109dより入力されたセラミックヒータ109cの温度情報と、温度設定部205(温度設定手段)により設定される温度情報とを比較し、PI制御により出力波数のレベルを決定し、その結果を電力制御部202に出力する。
【0030】
<本実施例における波数制御>
本実施例における波数制御は、基本波数が14で、図3に示す8段階のレベルの出力波数で電力制御を行っている。図3中、斜線で示された半波がセラミックヒータ109cへ投入される電圧を表している。
【0031】
まず、装置を設計する段階で、予め、フリッカ抑制効果のある出力波数の変化の組合せを評価しておく。
【0032】
図3に示すパターンの波形を用いる場合で、例えば、出力波数を8波から0波まで変化させる場合、8波、6波、4波、2波、0波と順次変化させるよりも、8波、4波、0波と変化させる方がフリッカ抑制効果が大きくなる。一方、出力波数を12波から0波まで変化させる場合、12波、6波、0波と順次変化させるよりも、12波、10波、4波、0波と変化させる方がフリッカ抑制効果が大きくなる。図5の5dは出力波数が12波、10波、4波、0波と順次変化した場合のフリッカレベル、5eは出力波数が12波、6波、0波と順次変化した場合のフリッカレベルを表す。5eの方が5dよりも、ピーク値が高くなっており、5eの方がフリッカ抑制効果が小さいことを意味する。このように8波から0波へ変化させるケースだけでなく、それ以外のケース(例えば12波から0波へ変化させるケース)においてフリッカ抑制効果の大きい出力波数の組合せを設定しておく。本実施例におけるフリッカ抑制効果が大きい出力波数の組合せをまとめたものを図8に示す。図8中の12aは14波から0波まで変化させる場合、12bは12波から0波まで変化させる場合、12cは10波から0波まで変化させる場合、12dは8波から0波まで変化させる場合、12eは6波から0波まで変化させる場合、12fは4波から0波まで変化させる場合、12gは2波から0波まで変化させる場合である。このようにフリッカ抑制効果が高い波数の組合せ、つまりフリッカ抑制効果の高い波形の組合せを、装置を設計する段階で評価しておく。
【0033】
本実施例の装置の動作のフローチャートを図4に示す。
【0034】
まずステップS1では、設定温度がセラミックヒータ109cへの通電が必要ない温度まで大きく下がるかどうか(温度を大きく下げる必要があるケースかどうか)を判断している。設定温度が大きく下がらなければ、ステップS2に進み、温度制御部203による通常の温度制御により出力波数が決められる。そしてステップS3で電力制御部202によりセラミックヒータ109cへ投入される電力が制御される。つまり、ステップS1からS2、S3へ移行するルートは、温度検知素子の検知温度が設定温度を維持するように出力波数を制御する第1の期間に相当する。
【0035】
ステップS1で設定温度を通電が必要ない温度まで下げる場合は、ステップS4に進み、温度制御部203により熱定着装置109の温度を制御する処理から一時的にはずれ、予め設定された出力波数の組合せをもとに出力波数を変化させる。この結果をもとにステップS5でセラミックヒータ109cへの通電が電力制御部202により制御される。そしてステップS6では、出力波数が0であるかどうかを判断している。0でない場合は、ステップS4にもどる。これにより出力波数が0になるまで予め設定された出力波数の組合せで変化していく。つまり、ステップS1からS4、S5、S6へ移行するルートは、第1の期間に続く第2の期間に相当する。第2の期間の間、ヒータに流れる電流の波形は予め決まっている。第2の期間では、図8に示すように、ヒータの温度に拘わらず予め設定された出力波数の変化が生じる。予め設定された出力波数の変化が生じるので、第2の期間中にヒータに流れる電流の波形は第1の期間の最後に設定された出力波数に応じて予め決まっている。
【0036】
そして出力波数が0になると(S6 Yes)、ステップS2に進み通常の温度制御(第1の期間)にもどる。
【0037】
両面プリントモードにおいて、例えば設定温度200℃で表面のトナー像を定着させた後の記録材Sの反転搬送時は、片面の連続プリント時と比較して、一面目を定着処理した記録材が再び定着部へ到達するまでの時間(インターバル)が長いため(例えば3秒)、インターバルの期間でヒータへの通電を遮断し電力の消費を抑えることがある。このようにヒータへの通電を遮断する場合に生じやすいフリッカを抑制するため、本実施例の装置では、ヒータの温度が200℃を維持するように制御する第1の期間の後に上述の第2の期間を設け、第2の期間を経てヒータへの通電を遮断している。なお、本実施例の場合、130℃の設定はヒータへの通電を遮断する(出力波数を0波にする)ために設定されるものであり、ヒータの温度が130℃まで下がりきる必要はない。
【0038】
このような構成により両面プリントの反転搬送時において、ヒータ駆動制御部201は次のような制御を行う。
【0039】
図5に本実施例におけるタイミングチャートの概略を示す。図中の5a、5b、5c、5dは各々このときの設定温度、出力波数、ヒータ温度、フリッカを表している。また、図中の5eは出力波数が12波、6波、0波と変化した場合のフリッカレベルを表している。
【0040】
両面プリントモードにおいて、表面のトナー像を定着させる間は、設定温度を200℃にする。そしてセラミックヒータ109cの温度をサーミスタ109dで検出する。このサーミスタ109dによる検出温度と温度設定部205により設定される温度(200℃)とを比較し、温度制御部203により出力波数を決定する。その結果をもとに電力制御部202はセラミックヒータ109cへの電力の出力を制御し、セラミックヒータ109cの温度が200℃となるようにする(第1の期間)。
【0041】
両面プリントの反転搬送開始時は、設定温度を5aのように200℃から130℃まで大きく下げる。そのため温度制御部203により熱定着装置109の温度を制御する処理から一時的にはずれ、出力波数が予め設定された組合せで、例えば第1の期間で最後に設定された出力波数が12波の場合、5bのように、12波、10波、4波、0波の出力波数の組合せで0まで変化していく(第2の期間)。出力波数が0になった後は通常の温度制御(第1の期間)に復帰する。本実施例の場合は、出力波数が0波に達して第2の期間が終了しても、ヒータの温度は130℃まで下がりきらないので、インターバルの期間が終了するまで出力波数は0波を維持する。このように予め設定された出力波数の組合せで出力波数を変化させることで、出力波数が12波、6波、0波と変化するような出力波数の組合せが発生せず、予め決まった波形の電流がヒータに流れるので、5dのようにフリッカ抑制の効果を得ることができる。
【0042】
そして、記録材Sの裏面のトナー像を定着させるため、所定のタイミングで設定温度を190℃まで上げる。裏面(第2面)の定着においては表面(第1面)の定着時と比較して定着部へ進入する記録材の温度が高いため、設定温度を表面の定着時の200℃に比べて低く設定している。
【0043】
このように設定しておくことにより、例えば、両面プリントの反転搬送開始時のように設定温度がセラミックヒータ109cに通電する必要がない温度まで下がる場合、特定の組合せで出力波数が変化する。これにより、フリッカ抑制の効果があまり得られない出力波数の組合せが発生することを防止できる。
【実施例2】
【0044】
実施例1では設定温度をセラミックヒータ109cへの通電が必要ない温度まで下げ、出力波数を0波まで落とすようにしていた。本実施例では、設定温度を下げるが、出力波数が0波になる程度までは下げない場合を考える。このような場合にも、一時的に温度制御部203による処理(第1の期間)からはずして、予め設定された出力波数の組合せで段階的に出力波数を下げることで、フリッカの抑制効果があまり得られない出力波数の組合せが発生するのを防止する。なお、図1〜図3については実施例1と同様であるため説明を省略し、以下、同じ構成には同じ符号を用いて説明する。
【0045】
<本実施例における波数制御>
本実施例のフローチャートを図6に示す。
【0046】
まずステップS10では、設定温度が下がるかどうかを判断している。設定温度が下がらなければ、ステップS20に進み、温度制御部203による温度制御により出力波数が決められる。そしてステップS30で電力制御部202によりセラミックヒータ109cへ投入される電力が制御される。ステップS10からS20、S30へ移行するルートは、温度検知素子の検知温度が設定温度を維持するように出力波数を制御する第1の期間に相当する。
【0047】
ステップS10で設定温度を下げる場合は、ステップS40に進み、温度制御部203による制御から一時的にはずれ、予め設定された出力波数の組合せをもとに出力波数を変化させる。この結果をもとにステップS50で、セラミックヒータ109cへ電力制御部202により電力が投入される。そしてS60では、サーミスタ109dで検出されるセラミックヒータ109cの温度が、下げた設定温度よりも高いかどうかを判断している。設定した温度よりも高い場合は、ステップS40にもどる。これによりセラミックヒータ109cの温度が下げた設定温度に達するまで、第1の期間の最後に設定された出力波数に応じて予め設定された出力波数の組合せで出力波数が変化していく。ステップS10からS40、S50、S60へ移行するルートは、第1の期間に続く第2の期間に相当する。第2の期間の間、ヒータに流れる電流の波形は予め決まっている。第2の期間では、図8に示すように、ヒータの温度に拘わらず予め設定された出力波数の変化が生じる。予め設定された出力波数の変化が生じるので、第2の期間中にヒータに流れる電流の波形は第1の期間の最後に設定された出力波数に応じて予め決まっている。
【0048】
そして、ステップS60で、セラミックヒータ109cの温度が設定温度以下になると、ステップS20に進み通常の温度制御にもどる。
【0049】
連続片面プリントモードにおいては、プリント枚数が増えるにつれて熱定着装置109全体が温まる。そのため第1の期間における設定温度を例えば40枚目より200℃から10℃落として190℃となるように設定しておく。本実施例の第2の期間における波数制御は、例えばこのような場合に実施される。
【0050】
図7に本実施例のタイミングチャートの概略を示す。図中の7a、7b、7c、7dは各々このときの設定温度、出力波数、ヒータ温度、フリッカを表している。
【0051】
連続片面プリントでは、プリント枚数が40枚目に達したときから設定温度を7aのように、200℃から190℃まで下げる。このような場合、一時的に温度制御部203による処理からはずし、第1の期間の最後に設定された出力波数に応じて予め設定しておいた出力波数の組合せで、例えば7bのように出力波数が12から変化する場合、まず出力波数10波で通電される。そして検出温度がまだこの時点で190℃以上であるため、10波の次は10波との組合せとして予め設定されていた出力波数4波で通電される。そして、セラミックヒータ109cの温度が190℃と検出されると通常の温度制御(第1の期間)に復帰する。このように予め設定された出力波数の組合せで出力波数を変化させることで、7dのようにフリッカ抑制の効果を得ることができる。
【0052】
このように設定しておくことにより、普通連続プリントモードにおいてある枚数プリントした後に設定温度を下げる場合、特定の出力波数の組合せで出力波数が変化し、フリッカ抑制の効果があまり得られない出力波数の組合せ(つまりフリッカ抑制効果が小さい波形)が発生することを防止できる。
【実施例3】
【0053】
実施例1ではヒータへの通電を遮断する場合、実施例2では設定温度を下げる場合について述べた。本実施例では、設定温度を上げる場合を考える。このような場合にも、一時的に温度制御部203による処理からはずして、予め設定された出力波数の組合せで段階的に出力波数を上げることで、ヒータへ供給する電流波形を予め設定された波形とする。これによりフリッカの抑制効果があまり得られない通電パターンでヒータへ電力供給されないようにする。本実施例では実施例2における両面プリントのインターバル期間から第2面目の定着処理を実行するまでの、ヒータを温度上昇させるケースを考える。
【0054】
<本実施例における波数制御>
本実施例も第1の期間では図3に示す8段階の出力波数のパターンを用いる。第1の期間の最後に設定された出力波数が4波の場合、出力波数を4波から6波や8波に上げるよりも、10波に上げた方がフリッカを抑制する効果がより大きい。4波以外の波数から第2の期間を開始する場合に備えて、最適な出力波数の組合せを装置設計段階で予め評価しておく。
【0055】
次に、本実施例のフローチャートを図9に示す。まずステップS100では、設定温度を上げるかどうかを判断している。設定温度を上げなければ、ステップS200に進み、温度制御部203による温度制御により出力波数が決められる。そしてステップS300で電力制御部202によりセラミックヒータ109cへ投入される電力が制御される。ステップS100からS200、S300へ移行するルートは、温度検知素子の検知温度が設定温度を維持するように出力波数を制御する第1の期間に相当する。
【0056】
ステップS100で設定温度を上げる場合は、ステップS400に進み、温度制御部203による制御から一時的にはずれ、予め設定された出力波数の組合せをもとに出力波数を変化させる。この結果をもとにステップS500で、セラミックヒータ109cへ電力制御部202により電力が投入される。そしてステップS600では、サーミスタ109dで検出されるセラミックヒータ109cの温度が、上げた設定温度よりも低いかどうかを判断している。設定した温度よりも低い場合は、ステップS400にもどる。これによりセラミックヒータ109cの温度が上げた設定温度に達するまで、温度制御から外れる直前の出力波数に応じて予め設定された出力波数の組合せで出力波数が変化していく。そして、ステップS600で、セラミックヒータ109cの温度が設定温度以上になると、ステップS200に進み通常の温度制御(第1の期間)にもどる。ステップS100からS400、S500、S600へ移行するルートは、第1の期間に続く第2の期間に相当する。第2の期間の間、ヒータに流れる電流の波形は予め決まっている。第2の期間では、ヒータの温度に拘わらず予め設定された出力波数の変化が生じる。予め設定された出力波数の変化が生じるので、第2の期間中にヒータに流れる電流の波形は第1の期間の最後に設定された出力波数に応じて予め決まっている。
【0057】
図10に本実施例のタイミングチャートの概略を示す。図中の14a、14b、14c、14dは各々このときの設定温度、出力波数、ヒータ温度、フリッカを表している。両面連続プリントモードでは、裏面プリント後、次の記録材Sの表面プリント時に設定温度を14aのように190℃から200℃に上げる。このような場合、一時的に温度制御部203による処理からはずし、温度制御から外れる直前の出力波数に応じて予め設定しておいた出力波数の組合せで、例えば14bのように出力波数が4波から変化する場合、予め4波との組合せとして設定されていた出力波数10波で通電される。そして、セラミックヒータ109cの温度が190℃と検出されると通常の温度制御(第1の期間)に復帰する。このように予め設定された出力波数の組合せで出力波数を変化させることで、フリッカ抑制の効果を得ることができる。このように設定しておくことにより、両面連続プリントモードにおいて裏面プリント後の次の記録材Sの表面プリントをするために設定温度を上げる場合、特定の出力波数の組合せで出力波数が変化し、フリッカ抑制の効果があまり得られない通電パターンとなる出力波数の組合せが発生することを防止できる。
【0058】
なお、本発明における出力波数のパターンとフリッカの関係は、画像形成装置の構成などにより変化するものであり、実施例に示した組合せに限定するものではない。
【0059】
また、本発明において加熱装置はフィルム加熱方式のものに限られるものではないが、ヒータと、内面にヒータが接触するエンドレスベルトと、エンドレスベルトを介してヒータと共にニップ部を形成する加圧ローラと、を有し、画像を担持する記録材をニップ部で挟持搬送しつつ加熱する像加熱装置に適用すれば更に効果的である。
【符号の説明】
【0060】
109c ヒータ
109d サーミスタ
202 電力制御部
203 温度制御部
205 温度設定部
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、レーザビームプリンタ等の画像形成装置に搭載される加熱定着装置として用いれば好ましい像加熱装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式の画像形成装置において、記録材上のトナー像の熱定着手段として、ハロゲンヒータを熱源とするヒートローラ式や、セラミックヒータを熱源とするフィルム加熱方式の熱定着装置が用いられている。
【0003】
熱定着装置にはサーミスタなどの温度検出素子が設けられている。この温度検出素子により熱定着装置の温度を検出し、ヒータへの通電を変化させて目標とする温度にヒータの温度を調整している。その温度制御にはPI制御(proportional plus integral control)またはPID制御(proportional plus integral plus derivative control)を、電力制御には波数制御を用いて制御している。波数制御は、交流波形の半波を1波として、所定の波数(以後、基本波数と記す)の内のヒータへ通電する波数を制御する(出力波数を制御する)ことによりヒータへ供給する電力を制御する電力制御方法である。
【0004】
PI制御で温度制御を行い、設定温度を一度に大きく変化させる場合のタイミングチャートを図11に示す。8a、8b、8cは各々、このときの設定温度、供給電力、及びフリッカ(flicker)を表している。8aのように温度Aから温度Bに設定温度を大きく変化させる場合、ヒータへの供給電力が8bのように急激に変化する。このため、急峻な電源電圧の変動が生じ、フリッカが8cのように著しく発生する場合があった。フリッカは負荷に流れる電流が周期的に変動した場合に屋内配線のインピーダンスによる電圧低下が周期的に変動し、負荷装置と同じ屋内配線に接続される白熱電球の明るさがチラチラと変動する現象をいう。一般に電源電圧変動が大きく急峻であるほどフリッカも大きい。
【0005】
特許文献1には、設定温度を温度Aから温度Bへ大きく変化させる場合に課題となるフリッカを抑える二つの方法が開示されている。方法1は、ヒータの設定温度を少しずつ段階的に変化させるという方法である。方法2は、一定時間あたりにヒータに供給する電力を一定量に制限しながら徐々にヒータ温度を変化させる方法である。
【0006】
設定温度を温度Aから段階的に温度Bに変化させた場合のタイミングチャートを図12に示す。図中の9a、9b、9c、9dは各々このときの設定温度、ヒータの温度、供給電力、及びフリッカを表している。
【0007】
また、供給電力を段階的に変化させた場合のタイミングチャートを図13に示す。図中の10a、10b、10cは各々このときの設定温度、供給電力、及びフリッカを表している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平10−186937号公報
【特許文献2】特開2002−296954号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ヒータへ供給する電力は、設定温度と、ヒータの温度を検出する温度検出素子の検出温度と、の差に依存する。したがって、ヒータに流れる電流の波形も、設定温度と、ヒータの温度を検出する温度検出素子の検出温度と、の差に依存する。また、図12に示すように、設定温度が一定でもヒータの温度はリップルを生じるので、設定温度が一定でも設定温度とヒータの温度を検出する温度検出素子の検出温度との差は変動する。したがって、方法1のように設定温度を段階的に変化させる場合、設定温度が一定の期間内であっても、この期間内の出力波数は不確定であるためヒータに流れる電流の波形は多様に変化する。人間の目は8.8Hz程度のチラツキに対して最も敏感であり、逆に、8.8Hzより小さくなるほど、また大きくなるほど感度は下がっていく。そのため、出力波数の組合せ次第では視感度が高い周波数近辺の電圧変動を発生させる通電パターンとなり、フリッカ抑制効果があまり得られないことがあった。
【0010】
また、方法2の場合も、電源電圧の変動、外乱などにより、多様な出力波数の変化の組合せがある。そのため、出力波数の組合せ次第では視感度が高い周波数近辺の電圧変動を発生させる通電パターンとなり、フリッカ抑制効果があまり得られないことがあった。
【0011】
図3は、基本波数が14で、8段階のレベルの出力波数を持つ波数制御における各レベルの通電パターンを示したものである。なお、図3中の斜線で示された半波は通電される電圧を表している。図3に示す通電パターンとなる出力波数を持つ波数制御において、出力波数の組合せでフリッカの抑制効果が変わる例を図14(a)、図14(b)に示す。11a、11cは出力波数の変化の仕方を表したものであり、11a、11c各々の場合のフリッカを表したものが11b、11dである。
【0012】
出力波数を8波から0波まで変化させる場合、8波、4波、0波と順次変化させる場合(図14(b)中の11c)の出力波数の組合せよりも、8波、6波、4波、2波、0波と順次変化させる場合(図14(a)中の11a)の出力波数の組合せの方が、視感度が高い周波数の電圧変動を生じさせる。そのため、出力波数を8波から0波まで変化させる場合のフリッカのピーク値は、8波、4波、0波と順次変化させる場合(図14(b)中の11d)の方が8波、6波、4波、2波、0波と変化させる場合(図14(a)中の11b)よりも低くなる。ヒータへ供給する電力の変化としては、11aのパターンのほうが11cのパターンよりなだらかである。しかしながら、フリッカのレベルは11aのパターンの方が悪い結果となることもある。
【0013】
本発明は上述の課題に鑑みなされたもので、その目的は、フリッカを抑えられる像加熱装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記課題を解決するために、本発明は以下の構成を備える。
【0015】
(1)画像を担持する記録材を加熱する像加熱装置であって、ヒータと、前記ヒータの温度を検出する温度検出素子と、商用電源から前記ヒータへ供給する電力を制御する電力制御手段と、を備え、前記電力制御手段は、前記ヒータへ供給する出力波数を制御することによって前記ヒータへ供給する電力を制御し、前記ヒータへ供給する電力を制御する期間には、前記温度検出素子の検出温度が設定温度を維持するように出力波数を制御する第1の期間と、前記第1の期間に続く第2の期間と、があり、前記第2の期間の間、前記ヒータに流れる電流の波形は予め決まっていることを特徴とする像加熱装置。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、フリッカを抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】像加熱装置を定着装置として搭載する画像形成装置を示す概略構成図
【図2】実施例1〜3におけるヒータ駆動制御部を示すブロック図
【図3】実施例1〜3における出力波数の通電パターンを示した図
【図4】実施例1におけるフローチャートを示した図
【図5】実施例1におけるタイミングチャートを示した図
【図6】実施例2におけるフローチャートを示した図
【図7】実施例2におけるタイミングチャートを示した図
【図8】実施例1及び2における出力波数の変化の仕方の組合せを表した図
【図9】実施例3におけるフローチャートを示した図
【図10】実施例3におけるタイミングチャートを示した図
【図11】従来例におけるタイミングチャートを示した図
【図12】従来例におけるタイミングチャートを示した図
【図13】従来例におけるタイミングチャートを示した図
【図14】(a)、(b)従来例における出力波数の組合せとフリッカの関係を示した図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下本発明を実施するための最良の形態を、実施例により詳しく説明する。
【実施例1】
【0019】
以下、図面を用いて説明する。
【0020】
<画像形成装置の構成>
図1は実施例1における電子写真プロセスを用いた画像形成装置の概略構成図であり、例えばレーザビームプリンタの場合を示している。
【0021】
レーザビームプリンタ本体101(以下、本体101とする)は、次のように構成される。記録材Sを収納するカセット102を有し、カセット102の記録材Sの有無を検知するカセット有無センサ103が設けられている。また、カセット102の記録材Sのサイズを検知するカセットサイズセンサ104、カセット102から記録材Sを繰り出す給紙ローラ105などが設けられている。そして、給紙ローラ105の下流には記録材Sを同期搬送するレジストローラ対106が設けられている。また、レジストローラ対106の下流にはレーザスキャナ部107からレーザ光に基づいて記録材S上にトナー像を形成する画像形成部108が設けられている。さらに、画像形成部108の下流には記録材S上に形成されたトナー像を加熱定着する熱定着装置109(熱定着手段)が設けられている。熱定着装置109の上流には給紙した記録材を検知するトップセンサ150が設けられている。また、熱定着装置109の下流には排紙部の搬送状態を検知する排紙センサ110、記録材Sを排紙する排紙ローラ111、記録の完了した記録材Sを積載する積載トレイ112が設けられている。
【0022】
また、レーザスキャナ部107は、次のように構成されている。まず、後述する外部装置131から送出される画像信号(画像信号VDO)に基づいて変調されたレーザ光を発光するレーザユニット113から構成されている。また、このレーザユニット113からのレーザ光を後述する感光ドラム117上に走査するためのポリゴンモータ114、結像レンズ115、折り返しミラー116等により構成されている。
【0023】
そして、画像形成部108は公知の電子写真プロセスに必要な、感光ドラム117、1次帯電ローラ119、現像器120、転写帯電ローラ121、クリーナ122等から構成されている。
【0024】
熱定着装置(像加熱装置)109は、定着フィルム(エンドレスベルト)109a、加圧ローラ109b、定着フィルム109a内部に設けられた発熱体を備えたセラミックヒータ109c、セラミックヒータ109cの温度を検出する温度検出手段(温度検出素子)としてのサーミスタ109dが設けられている。
【0025】
また、メインモータ123は、給紙ローラ105には給紙ソレノイド124を介して、レジストローラ対106にはレジクラッチ125を介して、搬送ローラ対140には搬送クラッチ143を介して駆動力を与えている。さらに感光ドラム117を含む画像形成部108の各ユニット、熱定着装置109、排紙ローラ111にも駆動力を与えている。
【0026】
また142は手差し給紙口であり、手差し紙有り無しセンサ141によって手差し口に紙が入れられたかどうかを検知する。
【0027】
そして、126は電源回路、高圧回路、CPU及び周辺回路が実装されたエンジンコントロールユニットである。エンジンコントロールユニット126は、レーザスキャナ部107、高圧回路部(画像形成部108)の制御、熱定着装置109による電子写真プロセスの制御、本体101内の記録材Sの搬送制御を行っている。
【0028】
そして、127はビデオコントローラであり、パーソナルコンピュータなどの外部装置131と汎用のインタフェース(USB等)130で接続されている。ビデオコントローラ127は、この汎用インタフェースから送られてくる画像情報をビットデータに展開し、そのビットデータを画像信号VDOとして、エンジンコントロールユニット126へ送出している。
【0029】
<ヒータ駆動制御系のブロック図>
図2はヒータ駆動制御系のブロック図である。ヒータ駆動制御部201(ヒータ駆動制御手段)は、電力制御部202(電力制御手段)と温度制御部203(温度制御手段)を有する。電力制御部202は、温度制御部203からの情報をもとに、電力供給部204(電力供給部)からの熱定着装置109のセラミックヒータ109c(図中単にヒータと記す)への電力の出力を波数制御で制御する。温度制御部203は、サーミスタ109dより入力されたセラミックヒータ109cの温度情報と、温度設定部205(温度設定手段)により設定される温度情報とを比較し、PI制御により出力波数のレベルを決定し、その結果を電力制御部202に出力する。
【0030】
<本実施例における波数制御>
本実施例における波数制御は、基本波数が14で、図3に示す8段階のレベルの出力波数で電力制御を行っている。図3中、斜線で示された半波がセラミックヒータ109cへ投入される電圧を表している。
【0031】
まず、装置を設計する段階で、予め、フリッカ抑制効果のある出力波数の変化の組合せを評価しておく。
【0032】
図3に示すパターンの波形を用いる場合で、例えば、出力波数を8波から0波まで変化させる場合、8波、6波、4波、2波、0波と順次変化させるよりも、8波、4波、0波と変化させる方がフリッカ抑制効果が大きくなる。一方、出力波数を12波から0波まで変化させる場合、12波、6波、0波と順次変化させるよりも、12波、10波、4波、0波と変化させる方がフリッカ抑制効果が大きくなる。図5の5dは出力波数が12波、10波、4波、0波と順次変化した場合のフリッカレベル、5eは出力波数が12波、6波、0波と順次変化した場合のフリッカレベルを表す。5eの方が5dよりも、ピーク値が高くなっており、5eの方がフリッカ抑制効果が小さいことを意味する。このように8波から0波へ変化させるケースだけでなく、それ以外のケース(例えば12波から0波へ変化させるケース)においてフリッカ抑制効果の大きい出力波数の組合せを設定しておく。本実施例におけるフリッカ抑制効果が大きい出力波数の組合せをまとめたものを図8に示す。図8中の12aは14波から0波まで変化させる場合、12bは12波から0波まで変化させる場合、12cは10波から0波まで変化させる場合、12dは8波から0波まで変化させる場合、12eは6波から0波まで変化させる場合、12fは4波から0波まで変化させる場合、12gは2波から0波まで変化させる場合である。このようにフリッカ抑制効果が高い波数の組合せ、つまりフリッカ抑制効果の高い波形の組合せを、装置を設計する段階で評価しておく。
【0033】
本実施例の装置の動作のフローチャートを図4に示す。
【0034】
まずステップS1では、設定温度がセラミックヒータ109cへの通電が必要ない温度まで大きく下がるかどうか(温度を大きく下げる必要があるケースかどうか)を判断している。設定温度が大きく下がらなければ、ステップS2に進み、温度制御部203による通常の温度制御により出力波数が決められる。そしてステップS3で電力制御部202によりセラミックヒータ109cへ投入される電力が制御される。つまり、ステップS1からS2、S3へ移行するルートは、温度検知素子の検知温度が設定温度を維持するように出力波数を制御する第1の期間に相当する。
【0035】
ステップS1で設定温度を通電が必要ない温度まで下げる場合は、ステップS4に進み、温度制御部203により熱定着装置109の温度を制御する処理から一時的にはずれ、予め設定された出力波数の組合せをもとに出力波数を変化させる。この結果をもとにステップS5でセラミックヒータ109cへの通電が電力制御部202により制御される。そしてステップS6では、出力波数が0であるかどうかを判断している。0でない場合は、ステップS4にもどる。これにより出力波数が0になるまで予め設定された出力波数の組合せで変化していく。つまり、ステップS1からS4、S5、S6へ移行するルートは、第1の期間に続く第2の期間に相当する。第2の期間の間、ヒータに流れる電流の波形は予め決まっている。第2の期間では、図8に示すように、ヒータの温度に拘わらず予め設定された出力波数の変化が生じる。予め設定された出力波数の変化が生じるので、第2の期間中にヒータに流れる電流の波形は第1の期間の最後に設定された出力波数に応じて予め決まっている。
【0036】
そして出力波数が0になると(S6 Yes)、ステップS2に進み通常の温度制御(第1の期間)にもどる。
【0037】
両面プリントモードにおいて、例えば設定温度200℃で表面のトナー像を定着させた後の記録材Sの反転搬送時は、片面の連続プリント時と比較して、一面目を定着処理した記録材が再び定着部へ到達するまでの時間(インターバル)が長いため(例えば3秒)、インターバルの期間でヒータへの通電を遮断し電力の消費を抑えることがある。このようにヒータへの通電を遮断する場合に生じやすいフリッカを抑制するため、本実施例の装置では、ヒータの温度が200℃を維持するように制御する第1の期間の後に上述の第2の期間を設け、第2の期間を経てヒータへの通電を遮断している。なお、本実施例の場合、130℃の設定はヒータへの通電を遮断する(出力波数を0波にする)ために設定されるものであり、ヒータの温度が130℃まで下がりきる必要はない。
【0038】
このような構成により両面プリントの反転搬送時において、ヒータ駆動制御部201は次のような制御を行う。
【0039】
図5に本実施例におけるタイミングチャートの概略を示す。図中の5a、5b、5c、5dは各々このときの設定温度、出力波数、ヒータ温度、フリッカを表している。また、図中の5eは出力波数が12波、6波、0波と変化した場合のフリッカレベルを表している。
【0040】
両面プリントモードにおいて、表面のトナー像を定着させる間は、設定温度を200℃にする。そしてセラミックヒータ109cの温度をサーミスタ109dで検出する。このサーミスタ109dによる検出温度と温度設定部205により設定される温度(200℃)とを比較し、温度制御部203により出力波数を決定する。その結果をもとに電力制御部202はセラミックヒータ109cへの電力の出力を制御し、セラミックヒータ109cの温度が200℃となるようにする(第1の期間)。
【0041】
両面プリントの反転搬送開始時は、設定温度を5aのように200℃から130℃まで大きく下げる。そのため温度制御部203により熱定着装置109の温度を制御する処理から一時的にはずれ、出力波数が予め設定された組合せで、例えば第1の期間で最後に設定された出力波数が12波の場合、5bのように、12波、10波、4波、0波の出力波数の組合せで0まで変化していく(第2の期間)。出力波数が0になった後は通常の温度制御(第1の期間)に復帰する。本実施例の場合は、出力波数が0波に達して第2の期間が終了しても、ヒータの温度は130℃まで下がりきらないので、インターバルの期間が終了するまで出力波数は0波を維持する。このように予め設定された出力波数の組合せで出力波数を変化させることで、出力波数が12波、6波、0波と変化するような出力波数の組合せが発生せず、予め決まった波形の電流がヒータに流れるので、5dのようにフリッカ抑制の効果を得ることができる。
【0042】
そして、記録材Sの裏面のトナー像を定着させるため、所定のタイミングで設定温度を190℃まで上げる。裏面(第2面)の定着においては表面(第1面)の定着時と比較して定着部へ進入する記録材の温度が高いため、設定温度を表面の定着時の200℃に比べて低く設定している。
【0043】
このように設定しておくことにより、例えば、両面プリントの反転搬送開始時のように設定温度がセラミックヒータ109cに通電する必要がない温度まで下がる場合、特定の組合せで出力波数が変化する。これにより、フリッカ抑制の効果があまり得られない出力波数の組合せが発生することを防止できる。
【実施例2】
【0044】
実施例1では設定温度をセラミックヒータ109cへの通電が必要ない温度まで下げ、出力波数を0波まで落とすようにしていた。本実施例では、設定温度を下げるが、出力波数が0波になる程度までは下げない場合を考える。このような場合にも、一時的に温度制御部203による処理(第1の期間)からはずして、予め設定された出力波数の組合せで段階的に出力波数を下げることで、フリッカの抑制効果があまり得られない出力波数の組合せが発生するのを防止する。なお、図1〜図3については実施例1と同様であるため説明を省略し、以下、同じ構成には同じ符号を用いて説明する。
【0045】
<本実施例における波数制御>
本実施例のフローチャートを図6に示す。
【0046】
まずステップS10では、設定温度が下がるかどうかを判断している。設定温度が下がらなければ、ステップS20に進み、温度制御部203による温度制御により出力波数が決められる。そしてステップS30で電力制御部202によりセラミックヒータ109cへ投入される電力が制御される。ステップS10からS20、S30へ移行するルートは、温度検知素子の検知温度が設定温度を維持するように出力波数を制御する第1の期間に相当する。
【0047】
ステップS10で設定温度を下げる場合は、ステップS40に進み、温度制御部203による制御から一時的にはずれ、予め設定された出力波数の組合せをもとに出力波数を変化させる。この結果をもとにステップS50で、セラミックヒータ109cへ電力制御部202により電力が投入される。そしてS60では、サーミスタ109dで検出されるセラミックヒータ109cの温度が、下げた設定温度よりも高いかどうかを判断している。設定した温度よりも高い場合は、ステップS40にもどる。これによりセラミックヒータ109cの温度が下げた設定温度に達するまで、第1の期間の最後に設定された出力波数に応じて予め設定された出力波数の組合せで出力波数が変化していく。ステップS10からS40、S50、S60へ移行するルートは、第1の期間に続く第2の期間に相当する。第2の期間の間、ヒータに流れる電流の波形は予め決まっている。第2の期間では、図8に示すように、ヒータの温度に拘わらず予め設定された出力波数の変化が生じる。予め設定された出力波数の変化が生じるので、第2の期間中にヒータに流れる電流の波形は第1の期間の最後に設定された出力波数に応じて予め決まっている。
【0048】
そして、ステップS60で、セラミックヒータ109cの温度が設定温度以下になると、ステップS20に進み通常の温度制御にもどる。
【0049】
連続片面プリントモードにおいては、プリント枚数が増えるにつれて熱定着装置109全体が温まる。そのため第1の期間における設定温度を例えば40枚目より200℃から10℃落として190℃となるように設定しておく。本実施例の第2の期間における波数制御は、例えばこのような場合に実施される。
【0050】
図7に本実施例のタイミングチャートの概略を示す。図中の7a、7b、7c、7dは各々このときの設定温度、出力波数、ヒータ温度、フリッカを表している。
【0051】
連続片面プリントでは、プリント枚数が40枚目に達したときから設定温度を7aのように、200℃から190℃まで下げる。このような場合、一時的に温度制御部203による処理からはずし、第1の期間の最後に設定された出力波数に応じて予め設定しておいた出力波数の組合せで、例えば7bのように出力波数が12から変化する場合、まず出力波数10波で通電される。そして検出温度がまだこの時点で190℃以上であるため、10波の次は10波との組合せとして予め設定されていた出力波数4波で通電される。そして、セラミックヒータ109cの温度が190℃と検出されると通常の温度制御(第1の期間)に復帰する。このように予め設定された出力波数の組合せで出力波数を変化させることで、7dのようにフリッカ抑制の効果を得ることができる。
【0052】
このように設定しておくことにより、普通連続プリントモードにおいてある枚数プリントした後に設定温度を下げる場合、特定の出力波数の組合せで出力波数が変化し、フリッカ抑制の効果があまり得られない出力波数の組合せ(つまりフリッカ抑制効果が小さい波形)が発生することを防止できる。
【実施例3】
【0053】
実施例1ではヒータへの通電を遮断する場合、実施例2では設定温度を下げる場合について述べた。本実施例では、設定温度を上げる場合を考える。このような場合にも、一時的に温度制御部203による処理からはずして、予め設定された出力波数の組合せで段階的に出力波数を上げることで、ヒータへ供給する電流波形を予め設定された波形とする。これによりフリッカの抑制効果があまり得られない通電パターンでヒータへ電力供給されないようにする。本実施例では実施例2における両面プリントのインターバル期間から第2面目の定着処理を実行するまでの、ヒータを温度上昇させるケースを考える。
【0054】
<本実施例における波数制御>
本実施例も第1の期間では図3に示す8段階の出力波数のパターンを用いる。第1の期間の最後に設定された出力波数が4波の場合、出力波数を4波から6波や8波に上げるよりも、10波に上げた方がフリッカを抑制する効果がより大きい。4波以外の波数から第2の期間を開始する場合に備えて、最適な出力波数の組合せを装置設計段階で予め評価しておく。
【0055】
次に、本実施例のフローチャートを図9に示す。まずステップS100では、設定温度を上げるかどうかを判断している。設定温度を上げなければ、ステップS200に進み、温度制御部203による温度制御により出力波数が決められる。そしてステップS300で電力制御部202によりセラミックヒータ109cへ投入される電力が制御される。ステップS100からS200、S300へ移行するルートは、温度検知素子の検知温度が設定温度を維持するように出力波数を制御する第1の期間に相当する。
【0056】
ステップS100で設定温度を上げる場合は、ステップS400に進み、温度制御部203による制御から一時的にはずれ、予め設定された出力波数の組合せをもとに出力波数を変化させる。この結果をもとにステップS500で、セラミックヒータ109cへ電力制御部202により電力が投入される。そしてステップS600では、サーミスタ109dで検出されるセラミックヒータ109cの温度が、上げた設定温度よりも低いかどうかを判断している。設定した温度よりも低い場合は、ステップS400にもどる。これによりセラミックヒータ109cの温度が上げた設定温度に達するまで、温度制御から外れる直前の出力波数に応じて予め設定された出力波数の組合せで出力波数が変化していく。そして、ステップS600で、セラミックヒータ109cの温度が設定温度以上になると、ステップS200に進み通常の温度制御(第1の期間)にもどる。ステップS100からS400、S500、S600へ移行するルートは、第1の期間に続く第2の期間に相当する。第2の期間の間、ヒータに流れる電流の波形は予め決まっている。第2の期間では、ヒータの温度に拘わらず予め設定された出力波数の変化が生じる。予め設定された出力波数の変化が生じるので、第2の期間中にヒータに流れる電流の波形は第1の期間の最後に設定された出力波数に応じて予め決まっている。
【0057】
図10に本実施例のタイミングチャートの概略を示す。図中の14a、14b、14c、14dは各々このときの設定温度、出力波数、ヒータ温度、フリッカを表している。両面連続プリントモードでは、裏面プリント後、次の記録材Sの表面プリント時に設定温度を14aのように190℃から200℃に上げる。このような場合、一時的に温度制御部203による処理からはずし、温度制御から外れる直前の出力波数に応じて予め設定しておいた出力波数の組合せで、例えば14bのように出力波数が4波から変化する場合、予め4波との組合せとして設定されていた出力波数10波で通電される。そして、セラミックヒータ109cの温度が190℃と検出されると通常の温度制御(第1の期間)に復帰する。このように予め設定された出力波数の組合せで出力波数を変化させることで、フリッカ抑制の効果を得ることができる。このように設定しておくことにより、両面連続プリントモードにおいて裏面プリント後の次の記録材Sの表面プリントをするために設定温度を上げる場合、特定の出力波数の組合せで出力波数が変化し、フリッカ抑制の効果があまり得られない通電パターンとなる出力波数の組合せが発生することを防止できる。
【0058】
なお、本発明における出力波数のパターンとフリッカの関係は、画像形成装置の構成などにより変化するものであり、実施例に示した組合せに限定するものではない。
【0059】
また、本発明において加熱装置はフィルム加熱方式のものに限られるものではないが、ヒータと、内面にヒータが接触するエンドレスベルトと、エンドレスベルトを介してヒータと共にニップ部を形成する加圧ローラと、を有し、画像を担持する記録材をニップ部で挟持搬送しつつ加熱する像加熱装置に適用すれば更に効果的である。
【符号の説明】
【0060】
109c ヒータ
109d サーミスタ
202 電力制御部
203 温度制御部
205 温度設定部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を担持する記録材を加熱する像加熱装置であって、
ヒータと、
前記ヒータの温度を検出する温度検出素子と、
商用電源から前記ヒータへ供給する電力を制御する電力制御手段と、
を備え、
前記電力制御手段は、前記ヒータへ供給する出力波数を制御することによって前記ヒータへ供給する電力を制御し、
前記ヒータへ供給する電力を制御する期間には、前記温度検出素子の検出温度が設定温度を維持するように出力波数を制御する第1の期間と、前記第1の期間に続く第2の期間と、があり、前記第2の期間の間、前記ヒータに流れる電流の波形は予め決まっていることを特徴とする像加熱装置。
【請求項2】
請求項1に記載の像加熱装置において、
前記第2の期間で前記ヒータに流れる電流の波形は、前記第1の期間で最後に設定された出力波数に応じて異なっていることを特徴とする像加熱装置。
【請求項3】
請求項1に記載の像加熱装置において、
前記像加熱装置は更に、内面に前記ヒータが接触するエンドレスベルトと、
前記エンドレスベルトを介して前記ヒータと共にニップ部を形成する加圧ローラと、
を備え、
画像を担持する記録材は、前記ニップ部で挟持搬送されつつ加熱されることを特徴とする像加熱装置。
【請求項1】
画像を担持する記録材を加熱する像加熱装置であって、
ヒータと、
前記ヒータの温度を検出する温度検出素子と、
商用電源から前記ヒータへ供給する電力を制御する電力制御手段と、
を備え、
前記電力制御手段は、前記ヒータへ供給する出力波数を制御することによって前記ヒータへ供給する電力を制御し、
前記ヒータへ供給する電力を制御する期間には、前記温度検出素子の検出温度が設定温度を維持するように出力波数を制御する第1の期間と、前記第1の期間に続く第2の期間と、があり、前記第2の期間の間、前記ヒータに流れる電流の波形は予め決まっていることを特徴とする像加熱装置。
【請求項2】
請求項1に記載の像加熱装置において、
前記第2の期間で前記ヒータに流れる電流の波形は、前記第1の期間で最後に設定された出力波数に応じて異なっていることを特徴とする像加熱装置。
【請求項3】
請求項1に記載の像加熱装置において、
前記像加熱装置は更に、内面に前記ヒータが接触するエンドレスベルトと、
前記エンドレスベルトを介して前記ヒータと共にニップ部を形成する加圧ローラと、
を備え、
画像を担持する記録材は、前記ニップ部で挟持搬送されつつ加熱されることを特徴とする像加熱装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2009−288777(P2009−288777A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−103837(P2009−103837)
【出願日】平成21年4月22日(2009.4.22)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月22日(2009.4.22)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]