説明

充填バルブ

【課題】ガス詰め充填と無ガス充填に兼用可能な充填バルブ8を、クリーンな環境下での充填に対応可能にする。
【解決手段】内部に充填液通路48が形成されたバルブハウジング46と、前記充填液通路48を開閉する液バルブ50とを備えており、液バルブ開閉用エアシリンダ54により液バルブ50を開閉して液体の充填を行う。前記バルブハウジング46の下端の充填液の出口部を別体の液出口部材とする。ガス詰め充填用の排気通路86が接続された第1液出口部材82と、無ガス充填用の下端にスクリーン108が取り付けられた第2液出口部材110を交換可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス入り飲料と無ガス飲料とに兼用可能な充填バルブに係り、特に、クリーンな環境下で充填を行う充填バルブに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ガス入り飲料と無ガス飲料とに兼用可能な充填バルブはすでに知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に開示された充填バルブは、バルブハウジングの内部に、充填液タンクからの充填液供給配管に連通する充填液通路が形成されるとともに、下端に充填ノズルが設けられている。前記充填液通路は液バルブによって開閉される。さらに、容器の口部をシールするびん口パッキンと、びん口パッキンを昇降させるエアシリンダと、容器内に充填される充填液量を検出するフローメータと、前記バルブハウジングに形成された排気通路とを備えている。
【0003】
この充填バルブは、排気通路の容器側開口部を前記充填ノズルの開口部の外側に位置させており、ガス詰め充填を行う場合には、びん口パッキンにより容器の口部を密封して、バルブハウジングの中央の充填液通路から液体を充填するとともに、この充填液通路の外側に形成された排気通路から容器内の気体を排出している。
【特許文献1】特開2004−136927号公報(第4−6頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1に記載された充填バルブのようにバルブハウジングの内部に排気通路やカウンター通路等を形成した構成では、これらの通路を一直線状に形成することは困難であり、異なる方向に折り曲げて形成する必要がある。製作時には、バルブハウジングの異なる方向から複数の孔を形成して連通させ、余分な部分にはピンを圧入してその孔を塞いでいる。このような構成では、圧入されたピンとバルブハウジングの孔の内面との間の隙間が菌床となる危険性があり、クリーンな環境下で充填を行う場合には適用することはできない。
【0005】
また、無ガス飲料の充填を行う場合には、泡立ちの抑制や異物を除去する目的で、ノズルの先端にスクリーンを配置することが広く行われている。ところが、多数のノズルにスクリーンを取り付ける作業は時間がかかるという問題があった。そこで、先端にスクリーンを取り付けたノズルを交換することも考えられるが、ハウジングに排気通路が形成されていると、先端を変更してもハウジングに排気通路が残ってしまうので、その箇所を洗浄や殺菌をしなければならない。クリーンな環境下で充填を行う装置ではできるだけ洗浄箇所を減らしたいので好ましくないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載した発明は、内部に充填液通路が形成されたバルブハウジングと、前記充填液通路を開閉する液バルブとを備え、供給される容器に液体を充填する充填バルブにおいて、前記バルブハウジングの下端部を別体の液出口部材として着脱可能とし、排気通路が接続された液出口部材と、下端にスクリーンが設けられた液出口部材とを選択して取り付け可能としたことを特徴とするものである。
【0007】
また、請求項2に記載した発明は、前記排気通路が接続された液出口部材に、容器の口部に当接して容器内を密封するシール手段を設けたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
バルブハウジングの内部には排気通路を設けず、ガス詰め充填を行う際には、排気通路が接続された液出口部材を取り付け、また、無ガス充填を行う場合には、下端にスクリーンが設けられた液出口部材を取り付けることにより、クリーンな環境に対応可能なガス入り飲料と無ガス飲料とに兼用可能な充填バルブを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
バルブハウジングの内部に充填液通路が形成され、この充填液通路を液バルブにより開閉して容器内に液体を充填する充填バルブであって、バルブハウジングの下端部を別体の液出口部材として着脱可能な構成とし、ガス詰め充填を行う際には、排気通路が接続された液出口部材を取り付け、無ガス充填を行う際には、下端にスクリーンが設けられた液出口部材を取り付けるという構成にしたことより、クリーンな環境下での使用に適したガス詰め充填と無ガス充填に兼用可能な充填バルブを提供するという目的を達成する。
【実施例1】
【0010】
以下、図面に示す実施例により本発明を説明する。図1は本発明の一実施例に係る充填バルブを備えた充填装置の全体の構成を示す縦断面図、図2はその要部(充填バルブの取り付け部)を拡大して示す断面図である。この実施例に係る充填装置は、固定の外壁2により囲まれた高度に清浄化された空間内に配置されているロータリ式の充填機本体(全体として符号4で示す)と、この外壁2の外部に設置されて、前記ロータリ式の充填機本体4に充填液を供給する充填液貯留タンク(図示せず)とを備えている。
【0011】
前記充填機本体4は、回転体6の外周部に円周方向等間隔で複数の充填バルブ8を備えている。これら各充填バルブ8の下方には、容器10を保持して昇降する容器保持手段12がそれぞれ設けられており、前記充填バルブ8と一体的に回転しつつ、保持している容器10を昇降させる。なお、この実施の形態では、液体が充填される容器10は、PETボトル等の軽量の樹脂容器であり、前記容器保持手段12が容器10の首部を保持して吊り下げた状態で昇降させるようになっている。また、充填バルブ8よって容器10内に充填される液体は、炭酸ガス入りの飲料または無ガス飲料である。
【0012】
外壁2内に配置された充填機本体4と切り離して、外壁2の外部に充填液貯留タンクが設置されており、この充填液貯留タンクからの給液管16が、外壁2の天面2aに固定された上部ロータリジョイント18を介して前記ロータリ式充填機本体4に接続されて充填液を供給する。さらに、供給された充填液は、給液マニホールド20により分岐された複数(充填バルブ8の数と同数)の給液パイプ22から前記各充填バルブ8に送られる。前記各給液パイプ22には、フローメータ24が設けられており、給液パイプ22を介して充填バルブ8に供給されて容器10内に充填される充填液の流量を検出している。
【0013】
この実施例に係る充填装置は、ガス詰め充填および無ガス充填に兼用する充填装置であり、図示しない加圧ガス源(この実施の形態ではCO2ガス源)からのカウンタ用のガス供給管34が上部ロータリジョイント18に接続されて、充填機本体4にCO2ガスを供給するようになっている。このガス供給管34を介して充填機本体4に供給されるCO2ガスは、上部ロータリジョイント18から分岐された各加圧ガスパイプ(カウンタガスパイプ)36を介して、各充填バルブ8に供給される。
【0014】
さらに、充填機本体4には、図示しない圧力エア源に接続された給気管38から上部ロータリジョイント18を介して加圧エアが供給されるようになっており、上部ロータリジョイント18から分岐した各エア供給パイプ40を介して前記各充填バルブ8にエアを送る。なお、充填バルブ8に送られたエアは、この充填バルブ8の内部に設けられている充填液通路を連通遮断する液バルブの開閉用エアシリンダを作動させる。また、このエアは、後に説明するカウンタガスバルブ、排気バルブおよびスニフトバルブの開閉等にも利用される。
【0015】
容器10を保持して昇降する容器保持手段12が設けられている回転テーブル42の内周側から、前記給液マニホールド20の下面側に至るまでの間に、隔離壁44が設けられている。この隔離壁44によって、充填バルブ8や容器保持手段12によって保持されている容器10が回転移動しつつ液体の充填を行う空間A、つまり、外壁2側の滅菌された清浄な雰囲気の空間と、回転体6の内部側に位置する非滅菌空間Bとが区画されている。
【0016】
次に、図2ないし図4により充填バルブ8の構成について説明する。充填バルブ8のバルブハウジング46は、その内部に充填液通路48が形成されており、充填液貯留タンクから給液管16、上部ロータリジョイント18、給液マニホールド20および給液パイプ22を介して各充填バルブ8に送られた充填液が、この充填液通路48を通って容器10内に充填される。
【0017】
前記バルブハウジング46内に、充填液通路48を連通遮断する液バルブ50が設けられている。この液バルブ50は、充填液通路48内に昇降可能に挿通されたロッド52の下端に形成されている弁体と、前記充填液通路48の下部内面に設けられた弁座とによって構成されている。前記弁体を有する昇降ロッド52は、バルブハウジング46の上部に設けられた液バルブ開閉用エアシリンダ54の作動によって昇降する。
【0018】
この液バルブ開閉用エアシリンダ54の構成について簡単に説明する。前記バルブハウジング46の上方に、このバルブハウジング46と同軸のシリンダ部56aを有する充填バルブ取り付けブロック56が固定され、そのシリンダ部56aの上端の開口部に円筒部材58のフランジ58aが固定されている。このシリンダ部56aの内部に、上部が大径で、下部が小径の空間が形成されている。前記昇降ロッド52の上端部に小径の第1ピストン60が設けられ、前記空間の下部側の小径部内に摺動自在に嵌合している。また、前記空間の上部側の大径部内には、前記第1ピストン60よりも大径の第2ピストン62が摺動自在に嵌合している。この第2ピストン62のロッド62aは、前記円筒部材58内を貫通して上方に突出しており、その突出した上端部に、第2ピストン62の下降限を規制するストッパ64が設けられている。前記下方の第1ピストン60と上方の第2ピストン62の間に、スプリング66が介装されて両ピストン60、62を互いに離隔する方向(上下方向)に付勢している。
【0019】
シリンダ部56a内に形成された空間は、前記第1および第2ピストン60、62により、上方から順に第1圧力室68、第2圧力室70および第3圧力室72の3つの圧力室に区画されている。これら各圧力室68、70、72は、それぞれ、前記充填バルブ取り付けブロック56内に形成された内部エア通路68a、70a、72aおよび前記エア供給パイプ40を介して前記圧縮エア供給源(図示せず)に接続されており、バルブの切換によりエアを給排できるようになっている。前記充填バルブ取り付けブロック56が固定されている隔離壁44には円形の連通孔44aが形成されており、前記各圧力室68、70、72にエアを給排する内部エア通路68a、70a、72aは、この連通孔44a内に開口している(図3参照)。充填バルブ取り付けブロック56のフランジ部56bと隔離壁44の連通孔44aの外周部との間にシールリング73が装着されて気密を保持している。
【0020】
これらの内部エア通路68a、70a、72aを介して、上方の第1圧力室68と下方の第3圧力室72を大気に開放し、中間の第2圧力室70に圧縮エアを導入すると、上方の第2ピストン62が上昇されるとともに、下方の第1ピストン60が下降され、昇降ロッド52の下端に形成されている弁体が充填液通路48の下端に形成されている弁座に着座して前記液バルブ50が閉じるようになっている。また、上方の第1圧力室68および中間の第2圧力室70を大気に開放し、下方の第3圧力室72に圧縮エアを導入すると、下方の第1ピストン60が上昇するとともに上方の第2ピストン62も押し上げて、下方の第1ピストン60が最も高い位置まで上昇する。このときには昇降ロッド52の下端の弁体が弁座から大きく離れて、液バルブ50が大きい開度で開放し、大流量での充填が行われる。さらに、上方の第1圧力室68と下方の第3圧力室72に圧縮エアを導入し、中間の第2圧力室70を大気に開放すると、上方の第2ピストン62が下降し、下方の第1ピストン60が上昇するが、下方の第1ピストン60は受圧面積が小さく、第2ピストン62の下降位置で上昇限が規制されるため、液バルブ50は小さい開度で開放することになり、小流量で充填が行われる。
【0021】
なお、バルブハウジング46内の充填液通路48の上面と、昇降ロッド52の上部との間にベローズ74が装着されており、飲料等の液体が流通する充填液通路48側と液バルブ開閉用エアシリンダ54との間が完全に遮断されている。このベローズ74内のエアの出入りを許容するエア通路74aも、前記隔離壁44に形成された円形の連通孔44a内に開口している。
【0022】
バルブハウジング46内に形成された充填液通路48の上端部に、前記給液パイプ22が接続されている。この給液パイプ22にはフローメータ24が設けられており、給液パイプ22を介して供給され、充填液通路48をおよび液バルブ50を通って容器10内に充填される充填液の流量を検出している。
【0023】
前記充填バルブ取り付けブロック56は、一端部(図2の左端)側に液バルブ開閉用エアシリンダ54が設けられた円筒状のシリンダ部56aが形成され、他端側に平坦なフランジ部56bが形成されている。このフランジ部56bが、前記外壁2側のクリーンな雰囲気の空間Aと、回転体6の内部側の大気に解放された清浄化されていない空間Bとを区画する隔離壁44に固定されている。
【0024】
この実施例に係る充填装置は、ガス詰め充填と無ガス充填に兼用可能な充填装置であり、充填開始前に容器10内に加圧ガス(この実施例ではCO2ガス)を供給するカウンタガス通路と、容器10内への液体の充填中にこの容器10内の気体を排出する排気通路と、充填終了後に容器10のヘッドスペース内のガスを排出するスニフト通路が設けられており、前記充填バルブ取り付けブロック56の、シリンダ部56aとフランジ部56bとの間のブロック部56c内に、前記カウンタガス通路、排気通路およびスニフト通路をそれぞれ開閉するカウンタガスバルブ76、排気バルブ78およびスニフトバルブ80が設けられている。
【0025】
前記バルブハウジング46の下端部、つまり、内部に形成された充填液通路48の出口部と、この充填液通路48の連通遮断を行う液バルブ50の弁座が形成されている部分が別体の液出口部材82になっており、バルブハウジング46に対して着脱可能になっている。図2に示す実施例では、ガス詰め充填を行うための液出口部材82(以下、第1液出口部材と呼ぶ)が取り付けられている。この第1液出口部材82には、2本の気体給排用チューブ84、86(図4参照)の端部84a、86aが接続されている。この実施例では、カウンタガス供給用チューブ84と、排気およびスニフトに兼用するチューブ86の端部84a、86aが、第1液出口部材82に溶接により固定されて一体構造になっている。
【0026】
前記第1液出口部材82に固定されているカウンタガス供給用チューブ84の端部84aと排気およびスニフト用チューブ86の端部86aは、前記充填バルブ取り付けブロック56の下面に取り付けられる取り付けプレート88に固定されているカウンタガス供給用チューブ84と排気およびスニフト用チューブ86の本体部84b、86bにクランプ90を介して接続されている。
【0027】
充填バルブ取り付けブロック56の下面側に通路ブロック92が固定され、前記取り付けプレート88に固定されているカウンタガス供給用チューブ84の本体部84bと排気およびスニフト用チューブ86の本体部86bは、それぞれ、通路ブロック92の内部通路を介して前記充填バルブ取り付けブロック56内に設けられているカウンタガスバルブ76、排気バルブ78およびスニフトバルブ80に連通されており、これらバルブ76、78、80の作動により連通遮断される。
【0028】
カウンタガス供給用チューブ84は、前記カウンタガスバルブ76を介してカウンタガスパイプ36に連通し、排気およびスニフト用チューブ86は、通路ブロック92の内部通路を介して排気バルブ78、スニフトバルブ80に連通している。さらに、排気バルブ78およびスニフトバルブ80は、それぞれ、通路ブロック92内に形成された通路を介して、前記隔離壁44内に延びる排気用チューブ94とスニフト用チューブ96に連通している。これらの排気用チューブ94とスニフト用チューブ96は、充填バルブ取り付けブロック56のフランジ部56bを貫通し、隔離壁44に形成された円形の通路孔44bを介して、隔離壁44の内部側に伸びている。これら排気用チューブ94とスニフト用チューブ96は、下部ロータリジョイント98に接続され(図1参照)、さらに、固定の排気管100およびスニフト管102を介して充填装置の外部に導かれている。なお、隔離壁44に形成された通路孔44bの周囲と、前記フランジ部56bとの間にシールリング104が装着されて隔離壁44の内外の気密が保持されている。
【0029】
また、第1液出口部材82はガス詰め充填用であり、充填時に容器10の口部10aを密封するために下端部にシール手段(びん口パッキン)106が取り付けられている。
【0030】
カウンタガスバルブ76、排気バルブ78およびスニフトバルブ80は、いずれもエアシリンダにより駆動されるようになっており、各エアシリンダの駆動用のエアを給排する通路76a、78a、80aが、充填バルブ取り付けブロック56の内部に形成され、前記隔離壁44の連通孔44a内に開口している。
【0031】
この実施例に係る充填バルブ8は、ガス詰め充填と無ガス充填に兼用できるようになっており、ガス詰め充填を行う場合には、前述のようにバルブハウジング46の下端部に、カウンタガス通路用のチューブ84の端部84aと、排気ガス通路およびスニフト通路用のチューブ86の端部86aが接続された第1液出口部材82を取り付けるようになっている。また、無ガス充填を行う場合には、図5に示すように、下端の充填液出口にスクリーン110が取り付けられた第2液出口部材108を取り付けるようになっている。無ガス充填の場合には、排気通路、カウンタガス通路およびスニフト通路を接続する必要がないので、第2液出口部材108は、この液出口部材108の内面側に形成された液バルブ50の弁座と、下面側に取り付けられたスクリーン110だけを有している。また、充填バルブ取り付けブロック56の下面に固定されている通路ブロック92にも、前記各チューブ84、86を接続する必要がないので、ガス詰め充填時に取り付ける取り付けプレート88の代わりに、これら通路の開口を閉塞する蓋112が取り付けられる。
【0032】
前記外壁2内は、隔離壁44によって外部側のクリーンな空間Aと内部側の清浄化されていない空間Bとに区画されており、これらの空間A、B内が圧力制御されている。この実施例では、前記クリーンな空間Aが陽圧で、隔離壁44の内側の清浄化されていない空間Bは大気圧になっている。
【0033】
以上の構成に係る充填バルブ8を備えた充填装置の作動について説明する。この充填装置でガス詰め充填を行う場合には、各充填バルブ8のバルブハウジング46の下端部に、カウンタガス供給用チューブ84の端部84aと排気およびスニフト用チューブ86の端部86aおよび容器10の口部10aを密封するびん口パッキン106が固定された第1液出口部材82を取り付ける。この状態で、先ず、図示しない容器搬送手段によって搬送されてきた容器10が外壁2内に設置されている充填機本体4に供給され、各容器保持手段12によってその首部を保持される。容器保持手段12は回転テーブル42に対して昇降可能になっており、容器10を保持して上昇する。すると、容器10の口部10aがびん口パッキン106が密着してこの容器10内が密封される。
【0034】
容器10内を密封した後、充填バルブ取り付けブロック56内に設けられているカウンタバルブ76を開放し、CO2ガス源からカウンタ用のガス供給管34、上部ロータリジョイント18および充填機本体4内のカウンタガスパイプ36を介して、容器10内に加圧したCO2ガスを供給する。
【0035】
前記カウンタ動作により容器10内にCO2ガスを導入して所定の圧力に加圧した後、カウンタバルブ76を閉鎖し、続いて、排気バルブ78を開放し、排気およびスニフト用チューブ86、排気用チューブ94から容器10内のガスを排出する。排気動作が終了して所定時間経過した後、排気バルブ78は開放したまま、充填バルブ8内の液バルブ50を開放して充填を開始する。液バルブ50は、充填バルブ8の上部に設けられている液バルブ開閉用エアシリンダ54の作動によって開閉されるようになっており、この液バルブ開閉用エアシリンダ54の圧力室68、70、72に、前記給気管38およびエア供給パイプ40からエアを導入し、また、排出することにより液バルブ50を開閉する。
【0036】
充填バルブ8に充填液を供給する給液パイプ22にはフローメータ24が設けられて、容器10内に充填される液体の流量を計測しており、所定量の液体が充填されると、液バルブを閉じて充填を終了する。
【0037】
容器10内への充填が終了した後、充填バルブ取り付けブロック56内に設けられているスニフトバルブ80を開放してスニフト動作を行う。以上の動作を順次行うことにより、充填液貯留タンク内に貯留されている充填液を、充填機本体4の充填バルブ8に送って容器10内に充填する。
【0038】
また、無ガス充填を行う場合には、バルブハウジング46の下端から前記第1液出口部材82を取り外して、下面側にスクリーン110が設けられている第2液出口部材108を取り付けるとともに、カウンタガス供給用チューブ84と排気およびスニフト用チューブ86の本体部84b、86bが接続されている取り付けプレート88を外して、蓋112を取り付ける。この状態で、容器10の口部10aを第2液出口部材108のスクリーン110のやや下方に位置させて充填を行う。以上のように本実施例に係る充填バルブを備えた充填装置は、ガス入り飲料と無ガス飲料とに兼用可能であり、特に、クリーンな環境下での充填充填に対応可能である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の一実施例に係る充填バルブを備えた充填装置の全体の構成を示す縦断面図である。(実施例1)
【図2】前記充填バルブの取り付け部の拡大図であり、バルブハウジングにガス詰め充填用の液出口部材を取り付けた状態を示す縦断面図である。
【図3】図2のIII方向矢視図である。
【図4】図2のIV方向矢視図である。
【図5】前記充填バルブの取り付け部の拡大図であり、バルブハウジングにガス詰め充填用の液出口部材を取り付けた状態を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0040】
8 充填バルブ
10 容器
10a 容器の口部
46 バルブハウジング
48 充填液通路
50 液バルブ
82 液出口部材(ガス詰め充填用の第1液出口部材)
86 排気通路(排気およびスニフト用チューブ)
108 液出口部材(無ガス充填用の第2液出口部材)
110 スクリーン
106 シール手段(びん口パッキン)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に充填液通路が形成されたバルブハウジングと、前記充填液通路を開閉する液バルブとを備え、供給される容器に液体を充填する充填バルブにおいて、
前記バルブハウジングの下端部を別体の液出口部材として着脱可能とし、排気通路が接続された液出口部材と、下端にスクリーンが設けられた液出口部材とを選択して取り付け可能としたことを特徴とする充填バルブ。
【請求項2】
前記排気通路が接続された液出口部材に、容器の口部に当接して容器内を密封するシール手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の充填バルブ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2006−151473(P2006−151473A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−346538(P2004−346538)
【出願日】平成16年11月30日(2004.11.30)
【出願人】(000253019)澁谷工業株式会社 (503)
【Fターム(参考)】