説明

充填リンカーを製造する方法および装置

予め形成された錠剤を径方向に制限する射出成型されたジャケットを含む型のリンカーの製造方法が提供される。該方法は、錠剤をその外表面で複数の第一のピンサーで掴み、該掴んだ錠剤と第一のピンサーを成型装置に対して位置付けることを含む。該方法はまた、ピンサーを介して錠剤を支持し、錠剤の外表面と、複数の第一のピンサーを覆うようにジャケット材料を注入することを含む。該方法はさらにジャケットを付した錠剤を成型装置から抜き出し、そのジャケットを付した錠剤から第一のピンサーを取り出すことを含む。該方法はまた、複数の付加的なピンサーを介して型内に錠剤を支持し、長手方向に位置付けることも含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権
本願は2007年10月15日付け出願の米国仮特許出願番号60/960785号および2007年10月30日付け出願の米国仮特許出願番号61/000898号の優先権を主張する。
【0002】
発明の分野
本発明は医薬剤形を製造する方法、さらに詳しくは射出成型を用いるマルチパートカプセル用の充填リンカーユニットの製造に関する。
【背景技術】
【0003】
経口投与用の種々の型の医薬剤形が知られている。カプセル壁用の他の材料、例えば澱粉およびセルロース系ポリマーも知られているが、かかるカプセルは、一般に、医薬上許容される、例えばゼラチンなどの経口的に摂取可能なポリマー材料の外被壁からなる。かかるカプセルは、一般に、カプセル形成材上にフィルムを形成し、ついで乾燥させることで製造されるソフト壁を有する。射出成型により製造される硬質壁のカプセルも知られている;例えば、米国特許第4576284号、米国特許第4591475号、米国特許第4655840号、米国特許第4738724号、米国特許第4738817号および米国特許第4790881号(すべて、Warner Lambertが所有する)を参照のこと。これらの特許は、ゼラチン、澱粉および他の材料で製造されているカプセルの具体的な構造を開示し、親水性ポリマー、例えば、水混合液を射出成型することで該カプセルを製造する方法を開示する。米国特許第4576284号は、具体的に、カプセルを閉じるキャップを備えたカプセルを開示し、該キャップは成型により充填されたカプセルに系内にて形成される。米国特許第4738724号は広範囲に及ぶ硬質カプセルの形状およびその部分を開示する。
【0004】
各コンパートメントが異なる薬物放出特性を有する型の、あるいは例えば、異なる薬物または製剤を含有する型のカプセルを含む、マルチコンパートメント型カプセルも知られている;例えば、米国特許第4738724号(Warner-Lambert)、米国特許第5672359号(University of Kentucky)、米国特許第5443461号(Alza Corp.)、WO9516438(Cortecs Ltd.)、WO9012567(Helminthology Inst.)、DE−A−3727894、BE900950(Warner Lambert)、FR2524311、NL7610038(Tapanhony NV)、FR28646(Pluripharm)および米国特許第3228789号(Glassman)、米国特許第3186910号(Glassman)を参照のこと、とりわけ米国特許第4738817号、米国特許第3228789号および米国特許第3186910号は、各々、水可塑性ゼラチンでできたマルチコンパートメント型カプセルを開示する。
【0005】
その中に薬物が分散されているか、包埋されているか、または固溶液として溶けている、固体ポリマーのマトリックスを含む医薬剤形も知られている。かかるマトリックスは射出成型により形成され得る。この方法はCuff G.およびRaouf F.、Pharmaceutical Technology、1998年6月、96−106頁に開示されている。このような剤形の具体的な製剤がいくつか米国特許第4678516号、米国特許第4806337号、米国特許第4764378号、米国特許第5004601号、米国特許第5135752号、米国特許第5244668号、米国特許第5139790号、米国特許第5082655号に開示されており、とりわけ、その中ではポリエチレングリコール(「PEG」)が使用さており、固体剤形は射出成型により製造されている。
【0006】
上記した背景技術に記載の特許の内容を出典明示により本明細書の一部とする。
【0007】
例えばまた、WO01/08666、WO02/060385、US2004/0115256、US2006/0049311、WO02/060384、US2003/0068369、US2004/0166153、WO04/010978、US2006/0057201、WO05/009380、US2005/0175687、WO05/089726、US2005/0249807、US60/968383およびUS61/061275を参照のこと。その各々の内容も出典明示により本明細書の一部とする。
【0008】
本願出願人の発明の名称が「多成分医薬剤形」のPCT/EP00/07295の内容も出典明示により本明細書の一部とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第4576284号
【特許文献2】米国特許第4591475号
【特許文献3】米国特許第4655840号
【特許文献4】米国特許第4738724号
【特許文献5】米国特許第4738817号
【特許文献6】米国特許第4790881号
【特許文献7】米国特許第5672359号
【特許文献8】米国特許第5443461号
【特許文献9】WO9516438
【特許文献10】WO9012567
【特許文献11】DE−A−3727894
【特許文献12】BE900950
【特許文献13】FR2524311
【特許文献14】NL7610038
【特許文献15】FR28646
【特許文献16】米国特許第3228789号
【特許文献17】米国特許第4678516号
【特許文献18】米国特許第4806337号
【特許文献19】米国特許第4764378号
【特許文献20】米国特許第5004601号
【特許文献21】米国特許第5135752号
【特許文献22】米国特許第5244668号
【特許文献23】米国特許第5139790号
【特許文献24】米国特許第5082655号
【特許文献25】米国特許第3186910号
【特許文献26】米国特許第4738817号
【特許文献27】米国特許第3228789号
【特許文献28】WO01/08666
【特許文献29】WO02/060385
【特許文献30】US2004/0115256
【特許文献31】US2006/0049311
【特許文献32】WO02/060384
【特許文献33】US2003/0068369
【特許文献34】US2004/0166153
【特許文献35】WO04/010978
【特許文献36】US2006/0057201
【特許文献37】WO05/009380
【特許文献38】US2005/0175687
【特許文献39】WO05/089726
【特許文献40】US2005/0249807
【特許文献41】US60/968383
【特許文献42】US61/061275
【特許文献42】PCT/EP00/07295
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Cuff G.およびRaouf F.、Pharmaceutical Technology、1998年6月、96−106頁
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願発明の一の態様において、リンカーの製造方法が提供される。該リンカーは外面を有する予め形成された錠剤を径方向に制限するジャケットを含む。該方法は該錠剤を複数のピンサー(pincer)で掴み、その掴んだ錠剤とピンサーを型の中に置くことを含む。該方法は錠剤の外面とピンサーを実質的に覆うようにジャケット材料を射出し、ジャケットを形成することも含む。該方法はさらにジャケットを付した錠剤を型から抜き出し、そのジャケットを付した錠剤からピンサーを取り出すことを含む。
【0012】
本願開示のもう一つ別の態様において、予め形成された錠剤を有するリンカーおよび射出成型されたジャケットを形成するための成型装置が提供される。その成型装置は内面を規定する内部表面と、第一の位置(複数のピンサーが内部に配置されている場合の位置)と第二の位置(複数のピンサーが内部に配置されていない場合の位置)の間で移動可能な複数のピンサーとを含む。
【0013】
上記した一般的な記載および以下に示す詳細な記載は例示かつ説明に過ぎず、特許請求の範囲に示されるような発明を限定するものではない。
【0014】
明細書の一部に組み込まれ、その一部を構成する添付図面は、発明のいくつかの具体例を示すものであり、明細書の記載と一緒になって開示した発明の理念を説明するのに供される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
以下の図面を参考にして本願発明を例示的に記載する。
【図1】本願発明の方法および装置に従って製造される典型的なリンカーの斜視図である。
【図2】図1のリンカーの断面図である。
【図3】図1のリンカーに変形を施した断面図である。
【図4】本願発明の方法および装置に従って製造したもう一つ別の具体的なリンカーの斜視図である。
【図5】図4のリンカーの断面図である。
【図6】本願発明の第1の構成の代表的な型装置の概略図である。
【図7】第2の構成の図6の代表的な型装置の概略図である。
【図8】本願発明のリンカーを製造する代表的な方法の概略図である。
【図9】本願発明のリンカーを製造するもう一つ別の代表的な方法の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本願発明の一例を添付図面にて説明する、その実施形態について詳しく述べる。
【0017】
本願発明によれば、カプセルコンパートメントとクロージャーキャップを固形薬物を保持するリンカーと共に含む群から2つの剤形単位が接触するように構成されるリンカーを製造する方法が開示される。具体的には、該リンカーは錠剤形態の予め形成された固形薬物を含み、該錠剤は縦軸を有し、対向する軸末端面を有する実質的に円筒形である。該リンカーはさらに予め形成された錠剤の周りに形成され、その半径方向に制限するジャケットを含み、該ジャケットは軸末端で外壁を有し、そのジャケットの末端の一方または両方はその個々の末端面から薬物を分注するために開いている。該リンカーはさらに、各軸末端に隣接して、カプセルコンパートメントおよび/またはクロージャーキャップ上の補完的スナップフィットエレメントと相互作用するように構成されるスナップフィットエレメントを有するジャケット外壁を含んでもよい。
【0018】
図1−3は、図6−9に関して後記されるように、本願発明の方法を用いて製造され得る固形錠剤およびジャケットを有する典型的なリンカー10を説明する。図1−3において、リンカー10は錠剤12を含み、それは実質的に軸14および対向する軸末端面16および18を有する。錠剤12は、乾式圧縮、一体成型または当該分野にて公知の他の方法などの方法によってリンカー10の外側で予め形成されることが好ましい。錠剤12は単一薬物からなっていてもよく、あるいは(第1または第2薬物部12a、12bとして図2に示されるように)複数の固形薬物部と一緒にしたマルチパート構成を用いることもできる。個々の複数の薬物部における薬物は組成および/または放出特性において異なっていてもよく、剤形に正確にアセンブリーするために、そのものを着色により適切に表示することもできる。
【0019】
患者に経口投与するのに適する剤形にて使用される薬物はカプセル内に保持することができ、あるいはリンカー10と相互に連結されるキャップユニットは、例えば粉末、顆粒、コンパクト、マイクロカプセル、固形物、ゲル、シロップ、または液体などの適当な、または一般的ないずれの形態をも包含しうる;ただし、カプセルまたはキャップユニットの壁材料は最後の3つの形態に対して十分に不活性である。加えて、後記するように、個々の閉じられるジャッケットの端の壁、例えば壁28が設けられない場合、薬物は固形薬物部材12a、12bおよび/または錠剤12と十分にコンパチブルでなければならない。
【0020】
続けて図1−3に言及して、リンカー10は略円筒形の外壁22および個々の軸末端24、26を備えたジャケット20を含む。ジャケットの末端24、26の一方または両方を開口した状態とし、錠剤の末端面16および/または18を曝露するために、ジャケット20が錠剤12の周りに射出成型される。曝露された錠剤の末端面16および/または18は、連結されたカプセルおよび/またはキャップユニット(図示せず)が、例えば、胃腸環境内で形状、形態または構造が変化すること、例えば分散し、溶解し、崩壊し、部分的または完全に可溶化するように膨潤し、あるいは胃のpHおよび/または腸のpHに曝された場合に変形するなどで破れると、錠剤の薬物を分散または溶解させ得る。
【0021】
例えば、図2の断面図に示されるリンカー10において、ジャケットの両末端24、26は開いており、カプセルとキャップユニット(図示せず)の相互連結が破れると、錠剤の末端面16、18は薬物の溶解および/または分散のために曝露される。比較において、図3はジャケットの末端26を閉鎖する壁28を設け、実質的に錠剤12の薬物がそこから溶解および/または分散することを防止する、ジャケット20の変形を示す。壁28は共通の射出成型法でジャケット20の残部と一緒に一体成形されることが好ましい。両方の変形において、射出成型ジャケット材料は錠剤12を径方向に制限する(径方向は図2にて矢印で示される)。
【0022】
その上さらに、多量の固形薬物の溶解/分散が望ましい場合、錠剤の末端面16および/または18は、18bのように丸く伸長した面の形状であってもよい。錠剤の末端面が伸長した他の形態は、図6で18aおよび18cとして図示されるものを包含する。伸長した面18aは、以下にさらに詳細に記載される錠剤102に凹部ランド104または106(図4、5を参照のこと)およびジャケットタブ116または118を含ませることにより得ることができる。「マッシュルーム」型の伸長した末端面の形態18cもまた、もう一つ別の変形である(図6を参照のこと)。
【0023】
ジャケット20はまた、外側のジャケット壁22の外面の周囲に、好ましくは縦方向末端24および26の間の中途に隆起したバンド30の形成体を含んでもよい。バンド30は、リンカー10と相互に連結される剤形ユニット、例えばカプセルおよび/またはキャップの壁末端と隣接して接触するように構成される対向する側面32、34を含む。隆起バンド30はさらに1または複数の凹型の窪み36を含み、当該分野にて知られるように、射出成型オーバーフローに対応することも可能である。ジャケット20はさらに、隆起バンド30と個々のジャケット縦方向の末端24、26の間にジャケット壁22の外面に形成される、スナップフィットエレメント38、40を含んでもよい。図1−3に示されるように、スナップフィットエレメント38、40は共に、個々のカプセルおよび/またはキャップユニットの内面の補完的な周方向の突起部または「ビーズ」と嵌合するように構成され、かつ寸法を有する周方向の溝である。ジャケット20が隆起バンド30を含まなくてもよいことが、すなわち、ジャケット20の外面がジャケットの外壁22の残りと同様に平坦であってもよく、窪み36その物がジャケットの外壁22で直接形成されてもよいことが理解されよう。また、ジャケットの外壁はスナップフィットエレメント38、40を含まなくてもよく、何らかの曲線を径方向の壁を含んでもよい。
【0024】
加えて、ジャケット20は1または複数の径方向のアパーチャー47(図2を参照のこと)を含み、相互に連結したカプセルおよび/または末端/キャップユニット(図示せず)が壊れた場合に、錠剤の末端面16、18が曝露される前に、比較的初期の錠剤12からの薬物の分散を制御するための直接路を設けてもよい。アパーチャー47は、錠剤12中の薬物の汚染を防止するために迅速に溶解する薄層フィルムまたはコーティング(図示せず)で密封されていてもよい。
【0025】
さらに後記されるように、リンカー10の製造は、ピンサーの使用、例えばジャケット材料を錠剤12の周りに射出する間に、型に対して錠剤を位置付けかつ保持するためにエレメントを掴み、射出成型の間にピンサーを掴むことを包含しうる。以下にさらに詳細に記載されるように、本願発明の成型工程に従って、ピンサーを錠剤12から取り除いて、複数のスロット42それ自体が1または複数のジャケット末端24、26に隣接して成形されてもよい。すなわち、スロット42はピンサーを取り除いた結果としてのものであってもよく、ジャケット20が錠剤12およびピンサーの周りに射出成型された結果として形成されてもよい。スロット42は軸14の周りで径方向に間隔を設けてあってもよく、それは軸14の周りに等間隔で有っても無くてもよい。スロット42は錠剤12の外周の周りに部分的にのみ広がるものであってもよい。錠剤12が伸長面18a、18b、18cを含む場合、スロット42は、以下詳細に説明されるであろうが、伸長する末端面に隣接して削除されてもよいことが理解されよう。リンカー10はさらに、スロット42の隣接するスロットの間に空間を設ける複数のフランジ44(図1に言及)を包含する。フランジ44は錠剤12の外壁に嵌合してもよく、錠剤12とジャケット20を少なくともある程度固定するように構成されていてもよい。
【0026】
図4および5は、図6−9について後記されるように、本願発明の方法を用いて製造される、固形錠剤およびジャケットを有するもう一つの典型的なリンカー100を示す。図4および5において、リンカー100は、 その各々にて、図1−3について上記されるリンカー10および錠剤12と類似する、錠剤102を含む。それ自体の違いだけを以下に説明する。
【0027】
図5に関して、錠剤102は、断面図に示されるように、軸末端面108、110の各々の外周の周りに形成される凹部ランド104、106を含む。凹部104、106は軸112に対して径方向の寸法の減少を具現化する、ジャケット114は周辺ジャケットラブ116、118を含んでもよく、錠剤102を少なくともある程度まで包囲し、ジャケット114を錠剤112で固定するように構成されてもよい。以下にさらに詳細に記載するように、凹部ランド104、106は射出成型の間にジャケット材料を受け入れる。錠剤102が上記したように伸長末端面18aを含み得ることが理解されよう。
【0028】
図4および5を参照して、リンカー100はスロット120を含んでもよい。スロット42と同様に、スロット120は、ジャケット材料を射出成型工程の間に錠剤102とピンサーの周りに射出する際に、錠剤102を型に対して保持するピンサーにより形成されてもよい。スロット120は、錠剤102の外壁に沿って、凹部ランド104、106の軸の長さよりも長い距離を伸びてもよく、したがって錠剤102の径方向外側の大部分の壁と接触するように構成されてもよい。スロット120は、各々、錠剤102の外周の一部だけに伸びてもよい。リンカー100はまた、スロット120の隣接するスロットの間に空間を設ける複数のフランジ122を含んでもよい。錠剤102は凹部ランド104、106を含むから、ジャケットタブ116、118はスロット120の各々の径方向内側に配置されてもよい。ピンサーは、別法として、錠剤102の外壁ではなく、凹部ランド104、106と嵌合して、それを保持してもよい。
【0029】
リンカー10および100の成型ジャケット12および114は、各々、転移ポリマーでできていてもよい。転移ポリマーは、胃腸環境内で形状、形態または構造を変化させる、例えば、胃pHに暴露された場合におよび/または腸pHにおいて、分散可能であり、溶解可能であり、崩壊可能であり、破壊可能であり、膨潤可能であり、部分的にまたは完全に可溶性であり、破砕可能であり、またはそうでなければ変化可能であり、それにより、その内部部分を露出させるポリマーである。リンカー10の適当なポリマーは:ポリビニルアルコール(PVA)、(多糖様プルラン、カラギーナン、キサンタン、キトサンまたは寒天ガムのような)天然ポリマー、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリエチレンオキサイド(PEO)、PEGSおよびPEOSの混合物、ヒドロキシプロピルエチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、(オイドラギット(Eudragit)ETM、オイドラギットLTMおよび/またはオイドラギットSTMのような)メタクリル酸コポリマー、(オイドラギットRLTMおよび/またはオイドラギットRSTMのような)メタクリル酸アンモニウムコポリマー、カルボキシメチルセルロース、ポビドン(ポリビニルピロリドン)、(Gelucire44/14TM、Gelucire50/02TM、Gelucire50/13TMおよびGelucire53/10TMのような)ポリグリコシル化グリセリド、(カルボポルズ(Carbopols)TMのような)カルボキシビニルポリマー、(ポロキサマー(Poloxamer)188TMのような)ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンコポリマー、およびアクリルおよび/またはメタクリル酸−系コポリマーを含む。前記で議論したオイドラギットTMポリマーは、例えば、押出可能であり、例えば、クエン酸トリエチル、またはモノステアリン酸グリセリルで可塑化することができる。
【0030】
好ましいポリマーは経口摂取可能なポリマーであって、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMC−AS)、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、および他のセルロース−系ポリマーを含む。好ましいポリマーは、消化管中の異なる地点において優先的に溶解し、または崩壊するポリマー材料も含む。そのようなポリマーは、腸液中で転移するが公知のアクリルおよび/またはメタクリル酸系ポリマー、例えば、商業的に入手可能なポリマーのオイドラギットシリーズを含む。これらの例は、胃のより酸性のpHにおいて優先的に溶解するオイドラギットE 100TMまたはオイドラギット4135FTMのようなオイドラギットETM、あるいは腸のよりアルカリ性のpHにおいて優先的に溶解するオイドラギットLTMおよび/またはオイドラギットSTMのような腸溶ポリマーを含み、好ましいポリマーは、オイドラギットRLTM、例えば、RL100TM、および/またはオイドラギットRSTM、例えば、オイドラギットR100TM、および/またはそのようなオイドラギットTMポリマーのブレンドも含む。
【0031】
該ポリマーは、例えば、以下の一般的クラスの物質:ポリソルベート(Polysorbate)80TM、ラウリル硫酸ナトリウム、およびポリオキシル(Polyoxyl)40TM水素化ヒマシ油のような界面活性剤;LabrasolTM、TranscutolTMのような吸収促進剤;ステアリルアルコール、タルク、ステアリン酸マグネシウム、二酸化ケイ素、アモルファスケイ酸、ヒュームドシリカ、SimeticoneTMのような流動促進剤;クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸トリブチル、クエン酸アセチルトリブチル、モノステアリン酸グリセリル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、プロピレングリコール、トリアセチンおよびヒマシ油のような可塑剤;エチルセルロースおよびセルロースアセテートフタレートのような放出修飾のための物質;ナトリウム澱粉グリコレート、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン(架橋したポリビニルピロリドン)、着色剤、フレーバー剤および甘味剤のような崩壊剤を含めた、それらの特性を修飾し、かつそれらを種々の適用に適合させるための他の物質を含むことができる。これらの材料は適当な溶解特性を有し、および自動充填を含めた取扱を可能とする十分な硬質性を持つ約0.5ミリメートルのシェル部材公称厚みを有するカプセルシェル構造、ならびに先に議論したような、より薄いパネルのための支持体を形成することができる。
【0032】
本願発明によれば、予め成形されている錠剤12、102および射出成型ジャケット20、114を有するリンカーを形成するための成型装置が開示される。具体的には、該装置はインテリアを限定する内面を含む。該装置はさらに、複数のピンカーがインテリア内に配置される第一の位置と、複数のピンカーがインテリア内に配置されない第二の位置の間を移動する複数のピンカーを含む。
【0033】
図6−7を参照して、成型装置160は、内面162aを有する第一の側壁162と、内面164aを有する第二の側壁164と、内面166aを有する第一の末端壁と、内面168aを有する第二の末端壁168とを含んでもよい。壁162、164、および168は、第一の配置(図6に示されるような配置)および第二の配置(図7に示されるような配置)の間の第一の末端壁166に対して取り外し可能である。第一の末端壁166は一般に固定されていてもよい。第一および第二の側壁162、164は第一の方向Aに第一の末端壁166に対して取り外し可能であり、第二の末端壁168は第二の方向Bに第一の末端壁166に対して取り外し可能である。成型装置の相対的な動きをさらに後記する。
【0034】
第二の末端壁168は、その第一の軸末端にて、錠剤12および/または102を嵌合し、例えば保持するように構成され得る、第一の複数のピンサー170を含んでもよい。第二の末端壁168は、壁162、164および166に対して保持された錠剤を操作し、位置付けるように構成されていてもよい。第一の複数のピンサー170は、例えば結合システムを介して錠剤を解放可能なように保持かつ維持される通常の保持エレメントを含んでもよい。第一の複数のピンサー170の部分が錠剤を嵌合してもよく、すなわち、ピンサーの十分なグリッピングの長さが錠剤の外面と嵌合してもしなくてもよい。第一の複数のピンサー170が、錠剤を歪め、その後で錠剤を保持し、かつ支持するように、径方向に錠剤を曲げることにより錠剤を嵌合しうることもわかるであろう。
【0035】
図6にて上記したように、表12は伸長した末端、例えば伸長した末端面18a、18b、18cを含んでもよい。そうであるならば、図7に関して以下により詳細に記載される第二のピンサー182は選択的に除外されてもよく、第一の末端壁166は錠剤12の伸長した末端に対して、そこに形成される補完的な凹部(図示せず)を含んでもよい。伸長した末端18a、18b、18cは、リンカー20が錠剤12の周りに形成された後で、錠剤12の伸長した末端を暴露するように、第一の末端壁166に形成される補完的な凹部と嵌合してもよいことがわかるであろう。
【0036】
図7を参照して、第二の配置にある、成型装置160、特に壁162、164、166、168は成型装置160のインテリア174を定める内面172を含んでもよい。成型装置160が、目的を明らかにするために、錠剤および第二の末端壁168を含めないで、図7にて説明されている。内壁172の外形はいずれの形状を含んでもよく、リンカー10および/または100の径方向の外壁に所望の形状を提供するように構成されてもよい。例えば、内壁164は縦軸175を有する実質的に円筒形であってもよく、スナップフィット式エレメント38、40を形成するように構成されたリッジ176、178を含んでもよく(図2、3および/5を参照のこと)、隆起バンド30を形成するように構成されたリリーフ180を含んでもよく(図2、3および/5を参照のこと)、アパーチャー47を形成するように構成されたピン形状のエレメント173を含んでもよく(図2を参照)、および/または形成されたリンカーの径方向外壁にエレメントを生成するように構成された他の型の特徴を含んでもよい。第一および第二の末端壁166、168の各々が内面172の末端壁の部分を形成してもよく、側壁162、164の各々が内面172の径方向壁の部分の約半分を形成してもよい。いずれかまたはすべての壁162、164、166、168は、射出成型の工程の間に溶融または液体材料をインテリア174に方向付け、かつ含有するように構成され、その中で形成されたポーティング、チャネリングおよび/または通路を含んでもよい。
【0037】
成型装置160はさらに第一の末端壁166からインテリア174に伸長する第二の複数のピンサーを含んでもよく、第二の複数のピンサー182は第一の末端壁166に対して一端が飛び出していてもよく、あるいは作動機構(図示せず)により別々に制御可能であってもよい。第二の複数のピンサー182は第一の末端壁166に対して固定されていても、取り外し可能であってもよく、第一の複数のピンサー170により嵌合されている末端に対向するその第二の末端で錠剤と嵌合し、および/または錠剤を支持するように構成されていてもよい。成型装置160に対して錠剤を歪め、その後に錠剤を掴み、かつ支持するように、第二の複数のピンサー182は縦軸175に対して径方向に曲がるように構成されていてもよい。第二の複数のピンサー182は成型装置160から削除されてもよく、錠剤は第一の複数のピンサー170だけで支持されていてもよい。
【0038】
第一の複数のピンサー170は、選択的かつ自動的に錠剤を掴んでもよく、第二の側壁168は選択的かつ自動的に第一の末端壁166に対して錠剤を操作かつ位置付けてもよい。錠剤の縦軸は実質的に縦軸175と一致してもよい。第一の複数のピンサー170は縦軸175と一致する方向に錠剤に力を加えてもよく、該力は第二の複数のピンサー182に作用する径方向の力に変えられてもよく、1または複数の第二の複数のピンサー182を歪めてもよい。第一の複数のピンサー170が力を加えるのを止めると、1または複数の第二の複数のピンサーの撓みは錠剤に対して径方向および/または軸方向の力を生成し、第一の末端壁166に対して錠剤を支持する。第二の末端壁168および第一の複数のピンサー170はビンの中にある、またはコンベア上にある錠剤を同様に掴むように構成されていてもよい。
【0039】
第一および第二の側壁162、164を方向Aに移動させ、錠剤の周りにインテリア174を形成してもよい。すなわち、インテリア174は、錠剤と、ジャケット材料が射出成型される内面172の間に一の空間を規定するように、第一と第二の側壁162、164の間で、および第一と第二の末端壁168の間で密閉されていてもよい。ジャケット材料は、錠剤とレリーフ180により形成される内面172の間の空間に、チャネル184を介して注入されてもよいことがわかるであろう。ジャケット材料はその空間を流れ、錠剤と、第一および第二の複数のピンサー170、182とを取り囲み、内面172の外形の特徴を満たす。射出成型方法は当該分野にてよく知られており、そのためさらに記載しない。ジャケット材料が固化すると、形成されたリンカー、例えばリンカー10または100は第一および第二の側壁162、164を方向Aに動かし、第一の複数のピンサー170を方向Bに成型されたリンカーと一緒に動かし、それにより該形成されたリンカーを第二の複数のピンカー182より解放させることにより成型装置162より取り外される。その後、第一の複数のピンカー170は形成されたリンカーより取り外されてもよい。
【0040】
錠剤がいずれか所望の配置のインテリア174内に位置し、第一と第二の複数のピンサー170、182が、錠剤をインテリア174内で掴み、操作し、固定し、および/または支持するための所望の力を提供するような大きさおよび寸法としてもよい。第一および第二の複数のピンサー170、182の望ましい大きさおよび寸法が、錠剤に相対的な堅さおよび/または圧縮強度の機能を付与しうることがわかるであろう。第一および第二のピンサー170、182が嵌合し、錠剤の径方向外壁に沿って距離が伸長しうることもわかるであろう。インテリア174内にある錠剤の相対的位置は、錠剤の周りに射出成型されるジャケットにて得られる形状および構造に影響を与えるかもしれない。さらには、成型装置160は、1個または複数の、例えば2個以上の錠剤を支持し、同じ射出成型操作を介して2個以上の錠剤の周りにジャケット材料を射出成型するように構成されてもよい。
【0041】
成型方法において、スロット42および/または120(図1−5を参照)は、成型材料が型に注入されると、錠剤を支持および/または位置付けるために接触する、第一および/または第二の複数のピンサー170、182からの結果または間隙として形成されてもよい。第一および/または第二のピンサーは、成型リンカーにて形成されたいずれのスロット42、102も錠剤の径方向外面に沿って漏れ経路を生み出さないように構成されてもよく、位置付けられてもよい。すなわち、第一および第二のピンサーは、リンカーを通してチャネルを形成しないように、周辺にてオフセットされていてもよい。図1および4に示されるように、スロット42および120は軸方向に向いており、剤形を組み立てた後、カプセルまたはキャップ取り付け具の内側に位置付けられてもよい。
【0042】
本願発明によれば、リンカー10、100を形成する製造方法が開示されている。詳細には、該製造方法は、複数の第一のピンサーを介して、錠剤、例えば錠剤12および/または102を掴み、予め形成された錠剤を成型装置に対して位置付けることを含む。該方法はまた、掴んだ錠剤および複数の第一のピンサーの少なくとも一部を型内部に位置付け、錠剤および複数の第一のピンサーの周りにポリマー材料を射出し、ジャケット、例えばジャケット20および/または114を形成することを含む。該方法はさらに、形成リンカー、例えばジャケット20により囲まれた錠剤12を抜き出し、複数の第一のピンサーをそこから解放することを含む。
【0043】
図8を参照して、充填リンカーを製造する方法200は、錠剤を複数の第一のピンサーで嵌合する、工程202を含み、該錠剤を第一の複数のピンサーを用いて位置付ける、工程204を含んでもよい。方法200はまた、錠剤に対して型壁を閉じる、工程206を含み、錠剤および複数の第一のピンサーの周りでジャケットを射出成型する、工程208を含んでもよく、その結果、リンカー、例えばリンカー10および/または100が形成される。方法200はまた、錠剤に対して型壁を開く、工程210を含んでもよい。方法200はさらに、錠剤およびジャケットを複数の第一のピンサーと共に取り外す、工程212を含み、複数の第一のピンサーを錠剤から解放する、工程214を含んでもよい。方法200の1または複数の工程は同時に実施されてもよく、および/または方法200は連続的に、バッチ方式として、および/またはいずれか所望の頻度に従って、実施されてもよいことがわかるであろう。また、方法200は剤形の製造ラインに自動化され、および/または一体化されていてもよく、さらにリンカーを製造する個々の最終工程でカプセルおよび/またはキャップユニットを相互に接触させることを含むことが分かるであろう。さらには、2またはそれ以上の方法200および/または方法300(以下に記載)が、リンカーを製造する製造ラインの一部として、および/または剤形を生成する製造ラインの一部として、相互に並行して実施されうることも分かるであろう。
【0044】
工程202は錠剤12および/または102を複数の第一のピンサーと嵌合させることを含んでもよい。図6に関して上記したように、複数の第一のピンサーの少なくとも一部は錠剤12および/または102をその外周当りで掴んでいてもよい。工程202は通常のピンサーを介して錠剤を嵌合してもよく、手動で、例えば使用者が手動で錠剤を複数のピンサー掴むことにより、あるいは自動で、例えば錠剤を複数のピンサーで掴むようにプログラムされたロボットにより、実施されてもよい。工程202は、複数の第一のピンサーが錠剤と嵌合すると、錠剤の軸方向末端面が第二の末端壁168の内面168aと接触することを含むことがわかるであろう。
【0045】
工程204は、型壁から比較的遠くにある第一の位置から、型壁と比較的に近い第二の位置に、掴んだ錠剤12および/または102を操作することを含んでもよい。具体的には、工程204は、図6および7を参照して上記されるように、第一末端壁166および軸175に対して錠剤を位置付けることを含んでもよい。錠剤の第一末端壁166に対する位置は、錠剤の周りに形成され得るジャケットの型を確立しうる。例えば、2つの曝露される末端面を含むジャケット、例えば図2に示されるジャケット20が望ましい場合、錠剤は第一および第二の型末端壁166、168に対して位置付けられ、かつ支持されてもよく、その結果、錠剤の末端面は工程206の間に射出されるジャケット材料に曝されないであろう。すなわち、錠剤の軸方向末端面は型壁内面166a、168aと個々に接触してもよい。同様に、壁28および一方の曝露される末端面を含むジャケット、例えば図3に示されるジャケット20が望ましい場合、錠剤は内面166aに対して位置付けられ、かつ支持されてもよく、その結果、錠剤の軸方向末端面は工程206の間に射出されるジャケット材料に曝されるであろう。
【0046】
工程206は錠剤に対して型壁を閉じることを含む。上記したように、第一および第二の側壁162、164は方向Aに動いてもよく、インテリア174が錠剤と第一のピンサーの周りに形成されてもよい。インテリア174は、図2、3および/または5のいずれか1つに示されるように、所望のジャケット、例えばジャケット42および/または120を生成するように構成されてもよい。工程206はまた、インテリア174を密封し、錠剤12の外面とインテリア174の間にジャケット材料が射出成型されてもよい空間を形成する、壁162、164、166、168を含んでもよい。
【0047】
工程208は、錠剤の周りに、ならびに複数の第一のピンサーの周りにジャケットを射出成型してもよい。工程208はインテリア174中にジャケット材料を射出し、ジャケット材料を内面172と錠剤の外壁の間の空間に射出成型工程を介して流れ込ませてもよい。射出成型は当該分野にて周知であり、それ自体はさらに説明しない。複数の第一のピンサーはインテリア174内で錠剤と嵌合するため、それにより覆われる錠剤の部分は工程208の間に射出されるジャケット材料に曝されない。
【0048】
工程210は錠剤に対して型壁を開くことを含んでもよい。上記したように、第一および第二の側壁162、164は方向Aに動き、インテリア174を密封せず、ジャケットを付した錠剤を曝露する。
【0049】
工程212は錠剤およびジャケット、すなわち形成リンカーを複数の第一のピンサーと一緒に取り外すことを含んでもよい。具体的には、工程208は形成リンカーを第一の末端壁166から比較的遠くの位置に操作することを含んでもよい。
【0050】
工程214は、複数の第一のピンサーを錠剤から、かくして形成リンカーから解放することを含んでもよい。複数の第一のピンサーは、通常の方法、例えばピンサーおよび/またはリンカーを揺らす、あるいはピンサーをリンカーに対して軸方向に引っ張るなどの方法によりリンカーより解放または分離されてもよい。スロット42および/または120はそれ自体が、工程208の間にインテリア174内に複数の第一のピンサーが配置された結果として、形成ジャケットの末端に形成されてもよい。
【0051】
図9は充填リンカーを製造するもう一つ別の典型的な方法300を説明する。方法300は図7を参照して上記した方法200と類似している。それ自体の違いだけを以下に記載する。具体的には、方法300は、型内に配置され、複数の第一のピンサーと協同する、複数の第二のピンサーを介して錠剤を型内に配置かつ位置付けることを含んでもよい。
【0052】
方法300は錠剤を複数の第一のピンサーで位置付けし、該錠剤を複数の第二のピンサーで嵌合する、工程304を含む。方法300はまた、錠剤および複数の第一および第二のピンサーの周りにジャケットを射出成型する、工程308を含み、リンカー、すなわちリンカー10および/または100を形成することを含む。方法300はさらに錠剤およびジャケットを複数の第一のピンサーから取り外し、複数の第二のピンサーを錠剤から解放する、工程312を含んでもよい。工程302、306、310および314は図8を参照して上記した工程202、206、210および214と実質的に類似していてもよい。
【0053】
工程304は、型壁から比較的遠くにある第一の位置から型壁に比較的近い第二の位置に、掴まれた錠剤12および/または102を操作することを含んでもよい。具体的には、工程304は、図6および7を参照して上記されるように、第一末端壁166および軸175に対して錠剤を位置付けることを含んでもよい。加えて、工程304は錠剤を複数の第二のピンサーで嵌合することを含んでもよい。具体的には、工程304はさらに第一の末端壁166および複数の第二のピンサーに対して掴まれる錠剤を操作し、1以上の複数の第二のピンサーを歪め、図6および7を参考にして記載されるように錠剤に対して径方向および/または軸方向の力を生成することを含んでもよい。複数の第一および第二のピンサーそれ自体が、各々、錠剤を支持してもよく、かくして工程304は錠剤を協同して支持する複数の第一および第二のピンサーを含んでもよい。
【0054】
工程308は錠剤および複数の第一および第二のピンサーの周りにジャケットを射出成型することを含んでもよい。具体的には、工程308は複数の第一のピンサーの周りに、ならびに複数の第二のピンサーの周りにジャケット材料を射出成型することを含む。工程308はジャケット材料をインテリア174に注入し、ジャケット材料を内面172と錠剤の外壁の間の空間に射出成型工程を介して流れ込ませてもよい。複数の第一のピンサーおよび第二のピンサーはインテリア174内で錠剤と嵌合するため、それにより覆われる錠剤の部分は工程306の間に注入されるジャケット材料には曝されない。
【0055】
工程312は型から錠剤およびジャケットを、すなわち形成リンカーを取り外し、複数の第二のピンサーを錠剤から解放することを含んでもよい。具体的には、工程312は第一の末端壁166から比較的遠くにある位置まで形成リンカーを操作することを含んでもよい。複数の第二のピンカーは第一の末端壁166および複数の第一のピンサーに対して固定されていてもよく、かくしてリンカーがそこから操作されると、該ピンカーは形成リンカーより解放され得る。スロット42および/または120はそれ自体が、複数の第二のピンサーの結果として形成されたジャケットの一端に形成されてもよい。複数の第二のピンサーが作用機序を操作することにより別々に制御可能であり、それ自体が作用機序を操作することで形成リンカーから解放され得ることが分かるであろう。
【0056】
本発明の他の実施形態は、明細書の考慮、および本明細書中に開示された発明の実施から当業者に明らかだろう。明細書および実施例は例示的なものに過ぎないと考えられ、本発明の真の範囲および精神は特許請求の範囲によって示されることを意図する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外表面を有する予め形成された錠剤を径方向に制限するジャケットを含むリンカーの製造方法であって、
a)錠剤を複数の第一のピンサーで掴み;
b)該掴んだ錠剤と第一のピンサーを成型装置に対して位置付け;
c)錠剤の外表面と、複数の第一のピンサーの少なくとも一部とを実質的に覆うようにジャケット材料を注入してジャケットを形成させ;
d)ジャケットを付した錠剤および複数の第一のピンサーを成型装置から抜き出し;および
e)そのジャケットを付した錠剤から第一のピンサーを取り出す;
ことを含む、製造方法。
【請求項2】
成型装置が少なくとも部分的に錠剤を支持するための複数の第二のピンサーを含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
ジャケットを付した錠剤から第一のピンサーを取り出した場合に、複数の隙間を曝露することをさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項4】
錠剤を複数の第一のピンサーで掴むことが錠剤をその外表面の周りで掴むことを含む、請求項1記載の方法。
【請求項5】
掴み工程、位置付け工程、注入工程、抜き出し工程、および取り出し工程が自動的に達成される、請求項1記載の方法。
【請求項6】
位置付け工程が錠剤の末端を型末端から離れて一定間隔を設け、それによりジャケットが閉じられた軸方向末端壁で形成される、請求項1記載の方法。
【請求項7】
予め形成された錠剤が軸方向末端面の周辺に凹部ランドを含み、注入工程がジャケット材料の凹部ランドへの流れを含む、請求項1記載の方法。
【請求項8】
成型装置がジャケットの外側に1または複数のスナップフィットエレメントを形成する外形を含み、注入工程がジャケット材料を該外形の周りに流し込み、一体的スナップフィットエレメントを提供する、請求項1記載の方法。
【請求項9】
成型装置がリンカージャケット上に隆起バンドを形成するための周辺リリーフを有する内表面を含み、注入工程がジャケット材料をリリーフに流し込み、一体バンドを形成することを含む、請求項1記載の方法。
【請求項10】
注入工程がリリーフを介して注入材料を型インテリアに流し込むことを含む、請求項9記載の方法。
【請求項11】
掴まれた錠剤を複数の第一のピンサーおよび複数の第二のピンサーを介して成型装置に対して位置付けることをさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項12】
複数の第一のピンサーおよび複数の第二のピンサーを介して錠剤を協同的に支持することを含む、錠剤の位置付けをさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項13】
ジャケットが、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセタートスクシナート、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびアクリル酸またはメタクリル酸性ポリマーから選択される材料で射出成型される、請求項1記載の方法。
【請求項14】
予め形成した錠剤を有するリンカおよび射出成型したジャケットを形成する成型装置であって、
型インテリアを制限する内表面と;
複数のピンサーが型インテリア内に配置されている第一の位置と、複数のピンサーが型インテリア内に配置されていない第二の位置との間で移動可能な複数のピンサーと
を含む、成型装置。
【請求項15】
内表面が射出成型シェル内でスナップフィットエレメントを生成するように構成されている外形を含む、請求項14記載の装置。
【請求項16】
複数のピンサーが錠剤の第一の末端と嵌合するように構成される複数の第一のピンサーであり、装置が型インテリアに伸長し、錠剤の第二の末端と嵌合するように構成される複数の第二のピンサーをさらに含む、請求項14記載の装置。
【請求項17】
複数の第二のピンサーが型インテリア内の錠剤を少なくとも部分的に支持するように構成されている、請求項16記載の装置。
【請求項18】
複数の第一のピンサーおよび複数の第二のピンサーが協同して型インテリア内の錠剤を支持する、請求項16記載の装置。
【請求項19】
複数のピンサーが型インテリアに対して錠剤を径方向に集まるように構成されている、請求項14記載の装置。
【請求項20】
錠剤が外壁を含み;および
複数のピンサーの各々が該外壁と嵌合するように構成されている、請求項14記載の装置。
【請求項21】
複数のピンサーが軸の周りに径方向に間隔を置いて設けられている、請求項14記載の装置。
【請求項22】
複数のピンサーが実質的に軸の周りに等間隔で設けられている、請求項21記載の装置。
【請求項23】
複数のピンサーが少なくとも4つのピンサーを含む、請求項14記載の装置。
【請求項24】
予め形成された錠剤が縦軸を含み;および
複数のピンサーが第一の軸の周りに径方向に間隔を置いて設けられており、予め形成された錠剤の縦軸が複数のピンサーの第一の軸と実質的に一致して一列になるように構成される、請求項14記載の装置。
【請求項25】
複数のピンサーが射出成型工程の間に型インテリア内に錠剤を支持するように構成されている、請求項14記載の装置。
【請求項26】
射出成型工程が射出成型されたジャケットを生成する、請求項25記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2011−500186(P2011−500186A)
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−529365(P2010−529365)
【出願日】平成20年10月15日(2008.10.15)
【国際出願番号】PCT/EP2008/063857
【国際公開番号】WO2009/050193
【国際公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【出願人】(397009934)グラクソ グループ リミテッド (832)
【氏名又は名称原語表記】GLAXO GROUP LIMITED
【住所又は居所原語表記】Glaxo Wellcome House,Berkeley Avenue Greenford,Middlesex UB6 0NN,Great Britain
【Fターム(参考)】