説明

充填剤レベルの高いポリウレタン接着剤組成物

一態様では、本発明は、イソシアネート部分を有するウレタンプレポリマーと、イソシアネート部分と水又は活性水素含有化合物との反応を触媒する触媒量の化合物と、充填剤として未処理の炭酸カルシウムとを含む組成物である。本発明の組成物を用いて、窓を構造物の中に、特に自動車のフロントガラスの設置のために、良好な付着強度及び耐久性で接着することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラスを構造物内に接着するために使用することのできるポリウレタンシーラント組成物に関する。本発明はさらに、基材を接着させるための、例えば構造物内に窓を接着するためのそのような組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリウレタンシーラント組成物は、一般に少なくとも1種類のウレタンプレポリマーを含む。非孔質基材、例えばガラスなどに接着するために有用な接着剤は、例えば、米国特許第4,374,237号及び同第4,687,533号に記載されており、両方とも参照により本明細書に援用される。車両での窓の設置は、一般に三段階プロセスである。第1に、透明なシランプライマーをガラスに塗布して表面を清浄し、接着の準備をする。第2に、シラン及び/又はイソシアネート官能性を有する化合物も含有し、しばしば「ブラックアウトプライマー」と称される、本質的にカーボンブラック分散系であるプライマーを、透明なプライマーの上面の上に塗布する。第3に、接着剤を下塗りしたガラスに塗布し、次にこのガラスを構造物内に設置する。車両及び一部の建物の場合、これらの材料は、窓の外周付近に位置するセラミックエナメル又は有機塗料のフリットに適用される。このフリットは、紫外線への露出から接着剤を保護し、かつ、接着剤及び/又はトリム部品が見えないように設計されている。これに関しては、参照により本明細書に援用される米国特許第5,370,905号を参照のこと。さらに、そのような組成物を用いてガラス基材と塗装基材を接着する場合、例えば例として、自動車製造における窓の設置などの場合、接着した基材の重ね剪断強度は、安全又は構造上の目的に望ましいものに満たない場合がある。したがって、フロントガラス及びリヤウィンドウを接着するための大部分の自動車組立作業において、1又はそれ以上のシラン及び/又はイソシアネート化合物の溶液を含む別個の塗装プライマーが、組成物の塗布より前に、塗装基材に塗布される場合が多い。
【0003】
プライマーと接着剤の系を商業的に実現可能とするために、この系は耐久性のある接着を提供しなければならない。「耐久性のある接着」とは、接着剤により窓が何年もの間構造物内に保持されることを意味する。窓ガラス又は耐磨耗性塗料をコーティングされたプラスチックが従来接着されている構造物は、かなりの年数の間存続するものであるので、ガラス又はコーティングされたプラスチックを構造物内に保持する接着もかなりの年数の間持続することが期待される。
【0004】
ガラスを構造物内に接着する際に使用される接着剤系は、充填剤を含む場合が多い。充填剤は、接着剤のコストを削減するため、強度を加えるため、又は接着剤を彩色するため、などを含む様々な理由のために添加される。問題は、過剰量の充填剤が添加されると、その接着剤の固有の特性が損なわれ得ることである。従来、大量の充填剤がかかる接着剤において使用されると、初期強度及び基材への長期付着力は許容されないレベルまで低下することが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第4,374,237号
【特許文献2】米国特許第4,687,533号
【特許文献3】米国特許第5,370,905号
【特許文献4】米国特許第6,512,033号
【特許文献5】米国特許第4,910,279号
【特許文献6】米国特許第5,922,809号
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Journal of the American Chemical Society, Vol. 49, p. 3181 (1927)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
業界標準を満たし、組成物の基材表面への耐久性のある付着力を可能にする重ね剪断強度をもつ接着された構造物を提供する、高レベルの充填剤を含有する組成物を提供することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一態様では、本発明は、
(A)イソシアネート部分を有する1又はそれ以上のウレタンプレポリマーと、
(B)1又はそれ以上の第三級アミン基を含有する、触媒量(catalytic amount)の1又はそれ以上の化合物と、
(C)カーボンブラックと、
(D)組成物の総重量に基づいて約20から約50重量%の量の未処理の炭酸カルシウムと、を含む組成物である。
【0009】
本発明の組成物は、2又はそれ以上の基材を接着させるために有用である。好ましい実施形態では、本発明の組成物は、ガラス又はコーティングされたプラスチックを基材に接着するために有用である。好ましくは、ガラス又はコーティングされたプラスチックは窓に成形され、基材は構造物、例えば、建物又は自動車などの窓フランジである。
【0010】
別の実施形態では、本発明は、2又はそれ以上の基材を接着させるための方法であり、この方法は、本発明による組成物と1又はそれ以上の基材を接触させること、及び、2又はそれ以上の基材と基材の間に配置された本発明の組成物を接触させること、及び、その後組成物を硬化させて基材を接着させることを含む。
【0011】
本発明の組成物は、コーティング又は塗装されてもいなくてもよい、ガラス、プラスチック、金属、ガラス繊維及び複合基材を接着する際に有用である。この組成物は、業界標準を満たし、耐久性のある接着をもたらす重ね剪断強度を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明で用いられるプレポリマーは、ポリウレタン接着剤組成物に用いられる従来のプレポリマーであってもよい。本発明の組成物を調製する際に使用する好ましいウレタンプレポリマーとしては、少なくとも約2.0の平均イソシアネート官能価及び少なくとも約2000の分子量(重量平均)を有するあらゆるプレポリマーが挙げられる。好ましくは、プレポリマーの平均イソシアネート官能価は少なくとも約2.2であり、より好ましくは少なくとも約2.4である。好ましくは、イソシアネート官能価は、約4.0以下、より好ましくは約3.5以下、最も好ましくは約3.0以下である。好ましくは、プレポリマーの重量平均分子量は、少なくとも約2500であり、より好ましくは少なくとも約3000であり、かつ、好ましくは約40000以下であり、さらにより好ましくは約20000以下、より好ましくは約15000、最も好ましくは約10000以下である。プレポリマーは、任意の適した方法、例えば、対応するプレポリマーを形成するために十分な反応条件下、少なくとも2つのイソシアネート反応性の活性水素含有基を含有するイソシアネート反応性化合物と、化学量論を超過するポリイソシアネートを反応させることによるなどにより調製することができる。
【0013】
プレポリマーを調製する際に使用するために好ましいポリイソシアネートとしては、任意の脂肪族、脂環式、芳香脂肪族、複素環式又は芳香族ポリイソシアネート、あるいはその混合物が挙げられる。好ましくは、用いるポリイソシアネートの平均イソシアネート官能価は少なくとも約2.0であり、当量は少なくとも約80である。好ましくは、ポリイソシアネートのイソシアネート官能価は少なくとも約2.0、より好ましくは少なくとも約2.2、最も好ましくは少なくとも約2.4であり、かつ、好ましくは約4.0以下、より好ましくは約3.5以下、最も好ましくは約3.0以下である。それより高い官能価を使用してもよいが、過剰な架橋を引き起こす可能性があり、その結果、接着剤が粘稠すぎて取り扱いにくく、塗布しにくくなり、硬化後の接着剤があまりに脆弱になり得る。好ましくは、ポリイソシアネートの当量は、少なくとも約80、より好ましくは少なくとも約110、最も好ましくは少なくとも約120であり、かつ、好ましくは約300以下、より好ましくは約250以下、最も好ましくは約200以下である。
【0014】
好ましいポリイソシアネートの例としては、参照により本明細書に援用される、Wuの米国特許第6,512,033号の3欄、3行から49行に開示されたものが挙げられる。より好ましいイソシアネートは、芳香族イソシアネート、脂環式イソシアネート及びそれらの誘導体である。好ましくは、芳香族イソシアネートは、芳香環に直接結合したイソシアネート基を有する。さらにより好ましいポリイソシアネートとしては、ジフェニルメタンジイソシアネート及びそのポリマー誘導体、イソホロンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート及びそのポリマー誘導体、ビス(4−イソシアネートシクロヘキシル)メタン、及びトリメチルヘキサメチレンジイソシアネートが挙げられる。最も好ましいイソシアネートは、ジフェニルメタンジイソシアネートである。
【0015】
用語「イソシアネート反応性化合物」には、本明細書において、少なくとも2個のイソシアネート反応性部分を有するあらゆる有機化合物、例えば、活性水素部分を含有する化合物、又はイミノ官能性化合物などが含まれる。本発明の目的において、活性水素含有部分とは、水素原子を含有する部分を指し、水素原子は、分子中のその位置のために、WohlerによりJournal of the American Chemical Society, Vol. 49, p. 3181 (1927)に記載されるZerewitnoff試験によると、有意な活性を示す。そのような活性水素部分の例は、−COOH、-OH、−NH、−NH−、−CONH、−SH、及び−CONH−である。好ましい活性水素含有化合物としては、ポリオール、ポリアミン、ポリメルカプタン及びポリ酸が挙げられる。適したイミノ官能性化合物は、1分子あたり少なくとも1個の末端イミノ基を有する化合物、例えば、参照によりその全文が本明細書に援用される米国特許第4,910,279号に記載されるものなどである。好ましくは、イソシアネート反応性化合物は、ポリオールであり、より好ましくはポリエーテルポリオールである。
【0016】
プレポリマーの調製に有用な好ましいポリオールとしては、参照により本明細書に援用される、Wuの米国特許第6,512,033号の4欄、10行から64行に開示されたものが挙げられ、それには、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリ(アルキレンカルボネート)ポリオール、ヒドロキシル含有ポリチオエーテル、ポリマーポリオール(ビニルポリマーのそのようなポリオール中の分散系、一般に共重合体ポリオールと称される)及びそれらの混合物が含まれる。好ましいポリオールは、ポリオール主鎖に1又はそれ以上のアルキレンオキシド単位を含有するポリエーテルポリオールである。好ましいアルキレンオキシド単位は、エチレンオキシド、酸化プロピレン、ブチレンオキシド及びそれらの混合物である。アルキレンオキシドは、直鎖又は分枝鎖アルキレン単位を含み得る。好ましくは、ポリオールには、酸化プロピレン単位、エチレンオキシド単位又はそれらの混合物が含まれる。アルキレンオキシド単位の混合物がポリオール中に含まれる実施形態では、異なる単位がランダムに配置されてもよく、又は各アルキレンオキシドのブロックに配置されてもよい。好ましい一実施形態では、ポリオールは、ポリオールをキャップするエチレンオキシド鎖とともに、酸化プロピレン鎖を含む。好ましい実施形態では、ポリオールは、ジオールとトリオールの混合物である。好ましくは、イソシアネート反応性化合物の官能価は少なくとも約1.5、より好ましくは少なくとも約1.8、最も好ましくは少なくとも約2.0であり、かつ、好ましくは約4.0以下、より好ましくは約3.5以下、最も好ましくは約3.0以下である。好ましくは、イソシアネート反応性化合物の当量は、少なくとも約200、より好ましくは少なくとも約500、より好ましくは少なくとも約1000であり、かつ、好ましくは約5000以下、より好ましくは約3000以下、最も好ましくは約2500以下である。
【0017】
好ましくは、本発明において有用なプレポリマーは、プレポリマーの接着剤配合物中での使用を可能にするために十分な粘度を示す。好ましくは、調製されたプレポリマーは、約6000センチポイズ(600N−S/m)又はそれ以上、より好ましくは約8000センチポイズ(800N−S/m)又はそれ以上の粘度を示す。好ましくは、ポリウレタンプレポリマーは、約30000センチポイズ(3000N−S/m)又はそれ以下、より好ましくは約20000センチポイズ(2000N−S/m)又はそれ以下の粘度を示す。約30000センチポイズ(3000N−S/m)を超えると、ポリウレタン組成物はポンプで注入するには粘稠になりすぎ、そのために従来の技法を用いて塗布することができなくなる。約6000センチポイズ(600N−S/m)より低いと、プレポリマーは、プレポリマーを用いた組成物を、所望の用途に使用するのに十分な結合性を得られない。「粘度」は、本明細書において、RVスピンドル#5を備えたブルックフィールド粘度計、型番DV−Eにより、1秒あたり5回転の速度で25℃の温度にて測定される。
【0018】
プレポリマーを調製するために使用するイソシアネート含有化合物の量は、所望の特性、すなわち、上述したような適切な遊離イソシアネート含量及び粘度をもたらす量である。好ましくは、イソシアネートはプレポリマー中で調製されるために、約6.5重量部又はそれ以上、より好ましくは約7.0重量部又はそれ以上、最も好ましくは約7.5重量部又はそれ以上の量で用いられる。好ましくは、プレポリマーを調製するために用いられるポリイソシアネートは、約12重量部又はそれ以下、より好ましくは約10.5重量部又はそれ以下、最も好ましくは約10重量部又はそれ以下の量で用いられる。
【0019】
「1又はそれ以上の」とは、本明細書において、少なくとも1つ、また、1よりも多くの列挙される成分が開示されるように使用され得ることを意味する。官能価に関して用いられる「公称」とは、理論上の官能価を意味し、一般にこれは用いる成分の化学量論から計算することができる。一般に、実際の官能価は、原料の不完全さ、反応体の不完全な転換、及び副生成物の形成に起因して異なっている。
【0020】
ポリオールは、イソシアネートの大部分のイソシアネート基と反応して、プレポリマーの所望の遊離イソシアネート含量を得るに足りるイソシアネート基を残すために十分な量で存在する。好ましくは、ポリオールは、プレポリマーの重量に基づいて、約30重量部又はそれ以上、より好ましくは約35重量部又はそれ以上、最も好ましくは約40重量部又はそれ以上の量で存在する。好ましくは、ポリオールは、プレポリマーの重量に基づいて、約75重量部又はそれ以下、より好ましくは約65重量部又はそれ以下、最も好ましくは約60重量部又はそれ以下の量で存在する。
【0021】
プレポリマーは、任意の適した方法、例えばバルク重合及び溶液重合などにより調製することができる。プレポリマーを調製するための反応は、無水条件下で、好ましくは不活性の雰囲気下、例えば窒素ブランケットなどで行われ、大気中の水分によるイソシアネート基の架橋を防ぐ。反応は、好ましくは、約0℃から約150℃、より好ましくは約25℃から約90℃の温度で、試料の滴定により決定される残留イソシアネート含量が所望の理論値に極めて近くなるまで行われる。プレポリマー中のイソシアネート含量は、好ましくは約0.1重量%又はそれ以上、より好ましくは約1.5重量%又はそれ以上、最も好ましくは約1.8重量%又はそれ以上である。プレポリマー中のイソシアネート含量は、好ましくは約10重量%又はそれ以下、より好ましくは約5重量%又はそれ以下、最も好ましくは3重量%又はそれ以下である。「イソシアネート含量」とは、プレポリマーの総重量に対するイソシアネート部分の重量パーセントを意味する。
【0022】
プレポリマーを調製するための反応は、ウレタン触媒の存在下で行ってもよい。そのような例としては、カルボン酸の第一錫塩、例えば第一錫オクトエート、第一錫オレエート、第一錫アセテート、及び第一錫ラウレートなどが挙げられる。また、ジアルキル錫ジカルボキシレート、例えばジブチル錫ジラウレート及びジブチル錫ジアセテートなどは、第三級アミン及び錫メルカプチドと同様にウレタン触媒として当分野で公知である。好ましくは、プレポリマーを調製するための反応は、第一錫オクトエートにより触媒される。用いる触媒の量は、イソシアネートの性質にもよるが、一般に触媒される混合物の約0.005から約5重量部である。
【0023】
プレポリマーは、接着剤が基材を接着させることができるように、十分な量で本発明の組成物中に存在する。好ましくは、ポリウレタンプレポリマーは、組成物の重量に基づいて、約40重量部又はそれ以上、より好ましくは約45重量部又はそれ以上、最も好ましくは約50重量部又はそれ以上の量で存在する。好ましくは、ポリウレタンプレポリマーは、シーラントの重量に基づいて、約70重量部又はそれ以下、より好ましくは約65重量部又はそれ以下、最も好ましくは約60重量部又はそれ以下の量で存在する。
【0024】
本発明の組成物は、また、組成物に所望の黒色、粘度及び垂れ抵抗を与えるカーボンブラックも含む。1又はそれ以上のカーボンブラックを組成物中に用いてもよい。本発明で用いられるカーボンブラックは、非導電性にするための特別に処理が施されていない標準的なカーボンブラックであってよい。標準的なカーボンブラックは、特別に表面処理又は酸化されていないカーボンブラックである。1又はそれ以上の非導電性カーボンブラックを標準的なカーボンブラックと併せて用いてもよいが、そのように含めることは不必要なコストを付加する可能性がある。組成物中のカーボンブラックの量は、所望の色、粘度、及び垂れ抵抗をもたらす量である。カーボンブラックは、好ましくは、100重量部の組成物に基づいて、約10重量部又はそれ以上、より好ましくは約12重量部又はそれ以上、最も好ましくは約14重量部又はそれ以上の量で使用される。カーボンブラックは、好ましくは、100重量部の組成物に基づいて約35重量部又はそれ以下、より好ましくは約30重量部又はそれ以下、最も好ましくは約25重量部又はそれ以下の量である。標準的なカーボンブラックは、当分野で周知であり、Colombian社より入手可能なRAVEN(商標)790、RAVEN(商標)450、RAVEN(商標)500、RAVEN(商標)430、RAVEN(商標)420及びRAVEN(商標)410カーボンブラックならびにCabot社より入手可能なCSX(商標)カーボンブラック、ならびにDegussa社より入手可能なPrintex(商標)30カーボンブラックが挙げられる。非導電性カーボンブラックは、当分野で周知であり、Colombian社より入手可能なRaven(商標)1040及びRAVEN(商標)1060カーボンブラックが挙げられる。
【0025】
本発明の組成物は、炭酸カルシウムをさらに含む。炭酸カルシウムは、組成物中で充填剤の役割を果たす。本発明で有用な炭酸カルシウムは、標準的な炭酸カルシウムである。そのような標準的な炭酸カルシウムは未処理である、すなわち、それらはその他の化学物質、例えば有機酸又は有機酸のエステルなどでの処理により変性されていない。炭酸カルシウムは、組成物の所望の接着性が達成されるように十分な量で存在する。好ましくは、炭酸カルシウムは、約20重量部又はそれ以上、さらにより好ましくは約25重量部又はそれ以上、最も好ましくは約30重量部又はそれ以上の量で存在する。好ましくは、炭酸カルシウムは、約50重量部又はそれ以下、より好ましくは約40重量部又はそれ以下、最も好ましくは約37重量部又はそれ以下の量で存在する。
【0026】
接着剤はまた、イソシアネート部分と水又は活性水素含有化合物との反応を触媒する、1又はそれ以上の第三級アミン基を含有する触媒を含む。そのような化合物は、当分野で周知である。触媒は、イソシアネート部分と水又は活性水素含有化合物との反応のための、当業者に公知の1又はそれ以上の第三級アミン基を含有するどの触媒であってもよい。好ましい第三級アミン含有触媒の中には、ジモルホリノジアルキルエーテル、ジ((ジアルキルモルホリノ)アルキル)エーテル、置換モルホリン化合物、N−ジアルキルアミノアルキルエーテル及びアルキル置換ポリアルキレンポリアミンが含まれる。好ましい第三級アミンの中には、ビス−(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、トリエチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルピペラジン4−メトキシエチルモルホリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン及びそれらの混合物がある。好ましいクラスの触媒は、モルホリン基(morpholine group)が、触媒の触媒効果(catalytic affect)に干渉しない基で置換されてもよい、ジモルホリノジアルキルエーテル(dimorpholino dialkyl ether)である。好ましいジモルホリノジアルキルエーテルは、ジモルホリノジエチルエーテルである。好ましいジ((ジアルキルモルホリノ)アルキル)エーテルは、(ジ−(2−(3,5−ジメチルモルホリノ)エチル)エーテル)である。第三級アミンは、イソシアネート基と、活性水素含有化合物及び/又は水との反応を触媒するために十分な量で用いられ、好ましくは、第三級アミンは、組成物の重量に基づいて、約0.15重量部又はそれ以上、最も好ましくは約0.2重量部又はそれ以上、かつ、約2.0重量部又はそれ以下、より好ましくは約1.75重量部又はそれ以下、さらにより好ましくは約1.0重量部又はそれ以下、最も好ましくは約0.7重量部又はそれ以下の量で用いられる。
【0027】
本発明の組成物を配合するため、1又はそれ以上のプレポリマー、カーボンブラック、炭酸カルシウム、1又はそれ以上の第三級アミン触媒を、好ましくは、従来技術で公知のエラストマー組成物に使用するためのその他の充填剤及び添加剤と組み合わせる。そのような材料を加えることにより、物理的特性、例えば粘度、流速、垂れなどを変更することができる。しかし、ポリマーの湿度に敏感な基の早期反応を防ぐために、充填剤は、混合する前に、完全に乾燥させることが好ましい。例示的な充填剤材料及び添加剤としては、例えば二酸化チタン、クレイ、表面処理シリカ、紫外線安定剤、酸化防止剤などの材料が挙げられる。しかし、このリストは、包括的ではなく、単なる例示として記載される。
【0028】
本発明の組成物にはまた、好ましくは、レオロジー特性を所望の粘稠度(consistency)へ変更するために1又はそれ以上の可塑剤又は溶媒が含まれる。そのような材料は、水を含まず、イソシアネート基に対して不活性であり、プレポリマーに相溶性であるべきである。そのような材料は、プレポリマーを調製するために反応混合物に加えてもよく、又は最終接着剤組成物を調製するために混合物に加えてもよいが、好ましくは、そのような混合物をより容易に混合し取り扱うことができるように、プレポリマー及び付加物を調製するための反応混合物に加える。適した可塑剤及び溶媒は、当分野で周知であり、線状及び分枝状アルキルフタラート、例えばジイソノニルフタラート、ジオクチルフタラート及びジブチルフタラートなど、「HB−40」として市販されている部分水素化テルペン、トリオクチルホスファート、エポキシ可塑剤、トルエン−スルファミド、クロロパラフィン、アジピン酸エステル、ヒマシ油、キシレン、1−メチル−2−ピロリジノン及びトルエンが挙げられる。用いる可塑剤の量は、所望のレオロジー特性をもたらし、本発明の組成物中に成分を分散させるために十分な量である。好ましくは、可塑剤は、本発明の組成物中に約0重量部又はそれ以上、より好ましくは約5重量部又はそれ以上、最も好ましくは約10重量部又はそれ以上の量で存在する。可塑剤は、好ましくは約35重量部又はそれ以下、最も好ましくは約30重量部又はそれ以下の量で存在する。
【0029】
本発明の組成物は、当分野で周知の手段を用いて成分を一緒にブレンドすることにより配合することができる。一般に、成分は、適したミキサーでブレンドされる。そのようなブレンディングは、好ましくは、早期反応を防ぐために、不活性雰囲気下で、かつ大気中の水分の不在下で行う。イソシアネート含有プレポリマーを調製するための反応混合物に、そのような混合物を容易に混合し、取り扱うことができるように、任意の可塑剤を添加することが有利であり得る。あるいは、すべての成分のブレンディングの間に可塑剤を添加してもよい。組成物が配合されると、大気中の水分から保護されるように適した容器に入れる。大気中の水分との接触すると、本発明の組成物に使用されるプレポリマーの早期架橋を引き起こし得る。
【0030】
本発明の組成物は、多孔質基材と非孔質基材を接着させるために用いられる。組成物を、第1の基材に塗布し、第1の基材上の組成物を、その後第2の基材と接触させる。その後、組成物を硬化条件にさらす。好ましい実施形態では、一方の基材は、ガラス又は透明な耐磨耗性塗料をコーティングされたプラスチックであり、もう一方の基材は、所望により塗装又はコーティングされているプラスチック、金属、ガラス繊維又は複合基材である。耐磨耗性塗料をコーティングされたプラスチックは、透明なあらゆるプラスチック、例えばポリカーボネート、アクリル、水素化ポリスチレン又は50パーセントより多いスチレン含量を有する水素化スチレン共役ジエンブロック共重合体などであってもよい。塗料は、耐磨耗性であるあらゆる塗料、例えばポリシロキサン塗料などを含み得る。好ましくは、塗料は、紫外線色素遮光添加剤(ultraviolet pigmented light blocking additive)を有する。好ましくは、ガラス又はコーティングされたプラスチック窓には、接着剤を紫外線から遮断するために、不透明塗料を接着剤と接触する範囲に配置する。これは、一般にフリットと称される。好ましくは、この不透明塗料は、無機エナメル又は有機塗料である。
【0031】
好ましい実施形態では、本発明の組成物は、ガラス又はコーティングされたプラスチックの表面に、構造物に接着されるガラス又はコーティングされたプラスチックの部分に沿って塗布される。その後、組成物がガラス又はコーティングされたプラスチックと第2の基材との間に配置されるように、組成物を第2の基材に接触させる。組成物を硬化させてガラス又はコーティングされたプラスチックと基材との間に耐久性のある接着を形成する。概して、本発明の組成物は、周囲温度にて大気中の水分の存在下で塗布される。大気中の水分への曝露は、組成物を硬化させるのに十分である。硬化は、対流熱、又はマイクロ波加熱によって硬化組成物に熱を加えることによりさらに加速させることができる。別の実施形態では、組成物を、もう一方の基材の表面に塗布し、次に上述したガラス又はコーティングされたプラスチックに接触させてもよい。
【0032】
加工時間は、基材への塗布後、組成物が十分に粘着性を有する状態で第2の基材の表面に適用されて第2の基材と接着する時間である。好ましくは、本発明の組成物は、約6分又はそれ以上、より好ましくは約10分又はそれ以上の加工時間を提供するように配合される。好ましくは、加工時間は、約20分又はそれ以下、より好ましくは約15分又はそれ以下である。
【0033】
ポリウレタンプレポリマーに関して、平均イソシアネート官能価は、参照により本明細書に援用される、Bhat、米国特許第5,922,809号の12欄、65行から13欄、26行に従って決定される。本明細書に記載される分子量は、参照により本明細書に援用される、Bhat、米国特許第5,922,809号の12欄、50行から64行に開示された次の手順に従って決定される。「重量部」とは、全体で100部を構成する組成物を指す。
【0034】
接着剤の接着性能は、重ね剪断接着試験により評価される。好ましくは、23℃及び50パーセントの相対湿度下で7日間硬化後の本発明の組成物の重ね剪断強度は、約250psi(1.72mPa)、より好ましくは350psi(2.40mPa)、最も好ましくは約400psi(2.76mPa)である。Weather−O−Meter(WOM)チャンバでの試験が、試料の耐候性の老化試験を加速させるためにしばしば使用される。特に指定のない限りSAEJ1885条件が使用される。
【0035】
重量部とは、本明細書において、具体的に言及された100重量部の組成物を指す。ほとんどの場合、これは本発明の接着剤組成物を指す。
【0036】
本発明の具体的な実施形態
以下の実施例は、例示目的のためだけに盛り込まれるものであり、本発明の範囲を制限するものではない。特に指定のない限り、すべての部及び百分率は重量による。
【0037】
成分:
第一錫オクトエートは、触媒である。
ジイソノニルフタラートは、可塑剤である。
JEFFCAT(商標)DMDEE触媒は、Huntsman Chemical社より入手可能なジモルホリノジエチルエーテルである。
ELFTEX(商標)S7100は、Cabot社の標準的なカーボンブラックである。
HUBERCARB(商標)Q325未処理炭酸カルシウム。
BETASEAL(商標)43518プライマーは、The Dow Chemical Company社より入手可能な有機シランを含有する透明なガラスプライマーである。
BETASEAL(商標)43520Aプライマーは、The Dow Chemical Company社より入手可能なカーボンブラックをさらに含有するイソシアネート含有ガラスプライマーである。
BETASEAL(商標)43526プライマーは、The Dow Chemical Company社より入手可能なシラン含有ガラスプライマーである。
BETASEAL(商標)43533ATUプライマーは、The Dow Chemical Company社より入手可能なイソシアネート含有塗装フランジプライマーである。
BETAPRIME(商標)5500プライマーは、The Dow Chemical Company社より入手可能なイソシアネート及びシラン含有ガラスプライマーである。
【0038】
イソシアネート官能性プレポリマーの調製
攪拌器及び加熱ジャケットを具備した4リットルのケトルの中に、363.68グラムの分子量2000のポリ酸化プロピレンジオール、527.04グラムの分子量4500のポリ酸化プロピレントリオール及び32グラムのジイソノニルフタラートを窒素保護下で装入する。反応体を混合し、窒素下、混合物が54℃に達するまで加熱する。混合物が54℃に達すると、45℃にて保存した160.64グラムのメチレンジフェニルジイソシアネートを添加し、混合する。次に、0.08gの第一錫オクトエートをゆっくり滴下した。反応により発熱し、反応温度が最高値に達した後は、反応を80℃から85℃で30分間保持する。次に、加熱ユニットの温度設定点を60℃に設定する。その後、501.20グラムのジイソノニルフタラート及び15.36グラムのジエチルマロネートを添加する。混合物を60分間攪拌する。その後、得られたプレポリマーを気密容器に入れる。プレポリマーの粘度は11160センチポイズ(25℃)であり、プレポリマー中のイソシアネートの割合は1.49重量%である。
【0039】
接着剤組成物の調製
接着剤組成物は、規定された量のプレポリマー、ジイソノニルフタラート及びジモルホリノジエチルエーテルを2ガロンのミキサーに添加することにより調製される。混合物は真空下で脱気し、15分間混合される。次に、真空を窒素で破る。乾燥したカーボンブラック及びCaCoを添加する。徐々に減圧した。真空の半分が達成されると、混合を開始して充填剤を2分間含水させる(wet out)。真空バルブを全開し、混合を高真空下で15分間継続する。その後、混合物を削り取って滑らかにし、さらなる混合の前に高真空を再び加える。混合物を真空下でさらに10分間混合する。次に、真空を窒素で破り、接着剤組成物を封管の中に封入する。
【0040】
試験手順
本明細書に記載されたプレポリマーの粘度は、参照により本明細書に援用される、Bhat、米国特許第5,922,809号の12欄、38行から49行に開示された手順に従って決定される。本明細書に記載された接着剤の粘度は、プレスフローを用いて決定される。プレスフローは、20グラムの接着剤が60psi(413kPa)の圧力で0.104インチ(2.6mm)のオリフィスを通過するのにかかる時間である。接着剤の3日間54℃での熱老化は、接着剤を3日間54℃で熱処理した後のプレスフローの増加を接着剤の初期プレスフローで除算したものと定義される。
本明細書に記載された分子量は、参照により本明細書に援用される、Bhat、米国特許第5,922,809号の12欄、50行から64行に開示された次の手順に従って決定される。
【0041】
接着剤組成物の不粘着時間は、次の試験手順に従って測定される。長さ150mm及び直径6mmの接着剤ビーズを、23℃、相対湿度50パーセントの条件下で剥離紙の上に置く。ポリエチレンフィルムを用いてビーズにそっと触れ、ビーズが粘着していなく、ポリエチレンフィルムにビーズが接触していない時間を記録する。
【0042】
剥離試験は、この段落に記載される通りに行われる。6.3mm(底面)×12mm(高さ)×100mm(長さ)のサイズの三角形のビーズを試験した基材の上に置き、剥離紙で3mmの高さまで押圧する。剥離試験は、初期硬化後に、特定の時間、23℃及びRH(相対湿度)50パーセント及び任意のさらなる環境曝露下で行われる。試験時、スリット(20から40mm)を接着剤の端部と基材との間に入れる。次に、硬化したビーズをかみそりの刃で60度の角度で試験した基材まで切断し、同時にビーズの端部を90度より大きい角度で引き戻す。刻み目を約3から5mmごとに基材に切り付ける。接着の程度を接着不良(AF)及び/又は凝集破壊(CF)として評価する。AFの場合、硬化したビーズは試験した基材表面から分離し得るが、CFの場合、分離は切断及び引き戻しの結果としてシーラント接着剤の内部で起こる。
【0043】
重ね剪断試験は、以下に記載するSAEJ1529試験手順に従って行われる。およそ底面6.3mm及び高さ8mmの接着剤組成物の三角形のビーズを、25mm×100mmの下塗りしたガラスクーポンの幅に沿って、ガラスクーポン端部から約6.3mm離して塗布する。下塗りしてもいなくてもよい第2の基材を直ちに接着剤ビーズに押圧してその間の組成物に関して最終高さを6.3mmとする。試料を、特に指定のない限り、23℃及びRH(相対湿度)50パーセントの条件下で7日間硬化させる。次に、試料を即座に又は追加の環境曝露後にInstron試験器で2インチ/分(50mm/分)の速度で引っ張る。試料破断時の負荷(ポンド)を試料面積(インチ)で除算すると、重ね剪断接着強度(psi)が得られる。接着の程度を接着不良(AF)及び/又は凝集破壊(CF)として評価する。AFの場合、硬化したビーズは基材から分離し、CFの場合、分離は試験の結果として接着剤ビーズの内部でのみ起こる。
【0044】
垂れ試験は、以下の手順を用いて実施される。高さ10cm及び長さ30cmの金属パネルをベンチに垂直に置く。高さ1.8cm及び底面0.62cmの接着剤組成物の直角のビーズをパネルの上端に沿って分配する。30分後、接着剤組成物の先端の垂れを測定し、記録する。
【0045】
組成物及び試験結果を次の表にまとめる。
試料調製及び試験
剥離試料は、上記の接着剤組成物を用いて調製する。剥離のための基材には、次のものが含まれる:
基材A:BETASEAL(商標)43518及びBETASEAL(商標)43520Aプライマーで下塗りした、透明なフロートガラス(2.5cm×15cm)
基材B:イソプロピルアルコールで拭き、BETASEAL(商標)43526プライマーで下塗りした透明なフロートガラス
基材C:BETASEAL(商標)43533ATUプライマーで下塗りしたe−コート・スチール・クーポン(幅2.5cm×長さ10cm)。これらの剥離試料は、次の条件の後に試験し、結果を剥離試験の表にまとめる。
条件1:23℃及び相対湿度50パーセントで7日の初期硬化、その後SWOMチャンバ中1000時間の曝露(サンシャインウェザロメーター)。
条件2:23℃及び相対湿度50パーセント下7日の硬化、その後60℃にて10日間水に浸漬。
条件3:23℃及び相対湿度50パーセントでの7日の硬化。
条件4:23℃及び相対湿度50パーセントでの7日の硬化、その後100°F(38℃)及び相対湿度100パーセントに14日間曝露。
条件5:23℃及び相対湿度50パーセントでの7日の硬化、その後SAEJ1885条件に従ってウェザロメーターに2000時間曝露。
【0046】
【表1】

【0047】
【表2】

【0048】
【表3】

【0049】
重ね剪断試料は、上記の条件の後に試験する。重ね剪断データは、5つの試料の平均を用いるWOM試験を除いて、1条件あたり1種類の接着剤組成物あたり3つの試料の平均から報告される。全ての重ね剪断結果は重ね剪断試験の表に含まれる。
【0050】
重ね剪断試料は、これらの接着剤組成物から調製する。重ね剪断の準備において、次の基材を用いる。基材Dは、イソプロピルアルコールで拭き、BETASEAL(商標)43526プライマーで下塗りした、試験した表面に配置されたビスマス−亜鉛の垂れ曲がったフリット(sag bent frit)を有するガラスクーポン(幅2.5cm×長さ7.5cm)である。基材Eは、イソプロピルアルコールで拭き、BETAPRIME(商標)5500プライマーで下塗りした、試験した表面に配置されたビスマス−亜鉛の垂れ曲がったフリットを有するガラスクーポンである。基材Fは、BETASEAL(商標)43533ATUで下塗りしたポリ塩化ビニルであり、基材Gは、下塗りしていないエレクトロコートされたクーポン(幅2.5cm×長さ10cm)である。
【表4】

【0051】
29.74パーセントのポリエーテル系イソシアネート官能性ポリウレタンプレポリマー、20.47パーセントのアルキルフタラート、4.50パーセントのトルエン、18.56パーセントのカーボンブラック、0.49パーセントのシランA−187、0.0097パーセントの錫触媒及び26.24パーセントの炭酸カルシウムを含む比重1.353のShenzhen AO−BO社より市販されている接着剤の試料を以下に記載する通り試験する。剥離試料は、この接着剤を用いて次の基材A、B及びC上で調製する。これらの剥離試料は、条件2(23℃及び相対湿度50パーセントでの7日の硬化、その後60℃にて10日間水に浸漬)の後に試験する。これらの剥離試料はすべて、100パーセントの接着不良(100AF)を試験した基材に対して示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物であって、
(A)イソシアネート部分を有する1又はそれ以上のウレタンプレポリマーと、
(B)1又はそれ以上の第三級アミン基を含有する、触媒量の1又はそれ以上の化合物と、
(C)カーボンブラックと、
(D)前記組成物の総重量に基づいて約20から約50重量%の量の未処理の炭酸カルシウムとを含む、組成物。
【請求項2】
前記炭酸カルシウムは、約20から約40重量%の量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記炭酸カルシウムは、約30から約40重量%の量で存在する、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記触媒は、モルホリン基が前記触媒の触媒効果に干渉しない基で置換されてもよいジモルホリノジアルキルエーテルである、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記1又はそれ以上のウレタンプレポリマーは、エチレンオキシドのアルキレンオキシド単位、酸化プロピレン又はそれらの混合物を含有するポリオールから誘導される、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記1又はそれ以上のウレタンプレポリマーは、芳香族イソシアネートから誘導される、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記触媒は、ジモルホリノジエチルエーテルである、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記1又はそれ以上のウレタンプレポリマーは、メチレンジフェニルジイソシアネートから誘導される、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
(A)前記組成物の重量に基づいて約40重量部から約70重量部又はそれ以下の1又はそれ以上のポリウレタンプレポリマーと、
(B)前記組成物の重量に基づいて約0.15重量部から約2.0重量部の1又はそれ以上の第三級アミン触媒と、
(C)約10から約35重量部のカーボンブラックと、
(D)約25から約40重量部の炭酸カルシウムとを含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
1又はそれ以上の可塑剤をさらに含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
ガラス又は耐磨耗性塗料をコーティングされたプラスチックを基材に接着する方法であって、
請求項1から9に記載の組成物を前記ガラス又はコーティングされたプラスチック表面又は前記基材表面に塗布することと、前記組成物が、前記ガラス又はコーティングされたプラスチックと前記基材との間に位置するように、前記ガラス又はコーティングされたプラスチックと前記基材とを接触させることと、前記組成物を硬化させて、前記ガラス又はコーティングされたプラスチックを前記基材に接着させることとを含む、方法。
【請求項12】
接着剤が接着される前記ガラスは、表面にコーティングされたセラミックフリットを有し、前記基材は、表面上に塗料を有する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ガラスは下塗りされており、前記塗料を有する基材表面は下塗りされているか又は下塗りされていない、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記基材は自動車であり、前記ガラス又はコーティングされたプラスチックは窓としての使用に適合されている、請求項12に記載の方法。

【公表番号】特表2011−504192(P2011−504192A)
【公表日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−532114(P2010−532114)
【出願日】平成20年10月10日(2008.10.10)
【国際出願番号】PCT/US2008/079457
【国際公開番号】WO2009/061580
【国際公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド (1,383)
【Fターム(参考)】