説明

充電装置および放射線画像検出システム

【課題】内蔵されている蓄電体のタイプにかかわらず効率よく的確に充電を行う。
【解決手段】充電装置としてのクレードル4は、電圧検出部43で検出される蓄電体としてのバッテリ28の電圧が目標電圧となるまで定電流充電を行うとともに、バッテリ28の電圧が目標電圧に達すると定電圧充電に切り替えるように構成されている。そして、クレードル4は、バッテリ28の充電に関する充電情報として、当該バッテリ28を内蔵する電子機器としての放射線画像撮影装置2に対応する充電情報を取得するとともに、取得した充電情報に基づいて最大印加可能電圧V2を特定し、目標電圧として設定するように構成されている。なお、充電情報には、バッテリ28から電圧検出部43までの経路抵抗RLを考慮した最大印加可能電圧V2に関する情報が含まれている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電装置および放射線画像検出システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
照射されたX線等の放射線の線量に応じて検出素子で電荷を発生させて電気信号に変換するいわゆる直接型の放射線画像撮影装置や、照射された放射線をシンチレータ等で可視光等の他の波長の電磁波に変換した後、変換され照射された電磁波のエネルギーに応じてフォトダイオード等の光電変換素子で電荷を発生させて電気信号に変換するいわゆる間接型の放射線画像撮影装置が種々開発されている。なお、本発明では、直接型の放射線画像撮影装置における検出素子や、間接型の放射線画像撮影装置における光電変換素子を、あわせて放射線検出素子という。
【0003】
このタイプの放射線画像撮影装置はFPD(Flat Panel Detector)として知られており、従来は支持台(或いはブッキー装置)と一体的に形成されていたが、近年、その内部にキャパシタや二次電池などからなる蓄電体を内蔵し、ケーブルレスで駆動可能な可搬型に構成されたカセッテ型の放射線画像撮影装置が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
放射線画像撮影装置を可搬型に構成した場合、患者のベッドサイド等におけるポータブル撮影をはじめとする自由度の高い撮影が可能となる。また、据置き型の装置と異なり、容易に持ち運びができるため、撮影室が複数あるような場合に、用途等に応じて1つの放射線画像撮影装置を異なる撮影室に移動させて撮影を行うことも可能となる。
【0004】
このような可搬型に構成された放射線画像撮影装置においては、蓄電体を充電する必要がある。そこで、蓄電体に対する充電を安定して行うことができるよう、最大幅のカセッテを収容することが可能な長さの溝部が形成された収容部を備え、大きさの異なる全てのカセッテと安定して電気的に接続して、充電または放射線画像の出力を行うことが可能なカセッテ収容装置(例えば、特許文献2参照)、収容されたカセッテの側面の一方に対向する傾斜面と、収容されたカセッテの側面の他方に対向し、かつ、カセッテを収容したときにカセッテが傾斜面方向に移動するように傾斜させた底面とで形成された溝部を備え、カセッテと安定して電気的に接続して、充電または放射線画像の出力を行うことが可能なカセッテ収容装置(例えば、特許文献3参照)が提案されている。
また、蓄電体(バッテリー)の残量が不足すると使用不可になるので、それを回避するために、取り外し可能に構成されたバッテリーパックを充電・交換器内に複数有し、充電・交換器内で管理されたバッテリーパックの充電状況に基づいて交換するバッテリーパックを選択することが可能なX線撮影装置(例えば、特許文献4参照)も提案されている。
【0005】
ところで、蓄電体に対する充電は、過充電を防止する等の観点から、目標電圧(例えば、蓄電体の定格電圧)までの充電を正確に行うことが容易な定電圧充電を行うことが望ましい。しかし、定電圧充電は充電に時間がかかりすぎるという問題があり、そのため、近年では、蓄電体の検出電圧が目標電圧となるまで定電流充電を行い、目標電圧に達すると定電圧充電に切り替える充電方法が採用されている。
このような充電方法においては、蓄電体の電圧をより正確に検出し監視することが必要である。そして、この場合、蓄電体の直近に電圧検出手段を設けることが可能であれば、“(検出電圧)≒(実際の蓄電体の電圧)”となり、より正確に蓄電体の電圧を検出することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−237074号公報
【特許文献2】特開2009−237293号公報
【特許文献3】特開2009−258677号公報
【特許文献4】特開2006−43191号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、カセッテ型の放射線画像撮影装置は、薄型化、小型化が要求されており、これを実現させようとすると、電圧検出手段を含む充電回路の設置スペースを放射線画像撮影装置内部に確保することが困難となる。
これに対し、カセッテ型の放射線画像撮影装置を充電時にセットする外部充電装置側に電圧検出手段を含む充電回路を設け、放射線画像撮影装置の外部から蓄電体の電圧検出を行えば、カセッテ型の放射線画像撮影装置の薄型化、小型化が可能となる。しかし、放射線画像撮影装置の外側に電圧検出手段を設ける構成とした場合、蓄電体から電圧検出手段までの距離が遠くなる。そのため、蓄電体から電圧検出手段までの間の配線等における経路抵抗の影響を生じ、“(検出電圧)=(実際の蓄電体の電圧)+(充電電流)×(経路抵抗)”となり、実際の蓄電体の電圧よりも高い電圧が検出されるので、蓄電体の電圧が実際に目標電圧に達する前に定電流充電から定電圧充電へと切り替えられてしまう。したがって、蓄電体が予定よりも低い電圧で定電圧充電を開始することになるので、定電圧充電が長時間に亘って実行され、充電の所要時間が増大するおそれがある。
【0008】
また、カセッテ型の放射線画像撮影装置は、その機種等に応じて、内蔵されている蓄電体のタイプ、具体的には、内蔵されている蓄電体の個数や満充電容量や充電特性や電圧検出手段までの経路抵抗などが異なる。
すなわち、放射線画像撮影装置には、例えば、1個の蓄電体のみからなる軽量タイプの蓄電体を備える放射線画像撮影装置や、複数の蓄電体が並列に接続された高容量タイプの蓄電体を備える放射線画像撮影装置などがある。また、備えている蓄電体自体が異なる場合、すなわち蓄電体の満充電容量や充電特性などが異なる場合もある。また、蓄電体からコネクタ(充電装置と接続するためのコネクタ)までの配線の長さ等の違いから、蓄電体から電圧検出手段までの経路抵抗等が異なる場合もある。
したがって、放射線画像撮影装置の機種等にかかわらず、一定の充電シーケンスで充電を行うと、充電の所要時間が増大したり、満充電まで充電が行えなかったりするおそれがある。
【0009】
本発明は、上記の点を鑑みてなされたものであり、放射線画像撮影装置等の電子機器の小型化を図ることを可能としつつ、内蔵されている蓄電体のタイプにかかわらず効率よく的確に充電を行うことが可能な充電装置および当該充電装置を備える放射線画像検出システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記の課題を解決するために、本発明の充電装置は、
各機能部に電力を供給する蓄電体を筐体内部に内蔵する電子機器に対して、相互間に設けられたコネクタを通じて前記筐体の外部から前記蓄電体に充電を行う充電装置において、
前記蓄電体に充電を行うための電力を供給する電源部と、
前記蓄電体の電圧を検出する電圧検出部と、
前記蓄電体に流す充電電流を検出する電流検出部と、
前記電圧検出部で検出される前記蓄電体の電圧が目標電圧となるまで定電流充電を行うとともに、当該蓄電体の電圧が目標電圧に達すると定電圧充電に切り替える充電制御部と、
前記蓄電体の充電に関する充電情報として、当該蓄電体を内蔵する前記電子機器または当該蓄電体のタイプに対応する充電情報を取得する取得手段と、を備え、
前記充電情報には、前記蓄電体から前記電圧検出部までの経路抵抗を考慮した最大印加可能電圧に関する情報が含まれており、
前記充電制御部は、前記取得手段により取得された充電情報に基づいて前記最大印加可能電圧を特定し、前記目標電圧として設定することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の放射線画像検出システムは、
各機能部に電力を供給する蓄電体を筐体内部に内蔵する放射線画像撮影装置と、当該放射線画像撮影装置に対して、相互間に設けられたコネクタを通じて前記筐体の外部から前記蓄電体に充電を行う充電装置と、を備える放射線画像検出システムにおいて、
前記充電装置は、本発明の充電装置であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明のような方式の充電装置および放射線画像検出システムによれば、蓄電体から電圧検出部までの経路抵抗を考慮した最大印加可能電圧を、目標電圧として設定することができるので、蓄電体と電圧検出部との間の経路抵抗による検出誤差による影響を低減することが可能となる。これにより、予定よりも低い電圧で定電流充電から定電圧充電に移行することが回避され、充電の所要時間の短縮化を図ることが可能となる。
【0013】
また、これにより、放射線画像撮影装置等の電子機器側に電圧検出部を設けずに充電装置側に電圧検出部を設けることが可能となるので、放射線画像撮影装置等の電子機器の小型化、薄型化を図ることが可能となる。
さらに、放射線画像撮影装置等の電子機器側に電圧検出部を設けないことにより、放射線画像撮影装置等の電子機器から検出電圧信号を充電装置側に伝達するためのコネクタ、端子等が不要となり、放射線画像撮影装置等の電子機器のさらなる小型化、薄型化を図ることが可能となる。
【0014】
また、相互間に設けられたコネクタを介して充電装置と接続している放射線画像撮影装置等の電子機器に対応する充電情報に基づいて最大印加可能電圧を特定することができるので、放射線画像撮影装置等の電子機器の機種等に応じた充電シーケンスで充電を行うことができる。したがって、放射線画像撮影装置等の電子機器に内蔵されている蓄電体のタイプにかかわらず効率よく的確に充電を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施形態に係る放射線画像検出システムのシステム構成を示す概略図である。
【図2】図1に示す放射線画像撮影装置の外観を示す斜視図である。
【図3】図1に示す放射線画像撮影装置のセンサパネル部や読取部などの構成を示す等価回路図である。
【図4】図1に示すクレードルと放射線画像撮影装置とにおける充電に関係する構成のみを図示したブロック図である。
【図5】図5(A)は従来の充電制御における検出電圧(実線)およびバッテリの実際の電圧(破線)の時間的変化を示す線図、図5(B)は従来の充電制御における充電電流の時間的変化を示す線図である。
【図6】図6(A)は本実施形態の充電制御における検出電圧(実線)およびバッテリの実際の電圧(破線)の時間的変化を示す線図、図6(B)は本実施形態の充電制御における充電電流の時間的変化を示す線図である。
【図7】放射線画像撮影システムのシステム構成を示すブロック図である。
【図8】本実施形態における充電制御の流れの一例を示すフローチャートである。
【図9】図9(A)は定電流充電開始時に充電電流を複数回変化させた場合における検出電圧(実線)およびバッテリの実際の電圧(破線)の時間的変化を示す線図、図9(B)は定電流充電開始時に充電電流を複数回変化させた場合における充電電流の時間的変化を示す線図、図9(C)は定電流充電開始時における検出電圧の時間的変化の拡大線図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。ただし、本発明を適用可能な実施形態はこれに限定されるものではなく、また、本発明は図示例に限定されるものでもない。
なお、本実施形態では、電子機器として放射線画像撮影装置を例示して、充電装置として放射線画像撮影装置を充電するためのクレードルを例示して、説明することとする。
【0017】
〔放射線画像検出システム〕
図1は、本実施形態における放射線画像検出システム1の概略構成を示す図であり、図2は、本実施形態における放射線画像撮影装置2の斜視図である。
図1に示すように、本実施形態において放射線画像検出システム1は、蓄電体としてのバッテリ28を内蔵する放射線画像撮影装置2と、放射線画像撮影装置2が載置されるクレードル4と、を備えて構成される。
【0018】
〔放射線画像撮影装置〕
本実施形態において放射線画像撮影装置2は、いわゆるフラットパネルディテクタ(Flat Panel Detector:以下「FPD」という。)をカセッテ型に構成した可搬型のカセッテ型FPDであり、放射線画像撮影に用いられ、放射線画像データ(以下、単に「画像データ」と称する。)を取得するものである。
なお、以下では、放射線画像撮影装置2として、シンチレータ等を備え、放射された放射線を可視光等の他の波長の電磁波に変換して電気信号を得るいわゆる間接型の放射線画像撮影装置について説明するが、本発明は、シンチレータ等を介さずに放射線を放射線検出素子で直接検出する、いわゆる直接型の放射線画像撮影装置に対しても適用することができる。
【0019】
図2に示すように、放射線画像撮影装置2は、内部を保護する筐体21を備えている。筐体21は、少なくとも放射線の照射を受ける側の面X(以下「放射線入射面X」という。)が、放射線を透過するカーボン板やプラスチックなどの材料で形成されている。
なお、図2では、筐体21がフロント部材21aとバック部材21bとで形成されている場合が示されているが、その形状、構成は特に限定されず、この他にも、筐体21を筒状のいわゆるモノコック状等に形成することも可能である。
【0020】
図2に示すように、本実施形態において、放射線画像撮影装置2の側面部分には、電源スイッチ22、インジケータ25、装置側コネクタ部26等が配置されている。
【0021】
電源スイッチ22は、放射線画像撮影装置2の電源のON/OFFを切り替えるものであり、電源スイッチ22を操作することによって、後述するバッテリ28(図1参照)による放射線画像撮影装置2の各機能部に対する電力供給の開始および停止を指示する信号が後述する本体制御部30(図1参照)に出力される。
放射線画像撮影装置2を撮影に使用しない時には、電源をOFFに(すなわち、バッテリ28による各機能部に対する電力供給を停止)しておくことにより、バッテリ28の電力消費を抑えることが可能となる。
【0022】
インジケータ25は、例えばLED等で構成され、バッテリ28の充電残量や各種の操作状況などを表示するものである。
【0023】
また、放射線画像撮影装置2には、当該放射線画像撮影装置2の各機能部に電力を供給するバッテリ28が設けられている。
バッテリ28は、充電可能な蓄電体であれば任意であり、例えば、リチウムイオン二次電池であってもよいし、リチウムイオンキャパシタ(LIC)であってもよいし、電気二重層コンデンサであってもよい。
【0024】
また、放射線画像撮影装置2の側面部分には、筐体21内に内蔵されたバッテリ28の交換等のために開閉される蓋部材70が設けられている。この蓋部材70の側面部には、放射線画像撮影装置2が、無線アクセスポイント113(後述する図7参照)を介して外部装置と無線方式で情報の送受信を行うためのアンテナ装置71が埋め込まれている。
【0025】
装置側コネクタ部26(図1において、単に「コネクタ部」と示す。)は、クレードル4と電気的に接続可能に構成されており、また、相互に着脱可能となっている。
また、装置側コネクタ部26は、放射線画像撮影装置2がクレードル4に載置された時にクレードル出力コネクタ部42(後述する図4参照)に対応する位置に設けられている。
【0026】
また、図2に示すように、放射線入射面Xのうち、放射線画像撮影に邪魔にならない位置であり、かつ、放射線画像撮影装置2がクレードル4に載置された時にバーコード読取部49(後述する図4参照)に対応する位置には、放射線画像撮影装置2を識別するための識別情報等を担持するバーコードが印字されたバーコードシール2aが貼付されている。
ここで、放射線入射面Xのうち、放射線画像撮影に邪魔にならない位置とは、例えば、センサパネル部24(後述する図3参照)における検出領域(すなわち、2次元状に配列された複数の放射線検出素子23が設けられた領域全体)の外側の領域に対応する位置である。
【0027】
なお、バーコードシール2aを貼付する位置は、筐体21の表面のうち、放射線画像撮影に邪魔にならない位置であり、かつ、放射線画像撮影装置2がクレードル4に載置された時にバーコード読取部49に対応する位置であれば任意であり、例えば、放射線画像撮影装置2の側面部分であってもよいし、放射線入射面Xとは反対側の面であってもよい。
【0028】
また、図1に示すように、バッテリ28と各機能部との間には、電源回路29が設けられている。この電源回路29は、バッテリ28から供給される電力を供給先の各機能部に適するように、その電圧値等を適宜変換・調整する機能部である。
なお、ここで言う「各機能部」とは、放射線画像撮影装置2において、放射線画像撮影における各種の機能を実行し、電力の供給を必要とするモジュールやデバイスであり、本体制御部30、記憶部31、走査駆動回路32、信号読出し回路33、信号処理部34、通信部35、A/D変換部40等がこれに該当する。
【0029】
筐体21の放射線入射面X(図2参照)の内側には、放射線入射面Xから入射した放射線を吸収して可視光を含む波長の光に変換するシンチレータ層(図示省略)が形成されている。このシンチレータ層は、例えばCsI:TlやGd22S:Tb、ZnS:Agなどの母体内に発光中心物質が付活された蛍光体を用いて形成されたものを用いることができる。
【0030】
シンチレータ層の放射線入射面X側の面とは反対側の面には、シンチレータ層から出力された光を電気信号に変換する複数の放射線検出素子23(後述する図3参照)が2次元状に複数配列された検出手段としてのセンサパネル部24が設けられている。
本実施形態においては、放射線検出素子23としてフォトダイオードが用いられているが、この他にも例えばフォトトランジスタ等を用いることも可能である。
【0031】
本実施形態においては、本体制御部30、走査駆動回路32、信号読出し回路33等により、センサパネル部24の各放射線検出素子23の出力値を読み取る読取手段である読取部45(後述する図3参照)が構成されている。
【0032】
センサパネル部24や読取部45の構成について、図3の等価回路図を参照しつつ、さらに説明する。
図3に示すように、センサパネル部24の各放射線検出素子23の一方の電極にはそれぞれ信号読出し用のスイッチ素子であるTFT46のソース電極が接続されている。
また、各放射線検出素子23の他方の電極にはバイアス線Lbが接続されている。このバイアス線Lbはバイアス電源36に接続されており、バイアス電源36から各放射線検出素子23にバイアス電圧(本実施形態においては逆バイアス電圧)が印加されるように構成されている。
【0033】
各TFT46のゲート電極はそれぞれ走査駆動回路32から延びる走査線Llに接続されており、TFT46のゲート電極には、この走査線Llを介してTFT電源(図示省略)からON電圧(読出し電圧)やOFF電圧が印加されるように構成されている。
【0034】
また、各TFT46のドレイン電極はそれぞれ信号線Lrに接続されている。各信号線Lrは、それぞれ信号読出し回路33内の増幅回路37に接続されており、各増幅回路37の出力線はそれぞれサンプルホールド回路38を経てアナログマルチプレクサ39に接続されている。また、信号読出し回路33には信号をデジタル信号に変換処理する処理手段としてのA/D変換部40が接続されており、アナログマルチプレクサ39から送り出されたアナログの画像信号は、A/D変換部40によってデジタルの画像信号に変換される。信号読出し回路33は、このA/D変換部40を介して本体制御部30に接続されており、デジタルの画像信号が本体制御部30に出力される。本体制御部30には、記憶部31が接続されており、本体制御部30は、A/D変換部40から出力されたデジタルの画像信号を画像データとして記憶部31に記憶させるように構成されている。
【0035】
本体制御部30は、例えば、図示しないCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えるコンピュータであり、放射線画像撮影装置2全体を統括的に制御する。
【0036】
ROMには、実写画像データ生成処理、オフセット補正値生成処理、放射線画像撮影装置2において各種の処理を行うためのプログラム、各種の制御プログラムやパラメータなどが記憶されている。
本体制御部30においては、ROMに記憶されている所定のプログラムを読み出してRAMの作業領域に展開し、当該プログラムに従ってCPUが各種処理を実行するように構成されている。
【0037】
信号処理部34は、画像データに所定の信号処理を施すことによって、当該画像データを外部装置に転送するのに適した形式のデータとする機能部である。
【0038】
記憶部31は、例えばHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどで構成されている。この記憶部31には、読取部45(図3参照)により生成される実写画像データ、すなわち被写体を透過した放射線に基づく画像データや、暗画像データ、すなわち放射線を照射しない状態で取得された画像データなどが記憶される。
【0039】
なお、記憶部31は、内蔵型のメモリであってもよいし、メモリカード等の着脱可能なメモリであってもよい。
また、その記憶容量は特に限定されないが、複数枚分の画像データを保存可能な記憶容量を有することが好ましい。このような記憶部31を放射線画像撮影装置2に備えることによって、被写体に対して連続して放射線を照射し、その度ごとに画像データを記録し蓄積していくことができるので、連続撮影や動画撮影を行うことが可能となる。
【0040】
通信部35は、アンテナ装置71と接続されており、本体制御部30の制御に従って、コンソール101等の外部装置との間で各種情報の送受信を行うものである。
本実施形態において、通信部35は、無線アクセスポイント113(後述する図7参照)を介して無線方式でコンソール101等の外部装置との間で通信を行う。
具体的には、通信部35は、例えば、読取部45によって読み取られA/D変換部40でアナログ信号からデジタル信号に変換された画像信号に基づく画像データをコンソール101等の外部装置に送信したり、コンソール101等の外部装置から撮影オーダ情報等を受信したりする。
【0041】
〔クレードル〕
本実施形態においてクレードル4は、放射線画像撮影装置2を載置することにより、外部から放射線画像撮影装置2に電力を供給可能に構成されたキャパシタ用の充電装置である。
図4は、クレードル4と放射線画像撮影装置2とにおける充電に関係する構成のみを図示したブロック図である。
【0042】
クレードル4は、図4に示すように、外部電源(図示省略)と接続されるコンセント8が接続されているAC/DC定電圧電源部41と、充電時においてAC/DC定電圧電源部41から放射線画像撮影装置2のバッテリ28に充電電圧を印加するためのコネクタとしてのクレードル出力コネクタ部42と、AC/DC定電圧電源部41からクレードル出力コネクタ部42の配線L1,L2を通じて放射線画像撮影装置2のバッテリ28の両端(両極間)の電圧を検出する電圧検出部43と、放射線画像撮影装置2のバッテリ28の充電時に配線L1に流れる電流を検出する電流検出部44と、AC/DC定電圧電源部41を制御して定電流充電と定電圧充電とを選択的に実行させる充電制御部48と、放射線画像撮影装置2に貼付されているバーコードシール2aからバーコードを読み取るバーコード読取部49と、放射線画像撮影装置2に関する情報等を記憶する記憶部47と、を備えて構成される。
【0043】
クレードル出力コネクタ部42は、クレードル4に形成されたスロット4aに放射線画像撮影装置2を挿入してセットした場合に、放射線画像撮影装置2の装置側コネクタ部26と合致する位置に設けられており、装置側コネクタ部26に圧接可能となるように弾性支持された正極と負極との二つの端子42a,42bを備えている。
放射線画像撮影装置2の装置側コネクタ部26には、バッテリ28の正極と負極とに接続された端子26a,26bが設けられており、放射線画像撮影装置2がスロット4aに挿入されてセットされると、正極の端子同士と負極の端子同士とが押圧接触して通電可能な状態が形成されるように構成されている。
【0044】
AC/DC定電圧電源部41は、外部の交流電源であるコンセント8に接続されて一定の直流電圧電源を出力するAC/DCコンバータと、スイッチング素子を備えたPWM出力回路と、から構成される。
AC/DC定電圧電源部41を構成するPWM出力回路のスイッチング素子は、充電制御部48によりON/OFFが行われ、そのデューティー比が任意に制御されることで、バッテリ28に対する定電流充電と定電圧充電とをそれぞれ実行することが可能となっている。
【0045】
電流検出部44は、配線L1に設けられた負荷により充電電流に応じた検出信号を充電制御部48に出力する。
電圧検出部43は、配線L1と配線L2との間の電圧を検出することでバッテリ28の電圧検出を行い、その検出信号を充電制御部48に出力する。なお、この電圧検出部43は、当該電圧検出部43からバッテリ28に至るまでの配線および各コネクタ42,26の抵抗による電圧降下(検出電圧の誤差)の影響を受けた状態での電圧を検出して充電制御部48に出力するように構成されている。
【0046】
バーコード読取部49は、バーコードを光学的に読み取って充電制御部48に出力するバーコードリーダ等の識別情報読取手段であり、クレードル4に形成されたスロット4aに放射線画像撮影装置2を挿入してセットした場合に、放射線画像撮影装置2に貼付されているバーコードシール2aと合致する位置に設けられている。
【0047】
なお、クレードル4に載置されている(すなわち、クレードル4に形成されたスロット4aに挿入されている)放射線画像撮影装置2から当該放射線画像撮影装置2の識別情報を取得する手法は、必ずしもバーコードによるものでなくてもよく、放射線画像撮影装置2が、その識別情報を担持するものを備え、クレードル4が、当該クレードル4に載置されている放射線画像撮影装置2から識別情報を取得する識別情報取得手段を備える構成であれば、いかなる構成であってもよい。例えば、放射線画像撮影装置2の識別情報を、当該放射線画像撮影装置2の外形、具体的には筐体21のサイズや筐体21に設けられた凹凸の位置・個数や筐体21に設けられた反射板等の位置・個数などと予め対応付けておけば、放射線画像撮影装置2の外形を読み取って、当該放射線画像撮影装置2の識別情報を取得する構成とすることも可能であるし、また、例えば、クレードル出力コネクタ部42および装置側コネクタ部26を介して放射線画像撮影装置2と通信を行って、当該放射線画像撮影装置2の識別情報を取得する構成とすることも可能である。
【0048】
記憶部47は、充電情報記憶手段として、当該記憶部47の充電情報記憶領域に、放射線画像撮影装置2を識別するための識別情報と、当該放射線画像撮影装置2に内蔵されているバッテリ28の充電に関する充電情報と、を対応付けて記憶している。
ここで、充電情報とは、例えば、バッテリ28の定格電圧V1、バッテリ28から電圧検出部43までの経路抵抗RL、定電流充電の充電電流Is、定電圧充電の充電終了値Ie、バッテリ28の満充電容量Cf、バッテリ28の過放電電圧閾値等を含む情報である。この充電情報に含まれる各値は、例えば、放射線画像撮影装置2の工場出荷時に測定された値である。
【0049】
また、記憶部47は、履歴情報記憶手段として、当該記憶部47の履歴情報記憶領域に、放射線画像撮影装置2を識別するための識別情報と、当該放射線画像撮影装置2に内蔵されているバッテリ28の充電量の履歴と当該放射線画像撮影装置2による撮影枚数の履歴とを含む履歴情報と、を対応付けて記憶している。
【0050】
ここで、充電制御部48による充電制御を図5および図6に基づいて説明する。
図5は、従来の充電方法を適用した場合のバッテリ28の電圧と充電電流の変化を示す線図であり、図6は、本実施形態におけるバッテリ28の電圧と充電電流の変化を示す線図である。
【0051】
図5(A)は、従来の充電制御における検出電圧(実線)およびバッテリ28の実際の電圧(破線)の時間的変化を示し、図5(B)は、従来の充電制御における充電電流の時間的変化を示している。
この図5の例では、バッテリ28の充電時において、まず、予め定められた所定の値の充電電流Is(一例として、10A)を維持するよう定電流充電を行い、バッテリ28の定格電圧V1(或いは、定格電圧未満であってそれに近い値であってもよい。一例として、4.0V)を目標電圧として設定し、バッテリ28の電圧が目標電圧(定格電圧V1)に達すると、当該目標電圧(定格電圧V1)を維持するよう定電圧充電に切り替える。そして、充電電流が予め定められた充電終了値Ie以下になると充電を終了する。
【0052】
しかしながら、この例の場合、本実施形態の放射線画像検出システム1のように、放射線画像撮影装置2の外部であるクレードル4内の電圧検出部43でバッテリ28の電圧検出を行う場合には、バッテリ28と電圧検出部43との間の距離が離れているために経路抵抗RLの影響を生じ、バッテリ28の実際の電圧が目標電圧(定格電圧V1)に到達する前に定電圧充電に切り替えられてしまうことになる。その結果、定電圧充電の所要時間が増大するという問題を生じてしまう。
そこで、本実施形態においては、バッテリ28の定格電圧V1に代えて、バッテリ28から電圧検出部43までの経路抵抗RLの影響を考慮した最大印加可能電圧V2を、目標電圧として設定することとする。
【0053】
また、放射線画像撮影装置2は、その機種等に応じて、内蔵されているバッテリ28のタイプ、具体的には、内蔵されているバッテリ28の個数や満充電容量Cfや充電特性や電圧検出部43までの経路抵抗RLなどが異なる。そのため、放射線画像撮影装置2は、その機種等に応じて、充電情報(具体的には、バッテリ28の定格電圧V1、バッテリ28から電圧検出部43までの経路抵抗RL、定電流充電の充電電流Is、定電圧充電の充電終了値Ie、バッテリ28の満充電容量Cf、バッテリ28の過放電電圧閾値等)が異なる。
そこで、本実施形態においては、バッテリ28の充電に先立って、記憶部47の充電情報記憶領域から、定格電圧V1、経路抵抗RL、充電電流Is、充電終了値Ie、満充電容量Cf、過放電電圧閾値等を含む充電情報を取得することとする。
【0054】
なお、バッテリ28が複数のバッテリにより構成されている場合、満充電容量Cfは、バッテリ28を構成する複数のバッテリ全体での満充電容量とする。この場合、満充電容量Cfに代えて、或いは、満充電容量Cfに加えて、バッテリ28を構成する複数のバッテリ全体での満充電容量を算出可能な情報(具体的には、例えば、各バッテリの満充電容量や各バッテリの接続の仕方などの情報)を記憶部47の充電情報記憶領域に記憶しておき、その情報から満充電容量Cf、すなわちバッテリ28を構成する複数のバッテリ全体での満充電容量を算出するように構成することも可能である。
【0055】
また、バッテリ28が複数のバッテリにより構成されている場合、定格電圧V1は、バッテリ28を構成する複数のバッテリ全体での定格電圧とする。この場合、定格電圧V1に代えて、或いは、定格電圧V1に加えて、バッテリ28を構成する複数のバッテリ全体での定格電圧を算出可能な情報(具体的には、例えば、各バッテリの定格電圧や各バッテリの接続の仕方などの情報)を記憶部47の充電情報記憶領域に記憶しておき、その情報から定格電圧V1、すなわちバッテリ28を構成する複数のバッテリ全体での定格電圧を算出するように構成することも可能である。
【0056】
また、経路抵抗RLに代えて、或いは、経路抵抗RLに加えて、経路抵抗RLを算出可能な情報を記憶部47の充電情報記憶領域に記憶しておき、その情報から経路抵抗RLを算出するように構成することも可能である。
ここで、経路抵抗RLを算出可能な情報とは、例えば、バッテリ28から装置側コネクタ部26までの経路抵抗、クレードル出力コネクタ部42から電圧検出部43までの経路抵抗、装置側コネクタ部26やクレードル出力コネクタ部42の抵抗等である。この場合、経路抵抗RLを算出可能な情報のうち、クレードル4側の情報(例えば、クレードル出力コネクタ部42から電圧検出部43までの経路抵抗やクレードル出力コネクタ部42の抵抗など)は記憶部47等に別途記憶しておき、記憶部47の充電情報記憶領域には、放射線画像撮影装置2側の情報(例えば、バッテリ28から装置側コネクタ部26までの経路抵抗や装置側コネクタ部26の抵抗など)のみを記憶しておくことも可能である。
【0057】
図6(A)は、本実施形態の充電制御における検出電圧(実線)およびバッテリ28の実際の電圧(破線)の時間的変化を示し、図6(B)は、本実施形態の充電制御における充電電流の時間的変化を示している。
【0058】
まず、バーコード読取部49が放射線画像撮影装置2に貼付されているバーコードシール2aからバーコードを読み取って充電制御部48に出力すると、充電制御部48は、当該バーコードの中から当該放射線画像撮影装置2の識別情報を取得し、取得した識別情報に対応する充電情報を記憶部47の充電情報記憶領域から取得する。
すなわち、バーコード読取部49と充電制御部48とで、本発明の取得手段が形成されている。
【0059】
次いで、充電制御部48は、取得した充電情報に基づいて最大印加可能電圧V2を特定し、特定した最大印加可能電圧V2を目標電圧として設定する。
具体的には、充電制御部48は、例えば、取得した充電情報に含まれる定格電圧V1と経路抵抗RLと充電電流Isとを用いて最大印加可能電圧V2(V2=V1+RL×Is)を算出し、算出した最大印加可能電圧V2を目標電圧として設定する。この場合、定格電圧V1と経路抵抗RLと充電電流Isとが、記憶部47の充電情報記憶領域に記憶されている充電情報に含まれる、バッテリ28から電圧検出部43までの経路抵抗RLを考慮した最大印加可能電圧V2に関する情報となる。
【0060】
なお、記憶部47の充電情報記憶領域に記憶されている充電情報には、最大印加可能電圧V2が含まれていてもよい。この場合、最大印加可能電圧V2を算出しなくても、最大印加可能電圧V2を目標電圧として設定することが可能となる。
【0061】
次いで、充電制御部48は、バッテリ28の充電を開始して、まず、電流検出部44により検出される充電電流が、取得した充電情報に含まれる充電電流Is(一例として、10A)を維持するようAC/DC定電圧電源部41を制御して定電流充電を開始する。そして、電圧検出部43による検出電圧が目標電圧(最大印加可能電圧V2)に達するまで定電流制御を継続して実行する。これにより、バッテリ28の実際の電圧が、当該バッテリ28の定格電圧V1に到達するまで定電流制御を実施することが可能となる。
【0062】
次いで、バッテリ28の検出電圧が目標電圧(最大印加可能電圧V2)に達すると、定電圧充電を実行する。そして、徐々に低下する充電電流が、取得した充電情報に含まれる充電終了値Ie以下になると充電を終了する。定電圧充電では、充電電流が減少してゆくので経路抵抗RLの影響は徐々に小さくなり、最終的には検出電圧とバッテリ28の実際の電圧とはほとんど差が生じなくなる。
【0063】
この時、本実施形態において、充電制御部48は、バッテリ28の充電開始時点から充電終了時点までに要した充電時間を測定し、当該充電時間に充電開始時点(或いは、充電終了時点であってもよい。)の日時等を付加して、当該バッテリ28を内蔵する放射線画像撮影装置2の識別情報に対応付けて記憶部47の履歴情報記憶領域に記憶させるように構成されている。
ここで、充電終了時点とは、定電圧充電において電流検出部44による検出電流が充電終了値Ie以下になり充電が終了した時点、或いは、定電流充電から定電圧充電に切り替わる前や定電圧充電において電流検出部44による検出電流が充電終了値Ie以下になる前にクレードル4から放射線画像撮影装置2が引き抜かれた場合には、その引き抜かれた時点となる。
【0064】
また、本実施形態において、充電制御部48は、バッテリ28の定電流充電の開始時における通電の開始前と開始直後の2つの電流値間での電圧変化ΔV1を電圧検出部43により検出し、当該電圧変化ΔV1に検出時点(或いは、定電流充電の開始時点であってもよい。)の日時等を付加して、当該バッテリ28を内蔵する放射線画像撮影装置2の識別情報に対応付けて記憶部47の履歴情報記憶領域に記憶させるように構成されている。
定電流充電の開始時における通電の開始前後で充電電流は0からIsまで立ち上がり、検出電圧は0からΔV1まで立ち上がる。これらの変化を生じる時間が十分に短ければ、バッテリ28の実際の電圧はほとんど上昇しないので、電圧変化ΔV1はバッテリ28から電圧検出部43までの経路抵抗RLにより生じたものと考えられる。
【0065】
そして、充電制御部48は、取得した充電情報に含まれる経路抵抗RLと充電電流Isとを用いて初期状態時(すなわち工場出荷時)の電圧変化ΔV0(ΔV0=Is×RL)を算出し、当該算出した初期状態時の電圧変化ΔV0と、検出して記憶した現状の電圧変化ΔV1と、を比較して、両者の差が所定の電圧変化許容範囲外となる場合に、経時変化によりバッテリ28やバッテリ28から電圧検出部43までの経路などに劣化が生じていると判定して、劣化エラーを出力するように構成されている。
【0066】
また、本実施形態において、充電制御部48は、電圧検出部43による検出電圧に基づいて定電流充電におけるバッテリ28の電圧上昇率、すなわち単位時間あたりの電圧上昇分を算出し、当該電圧上昇率に算出時点(或いは、定電流充電の開始時点であってもよい。)の日時等を付加して、当該バッテリ28を内蔵する放射線画像撮影装置2の識別情報に対応付けて記憶部47の履歴情報記憶領域に記憶させる。
【0067】
そして、充電制御部48は、取得した充電情報に含まれる満充電容量Cfと充電電流Isとを用いて初期状態時(すなわち工場出荷時)の電圧上昇率V/T(V/T=Is/Cf。なお、V/T=Is/Cfは、Q=Cf×VおよびQ=Is×Tから導かれる。)を算出し、当該算出した初期状態時の電圧上昇率V/Tと、算出して記憶した現状の電圧上昇率と、を比較して、両者の差が所定の電圧上昇率許容範囲外となる場合に、経時変化によりバッテリ28の劣化やバッテリ28内部の短絡などが生じていると判定して、バッテリ28の充電を停止するとともに充電エラーを出力するように構成されている。
ここで、電圧上昇率V/Tは、定電流充電における電圧上昇率、すなわち定電流充電における単位時間あたりの電圧上昇分であり、図5(A)や図6(A)に示す線図のうち、定電流充電における直線の傾きを示す。
【0068】
すなわち、充電制御部48が、取得した充電情報に含まれる満充電容量Cfに基づいて、定電流充電におけるバッテリ28の電圧上昇率(初期状態時の電圧上昇率V/T)を算出する算出手段として機能する。
また、充電制御部48が、算出した現状の電圧上昇率と、算出した初期状態時の電圧上昇率V/Tとの差が所定の許容範囲外となる場合に、充電エラーを出力する充電エラー出力手段として機能する。
【0069】
ここで、クレードル4が備える表示部(図示省略)にエラーメッセージを表示したり、クレードル4からコンソール101等の外部装置にエラー通知信号を送信して当該外部装置が備える表示部(図示省略)にエラーメッセージを表示させたりすること等によって、劣化エラーや充電エラーは出力される。
クレードル4からコンソール101等の外部装置にエラー通知信号を送信する場合、クレードル4とコンソール101等の外部装置とを有線接続または無線接続して、有線方式または無線方式でエラー通知信号を送信するように構成することも可能であるし、コンソール101等の外部装置と接続している放射線画像撮影装置2を介してエラー通知信号を送信するように構成することも可能である。
【0070】
なお、本実施形態では、電圧検出部43による検出電圧に基づいて定電流充電におけるバッテリ28の現状の電圧上昇率を算出して記憶するように構成したが、これに限定されることはなく、例えば、電圧検出部43による検出電圧に基づいてバッテリ28の現状の定電流充電所要時間を算出して記憶するように構成することも可能である。この場合、取得した充電情報に含まれる満充電容量Cfと充電電流Isとを用いて初期状態時(すなわち工場出荷時)の定電流充電所要時間T1(T1=(Is/Cf)×((最大印加可能電圧V2)−(バッテリ28の充電残量)))を算出し、当該算出した初期状態時の定電流充電所要時間T1と、算出して記憶した現状の定電流充電所要時間と、を比較して、両者の差が所定の定電流充電所要時間許容範囲外となる場合に、経時変化によりバッテリ28の劣化やバッテリ28内部の短絡などが生じていると判定して、バッテリ28の充電を停止するとともに、充電エラーを出力するように構成される。
【0071】
また、本実施形態において、充電制御部48は、放射線画像撮影装置2がクレードル4に載置された時点でのバッテリ28の充電量と、充電終了時点でのバッテリ28の充電量と、を当該放射線画像撮影装置2に内蔵されているバッテリ28の充電量の履歴として、記憶部47の履歴情報記憶領域に記憶させるように構成されている。
【0072】
具体的には、充電制御部48は、放射線画像撮影装置2がクレードル4に載置された時点での電圧検出部43による検出電圧に基づいて、載置された時点でのバッテリ28の充電量、すなわち充電開始時点でのバッテリ28の充電残量を算出し、当該充電残量に算出時点(或いは、放射線画像撮影装置2がクレードル4に載置された時点であってもよい。)の日時等を付加して、当該バッテリ28を内蔵する放射線画像撮影装置2の識別情報に対応付けて記憶部47の履歴情報記憶領域に記憶させる。
【0073】
また、充電制御部48は、充電終了時点での電圧検出部43による検出電圧に基づいて、充電終了時点でのバッテリ28の充電量を算出し、当該充電量に算出時点(或いは、充電終了時点であってもよい。)の日時等を付加して、当該バッテリ28を内蔵する放射線画像撮影装置2の識別情報に対応付けて記憶部47の履歴情報記憶領域に記憶させる。ここで、充電終了時点とは、定電圧充電において電流検出部44による検出電流が充電終了値Ie以下になり充電が終了した時点、或いは、定電流充電から定電圧充電に切り替わる前や定電圧充電において電流検出部44による検出電流が充電終了値Ie以下になる前にクレードル4から放射線画像撮影装置2が引き抜かれた場合には、その引き抜かれた時点となる。
【0074】
また、本実施形態において、充電制御部48は、クレードル4に挿入された放射線画像撮影装置2から前回の充電終了からの撮影枚数を取得し、当該放射線画像撮影装置2による撮影枚数の履歴として、記憶部47の履歴情報記憶領域に記憶させるように構成されている。
【0075】
具体的には、放射線画像撮影装置2の本体制御部30は、記憶部31等に、前回の充電終了からの撮影枚数を記憶するように構成されており、クレードル4の充電制御部48は、クレードル出力コネクタ部42および装置側コネクタ部26を介して、放射線画像撮影装置2の記憶部31等に記憶されている撮影枚数を取得可能に構成されている。そして、充電制御部48は、取得した撮影枚数に当該撮影枚数を取得した時点(或いは、前回の充電終了時点であってもよい。)の日時等を付加して、当該放射線画像撮影装置2の識別情報に対応付けて記憶部47の履歴情報記憶領域に記憶させる。
【0076】
なお、放射線画像撮影装置2の記憶部31等には、前回の充電終了からの撮影枚数が判定可能な情報が記憶されていればよく、例えば、本実施形態のように前回の充電終了からの撮影枚数そのものが記憶されていてもよいし、或いは、撮影日時とその撮影での撮影枚数とが対応付けられて記憶されていてもよい。
また、本実施形態では、クレードル4に載置されている放射線画像撮影装置2から当該放射線画像撮影装置2の前回の充電終了からの撮影枚数を取得するように構成したが、これに限定されることはなく、例えば、クレードル4とコンソール101等の外部装置とが有線接続または無線接続している場合には、コンソール101等の外部装置から当該放射線画像撮影装置2の前回の充電終了からの撮影枚数(この場合も、前回の充電終了からの撮影枚数が判定可能な情報であればよい。)を取得するように構成することも可能である。
【0077】
また、本実施形態において、充電制御部48は、クレードル4に載置されている放射線画像撮影装置2の識別情報に対応付けられて記憶部47の履歴情報記憶領域に記憶されている前回の充電終了時点でのバッテリ28の充電量と、今回のバッテリ28の充電残量と、前回の充電終了からの撮影枚数とを用いて、1枚撮影あたりの使用充電量S(S=((前回の充電終了時点でのバッテリ28の充電量)−(今回のバッテリ28の充電残量))/(前回の充電終了からの撮影枚数))を算出し、当該使用充電量Sに算出時点の日時等を付加して、当該放射線画像撮影装置2の識別情報に対応付けて記憶部47の履歴情報記憶領域に記憶させるように構成されている。
具体的には、例えば、前回の充電終了時点での充電量が100%(満充電)で、今回のバッテリ28の充電残量が0%(エンプティー)で、前回の充電終了からの撮影枚数が50枚である場合、1枚撮影あたりの使用充電量Sは“満充電量の2%”と算出される。
【0078】
また、本実施形態において、充電制御部48は、クレードル4に載置されている放射線画像撮影装置2の識別情報に対応付けられて記憶部47の履歴情報記憶領域に記憶されている1枚撮影あたりの使用充電量Sの平均値と、現時点での電圧検出部43による検出電圧に基づいて検出した現時点でのバッテリ28の充電量と、に基づいて、クレードル4に載置されている放射線画像撮影装置2の現時点での撮影可能枚数を推定して出力するように構成されている。
具体的には、例えば、1枚撮影あたりの使用充電量Sの平均値が“満充電量の2%”、現時点でのバッテリ28の充電量が“満充電量の70%”である場合、現時点での撮影可能枚数として35枚と推定される。
【0079】
ここで、クレードル4が備える表示部(図示省略)に現時点での撮影可能枚数を表示したり、クレードル4からコンソール101等の外部装置に撮影可能枚数通知信号を送信して当該外部装置が備える表示部(図示省略)に現時点での撮影可能枚数を表示させたりすること等によって、現時点での撮影可能枚数は出力される。
クレードル4からコンソール101等の外部装置に撮影可能枚数通知信号を送信する場合、クレードル4とコンソール101等の外部装置とを有線接続または無線接続して、有線方式または無線方式で撮影可能枚数通知信号を送信するように構成することも可能であるし、コンソール101等の外部装置と接続している放射線画像撮影装置2を介して撮影可能枚数通知信号を送信するように構成することも可能である。
【0080】
すなわち、充電制御部48が、放射線画像撮影装置2の撮影可能枚数を、記憶部47の履歴情報記憶領域に記憶されている当該放射線画像撮影装置2の履歴情報と、当該放射線画像撮影装置2に内蔵されているバッテリ28の現時点での充電量と、に基づいて推定する推定手段として機能する。
また、充電制御部48が、推定した撮影可能枚数を出力する撮影可能枚数出力手段として機能する。
【0081】
なお、本実施形態では、クレードル4に載置されている放射線画像撮影装置2の識別情報に対応付けられて記憶部47の履歴情報記憶領域に記憶されている1枚撮影あたりの使用充電量Sの平均値に基づいて、当該放射線画像撮影装置2の現時点での撮影可能枚数を推定して出力するように構成したが、これに限定されることはなく、例えば、クレードル4に載置されている放射線画像撮影装置2の識別情報に対応付けられて記憶部47の履歴情報記憶領域に記憶されている1枚撮影あたりの使用充電量Sのうち最大の使用充電量(或いは、1枚撮影あたりの使用充電量Sを多い順に並べた場合における上位複数の使用充電量Sの平均値であってもよい。)に基づいて、当該放射線画像撮影装置2の現時点での撮影可能枚数を推定して出力するように構成することも可能であるし、クレードル4に載置されている放射線画像撮影装置2の識別情報に対応付けられて記憶部47の履歴情報記憶領域に記憶されている1枚撮影あたりの使用充電量Sのうち最小の使用充電量(或いは、1枚撮影あたりの使用充電量Sを多い順に並べた場合における下位複数の使用充電量Sの平均値であってもよい。)に基づいて、当該放射線画像撮影装置2の現時点での撮影可能枚数を推定して出力するように構成することも可能であるし、或いは、これら双方を推定して出力するように構成することも可能である。
【0082】
また、例えば、クレードル4に載置されている放射線画像撮影装置2の識別情報に対応付けられて記憶部47の履歴情報記憶領域に記憶されている1枚撮影あたりの使用充電量Sのうち最新の使用充電量Sに基づいて、当該放射線画像撮影装置2の現時点での撮影可能枚数を推定して出力するように構成することも可能である。
【0083】
また、本実施形態において、充電制御部48は、放射線画像撮影装置2がクレードル4に載置された時点での電圧検出部43による検出電圧が、取得した充電情報に含まれるバッテリ28の過放電電圧閾値を下回る場合に、バッテリ28が過放電状態であると判定し、当該判定結果(過放電判定結果)に判定時点での日時等を付与して、当該放射線画像撮影装置2の識別情報に対応付けて記憶部47の履歴情報記憶領域に記憶させるように構成されている。
そして、充電制御部48は、記憶部47の履歴情報記憶領域に記憶されている過放電判定結果に基づき、クレードル4に載置されている放射線画像撮影装置2に内蔵されているバッテリ28について、バッテリ28が過放電状態であると所定回数(例えば5回)繰り返して判定したか否かを判断し、過放電状態であると所定回数繰り返して判定したと判断した場合に、バッテリ28の充電を停止するとともに、メンテナンスエラー等の過放電エラーを出力するように構成されている。
【0084】
すなわち、充電制御部48が、バッテリ28の過放電状態を判定する判定手段として機能する。
また、充電制御部48が、過放電状態であると判定した回数が所定回数に達した場合に、過放電エラーを出力する過放電エラー出力手段として機能する。
【0085】
ここで、クレードル4が備える表示部(図示省略)にエラーメッセージを表示したり、クレードル4からコンソール101等の外部装置にエラー通知信号を送信して当該外部装置が備える表示部(図示省略)にエラーメッセージを表示させたりすること等によって、過放電エラーは出力される。
クレードル4からコンソール101等の外部装置にエラー通知信号を送信する場合、クレードル4とコンソール101等の外部装置とを有線接続または無線接続して、有線方式または無線方式でエラー通知信号を送信するように構成することも可能であるし、コンソール101等の外部装置と接続している放射線画像撮影装置2を介してエラー通知信号を送信するように構成することも可能である。
【0086】
〔放射線画像撮影システム〕
放射線画像検出システム1は、例えば図7に示すような放射線画像撮影システム100内に配置されて使用される。
放射線画像撮影システム100は、例えば、放射線画像検出システム1と、放射線画像検出システム1を構成する放射線画像撮影装置2と通信可能なコンソール101と、を備えて構成される。
【0087】
図7に示すように、放射線画像撮影装置2は、例えば、放射線を照射して患者Mの一部である被写体(患者Mの撮影対象部位)の撮影を行う撮影室R1に設けられており、コンソール101は、この撮影室R1に対応して設けられている。
なお、本実施形態においては、放射線画像撮影システム100内に1つの撮影室R1が設けられており、撮影室R1内に3つの放射線画像撮影装置2が配置されている場合を例として説明するが、撮影室R1の数、各撮影室R1に設けられる放射線画像撮影装置2の数は図示例に限定されない。
また、撮影室R1が複数ある場合に、コンソール101は各撮影室R1に対応して設けられていなくてもよく、複数の撮影室R1に対して1台のコンソール101が対応付けられていてもよい。
【0088】
撮影室R1内には、放射線画像撮影装置2を装填・保持可能なカセッテ保持部111を備えるブッキー装置110や、被写体(患者Mの撮影対象部位)に放射線を照射するX線管球等の放射線源(図示せず)を備える放射線発生装置112などが設けられている。カセッテ保持部111は、撮影時に放射線画像撮影装置2を装填するものである。
【0089】
なお、図7には撮影室R1内に臥位撮影用のブッキー装置110aと立位撮影用のブッキー装置110bとがそれぞれ1つずつ設けられている場合を例示しているが、撮影室R1内に設けられるブッキー装置110の数や種類は特に限定されない。
また、本実施形態では、各ブッキー装置110に対応して1つずつ放射線発生装置112が設けられている構成を例示しているが、例えば、撮影室R1内に放射線発生装置112を1つ備え、複数のブッキー装置110に対して1つの放射線発生装置112が対応し、適宜位置を移動させたり、放射線照射方向を変更したりする等して使用することも可能である。
【0090】
また、撮影室R1内には、放射線画像撮影装置2とコンソール101等の外部装置との間の通信を中継する無線アクセスポイント(基地局)113等が設けられている。
【0091】
また、本実施形態では、撮影室R1に隣接して前室R2が設けられている。
この前室R2には、放射線技師や医師などの操作者が被写体に放射線を照射する放射線発生装置112の管電圧、管電流、照射野絞り等の制御を行ったり、ブッキー装置110の操作等を行ったりする際に操作する操作装置114が配置されている。
【0092】
操作装置114にはコンソール101から放射線発生装置112の放射線照射条件を制御する制御信号が送信されるように構成されている。
放射線発生装置112の放射線照射条件としては、例えば、曝射開始/終了タイミング、放射線管電流の値、放射線管電圧の値、フィルタ種等があり、この放射線照射条件は、操作装置114に送信されたコンソール101からの制御信号に応じて設定される。
【0093】
放射線発生装置112には、操作装置114から放射線の曝射を指示する曝射指示信号が送信されるようになっており、放射線発生装置112は、この曝射指示信号に従って所定の放射線を所定時間、所定のタイミングで照射するように構成されている。
【0094】
コンソール101は、CPU等で構成される制御部、記憶部、入力部、表示部、通信部(何れも図示省略)等を備えるコンピュータである。
コンソール101は、放射線画像撮影装置2から送られてきた画像データに各種の画像処理を施して、当該画像データに基づく画像を表示部に表示したりする。
また、本実施形態において、コンソール101は、ネットワークNを介して、HIS/RIS121、PACSサーバ122、イメージャ123等の装置と接続されている。
【0095】
なお、本実施形態において、クレードル4は放射線画像撮影システム100の一部を構成するものであるが、図7ではその図示を省略している。
【0096】
〔クレードルによる充電制御〕
次に、クレードル4の充電制御部48による充電制御の一例について図8のフローチャートを参照して説明する。
【0097】
まず、充電制御部48は、クレードル4に載置されている放射線画像撮影装置2に対応する充電情報を取得する(ステップS1)。
具体的には、充電制御部48は、例えば、バーコード読取部49が放射線画像撮影装置2に貼付されているバーコードシール2aからバーコードを読み取って当該充電制御部48に出力すると、当該バーコードの中から当該放射線画像撮影装置2の識別情報を取得し、取得した識別情報に対応する充電情報を記憶部47の充電情報記憶領域から取得する。
【0098】
次いで、充電制御部48は、取得した充電情報に基づいて最大印加可能電圧V2を特定し、特定した最大印加可能電圧V2を目標電圧として設定する(ステップS2)。
具体的には、充電制御部48は、例えば、取得した充電情報に含まれる定格電圧V1と経路抵抗RLと充電電流Isとを用いて最大印加可能電圧V2(V2=V1+RL×Is)を算出し、算出した最大印加可能電圧V2を目標電圧として設定する。
【0099】
このように、本実施形態においては、バッテリ28から電圧検出部43までの経路抵抗RLを考慮した最大印加可能電圧V2を、目標電圧として設定することができるので、バッテリ28と電圧検出部43との間の経路抵抗RLによる検出誤差による影響を低減し、定電流充電時にバッテリ28に実際に印加される電圧を当該バッテリ28の定格電圧V1により近づけることが可能となる。これにより、定電流充電から定電圧充電に移行する際に、バッテリ28を定格電圧V1に極力近い状態まで引き上げることができ、定電圧充電の冗長化を回避し、迅速に充電を完了させることが可能となる。
【0100】
また、バッテリ28から電圧検出部43までの経路抵抗RLが大きくなったとしてもその影響を抑制することができるので、放射線画像撮影装置2の外部に電圧検出部43を設けることができ、放射線画像撮影装置2の小型化、薄型化を図ることが可能となる。
さらに、放射線画像撮影装置2側に電圧検出部を設けずに済むので、放射線画像撮影装置2から検出電圧信号を充電装置側(クレードル4側)に伝達するためのコネクタ、端子等が不要となり、さらなる小型化、薄型化を図ることが可能となるとともに、充電時における放射線画像撮影装置2の発熱が抑制されるので、放射線画像撮影装置2の機能が不安定化したり、放射線画像撮影装置2を構成する部品の寿命が短縮化したりすることを回避することが可能となる。
【0101】
また、本実施形態においては、クレードル4に載置されている放射線画像撮影装置2に対応する充電情報に基づいて最大印加可能電圧V2を特定することができるので、クレードル4に載置されている放射線画像撮影装置2の機種等に応じた充電シーケンスで充電を行うことが可能となる。
【0102】
放射線画像撮影装置2は、放射線画像撮影装置2の機種等に応じて、内蔵されているバッテリ28のタイプ、具体的には、内蔵されているバッテリ28の個数や満充電容量Cfや充電特性や電圧検出部43まで経路抵抗RLなどが異なる。そのため、放射線画像撮影装置2の機種等にかかわらず一定の充電シーケンスで充電を行うと、充電の所要時間が増大したり、満充電まで充電が行えなかったりする等の問題が生じる可能性がある。
これに対し、本実施形態のように、放射線画像撮影装置2の機種等に応じた充電シーケンスで充電を行うことで、当該問題を回避し、迅速かつ的確に充電を完了させることが可能となる。
【0103】
次いで、充電制御部48は、クレードル4に載置されている放射線画像撮影装置2に内蔵されているバッテリ28の充電残量を記憶部47の履歴情報記憶領域に記憶させる(ステップS3)。
具体的には、充電制御部48は、例えば、放射線画像撮影装置2がクレードル4に載置された時点での電圧検出部43による検出電圧に基づいて、当該放射線画像撮影装置2に内蔵されているバッテリ28の充電開始時点での充電残量を算出し、当該充電残量に算出時点の日時等を付加して、当該放射線画像撮影装置2の識別情報に対応付けて記憶部47の履歴情報記憶領域に記憶させる。
【0104】
次いで、充電制御部48は、クレードル4に載置されている放射線画像撮影装置2における前回の充電終了からの撮影枚数を記憶部47の履歴情報記憶領域に記憶させる(ステップS4)。
具体的には、充電制御部48は、例えば、クレードル出力コネクタ部42および装置側コネクタ部26を介して、クレードル4に載置されている放射線画像撮影装置2の記憶部31等に記憶されている前回の充電終了からの撮影枚数を取得し、当該撮影枚数に取得時点の日時等を付加して、当該放射線画像撮影装置2の識別情報に対応付けて記憶部47の履歴情報記憶領域に記憶させる。
【0105】
次いで、充電制御部48は、クレードル4に載置されている放射線画像撮影装置2に内蔵されているバッテリ28が過放電状態であるか否かを判断する(ステップS5)。
具体的には、充電制御部48は、例えば、放射線画像撮影装置2がクレードル4に載置された時点での電圧検出部43による検出電圧と、取得した充電情報に含まれるバッテリ28の過放電電圧閾値と、を比較して、検出電圧が過放電電圧閾値を下回るか否かを判断する。
【0106】
ステップS5で、過放電状態でないと判断した場合(ステップS5;No)、充電制御部48は、ステップS8の処理に移行する。
具体的には、充電制御部48は、例えば、検出電圧が過放電電圧閾値を下回らないと判断した場合に、クレードル4に載置されている放射線画像撮影装置2に内蔵されているバッテリ28は過放電状態でないと判定して、ステップS8の処理に移行する。
【0107】
一方、ステップS5で、過放電状態であると判断した場合(ステップS5;Yes)、充電制御部48は、クレードル4に載置されている放射線画像撮影装置2に内蔵されているバッテリ28について過放電状態であると繰り返して判定したか否かを判断する(ステップS6)。
具体的には、充電制御部48は、例えば、検出電圧が過放電電圧閾値を下回ると判断した場合に、クレードル4に載置されている放射線画像撮影装置2に内蔵されているバッテリ28は過放電状態であると判定し、当該判定結果(過放電判定結果)に判定時点での日時等を付与して、当該放射線画像撮影装置2の識別情報に対応付けて記憶部47の履歴情報記憶領域に記憶させる。そして、充電制御部48は、例えば、クレードル4に載置されている放射線画像撮影装置2の識別情報に対応付けられて記憶部47の履歴情報記憶領域に記憶されている過放電判定結果に基づき、当該放射線画像撮影装置2に内蔵されているバッテリ28について、過放電状態であると所定回数(例えば5回)繰り返して判定したか否かを判断する。
【0108】
ステップS6で、過放電状態であると繰り返して判定したと判断した場合(ステップS6;Yes)、充電制御部48は、バッテリ28の充電を中止して、過放電エラーを表示等して出力し(ステップS7)、本処理を終了する。
具体的には、充電制御部48は、例えば、過放電状態であると所定回数繰り返して判定したと判断した場合に、クレードル4に載置されている放射線画像撮影装置2に内蔵されているバッテリ28の充電を中止して、メンテナンスエラー等の過放電エラーを出力する。
【0109】
このように、本実施形態においては、バッテリ28の過放電状態を判定して、過放電状態であると判定した回数が所定回数に達した場合に過放電エラーを出力するように構成されているので、放射線技師や医師などの操作者に過放電エラーを通知することができ、メンテナンス等の要求を的確に行うことが可能となる。
【0110】
放射線画像撮影装置2は、例えば、バッテリ28の電圧が2.2V以上4.0V以下である場合は動作し、2.2V未満である場合はスリープ状態になり、2.1V以下である場合は動作が完全に停止するように構成されている。そして、動作が完全に停止している間、バッテリ28の電圧は1.9V以上2.1V以下に維持されるが、長時間放置された場合等は、1.9V未満の過放電状態になる可能性がある。実使用上、1.9V以上2.1V以下は正常状態、1.5V以上1.9V未満は再充電して使用可能だが要注意状態、1.5V未満は故障状態と分類できる。
バッテリ28の過放電状態は、当該バッテリ28の性能を低下させて寿命を縮めたり、当該バッテリ28を内蔵する放射線画像撮影装置2の機器不良を引き起こしたりする可能性があるので、バッテリ28の過放電状態が繰り返して発生するような場合には、バッテリ28をメンテナンスしたり交換したりすることが好ましい。
また、バッテリ28の故障により過放電状態が発生している可能性があるので、このような場合にも、バッテリ28をメンテナンスしたり交換したりすることが好ましい。
【0111】
ところで、放射線画像撮影装置2は、当該放射線画像撮影装置2に内蔵されているバッテリ28が過放電状態であるか否かを認識することができない。また、放射線画像撮影装置2は、バッテリ28が過放電状態である場合、正常状態であるか、要注意状態であるか、故障状態であるかを認識することもできない。
そこで、本実施形態のように、クレードル4で当該クレードル4に載置されている放射線画像撮影装置2に内蔵されているバッテリ28の過放電状態を判定して、過放電状態であると判定した回数が所定回数に達した場合に過放電エラーを出力するように構成することで、放射線技師や医師などの操作者に過放電エラーを通知して、メンテナンス等の要求を的確に行うことが可能となる。
【0112】
一方、ステップS6で、過放電状態であると繰り返して判定していないと判断した場合(ステップS6;No)、充電制御部48は、現時点での撮影可能枚数の出力(表示等)を開始する(ステップS8)。
具体的には、充電制御部48は、例えば、クレードル4に載置されている放射線画像撮影装置2の識別情報に対応付けられて記憶部47の履歴情報記憶領域に記憶されている前回の充電終了時点でのバッテリ28の充電量と、今回のバッテリ28の充電残量と、前回の充電終了からの撮影枚数と、を用いて、1枚撮影あたりの使用充電量S(S=((前回の充電終了時点でのバッテリ28の充電量)−(今回のバッテリ28の充電残量))/(前回の充電終了からの撮影枚数))を算出し、当該算出した日時等を付加して、当該放射線画像撮影装置2の識別情報に対応付けて記憶部47の履歴情報記憶領域に記憶させる。そして、充電制御部48は、例えば、クレードル4に載置されている放射線画像撮影装置2の識別情報に対応付けられて記憶部47の履歴情報記憶領域に記憶されている1枚撮影あたりの使用充電量Sの平均値と、現時点での電圧検出部43による検出電圧に基づいて検出した現時点でのバッテリ28の充電量と、に基づいて、当該放射線画像撮影装置2の現時点での撮影可能枚数を推定して出力する処理を開始する。
これにより、バッテリ28の充電中、所定のタイミング毎に現時点での撮影可能枚数が推定されて出力されるので、バッテリ28の充電が開始されて当該充電が進みバッテリ28の充電量が増加していくと、出力される現時点での撮影可能枚数も増加していくことになる。
【0113】
このように、本実施形態においては、放射線画像撮影装置2に内蔵されているバッテリ28の充電量の履歴と当該放射線画像撮影装置2による撮影枚数の履歴とを含む履歴情報と、当該バッテリ28の現時点での充電量と、に基づいて、放射線画像撮影装置2の撮影可能枚数を推定して出力することができるので、放射線技師や医師などの操作者に適切な撮影可能枚数を通知することが可能となる。これにより、放射線技師や医師などの操作者は通知された撮影可能枚数を使用の目安とすることが可能となる。
【0114】
例えば、撮影のみに使用する充電量は、放射線画像撮影装置2の使用環境にかかわらず一定であるので、放射線画像撮影装置2に内蔵されているバッテリ28の充電量の履歴や当該放射線画像撮影装置2による撮影枚数の履歴を考慮しなくても、現時点でのバッテリ28の充電量のみに基づいて、現時点での撮影可能枚数を推定することは可能である。
しかしながら、放射線画像撮影装置2は、使用環境に応じて、撮影に使用されない放置時間や撮影の間隔などが異なる。そのため、現時点でのバッテリ28の充電量のみに基づいて撮影可能枚数を推定すると、適切な撮影可能枚数を推定できない場合がある。具体的には、例えば、放射線画像撮影装置2が、充電終了後、撮影に使用されずに長時間放置されていた場合には、その間にも電力を消費するので、推定した撮影可能枚数よりも実際の撮影可能枚数が少なくなってしまうことがある。
これに対し、本実施形態のように、現時点でのバッテリ28の充電量だけでなく、放射線画像撮影装置2に内蔵されているバッテリ28の充電量の履歴や当該放射線画像撮影装置2による撮影枚数の履歴も考慮して、撮影可能枚数を推定することで、放射線画像撮影装置2の使用環境に応じた適切な撮影可能枚数を推定することが可能となる。
【0115】
また、単に現時点でのバッテリ28の充電量を表示等して出力するような場合には、何枚撮影できるか不明であるという問題があるが、本実施形態のように撮影可能枚数を表示等して出力することで、当該問題を回避することが可能となる。
【0116】
また、本実施形態においては、バッテリ28の充電中、所定のタイミング毎に現時点での撮影可能枚数を推定して出力するように構成されているので、放射線技師や医師などの操作者に、充電中における現時点での撮影可能枚数をリアルタイムで通知することが可能となる。したがって、例えば、バッテリ28の充電が満充電に達していなくても、バッテリ28の充電が進み放射線画像撮影装置2の撮影可能枚数が操作者の所望する枚数に達した場合には、放射線画像撮影装置2をクレードル4から引き抜いて撮影に使用することと等が可能になるので、操作者の好みに応じた効率のよい充電が可能となる。
【0117】
なお、前述したように、例えば、クレードル4に載置されている放射線画像撮影装置2の識別情報に対応付けられて記憶部47の履歴情報記憶領域に記憶されている1枚撮影あたりの使用充電量Sのうち最大の使用充電量S(或いは、1枚撮影あたりの使用充電量Sを多い順に並べた場合における上位複数の使用充電量Sの平均値であってもよい。)に基づいて、当該放射線画像撮影装置2の現時点での撮影可能枚数を推定して出力するように構成することも可能であるし、クレードル4に載置されている放射線画像撮影装置2の識別情報に対応付けられて記憶部47の履歴情報記憶領域に記憶されている1枚撮影あたりの使用充電量Sのうち最小の使用充電量S(或いは、1枚撮影あたりの使用充電量Sを多い順に並べた場合における下位複数の使用充電量Sの平均値であってもよい。)に基づいて、当該放射線画像撮影装置2の現時点での撮影可能枚数を推定して出力するように構成することも可能であるし、或いは、これら双方を推定して出力するように構成することも可能である。
この場合、最小撮影可能枚数および/または最大撮影可能枚数を推定して出力することができるので、放射線画像撮影装置2の使用環境にムラがあっても、適切な撮影可能枚数を推定して出力することが可能となる。
【0118】
また、前述したように、例えば、クレードル4に載置されている放射線画像撮影装置2の識別情報に対応付けられて記憶部47の履歴情報記憶領域に記憶されている1枚撮影あたりの使用充電量Sのうち最新の使用充電量Sに基づいて、当該放射線画像撮影装置2の現時点での撮影可能枚数を推定して出力するように構成することも可能である。
この場合、最新の情報に基づいて撮影可能枚数を推定して出力することができるので、バッテリ28等の経時変化に伴ってバッテリ28の容量低下等が生じたとしても、適切な撮影可能枚数を推定して出力することが可能となる。
【0119】
なお、本実施形態では、バッテリ28の充電中、所定のタイミング毎に現時点での撮影可能枚数を推定して出力するように構成したが、これに限定されることはなく、例えば、充電終了時点のみに現時点(充電終了時点)での撮影可能枚数を推定して出力するように構成することも可能である。
【0120】
次いで、充電制御部48は、クレードル4に載置されている放射線画像撮影装置2に内蔵されているバッテリ28の充電を開始して、現状の電圧変化ΔV1を検出し(ステップS9)、検出した現状の電圧変化ΔV1は許容範囲外であるか否かを判断する(ステップS10)。
具体的には、充電制御部48は、例えば、バッテリ28の定電流充電の開始時における通電の開始前と開始直後の2つの電流値間での電圧変化ΔV1を電圧検出部43により検出し、当該電圧変化ΔV1に検出時点の日時等を付加して、クレードル4に載置されている放射線画像撮影装置2の識別情報に対応付けて記憶部47の履歴情報記憶領域に記憶させる。そして、充電制御部48は、例えば、取得した充電情報に含まれる経路抵抗RLと充電電流Isとを用いて初期状態時(すなわち工場出荷時)の電圧変化ΔV0(ΔV0=Is×RL)を算出し、当該算出した初期状態時の電圧変化ΔV0と、検出して記憶した現状の電圧変化ΔV1と、を比較して、両者の差が所定の電圧変化許容範囲外となるか否かを判断する。
【0121】
ステップS10で、現状の電圧変化ΔV1は許容範囲外でないと判断した場合(ステップS10;No)、充電制御部48は、ステップS12の処理に移行する。
具体的には、充電制御部48は、例えば、当該算出した初期状態時の電圧変化ΔV0と、検出して記憶した現状の電圧変化ΔV1と、を比較して、両者の差が所定の電圧変化許容範囲外とならないと判断した場合に、ステップS12の処理に移行する。
【0122】
一方、ステップS10で、現状の電圧変化ΔV1は許容範囲外であると判断した場合(ステップS10;Yes)、充電制御部48は、劣化エラーを表示等して出力する(ステップS11)。
具体的には、充電制御部48は、例えば、当該算出した初期状態時の電圧変化ΔV0と、検出して記憶した現状の電圧変化ΔV1と、を比較して、両者の差が所定の電圧変化許容範囲外となると判断した場合に、経時変化によりバッテリ28やバッテリ28から電圧検出部43までの経路などに劣化が生じていると判定して、劣化エラーを出力する。
【0123】
このように、本実施形態においては、取得した充電情報に含まれる充電電流Isや経路抵抗RLに基づいて初期状態時の電圧変化ΔV0を算出し、現状の電圧変化ΔV1と、算出した初期状態時の電圧変化ΔV0と、の差が電圧変化許容範囲外である場合に、劣化エラーを検出して、劣化エラーを出力することができる。
【0124】
ここで、充電電流Isや経路抵抗RLなどを含む充電情報を取得することができない場合には、劣化エラーの検出を行うことができない。
これに対し、本実施形態のように、バッテリ28の充電に先立って充電電流Isや経路抵抗RLなどを含む充電情報を取得して、劣化エラーの検出を行い、適宜劣化エラーを出力して、放射線技師や医師などの操作者に、バッテリ28等の経時変化に伴うバッテリ28やバッテリ28から電圧検出部43までの経路などに劣化を報知することで、充電の安全性を的確に確保することが可能となるとともに、バッテリ28の交換タイミング等を的確に知らせることが可能となる。
なお、本実施形態では、劣化エラーを検出した場合、劣化エラーの出力のみを行うように構成したが、これに限定されることはなく、例えば、劣化エラーを検出した場合、バッテリ28の充電を停止するように構成することも可能である。
【0125】
次いで、充電制御部48は、現状の電圧上昇率を算出して(ステップS12)、算出した現状の電圧上昇率が許容範囲外であるか否かを判断する(ステップS13)。
具体的には、充電制御部48は、例えば、電圧検出部43による検出電圧に基づいて定電流充電におけるバッテリ28の電圧上昇率を算出し、当該電圧上昇率に算出時点の日時等を付加して、クレードル4に載置されている放射線画像撮影装置2の識別情報に対応付けて記憶部47の履歴情報記憶領域に記憶させる。そして、充電制御部48は、例えば、取得した充電情報に含まれる満充電容量Cfと充電電流Isとを用いて初期状態時(すなわち工場出荷時)の電圧上昇率V/T(V/T=Is/Cf)を算出し、当該算出した初期状態時の電圧上昇率V/Tと、算出して記憶した現状の電圧上昇率と、を比較して、両者の差が所定の電圧上昇率許容範囲外となるか否かを判断する。
【0126】
ステップS13で、現状の電圧上昇率は許容範囲外でないと判断した場合(ステップS13;No)、充電制御部48は、ステップS15の処理に移行する。
具体的には、充電制御部48は、例えば、当該算出した初期状態時の電圧上昇率V/Tと、算出して記憶した現状の電圧上昇率と、を比較して、両者の差が所定の電圧上昇率許容範囲外とならないと判断した場合に、ステップS15の処理に移行する。
【0127】
一方、ステップS13で、現状の電圧上昇率は許容範囲外であると判断した場合(ステップS13;Yes)、充電制御部48は、当該クレードル4に載置されている放射線画像撮影装置2に内蔵されているバッテリ28の充電を停止して、充電エラーを表示等して出力する(ステップS14)。
具体的には、充電制御部48は、例えば、当該算出した初期状態時の電圧上昇率V/Tと、算出して記憶した現状の電圧上昇率と、を比較して、両者の差が所定の電圧上昇率許容範囲外となると判断した場合に、経時変化により当該クレードル4に載置されている放射線画像撮影装置2に内蔵されているバッテリ28の劣化やバッテリ28内部の短絡などが生じていると判定して、バッテリ28の充電を停止するとともに、充電エラーを出力するように構成されている。
【0128】
このように、本実施形態においては、取得した充電情報に含まれる満充電容量Cfに基づいて定電流充電におけるバッテリ28の初期状態時の電圧上昇率V/Tを算出し、現状の電圧上昇率と、算出した初期状態時の電圧上昇率V/Tと、の差が電圧上昇率許容範囲外となる場合に、充電エラーを検出して、バッテリ28の充電を停止するとともに充電エラーを出力することができる。
具体的には、バッテリ28の劣化等により当該バッテリ28の容量が低下して、現状の電圧上昇率が初期状態時の電圧上昇率V/Tよりも高くなりすぎてしまい、両者の差(=(現状の電圧上昇率)−(初期状態時の電圧上昇率))が電圧上昇率許容範囲の上限値を上回ってしまった場合や、バッテリ28内部の短絡等により当該バッテリ28の見かけ上の容量が増加して、現状の電圧上昇率が初期状態時の電圧上昇率V/Tよりも低くなりすぎてしまい、両者の差(=(現状の電圧上昇率)−(初期状態時の電圧上昇率))が電圧上昇率許容範囲の下限値を下回ってしまった場合に、充電エラーを検出して、バッテリ28の充電を停止するとともに充電エラーを出力することができる。
【0129】
ここで、満充電容量Cf等を含む充電情報を取得することができない場合には、充電エラーの検出を行うことができない。
これに対し、本実施形態のように、バッテリ28の充電に先立って満充電容量Cf等を含む充電情報を取得して、充電エラーの検出を行い、適宜バッテリ28の充電を停止することで、充電の安全性を確保することが可能となる。また、充電エラーの検出を行い、適宜充電エラーを出力して、放射線技師や医師などの操作者に、バッテリ28等の経時変化に伴うバッテリ28の劣化やバッテリ28内部の短絡などを報知することで、充電の安全性を的確に確保することが可能となるとともに、バッテリ28の交換タイミング等を的確に知らせることが可能となる。
【0130】
次いで、充電制御部48は、ステップS14でバッテリ28の充電を停止したり、定電圧充電において電流検出部44による検出電流が充電終了値Ie以下になり充電が終了したりする等して、当該クレードル4に載置されている放射線画像撮影装置2に内蔵されているバッテリ28の充電が終了すると、充電時間を記憶部47の履歴情報記憶領域に記憶させる(ステップS15)。
具体的には、充電制御部48は、例えば、バッテリ28の充電開始時点から充電終了時点までに要した充電時間を測定し、当該充電時間に充電開始時点の日時等を付加して、クレードル4に載置されている放射線画像撮影装置2の識別情報に対応付けて記憶部47の履歴情報記憶領域に記憶させる。
【0131】
ここで、バッテリ28の充電開始時点から充電終了時点までに要した充電時間に基づいて、充電エラーの検出を行うように構成することも可能である。
具体的には、例えば、バッテリ28の充電開始時点から充電終了時点までに要した充電時間が、予定の充電時間よりも長すぎたり短すぎたりして、所定の充電時間許容範囲外である場合には、充電エラーを出力するように構成することも可能である。
これにより、放射線技師や医師などの操作者に、バッテリ28等の経時変化に伴うバッテリ28の容量低下やバッテリ28内部の短絡などを報知することができるので、充電の安全性を的確に確保することが可能となるとともに、バッテリ28の交換タイミング等を的確に知らせることが可能となる。
【0132】
なお、ステップS14でバッテリ28の充電を停止したり、定電流充電から定電圧充電に切り替わる前や定電圧充電において電流検出部44による検出電流が充電終了値Ie以下になる前にクレードル4から放射線画像撮影装置2が引き抜かれたりした場合には、バッテリ28が満充電まで充電されておらず、正確な充電時間、すなわちバッテリ28を満充電まで充電した場合に要する充電時間を取得することができないので、この場合には、バッテリ28の充電開始時点から充電終了時点までに要した充電時間に基づく充電エラーの検出を行わないように構成することも可能である。
【0133】
次いで、充電制御部48は、充電終了時点でのバッテリ28の充電量を記憶部47の履歴情報記憶領域に記憶させて(ステップS16)、本処理を終了する。
具体的には、充電制御部48は、例えば、充電終了時点での電圧検出部43による検出電圧に基づいて、充電終了時点でのバッテリ28の充電量を算出し、当該充電量に充電終了時点の日時等を付加して、クレードル4に載置されている放射線画像撮影装置2の識別情報に対応付けて記憶部47の履歴情報記憶領域に記憶させる。
【0134】
ここで、充電終了時点でのバッテリ28の充電量に基づいて、充電エラーの検出を行うように構成することも可能である。
具体的には、例えば、充電終了時点でのバッテリ28の充電量が、満充電容量Cfよりも多すぎたり少なすぎたりして、所定の満充電許容範囲外である場合には、充電エラーを出力するように構成することも可能である。
これにより、放射線技師や医師などの操作者に、バッテリ28等の経時変化に伴うバッテリ28の容量低下やバッテリ28内部の短絡などを報知することができるので、充電の安全性を的確に確保することが可能となるとともに、バッテリ28の交換タイミング等を的確に知らせることが可能となる。
【0135】
なお、ステップS14でバッテリ28の充電を停止したり、定電流充電から定電圧充電に切り替わる前や定電圧充電において電流検出部44による検出電流が充電終了値Ie以下になる前にクレードル4から放射線画像撮影装置2が引き抜かれたりした場合には、バッテリ28が満充電まで充電されていないので、この場合には、充電終了時点でのバッテリ28の充電量に基づく充電エラーの検出を行わないように構成することも可能である。
【0136】
また、記憶部47の履歴情報記憶領域に記憶されている現状の電圧変化ΔV1、現状の電圧上昇率V/T、バッテリ28の充電開始時点から充電終了時点までに要した充電時間、充電終了時点でのバッテリ28の充電量等のうちの少なくとも何れか1つに基づいて、バッテリ28の交換時期を推定して出力することも可能である。
【0137】
以上説明した本実施形態に係る充電装置としてのクレードル4および放射線画像検出システム1によれば、クレードル4は、電圧検出部43で検出される蓄電体としてのバッテリ28の電圧が目標電圧となるまで定電流充電を行うとともに、バッテリ28の電圧が目標電圧に達すると定電圧充電に切り替えるように構成されている。そして、クレードル4は、バッテリ28の充電に関する充電情報として、当該バッテリ28を内蔵する電子機器としての放射線画像撮影装置2に対応する充電情報を取得するとともに、取得した充電情報に基づいて最大印加可能電圧V2を特定し、目標電圧として設定するように構成されている。なお、充電情報には、バッテリ28から電圧検出部43までの経路抵抗RLを考慮した最大印加可能電圧V2に関する情報が含まれている。
【0138】
すなわち、バッテリ28から電圧検出部43までの経路抵抗RLを考慮した最大印加可能電圧V2を、目標電圧として設定することができるので、バッテリ28と電圧検出部43との間の経路抵抗RLによる検出誤差による影響を低減することが可能となる。これにより、予定よりも低い電圧で定電流充電から定電圧充電に移行することが回避され、充電の所要時間の短縮化を図ることが可能となる。
【0139】
また、バッテリ28から電圧検出部43までの経路抵抗RLが大きくなったとしてもその影響を抑制することができるので、放射線画像撮影装置2側に電圧検出部を設けずにクレードル4側に電圧検出部43を設けることが可能となるので、放射線画像撮影装置2の小型化、薄型化を図ることが可能となる。
さらに、放射線画像撮影装置2側に電圧検出部を設けないことにより、放射線画像撮影装置2から検出電圧信号をクレードル4側に伝達するためのコネクタ、端子等が不要となり、放射線画像撮影装置2のさらなる小型化、薄型化を図ることが可能となる。
【0140】
また、クレードル4に載置されている放射線画像撮影装置2に対応する充電情報に基づいて最大印加可能電圧V2を特定することができるので、クレードル4に載置されている放射線画像撮影装置2の機種等に応じた充電シーケンスで充電を行うことができる。したがって、クレードル4に載置されている放射線画像撮影装置2に内蔵されているバッテリ28のタイプにかかわらず効率よく的確に充電を行うことができるので、迅速かつ的確に充電を完了させることが可能となる。
【0141】
また、以上説明した本実施形態に係る充電装置としてのクレードル4および放射線画像検出システム1によれば、クレードル4は、放射線画像撮影装置2を識別するための識別情報と、当該放射線画像撮影装置2に内蔵されているバッテリ28の充電に関する充電情報と、を対応付けて記憶する充電情報記憶手段としての記憶部47を備えている。そして、放射線画像撮影装置2からは、当該放射線画像撮影装置2を識別するための識別情報が取得可能であり、クレードル4は、放射線画像撮影装置2から識別情報を取得し、当該取得した識別情報に対応する充電情報を記憶部47から取得するように構成されている。
【0142】
したがって、クレードル4に載置されている放射線画像撮影装置2に対応する充電情報を的確に取得することが可能となる。
【0143】
また、以上説明した本実施形態に係る充電装置としてのクレードル4および放射線画像検出システム1によれば、充電情報には、バッテリ28の満充電容量Cfに関する情報が含まれており、クレードル4は、取得した充電情報に含まれる満充電容量Cfに基づいて、定電流充電におけるバッテリ28の初期状態時の電圧上昇率V/Tを算出するとともに、電圧検出部43の検出電圧に基づいて現状の電圧上昇率を算出し、算出した現状の電圧上昇率と、算出した初期状態時の電圧上昇率V/Tと、の差が所定の電圧上昇率許容範囲外となる場合に、バッテリ28の充電を停止するように構成されている。
【0144】
したがって、満充電容量Cf等を含む充電情報を取得して、充電エラーの検出を行い、適宜バッテリ28の充電を停止することができるので、充電の安全性を確保することが可能となる。
【0145】
また、以上説明した本実施形態に係る充電装置としてのクレードル4および放射線画像検出システム1によれば、クレードル4は、算出した現状の電圧上昇率と、算出した初期状態時の電圧上昇率V/Tと、の差が所定の電圧上昇率許容範囲外となる場合に、充電エラーを出力するように構成されている。
【0146】
したがって、満充電容量Cf等を含む充電情報を取得して、充電エラーの検出を行い、適宜充電エラーを出力することができるので、放射線技師や医師などの操作者に、バッテリ28等の経時変化に伴うバッテリ28の劣化やバッテリ28内部の短絡などを報知することができ、充電の安全性を的確に確保することが可能となるとともに、バッテリ28の交換タイミング等を的確に知らせることが可能となる。
【0147】
また、以上説明した本実施形態に係る充電装置としてのクレードル4および放射線画像検出システム1によれば、クレードル4は、放射線画像撮影装置2に内蔵されているバッテリ28の充電量の履歴と、当該放射線画像撮影装置2による撮影枚数の履歴と、を含む履歴情報を記憶する履歴情報記憶手段としての記憶部47を備えている。そして、クレードル4は、放射線画像撮影装置2の撮影可能枚数を、記憶部47に記憶されている当該放射線画像撮影装置2の履歴情報と、当該放射線画像撮影装置2に内蔵されているバッテリ28の現時点での充電量と、に基づいて推定するとともに、推定した撮影可能枚数を出力するように構成されている。
【0148】
したがって、現時点でのバッテリ28の充電量だけでなく、放射線画像撮影装置2に内蔵されているバッテリ28の充電量の履歴や当該放射線画像撮影装置2による撮影枚数の履歴も考慮して、撮影可能枚数を推定することができるので、放射線画像撮影装置2の使用環境に応じた適切な撮影可能枚数を推定することが可能となる。
【0149】
また、以上説明した本実施形態に係る充電装置としてのクレードル4および放射線画像検出システム1によれば、クレードル4は、バッテリ28の過放電状態を判定するとともに、過放電状態であると判定した回数が所定回数に達した場合に過放電エラーを出力するように構成されている。
【0150】
したがって、クレードル4で、放射線画像撮影装置2に内蔵されているバッテリ28の過放電状態を判定して、過放電状態であると判定した回数が所定回数に達した場合に過放電エラーを出力することができるので、放射線技師や医師などの操作者に過放電エラーを通知して、メンテナンス等の要求を行うことが可能となる。
【0151】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されず、本発明の趣旨から逸脱しない限り、適宜変更可能であることはいうまでもない。
【0152】
上記実施形態では、定電流充電の開始時における充電電流の2値間での変化(充電電流を0からIsまで立ち上げる変化)を1回だけ実行するように構成したが、これに限定されることはなく、例えば図9(B)に示すように、充電電流の2値間での変化を複数回繰り返し実行してもよい。図9(B)の例では、充電電流の立ち上げ、立ち下げ、立ち上げを連続して合計3回実行している。
そして、図9(A)および図9(C)に示すように、それぞれの充電電流の状態変化に対応する電圧変化ΔV11、ΔV12、ΔV13を全て検出し、これらの平均値を電圧変化ΔV1としてもよい。
【0153】
また、上記実施形態において、クレードル4に載置されている放射線画像撮影装置2から当該放射線画像撮影装置2を識別するための識別情報を取得し、取得した識別情報に対応する充電情報を記憶部47の充電情報記憶領域から取得することによって、放射線画像撮影装置2に対応する充電情報を取得するように構成したが、これに限定されることはなく、例えば、記憶部47の充電情報記憶領域に、放射線画像撮影装置2に内蔵されているバッテリ28のタイプを識別するための識別情報と、当該放射線画像撮影装置2に内蔵されているバッテリ28の充電に関する充電情報と、を対応付けて記憶しておき、クレードル4に載置されている放射線画像撮影装置2から当該放射線画像撮影装置2に内蔵されているバッテリ28のタイプを識別するための識別情報を取得し、取得した識別情報に対応する充電情報を記憶部47の充電情報記憶領域から取得することによって、放射線画像撮影装置2に内蔵されているバッテリ28のタイプに対応する充電情報を取得するように構成することも可能である。
【0154】
また、クレードル4に載置されている放射線画像撮影装置2から、当該放射線画像撮影装置2を識別するための識別情報や、当該放射線画像撮影装置2に内蔵されているバッテリ28のタイプを識別するための識別情報ではなく、当該放射線画像撮影装置2に内蔵されているバッテリ28の充電に関する充電情報を取得するように構成することも可能である。この場合、記憶部47に充電情報を記憶していなくても、放射線画像撮影装置2に対応する充電情報を取得することが可能となる。
【0155】
また、充電情報や履歴情報を、記憶部47に代えて、或いは、記憶部47に加えて、当該放射線画像撮影装置2の記憶部31等に記憶するように構成することも可能である。この場合、クレードル4の充電制御部48は、例えばクレードル出力コネクタ部42および装置側コネクタ部26を介して放射線画像撮影装置2と通信を行って、当該放射線画像撮影装置2の記憶部31等に記憶されている充電情報や履歴情報を取得するように構成することも可能である。
また、充電情報や履歴情報を、コンソール101等の外部装置に記憶するように構成することも可能である。この場合、クレードル4の充電制御部48は、例えばコンソール101等の外部装置と通信を行って、当該外部装置に記憶されている充電情報や履歴情報を取得するように構成することも可能である。
【0156】
また、上記実施形態では、電子機器として放射線画像撮影装置2を例示して、充電装置としてクレードル4を例示したが、これに限定されることはなく、電子機器は、充電装置により充電可能な装置であれば任意であるし、充電装置は、電子機器を充電可能な装置であれば任意である。
【符号の説明】
【0157】
1 放射線画像検出システム
2 放射線画像撮影装置(電子機器)
4 クレードル(充電装置)
21 筐体
26 装置側コネクタ部(コネクタ)
28 バッテリ(蓄電体)
30 本体制御部(機能部)
31 記憶部(機能部)
32 走査駆動回路(機能部)
33 信号読み出し回路(機能部)
34 信号処理部(機能部)
35 通信部(機能部)
40 A/D変換部(機能部)
41 AC/DC定電圧電源部(電源部)
42 クレードル出力コネクタ部(コネクタ)
43 電圧検出部
44 電流検出部
47 記憶部(充電情報記憶手段、履歴情報記憶手段)
48 充電制御部(取得手段、算出手段、充電エラー出力手段、推定手段、撮影可能枚数出力手段、判定手段、過放電エラー出力手段)
49 バーコード読み取り部(取得手段)
Cf 満充電容量
RL 経路抵抗
V2 最大印加可能電圧

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各機能部に電力を供給する蓄電体を筐体内部に内蔵する電子機器に対して、相互間に設けられたコネクタを通じて前記筐体の外部から前記蓄電体に充電を行う充電装置において、
前記蓄電体に充電を行うための電力を供給する電源部と、
前記蓄電体の電圧を検出する電圧検出部と、
前記蓄電体に流す充電電流を検出する電流検出部と、
前記電圧検出部で検出される前記蓄電体の電圧が目標電圧となるまで定電流充電を行うとともに、当該蓄電体の電圧が目標電圧に達すると定電圧充電に切り替える充電制御部と、
前記蓄電体の充電に関する充電情報として、当該蓄電体を内蔵する前記電子機器または当該蓄電体のタイプに対応する充電情報を取得する取得手段と、を備え、
前記充電情報には、前記蓄電体から前記電圧検出部までの経路抵抗を考慮した最大印加可能電圧に関する情報が含まれており、
前記充電制御部は、前記取得手段により取得された充電情報に基づいて前記最大印加可能電圧を特定し、前記目標電圧として設定することを特徴とする充電装置。
【請求項2】
前記電子機器または前記電子機器に内蔵されている前記蓄電体のタイプを識別するための識別情報と、当該電子機器に内蔵されている前記蓄電体の充電に関する前記充電情報と、を対応付けて記憶する充電情報記憶手段を備え、
前記電子機器からは、当該電子機器または当該電子機器に内蔵されている前記蓄電体のタイプを識別するための識別情報が取得可能であり、
前記取得手段は、前記電子機器から前記識別情報を取得し、当該取得した識別情報に対応する充電情報を前記充電情報記憶手段から取得することを特徴とする請求項1に記載の充電装置。
【請求項3】
前記電子機器からは、当該電子機器に内蔵されている前記蓄電体の充電に関する前記充電情報が取得可能であり、
前記取得手段は、前記電子機器から前記充電情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の充電装置。
【請求項4】
前記充電情報には、前記蓄電体の満充電容量に関する情報が含まれており、
前記取得手段により取得された充電情報に含まれる前記満充電容量に基づいて、前記定電流充電における前記蓄電体の電圧上昇率を算出する算出手段を備え、
前記充電制御部は、前記電圧検出部の検出電圧に基づいて現状の電圧上昇率を算出し、当該算出した現状の電圧上昇率と、前記算出手段により算出された電圧上昇率との差が所定の許容範囲外となる場合に、前記蓄電体の充電を停止することを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の充電装置。
【請求項5】
前記充電制御部により算出された現状の電圧上昇率と、前記算出手段により算出された電圧上昇率との差が前記所定の許容範囲外となる場合に、充電エラーを出力する充電エラー出力手段を備えることを特徴とする請求項4に記載の充電装置。
【請求項6】
前記電子機器は、放射線画像撮影を行う放射線画像撮影装置であり、
前記放射線画像撮影装置に内蔵されている前記蓄電体の充電量の履歴と、当該放射線画像撮影装置による撮影枚数の履歴と、を含む履歴情報を記憶する履歴情報記憶手段と、
前記放射線画像撮影装置の撮影可能枚数を、前記履歴情報記憶手段に記憶されている当該放射線画像撮影装置の履歴情報と、当該放射線画像撮影装置に内蔵されている前記蓄電体の現時点での充電量と、に基づいて推定する推定手段と、
前記推定手段により推定された撮影可能枚数を出力する撮影可能枚数出力手段と、
を備えることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか一項に記載の充電装置。
【請求項7】
前記蓄電体の過放電状態を判定する判定手段と、
前記判定手段により過放電状態であると判定された回数が所定回数に達した場合に、過放電エラーを出力する過放電エラー出力手段と、
を備えることを特徴とする請求項1から請求項6の何れか一項に記載の充電装置。
【請求項8】
各機能部に電力を供給する蓄電体を筐体内部に内蔵する放射線画像撮影装置と、当該放射線画像撮影装置に対して、相互間に設けられたコネクタを通じて前記筐体の外部から前記蓄電体に充電を行う充電装置と、を備える放射線画像検出システムにおいて、
前記充電装置は、請求項1から請求項7の何れか一項に記載の充電装置であることを特徴とする放射線画像検出システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−151994(P2012−151994A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−8391(P2011−8391)
【出願日】平成23年1月19日(2011.1.19)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】