説明

充電装置及び携帯端末

【課題】充電電流の異常をより正確に検出しうる構成を部品点数を増大させることなく且つ回路構成を複雑化することなく実現する。
【解決手段】充電装置100は、外部電源90からの電力に基づいて電池17に充電電流を供給する充電回路70と、充電回路70から電池17への充電電流の供給をオン状態とオフ状態とに切り替えるマイコン81と、電池17の端子電圧に応じた値を出力するAD変換器82を備えている。マイコン81は、充電電流の供給を所定のタイミングでオフ状態及びオン状態の一方の状態から他方の状態に切り替え、他方の状態が所定時間経過した後に一方の状態に切り替えており、更に、他方の状態に切り替えられているときのAD変換器82からの出力値と、所定時間の前又は後に一方の状態に切り替えられているときのAD変換器82からの出力値との差に基づいて故障を判定している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電装置及び充電装置を備えた携帯端末に関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯型コードリーダなどの携帯端末では、一般的に充電可能な電池を搭載しており、この電池は携帯端末の内部又は外部に設けられた充電装置によって充電されるようになっている。この種の充電装置では、例えば定電流制御を行う充電回路などによって電池に供給する充電電流を規定値以下に制御しており、これにより電池に対して充電電流を安定的に供給している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−148252公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のような充電装置では、充電回路等が故障したときに電池に異常な充電電流が流れることが懸念されており、このような異常電流が生じると電池等の損傷を招く虞がある。従って、この種の充電装置では、装置内に充電回路等の故障を検出するための何らかの構成を設けておくことが望ましく、このような技術としては例えば特許文献1のようなものが提供されている。
【0005】
この特許文献1では、電源から電池へ流れる充電電流の経路に電流センサを設けており、この電流センサの検出値に基づいて制御回路の故障を検出している。しかしながら、特許文献1の構成では、電源からの経路に専用の電流センサを介在させているため電流センサでの損失が問題となる。また、特許文献1の技術では、制御部へ流入する異常電流を検出しており、電池に流入する充電電流を検出しているわけではないため、電池保護の面で信頼性が高いとはいえなかった。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、充電電流の異常をより正確に検出しうる構成を部品点数を増大させることなく且つ回路構成を複雑化することなく実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、外部電源からの電力に基づいて電池に充電電流を供給する充電回路と、前記充電回路から前記電池への充電電流の供給をオン状態とオフ状態とに切り替える切替制御手段と、前記電池の端子電圧に応じた値を出力する電圧測定手段と、を備えた充電装置であって、前記切替制御手段は、前記充電電流の供給を所定のタイミングで前記オフ状態及び前記オン状態の一方の状態から他方の状態に切り替え、前記他方の状態が所定時間経過した後に前記一方の状態に切り替える構成をなしており、更に、前記切替制御手段によって前記他方の状態に切り替えられているときの前記電圧測定手段による電圧測定結果と、前記所定時間の前又は後に前記一方の状態に切り替えられているときの前記電圧測定手段による電圧測定結果との差に基づいて故障を判定する故障判定手段が設けられていることを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載の充電装置であって、前記切替制御手段が、前記充電回路によって前記電池に充電電流が供給されない非充電時に前記オフ状態から前記オン状態に切り替え、前記所定時間が経過した後に前記オフ状態に切り替えている。
更に、前記故障判定手段は、前記非充電時において前記所定時間の前に前記オフ状態に切り替えられているときの前記電圧測定手段による測定電圧Vaが、前記所定時間中に前記オン状態に切り替えられているときの前記電圧測定手段による測定電圧Vbよりも小さくなり、且つ、前記所定時間の後に前記オフ状態に切り替えられたときの前記電圧測定手段による測定電圧Vcが前記所定時間中の測定電圧Vbよりも小さくなることを条件として正常と判定し、この条件を満たさない場合に故障と判定している。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1に記載の充電装置であって、前記切替制御手段が前記充電回路によって前記電池に充電電流が供給されている充電時に前記オン状態から前記オフ状態に切り替え、前記所定時間が経過した後に前記オン状態に切り替えている。
更に、前記故障判定手段は、前記充電電流の供給が前記所定時間の前に前記オン状態に切り替えられているときの前記電圧測定手段による測定電圧Vdが、前記所定時間中に前記オフ状態に切り替えられているときの前記電圧測定手段による測定電圧Veよりも大きくなり、且つ、前記所定時間の後に前記オン状態に切り替えられたときの前記電圧測定手段による測定電圧Vfが前記所定時間中の測定電圧Veよりも大きくなることを条件として正常と判定し、この条件を満たさない場合に故障と判定している。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1に記載の充電装置であって、前記切替制御手段が前記充電回路によって前記電池に充電電流が供給されない非充電時に第1の所定タイミングで前記オフ状態から前記オン状態に切り替え、前記オン状態が第1所定時間経過した後に前記オフ状態に切り替えており、前記充電回路によって前記電池に充電電流が供給されている充電時に第2の所定タイミングで前記オン状態から前記オフ状態に切り替え、前記オフ状態が第2所定時間経過した後に前記オン状態に切り替えている。
更に、前記故障判定手段は、前記非充電時の前記第1所定時間に前記オン状態に切り替えられているときの前記電圧測定手段による電圧測定結果と、前記第1所定時間の前又は後に前記オフ状態に切り替えられているときの前記電圧測定手段による電圧測定結果とを比較した第1の差を検出し、前記充電時の前記第2所定時間に前記オフ状態に切り替えられているときの前記電圧測定手段による電圧測定結果と、前記第2所定時間の前又は後に前記オン状態に切り替えられているときの前記電圧測定手段による電圧測定結果とを比較した第2の差を検出し、前記第1の差及び前記第2の差の少なくともいずれかが所定条件を満たす場合に故障と判定している。
【0011】
請求項5の発明は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の充電装置であって、前記故障判定手段は、前記他方の状態に切り替えられているときの電圧測定結果と前記一方の状態に切り替えられているときの電圧測定結果との差に基づく異常判定を複数回行っている。
【0012】
請求項6の発明は、請求項5に記載の充電装置であって、前記故障判定手段は、複数回行われる異常判定の結果が所定回数一致した場合に故障と判定している。
【0013】
請求項7の発明は、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の充電装置であって、更に、前記電池へ電流を流入させる通電状態と、前記電池への流入電流を停止させる非通電状態とに切り替え可能なスイッチと、前記故障判定手段によって故障と判定された場合に前記スイッチを前記非通電状態に切り替えるスイッチ制御手段と、が設けられていることを特徴とする。
【0014】
請求項8の発明は、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の充電装置であって、更に、前記故障判定手段による故障判定の結果を表示する表示装置が設けられていることを特徴とする。
【0015】
請求項9の発明は、請求項1から請求項8の充電装置を備えた携帯端末に係るものである。
【発明の効果】
【0016】
請求項1、9の発明では、切替制御手段が充電電流の供給を所定のタイミングでオフ状態及びオン状態の一方の状態から他方の状態に切り替え、他方の状態が所定時間経過した後に一方の状態に切り替えている。そして、故障判定手段は、切替制御手段によって他方の状態に切り替えられているときの電圧測定手段による電圧測定結果と、所定時間の前又は後に一方の状態に切り替えられているときの電圧測定手段による電圧測定結果との差に基づいて故障を判定している。
この構成によれば、電池の端子電圧の変化に基づいて充電電流の異常を判断することができるため、専用の電流センサを別途設けることなく故障を判定することができ、部品点数の削減、装置構成の簡素化を図りつつ充電電流の異常が検出可能となる。特に、電池の端子電圧の変化を検出しているため、電池に直接流入する電流の異常をより正確に検出することができ、電池を効果的に保護しやすくなる。
【0017】
請求項2の発明は、非充電時において所定時間の前にオフ状態に切り替えられているときの電圧測定手段による測定電圧Vaが、所定時間中にオン状態に切り替えられているときの電圧測定手段による測定電圧Vbよりも小さくなり(即ちVa<Vb)、且つ、所定時間の後にオフ状態に切り替えられたときの電圧測定手段による測定電圧Vcが所定時間中の測定電圧Vbよりも小さくなること(即ち、Vc<Vb)を条件として正常と判定し、この条件を満たさない場合に故障と判定している。この構成では、非充電時にオフ状態からオン状態に切り替えたときの電圧変化だけでなく、その後にオン状態からオフ状態に切り替えたときの電圧変化をも評価して故障を判定することができるため、非充電時に一層正確な故障判定が可能となる。
【0018】
請求項3の発明は、充電電流の供給が所定時間の前にオン状態に切り替えられているときの電圧測定手段による測定電圧Vdが、所定時間中にオフ状態に切り替えられているときの電圧測定手段による測定電圧Veよりも大きくなり(即ちVd>Ve)、且つ、所定時間の後にオン状態に切り替えられたときの電圧測定手段による測定電圧Vfが所定時間中の測定電圧Veよりも大きくなること(即ちVf>Ve)を条件として正常と判定し、この条件を満たさない場合に故障と判定している。この構成では、充電時にオン状態からオフ状態に切り替えたときの電圧変化だけでなく、その後にオフ状態からオン状態に切り替えたときの電圧変化をも評価して故障を判定することができるため、充電時に一層正確な故障判定が可能となる。
【0019】
請求項4の発明は、非充電時の第1所定時間にオン状態に切り替えられているときの電圧測定手段による電圧測定結果と、第1所定時間の前又は後にオフ状態に切り替えられているときの電圧測定手段による電圧測定結果とを比較した第1の差を検出し、充電時の第2所定時間にオフ状態に切り替えられているときの電圧測定手段による電圧測定結果と、第2所定時間の前又は後にオン状態に切り替えられているときの電圧測定手段による電圧測定結果とを比較した第2の差を検出している。そして、第1の差及び第2の差の少なくともいずれかが所定条件を満たす場合に故障と判定している。
この構成では、非充電時も充電時も故障判定が行われるため、故障が発生したときにより迅速に故障を検出することができ、電池を保護する上で一層有利となる。
【0020】
請求項5の発明では、他方の状態に切り替えられているときの電圧測定結果と一方の状態に切り替えられているときの電圧測定結果との差に基づく異常判定を複数回行っている。このように異常判定を複数回行うようにすれば、異常判定の信頼性をより高めることができる。
【0021】
請求項6の発明では、複数回行われる異常判定の結果が所定回数一致した場合に故障と判定している。この構成によれば、ノイズ等に起因する故障の誤判定を極力防ぐことができ、故障である可能性が極めて高い場合に故障と判定することができるようになる。
【0022】
請求項7の発明では、電池へ電流を流入させる通電状態と、電池への流入電流を停止させる非通電状態とに切り替え可能なスイッチと、故障判定手段によって故障と判定された場合にスイッチを非通電状態に切り替えるスイッチ制御手段とが設けられている。この構成によれば、故障と判定された場合に、電池への流入電流を迅速に停止することができ、異常電流に起因する電池等の損傷をより効果的に抑えることができる。
【0023】
請求項8の発明では、故障判定手段による故障判定の結果を表示する表示装置が設けられている。この構成によれば、充電装置が故障状態にあるか否かをユーザに知らしめることができ、ユーザが故障判定結果に応じた適切な対応を取りやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態に係る携帯端末の電気的構成を概略的に例示するブロック図である。
【図2】図2(A)は、図1の携帯端末で用いられる無線リーダ部を概略的に例示するブロック図であり、図2(B)は、情報コード読取部を概略的に例示するブロック図である。
【図3】図3は、第1実施形態に係る携帯端末に設けられた充電装置の構成を概略的に例示するブロック図である。
【図4】図4は、図3の充電装置における充電回路の構成を概略的に例示するブロック図である。
【図5】図5は、図3の充電装置における非充電時の故障判定の流れを例示するフローチャートである。
【図6】図6は、図3の充電装置における充電時の故障判定の流れを例示するフローチャートである。
【図7】図7は、非充電時におけるオフ状態及びオン状態の制御タイミングと、正常時の電圧及び異常時の電圧の関係を概略的に例示するタイミングチャートである。
【図8】図8は、充電時におけるオフ状態及びオン状態の制御タイミングと、正常時の電圧及び異常時の電圧の関係を概略的に例示するタイミングチャートである。
【図9】図9は、第2実施形態に係る携帯端末に設けられた充電装置の構成を概略的に例示するブロック図である。
【図10】図10は、他の実施形態に係る充電装置等を概略的に例示するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
[第1実施形態]
以下、本発明に係る充電装置及び携帯端末を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
(携帯端末の全体構成)
まず、図1、図2を参照し、携帯端末の全体構成について概説する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る携帯端末の電気的構成を概略的に例示するブロック図である。図2(A)は、図1の携帯端末で用いられる無線リーダ部を概略的に例示するブロック図であり、図2(B)は、情報コード読取部を概略的に例示するブロック図である。
【0026】
第1実施形態に係る携帯端末1は、ユーザによって携帯されて様々な場所で用いられる携帯情報端末として構成されており、バーコードや二次元コードなどの情報コードを読み取る情報コードリーダとしての機能と、無線タグを読み取る無線タグリーダとしての機能とを備え、読み取りを二方式で行うことが可能となっている。
【0027】
図1に示すように、携帯端末1は、全体的制御を司る制御部10を備えており、この制御部10に、メモリ11、キー操作部12、液晶表示器13、ブザー14、バイブレータ15、LED16、無線リーダ部20、情報コード読取部30、IrDA通信部40、Bluetooth通信部50、シリアル通信部60などが接続されている。
【0028】
制御部10は、マイコンを主体として構成されるものであり、CPU、システムバス、入出力インタフェース等を有し、メモリ11とともに情報処理装置として機能している。
メモリ11は、ROM、RAM、不揮発性メモリなどの半導体メモリによって構成されており、後述する処理を動作させる動作プログラムや様々なデータを記憶可能に構成されている。
【0029】
キー操作部12は、複数のキーによって構成され、使用者のキー操作に応じて制御部10に対して操作信号を与える構成をなしている。液晶表示器13は、公知の液晶表示パネルによって構成されており、制御部10によって表示内容が制御されるようになっている。ブザー14は、公知のブザーによって構成されており、制御部10からの動作信号に応じて所定の音を発生させるように構成されている。バイブレータ15は、携帯機器に搭載される公知のバイブレータによって構成されており、制御部10からの駆動信号に応じて振動を発生させるように構成されている。また、LED16は、制御部10からの点灯信号応じて点灯するように構成されている。
【0030】
無線リーダ部20は、アンテナ25及び制御部10と協働して図示しない無線タグとの間で電磁波による通信を行い、無線タグに記憶されるデータの読み取り、或いは無線タグへのデータの書き込みを行うように機能している。この無線リーダ部20は、公知の電波方式で伝送を行う回路として構成されており、図2(A)に示すように、送信回路21、受信回路22、整合回路23などを有している。
【0031】
送信回路21は、キャリア発振器、符号化部、増幅器、送信部フィルタ、変調部などによって構成されており、キャリア発振器から例えば周波数953MHzのキャリア(搬送波)が出力される構成をなしている。また、符号化部は、制御部10より出力される送信データを符号化して変調部に出力しており、変調部は、キャリア発振器より出力されるキャリア(搬送波)に対し、通信対象へのコマンド送信時に符号化部より出力される符号化された送信符号(変調信号)によってASK(Amplitude Shift Keying)変調された被変調信号を生成し、増幅器に出力している。増幅器は、入力信号(変調部によって変調された被変調信号)を所定のゲインで増幅し、その増幅信号を送信部フィルタに出力しており、送信部フィルタは、増幅器からの増幅信号をフィルタリングした送信信号を、整合回路23を介してアンテナ25に出力している。このようにしてアンテナ25に送信信号が出力されると、その送信信号が電磁波として当該アンテナ25より外部に放射される。一方、アンテナ25によって受信された電波信号は、整合回路23を介して受信回路22に入力される。この受信回路22は、受信部フィルタ、増幅器、復調部、二値化処理部、複号化部などによって構成されており、アンテナ25を介して受信された信号を受信部フィルタによってフィルタリングした後、増幅器によって増幅し、その増幅信号を復調部によって復調する。そして、その復調された信号波形を二値化処理部によって二値化し、復号化部にて復号化した後、その復号化された信号を受信データとして制御部10に出力している。
【0032】
情報コード読取部30は図2(B)に示すように、CCDエリアセンサなどの固体撮像素子からなる受光センサ33、結像レンズ37、複数個のLEDやレンズ等から構成される照明部31などを備えた構成をなしており、制御部10と協働して読取対象物Rに付された情報コードC(バーコードやQRコード(登録商標)等)を読み取るように機能する。 この情報コード読取部30では、情報コードの読み取りを行う場合、制御部10から指令を受けた照明部31にて照明光Lfが出射され、この照明光Lfが情報コードCにて反射した反射光Lrが読取口(図示略)を通って装置内に取り込まれ、結像レンズ37を通って受光センサ33に受光されるようになっている。読取口と受光センサ33との間に配される結像レンズ37は、情報コードCの像を受光センサ33上に結像させるものであり、受光センサ33はこの情報コードCの像に応じた受光信号を出力する。受光センサ33から出力される受光信号は、画像データとしてメモリ11(図2)に記憶され、デコード処理などに用いられる。なお、情報コード読取部30には、受光センサ33からの信号を増幅する公知の増幅回路や、その増幅された信号をデジタル信号に変換する公知のAD変換回路等が設けられているがこれらの回路については図示を省略している。
【0033】
更に、制御部10には、IrDA通信部40、Bluetooth通信部50、シリアル通信部60等も接続されており、外部装置との間で有線通信や無線通信が可能となっている。
【0034】
また、携帯端末1には、電池17や電源回路として構成される電源部18が設けられており、これらによって制御部10や各種電気部品に電力が供給されている。電池17は、充電可能な二次電池(例えばリチウムイオン電池等)によって構成されており、充電時には後述する充電装置100(図3)からの電力供給を受けることが可能となっている。
【0035】
(充電装置)
次に、充電装置100について説明する。
図3は、第1実施形態に係る携帯端末に設けられた充電装置の構成を概略的に例示するブロック図である。図4は、図3の充電装置における充電回路の構成を概略的に例示するブロック図である。図5は、図3の充電装置における非充電時の故障判定の流れを例示するフローチャートである。図6は、図3の充電装置における充電時の故障判定の流れを例示するフローチャートである。図7は、非充電時におけるオフ状態及びオン状態の制御タイミングと、正常時の電圧及び異常時の電圧の関係を概略的に例示するタイミングチャートである。図8は、充電時におけるオフ状態及びオン状態の制御タイミングと、正常時の電圧及び異常時の電圧の関係を概略的に例示するタイミングチャートである。
【0036】
図3に示すように、充電装置100には、携帯端末1に設けられた図示しない端子を介して外部電源90(商用電源等)に接続される充電回路70が設けられている。この充電回路70は、外部電源90からの電力に基づいて電池17に充電電流を供給するものであり、例えば図4のような構成をなしている。図4に示す充電回路70は、抵抗R1,R2と、PNP型トランジスタTr1,Tr2と、NPN型トランジスタTr3とを備え、電池17に対して定電流を供給する定電流制御回路として構成されている。
【0037】
この充電回路70では、抵抗R1の一端側が商用電源からの電力供給路91とPNP型トランジスタTr1のエミッタ端子に接続され、抵抗R1の他端側がPNP型トランジスタTr2のエミッタ端子とPNP型トランジスタTr1のベース端子に接続されている。また、PNP型トランジスタTr1のコレクタ端子は、PNP型トランジスタTr2のベース端子と抵抗R2の一端側に接続されており、抵抗R2の他端側はNPN型トランジスタTr3のコレクタ端子に接続されている。また、NPN型トランジスタTr3のベース端子はマイコン81の出力ポートに接続されており、NPN型トランジスタTr3のエミッタ端子は接地されている。
【0038】
この充電回路70は、マイコン81からHレベルの制御信号が出力されることでNPN型トランジスタTr3のベース端子に電圧が印加され、このNPN型トランジスタTr3がオン状態とされたときに電池17に対して一定量の充電電流が供給されるようになっている。一方、マイコン81からNPN型トランジスタTr3のベース端子に出力される制御信号がLレベルになったときに、NPN型トランジスタTr3がオフ状態となり、PNP型トランジスタTr2がオフ状態となって電池17への充電電流の供給を停止するように構成されている。
【0039】
図3に示すマイコン81は、例えばCPUを備えた公知のマイコンとして構成されており、充電回路70に対してオン信号(Hレベル信号)又はオフ信号(Lレベル信号)を出力するように構成されている。なお、本実施形態では、マイコン81が「切替制御手段」の一例に相当し、充電回路70から電池17への充電電流の供給をオン状態とオフ状態とに切り替えるように機能する。
【0040】
AD変換器82は、電圧値のアナログ信号をデジタル信号に変換する公知のAD変換器として構成されており、電池17の端子電圧に応じた値を出力するように構成されている。なお、本実施形態では、AD変換器82が「電圧測定手段」の一例に相当し、電池17の端子電圧に応じた値を出力するように機能する。
【0041】
また、外部電源90から充電回路70までの電力供給路91は、充電回路70を介して電池17に充電電流を供給する充電電流供給路71と、携帯端末1の電源部18に電力を供給する外部電力供給路72とに分岐しており、外部電力供給路72には順方向ダイオードD1が設けられ、電流の逆流が防止されている。このように構成されているため、携帯端末1に外部電源90が接続されているときには、外部電源90からの電力に基づいて電源部18から各種部品に電力を供給することができるようになっている。
【0042】
また、電池17と充電回路70の間において、内部電力供給路73が分岐しており、内部電力供給路73には順方向ダイオードD2が設けられ、電流の逆流が防止されている。このように構成されているため、電池17の電力に基づいて電源部18から各種部品に電力を供給することができるようになっている。なお、外部電力供給路72と内部電力供給路73は、共通の電力供給路74を介して電源部18(図3では詳細な図示を省略)に接続されている。この構成では、ダイオードD2の存在により、外部電源90と電池17との短絡が防がれているが、外部電力供給路72と内部電力供給路73とが何らかの理由で短絡した場合であっても電池17に対する異常電流が抑制されるように後述する特徴的対策が図られている。
【0043】
上記のように構成される充電装置100では、図5、図6のような流れで故障判定が行われる。電池17に対して充電電流が供給されていない非充電時には、図5のような流れで故障判定処理が行われる。なお、本実施形態では、マイコン81において満充電時に充電回路70をオフ状態に切り替える機能が設けられており、例えば外部電源90が接続されているときに電池17の端子電圧が所定の閾値を超えている場合には、後述する所定時間を除き、充電回路70をオフ状態に切り替えて充電電流の供給を停止させている。
【0044】
図5の故障判定処理は、上述のように、外部電源90が接続され且つ電池17に対する充電電流の供給が停止されている非充電時(例えば満充電による供給停止時)に、マイコン81によって所定の時間間隔(具体的にはS2でのオン時間よりも長い時間間隔)で行われるようになっている。この図5の処理では、当該処理開始後、図7のようにマイコン81から制御信号がLレベルとなっている第1のタイミングta(例えば図5の処理の開始から一定時間経過したタイミング)のときにAD変換器82から電池17の端子電圧を示す電圧値Vaを取得する(S1)。
【0045】
そして、電圧値Vaを取得した後の所定タイミング(第1の所定タイミング)で制御信号をHレベルに設定してオフ状態からオン状態に切り替えている(S2)。第1の所定タイミングは様々なタイミングとすることができるが、例えば、電圧値Vaを取得してから一定時間経過したタイミングとすることができる。そして、制御信号をHレベルに設定して充電回路70をオフ状態からオン状態に切り替えた後、このオン状態が維持されている第2のタイミングtbのときにAD変換器82から電池17の端子電圧を示す電圧値Vbを取得する(S3)。第2のタイミングtbは、例えばオン状態に切り替えられてから一定時間経過したタイミングとすることができる。
【0046】
S3の処理の後には、再び充電回路70をオフ状態に切り替えている(S4)。具体的には、S2でオン状態に切り替えてからこのオン状態を所定時間T1(第1所定時間に相当する時間であり、例えば1秒以上10秒以下の一定時間)維持しており、そして、このオン状態が第1所定時間T1経過した後に、再び制御信号をLレベルに設定してオフ状態に切り替えている(S4)。S4で充電回路70をオフ状態に切り替えた後には、オフ状態が維持されている第3のタイミングtcのときにAD変換器82から電池17の端子電圧を示す電圧値Vcを取得する(S5)。なお、第3のタイミングtcは、例えばオフ状態に切り替えられてから一定時間経過したタイミングとすることができる。
【0047】
S5の処理の後には、故障の判定を行う(S6)。本実施形態では、図5のように非充電時(充電回路70によって電池17に充電電流が供給されない時)には、上記第1所定時間T1の前にオフ状態に切り替えられているときのAD変換器82(電圧測定手段)による測定電圧Vaが、上記第1所定時間T1中にオン状態に切り替えられているときのAD変換器82による測定電圧Vbよりも小さくなり、且つ、上記第1所定時間T1の後にオフ状態に切り替えられたときのAD変換器82による測定電圧Vcが上記第1所定時間T1中の測定電圧Vbよりも小さくなることを条件として正常と判定し、この条件を満たさない場合に故障と判定している。つまり、図7の中段のように、Va<Vbであり、且つVc<Vbとなる場合に正常と判定し、この条件を満たさない場合(即ち、Va≧Vb又はVc≧Vbの場合:図7下段参照)に故障と判定している。
【0048】
S6で故障と判定された場合にはYesに進み、充電装置100に故障が発生している旨(例えば、「故障発生」等のメッセージや故障発生に対応したエラー番号等)を液晶表示器13に表示する(S7)。なお、液晶表示器13は、「表示装置」の一例に相当し、故障判定手段による故障判定の結果を表示するように機能する。一方、S6で故障発生と判定されない場合にはNoに進み、図5の処理を終了する。
【0049】
次に、電池17に対して充電電流が供給されている充電時の故障判定について説明する。本実施形態では、充電時には、図6のような流れで故障判定処理が行われる。図6の故障判定処理は、例えば外部電源90が接続され、電池17に対して充電電流が供給されているときに所定の時間間隔(具体的にはS22でのオフ時間よりも長い時間間隔)で行われる。
【0050】
この図6の処理では、当該処理開始後、図8のようにマイコン81からの制御信号がHレベルとなっている第1のタイミングtdのときにAD変換器82から電池17の端子電圧を示す電圧値Vdを取得する(S21)。なお、第1のタイミングtdは、例えば、図6の処理が開始してから一定時間経過したタイミングとすることができる。
【0051】
そして、S21で電圧値Vdを取得した後の所定タイミング(第2の所定タイミング)で制御信号をLレベルに設定してオン状態からオフ状態に切り替えている(S22)。なお、第2の所定タイミングは様々なタイミングとすることができるが、例えば、電圧値Vdを取得してから一定時間経過したタイミングとすることができる。
【0052】
S22において制御信号をLレベルに設定しオフ状態に切り替えた後には、そのオフ状態が維持されている第2のタイミングteのときにAD変換器82から電池17の端子電圧を示す電圧値Veを取得する(S23)。第2のタイミングteは、例えばオフ状態に切り替えられてから一定時間経過したタイミングとすることができる。
【0053】
S23の処理の後には、再び制御信号をHレベルに設定し、充電回路70をオン状態に切り替えている(S24)。具体的には、S22でオフ状態に切り替えてからこのオフ状態を所定時間T2(第2所定時間に相当する時間であり、例えば1秒以上10秒以下の一定時間)の間維持しており、そして、このオフ状態が第2所定時間T2経過した後に、再び制御信号をHレベルに設定してオン状態に切り替えている(S24)。S24で充電回路70をオン状態に切り替えた後には、このオン状態が維持されている第3のタイミングtfのときにAD変換器82から電池17の端子電圧を示す電圧値Vfを取得する(S25)。なお、第3のタイミングtfは、例えばオン状態に切り替えられてから一定時間経過したタイミングとすることができる。
【0054】
S25の処理の後には、故障の判定を行う(S26)。本実施形態では、図6のように充電時(充電回路70によって電池17に充電電流が供給される時)には、上記第2所定時間T2の前にオン状態に切り替えられているときのAD変換器82(電圧測定手段)による測定電圧Vdが、第2所定時間T2中にオフ状態に切り替えられているときのAD変換器82による測定電圧Veよりも大きくなり、且つ、第2所定時間T2の後にオン状態に切り替えられたときのAD変換器82による測定電圧Vfが第2所定時間T2中の測定電圧Veよりも大きくなることを条件として正常と判定し、この条件を満たさない場合に故障と判定している。つまり、図8中段のように、Vd>Veであり、且つVf>Veとなる場合に正常と判定し、この条件を満たさない場合(即ちVd≦Ve又はVf≦Veの場合:図8下段の例を参照)に故障と判定している。故障と判定された場合にはS26にてYesに進み、S7と同様に、充電装置100に故障が発生している旨を液晶表示器13に表示する(S27)。
【0055】
(第1実施形態の主な効果)
本実施形態に係る構成では、切替制御手段が充電電流の供給を所定のタイミングでオフ状態及びオン状態の一方の状態から他方の状態に切り替え、他方の状態が所定時間経過した後に一方の状態に切り替えている。そして、故障判定手段は、切替制御手段によって他方の状態に切り替えられているときのAD変換器82からの出力値と、所定時間の前又は後に一方の状態に切り替えられているときのAD変換器82からの出力値との差に基づいて故障を判定している。
この構成によれば、電池17の端子電圧の変化に基づいて充電電流の異常を判断することができるため、専用の電流センサを別途設けることなく故障を判定することができ、部品点数の削減、装置構成の簡素化を図りつつ充電電流の異常が検出可能となる。特に、電池17の端子電圧の変化を検出しているため、電池17に直接流入する電流の異常をより正確に検出することができ、電池17を効果的に保護しやすくなる。
【0056】
また、本実施形態では、図5、図7のように、非充電時において所定時間T1の前にオフ状態に切り替えられているときの電圧測定手段による測定電圧Vaが、所定時間T1中にオン状態に切り替えられているときの電圧測定手段による測定電圧Vbよりも小さくなり(即ちVa<Vb)、且つ、所定時間T1の後にオフ状態に切り替えられたときの電圧測定手段による測定電圧Vcが所定時間T1中の測定電圧Vbよりも小さくなること(即ち、Vc<Vb)を条件として正常と判定し、この条件をみたさない場合に故障と判定している。この構成では、非充電時にオフ状態からオン状態に切り替えたときの電圧変化だけでなく、その後にオン状態からオフ状態に切り替えたときの電圧変化をも評価して故障を判定することができるため、非充電時に一層正確な故障判定が可能となる。
【0057】
また、本実施形態では、充電時には、図6、図8のように、充電電流の供給が所定時間T2の前にオン状態に切り替えられているときの電圧測定手段による測定電圧Vdが、所定時間T2中にオフ状態に切り替えられているときの電圧測定手段による測定電圧Veよりも大きくなり(即ちVd>Ve)、且つ、所定時間T2の後にオン状態に切り替えられたときの電圧測定手段による測定電圧Vfが所定時間T2中の測定電圧Veよりも大きくなること(即ちVf>Ve)を条件として正常と判定し、この条件を満たさない場合に故障と判定している。この構成では、充電時にオン状態からオフ状態に切り替えたときの電圧変化だけでなく、その後にオフ状態からオン状態に切り替えたときの電圧変化をも評価して故障を判定することができるため、充電時に一層正確な故障判定が可能となる。
【0058】
また、本実施形態では、非充電時の第1所定時間T1にオン状態に切り替えられているときの電圧測定手段による電圧測定結果と、第1所定時間T1の前又は後にオフ状態に切り替えられているときの電圧測定手段による電圧測定結果とを比較した第1の差を検出し、充電時の第2所定時間T2にオフ状態に切り替えられているときの電圧測定手段による電圧測定結果と、第2所定時間T2の前又は後にオン状態に切り替えられているときの電圧測定手段による電圧測定結果とを比較した第2の差を検出している。そして、第1の差及び第2の差の少なくともいずれかが所定条件を満たす場合に故障と判定している。
この構成では、非充電時も充電時も故障判定が行われるため、故障が発生したときにより迅速に故障を検出することができ、電池17を保護する上で一層有利となる。
【0059】
また、本実施形態では、故障判定手段による故障判定の結果を表示する液晶表示器13(表示装置)が設けられている。この構成によれば、充電装置100が故障状態にあるか否かをユーザに知らしめることができ、ユーザが故障判定結果に応じた適切な対応を取りやすくなる。
【0060】
[第2実施形態]
次に、図9を参照して第2実施形態について説明する。図9は、第2実施形態に係る携帯端末に設けられた充電装置の構成を概略的に例示するブロック図である。本実施形態は、外部電源90から充電回路70までの電力供給路92にスイッチSW1を設けた点、及び、S6又はS26で故障と判定された場合に、スイッチSW1をオフ状態に切り替えている点が第1実施形態と異なり、それ以外は第1実施形態と同様である。よって、第1実施形態と同様の部分については第1実施形態と同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0061】
第2実施形態に係る充電装置200では、電池17へ電流を流入させる通電状態と、電池17への流入電流を停止させる非通電状態とに切り替え可能なスイッチSW1が設けられており、スイッチ制御手段に相当するマイコン81は、S6又はS26にて故障と判定された場合に、S7又はS27での診断結果の出力に加え、スイッチSW1を非通電状態に切り替える制御を行っている。従って、S6又はS26にて故障と判定された場合に、電池17への充電電流の供給が確実に遮断されるようになっている。なお、図9の例では、スイッチSW1が電力供給路91に設けられた例を示したが、充電回路70よりも電池17側の位置であって且つ内部電力供給路73よりも電池17側の位置にスイッチSW1が設けられていてもよい。
【0062】
(第2実施形態の主な効果)
第2実施形態の構成によれば、第1実施形態と同様の効果が得られることとなる。更に、第2実施形態の構成では、電池17へ電流を流入させる通電状態と、電池17への流入電流を停止させる非通電状態とに切り替え可能なスイッチSW1が設けられ、故障と判定された場合にスイッチSW1を非通電状態に切り替えているため、故障と判定された場合に、電池への流入電流を迅速に停止することができ、異常電流に起因する電池等の損傷をより効果的に抑えることができる。
【0063】
また、充電回路70内で短絡等が生じた場合であっても充電回路70とは独立したスイッチSW1の制御によって電池17への流入電流を停止することができるため、電池17をより確実に保護することができる。
【0064】
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0065】
上記実施形態では、制御部10とマイコン81を別々の制御回路として設けていたが、マイコン81が制御部10によって兼用されていてもよい。
【0066】
上記実施形態では、充電回路の一例として充電回路70を例示したが、マイコン81によって充電電流の供給、遮断が制御可能な構成であれば公知の様々な充電回路を採用することができる。
【0067】
上記実施形態では、図5のS6又は図6のS26で異常と判断された場合に故障と判定しているが、このようなS6又はS26の異常判定を複数回行い、異常判定の信頼性を高めるようにしてもよい。この場合、複数回行われる異常判定の結果が所定回数一致した場合に故障と判定することが望ましい。例えば、図5の処理を複数回行うことでS6の処理を複数回繰り返して行い、この繰り返されるS6の処理において所定回数連続して異常と判定された場合(即ち、繰り返されるS6において、所定回数連続してVa≧Vb又はVc≧Vbと判断される場合)に、故障と判定するようにしてもよい。或いは、図6の処理を複数回行うことでS26の処理を複数回繰り返して行い、この繰り返されるS26の処理において所定回数連続して異常と判定された場合(即ち、繰り返されるS26において所定回数連続してVd≦Ve又はVf≦Veと判断される場合)に、故障と判定するようにしてもよい。この構成によれば、ノイズ等に起因する故障の誤判定を極力防ぐことができ、故障である可能性が極めて高い場合に故障と判定することができるようになる。
【0068】
上記実施形態では、携帯端末の内部に設けられた充電装置を例示したが、図10のように携帯端末301の外部に設けられた充電装置300に、第1、第2実施形態の充電装置100,200と同様の機能をもたせてもよい。なお、図10の例では、携帯端末301の内部構成については電池17以外は省略して示しているが、充電装置100が設けられていない点以外は第1実施形態の携帯端末1(図1等参照)と同様である。
【符号の説明】
【0069】
1,201,301…携帯端末
13…液晶表示器(表示装置)
17…電池
70…充電回路
81…マイコン(切替制御手段、故障判定手段、スイッチ制御手段)
82…AD変換器(電圧測定手段)
90…外部電源
100,200,300…充電装置
SW1…スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部電源からの電力に基づいて電池に充電電流を供給する充電回路と、
前記充電回路から前記電池への充電電流の供給をオン状態とオフ状態とに切り替える切替制御手段と、
前記電池の端子電圧に応じた値を出力する電圧測定手段と、
を備えた充電装置であって、
前記切替制御手段は、前記充電電流の供給を所定のタイミングで前記オフ状態及び前記オン状態の一方の状態から他方の状態に切り替え、前記他方の状態が所定時間経過した後に前記一方の状態に切り替える構成をなしており、
更に、前記切替制御手段によって前記他方の状態に切り替えられているときの前記電圧測定手段による電圧測定結果と、前記所定時間の前又は後に前記一方の状態に切り替えられているときの前記電圧測定手段による電圧測定結果との差に基づいて故障を判定する故障判定手段が設けられていることを特徴とする充電装置。
【請求項2】
前記切替制御手段は、前記充電回路によって前記電池に充電電流が供給されない非充電時に前記オフ状態から前記オン状態に切り替え、前記所定時間が経過した後に前記オフ状態に切り替えており、
前記故障判定手段は、前記非充電時において前記所定時間の前に前記オフ状態に切り替えられているときの前記電圧測定手段による測定電圧Vaが、前記所定時間中に前記オン状態に切り替えられているときの前記電圧測定手段による測定電圧Vbよりも小さくなり、且つ、前記所定時間の後に前記オフ状態に切り替えられたときの前記電圧測定手段による測定電圧Vcが前記所定時間中の測定電圧Vbよりも小さくなることを条件として正常と判定し、この条件を満たさない場合に故障と判定することを特徴とする請求項1に記載の充電装置。
【請求項3】
前記切替制御手段は、前記充電回路によって前記電池に充電電流が供給されている充電時に前記オン状態から前記オフ状態に切り替え、前記所定時間が経過した後に前記オン状態に切り替えており、
前記故障判定手段は、前記充電電流の供給が前記所定時間の前に前記オン状態に切り替えられているときの前記電圧測定手段による測定電圧Vdが、前記所定時間中に前記オフ状態に切り替えられているときの前記電圧測定手段による測定電圧Veよりも大きくなり、且つ、前記所定時間の後に前記オン状態に切り替えられたときの前記電圧測定手段による測定電圧Vfが前記所定時間中の測定電圧Veよりも大きくなることを条件として正常と判定し、この条件を満たさない場合に故障と判定することを特徴とする請求項1に記載の充電装置。
【請求項4】
前記切替制御手段は、
前記充電回路によって前記電池に充電電流が供給されない非充電時に第1の所定タイミングで前記オフ状態から前記オン状態に切り替え、前記オン状態が第1所定時間経過した後に前記オフ状態に切り替えており、
前記充電回路によって前記電池に充電電流が供給されている充電時に第2の所定タイミングで前記オン状態から前記オフ状態に切り替え、前記オフ状態が第2所定時間経過した後に前記オン状態に切り替えており、
前記故障判定手段は、
前記非充電時の前記第1所定時間に前記オン状態に切り替えられているときの前記電圧測定手段による電圧測定結果と、前記第1所定時間の前又は後に前記オフ状態に切り替えられているときの前記電圧測定手段による電圧測定結果とを比較した第1の差を検出し、
前記充電時の前記第2所定時間に前記オフ状態に切り替えられているときの前記電圧測定手段による電圧測定結果と、前記第2所定時間の前又は後に前記オン状態に切り替えられているときの前記電圧測定手段による電圧測定結果とを比較した第2の差を検出し、
前記第1の差及び前記第2の差の少なくともいずれかが所定条件を満たす場合に故障と判定することを特徴とする請求項1に記載の充電装置。
【請求項5】
前記故障判定手段は、前記他方の状態に切り替えられているときの電圧測定結果と前記一方の状態に切り替えられているときの電圧測定結果との差に基づく異常判定を複数回行うことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の充電装置。
【請求項6】
前記故障判定手段は、複数回行われる異常判定の結果が所定回数一致した場合に故障と判定することを特徴とする請求項5に記載の充電装置。
【請求項7】
前記電池へ電流を流入させる通電状態と、前記電池への流入電流を停止させる非通電状態とに切り替え可能なスイッチと、
前記故障判定手段によって故障と判定された場合に前記スイッチを前記非通電状態に切り替えるスイッチ制御手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の充電装置。
【請求項8】
前記故障判定手段による故障判定の結果を表示する表示装置を備えたことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の充電装置。
【請求項9】
請求項1から請求項8の充電装置を備えたことを特徴とする携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−90451(P2012−90451A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−235404(P2010−235404)
【出願日】平成22年10月20日(2010.10.20)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】