説明

光アッテネータ及び光アッテネータモジュール

【課題】耐久性が高く、透過率特性も安定した光アッテネータを得る。
【解決手段】入射光の波長域で透明なガラス基板の表裏の少なくとも一方の面に入射光が回折を生じる大きさの凹凸パターンの繰返しからなる微細構造を備えている。一形態では、その微細構造はピッチが一定であり、ピッチに対する凸部の割合を示すフィリングファクタ(FF)の異なる領域を複数有する。そして、微細構造に対する入射光の入射位置をフィリングファクタの異なる領域間で移動させることにより入射光量に対する0次回折光の透過光量の割合を変化させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はレーザ加工装置など、光を用いる装置において光量を所望のレベルに低下させるための素子である光アッテネータと、その光アッテネータを用いて光量を所望のレベルに調整する動作ユニットも含めた光アッテネータモジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
光アッテネータには光量を複数のレベルに減衰させることのできるバリアブル光アッテネータがある。バリアブル光アッテネータは、(1)バタフライ方式、(2)偏光方式及び(3)膜分布方式の3種類に大別される。
【0003】
バタフライ方式は、誘電体多層膜の透過率の入射角依存性を利用したものであり、素子を傾けることによって透過率を変化させる。その方式は、ビーム径内での透過率差が発生しないことと、動作ユニットを含めて小型化できることから、広く採用されている。
【0004】
偏光方式は、レーザ光の光路上に偏光板と(λ/2)波長板を配置し、偏光板又は(λ/2)波長板を相対的に回転させることによって透過率を変化させる方式である。偏光板の変わりに偏光ビームスプリッタ(PBS)を用いているものもある。偏光方式は実現が容易であるが、減衰させる対象となる光線が直線偏光又はそれに近いものでなければ機能せず、円偏光やランダム偏光の光線では機能しない。
【0005】
膜分布方式は、誘電体多層膜や金属薄膜を形成する際に、場所ごとに膜厚を変化させることで場所ごとに透過率を変えた素子である。しかし、薄膜の透過率特性は使用温度によって変化し、また、入射光量のうち透過しなかった光量は素子に吸収されるので、素子自体の温度が上昇し、それに伴って薄膜の物理膜厚が変化して透過率が変化する。膜の吸収係数が大きい高性能薄膜では温度上昇はより顕著である。そのため、実使用を可能にするには、レーザを照射し続け、素子温度が一定になって透過率が安定するまで待たなければならないという問題がある。さらに、高出力のレーザの使用によって薄膜が破損して使用できなくなることもある。
【0006】
よって現在はビーム径内での透過率分布が無く、ランダム偏光への対応が可能で、装置全体の小型化に対応できるバタフライ方式が主流となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
いずれの方式も薄膜を使用する。薄膜は製作時の歩留まりが悪いために価格が高くなる。特に、高性能薄膜は膜厚を厳密に制御しなければならないために歩留まりが一層悪くなるうえ、薄膜材料が高価であることも加わって価格が一層高くなる。
【0008】
バタフライ方式でも膜分布方式でも、誘電体多層膜を用いるものは、YAGレーザ加工装置のような高出力の光学系に光アッテネータを使用する場合に、薄膜がレーザ光を吸収して薄膜材料が昇華するなど、耐久性が課題となる。
【0009】
いずれの方式も薄膜を光束が透過する。薄膜の透過率特性は使用温度によって変化する。さらに、いずれも入射光量のうち透過しなかった光量は素子に吸収されることになるので、素子自体の温度上昇に伴って薄膜の物理膜厚が変化し透過率が変化する。膜の吸収係数が大きい高性能薄膜では温度上昇はより顕著である。そのため、実使用を可能にするには、レーザを照射し続け、素子温度が一定になって透過率が安定するまで待たなければならなかった。
【0010】
従来の方式は薄膜を使用することから波長依存性が大きく、使用波長範囲が狭いため使用するレーザ波長毎に専用の光学素子が必要である。
【0011】
バタフライ方式では透過率を変化させるためには入射角度を変更するが、薄膜は光学特性に対する入射角度依存性が大きく、入射角度のわずかな差で特性が大きく変化するため、調光の分解能が悪い。
【0012】
本発明は耐久性が高く、透過率特性も安定した光アッテネータと、それを用いた光アッテネータモジュールを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の光アッテネータは、入射光の波長域で透明なガラス基板の表裏の少なくとも一方の面に入射光が回折を生じる大きさの凹凸パターンの繰返しからなる微細構造を備えている。一形態では、その微細構造はピッチが一定であり、ピッチに対する凸部の割合を示すフィリングファクタ(FF)の異なる領域を複数有する。フィリングファクタの異なる領域間では入射光量に対する0次回折光の透過光量の割合が異なっている。そして、微細構造に対する入射光の入射位置をフィリングファクタの異なる領域間で移動させることにより入射光量に対する0次回折光の透過光量の割合を変化させるものである。
【0014】
入射光は光アッテネータ素子に吸収されることなく、0次回折光の他、一次回折光や二次回折光としてこの光アッテネータ素子から出射していく。
【0015】
凹凸パターンからなる微細構造のピッチは入射光が回折を生じる大きさ以上である。具体的には、微細構造のピッチは入射光波長の2倍〜600倍の範囲が好ましい。この範囲は次のように求められる。回折が発生する条件は「ピッチ>入射光波長」である。しかし、ピッチが入射光波長と同等の領域では微細構造の凹凸パターンの深さを変えても透過率が0にならない。図9に微細構造の凹凸パターンの深さと0次回折光の透過率の関係を示す。図9のデータの入射光波長は1.064μm、フィリングファクタは0.5である。例えば、ピッチを2μmにすると微細構造の凹凸パターンの深さが1.4μmのときに0次回折光の透過率が約7%になる。0次回折光の透過率をさらに0%に近づけようとすると、微細構造のピッチの下限は使用波長の2倍以上が必要になる。微細構造のピッチの上限については、回折が生じるという条件からは制限はない。しかし、微細構造のピッチが大きくなると回折角度が小さくなるので、0次回折光(回折角度は0°)と1次回折光の分離が困難になる。例えば、ピッチが入射光波長の100倍であれば1次回折光の回折角度は0.57°、500倍であれば0.12°、575倍であれば0.10°、1000倍であれば0.06°である。0次回折光と1次回折光の分離の観点からピッチの上限は入射光波長の600倍程度である。
【0016】
また、微細構造の凹部の深さはピッチの0.1%〜80%が適当である。この範囲は次のように求められる。図9の結果によれば、例えばピッチが2μmの微細構造であれば、0次回折光の透過率を最大値から最小値まで変化させるには微細構造の凹部の深さを0〜1.4μm程度の範囲で変化させる必要がある。このときの微細構造の凹部の深さはピッチの0%〜70%に相当する。同様にしてピッチ20μmまでの関係をまとめたものが表1である。
【0017】
【表1】

【0018】
0次回折光の透過率は後で図2に示すようにフィリングファクタが0.5のときに最小値をとるので、表1の結果からピッチを1.5μmとすると微細構造の凹部の深さはピッチの80%にしなければならない。ピッチを20μmとすると微細構造の凹部の深さはピッチの6%でよくなる。さらにピッチを大きくすれば微細構造の凹部の深さは浅くてもすむようになる。ピッチには実用的な観点からの上限が存在するので、微細構造の凹部の深さもいくらでも浅くできるものではなく、0.1%程度が限界である。
【0019】
微細構造をドライエッチングにより形成するので、凹部の深さはフィリングファクタの大きい領域では浅く、フィリングファクタの小さい領域では深くなる。
【0020】
本発明の光アッテネータは、ガラス基板の表裏の表面が互いに平行であるものと、平行でないもののいずれも使用することができる。表裏の表面が互いに平行なガラス基板を使用すると、0次回折光は入射光と同じ方向に出射される。一方、表裏の表面が互いに平行でないガラス基板を使用すると、0次回折光は入射光とは異なった方向に出射される。
【0021】
本発明の光アッテネータは、微細構造がガラス基板の一方の面にのみ形成されているものと、表裏の両面に形成されているものの両方を含んでいる。
【0022】
微細構造がガラス基板の表裏の両面に形成されている光アッテネータでは、表側の面の微細構造と裏側の面の微細構造は同じであっても異なっていてもよい。例えば、両面の微細構造のピッチが等しく、表側の面の微細構造とそれに対向する裏側の面の微細構造のフィリングファクタも等しいものであってもよく、表側の面の微細構造とそれに対向する裏側の面の微細構造のフィリングファクタが異なっているものであってもよい。
【0023】
光アッテネータの一形態では、微細構造はガラス基板の表面上で一直線に沿ってフィリングファクタが連続的に又は段階的に変化するように構成されており、ガラス基板を微細構造のフィリングファクタが変化している方向の直線に沿って移動させると入射光量に対する0次回折光の透過光量の割合が変化する。そのため、この光アッテネータを用いるときは、入射光量に対する0次回折光の透過光量の割合を変化させるためにガラス基板をその微細構造のフィリングファクタが変化している方向の直線に沿って移動させる。
【0024】
光アッテネータの他の形態では、微細構造はガラス基板の表面上で円の円周方向に沿ってフィリングファクタが連続的に又は段階的に変化するように構成されており、ガラス基板をその円の中心を回転中心として回転させると入射光量に対する0次回折光の透過光量の割合が変化する。そのため、この光アッテネータを用いるときは、入射光量に対する0次回折光の透過光量の割合を変化させるためにガラス基板をその円の中心を回転中心として回転させる。
【0025】
光アッテネータの好ましい形態では、入射光量に対する0次回折光の透過光量の割合に対する波長依存性を低減する反射防止膜を有する。
【0026】
光アッテネータのさらに他の形態は、入射光の波長域で透明なガラス基板の表裏の少なくとも一方の面に入射光が回折を生じる大きさの凹凸パターンの繰返しからなる微細構造を有する点は上記の光アッテネータと同じであるが、微細構造に対する入射光の入射角度によって入射光量に対する0次回折光の透過光量の割合が異なっている。そのため、この光アッテネータを使用するときは、微細構造に対する入射光の入射角度を変化させることにより入射光量に対する0次回折光の透過光量の割合を変化させる。
【0027】
光アッテネータの好ましい形態では、微細構造の表面に入射光の波長の半分以下のピッチをもつ凹凸構造の反射防止構造が形成されている。
【0028】
光アッテネータの好ましい他の形態では、微細構造の表面に入射光量に対する0次回折光の透過光量の割合に対する波長依存性を低減する反射防止膜が形成されている。
【0029】
本発明の光アッテネータモジュールの一形態は、光アッテネータが微細構造のピッチが一定で、フィリングファクタの異なる領域を複数有するものである場合には、その光アッテネータと、微細構造に対する入射光の入射位置がフィリングファクタの異なる領域間で移動するようにガラス基板を変位させる移動機構と、を備えたものである。
【0030】
この形態の光アッテネータモジュールでは、光アッテネータに対する入射光のビーム径を小さくするための集光レンズと、光アッテネータを透過した0次回折光を受光する集光レンズをさらに配置するのが好ましい。これにより、入射光のビーム径内でのフィリングファクタの変化を抑えて0次回折光の透過率の分解能を向上させることができる。
【0031】
本発明の光アッテネータモジュールの他の形態は、光アッテネータが微細構造に対する入射光の入射角度を変化させることにより入射光量に対する0次回折光の透過光量の割合を変化させるものである場合には、その光アッテネータと、微細構造に対する入射光の入射角度が変化するように入射光の入射方向に対するガラス基板の入射面の角度を変位させる移動機構と、を備えたものである。
【0032】
2つ以上のアッテネータを組み合わせることによって、1つのアッテネータよりも大きな光減衰率を得るようにしてもよい。
【0033】
入射光が直線偏光の場合には、本発明の光アッテネータモジュールの光入射側にλ/4波長板を配置して円偏光に変換した後に光アッテネータに入射させるように使用するのが好ましい。
【0034】
さらに好ましい光アッテネータモジュールの形態としては、この光アッテネータモジュールの入射光の一部を分岐して取り出す第1の光分岐手段と、この光アッテネータモジュールの出射光の一部を分岐して取り出す第2の光分岐手段と、それらの第1,第2の光分岐手段により取り出された光をそれぞれ受光して検出する第1、第2の受光素子と、それらの第1、第2の受光素子の検出信号を取り込み、その検出信号のレベル比が設定した減衰率に対応したものとなるように上記の移動機構を制御する移動機構制御装置と、をさらに備えたものである。
【発明の効果】
【0035】
本発明の光アッテネータは、ガラス表面に凹凸形状を形成することによって、光を回折させて透過率を低下させるので、薄膜を使用する場合に比べてガラス材料は温度による特性が安定しており、耐久性に優れており、薄膜プロセスを使用しないため安価に製造できる。さらに、ガラス材料は波長依存性が少ないため、使用する光線に対する広帯域特性が得られる等の優れた効果を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】(A)は一実施例の光アッテネータを示す概略断面図、(B)概略平面図である。
【図2】一実施例の光アッテネータにおけるフィリングファクタ(FF)と0次回折光の透過率の関係を示すグラフである。
【図3】他の実施例を示す概略平面図である。
【図4】(A)は入射角を変更する実施例を説明する概念図、(B)は同実施例の概略構成図である。
【図5】同実施例における入射角と0次回折光の透過率の関係を示すグラフである。
【図6】光アッテネータの製造方法の一例を示す工程断面図である。
【図7】光アッテネータの製造方法の他の例を示す工程断面図である。
【図8】光アッテネータモジュールの一実施例を示すブロック図である。
【図9】微細構造の凹凸パターンの深さと0次回折光の透過率の関係を示すグラフである。
【図10】偏光状態と0次回折光の透過率との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0037】
一実施例の光アッテネータを概略的に図1(A)と(B)に示す。(A)は微細構造の凹凸形状のフィリングファクタ(FF)が変化している方向に沿った断面図、(B)はその両端部の平面図である。
【0038】
ガラス基板2は少なくとも入射光の波長域では透明な材質であり、特に限定されるものではないが、例えば石英ガラスや硼珪酸ガラス等を用いることができる。硼珪酸ガラスとしては、パイレックス(登録商標)やテンパックス(登録商標)を使用することができる。ガラス基板2の一方の表面には微細構造4が形成されている。微細構造4は凹凸パターンの繰返しからなるものである。その凹凸パターンは紙面垂直方向に延びる凸部(ライン)6と溝(スペース)8からなるライン・アンド・スペースパターンある。その凹凸パターンの1組の凹凸からなるピッチPは一定である。凸部6のライン幅がL、溝8の幅がSである。P=L+Sであり、L/Pがフィリングファクタ(FF)である。また、dは溝8の深さである。
【0039】
この実施例では、微細構造の凹凸パターンは、ピッチPが図に示された横方向(一直線の方向)に対して一定であり、フィリングファクタは図の左端では0.5、右端ではほぼ1.0である。図の左から右に向かってフィリングファクタが0.5からほぼ1の範囲で連続的に変化している。
【0040】
入射光は光アッテネータの一方の面から入射し、他方の面へ透過して出射光となる。凹凸パターンのピッチPは入射光の波長の2〜600倍の範囲に設定されている。いま例えば入射光として波長1064nmのレーザ光が使用され、ピッチPは20μmに設定されている。しかしピッチPは一例であり、入射光が回折を起こす範囲であれば適宜設定することができる。ここでは、入射光として波長1064nmのレーザ光を使用した例を示すが、他の波長の入射光でも同様である。例えば、入射光として波長266nmのレーザ光を使用する場合は、ピッチPは5μmに設定するのが適当である。
【0041】
入射光が微細構造4に入射すると、回折が起こり、入射光と同一方向に透過する0次回折光のほかに、1次回折光や2次回折光などが発生する。それぞれの回折光は出射方向が異なるために、0次回折光のみを対象物に入射させるように導くことにより、入射光に対する出射光の透過率は、0次回折光以外の回折光が生じることにより減少する。
【0042】
この実施例は0次回折光の透過率がフィリングファクタによって変化することを利用するものである。図1の実施例において、ガラス基板2として厚さが1.0mmのテンパックス(登録商標)ガラス基板を使用し、微細構造4のピッチPを20μmとし、溝8の深さdを1.2μmとし、入射光として波長が1064nmの円偏光の単色光を基板2の表面に対し垂直方向に入射させた場合の、フィリングファクタと0次回折光の透過率の測定結果を図2に示す。フィリングファクタが0.5は図1の左端のようにライン幅Lと溝幅Sが等しい状態である。この結果によれば、フィリングファクタが0.5のときは回折光が1次以上の回折光となり、0次回折光として入射光と同一方向に出射する光の透過率は0となる。フィリングファクタが0.5より小さくなっても大きくなっても透過率が上昇し、フィリングファクタが0と1に近づくにつれてほとんど0次回折光のみとなる。図1の実施例では、フィリングファクタが0.5からほぼ1の範囲で変化するように形成されているので、入射光の入射位置を図1の左から右方向に変位させると、0次回折光の透過率は0から100%近い範囲で変化させることができる。
【0043】
フィリングファクタ変化の具体的な例を示す。図1の実施例において、第1の例ではフィリングファクタが変化している範囲を24mmとし、2mm当たり0次光の透過率が10%変化するようにフィリングファクタを連続的に変化させる。第2の例ではフィリングファクタが変化している範囲を12mmとし、1mm当たり0次光の透過率が10%変化するようにフィリングファクタを連続的に変化させる。第3の例ではフィリングファクタが変化している範囲を6mmとし、0.5mm当たり0次光の透過率が10%変化するようにフィリングファクタを連続的に変化させる。この光アッテネータに入射する光束の大きさは例えば直径2mmである。
【0044】
この実施例の光アッテネータを設計するに当たり、フィリングファクタは次のように設計する。例えば、ある2mmの領域で0次光の透過率が10%変化するようにフィリングファクタを設計するには、図2の関係を2次関数で近似し、その領域でのフィリングファクタ変化率を計算により導き出す。
【0045】
一直線に沿ったフィリングファクタの変化の割合は、変化率が高ければ高いほど入射光の位置をわずかに移動させるだけで0次回折光の透過率を変えることができる。フィリングファクタの変化の割合は用途に応じて入射光を変位できる範囲との兼ね合いで適宜設計することができる。
【0046】
フィリングファクタは1に近づくほど溝の幅Sが狭くなっていくので、ガラス基板をドライエッチングにより形成する方法では0まで連続的に製作することはできない。フィリングファクタの異なるパターンを同時に形成するので、フィリングファクタの大きさによって溝の深さdは異なってくる。フィリングファクタが小さいほど溝の幅が広いために深い溝が形成され、フィリングファクタが大きくなるほど溝の深さが浅くなっていく。
【0047】
図1の実施例では基板上の一直線方向に沿ってフィリングファクタが変化しているので、入射光の位置をその一直線に沿って変わるように、基板をその直線方向に沿って移動させることにより、入射光が微細構造に入射する位置のフィリングファクタが変化し、それにより0次回折光の透過率が変化する。
【0048】
図3は第2の実施例をあらわしたものであり、この実施例ではフィリングファクタは円周方向に沿って変化するように形成されている。微細構造の凹凸パターンは円の中心から半径方向に延びる凸部9と溝10の繰返しパターンとして形成されている。
【0049】
この実施例でも、微細構造の凹凸パターンのピッチPは円周方向に沿って均一に設定されており、フィリングファクタが円周方向に沿って連続的に変化するように形成されている。フィリングファクタの変化の割合は特に限定されるものではなく、これも用途に応じて適宜設定することができる。
【0050】
図3の実施例においては、所定の角度当たり0次回折光の透過率をいくら変化させるかを設定し、図2の関係を2次関数で近似し、その領域でのフィリングファクタ変化率を計算により導き出す。
【0051】
図3の実施例ではその円の中心を回転中心として基板を回転させることにより、入射光が入射する位置での微細構造のフィリングファクタが変化し、0次回折光の透過率も変化する。入射光のビームの直径は、特に限定されないが、例えば2mmである。
【0052】
図1及び図3の実施例は基板の一方の表面にのみ微細構造の凹凸パターンが形成されたものを示しているが、基板の両面に微細構造の凹凸パターンを形成することもできる。その場合、基板の表側と裏側の対向する部分の微細構造の凹凸パターンのピッチを等しくし、フィリングファクタも等しくなるようにしてもよく、フィリングファクタは異なるようにしてもよい。基板の表側と裏側の微細構造のフィリングファクタの組合せにより、0次回折光の透過率を種々に変化させることができる。また、基板の表側と裏側の対向する部分の微細構造の凹凸パターンのピッチも必ずしも等しくしなくてもよい。
【0053】
図4は第3の実施例を表したものである。この実施例の光アッテネータ12では使用する光の波長に対し透明なガラス基板の表側と裏側の両面にそれぞれ微細構造14aと14bを備えている。ここでは微細構造14aと14bはピッチもフィリングファクタも基板の表面内で等しく、図1及び図2の実施例のように基板表面の場所によってフィリングファクタが異なることはない。図4の実施例はフィリングファクタの違いにより0次回折光の透過率を変化させるものではなく、微細構造に対する入射光の入射角を異ならせることによって0次回折光の透過率を変化させるものである。
【0054】
図4(A)のように、基板の両面に微細構造を形成した光アッテネータ12を入射光の入射方向に対し傾斜させることによって透過率を変える。そのために、図4(B)に示すように入射光に対する光アッテネータ12の傾斜角を変化させる機構を備える。なお、図4(B)において、16はレーザ発振器であり、レーザ発振器16からのレーザ光は光アッテネータ12に入射し、透過した0次回折光が受光器18により受光されて検出される。ここでは0次回折光の透過光強度を測定するために受光器18を設置しているが、レーザ加工装置では受光器18の位置に加工される対象物が配置される。
【0055】
図4の実施例で微細構造の凹凸パターンをライン・アンド・スペースとし、ピッチを20μmとし、フィリングファクタと微細構造の凹凸パターンの凹部の深さを何種類かに異ならせて形成した光アッテネータについて、入射光の入射角度に対する0次回折光の透過率を図5に示す。各光アッテネータ内では微細構造のフィリングファクタは一定である。回転方向のα回転とは微細構造の凹凸の繰返し方向を回転軸とする回転、β回転とはα回転の回転軸と直交する方向を回転方向とする回転である。α回転とβ回転とで0次回折光の透過率に優位な差異は見られない。図5の結果から、いずれも垂直入射のときの透過率が最も高く、傾斜するにつれて透過率が減少していくことが分かる。そのため、所定の角度に設定することにより所望の透過率を得ることができる。
【0056】
図5には参考例として、微細構造をもたないテンパックス(登録商標)基板の光入射角に対する透過光強度も示している。その場合の透過光は回折光ではなく、入射光が透過光と反射光に分割されたうちの透過光の比率を表わしている。
【0057】
偏光状態と0次回折光の透過率との関係を図10に示す。光アッテネータはピッチが20μm、フィリングファクタが0.5のものと0.8のものである。入射光は波長1064nmのレーザ光で、直線偏光である。凹凸パターンからなる微細構造の溝の方向に対し、入射直線偏光の振動方向が平行な場合を「TE」、入射直線偏光の振動方向が直交している場合を「TM」と呼ぶ。図10の結果から、0次回折光の透過率に関し、直線偏光のTE入射とTM入射の間に差異はなく、入射直線偏光の振動方向に依存しないことを示している。このことから、本発明の光アッテネータへの入射光は直線偏光、楕円偏光又は円偏光のいずれであってもよく、種々の偏光が混ざったランダム偏光でもよいということがいえる。
【0058】
図6と図7により製造方法の一例を示す。
【0059】
図6はその第1の例である。
(A)ガラス基板20を用意し、その表面に(B)のようにフォトレジスト22を形成する。
【0060】
(C)レジスト22に対し、マスクを介して露光し、現像し、リンスすることにより凹凸形状のレジストパターン22aを形成する。
【0061】
(D)レジストパターン22aをマスクとしてガラス基板20をドライエッチングによりパターン化する。このときは、目的とするパターンの溝の深さよりも幾らか深めにエッチングを行う。例えば目的の深さを2700nmとすれば、ここで形成する溝23はそれよりも300nm深い3000nmの深さになるようにパターン化を施す。
【0062】
(E)レジストパターン22aを剥離した後、得られた凹凸パターンの凸部24の高さを測定する。
【0063】
(F)次に、凹凸パターンが形成されている表面全面にレジスト26を塗布する。この状態ではレジスト26は溝23を埋めるとともに凸部24の頂面にも存在する。
【0064】
(G)凸部24の頂面に存在するレジスト26のみを除去し、溝23にあるレジスト26は残すようにする。このレジスト除去工程は、例えば酸素プラズマを用いたドライエッチングで行う。
【0065】
(H)2回目のドライエッチングを行い、凸部24の頂面をエッチングし、凸部24の高さを所望の高さとなるようにする。
【0066】
(I)溝23に残ったレジスト26を除去すれば微細構造が完成する。
【0067】
図7は第2の製造方法を示したものである。この製造方法は、まず金型を製作し、その金型を用いて樹脂パターンを製品のガラス基板上に形成し、それをマスクとしてガラス基板をエッチングする方法である。
【0068】
(A)金型を製作するために金型材料40として例えば直径6インチのシリコン基板を用い、その表面に電子線用レジスト42を形成する。
【0069】
(B)レジスト42に対し、電子線描画を行い、現像とリンスを行ってレジストパターン42aを形成する。
【0070】
(C)レジストパターン42aをマスクとしてシリコン基板40をドライエッチングすることによりシリコン基板表面に金型パターン44をもつ金型46を形成する。
【0071】
次に、この金型46を用いてガラス基板にパターン化を行う。金型46は繰り返し使用されるため、電子線用レジストへのパターン化は金型を製作するときの1回だけである。
【0072】
(D)金型46のパターンが形成された面に紫外線硬化型の樹脂48を塗布し、その上から製品基板となるガラス基板50を圧着する。これによりガラス基板50の表面に樹脂48に転写された微細構造用のパターンが形成される。
【0073】
(E)ガラス基板50側から紫外線を照射し、ガラス基板50と金型46の間にある樹脂48を硬化させる。
【0074】
(F)ガラス基板50から金型46を外し、樹脂パターン48aをマスクとしてガラス基板50をドライエッチングによりエッチングし、樹脂パターン48aをガラス基板50に転写する。このときガラス基板50を面内方向に回転させながらドライエッチングを行うことにより均一にエッチングを進めることができる。
【0075】
(G)樹脂48aを除去すると、ガラス基板50に微細構造の凹凸パターン52が転写された状態となる。
【0076】
(H)その後、それぞれの光アッテネータ素子ごとに切り出す。
【0077】
光アッテネータ素子は微細構造の凹凸パターンの表面に反射防止構造(ARS構造)を形成しておくのが好ましい。反射防止構造は微細構造の凹凸パターンよりもさらに微細な凹凸構造であり、入射光の波長の半分以下のピッチをもつ凹凸構造である。反射防止構造の一例は、ピッチが200nm、深さが130nmの凹凸構造である。その凹凸構造を微細構造の凹凸パターンの凸部の表面と凹部の表面に一様に形成することにより、1064nm付近の光透過率を99%に維持することができるようになる。
【0078】
そのような反射防止構造は、微細構造の凹凸パターンを形成する前のガラス基板表面に写真製版とエッチングによる方法又は図7に示されたようなナノインプリント法により形成しておく。その後に図6又は図7の方法により微細構造の凹凸パターンを形成することになるが、予め反射防止構造が形成されていることが微細構造の凹凸パターンを形成する際の障害になることはない。
【0079】
図8は光アッテネータモジュールの一実施例を概略的に表したものである。一実施例の光アッテネータ60には移動機構61が設けられている。移動機構61は、光アッテネータ60の形態に応じて、光アッテネータ60を直線的に移動させることにより光アッテネータ60に対する入射光の入射位置を変えて0次回折光の透過率を変化させるものであるか、光アッテネータ60を回転中心の周りに回転させることにより光アッテネータ60に対する入射光の入射位置を変えて0次回折光の透過率を変化させるものであるか、又は光アッテネータ60に対する入射光の入射角度が変化するように入射光の入射方向に対するアッテネータ60の入射面の角度を変位させるものである。
【0080】
レーザ光源60から光アッテネータ60に入射するレーザ入射光64の一部68を分岐して取り出す第1の光分岐手段として、レーザ入射光64の光路上に光スプリッタ66が配置されている。光スプリッタ66は例えばレーザ光64に対して透明なガラス基板が入射光64の一部を反射して取り出すように傾斜して設けられたものである。レーザ光源60は発振されるレーザ光が直線偏光であるので、円偏光に変えるために(λ/4)波長板が設けられており、レーザ光源60から出射されるレーザ光64は円偏光をもっている。
【0081】
光アッテネータ60を透過した0次回折光からなる出射光70の一部74を分岐して取り出す第2の光分岐手段として、レーザ出射光70の光路上に光スプリッタ72が配置されている。光スプリッタ72も例えばレーザ光64に対して透明なガラス基板が出射光70の一部を反射して取り出すように傾斜して設けられたものである。
【0082】
光スプリッタ66により入射光の一部として取り出された光68を受光して検出するために第1の受光素子として例えばホトダイオード76が配置され、光スプリッタ72により出射光の一部として取り出された光74を受光して検出するために第2の受光素子として例えばホトダイオード78が配置されている。
【0083】
ホトダイオード76,78の検出信号を取り込み、その検出信号のレベル比が設定した減衰率に対応したものとなるように移動機構61を制御するために移動機構制御装置80が設けられている。移動機構制御装置80はコンピュータとインターフェースからなるコンピュータシステムである。
【0084】
この光アッテネータモジュールはレーザ加工装置に適用されるのである場合には、光アッテネータ60を透過したレーザ光は被加工物である対象物82に照射される。
【0085】
光スプリッタ66,72で取り出す光の割合は予めわかっているので、光スプリッタ66,72によるレーザ光の減衰率も予めわかっている。ホトダイオード76,78の検出信号のレベル比から光アッテネータ60による減衰率を求めることができるので、対象物82に照射されるレーザ光の強度を求めることもできる。
【0086】
光アッテネータ60が、入射光の入射位置が変わることにより0次回折光の透過率が変化するものである場合には、微細構造はフィリングファクタが連続的に又は段階的に変化するように形成されている。そのため、光アッテネータ60に照射される入射光のビーム径の大きさによってはそのビーム径内でフィリングファクタが変化することがありうる。その場合には0次回折光の透過率の分解能という光アッテネータ機能の低下につながる。そこで、光アッテネータ60に照射される入射光のビーム径の大きさを小さくして光アッテネータ機能の低下を防ぐためには、図8に示されているように、光アッテネータ60に照射される入射光の光軸上に入射光のビーム径を小さくするための集光レンズ90を配置し、光アッテネータ60を透過した0次回折光を受光する位置にも集光レンズ92を配置するのが好ましい。集光レンズ92は0次回折光以外の回折光を受光しないように、集光レンズ92の大きさを設定するか、集光レンズ92の前に0次回折光以外の回折光を遮光する部材を配置する。
【符号の説明】
【0087】
2 ガラス基板
4 微細構造
6 凸部(ライン)
8 溝(スペース)
9 凸部
10 溝
12,60 光アッテネータ
16 レーザ発振器
18 受光器
60 レーザ光源
61 移動機構
64 レーザ入射光
66 第1の光分岐手段としての光スプリッタ
68 レーザ入射光の一部
70 0次回折光からなる出射光
72 第2の光分岐手段としての光スプリッタ
74 出射光の一部
76 第1の受光素子としてのホトダイオード
78 第2の受光素子としてのホトダイオード
80 移動機構制御装置
90,92 集光レンズ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射光を減衰させる光アッテネータであって、
入射光の波長域で透明なガラス基板の表裏の少なくとも一方の面に入射光が回折を生じる大きさの凹凸パターンの繰返しからなる微細構造を有し、
前記微細構造はピッチが一定であり、
前記微細構造はピッチに対する凸部の割合を示すフィリングファクタの異なる領域を複数有し、
フィリングファクタの異なる領域間では入射光量に対する0次回折光の透過光量の割合が異なっていることを特徴とする減衰率可変の光アッテネータ。
【請求項2】
前記微細構造のピッチは使用波長の2倍〜600倍の範囲であり、前記微細構造の凹部の深さはピッチの0.1%〜80%である請求項1に記載の光アッテネータ。
【請求項3】
前記微細構造の凹部の深さはフィリングファクタの大きい領域では浅く、フィリングファクタの小さい領域では深くなっている請求項1又は2に記載の光アッテネータ。
【請求項4】
前記ガラス基板は表裏の表面が互いに平行であり、前記微細構造は一方の面にのみ形成されている請求項1から3のいずれか一項に記載の光アッテネータ。
【請求項5】
前記ガラス基板は表裏の表面が互いに平行であり、前記微細構造は前記ガラス基板の表裏の両方の面に形成されている請求項1から3のいずれか一項に記載の光アッテネータ。
【請求項6】
表側の面の微細構造と裏側の面の微細構造はピッチが等しく、
表側の面の微細構造とそれに対向する裏側の面の微細構造はフィリングファクタが異なっている請求項5に記載の光アッテネータ。
【請求項7】
前記微細構造は前記ガラス基板の表面上で一直線に沿ってフィリングファクタが連続的に又は段階的に変化するように構成されており、
前記ガラス基板を前記微細構造のフィリングファクタが変化している方向の直線に沿って移動させると入射光量に対する0次回折光の透過光量の割合が変化する請求項1から6のいずれか一項に記載の光アッテネータ。
【請求項8】
前記微細構造は前記ガラス基板の表面上で円の円周方向に沿ってフィリングファクタが連続的に又は段階的に変化するように構成されており、
前記ガラス基板を前記円の中心を回転中心として回転させると入射光量に対する0次回折光の透過光量の割合が変化する請求項1から6のいずれか一項に記載の光アッテネータ。
【請求項9】
前記ガラス基板は表裏の表面が互いに非平行であり、
前記微細構造に対する入射光の入射位置をフィリングファクタの異なる領域間で移動させると入射光量に対する0次回折光の透過光量の割合が変化するとともに、出射光の出射角度も変化する請求項1から8のいずれか一項に記載の光アッテネータ。
【請求項10】
前記微細構造の凹凸パターンの表面に入射光の波長の半分以下のピッチをもつ凹凸構造の反射防止構造が形成されている請求項1から9のいずれか一項に記載の光アッテネータ。
【請求項11】
前記微細構造の凹凸パターンの表面に入射光量に対する0次回折光の透過光量の割合に対する波長依存性を低減する反射防止膜が形成されている請求項1から9のいずれか一項に記載の光アッテネータ。
【請求項12】
入射光を減衰させる光アッテネータであって、
入射光の波長域で透明なガラス基板の表裏の少なくとも一方の面に入射光が回折を生じる大きさの凹凸パターンの繰返しからなる微細構造を有し、
前記微細構造に対する入射光の入射角度によって入射光量に対する0次回折光の透過光量の割合が異なっていることを特徴とする減衰率可変の光アッテネータ。
【請求項13】
前記微細構造の表面に入射光の波長の半分以下のピッチをもつ凹凸構造の反射防止構造が形成されている請求項12に記載の光アッテネータ。
【請求項14】
前記微細構造の表面に入射光量に対する0次回折光の透過光量の割合に対する波長依存性を低減する反射防止膜が形成されている請求項12に記載の光アッテネータ。
【請求項15】
請求項1から11のいずれか一項に記載の光アッテネータと、
前記微細構造に対する入射光の入射位置がフィリングファクタの異なる領域間で移動するように前記ガラス基板を変位させる移動機構と、
を備えた光アッテネータモジュール。
【請求項16】
前記光アッテネータに対する入射光のビーム径を小さくするための集光レンズと、前記光アッテネータを透過した0次回折光を受光する集光レンズをさらに配置した請求項15に記載の光アッテネータモジュール。
【請求項17】
請求項12から14のいずれか一項に記載の光アッテネータと、
前記微細構造に対する入射光の入射角度が変化するように入射光の入射方向に対する前記ガラス基板の入射面の角度を変位させる移動機構と、
を備えた光アッテネータモジュール。
【請求項18】
2つ以上のアッテネータを組み合わせることによって、1つのアッテネータよりも大きな光減衰率を得るようにした請求項12から17のいずれか一項に記載の光アッテネータモジュール。
【請求項19】
入射光が直線偏光であり、該光アッテネータモジュールの光入射側に(λ/4)波長板が配置されている請求項12から18のいずれか一項に記載の光アッテネータモジュール。
【請求項20】
該光アッテネータモジュールの入射光の一部を分岐して取り出す第1の光分岐手段と、
該光アッテネータモジュールの出射光の一部を分岐して取り出す第2の光分岐手段と、
前記第1,第2の光分岐手段により取り出された光をそれぞれ受光して検出する第1、第2の受光素子と、
前記第1、第2の受光素子の検出信号を取り込み、その検出信号のレベル比が設定した減衰率に対応したものとなるように前記移動機構を制御する移動機構制御装置と、
をさらに備えた請求項12から18のいずれか一項に記載の光アッテネータモジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−221444(P2011−221444A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−93115(P2010−93115)
【出願日】平成22年4月14日(2010.4.14)
【出願人】(000115728)リコー光学株式会社 (134)
【Fターム(参考)】