説明

光ケーブル接続具

【課題】接続箇所を小さくすることができる建物内用の光ケーブル接続具を提供する。
【解決手段】光ケーブル接続具は、第1の光ファイバ心線31と第2の光ファイバ心線32とを接続した状態でメカニカルスプライス7を固定するためのスポンジ部材13を収容するための箱形状のメカスプ固定部11と、メカスプ固定部11の両側面にそれぞれ取り付けられたかつ第1および第2の光ドロップケーブル11,12をそれぞれ固定するための第1および第2のケーブル固定部121,122とを具備する。第1の光ドロップケーブル11は、メカスプ固定部11の両側面に形成された第1の挿入部11a1と第1のケーブル固定部121とに挿入されたのちに、第1のケーブル固定部121によって固定される。第2の光ドロップケーブルは、メカスプ固定部11の両側面に形成された第2の挿入部と第2のケーブル固定部とに挿入されたのちに、第2のケーブル固定部によって固定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ケーブル接続具に関し、特に、建物外から建物内に引き込まれた光ドロップケーブルと建物内に敷設された光ドロップケーブルとを建物内で簡易に接続するのに好適な光ケーブル接続具に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットの普及に伴い、光ファイバを用いて高速かつ大容量の信号を各家庭やオフィスなどへ伝送することができるFTTH(Fiber To The Home)が注目されている。光ファイバを各家庭やオフィスなどの建物まで敷設する方法としては、従来のメタル電話線と同様に架空線路を利用して、多芯光ケーブルを敷設する方法が主流である。架空線路から建物までは、引落し用クロージャを介して1芯または2芯の光ドロップケーブルを接続することによって、多芯光ケーブルを分配している。
【0003】
従来、引落し用クロージャからの光ドロップケーブルと建物内に敷設された光ドロップケーブルとの接続は、建物外に設置された接続具を用いて行われている(たとえば、下記の特許文献1〜3参照)。
【0004】
また、本出願人は、下記の特許文献4,5において、十分な引張強度を持たせた光ドロップケーブル同士の接続を建物内で行うことができる光ケーブル接続具を提案している。
【0005】
さらに、下記の特許文献6には、信頼性が高くかつ安価に製造できる光ファイバ接続器が開示されている。この光ファイバ接続器では、下ハウジングの上面に光ファイバ心線のガラス部を位置決めする4本のV溝があり、上ハウジングの下面に、ガラス部をこのV溝に押え付けるガラス部押圧部がある。板ばねが、このV溝とガラス部押圧部とを重ね合せた状態で下ハウジングおよび上ハウジングを押圧する。重合せ部分の4ヶ所の楔挿入穴に楔板の突出部を挿入することにより、重合せ部分の間隙を開く。端末のガラス部を露出させた光ファイバ心線を左右の端部立設部の間から挿入し楔板を引き戻すと、板ばねの復元力により再び下ハウジングおよび上ハウジングが重なり、光ファイバ心線のガラス部および被覆部が把持固定される。
【特許文献1】特開2004−29499号公報
【特許文献2】特開2004−325998号公報
【特許文献3】特開2005−070564号公報
【特許文献4】特願2005−263107号
【特許文献5】特願2005−263108号
【特許文献6】特開平10−170748号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の特許文献1〜3に開示されているような建物外に設置された接続具では、防水性および引張強度を確保するために接続箇所が大きくなるという問題があるほか、光ドロップケーブル同士の接続に時間がかかるという問題がある。
また、本出願人が上記の特許文献4,5で提案した建物内用の光ケーブル接続具は、建物外での接続よりも作業性を向上することができるが、コンセント内とかプロテクタ内での光ドロップケーブル同士の接続を行うには接続箇所が少し大きいという問題がある。
さらに、上記の特許文献6に開示されている光ファイバ心線接続器は、光ファイバ心線同士の接続には有効であるかもしれないが、光ドロップケーブル同士の接続には必ずしも有効でないという問題がある。
【0007】
本発明の目的は、接続箇所を小さくすることができる建物内用の光ケーブル接続具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の光ケーブル接続具は、建物外から建物内に引き込まれる第1の光ドロップケーブル(11)と建物内に敷設される第2の光ドロップケーブル(12)とを心線接続用スリーブで光学的に接続した状態で固定するための光ケーブル接続具(10;90;110;210)であって、前記第1の光ドロップケーブルから露出された第1の光ファイバ心線(31)と前記第2の光ドロップケーブルから露出された第2の光ファイバ心線(32)とを接続した状態で前記心線接続用スリーブを固定するための心線接続用スリーブ固定手段を収容するための箱形状のスリーブ固定部(11;21;31;41;51;91;111a,111b;210)と、該スリーブ固定部の両端面にそれぞれ取り付けられたかつ前記第1および第2の光ドロップケーブルをそれぞれ固定するための第1および第2のケーブル固定部(121,122;221,222;321,322;421,422;521,522;921,922;1121,1122;2121,2122)とを具備し、前記スリーブ固定部の両端面に、前記第1および第2の光ドロップケーブルをそれぞれ挿入するための第1および第2の挿入部(11a1,11a2;21a1,21a2;31a1,31a2:41a1,41a2:51a1,51a2)がそれぞれ形成されており、前記第1および第2の光ドロップケーブルが、前記第1および第2の挿入部と前記第1および第2のケーブル固定部とにそれぞれ挿入されたのちに該第1および第2のケーブル固定部によってそれぞれ固定されることを特徴とする。
ここで、前記第1および第2のケーブル固定部が2つの側面および底面を備え、前記第1および第2のケーブル固定部の両側面が該第1および第2のケーブル固定部の底面の両端部をそれぞれ支点として扇状に開閉可能にされており、前記第1および第2のケーブル固定部の両側面を開いた状態で前記第1および第2の光ドロップケーブルを該第1および第2のケーブル固定部に挿入したのちに該第1および第2のケーブル固定部の両側面を閉じて該第1および第2の光ドロップケーブルを該第1および第2のケーブル固定部で固定してもよい。
前記第1および第2のケーブル固定部(121,122)が、該第1および第2のケーブル固定部の両側面の前記スリーブ固定部(11)の両端面と対向する側の端面が該スリーブ固定部の端面と切り離されて、該スリーブ固定部と一体的に構成されており、前記第1および第2のケーブル固定部の上面が、該第1および第2のケーブル固定部の底面の両端部をそれぞれ支点として該第1および第2のケーブル固定部の両側面を扇状にそれぞれ開くことにより切断部開放状態にすることができるように、前記スリーブ固定部の長手方向に沿って三角波形状に切断されており、前記第1および第2のケーブル固定部が、切断部噛合状態では前記第1および第2の光ドロップケーブルの第1および第2の外被(41,42)と同じ大きさの開口部が形成されるような筒状の形状を有してもよい。
前記第1および第2のケーブル固定部(221,222)が、該第1および第2のケーブル固定部の両側面を閉じた状態でコの字状の横断面形状を有し、前記第1および第2のケーブル固定部の両側面の上端部に、鋸刃形状の第1および第2の爪(22a11,22a12,22a21,22a22)が前記スリーブ固定部(21)の長手方向に沿って互いに向き合うようにそれぞれ形成されており、前記第1および第2のケーブル固定部の両側面の長さが、前記第1および第2の光ドロップケーブルの第1および第2の外被の縦の長さよりも短くされていてもよい。
前記第1および第2のケーブル固定部(321,322)が、該第1および第2のケーブル固定部の両側面を閉じた状態でコの字状の横断面形状を有し、前記第1および第2のケーブル固定部の両側面の上部に、鋸刃形状の第1および第2の爪(32a11,32a12,32a21,32a22)が該第1および第2のケーブル固定部の両側面の上端から該第1および第2のケーブル固定部の底面に向かって互いに向き合うようにそれぞれ形成されており、前記第1および第2のケーブル固定部の両側面の長さが、前記第1および第2の光ドロップケーブルの前記第1および第2の外被の縦の長さと同じにされていてもよい。
前記第1および第2のケーブル固定部(421,422)が、該第1および第2のケーブル固定部の両側面を閉じた状態でコの字状の横断面形状を有し、前記第1および第2のケーブル固定部の両側面の内側に、三角形状の第1および第2の縦溝(42a11,42a12,42a21,42a22)が複数本ずつそれぞれ形成されていてもよい。
前記第1および第2のケーブル固定部(521,522)が、くの字状の横断面形状を有する側面と逆くの字状の横断面形状を有する他の側面とを備え、前記第1および第2の光ドロップケーブルが、前記第1および第2のケーブル固定部の前記側面と前記他の側面との間に上から押し込まれることにより前記第1および第2のケーブル固定部にそれぞれ挿入されて固定されてもよい。
前記心線接続用スリーブ固定手段が、前記第1および第2の光ドロップケーブルの先端部と前記第1および第2の光ファイバ心線と前記心線接続用スリーブとを押し込んで固定するための切込み(13a;53a;83a;93a;113a1,113a2;213a1〜213a3)が形成されたスポンジ部材(13;53;83;93;1131,;1132;2131〜2133)を備えてもよい。
前記切込み(13a;53a;83a;113a1,113a2;213a1〜213a3)が直線状に形成されていてもよい。
前記切込み(93a)が、前記スポンジ部材(93)の中心部に斜めに直線状に形成された前記心線接続用スリーブを固定するための直線部(93a0)と、前記第1および第2の光ファイバ心線をそれぞれ固定するための第1および第2の曲線部(93a1,93a2)とから構成されており、前記直線部と前記第1の曲線部とが前記第2のケーブル固定部(922)側で接続されており、前記直線部と前記第2の曲線部とが前記第1のケーブル固定部(921)側で接続されていてもよい。
三角溝(83b)が前記切込み(83a)の上に形成されていてもよい。
前記心線接続用スリーブを前記光ケーブル接続具の中心に固定するための目印(611,612,613;62)が、前記スポンジ部材の上面に付けられていてもよい。
前記目印の代わりに、前記スリーブ固定部(11)の長手方向の中心に所定の長さの間隙を持たせて第1および第2のスポンジ部材(731,732)を該スリーブ固定部に収容し、前記心線接続用スリーブの両端部を前記第1および第2のスポンジ部材にそれぞれ形成された第1および第2の切込み(73a1,73a2)にそれぞれ押し込んで、該心線接続用スリーブを前記光ケーブル接続具の中心に固定してもよい。
前記スリーブ固定部が、前記第1および第2の光ファイバ心線を接続した状態で前記心線接続用スリーブを固定するための第1のスポンジ部材(1131)を収容するための内側スリーブ固定部(111a)と、第2の光ファイバ心線32を固定するための第2のスポンジ部材(1132)を収容するための外側スリーブ固定部(111b)とを備え、
前記内側スリーブ固定部が前記外側スリーブ固定部に対してスライド可能にされていてもよい。
前記スポンジ部材が、前記スリーブ固定部(211)の前記第1のケーブル固定部(2121)側に収容された第1のスポンジ部材(2131)と、該スリーブ固定部の前記第2のケーブル固定部(2122)側に収容された第2のスポンジ部材(2132)と、該スリーブ固定部の中央部に収容された第3のスポンジ部材(2133)とに分割されており、前記第1および第2のスポンジ部材の中央に、前記第1および第2の光ドロップケーブルの先端部を固定するための直線状の第1および第2の切込み(213a1,213a2)がそれぞれ形成されており、前記第3のスポンジ部材の中央に、前記心線接続用スリーブを固定するための第3の切込み(213a3)が形成されていてもよい。
前記スリーブ固定部の底面の中央部に回転台が設けられており、該回転台上に前記第3のスポンジ部材が固定されていてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明の光ケーブル接続具は、以下に示す効果を奏する。
(1)箱形状のスリーブ固定部に収容された心線接続用スリーブ固定手段によって心線接続用スリーブを第1の光ファイバ心線と第2の光ファイバ心線とを接続した状態で固定するとともに、スリーブ固定部の両端面にそれぞれ取り付けられた第1および第2のケーブル固定部によって第1および第2の光ドロップケーブルをそれぞれ固定することにより、光ケーブル接続具の寸法を小さくすることができるので、接続箇所を小さくすることができる。
(2)接続箇所を小さくすることができるので、コンセント内とかプロテクタ内での光ドロップケーブル同士の接続を行うことができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
上記の目的を、箱形状のスリーブ固定部に収容された心線接続用スリーブ固定手段によって心線接続用スリーブを第1の光ファイバ心線と第2の光ファイバ心線とを接続した状態で固定するとともに、スリーブ固定部の両端面にそれぞれ取り付けられた第1および第2のケーブル固定部によって第1および第2の光ドロップケーブルをそれぞれ固定することにより実現した。
【実施例1】
【0011】
次に、本発明の光ケーブル接続具の実施例について図面を参照して説明する。
本発明の第1の実施例による光ケーブル接続具10は、建物外から建物内に引き込まれる第1の光ドロップケーブル11と建物内に敷設される第2の光ドロップケーブル12とをメカニカルスプライス7(心線接続用スリーブ)で光学的に接続した状態で固定するためのものであり、図1に示すように、メカスプ固定部11(スリーブ固定部)と、第1および第2のケーブル固定部121,122と、スポンジ部材13(心線接続用スリーブ固定手段)とを具備する。
【0012】
ここで、第1の光ドロップケーブル11は、図3に示すように、第1のファイバ心線31と、第1の光ファイバ心線31を間において第1の光ファイバ心線31と平行にかつ間隔をあけて配置された2本の第1のテンションメンバ211,212と、第1の光ファイバ心線31と2本の第1のテンションメンバ211,212とを保護するための第1の外被41とを備える。第1の外被41は、縦4mmおよび横2mmのほぼ長方形の横断面形状(第1の光ドロップケーブル11の長手方向に対して垂直に切断したときの長手方向に沿って見た第1の光ドロップケーブル11の断面形状)を有する。
第2の光ドロップケーブル12も、上述した第1の光ドロップケーブル11と同様の構成を有する。
なお、本明細書では、第1および第2の外被41,42の横断面形状の長辺に沿った方向を第1および第2の光ドロップケーブル11,12の縦方向とし、第1および第2の外被41,42の横断面形状の短辺に沿った方向を第1および第2の光ドロップケーブル11,12の横方向とする。
【0013】
メカニカルスプライス7は、単心および多心用として一般に使用されているものであり、長さ4cm、幅4mmおよび高さ4mmの寸法を有する。
【0014】
光ケーブル接続具10は、図4に側面図で示すように、第1および第2の光ファイバ心線31,32を立てた状態で(すなわち、第1および第2の光ドロップケーブル11,12の縦方向が垂直方向となるように)、かつ、第1および第2の光ファイバ心線31,32を4cmほど露出させた状態で、メカニカルスプライス7を用いて第1および第2の光ドロップケーブル11,12を接続したのちに、メカニカルスプライス7と第1および第2の光ファイバ心線31,32とをこの状態で固定するものである。
【0015】
光ケーブル接続具10のメカスプ固定部11は、四角い箱形状を有し、第1および第2の光ファイバ心線31,32を接続した状態でメカニカルスプライス7を固定するためのスポンジ部材13を収容するためのものである。また、メカスプ固定部11の両端面(光ケーブル接続具10の長手方向の両側の面)の中央部には、図2(a),(b)に第1の光ドロップケーブル11側の端面について示すように、第1および第2の光ドロップケーブル11,12をその縦方向が垂直方向となるように挿入するための第1および第2の挿入部11a1,11a2がそれぞれ形成されている。
なお、挿入後の第1および第2の光ドロップケーブル11,12を第1および第2のケーブル固定部121,122で確実に固定するために、第1および第2の挿入部11a1,11a2の深さは第1および第2の外被41,42の縦の長さ(4mm)よりも第1および第2のケーブル固定部121,122の上面の厚さだけ長くされており、第1および第2の挿入部11a1,11a2の幅は第1および第2の外被41,42の横の長さ(2mm)とほぼ同じにされている。
【0016】
第1のケーブル固定部121は、メカスプ固定部11の第1の挿入部11a1に挿入された第1の光ドロップケーブル11を左右(第1の光ドロップケーブル11の横方向)から挟んで固定するためのものである。
そのため、第1のケーブル固定部121は、後述の切断部噛合状態では第1の光ドロップケーブル11の第1の外被41と同じ縦4mmおよび横2mmの直角形の開口部が形成されるような筒状の形状を有し、かつ、底面の両端部をそれぞれ支点として両側面を扇状にそれぞれ開くことにより後述の切断部開放状態にすることができるように、第1のケーブル固定部121の上面はメカスプ固定部11の長手方向(メカスプ固定部11の端面と垂直な方向)に沿って三角波形状に切断されている(図1(b)の上面図参照)。また、第1のケーブル固定部121は、メカスプ固定部11と一体的に構成されているが、第1のケーブル固定部121の両側面のメカスプ固定部11の端面と対向する側の端面はメカスプ固定部11の端面と切り離されている(図1(a)の正面図および図1(c)の底面図参照)。
これにより、図2(a)に示すように第1のケーブル固定部121をその上面の切断部が離れた切断部開放状態にして第1の光ドロップケーブル11をメカスプ固定部11の第1の挿入部11a1および第1のケーブル固定部121に挿入したのちに、図2(b)に示すように第1のケーブル固定部121の上面の切断部が噛み合うまで第1のケーブル固定部121の上面部分を工具などで左右から挟んで締め付け第1のケーブル固定部121を切断部噛合状態にして第1の光ドロップケーブル11を左右から挟むことにより、第1の光ドロップケーブル11を固定することができる。
第2のケーブル固定部122は、第2の光ドロップケーブル12を左右(第2の光ドロップケーブル12の横方向)から挟んで固定するためのものであり、上述した第1のケーブル固定部121と同様に構成されている。
【0017】
スポンジ部材13は、メカニカルスプライス7と第1および第2の光ドロップケーブル11,12から露出された第1および第2の光ファイバ心線31,32と第1および第2の光ドロップケーブル11,12の先端部とを固定するためのものである。
スポンジ部材13の幅方向(スポンジ部材13の長手方向と垂直な方向)の中央には、直線状の切込み13aがスポンジ部材13の長手方向に沿って形成されている(図1(b)参照)。また、切込み13aは、スポンジ部材13の上面から底面に達するように形成されている。
なお、スポンジ部材13の深さは、好ましくはメカニカルスプライス7全体がスポンジ部材13に埋まるようにメカニカルスプライス7の高さ(4mm)以上とする。また、目メカスプ固定部11の深さも、好ましくはスポンジ部材13がすべて収納できるようにスポンジ部材13の深さ以上とする。
【0018】
次に、本実施例による光ケーブル接続具10を用いてメカニカルスプライス7と第1および第2の光ファイバ心線31,32と第1および第2の光ドロップケーブル11,12の先端部とを固定する方法について、図5を参照して説明する。
まず、作業員は、第1および第2のケーブル固定部121,122が切断部開放状態にされた光ケーブル接続具10を用意する。
【0019】
その後、第1の光ドロップケーブル11の先端部分の第1の外被41を剥いで第1の光ファイバ心線31および第1のテンションメンバ211,212を6〜7cmほど露出させるとともに、露出させた第1のテンションメンバ211,212を切断する。続いて、作業員は、第2の光ドロップケーブル12の先端部分の第2の外被42を剥いで第2の光ファイバ心線32および第2のテンションメンバ221,222を6〜7cmほど露出させるとともに、露出させた第2のテンションメンバ221,222を切断する。続いて、作業員は、メカニカルスプライス7を用いて第1および第2の光ファイバ心線31,32を露出部が4cmとなるように接続する(図4参照)。
【0020】
その後、作業員は、左手で第1の光ドロップケーブル11の先端部分およびメカニカルスプライス7を掴むとともに右手で第2の光ドロップケーブル12の先端部分およびメカニカルスプライス7を掴んで、光ケーブル接続具10の上方に持ってくる。続いて、作業員は、メカニカルスプライス7と第1および第2の光ファイバ心線31,32と第1および第2の光ドロップケーブル11,12の先端部とを切込み13aの上に来るようにスポンジ部材13の上面に置いたのちに切込み13aに押し込んでいく。これと同時に、作業員は、第1の光ドロップケーブル11の先端部分をメカスプ固定部11の第1の挿入部11a1および第1のケーブル固定部121に挿入するとともに、第2の光ドロップケーブル12の先端部分をメカスプ固定部11の第2の挿入部11a2および第2のケーブル固定部122に挿入する。
【0021】
その後、作業員は、図5(a)に示すように、第1および第2のケーブル固定部121,122の上面の切断部が噛み合うまで第1および第2のケーブル固定部121,122の上面部分を工具などで左右から挟んで締め付けて第1および第2のケーブル固定部121,122を切断部噛合状態にすることにより、第1および第2のケーブル固定部121,122によって第1および第2の光ドロップケーブル11,12を左右から挟んで固定する。
【0022】
これにより、図5(b)に示すように、メカニカルスプライス7と第1および第2の光ファイバ心線31,32と第1および第2の光ドロップケーブル11,12の先端部とはスポンジ部材13によってしっかりと固定され、また、第1および第2の光ドロップケーブル11,12は第1および第2のケーブル固定部121,122によってしっかりと固定される。その結果、光ケーブル接続具10を用いることにより、第1および第2の光ドロップケーブル11,12を簡単な作業で確実に接続することができる。
【0023】
なお、第1および第2のケーブル固定部121,122の代わりに、以下に示す第1および第2のケーブル固定部221,222;321,322;421,422;521,522を用いても同様の効果を得ることができる。
【0024】
(1)第1および第2のケーブル固定部221,222
第1のケーブル固定部221は、図6(b)の右側に示すように、両側面を閉じた状態でコの字状の横断面形状を有する。また、第1のケーブル固定部221の両側面の上端部には、図6(a)に示すように、鋸刃形状の第1の爪22a11,22a12がメカスプ固定部21の長手方向に沿って互いに向き合うようにそれぞれ形成されている。さらに、第1のケーブル固定部221の両側面の長さは、図6(b)に示すように、第1の光ドロップケーブル11の第1の外被41の縦の長さ(4mm)よりも短くされている。
図6(b)の左側に示すように、第1のケーブル固定部221の両側面を底面の両端部をそれぞれ支点として扇状に開いた状態で第1の光ドロップケーブル11の先端部分をメカスプ固定部21の第1の挿入部21a1および第1のケーブル固定部221に挿入したのち、第1の爪22a11,22a12の先端が第1の外被41の両側面にそれぞれ食い込むまで第1のケーブル固定部221の上面部分を工具などで左右から挟んで締め付けることにより、第1のケーブル固定部221によって第1の光ドロップケーブル11を左右から挟んで固定する。
図示していないが、第2のケーブル固定部222も、上述した第1のケーブル固定部221と同様に構成されており、第2のケーブル固定部222の両側面を底面の両端部をそれぞれ支点として扇状に開いた状態で第2の光ドロップケーブル12の先端部分をメカスプ固定部22の第2の挿入部21a2および第2のケーブル固定部222に挿入したのち、第2の爪22a21,22a22の先端が第2の外被42の両側面にそれぞれ食い込むまで第2のケーブル固定部222の上面部分を工具などで左右から挟んで締め付けることにより、第2のケーブル固定部222によって第2の光ドロップケーブル12を左右から挟んで固定する。
【0025】
(2)第1および第2のケーブル固定部321,322
第1のケーブル固定部321は、図7(b)の右側に示すように、両側面を閉じた状態でコの字状の横断面形状を有する。また、第1のケーブル固定部321の両側面の上部には、図7(a),(b)に示すように、鋸刃形状の第1の爪32a11,32a12が第1のケーブル固定部321の両側面の上端から第1のケーブル固定部321の底面に向かって互いに向き合うようにそれぞれ形成されている。さらに、第1のケーブル固定部321の両側面の長さは、図7(b)に示すように、第1の光ドロップケーブル11の第1の外被41の縦の長さ(4mm)と同じにされている。
図7(b)の左側に示すように、第1のケーブル固定部321の両側面を底面の両端部をそれぞれ支点として扇状に開いた状態で第1の光ドロップケーブル11の先端部分をメカスプ固定部31の第1の挿入部31a1および第1のケーブル固定部321に挿入したのち、第1の爪32a11,32a12の先端が第1の外被41の両側面にそれぞれ食い込むまで第1のケーブル固定部321の上部を工具などで左右から挟んで締め付けることにより、第1のケーブル固定部321によって第1の光ドロップケーブル11を左右から挟んで固定する。
図示していないが、第2のケーブル固定部322も、上述した第1のケーブル固定部321と同様に構成されており、第2のケーブル固定部322の両側面を底面の両端部をそれぞれ支点として扇状に開いた状態で第2の光ドロップケーブル12の先端部分をメカスプ固定部32の第2の挿入部31a2および第2のケーブル固定部322に挿入したのち、第2の爪22a21,22a22の先端が第2の外被42の両側面にそれぞれ食い込むまで第2のケーブル固定部322の上部を工具などで左右から挟んで締め付けることにより、第2のケーブル固定部322によって第2の光ドロップケーブル12を左右から挟んで固定する。
【0026】
(3)第1および第2のケーブル固定部421,422
第1のケーブル固定部421は、図8(a)に示すように、両側面を閉じた状態でコの字状の横断面形状を有する。また、第1のケーブル固定部421の両側面の内側には、三角形状の第1の縦溝42a11,42a12が複数本ずつそれぞれ形成されている。
第1のケーブル固定部421の両側面を底面の両端部をそれぞれ支点として扇状に開いた状態で第1の光ドロップケーブル11の先端部分をメカスプ固定部41の第1の挿入部41a1および第1のケーブル固定部421に挿入したのち、図8(b)に示すように第1の縦溝42a11,42a12の先端が第1の外被41の両側面にそれぞれ食い込むまで第1のケーブル固定部421の上部を工具などで左右から挟んで締め付けることにより、第1のケーブル固定部421によって第1の光ドロップケーブル11を左右から挟んで固定する。
図示していないが、第2のケーブル固定部422も、上述した第1のケーブル固定部421と同様に構成されており、第2のケーブル固定部422の両側面を底面の両端部をそれぞれ支点として扇状に開いた状態で第2の光ドロップケーブル12の先端部分をメカスプ固定部41の第2の挿入部41a2および第2のケーブル固定部422に挿入したのち、第2の縦溝42a21,42a22の先端が第2の外被42の両側面にそれぞれ食い込むまで第2のケーブル固定部422の上部を工具などで左右から挟んで締め付けることにより、第2のケーブル固定部422によって第2の光ドロップケーブル12を左右から挟んで固定する。
【0027】
(4)第1および第2のケーブル固定部521,522
第1のケーブル固定部521は、図9に示すように、第1のケーブル固定部521の一方の側面がくの字状の横断面形状を有するとともに他方の側面が逆くの字状の横断面形状を有する。
第1のケーブル固定部521の両側面の上部が閉じた状態で第1の光ドロップケーブル11の先端部分をメカスプ固定部51の第1の挿入部51a1および第1のケーブル固定部521に上から押し込んで挿入することにより、第1のケーブル固定部521によって第1の光ドロップケーブル11を左右から挟んで固定する。
図面には示していないが、第2のケーブル固定部522も、上述した第1のケーブル固定部521と同様に構成されており、第2のケーブル固定部522の両側面の上部が閉じた状態で第2の光ドロップケーブル12の先端部分をメカスプ固定部51の第2の挿入部51a2および第2のケーブル固定部522に上から押し込んで挿入することにより、第2のケーブル固定部522によって第2の光ドロップケーブル12を左右から挟んで固定する。
【0028】
また、メカニカルスプライス7を光ケーブル接続具10の中心に固定するために、図1に示したスポンジ部材11の上面に以下の目印を付けておいてもよい。
(1)第1乃至第3の黒丸611〜613
図10(a)に示すように、スポンジ部材11の中心を示す第1の黒丸印611をスポンジ部材11の中心の切込み13a上に付ける。また、メカニカルスプライス7の両端の位置をそれぞれ示す第2および第3の黒丸印612,613を切込み13a上に第1の黒丸印611から2cmほど離して付ける。
(2)黒色目印62
図10(b)に示すように、縦4mmおよび横4cmの長方形とこの長方形の2つ長辺の中央からそれぞれ突出した2つの黒三角形とからなる黒目印62を2つの黒三角形の頂点がスポンジ部材11の中心を示すように切込み13a上に付ける。
【0029】
なお、このような目印の代わりに、図10(c)に示すように、メカスプ固定部11の長手方向の中心に3cmの間隙を持たせて第1および第2のスポンジ部材731,732をメカスプ固定部11に収容して、メカニカルスプライス7の両端部を第1および第2のスポンジ部材731,732にそれぞれ形成された第1および第2の切込み73a1,73a2にそれぞれ押し込むことにより、メカニカルスプライス7を光ケーブル接続具10の中心に固定するようにしてもよい。
【0030】
図1に示した直線状の切込み13aが形成されたスポンジ部材13の代わりに、図11(a),(b)に示すような切込み83aの上に三角溝83bを形成したスポンジ部材83を用いることにより、メカニカルスプライス7を切込み83aに押し込みやすくしてもよい。
【実施例2】
【0031】
次に、本発明の第2の実施例による光ケーブル接続具90について、図12を参照して説明する。
本実施例による光ケーブル接続具90は、光ケーブル接続具10の長手方向の寸法を小さくするために、図12(b)に示すようにメカニカルスプライス7を斜めに収容させるようにしたものである。
【0032】
そのため、光ケーブル接続具90では、スポンジ部材93に形成される切込み93aは、図12(a)に示すように、スポンジ部材93の中心部に斜めに直線状に形成されたメカニカルスプライス7を固定するための直線部93a0(図12(a)では破線で示した。)と、第1および第2の光ファイバ心線31,32をそれぞれ固定するための第1および第2の曲線部93a1,93a2とから構成されている。ここで、直線部93a0と第1の曲線部93a1とを第2のケーブル固定部922側で接続するとともに、直線部93a0と第2の曲線部93a2とを第1のケーブル固定部921側で接続することにより、図12(b)に示すように第1および第2のファイバ心線31,32を一定の曲率を保ちながらスポンジ部材93で固定できるようにしている。
【実施例3】
【0033】
次に、本発明の第3の実施例による光ケーブル接続具110について、図13を参照して説明する。
本実施例による光ケーブル接続具110は、光ケーブル接続具110の長さを変えることができるようにしたものである。
【0034】
そのために、図13(a),(b)に示すように、メカスプ固定部を内側メカスプ固定部111aと外側メカスプ固定部111bとに分けて、内側メカスプ固定部111aを外側メカスプ固定部111bの内側メカスプ固定部111a側の端面から挿入して、光ケーブル接続具110の長手方向に沿ってスライドさせることができるようにされている。
ここで、内側メカスプ固定部111aは、外側メカスプ固定部111b側の端面が開放された四角い箱形状を有し、第1および第2の光ファイバ心線31,32を接続した状態でメカニカルスプライス7を固定するための第1のスポンジ部材1131を収容する。
外側メカスプ固定部111bは、内側メカスプ固定部111a側の端面が開放された四角い箱形状を有し、外側メカスプ固定部111b内に挿入された第2の光ファイバ心線32を固定するための第2のスポンジ部材1132を収容する。
第1および第2のスポンジ部材1131,1132には直線状の第1および第2の切込み113a1,113a2がそれぞれ形成されているが、第2の切込み113a2は第1の切込み113a1の延長線上に形成されている。
【0035】
また、図13(a)に示すように、外側メカスプ固定部111bの紙面手前側の側面にはスライド用窓115が形成されており、内側メカスプ固定部111aを外側メカスプ固定部111bに対してスライドさせて光ケーブル接続具110の長さを調整したのちに、スライド用窓115を貫通させて内側メカスプ固定部111aの紙面手前側の側面を固定ネジ114でねじ止めすることにより、内側メカスプ固定部111aを外側メカスプ固定部111bに対して固定することができるようにされている。
【0036】
なお、スライド用窓115を外側メカスプ固定部111bの紙面手前側の側面に形成したが、外側メカスプ固定部111bの紙面奥側の側面または底面に形成してもよい。
【実施例4】
【0037】
次に、本発明の第4の実施例による光ケーブル接続具210について、図14を参照して説明する。
本実施例による光ケーブル接続具210は、図14(b)に示すように光ケーブル接続具210内において第1および第2の光ファイバ心線31,32の余長処理ができるようにしたものである。
【0038】
そのために、光ケーブル接続具210では、図14(a)に示すように、スポンジ部材は、メカスプ固定部211の第1のケーブル固定部2121側に収容された第1のスポンジ部材2131と、メカスプ固定部211の第2のケーブル固定部2122側に収容された第2のスポンジ部材2132と、メカスプ固定部211の中央部に収容された楕円体形状の第3のスポンジ部材2133とに分割されている。
【0039】
第1および第2のスポンジ部材2131,2132の中央には、第1および第2の光ドロップケーブル11,12の先端部を固定するための直線状の第1および第2の切込み213a1,213a2がそれぞれ形成されている。また、第3のスポンジ部材2133の中央には、メカニカルスプライス7を固定するための直線状の第3の切込み213a3が形成されている。
【0040】
なお、第1および第2の光ファイバ心線31,32の余長部分をたるみなく光ケーブル接続具210内に収めるために、メカスプ固定部211の底面の中央部に回転台を設け、この回転台上に第3のスポンジ部材2133を固定してもよい。これにより、第3のスポンジ部材2133を回転させて第1および第2の光ファイバ心線31,32の余長部分を第3のスポンジ部材2133の周面に巻き付けることによって、第1および第2の光ファイバ心線31,32の余長部分のたるみをなくすことができる。
【0041】
以上の説明では、切込みが形成されたスポンジ部材を用いてメカニカルスプライス7と第1および第2の光ドロップケーブル11,12から露出された第1および第2の光ファイバ心線31,32と第1および第2の光ドロップケーブル11,12の先端部とを固定したが、たとえば上述した第1のケーブル固定部121,221,321,421,521と同様の構成をしたメカニカルスプライス7を固定するための固定部材を図1に示したメカスプ固定部11の中央部に取り付けて、メカニカルスプライス7のみをこの固定部材で固定してもよい。
【0042】
また、第1および第2の光ドロップケーブル11,12をメカニカルスプライス7で光学的に接続した状態で光ケーブル接続具10によって固定したのちに、光ケーブル接続具10全体に保護カバーを被せてもよい。
【0043】
さらに、本発明の光ケーブル接続具は、単心の光ファイバ心線の接続だけではなく、多心の光ファイバ心線の接続にも使用することができる。
【0044】
さらにまた、心線接続用スリーブとしてメカニカルスプライス7を用いたが、熱収縮スリーブなどを用いてもよい。
さらにまた、心線接続用スリーブ固定手段としてスポンジ部材13,53,83,93,1131,1132,2131〜2133を用いたが、スポンジ以外の他の緩衝材からなる部材などを用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の第1の実施例による光ケーブル接続具10の構成を示す図であり、(a)は正面図であり、(b)は上面図であり、(c)は底面図である。
【図2】図1に示した光ケーブル接続具10の第1のケーブル固定部121側の側面図であり、(a)は第1のケーブル固定部121の切断部開放状態を示す図であり、(b)は第1のケーブル固定部121の切断部噛合状態を示す図である。
【図3】第1の光ドロップケーブル11の構成を示す横断面図である。
【図4】光ケーブル接続具10によって固定するときの第1および第2の光ドロップケーブル11,12の接続状態を説明するための図である。
【図5】図1に示した光ケーブル接続具10を用いてメカニカルスプライス7と第1および第2の光ファイバ心線31,32と第1および第2の光ドロップケーブル11,12の先端部とを固定する方法について説明するための図であり、(a)は第1のケーブル固定部121によって第1の光ドロップケーブル11を固定する手順を説明するための図であり、(b)は最終の固定状態を示す図である。
【図6】図1に示した第1および第2のケーブル固定部121,122の代わりに使用することができる第1および第2のケーブル固定部221,222の構成を示す図であり、(a)は第1のケーブル固定部221の上面図であり、(b)は第1のケーブル固定部221によって第1の光ドロップケーブル11を固定する手順を説明するための図である。
【図7】図1に示した第1および第2のケーブル固定部121,122の代わりに使用することができる第1および第2のケーブル固定部321,322の構成を示す図であり、(a)は第1のケーブル固定部321の上面図であり、(b)は第1のケーブル固定部321によって第1の光ドロップケーブル11を固定する手順を説明するための図である。
【図8】図1に示した第1および第2のケーブル固定部121,122の代わりに使用することができる第1および第2のケーブル固定部421,422の構成を示す図であり、(a)は第1のケーブル固定部421の構成を説明するための斜視図であり、(b)は第1のケーブル固定部421によって第1の光ドロップケーブル11を固定した後の状態を示す上面図である。
【図9】図1に示した第1および第2のケーブル固定部121,122の代わりに使用することができる第1および第2のケーブル固定部521,522の構成と第1のケーブル固定部521によって第1の光ドロップケーブル11を固定する手順とを説明するための図である。
【図10】メカニカルスプライス7を光ケーブル接続具10の中心に固定するための3つの手法を説明するための図である。
【図11】図1に示した直線状の切込み13aが形成されたスポンジ部材13の代わりに使用することができるスポンジ部材83の構成を説明するための図である。
【図12】本発明の第2の実施例による光ケーブル接続具90の構成を示す図であり、(a)は固定前の状態を示す上面図であり、(b)は固定後の状態を示す上面図である。
【図13】本発明の第3の実施例による光ケーブル接続具110の構成を示す図であり、(a)は正面図であり、(b)は上面図である。
【図14】本発明の第4の実施例による光ケーブル接続具210の構成を示す図であり、(a)は固定前の状態を示す上面図であり、(b)は固定後の状態を示す上面図である。
【符号の説明】
【0046】
1,12 第1および第2の光ドロップケーブル
11,212,221,222 第1および第2のテンションメンバ
1,32 第1および第2の光ファイバ心線
1,42 第1および第2の外被
7 メカニカルスプライス
10,90,110,210 光ケーブル接続具
11,21,31,41,51,91,211 メカスプ固定部
11a1,11a2,21a1,21a2,31a1,31a2,41a1,41a2,51a1,51a2 第1および第2の挿入部
121,122,221,222,321,322,421,422,521,522,921,922,1121,1122,2121,2122 第1および第2のケーブル固定部
13,53,83,93 スポンジ部材
13a,53a,83a,93a 切込み
22a11,22a12,22a21,22a22,32a11,32a12,32a21,32a22 第1および第2の爪
42a11,42a12,42a21,42a22 第1および第2の縦溝
611〜613 第1乃至第3の黒丸印
62 黒目印
731,732 第1および第2のスポンジ部材
73a1,73a2 第1および第2の切込み
83b 三角溝
93a0 直線部
93a1,93a2 第1および第2の曲線部
111a 内側メカスプ固定部
111b 外側メカスプ固定部
1131,1132 第1および第2のスポンジ部材
113a1,113a2 第1および第2の切込み
114 固定ネジ
115 スライド用窓
2131〜2133 第1乃至第3のスポンジ部材
213a1〜213a3 第1乃至第3の切込み

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物外から建物内に引き込まれる第1の光ドロップケーブル(11)と建物内に敷設される第2の光ドロップケーブル(12)とを心線接続用スリーブで光学的に接続した状態で固定するための光ケーブル接続具(10;90;110;210)であって、
前記第1の光ドロップケーブルから露出された第1の光ファイバ心線(31)と前記第2の光ドロップケーブルから露出された第2の光ファイバ心線(32)とを接続した状態で前記心線接続用スリーブを固定するための心線接続用スリーブ固定手段を収容するための箱形状のスリーブ固定部(11;21;31;41;51;91;111a,111b;210)と、
該スリーブ固定部の両端面にそれぞれ取り付けられたかつ前記第1および第2の光ドロップケーブルをそれぞれ固定するための第1および第2のケーブル固定部(121,122;221,222;321,322;421,422;521,522;921,922;1121,1122;2121,2122)と、
を具備し、
前記スリーブ固定部の両端面に、前記第1および第2の光ドロップケーブルをそれぞれ挿入するための第1および第2の挿入部(11a1,11a2;21a1,21a2;31a1,31a2:41a1,41a2:51a1,51a2)がそれぞれ形成されており、
前記第1および第2の光ドロップケーブルが、前記第1および第2の挿入部と前記第1および第2のケーブル固定部とにそれぞれ挿入されたのちに該第1および第2のケーブル固定部によってそれぞれ固定される、
ことを特徴とする、光ケーブル接続具。
【請求項2】
前記第1および第2のケーブル固定部が2つの側面および底面を備え、
前記第1および第2のケーブル固定部の両側面が該第1および第2のケーブル固定部の底面の両端部をそれぞれ支点として扇状に開閉可能にされており、
前記第1および第2のケーブル固定部の両側面を開いた状態で前記第1および第2の光ドロップケーブルを該第1および第2のケーブル固定部に挿入したのちに該第1および第2のケーブル固定部の両側面を閉じて該第1および第2の光ドロップケーブルを該第1および第2のケーブル固定部で固定する、
ことを特徴とする、請求項1記載の光ケーブル接続具。
【請求項3】
前記第1および第2のケーブル固定部(121,122)が、該第1および第2のケーブル固定部の両側面の前記スリーブ固定部(11)の両端面と対向する側の端面が該スリーブ固定部の端面と切り離されて、該スリーブ固定部と一体的に構成されており、
前記第1および第2のケーブル固定部の上面が、該第1および第2のケーブル固定部の底面の両端部をそれぞれ支点として該第1および第2のケーブル固定部の両側面を扇状にそれぞれ開くことにより切断部開放状態にすることができるように、前記スリーブ固定部の長手方向に沿って三角波形状に切断されており、
前記第1および第2のケーブル固定部が、切断部噛合状態では前記第1および第2の光ドロップケーブルの第1および第2の外被(41,42)と同じ大きさの開口部が形成されるような筒状の形状を有する、
ことを特徴とする、請求項2記載の光ケーブル接続具。
【請求項4】
前記第1および第2のケーブル固定部(221,222)が、該第1および第2のケーブル固定部の両側面を閉じた状態でコの字状の横断面形状を有し、
前記第1および第2のケーブル固定部の両側面の上端部に、鋸刃形状の第1および第2の爪(22a11,22a12,22a21,22a22)が前記スリーブ固定部(21)の長手方向に沿って互いに向き合うようにそれぞれ形成されており、
前記第1および第2のケーブル固定部の両側面の長さが、前記第1および第2の光ドロップケーブルの第1および第2の外被の縦の長さよりも短くされている、
ことを特徴とする、請求項2記載の光ケーブル接続具。
【請求項5】
前記第1および第2のケーブル固定部(321,322)が、該第1および第2のケーブル固定部の両側面を閉じた状態でコの字状の横断面形状を有し、
前記第1および第2のケーブル固定部の両側面の上部に、鋸刃形状の第1および第2の爪(32a11,32a12,32a21,32a22)が該第1および第2のケーブル固定部の両側面の上端から該第1および第2のケーブル固定部の底面に向かって互いに向き合うようにそれぞれ形成されており、
前記第1および第2のケーブル固定部の両側面の長さが、前記第1および第2の光ドロップケーブルの前記第1および第2の外被の縦の長さと同じにされている、
ことを特徴とする、請求項2記載の光ケーブル接続具。
【請求項6】
前記第1および第2のケーブル固定部(421,422)が、該第1および第2のケーブル固定部の両側面を閉じた状態でコの字状の横断面形状を有し、
前記第1および第2のケーブル固定部の両側面の内側に、三角形状の第1および第2の縦溝(42a11,42a12,42a21,42a22)が複数本ずつそれぞれ形成されている、
ことを特徴とする、請求項2記載の光ケーブル接続具。
【請求項7】
前記第1および第2のケーブル固定部(521,522)が、くの字状の横断面形状を有する側面と逆くの字状の横断面形状を有する他の側面とを備え、
前記第1および第2の光ドロップケーブルが、前記第1および第2のケーブル固定部の前記側面と前記他の側面との間に上から押し込まれることにより前記第1および第2のケーブル固定部にそれぞれ挿入されて固定される、
ことを特徴とする、請求項1記載の光ケーブル接続具。
【請求項8】
前記心線接続用スリーブ固定手段が、前記第1および第2の光ドロップケーブルの先端部と前記第1および第2の光ファイバ心線と前記心線接続用スリーブとを押し込んで固定するための切込み(13a;53a;83a;93a;113a1,113a2;213a1〜213a3)が形成されたスポンジ部材(13;53;83;93;1131,;1132;2131〜2133)を備えることを特徴とする、請求項1乃至7いずれかに記載の光ケーブル接続具。
【請求項9】
前記切込み(13a;53a;83a;113a1,113a2;213a1〜213a3)が直線状に形成されていることを特徴とする、請求項8記載の光ケーブル接続具。
【請求項10】
前記切込み(93a)が、前記スポンジ部材(93)の中心部に斜めに直線状に形成された前記心線接続用スリーブを固定するための直線部(93a0)と、前記第1および第2の光ファイバ心線をそれぞれ固定するための第1および第2の曲線部(93a1,93a2)とから構成されており、
前記直線部と前記第1の曲線部とが前記第2のケーブル固定部(922)側で接続されており、前記直線部と前記第2の曲線部とが前記第1のケーブル固定部(921)側で接続されている、
ことを特徴とする、請求項8記載の光ケーブル接続具。
【請求項11】
三角溝(83b)が前記切込み(83a)の上に形成されていることを特徴とする、請求項8乃至10いずれかに記載の光ケーブル接続具。
【請求項12】
前記心線接続用スリーブを前記光ケーブル接続具の中心に固定するための目印(611,612,613;62)が、前記スポンジ部材の上面に付けられていることを特徴とする、請求項8乃至11いずれかに記載の光ケーブル接続具。
【請求項13】
前記目印の代わりに、前記スリーブ固定部(11)の長手方向の中心に所定の長さの間隙を持たせて第1および第2のスポンジ部材(731,732)を該スリーブ固定部に収容し、
前記心線接続用スリーブの両端部を前記第1および第2のスポンジ部材にそれぞれ形成された第1および第2の切込み(73a1,73a2)にそれぞれ押し込んで、該心線接続用スリーブを前記光ケーブル接続具の中心に固定する、
ことを特徴とする、請求項12記載の光ケーブル接続具。
【請求項14】
前記スリーブ固定部が、前記第1および第2の光ファイバ心線を接続した状態で前記心線接続用スリーブを固定するための第1のスポンジ部材(1131)を収容するための内側スリーブ固定部(111a)と、第2の光ファイバ心線32を固定するための第2のスポンジ部材(1132)を収容するための外側スリーブ固定部(111b)とを備え、
前記内側スリーブ固定部が前記外側スリーブ固定部に対してスライド可能にされている、
ことを特徴とする、請求項1乃至13いずれかに記載の光ケーブル接続具。
【請求項15】
前記スポンジ部材が、前記スリーブ固定部(211)の前記第1のケーブル固定部(2121)側に収容された第1のスポンジ部材(2131)と、該スリーブ固定部の前記第2のケーブル固定部(2122)側に収容された第2のスポンジ部材(2132)と、該スリーブ固定部の中央部に収容された第3のスポンジ部材(2133)とに分割されており、
前記第1および第2のスポンジ部材の中央に、前記第1および第2の光ドロップケーブルの先端部を固定するための直線状の第1および第2の切込み(213a1,213a2)がそれぞれ形成されており、
前記第3のスポンジ部材の中央に、前記心線接続用スリーブを固定するための第3の切込み(213a3)が形成されている、
ことを特徴とする、請求項8乃至13いずれかに記載の光ケーブル接続具。
【請求項16】
前記スリーブ固定部の底面の中央部に回転台が設けられており、
該回転台上に前記第3のスポンジ部材が固定されている、
ことを特徴とする、請求項15記載の光ケーブル接続具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−176119(P2008−176119A)
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−10334(P2007−10334)
【出願日】平成19年1月19日(2007.1.19)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【出願人】(503320061)株式会社エネルギア・コミュニケーションズ (92)
【出願人】(591080678)株式会社中電工 (64)
【Fターム(参考)】