説明

光コネクタプラグ及び光コネクタ

【課題】 光ファイバからの照射光を容易に且つ確実に遮蔽して、安全性を高めると共に、製造コスト及び導入コストを低減した光コネクタプラグ及び光コネクタを提供する。
【解決手段】 つまみ部材20が互いにスライド自在に設けられた内筒22と外筒21とで構成されて、内筒22が外筒21内に収納される縮小状態と、内筒22が前方へ突出した伸長状態とを有し、且つプラグフレーム30は外筒21に対して所定量移動可能なように係合保持されており、内筒22の内部の先端部側には、基端部を介して内筒に対して傾斜自在に保持されると共に伸長状態ではフェルール40の先端面を遮蔽する遮蔽位置に配置され且つ縮小状態ではプラグフレーム30の内筒22内への収納を許容する非遮蔽位置に配置される遮蔽板70と、つまみ部材20の内部には、内筒22を外筒21に対して前方へ突出する方向へ付勢する内筒付勢手段を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバの先端を保持し、光ファイバ同士を光接続させる光コネクタプラグ及び光コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光通信に用いられる光ファイバ同士の光接続は、光ファイバの先端を保持した光コネクタプラグと、光コネクタプラグ同士を固定して光ファイバの光接続を行う光コネクタアダプタとを有する光コネクタを用いた方法や、光ファイバの先端面同士を互いに当接させた状態で融着させることにより行われていた。
【0003】
融着による光ファイバ同士の光接続では、光ファイバの光接続の着脱が行えないという問題や、融着工程が煩雑であるという問題から使用に制限があるという問題がある。
【0004】
このため、光ファイバを保持する外径が2.5mmのフェルール用筒状体を用いて光接続を行うSC型光コネクタや、光ファイバを保持する外径が1.25mmのフェルール用筒状体を用いた比較的小型化されたMU型光コネクタなどを用いることで、光ファイバの融着工程を不要として、光ファイバの光接続の着脱を容易に行っている。
【0005】
また、近年、電話局から各家庭までの加入者線を結ぶアクセス網を光ファイバ化し、高速な通信環境を構築するFTTH(Fiber To The Home)が普及されている。そして光ファイバ通信には、一般的に波長1.3〜1.55μmの赤外線が使われているが、その出力は増加する傾向にある。
【0006】
さらに、光コネクタの外周に先端面を覆うように稼働するカバーを設け、カバーによって光コネクタプラグの先端面を覆って、光ファイバの先端面を塵、指紋及び水しぶき等の汚染物から保護したものが提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
【0007】
しかしながら、従来のSC型、MU型等の光コネクタプラグでは、保持した光ファイバの先端から光が照射されてしまうため、この照射光が人体、特に目などの局部に一定時間以上当たると、人体に悪影響を与えてしまう虞があり、危険性が高いという問題がある。
【0008】
特に、FTTHなどの普及により家庭内に引き込まれる光ファイバの先端を保持した光コネクタプラグには、高い安全性が求められるが、FTTHで使用される一般的なSC型、MU型等の光コネクタプラグには、光ファイバの先端から照射される照射光を遮蔽する対策が成されておらず、危険性が高いという問題がある。また、光通信が高出力化されるほど、光ファイバの先端からの照射光が人体に悪影響を及ぼす危険性が高まるという問題がある。
【0009】
さらに、上述した特許文献1及び2には、光ファイバの先端面を汚染物から保護するためにカバーを設けた光コネクタプラグが開示されており、このカバーによって光ファイバの先端から照射される照射光を遮蔽することができる。しかしながら、このようなカバーを設けた光コネクタプラグは、カバーが光コネクタプラグの外周面に設けられて稼働するようになっており、光コネクタプラグの外形が従来とは異なった形状となってしまう。また、光コネクタプラグ同士を対向接続させる光コネクタアダプタにおいても、カバーが設けられた光コネクタプラグの形状に合わせて従来とは異なる形状で形成しなくてはならず、製造コストが高価となってしまうという問題がある。
【0010】
また、カバーが設けられた光コネクタは、従来のSC型、MU型等の光コネクタとは異なる新たな規格としなくてはならず、従来のSC型、MU型等の光コネクタとは互換性がなく、このような新たな規格のカバー付き光コネクタをSC型やMU型の光コネクタを用いた既存の設備に適用する場合、既存の設備を全て交換しなくてはならず、高コストになってしまうという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平7−281055号公報(第4〜6頁、第1、7及び8図)
【特許文献2】特開2002−156557号公報(第4〜6頁、第1、7及び8図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明はこのような課題に鑑み、光ファイバからの照射光を容易に且つ確実に遮蔽して、安全性を高めると共に、製造コスト及び導入コストを低減した光コネクタプラグ及び光コネクタを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、少なくとも光ファイバを保持したフェルールを保持するプラグフレームと、該プラグフレームを内部に保持するつまみ部材とを具備するプッシュプル締結方式の光コネクタプラグであって、前記つまみ部材が互いにスライド自在に設けられた内筒と外筒とで構成されて、前記内筒が前記外筒内に収納される縮小状態と、前記内筒が前方へ突出した伸長状態とを有し、前記内筒の内部の先端部側には、基端部を介して前記内筒に対して傾斜自在に保持されると共に、前記伸長状態では前記フェルールの先端面を遮蔽する遮蔽位置に配置され、且つ前記縮小状態では前記プラグフレームの前記内筒内への収納を許容する非遮蔽位置に配置される遮蔽板が設けられており、前記伸長状態から前記縮小状態までの前記内筒と前記プラグフレームとの相対移動により、前記遮蔽板が前記遮蔽位置から前記非遮蔽位置まで移動するようになっており、前記つまみ部材は、前記縮小状態において光コネクタアダプタに係合する形状を有すると共に、前記プラグフレームの先端部側外周に設けられた係合部が前記光コネクタアダプタの係合爪に係合して光接続状態となり、前記つまみ部材の内部には、前記内筒を前記外筒に対して前方へ突出する方向へ付勢する内筒付勢手段が設けられていることを特徴とする光コネクタプラグにある。
【0014】
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記内筒の内部には、前記伸長状態において前記遮蔽板が前記遮蔽位置に配置されるように、当該遮蔽板を位置決め付勢する付勢保持手段が設けられていることを特徴とする光コネクタプラグにある。
【0015】
本発明の第3の態様は、第1の態様において、前記遮蔽板は板ばねで構成されており、前記伸長状態において当該遮蔽板の先端部が前記遮蔽位置に配置されるように、当該遮蔽板自体に当該遮蔽板の前記先端部を位置決め付勢する付勢保持手段として作用させることを特徴とする光コネクタプラグにある。
【0016】
本発明の第4の態様は、第1〜3の何れかの態様において、前記プラグフレームは前記外筒に対して所定量移動可能なように係合保持されていることを特徴とする光コネクタプラグにある。
【0017】
本発明の第5の態様は、第1〜4の何れかの態様において、前記外筒の外周には、前記光接続状態から前記外筒のみを所定量後退させることにより前記光コネクタアダプタの前記係合爪を押し広げて当該係合爪と前記係合部との係合を解除する係合解除部が設けられていることを特徴とする光コネクタプラグにある。
【0018】
本発明の第6の態様は、第1〜5の何れかの態様において、前記遮蔽板は、当該遮蔽板の先端部が前記内筒の内部の前記基端部が保持された一方側とは反対側の面に当接することにより、前記遮蔽位置に位置決めされていることを特徴とする光コネクタプラグにある。
【0019】
本発明の第7の態様は、第1〜6の何れかの態様において、前記遮蔽板は、前記非遮蔽位置から前記遮蔽位置まで移動した際に、前記フェルールの先端面に当接しないように設けられていることを特徴とする光コネクタプラグにある。
【0020】
本発明の第8の態様は、第1〜7の何れかの態様において、前記内筒の内部には、前記遮蔽板の内側に基端部を介して傾斜自在に保持されると共に、先端部側で前記遮蔽板に当接又は係合して当該遮蔽板と共に傾斜する動作板が設けられていることを特徴とする光コネクタプラグにある。
【0021】
本発明の第9の態様は、第8の態様において、前記動作板の先端部には、当接凹部が設けられていると共に、当該動作板が、前記つまみ部材の伸長状態で前記フェルール側に傾斜した際に、前記当接凹部が前記フェルールの側面に当接する位置に配置されていることを特徴とする光コネクタプラグにある。
【0022】
本発明の第10の態様は、第8,9の何れかの態様において、前記遮蔽板及び前記動作板は、当該遮蔽板を前記遮蔽位置で前記動作板との係合により当該遮蔽位置に位置決め保持されていることを特徴とする光コネクタプラグにある。
【0023】
本発明の第11の態様は、第8〜10の何れかの態様において、前記動作板は、前記非遮蔽位置から前記遮蔽位置まで移動した際に、前記フェルールの先端面に当接しないように設けられていることを特徴とする光コネクタプラグにある。
【0024】
本発明の第12の態様は、第2〜11の何れかの態様において、前記付勢保持手段が、前記遮蔽板を前記非遮蔽位置から前記遮蔽位置となる方向に付勢するものであることを特徴とする光コネクタプラグにある。
【0025】
本発明の第13の態様は、第1〜12の何れかの態様において、前記遮蔽板が前記内筒に保持されていることを特徴とする光コネクタプラグにある。
【0026】
本発明の第14の態様は、第13の態様において、前記遮蔽板が前記基端部に設けられた遮蔽板軸を介して前記内筒に回転自在に保持されていることを特徴とする光コネクタプラグにある。
【0027】
本発明の第15の態様は、第8〜14の何れかの態様において、前記動作板が前記内筒に保持されていることを特徴とする光コネクタプラグにある。
【0028】
本発明の第16の態様は、第15の態様において、前記動作板が前記基端部に設けられた動作板軸を介して前記内筒に回転自在に保持されていることを特徴とする光コネクタプラグにある。
【0029】
本発明の第17の態様は、第15の態様において、前記動作板は板ばねで構成されており、当該動作板の前記基端部が前記内筒に固定されていることを特徴とする光コネクタプラグにある。
【0030】
本発明の第18の態様は、第1〜12の何れかの態様において、前記遮蔽板が遮蔽板枠に保持されて遮蔽板組立体となっていると共に、前記遮蔽板組立体が、前記内筒に固定されていることを特徴とする光コネクタプラグにある。
【0031】
本発明の第19の態様は、第18の態様において、前記遮蔽板が前記基端部に設けられた遮蔽板軸を介して前記遮蔽板枠に回転自在に保持されていることを特徴とする光コネクタプラグにある。
【0032】
本発明の第20の態様は、第8〜12、18、19の何れかの態様において、前記動作板が前記遮蔽板枠に保持されていることを特徴とする光コネクタプラグにある。
【0033】
本発明の第21の態様は、第20の態様において、前記動作板が前記基端部に設けられた動作板軸を介して前記遮蔽板枠に回転自在に保持されていることを特徴とする光コネクタプラグにある。
【0034】
本発明の第22の態様は、第20の態様において、前記動作板は板ばねで構成されており、当該動作板の前記基端部が前記遮蔽板枠に固定されていることを特徴とする光コネクタプラグにある。
【0035】
本発明の第23の態様は、第1〜22の何れかの態様において、前記つまみ部材がSC型又はMU型の光コネクタアダプタに係合される形状を有することを特徴とする光コネクタプラグにある。
【0036】
本発明の第24の態様は、第1〜23の何れかの態様において、前記内筒の先端部には、前記係合爪に当接する当接部が設けられており、前記伸長状態で前記係合爪が前記当接部に当接すると共に、前記縮小状態となった際に、前記プラグフレームの先端に設けられた押圧部が前記係合爪を押し広げて、前記係合爪と前記当接部との当接状態を解除して、前記係合爪と前記係合部とを係合させることを特徴とする光コネクタプラグにある。
【0037】
本発明の第25の態様は、第1〜24の何れかの態様の光コネクタプラグを具備することを特徴とする光コネクタにある。
【発明の効果】
【0038】
本発明によれば、つまみ部材を伸長状態とすることで、遮蔽板をフェルールの先端面を遮蔽する遮蔽位置に移動させて、フェルールの先端面を遮蔽して、光コネクタプラグの先端から光が照射されるのを容易に且つ確実に防止することができ、光コネクタプラグの安全性を高めることができる。また、つまみ部材を縮小状態とすることで、遮蔽板を非遮蔽位置に移動させてフェルールの先端面を露出させて光コネクタアダプタと光接続させることができる。また、つまみ部材の外筒を把持して光コネクタアダプタへの接続又は解除を行うだけで、つまみ部材を伸長状態及び縮小状態とすることができるため、光コネクタアダプタとの光接続時又は解除時にフェルールの先端面から光が照射されるのを確実に防止できる。さらに、内部に保持されるフェルール、プラグフレーム、ストップリング等に従来のものを用いることができると共に、従来の光コネクタアダプタに接続させることができるため、製造コストを低減することができると共に設備の交換コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施形態1に係る光コネクタプラグの斜視図である。
【図2】本発明の実施形態1に係る光コネクタプラグの正面図及び要部断面図である。
【図3】本発明の実施形態1に係る光コネクタプラグの正面図及び要部断面図である。
【図4】本発明の実施形態1に係るつまみ部材の分解斜視図である。
【図5】本発明の実施形態1に係る光コネクタアダプタの一部を切り欠いた分解斜視図である。
【図6】本発明の実施形態1に係る光コネクタプラグと光コネクタアダプタとの結合動作を示す断面図である。
【図7】本発明の実施形態1に係る光コネクタプラグと光コネクタアダプタとの結合動作を示す断面図である。
【図8】本発明の実施形態1に係る光コネクタプラグと光コネクタアダプタとの結合動作を示す断面図である。
【図9】本発明の実施形態1に係る光コネクタプラグと光コネクタアダプタとの解除動作を示す断面図である。
【図10】本発明の実施形態2に係る内筒の斜視図及び平面図である。
【図11】本発明の実施形態2に係る内筒の要部断面図である。
【図12】本発明の実施形態3に係る内筒の斜視図及び平面図である。
【図13】本発明の実施形態3に係る内筒の要部断面図である。
【図14】本発明の実施形態4に係る内筒の斜視図及び平面図である。
【図15】本発明の実施形態4に係る内筒の要部断面図である。
【図16】本発明の実施形態5に係る光コネクタプラグの斜視図である。
【図17】本発明の実施形態5に係る光コネクタプラグの正面図及び要部断面図である。
【図18】本発明の実施形態5に係る光コネクタプラグの正面図及び要部断面図である。
【図19】本発明の実施形態5に係るつまみ部材の分解斜視図である。
【図20】本発明の実施形態6に係る光コネクタプラグの斜視図である。
【図21】本発明の実施形態6に係る光コネクタプラグの正面図及びその要部断面図である。
【図22】本発明の実施形態6に係る光コネクタプラグの正面図及びその要部断面図である。
【図23】本発明の実施形態6に係る光コネクタプラグの分解斜視図である。
【図24】本発明の実施形態6に係る外筒の断面図である。
【図25】本発明の実施形態6に係る遮蔽板組立体の分解斜視図である。
【図26】本発明の実施形態6に係る光コネクタプラグと光コネクタアダプタとの結合動作を示す断面図である。
【図27】本発明の実施形態6に係る光コネクタプラグと光コネクタアダプタとの結合動作を示す断面図である。
【図28】本発明の実施形態6に係る光コネクタプラグと光コネクタアダプタとの結合動作を示す断面図である。
【図29】本発明の実施形態6に係る光コネクタプラグと光コネクタアダプタとの解除動作を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
【実施例】
【0041】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る光コネクタプラグの斜視図であり、図2及び図3は、光コネクタプラグの正面図及びそのA−A′断面図、B−B′断面図である。
【0042】
図1〜3に示すように、本実施形態の光コネクタプラグ10は、詳しくは後述するSC型の光コネクタアダプタに嵌合するつまみ部材20と、つまみ部材20内に軸方向に移動自在に保持されたプラグフレーム30と、光接続を行う光ファイバを保持すると共にプラグフレーム30の後方から挿入されるフェルール40と、先端部がプラグフレーム30の後端部と係合するストップリング50と、フェルール40とストップリング50との間に保持されてフェルール40を軸方向先端側に向かって付勢する付勢ばね60とを具備する。
【0043】
図2に示すように、フェルール40は、外形が2.5mmで形成されたフェルール用筒状体41と、フェルール用筒状体41の一端部に嵌合されたつば部材42とから構成されている。
【0044】
フェルール用筒状体41は、略円筒形状を有し、その内部には軸方向に貫通して光ファイバを挿入保持する光ファイバ挿入孔41aが設けられている。この光ファイバ挿入孔41aの後端部には、内径が開口側に向かって漸大するテーパ部41bが設けられており、テーパ部41bを設けることによって、光ファイバ挿入孔41aに光ファイバを挿入した際に、光ファイバの先端がフェルール用筒状体41の端面に接触することで欠けたり、折れたりするのを防止することができる。
【0045】
なお、このようなフェルール用筒状体41としては、例えば、ジルコニア等のセラミックス材料、プラスチック材料及び結晶化ガラス、ホウケイ酸ガラス、石英等のガラス材料等を挙げることができる。また、フェルール用筒状体41の外径は、本実施形態では、2.5mmとした。
【0046】
また、フェルール用筒状体41の後端部に嵌合するつば部材42には、軸方向に亘って光ファイバの外周に被覆を施した光ファイバ心線を挿入保持する光ファイバ心線挿入孔42aと、外周の円周方向に亘って半径方向に所定量突出するように設けられたつば部43とが設けられている。
【0047】
つば部43の外周には、円周方向に90度間隔で4箇所、軸方向に亘って同等の幅でキー溝44が設けられており、このキー溝44が詳しくは後述するプラグフレーム30のキー溝用突部32aに係合することで、フェルール40は、プラグフレーム30に対して軸を中心とした回転方向の移動が規制されている。
【0048】
なお、このようなキー溝44の数、位置、深さ及び形状等は特に限定されず、フェルール40を位置決めさせるプラグフレーム30に応じて適宜決定すればよい。
【0049】
また、つば部材42の材質としては、特に限定されず、例えば、ステンレス鋼、真鍮、鉄等の金属材料やプラスチック等の樹脂材料等を挙げることができる。本実施形態では、つば部材42をステンレス鋼で形成した。
【0050】
また、プラグフレーム30は、中空の四角柱形状を有し、長手方向に亘って貫通したフェルール40及び付勢ばね60を挿入可能なフェルール挿入孔31が設けられている。このフェルール挿入孔31には、フェルール用筒状体41の先端部のみを突出させるように、フェルール用筒状体41の外径よりも大径で、且つつば部43よりも小径の内径を有するフェルール突出孔32が設けられている。
【0051】
また、フェルール挿入孔31内には、フェルール40のキー溝44と係合するキー溝用突部32aが半径方向内側に突出するように2つ設けられている。このキー溝用突部32aがフェルール40のキー溝44に係合することで、フェルール40は、プラグフレーム30に対して軸を中心とした回転方向の移動が規制された状態で、軸方向に移動自在に保持されている。
【0052】
さらに、プラグフレーム30には、図2(b),(c)に示すように、外周の対向する2面にフェルール挿入孔31と連通して外周に開口する係合孔33がそれぞれ形成されている。この係合孔33に、詳しくは後述するストップリング50の外周に設けられた係合突起54が係合することで、プラグフレーム30とストップリング50とが係合している。
【0053】
また、プラグフレーム30の係合孔33が設けられた面とは交差する2面には、後端部から軸方向に向かって所定長さで切り欠けられた切り欠き部34が設けられている。この切り欠き部34は、プラグフレーム30の後端部にストップリング50を係合させる際にプラグフレーム30を弾性変形させ易くすると共に、プラグフレーム30の後端部に係合されたストップリング50の係合凹部56を外部に露出させるものである。
【0054】
さらに、プラグフレーム30の外周の対向する2面には、先端部側にフェルール40の半径方向に突出した係合部35と、係合部35よりも後方で突出した押圧用突起36とがそれぞれ1対ずつ設けられている。プラグフレーム30の係合部35は、詳しくは後述するが、光コネクタアダプタの係合爪と係合することで、光コネクタアダプタと光コネクタプラグ10とを係合させるものである。また、プラグフレーム30の押圧用突起36は、詳しくは後述するが、光コネクタプラグ10を光コネクタアダプタに係合させる際に、つまみ部材20に設けられた押し板28を当接させてプラグフレーム30を光コネクタアダプタに押し込むためのものである。
【0055】
さらに、このようなプラグフレーム30の後端部に嵌合するストップリング50は、光ファイバ心線を挿通可能な貫通した光ファイバ心線挿通孔51を有する円筒形状の金属材料又はプラスチック等の樹脂材料で形成されている。この光ファイバ心線挿通孔51の先端側には、付勢ばね60を挿入可能な連通孔52が設けられており、光ファイバ心線挿通孔51と連通孔52との内径差によって段差部53が設けられている。
【0056】
この連通孔52に付勢ばね60が保持され、保持された付勢ばね60にフェルール40のつば部材42の後端部側が挿入されるようになっている。そして、付勢ばね60の一端がつば部43の後端面に当接すると共に他端がストップリング50の段差部53に当接することで、フェルール40はプラグフレーム30に対して先端側に付勢された状態で保持される。このとき、つば部43の先端面がフェルール突出孔32に当接することで、先端側への移動が規制された状態で付勢保持されている。
【0057】
また、フェルール40は、上述のようにつば部43のキー溝44がフェルール挿入孔31のキー溝用突部32aに係合することで、軸を中心とした回転方向の移動が規制された状態で、軸方向に移動自在に保持されているため、フェルール40は、プラグフレーム30に対して回転方向の移動が規制された状態で後端部側に移動可能に付勢保持されている。
【0058】
また、ストップリング50の先端部側外周には、プラグフレーム30の係合孔33内に突出する係合突起54が相対向する位置に2つ設けられている。この係合突起54は、先端に向かって外径が漸小するテーパ状の外周面を有し、プラグフレーム30の後端部側からストップリング50を挿入した際にプラグフレーム30の後端部側を押し広げながら、ストップリング50に係合される。
【0059】
さらに、ストップリング50の係合突起54の後方には、プラグフレーム30の後端部側の開口を塞ぐための閉塞用突起55が設けられている。この閉塞用突起55は、ストップリング50の外周に亘って、プラグフレーム30のフェルール挿入孔31の内径と同等の外形で設けられており、プラグフレーム30の後端部側の開口を塞ぐことによって、内部にゴミやホコリが進入するのを防止している。
【0060】
また、ストップリング50の閉塞用突起55と係合突起54との間の外径は、係合突起54よりも先端側の外径に比べて小径で形成されている。これにより、閉塞用突起55と係合突起54との間には、円周方向に亘って係合凹部56が設けられている。この係合凹部56は、詳しくは後述するつまみ部材20の外筒21に設けられた係合凸部24が係合することによって、プラグフレーム30が外筒21に対して軸方向に所定量移動可能なように係合保持される。
【0061】
さらに、ストップリング50の後端部側には、カシメリング57が固定されている。このカシメリング57は、ストップリング50とカシメリング57との間で、光ファイバの外周に被覆を施した光ファイバ心線に、さらに外周にケプラー繊維等の高張力体を間に挟んで被覆を施した光ファイバケーブルの高張力体が挟まれた状態で、ストップリング50の後端部に圧着されて固定されている。
【0062】
また、カシメリング57の後端部には、リング58が固定されている。このリング58は、カシメリング57とリング58との間で、光ファイバケーブルの最も外側の被覆が挟まれた状態で、カシメリング57の後端部に圧着されて固定されている。このようなストップリング50、カシメリング57及びリング58によって、光ファイバケーブルは、光コネクタプラグ10に固定されている。
【0063】
また、ストップリング50の後端部側には、内部にカシメリング57及びリング58が内包されて光ファイバケーブルが保持されるブーツ59が嵌合されている。このブーツ59は、ゴム等の弾性材料や、プラスチック等の樹脂材料で形成されている。
【0064】
一方、図2及び図3に示すように、つまみ部材20は、中空の四角柱形状を有する外筒21と、外筒21内に軸方向にスライド自在に収納された中空の四角柱形状を有する内筒22とで構成され、図3に示すように、内筒22が外筒21内に収納される縮小状態と、図2に示すように、内筒22が前方へ突出した伸長状態とを有する。
【0065】
外筒21は、図4に示すように、上下に分割された上部材21aと下部材21bとで構成されており、上下部材21a、21bにそれぞれ設けられた外筒係合爪21cが、互いに設けられた外筒係合溝21dに係合することで一体的に組み立てられている。
【0066】
また、図2及び図3に示すように、外筒21には、その内部にプラグフレーム30が保持される保持孔23が設けられており、この保持孔23内にプラグフレーム30が外筒21に対して所定量移動可能となるように係合保持されている。詳しくは、保持孔23内には、ストップリング50の外周に設けられた係合凹部56内に突出する係合凸部24が設けられており、ストップリング50の係合凹部56の両側面が係合凸部24に当接することによって、プラグフレーム30は係合凹部56の幅だけ移動可能に保持されている。
【0067】
また、図3(b)及び図4に示すように、外筒21のプラグフレーム30の係合部35に対向する領域には、係合部35を外部に露出させる第1の露出孔25が設けられている。また、第1の露出孔25が外部に開口する側の側面には、外筒21の後端部側に向かって傾斜した係合解除部25aが設けられている。この係合解除部25aは、詳しくは後述するが、光コネクタアダプタの係合爪とプラグフレーム30の係合部35とを係合させた状態から、外筒21を引き抜くことで、外筒21をプラグフレーム30に対して移動させた際に、プラグフレーム30の移動に伴い係合爪を押し広げて係合爪と係合部35との係合を解除するものである。
【0068】
さらに、図1及び図2(b)に示すように、外筒21の第1の露出孔25が設けられていない対向する面の一方側の外周には、光コネクタプラグ10を光コネクタアダプタに接続した際に、光コネクタアダプタに対して軸を中心とした回転方向の位置決めを行う突出したキー26が設けられている。
【0069】
一方、図4に示すように外筒21の内部にスライド自在に設けられた内筒22には、軸方向に亘ってプラグフレーム30がスライド移動される挿通孔22aが設けられている。また、内筒22の後端部側には、外筒21の係合凸部24に相対向する位置に挿通孔22aと外部とを連通する係合用スリット27が設けられており、この係合用スリット27により、外筒21が係合凸部24によってプラグフレーム30を保持した状態で、外筒21内に内筒22が収納されるようになっている。また、内筒22の後端部側の外周面には、突出した抜け防止突部22bが設けられている。この抜け防止突部22bは、外筒21の保持孔23内に設けられた段差部105に当接することで、引き抜く方向の移動が規制されている。なお、抜け防止突部22bは、内筒22の後端に向かって厚さが漸小するテーパ状に設けられており、外筒21と内筒22とを組み立てる際には、外筒21に内筒22を挿入することで、抜け防止突部22bが外筒21の段差部105を超えて収納されて、内筒22が外筒21から抜け出るのが防止されている。
【0070】
また、内筒22の挿通孔22a内には、一端部が外筒21の後端部に接合された板状の押し板28が一対設けられている。この押し板28は、図2及び図3に示すように、他端部がプラグフレーム30の押圧用突起36に当接する長さで設けられることで、プラグフレーム30が外筒21に対して後端部側に移動するのを防止している。すなわち、上述したように、プラグフレーム30は、外筒21の係合凸部24がストップリング50の係合凹部56に係合することで、外筒21内に所定量移動自在に設けられているが、プラグフレーム30が後端部側に移動した際に、係合凸部24と係合凹部56とが当接するよりも前に、押し板28の他端部が押圧用突起36に当接して、プラグフレーム30が後端部側に移動するのを規制している。これは、詳しくは後述するが、光コネクタプラグ10を光コネクタアダプタに接続する際に、プラグフレーム30が光コネクタアダプタに当接して、光コネクタプラグ10を光コネクタアダプタに圧入するため、プラグフレーム30が後端部側に移動する圧力に係合凸部24と係合凹部56とを係合しただけでは耐えることができず、係合凸部24が破壊されてしまうのを防止するためである。なお、このような押し板28は、外筒21を構成する上下部材21a、21bを組み立てる際に同時に組み込むことができる。
【0071】
また、プラグフレーム30の外筒21に対する移動量は、詳しくは後述するが、光コネクタプラグ10と光コネクタアダプタとの係合を外すことができれば、特に限定されないが、例えば、SC型光コネクタアダプタを用いた場合には、プラグフレーム30は、外筒21に対して約2mmスライドするようにすればよい。
【0072】
また、内筒22の先端部側には、つまみ部材20が縮小状態となった際に、外筒21の第1の露出孔25と連通してプラグフレーム30の係合部35を外部に露出させる第2の露出孔29が設けられている。すなわち、つまみ部材20は、内筒22が外筒21に収納された縮小状態で、プラグフレーム30の係合部35は第1及び第2の露出孔25、29によって露出されて、光コネクタアダプタの係合爪と係合されるようになっている。
【0073】
さらに、内筒22の第2の露出孔29が設けられた面の先端部には、光コネクタアダプタの係合爪と係合する内筒係合部100が設けられている。この内筒係合部100は、詳しくは後述するが、光コネクタアダプタから外筒21を把持して光コネクタプラグ10を引き抜いた際に、光コネクタアダプタの係合爪と係合することで、外筒21のみを後端部側に移動させて、つまみ部材20を伸長状態とするためのものである。
【0074】
また、内筒22には、挿通孔22aの一方面に基端部を介して傾斜自在に保持された遮蔽板70と、遮蔽板70よりも内側に基端部を介して傾斜自在に保持されると共に先端部が遮蔽板70に当接する動作板80とが設けられている。また、内筒22には、遮蔽板70がフェルール40の先端面に相対向する位置まで傾斜した遮蔽位置となるように、遮蔽板70及び動作板80を位置決め付勢する付勢保持手段90が設けられている。
【0075】
遮蔽板70は、挿通孔22aより若干狭い幅で形成された板状部材からなり、基端部が挿通孔22aの一方面、本実施形態では、第2の露出孔29が設けられていない相対向する面の一方側に遮蔽板軸71を介して傾斜自在に保持されている。すなわち、遮蔽板70は、先端部が遮蔽板軸71の設けられた一方側で遮蔽板軸71よりもつまみ部材20の先端側で当接した位置から、基端部が保持された一方側とは反対の他方側の面に向かって遮蔽板軸71を中心として回転するように設けられており、先端部が挿通孔22aの他方側に移動した際に、所定の傾斜角度で先端部が挿通孔22aの他方側に当接する長さで形成されている。
【0076】
そして、遮蔽板70は、先端部が挿通孔22aの他方側に当接して、挿通孔22aを塞ぎ、フェルール40の先端面を遮蔽する遮蔽位置から、先端部が遮蔽板軸71の設けられた一方側に当接して、プラグフレーム30の移動を許容する非遮蔽位置とに傾斜するようになっている。
【0077】
このような遮蔽板70は、遮蔽位置でフェルール40及びプラグフレーム30に干渉しない位置で、且つ光コネクタプラグ10を光コネクタアダプタに接続した際に光コネクタアダプタ内の光接続用スリーブなどの部材に当接して遮蔽板70が破壊されない位置に適宜設けられている。
【0078】
また、動作板80は、板状部材からなり、遮蔽板70の基端部と同じ挿通孔22a内の一方側に動作板軸81を介して傾斜自在に保持されている。また、動作板80は、先端に半円形状に切り欠いた当接凹部82が設けられている。さらに、動作板80は、先端部が遮蔽板70に当接して、後述する付勢保持手段90によって遮蔽板70と共に遮蔽位置に向かって付勢されて傾斜するように設けられている。
【0079】
このような動作板80は、遮蔽位置でフェルール40側に傾斜した際に、動作板80の先端がフェルール40の先端面に当接せずに、当接凹部82がフェルール40の側面に当接する長さ及び位置で適宜設けられている。すなわち、動作板80は、遮蔽板70が付勢保持手段90によって遮蔽位置となった際に、フェルール40側に傾斜することができるため、動作板80に当接凹部82を設けることによって、動作板80がフェルール40の先端面に当接してフェルール40の先端面に傷が付くのを防止している。
【0080】
また、遮蔽板70及び動作板80の材料は、耐久性がある材料であれば、特に限定されないが、例えば、ステンレス鋼等の金属材料やプラスチック等の樹脂材料等を挙げることができる。本実施形態では、遮蔽板70及び動作板80をステンレス鋼で形成した。
【0081】
なお、遮蔽板70及び動作板80が非遮蔽位置となった際に、遮蔽板70及び動作板80がプラグフレーム30に当接してプラグフレーム30の移動を規制しないように、内筒22の挿通孔22aには、遮蔽板70及び動作板80を収容する収容部22cが設けられている。
【0082】
また、付勢保持手段90は、遮蔽板70が遮蔽位置となるように、遮蔽板70及び動作板80を付勢して位置決めするものである。詳しくは、本実施形態の付勢保持手段90は、内筒22の挿通孔22aに遮蔽板70より先端部側に付勢用軸91を介して設けられたスプリングからなり、一端が遮蔽板70に当接し、他端が各軸71、81、91を固定するために内筒22の外周に設けられた蓋部材101に当接して、遮蔽板70を非遮蔽位置から遮蔽位置に付勢するものである。
【0083】
このような構成の光コネクタプラグ10では、図2に示すように、つまみ部材20を伸長状態とすることで、遮蔽板70は、付勢保持手段90によって遮蔽位置まで付勢されて傾斜する。これにより、遮蔽板70は、フェルール40の先端面を遮蔽して光コネクタプラグ10の先端から光が照射されないようにしている。また、このとき、動作板80も付勢保持手段90によって遮蔽板70を介して付勢されて、先端が遮蔽板70に当接した状態となる。
【0084】
また、図3に示すように、つまみ部材20を縮小状態とすることで、プラグフレーム30の先端縁部39が動作板80に当接し、動作板80を傾斜させると共に、傾斜させた動作板80の先端が遮蔽板70を付勢保持手段90の付勢力に抗して押圧することで、遮蔽板70を収容部22c内に収容した非遮蔽位置まで傾斜する。これにより、フェルール40の先端面を遮蔽せず、露出した状態となる。そして、詳しくは後述するが、このようにつまみ部材20の伸長状態及び縮小状態は、外筒21を把持して光コネクタアダプタに着脱するだけで変化させることができる。
【0085】
ここで、本実施形態の光コネクタプラグ10が接続される光コネクタアダプタについて説明する。なお、図5は、光コネクタアダプタの一部を切り欠いた分解斜視図である。
【0086】
図5に示すように、本発明に光コネクタプラグ10が接続される光コネクタアダプタ110はSC型であり、光接続用スリーブ120と、光接続用スリーブ120を内部に挟持するスリーブホルダ130及びハウジング140からなる保持部材150とを具備する。
【0087】
光接続用スリーブ120は、金属又はセラミックで形成された円筒形状を有し、軸方向に亘って貫通したスリット121が設けられている。この光接続用スリーブ120は、光ファイバを保持する光コネクタプラグ10のフェルール用筒状体41の外径よりも若干小さな内径で形成されており、スリット121によって弾性変形することにより、フェルール用筒状体41を内面に密着させて保持して対向接続させるようになっている。本実施形態では、フェルール用筒状体41が2.5mmであるため、例えば、光接続用スリーブ120の内径をφ2.495、外径をφ3.0〜3.2mmとなるようにした。
【0088】
この光接続用スリーブ120を保持する保持部材150であるスリーブホルダ130は、光接続用スリーブ120の一端側を保持する第1の貫通孔131の設けられた円筒形状を有する第1の保持部132を具備し、第1の保持部132の長手方向一端には、光接続用スリーブ120の一端部を係止する第1のストッパ突起133が径方向内側に突出して設けられている。
【0089】
また、第1の保持部132の第1のストッパ突起133とは反対側の他端部の外周には、矩形状の第1のフランジ部134が設けられている。
【0090】
この第1のフランジ部134の両短辺側には、第1の保持部132及び後述するハウジング140の第2の保持部145を挟むように設けられ且つ先端に係止爪135aを有する係合爪135がそれぞれ一対ずつ設けられている。これら係合爪135は、光コネクタプラグ10のプラグフレーム30の係合部35に係合して光コネクタプラグ10と光コネクタアダプタ110との結合を行うためのものである。また、第1のフランジ部134の短辺側端部には、それぞれ一対の係止突起137が設けられている。
【0091】
一方、保持部材150のハウジング140は、スリーブホルダ130を内部に保持する貫通孔である貫通部141を有し、貫通部141の両短辺側には、スリーブホルダ130の第1のフランジ部134の端部と嵌合する溝部143が設けられている。また、貫通部141内の軸方向中央部から第1のフランジ部134の挿入方向とは反対側には、第1のフランジ部134と面同士を当接させる第2のフランジ部144と、この第2のフランジ部144から軸方向に延設されて第1の貫通孔131と連通して光接続用スリーブ120の他端部側を保持する第2の貫通孔142の設けられた円筒形状を有する第2の保持部145とが設けられており、第2の保持部145の端部には光接続用スリーブ120の端部を係止する第2のストッパ突起146が径方向内側に突設されている。
【0092】
一方、ハウジング140の短辺側側面の軸方向中央部には固定用フランジ148が設けられ、固定用フランジ148には、ハウジング140を固定するための固定溝148aが設けられている。また、ハウジング140の軸方向の一方側の相対向する短辺側側面及びこれらの間の表面には、それぞれを連続するプレート用凹部149が形成されており、このプレート用凹部149には金属製の係合爪152を有するコ字状のプレート153が嵌合するようになっている。
【0093】
以上説明した本実施形態の光コネクタアダプタ110を組み立てるには、光接続用スリーブ120を第1の保持部132と第2の保持部145との間に挟んでスリーブホルダ130をハウジング140内に挿入し、ハウジング140に係止ピン151を腕部151aがスリーブホルダ130の係止突起137と係合するように挿入することで、スリーブホルダ130とハウジング140とを係合させて内部に光接続用スリーブ120を挟持することができる。
【0094】
このような光コネクタアダプタ110に光コネクタプラグ10を接続する動作について詳細に説明する。なお、図6〜9は、光コネクタの接続動作を示す断面図であり、図6(b)〜図9(b)及び図6(c)〜図9(c)は、それぞれ図6(a)〜図9(a)のC−C′断面図及びD−D′断面図である。
【0095】
図6に示すように、光コネクタプラグ10のつまみ部材20を伸長した状態、すなわち、フェルール40の先端面が遮蔽板70によって遮蔽された状態で外筒21を把持して光コネクタアダプタ110の貫通部141に挿入する。このとき、図6(b)に示すように、光コネクタプラグ10の先端が光コネクタアダプタ110の係合爪135に当接する。
【0096】
次に、図7に示すように、さらに外筒21を貫通部141側に押し込むと、光コネクタプラグ10の先端が係合爪135に当接しているため、外筒21だけが光コネクタアダプタ110側に移動し、内筒22が外筒21内に収納されて縮小状態となる。このとき、図7(b)に示すように、外筒21と共に移動したプラグフレーム30の先端縁部39が動作板80に当接し、動作板80を傾斜させると共に、傾斜させた動作板80の先端が遮蔽板70を付勢保持手段90の付勢力に抗して押圧することで、遮蔽板70及び動作板80が収容部22c内に収容される。すなわち、光コネクタプラグ10の外筒21を把持して光コネクタアダプタ110に接続しようとするだけで、つまみ部材20を縮小状態として遮蔽板70及び動作板80を非遮蔽位置まで移動させることができる。
【0097】
また、このような縮小状態では、プラグフレーム30の係合部35がつまみ部材20の第1及び第2の露出孔25、29によって外部に露出した状態となる。
【0098】
そして、図8に示すように、縮小状態となった光コネクタプラグ10を外筒21を把持してさらに光コネクタアダプタ110の貫通部141内に押し込むと、プラグフレーム30が押し板28に押されてフェルール40が光接続用スリーブ120に挿入される。このとき、係合爪135が内筒22の外周に設けられた内筒係合部100と外筒21とを乗り越えて、係止爪135aが第1及び第2の露出孔25、29を介して係合部35と係合される。これにより、光コネクタプラグ10と光コネクタアダプタ110とを接続することができる。また、図示しないが、光コネクタアダプタ110の他方側からも同様に光コネクタプラグ10を接続することで、光コネクタプラグ10同士を光コネクタアダプタ110で光接続することができる。
【0099】
このように、光コネクタプラグ10は、外筒21を把持して光コネクタアダプタ110に接続しようとするだけで、つまみ部材20を縮小状態として遮蔽板70を非遮蔽位置まで移動させることができ、フェルール40の先端面を容易に且つ確実に遮蔽して、光コネクタプラグ10の先端から光が照射するのを防止することができる。また、外筒21を把持して光コネクタアダプタ110に押し込むだけで、遮蔽板70を遮蔽位置及び非遮蔽位置に移動させることができるため、遮蔽板70を遮蔽位置及び非遮蔽位置に移動させる作業が不要となると共に、光コネクタアダプタ110との接続時に光が外部に漏れるのを防止することができ、安全性を高めることができる。
【0100】
一方、このような結合状態から光コネクタプラグ10を取り外すときは、光コネクタプラグ10の外筒21を把持して引き抜くと、外筒21がプラグフレーム30に対して後退し、係合解除部25aによって係合爪135が押し広げられて、係合爪135の係止爪135aと係合部35との係合が解除される。これにより、外筒21をプラグフレーム30と共にさらに後退させることができる。このとき、図9に示すように、係合爪135が内筒22の内筒係合部100と係合し、外筒21とプラグフレーム30とだけを後退させることができ、つまみ部材20を伸長状態とすることができる。
【0101】
これにより、図9(a)に示すように、プラグフレーム30によって収容部22cに収容されていた遮蔽板70及び動作板80が付勢保持手段90の付勢力によって遮蔽位置に向かって移動をはじめる。さらに、外筒21を後方に引き抜くことで、内筒22の内筒係合部100の係止爪135aと係合爪135との係合を解除し、光コネクタプラグ10を光コネクタアダプタ110から取り外すことができると共に、遮蔽板70及び動作板80が遮蔽位置まで傾斜し、遮蔽板70の先端が挿通孔22aの内面に当接することで遮蔽位置に位置決めされる。これにより遮蔽板70がフェルール40の先端面を遮蔽した状態となる。
【0102】
このように、本実施形態の光コネクタプラグ10は、光コネクタアダプタ110への着脱に連動させて、遮蔽板70により照射光を遮蔽及び非遮蔽状態とすることができるため、遮蔽板70を遮蔽位置及び非遮蔽位置に移動させる作業が不要となって、光コネクタアダプタ110との接続を容易に行うことができる。また、光コネクタプラグ10を光コネクタアダプタ110と接続する際に、先端から光が漏れるのを確実に防止することができるため、安全性を高めることができる。
【0103】
また、遮蔽板70及び動作板80は、挿通孔22a内に設けられており、つまみ部材20を外筒21と内筒22とで構成しただけであるため、光コネクタプラグ10の外形形状を従来のSC型光コネクタプラグと同等の形状とすることができる。このため、光コネクタプラグ10を従来のSC型光コネクタアダプタに接続することができ、製造コスト及び導入コストを低減することができる。さらに、図2及び図3に示すように、本実施形態の光コネクタプラグ10は、フェルール40やプラグフレーム30などを従来のSC型の光コネクタプラグに用いられているものと同じものを採用することができるため、製造コスト及び導入コストを低減することができる。
【0104】
(実施形態2)
図10は、本発明の実施形態2に係る内筒の斜視図及び平面図であり、図11は、図10(b)のE−E′要部断面図及びF−F′要部断面図である。なお、上述した実施形態と同様の部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0105】
図10及び図11に示すように、本実施形態の内筒22Aの挿通孔22a内には、遮蔽板70Aと動作板80Aとが設けられている。遮蔽板70Aは、上述した実施形態1と同様に挿通孔22aの一方側に基端部が遮蔽板軸71に回転自在に保持されている。このような遮蔽板70Aは、挿通孔22aの幅よりも幅狭で設けられ、且つ遮蔽位置で挿通孔22aの他方側に先端が当接する長さで設けられている。
【0106】
また、動作板80Aは、遮蔽板70Aの内側に基端部が動作板軸81に回転自在に保持されている。また、遮蔽板70Aの先端には、当接凹部が設けられておらず、動作板80Aは、つまみ部材20を伸長状態とした際に、遮蔽位置でフェルール40及びプラグフレーム30に干渉しない位置で、且つつまみ部材20を縮小状態とした際に、動作板80Aがフェルール40の先端面よりも先にプラグフレーム30に当接する傾斜角度で設けられている。
【0107】
また、付勢保持手段90Aは、動作板80Aの基端部の動作板軸81に設けられたスプリングからなる動作板付勢手段92と、遮蔽板70Aの基端部の遮蔽板軸71に設けられたスプリングからなる遮蔽板付勢手段93とで構成されている。この動作板付勢手段92は、動作板80Aを遮蔽位置から非遮蔽位置となる方向に付勢し、遮蔽板付勢手段93は、遮蔽板70Aを非遮蔽位置から遮蔽位置となる方向に動作板付勢手段92よりも大きな付勢力で付勢している。すなわち、動作板付勢手段92は、動作板80Aを遮蔽位置から非遮蔽位置となる方向に付勢しているため、動作板80Aの先端は、常に遮蔽板70Aに当接するようになっている。このため、このような遮蔽板70A及び動作板80Aを有する内筒22Aと上述した実施形態1と同様の外筒21とで構成されたつまみ部材20を伸長状態とした際に、フェルール40の先端面に動作板80Aが当接して、フェルール40の先端面及び光ファイバの先端面に傷を付けるのを防止している。また、遮蔽板付勢手段93は、遮蔽板70Aを非遮蔽位置から遮蔽位置となる方向に動作板付勢手段92の付勢力に抗して付勢しているため、つまみ部材20を伸長状態とした際に、遮蔽板70Aは遮蔽板付勢手段93によって遮蔽位置まで付勢される。これにより遮蔽板70Aは、フェルール40の先端面を遮蔽して光コネクタプラグ10の先端から光が照射されないようにしている。
【0108】
このような内筒22Aを有する光コネクタプラグであっても、光コネクタアダプタ110との接続時に外筒21を把持して押し込むだけで、遮蔽板70Aを非遮蔽位置まで移動させて、フェルール40の先端面を露出させることができ、光コネクタアダプタ110と容易に且つ確実に光接続することができる。また、光コネクタアダプタ110との接続を解除する際には、外筒21を把持して引き抜くだけで、遮蔽板70Aを遮蔽位置まで移動させて、フェルール40の先端面を遮蔽することができ、先端から光が照射されるのを防止して、光コネクタプラグ10の安全性を高めることができる。
【0109】
(実施形態3)
図12は、本発明の実施形態3に係る内筒の斜視図及び平面図であり、図13は、図12(b)のG−G′要部断面図及びH−H′要部断面図である。なお、上述した実施形態と同様の部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0110】
図12及び図13に示すように、本実施形態の内筒22Bの挿通孔22a内には、遮蔽板70Bと動作板80Bとが設けられている。遮蔽板70Bは、上述した実施形態2と同様に、挿通孔22aよりも幅狭で、且つ挿通孔22aの基端部が保持された一方側とは反対の他方側に先端部が当接する長さで形成されている。また、動作板80Bは、遮蔽板70Bよりも幅広に形成され、先端部に遮蔽板70Bを挿通する遮蔽板挿通孔83が設けられている。
【0111】
そして、動作板80Bは、遮蔽板70Bが遮蔽位置となった際に、遮蔽板挿通孔83を挿通した遮蔽板70Bによって、フェルール40の先端面側への傾斜が規制されている。このため、本実施形態の付勢保持手段90Bは、遮蔽板70Bの基端部に遮蔽板70Bが非遮蔽位置から遮蔽位置に向かって付勢する遮蔽板付勢手段93のみで構成されている。すなわち、動作板80Bは、非遮蔽位置で遮蔽板挿通孔83によってフェルール40側への移動が規制されているため、動作板付勢手段を設けなくてもフェルール40の先端面に当接して先端面に傷を付けるのを防止することができる。
【0112】
このような内筒22Bを有する光コネクタプラグであっても、光コネクタアダプタ110との接続時に外筒21を把持して押し込むだけで、遮蔽板70Bを非遮蔽位置まで移動させて、フェルール40の先端面を露出させることができ、光コネクタアダプタ110と容易に且つ確実に光接続することができる。また、光コネクタアダプタ110との接続を解除する際には、外筒21を把持して引き抜くだけで、遮蔽板70Bを遮蔽位置まで移動させて、フェルール40の先端面を遮蔽することができ、先端から光が照射されるのを防止して、光コネクタプラグ10の安全性を高めることができる。
【0113】
なお、本実施形態では、付勢保持手段90Bとして、遮蔽板70Bを非遮蔽位置から遮蔽位置に向かって付勢する遮蔽板付勢手段93のみを設けるようにしたが、特にこれに限定されず、例えば、上述した実施形態2で挙げた、動作板80Bを非遮蔽位置から遮蔽位置に向かって付勢する動作板付勢手段92のみを設けるようにしてもよく、上述した実施形態2と同様に、遮蔽板付勢手段93と動作板付勢手段92との両者を設けるようにしてもよい。
【0114】
また、本実施形態では、遮蔽板70Bを先端部が挿通孔22aの内面に当接する長さとして、遮蔽位置を位置決めするようにしたが、遮蔽板70Bは、動作板80Bによって、フェルール40の先端面側への傾斜が規制されるため、遮蔽板の先端部が挿通孔22a内に当接しない長さとしてもよいが、遮蔽板70Bが非遮蔽位置となった際に、動作板80Bの遮蔽板挿通孔83から抜き出ない長さとする必要がある。
【0115】
(実施形態4)
図14は、本発明の実施形態4に係る内筒の斜視図及び平面図であり、図15は、図14(b)のI−I′要部断面図及びJ−J′要部断面図である。なお、上述した実施形態と同様の部材には、同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0116】
図14及び図15に示すように、本実施形態の内筒22Cの挿通孔22a内には、遮蔽板70Cと動作板80Cとが設けられている。遮蔽板70Cには、その幅方向両側の対向する領域に一対の動作板用切り欠き部72が設けられており、動作板用切り欠き部72によって幅狭部73が設けられている。
【0117】
また、動作板80Cは、遮蔽板70Cよりも幅広に形成され、先端部側の略中央部には長さ方向に向かって先端縁部に開口するように切り欠いた差し込み部84が設けられている。この差し込み部84は、遮蔽板70Cの幅よりも小さな幅で且つ幅狭部73よりも若干大きな幅で形成されており、動作板80Cの差し込み部84に遮蔽板70Cの幅狭部73が挿入された状態で、遮蔽板70Cと動作板80Cとが係合している。
【0118】
そして、このように遮蔽板70Cと動作板80Cとが先端部側で係合しているため、遮蔽板70Cが遮蔽位置となった際に、フェルール40の先端面側への傾斜が動作板80Cによって規制される。この状態は、遮蔽板70Cの遮蔽板軸71、動作板80Cの動作板軸81及び遮蔽板70Cと動作板80Cとが交差した点との3点の所定位置で決定される。
【0119】
したがって、遮蔽板70Cを遮蔽位置に位置決めするために、遮蔽板70Cの先端部を基端部が保持された挿通孔22aの一方側とは反対の他方側に当接するような長さで形成する必要がなくなり、遮蔽板70Cの傾斜中心である遮蔽板軸71を内筒22Cの先端部側とすることができる。
【0120】
さらに、動作板80Cは、遮蔽板70Cが遮蔽位置となった際に、差し込み部84に挿通された遮蔽板70Cによって、フェルール40の先端面側への傾斜が規制されている。このため、上述した実施形態3と同様の付勢保持手段90B、すなわち、遮蔽板70Cの遮蔽板軸71に遮蔽板70Cを非遮蔽位置から遮蔽位置に向かって付勢する遮蔽板付勢手段93のみが設けられている。
【0121】
このような内筒22Cを有する光コネクタプラグであっても、光コネクタアダプタ110との接続時に外筒21を把持して押し込むだけで、遮蔽板70Cを非遮蔽位置まで移動させて、フェルール40の先端面を露出させることができ、光コネクタアダプタ110と容易に且つ確実に光接続することができる。また、光コネクタアダプタ110との接続を解除する際には、外筒21を把持して引き抜くだけで、遮蔽板70Cを遮蔽位置まで移動させて、フェルール40の先端面を遮蔽することができ、先端から光が照射されるのを防止して、光コネクタプラグ10の安全性を高めることができる。
【0122】
なお、本実施形態では、付勢保持手段90Bとして、遮蔽板70Cを非遮蔽位置から遮蔽位置に向かって付勢する遮蔽板付勢手段93のみを設けるようにしたが、特にこれに限定されず、例えば、上述した実施形態2で挙げた、動作板80Cを非遮蔽位置から遮蔽位置に向かって付勢する動作板付勢手段92のみを設けるようにしてもよく、上述した実施形態2と同様に、遮蔽板付勢手段93と動作板付勢手段92との両者を設けるようにしてもよい。
【0123】
(実施形態5)
図16は、本発明の実施形態5に係る光コネクタプラグの斜視図であり、図17及び図18は、光コネクタプラグの正面図及びそのK−K′断面図及びL−L′断面図であり、図19は、つまみ部材の分解斜視図である。なお、上述した実施形態と同様の部材には、同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0124】
これらの図に示すように、本実施形態の光コネクタプラグ10Aは、内部にプラグフレーム30、フェルール40及びストップリング50等が保持されたつまみ部材20Aを有し、つまみ部材20Aは、外筒21Aと内筒22Dとを具備する。
【0125】
外筒21Aには、押し板28が設けられておらず、保持孔23のプラグフレーム30の押圧用突起36に対向する領域には、押圧用突起36に係合する押圧用係合突起102が設けられている。この押圧用係合突起102は、プラグフレーム30の押圧用突起36の後端面に当接することで、プラグフレーム30の後端部側への移動を規制している。
【0126】
また、内筒22Dには、外筒21Aの押圧用係合突起102に対向する領域に、後端部側から切り欠いた押圧用挿通孔103が設けられている。この押圧用挿通孔103は、プラグフレーム30の押圧用突起36と押圧用係合突起102とを係合させた状態で、つまみ部材20Aを伸長状態及び縮小状態とするためのものである。
【0127】
このような構成としても、上述した実施形態と同様に、光コネクタアダプタ110との接続時に外筒21Aを把持して押し込むだけで、遮蔽板70を非遮蔽位置まで移動させて、フェルール40の先端面を露出させることができ、光コネクタアダプタ110と容易に且つ確実に光接続することができる。また、光コネクタアダプタ110との接続を解除する際には、外筒21Aを把持して引き抜くだけで、遮蔽板70を遮蔽位置まで移動させて、フェルール40の先端面を遮蔽することができ、先端から光が照射されるのを防止して、光コネクタプラグ10Aの安全性を高めることができる。
【0128】
また、本実施形態では、外筒21Aを上述した実施形態1の外筒21と同様に、分割される上下部材21a、21bで構成したが、本実施形態の外筒21Aには押し板28を設けていないため、外筒21Aを分割された上下部材21a、21bで構成せずに外筒21Aを成形等により一体的に形成するようにしても、組み立てを容易に行うことができると共に、製造コストを低減することができる。勿論、上述した実施形態1〜4でも、外筒21を成形等により一体的に形成してもよい。
【0129】
(実施形態6)
図20は、本発明の実施形態6に係る光コネクタプラグの斜視図であり、図21及び図22は、光コネクタプラグの正面図とそのM−M′断面図、N−N′断面図及び要部断面図であり、図23は、光コネクタプラグの分解斜視図である。なお、上述した実施形態と同様の部材には、同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0130】
図20〜23に示すように、本実施形態の光コネクタプラグ10Bは、つまみ部材20Bと、プラグフレーム30Aと、フェルール40と、ストップリング50と、付勢ばね60と、遮蔽板70D及び動作板80Dを有する遮蔽板組立体200とを具備する。
【0131】
プラグフレーム30Aは、中空の四角柱形状を有し、長手方向に亘って貫通したフェルール挿入孔31が設けられている。また、フェルール挿入孔31には、先端側にフェルール用筒状体41の先端部のみを突出させるフェルール突出孔32が設けられ、このフェルール突出孔32の後方には、フェルール40のキー溝44に係合するキー溝用突部32aが設けられている。
【0132】
また、プラグフレーム30Aには、ストップリング50の係合突起54と係合する係合孔33と、切り欠き部34とが設けられている。
【0133】
さらに、プラグフレーム30Aの切り欠き部34が設けられた面の後端部には、フェルール40の半径方向に突出する突起部37が設けられている。この突起部37が、詳しくは後述するつまみ部材20Bの外筒21Bの第1の規制突起160と第2の規制突起161との間に突出することで、プラグフレーム30Aは、つまみ部材20Bに対して軸方向に所定量移動自在に保持されている。すなわち、本実施形態のプラグフレーム30Aには、上述した実施形態1のプラグフレーム30に設けられていた係合部35と、押圧用突起36が設けられていない。
【0134】
また、プラグフレーム30Aの外周の対向する2面には、先端面から所定量突出するように板形状を有する一対の押圧部38が設けられている。そして、この押圧部38の後方には、上述した実施形態1と同様の光コネクタアダプタ110の係合爪135と係合する溝状の係合部35Aが設けられている。
【0135】
このような押圧部38は、詳しくは後述するが、光コネクタプラグ10を光コネクタアダプタ110に接続する際に、先端部でつまみ部材20Bと光コネクタアダプタ110の係合爪135との当接状態を解除して、係合爪135と係合部35Aとを係合させるものである。
【0136】
また、押圧部38の底面には、図21(d)及び図23に示すように、溝状の抵抗用凹部38aが設けられている。この抵抗用凹部38aに、つまみ部材20Bが伸長状態で、詳しくは後述する内筒22Eに固定された遮蔽板組立体200の抵抗用爪部204が係合することで、内筒22Eと外筒21Bとが伸長状態から縮小状態となる際に所定の抵抗を付与している。
【0137】
つまみ部材20Bは、中空の四角柱形状を有する外筒21Bと、外筒21B内に軸方向にスライド自在に収納された中空の四角柱形状を有する内筒22Eとで構成されている。このつまみ部材20Bは、上述した実施形態1と同様に内筒22Eが外筒21B内に収納される縮小状態と、内筒22Eが前方へ突出した伸長状態とを有する。
【0138】
外筒21Bは、例えば、成形により一体的に形成された一つの部材で形成されている。また、外筒21Bには、プラグフレーム30Aが保持される保持孔23が設けられており、この保持孔23内にプラグフレーム30Aが軸方向に所定量移動自在に保持されている。詳しくは、図24に示すように、保持孔23内には、第1の規制突起160と、第2の規制突起161とが所定の間隔で設けられており、この第1の規制突起160と第2の規制突起161との間にプラグフレーム30Aの突起部37が突出することで、プラグフレーム30Aは、第1の規制突起160と第2の規制突起161との間隔だけ移動可能に保持されている。
【0139】
なお、プラグフレーム30Aの外筒21Bに対する移動量は、光コネクタプラグ10Bと光コネクタアダプタ110との係合を外すことができれば、特に限定されないが、例えば、上述した実施形態1と同様に、SC型光コネクタアダプタを用いた場合には、プラグフレーム30Aは、外筒21Bに対して約2mmスライドするようにすればよい。
【0140】
また、外筒21Bには、上述した実施形態1と同様に、第1の露出孔25、係合解除部25a及びキー26が設けられている。
【0141】
さらに、図21(b)及び図23に示すように、外筒21Bの保持孔23の後端部側の相対向する2面には、ブーツ59に当接すると共に内筒22Eの後端面が当接する当接突起162がそれぞれ設けられている。これは、つまみ部材20Bが伸長状態となると、外筒21Bとプラグフレーム30Aとの間には内筒22Eがスライドできるように所定の隙間が設けられているため、外筒21Bを把持した際にこの隙間によって外筒21Bが撓み変形してしまう。このため、外筒21Bにブーツ59に当接する当接突起162を設けることによって、外筒21Bの撓み変形を防止して、外筒21Bを把持し易くしている。
【0142】
また、つまみ部材20Bを縮小状態にして光コネクタアダプタ110に結合した際に、外筒21Bをさらに光コネクタアダプタ110側に押し込んでしまうと、外筒21Bとプラグフレーム30Aとは、プラグフレーム30Aに設けられた突起部37と第2の規制突起161とによって係合しているだけなので、突起部37と第2の規制突起161との係合が解除されてしまう虞がある。このように外筒21Bとプラグフレーム30Aとの係合が解除されてしまうと、外筒21Bは第1の露出孔25によって先端部の剛性が弱いため、外筒21Bの先端部が詳しくは後述する内筒22Eの内筒係合部100Aを乗り越えてしまい、外筒21Bは破壊されてしまう。このため、外筒21Bにつまみ部材20Bが縮小状態で内筒22Eの後端面に当接する当接突起162を設けることにより、外筒21Bが縮小状態よりもさらに内筒22Eの先端側に移動するのを防止して、外筒21Bが破壊されるのを防止している。
【0143】
一方、図20〜23に示すように、外筒21Bの内部にスライド自在に設けられた内筒22Eには、軸方向に亘ってプラグフレーム30Aがスライド移動される挿通孔22aが設けられている。また、内筒22Eの後端部側には、外筒21Aの第1の規制突起160と第2の規制突起161とに対向する位置に、挿通孔22aと外部とを連通する係合用スリット27が設けられている。この係合用スリット27によって、内筒22Eが外筒21B内に収容されたとしても、プラグフレーム30の突起部37が第1の規制突起160と第2の規制突起161との間に突出した状態となる。
【0144】
また、内筒22Eの後端部側の外周面には、突出した抜け防止突部22bが設けられている。この抜け防止突部22bは、外筒21Bの保持孔23内の第1の露出孔25より後端側に設けられた抜け防止用段差部163に当接することによって、引き抜く方向の移動が規制されている。なお、抜け防止突部22bは、内筒22Eの後端に向かって厚さが漸小するテーパ面が設けられており、外筒21Bと内筒22Eとを組み立てる際に、外筒21Bに内筒22Eを挿入することで、抜け防止突部22bが外筒21Bの抜け防止用段差部163を乗り越えて収納されるようになっている。
【0145】
また、内筒22Eの先端側には、つまみ部材20Bが縮小状態となった際に、外筒21Bの第1の露出孔25と連通してプラグフレーム30Aの係合部35Aを外部に露出させる第2の露出孔29が設けられている。すなわち、内筒22Eが外筒21Bに収納された縮小状態で、プラグフレーム30Aの係合部35Aは第1及び第2の露出孔25、29によって露出されて、光コネクタアダプタ110の係合爪135と係合される。
【0146】
さらに、内筒22Eには、第2の露出孔29を設けることによって残留した柱部164が2つ形成されている。この柱部164は、つまみ部材20Bが縮小状態となった際に、プラグフレーム30Aの押圧部38よりも内側となる位置に設けられており、プラグフレーム30Aの端面30aが柱部164に当接することによって、外筒22Bを把持して光コネクタアダプタ110に接続する際に、縮小状態でプラグフレーム30Aによって内筒22Eが押圧されるようになっている。
【0147】
さらに、内筒22Eの第2の露出孔29が設けられた面の先端部には、光コネクタアダプタ110の係合爪135と係合する内筒係合部100Aが設けられている。この内筒係合部100Aの先端側には、段差状の当接部100aが設けられている。この当接部100aは、詳しくは後述するが、光コネクタプラグ10Bを光コネクタアダプタ110に挿入した際に、光コネクタアダプタ110の係合爪135を当接させて、係合爪135が内筒係合部100Aを乗り越えるのを防止するためのものである。
【0148】
また、内筒22Eの底面には、挿通孔22aと外部とを連通させる固定孔165が設けられている。この固定孔165に、遮蔽板70D及び動作板80Dを有する遮蔽板組立体200が固定されている。そして、挿通孔22aの固定孔165とは反対側には、遮蔽板70Dの先端部が当接する停止凹部166が設けられている。この停止凹部166は、先端側が深さが漸小する曲面で形成され、後端側が挿通孔との間で段差を形成する停止面166aで形成されている。そして、遮蔽板70Dは、その先端部が停止凹部166の停止面166aに当接することによって、傾斜した状態で位置決めされる。
【0149】
ここで、遮蔽板組立体200について詳しく説明する。なお、図25は、遮蔽板組立体の分解斜視図である。
【0150】
図25に示すように、遮蔽板組立体200は、遮蔽板枠201と、遮蔽板枠201に回転自在に保持された遮蔽板70D及び動作板80Dと、遮蔽板70D及び動作板80Dを位置決め付勢する付勢保持手段90とで構成されている。
【0151】
遮蔽板枠201は、板形状を有し、遮蔽板70D及び動作板80Dが非遮蔽位置となった際に、遮蔽板70D及び動作板80Dがプラグフレーム30Aの移動を規制しないように、遮蔽板70D及び動作板80Dが収容される収容部202が設けられている。この収容部202は、両側に比べて厚みを薄くすることで形成されている。また、遮蔽板枠201の収容部202よりも厚く形成された両側は、遮蔽板70D及び動作板80Dを傾斜自在に保持すると共に遮蔽板枠201の剛性を高めるための枠部203となっている。
【0152】
また、遮蔽板枠201の後端部側には、弾性変形可能な抵抗用爪部204が設けられている。この抵抗用爪部204は、図21(d)に示すように、つまみ部材20Bが伸長状態でプラグフレーム30Aの抵抗用凹部38aと係合するように設けられている。そして、つまみ部材20Bを伸長状態から縮小状態とする際には、抵抗用爪部204が弾性変形することで抵抗用凹部38aが抵抗用爪部204から外れて縮小状態となるが、このとき抵抗用爪部204を弾性変形させるための所定の抵抗が付与されることになる。このように、つまみ部材20Bを縮小状態とする際に、所定の抵抗を付与することによって、つまみ部材20Bが振動や衝撃などによって簡単に縮小状態となるのを防止して、光コネクタプラグ10Bの先端から光が照射されるのを防止することができる。
【0153】
なお、遮蔽板枠201は、プラスチック等の樹脂を成形することにより形成することができる。このように遮蔽板枠201を樹脂で成形することで、遮蔽板枠201を高精度に且つ低コストで容易に大量生産することができる。
【0154】
遮蔽板70Dは、板状部材からなり、両側が屈曲されることで剛性が高められている。このような遮蔽板70Dは、遮蔽板枠201に遮蔽板軸71を介して回転自在に保持されている。なお、遮蔽板70Dを、本実施形態では、ステンレス鋼で形成した。
【0155】
動作板80Dは、板状の板部85と、板部85の両側に先端が突出して設けられた一対の動作板枠部86とで構成されている。動作板枠部86は、板部85よりも厚く形成されており、動作板80D自体の剛性を高めている。また、動作板80Dには、基端部に動作板軸81Aが一体的に設けられており、動作板80Dは、動作板軸81Aを介して遮蔽板枠201の枠部203に回転自在に保持されている。
【0156】
このような動作板80Dは、動作板枠部86の先端が遮蔽板70Dに当接し、遮蔽板70Dと共に遮蔽位置及び非遮蔽位置に傾斜するようになっている。
【0157】
また、動作板80Dは、図21(c)に示すように、基端部側の面が傾斜した規制面87となっており、動作板80Dが遮蔽板70Dと共に遮蔽位置に傾斜した際に、規制面87が遮蔽板枠201の収容部202によって形成された段差205に当接することで動作板80Dのフェルール40側への傾斜が規制されている。すなわち、動作板80Dがフェルール40側に傾斜すると、動作板80Dがフェルール用筒状体41の先端面に当接し、フェルール用筒状体41の先端面に傷を付けてしまうが、動作板80Dは規制面87によって傾斜が規制されているため、動作板80Dがフェルール用筒状体41の先端面に当接することがなく、フェルール用筒状体41の先端面に傷が付くのを防止することができる。
【0158】
なお、動作板80Dとしては、本実施形態では、プラスチック等の樹脂材料を成形することにより形成することができる。このように動作板80Dを樹脂材料で成形することで、動作板80Dを高精度に且つ低コストで大量生産することができる。なお、動作板枠部86は、長手方向に沿って面取りされており、これにより動作板80Dが遮蔽板70Dと共に収容部202に収容された際に、プラグフレーム30Aに当接するのを防止して、プラグフレーム30Aが光接続位置に移動するのを許容している。
【0159】
また、遮蔽板枠201の収容部202には、上述した実施形態1と同様に、遮蔽板70Dを遮蔽位置に付勢する付勢保持手段90が付勢用軸91を介して設けられている。
【0160】
このような遮蔽板枠201、遮蔽板70D、動作板80D及び付勢保持手段90を予め組み立てることで、遮蔽板組立体200を形成することができる。そして、予め組み立てた遮蔽板組立体200は、内筒22Eの固定孔165に固定される。このように、遮蔽板組立体200を予め組み立てて内筒22Eに固定することによって、組立作業の作業性を向上することができ、組立時間を短縮することができると共に組立コストを低減することができる。なお、遮蔽板組立体200は、内筒22Eの固定孔165にはめ込んだ後、接着剤により接着又は溶着などにより固定することができる。
【0161】
ここで、このような光コネクタプラグ10を光コネクタアダプタに接続する動作について詳細に説明する。なお、図26〜図29は、光コネクタの接続動作を示す断面図であり、図26(b)〜図29(b)及び図26(c)〜図29(c)は、それぞれ図26(a)〜図29(a)のO−O′断面図及びP−P′断面図である。
【0162】
図26に示すように、光コネクタプラグ10のつまみ部材20Bを伸長した状態、すなわち、フェルール40の先端面が遮蔽板70によって遮蔽された状態で、外筒21Bを把持して光コネクタアダプタ110の貫通部141に挿入する。このとき、図26(b)に示すように、光コネクタプラグ10の内筒22Eの当接部100aが、光コネクタアダプタ110の係合爪135の先端に当接する。
【0163】
次に、さらに外筒21Bを光コネクタアダプタ110側に押し込むと、図27(b)に示すように、内筒22Eの当接部100aが係合爪135に当接しているため、外筒21Bがプラグフレーム30Aと共に光コネクタアダプタ110側に移動する。これにより、図27(a)に示すように、プラグフレーム30Aの押圧部38の先端縁部39Aが動作板80Dを押し倒して、遮蔽板70Dをプラグフレーム保持孔21の一方側に倒れた非遮蔽位置に傾斜させる。このとき、遮蔽板70D及び動作板80Dは、遮蔽板枠201の収容部202に収容され、プラグフレーム30Aの光接続位置への移動が許容される。また、外筒21Bを押し込む際には、上述のように、内筒22Eに固定された遮蔽板組立体200の抵抗用爪部204がプラグフレーム30Aの抵抗用凹部38aに係合しているため、抵抗用爪部204を弾性変形させて抵抗用爪部204と抵抗用凹部38aとの係合を解除するように所定の押圧力で押し込む必要がある。
【0164】
次に、さらに外筒21Bを光コネクタアダプタ110側に押し込むと、プラグフレーム30Aの押圧部38が係合爪135を押し広げながら、光コネクタアダプタ110側に移動する。このとき、押圧部38によって係合爪135が押し広げられて、係合爪135と当接部100aとの当接が解除されるため、プラグフレーム30Aの端面30aが内筒22Eの柱部164に当接して(縮小状態)、プラグフレーム30Aと共に内筒22Eが光コネクタアダプタ110側に移動する。その結果、係合爪135が内筒22Eの内筒係合部100Aを乗り越えて、図28(b)に示すように、係合爪135とプラグフレーム30Aの係合部35Aとが係合する。すなわち、光コネクタプラグ10Bと光コネクタアダプタ110とを結合することができる。
【0165】
一方、このような結合状態から光コネクタプラグ10Bを取り外すときは、上述した実施形態1と同様に外筒22Aを把持して引き抜くことで、図29に示すように、つまみ部材20Bを伸長状態として、フェルール40の先端面を遮蔽板70Dで遮蔽することができると共に、遮蔽状態で光コネクタプラグ10Bを光コネクタアダプタ110から取り外すことができる。なお、このとき、本実施形態では、図29(c)に示すように、外筒21Bを引き抜くことでつまみ部材20Bを伸長状態とすると、外筒21Bの抜け防止用段差部163が内筒22Eの抜け防止突部22bに当接し、外筒21Bを引き抜くだけで、内筒22Eも光コネクタアダプタ110から引き抜くことができる。
【0166】
このように、本実施形態の光コネクタプラグ10Bは、外筒21Bを把持して光コネクタアダプタ110に接続しようとするだけで、先に遮蔽板70Dを遮蔽位置から非遮蔽位置に移動させた状態で、光コネクタプラグ10Bと光コネクタアダプタ110とを接続することができるため、遮蔽板70Dが遮蔽位置となった状態で先に光コネクタプラグ10Bと光コネクタアダプタ110とが結合されることがない。すなわち、光コネクタプラグ10Bと光コネクタアダプタ110とを結合する際に、遮蔽板70Dが非遮蔽位置に移動する前に光コネクタアダプタ110の係合爪135が内筒係合部100Aを乗り越えてしまうと、つまみ部材20B内にスリーブホルダ130の第1の保持部132が突出し、遮蔽板70Dが第1の保持部132に当接して、変形や破損が生じてしまう。しかしながら、本実施形態では、先に遮蔽板70Dを遮蔽位置から非遮蔽位置まで移動した状態で、後から光コネクタプラグ10の係合爪135が内筒係合部100Aを乗り越えて、光コネクタプラグ10Bと光コネクタアダプタ110とが結合されるため、遮蔽板70Dが変形や破損するのを確実に防止することができる。
【0167】
なお、本実施形態の光コネクタプラグ10Bでは、内筒22Eの内筒係合部100Aに当接部100aを設け、プラグフレーム30Aに押圧部38を設けるようにしたが、このような構成は、上述した実施形態1〜5に適用することもできる。
【0168】
(他の実施形態)
以上、本発明の各実施形態を説明したが、本発明の光コネクタプラグ及び光コネクタは、上述したものに限定されるものではない。
【0169】
例えば、上述した実施形態1〜6では、SC型の光コネクタアダプタに係合するSC型の光コネクタプラグ10、10A、10Bを例示したが、特にこれに限定されるものではなく、例えば、MU型の光コネクタプラグ及び光コネクタに本発明を採用しても同様の効果を得ることができる。なお、フェルールの先端面が光ファイバ軸に直交する面に対して傾斜した凸面状に形成された斜めPCコネクタにも、本発明を適用することができる。このような斜めPCコネクタは、フェルールの先端面が傾斜しているため、フェルールの先端面から照射される照射光の範囲が広くなるが、上述した実施形態1〜6の何れの遮蔽板70〜70Dであっても、斜めPCコネクタのフェルールの先端面を遮蔽することができる。特に、上述した実施形態1、4及び5の遮蔽板70、70Cは、実質的に照射光を遮蔽する領域が幅広に形成されるため、より確実に照射光を遮蔽することができる。
【0170】
また、上述した実施形態1〜6では、つまみ部材20〜20Bのキー26が設けられた面とは反対側に遮蔽板70〜70D及び動作板80〜80Dを設けるようにしたが、遮蔽板及び動作板を設ける位置は挿通孔22a内であれば特に限定されない。
【0171】
さらに、上述した実施形態1〜6では、遮蔽板70〜70D及び動作板80〜80Dが、遮蔽板軸71及び動作板軸81、81Aによって内筒22〜22D又は遮蔽板枠201に回転自在に保持されるようにしたが、特にこれに限定されず、例えば遮蔽板及び動作板を板バネとして、その基端部を内筒22又は遮蔽板枠201に固定することで、挿通孔22a内で傾斜自在としてもよい。このような場合、遮蔽板及び動作板自体が付勢保持手段として作用するため、別途付勢保持手段を設ける必要がない。
【0172】
また、上述した実施形態1〜6では、内筒22〜22Eの先端部側の外周に光コネクタアダプタ110の係合爪135と係合する内筒係合部100、100Aを設け、光コネクタアダプタ110から光コネクタプラグ10〜10Bを外筒21〜21Bを把持して引き抜くことで光コネクタプラグ10〜10Bを伸長状態としたが、特にこれに限定されず、例えば、外筒21〜21Bの保持孔23の後端部側に内筒22〜22Eを先端部側に付勢するコイルばね等の内筒付勢手段を設け、この内筒付勢手段によって、光コネクタアダプタ110から光コネクタプラグ10〜10Bを引き抜いた際に、つまみ部材20〜20Bを伸長状態とするようにしてもよい。このように内筒付勢手段を設けることで、光コネクタプラグ10〜10Bが、光コネクタアダプタ110に接続されていない単体の状態でも誤って縮小状態となるのを防止してさらに安全性を高めることができる。勿論、内筒係合部と共に内筒付勢手段を設けることで、つまみ部材20〜20Bを確実に伸長状態とすることができると共に安全性を高めることができる。
【符号の説明】
【0173】
10、10A、10B 光コネクタプラグ
20、20A つまみ部材
21、21A 外筒
22、22A、22B、22C、22D 内筒
30 プラグフレーム
40 フェルール
41 フェルール用筒状体
42 つば部材
50 ストップリング
57 カシメリング
58 リング
59 ブーツ
60 付勢ばね
70、70A、70B、70C、70D 遮蔽板
80、80A、80B、80C、80D 動作板
90、90A、90B 付勢保持手段
92 動作板付勢手段
93 遮蔽板付勢手段
110 光コネクタアダプタ
120 光接続用スリーブ
135 係合爪
200 遮蔽板組立体
201 遮蔽板枠
202 収容部
203 枠部
204 抵抗用爪部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも光ファイバを保持したフェルールを保持するプラグフレームと、該プラグフレームを内部に保持するつまみ部材とを具備するプッシュプル締結方式の光コネクタプラグであって、
前記つまみ部材が互いにスライド自在に設けられた内筒と外筒とで構成されて、前記内筒が前記外筒内に収納される縮小状態と、前記内筒が前方へ突出した伸長状態とを有し、前記内筒の内部の先端部側には、基端部を介して前記内筒に対して傾斜自在に保持されると共に、前記伸長状態では前記フェルールの先端面を遮蔽する遮蔽位置に配置され、且つ前記縮小状態では前記プラグフレームの前記内筒内への収納を許容する非遮蔽位置に配置される遮蔽板が設けられており、前記伸長状態から前記縮小状態までの前記内筒と前記プラグフレームとの相対移動により、前記遮蔽板が前記遮蔽位置から前記非遮蔽位置まで移動するようになっており、前記つまみ部材は、前記縮小状態において光コネクタアダプタに係合する形状を有すると共に、前記プラグフレームの先端部側外周に設けられた係合部が前記光コネクタアダプタの係合爪に係合して光接続状態となり、
前記つまみ部材の内部には、前記内筒を前記外筒に対して前方へ突出する方向へ付勢する内筒付勢手段が設けられていることを特徴とする光コネクタプラグ。
【請求項2】
請求項1において、前記内筒の内部には、前記伸長状態において前記遮蔽板が前記遮蔽位置に配置されるように、当該遮蔽板を位置決め付勢する付勢保持手段が設けられていることを特徴とする光コネクタプラグ。
【請求項3】
請求項1において、前記遮蔽板は板ばねで構成されており、
前記伸長状態において当該遮蔽板の先端部が前記遮蔽位置に配置されるように、当該遮蔽板自体に当該遮蔽板の前記先端部を位置決め付勢する付勢保持手段として作用させることを特徴とする光コネクタプラグ。
【請求項4】
請求項1〜3の何れかにおいて、前記プラグフレームは前記外筒に対して所定量移動可能なように係合保持されていることを特徴とする光コネクタプラグ。
【請求項5】
請求項1〜4の何れかにおいて、前記外筒の外周には、前記光接続状態から前記外筒のみを所定量後退させることにより前記光コネクタアダプタの前記係合爪を押し広げて当該係合爪と前記係合部との係合を解除する係合解除部が設けられていることを特徴とする光コネクタプラグ。
【請求項6】
請求項1〜5の何れかにおいて、前記遮蔽板は、当該遮蔽板の先端部が前記内筒の内部の前記基端部が保持された一方側とは反対側の面に当接することにより、前記遮蔽位置に位置決めされていることを特徴とする光コネクタプラグ。
【請求項7】
請求項1〜6の何れかにおいて、前記遮蔽板は、前記非遮蔽位置から前記遮蔽位置まで移動した際に、前記フェルールの先端面に当接しないように設けられていることを特徴とする光コネクタプラグ。
【請求項8】
請求項1〜7の何れかにおいて、前記内筒の内部には、前記遮蔽板の内側に基端部を介して前記内筒に対して傾斜自在に保持されると共に、先端部側で前記遮蔽板に当接又は係合して当該遮蔽板と共に傾斜する動作板が設けられていることを特徴とする光コネクタプラグ。
【請求項9】
請求項8において、前記動作板の先端部には、当接凹部が設けられていると共に、当該動作板が、前記つまみ部材の伸長状態で前記フェルール側に傾斜した際に、前記当接凹部が前記フェルールの側面に当接する位置に配置されていることを特徴とする光コネクタプラグ。
【請求項10】
請求項8,9の何れかにおいて、前記遮蔽板及び前記動作板は、当該遮蔽板を前記遮蔽位置で前記動作板との係合により当該遮蔽位置に位置決め保持されていることを特徴とする光コネクタプラグ。
【請求項11】
請求項8〜10の何れかにおいて、前記動作板は、前記非遮蔽位置から前記遮蔽位置まで移動した際に、前記フェルールの先端面に当接しないように設けられていることを特徴とする光コネクタプラグ。
【請求項12】
請求項2〜11の何れかにおいて、前記付勢保持手段が、前記遮蔽板を前記非遮蔽位置から前記遮蔽位置となる方向に付勢するものであることを特徴とする光コネクタプラグ。
【請求項13】
請求項1〜12の何れかにおいて、前記遮蔽板が前記内筒に保持されていることを特徴とする光コネクタプラグ。
【請求項14】
請求項13において、前記遮蔽板が前記基端部に設けられた遮蔽板軸を介して前記内筒に回転自在に保持されていることを特徴とする光コネクタプラグ。
【請求項15】
請求項8〜14の何れかにおいて、前記動作板が前記内筒に保持されていることを特徴とする光コネクタプラグ。
【請求項16】
請求項15において、前記動作板が前記基端部に設けられた動作板軸を介して前記内筒に回転自在に保持されていることを特徴とする光コネクタプラグ。
【請求項17】
請求項15において、前記動作板は板ばねで構成されており、
当該動作板の前記基端部が前記内筒に固定されていることを特徴とする光コネクタプラグ。
【請求項18】
請求項1〜12の何れかにおいて、前記遮蔽板が遮蔽板枠に保持されて遮蔽板組立体となっていると共に、前記遮蔽板組立体が、前記内筒に固定されていることを特徴とする光コネクタプラグ。
【請求項19】
請求項18において、前記遮蔽板が前記基端部に設けられた遮蔽板軸を介して前記遮蔽板枠に回転自在に保持されていることを特徴とする光コネクタプラグ。
【請求項20】
請求項8〜12、18、19の何れかにおいて、前記動作板が前記遮蔽板枠に保持されていることを特徴とする光コネクタプラグ。
【請求項21】
請求項20において、前記動作板が前記基端部に設けられた動作板軸を介して前記遮蔽板枠に回転自在に保持されていることを特徴とする光コネクタプラグ。
【請求項22】
請求項20において、前記動作板は板ばねで構成されており、
当該動作板の前記基端部が前記遮蔽板枠に固定されていることを特徴とする光コネクタプラグ。
【請求項23】
請求項1〜22の何れかにおいて、前記つまみ部材がSC型又はMU型の光コネクタアダプタに係合される形状を有することを特徴とする光コネクタプラグ。
【請求項24】
請求項1〜23の何れかにおいて、前記内筒の先端部には、前記係合爪に当接する当接部が設けられており、前記伸長状態で前記係合爪が前記当接部に当接すると共に、前記縮小状態となった際に、前記プラグフレームの先端に設けられた押圧部が前記係合爪を押し広げて、前記係合爪と前記当接部との当接状態を解除して、前記係合爪と前記係合部とを係合させることを特徴とする光コネクタプラグ。
【請求項25】
請求項1〜24の何れかの光コネクタプラグを具備することを特徴とする光コネクタ。

























【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2009−134308(P2009−134308A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−60474(P2009−60474)
【出願日】平成21年3月13日(2009.3.13)
【分割の表示】特願2004−344838(P2004−344838)の分割
【原出願日】平成16年11月29日(2004.11.29)
【出願人】(000147350)株式会社精工技研 (154)
【Fターム(参考)】