説明

光コネクタ

【課題】 光学素子同士が頻繁に接続及び切り離されても、所望の結合効率を有する光コネクタを提供すること。
【解決手段】 光コネクタ10は、光を出射する出射端面11aを有する第1の光ファイバ11を保持する第1の保持部材21と、出射端面11aから出射された光が入射する入射端面31aを有する第2の光ファイバ31を保持し、出射端面11aと入射端面31aとが光結合するように、第1の保持部材21と接続する第2の保持部材41とを有している。また光コネクタ10は、第1の保持部材21と第2の保持部材41との接続に伴う動作に連動して、光コネクタ10の内部から気体90を、入射端面31aを含む第2の保持部材41の一端面41aへ向かってブローするブロー手段51とを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバ同士を光学的に結合する光コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、光ファイバを接続するときに、光ファイバに付着している塵埃(ゴミ)を清掃する光ファイバ接続用コネクタが開示されている。
【0003】
光ファイバ接続用コネクタにおいて、光プラグと光プラグ保持部とは、着脱可能な構成となっている。
このような光プラグが光プラグ保持部に挿入されると、光プラグの先端部はストッパー兼クリーナーを圧縮バネに対抗して押圧する。この状態から、光プラグ保持部は、レーザー送出部の光軸に向かって回転することとなる。
【0004】
光プラグと接触するストッパー兼クリーナーの接触面は、光プラグを清掃する材質によって製作されている。そのため、上述したように光プラグ保持部が回転する際に、光プラグに付着しているゴミは、光プラグを払拭するストッパー兼クリーナーの接触面によって除去(清掃)される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−221565号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
光プラグと光プラグ保持部とが何度も接続/切り離されると、その都度、ゴミが光プラグに付着する虞があり、接触面が何度も光プラグに付着しているゴミを除去する必要がある。この除去の回数が多くなると、ゴミが接触面に溜まり、接触面の清掃能力が低下する。これよりゴミが接触面に蓄積し、コネクタの結合効率がゴミによって低下する。
【0007】
本発明は、これらの事情に鑑みてなされたものであり、光学素子同士が頻繁に接続及び切り離されても、所望の結合効率を有する光コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は目的を達成するために、光を出射する出射端面を有する第1の光ファイバを保持する第1の保持部材と、前記出射端面から出射された前記光が入射する入射端面を有する第2の光ファイバを保持し、前記出射端面と前記入射端面とが光結合するように、前記第1の保持部材と接続する第2の保持部材と、前記第1の保持部材と前記第2の保持部材との接続に伴う動作に連動して、前記出射端面を含む前記第1の保持部材の一端面と、前記入射端面を含む前記第2の保持部材の一端面との少なくとも一方へ向かって気体をブローするブロー手段と、を具備することを特徴とする光コネクタを提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、光学素子同士が頻繁に接続及び切り離されても、所望の結合効率を有する光コネクタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1A】図1Aは、本発明の第1の実施形態に係る光コネクタの第1の保持部材側を示す概略図である。
【図1B】図1Bは、光コネクタの第2の保持部材側を示す概略図である。
【図2A】図2Aは、図1Aの2A−2A線における断面図である。
【図2B】図2Bは、図1Aの2B−2B線における蓋部の正面図である。
【図2C】図2Cは、図1Bの2C−2C線における断面図である。
【図3A】図3Aは、第1の保持部材と第2の保持部材とを位置決めする際の光コネクタの概略図である。
【図3B】図3Bは、ピストンが第2の保持部材によって押圧されてシリンダに挿入され、気体をブローする際の光コネクタの概略図である。
【図3C】図3Cは、ピストンが第1の保持部材によって押圧されてシリンダに挿入され、気体をブローする際の光コネクタの概略図である。
【図3D】図3Dは、気体が出射端面と入射端面とをブローする際の概略図である。
【図3E】図3Eは、光結合後の光コネクタを示す概略図である。
【図4A】図4Aは、光コネクタの第1の変形例を示し、出射端面と入射端面とが当接した状態の光コネクタを示す概略図である。
【図4B】図4Bは、光コネクタの第2の変形例を示し、ピストンが第2の保持部材に固定されている状態の光コネクタの概略図である。
【図4C】図4Cは、光コネクタの第3の変形例を示し、円環形状を有しているシリンダの断面図である。
【図5】図5は、第2の実施形態における光コネクタの概略図である。
【図6】図6は、第3の実施形態における光コネクタの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1Aと図1Bと図2Aと図2Bと図2Cと図3Aと図3Bと図3Cと図3Dと図3Eとを参照して第1の実施形態について説明する。
光コネクタ10は、光を出射する出射端面11aを有する第1の光ファイバ11を図1Aに示すように保持する第1の保持部材21と、出射端面11aから出射された光が入射する入射端面31aを有する第2の光ファイバ31を図1Bに示すように保持し、出射端面11aと入射端面31aとが光結合するように、第1の保持部材21と接続する第2の保持部材41とを有している。
【0012】
第1の光ファイバ11と第2の光ファイバ31との数は例えば同数であり、例えば1本の第1の光ファイバ11と1本の第2の光ファイバ31とが光結合する。第1の光ファイバ11と第2の光ファイバ31とは、例えば、同じ材質であり、同じ屈折率を有している。
【0013】
第1の保持部材21は、例えばセラミックやアルミや真鍮などのフェルールである。第1の保持部材21は、例えば円柱形状を有している。図1Aに示すように、第1の保持部材21は、光ファイバを保持するための孔21cを有している。孔21cは、第1の保持部材21の長手方向に沿って配設されており、第1の保持部材21を貫通している。孔21cは、図2Aに示すように、例えば第1の保持部材21の中心軸上に配設されている。孔21cの直径は、第1の光ファイバ11の直径と略同一である。この第1の光ファイバ11が孔21cに対して接着することで、第1の保持部材21には、第1の光ファイバ11が固定される。なお接着の代わりに嵌合でもよい。1つの孔21cには、1本の第1の光ファイバ11が挿入される。また第1の保持部材21は、例えば第1の光ファイバ11の出射端面11aが第1の保持部材21の一端面21aと同一平面上に配設されるように、第1の光ファイバ11を保持している。一端面21aは、例えば平面となっている。
【0014】
図1Aに示すように、第1の保持部材21は、第1の保持部材21の他端面に固定され、他端面側を閉じる例えば金属製の蓋部23aを有している。蓋部23aには、孔21cと連通する蓋孔25aと、後述するシリンダ57aと流路部65aとに連通し、後述する付勢部材67を位置決めする溝部27aとを有している。蓋孔25aの直径は、第1の光ファイバ11の直径と略同一である。蓋孔25aには、第1の光ファイバ11が挿通する。なお蓋孔25aから外部に向かって延出している第1の光ファイバ11は、被覆層11bによって被覆されている。第1の光ファイバ11は、被覆層11bを介して図示しない例えば接着剤によって蓋部23aに接着されている。溝部27aは、ざぐり加工によって形成される。図2Bに示すように溝部27aは、蓋孔25aよりも蓋部23aの周面側に配設されている。溝部27aは、シリンダ57aから流路部65aに気体90を流す流路部でもある。なお、気体90は、光コネクタ10の周囲の雰囲気により決まる。例えば、光コネクタ10が大気中で使われる場合、気体90は大気中の空気となる。蓋部23aと第1の保持部材21の他端面とには、気密性を確保するために、例えば図示しないOリングが配設されていてもよい。蓋部23aは、第1の保持部材21に対応するように円形形状を有している。
【0015】
図1Bに示すように、第2の保持部材41は、第1の保持部材21と同様の構成を有しているため、詳細な説明は省略する。また第2の保持部材41は、一端面21aに対応する一端面41aと、孔21cに対応する孔41cと、蓋部23aと蓋孔25aと溝部27aとに対応する蓋部23bと蓋孔25bと溝部27bとを有している。
【0016】
また図1Aと図1Bと図3Bと図3Cとに示すように、光コネクタ10は、第1の保持部材21と第2の保持部材41との接続に伴う動作に連動して、光コネクタ10の内部から気体90,92を、出射端面11aを含む第1の保持部材21の一端面21aと、入射端面31aを含む第2の保持部材41の一端面41aとの少なくとも一方へ向かってブローするブロー手段51とを有している。
【0017】
図1Aと図3Aと図3Bとに示すように、ブロー手段51は、第1の保持部材21と第2の保持部材41との接続に伴う動作に連動して、第1の保持部材21の内部(一端面21a側)から気体90を、入射端面31aを含む第2の保持部材41の一端面41a側に向かってブローする気体放出口53aと、上記接続に伴う動作に連動して、気体90が気体放出口53aからブローされるように、気体90に運動エネルギーを付与させる運動エネルギー発生機構55aと、運動エネルギー発生機構55aによって運動エネルギーを付与された気体90を気体放出口53aまで送気するための流路機構63aとを有している。
【0018】
図1Aと図2Aとに示すように、気体放出口53aは、出射端面11aが配設される第1の保持部材21の一端面21aに配設されている。気体放出口53aは、出射端面11aを中心に、例えば同心円上に2つ配設されており、それぞれ第1の保持部材21の周方向に例えば180度離れて配設されている。気体放出口53aは、第2の保持部材41の一端面41aに対向している。
【0019】
図1Aと図3Bとに示すように、運動エネルギー発生機構55aは、第1の保持部材21に配設されている開口部であり、流路機構63aと連通しているシリンダ57aと、上記接続に伴う動作に連動して、シリンダ57aに挿入されて、シリンダ57a内における気体90を流路機構63aに送気するピストン58aとを有している。
【0020】
図1Aと図2Aとに示すように、シリンダ57aは、例えば円柱形状を有しており、第1の保持部材21の長手方向に沿って配設されており、第1の保持部材21を貫通している。シリンダ57aは、孔21cと略並行に配設されている。シリンダ57aの径は、孔21cの径と、気体放出口53aの径と、後述する流路部65aの径とよりも大きい。図2Aに示すように、シリンダ57aは、孔21cを中心に、例えば同心円上に2つ配設されており、それぞれ第1の保持部材21の周方向に沿って例えば180度離れて配設されている。シリンダ57aは、例えば第1の光ファイバ11と、後述する流路部65aとよりも第1の保持部材21の外縁側に配設されている。またシリンダ57aは、第1の保持部材21の径方向において、流路部65aと同一直線上に配設されている。シリンダ57aは、第2の保持部材41の一端面41aに対向している。シリンダ57aは、溝部27aと連通している。
【0021】
ピストン58aは、シリンダ57aを略密閉するように、シリンダ57aの形状に対応する形状を有しており、本実施形態では図1Aと図2Aとに示すように、シリンダ57aと同様に、例えば略円柱形状を有している。ピストン58aは、上記接続に伴う動作によって例えば第2の保持部材41が第1の保持部材21に向かって移動する際に、図3Bに示すように第2の保持部材41の一端面41aによってシリンダ57aに向かって押圧されて、シリンダ57aに挿入される。これによりピストン58aは、シリンダ57aを摺動し、シリンダ57aにおける気体90を流路機構63aに向かって押し出し、気体90を流路機構63aに送気する。ピストン58aは、シリンダ57aに対応するように2つ配設されている。
【0022】
ピストン58aは、シリンダ57aにおける気密性を確保し、ピストン58aがシリンダ57aに対して滑らかに挿入・抜去するために、例えばOリング59aなどを有している。Oリング59aは、ピストン58aの端面60a側の端部の周面全体に密着している。
【0023】
なお図1Aに示すように、シリンダ57aには、第1の保持部材21と第2の保持部材41との接続の解除に伴う動作に連動して、シリンダ57aに挿入されたピストン58aをシリンダ57aから抜去するために、シリンダ57aを第2の保持部材41の一端面41aに向かって付勢する付勢部材67が配設されている。付勢部材67は、自然長時において、ピストン58aを第1の保持部材21の外部に押し出す。この付勢部材67の一端部67aは、蓋部23aの溝部27aによってシリンダ57a内に位置決めされており、これにより付勢部材67はシリンダ57aに位置決めされている。また付勢部材67の他端部67bは、ピストン58aの端面60aに接続されている。これによりピストン58aは、付勢部材67を介して第1の保持部材21に固定されている。付勢部材67は、例えば巻きバネである。付勢部材67は、付勢力を無駄なくピストン58aに伝達するために、ピストン58aの端面60aと略同等の直径を有している。また付勢部材67は、シリンダ57a内に位置決めされるように、シリンダ57aの大きさと略同一の大きさを有している。また付勢部材67は、上記接続に伴う動作に連動して、つまりシリンダ57aの挿入動作または抜去動作に応じて、縮むまたは伸びる。1つの付勢部材67は、1つのシリンダ57aに配設されている。
【0024】
なお本実施形態では、図3Eに示すように、ピストン58aがシリンダ57aに挿入され、付勢部材67が縮んだ際、溝部27aから第2の保持部材41の一端面41aまでの長さL1は、溝部27aから第1の保持部材21の一端面21aまでの長さL2よりも長い。そのため、ピストン58aがシリンダ57aに挿入された際、一端面21aと一端面41aとは所望な間隔離れ、出射端面11aと入射端面31aとは所望な距離はなれた状態で、第1の光ファイバ11と第2の光ファイバ31とは光結合する。
【0025】
図1Aに示すように、流路機構63aは、第1の保持部材21の内部に配設され、シリンダ57aと気体放出口53aとを連通する流路部65aを有している。流路部65aは、上述した溝部27aと連通しており、溝部27aを含む。また流路部65aは、気体放出口53aと連通している。また流路部65aは、ピストン58aがシリンダ57aに挿入された際に、シリンダ57aに最初に挿入されたピストン58aの端面60aがシリンダ57a内に位置する図3Bに示すようにシリンダ57aの奥部、つまりシリンダ57aの溝部27a側と連通している。このように流路部65aは、シリンダ57aの溝部27a側と、気体放出口53aとを連通させている。流路部65aは、第1の保持部材21の長手方向に沿って配設されており、第1の保持部材21を貫通している貫通孔である。流路部65aは、第1の光ファイバ11と略並行に配設されている。図2Aに示すように、流路部65aは、第1の保持部材21の径方向において、孔21cとシリンダ57aとの間に配設されている。
【0026】
このようなブロー手段51は、図1Bと図2Cとにも示すように、第2の保持部材41にも配設されている。つまり第2の保持部材41に配設されているブロー手段51は、気体放出口53aに対応する気体放出口53bと、運動エネルギー発生機構55aとシリンダ57aとピストン58aとOリング59aとに対応する運動エネルギー発生機構55bとシリンダ57bとピストン58bとOリング59bと、流路機構63aと流路部65aとに対応する流路機構63bと流路部65bとを有している。付勢部材67は、シリンダ57aと同様にシリンダ57bに配設されている。
なお気体放出口53bは、第1の保持部材21と第2の保持部材41との接続に伴う動作に連動して、第2の保持部材41の内部(一端面41a側)から気体92を、出射端面11aを含む第1の保持部材21の一端面21a側に向かってブローする。
このように本実施形態では、気体放出口53a,53bによって、気体90,92を、一端面41a,21aの双方向にブローする。
【0027】
なお図2Aと図2Cとに示すように、第1の保持部材21に配設されているブロー手段51(気体放出口53aと、運動エネルギー発生機構55aと、シリンダ57aと、ピストン58aと、流路機構63aと、流路部65aと、溝部27a)と、第2の保持部材41に配設されているブロー手段51(気体放出口53bと、運動エネルギー発生機構55bと、シリンダ57bと、ピストン58bと、流路機構63bと、流路部65bと、溝部27b)とは、第1の保持部材21の周方向において、例えば90度ずれて配設されている。言い換えると、図2Aと図2Cとに示すように、第1の保持部材21における流路部65a同士を結ぶ直線69と、第2の保持部材41における流路部65b同士を結ぶ直線71とは、直交している。そのため第1の保持部材21と第2の保持部材41とが接続する際、図3Aと図3Bとを示すようにピストン58aと気体放出口53aとは第2の保持部材41の一端面41aと対向し、図3Cに示すようにピストン58bと気体放出口53bとは第1の保持部材21の一端面21aと対向している。
【0028】
また図3Cに示すように、光コネクタ10は、蓋部23aを含む第1の保持部材21と、蓋部23bを含む第2の保持部材41とを内部にて位置決めして保持する位置決め部材81を有している。位置決め部材81は、蓋部23aを含む第1の保持部材21と、蓋部23bを含む第2の保持部材41とを収容して位置決めする円筒部材であり、例えば金属のスリーブである。そのため位置決め部材81の上部は、第1の保持部材21と第2の保持部材41とを収容するために、開口している。また位置決め部材81は、底面81aを有している。底面81aは、位置決め部材81に挿入された第1の保持部材21が位置決め部材81から抜けることを防止し、第1の保持部材21を位置決めする。また底面81aは、第1の光ファイバ11が挿通可能な開口部81bを中央に有している。開口部81bは、位置決め部材81の長手方向において第1の光ファイバ11と同一直線上に配設されている。このように位置決め部材81は、底面81aを有する円筒形状の中空部材であり、凹型の断面形状を有していることとなる。
【0029】
また図3Dに示すように、位置決め部材81は、第1の保持部材21と第2の保持部材41との接続に伴う動作に連動して、気体90,92を位置決め部材81の外部に放出する放出孔81cを有している。放出される気体90,92は、例えば、気体放出口53a,53bから第1の保持部材21の一端面21aと第2の保持部材41の一端面41aとに向かって放出され、第1の保持部材21の一端面21aと第2の保持部材41の一端面41aとに当たって向きをかえた気体である。また、放出孔81cは、複数配設されている。放出孔81cは、周方向に沿ってリング状に配設されているスリットなどである。放出孔81cは、位置決め部材81の長手方向に沿って、互いに離れて配設されている。
【0030】
また位置決め部材81の上部の外周面には、図3Eに示すように固定部材85が固定するためのねじ81dが切られている。
【0031】
図3Eに示すように、固定部材85は、位置決め部材81に収容されている第1の保持部材21と第2の保持部材41とを位置決め部材81に固定する。固定部材85は、底面85aを有する円筒形状であり、凹型の断面形状を有しており、位置決め部材81の底面81aのないほうの開口部を覆うスリーブ補助部材として機能する。
【0032】
固定部材85は、底面85aに開口部85bを有している。この開口部85bには、第2の光ファイバ31が挿通している。開口部85bは、位置決め部材81の長手方向において第2の光ファイバ31と同一直線上に配設されている。
【0033】
固定部材85は、ねじ81dと噛み合うことで第1の保持部材21と第2の保持部材41とを位置決め部材81に固定するねじ85cを側面側の内周面に有している。
【0034】
次に本実施形態の作用について図3Aと図3Bと図3Cと図3Dと図3Eとを参照して説明する。
例えば、図3Aに示すように、第1の保持部材21は、位置決め部材81に挿入され、底面81aに当接する。このとき、出射端面11aを含む第1の保持部材21の一端面21aが位置決め部材81の径方向において例えば放出孔81cと少なくとも同一平面上に位置するように、第1の保持部材21は位置決め部材81によって位置決めされる。つまり放出孔81cが出射端面11aを含む第1の保持部材21の一端面21aの側方に位置するように、第1の保持部材21は位置決め部材81によって位置決めされる。
【0035】
次に直線69と直線71とが直交するように、第2の保持部材41は位置決め部材81に挿入される。このとき図3Bに示すように、ピストン58aが第2の保持部材41の一端面41aに当接し、気体放出口53aが第2の保持部材41の一端面41aに対向する。またこのとき、図3Cに示すようにピストン58bが第1の保持部材21の一端面21aに当接し、気体放出口53bが第1の保持部材21の一端面21aに対向する。
【0036】
またこのとき、図3Bに示すように、ピストン58aは、第2の保持部材41の一端面41aによってシリンダ57aに向かって押圧されて、シリンダ57aに挿入される。このとき付勢部材67は、縮む。これによりピストン58aは、シリンダ57aを摺動し、シリンダ57aにおける気体90を溝部27aに向かって押し出し、気体90を、溝部27aを介して流路部65aに向けて送気し、さらに気体放出口53aからブローする。この気体90は、入射端面31aを直接ブローする。また気体90は、第2の保持部材41の一端面41aに向かって流れ、一端面41aに当たり向きを変えて入射端面31aをブローし、さらに一端面41aによって跳ね返り、出射端面11aをブローする。
【0037】
なお上記と同時に、図3Cに示すように、ピストン58bは、第1の保持部材21の一端面21aによってシリンダ57bに向かって押圧されて、シリンダ57bに挿入される。このとき付勢部材67は、縮む。これによりピストン58bは、シリンダ57bを摺動し、シリンダ57bにおける気体92を溝部27aに向かって押し出し、気体92を、溝部27bを介して流路部65bに向けて送気し、さらに気体放出口53bからブローする。この気体92は、出射端面11aを直接ブローする。または気体92は、第1の保持部材21の一端面21aに向かって流れ、一端面21aに当たり向きを変えて出射端面11aをブローし、さらに一端面21aによって跳ね返り、入射端面31aをブローする。
【0038】
なおピストン58aはシリンダ57aを略密閉するようにシリンダ57aと同じ形状を有し、ピストン58aにはOリング59aが密着している。そのためピストン58aは、シリンダ57aにおける気体90を漏らすことなく流路部65aに向けて押し出す。また流路部65aは、シリンダ57aの奥部、つまりシリンダ57aの溝部27a側と連通している。そのためピストン58aは、シリンダ57aの内部のほぼ全ての気体90を押し出す。
この点は、シリンダ57bとピストン58bとOリング59bと流路部65bとについても同様である。
【0039】
また上述したように、直線69と直線71とが直交しているため、図3Dに示すように、気体放出口53aからブローされた気体90と、気体放出口53bからブローされた気体92とは、互いを打ち消さない方向に作用する。
【0040】
上述した気体90,92は、入射端面31aと出射端面11aとに付着する図示しないゴミ等をブローし、入射端面31aと出射端面11aとからごみを除去する。そしてゴミを含む気体90,92は、図3Dに示すように、放出孔81cから外部に向けて放出される。
【0041】
ピストン58a,58bがシリンダ57a,57bに挿入されることで、図3Eに示すように、一端面21aと一端面41aとは所望な間隔離れ、第1の光ファイバ11と第2の光ファイバ31とは光結合する。
【0042】
このようにゴミの除去は、光結合時において、光結合と当時に実行される。またゴミの除去は、出射端面11aと入射端面31aとに部材を接触させてゴミを払拭するのではなく、気体90,92をブローするのみであり、出射端面11aと入射端面31aとに対して部材を接触させず、非接触で実行される。
【0043】
図3Eに示すように、固定部材85は位置決め部材81の上部を覆い、ねじ81dとねじ85cとが噛み合う。これにより、第1の保持部材21と第2の保持部材41とは、位置決め部材81に固定される。
【0044】
なお固定部材85が位置決め部材81からはずれ、一端面21aと一端面41aとが切り離され、第1の光ファイバ11と第2の光ファイバ31との光結合が解除されると、付勢部材67は伸び、ピストン58aは付勢部材67によって付勢されてシリンダ57aから抜去される。
【0045】
このように本実施形態では、ブロー手段51における気体放出口53a,53bとシリンダ57a,57bとピストン58a,58bと流路部65a,65bとによって、第1の保持部材21と第2の保持部材41との接続に伴う動作に連動して、気体90,92を出射端面11aと入射端面31aとにブローできる。そのため本実施形態では、第1の保持部材21(第1の光ファイバ11)と第2の保持部材41(第2の光ファイバ31)と同士が頻繁に接続及び切り離されても、接続のたびに気体90,92を出射端面11aと入射端面31aとにブローするために、ゴミを除去でき、常に所望の結合効率を維持できる。
【0046】
また本実施形態では、運動エネルギー発生機構55aを第1の保持部材21の内部に配設し、運動エネルギー発生機構55bを第2の保持部材41の内部に配設することで、気体90,92のブローを第1の保持部材21と第2の保持部材41との内部から発生でき、光コネクタ10の外部に運動エネルギー発生機構55a,55bを配設する必要がない。
また本実施形態では、シリンダ57a,57bとピストン58a,58bとによって、気体90,92を簡単に気体放出口53a,53bからブローすることができる。また本実施形態では、シリンダ57aとピストン58aと、及びシリンダ57bとピストン58bとを、第1の保持部材21の長手方向において、光ファイバ11及び光ファイバ31と略平行線上に配設しているために、光コネクタ10にゴミ除去の機能を設けても比較的小型にできる。
【0047】
また本実施形態では、第1の保持部材21と第2の保持部材41との少なくとも一方を他方に向かって移動する際に、ピストン58a,58bを、第1の保持部材21と第2の保持部材41とによってシリンダ57a,57bに向かって押し込むことで、第1の保持部材21と第2の保持部材41との接続に伴う動作に連動して、つまり光結合と同時にゴミを除去できる。
またこれにより本実施形態では、光結合時において、確実にゴミを除去でき、常に出射端面11aと入射端面31aとをクリーンにすることができる。また本実施形態では、ゴミを除去するためだけの作業を省くことができる。また本実施形態では、光結合時において、ゴミの除去作業を忘れることを防止でき、確実にゴミの除去作業を実行できる。
【0048】
また本実施形態では、出射端面11aと入射端面31aとに部材を接触させてゴミを払拭するのではなく、気体90,92をブローするのみであり、出射端面11aと入射端面31aとに対して非接触でゴミを除去できる。これにより本実施形態では、払拭回数の増加に伴う部材の洗浄能力が低下することを懸念する必要がなく、部材の交換・メンテナンス・廃棄などを不要にできる。
【0049】
また本実施形態では、直線69と直線71とを直交させることで、第1の保持部材21と第2の保持部材41との接続に伴う動作に連動して、ピストン58aを第2の保持部材41の一端面41aに当接でき、ピストン58bを第1の保持部材21の一端面21aに当接できる。
【0050】
また本実施形態では、シリンダ57a,57bとピストン58a,58bと流路部65a,65bと気体放出口53a,53bとを複数配設することで、様々な方向から出射端面11aと入射端面31aとに向けて気体90,92をより効率的にブローでき、ゴミを除去できる。
【0051】
また本実施形態では、ピストン58a,58bは、シリンダ57a,57bを略密閉するように、シリンダ57a,57bの形状に対応する形状を有し、Oリング59a,59bがピストン58a,58bに密着しているため、シリンダ57a,57bにおける気体90,92をピストン58a,58bによって漏らすことなく流路部65a,65bに向けて押し出すことができる。
【0052】
また本実施形態では、第1の保持部材21と第2の保持部材41との接続が解除された際、付勢部材67によってピストン58a,58bを付勢して、シリンダ57a,57bに挿入されたピストン58a,58bをシリンダ57a,57bから抜去している。これにより本実施形態では、光結合時に常にピストン58a,58bをシリンダ57a,57bに挿入できる。
【0053】
また本実施形態では、流路部65a,65bによって、シリンダ57a,57bの溝部27a,27b側と気体放出口53a,53bとを連通させることで、シリンダ57a,57bの内部のほぼ全ての気体90,92を押し出すことができる。これにより本実施形態では、送気量を確保しやすくできる。
【0054】
また本実施形態では、位置決め部材81によって、第1の保持部材21と第2の保持部材41とを光結合時に位置決めできる。また本実施形態では、放出孔81cによって、ゴミを含む気体90,92を位置決め部材81の外部に放出できる。また本実施形態では、例えば最初に、出射端面11aを含む第1の保持部材21の一端面21aが、位置決め部材81の径方向において例えば放出孔81cと同一平面上に位置するように位置決めされ、次に第2の保持部材41が位置決め部材81に挿入されることにより、確実に放出孔81cによって、ゴミを含む気体90,92を位置決め部材81の外部に放出できる。なお、光コネクタ10の接続手順は、これに限定されない。
【0055】
また本実施形態では、気体90,92が、出射端面11aと入射端面31aとをブローし、放出孔81cによって位置決め部材81の外部に放出される際、一端面21aと一端面41aとをブローすることもできる。これにより本実施形態では、一端面21aと一端面41aとに付着するゴミを共にブローでき、一端面21aと一端面41aとの間隔をゴミによって妨げられることなく所望な距離に維持できる。よって本実施形態では、結合効率をより確保できる。
【0056】
なお本実施形態では、気体放出口53aからブローされた気体90は、入射端面31aと出射端面11aとをブローしているが、これに限定する必要はなく、入射端面31aと出射端面11aとの少なくとも一方をブローできるだけでも良い。この点は、気体放出口53bからブローされる気体92についても同様である。
【0057】
また本実施形態では、気体90は、入射端面31aを直接ブローし、第2の保持部材41の一端面41aに向かって流れ、一端面41aに当たり向きを変えて入射端面31aをブローし、さらに一端面41aによって跳ね返り、出射端面11aをブローしている。しかしこれに限定する必要はなく、これらの少なくとも1つが行われているだけでも良い。この点は、気体92についても同様である。
【0058】
また本実施形態では、ブロー手段51を第1の保持部材21と第2の保持部材41との両方に配設しているが、これに限定する必要なく、ブロー手段51を第1の保持部材21と第2の保持部材41との少なくとも一方の内部に配設する構成でもよい。
そのため、気体放出口53aによって、一端面21a側から一端面41a側に向かって気体90のみをブローしてもよいし、気体放出口53bによって、一端面41a側から一端面21a側に向かって気体92のみをブローしてもよい。
【0059】
また本実施形態では、第2の保持部材41が第1の保持部材21に向かって移動しているが、ピストン58a,58bをシリンダ57a,57bに押し込むことができれば、これに限定する必要は無い。つまり、第1の保持部材21と第2の保持部材41との少なくとも一方が他方に向かって移動する際に、ピストン58a,58bは、第1の保持部材21と第2の保持部材41との接続に伴う動作に連動して、第1の保持部材21と第2の保持部材41とのどちらか一方によってシリンダ57a,58bに向かって押し込まれればよい。
【0060】
また本実施形態では、シリンダ57a,57bとピストン58a,58bとの形状は、シリンダ57a,57bにおける密閉性と、シリンダ57a,57bに対するピストン58a,58bの摺動性とが確保されていれば、円柱形状である必要はない。また本実施形態では、シリンダ57aとシリンダ57bとの位置と、ピストン58aとピストン58bとの位置は、第2の保持部材41がシリンダ57aをピストン58aに押し込むことができ、第1の保持部材21がシリンダ57bをピストン58bに押し込むことができれば、特に限定されない。
【0061】
また本実施形態では、シリンダ57aにおける気密性を確保し、ピストン58aがシリンダ57aに対して滑らかに挿入・抜去できれば、Oリング59aに限定される必要はない。
【0062】
また本実施形態では、第1の保持部材21と第2の保持部材41とは、円柱形状に限定されない。一端面21aと一端面41aとは、略円形形状に限定されない。また本実施形態では、シリンダ57a,57bにおける密閉性と、シリンダ57a,57bに対するピストン58a,58bの摺動性とが確保できれば、第1の保持部材21と第2の保持部材41との材質は特に限定されない。
【0063】
また本実施形態では、1つの孔21cと1本の第1の光ファイバ11とを図示しているが、数はこれに限定されない。この場合、孔21cは、例えば、第1の保持部材21の中心軸を中心に、同心円上に複数配設される。各孔21cには、1本の第1の光ファイバ11が挿入される。つまり複数の第1の光ファイバ11が第1の保持部材21に保持されている場合、これら第1の光ファイバ11からなる光ファイバ群の重心は、一端面21aの平面方向において第1の保持部材21の中心軸上に配設される。このように第1の保持部材21は、多芯型であってもよい。この点は、第2の保持部材41についても同様である。
【0064】
また本実施形態では、孔21c,41cを例えばドリルで形成する場合、シリンダ57a,57bと流路部65a,65bともドリルで形成すればよいために、加工の手間を省くことができる。
【0065】
また本実施形態では、蓋部23aを配設する必要はなく、第1の保持部材21は蓋部23aに該当する底面を有していても良い。この場合、流路部65aは、底面の近傍でシリンダ57aと連通するように折れ曲がっていれば良い。この点は、第2の保持部材41についても同様である。
【0066】
また本実施形態では、蓋部23aは、第1の保持部材21と一体であってもよい。この点は、蓋部23bと第2の保持部材41とについても同様である。
【0067】
また本実施形態の蓋部23aの直径は、蓋部23aが第1の保持部材21に嵌合するように、第1の保持部材21の直径よりも微小に小さくてもよい。この点は、蓋部23bと第2の保持部材41とについても同様である。
【0068】
また本実施形態では、流路部65a,65bの位置と形状と数とは、特に限定されない。また本実施形態では、気体放出口53a,53bの形状と数とは特に限定されない。また本実施形態では、気体放出口53a,53bの位置は尚互いに対向していないことが好ましいが、特に限定されない。
【0069】
また本実施形態では、放出孔81cはゴミを含む気体90,92を外部に放出できれば、数や形状や大きさなどは特に限定されない。
【0070】
また本実施形態では、光結合後に、第1の保持部材21と第2の保持部材41とを位置決め部材81に挿入しても良い。この場合、位置決め部材81は、放出孔81cを有していなくても良い。
【0071】
また本実施形態では、位置決め部材81は本実施形態に示す構造(スリーブ)に限定される必要は無い。例えば、位置決め部材81は、第1の保持部材21の一端面21aに配設されている例えばピンと、第2の保持部材41の一端面41aに配設され、ピンが嵌合する凹部とを有していている構造でもよい。この場合、ピンは、第1の保持部材21の一端面21aに配設されている凹部に挿し込まれ位置決めされる。なお凹部と嵌合できれば、ピンに限定する必要は無く、例えば第1の保持部材21の一端面21aと一体の凸部であってもよい。
【0072】
また本実施形態では、固定部材85と位置決め部材81とは、ねじ81d,85cによって固定されているが、これに限定されない。また固定部材85は、第1の保持部材21側と第2の保持部材41側との少なくとも一方に配設されていればよい。
【0073】
次に本実施形態の第1の変形例について図4Aを参照して説明する。
本変形例では、溝部27aから第2の保持部材41の一端面41aまでの長さL1は、溝部27aから第1の保持部材21の一端面21aまでの長さL2とは同一である。そのため、ピストン58aがシリンダ57aに挿入された際、一端面21aと一端面41aとは当接し、出射端面11aと入射端面31aとは当接した状態で、第1の光ファイバ11と第2の光ファイバ31とは光結合する。
【0074】
このように本変形例では、出射端面11aと入射端面31aとを当接でき、所望の結合効率を確保できる。なお本変形例では、第1の実施形態で述べたように、一端面21aと一端面41aとに付着するゴミもブローできるため、一端面21aと一端面41aとをゴミによって妨げられることなく当接でき、出射端面11aと入射端面31aとを確実に当接できる。
【0075】
次に本実施形態の第2の変形例について図4Bを参照して説明する。
本変形例では、ピストン58aはシリンダ57aに挿入されるように第2の保持部材41の一端面41aに固定されている。なお図示はしないが、本変形例では、ピストン58bはシリンダ57bに挿入されるように第1の保持部材21の一端面21aに固定されている。これにより本実施形態では、付勢部材67を不要にでき、光コネクタ10のコストを下げることができる。
【0076】
次に本実施形態の第3の変形例について図4Cを参照して説明する。
本変形例では、シリンダ57aは、円環柱形状を有している。この場合、シリンダ57bは配設されていない。ピストン58aは、シリンダ57aに対応するように、円環柱形状を有している。ピストン58aは、外周面と内周面とにOリング59aを有している。
【0077】
これにより本変形例では、シリンダ57aが円環柱形状を有しているため、シリンダ57aを第1の保持部材21にデッドスペースを比較的容易に生じさせにくくすることができ、送気量をより確保しやすい。また換言すれば、同じ送気量を得られる前提において、第1の保持部材21を小型化しやすい。これに伴い、第2の保持部材41も小型化しやすい。すなわち、光コネクタ10を小型化しやすい。なおシリンダ57bが円環柱形状を有し、シリンダ57aが配設されない構成でもよい。
【0078】
次に、本発明に係る第2の実施形態について図5を参照して説明する。なお、第1の実施形態と同一の構成については、第1の実施形態と同一の参照符号を付すことにより説明を省略する。
本実施形態の流路部65aは、気体放出口53aから離れるに従って太くなっている。
これにより本実施形態では、気体放出口53aからブローされる気体90の速度を向上でき、ゴミをより強力な力で除去できる。
【0079】
なお本実施形態では、気体放出口53aからブローされる気体の速度を向上できれば、流路部65aの少なくとも一部が気体放出口53aから離れるに従って太くなっていればよい。
【0080】
なお上述した点は、第1の保持部材21における流路部65aと、第2の保持部材41における流路部65bとの少なくとも一方にて実施されていればよい。
【0081】
なお本実施形態は、上述した第1の実施形態の内容と第1の実施形態の各変形例の内容との少なくともいずれか1つを組み合わせても良い。
【0082】
次に、本発明に係る第3の実施形態について図6を参照して説明する。なお、第1,2の実施形態と同一の構成については、第1,2の実施形態と同一の参照符号を付すことにより説明を省略する。
第1の保持部材21における気体放出口53aを含む流路部65aの中心線は、第2の保持部材41によって保持されている第2の光ファイバ31の中心線と交差している。また図示は省略するが、第2の保持部材41における気体放出口53bを含む流路部65bの中心線は、第1の保持部材21によって保持されている第1の光ファイバ11の中心線と交差している。
【0083】
これにより本実施形態では、出射端面11aと入射端面31aとに効率よく気体90,92をより直接的にブローすることができる。なお上記構造は、第1の保持部材21における流路部65aと、第2の保持部材41における流路部65bとの少なくとも一方にて実施されている構造でもよい。
【0084】
また流路部65aの中心線を延長すると入射端面31aに向かって伸び、流路部65bの中心線を延長すると出射端面11aに向かって伸びていてもよい。これにより本実施形態では、出射端面11aと入射端面31aとにより効率よく気体90,92を直接ブローすることができる。なお上記構造は、第1の保持部材21における流路部65aと、第2の保持部材41における流路部65bとの少なくとも一方にて実施されている構造でもよい。
【0085】
なお本実施形態は、上述した第1の実施形態の内容と第1の実施形態の各変形例の内容と第2の実施形態の内容との少なくともいずれか1つを組み合わせても良い。
【0086】
また全ての実施形態と全ての変形例とにおいて、第1の光ファイバ11を出射側とし、第2の光ファイバ31を入射側としたが、これに限定されない。アプリケーションによっては、例えば相互に入射・出射を切り換えるような場合でも良い。
【0087】
本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。
【符号の説明】
【0088】
10…光コネクタ、11…第1の光ファイバ、11a…出射端面、21…第1の保持部材、21a…一端面、31…第2の光ファイバ、31a…入射端面、41…第2の保持部材、41a…一端面、51…ブロー手段、53a,53b…気体放出口、55a,55b…運動エネルギー発生機構、57a,57b…シリンダ、58a,58b…ピストン、63a,63b…流路機構、65a,65b…流路部、67…付勢部材、81…位置決め部材、90,92…気体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を出射する出射端面を有する第1の光ファイバを保持する第1の保持部材と、
前記出射端面から出射された前記光が入射する入射端面を有する第2の光ファイバを保持し、前記出射端面と前記入射端面とが光結合するように、前記第1の保持部材と接続する第2の保持部材と、
前記第1の保持部材と前記第2の保持部材との接続に伴う動作に連動して、前記出射端面を含む前記第1の保持部材の一端面と、前記入射端面を含む前記第2の保持部材の一端面との少なくとも一方へ向かって気体をブローするブロー手段と、
を具備することを特徴とする光コネクタ。
【請求項2】
前記ブロー手段は、前記第1の保持部材と前記第2の保持部材との少なくとも一方の内部に配設されることを特徴とする請求項1に記載の光コネクタ。
【請求項3】
前記ブロー手段は、
前記第1の保持部材と前記第2の保持部材との接続に伴う動作に連動して、前記気体を、前記出射端面を含む前記第1の保持部材の一端面と前記入射端面を含む前記第2の保持部材の一端面のうち、一方の前記一端面から他方の前記一端面に向かって、または双方向にブローする気体放出口と、
前記第1の保持部材と前記第2の保持部材との接続に伴う動作に連動して、前記気体が前記気体放出口からブローされるように、前記気体に運動エネルギーを付与させる運動エネルギー発生機構と、
前記運動エネルギー発生機構によって前記運動エネルギーを付与された前記気体を前記気体放出口まで送気するための流路機構と、
を有することを特徴とする請求項2に記載の光コネクタ。
【請求項4】
前記運動エネルギー発生機構は、
前記気体放出口が配設されている側の保持部材に配設されている開口部であり、前記流路機構と連通しているシリンダと、
前記シリンダに挿入されて、前記シリンダ内における前記気体を前記流路機構に送気するピストンと、
を有していることを特徴とする請求項3に記載の光コネクタ。
【請求項5】
前記ピストンは、前記第1の保持部材と前記第2の保持部材との接続に伴う動作に連動して、前記第1の保持部材と前記第2の保持部材との少なくとも一方が他方に向かって移動する際に、前記第1の保持部材と前記第2の保持部材とのどちらか一方によって前記シリンダに向かって押し込まれることを特徴とする請求項4に記載の光コネクタ。
【請求項6】
前記シリンダは、円柱形状を有し前記保持部材の周方向に沿って複数配設されている、または円環柱形状を有し、
前記ピストンは、前記シリンダを略密封するように前記シリンダの形状に対応する形状を有することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の光コネクタ。
【請求項7】
前記流路機構は、前記気体放出口が配設されている側の前記保持部材の内部に配設され、前記シリンダと前記気体放出口とを連通する流路部を有し、
前記流路部は、前記気体放出口から離れるに従って太くなることを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれかに記載の光コネクタ。
【請求項8】
前記気体放出口を含む前記流路部の中心線は、前記気体放出口と対向する側の前記保持部材によって保持されている前記光ファイバの中心線と交差することを特徴とする請求項4乃至請求項7のいずれかに記載の光コネクタ。
【請求項9】
前記第1の保持部材と前記第2の保持部材とを内部にて位置決めして保持する位置決め部材をさらに具備し、
前記位置決め部材は、前記第1の保持部材と前記第2の保持部材との接続に伴う動作に連動して、前記気体を前記位置決め部材の外部に放出する放出孔を有していることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の光コネクタ。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5】
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【図6】
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