説明

光シグナル観察方法および光シグナル観察システム

【課題】光感受性生物の細胞レベルでの発光観察を長期にわたって安定的に行うことができる光シグナル観察方法および光シグナル観察システムを提供する。
【解決手段】所定の刺激光を予め定めた条件に基づいて光感受性生物へ照射した後、光感受性生物に光を照射しながら光感受性生物の明視野画像を撮像する。明視野画像を撮像してから所定のインターバルを設けた後、光感受性生物からの発光を結像した発光画像を撮像する。インターバルは、光感受性生物の周囲に存在する器材に含まれる燐光の時間変化に基づいて定められる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光感受性生物が発する光シグナルを観察する光シグナル観察方法および光シグナル観察システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、植物やシアノバクテリア等の光感受性生物における遺伝子発現を調べる技術として、ルシフェラーゼなどの発光タンパク質を指標とするレポーターアッセイに関する技術が知られている(例えば、特許文献1および2を参照)。このレポータアッセイでは、ルミノメーターを用いることによって植物体全体からの発光量の総和を検出するのが一般的である。
【0003】
【特許文献1】特開2002−310894号公報
【特許文献2】特表2004−506879号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、植物体の場合、長期にわたる発生や成長の過程で、根、茎、葉等の部位ごとに遺伝子発現パターンが異なることが予想され、それに伴う発光量も、部位ごと、さらには細胞ごとに異なることが予想される。このため、上述した従来技術では、光感受性生物の細胞レベルでの発光観察を長期にわたって安定的に行うことが難しかった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、光感受性生物の細胞レベルでの発光観察を長期にわたって安定的に行うことができる光シグナル観察方法および光シグナル観察システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る光シグナル観察方法は、光感受性を有し、生物活性または挙動に応じて光シグナルを発するようにラベリングされた光感受性生物が発する光シグナルを観察する光シグナル観察方法であって、前記光感受性生物が感受する成分を有する刺激光を所定の条件に基づいて前記光感受性生物へ照射する刺激光照射ステップと、前記刺激光照射ステップで刺激光を照射した前記光感受性生物が発する光シグナルを結像した発光画像を撮像する発光画像撮像ステップと、を有し、前記刺激光照射ステップが終了してから前記発光画像撮像ステップを開始するまでの間にインターバルを設けることを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る光シグナル観察方法は、上記発明において、前記インターバルの時間は、前記光感受性生物の周囲で発生する燐光の時間変化に基づいて定められることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る光シグナル観察方法は、上記発明において、前記発光画像撮像ステップで撮像した発光画像に対し、前記光感受性生物の周囲で発生する燐光の時間変化に基づいた補正を加える発光画像補正ステップをさらに有することを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る光シグナル観察方法は、上記発明において、前記刺激光照射ステップおよび前記発光画像撮像ステップを所定の条件下で繰り返し行うことを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る光シグナル観察方法は、上記発明において、前記刺激光照射ステップの後であって前記インターバルの前に、明視野観察用の光を照射しながら前記光感受性生物の明視野画像を撮像する明視野画像撮像ステップと、前記明視野画像撮像ステップで撮像した明視野画像と、当該明視野画像を撮像後に前記発光画像撮像ステップで最初に撮像した発光画像とを重ね合わせた画像を生成する画像生成ステップと、前記画像生成ステップで生成した前記明視野画像と前記発光画像との重ね合わせ画像を出力する出力ステップと、をさらに有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る光シグナル観察方法は、上記発明において、発光タンパク質からなる遺伝子を前記光感受性生物へ導入することによってラベリングを行うことを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る光シグナル観察方法は、上記発明において、前記発光タンパク質はルシフェラーゼであることを特徴とする。
【0013】
本発明に係る光シグナル観察システムは、光感受性を有し、生物活性または挙動に応じて光シグナルを発するようにラベリングされた光感受性生物が発する光シグナルを観察する光シグナル観察システムであって、前記光感受性生物が感受する成分を有する刺激光を所定の条件に基づいて前記光感受性生物へ照射する刺激光照射手段と、前記光感受性生物が発する光シグナルを結像した発光画像を撮像する発光画像撮像手段と、前記刺激光照射手段が刺激光の照射を終了してから前記発光画像撮像手段が発光画像の撮像を開始するまでの間にインターバルを設ける制御を行う制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、光感受性生物が感受する成分を有する刺激光を所定の条件に基づいて前記光感受性生物へ照射した後、インターバルを設け、その後で光感受性生物からの光シグナルを結像した発光画像を撮像することにより、バックグラウンドノイズを落とし、微弱な光シグナルを高感度で検出することができる。したがって、光感受性生物の細胞レベルでの発光観察を長期にわたって安定的に行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して本発明を実施するための最良の形態(以後、「実施の形態」と称する)を説明する。
【0016】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る光シグナル観察システムの全体構成を模式的に示す図である。同図に示す光シグナル観察システム1は、光感受性生物であるサンプルSpが発する光シグナルを画像データとして光学的に観察する観察装置2と、観察装置2との間でデータの送受信が可能であり、観察装置2の駆動制御を行うとともに、観察装置2から送られてくる画像データを用いた演算処理を行うデータ処理装置3と、を有し、これら2つの装置が連携してサンプルSpの発光観察を行う。
【0017】
ここで、本実施の形態1で使用するサンプルSpについて説明する。サンプルSpは、植物やシアノバクテリアなど光感受性を有する光感受性生物である。サンプルSpを構成する光感受性生物には、発光タンパク質からなる遺伝子が導入されている。本実施の形態1では、発光タンパク質からなる遺伝子としてルシフェラーゼを導入する。ルシフェラーゼを細胞に導入する際には、パーティクルガン法やエレクトロポレーション法などによって直接導入する方法や、形質転換植物体を利用する方法を採用することができる。
【0018】
また、サンプルSpには、発光基質であるルシフェリンを導入する。ルシフェリンを導入する方法としては、ルシフェリン溶液を観察対象部位に直接噴霧する方法や、ルシフェリンを寒天培地に加える方法などがある。このうち、ルシフェリンを寒天培地に加える方法の場合、植物体の根から吸収されたルシフェリンは、その植物体の葉や茎まで浸透することが知られている。
【0019】
ルシフェラーゼをレポータ遺伝子として細胞に導入し、ルシフェラーゼ活性を指標として生物活性の一例である遺伝子発現の強さを調べる場合には、ルシフェラーゼ遺伝子の上流や下流に目的のDNA断片をつなぐことによってそのDNA断片の転写に及ぼす影響を調べることができる。また、転写に影響を及ぼすと思われる転写因子などの遺伝子を発現ベクターにつないでレポーター遺伝子と共発現させることにより、その遺伝子産物のレポーター遺伝子の発現に対する影響を調べることもできる。
【0020】
以下、光シグナル観察システム1の構成を説明する。まず、観察装置2は、サンプルSpを収納する容器21と、容器21を配置する可動式のステージ22と、サンプルSpから発せられる光シグナルの像を結像した発光画像を撮像する発光画像撮像ユニット23と、ステージ22を2次元的に駆動するステージ駆動部24と、明視野観察用の光(例えば白色光)をサンプルSpに照射する透過照明ユニット25と、発光画像撮像ユニット23や透過照明ユニット25の各光路の切替を行う光路切替駆動部26と、を備える。
【0021】
容器21としては、シャーレ、スライドガラス、マイクロプレートのほか、ゲル支持体、微粒子担体などを適用することもできる。図1に示す場合、シャーレからなる容器21には、ルシフェリン入りの寒天培地Kで成育されるサンプルSpとしての光感受性生物が培養されている。
【0022】
発光画像撮像ユニット23は、正立型の発光顕微鏡を用いて実現され、対物レンズ231と、対物レンズ231を介して入射してくる像を結像する結像レンズ232と、サンプルSpの発光画像や明視野画像を撮像する撮像装置233と、サンプルSpに対して刺激光を照射する光源234と、光源234からの刺激光の照射および未照射を切り替えるシャッター235と、対物レンズ231、結像レンズ232およびシャッター235の間に挿脱可能に配置されるミラー236と、を有する。
【0023】
対物レンズ231と結像レンズ232を含む結像光学系が極微弱な発光を画像化するための光学的条件として、投影倍率をβとするとき、(NA/β)2が0.01以上となるように対物レンズ231および結像レンズ232を組み合わせることが望ましい。
【0024】
撮像装置233は、CCD、CMOS等の固体撮像素子を有し、この固体撮像素子の撮像面上に結像された像を光電変換することによって画像データを生成し、データ処理装置3に出力する。撮像装置233が有する固体撮像素子としては、高感度のモノクロームCCD、例えば0℃以下の冷却CCDを利用することができ、好ましくは−80〜−30℃の冷却CCDであればよく、さらに好ましくは−60℃程度の冷却CCDであればよい。
【0025】
光源234は、サンプルSpに照射する植物成育用としての刺激光をサンプルSpに照射するものであり、高圧ナトリウムランプまたはLEDランプが用いられる。植物の生育においては、特に青色の光と赤色の光が重要とされている。このため、光源234から照射された光を分光する分光フィルタを設けることにより、所望の波長成分の光をサンプルSpに照射するようにしてもよい。
【0026】
ミラー236は、データ処理装置3の制御のもと、光路切替駆動部26によって移動される。具体的には、光源234からの刺激光をサンプルSpに照射する時、ミラー236は発光画像撮像ユニット23の光路上に挿入される。一方、撮像装置233が発光画像を撮像する時、ミラー236は発光画像撮像ユニット23の光路から離脱される。なお、ミラー236を手動によって動かす構成としてもよい。
【0027】
透過照明ユニット25は、明視野観察用の光を発するハロゲンランプ等の光源251と、明視野観察用の光の照射および未照射を切り替えるシャッター252と、光源251からの白色光をサンプルSp上に集光させる照明レンズ系253とを備え、サンプルSpに対して発光画像撮像ユニット23と反対側に配置されている。
【0028】
照明レンズ系253は、コレクタレンズ253aおよびコンデンサーレンズ253bを有し、サンプルSpに対してクリティカル照明を行う。なお、照明レンズ系253は、サンプルSpに対してケーラー照明を行うようにしてもよい。
【0029】
次に、データ処理装置3の機能構成を、図2に示すブロック図を参照して説明する。データ処理装置3は、観察装置2から画像データを含む情報を受信するとともに、観察装置2に対して制御信号を含む情報を送信する送受信部31と、キーボードやマウスなどによって実現され、観察装置2における測定条件等の情報や各種操作指示信号が外部から入力される入力部32と、観察装置2から受信した情報に基づいた演算を行うとともに、光シグナル観察システム1の動作制御を行う制御部33と、画像データや制御部33における演算結果を含む情報を記憶する記憶部34と、制御部33における演算結果を含む情報を出力する出力部35と、を備える。
【0030】
制御部33は、画像データをもとに細胞の発光量(発光強度)を測定する発光量測定部331と、光シグナル観察システム1が行う処理の中で所定の条件を満足しているか否かの判定を行う条件判定部332と、観察装置2から入力された画像データおよび発光量測定部331で測定した発光量に基づいて出力部35が表示する画像を生成する画像生成部333と、タイマー機能を有する時計334と、を有する。制御部33は、演算機能および制御機能を有するCPUなどを用いて実現される。
【0031】
記憶部34は、画像生成部333が生成した画像データを記憶する画像データ記憶部341と、入力部32から入力されたサンプルSpの測定条件を記憶する測定条件記憶部342と、発光量測定部331が測定した発光量を記憶する発光量記憶部343と、を有する。記憶部34は、本実施の形態1に係る処理や所定のOSを起動するプログラムなどを予め記憶するROM、制御部33が演算を行う際に使用する情報を一時的に記憶するRAMなどを用いて実現され、記憶手段の少なくとも一部を構成する。また、記憶部34として、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM、MOディスク、PCカード等の記録媒体に記録された情報を読み取ることができる補助記憶装置をさらに備えてもよい。
【0032】
出力部35は、制御部33からの制御信号に基づいて画像を生成し、この生成した画像を表示する機能を有しており、液晶、プラズマ、有機EL等のディスプレイを具備する。なお、出力部35として、紙などを媒体とした情報の出力が可能なプリンタを具備してもよい。
【0033】
図3は、本実施の形態1に係る光シグナル観察方法の処理の概要を示すフローチャートである。また、図4は、本実施の形態1に係る光シグナル観察方法の時間的な処理の流れを示すタイムチャートである。以下、これらの図を参照して、本実施の形態1に係る光シグナル観察方法を説明する。なお、発光画像撮像ユニット23の光源234および透過照明ユニット25の光源251は予め点灯しており、一連の処理中は点灯状態を維持するものとする。
【0034】
まず、データ処理装置3は、入力部32から測定条件の入力を受け付け、記憶部34の測定条件記憶部342に記憶する(ステップS1)。測定条件は、観察装置2における撮影の際の条件やサンプルSpの培養の条件などである。このステップS1で入力を受け付ける際、出力部35が所定の条件入力画面を表示し、各種条件の選択入力を利用者に促すようにしてもよい。
【0035】
本実施の形態1においては、サンプルSpの長期的な観察を行うことを想定している。このため、サンプルSpに対して成育用の光を照射する必要がある。高等植物では、日長(日照)時間が生長、発生、細胞分化などの調節にきわめて重要な働きをしており、光を照射する時間を観察内容に応じて適切に制御することはきわめて重要である。そこで、本実施の形態1では、植物育成用の光照射時間を測定条件として予め入力することにより、サンプルSpの長期的な観察にも耐えうる環境を提供する。
【0036】
この後、観察装置2は、発光画像撮像ユニット23、透過照明ユニット25の各光路を刺激光照射用の光路へ切り替える(ステップS2)。具体的には、光路切替駆動部26が、データ処理装置3の制御部33から送信されてくる制御信号に応じて、発光画像撮像ユニット23のシャッター235を開くとともにミラー236を発光画像撮像ユニット23の光路上に挿入する一方、透過照明ユニット25のシャッター252を閉じる。
【0037】
ステップS2の結果、光源234が発する刺激光はミラー236で反射されてサンプルSpへ照射されることとなる。このようにして、観察装置2は、刺激光をサンプルSpに対して所定の照射時間TLだけ照射する(ステップS3)。照射時間TLは、ステップS1で設定される。なお、図4では、刺激光を繰り返し照射する場合の照射時間TLが常に同じである場合を図示しているが、これはあくまでも一例に過ぎない。例えば、刺激光の照射時間を、サイクルごとに変化させるようにしてもよい。
【0038】
この後、観察装置2は、発光画像撮像ユニット23、透過照明ユニット25の各光路を明視野画像撮像用の光路へ切り替える(ステップS4)。具体的には、光路切替駆動部26が、データ処理装置3の制御部33から送信されてくる制御信号に応じて、発光画像撮像ユニット23のシャッター235を閉じるとともにミラー236を発光画像撮像ユニット23の光路上から離脱させる一方、透過照明ユニット25のシャッター252を開く。これにより、光源251が発する明視野観察用の光はサンプルSpを透過し、対物レンズ231、結像レンズ232を介して撮像装置233に入射する。
【0039】
撮像装置233は、制御部33から送信されてくる制御信号に応じて明視野画像を撮像する。撮像装置233が撮像した画像データは、データ処理装置3に送信される。データ処理装置3は、撮像装置233が撮像した明視野画像の画像データを撮像時刻の情報とともに記憶部34の画像データ記憶部341に格納して記憶する(ステップS5)。明視野画像を撮像する際の撮像領域の設定は、ステージ駆動部24が、データ処理装置3から受信した制御信号に基づいてステージ22を駆動することによって設定する。なお、ステージ22は、利用者が手動で動かすことができるようにしてもよい。
【0040】
図5は、撮像装置233が撮像した明視野画像を模式的に示す模式図である。同図においては、サンプルSpの1枚の葉Lと茎Sは視野に入っているが、点線で示すもう1枚の葉はピントが合っていない状態であることを示している。
【0041】
続いて、観察装置2は、発光画像撮像ユニット23、透過照明ユニット25の各光路を発光画像用の光路へ切り替える(ステップS6)。具体的には、光路切替駆動部26が、データ処理装置3の制御部33から送信されてくる制御信号に応じて、透過照明ユニット25のシャッター252を閉じる。これにより、光源234に加えて光源251が照射する光もサンプルSpに照射されなくなり、撮像装置233は、サンプルSpが発する発光を撮像することが可能な状態となる。
【0042】
この後、光シグナル観察システム1は、シャッター235が閉じてから制御部33の時計334が計測するインターバルの時間が所定の時間T経過するまで待機する(ステップS7,No)。インターバル時間Tは、透過光のバックグラウンドノイズを消光させるために設けられる。容器21などのガラス器材には、燐光物質と呼ばれる残光を持つ物質が含まれている。このため、ルシフェラーゼを指標とする微弱な強度の光シグナルを検出する場合には、刺激光を照射した後の燐光物質による残光(燐光)がバックグラウンドノイズとして効いてくる可能性がある。そこで、本実施の形態1においては、バックグラウンドノイズが無視できるレベルに達するまで、インターバルを設ける。なお、光感受性生物の種類や観察の内容によっては、明視野画像の撮像を行う必要がない場合もある。この場合には、刺激光を照射後、すぐにインターバルを取り始めればよい。
【0043】
インターバル時間Tは、測定値がある閾値を下回るまでの時間として設定することができる。この閾値は、予め同じ条件下で燐光の強度の時間変化を測定した結果として得られる減光関数に基づいて定められる。この減光関数は、基材の材質などによって異なるが、時間の経過とともに指数関数的に減少するような関数である。
【0044】
このようにして設定したインターバル時間Tは、測定条件記憶部342で記憶しておき、条件判定部332が透過光の照射を終了してからの経過時間とインターバル時間Tとを比較することによってステップS7における判断処理を行う。
【0045】
この後、インターバル時間Tが経過したとき(ステップS7,Yes)、撮像装置233は、サンプルSpの発光画像を撮像し、この撮像した発光画像の画像データをデータ処理装置3へ送信する。データ処理装置3は、受信した発光画像の画像データを撮像時刻の時刻情報とともに画像データ記憶部341に書き込んで記憶する(ステップS8)。このステップS8で発光画像を撮像する際には、明視野画像の撮像と比較して露出時間を十分に長く取る必要がある。図6は、発光画像を模式的に示す図である。同図に示す発光画像P2は、細胞レベルでのルシフェラーゼの発光が点状領域Cとなって表れている。
【0046】
次に、発光量測定部331は、画像データ記憶部341で記憶する発光画像の画像データを用いてサンプルSpの場所ごとの発光量(発光強度)を測定し、撮像領域内での位置情報(座標等で識別)および時刻情報とともに発光量記憶部343に書き込んで記憶する(ステップS9)。
【0047】
この後、条件判定部332は、ステップS9終了後の状態が所定の画像生成条件を満たしているか否かを判定する(ステップS10)。ここでいう画像生成条件とは、例えば以下に示す条件(1)〜(3)のいずれか1つを用いて定義される。
(1)発光画像の撮像回数が所定回数に到達。
(2)発光画像の発光量が所定値より大。
(3)最初の発光画像の撮像時刻から一定時間が経過。
【0048】
条件判定部332の判定の結果、ステップS9終了後の状態が画像生成条件を満たしていない場合(ステップS10,No)、光シグナル観察システム1は、ステップS2に戻って処理を繰り返し行う。この繰り返しを行う際には、測定条件に応じて、刺激光の照射時間TLを変えたりすることも可能である。また、刺激光の照射時間TLは変えず、刺激光の波長成分を変えたり、刺激光を照射させなかったりすることも可能である。
【0049】
他方、条件判定部332の判定の結果、ステップS9終了後の状態が画像生成条件を満たしている場合(ステップS10,Yes)、データ処理装置3では、制御部33の画像生成部333が、互いに対応する明視野画像および発光画像を画像データ記憶部341から読み出し、この読み出した明視野画像および発光画像を重ね合わせた画像を生成する(ステップS11)。
【0050】
この後、出力部35が、画像生成部333で生成した重ね合わせ画像を表示する(ステップS12)。図7は、明視野画像と発光画像を重ね合わせた画像の表示出力例(第1例)を示す模式図である。同図に示す重ね合わせ画像P3は、サンプルSpの葉Lの細胞から発光している状態を模式的に示しており、図5に示す明視野画像P1と図6に示す発光画像P2との重ね合わせに対応している。なお、重ね合わせ画像P3におけるレポーターの発光部分であり、細胞に対応する点状領域Cに対して擬似カラーを付与してもよい。
【0051】
図8は、明視野画像と発光画像を重ね合わせた画像の出力部35における表示出力例(第2例)を示す模式図である。図8においては、出力部35が、発光画像の取得時刻に応じて明視野画像と発光画像との重ね合わせ画像P3およびP4を時系列に沿ってアニメーション表示した場合を模式的に示している。このように出力部35がアニメーション表示を行うことにより、利用者は、サンプルSpの細胞ごとの発光量の時間変化を視覚的に把握することができる。
【0052】
以上説明した本発明の実施の形態1によれば、光感受性生物が感受する成分を有する刺激光を所定の条件に基づいて前記光感受性生物へ照射した後、インターバルを設け、その後で光感受性生物からの光シグナルを結像した発光画像を撮像することにより、バックグラウンドノイズを落とし、微弱な光シグナルを高感度で検出することができる。したがって、光感受性生物の細胞レベルでの発光観察を長期にわたって安定的に行うことが可能となる。
【0053】
また、本実施の形態1によれば、従来、光感受性生物体全体で捉えていた遺伝子発現を、部位または細胞レベルで解析することにより、一段と詳細な遺伝子発現変化を調べることができる。
【0054】
また、本実施の形態1によれば、レポーター遺伝子として発光タンパク質を適用しているため、定量性に優れ、細胞へのダメージも極力抑えた観察を行うことが可能となる。特に、レポーター遺伝子としてルシフェラーゼを用いる場合、ルシフェラーゼは励起光を照射せずに観察できる化学的励起型の発光酵素であるため、サンプルに損傷を与えることがなく、数日〜数週間程度の長期的な観察が可能となる。
【0055】
また、本実施の形態1によれば、正立型顕微鏡による観察を行うため、縦方向へ成長する光感受性生物の立体的な観察に好適である。
【0056】
なお、本実施の形態1において、発光画像撮像ユニットが撮像した発光画像に対し、データ処理装置側で燐光の影響を少なくするような補正を加えてもよい。この場合には、上述した減光関数を用いることにより、画像に対して燐光の強度分を減じる補正を行うこともできる。これにより、明視野観察用の光の照射を終了してから発光画像を撮像するまでのインターバル時間を短くすることができ、その分だけ発光画像撮像時の露出時間を長く取ることができる。
【0057】
(実施の形態2)
図9は、本発明の実施の形態2に係る光シグナル観察システムの全体構成を模式的に示す図である。同図に示す光シグナル観察システム4は、光感受性生物であるサンプルSpが発する光シグナルを画像データとして光学的に観察する観察装置5と、観察装置5との間でデータの送受信が可能であり、観察装置5の駆動制御を行うとともに、観察装置5から送られてくる画像データを用いた演算処理を行うデータ処理装置3と、を有し、これら2つの装置が連携してサンプルSpの発光観察を行う。なお、本実施の形態2において、上述した実施の形態1に係る光シグナル観察システム1と同じ機能構成を有する部位については、同じ符号を付してある。
【0058】
観察装置5は、サンプルSpを収納するスライドガラス51およびカバーガラス52と、可動式のステージ22と、サンプルSpから発せられるシグナルとしての発光の像を結像した発光画像を撮像する発光画像撮像ユニット53と、ステージ駆動部24と、明視野画像用の白色光をサンプルSpに照射する透過照明ユニット54と、発光画像撮像ユニット53および透過照明ユニット54にそれぞれ設けられる光路の切替を行う光路切替駆動部26と、を備える。
【0059】
発光画像撮像ユニット53は、倒立型の発光顕微鏡を用いて実現され、対物レンズ531と、対物レンズ531を介して入射してくる像を結像する結像レンズ532と、サンプルSpの発光画像や明視野画像を撮像する撮像装置533と、サンプルSpに対して刺激光を照射する光源534と、光源534から照射された透過光の透過および遮蔽を切り替えるシャッター535と、対物レンズ531、結像レンズ532およびシャッター535の間に挿脱可能に配置されるミラー536と、を有する。
【0060】
透過照明ユニット54は、明視野観察用の光を発するハロゲンランプ等の光源541と、白色光の照射および未照射を切り換えるシャッター542と、光源541からの白色光をサンプルSp上に集光させる照明レンズ系543とを備え、サンプルSpに対して発光画像撮像ユニット53と反対側に配置されている。照明レンズ系543は、コレクタレンズ543aおよびコンデンサーレンズ543bを有し、サンプルSpに対してクリティカル照明を行う。
【0061】
観察装置5は、サンプルSpを挟んだ発光画像撮像ユニット53と透過照明ユニット54の位置が、上記実施の形態1で説明した観察装置2と上下で逆になっている。このため、サンプルSpをステージ22に載置する際には、図10に示すように、スライドガラス51の上に寒天培地Kで培養するサンプルSpを載せ、その上方からカバーガラス52をサンプルSpに対して被せて平坦な状態にする。その後、上下を逆転させてカバーガラス52がスライドガラス51の下に来るようにした後、ステージ22に載置する。これにより、倒立型の発光画像撮像ユニット53によって、サンプルSpの葉や茎の発光観察を行うことができる。
【0062】
なお、サンプルSpの根を観察したい場合には、図1と同じようにシャーレからなる容器21にサンプルSpを載せた状態で発光画像や明視野画像の撮像を行えばよい。
【0063】
以上説明した本発明の実施の形態2によれば、上記実施の形態1と同様に、光感受性生物の細胞レベルでの発光観察を長期にわたって安定的に行うことが可能となる。
【0064】
(実施の形態3)
図11は、本発明の実施の形態3に係る光シグナル観察システムの全体構成を模式的に示す図である。同図に示す光シグナル観察システム6は、光感受性生物であるサンプルSpが発する光シグナルを画像データとして光学的に観察する観察装置7と、観察装置7との間でデータの送受信が可能であり、観察装置7の駆動制御を行うとともに、観察装置7から送られてくる画像データを用いた演算処理を行うデータ処理装置3と、を有し、これら2つの装置が連携してサンプルSpの発光観察を行う。なお、本実施の形態3において、上述した実施の形態1に係る光シグナル観察システム1および実施の形態2に係る光シグナル観察システム4と同じ機能構成を有する部位については、同じ符号を付してある。
【0065】
光シグナル観察システム6は、2つの発光画像撮像ユニット71、72を具備している。このうち、発光画像撮像ユニット71は、正立型の発光顕微鏡を用いて実現され、対物レンズ231と、対物レンズ231を介して入射してくる像を結像する結像レンズ232と、サンプルSpの発光画像や明視野画像を撮像する撮像装置233と、サンプルSpに対して刺激光および透過照明用の光を照射する光源711と、光源から発せられた光のうち通過させる光を選択的に切り替える分光切替部712と、対物レンズ231、結像レンズ232および分光切替部712の間に挿脱可能に配置されるミラー236と、を有する。
【0066】
分光切替部712は、回転板を用いて構成され、刺激光用のフィルターと、透過照明用の透孔と、シャッターとしての機能を有する光遮断部位とがほぼ等間隔で配置されており、光路切替駆動部26によって回転駆動が行われている。回転板は、例えば従来より知られている回転フィルターを適用することができる。
【0067】
一方、発光画像撮像ユニット72は、倒立型の発光顕微鏡を用いて実現され、対物レンズ531と、結像レンズ532と、撮像装置533と、サンプルSpに対して刺激光および透過照明用の光を照射する光源721と、光源から発せられた光のうち通過させる光を選択的に切り替える分光切替部722と、対物レンズ531、結像レンズ532および分光切替部722の間に挿脱可能に配置されるミラー536と、を有する。分光切替部722の構成は、分光切替部712の構成と同様である。
【0068】
本実施の形態3に係る光シグナル観察方法について説明する。本実施の形態3において、光シグナル観察システム6は、上記実施の形態1に係る光シグナル観察方法と同様の処理を行う。ただし、ステップS2の刺激光照射用の光路への切替処理において、光路切替駆動部26は、分光切替部712、722の各々が有する刺激光用のフィルターが光路上に位置する状態で、各分光切替部の回転板を停止させる処理も行う。また、ステップS4の明視野画像用光路への切替処理において、光路切替駆動部26は、分光切替部712、722の各々が有する透過照明用の透孔が光路上に位置する状態で、各分光切替部の回転板を停止させる処理も行う。
【0069】
なお、光源711、721は、刺激光の照射および透過照明用の光の照射をそれぞれ同時に同じ期間だけ行うものとする。これにより、例えば光源711から出てミラー236で反射され、サンプルSpを通過して発光画像撮像ユニット72に到達した光は、ミラー536が光路上にあるため、撮像装置533へ到達しなくなる。同様に、光源721から出てミラー536で反射され、サンプルSpを通過して発光画像撮像ユニット71に到達した光は、ミラー236が光路上にあるため、撮像装置233へ到達しなくなる。このため、撮像装置233、533の発光画像や明視野画像の撮像に影響を与えないで済む。なお、撮像装置233は、ミラー236の透過照明によって明視野画像を撮像する一方、撮像装置533は、ミラー536の透過照明によって明視野画像を撮像する。
【0070】
以上説明した本発明の実施の形態3によれば、上述した実施の形態1、2と同様に、光感受性生物の細胞レベルでの発光観察を長期にわたって安定的に行うことが可能となる。
【0071】
また、本実施の形態3によれば、正立型顕微鏡と倒立型顕微鏡を用いた観察を行うことができるので、光感受性生物を立体的に観察したい場合に好適である。
【0072】
(その他の実施の形態)
ここまで、本発明を実施するための最良の形態として、実施の形態1〜3を詳述してきたが、本発明はそれらの実施の形態によって限定されるべきものではない。例えば、実験ごとに燐光も自動的に計測し、その都度適切なインターバル時間Tをリアルタイムで設定するようにしてもよい。
【0073】
また、サンプルとして植物体を用いる場合、植物体は成長により大きくなるため、必要に応じてZ方向(光軸方向)に沿って複数枚の画像を撮像し、これらの画像を用いて植物体の3次元的な像(立体像)を再構築するような画像処理を行ってもよい。
【0074】
さらに、上述した実施の形態では、刺激光が光感受性生物の成育を促進する光である場合を取り上げたが、一般に刺激光とは、光感受性生物の生物活性または挙動に影響を与えることができる光であればいかなる光であってもよい。すなわち、刺激光は、必ずしも光感受性生物の成育を促進する光に限定されるわけではない。
【0075】
また、本発明は、光シグナルとして、蛍光タンパク質を指標とした蛍光発光を観察する場合にも適用することができる。
【0076】
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態等を含みうるものであり、特許請求の範囲により特定される技術的思想を逸脱しない範囲内において種々の設計変更等を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の実施の形態1に係る光シグナル観察システムの全体構成を模式的に示す図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る光シグナル観察システムが備えるデータ処理装置の機能構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る光シグナル観察方法の処理の概要を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態1に係る光シグナル観察方法の時間的な処理の流れを示すタイムチャートである。
【図5】明視野画像を模式的に示す図である。
【図6】発光画像を模式的に示す図である。
【図7】明視野画像と発光画像を重ね合わせた画像の表示例(第1例)を示す模式図である。
【図8】明視野画像と発光画像を重ね合わせた画像の表示例(第2例)を示す模式図である。
【図9】本発明の実施の形態2に係る光シグナル観察システムの全体構成を模式的に示す図である。
【図10】サンプルの保持方法を示す模式図である。
【図11】本発明の実施の形態3に係る光シグナル観察システムの全体構成を模式的に示す図である。
【符号の説明】
【0078】
1、4、6 光シグナル観察システム
2、5、7 観察装置
3 データ処理装置
21 容器
22 ステージ
23、53、71、72 発光画像撮像ユニット
24 ステージ駆動部
25、54 透過照明ユニット
26 光路切替駆動部
31 送受信部
32 入力部
33 制御部
34 記憶部
35 出力部
51 スライドガラス
52 カバーガラス
231、531 対物レンズ
232、532 結像レンズ
233、533 撮像装置
234、251、534、541、711、721 光源
235、252、535、542 シャッター
236、536 ミラー
253、543 照明レンズ系
253a、543a コレクタレンズ
253b、543b コンデンサーレンズ
331 発光量測定部
332 条件判定部
333 画像生成部
334 時計
341 画像データ記憶部
342 測定条件記憶部
343 発光量記憶部
712、722 分光切替部
P1 明視野画像
P2 発光画像
P3、P4 重ね合わせ画像
Sp サンプル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光感受性を有し、生物活性または挙動に応じて光シグナルを発するようにラベリングされた光感受性生物が発する光シグナルを観察する光シグナル観察方法であって、
前記光感受性生物が感受する成分を有する刺激光を所定の条件に基づいて前記光感受性生物へ照射する刺激光照射ステップと、
前記刺激光照射ステップで刺激光を照射した前記光感受性生物が発する光シグナルを結像した発光画像を撮像する発光画像撮像ステップと、
を有し、
前記刺激光照射ステップが終了してから前記発光画像撮像ステップを開始するまでの間にインターバルを設けることを特徴とする光シグナル観察方法。
【請求項2】
前記インターバルの時間は、前記光感受性生物の周囲で発生する燐光の時間変化に基づいて定められることを特徴とする請求項1に記載の光シグナル観察方法。
【請求項3】
前記発光画像撮像ステップで撮像した発光画像に対し、前記光感受性生物の周囲で発生する燐光の時間変化に基づいた補正を加える発光画像補正ステップをさらに有することを特徴とする請求項1または2に記載の光シグナル観察方法。
【請求項4】
前記刺激光照射ステップおよび前記発光画像撮像ステップを所定の条件下で繰り返し行うことを特徴とする請求項1に記載の光シグナル観察方法。
【請求項5】
前記刺激光照射ステップの後であって前記インターバルの前に、明視野観察用の光を照射しながら前記光感受性生物の明視野画像を撮像する明視野画像撮像ステップと、
前記明視野画像撮像ステップで撮像した明視野画像と、当該明視野画像を撮像後に前記発光画像撮像ステップで最初に撮像した発光画像とを重ね合わせた画像を生成する画像生成ステップと、
前記画像生成ステップで生成した前記明視野画像と前記発光画像との重ね合わせ画像を出力する出力ステップと、
をさらに有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の光シグナル観察方法。
【請求項6】
発光タンパク質からなる遺伝子を前記光感受性生物へ導入することによってラベリングを行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の光シグナル観察方法。
【請求項7】
前記発光タンパク質はルシフェラーゼであることを特徴とする請求項6に記載の光シグナル観察方法。
【請求項8】
光感受性を有し、生物活性または挙動に応じて光シグナルを発するようにラベリングされた光感受性生物が発する光シグナルを観察する光シグナル観察システムであって、
前記光感受性生物が感受する成分を有する刺激光を所定の条件に基づいて前記光感受性生物へ照射する刺激光照射手段と、
前記光感受性生物が発する光シグナルを結像した発光画像を撮像する発光画像撮像手段と、
前記刺激光照射手段が刺激光の照射を終了してから前記発光画像撮像手段が発光画像の撮像を開始するまでの間にインターバルを設ける制御を行う制御手段と、
を備えたことを特徴とする光シグナル観察システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−69076(P2009−69076A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−240039(P2007−240039)
【出願日】平成19年9月14日(2007.9.14)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】