説明

光センシング装置及びその駆動方法、光センシング装置を含む光タッチスクリーン装置

【課題】光センシング画素内の光センサトランジスタが光を感知することができる酸化物半導体トランジスタからなる光センシング装置、該光センシング装置の駆動方法、及び該光センシング装置を含む光タッチスクリーン装置を提供する。
【解決手段】多数の行及び多数の列に沿って配列された多数の光センシング画素を具備する光センシング画素アレイを含む光センシング装置であり、それぞれの光センシング画素は、互いに直列に連結された光センサトランジスタとスイッチトランジスタとを含み、該光センシング画素アレイ内のそれぞれの行には、スイッチトランジスタのゲートに連結されるゲートライン、及び光センサトランジスタのゲートに連結されるリセットラインが設けられており、リセットラインは、位相反転器を介してゲートラインと連結されている。これにより、ゲートラインにゲート電圧が印加されるとき、そのゲート電圧に対して位相反転されたリセット信号がリセットラインに印加される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光センシング装置及びその駆動方法、前記光センシング装置を含む光タッチスクリーン装置に係り、さらに詳細には、光センシング画素内の光センサトランジスタが光を感知することができる酸化物半導体トランジスタからなる光センシング装置、前記光センシング装置の駆動方法、及び前記光センシング装置を含む光タッチスクリーン装置に関する。
【背景技術】
【0002】
タッチスクリーン装置とは、ディスプレイ画面の特定位置に、ユーザの指やペンが触れれば、その位置を把握し、ソフトウェアによって特定処理を行うことができるように、画面で直接入力資料を受けるように作った装置をいう。そのために、タッチスクリーン装置は、一般的なディスプレイパネルにタッチパネルという装置を付加し、その機能を発揮させる。タッチパネルには、圧力式抵抗膜方式、接触式静電容量方式、表面超音波伝導(SAW:surface acoustic wave)方式、赤外線光感知方式及び圧電方式などの多様な種類がある。このようなタッチスクリーン装置は、最近キーボードやマウスを代替することができる入力装置として、多様な分野で広く使われている。
【0003】
これまで広く使われているタッチスクリーン装置は、指やペンなどを利用し、ディスプレイ装置の画面に直接タッチする方式である。しかし、ディスプレイ装置がだんだんと大型化されつつ、ユーザとディスプレイ装置との距離が遠ざかる場合には、このような直接タッチ方式を適用し難いのである。それにより、指やペンの接触の代わりに、光を感知して、既存のタッチスクリーンと同一の機能を遂行することができる光タッチスクリーン装置が提案されている。光タッチスクリーン装置は、ユーザと端末機との意思疎通だけではなく、ユーザとユーザとの意思疎通にも有利であると期待されている。
【0004】
光タッチスクリーン装置を具現するためには、光を感知することができる微細な大きさの光センシング素子が要求される。一般的に広く使われる光センシング素子としては、非晶質シリコン薄膜トランジスタ(a−Si TFT)がある。ところで、a−Si TFTの場合、光による電流変化が十分に大きくない。それにより、光が印加されるとき、フォトダイオードで発生した電荷を一定時間の間、キャパシタに蓄積した後、キャパシタに蓄積された電荷量から光度に係わる信号を発する。このようにキャパシタを使用する場合、キャパシタに電荷を蓄積する時間ほどセンシング時間が遅延され、光タッチスクリーン装置の面積が大きくなるほど、寄生キャパシタンスが増大することになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国登録特許第10−0983524号公報
【特許文献2】韓国公開特許第10−2011−0026661号公報
【特許文献3】米国特許第7,940,252号明細書
【特許文献4】韓国公開特許第10−2011−0043905号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、光センシング素子として酸化物半導体トランジスタを利用する光センシング装置及び前記光センシング装置の駆動方法を提供するものである。
【0007】
本発明はまた、前記光センシング装置を含む光タッチスクリーン装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のこと類型による光センシング装置は、光を感知するための光センサトランジスタと、前記光センサトランジスタから光センシング信号を出力するためのスイッチトランジスタと、前記スイッチトランジスタのゲートに連結されるゲートラインと、前記光センサトランジスタのゲートに連結されるリセットラインと、前記リセットラインと前記ゲートラインとの間に連結される位相反転器と、を含み、ここで、前記スイッチトランジスタ及び前記光センサトランジスタには、互いにに対して位相反転された信号が同時に印加されてもよい。
【0009】
例えば、前記位相反転器の入力端は、前記ゲートラインに連結され、出力端は、前記リセットラインに連結されてもよい。
【0010】
例えば、前記スイッチトランジスタと光センサトランジスタは、互いに直列に連結されてもよい。
【0011】
一実施形態で、前記光センサトランジスタは、酸化物半導体をチャンネル層の材料として使用する酸化物半導体トランジスタであってもよい。
【0012】
例えば、前記酸化物半導体トランジスタは、基板と、前記基板上に部分的に配置されたゲートと、少なくとも前記ゲートの周囲を覆うように、前記基板及びゲートの上に配置されたゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上で、前記ゲートと対向するように配置され、酸化物半導体材料からなるチャネル層と、前記チャネル層の両側にそれぞれ配置されたソース及びドレインと、前記ソース、ドレイン及びチャネル層を覆うように配置された透明絶縁層と、を含んでもよい。
【0013】
例えば、前記酸化物半導体の材料は、ZnO、InO、SnO、InZnO、ZnSnOまたはInSnOを含むか、あるいは前記ZnO、InO、SnO、InZnO、ZnSnOまたはInSnOに、Hf、Zr、Ti、Ta、Ga、Nb、V、Al及びSnのうちから少なくとも1つの材料が追加して混合された材料を含んでもよい。
【0014】
また、本発明の他の類型による光センシング装置は、多数の行及び列によって配列された多数の光センシング画素を有する光センシング画素アレイ;互いに対して位相反転されたゲート電圧とリセット信号とをそれぞれの光センシング画素に提供するためのゲートドライバ;及びそれぞれの光センシング画素から光センシング信号を受けてデータ信号を出力するための信号出力部;を含み、それぞれの光センシング画素は、光を感知するための光センサトランジスタと、前記光センサトランジスタから光センシング信号を出力するためのスイッチトランジスタと、を含み、ここで、前記ゲートドライバは、前記スイッチトランジスタのゲートに連結される多数のゲートラインと、前記光センサトランジスタのゲートに連結される多数のリセットラインと、互いに対応するリセットラインとゲートラインとの間にそれぞれ連結される多数の位相反転器と、を含んでもよい。
【0015】
例えば、前記位相反転器の入力端は、前記ゲートラインに連結され、出力端は、前記リセットラインに連結されてもよい。
【0016】
一実施形態によれば、前記スイッチトランジスタ及び前記光センサトランジスタには、互いに対して位相反転されたゲート電圧とリセット信号とがそれぞれ同時に印加されてもよい。
【0017】
また、一実施形態によれば、前記ゲートラインは、前記ゲートドライバに直接に連結され、前記リセットラインは、前記位相反転器とゲートラインとを介して間接的に前記ゲートドライバに連結されてもよい。
【0018】
一実施形態で、それぞれのゲートラインとリセットラインは、同じ行に沿って配列されている多数の光センシング画素に連結されてもよい。
【0019】
また、前記信号出力部は、列方向に沿って配列された多数のデータラインを含んでもよい。
【0020】
例えば、それぞれのデータラインは、同じ列に沿って配列されている多数の光センシング画素に連結され、1つの列に沿って配列された光センシング画素のスイッチトランジスタのソースには、当該列に対応するデータラインが連結されてもよい。
【0021】
また、本発明のさらに他の類型による光タッチスクリーン装置は、多数の行及び多数の列で配列された多数のディスプレイ画素と、多数の光センシング画素とを有する画素アレイと、行方向に沿って配列されており、それぞれのディスプレイ画素と光センシング画素とにゲート電圧を提供する多数のゲートラインと、行方向に沿って配列されており、それぞれの光センシング画素にリセット信号を提供する多数のリセットラインと、互いに対応するリセットラインとゲートラインとの間にそれぞれ連結される多数の位相反転器と、を含み、それぞれのディスプレイ画素は、ディスプレイセルと、前記ディスプレイセルのオン/オフを制御するための第1スイッチトランジスタと、を含み、それぞれの光センシング画素は、光を感知するための光センサトランジスタと、前記光センサトランジスタから光センシング信号を出力するための第2スイッチトランジスタと、を含み、ここで、前記第1スイッチトランジスタ及び第2スイッチトランジスタ、並びに前記光センサトランジスタには、互いに対して位相反転されたゲート電圧とリセット信号とがそれぞれ同時に印加されてもよい。
【0022】
前記光タッチスクリーン装置は、前記多数のゲートラインに順次にゲート電圧を提供するゲートドライバ;列方向に沿って配列された多数のデータラインを有し、それぞれの光センシング画素から光センシング信号を受けてデータ信号を出力する信号出力部;及び列方向に沿って配列された多数の映像データラインを有し、それぞれのディスプレイ画素に映像信号を提供するデータドライバ;をさらに含んでもよい。
【0023】
一実施形態で、前記ゲートラインは、前記ゲートドライバに直接に連結され、前記リセットラインは、前記位相反転器とゲートラインとを介して間接的に前記ゲートドライバに連結されてもよい。
【0024】
一実施形態によれば、それぞれのゲートラインは、同じ行に沿って配列されているディスプレイ画素と光センシング画素とに連結されており、1つの行に沿って配列されたディスプレイ画素の第1スイッチトランジスタのゲートと、光センシング画素の第2スイッチトランジスタのゲートとには、当該行に対応するゲートラインが連結されてもよい。
【0025】
また、それぞれのリセットラインは、同じ行に沿って配列されている光センシング画素に連結され、1つの行に沿って配列された光センシング画素の光センサトランジスタのゲートには、当該行に対応するリセットラインが連結されてもよい。
【0026】
また、本発明のさらに他の類型による光センシング装置の動作方法は、光を感知するための光センサトランジスタと、前記光センサトランジスタから光センシング信号を出力するためのスイッチトランジスタと、をそれぞれ含み、多数の行及び多数の列で配列された多数の光センシング画素のうちから、いずれか1つの行に配列された光センシング画素のスイッチトランジスタのゲートにしきい値電圧以上の正の第1ゲート電圧を印加すると同時に、それと同一行に配列された光センシング画素の光センサトランジスタのゲートに、前記第1ゲート電圧に対して位相反転された負の第2ゲート電圧を印加する段階を含んでもよい。
【0027】
また、前記光センシング装置の動作方法は、残りの行に配列された光センシング画素のスイッチトランジスタのゲートにしきい値電圧未満の負の第2ゲート電圧を印加すると同時に、残りの行に配列された光センシング画素の光センサトランジスタのゲートに、前記第2ゲート電圧に対して位相反転された正の第1ゲート電圧を印加する段階をさらに含んでもよい。
【0028】
例えば、前記第2ゲート電圧は、位相反転器によって、前記第1ゲート電圧に対して位相反転されてもよい。
【発明の効果】
【0029】
本実施形態によれば、スイッチトランジスタと、光センサトランジスタとをそれぞれ個別的に駆動させるための別個の駆動回路が要求されない。すなわち、ゲートラインに信号を提供する1つのゲートドライバだけでも、スイッチトランジスタと、光センサトランジスタとを共に制御することができる。特に、光センサトランジスタをリセットさせるにあたり、それぞれのリセットラインに大きい負荷がかかることもなく、別途の複雑な配線が追加される必要もない。従って、光センシング装置の構成が簡単になり、空間活用性の向上、工程コストの節減及び電力消費量を低減させることができ、光センシング装置を大面積化するにおいて有利である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】一実施形態による酸化物半導体トランジスタの例示的な構造を概略的に示す断面図である。
【図2】図1に図示された酸化物半導体トランジスタの動作特性を例示的に示すグラフである。
【図3】図1に図示された酸化物半導体トランジスタの動作特性を例示的に示すグラフである。
【図4】一実施形態による光センシング装置の1光センシング画素の例示的な構造を図示する回路図である。
【図5】図4に図示された光センシング画素の例示的な動作を示すタイミング図である。
【図6】図4に図示された光センシング画素を含む一実施形態による光センシング装置の全体的な構造を概略的に図示するブロック図である。
【図7】一実施形態による光タッチスクリーン装置の1画素の例示的な構造を図示する回路図である。
【図8】図7に図示された画素を含む一実施形態による光タッチスクリーン装置の全体的な構造を概略的に図示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、添付された図面を参照しつつ、酸化物半導体トランジスタを利用した光センシング装置及びその駆動方法、前記光センシング装置を含む光タッチスクリーン装置について詳細に説明する。以下の図面で、同じ参照符号は、同じ構成要素を指し、図面上で各構成要素の大きさは、説明の明瞭さ及び便宜さのために誇張されていることがある。
【0032】
酸化物半導体トランジスタは、チャネルの材料として酸化物半導体を使用するトランジスタを意味する。このような酸化物半導体トランジスタは、チャネル層として使われる酸化物半導体の材料によって、光に敏感な特性を有することが可能である。光に敏感な特性を有する酸化物半導体の材料をチャネル層として使用する場合、酸化物半導体トランジスタは、入射光の波長や光量によって、しきい値電圧及びドレイン電流が変わる特性があるために、光センシング素子として活用される。
【0033】
図1は、一実施形態による酸化物半導体トランジスタの例示的な構造を概略的に示す断面図である。図1を参照すれば、酸化物半導体トランジスタ10は、基板11、前記基板11上に全体的に配置された絶縁層12、前記絶縁層12上に部分的に配置されたゲート13、少なくともゲート13の周囲を覆うように、絶縁層12とゲート13との上に配置されたゲート絶縁膜14、前記ゲート絶縁膜14上で、ゲート13と対向するように配置されたチャネル層15、前記チャネル層15の両側を覆うように配置されたソース16及びドレイン17、並びに前記ソース16、ドレイン17及びチャネル層15を全体的に覆うように配置された透明絶縁層18を含んでもよい。図1には、ゲート13がチャネル層15の下方に配置された下部ゲート(bottom gate)構造の酸化物半導体トランジスタ10が図示されたが、酸化物半導体トランジスタ10は、上部ゲート(top gate)構造によって構成されることも可能である。
【0034】
ここで、基板11は、ガラス、シリコンのような一般的な基板材料を使用することができる。絶縁層12、ゲート絶縁膜14、透明絶縁層18は、例えば、SiOのような材料を使用することができる。もし基板11自体が絶縁性材料からなるならば、前記基板11上の絶縁層12は、省略されてもよい。また、ゲート13、ソース16及びドレイン17は、伝導性金属または伝導性金属酸化物を使用することができる。例えば、酸化物半導体トランジスタ10が透明なものが要求される場合、前記ゲート13、ソース16及びドレイン17は、酸化インジウムスズ(ITO)のような透明伝導性材料からなってもよい。しかし、酸化物半導体トランジスタ10が透明なものが要求されない場合には、基板11、絶縁層12、ゲート13、ゲート絶縁膜14、ソース16及びドレイン17の材料は、必ずしも透明である必要はない。
【0035】
一方、チャネル層15は、前述のように、酸化物半導体の材料からなってもよい。チャネル層15として使われる酸化物半導体の材料の選択によって、酸化物半導体トランジスタ10は、光に敏感な特性を有することができる。例えば、このような酸化物半導体チャネルの材料として、ZnO、InO、SnO、InZnO、ZnSnO、InSnOのような酸化物半導体の材料を使用したり、または前述の酸化物半導体の材料に、Hf、Zr、Ti、Ta、Ga、Nb、V、Al、Snなどの材料が一つ以上追加して混合された材料を使用することができる。このような材料をチャネル層15として使用する場合、図1に図示された酸化物半導体トランジスタ10は、入射光の波長や光量によって、しきい値電圧及びドレイン電流が変わる特性があるために、光センシング素子として活用可能である。また、チャネル層15として使用する酸化物半導体の種類によって、酸化物半導体トランジスタ10が感知することができる光の波長帯域が変化することもある。図1で、チャネル層15は、単一の1層の酸化物半導体層からなってもよいが、多層構造からなりもする。
【0036】
図2及び図3は、図1に図示された酸化物半導体トランジスタ10の動作特性を例示的に示すグラフである。まず、図2は、酸化物半導体トランジスタ10のゲート電圧(Vgs)に対するドレイン電流(Ids)の特性を示している。図2を参照すれば、酸化物半導体トランジスタ10に光が入射するとき、酸化物半導体トランジスタ10のオフ(OFF)時、ドレイン電流が増加するということが分かる。例えば、酸化物半導体トランジスタ10に、しきい値電圧より大きいゲート電圧を印加する場合には、図2に図示されたグラフの右側でのように、光が入射するとき(明)のドレイン電流と、光が入射しないとき(暗)のドレイン電流は、ほぼ同一である。しかし、酸化物半導体トランジスタ10に、しきい値電圧より低いゲート電圧が印加される場合には、グラフの左側でのように、光が入射しないとき(暗)のドレイン電流より、光が入射するとき(明)のドレイン電流が大きく増加する。
【0037】
従って、酸化物半導体トランジスタ10に、しきい値電圧より低いゲート電圧を印加した状態で、ドレイン電流の測定を介して、光の入射いかんを判断することができる。特に、酸化物半導体トランジスタ10の場合、光が入射したときのドレイン電流と、光が入射していないときのドレイン電流との電流比(ION/IOFF)が相当に大きい。このような特性を有する酸化物半導体トランジスタ10を光センシング素子として活用する場合、さまざまなメリットを有することができる。例えば、酸化物半導体トランジスタ10は、大きい電流比を有するために、光センシング素子として酸化物半導体トランジスタ10を使用すれば、キャパシタのない非常に簡単な光センシング装置を具現することができる。
【0038】
また、図3は、酸化物半導体トランジスタ10に光が入射した後、経時的なドレイン電流の変化を示すグラフであり、図3を参照すれば、約40秒ほどで酸化物半導体トランジスタ10に光が入射しつつ、ドレイン電流が増加する。しかし、約55秒ほど光の入射が中断しているにもかかわらず、ドレイン電流はほとんど低減せず、光の入射時と類似した状態を維持している。このような現象は、酸化物半導体トランジスタ10のチャネル層15内部、またはその界面に、電荷がトラップされて発生すると理解することができる。例えば、光と共に負のゲート電圧が酸化物半導体トランジスタ10に印加されれば、チャネル層15の内部で、光によって生成された正孔が、ゲート絶縁膜14とチャネル層15との界面に移動してトラップされる。このようにトラップされた電荷は、十分に大きい正(+)の電圧がゲートに印加されるまで除去されない。従って、いったん電荷がトラップされた後には、光の入射が中断された後にも、ドレイン電流が低くならない。このような現象は、十分に大きい正のゲート電圧を酸化物半導体トランジスタ10に印加し、トラップされた電荷を除去すれば消える。
【0039】
図4は、前述の酸化物半導体トランジスタ10を利用する一実施形態による光センシング装置の1光センシング画素の例示的な構造を図示する回路図である。
【0040】
図4を参照すれば、光センシング画素110は、互いに直列に連結された1つの光センサトランジスタ112と、1つのスイッチトランジスタ111とを含んでもよい。すなわち、光センサトランジスタ112のソースは、スイッチトランジスタ111のドレインと互いに連結されている。光センサトランジスタ112は、光を感知するための光センシング素子であり、例えば、前述の酸化物半導体トランジスタ10であってもよい。光センシング信号を出力するためのスイッチトランジスタ111は、感光性のない一般的な薄膜トランジスタであってもよい。また、図4に図示されているように、前記光センシング画素110は、スイッチトランジスタ111のゲートに連結されるゲートラインGate、スイッチトランジスタ111のソースに連結されるデータラインData、光センサトランジスタ112のドレインに連結される駆動電圧ラインVdd、光センサトランジスタ112のゲートに連結されるリセットラインReset、及びリセットラインResetとゲートラインGateとの間に連結される位相反転器113をさらに含んでもよい。例えば、位相反転器113の入力端は、ゲートラインGateに連結され、出力端は、リセットラインResetに連結されており、ゲートラインGateに印加されるゲート電圧は、位相反転されてリセットラインResetに提供される。例えば、位相反転器113は、インバータ(inverter)であってもよい。
【0041】
このような構造の光センシング画素110から光センシング信号を読み取るために、ゲートラインGateを介して、スイッチトランジスタ111にしきい値電圧以上のゲート電圧を印加することができる。それにより、スイッチトランジスタ111がON状態になる。このとき、ゲートラインGateを介して印加されたしきい値電圧以上のゲート電圧は、位相反転器113によって位相が反転されたまま、リセットラインResetに提供される。すなわち、ゲートラインGateに、しきい値電圧以上の正(+)のゲート電圧が印加される間、リセットラインResetには、しきい値電圧未満の負(−)のゲート電圧が印加される。従って、この間には、光センサトランジスタ112がOFF状態にある。それにより、光センサトランジスタ112のソースから、データラインDataに電流が流れる。このとき、光センサトランジスタ112から、データラインDataに流れる電流の量は、光センサトランジスタ112に入射する光の強度によって変化する。従って、データラインDataを介して流れる電流の量を測定すれば、光センサトランジスタ112に入射する光の強度を計算することができる。
【0042】
一方、スイッチトランジスタ111に、しきい値電圧以上のゲート電圧が印加されない間には、スイッチトランジスタ111がOFF状態になるので、データラインDataに電流が流れない。例えば、ゲートラインGateには、しきい値電圧未満の負(−)のゲート電圧が印加されてもよい。従って、スイッチトランジスタ111のON/OFF制御を介して、光センシング画素110から光センシング信号を出力することができ、光センシング信号の大きさから、光センサトランジスタ112に光が入射するか否かということ及び光の強度が分かる。
【0043】
一方、ゲートラインGateに、しきい値電圧未満の負(−)のゲート電圧が印加される間、リセットラインResetには、位相反転器113によって位相が反転された正(+)のゲート電圧が印加される。このような正のゲート電圧は、光センサトランジスタ112をリセットさせて初期化するリセット信号の役割を行うことができる。前述のように、酸化物半導体トランジスタの光センサトランジスタ112に光が入射すれば、ゲート絶縁膜とチャネル層との界面に電荷がトラップされる。これによって、その後光が入射せずとも、トラップされた電荷を除去するまでは、光センサトランジスタ112のドレイン電流が低くならない。従って、光センシング画素110で一度光を測定した後、次の測定のためには、正のリセット信号を光センサトランジスタ112に印加し、トラップされた電荷を除去するリセット過程を遂行する。
【0044】
本実施形態によれば、リセットラインResetが、位相反転器113を介してゲートラインGateに連結されているために、リセットラインReset及びゲートラインGateには、互いに反転された信号が印加される。従って、図5のタイミング図に図示されているように、スイッチトランジスタ111がOFFになっている間には、光センサトランジスタ112に、正のゲート電圧が印加され、次の測定のために、光センサトランジスタ112がリセットされる。一方、スイッチトランジスタ111がONになっている間には、光センサトランジスタ112が、それと同時にOFF状態になり、光の入射いかんによって、光センサトランジスタ112のドレイン電流が変化する。
【0045】
図6は、図4に図示された光センシング画素110を含む一実施形態による光センシング装置の全体的な構造を概略的に図示するブロック図である。図6を参照すれば、光センシング装置100は、入射光を感知する多数の光センシング画素110を有する光センシング画素アレイ、それぞれの光センシング画素110に、ゲート電圧及びリセット信号を順次に提供するためのゲートドライバ120、及びそれぞれの光センシング画素110から光センシング信号を受け、データ信号を出力するための信号出力部130を含んでもよい。図6に図示されているように、光センシング画素アレイ内の多数の光センシング画素110は、多数の行(row)と列(column)とから配列される。例えば、光センシング画素110は、n行とm列とを有するアレイの形態で配列される。
【0046】
ゲートドライバ120は、それぞれの光センシング画素110を個別に活性化させ、それぞれの光センシング画素110から光センシング信号が出力されるように制御する役割を行う。そのために、ゲートドライバ120は、行方向に沿って配列された多数のゲートラインGate1,Gate2,…,Gate nを含んでもよい。それぞれのゲートラインは、同じ行に配列されているあらゆる光センシング画素110内のスイッチトランジスタ111のゲートに連結されてもよい。例えば、第1ゲートラインGate1は、最初の行に配列されているあらゆる光センシング画素110内のスイッチトランジスタ111のゲートに連結され、第nゲートラインGate nは、n行目に配列されているあらゆる光センシング画素110内のスイッチトランジスタ111のゲートに連結されてもよい。
【0047】
また、ゲートドライバ120は、位相反転器113を介して、それぞれの対応するゲートラインGate1,Gate2,…,Gate nに連結される、行方向に沿って配列された多数のリセットラインReset1,Reset2,…,Reset nをさらに含んでもよい。例えば、第1リセットラインReset1は、位相反転器113を介して、第1ゲートラインGate1に連結されており、第nリセットラインReset nは、位相反転器113を介して、第nゲートラインGate nに連結されている。すなわち、図6に図示されているように、ゲートラインGate1,Gate2,…,Gate nだけゲートドライバ120に直接に連結されており、リセットラインReset1,Reset2,…,Reset nは、位相反転器113と、ゲートラインGate1,Gate2,…,Gate nとを介して、間接的にゲートドライバ120に連結されている。従って、ゲートドライバ120は、互いに対して位相反転されたゲート電圧とリセット信号とをゲートラインGate1,Gate2,…,Gate nと、リセットラインReset1,Reset2,…,Reset nとにそれぞれ提供可能である。
【0048】
それぞれのリセットラインは、光センシング画素110内の光センサトランジスタ112をリセットさせるためのリセット信号を、それぞれの光センシング画素110に提供することができる。このために、それぞれのリセットラインは、同じ行に配列されているあらゆる光センシング画素110内の光センサトランジスタ112のゲートに連結されてもよい。例えば、第1リセットラインReset1は、最初の行に配列されているあらゆる光センシング画素110内の光センサトランジスタ112のゲートに連結されており、第nゲートラインGate nは、n行目に配列されているあらゆる光センシング画素110内の光センサトランジスタ112のゲートに連結されてもよい。
【0049】
信号出力部130は、それぞれの光センシング画素110から発生する光センシング信号を受け、データ信号を出力する役割を行う。このために、信号出力部130は、列方向に沿って配列された多数のデータラインData1,Data2,…を含んでもよい。それぞれのデータラインData1,Data2,…は、同じ列に配列されているあらゆる光センシング画素110内のスイッチトランジスタ111のソースに連結されてもよい。例えば、第1データラインData1は、最初の列に配列されているあらゆる光センシング画素110内のスイッチトランジスタ111のソースに連結され、第2データラインData2は、2列目に配列されているあらゆる光センシング画素110内のスイッチトランジスタ111のソースに連結されてもよい。このような構造で、信号出力部130は、同じ行に配列されている多数の光センシング画素110で発生したあらゆる光センシング信号を、多数のデータラインData1,Data2,…を介して同時に受信することができる。例えば、第1ゲートラインGate1にゲート電圧を印加される場合、最初の行に配列されている光センシング画素110で発生したあらゆる光センシング信号が、同時に信号出力部130に入力されてもよい。信号出力部130は、それら光センシング信号をデジタルデータ信号に変換した後、1列ずつ順次に出力するように構成されてもよい。
【0050】
以下、前述の光センシング装置100の動作について説明する。図6の右側には、光センシング装置100の動作を例示的に示すタイミング図が図示されている。図6のタイミング図を参照すれば、ゲートドライバ120は、まず第1ゲートラインGate1にスイッチトランジスタ111のしきい値電圧以上の正のゲート電圧を印加し、最初の行の光センシング画素110から光センシング信号を出力する。一方、残りのゲートラインGate2〜Gate nには、スイッチトランジスタ111のしきい値電圧未満の負のゲート電圧が印加される。従って、残りの行の光センシング画素110からは、光センシング信号が出力されない。このとき、第1リセットラインReset1には、位相反転器113を介して、反転された負のゲート電圧が印加される。従って、最初の行に配列された光センシング画素110内の光センサトランジスタ112は、OFF状態になり、光の入射いかんによって、ドレイン電流が変化する。一方、残りの行に配列された光センシング画素110内の光センサトランジスタ112には、正のゲート電圧が印加され、光センサトランジスタ112がリセットされる。
【0051】
その後、ゲートドライバ120は、第2ゲートラインGate2に、スイッチトランジスタ111のしきい値電圧以上の正のゲート電圧を印加し、2行目の光センシング画素110から、光センシング信号を出力する。残りのゲートラインには、スイッチトランジスタ111のしきい値電圧未満の負のゲート電圧が印加される。これと同時に、位相反転器113を介して、第2ゲートラインGate2と連結された第2リセットラインReset2には、負のゲート電圧が印加される。従って、2行目の光センシング画素110内の光センサトランジスタ112は、OFF状態になり、光の入射いかんによって、ドレイン電流が変化する。残りの行に配列された光センシング画素110内の光センサトランジスタ112には、正のゲート電圧が印加され、光センサトランジスタ112がリセットされる。このような方式で、最初の行からn行目まで順次に光センシング画素110から光センシング信号を出力することができる。それにより、1フレームの光センシング動作が完了する。このようにして、1フレームの光センシング動作が完了すれば、続いて、以上と同一の順序で、次のフレームの光センシング動作が反復される。
【0052】
このような本実施形態によれば、スイッチトランジスタ111と、光センサトランジスタ112とをそれぞれ個別的に駆動させるための別個の駆動回路が要求されない。すなわち、ゲートラインGate1,Gate2,…,Gate nに信号を提供する1つのゲートドライバ120だけでも、スイッチトランジスタ111と、光センサトランジスタ112とを共に制御することができる。特に、光センサトランジスタ112をリセットさせるにあたり、それぞれのリセットラインReset1,Reset2,…,Reset nに大きい負荷がかかることもなく、別途の複雑な配線が追加される必要もない。従って、光センシング装置100の構成が簡単になり、空間活用性の向上、工程コストの節減及び電力消費量の低減のような効果を得ることができる。これは、光センシング装置100を大面積化するにおいて有利に作用しうる。
【0053】
このような空間の節約によって、ディスプレイ画素と光センシング画素とが一つに統合されているインセル(in-cell)方式の光タッチスクリーン装置の具現も、容易になる。図7は、インセル方式の光タッチスクリーン装置の1画素210の例示的な構造を図示する回路図である。
【0054】
図7を参照すれば、インセル方式の光タッチスクリーン装置の1つの画素210は、ディスプレイ画素210dと光センシング画素210sとを含む。ディスプレイ画素210dは、ディスプレイセル(例えば、LCD(liquid crystal display)の場合、液晶セル)212、及び前記ディスプレイセル212のオン/オフを制御するための第1スイッチトランジスタ211を含んでもよい。光センシング画素210sは、入射光を感知するための光センサトランジスタ214と、前記光センサトランジスタ214から光センシング信号を出力するための第2スイッチトランジスタ213と、を含んでもよい。第1スイッチトランジスタ211及び第2スイッチトランジスタ213のゲートは、1本のゲートラインGateに連結されている。第1スイッチトランジスタ211のドレインは、映像データラインSource−Dataに連結されており、ソースは、ディスプレイセル212に連結されてもよい。第2スイッチトランジスタ213のソースは、光センシングデータラインSensor−Dataに連結されており、ドレインは、光センサトランジスタ214のソースと連結される。そして、光センサトランジスタ214のドレインは、駆動電圧ラインVddに連結されており、ゲートは、リセットラインResetに連結されている。また、リセットラインResetは、位相反転器215を介して、ゲートラインGateに連結されている。
【0055】
このような構造で、ゲートラインGateに正のゲート電圧が印加されれば、第1スイッチトランジスタ211及び第2スイッチトランジスタ213は、ON状態になり、光センサトランジスタ214は、OFF状態になる。それにより、映像データラインSource−Dataに提供される映像信号によって、ディスプレイセル212が映像を表示し、画素210に入射する光の強度によって、光センシングデータラインSensor−Dataから光センシング信号が出力される。一方、ゲートラインGateに、負のゲート電圧が印加されれば、第1スイッチトランジスタ211及び第2スイッチトランジスタ213は、OFF状態になり、光センサトランジスタ214は、ON状態になる。このとき、映像の表示及び光センシング信号の出力は中断され、光センサトランジスタ214がリセットされる。
【0056】
図8は、図7に図示された画素210を含むインセル方式の光タッチスクリーン装置200の全体的な回路構造を図示するブロック図である。図8を参照すれば、光タッチスクリーン装置200は、映像をディスプレイする多数のディスプレイ画素210dと、入射光を感知する多数の光センシング画素210sとを有する多数の画素210のアレイ、それぞれのディスプレイ画素210dと、光センシング画素210sとにゲート電圧を提供するためのゲートドライバ220、それぞれのディスプレイ画素210dに映像信号を提供するためのデータドライバ240、及びそれぞれの光センシング画素210sから光センシング信号を受け、データ信号を出力するための信号出力部230を含んでもよい。
【0057】
図8に図示されているように、多数のディスプレイ画素210dと、多数の光センシング画素210sは、行及び列をなしてアレイ状に配列される。図8には、それぞれのディスプレイ画素210dごとに、光センシング画素210sが一つずつ配置されると図示されているが、多数のディスプレイ画素210dに対して、1つの光センシング画素210sが配置されることも可能である。一般的に、1つの画素は、約200〜300μmの幅と長さとを有する一方、入射光は、これよりはるかに大きい約2mmほどのビーム径を有する。従って、光センシング画素210sが、画素アレイ250内で部分的に配置されても、入射光の入射位置を特定することが可能である。例えば、2個のディスプレイ画素210dごとに、1つの光センシング画素210sが配置されることも可能である。一方、それぞれのディスプレイ画素210dは、カラーの表現のために、赤色(R)、緑色(G)、及び青色(B)のサブ画素をさらに含んでもよい。
【0058】
ゲートドライバ220は、行方向に沿って配列された多数のゲートラインGate、行方向に沿って配列された多数のリセットラインReset、及びそれぞれのリセットラインとゲートラインとの間にそれぞれ連結される位相反転器215を含んでもよい。それぞれのゲートラインGateは、同じ行に沿って配列されているあらゆるディスプレイ画素210d内の第1スイッチトランジスタ211のゲートと、光センシング画素210s内の第2スイッチトランジスタ213のゲートとに連結されてもよい。ディスプレイ画素210dが、3個のサブ画素R,G,Bを含む場合、1つのディスプレイ画素210dには、3個の第1スイッチトランジスタ211が存在する。図8に図示されているように、ゲートラインGateは、3個のサブ画素R,G,B内の第1スイッチトランジスタ211のゲートにいずれも連結されもする。また、リセットラインResetは、同じ行に配列されているあらゆる光センシング画素210s内の光センサトランジスタ214のゲートに連結されてもよい。前述のように、リセットラインResetは、位相反転器215を介して、ゲートラインGateに連結されているために、同じ行の対応するリセットラインReset及びゲートラインGateには、互いに相反する位相反転された信号が同時に印加される。
【0059】
また、信号出力部230は、列方向に沿って配列された多数の光センシングデータラインSensor−Dataを含んでもよい。それぞれの光センシングデータラインは、同じ列に配列されているあらゆる光センシング画素210sに連結されてもよい。さらに具体的には、それぞれの光センシングデータラインSensor−Dataは、同じ列に配列されているあらゆる第2スイッチトランジスタ213のソースに連結されてもよい。信号出力部230は、それぞれの光センシング画素210s内の光センサトランジスタ214から発生する光センシング信号を、それぞれの光センシングデータラインを介して受信して処理した後、デジタル化されたデータ信号を出力することができる。
【0060】
また、データドライバ240は、列方向に沿って配列された多数の映像データラインSource−Dataを含んでもよい。それぞれの映像データラインSource−Dataは、同じ列に配列されているあらゆるディスプレイ画素210dに連結される。データドライバ240は、映像データラインSource−Dataを介して、それぞれのディスプレイ画素210dにディスプレイされる映像信号を提供する。もしディスプレイ画素210dが、3個のサブ画素R,G,Bを含むならば、データドライバ240は、それぞれのサブ画素R,G,Bごとに、個別的に連結される別途の映像データラインSource−Dataを含んでもよい。
【0061】
以上、本発明の理解の一助とするために、光センシング装置及びその駆動方法、前記光センシング装置を含む光タッチスクリーン装置に係わる例示的な実施形態について説明し、かつ添付された図面に図示した。しかし、このような実施形態は、単に本発明を例示するためのものであり、それらを制限するものではないという点を理解せねばならない。そして、本発明は、図示されて説明された説明に限定されるものではないという点を理解せねばならない。それは、多様な他の変形が本技術分野で当業者において可能であるからである。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明の光センシング装置及びその駆動方法、光センシング装置を含む光タッチスクリーン装置は、例えば、ディスプレイ関連の技術分野に効果的に適用可能である。
【符号の説明】
【0063】
10 酸化物半導体トランジスタ
11 基板
12 絶縁層
13 ゲート
14 ゲート絶縁膜
15 チャネル層
16 ソース
17 ドレイン
18 透明絶縁層
100,210s 光センシング装置
110 光センシング画素
111 スイッチトランジスタ
112,214 光センサトランジスタ
113,215 位相反転器
120,220 ゲートドライバ
130,230 信号出力部
200 光タッチスクリーン装置
210 画素
210d ディスプレイ画素
211 第1スイッチトランジスタ
212 ディスプレイセル
213 第2スイッチトランジスタ
240 データドライバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を感知するための光センサトランジスタと、
前記光センサトランジスタから光センシング信号を出力するためのスイッチトランジスタと、
前記スイッチトランジスタのゲートに連結されるゲートラインと、
前記光センサトランジスタのゲートに連結されるリセットラインと、
前記リセットラインと前記ゲートラインとの間に連結される位相反転器と、を含み、
前記スイッチトランジスタ及び前記光センサトランジスタには、互いに対して位相反転された信号が同時に印加される光センシング装置。
【請求項2】
前記位相反転器の入力端は、前記ゲートラインに連結され、出力端は、前記リセットラインに連結されていることを特徴とする請求項1に記載の光センシング装置。
【請求項3】
前記スイッチトランジスタと光センサトランジスタは、互いに直列に連結されていることを特徴とする請求項1に記載の光センシング装置。
【請求項4】
前記光センサトランジスタは、酸化物半導体をチャネル層の材料として使用する酸化物半導体トランジスタであることを特徴とする請求項1に記載の光センシング装置。
【請求項5】
前記酸化物半導体トランジスタは、
基板と、
前記基板上に部分的に配置されたゲートと、
少なくとも前記ゲートの周囲を覆うように、前記基板及びゲートの上に配置されたゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜上で、前記ゲートと対向するように配置され、酸化物半導体の材料からなるチャネル層と、
前記チャネル層の両側にそれぞれ配置されたソース及びドレインと、
前記ソース、ドレイン及びチャネル層を覆うように配置された透明絶縁層と、を含むことを特徴とする請求項4に記載の光センシング装置。
【請求項6】
前記酸化物半導体の材料は、ZnO、InO、SnO、InZnO、ZnSnOまたはInSnOを含むか、あるいは前記ZnO、InO、SnO、InZnO、ZnSnOまたはInSnOに、Hf、Zr、Ti、Ta、Ga、Nb、V、Al及びSnのうちから少なくとも1つの材料が追加して混合された材料を含むことを特徴とする請求項5に記載の光センシング装置。
【請求項7】
多数の行及び列によって配列された多数の光センシング画素を有する光センシング画素アレイと、
互いに対して位相反転されたゲート電圧とリセット信号とをそれぞれの光センシング画素に提供するためのゲートドライバと、
それぞれの光センシング画素から光センシング信号を受けてデータ信号を出力するための信号出力部と、を含み、
それぞれの光センシング画素は、光を感知するための光センサトランジスタと、前記光センサトランジスタから光センシング信号を出力するためのスイッチトランジスタと、を含み、
前記ゲートドライバは、
前記スイッチトランジスタのゲートに連結される多数のゲートラインと、
前記光センサトランジスタのゲートに連結される多数のリセットラインと、
互いに対応するリセットラインとゲートラインとの間にそれぞれ連結される多数の位相反転器と、を含む光センシング装置。
【請求項8】
前記位相反転器の入力端は、前記ゲートラインに連結され、出力端は、前記リセットラインに連結されていることを特徴とする請求項7に記載の光センシング装置。
【請求項9】
前記スイッチトランジスタ及び前記光センサトランジスタには、互いに対して位相反転されたゲート電圧とリセット信号とが、それぞれ同時に印加されることを特徴とする請求項8に記載の光センシング装置。
【請求項10】
前記ゲートラインは、前記ゲートドライバに直接に連結されており、前記リセットラインは、前記位相反転器とゲートラインとを介して間接的に前記ゲートドライバに連結されていることを特徴とする請求項8に記載の光センシング装置。
【請求項11】
前記スイッチトランジスタと光センサトランジスタは、互いに直列に連結されていることを特徴とする請求項7に記載の光センシング装置。
【請求項12】
それぞれのゲートラインとリセットラインは、同じ行に沿って配列されている多数の光センシング画素に連結されていることを特徴とする請求項7に記載の光センシング装置。
【請求項13】
前記信号出力部は、列方向に沿って配列された多数のデータラインを含むことを特徴とする請求項7に記載の光センシング装置。
【請求項14】
それぞれのデータラインは、同じ列に沿って配列されている多数の光センシング画素に連結されており、1つの列に沿って配列された光センシング画素のスイッチトランジスタのソースには、当該列に対応するデータラインが連結されていることを特徴とする請求項13に記載の光センシング装置。
【請求項15】
前記光センサトランジスタは、酸化物半導体をチャネル層の材料として使用する酸化物半導体トランジスタであることを特徴とする請求項7に記載の光センシング装置。
【請求項16】
多数の行及び多数の列で配列された多数のディスプレイ画素と、多数の光センシング画素とを有する画素アレイと、
行方向に沿って配列されており、それぞれのディスプレイ画素と光センシング画素とにゲート電圧を提供する多数のゲートラインと、
行方向に沿って配列されており、それぞれの光センシング画素にリセット信号を提供する多数のリセットラインと、
互いに対応するリセットラインとゲートラインとの間にそれぞれ連結される多数の位相反転器と、を含み、
それぞれのディスプレイ画素は、ディスプレイセルと、前記ディスプレイセルのオン/オフを制御するための第1スイッチトランジスタと、を含み、それぞれの光センシング画素は、光を感知するための光センサトランジスタと、前記光センサトランジスタから光センシング信号を出力するための第2スイッチトランジスタと、を含み、
前記第1スイッチトランジスタ及び第2スイッチトランジスタ、並びに前記光センサトランジスタには、互いに対して位相反転されたゲート電圧とリセット信号とがそれぞれ同時に印加される光タッチスクリーン装置。
【請求項17】
前記位相反転器の入力端は、前記ゲートラインに連結され、出力端は、前記リセットラインに連結されていることを特徴とする請求項16に記載の光タッチスクリーン装置。
【請求項18】
前記光センサトランジスタは、酸化物半導体をチャネル層の材料として使用する酸化物半導体トランジスタであることを特徴とする請求項16に記載の光タッチスクリーン装置。
【請求項19】
前記多数のゲートラインに順次にゲート電圧を提供するゲートドライバと、
列方向に沿って配列された多数のデータラインを有し、それぞれの光センシング画素から光センシング信号を受けてデータ信号を出力する信号出力部と、
列方向に沿って配列された多数の映像データラインを有し、それぞれのディスプレイ画素に映像信号を提供するデータドライバと、をさらに含むことを特徴とする請求項16に記載の光タッチスクリーン装置。
【請求項20】
前記ゲートラインは、前記ゲートドライバに直接に連結されており、前記リセットラインは、前記位相反転器とゲートラインとを介して間接的に前記ゲートドライバに連結されていることを特徴とする請求項19に記載の光タッチスクリーン装置。
【請求項21】
それぞれのゲートラインは、同じ行に沿って配列されているディスプレイ画素と、光センシング画素とに連結されており、1つの行に沿って配列されたディスプレイ画素の第1スイッチトランジスタのゲートと、光センシング画素の第2スイッチトランジスタのゲートとには、当該行に対応するゲートラインが連結されていることを特徴とする請求項16に記載の光タッチスクリーン装置。
【請求項22】
それぞれのリセットラインは、同じ行に沿って配列されている光センシング画素に連結されており、1つの行に沿って配列された光センシング画素の光センサトランジスタのゲートには、当該行に対応するリセットラインが連結されていることを特徴とする請求項21に記載の光タッチスクリーン装置。
【請求項23】
前記第2スイッチトランジスタと光センサトランジスタは、互いに直列に連結されていることを特徴とする請求項16に記載の光タッチスクリーン装置。
【請求項24】
光を感知するための光センサトランジスタと、前記光センサトランジスタから光センシング信号を出力するためのスイッチトランジスタと、をそれぞれ含み、多数の行及び多数の列で配列された多数の光センシング画素のうちから、いずれか1つの行に配列された光センシング画素のスイッチトランジスタのゲートに、しきい値電圧以上の正の第1ゲート電圧を印加すると同時に、それと同一行に配列された光センシング画素の光センサトランジスタのゲートに、前記第1ゲート電圧に対して位相反転された負の第2ゲート電圧を印加する段階を含む光センシング装置の動作方法。
【請求項25】
残りの行に配列された光センシング画素のスイッチトランジスタのゲートに、しきい値電圧未満の負の第2ゲート電圧を印加すると同時に、残りの行に配列された光センシング画素の光センサトランジスタのゲートに、前記第2ゲート電圧に対して位相反転された正の第1ゲート電圧を印加する段階をさらに含むことを特徴とする請求項24に記載の光センシング装置の動作方法。
【請求項26】
前記第2ゲート電圧は、位相反転器によって、前記第1ゲート電圧に対して位相反転されることを特徴とする請求項24に記載の光センシング装置の動作方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−61931(P2013−61931A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−170916(P2012−170916)
【出願日】平成24年8月1日(2012.8.1)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung−ro,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】