説明

光ディスク装置、光ディスク記録再生方法、光ディスク記録再生プログラムおよび光ディスク記録再生プログラムを格納した記録媒体

【課題】光ディスク再生または記録中の光ピックアップの温度上昇を抑え、さらに再生または記録が中断しないようにする。
【解決手段】光ディスク記録再生装置1で光ディスク14からハードディスク10にリッピングする際に、光ピックアップ3の温度が動作上限温度より低い温度の閾値T1以上となった場合には、リッピングしている現在位置を記憶した後にリッピングしている地点よりも低温を維持できる光ディスク14の外周の所定位置以降のリッピングを行い、光ピックアップ3の温度が閾値T1よりも低い温度の閾値T2以下となった場合には、前記記憶した位置に戻りリッピングを再開する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスクを再生または光ディスクに記録する光ディスク装置、光ディスク記録再生方法、光ディスク記録再生プログラムおよび光ディスク記録再生プログラムを格納した記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
光ディスクに記録された情報を再生したり光ディスクに情報を記録したりする記録再生装置は、スピンドルモータなどで回転駆動された光ディスクから、レーザダイオードや対物レンズなどを備えた光ピックアップをキャリッジモータなどで光ディスクの径方向に移動させて情報を読み取ったり書き込んだりしている。
【0003】
光ディスクをCLV(線速度一定)制御方式で回転駆動した場合は、一般的に該光ディスクの内周の方がスピンドルモータやキャリッジモータなどの発熱源が近いことやスピンドルモータの回転数を高くするために発熱が多くなることなどにより外周よりも光ピックアップの温度が高くなり易い。
【0004】
従来、光ピックアップの温度が高くなるとレーザダイオードの発光特性などが劣化するために所定の温度になるとレーザダイオードを消灯して再生や記録を停止することが行われていた。例えば特許文献1には、光ピックアップの温度が高温側閾値に達すると再生または記録を停止し、光ピックアップを光ディスクの最外周に移動させて、光ピックアップが低温側閾値に達すると再生または記録を再開する光ピックアップの冷却方法が記載されている。
【特許文献1】特開2006−107636号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の光ディスク装置では、光ピックアップの温度が高温側閾値に達すると再生または記録を停止してしまうので、光ピックアップの温度が低温閾値に達するまでは再生または記録を行うことができなかった。
【0006】
また、近年では、光ディスクを再生速度よりも高速回転させ光ディスクに記録された情報を読み出し圧縮などを行って高速にハードディスクなどに記録するリッピングと呼ばれる動作を行うことも多くなっており、リッピング動作中は光ディスクを高速回転させるために光ピックアップの温度が上昇し易くなる。特許文献1の方法ではリッピング動作時に光ディスクからの情報の読み取りが中断するためにリッピング動作に時間がかかってしまうという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、例えば光ディスク再生または記録中の光ピックアップの温度上昇が抑えられ、さらに再生または記録が中断しない光ディスク装置、光ディスク記録再生方法、光ディスク記録再生プログラムおよび光ディスク記録再生プログラムを格納した記録媒体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の光ディスク装置は、情報が記録された光ディスクを回転駆動する駆動手段と、前記光ディスクから情報を読み出しまたは書き込みを行う光ピックアップと、前記光ピックアップが読み出した情報を再生する情報再生手段または入力された情報を前記光ディスクに記録する方式に変換する情報記録手段と、を備え、前記光ディスクから情報を連続的に読み出しまたは書き込みを行う際に、当該読み出しまたは書き込みを行う位置に応じて前記光ピックアップの温度が異なる光ディスク装置において、前記光ピックアップの温度を測定する温度測定手段と、前記光ピックアップが前記光ディスクから情報を読み出しまたは書き込みを行っているときに、前記温度測定手段が測定した温度が、前記光ピックアップが動作可能な上限値よりも低く予め定められた第1の閾値以上になった際には、前記上限値以下で前記読み出しまたは書き込みが可能な前記光ディスクの所定位置であって、当該所定位置以降に連続的な読み出しまたは書き込みを行う際に前記光ピックアップの温度が前記上限値以下を維持する所定位置に前記光ピックアップを移動させて前記光ディスクから情報を読み出しまたは書き込みを行わせるように制御する制御手段と、を特徴としている。
【0009】
請求項10に記載の光ディスク記録再生方法は、情報が記録された光ディスクを回転駆動し、前記光ディスクから光ピックアップで情報を読み出しまたは書き込みを行い、前記光ピックアップが読み出した情報を再生または入力された情報を前記光ディスクに記録し、前記光ディスクから情報を連続的に読み出しまたは書き込みを行う際に、当該読み出しまたは書き込みを行う位置に応じて前記光ピックアップの温度が異なる光ディスク記録再生方法において、前記光ピックアップの温度を測定し、前記光ピックアップが前記光ディスクから情報を読み出しまたは書き込みを行っているときに、測定した前記光ピックアップの温度が、前記光ピックアップが動作可能な上限値よりも低く予め定められた第1の閾値以上になった際には、前記上限値以下で前記読み出しまたは書き込みが可能な前記光ディスクの所定位置であって、当該所定位置以降に連続的な読み出しまたは書き込みを行う際に前記光ピックアップの温度が前記上限値以下を維持する所定位置に前記光ピックアップを移動させて前記光ディスクから情報を読み出しまたは書き込みを行うように制御することを特徴としている。
【0010】
請求項11に記載の光ディスク記録再生プログラムは、情報が記録された光ディスクを回転駆動する駆動手段と、前記光ディスクから情報を読み出しまたは書き込みを行う光ピックアップと、を備え、前記光ディスクから情報を連続的に読み出しまたは書き込みを行う際に、当該読み出しまたは書き込みを行う位置に応じて前記光ピックアップの温度が異なる光ディスク装置のコンピュータを、前記光ピックアップが読み出した情報を再生する情報再生手段または入力された情報を前記光ディスクに記録する方式に変換する情報記録手段として機能させる光ディスク記録再生プログラムにおいて、前記光ピックアップの温度を測定する温度測定手段と、前記光ピックアップが前記光ディスクから情報を読み出しまたは書き込みを行っているときに、前記温度測定手段が測定した前記光ピックアップの温度が、前記光ピックアップが動作可能な上限値よりも低く予め定められた第1の閾値以上になった際には、前記上限値以下で前記読み出しまたは書き込みが可能な前記光ディスクの所定位置であって、当該所定位置以降に連続的な読み出しまたは書き込みを行う際に前記光ピックアップの温度が前記上限値以下を維持する所定位置に前記光ピックアップを移動させて前記光ディスクから情報を読み出しまたは書き込みを行わせるように制御する制御手段としてコンピュータに機能させることを特徴としている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態にかかる光ディスク装置を説明する。本発明の一実施形態にかかる光ディスク装置は、制御手段が、温度測定手段が測定した光ピックアップの温度が予め定められた第1の閾値以上になった際には、光ピックアップを連続的な読み出しまたは書き込みを行う際に光ピックアップの温度が上限値以下を維持する所定位置に移動させて情報を読み出しまたは書き込みを行わせている。このようにすることにより、温度検出手段で検出した光ピックアップの温度が第1の閾値以上であった場合は、光ピックアップが動作できる上限値以下を維持する所定位置に光ピックアップを移動させるので再生や記録を中断する必要がない。
【0012】
また、制御手段が、温度測定手段が測定した温度が第1の閾値以上になった場合は、光ピックアップを連続的な読み出しまたは書き込みを行う際に光ピックアップの温度が第1の閾値よりも低い温度を維持する所定位置に移動させてもよい。このようにすることにより、温度検出手段で検出した光ピックアップの温度が第1の閾値以上であった場合は、第1の閾値よりも低い温度の所定位置に光ピックアップを移動させるので再生や記録を中断する必要がない。また、第1の閾値を光ピックアップのレーザダイオードを消灯する温度よりも低く設定しておくことで、光ピックアップの上限温度まで上昇することを抑えられる。
【0013】
また、第1の閾値以上になった位置を記憶する戻り位置記憶手段を備え、制御手段が、光ピックアップを所定位置に移動させた後に、温度測定手段が測定した光ピックアップの温度が、予め定められた第2の閾値以下になった際には、光ピックアップを戻り位置記憶手段に記憶した位置に戻して光ディスクから情報を読み出しまたは書き込みを行わせてもよい。このようにすることにより、光ピックアップの温度が下がった際には、元の位置の読み取りや書き込みを行うことができる。
【0014】
また、光ピックアップの温度が上限値以下を維持する所定位置または光ピックアップの温度が第1の閾値よりも低い温度を維持する所定位置が、現在の再生位置または記録位置よりも光ディスクの外周位置でもよい。このようにすることにより、光ディスクの内周において光ピックアップの温度が高くなり易い場合に光ピックアップを外周に移動して再生や記録を継続することができる。
【0015】
また、駆動手段が、光ディスクを線速度一定制御方式で回転駆動してもよい。このようにすることにより、一般的に光ディスクの内周で光ピックアップの温度が高くなる線速度一定(CLV)制御方式において、光ピックアップの温度上昇が抑えられ、さらに再生または記録が中断しないようにできる。
【0016】
また、情報再生手段が再生する情報を記憶する記憶手段を備え、光ピックアップが、光ディスクから間欠的に情報を読み出し、情報再生手段が記憶手段に記憶するようにしてもよい。このようにすることにより、光ディスクを高速に回転させて記憶手段に情報を記憶させるリッピング動作に本発明を適用することが可能となる。
【0017】
また、制御手段が、温度測定手段が測定した温度が第1の閾値以上になった際には、上限値以下で読み出しまたは書き込みが可能な光ディスクの所定範囲であって、当該所定範囲以降に連続的な読み出しまたは書き込みを行う際に光ピックアップの温度が上限値以下を維持する所定範囲にある情報を任意の順序で読み取らせてもよい。このようにすることにより、リッピング以外の等倍速での再生においても再生を中断することがなくなる。
【0018】
また、情報再生手段または情報記録手段に一度再生または記録された情報を識別する識別手段を備え、制御手段が、識別手段によって一度再生または記録されたと識別された情報は、読み出しまたは書き込みを前記光ピックアップに行わせないようにしてもよい。このようにすることにより、光ピックアップの温度が第2の閾値以下となって前に再生または記録していた位置に戻ってきて再生または記録を再開した際に、第1の閾値以上となって移動して再生または記録された情報を重複して再生または記録することが無くなる。
【0019】
また、光ディスクと相対向する基板を備え、制御手段が、該基板に設けられた所定の電子部品付近の光ディスクにおける位置から情報再生手段または情報記録手段に再生または記録を行わせてもよい。このようにすることにより、基板上の発熱量が多い電子部品から再生または記録を行う光ピックアップの温度が第1の閾値以上となった場合はその電子部品付近の位置以外の情報を再生することができる。
【0020】
また、本発明の一実施形態にかかる光ディスク記録再生方法は、温度測定手段が測定した光ピックアップの温度が予め定められた第1の閾値以上になった際には、連続的な読み出しまたは書き込みを行う際に光ピックアップの温度が上限値以下を維持する所定位置に移動させて情報を読み出しまたは書き込みを行うように制御する。このようにすることにより、検出した光ピックアップの温度が第1の閾値以上であった場合は、光ピックアップが動作できる上限値以下を維持する所定位置に光ピックアップを移動させるので再生や記録を中断する必要がない。
【0021】
また、本発明の一実施形態にかかる光ディスク記録再生プログラムは、制御手段が、温度測定手段が測定した光ピックアップの温度が予め定められた第1の閾値以上になった際には、連続的な読み出しまたは書き込みを行う際に光ピックアップの温度が上限値以下を維持する所定位置に移動させて情報を読み出しまたは書き込みを行わせている。このようにすることにより、温度検出手段で検出した光ピックアップの温度が第1の閾値以上であった場合は、光ピックアップが動作できる上限値以下を維持する所定位置に光ピックアップを移動させるので再生や記録を中断する必要がない。
【0022】
また、請求項11に記載の光ディスク記録再生プログラムを記録媒体に格納してもよい。このようにすることにより、光ディスク記録再生プログラムを機器に組み込む以外に単体でも流通させることができる。
【実施例1】
【0023】
本発明の第1の実施例にかかる光ディスク装置としての光ディスク記録再生装置1を図1乃至図5を参照して説明する。光ディスク記録再生装置1は、DVD(Digital Versatile Disc)、CD(Compact Disc)、BD(Blu-ray Disc)等の光ディスクが記録再生可能かつ再生している光ディスクからハードディスクへのリッピングも可能な装置であり、図1に示すようにディスクモータ2と、光ピックアップ3と、光ピックアップ温度検出部4と、RFアンプ5と、サーボ信号処理部6と、ドライバ7と、音声/映像信号処理部8と、メモリ9と、ハードディスク10と、DA/ADコンバータ11と、マイクロコンピュータ12と、音声信号/映像信号出力端子13とを備えている。
【0024】
駆動手段としてのディスクモータ2は、光ディスク記録再生装置1にセットされた光ディスク14を回転させるためのモータであり、スピンドルモータなどで構成されている。
【0025】
光ピックアップ3は、光ディスク14に照射するレーザ光を発生させる図示しないレーザダイオードや、光ディスク14上にレーザダイオードからのレーザ光を照射するための対物レンズ、サーボ信号処理部6からの信号によりフォーカス方向やトラッキング方向に対物レンズを駆動するためのアクチュエータおよび光ディスク14から反射された反射光を受ける受光器などを備え、受光器の出力から光ディスク14に記録されている映像や音楽などを含むRF信号やフォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号などを生成し出力するRFアンプ5へ出力するとともに光ディスク14へ情報を書き込む。また、光ピックアップ3には、動作可能な温度の上限値が予め定められており、光ディスク14からの情報の読み出しや書き込みは、その上限値以下で行われる。
【0026】
温度測定手段としての光ピックアップ温度検出部4は、光ディスク14から情報を連続的に読み出しまたは書き込みを行う際に、その位置に応じて異なる光ピックアップ3の温度を測定するためのセンサ等を備え、測定された温度データをマイクロコンピュータ12へ出力する。
【0027】
RFアンプ5は、光ピックアップ3から入力される信号を所定の値に増幅し、サーボ信号処理部6へ出力する。
【0028】
サーボ信号処理部6は、RFアンプ5から入力されるフォーカスエラー信号やトラッキングエラー信号などの制御信号を基に光ピックアップ3のアクチュエータを駆動させてフォーカスおよびトラッキングの制御などを行い光ディスク14に記録された情報を正確に読めるようにする。さらに、光ディスク14に記録された映像や音楽などを含むRF信号をアナログ/デジタル変換して音声/映像信号処理部8へ出力する。
【0029】
ドライバ7は、サーボ信号処理部6から入力された信号を増幅し、ディスクモータ2および光ピックアップ3へ出力する。
【0030】
情報再生手段、情報記録手段としての音声/映像信号処理部8は、サーボ信号処理部6から入力された信号にエラー訂正などを行った後復調や復号を行いハードディスク10へ出力する。ハードディスク10を使用しない場合は、復号したデータを一旦メモリ9へ格納する。そしてマイクロコンピュータ12からの要求に従ってメモリ9から読み出してDA/ADコンバータ11へ出力する。また、情報を書き込むときは、DA/ADコンバータ9から入力された音声や映像を符号化および変調してサーボ信号処理部6へ出力する。
【0031】
メモリ9は、音声/映像信号処理部8で再生された音声などのデータを振動などでデータが途切れないように一時的に格納し、または音声入出力端子13aおよび映像入出力端子13bから入力された音声や映像を符号化および変調するためのデータを一時的に格納するためのメモリであり、半導体メモリで構成される。
【0032】
記憶手段としてのハードディスク10は、音声/映像信号処理部8で復号したデータを音声であればMP3(MPEG Audio Layer-3)やAAC(Advanced Audio Coding)などの符号化方式で圧縮符号化し記録する。再生時には、マイクロコンピュータ12の指示に従ってデータを読み出して復号しDA/ADコンバータ11に出力する。なお、圧縮符号化は行わずに音声/映像信号処理部8で復号したデータをそのまま記録してもよい。
【0033】
DA/ADコンバータ11は、メモリ9に格納されたデータやハードディスクから読み出されたデータが入力され、そのデジタル信号であるデータをアナログ信号に変換し音声入出力端子13aおよび映像入出力端子13bから出力する。また、入力された映像や音声をデジタル信号に変換して音声/映像信号処理部8に出力する。
【0034】
制御手段、位置記憶手段、識別手段としてのマイクロコンピュータ12は、CPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)とを内蔵し、光ディスク14の挿入や排出、再生や停止などの各操作における光ディスク記録再生装置1全体の制御および光ピックアップ温度検出部4からの温度データに基づいて再生や記録の制御を行う。
【0035】
次に、図1に示すような構成からなる光ディスク記録再生装置1において、光ディスク14から情報を読み取る際の動作を図2に示すフローチャートを参照して説明する。図2に示したフローチャートは、マイクロコンピュータ12のROMに記憶されている制御プログラムをマイクロコンピュータ12のCPUが実行することで実現される。
【0036】
なお、図2に示したフローチャートは、CLV方式の光ディスク14を高速回転させてハードディスク10に記録するリッピング動作を行う際の読み取り方法のフローチャートである。この際に読み取った情報の再生は、ハードディスク10に記録された情報を読み出して出力されることで行われている。本実施例では光ディスク14としてCDの場合を説明する。CDは図3に示すように内周からリードインエリア、プログラムエリア、リードアウトエリアの順に形成された構造となっている。リードインエリアはTOC(Table Of Contents)などが記録される領域であり、プログラムエリアは情報としての音楽などのトラックが記録されている領域であり、リッピングでハードディスクに記録されるのはこの領域が対象となる。リードアウトエリアはプログラムエリアの終端を示す領域である。
【0037】
まず、ステップS101において、光ディスク14の内周に記録されている情報からリッピングを開始してステップS102に進む。光ピックアップ3が光ディスク14の内周に移動して情報を読み出し、RFアンプ5、サーボ信号処理部6、音声/映像信号処理部8を経由してハードディスク10へ送られ圧縮符号化後記録される。なお、リッピングが終了した位置(アドレス)はCPU内においてリッピング済みであると識別しそのアドレス範囲をRAMなどに記憶する。
【0038】
次に、ステップS102において、光ディスク14のプログラムエリアの全範囲をリッピング終了したか否かを判断し、終了した場合(Yesの場合)は本フローを終了し、終了していない場合(Noの場合)はステップS103に進む。
【0039】
次に、ステップS103において、現在リッピングを行っている光ディスク上の位置(アドレス)がすでにリッピング済みであるか否かを判断し、リッピング済みである場合(YESの場合)はステップS104に進み、リッピング済みでない場合(NOの場合)はステップS105に進む。
【0040】
次に、ステップS104において、リッピング済みの位置を飛ばしてリッピングを継続してステップS105に進む。つまり、リッピング済みの情報よりも外周に位置するリッピングしていない情報が記録されている位置(アドレス)まで飛ばして(サーチして)、リッピングしていない情報が記録されている位置からリッピングを継続する。
【0041】
次に、ステップS105において、光ピックアップ温度検出部4が測定した温度データ(P.U.温度)が第1の閾値としての閾値T1以上か否かを判断し、T1以上である場合(Yesの場合)はステップS106に進み、そうでない場合(Noの場合)はステップS102に戻る。この閾値T1は光ピックアップ3が動作可能な上限値よりも低い温度に設定されている。
【0042】
次に、ステップS106において、現在の光ディスク14のリッピング位置(アドレス)Aを例えばマイクロコンピュータ12のRAMに記憶しステップS107に進む。すなわち、第1の閾値以上になった位置を記憶している。
【0043】
次に、ステップS107において、位置Aよりも外周に位置し、かつリッピングされていない情報が記録されている位置Bまで光ピックアップ3を移動するようにサーボ信号処理部6に指示し、位置Bからリッピングを開始してステップS108に進む。位置Bは、以降のリッピング動作において閾値T1以下を維持することができる位置である。すなわち、光ピックアップ3の温度が、予め定められた第1の閾値以上になった際には、光ピックアップ3を連続的な読み出しまたは書き込みを行う際に光ピックアップ3の温度が上限値よりも低い温度である第1の閾値よりも低い温度を維持する所定位置に移動させている。さらに、その所定位置が現在の再生位置または記録位置よりも前記光ディスクの外周位置としている。
【0044】
次に、ステップS108において、光ディスク14の最外周までリッピングが終了したか否かを判断して終了した場合(Yesの場合)はステップS112に進み、そうでない場合(Noの場合)はステップS109に進む。
【0045】
次に、ステップS109において、現在リッピングを行っている光ディスク上の位置(アドレス)がすでにリッピング済みであるか否かを判断し、リッピング済みである場合(YESの場合)はステップS110に進み、リッピング済みでない場合(NOの場合)はステップS111に進む。
【0046】
次に、ステップS110において、リッピング済みの位置を飛ばしてリッピングを継続してステップS111に進む。つまり、リッピング済みの情報よりも外周に位置するリッピングしていない情報が記録されている位置(アドレス)まで飛ばして(サーチして)、リッピングしていない情報が記録されている位置からリッピングを継続する。
【0047】
次に、ステップS111において、光ピックアップ温度検出部4が測定した温度データが第2の閾値としての閾値T2以下か否かを判断し、T2以下である場合(Yesの場合)はステップS112に進み、そうでない場合(Noの場合)はステップS108に戻る。この閾値T2は第1の閾値T1以下の温度に設定されている。
【0048】
次に、ステップS112において、ステップS106においてRAMに記憶したリッピング位置A(アドレス)に光ピックアップ3を戻すようにサーボ信号処理部6に指示し、位置Aからリッピングを再開する。すなわち、光ピックアップ3の温度が、予め定められた第2の閾値以下になった際には、光ピックアップ3を戻り位置記憶手段に記憶した位置に戻して光ディスク14から情報を読み出しまたは書き込みを行っている。
【0049】
ここで、図2に示したフローチャートの具体的動作を図4を参照して説明する。
【0050】
図4は(a)に示したようにCDの構造を図3とは別形式で示した図であり、左側が内周で右側が外周に相当する。
【0051】
まず、図4(b)に示すようにプログラムエリアの先頭(内周側)からリッピングを開始する(ステップS101)。そして、図4(c)に示すようにプログラムエリアの位置A(アドレス)で光ピックアップ3の温度が閾値T1以上を検出すると(ステップS105)、位置Aを記憶した後図4(d)に示すようにAよりも外周のまだリッピングしていない位置B(アドレス)にサーチして位置Bからリッピングを行う(ステップS106、S107)。
【0052】
そして、図4(e)に示すように位置Cにおいて光ピックアップ3の温度が閾値T2以下を検出すると(ステップS111)、図4(f)に示すように記憶した位置Aまで戻りリッピングを再開する(ステップS112)。
【0053】
そして、図4(g)に示しように位置Bまでリッピングが到達すると位置B〜C間はリッピングがすでに終了しているので、位置Cまでサーチして図4(h)に示すように位置C以降をリッピングする(S103、S104、S109、S110)。すなわち、一度再生または記録されたと識別された情報は、読み出しまたは書き込みを光ピックアップ3に行わせない。
【0054】
次に、本実施例の動作を光ピックアップ3の温度変化を中心に説明する。図5は光ピックアップ3の光ディスク14の中心からの距離(径方向の位置、すなわち図の左側が内周で右側が外周)と温度の関係の一例を示した図である。図中の曲線は、光ピックアップ3がリッピングや再生のために内周から順次外周に移動した際の温度変化を表す。この例では光ピックアップ3が動作可能な上限値を超えるところがあるために、そのまま順次リッピングを行うことができない。そこで、温度が閾値T1以上となったA点から閾値T1以下の温度を維持するB点よりも外周の所定位置に移動させてリッピングを継続する。そして、第2の閾値T2以下となるC点までリッピングを行ったときにA点まで戻ってA点からの続きの情報のリッピングを行う。なお、A点から移動する所定位置は光ピックアップ3が動作可能な上限値と曲線の交点Dよりも外周でもよい。この場合、交点Dの直後の位置では閾値T1以上の温度となるが、その後、順次外周へ読み出しを行うにしたがって温度が下降するので、光ピックアップ3が動作可能な上限値を超えることはない。よって、リッピングを中断することなく継続することができる。
【0055】
本実施例によれば、光ディスク記録再生装置1で光ディスク14からハードディスク10にリッピングする際に、光ピックアップ3の温度が閾値T1以上となった場合には、リッピングしている位置を記憶した後にリッピングしている地点よりも光ディスク14の外周の所定位置以降のリッピングを行い、光ピックアップ3の温度が閾値T2以下となった場合には、前記記憶した位置に戻りリッピングを再開する。このように動作しているために、光ディスク14の内周で光ピックアップ3の温度が上昇しても、光ピックアップ3の温度が低下するまで外周のリッピングを行うので、光ピックアップ3の温度上昇を抑えつつ、再生が中断しない。
【実施例2】
【0056】
次に、本発明の第2の実施例にかかる光ディスク記録再生装置1を図5を参照して説明する。なお、前述した第1の実施例と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
【0057】
本実施例においては、ブロック構成は第1の実施例と同様であるが、リッピングではなく通常の再生に本発明を適用している点が第1の実施例と異なる。すなわち、光ディスク14から読み出した情報がハードディスク10に記録されずにそのままDA/ADコンバータ11を経由して出力される。本実施例における光ディスク14から情報を読み取る際の動作を図5に示すフローチャートを参照して説明する。図5に示したフローチャートは、マイクロコンピュータ12のROMに記憶されている制御プログラムをマイクロコンピュータ12のCPUが実行することで実現される。
【0058】
まず、ステップS201において、光ディスク14の内周に記録されている情報(トラック)から再生を開始してステップS202に進む。光ピックアップ3が光ディスク14の内周に移動して情報を読み出し、RFアンプ5、サーボ信号処理部6、音声/映像信号処理部8、メモリ9、DA/ADコンバータ11を経由して出力される。なお、再生が終了したトラックはCPU内において再生済みであると識別しトラック番号をマイクロコンピュータ12のRAMなどに記憶する。
【0059】
次に、ステップS202において、光ディスク14のプログラムエリアに記録された全トラックを再生終了したか否かを判断し、終了した場合(Yesの場合)は本フローを終了し、終了していない場合(Noの場合)はステップS203に進む。
【0060】
次に、ステップS203において、現在再生を行うトラックがすでに再生済みであるか否かを判断し、再生済みである場合(YESの場合)はステップS204に進み、再生済みでない場合(NOの場合)はステップS205に進む。
【0061】
次に、ステップS204において、再生済みのトラックを飛ばして再生を継続してステップS105に進む。つまり、再生済みのトラックよりも外周に位置する再生していないトラックまで飛ばして(サーチして)、再生していないトラックから再生を継続する。
【0062】
次に、ステップS205において、光ピックアップ温度検出部4が測定した温度データ(P.U.温度)が第1の閾値としての閾値T1以上か否かを判断し、T1以上である場合(Yesの場合)はステップS206に進み、そうでない場合(Noの場合)はステップS202に戻る。この閾値T1は光ピックアップ3が動作可能な上限温度よりも低い温度に設定されている。
【0063】
次に、ステップS206において、現在再生しているの光ディスク14のトラック番号を例えばマイクロコンピュータ12のRAMに記憶しステップS207に進む。すなわち、第1の閾値以上になった位置を記憶している。
【0064】
次に、ステップS207において、ステップS206で番号を記憶したトラックの再生終了後、該トラックよりも外周の位置し、かつ再生されていないトラックまで光ピックアップ3を移動するようにサーボ信号処理部6に指示し、そのトラック以降を任意の順序で再生を開始してステップS208に進む。任意の順序で再生とは、トラック番号順または番号順でない所定の順序での再生を意味する。再生されていないトラックは、以降の再生動作において光ピックアップ3の動作上限値または閾値T1以下を維持することができる位置である。すなわち、温度測定手段が測定した温度が第1の閾値以上になった際には、光ピックアップ3の動作温度の上限値以下で読み出しまたは書き込みが可能な光ディスク14の所定範囲であって、当該所定範囲以降に連続的な読み出しまたは書き込みを行う際に光ピックアップ3の温度が上限値以下を維持する所定範囲にある情報を任意の順序で読み取らせている。
【0065】
次に、ステップS208において、光ディスク14のステップS207で再生を開始したトラック以降から最終トラック(最外周)まで全て再生終了したか否かを判断して終了した場合(Yesの場合)はステップS212に進み、そうでない場合(Noの場合)はステップS209に進む。
【0066】
次に、ステップS209において、現在再生を行うトラックがすでに再生済みであるか否かを判断し、再生済みである場合(YESの場合)はステップS210に進み、再生済みでない場合(NOの場合)はステップS211に進む。
【0067】
次に、ステップS210において、再生済みのトラックを飛ばして再生を継続してステップS211に進む。つまり、再生済みのトラックよりも外周に位置する再生していないトラックまで飛ばして(サーチして)、再生していないトラックから再生を継続する。
【0068】
次に、ステップS211において、光ピックアップ温度検出部4が測定した温度データが第2の閾値としての閾値T2以下か否かを判断し、T2以下である場合(Yesの場合)はステップS212に進み、そうでない場合(Noの場合)はステップS208に戻る。この閾値T2は第1の閾値T1以下の温度に設定されている。
【0069】
次に、ステップS212において、ステップS206においてRAMに記憶したトラック番号の次のトラックの先頭に光ピックアップ3を移動するようにサーボ信号処理部6に指示し、そのトラックから再生を再開する。すなわち、光ピックアップ3の温度が、予め定められた第2の閾値以下になった際には、光ピックアップ3を戻り位置記憶手段に記憶した位置に戻して光ディスクから情報を読み出しまたは書き込みを行っている。
【0070】
本実施例によれば、光ディスク記録再生装置1で光ディスク14を再生する際に、光ピックアップ3の温度が閾値T1以上となった場合には、再生しているトラックを記憶した後に該トラックの再生終了後、該トラックよりも光ディスク14の外周の所定位置以降のトラックの再生を行い、光ピックアップ3の温度が閾値T2以下となった場合には、前記記憶したトラックの次のトラックから再生を再開する。このように動作しているために、光ディスク14の内周で光ピックアップ3の温度が上昇しても、光ピックアップ3の温度が低下するまで外周の再生を行うので、光ピックアップ3の温度上昇を抑えつつ、再生が中断しない。
【0071】
なお、上述した実施例では光ディスク14からの情報の読み取り(リッピング、再生)について述べたが、光ディスク14への記録の際も同様に内周から記録して温度が第1の閾値以上となったら外周を記録し、第2の閾値以下となったらまた内周に戻って記録するようにしてもよい。
【0072】
また、光ディスク14の内周に限らず、外周や中周付近の光ディスク14と相対向する基板上に発熱量が多い電子部品が配置されていた場合は、該電子部品付近からから再生や記録を行い、第1の閾値以上となったら内周など該電子部品付近以外の位置に光ピックアップ3を移動して再生や記録を行ってもよい。要するに、光ピックアップ3を温度の高い位置から光ディスク上の温度の低い位置に移動して再生や記録を行えばよい。
【0073】
また、上述した実施例では閾値T2による判定を行って位置Aへ戻していたが、判定を行わずに外周の最後までリッピングや再生が終了したら位置Aに戻るようにしてもよい。
【0074】
前述した実施例によれば、以下の光ディスク記録再生装置と光ディスク再生方法および光ディスク再生プログラムが得られる。
【0075】
(付記1)情報が記録された光ディスク14を回転駆動するディスクモータ2と、光ディスク14から情報を読み出しまたは書き込みを行う光ピックアップ3と、光ピックアップ3が読み出した情報を再生する音声/映像信号処理部8または入力された情報を光ディスク14に記録する方式に変換する音声/映像信号処理部8と、を備え、光ディスク14から情報を連続的に読み出しまたは書き込みを行う際に、当該読み出しまたは書き込みを行う位置に応じて光ピックアップ3の温度が異なる光ディスク記録再生装置1において、
光ピックアップ3の温度を測定する光ピックアップ温度検出部4と、
光ピックアップ3が光ディスク14から情報を読み出しまたは書き込みを行っているときに、光ピックアップ温度検出部4が測定した温度が、光ピックアップ3が動作可能な上限値よりも低く予め定められた閾値T1以上になった際には、上限値以下で読み出しまたは書き込みが可能な光ディスク14の所定位置であって、当該所定位置以降に連続的な読み出しまたは書き込みを行う際に光ピックアップ3の温度が上限値以下を維持する所定位置に光ピックアップ3を移動させて光ディスク14から情報を読み出しまたは書き込みを行わせるように制御するマイクロコンピュータ12と、を備えたことを特徴とする光ディスク記録再生装置1。
【0076】
この光ディスク記録再生装置1によれば、光ピックアップ温度検出部4で検出した光ピックアップ3の温度が閾値T1以上であった場合は、光ピックアップ3が動作できる上限値以下を維持する所定位置に光ピックアップ3を移動させるので再生や記録を中断する必要がない。
【0077】
(付記2)情報が記録された光ディスク14を回転駆動し、光ディスク14から光ピックアップ3で情報を読み出しまたは書き込みを行い、光ピックアップ3が読み出した情報を再生または入力された情報を光ディスク14に記録し、光ディスク14から情報を連続的に読み出しまたは書き込みを行う際に、当該読み出しまたは書き込みを行う位置に応じて光ピックアップ3の温度が異なる光ディスク記録再生方法において、
光ピックアップ3の温度を測定し、光ピックアップ3が光ディスク14から情報を読み出しまたは書き込みを行っているときに、測定した光ピックアップ3の温度が、光ピックアップ3が動作可能な上限値よりも低く予め定められた閾値T1以上になった際には、上限値以下で読み出しまたは書き込みが可能な光ディスク14の所定位置であって、当該所定位置以降に連続的な読み出しまたは書き込みを行う際に光ピックアップ3の温度が前記上限値以下を維持する所定位置に光ピックアップ3を移動させて光ディスク14から情報を読み出しまたは書き込みを行うように制御することを特徴とする光ディスク記録再生方法。
【0078】
この光ディスク記録再生方法によれば、検出した光ピックアップ3の温度が閾値T1以上であった場合は、光ピックアップ3が動作できる上限値以下を維持する所定位置に光ピックアップ3を移動させるので再生や記録を中断する必要がない。
【0079】
(付記3)情報が記録された光ディスク14を回転駆動するディスクモータ2と、光ディスク14から情報を読み出しまたは書き込みを行う光ピックアップ3と、を備え、光ディスク14から情報を連続的に読み出しまたは書き込みを行う際に、当該読み出しまたは書き込みを行う位置に応じて光ピックアップ3の温度が異なる光ディスク記録再生装置1のコンピュータを、光ピックアップ3が読み出した情報を再生する音声/映像信号処理部8または入力された情報を前記光ディスク14に記録する方式に変換する音声/映像信号処理部8として機能させる光ディスク記録再生プログラムにおいて、
光ピックアップ3の温度を測定する光ピックアップ温度検出部4と、
光ピックアップ3が光ディスク14から情報を読み出しまたは書き込みを行っているときに、光ピックアップ温度検出部4が測定した光ピックアップ3の温度が、光ピックアップ3が動作可能な上限値よりも低く予め定められた閾値T1以上になった際には、上限値以下で読み出しまたは書き込みが可能な光ディスク14の所定位置であって、当該所定位置以降に連続的な読み出しまたは書き込みを行う際に光ピックアップ3の温度が前記上限値以下を維持する所定位置に光ピックアップ3を移動させて光ディスク14から情報を読み出しまたは書き込みを行わせるように制御するマイクロコンピュータ12としてコンピュータに機能させることを特徴とする光ディスク記録再生プログラム。
【0080】
この光ディスク記録再生プログラムによれば、光ピックアップ温度検出部4で検出した光ピックアップ3の温度が閾値T1以上であった場合は、光ピックアップ3が動作できる上限値以下を維持する所定位置に光ピックアップ3を移動させるので再生や記録を中断する必要がない。
【0081】
なお、前述した実施例は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施例に限定されるものではない。すなわち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の第1の実施例および第2の実施例にかかる光ディスク記録再生装置のブロック図である。
【図2】図1に示された光ディスク記録再生装置の第1の実施例における光ディスクからの読み取り動作を示したフローチャートである。
【図3】CDの構造の説明図である。
【図4】図2に示したフローチャートの動作の一例を示した説明図である。
【図5】図1に示された光ディスク記録再生装置の光ピックアップの温度変化の一例を示した説明図である。
【図6】図1に示された光ディスク記録再生装置の第2の実施例における光ディスクからの読み取り動作を示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0083】
1 光ディスク記録再生装置(光ディスク装置)
2 ディスクモータ(駆動手段)
3 光ピックアップ
4 光ピックアップ温度検出部(温度検出手段)
8 音声/映像信号処理部(情報再生手段、情報記録手段)
10 ハードディスク(記憶手段)
12 マイクロコンピュータ(制御手段、位置記憶手段、識別手段)
14 光ディスク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報が記録された光ディスクを回転駆動する駆動手段と、前記光ディスクから情報を読み出しまたは書き込みを行う光ピックアップと、前記光ピックアップが読み出した情報を再生する情報再生手段または入力された情報を前記光ディスクに記録する方式に変換する情報記録手段と、を備え、前記光ディスクから情報を連続的に読み出しまたは書き込みを行う際に、当該読み出しまたは書き込みを行う位置に応じて前記光ピックアップの温度が異なる光ディスク装置において、
前記光ピックアップの温度を測定する温度測定手段と、
前記光ピックアップが前記光ディスクから情報を読み出しまたは書き込みを行っているときに、前記温度測定手段が測定した温度が、前記光ピックアップが動作可能な上限値よりも低く予め定められた第1の閾値以上になった際には、前記上限値以下で前記読み出しまたは書き込みが可能な前記光ディスクの所定位置であって、当該所定位置以降に連続的な読み出しまたは書き込みを行う際に前記光ピックアップの温度が前記上限値以下を維持する所定位置に前記光ピックアップを移動させて前記光ディスクから情報を読み出しまたは書き込みを行わせるように制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする光ディスク装置。
【請求項2】
前記制御手段が、前記温度測定手段が測定した温度が前記第1の閾値以上になった場合は、前記光ピックアップを連続的な読み出しまたは書き込みを行う際に前記光ピックアップの温度が前記第1の閾値よりも低い温度を維持する所定位置に移動させることを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。
【請求項3】
前記第1の閾値以上になった位置を記憶する戻り位置記憶手段を備え、
前記制御手段が、前記光ピックアップを前記所定位置に移動させた後に、前記温度測定手段が測定した前記光ピックアップの温度が、予め定められた第2の閾値以下になった際には、前記光ピックアップを前記戻り位置記憶手段に記憶した位置に戻して前記光ディスクから情報を読み出しまたは書き込みを行わせることを特徴とする請求項1または2に記載の光ディスク装置。
【請求項4】
前記光ピックアップの温度が前記上限値以下を維持する所定位置または前記光ピックアップの温度が前記第1の閾値よりも低い温度を維持する所定位置が、現在の再生位置または記録位置よりも前記光ディスクの外周位置であることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一項に記載の光ディスク装置。
【請求項5】
前記駆動手段が、前記光ディスクを線速度一定制御方式で回転駆動することを特徴とする請求項4に記載の光ディスク装置。
【請求項6】
前記情報再生手段が再生する情報を記憶する記憶手段を備え、前記光ピックアップが、前記光ディスクから間欠的に情報を読み出し、前記情報再生手段が前記記憶手段に記憶することを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか一項に記載の光ディスク装置。
【請求項7】
前記制御手段が、前記温度測定手段が測定した前記温度が前記第1の閾値以上になった際には、前記上限値以下で前記読み出しまたは書き込みが可能な前記光ディスクの所定範囲であって、当該所定範囲以降に連続的な読み出しまたは書き込みを行う際に前記光ピックアップの温度が前記上限値以下を維持する所定範囲にある情報を任意の順序で読み取らせることを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか一項に記載の光ディスク装置。
【請求項8】
前記情報再生手段または前記情報記録手段に一度再生または記録された情報を識別する識別手段を備え、
前記制御手段が、前記識別手段によって一度再生または記録されたと識別された情報は、読み出しまたは書き込みを前記光ピックアップに行わせないことを特徴とする請求項1乃至7のうちいずれか一項に記載の光ディスク装置。
【請求項9】
前記光ディスクと相対向する基板を備え、
前記制御手段が、該基板に設けられた所定の電子部品付近の前記光ディスクにおける位置から前記情報再生手段または前記情報記録手段に再生または記録を行わせることを特徴とする請求項1乃至8のうちいずれか一項に記載の光ディスク装置。
【請求項10】
情報が記録された光ディスクを回転駆動し、前記光ディスクから光ピックアップで情報を読み出しまたは書き込みを行い、前記光ピックアップが読み出した情報を再生または入力された情報を前記光ディスクに記録し、前記光ディスクから情報を連続的に読み出しまたは書き込みを行う際に、当該読み出しまたは書き込みを行う位置に応じて前記光ピックアップの温度が異なる光ディスク記録再生方法において、
前記光ピックアップの温度を測定し、前記光ピックアップが前記光ディスクから情報を読み出しまたは書き込みを行っているときに、測定した前記光ピックアップの温度が、前記光ピックアップが動作可能な上限値よりも低く予め定められた第1の閾値以上になった際には、前記上限値以下で前記読み出しまたは書き込みが可能な前記光ディスクの所定位置であって、当該所定位置以降に連続的な読み出しまたは書き込みを行う際に前記光ピックアップの温度が前記上限値以下を維持する所定位置に前記光ピックアップを移動させて前記光ディスクから情報を読み出しまたは書き込みを行うように制御することを特徴とする光ディスク記録再生方法。
【請求項11】
情報が記録された光ディスクを回転駆動する駆動手段と、前記光ディスクから情報を読み出しまたは書き込みを行う光ピックアップと、を備え、前記光ディスクから情報を連続的に読み出しまたは書き込みを行う際に、当該読み出しまたは書き込みを行う位置に応じて前記光ピックアップの温度が異なる光ディスク装置のコンピュータを、前記光ピックアップが読み出した情報を再生する情報再生手段または入力された情報を前記光ディスクに記録する方式に変換する情報記録手段として機能させる光ディスク記録再生プログラムにおいて、
前記光ピックアップの温度を測定する温度測定手段と、
前記光ピックアップが前記光ディスクから情報を読み出しまたは書き込みを行っているときに、前記温度測定手段が測定した前記光ピックアップの温度が、前記光ピックアップが動作可能な上限値よりも低く予め定められた第1の閾値以上になった際には、前記上限値以下で前記読み出しまたは書き込みが可能な前記光ディスクの所定位置であって、当該所定位置以降に連続的な読み出しまたは書き込みを行う際に前記光ピックアップの温度が前記上限値以下を維持する所定位置に前記光ピックアップを移動させて前記光ディスクから情報を読み出しまたは書き込みを行わせるように制御する制御手段としてコンピュータに機能させることを特徴とする光ディスク記録再生プログラム。
【請求項12】
請求項11に記載の光ディスク記録再生プログラムを格納したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−165886(P2008−165886A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−353136(P2006−353136)
【出願日】平成18年12月27日(2006.12.27)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】