光ディスク装置およびディスク種別判別方法
【課題】短時間で容易に光ディスクの種別を判別することができる光ディスク装置およびディスク種別判別方法を提供する。
【解決手段】ピックアップ23により読み取ったウォブル信号を検出し、検出されたウォブル信号を入力し、線速度3.49m/sと3.84m/sとの間の帯域を通過させるBPF(B)によって通過されたウォブル信号を検出し、このウォブル信号を用いて光ディスクの回転制御をCPU29によって行う。
【解決手段】ピックアップ23により読み取ったウォブル信号を検出し、検出されたウォブル信号を入力し、線速度3.49m/sと3.84m/sとの間の帯域を通過させるBPF(B)によって通過されたウォブル信号を検出し、このウォブル信号を用いて光ディスクの回転制御をCPU29によって行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスク装置に係わり、特に光ディスクの種別を容易に判別することが可能な光ディスク装置およびディスク種別判別方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に光ディスクの種別を判別する場合、例えば、特開2002−230753号公報に開示されているように、読み取ったウォブル信号の周波数によって、光ディスクの種類を判別する。
【特許文献1】特開2002−230753号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した従来の技術においては、光ディスクの種別をDVD+Rであるか否かまで判別することができるが、判別されたDVD+Rがシングルレイヤかダブルレイヤかであるかを判別することができない。
【0004】
本発明の目的は、短時間で容易に光ディスクの種別を判別することができる光ディスク装置およびディスク種別判別方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明の一態様によれば、光ディスクにレーザを照射するレーザ照射手段と、前記レーザ照射手段により読み取ったウォブル信号を検出する検出手段と、前記検出手段により検出されたウォブル信号を入力し、所定の範囲の周波数を通過させるフィルタ手段と、前記フィルタ手段によって通過されたウォブル信号を検出し、このウォブル信号を用いて前記光ディスクの回転制御を行う制御手段と、を具備することを特徴とする光ディスク装置が提供される。
【発明の効果】
【0006】
本発明を用いることにより、短時間で容易に光ディスクの種別を判別することができる光ディスク装置およびディスク種別判別方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
【0008】
図1には、本発明の第1実施形態に係る情報処理装置のシステム構成図が示されている。この情報処理装置は、例えばノートブック型コンピュータ10として実現されている。
【0009】
図1に示すように、コンピュータ10は、コンピュータ本体と、ディスプレイユニット12とから構成されている。ディスプレイユニット12にはLCD(Liquid Crystal Display)からなる表示画面121が組み込まれている。
【0010】
コンピュータ10は、光ディスク装置11等を有している。
【0011】
光ディスク装置11は、イジェクトボタン11aを備えており、図2に示すように、このイジェクトボタン11aを押下する等により、ドロワー部11bが図3に示すように射出される。
【0012】
図4は、本発明に係る光ディスク装置の要部構成を示すブロック図である。
【0013】
光ディスク装置11は、被判別ディスク20(例えば、DVD−R、DVD+R、CD−R等の光ディスク)を読み取るピックアップ23、スピンドルモータ22、ピックアップ23の駆動やスピンドルモータ22を制御するモータードライバ26、被判別ディスク20の回転を検出する回転検出機構21、RFアンプ24、ウォブル復調回路25、帯域制御回路31、サーボ回路27、回転制御回路28、システム制御回路30、CPU29等を備えている。
【0014】
以上のように構成された本発明の実施形態に係る光ディスク装置を適用したディスク種別判別方法について図4および図5のフローチャート、図6〜12を参照して説明する。
【0015】
被判別ディスク(光ディスク)20が光ディスク装置11に装着されると、ピックアップ23の光学機構によりレーザ光を被判別ディスク20に照射する。光ディスクからの反射光は、ピックアップ23内の分割ディテクタにより受光され、RFアンプ24に入力され、各種サーボ信号が生成される。
【0016】
回転制御回路28から出力された回転制御信号は、モータードライバ26を介してスピンドルモータ22を駆動して被判別ディスク20を回転させる。
【0017】
回転検出機構21で検出された被判別ディスク20の回転数誤差信号は、回転制御回路28に入力され、スピンドルモータ22は、回転数誤差信号に基づいてモータードライバ26を介して常に一定速度になるように制御される。
【0018】
RFアンプ24で生成された各種サーボ信号は、サーボ回路27で演算されてモータードライバ26を介してピックアップ23内のアクチュエータを駆動して集光されたレーザ光が被判別ディスク20のピットをトレースするようにフィードバック制御を行う。
【0019】
これらの制御は、CPU29によるシーケンス制御やシステム制御回路30内の回路動作により制御される。
【0020】
次に、ピックアップ23から得られた信号をRFアンプ24で演算されPP(プッシュプル)信号(A)が生成される。さらに、PP信号をRFアンプ24内のBPF(バンド・パス・フィルタ)(B)を通過させることで、特定の周波数帯域の信号を得ることができる。なお、BPF(B)の通過帯域の周波数設定は、帯域制御回路31によって制御される。帯域制御回路31における通過帯域の周波数設定は、CPU29によってシステム制御回路30に通過周波数の設定指示を行う。なお、光ディスクのメディアの種類と回転数により規格化されている。
【0021】
そして、BPF(B)を通過した信号は、ウォブル信号として、ウォブル復調回路25に入力され、復調されて情報信号となる。図6は、ダブルレイヤDVD+Rの線速度3.49m/sとシングルレイヤDVD+Rの線速度3.84m/sとの間の帯域を通過させるBPF(B)の特性を示す模式図である。
【0022】
出力されたウォブル信号は、システム制御回路30を経由し、CPU29によって検出される。検出されたウォブル信号の線速度が、例えば3.49m/sと3.84m/sとの範囲にある速度(中間速度)であるか否かを判別する(図5のステップS101)。ステップS101で、中間速度であると判別された場合は、DVD+Rの仕様と一致しているかを判別する(ステップS102)。ステップS102で、DVD+Rの仕様と一致していると判別されると、被判別ディスク20はDVD+Rメディアであると特定される(ステップS103)。
【0023】
一方、ステップS102で、DVD+Rの仕様と一致していないと判別されると、被判別ディスク20はDVD−R/RWメディアであると特定される(ステップS108)。
【0024】
また、ステップS101で、中間速度でないと判別された場合は(ステップS101のNO)、上述したメディア(DVD+R、DVD−R/RW)以外のメディア(CD−R等)であると特定される(ステップS107)。
【0025】
ステップS103で、被判別ディスク20がDVD+Rメディアであると特定されると、被判別ディスク20からコントロールデータをリードする(ステップS104)。ステップS104でコントロールデータをリードがOKであると、コントロールデータをリードし終了する。一方、ステップS104でコントロールデータのリードがNGであると、リトライを行う(ステップS106)。
【0026】
なお、中間速度は、規格化されているダブルレイヤDVD+Rの線速度とシングルレイヤDVD+Rの線速度との間の線速度を用いたがこれに限定されることはなく、任意に設定することができる。
【0027】
(1)また、上述した中間速度で用いられる2種の線速度(A、B)の中間を算出する計算式としては、
平均値である(A+B)/2
ばらつき分布を考慮した2乗平均(A^2*B^2)^(1/2) などを用いる
(2)図7は、印加電圧を加えたときのモータ印可電圧と時間との関係を示した模式図である。図8は、印加電圧を加えた時の一般的に使用されるモータの回転数の立ち上がり特性の一例を示している。また図11は、減速させるための印加電圧を加えたときのモータ印可電圧と時間との関係を示した模式図である。図12は、図11のときのモータの回転数の立ち下がり特性の一例を示した模式図である。
【0028】
図7、8においては、時間とともに加速度が下がっている。とくに高回転域になるにしたがって逆起電圧の影響により加速度の下がり方が大きくなってくる。
【0029】
また、図11、12の立ち下がり特性においても同じく高回転域で逆起電圧の影響により鋭い下降特性を示し、回転数が下がるほど(負の)加速度が小さくなる。
【0030】
光ディスクドライブにおいては性能を有効に活用するためモータの有する特性の高回転領域を使用するのが一般的である。例えばDVD+R 2.4xの場合の目標回転数は、1層メディアなら3792rpmで2層メディアなら4161rpmとなり、その中間(加算/2)は3977rpmとなる。しかし、この回転数付近では上述した理由により回転数上昇加速度よりも減速加速度の方が大きく、図7、8中の中間回転数から2層メディアの回転数までの加速時間T1のほうが、図11、12中の中間回転数から1層メディアの回転数までの減速時間T2よりも大きくなるため、中間周波数を4161rpm寄りに設定すれば、モータ加速でもモータ減速でも目標回転数への推移時間は近くなる。このため判別後の回転数変換時間の差がなくなる。
T1=2*T2であれば、中間周波数は3977+(4161−3977)/2=4069rpmとなる。
【0031】
(3)図9は、入力ウォブルから読み出しクロックを生成するPLL部のVCO特性の一例を示した模式図である。図9のような場合に、例えばDVD+R2.4xの場合のウォブル信号の周波数は1968kHzであるが、目標回転数は、1層メディアなら3792rpmで2層メディアなら4161rpmなので、その中間(加算/2)となる3977rpmで光ディスクを回転させたときの入力されるウォブル信号は、1層メディアなら2064kHzとなり2層メディアなら1880kHzとなる。VCOへの入力周波数は分周期を通るが、簡略的に分周期がない場合を考えると、周波数を下げる下降電圧V2のほうが、周波数を上げる上昇電圧V1よりも大きな値となる。VCO制御電圧の変移に対しての周波数変動の差があるので制御電圧のゲインが一定の場合は応答速度の差となる。よって、中間周波数つまり中間回転数を1880kHz寄りに設定すれば、どちらの周波数へも同等な応答速度となる。V2=2*V1であれば、中間周波数は1968−(1968−1880)/2=1924kHzとなる。
【0032】
このように、2種の線速度(A、B)の中間周波数は計算でえられる数値からその他の応答特性によりずらすことは有利であり、その許容範囲は、(2)(3)の例であれば計算された中間周波数(センター値) から各線速度(A、B)までを±100%とすると±50%程度が妥当である(図10参照)。
【0033】
以上のように、ウォブル信号の検出をダブルレイヤDVD+Rの線速度とシングルレイヤDVD+Rの線速度との間の線速度を用いて行うことで、ダブルレイヤDVD+RとシングルレイヤDVD+Rの両方のディスクのコントロールデータを1回の処理ステップでリードできる。
【0034】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施形態に関する光ディスク装置を搭載したノート型のパーソナルコンピュータを示した模式図。
【図2】本発明の実施形態に関する光ディスク装置の外観の一例を示した模式図。
【図3】図2の光ディスク装置からドロワー部が射出した状態を示した模式図。
【図4】本発明の実施形態に関する光ディスク装置の要部構成を示すブロック図。
【図5】本発明の実施形態に係る光ディスク装置を適用したディスク種別判別方法について説明したフローチャート。
【図6】ダブルレイヤDVD+Rの線速度3.49m/sとシングルレイヤDVD+Rの線速度3.84m/sとの間の帯域を通過させるBPF(B)の特性を示す模式図。
【図7】印加電圧を加えたときのモータ印可電圧と時間との関係を示した模式図。
【図8】印加電圧を加えた時の一般的に使用されるモータの立ち上がり特性の一例を示した模式図。
【図9】入力ウォブルから読み出しクロックを生成するPLL部のVCO特性の一例を示した模式図。
【図10】中間周波数の許容範囲を示した模式図。
【図11】減速させるための印加電圧を加えたときのモータ印可電圧と時間との関係を示した模式図。
【図12】図11のときのモータの回転数の立ち下がり特性の一例を示した模式図。
【符号の説明】
【0036】
10…コンピュータ、11…光ディスク装置、11a…イジェクトボタン、11b…ドロワー部、12…ディスプレイユニット、20…被判別ディスク、21…回転検出機構、22…スピンドルモータ、23…ピックアップ、24…RFアンプ、25…ウォブル復調回路、26…モータードライバ、27…サーボ回路、28…回転制御回路、29…CPU、30…システム制御回路、31…帯域制御回路。
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスク装置に係わり、特に光ディスクの種別を容易に判別することが可能な光ディスク装置およびディスク種別判別方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に光ディスクの種別を判別する場合、例えば、特開2002−230753号公報に開示されているように、読み取ったウォブル信号の周波数によって、光ディスクの種類を判別する。
【特許文献1】特開2002−230753号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した従来の技術においては、光ディスクの種別をDVD+Rであるか否かまで判別することができるが、判別されたDVD+Rがシングルレイヤかダブルレイヤかであるかを判別することができない。
【0004】
本発明の目的は、短時間で容易に光ディスクの種別を判別することができる光ディスク装置およびディスク種別判別方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明の一態様によれば、光ディスクにレーザを照射するレーザ照射手段と、前記レーザ照射手段により読み取ったウォブル信号を検出する検出手段と、前記検出手段により検出されたウォブル信号を入力し、所定の範囲の周波数を通過させるフィルタ手段と、前記フィルタ手段によって通過されたウォブル信号を検出し、このウォブル信号を用いて前記光ディスクの回転制御を行う制御手段と、を具備することを特徴とする光ディスク装置が提供される。
【発明の効果】
【0006】
本発明を用いることにより、短時間で容易に光ディスクの種別を判別することができる光ディスク装置およびディスク種別判別方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
【0008】
図1には、本発明の第1実施形態に係る情報処理装置のシステム構成図が示されている。この情報処理装置は、例えばノートブック型コンピュータ10として実現されている。
【0009】
図1に示すように、コンピュータ10は、コンピュータ本体と、ディスプレイユニット12とから構成されている。ディスプレイユニット12にはLCD(Liquid Crystal Display)からなる表示画面121が組み込まれている。
【0010】
コンピュータ10は、光ディスク装置11等を有している。
【0011】
光ディスク装置11は、イジェクトボタン11aを備えており、図2に示すように、このイジェクトボタン11aを押下する等により、ドロワー部11bが図3に示すように射出される。
【0012】
図4は、本発明に係る光ディスク装置の要部構成を示すブロック図である。
【0013】
光ディスク装置11は、被判別ディスク20(例えば、DVD−R、DVD+R、CD−R等の光ディスク)を読み取るピックアップ23、スピンドルモータ22、ピックアップ23の駆動やスピンドルモータ22を制御するモータードライバ26、被判別ディスク20の回転を検出する回転検出機構21、RFアンプ24、ウォブル復調回路25、帯域制御回路31、サーボ回路27、回転制御回路28、システム制御回路30、CPU29等を備えている。
【0014】
以上のように構成された本発明の実施形態に係る光ディスク装置を適用したディスク種別判別方法について図4および図5のフローチャート、図6〜12を参照して説明する。
【0015】
被判別ディスク(光ディスク)20が光ディスク装置11に装着されると、ピックアップ23の光学機構によりレーザ光を被判別ディスク20に照射する。光ディスクからの反射光は、ピックアップ23内の分割ディテクタにより受光され、RFアンプ24に入力され、各種サーボ信号が生成される。
【0016】
回転制御回路28から出力された回転制御信号は、モータードライバ26を介してスピンドルモータ22を駆動して被判別ディスク20を回転させる。
【0017】
回転検出機構21で検出された被判別ディスク20の回転数誤差信号は、回転制御回路28に入力され、スピンドルモータ22は、回転数誤差信号に基づいてモータードライバ26を介して常に一定速度になるように制御される。
【0018】
RFアンプ24で生成された各種サーボ信号は、サーボ回路27で演算されてモータードライバ26を介してピックアップ23内のアクチュエータを駆動して集光されたレーザ光が被判別ディスク20のピットをトレースするようにフィードバック制御を行う。
【0019】
これらの制御は、CPU29によるシーケンス制御やシステム制御回路30内の回路動作により制御される。
【0020】
次に、ピックアップ23から得られた信号をRFアンプ24で演算されPP(プッシュプル)信号(A)が生成される。さらに、PP信号をRFアンプ24内のBPF(バンド・パス・フィルタ)(B)を通過させることで、特定の周波数帯域の信号を得ることができる。なお、BPF(B)の通過帯域の周波数設定は、帯域制御回路31によって制御される。帯域制御回路31における通過帯域の周波数設定は、CPU29によってシステム制御回路30に通過周波数の設定指示を行う。なお、光ディスクのメディアの種類と回転数により規格化されている。
【0021】
そして、BPF(B)を通過した信号は、ウォブル信号として、ウォブル復調回路25に入力され、復調されて情報信号となる。図6は、ダブルレイヤDVD+Rの線速度3.49m/sとシングルレイヤDVD+Rの線速度3.84m/sとの間の帯域を通過させるBPF(B)の特性を示す模式図である。
【0022】
出力されたウォブル信号は、システム制御回路30を経由し、CPU29によって検出される。検出されたウォブル信号の線速度が、例えば3.49m/sと3.84m/sとの範囲にある速度(中間速度)であるか否かを判別する(図5のステップS101)。ステップS101で、中間速度であると判別された場合は、DVD+Rの仕様と一致しているかを判別する(ステップS102)。ステップS102で、DVD+Rの仕様と一致していると判別されると、被判別ディスク20はDVD+Rメディアであると特定される(ステップS103)。
【0023】
一方、ステップS102で、DVD+Rの仕様と一致していないと判別されると、被判別ディスク20はDVD−R/RWメディアであると特定される(ステップS108)。
【0024】
また、ステップS101で、中間速度でないと判別された場合は(ステップS101のNO)、上述したメディア(DVD+R、DVD−R/RW)以外のメディア(CD−R等)であると特定される(ステップS107)。
【0025】
ステップS103で、被判別ディスク20がDVD+Rメディアであると特定されると、被判別ディスク20からコントロールデータをリードする(ステップS104)。ステップS104でコントロールデータをリードがOKであると、コントロールデータをリードし終了する。一方、ステップS104でコントロールデータのリードがNGであると、リトライを行う(ステップS106)。
【0026】
なお、中間速度は、規格化されているダブルレイヤDVD+Rの線速度とシングルレイヤDVD+Rの線速度との間の線速度を用いたがこれに限定されることはなく、任意に設定することができる。
【0027】
(1)また、上述した中間速度で用いられる2種の線速度(A、B)の中間を算出する計算式としては、
平均値である(A+B)/2
ばらつき分布を考慮した2乗平均(A^2*B^2)^(1/2) などを用いる
(2)図7は、印加電圧を加えたときのモータ印可電圧と時間との関係を示した模式図である。図8は、印加電圧を加えた時の一般的に使用されるモータの回転数の立ち上がり特性の一例を示している。また図11は、減速させるための印加電圧を加えたときのモータ印可電圧と時間との関係を示した模式図である。図12は、図11のときのモータの回転数の立ち下がり特性の一例を示した模式図である。
【0028】
図7、8においては、時間とともに加速度が下がっている。とくに高回転域になるにしたがって逆起電圧の影響により加速度の下がり方が大きくなってくる。
【0029】
また、図11、12の立ち下がり特性においても同じく高回転域で逆起電圧の影響により鋭い下降特性を示し、回転数が下がるほど(負の)加速度が小さくなる。
【0030】
光ディスクドライブにおいては性能を有効に活用するためモータの有する特性の高回転領域を使用するのが一般的である。例えばDVD+R 2.4xの場合の目標回転数は、1層メディアなら3792rpmで2層メディアなら4161rpmとなり、その中間(加算/2)は3977rpmとなる。しかし、この回転数付近では上述した理由により回転数上昇加速度よりも減速加速度の方が大きく、図7、8中の中間回転数から2層メディアの回転数までの加速時間T1のほうが、図11、12中の中間回転数から1層メディアの回転数までの減速時間T2よりも大きくなるため、中間周波数を4161rpm寄りに設定すれば、モータ加速でもモータ減速でも目標回転数への推移時間は近くなる。このため判別後の回転数変換時間の差がなくなる。
T1=2*T2であれば、中間周波数は3977+(4161−3977)/2=4069rpmとなる。
【0031】
(3)図9は、入力ウォブルから読み出しクロックを生成するPLL部のVCO特性の一例を示した模式図である。図9のような場合に、例えばDVD+R2.4xの場合のウォブル信号の周波数は1968kHzであるが、目標回転数は、1層メディアなら3792rpmで2層メディアなら4161rpmなので、その中間(加算/2)となる3977rpmで光ディスクを回転させたときの入力されるウォブル信号は、1層メディアなら2064kHzとなり2層メディアなら1880kHzとなる。VCOへの入力周波数は分周期を通るが、簡略的に分周期がない場合を考えると、周波数を下げる下降電圧V2のほうが、周波数を上げる上昇電圧V1よりも大きな値となる。VCO制御電圧の変移に対しての周波数変動の差があるので制御電圧のゲインが一定の場合は応答速度の差となる。よって、中間周波数つまり中間回転数を1880kHz寄りに設定すれば、どちらの周波数へも同等な応答速度となる。V2=2*V1であれば、中間周波数は1968−(1968−1880)/2=1924kHzとなる。
【0032】
このように、2種の線速度(A、B)の中間周波数は計算でえられる数値からその他の応答特性によりずらすことは有利であり、その許容範囲は、(2)(3)の例であれば計算された中間周波数(センター値) から各線速度(A、B)までを±100%とすると±50%程度が妥当である(図10参照)。
【0033】
以上のように、ウォブル信号の検出をダブルレイヤDVD+Rの線速度とシングルレイヤDVD+Rの線速度との間の線速度を用いて行うことで、ダブルレイヤDVD+RとシングルレイヤDVD+Rの両方のディスクのコントロールデータを1回の処理ステップでリードできる。
【0034】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施形態に関する光ディスク装置を搭載したノート型のパーソナルコンピュータを示した模式図。
【図2】本発明の実施形態に関する光ディスク装置の外観の一例を示した模式図。
【図3】図2の光ディスク装置からドロワー部が射出した状態を示した模式図。
【図4】本発明の実施形態に関する光ディスク装置の要部構成を示すブロック図。
【図5】本発明の実施形態に係る光ディスク装置を適用したディスク種別判別方法について説明したフローチャート。
【図6】ダブルレイヤDVD+Rの線速度3.49m/sとシングルレイヤDVD+Rの線速度3.84m/sとの間の帯域を通過させるBPF(B)の特性を示す模式図。
【図7】印加電圧を加えたときのモータ印可電圧と時間との関係を示した模式図。
【図8】印加電圧を加えた時の一般的に使用されるモータの立ち上がり特性の一例を示した模式図。
【図9】入力ウォブルから読み出しクロックを生成するPLL部のVCO特性の一例を示した模式図。
【図10】中間周波数の許容範囲を示した模式図。
【図11】減速させるための印加電圧を加えたときのモータ印可電圧と時間との関係を示した模式図。
【図12】図11のときのモータの回転数の立ち下がり特性の一例を示した模式図。
【符号の説明】
【0036】
10…コンピュータ、11…光ディスク装置、11a…イジェクトボタン、11b…ドロワー部、12…ディスプレイユニット、20…被判別ディスク、21…回転検出機構、22…スピンドルモータ、23…ピックアップ、24…RFアンプ、25…ウォブル復調回路、26…モータードライバ、27…サーボ回路、28…回転制御回路、29…CPU、30…システム制御回路、31…帯域制御回路。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ディスクにレーザを照射するレーザ照射手段と、
前記レーザ照射手段により読み取ったウォブル信号を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出されたウォブル信号を入力し、所定の範囲の周波数を通過させるフィルタ手段と、
前記フィルタ手段によって通過されたウォブル信号を検出し、このウォブル信号を用いて前記光ディスクの回転制御を行う制御手段と、
を具備することを特徴とする光ディスク装置。
【請求項2】
請求項1に記載の光ディスク装置において、
前記フィルタ手段は、ダブルレイヤDVD+Rの線速度とシングルレイヤDVD+Rの線速度との間の線速度を通過させることを特徴とする光ディスク装置。
【請求項3】
請求項2に記載の光ディスク装置において、
前記フィルタ手段は、線速度3.84m/sから線速度3.49m/sの間の線速度を通過させることを特徴とする光ディスク装置。
【請求項4】
光ディスクにレーザを照射するレーザ照射手段と、前記レーザ照射手段により読み取ったウォブル信号を検出する検出手段と、前記検出手段により検出されたウォブル信号を入力し、所定の範囲の周波数を通過させるフィルタ手段とを備えた光ディスク装置であって、
前記フィルタ手段によって通過されたウォブル信号を検出し、このウォブル信号を用いて前記光ディスクの回転制御を行うことを特徴とするディスク種別判別方法。
【請求項5】
請求項4に記載のディスク種別判別方法において、
前記フィルタ手段は、ダブルレイヤDVD+Rの線速度とシングルレイヤDVD+Rの線速度との間の線速度を通過させることを特徴とするディスク種別判別方法。
【請求項6】
請求項5に記載のディスク種別判別方法において、
前記フィルタ手段は、線速度3.84m/sから線速度3.49m/sの間の線速度を通過させることを特徴とするディスク種別判別方法。
【請求項1】
光ディスクにレーザを照射するレーザ照射手段と、
前記レーザ照射手段により読み取ったウォブル信号を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出されたウォブル信号を入力し、所定の範囲の周波数を通過させるフィルタ手段と、
前記フィルタ手段によって通過されたウォブル信号を検出し、このウォブル信号を用いて前記光ディスクの回転制御を行う制御手段と、
を具備することを特徴とする光ディスク装置。
【請求項2】
請求項1に記載の光ディスク装置において、
前記フィルタ手段は、ダブルレイヤDVD+Rの線速度とシングルレイヤDVD+Rの線速度との間の線速度を通過させることを特徴とする光ディスク装置。
【請求項3】
請求項2に記載の光ディスク装置において、
前記フィルタ手段は、線速度3.84m/sから線速度3.49m/sの間の線速度を通過させることを特徴とする光ディスク装置。
【請求項4】
光ディスクにレーザを照射するレーザ照射手段と、前記レーザ照射手段により読み取ったウォブル信号を検出する検出手段と、前記検出手段により検出されたウォブル信号を入力し、所定の範囲の周波数を通過させるフィルタ手段とを備えた光ディスク装置であって、
前記フィルタ手段によって通過されたウォブル信号を検出し、このウォブル信号を用いて前記光ディスクの回転制御を行うことを特徴とするディスク種別判別方法。
【請求項5】
請求項4に記載のディスク種別判別方法において、
前記フィルタ手段は、ダブルレイヤDVD+Rの線速度とシングルレイヤDVD+Rの線速度との間の線速度を通過させることを特徴とするディスク種別判別方法。
【請求項6】
請求項5に記載のディスク種別判別方法において、
前記フィルタ手段は、線速度3.84m/sから線速度3.49m/sの間の線速度を通過させることを特徴とするディスク種別判別方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−273046(P2007−273046A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−100080(P2006−100080)
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【出願人】(504224854)東芝サムスン ストレージ・テクノロジー株式会社 (74)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【出願人】(504224854)東芝サムスン ストレージ・テクノロジー株式会社 (74)
【Fターム(参考)】
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