説明

光ディスク装置のオフトラック救済処理方法及び光ディスク装置

【課題】光ディスクに光を照射して、光ディスクのトラックの情報を読み取る光ディスク装置に関し、オフトラック検出により、オフトラック検出条件の緩和をオフトラックの発生箇所により制御する。
【解決手段】コントローラ(20)が、オフトラック発生時に、オフトラック発生箇所を検出する処理(20−2)と、同一箇所でオフトラックが連続したことを検出し、欠陥(ごみ、傷)と判断する欠陥判断処理(20−1)を実行し、リード動作の場合は、オフトラック検出処理(22−1)の検出条件を緩和する。逆に、同一箇所でオフトラックが連続しない場合には、欠陥でないと判断し、オフトラック検出条件は緩和しない。シーク直後の突発的なオフトラックと、欠陥によるオフトラックを判別でき、突発的なオフトラックが連続しても、隣接トラックへの移動を防止し、且つ欠陥に対し適切なオフトラック救済処理を実現できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスク媒体からの反射光から検出したトラックエラー信号の媒体欠陥によるオフトラックエラーの発生を救済するための光ディスク装置のオフトラック救済処理方法及び光ディスク装置に関し、特に、トラックエラー信号から欠陥か否かを検出する光ディスク装置のオフトラック救済処理方法及び光ディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光学記憶技術の進展により、光学記憶ディスクを使用した光ディスク装置が、コンパクトディスク(CD)装置、DVD(Digital Versatile Disk)装置、光磁気ディスク(MO)装置等により、広く利用されている。
【0003】
このような光ディスク装置では、光学ヘッドから光を光ディスクに照射し、その反射光を光検出器で受光して、読み取りを行うとともに、反射光から照射光のフォーカス位置ずれFESと、トラック位置ずれTESとを検出する。
【0004】
図20に示すように、光ディスク1000には、渦巻き状又は同芯円状のトラック1002が形成されており、照射光を記録面に合焦点し、トラック位置に位置付けることが、良好な読み取り、書き込みに有効である。
【0005】
このため、光学ヘッドの対物レンズを、検出したフォーカス位置ずれFESに応じて、合焦点に制御するフォーカス制御機構と、検出したトラック位置ずれTESに応じて、トラック位置に制御するトラック制御機構とが設けられている。
【0006】
この内、トラックエラー信号TESにより、光ビームのトラック1002に対するトラック横断方向の位置ずれを検出する。このトラックエラー信号TESが、所定のオフトラックスライス以上であると、オフトラック(いわゆるトラック外れ)と判定し、オフトラックに対する救済処置を実行している。
【0007】
図21は、従来のオフトラック救済処置を含むデータリード処理フロー図である。図20も参照して、図21の処理を説明する。先ず、リード対象の目的セクタ付近(トラック)にヘッドをシークし(S1),目的セクタ1100まで、オントラック状態で、回転待ちし(S2),目的セクタ1100のリードを開始する(S3)。この間に、トラックエラー信号TESのレベルが、所定の閾値を超えたか(オフトラックが発生したか)を検出し、オフトラックが発生していないと、正常終了とする(S4)。
【0008】
一方、オフトラックが発生したことを検出すると、オフトラック発生回数が、そのリード動作で規定回数以上かを判定し、規定回数以上なら、異常終了する(S5)。逆に、オフトラック発生回数が、規定回数以上でない場合には、欠陥(ごみや傷)である可能性が高い。このため、欠陥救済モードを実行する。欠陥救済モードは、例えば、トラックエラー信号TESによるオフトラックの発生をある程度無視するように、オフトラック検出条件を緩和する(例えば、オフトラック検出閾値を高くする)。
【0009】
先ず、オフトラック発生回数が、欠陥救済モードの有効閾値以上かを判定する。この有効閾値は、前述の異常終了の閾値より小さく、異常終了する前の段階を検出するためのものである。閾値以上でない場合には、欠陥救済モードを実行しないで、リトライシークのため、ステップS1に戻る(S6)。
【0010】
一方、閾値以上である場合には、欠陥救済モードを実行する。即ち、オフトラック検出条件を緩和し、リトライシークのため、ステップS1に戻る(S7)。
【0011】
このように、従来は、オフトラックが発生した時に、特に欠陥があるか否かに関係なく、オフトラックが連続的に発生した場合に、規定のレベルまでオフトラック検出条件を緩和する欠陥箇所救済処理を行い、リトライ制御していた。例えば、この欠陥救済モードへの検出のため、全信号を使用することが提案されている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】日本国特許第3,635,815号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、近年、光ディスク装置の小型化、低価格化に伴い、光学ヘッドを移動するアクチュエータに、トラックアクチュエータとシーク移動するアクチュエータを兼ねたシングルアクチュエータを適用する装置が、利用されている。
【0013】
このような光ディスク装置で、高密度な位置決めと、高速なシーク処理による高速動作を行う場合には、シークして、所望のトラックに位置付け直後に、光学ヘッドのレンズが振動し、この振動が残留することがある。このため、シーク直後に、突発的なトラック外れが多発する状況が生じるおそれがある。
【0014】
このため、従来のように、シーク直後の外部振動を受けやすい状態で、オフトラックが連続的に発生した場合に、規定のレベルまでオフトラック検出条件を緩和する欠陥箇所救済処理を行うと、実際の欠陥でもないのに、オフトラックのマージンが増加し、光ビームが、隣接トラックに移動しても、これを検出できないという事態が生じる。
【0015】
特に、可換媒体である光ディスクでは、媒体に、ごみや傷が比較的生じやすく、その対策が要求される。
【0016】
従って、本発明の目的は、オフトラックが連続的に発生しても、それが、突発的な原因か、欠陥による原因かを判定し、オフトラック救済処理を実行するための光ディスク装置のオフトラック救済処理方法及び光ディスク装置を提供することにある。
【0017】
又、本発明の他の目的は、突発的なオフトラックが連続しても、隣接トラックへの移動を防止し、且つ欠陥に対しオフトラック救済処理するための光ディスク装置のオフトラック救済処理方法及び光ディスク装置を提供することにある。
【0018】
更に、本発明の他の目的は、高速シークしても、適切なオフトラック救済処理を実行し、データの安全性や信頼性を向上するための光ディスク装置のオフトラック救済処理方法及び光ディスク装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
この目的の達成のため、本発明は、光ディスクのトラックの情報を少なくとも読み取る光ディスク装置において、前記光ディスクに光を照射し、且つ前記光ディスクからの光を受光し、前記光ディスクのトラック横断方向に移動する光学ヘッドと、前記光ディスクを回転するスピンドルモータと、前記光学ヘッドから、前記光ディスクからの光から作成したトラックエラー信号に従い、前記光学ヘッドの位置を制御するとともに、前記トラックエラー信号からオフトラックを検出するサーボコントローラと、前記オフトラック通知に応じて、前記オフトラックの検出条件を緩和するコントローラとを有し、前記コントローラは、前記オフトラック検出に応じて、前記オフトラックが発生した前記光ディスクの回転位置を監視し、前記回転位置の監視により、前記オフトラックが同一の回転位置で複数回発生したことを検出し、前記オフトラック検出条件を緩和する。
【0020】
又、本発明は、光ディスクに光を照射し、且つ前記光ディスクからの光を受光し、前記光ディスクのトラックの情報を少なくとも読み取る光学ヘッドを、前記トラック横断方向に移動して、目的セクタのトラックへシークするステップと、前記光学ヘッドから、前記光ディスクからの光から作成したトラックエラー信号からオフトラックを検出するステップと、前記オフトラック検出に応じて、前記オフトラックが発生した前記光ディスクの回転位置を監視するステップと、前記回転位置の監視により、前記オフトラックが同一の回転位置で複数回発生したことを検出し、前記オフトラック検出条件を緩和するステップとを有する。
【0021】
更に、本発明では、好ましくは、前記コントローラは、前記光学ヘッドからの読み取り信号に含まれるセクターのIDから前記オフトラックが発生した前記光ディスクの回転位置を監視する。
【0022】
更に、本発明では、好ましくは、前記コントローラは、前記スピンドルモータの回転位置から前記オフトラックが発生した前記光ディスクの回転位置を監視する。
【0023】
更に、本発明では、好ましくは、前記コントローラは、前記オフトラックが同一の回転位置で複数回連続して発生したことを検出し、前記オフトラック検出条件を緩和する。
【0024】
更に、本発明では、好ましくは、前記コントローラは、前記オフトラックの発生回数と、前記オフトラックが同一の回転位置で発生した回数との割合が、規定値異常であることを検出し、前記オフトラック検出条件を緩和する。
【0025】
更に、本発明では、好ましくは、前記コントローラは、前記オフトラック検出に応じて、前記光学ヘッドをリトライシークする。
【0026】
更に、本発明では、好ましくは、前記コントローラは、前記オフトラック検出に応じて、前記光学ヘッドを目的セクタのトラックの目標位置を変更して、前記リトライシークする。
【0027】
更に、本発明では、好ましくは、前記コントローラは、前記オフトラック検出に応じて、前記光学ヘッドを他のトラックへシークし、規定時間待って、前記目的セクタのトラックへリトライシークする。
【0028】
更に、本発明では、好ましくは、前記コントローラは、前記オフトラック検出に応じて、前記光学ヘッドを他のトラックへシークした後、前記目的セクタのトラックへリトライシークし、前記目的セクタの直前まで、前記オフトラック検出を無効とする。
【0029】
更に、本発明では、好ましくは、前記コントローラは、前記オフトラック検出に応じて、前記オフトラックが発生した前記光ディスクの回転位置を監視し、前記オフトラック発生回数が、規定回数以上である場合に、前記回転位置の監視により、前記オフトラックが同一の回転位置で複数回発生したことを検出し、前記オフトラック検出条件を緩和する。
【発明の効果】
【0030】
本発明では、オフトラック発生時に、オフトラック発生箇所を調べ、同一箇所でオフトラックが連続したことを検出し、欠陥(ごみ、傷など)と判断し、リード動作の場合は、オフトラック検出条件を緩和する。逆に、同一箇所でオフトラックが連続しない場合には、欠陥でないと判断し、オフトラック検出条件は緩和しない。
【0031】
このため、シーク直後の突発的なオフトラックと、欠陥によるオフトラックを判別でき、突発的なオフトラックが連続しても、隣接トラックへの移動を防止し、且つ欠陥に対し適切なオフトラック救済処理を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明の実施の形態を、光ディスク装置、オフトラック救済処理機構、オフトラック救済処理の第1の実施の形態、他のオフトラック救済処理機構、オフトラック救済処理の第2の実施の形態、オフトラック救済処理の第3の実施の形態、他の実施の形態の順で説明するが、本発明は、この実施の形態に限られない。
【0033】
**光ディスク装置**
図1は、本発明の光ディスク装置の一実施の形態のブロック図であり、図1は、光ディスク装置として、光磁気ディスク装置を示す。図1に示すように、光磁気ディスク装置には、光磁気ディスクカートリッジ10が、図示しないスロットから挿入される。この光磁気ディスクカートリッジ10は、例えば、3.5インチのディスクである。
【0034】
スピンドルモータ12は、光磁気ディスク(以下MOという)10を回転する。モータ回転角センサ16は、スピンドルモータ12の回転角を検出する。移動光学系である光学ヘッド14は、図示しないステップモータ等のアクチュエータを含み、MO10の半径方向に移動する。
【0035】
又、光学ヘッド(キャリッジという)14は、対物レンズ13と、対物レンズ13をフォーカス方向(図の上下方向の矢印で示す)に駆動するフォーカスアクチュエータ(図示せず)を有する。
【0036】
更に、固定光学系(LD&Detector)15には、図2で説明する発光源であるレーザダイオードと、光検出器15−1,15−2と、レーザダイオードの光をキャリッジ14に入射し、且つMO10からの対物レンズ13を介する反射光を光検出器15−1,15−2に導く光学系とを有する。
【0037】
ライト回路(LSI)25は、固定光学系15のレーザダイオード(LD)駆動電流を、リード/ライト/イレーズに応じて、変化するとともに、ライト時には、LD駆動電流をライトデータで変調する。又、ライト回路25は、レーザダイオードの出力をモニターし、APC(Auto Power Control)する。
【0038】
リード回路(LSI)26は、光検出器15−1の出力からID信号を識別し、MO信号(リードデータ)をデータ形式に調整する。ODC(Optical Drive Controller)回路(LSI)24は、上位インタフェース制御を行うとともに、RAM(Random Access Memory)27を利用して、上位とライト/リード回路25、26とのライトデータ/リードデータの同期制御を行う。
【0039】
MPU(Micro Processor Unit)20は、装置全体の制御を行うものであり、この実施の形態では、オフトラック救済処理を行う。不揮発性メモリ21は、MPU20の処理に必要なプログラム、データ、テーブル21−1を格納するものでは、この実施の形態では、オフトラック位置検出用テーブル21−1を格納する。又、RAM27は、オフトラック発生回数等を記憶する。
【0040】
DSP(Digital Signal Processor)22は、ステップモータ、スピンドルモータ12、フォーカスアクチュエータのサーボ制御を行うものであり、モータ回転角センサ16の検出角に応じて、スピンドルモータ12を回転制御し、光検出器15−2からのフォーカスエラー信号FESに応じて、フォーカスサーボ制御を行い、ドライバ23を介しフォーカスアクチュエータを制御する。
【0041】
又、DSP22は、後述するように、光検出器15−2からのトラックエラー信号TESからオフトラック検出(図2の22−1で後述する)を行うとともに、トラックエラー信号TESに応じて、トラックサーボ制御を行い、ドライバ23を介しキャリッジ14のアクチュエータ(ステップモータ)を制御する。
【0042】
メインバス28は、MPU20,RAM27,ODC24,DSP22,不揮発性メモリ21を接続する。また、サブバス29は、MPU20,ライト回路25、リード回路26を接続する。
【0043】
次に、固定光学系15と、移動光学系14の動作を説明する。固定光学系15のレーザダイオードからの光は、コリメータレンズで並行光に変換され、ビームスプリッタで分離され、移動光学系14に入射する。移動光学系14では、立ち上げミラーを介し対物レンズ13に入射し、対物レンズ13を介し、MO10を照射する。
【0044】
固定光学系15に設けられたAPC用光ディテクタは、ビームスプリッタを介し、レーザダイオードの光を受光し、LDモニター電流を、ライト回路25に出力する。
【0045】
一方、MO10からの反射光は、対物レンズ13に入射し、立ち上げミラーを介し、固定光学系15に入射する。固定光学系15では、ビームスプリッタ、レンズユニットを介し、光検出器15−1,15−2に入射する。光検出器15−1,15−2は、周知の4分割されたディテクタで構成されており、周知の演算により、フォーカスエラー信号FES,トラックエラー信号TES,全信号MOを出力する。
【0046】
本発明の実施の形態では、図2以下で説明するMPU20に設けられたオフトラック救済処理により、オフトラック発生箇所(位置)を識別し、同一箇所で複数回オフトラックが検出する場合に、そこに欠陥があると判断して、オフトラック検出条件を緩和する。
【0047】
**オフトラック救済機構**
図2は、図1のオフトラック救済機構のブロック図、図3は、図2のID−回転角変換処理のブロック図、図4は、図2のオフトラック検出部のブロック図、図5は、図2の欠陥判断部のブロック図、図6は、図2の他の欠陥判断部のブロック図である。
【0048】
図2に示すように、第2の光検出器15−2は、サーボディテクタとして機能する。トラックエラー信号作成回路15−3は、固定光学系15に設けられ、この第2の光検出器(以下、サーボディテクタという)15−2の検出信号から周知の演算により、トラックエラー信号TESを作成する。このトラックエラー信号TESは、DSP22に入力し、図4で説明するオフトラック検出処理22−1に利用される。
【0049】
第1の光検出器15−1は、ID/MOディテクタとして機能し、全信号を出力する。一方、ID信号作成回路26−1とID信号復号回路26−2は、リード回路26内に設けられる。ID信号作成部26−1は、第1の光検出器15−1からID信号(セクターID信号)を作成する。又、ID信号復号回路26−2は、作成されたID信号を復号し、ID(トラック番号とセクター番号)を出力する。
【0050】
ID−回転角変換処理20−2と欠陥判断処理20−1は、MPU20が実行する。ID−回転角変換処理20−2は、図3で説明するように、オフトラック発生時に、ID信号復号回路26−2から通知されたIDを、ディスクのオフトラック発生回転角と、1セクタ相当の回転角に変換する。
【0051】
欠陥判断処理20−1は、オフトラック発生時に、ID−回転角変換処理20−2からの通知された回転角から、オフトラックが同一箇所で複数回検出されたかを判定し、欠陥か否かを判断する。この欠陥判断処理20−1は、図5及び図6で後述する。
【0052】
オフトラック検出処理22−1は、DSP22が実行する。オフトラック検出処理22−1は、トラックエラー信号TESをオフトラック検出条件で検出するとともに、オフトラックを検出した時に、欠陥判断処理20−1、ID信号復号回路26−2に、オフトラック発生を通知する。又、オフトラック検出処理22−1は、欠陥判断処理20−1からの欠陥救済モード指示に応じて、オフトラック検出条件を変更する。このオフトラック検出処理22−1は、図4で後述する。
【0053】
次に、図3により、ID−回転角変換処理20−2を説明する。図3は、ディスクを半径方向に、複数のゾーンに分割し、各ゾーンの1トラックのセクタ数が異なるフォーマットを例に示す。先ず、不揮発性メモリ21に、テーブル21−1を用意する。
【0054】
テーブル21−1は、各ゾーン番号と、そのゾーンの先頭トラック番号と、そのゾーンの1周(1トラック)のセクタ数とを格納する。ID−回転角変換処理20−2では、先ず、テーブル参照処理200が、オフトラック発生時のID(トラック番号)で、テーブル21−1を参照して、そのトラック番号の属するゾーンの先頭トラック番号と、そのトラック番号の属する1周のセクタ数S1を得る。
【0055】
回転角計算処理202は、オフトラック発生時のID(トラック番号とセクタ番号)と、ゾーンの先頭トラック番号と、そのトラック番号の属する1周のセクタ数S1とから、オフトラック発生時のIDを、そのゾーンの先頭からのセクタ数に変換する。そして、回転角計算処理202は、その変換されたセクタ数を、1周のセクタ数で割り算し、割り算の余りで、ディスク1周の基準位置からのセクタ数S2を得る。尚、割り算の商は、トラック本数である。
【0056】
回転角計算処理202は、オフトラック発生回転角A1を、下記式(1)で計算し、1セクタ相当の回転角A2を、下記(2)式で計算する。
【0057】
A1=S2/S1×360° (1)
A2=1/S1×360° (2)
このようにして、オフトラックが発生したセクタの回転角A1と、そのセクタの1セクタ当たりの回転角A2を、オフトラック発生時のIDから求める。
【0058】
次に、図4を参照して、図2のオフトラック検出処理22−1の処理を説明する。オフトラック検出処理22−1では、2つの条件で、オフトラックを検出する。即ち、トラックエラー信号(デジタル変換値)TESが、オフトラックレベル閾値を超えているかを判定するレベル比較処理222と、レベル比較で、オフトラックと判定されたフィルター前オフトラック信号を所定のオフトラックフィルター閾値で、フィルターするフィルター・ラッチ処理224とである。このフィルター・ラッチ処理224は、フィルター前オフトラック信号の時間幅が所定のオフトラックフィルター閾値を超えている場合に、オフトラック発生通知を行い、超えていない場合には、フィルター前オフトラック信号を無視し、オフトラック発生通知を行わない。
【0059】
このオフトラック検出処理22−1は、更に、欠陥救済モード指示に応じて、オフトラックレベル閾値と、オフトラックフィルター閾値とを変更するオフトラック閾値切り替え処理220を有する。例えば、欠陥救済モード指示がオンである場合には、オフトラックレベル閾値とオフトラックフィルター閾値とを大きくして、オフトラック検出条件を緩和する。
【0060】
次に、図2の欠陥判断処理20−1を、図5で説明する。図5に示すように、欠陥判断処理20−1は、オフトラック検出処理22−1からオフトラック発生通知を受けると、ID−回転角変換処理20−2からオフトラック回転角A1と1セクタ相当回転角A2を読み出す。
【0061】
欠陥判断処理20−1は、オフトラック発生通知を受けると、初回目のオフトラック発生かを判定し、初回目なら、読み出した回転角A1を、メモリ27のオフトラック発生回転角記憶域27−1に記憶し、且つメモリ27の回転角一致回数記憶域27−2を初期化(例えば、ゼロリセット)する(S10)。
【0062】
逆に、オフトラック発生が初回目でないと判定すると、メモリ27のオフトラック発生回転角記憶域27−1の初回の回転角A1(1)と、今回読み取ったオフトラック発生回転角A1(n)とを比較し、今回読み出したオフトラック回転角A1(n)が、初回の回転角A(1)±A2(1セクタ相当回転角)の範囲内かを判定する。ここで、±1セクタ相当回転角の範囲としたのは、検出マージンを持たせるためである。そして、今回読み出したオフトラック回転角A1(n)が、初回の回転角A(1)±A2(1セクタ相当回転角)の範囲内でなければ、同一箇所でのオフトラックの発生でないと判断して、今回読み出した回転角A1(n)を、メモリ27のオフトラック発生回転角記憶域27−1に記憶し、且つメモリ27の回転角一致回数記憶域27−2を初期化(例えば、ゼロリセット)する(S12)。
【0063】
逆に、今回読み出したオフトラック回転角A1(n)が、記憶された回転角A(1)±A2(1セクタ相当回転角)の範囲内であれば、同一箇所でのオフトラックの発生と判断し、メモリ27の回転角一致回数記憶域27−2の一致回数が、規定回数(例えば、10回程度)以上かを判定する。規定回数以上でないと、メモリ27の回転角一致回数記憶域27−2の一致回数を「1」インクリメントする。一方、規定回数以上であれば、欠陥救済モードを指示する(S14)。
【0064】
このように、オフトラック発生時に、オフトラック発生箇所を調べ、同一箇所でオフトラックが連続したことを検出し、欠陥(ごみ、傷、劣化など)と判断する。そして、リード動作の場合は、オフトラック検出処理22−1に欠陥救済モードを指示し、オフトラック検出条件を緩和する。逆に、同一箇所でオフトラックが連続しない場合には、欠陥でないと判断し、オフトラック検出条件は緩和しない。
【0065】
次に、図2の欠陥判断処理20−1の他の実施の形態を、図6で説明する。図6は、一致回数のみならず、一致回数の割合で判断するものである。図6に示すように、欠陥判断処理20−1は、オフトラック検出処理22−1からオフトラック発生通知を受けると、ID−回転角変換処理20−2からオフトラック回転角A1と1セクタ相当回転角A2を読み出す。
【0066】
欠陥判断処理20−1は、オフトラック発生通知を受けると、初回目のオフトラック発生かを判定し、初回目なら、読み出した回転角A1を、メモリ27のオフトラック発生回転角記憶域27−1に記憶し、且つメモリ27の回転角一致回数記憶域27−2、オフトラック発生回数記憶域27−3を初期化(例えば、ゼロリセット)する(S20)。
【0067】
逆に、オフトラック発生が初回目でないと判定すると、メモリ27のオフトラック発生回数を「1」インクリメントする(S22)。次に、オフトラック発生回転角記憶域27−1の初回の回転角A1(1)と、今回読み取ったオフトラック発生回転角A1(n)とを比較し、今回読み出したオフトラック回転角A1(n)が、初回の回転角A(1)±A2(1セクタ相当回転角)の範囲内かを判定する。ここで、±1セクタ相当回転角の範囲としたのは、検出マージンを持たせるためである。そして、今回読み出したオフトラック回転角A1(n)が、初回の回転角A(1)±A2(1セクタ相当回転角)の範囲内でなければ、同一箇所でのオフトラックの発生でないと判断して、無視する(S24)。
【0068】
逆に、今回読み出したオフトラック回転角A1(n)が、記憶された回転角A(1)±A2(1セクタ相当回転角)の範囲内であれば、同一箇所でのオフトラックの発生と判断し、メモリ27の回転角一致回数記憶域27−2の一致回数を「1」インクリメントする(S26)。
【0069】
そして、メモリ27のオフトラック発生回数が規定回数(例えば、10回)以上かを判定する。オフトラック発生回数が規定回数以上でなければ、欠陥救済モードの処理を行わない。逆に、オフトラック発生回数が規定回数以上であれば、回転角一致回数記憶域27−2の一致回数を、メモリ27のオフトラック発生回数で割り、オフトラック発生回数に対する一致回数の割合を計算する。この一致回数の割合が、規定値(例えば、90%)以上かを判定する。規定値以上でないと、欠陥救済モードの処理を行わない。一方、規定値以上であれば、欠陥救済モードを指示する(S28)。
【0070】
このように、オフトラック発生時に、オフトラック発生箇所を調べ、同一箇所でオフトラックが頻発したことを、オフトラック発生回数に対する割合で検出し、欠陥(ごみ、傷など)と判断する。そして、リード動作の場合は、オフトラック検出処理22−1に欠陥救済モードを指示し、オフトラック検出条件を緩和する。逆に、同一箇所でオフトラックが頻発しない場合には、欠陥でないと判断し、オフトラック検出条件は緩和しない。
【0071】
**オフトラック救済処理の第1の実施の形態**
次に、MPU20が実行するオフトラック救済処理を説明する。図7は、本発明の第1の実施の形態のオフトラック救済処理フロー図、図8乃至図10は、その動作説明図、図11は、その救済処理のタイムチャート図である。
【0072】
以下、図8乃至図11を参照して、図7の処理を説明する。
【0073】
(S30)MPU20は、DSP22へリード対象の目的セクタ付近(トラック)にキャリッジ14をシークするコマンドを発行する。DSP22は、周知のシーク制御により、セクターIDから現在位置を検出して、目標位置と現在位置との位置誤差で、キャリッジ14をシーク制御する。
【0074】
(S32)DSP22は,セクターIDから、目標位置(図8の目的セクタ102のトラック100)に到達したこと検出すると、MPU20は、キャリッジ14の光ビームを、オントラック状態で、回転待ちする。
【0075】
(S34)MPU20は、リード回路26を介し,目的セクタ102のリードを開始する。リードデータは、リード回路26からRAM27へ転送される。
【0076】
(S36)この間に、DSP22は、オフトラック検出処理22−1により、トラックエラー信号TESのレベルが、所定の閾値を超えたか(オフトラックが発生したか)を検出する。MPU20は、DSP22から、オフトラックが発生していないと、正常終了とする。この場合、ODC回路24は、ホストへRAM27のデータを転送する。
【0077】
(S38)一方、リード対象セクタ102のリード中に、DSP22は、オフトラックが発生したことを検出すると、MPU20に通知する。MPU20は、オフトラック発生回数をカウントしており、オフトラック発生回数が、そのリード動作で規定回数以上かを判定する。オフトラック発生回数が、規定回数(例えば、16回)以上なら、異常終了する。
【0078】
(S40)逆に、MPU20は、オフトラック発生回数が、規定回数以上でない場合には、欠陥(ごみや傷)である可能性が高い。先ず、オフトラック発生回数が、欠陥救済モードの有効閾値(例えば、10回)以上かを判定する。この有効閾値は、前述の異常終了の閾値より小さく、異常終了する前の段階を検出するためのものである。有効閾値以上でない場合には、欠陥救済モードを実行しないで、リトライシークのため、ステップS30に戻り、図8乃至図10のように、一旦別のトラックに移動し、再度目的セクタのトラックにシークする。
【0079】
(S42)一方、MPU20は、有効閾値以上である場合には、図5及び図6で説明したように、欠陥判断処理20−1により、そのオフトラック発生箇所(回転位置)で、オフトラックが連続又は頻発しているかを判定し、オフトラックの原因が、欠陥かを判断する。MPU20は、欠陥判断処理20−1で欠陥でないと判定すると、欠陥救済モードを実行しないで、リトライシークのため、ステップS30に戻り、図8乃至図10のように、一旦別のトラックに移動し、再度目的セクタのトラックにシークする。逆に、欠陥判断処理20−1で欠陥と判断すると、DSP22のオフトラック検出処理22−1に欠陥救済モードを指示し、オフトラック検出条件を緩和し、リトライシークのため、ステップS30に戻る。
【0080】
図9は、欠陥と判断する場合の説明図、図10は、欠陥と判断しない場合の説明図である。図9に示すように、初回シークで、目的セクタをリードするため、トラック追従中に、オフトラックを検出すると、そのオフトラック発生箇所を検出し、記憶する。2回目、3回目、n回目のリトライシークで、目的セクタをリードするため、トラック追従中に、オフトラックを検出すると、そのオフトラック発生箇所を検出し、同一箇所で、オフトラックが連続している場合に、欠陥と判断する。
【0081】
一方、図10に示すように、初回シークで、目的セクタをリードするため、トラック追従中に、オフトラックを検出すると、そのオフトラック発生箇所を検出し、記憶する。2回目以降のリトライシークで、目的セクタをリードするため、トラック追従中に、オフトラックを検出すると、そのオフトラック発生箇所を検出し、初回の位置と比較し、位置がずれているため、欠陥でないと判断する。
【0082】
図10のような状態の原因としては、例えば、キャリッジ14のシーク終了後でも、キャリッジ14に残留振動が残る場合や、外部から振動を受けた場合である。この場合、シーク直後の突発的なトラック外れであり、このような場合に、オフトラック検出条件を緩和することは、光ビームが隣接トラックに移動する可能性があり、良好に、目的セクタのトラック追従動作を実行できないおそれがある。
【0083】
一方、図9のように、オフトラックが同一箇所で、頻発又は連続する場合には、オフトラックの原因は、突発的なものではなく、欠陥による恒久的なものと考えられる。このため、オフトラック検出条件を緩和し、リトライすることにより、リード動作を継続できる。
【0084】
図11は、通常モードと欠陥モードのオフトラック検出タイムチャート図である。図11のようなトラックエラー信号TESに対し、図4のレベル比較処理222で、オフトラックレベル閾値と比較し、トラックエラー信号TESが、レベル閾値を越えると、フィルター前オフトラック信号をハイとする。図4のフィルタ・ラッチ処理224は、そのオフトラック信号のハイの期間をカウントし、フィルタ閾値を超えると、オフトラック信号をハイとする。
【0085】
通常モードでは、低いフィルター閾値FLに設定しておき、欠陥救済モードが指示されると、図4のオフトラック閾値切り替え処理200が、高いオフトラックフィルター閾値FHに切り替える。このため、図11に示すように、通常モードでは、オフトラック発生通知信号がハイとなっても、欠陥モードでは、オフトラック発生通知信号がハイとならない。
【0086】
トラックエラー信号TESが、レベル閾値を越える期間が長いと、隣接トラックへ移動したり、リードエラーが発生してしまう可能性が高い。この実施の形態では、フィルター閾値を変えることにより、欠陥であっても、隣接トラックへの移動やリードエラーを防止して、リード動作を継続できる。
【0087】
この低いフィルター閾値FLは、少々の振動でも、安定なトラック追従性を維持できる値に設定され、高いフィルター閾値FHは、隣接トラックへ移動したり、リードエラーが発生しない値に設定することが望ましい。
【0088】
**他のオフトラック救済機構**
図12は、図1の他のオフトラック救済機構のブロック図、図13は、図12のオフトラック発生時間−回転角変換処理のブロック図、図14は、図12の欠陥判断部のブロック図、図15は、図12の他の欠陥判断部のブロック図である。
【0089】
図12において、図2乃至図4で示したものと同一のものは、同一の記号で示してある。図12に示すように、トラックエラー信号作成回路15−3は、固定光学系15に設けられ、この第2の光検出器(以下、サーボディテクタという)15−2の検出信号から周知の演算により、トラックエラー信号TESを作成する。このトラックエラー信号TESは、DSP22に入力し、図4で説明したオフトラック検出処理22−1に利用される。
【0090】
図1のスピンドルモータ12の回転を検出する回転検出器16は、回転を検出し、回転速度に応じたFGパルスを発生する。例えば、回転位置の分解能は、1000である。DSP22の分周回路22−3は、FGパルスを分周して、1回転で、1パルスを出力する。DSP22の経過時間測定回路22−2は、分周回路22−3からの1回転パルスを受け、タイマーをスタートさせ、オフトラック検出回路22−1からオフトラック発生通知を受けると、その時のタイマー値を、オフトラック発生時間として、通知する。
【0091】
オフトラック発生時間−回転角変換処理20−3と欠陥判断処理20−1は、MPU20が実行する。オフトラック発生時間−回転角変換処理20−3は、図13に示すように、ディスク10の1周の回転時間をR1とすると、オフトラック発生時間R2から、下記(3)式で、オフトラック発生回転角A1を計算する。
【0092】
A1=R2/R1×360° (3)
欠陥判断処理20−1Aは、オフトラック発生通知時に、オフトラック発生時間−回転角変換処理20−3からの通知された回転角から、オフトラックが同一箇所で複数回検出されたかを判定し、欠陥か否かを判断する。この欠陥判断処理20−1Aは、図5及び図6で後述する。
【0093】
オフトラック検出処理22−1は、図4で説明したように、トラックエラー信号TESをオフトラック検出条件で検出するとともに、オフトラックを検出した時に、欠陥判断処理20−1A、経過時間測定処理22−2に、オフトラック発生を通知する。又、オフトラック検出処理22−1は、欠陥判断処理20−1からの欠陥救済モード指示に応じて、オフトラック検出条件を変更する。
【0094】
次に、図12の欠陥判断処理20−1Aを、図14で説明する。図14に示すように、欠陥判断処理20−1Aは、オフトラック検出処理22−1からオフトラック発生通知を受けると、オフトラック発生時間−回転角変換処理20−3からオフトラック回転角A1を読み出す。
【0095】
欠陥判断処理20−1Aは、オフトラック発生通知を受けると、初回目のオフトラック発生かを判定し、初回目なら、読み出した回転角A1を、メモリ27のオフトラック発生回転角記憶域27−1に記憶し、且つメモリ27の回転角一致回数記憶域27−2を初期化(例えば、ゼロリセット)する(S50)。
【0096】
逆に、オフトラック発生が初回目でないと判定すると、メモリ27のオフトラック発生回転角記憶域27−1の初回の回転角A1(1)と、今回読み取ったオフトラック発生回転角A1(n)とを比較し、今回読み出したオフトラック回転角A1(n)が、初回の回転角A(1)±α°の範囲内かを判定する。ここで、±α°の範囲としたのは、検出マージンを持たせるためである。そして、今回読み出したオフトラック回転角A1(n)が、初回の回転角A(1)±α°の範囲内でなければ、同一箇所でのオフトラックの発生でないと判断して、今回読み出した回転角A1(n)を、メモリ27のオフトラック発生回転角記憶域27−1に記憶し、且つメモリ27の回転角一致回数記憶域27−2を初期化(例えば、ゼロリセット)する(S52)。
【0097】
逆に、今回読み出したオフトラック回転角A1(n)が、記憶された回転角A(1)±α°の範囲内であれば、同一箇所でのオフトラックの発生と判断し、メモリ27の回転角一致回数記憶域27−2の一致回数が、規定回数(例えば、10回程度)以上かを判定する。規定回数以上でないと、メモリ27の回転角一致回数記憶域27−2の一致回数を「1」インクリメントする。一方、規定回数以上であれば、欠陥救済モードを指示する(S54)。
【0098】
このように、オフトラック発生時に、オフトラック発生箇所(位置)を調べ、同一箇所でオフトラックが連続したことを検出し、欠陥(ごみ、傷)と判断する。そして、リード動作の場合は、オフトラック検出処理22−1に欠陥救済モードを指示し、オフトラック検出条件を緩和する。逆に、同一箇所でオフトラックが連続しない場合には、欠陥でないと判断し、オフトラック検出条件は緩和しない。
【0099】
次に、図12の欠陥判断処理20−1Aの他の実施の形態を、図15で説明する。図15は、一致回数のみならず、一致回数の割合で判断するものである。図15に示すように、欠陥判断処理20−1Aは、オフトラック検出処理22−1からオフトラック発生通知を受けると、オフトラック発生時間−回転角変換処理20−3からオフトラック回転角A1を読み出す。
【0100】
欠陥判断処理20−1Aは、オフトラック発生通知を受けると、初回目のオフトラック発生かを判定し、初回目なら、読み出した回転角A1を、メモリ27のオフトラック発生回転角記憶域27−1に記憶し、且つメモリ27の回転角一致回数記憶域27−2、オフトラック発生回数記憶域27−3を初期化(例えば、ゼロリセット)する(S60)。
【0101】
逆に、オフトラック発生が初回目でないと判定すると、メモリ27のオフトラック発生回数を「1」インクリメントする(S62)。次に、オフトラック発生回転角記憶域27−1の初回の回転角A1(1)と、今回読み取ったオフトラック発生回転角A1(n)とを比較し、今回読み出したオフトラック回転角A1(n)が、初回の回転角A(1)±α°の範囲内かを判定する。ここで、±α°の範囲としたのは、検出マージンを持たせるためである。そして、今回読み出したオフトラック回転角A1(n)が、初回の回転角A(1)±α°の範囲内でなければ、同一箇所でのオフトラックの発生でないと判断して、無視する(S64)。
【0102】
逆に、今回読み出したオフトラック回転角A1(n)が、記憶された回転角A(1)±α°の範囲内であれば、同一箇所でのオフトラックの発生と判断し、メモリ27の回転角一致回数記憶域27−2の一致回数を「1」インクリメントする(S66)。
【0103】
そして、メモリ27のオフトラック発生回数が規定回数(例えば、10回)以上かを判定する。オフトラック発生回数が規定回数以上でなければ、欠陥救済モードの処理を行わない。逆に、オフトラック発生回数が規定回数以上であれば、回転角一致回数記憶域27−2の一致回数を、メモリ27のオフトラック発生回数で割り、オフトラック発生回数に対する一致回数の割合を計算する。この一致回数の割合が、規定値(例えば、90%)以上かを判定する。規定値以上でないと、欠陥救済モードの処理を行わない。一方、規定値以上であれば、欠陥救済モードを指示する(S68)。
【0104】
このように、オフトラック発生時に、オフトラック発生箇所を調べ、同一箇所でオフトラックが頻発したことを、オフトラック発生回数に対する割合で検出し、欠陥(ごみ、傷)と判断する。そして、リード動作の場合は、オフトラック検出処理22−1に欠陥救済モードを指示し、オフトラック検出条件を緩和する。逆に、同一箇所でオフトラックが頻発しない場合には、欠陥でないと判断し、オフトラック検出条件は緩和しない。
【0105】
**オフトラック救済処理の第2の実施の形態**
次に、MPU20が実行する第2の実施の形態のオフトラック救済処理を説明する。図16は、本発明の第2の実施の形態のオフトラック救済処理フロー図、図17は、その動作説明図である。
【0106】
以下、図17を参照して、図16の処理を説明する。
【0107】
(S70)MPU20は、シーク開始前に、規定時間待機する。
【0108】
(S72)MPU20は、DSP22へリード対象の目的セクタ付近(トラック)にキャリッジ14をシークするコマンドを発行する。DSP22は、周知のシーク制御により、セクターのIDから現在位置を検出して、目標位置と現在位置との位置誤差で、キャリッジ14をシークする。
【0109】
(S74)DSP22は,セクターのIDから、目標位置(図8で示した目的セクタ102のトラック100)に到達したこと検出すると、MPU20は、キャリッジ14の光ビームを、オントラック状態で、回転待ちする。
【0110】
(S76)MPU20は、リード回路26を介し,目的セクタ102のリードを開始する。リードデータは、リード回路26からRAM27へ転送される。
【0111】
(S78)この間に、DSP22は、オフトラック検出処理22−1により、トラックエラー信号TESのレベルが、所定の閾値を超えたか(オフトラックが発生したか)を検出する。MPU20は、DSP22から、オフトラックが発生していないと、正常終了とする。この場合、ODC回路24は、ホストへRAM27のデータを転送する。
【0112】
(S80)一方、リード対象セクタ102のリード中に、DSP22は、オフトラックが発生したことを検出すると、MPU20に通知する。MPU20は、オフトラック発生回数をカウントしており、オフトラック発生回数が、そのリード動作で規定回数以上かを判定する。オフトラック発生回数が、規定回数(例えば、16回)以上なら、異常終了する。
【0113】
(S82)逆に、MPU20は、オフトラック発生回数が、規定回数以上でない場合には、欠陥(ごみや傷)である可能性が高い。先ず、オフトラック発生回数が、欠陥救済モードの有効閾値(例えば、10回)以上かを判定する。この有効閾値は、前述の異常終了の閾値より小さく、異常終了する前の段階を検出するためのものである。有効閾値以上でない場合には、欠陥救済モードを実行しないで、リトライシークのため、ステップS70に戻り、図17のように、一旦別のトラックに移動し、規定時間待ち、再度目的セクタのトラックにシークする。
【0114】
(S84)一方、MPU20は、有効閾値以上である場合には、図5、図6、図14、図15で説明したように、欠陥判断処理20−1、20−1Aにより、そのオフトラック発生箇所(回転位置)で、オフトラックが連続又は頻発しているかを判定し、オフトラックの原因が、欠陥かを判断する。MPU20は、欠陥判断処理20−1,20−1Aで欠陥でないと判定すると、欠陥救済モードを実行しないで、リトライシークのため、ステップS70に戻り、図17のように、一旦別のトラックに移動し、規定時間待ち、再度目的セクタのトラックにシークする。逆に、欠陥判断処理20−1,20−1Aで欠陥と判断すると、DSP22のオフトラック検出処理22−1に欠陥救済モードを指示し、オフトラック検出条件を緩和し、リトライシークのため、ステップS70に戻る。
【0115】
図17に示すように、初回シーク時の着地から目的セクタに向けて、トラック追従し、オフトラックを検出した場合に、2回目のリトライシークは、規定時間(待機時間)おいて、シークするため、そのトラックの着地点が異なる。3回目以降も同様である。
【0116】
このようにすると、欠陥要因でない場合、特に、シーク直後のオフトラック発生位置のずれが大きくなり、欠陥との誤検出を低減できる。例えば、図2、図3の実施の形態では、欠陥検出マージンが、数セクタであることから、特に、有効である。
【0117】
**オフトラック救済処理の第3の実施の形態**
次に、MPU20が実行する第3の実施の形態のオフトラック救済処理を説明する。図18は、本発明の第3の実施の形態のオフトラック救済処理フロー図、図19は、その動作説明図である。
【0118】
以下、図19を参照して、図18の処理を説明する。
【0119】
(S90)MPU20は、DSP22へリード対象の目的セクタから規定トラック手前にキャリッジ14をシークするコマンドを発行する。DSP22は、周知のシーク制御により、セクターのIDから現在位置を検出して、目標位置と現在位置との位置誤差で、キャリッジ14をシーク制御する。
【0120】
(S92)DSP22は,セクターのIDから、目標位置(図8で示した目的セクタ102のトラック100)に到達したこと検出すると、MPU20は、目的セクタ直前まで、DSP22のオフトラック検出処理22−1を無効として、キャリッジ14の光ビームを、オントラック状態で、回転待ちする(図19参照)。そして、MPU20は、目的セクタ直前で、DSP22のオフトラック検出処理22−1を無効を解除(有効)として、キャリッジ14の光ビームを、オントラック状態で、回転待ちする。
【0121】
(S94)MPU20は、リード回路26を介し,目的セクタ102のリードを開始する。リードデータは、リード回路26からRAM27へ転送される。
【0122】
(S96)この間に、DSP22は、オフトラック検出処理22−1により、トラックエラー信号TESのレベルが、所定の閾値を超えたか(オフトラックが発生したか)を検出する。MPU20は、DSP22から、オフトラックが発生していないと、正常終了とする。この場合、ODC回路24は、ホストへRAM27のデータを転送する。
【0123】
(S98)一方、リード対象セクタ102のリード中に、DSP22は、オフトラックが発生したことを検出すると、MPU20に通知する。MPU20は、オフトラック発生回数をカウントしており、オフトラック発生回数が、そのリード動作で規定回数以上かを判定する。オフトラック発生回数が、規定回数(例えば、16回)以上なら、異常終了する。
【0124】
(S100)逆に、MPU20は、オフトラック発生回数が、規定回数以上でない場合には、オフトラック発生回数が、欠陥救済モードの有効閾値(例えば、10回)以上かを判定する。この有効閾値は、前述の異常終了の閾値より小さく、異常終了する前の段階を検出するためのものである。有効閾値以上でない場合には、欠陥救済モードを実行しないで、リトライシークのため、ステップS90に戻り、図19のように、一旦別のトラックに移動し、再度目的セクタのトラックにシークする。
【0125】
(S102)一方、MPU20は、有効閾値以上である場合には、図5、図6、図14、図15で説明したように、欠陥判断処理20−1、20−1Aにより、そのオフトラック発生箇所(回転位置)で、オフトラックが連続又は頻発しているかを判定し、オフトラックの原因が、欠陥かを判断する。MPU20は、欠陥判断処理20−1,20−1Aで欠陥でないと判定すると、欠陥救済モードを実行しないで、リトライシークのため、ステップS90に戻り、図19のように、一旦別のトラックに移動し、再度目的セクタのトラックにシークする。逆に、欠陥判断処理20−1,20−1Aで欠陥と判断すると、DSP22のオフトラック検出処理22−1に欠陥救済モードを指示し、オフトラック検出条件を緩和し、リトライシークのため、ステップS90に戻る。
【0126】
図19に示すように、初回シーク時の着地から目的セクタに向けて、トラック追従し、オフトラックを検出した場合に、2回目のリトライシーク後、目的セクタの直前まで、オフトラック検出を無効とする。3回目以降も同様である。
【0127】
このようにすると、欠陥要因でない場合、特に、シーク直後のオフトラック発生を検出しないため、欠陥との誤検出を低減でき、欠陥検出を確実に実行できる。例えば、図2、図3の実施の形態では、欠陥検出マージンが、数セクタであることから、特に、有効である。
【0128】
**他の実施の形態**
前述の実施の形態では、光ディスク装置として、光磁気ディスク装置を例に説明したが、CD,DVD等の他の光ディスク装置にも適用できる。同様に、光ディスクの外形形状は、円形のみならず、直方形等他の形態を採用できる。
【0129】
更に、光学駆動系が可動である分離型光学ヘッドで説明したが、光学系と光学駆動系が一体のヘッドにも適用できる。又、リード動作で説明したが、ライト時のライトベリファイ動作にも適用できる。
【0130】
(付記1)光ディスクのトラックの情報を少なくとも読み取る光ディスク装置において、前記光ディスクに光を照射し、且つ前記光ディスクからの光を受光し、前記光ディスクのトラック横断方向に移動する光学ヘッドと、前記光ディスクを回転するスピンドルモータと、前記光学ヘッドから、前記光ディスクからの光から作成したトラックエラー信号に従い、前記光学ヘッドの位置を制御するとともに、前記トラックエラー信号からオフトラックを検出するサーボコントローラと、前記オフトラック通知に応じて、前記オフトラックの検出条件を緩和するコントローラとを有し、前記コントローラは、前記オフトラック検出に応じて、前記オフトラックが発生した前記光ディスクの回転位置を監視し、前記回転位置の監視により、前記オフトラックが同一の回転位置で複数回発生したことを検出し、前記オフトラック検出条件を緩和することを特徴とする光ディスク装置。
【0131】
(付記2)前記コントローラは、前記光学ヘッドからの読み取り信号に含まれるセクターのIDから前記オフトラックが発生した前記光ディスクの回転位置を監視することを特徴とする付記1の光ディスク装置。
【0132】
(付記3)前記コントローラは、前記スピンドルモータの回転位置から前記オフトラックが発生した前記光ディスクの回転位置を監視することを特徴とする付記1の光ディスク装置。
【0133】
(付記4)前記コントローラは、前記オフトラックが同一の回転位置で複数回連続して発生したことを検出し、前記オフトラック検出条件を緩和することを特徴とする付記1の光ディスク装置。
【0134】
(付記5)前記コントローラは、前記オフトラックの発生回数と、前記オフトラックが同一の回転位置で発生した回数との割合が、規定値異常であることを検出し、前記オフトラック検出条件を緩和することを特徴とする付記1の光ディスク装置。
【0135】
(付記6)前記コントローラは、前記オフトラック検出に応じて、前記光学ヘッドをリトライシークすることを特徴とする付記1の光ディスク装置。
【0136】
(付記7)前記コントローラは、前記オフトラック検出に応じて、前記光学ヘッドを目的セクタのトラックの目標位置を変更して、前記リトライシークすることを特徴とする付記6の光ディスク装置。
【0137】
(付記8)前記コントローラは、前記オフトラック検出に応じて、前記光学ヘッドを他のトラックへシークし、規定時間待って、前記目的セクタのトラックへリトライシークすることを特徴とする付記7の光ディスク装置。
【0138】
(付記9)前記コントローラは、前記オフトラック検出に応じて、前記光学ヘッドを他のトラックへシークした後、前記目的セクタのトラックへリトライシークし、前記目的セクタの直前まで、前記オフトラック検出を無効とすることを特徴とする付記6の光ディスク装置。
【0139】
(付記10)前記コントローラは、前記オフトラック検出に応じて、前記オフトラックが発生した前記光ディスクの回転位置を監視し、前記オフトラック発生回数が、規定回数以上である場合に、前記回転位置の監視により、前記オフトラックが同一の回転位置で複数回発生したことを検出し、前記オフトラック検出条件を緩和することを特徴とする付記1の光ディスク装置。
【0140】
(付記11)光ディスクに光を照射し、且つ前記光ディスクからの光を受光し、前記光ディスクのトラックの情報を少なくとも読み取る光学ヘッドを、前記トラック横断方向に移動して、目的セクタのトラックへシークするステップと、前記光学ヘッドから、前記光ディスクからの光から作成したトラックエラー信号からオフトラックを検出するステップと、前記オフトラック検出に応じて、前記オフトラックが発生した前記光ディスクの回転位置を監視するステップと、前記回転位置の監視により、前記オフトラックが同一の回転位置で複数回発生したことを検出し、前記オフトラック検出条件を緩和するステップとを有することを特徴とする光ディスク装置のオフトラック救済処理方法。
【0141】
(付記12)前記回転位置を監視するステップは、前記光学ヘッドからの読み取り信号に含まれるセクターのIDから前記オフトラックが発生した前記光ディスクの回転位置を監視するステップからなることを特徴とする付記11の光ディスク装置のオフトラック救済処理方法。
【0142】
(付記13)前記監視ステップは、前記光ディスクを回転するスピンドルモータの回転位置から前記オフトラックが発生した前記光ディスクの回転位置を監視するステップからなることを特徴とする付記11の光ディスク装置のオフトラック救済処理方法。
【0143】
(付記14)前記緩和ステップは、前記オフトラックが同一の回転位置で複数回連続して発生したことを検出し、前記オフトラック検出条件を緩和するステップからなることを特徴とする付記11の光ディスク装置のオフトラック救済処理方法。
【0144】
(付記15)前記緩和ステップは、前記オフトラックの発生回数と、前記オフトラックが同一の回転位置で発生した回数との割合が、規定値異常であることを検出し、前記オフトラック検出条件を緩和するステップからなることを特徴とする付記11の光ディスク装置のオフトラック救済処理方法。
【0145】
(付記16)前記オフトラック検出に応じて、前記光学ヘッドをリトライシークするステップを更に有することを特徴とする付記11の光ディスク装置のオフトラック救済処理方法。
【0146】
(付記17)前記リトライシークステップは、前記オフトラック検出に応じて、前記光学ヘッドを目的セクタのトラックの目標位置を変更して、前記リトライシークするステップからなることを特徴とする付記16の光ディスク装置のオフトラック救済処理方法。
【0147】
(付記18)前記コントローラは、前記オフトラック検出に応じて、前記光学ヘッドを他のトラックへシークし、規定時間待って、前記目的セクタのトラックへリトライシークすることを特徴とする付記7の光ディスク装置のオフトラック救済処理方法。
【0148】
(付記19)前記リトライシークステップは、前記オフトラック検出に応じて、前記光学ヘッドを他のトラックへシークした後、前記目的セクタのトラックへリトライシークするステップと、前記目的セクタの直前まで、前記オフトラック検出を無効とするステップからなることを特徴とする付記16の光ディスク装置のオフトラック救済処理方法。
【0149】
(付記20)前記オフトラック検出に応じて、前記オフトラック発生回数が、規定回数以上であるかを判定するステップと、前記オフトラック発生回数が規定回数以上である場合に、前記緩和ステップを実行するステップを更に有することを特徴とする付記11の光ディスク装置のオフトラック救済処理方法。
【産業上の利用可能性】
【0150】
オフトラック発生時に、オフトラック発生箇所を調べ、同一箇所でオフトラックが連続したことを検出し、欠陥(ごみ、傷など)と判断し、リード動作の場合は、オフトラック検出条件を緩和する。逆に、同一箇所でオフトラックが連続しない場合には、欠陥でないと判断し、オフトラック検出条件は緩和しない。このため、シーク直後の突発的なオフトラックと、欠陥によるオフトラックを判別でき、突発的なオフトラックが連続しても、隣接トラックへの移動を防止し、且つ欠陥に対し適切なオフトラック救済処理を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0151】
【図1】本発明の一実施の形態の光ディスク装置のブロック図である。
【図2】図1の欠陥救済機構のブロック図である。
【図3】図2のID−回転角変換処理の構成図である。
【図4】図2のオフトラック検出処理の構成図である。
【図5】図2の欠陥判断処理の第1の実施の形態の処理フロー図である。
【図6】図2の欠陥判断処理の第2の実施の形態の処理フロー図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態のオフトラック救済処理フロー図である。
【図8】図7の媒体上の動作説明図である。
【図9】図7の欠陥検出動作の説明図である。
【図10】図7の欠陥でないと判断する動作図である。
【図11】図7の通常モードと救済モードのオフトラック検出時のタイムチャート図である。
【図12】図1の他の欠陥救済機構のブロック図である。
【図13】図12のオフトラック発生時間−回転角変換処理の構成図である。
【図14】図12の欠陥判断処理の第1の実施の形態の処理フロー図である。
【図15】図12の欠陥判断処理の第2の実施の形態の処理フロー図である。
【図16】本発明の第2の実施の形態のオフトラック救済処理フロー図である。
【図17】図16の媒体上の動作説明図である。
【図18】本発明の第3の実施の形態のオフトラック救済処理フロー図である。
【図19】図18の媒体上の動作説明図である。
【図20】従来のオフトラック救済処理の動作説明図である。
【図21】従来のオフトラック救済処理フロー図である。
【符号の説明】
【0152】
10 光ディスク
12 スピンドルモータ
13 対物レンズ
14 光学ヘッド(キャリッジ)
15 固定光学系
16 回転センサ
20 コントローラ(MPU)
21 不揮発性メモリ
22 サーボコントローラ(DSP)
24 ODC
25 リード回路
26 ライト回路
27 メモリ
20−1 欠陥判断処理
20−2 ID−回転角変換処理
20−3 オフトラック発生時間−回転角変換処
22−1 オフトラック検出処理

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ディスクのトラックの情報を少なくとも読み取る光ディスク装置において、
前記光ディスクに光を照射し、且つ前記光ディスクからの光を受光し、前記光ディスクのトラック横断方向に移動する光学ヘッドと、
前記光ディスクを回転するスピンドルモータと、
前記光学ヘッドから、前記光ディスクからの光から作成したトラックエラー信号に従い、前記光学ヘッドの位置を制御するとともに、前記トラックエラー信号からオフトラックを検出するサーボコントローラと、
前記オフトラック通知に応じて、前記オフトラックの検出条件を緩和するコントローラとを有し、
前記コントローラは、前記オフトラック検出に応じて、前記オフトラックが発生した前記光ディスクの回転位置を監視し、前記回転位置の監視により、前記オフトラックが同一の回転位置で複数回発生したことを検出し、前記オフトラック検出条件を緩和する
ことを特徴とする光ディスク装置。
【請求項2】
前記コントローラは、前記光学ヘッドからの読み取り信号に含まれるセクタのID又は前記スピンドルモータの回転位置の少なくとも一方から前記オフトラックが発生した前記光ディスクの回転位置を監視する
ことを特徴とする請求項1の光ディスク装置。
【請求項3】
前記コントローラは、前記コントローラは、前記オフトラック検出に応じて、前記光学ヘッドを他のトラックへシークした後、規定時間待って前記目的セクタのトラックへリトライシークする、又は前記目的セクタのトラックへリトライシークし、前記目的セクタの直前まで、前記オフトラック検出を無効とする
ことを特徴とする請求項1の光ディスク装置。
【請求項4】
前記コントローラは、前記オフトラックが同一の回転位置で複数回連続して発生したことを検出し、前記オフトラック検出条件を緩和する
ことを特徴とする請求項1の光ディスク装置。
【請求項5】
光ディスクに光を照射し、且つ前記光ディスクからの光を受光し、前記光ディスクのトラックの情報を少なくとも読み取る光学ヘッドを、前記トラック横断方向に移動して、目的セクタのトラックへシークするステップと、
前記光学ヘッドから、前記光ディスクからの光から作成したトラックエラー信号からオフトラックを検出するステップと、
前記オフトラック検出に応じて、前記オフトラックが発生した前記光ディスクの回転位置を監視するステップと、
前記回転位置の監視により、前記オフトラックが同一の回転位置で複数回発生したことを検出し、前記オフトラック検出条件を緩和するステップとを有する
ことを特徴とする光ディスク装置のオフトラック救済処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2007−122829(P2007−122829A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−315702(P2005−315702)
【出願日】平成17年10月31日(2005.10.31)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】