説明

光ディスク装置及び光ディスクのウォブル再生方法

【課題】 アドレス情報などのデジタル情報をMSK変調とSTW変調してウォブルに埋め込んだディスクから得られるウォブル信号からデジタル情報を容易な手段で取り出す。
【解決手段】 ハイパスフィルタ73a,73bと、AGC回路74a,74bと、AGC回路74a出力とAGC回路74b出力の差をとるゲイン設定可能な差動アンプ76と、ローパスフィルタ77と、ハイパスフィルタ79とで、ウォブル信号を生成する機能を有する。ウォブル信号が、スルーレートリミッタ回路81への入力が一定になるように振幅調整するAGC回路78を有する。振幅調整されたウォブル信号から変調成分を取り出すスルーレートリミッタ回路81と、スルーレートリミッタ回路81の出力からDC成分を取り出すローパスフィルタ回路82又はエンベロープ抽出回路を有し、この出力値を読みとり、2値化回路83a,83bにより2値化された信号をデコーダ回路84に入力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスク装置及び光ディスクのウォブル再生方法に関し、より詳細には、記録可能な光ディスクに記録されているウォブル(wobble)信号に埋め込まれたアドレス情報などのデジタル情報を再生する光ディスク装置及び光ディスクのウォブル再生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、CDやDVDのような再生専用の光ディスクの他に、CD−R/RW、DVD−R/RW、DVD+RW/R、DVD−RAM、HD DVD−R/RW、BD−RE、BD−Rなどの記録可能な光ディスクがある。これらの記録可能な光ディスクには、記録トラックとして、渦巻き状の溝が刻まれており、溝はわずかに正弦波状に蛇行(ウォブリング)している。これをウォブル(wobble)という。
【0003】
この蛇行したトラックを光ピックアップで走査すると、左右(内周側と外周側)に分割されたディテクタへの戻り光量がウォブルにより変化する。この左右ディテクタの光量差を引き算して得られるプッシュプル信号は、ウォブル信号ともいわれる。このウォブルには、記録装置で正しい位置に書き込めるよう、ディスク上の絶対位置を示すアドレス情報が変調して埋め込まれている。
【0004】
このアドレスを埋め込む変調方式として、基本周波数に対してFM変調や部分的にPSK変調して埋め込む方法がよく知られているが、以下に説明する2つの変調方法を用いて、アドレス情報を変調する方式が提案されている。その1つの変調方式は、図1に示すようなMSK(Minimum Shift Keying;最小シフトキーイング)変調方式で、この図1には、MSK部前後の波形が示されている。また、もう1つの変調方式は、図2(a),(b),(c)に示すようなSTW(Saw Tooth Wobble)変調方式で、被変調情報により波形が異なる。
【0005】
ディスク上ではウォブルの1周期を基準とするキャリヤ信号を所定周期連続したブロックをユニットとして構成し、このユニット内にデジタル情報に変換されたアドレス情報がMSK変調されて埋め込まれた領域と、同デジタル情報がSTW変調されている別の領域が設けられている。
【0006】
MSK変調を用いる方式では、ウォブルの基準キャリア周期を単位とした、ユニット内の特定位置に特定幅で、MSK変調の領域を埋め込むことであり、同期位置に相当するユニットの先頭と、その後、被変調情報に基づき、特定周期後にMSK変調領域を埋め込む方式である。
【0007】
一方、STW変調による方式は、ユニット内のMSK変調部とは別の領域に、周波数はMSK部の基準キャリアと同じ周期の信号であるが、被変調デジタル情報に基づき、正弦波状の蛇行に比べ、ディスク内周側に急峻に傾斜し、外周側に緩い傾斜で戻る形状(以下、STW0という)と、内周側に緩い傾斜でうねり、外周側に急峻な傾斜で戻る形状(以下、STW1という)のどちらかをユニット内で連続させる変調方式である。
【0008】
このSTW変調による方式では、ウォブル形状あるいはそれから得られるウォブル信号が鋸の歯形に似ているので、STW(Saw Tooth Wobble)といわれている。一例としてBlu−rayディスク規格にある方式では、図1のようなcos(wt)…以降、wは角速度、tは時間、…cos(1.5wt)、−cos(wt)、−cos(1.5wt)、cos(wt)と続く波形がMSK変調である(MSK変調部をMSKマークともいう)。次に、基本波となるcos(wt)信号に対し、(1/4)sin(2wt)を加算、減算して得られる波形がSTWである。cos(wt)+(1/4)sin(2wt)が緩やかな傾斜の後、急峻に戻る波形で、”1”(STW1)を示し、cos(wt)−(1/4)sin(2wt)が急峻な傾斜のあと緩やかに戻る波形で、”0”(STW0)を示すようになっている。
【0009】
図3に示すように、56個のウォブル周期が1ユニットとなっており、”1”、”0”を表すユニットでは、前の18個のウォブルは、MSKマークかモノトーン(STWではなくcos(wt)波形)で、後ろの38ウォブルに、2種類のどちらかのSTWが存在している。MSKマークの挿入位置とSTW0,STW1の組み合わせでデジタル情報を表し、そのデジタル情報をデコードして、ディスク上の最小単位のアドレスを指し示す。実際は、図3に示すように、0/1情報以外にモノトーンユニット、リファレンスユニットや同期用の4種類のユニットが存在しているが、モノトーンユニット、リファレンスユニットは、MSKマークがユニット先頭にしかない。同期用ユニットは、MSKマークが先頭以外に2つあり、挿入位置を変えることで区別しているため、MSKマークが検出できれば容易に識別できる。
【0010】
【特許文献1】特開2003−123249号公報
【特許文献2】特開2003−223722号公報
【特許文献3】特開2004−227625号公報
【特許文献4】国際公開WO03/098798号公報
【非特許文献1】「解体新書次世代光ディスク」第66頁(日経BP社、2003年10月7日発行)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、従来、MSK変調された領域の検出や、”1”を示すSTWか、”0”を示すSTWかを判別する方式が、非特許文献1や特許文献1及び2などに提案されている。
【0012】
図4は、従来のヘテロダイン方式により復調回路のブロック図で、この復調回路は、MSK変調及びSTW変調された信号と、その信号が位相比較器42と発振器43と1/2分周器44と位相調整器45a,45bを介して位相調整された信号とが、それぞれ乗算器41a,41bに入力され、この乗算器41a,41bの出力を積分器46a,46bにより積分され、サンプルホールド回路47a,47bを介して2値化回路48a,48bにより2値化され、MSKマーク、STW0及びSTW1がデコーダ回路49に入力されるように構成されている。
【0013】
しかしながら、図4に示すような従来の方式では、MSKマーク検出にはウォブル周波数の信号を位相調整して、入力のウォブル信号と乗算し、さらに、乗算器の出力を積分して2値化する必要があり、また、STW検波にはウォブル周波数の信号や、その2倍の周波数の信号を位相調整して、入力のウォブル信号と乗算し、さらに、乗算器の出力を積分して2値化する必要があった。そのため、必要な周波数、位相の信号をつくるためのPLL回路と乗算回路など複雑な回路が必要であった。
【0014】
また、特許文献3には、鋸歯上のウォブル(STW)が形成された光ディスクに対するデータの記録・再生を行なう光ディスク装置が開示されているが、ここでは微分回路を用いてその出力を2値化してパルスのHIGH区間とLOW区間の長さの違いからSTWの判別を行うが、微分回路を用いるのでノイズ成分を強調してしまい、単純には2値化がうまくできないため、複雑なノイズ対策回路が必要であるという問題があった。
【0015】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、アドレス情報などのデジタル情報をMSK変調とSTW変調してウォブルに埋め込んだ光ディスクから、該デジタル情報を容易な手段で取り出すようにした光ディスク装置及び光ディスクのウォブル再生方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、このような目的を達成するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、デジタル情報をSTW変調して光ディスクのウォブルに埋め込み、該ウォブルに埋め込まれた前記デジタル情報をウォブル信号から再生する光ディスク装置において、前記STW変調された信号が、特定周波数のコサイン波とサイン波を用いて、該コサイン波及びサイン波を特定の振幅比で、被変調のデジタル信号に応じて、加算又は減算して得られる向きの異なった鋸波状の変調信号であり、前記ウォブル信号から変調成分を取り出すスルーレートリミッタ回路と、該スルーレートリミッタ回路の出力信号から平均値あるいはエンベロープを抽出する抽出回路と、該抽出回路の出力信号から2値化信号を得る2値化回路とを備えたことを特徴とする。
【0017】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記スルーレートリミッタ回路は、入力信号周波数、振幅に合わせ、所定の制限値に、立ち上がり、立ち下がり速度を制限するものであることを特徴とする。
【0018】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記スルーレートリミッタ回路への入力信号の振幅が変動しないように、該スルーレートリミッタ回路の前段に、前記入力信号の振幅を一定にしておく機能を有するAGC回路を備えたことを特徴とする。
【0019】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、正側のスライスレベルと負側のスライスレベルとを別に有する、向きの異なったSTW変調波形と、STW変調されていない通常波形との3つの波形を判定する判定手段を有することを特徴とする。
【0020】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記デジタル情報をMSK変調して前記STW変調とともに光ディスクのウォブルに埋め込み、前記MSK変調された信号である、特定周波数の第1のコサイン波をキャリア信号とし、該キャリア信号と異なる周波数の第2のコサイン波と、前記第1のコサイン波の反転信号と、前記第2のコサイン波の反転信号を用いて、位相が連続するように組み合わせた信号と、前記キャリア信号の周波数信号とで、デジタル信号を変調した信号から、MSK変調領域を検出するために、前記ウォブル信号のキャリア周波数を通過させるバンドパスフィルタ回路と、該バンドパスフィルタ回路を通過した信号のエンベロープを検出するエンベロープ検出回路と、該エンベロープ検出回路の出力を2値化する2値化回路とを備えたことを特徴とする。
【0021】
また、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記2値化回路の判定レベルにヒステリシスを持たせた機能を有することを特徴とする。
【0022】
また、請求項7に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記スルーレートリミッタ回路の出力を積分した信号を出力する積分回路と、該積分回路を前記MSK変調の検出タイミングでリセットするリセット回路とを有し、該リセット回路におけるリセット後の前記積分器の出力をスライスレベルとして、リセット前の信号を2値化することを特徴とする。
【0023】
また、請求項8に記載の発明は、デジタル情報をSTW変調して光ディスクのウォブルに埋め込み、該ウォブルに埋め込まれた前記デジタル情報をウォブル信号として再生する光ディスク再生方法において、前記STW変調された信号が、特定周波数のコサイン波とサイン波を用いて、該コサイン波及びサイン波を特定の振幅比で、被変調のデジタル信号に応じて、加算又は減算して得られる向きの異なった鋸波状の変調信号であり、前記STW変調された領域の前記ウォブル信号から、スルーレートリミッタ回路を用いて変調成分を取り出すステップと、前記スルーレートリミッタ回路の出力信号から、フィルタ回路を用いて平均値を抽出するステップあるいはエンベロープディテクタを用いてエンベロープを抽出するステップと、前記フィルタ回路の出力信号から、2値化回路を用いて2値化信号を得るステップとを有することを特徴とする。
【0024】
また、請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の発明において、前記デジタル情報をMSK変調して前記STW変調とともに光ディスクのウォブルに埋め込み、前記MSK変調された信号である、特定周波数の第1のコサイン波をキャリア信号とし、該キャリア信号と異なる周波数の第2のコサイン波と、前記第1のコサイン波の反転信号と、前記第2のコサイン波の反転信号を用いて、位相が連続するように組み合わせた信号と、前記キャリア信号の周波数信号とで、デジタル信号を変調した信号から、MSK変調領域を検出するために、バンドパスフィルタ回路を用いて前記ウォブル信号のキャリア周波数を通過させるステップと、前記バンドパスフィルタ回路を通過した信号のエンベロープを、エンベロープ検出回路を用いて検出するステップと、前記エンベロープ検出回路の出力を、2値化回路を用いて2値化するステップとを有することを特徴とする。
【0025】
本発明は、ディスク上のアドレスを表すデジタル情報を、大部分の基準周波数に対し、デジタル情報に応じて特定位置に、MSK変調された周波数の異なる信号で埋め込み、その後に存在する、周波数がウォブルの基準周波数で、鋸歯の形をして向きの違うSTW1とSTW0を使いわけて変調されたウォブルをもつ光ディスクに対して、記録又は再生を行う光ディスク装置で、光ディスクのトラックに沿ってレーザ光をあてて、その反射レーザ光を受光し、電気信号として取り出す光ピックアップと、この光ピックアップから出力される信号からウォブル信号を取り出すウォブル信号抽出手段と、スルーレートリミッタ回路によるSTW形状を検出する回路と、その出力から平均値(DCレベル)を取り出す回路と、その出力からSTW1かSTW0かを判定して2値データで出力する回路と、ウォブルの基準周波数を通すバンドパスフィルタと、その出力のエンベロープを検出する回路と、エンベロープ信号からMSKマークを検出する2値化回路とを有することを特徴とし、ウォブルに埋め込まれたデジタル情報からなるアドレス情報を取り出すようにしたものである。
【0026】
スルーレートリミッタ回路は、出力のスルーレート(立ち上がり、立ち下がり速度)を制限する回路で、増加側係数、減少側係数がウォブル周波数やウォブル振幅に合わせて設定可能である。このウォブル周波数に対して適度なスルーレート制限値を設定すると、出力は三角波状の信号になり、特に変調されていない通常の波形ではスルーレートリミッタ出力の平均値はセンターレベルとなるが、緩やかな傾斜の後、急峻に戻るSTWか、急峻な傾斜の後、緩やかに戻るSTWかで、三角波状波形の平均値(DCレベル)が変化する。
【0027】
この時、スルーレートリミッタ回路の出力は、そのままでは2値化できないため、ローパスフィルタ回路あるいはエンベロープ検出回路を通し、DC成分のみを取り出して2値化する。また、Blu−ray Disk規格では、鋸状の波形の向きは一定期間続き、ユニットの最後で、向きが判定できればよいため、三角波を一定区間、積分し得られた信号を使う方法も考えられる。一定区間のスタート点は、図1に示したMSK変調されたウォブルを認識することで決定される。
【0028】
ウォブル信号をウォブルの基準周波数を通す狭帯域バンドパスフィルタに通すと、MSKマークの位置のウォブルは、周波数が異なるため、バンドパスフィルタ出力のウォブル振幅が急に小さくなり、その後、2つのウォブル周期で急に元の振幅レベルに戻る。バンドパスフィルタ出力のエンベロープをとり、2値化することで、MSK位置を認識することができ、このタイミング信号でSTW検出用の積分器をリセットする。
【0029】
この積分器は、MSKマークによるリセットの後、スルーレートリミッタ回路出力を積分し、STW0の場合はDCがマイナスのため、積分器の出力が、下向きに減少する。また、STW1の場合は、DCがプラスのため積分器の出力は上昇する。
【0030】
また、MSKマーク位置を示すタイミング信号において、先頭のMSKマークから次のMSKマークまでの間(あるいは3番目までの間)にウォブル周期がいくつあるかをカウントすれば、そのユニットに埋め込まれたデジタルデータが1か0、あるいは同期ユニットか、リファレンスユニットか、ユニット先頭のモノトーンユニットかが判定できる。
【0031】
このように、本発明の光ディスク装置及び光ディスク再生方法は、Blu−rayディスクのような、MSK変調とSTW変調を用いたウォブルを使ってアドレスなどが埋め込まれた光ディスクから、埋め込まれたデジタル情報を読み出すために、MSK変調された領域(MSKマーク)を検出し、その位置情報から0/1が特定されるデジタル情報として取り出すとともに、STW変調されたウォブル信号の形が、”1”を示すか、”0”を示すかを判定し、MSKマークの位置情報、STW変調ウォブルの復調結果から、その特定領域に埋め込まれたデジタル情報を容易かつ確実に取り出すことができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、従来技術であるヘテロダイン方式を用いずともSTWのウォブルを用いたディスクの記録・再生において、ウォブルが、緩やかな傾斜の後、急峻に戻るSTWか、急峻な傾斜の後、緩やかに戻るSTWか、あるいはそのどちらかでもないかを、簡易な方法で安定して確実に行うことができ、対象ディスクを記録再生する光ディスク装置における回路規模を削減することができる。
【0033】
また、本発明で利用するスルーレートリミッタ回路は、DVD−R/RWディスクにあるLPPを取り除いてウォブルのジッタを低減するために利用するスルーレートリミッタ回路と兼用できる。
【0034】
また、同じく従来技術であるヘテロダイン方式を用いずとも、MSKマーク位置も検出でき、同期タイミング、STW変調部のスルーレートリミッタ出力を積分する積分器のリセットタイミングが簡単な方法で得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、図面を参照して本発明の実施例について説明する。
【実施例1】
【0036】
図7は、本発明の光ディスク装置の実施例1を示すブロック図で、STW変調方式における光ディスクのウォブル(wobble)信号の抽出のためのブロック図である。図中符号71は光ピックアップ、72a,72bは加算器、73a,73b,75a,75b,77,79はハイパスフィルタ、74a,74b,78はAGC回路(自動利得制御回路;出力振幅一定回路)、76は差動増幅器、81はスルーレートリミッタ回路、82は平均値あるいはエンベロープ抽出回路、83a,83bは2値化回路、84はデコーダ回路を示している。また、図6は、スルーレートリミッタ回路を用いた復調回路のブロック図で、図7に用いられている。
【0037】
STW0とSTW1のウォブル信号に対して、原理的には図2に示すとおり、図5に示すスルーレートリミッタ回路(後述する)で三角波状の信号を生成し、図6に示す構成のように、ローパスフィルタ62にかけると、スルーレートリミッタ回路61の出力のDCの変化分が抽出され、2値化回路63により2値化が容易に出来る。これは、上述した図4に示した従来のヘテロダイン方式で得られる信号と同等の信号が、ウォブル周波数の2倍の周波数の信号、乗算器を使わずとも、簡単な回路で得られることを意味しており、本発明はこの点を最大の特徴点としている。
【0038】
つまり、本発明の光ディスク装置は、デジタル情報をSTW変調して光ディスクのウォブルに埋め込み、このウォブルに埋め込まれた前記デジタル情報をウォブル信号から再生するものである。スルーレートリミッタ回路61は、STW変調された領域のウォブル信号から変調成分を取り出し、所定の制限値に、立ち上がり、立ち下がり速度を制限する信号を得るものである。また、フィルタ回路62は、スルーレートリミッタ回路61の出力信号から平均値あるいはエンベロープを抽出するものである。さらに、2値化回路63は、フィルタ回路またはエンベロープ検出回路62の出力信号から2値化信号を得るものである。
【0039】
また、STW変調された信号は、特定周波数のコサイン波とサイン波を用いて、これらのコサイン波及びサイン波を特定の振幅比で、被変調のデジタル信号に応じて、加算又は減算して得られる向きの異なった鋸波状の変調信号である。
【0040】
実際の光ディスクから読み取って生成するウォブル信号は、ピットの有無によるノイズや、隣接ウォブルのクロストークによる低域の振幅変動などがあり、図7のような構成となる。
【0041】
図7に示すように、光ディスク上に形成されている蛇行したグルーブから得られる信号から、ウォブル信号を抽出する際に、光ピックアップ71による左右の反射光量の差を算出するため、加算器72aによるA,D側出力(A+D信号)及び加算器72bによるB,C側出力(B+C信号)を生成する。
【0042】
A+D信号、B+C信号のDCオフセット成分を取り除くためのハイパスフィルタ73a,73bと、RF成分や同相ノイズ成分を取り除くためにA+D信号とB+C信号の振幅をそろえるためのAGC回路74a,74bと、AGC回路74a出力とAGC回路74b出力の差をとるゲイン設定可能な差動アンプ76と、ノイズ成分を取り除くための、倍速に応じてカットオフを変更可能なローパスフィルタ77と、DCオフセットや低域の揺れを取り除くハイパスフィルタ79とで、ウォブル信号を生成する機能を有する。
【0043】
また、生成されたウォブル信号が、隣接トラックのクロストークで振幅変調されるとしても、スルーレートリミッタ回路81への入力が一定になるように振幅調整するAGC回路78の機能を有する。
【0044】
また、振幅調整されたウォブル信号から変調成分を取り出すスルーレートリミッタ回路81と、このスルーレートリミッタ回路81の出力からDC成分を取り出すローパスフィルタ回路82を有している。この出力値を読みとり、2値化回路83a,83bにより2値化された信号をデコーダ回路84に入力し、アドレスをデコードする。
【0045】
図5は、本発明の光ディスク装置に用いられるスルーレートリミッタ回路を示す図で、図中符号51,52,56は定電流源、53は入力端子、55は出力レベル補正回路、57は出力端子を示している。ここには、定電流I1と容量値C1で決まるスルーレートリミッタ回路61の例が示されている(例えば、特許文献4参照)。実施例1では定電流I1,容量値C1を変更してスルーレート値を記録・再生速度に合わせることができる。この図5に示したスルーレートリミッタ回路61は、MOSトランジスタQ1と、定電流I1を流すために電流源51と、定電流I2を流すための電流源52と、MOSトランジスタQ1の負荷となるキャパシタC1とからなる。
【0046】
入力電圧Vinのレベルが急峻に増加した場合、MOSトランジスタQ1がオン状態になり、出力電圧Voutが定電流I2と定電流I1との差(I2-I1)、及びキャンパシタC1の容量値C1で決まるスルーレートで増加する。一方、入力電圧Vinのレベルが、急峻に減少した場合、MOSトランジスタQ1がオン状態となり、出力電圧voutが、定電流I1と容量値C1で決まるスルーレートで減少するようになっている。
【0047】
さらに、オペアンプOP1と、N型のMOSトランジスタQ2と、電流源56とからなる出力レベル補正回路55を備えている。また、オペアンプOP1は、MOSトランジスタQ2と、電流源56とから構成されている。
【0048】
図7に示す本発明の実施例1では、スルーレートリミッタ回路81のスルーレート制限値は、Blu−rayディスクの1倍速(ウォブル周波数956kHz)あたり、ウォブル振幅が250mVpp程度に対して50から300mV/usec程度を選択し、増加側係数と減少側係数は同じとする。この条件で、図2(a)に示したウォブル波形を入力すると、スルーレートリミッタ回路81は、図2(b)に示したようにSTW波形を三角波状の信号を生成する。
【0049】
この三角波状のスルーレートリミッタ回路81の出力信号は、入力波形が緩やかな傾斜の後、急峻に戻る波形の場合、DCレベルは高く、急峻な傾斜のあと緩やかに戻る波形の場合、DCレベルは低くなる。図2(c)に示した波形にあるとおり、スルーレートリミッタ回路81の出力にローパスフィルタ回路82をかけると、平均値(DCレベル)が異なった信号として取り出せる。また、波形から明らかなようにローパスフィルタ回路82の替わりにスルーレートリミッタ回路81の出力のエンベロープ(上側、下側どちらでもよい)を抽出することでもDCレベルが異なった信号として取り出せる。
【0050】
図8(a)乃至(d)は、本発明の実施例1における実波形による動作波形を示す図で、実際のBlu−rayディスク再生信号による実施例の回路の出力波形を示している。図8(a)は、Blu−rayのウォブル信号、図8(b)はスルーレートリミッタ出力、図8(c)はスルーレートリミッタ出力のローパスフィルタ出力、図8(d)はスルーレートリミッタ出力をMSKタイミングでリセットして積分した出力を示している。図9(a)乃至(d)は、図8(a)乃至(d)の部分拡大波形図である。
【0051】
本実施例1では、図8(c)に示す実波形による動作波形、図9(c)(図8(c)の時間軸拡大)に示す波形のように、BD1倍速時、数kHzから50kHz程度のローパスフィルタ回路82でスルーレートリミッタ回路81の出力信号からDC成分を取り出している。この信号を2値化することで、STW変調部から被変調データを取り出せる。
【0052】
また、STW0,STW1及びSTW変調されていない普通のcos(wt)波形の3種類を判定するため、正側用スライスレベル、負側用スライスレベルを別にもったコンパレータを用意し、2bitで3値判定することも可能である。
【0053】
スルーレートリミッタ回路81に入力する信号をSTW波形に影響を与えない範囲の高いカットオフのハイパスフィルタを通すと低域のゆれ成分でスルーレートリミッタ出力のDCの変動が少なくなり、ローパスフィルタ後に2値化しやすくなるが、高いハイパスフィルタは、STW波形に含まれる1倍の周波数成分と2倍の周波数成分の位相関係が変化するため、あまり高くできない。
【0054】
BD1倍速の950kHz程度のwobbleにおいては、1次で100kHz以下が適当である。STWの帯域内で位相変化が少ない、リニアフェーズやベッセルタイプなどのハイパスフィルタであれば、次数やカットオフを高くでき、低域の変動にもさらに強くできる。
【0055】
LSIにおいては、製造ばらつきでスルーレートリミッタ回路の出力信号にもオフセットが発生することもあるので、オフセット調整機能を持たせるのが望ましい。
【実施例2】
【0056】
図10は、本発明の光ディスク装置の実施例2を示すブロック図で、MSK変調及びSTW変調方式における光ディスクのウォブル(wobble)信号の抽出のためのブロック図である。図7と同じ機能を有する構成要素には同一の符号を付してある。この図10に示したブロック図は、図7に示したブロック図に、MSKマークを抽出するための構成、つまり、MSK変調された領域のウォブル信号から、キャリア周波数を通過させるバンドパスフィルタ回路85と、このバンドパスフィルタ回路85を通過した信号のエンベロープを検出するエンベロープディテクタ(検出)回路86と、このエンベロープディテクタ回路86の出力を2値化する2値化回路87とを備えている。
【0057】
また、MSK変調された信号検出は、特定周波数の第1のコサイン波をキャリア信号とし、このキャリア信号と異なる周波数の第2のコサイン波と、第1のコサイン波の反転信号と、第2のコサイン波の反転信号を用いて、位相が連続するように組み合わせた信号と、キャリア信号の周波数の信号とで、デジタル信号を変調した信号から、MSK変調を検出する。
【0058】
このように、本発明の実施例2の光ディスク装置は、MSK変調とSTW変調を使ってデジタル情報(ディスク上のアドレス情報)が埋め込まれたウォブル信号に対して、STW変調された領域のウォブル信号から、スルーレートリミッタ回路81と平均値抽出回路82と2値化回路83a,83bを介して、その出力の平均値(DC成分)又は積分値に基づき被変調情報を出力するとともに、バンドパスフィルタ回路85とエンベロープディテクタ回路86と2値化回路87でMSK変調を検出して、取り出したMSK変調の位置情報とSTWウォブルの復調結果から、同期タイミング、被変調情報を取り出すように構成されている。
【0059】
つまり、上述した実施例1において、図8(d)及び図9(d)に示す波形のように、スルーレートリミッタ出力をローパスフィルタの代わりに、従来技術のリセット機能付き積分器を使うこともできる。リセット付き積分器をリセットするタイミングを本発明では、図10に示すとおり、従来方法ではない以下の方法を用いる。
【0060】
実施例1と同様にウォブル信号を生成する機能と、ウォブル周波数を通過させるバンドパスフィルタ回路85と、このバンドパスフィルタ回路85の出力のエンベロープをとるエンベロープディテクタ回路86と、このエンベロープディテクタ回路86の出力を、2値化回路(コンパレータ)87により2値化する機能をもった装置を用いて、MSK変調された領域を検出して、MSK部で1になるデジタル信号を生成する。このデジタル信号を積分器のリセットタイミングにすることができる。
【0061】
バンドパスフィルタ回路85は、ウォブル周波数に対し+10〜+15%、−10〜−15%程度の周波数で、−3dBゲインになる程度の2次のタイプを使う。エンベロープディテクタ回路86は、ピークホールド回路又はボトムホールド回路又はその両方を用いて引き算を行う。ピークホールド回路又はボトムホールド回路は、1ウォブル周期で10%から30%程度ドループするよう設定する。
【0062】
図11(a)乃至(d)は、バンドパスフィルタ出力とエンベロープディテクタ出力を示す図で、図11(a)はBlu−rayのウォブル信号とスルーレートリミッタ出力、図11(b)はバンドパスフィルタ出力とそのピークホールド波形及びボトムホールド波形、図11(c)はピークホールド出力の2値化出力、図11(d)はスルーレートリミッタ出力をMSKタイミングでリセットして積分した出力を示している。図12(a)乃至(d)は、図11(a)乃至(d)の部分拡大波形図である。
【0063】
図11(b)及び図12(b)に示す波形は、実際のウォブル信号をバンドパスフィルタ回路85に通し、エンベロープディテクタ回路86により、ピーク又はボトムレベルをとったものである。この信号を、ヒステリシス付きのコンパレータ87で2値化することで図11(c)及び図12(c)に示す2値波形のようにMSKマークを容易に検出できる。スライスレベルの決定においては、AGC回路78により固定のスライスで、十分であるが、MSKマークでは追従しない遅いドループレートのエンベロープディテクタ回路86でピーク又はボトムをとらえ、その出力を特定の比率で分圧して、スライスレベルを決定することも可能である。
【0064】
MSKマークの検出タイミングでリセットする積分器を用いると、図11(d)及び図12(d)に示す波形となる。また、エンベロープディテクタ出力を2値化した信号タイミングから、ユニットの先頭、0/1情報、同期情報、リファレンス情報なども判定できる。
【0065】
ユニットの先頭のMSKマークのタイミングでスルーレートリミッタ出力を積分する積分器の出力を読み出した後、積分器をリセットする。読み出した値は、正側用スライスレベル、負側用スライスレベルを別にもったコンパレータを用意し、2bitで3値判定する。このMSKマーク位置による判定と、STW信号による判定を総合して判定することで、被変調データを確実に再生することができる。
【0066】
図13は、本発明の光ディスクのウォブルに埋め込まれたアドレス情報を再生する方法を説明するためのフローチャートを示す図である。本発明の光ディスク再生方法は、デジタル情報をMSK変調とSTW変調してウォブルに埋め込まれた光ディスクに対し、このウォブルに埋め込まれたデジタル情報をウォブル信号から再生するものである。
【0067】
STW変調された領域のウォブル信号を再生するか、MSK変調された領域のウォブル信号を再生するかによって処理が異なる(S1)。これらの処理は、異なる処理であるが同時並行に処理は行われ、STWの領域ではMSK検出回路はモノトーン(STWではない。あるいはMSK変調もされていない)領域と同じ動作をする。STW検波用の回路は、MSKマーク部はあまりにも短いので影響されない。また、STW検出回路は、モノトーン部ではSTW0とSTW1の中間の値を出力する。STW変調された領域のウォブル信号から被変調情報を再生(復調)するには、スルーレートリミッタ回路を用いて変調成分を取り出し、所定の制限値に、立ち上がり、立ち下がり速度を制限する信号を得るステップ(S2a)と、このスルーレートリミッタ回路の出力信号から、フィルタ回路を用いて平均値を抽出する、あるいはエンベロープ検出回路を用いてエンベロープを抽出するステップ(S3a)と、このフィルタ回路あるいはエンベロープ検出回路からの出力信号から、2値化回路を用いて2値化信号を得るステップ(S4a)とを有し、また、MSK変調された領域を検出するには、バンドパスフィルタ回路を用いてキャリア周波数を通過させるステップ(S1b)と、このバンドパスフィルタ回路を通過した信号のエンベロープを、エンベロープ検出回路を用いて検出するステップ(S2b)と、このエンベロープ検出回路の出力を、2値化回路を用いて2値化するステップ(S3b)とを有し、被変調情報を抽出する(S5)。
【0068】
このように、本発明の光ディスク再生方法では、アドレス情報などのデジタル情報をMSK変調とSTW変調してウォブルに埋め込んだ光ディスクから、その埋め込まれたデジタル情報を容易に取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】MSK部前後の波形を示す図である。
【図2】(a)乃至(c)は、STW信号波形、スルーレートリミッタ出力波形及びそのローパスフィルタ出力波形を示す図である。
【図3】Blu−rayディスク規格のADIPユニット(56周期のウォブルで構成)を示す図である。
【図4】従来のヘテロダイン方式により復調回路のブロック図である。
【図5】スルーレートリミッタ回路を示す図である。
【図6】スルーレートリミッタ回路を用いた復調回路のブロック図である。
【図7】本発明の光ディスク装置の実施例1を示すブロック図である。
【図8】(a)乃至(d)は、本発明の実施例1における実波形による動作波形を示す図である。
【図9】(a)乃至(d)は、図8(a)乃至(d)の部分拡大波形図である。
【図10】本発明の光ディスク装置の実施例2を示すブロック図である。
【図11】(a)乃至(d)は、バンドパスフィルタ出力とエンベロープディテクタ出力を示す図である。
【図12】図12(a)乃至(d)は、図11(a)乃至(d)の部分拡大波形図である。
【図13】本発明の光ディスクのウォブルに埋め込まれたアドレス情報を再生する方法を説明するためのフローチャートを示す図である。
【符号の説明】
【0070】
41a,41b 乗算器
42 位相比較器
43 発振器
44 1/2分周器
45a,45b 位相調整器
46a,46b 積分器
47a,47b サンプルホールド回路
48a,48b 2値化回路
49 デコーダ回路
51,52,56 定電流源
53 入力端子
55 出力レベル補正回路
57 出力端子
61 スルーレートリミッタ回路
62 ローパスフィルタ
63 2値化回路
71 光ピックアップ
72a,72b 加算器
73a,73b,75a,75b,77,79 ハイパスフィルタ
74a,74b,78 AGC回路(出力振幅一定回路)
76 差動増幅器
81 スルーレートリミッタ回路
82 平均値あるいはエンベロープ抽出回路
83a,83b 2値化回路
84 デコーダ回路
85 バンドパスフィルタ回路
86 エンベロープディテクタ回路
87 2値化回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタル情報をSTW変調して光ディスクのウォブルに埋め込み、該ウォブルに埋め込まれた前記デジタル情報をウォブル信号から再生する光ディスク装置において、
前記STW変調された信号が、特定周波数のコサイン波とサイン波を用いて、該コサイン波及びサイン波を特定の振幅比で、被変調のデジタル信号に応じて、加算又は減算して得られる向きの異なった鋸波状の変調信号であり、前記ウォブル信号から変調成分を取り出すスルーレートリミッタ回路と、
該スルーレートリミッタ回路の出力信号から平均値あるいはエンベロープを抽出する抽出回路と、
該抽出回路の出力信号から2値化信号を得る2値化回路と
を備えたことを特徴とする光ディスク装置。
【請求項2】
前記スルーレートリミッタ回路は、入力信号周波数、振幅に合わせ、所定の制限値に、立ち上がり、立ち下がり速度を制限するものであることを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。
【請求項3】
前記スルーレートリミッタ回路への入力信号の振幅が変動しないように、該スルーレートリミッタ回路の前段に、前記入力信号の振幅を一定にしておく機能を有するAGC回路を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の光ディスク装置。
【請求項4】
正側のスライスレベルと負側のスライスレベルとを別に有する、向きの異なったSTW変調波形と、STW変調されていない通常波形との3つの波形を判定する判定手段を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の光ディスク装置。
【請求項5】
前記デジタル情報をMSK変調して前記STW変調とともに光ディスクのウォブルに埋め込み、前記MSK変調された信号である、特定周波数の第1のコサイン波をキャリア信号とし、該キャリア信号と異なる周波数の第2のコサイン波と、前記第1のコサイン波の反転信号と、前記第2のコサイン波の反転信号を用いて、位相が連続するように組み合わせた信号と、前記キャリア信号の周波数信号とで、デジタル信号を変調した信号から、MSK変調領域を検出するために、前記ウォブル信号のキャリア周波数を通過させるバンドパスフィルタ回路と、該バンドパスフィルタ回路を通過した信号のエンベロープを検出するエンベロープ検出回路と、該エンベロープ検出回路の出力を2値化する2値化回路とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。
【請求項6】
前記2値化回路の判定レベルにヒステリシスを持たせた機能を有することを特徴とする請求項5に記載の光ディスク装置。
【請求項7】
前記スルーレートリミッタ回路の出力を積分した信号を出力する積分回路と、該積分回路を前記MSK変調の検出タイミングでリセットするリセット回路とを有し、該リセット回路におけるリセット後の前記積分器の出力をスライスレベルとして、リセット前の信号を2値化することを特徴とする請求項5に記載の光ディスク装置。
【請求項8】
デジタル情報をSTW変調して光ディスクのウォブルに埋め込み、該ウォブルに埋め込まれた前記デジタル情報をウォブル信号として再生する光ディスク再生方法において、
前記STW変調された信号が、特定周波数のコサイン波とサイン波を用いて、該コサイン波及びサイン波を特定の振幅比で、被変調のデジタル信号に応じて、加算又は減算して得られる向きの異なった鋸波状の変調信号であり、前記STW変調された領域の前記ウォブル信号から、スルーレートリミッタ回路を用いて変調成分を取り出すステップと、
前記スルーレートリミッタ回路の出力信号から、フィルタ回路を用いて平均値を抽出するステップあるいはエンベロープディテクタを用いてエンベロープを抽出するステップと、
前記フィルタ回路の出力信号から、2値化回路を用いて2値化信号を得るステップと
を有することを特徴とする光ディスクのウォブル再生方法。
【請求項9】
前記デジタル情報をMSK変調して前記STW変調とともに光ディスクのウォブルに埋め込み、前記MSK変調された信号である、特定周波数の第1のコサイン波をキャリア信号とし、該キャリア信号と異なる周波数の第2のコサイン波と、前記第1のコサイン波の反転信号と、前記第2のコサイン波の反転信号を用いて、位相が連続するように組み合わせた信号と、前記キャリア信号の周波数信号とで、デジタル信号を変調した信号から、MSK変調領域を検出するために、バンドパスフィルタ回路を用いて前記ウォブル信号のキャリア周波数を通過させるステップと、前記バンドパスフィルタ回路を通過した信号のエンベロープを、エンベロープ検出回路を用いて検出するステップと、前記エンベロープ検出回路の出力を、2値化回路を用いて2値化するステップとを有することを特徴とする請求項8に記載の光ディスクのウォブル再生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−42201(P2007−42201A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−224523(P2005−224523)
【出願日】平成17年8月2日(2005.8.2)
【出願人】(594021175)旭化成マイクロシステム株式会社 (57)
【Fターム(参考)】