光ディスク装置
【課題】部品点数を増加させることなく構成部品のガタツキおよび騒音の発生を抑制するとともに、円滑な動作を確保することが可能な光ディスク装置を提供する。
【解決手段】光ディスク装置は、メインフレームと、媒体駆動部と、媒体駆動部を昇降自在に支持した昇降保持部材24と、を有している。昇降保持部材は、一対のアーム部24aと、アーム部の一端部間を延びているとともに前壁と対向した連結部24cと、アームの他端部に設けられ側壁に支持された支点部と、を有している。メインフレームの前壁部11dおよび昇降保持部材の連結部のいずれか一方は、他方に向かって突出したガイドボス27と、このガイドボスと並んで設けられ連結部の延出方向に沿って弾性変形可能に形成された押圧突起30と、を一体に有している。前壁部および連結部の他方は、昇降方向に沿って延びガイドボスと係合するガイド溝と、押圧突起を撓ませて弾性力を発生させるガイド面を有しガイド溝と並んで設けられたガイドリブ17と、を有している。
【解決手段】光ディスク装置は、メインフレームと、媒体駆動部と、媒体駆動部を昇降自在に支持した昇降保持部材24と、を有している。昇降保持部材は、一対のアーム部24aと、アーム部の一端部間を延びているとともに前壁と対向した連結部24cと、アームの他端部に設けられ側壁に支持された支点部と、を有している。メインフレームの前壁部11dおよび昇降保持部材の連結部のいずれか一方は、他方に向かって突出したガイドボス27と、このガイドボスと並んで設けられ連結部の延出方向に沿って弾性変形可能に形成された押圧突起30と、を一体に有している。前壁部および連結部の他方は、昇降方向に沿って延びガイドボスと係合するガイド溝と、押圧突起を撓ませて弾性力を発生させるガイド面を有しガイド溝と並んで設けられたガイドリブ17と、を有している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ディスク状の記録媒体に対して情報処理を行う光ディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ディスク状の記録媒体として、DVD−ROMに代表される再生専用タイプ、DVD−Rに代表される1回記録タイプ、ならびにコンピュータの外付けメモリや録再ビデオに利用可能なDVD−RAMおよびDVD−RWに代表される書き換え可能タイプ等の光ディスクが広く普及している。
【0003】
光ディスクに情報を記録し、または光ディスクから情報を再生する光ディスク装置は、ディスク挿入口を有した筐体と、光ディスクを支持し、筐体に対して光ディスクを装填および排出するディスクトレイと、を備えている。ディスクトレイは、ディスクを装填および取出し可能な引出し位置と、筐体内に引き込まれディスクを駆動可能な駆動位置との間を移動可能に設けられている。
【0004】
筐体内には、装填された光ディスクを支持および回転させるモータ、および光ディスクに対して情報を読み出し、書き込みを行う光ピックアップ等が配設されている。モータおよびピックアップは、ピックアップシャーシ上に設けられ、このピックアップシャーシは、筐体内に回動自在に設けられたシャーシマウント上に載置されている。
【0005】
ディスクトレイが移動する間、ピックアップシャーシはシャーシマウントともに下降位置に退避され、光ディスクが所定の駆動位置に引き込まれると、ピックアップシャーシおよびシャーシマウントが上方に回動される。これにより、モータが上昇してディスクをクランプするとともに、光ピックアップが光ディスクの記録面と対向する。
【0006】
光ディスク装置においては、光ディスクの偏芯や偏重心等に起因して、光ディスクが高速に回転することによって振動が発生する。そのため、機構系にガタツキがあると、ピックアップシャーシ、シャーシマウント等が振動し、光ディスクの記録再生に悪影響を与える。また、構成部材同士が衝突を繰り返して異音が発生する虞がある。
【0007】
そこで、筐体とシャーシマウントとの間に板ばねからなる付勢部材を設け、この板ばねによりシャーシマウントを一方向に付勢してガタツキを無くすことにより、振動を吸収しノイズの低減を図った装置が提供されている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開平10−21680号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前述した光ディスク装置のように、構成部材のガタツキを低減するために板ばねのような付勢部材を追加した場合、部品点数および組立て工程数が増大し、製造コストの上昇を招く。また、部品の増加により、それに対応した設置スペースが必要となり、小型化の妨げとなる。更に、ガタツキを物理的に詰めた場合、温度変化による部品の収縮・膨張によりガタツキが発生し、あるいは部品間で噛み合いが生じ過負荷になって動作に支障を来すことがある。
【0009】
この発明は以上の点に鑑みなされたもので、その目的は、部品点数を増加させることなく構成部品のガタツキおよび騒音の発生を抑制することができるとともに、過負荷を抑制して円滑な動作を確保することが可能な光ディスク装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明の態様に係る光ディスク装置は、対向した一対の側壁と、前記側壁間を延びた前壁とを有するメインフレームと、ディスク状の記録媒体を支持および回転するモータと、記録媒体に対して情報処理を行うヘッド部とを有し、前記記録媒体を駆動する駆動位置と、前記記録媒体の装填および取出しを許容する退避位置と、の間を昇降可能に設けられた媒体駆動部と、前記媒体駆動部を支持しているとともに、前記駆動位置に対応する上昇位置と前記退避位置に対応する下降位置との間を昇降可能に前記メインフレームに支持された昇降保持部材と、を備え、
前記昇降保持部材は、それぞれ前記側壁と対向して延びた一対のアーム部と、アーム部の一端部間を延びているとともに前記前壁と対向した連結部と、前記アームの他端部に設けられ前記側壁に支持された支点部と、を有し、前記メインフレームの前壁部および前記昇降保持部材の連結部のいずれか一方は、他方に向かって突出したガイドボスと、このガイドボスと並んで設けられ前記連結部の延出方向に沿って弾性変形可能に形成された押圧突起と、を一体に有し、前記前壁部および前記連結部の他方は、前記昇降方向に沿って延び前記ガイドボスと係合するガイド溝と、前記押圧突起を撓ませて弾性力を発生させるガイド面を有し前記ガイド溝と並んで設けられたガイドリブと、を有している。
【発明の効果】
【0011】
この発明の態様によれば、部品点数を増加させることなく構成部品のガタツキおよび騒音の発生を抑制することができるとともに、過負荷を抑制して円滑な動作を確保することが可能な光ディスク装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、この発明の実施形態に係る光ディスク装置について詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る光ディスク装置のトップカバーを取り外して光ディスク装置の外観構造を示し、図2は、後述するディスクトレイを省略して光ディスク装置の内部構造を示している。図3および図5は、光ディスク装置のメインフレームを示している。
【0013】
図1および図2に示すように、光ディスク装置は、筐体を構成する上面が開口した矩形箱状のメインフレーム11を備えている。メインフレーム11内には、記録媒体としての光ディスク8を保持し搬送するディスクトレイ20、光ディスクを支持および回転する昇降自在なディスク駆動部22、およびディスクトレイおよびディスク駆動部を移動させる移動機構50が設けられている。メインフレーム11の底面には、制御部を構成する図示しない回路基板が実装されている。
【0014】
図2、図3および図5に示すように、メインフレーム11は、間隔をおいて互いに平行に対向した一対の側壁11a、11b、これらの側壁間を延びた後壁11cおよび前壁部11dを一体に備え、ABS等の合成樹脂により形成されている。一対の側壁11a、11bの各内面側には、後述するシャーシマウント24の支点部を回動自在に支持する係合凹所15a、15bが形成されている。メインフレーム11の後壁11cの内側に位置した2つの角部には、ディスク駆動部22を支持する一対の支持ポスト12が設けられている。
【0015】
前壁部11dは、側壁11a、11bの前端部間を延び、後壁11cとほぼ平行に対向している。前壁部11dには、矩形状の開口からなるディスク挿入口14が形成されている。また、前壁部11は、移動機構50を取り付ける取り付け部を構成している。すなわち、前壁部11dには、ギア支点ボス13a、プーリーギア支点ボス13b、モータ取り付け部13c、および後述するカムスライダを移動自在に支持するスライド溝13dが形成されている。
【0016】
図5、図6、図7に示すように、前壁部11dの後壁11cと対向する内面の一端部、例えば、側壁11a側の端部には、第1および第2ガイドリブ16、17が突設されている。第1および第2ガイドリブ16、17は、それぞれ前壁部11dの延出方向と直交する方向、ここでは、鉛直方向に延びているとともに、前壁部11dの延出方向に互いに隙間を置いて並んでいる。第1ガイドリブ16の側面16aと第2ガイドリブ17の側面17aとは互いに対向し、これらの間にガイド溝18を規定している。このガイド溝18は、シャーシマウント24の昇降方向に沿って延びているとともに、後述するシャーシマウントの下降位置から上昇位置に向かって、ここでは、下から上に向かって、徐々に幅が狭くなるように形成されている。
【0017】
第2ガイドリブ17の反対側の側面は、シャーシマウント24の昇降方向に沿って延びたガイド面17bを構成している。ガイド面17bの上端部には、ガイド溝18と反対方向に突出した突出部17cが形成されている。
【0018】
図8は、記録媒体保持体として機能するディスクトレイ20の裏面側および移動機構50とディスクトレイとの係合状態を示している。図9(a)は、ディスクトレイが動作位置に引き込まれた状態を示す光ディスク装置の断面図、図9(b)は、ディスクトレイが装填取出し位置に移動した状態を示す光ディスク装置の断面図である。
【0019】
図1および図8に示すように、ディスクトレイ20はほぼ矩形板状に形成され、その一部には、光ディスク8に対するディスク駆動部22のアクセスを許容する窓部21が形成されている。ディスクトレイ20は、側壁11a、11b間に配置され、側壁と平行な方向に沿って、つまり、メインフレーム11の長手方向(移動方向A)に沿って移動可能に支持されている。ディスクトレイ20の裏面には、ラック23が形成されディスクトレイの長手方向のほぼ全長に渡って延びている。このラック23は、後述する移動機構50のトレイギア56aと歯合している。
【0020】
ディスクトレイ20は、メインフレーム11内の所定位置に引き込まれた図9(a)および図1に実線で示す作動位置と、ディスク挿入口14を通して筐体10の外部に突出する図9(b)および図1に2点鎖線で示す装填取出し位置との間を直線的に移動可能に支持され、移動機構50により、これら作動位置と装填取出し位置との間を移動される。作動位置において、ディスクトレイ20に保持された光ディスク8はディスク駆動部22によって駆動可能であり、装填取出し位置において、ディスクトレイ20に対して光ディスク8の装填および取出しが可能となる。
【0021】
図10は、光ディスク装置のディスク駆動部22、移動機構50、およびシャーシマウント24を示す分解斜視図であり、図11はシャーシマウントを示し、図12および図13は、シャーシマウントのガイドボスおよび押圧突起部分を拡大して示している。
【0022】
図3、図10および図11に示すように、メインフレーム11には、ディスク駆動部22を昇降自在に支持するシャーシマウント24が設けられている。シャーシマウント24は、ほぼU字形状に形成され、メインフレーム11に回動自在に取り付けられている。昇降保持部材として機能するシャーシマウント24は、間隔をおいて互いに平行に対向した一対のアーム部24a、24bと、アーム部と直交してアーム部の一端部間を延びているとともにアーム部の先端同士を連結した連結部24cとを有している。
【0023】
アーム部24a、24bの後端部には、それぞれ回動支点部となる枢軸23a、23bが形成され、アーム部から外側に突出している。シャーシマウント24の各角部の内側には、ディスク駆動部22を支持する一対の支持ポスト25が設けられている。シャーシマウント24は、移動機構50の後述するスライドカムと係合する一対の係合ピン26を有している。これらの係合ピン26は、連結部24cの中央部から前方に突出しているとともに、連結部の延出方向に沿って互いに離間して位置している。
【0024】
図11ないし図13に示すように、シャーシマウント24は、連結部24cに形成されたガイドボス27および押圧突起30を一体に有している。ガイドボス27は、連結部24cの一端部、例えば、アーム部24a側の端部に設けられ、前方、すなわち、メインフレーム11の前壁部11dに向かって突出している。ガイドボス27は、所定の幅を有したガイド部27aと、ガイド部よりも狭い幅に形成されガイド部を補強した補強部27bとを一体に有して形成されている。これにより、ガイドボス27は、落下衝撃荷重を受けても破損しない充分な強度を有している。
【0025】
押圧突起30は、ガイドボス27に対して、連結部24cの延出方向に隙間を置いて並んでいる。押圧突起30は、連結部24cから前壁部11dに向かって延出した後、直角に折り曲げられ、下方に向かって延出している。押圧突起30の延出端には、ガイドボス27側に突出した当接部31が形成されている。これにより、押圧突起30は、連結部24cの延出方向に沿って弾性変形可能に形成され、かつ、撓むことにより、上記方向の弾性力を発生する。
【0026】
ガイドボス27、押圧突起30、および係合ピン26を含むシャーシマウント24は、例えば、メインフレーム11よりも硬い樹脂により一体に成形されている。
【0027】
図3に示すように、シャーシマウント24は、メインフレーム11の側壁11a、11bに設けられた係合凹所15a、15bに、枢軸23a、23bがそれぞれ回動自在に係合した状態で、メインフレームに取り付けられている。一対のアーム部24a、24bはそれぞれ側壁11a、11bと平行に延びている。連結部24cは、枢軸23a、23bに対してディスク挿入口14側に位置し、側壁11a、11b間をこれら側壁と直交する方向に延びているとともにメインフレーム11の前壁部11dと隙間を置いて対向している。そして、シャーシマウント24は枢軸23a、23bの回りで、上昇位置と下降位置との間を回動可能に支持され、連結部24cは、シャーシマウント24の上昇位置と下降位置との間の回動に伴い、昇降する。
【0028】
図3および図4に示すように、連結部24cに形成されたガイドボス27は、前壁部11dに形成されたガイド溝18に係合し、押圧突起30は前壁部11dに形成された第2ガイド17のガイド面17bと対向して位置している。第2ガイドリブ17は、ガイドボス27と押圧突起30との間に挟まれた状態で位置している。そして、連結部24cの昇降に伴い、ガイドボス27はガイド溝18内を移動し、押圧突起30はガイド面17bに沿って移動する。
【0029】
図2および図10に示すように、ディスク駆動部22は金属板で形成された矩形枠状のシャーシ28を有している。シャーシ28において長手方向の前端部には、駆動源としてのスピンドルモータ32が取り付けられ、このスピンドルモータの回転軸には、光ディスク8を支持および所定の速度で回転するターンテーブル33が固定されている。シャーシ28には、互いに平行に延びた一対のガイドレール34が取り付けられている。ガイドレール34はメインフレーム11の側壁11a、11bに対し僅かに傾斜して延びている。
【0030】
ディスク駆動部22は、光ディスク8に対して情報の書き込み、読み出しを行う光ピックアップ36、および光ピックアップを移動させるピックアップ駆動機構37を備えている。光ピックアップ36は一対のガイドレール34によりこれらのガイドレールに沿って往復移動可能に支持されている。ピックアップ駆動機構37は、シャーシ28上に取り付けられた送りモータ38、および送りモータの回転軸に連結されたリードスクリュー39を有している。リードスクリュー39は、ガイドレール34と平行に延びているとともに光ピックアップ36と係合している。
【0031】
ヘッド部として機能する光ピックアップ36は、光ディスク8からの情報の読み出しおよび情報の書き込み時、ターンテーブル33上に支持された光ディスク8の情報記録面と対向して位置し、ピックアップ駆動機構37により、ガイドレール34に沿って光ディスクの径方向に移動される。
【0032】
シャーシ28は、その長手方向一端側(後端側)の2つの角部が一対の第1ダンパ30aによりメインフレーム11の後壁11cの支持ポスト12に弾性的に支持され、長手方向他端側(前端側)が一対の第2ダンパ30bによりシャーシマウント24の支持ポスト25に支持されている。これにより、シャーシ28は、4つのダンパ30a、30bによって弾性的に支持されている。
【0033】
ディスク駆動部22は、一対の第1ダンパ30aを支点として、図9(a)に示す上昇位置(駆動位置)と図9(b)に示す下降位置(退避位置)との間をシャーシマウント24と共に回動可能に、つまり、昇降可能に支持されている。シャーシ28は、駆動位置において、ディスクトレイ20とほぼ平行に位置し、退避位置において、第2ダンパ30b側の端部がディスクトレイ20から下方に離間して位置する。
【0034】
図2、図3、図5、図8、図10、および図14に示すように、ディスクトレイ20およびディスク駆動部22を移動させる移動機構50は、メインフレーム11の前壁部11dに設けられディスクトレイ20の下方に位置している。移動機構50は、前壁部11dのモータ取り付け部13cに取り付けられた駆動源としてのローディングモータ51、ローディングモータの回転軸に圧入されたプーリー52、前壁部のプーリーギア支点ボス13bに回転自在に取り付けられたプーリーギア54、プーリー52とプーリーギア54に掛け渡された駆動ベルト53、前壁部のギア支点ボス13aに回転自在に取り付けられプーリーギア54と歯合した駆動ギア56、およびカムスライダ58を備えている。
【0035】
駆動ギア56の一方の表面上には、ディスクトレイ20のラック23と歯合するトレイギア56aが同軸的に形成され、他方の表面上には、カムスライダ58のラックと歯合するカムギア56bが同軸的に形成されている。ローディングモータ51の回転軸、プーリー52、プーリーギア54、駆動ギア56のそれぞれの回転軸は、ディスクトレイ20の表面と直交する方向に延びている。
【0036】
摺動部材として機能するカムスライダ58は、ディスクトレイ20の移動方向Aと直行する方向Bに延びた細長い板状のカム板58aと、カム板から前方へ延出したガイド板58bとを有し、合成樹脂等により一体に成形されている。カムスライダ58は、カム板58aの下端部が前壁部11dのスライド溝13d(図5参照)に係合した状態でメインフレーム11に支持され、ディスクトレイ20の移動方向Aと直行する方向Bに沿って摺動可能に支持されている。カム板58aは、シャーシマウント24の連結部24cと対向して位置している。
【0037】
図10、図14、図15に示すように、ガイド板58bの一端部には、カムギア56bと歯合可能なラック60が形成されている。そして、カムスライダ58は、カムギア56bにより駆動され、ディスクトレイ20の移動に連動して移動方向Bに往復移動される。カム板58aには、一対のカム溝64、65が形成されている。一対のカム溝64、65は互いに平行に形成されている。
【0038】
各カム溝64、65は、移動方向Bに沿って水平に延びた第1溝部64a、65aと、第1溝部から斜めに上方に向かって延びた傾斜溝部64b、65bと、傾斜溝部の上端から移動方向Bに沿って水平に延びた第2溝部64c、65cと、を有している。一方のカム溝64の内、第2溝部64cおよび傾斜溝部64bの第2カム溝端部は、カム板58aを貫通し、カム板の両面に開口している。カム溝64の他の部分およびカム溝65は、カム板58aにより前面側が覆われ、底有の溝として形成されている。
【0039】
カム板58aの一対のカム溝64、65には、シャーシマウント24の連結部24cに突設された一対の係合ピン26がそれぞれ摺動自在に係合している。そして、カムスライダ58の移動に伴い、係合ピン26がカム溝64、65内を移動し、その結果、シャーシマウント24が昇降される。
【0040】
移動機構50のローディングモータ51が駆動されると、プーリー52から駆動ベルト53を介してプーリーギア54、駆動ギア56へと動力が伝達され、カムスライダ58が移動方向Bに移動される。カムスライダ58の移動に伴ない、カム溝64、65に沿ってシャーシマウント24の係合ピン26が移動する。そして、シャーシマウント24は、カムスライダ58の移動に連動して、枢軸23a、23bを支点に回動し、昇降動作を行なう。これにより、ディスク駆動部22は第1ダンパ30aを支点に回動し、シャーシマウント24と共に昇降動作を行なう。
【0041】
ディスクトレイ20はトレイギア56aによって駆動され移動方向Aに沿って移動される。ディスクトレイ20が移動する間、ディスク駆動部22はディスクトレイの移動を妨げないように、下降位置(退避位置)に移動される。
【0042】
光ディスク装置の待機状態あるいは動作状態において、図9(a)、図16、図17に示すように、カムスライダ58は第1位置に位置し、シャーシマウント24の係合ピン26はカム溝64、65の第2溝部64c、65c内に位置している。これにより、シャーシマウント24は上昇位置に保持され、ディスク駆動部22は駆動位置(上昇位置)に移動されている。
【0043】
光ディスク装置に対して光ディスク8を装填あるいは取出しする場合、メインフレーム11の前面に設けられた図示しないイジェクトボタンを押下すると、あるいは、光ディスク取出しの外部命令により、ローディングモータ51が駆動され、カムスライダ58が図16に示す第1位置から図10、図14、図19に示す第2位置に向かってB方向に移動される。カムスライダ58の移動に連動して、シャーシマウント24の係合ピン26がカム溝64、65内を第2カム溝64c、65cから第1溝部64a、65aまで移動する。これにより、シャーシマウント24は上昇位置から図9、図14、図19、図20に示す下降位置に移動し、これに伴い、ディスク駆動部22が駆動位置から退避位置に下降される。
【0044】
ディスク駆動部22が退避位置に移動した後、ローディングモータ51によりディスクトレイ20が図1に示す実線で示す動作位置から図9(b)および図1に2点鎖線で示す装填取出し位置に移動され、メインフレーム11から外方に延出する。この状態で、ディスクトレイ20に対して光ディスク8の装填あるいは取出しが可能となる。
【0045】
ディスクトレイ20に対して光ディスク8を装填した後、図示しないローディングスイッチが押されると、あるいは、光ディスク装填の外部命令が入力されると、ローディングモータ51が反転駆動され、ディスクトレイ20が移動機構50により装填取出し位置から動作位置に移動される。これにより、光ディスク8はディスクトレイ20と共にメインフレーム11内に引き込まれ、所定位置に保持される。
【0046】
ディスクトレイ20が動作位置に移動した状態で、カムスライダ58が第2位置から第1位置に向かって移動される。カムスライダ58の移動に連動して、シャーシマウント24の係合ピン26がカム溝64、65内を第1カム溝64a、65aから傾斜溝部64b、65bを通って第2溝部64c、65cまで移動する。これにより、シャーシマウント24は下降位置から図16、図17に示す上昇位置に移動し、これに伴い、ディスク駆動部22が退避位置から駆動位置に上昇し、駆動位置に保持される。
【0047】
これにより、ディスクトレイ20に載置されていた光ディスク8は、ディスク駆動部22のターンテーブル33と、図示しないトップカバーの内面に設けられたディスククランプ部材とによって挟まれ、回転自在に保持される。また、光ピックアップ36は光ディスク8の記録面と対向して位置する。この状態で、スピンドルモータ32によってターンテーブル33および光ディスク8を所定の速度で回転し、光ピックアップ36により光ディスク8に対して情報の書き込みあるいは読み出しを行う。
【0048】
一方、上述したシャーシマウント24の昇降動作の間、連結部24cに形成されたガイドボス27はメインフレーム11に形成されたガイド溝18内を移動し、また、押圧突起30は、メインフレームのガイドリブ17に設けられたガイド面17bと対向して移動する。
【0049】
前述したように、ガイド溝18は、その下端から上端に向かって徐々に幅が狭くなるように形成されている。また、ガイドボス27の幅は、円滑な摺動動作を確保するため、ガイド溝18の上端部の幅に対しわずかに、例えば、0.05mm〜0.1mm程度、小さく形成されている。そのため、ガイドボス27は、シャーシマウント24が下降位置と上昇位置直前との間を移動する間、ガイド溝18内を隙間を持って移動し、シャーシマウント24の摺動負荷を最小限に抑えている。そして、シャーシマウント24が上昇位置に移動した際、ガイドボス27はガイド溝18を規定している第1および第2ガイドリブ16、17の側面16a、17aで形成される幅に対して前述の隙間をもって規制される。
【0050】
また、押圧突起30は、シャーシマウント24が下降位置と上昇位置直前との間を移動する間、ガイド面17bと隙間を持って移動し、シャーシマウント24の摺動負荷を最小限に抑えている。そして、図18に示すように、シャーシマウント24が上昇位置に移動した際、押圧突起30は、その当接部31がガイド面17bの突出部17cに当接し、所定量、例えば、0.5mm程度、撓み、その撓みにより弾性力を発生する。これにより、押圧突起30は、メインフレーム11の第2ガイドリブ17を弾性的に押圧し、第2ガイドリブを押圧突起30とガイドボス27との間に挟み込む。従って、シャーシマウント24のガイドボス27は、ガイド溝18を規定してい第2ガイドリブの側壁17aに弾性力で押し付けられ固定される。これにより、上昇位置に移動したシャーシマウント24およびディスク駆動部22は、ガタツキが抑制され、偏芯または偏重心ディスクの駆動や外部衝撃による振動の抑制、および騒音の発生が抑制される。
【0051】
図22および図23に示すように、例えば、光ディスク装置が落下し、衝撃方向Cの衝撃を受けた場合、シャーシマウント24のガイドボス27をメインフレーム11の第1および第2のガイドリブ16、17で受ける形で落下衝撃力に受け止める。そのため、落下衝撃時、押圧突起30には大きな落下衝撃力が加わらず、押圧突起30が損傷することはない。従って、押圧突起30は、本来の機能である振動抑制するための弾性力を発生させる理想的な形状に形成することが可能となる。
【0052】
以上のように構成された光ディスク装置によれば、シャーシマウントにガイドリブおよび押圧突起を一体的に形成し、メインフレームにガイドリブと係合するガイド溝および押圧突起に当接して弾性力を発生させるガイド面を設けることにより、シャーシマウントおよびディスク駆動部をガタつき無く保持することが可能となり、一般的に大なり小なり偏芯または偏重心を有するディスクの回転等によるシャーシマウントの振動及び騒音を抑制することができる。また、シャーシマウントを付勢する板バネ(付勢部材)など別部材を設ける必要が無く、部品点数の増大を抑制し、製造コストの低減、装置の小型化を図ることができる。下降位置から上昇位置直前までの区間において、シャーシマウントの摺動負荷を最小減に抑えられ、シャーシマウントの円滑な移動が確保される。更に、押圧突起には衝撃が作用し難いため、押圧突起は、振動抑制に必要な弾性力のみを有していればよく、押圧部材の小型化ができるとともに、押圧部材の弾性力によるシャーシマウントの動作負荷も低減でき、小電力省スペースの装置を供給することができる。
【0053】
なお、本発明は実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0054】
例えば、各構成部材の形成材料、形状等は、上述した実施形態に限定されることなく、必要に応じて変更可能である。上述した実施形態において、ガイドボスおよび押圧突起をシャーシマウントに一体に形成し、ガイド溝およびガイドリブをメインフレーム11の前壁部に形成する構成としたが、これに限定されることはない。
【0055】
図24、図25、図26に示すように、この発明の他の実施形態に係る光ディスク装置によれば、シャーシマウントの振動を抑制するガイドボス27および押圧突起30は、メインフレーム11の前壁部11dの内面にフレームと一体に突設されている。また、ガイドボス27と係合するガイド溝18および押圧突起30と係合するガイド面17bを有したガイドリブ17は、シャーシマウント24の連結部24c側に形成されている。
【0056】
他の実施形態において、他の構成は前述した実施形態と同一であり、同一の部分には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。そして、他の実施形態においても、前述した実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】図1は、この発明の実施形態に係る光ディスク装置をそのトップカバーを取り外して示す斜視図。
【図2】図2は、ディスクトレイを取り外した状態における前記光ディスク装置の内部構造を示す斜視図。
【図3】図3は、ディスク駆動部を取外した状態における前記光ディスク装置を示す斜視図。
【図4】図4は、シャーシマウントとメインフレームとの係合部分を拡大して示す斜視図。
【図5】図5は、メインフレームを示す斜視図。
【図6】図6は、上記メインフレームに形成されたガイド溝、ガイド面の部分を拡大して示す斜視図。
【図7】図7は、前記ガイド溝およびガイド面を示す正面図。
【図8】図8は、前記光ディスク装置のディスクトレイの裏面側およびシャーシマウントを示す斜視図。
【図9】図9は、ディスクトレイが動作位置に引き込まれた状態およびディスクトレイが装填取出し位置に引き出された状態をそれぞれ示す上記光ディスク装置の断面図。
【図10】図10は、ディスク駆動部、移動機構、シャーシマウントを示す分解斜視図。
【図11】図11は、前記光ディスク装置のシャーシマウントを示す斜視図。
【図12】図12は、前記シャーシマウントのガイドボスおよび押圧突起の部分を拡大して示す斜視図。
【図13】図13は、前記シャーシマウントのガイドボスおよび押圧突起の部分を拡大して示す正面図。
【図14】図14は、前記光ディスク装置のシャーシマウントおよびカムスライダを示す斜視図。
【図15】図15は、前記カムスライダを示す正面図。
【図16】図16は、第1位置および上昇位置におけるカムスライダおよびシャーシマウントを示す斜視図。
【図17】図17は、第1位置および上昇位置におけるカムスライダおよびシャーシマウントを示す断面図。
【図18】図18は、上昇位置におけるガイドボスおよび押圧突起とガイド溝およびガイド面との係合状態を示す正面図。
【図19】図19は、第2位置および下降位置におけるカムスライダおよびシャーシマウントを示す斜視図。
【図20】図20は、第2位置および下降位置におけるカムスライダおよびシャーシマウントを示す断面図。
【図21】図21は、下降位置におけるガイドボスおよび押圧突起とガイド溝およびガイド面との係合状態を示す正面図。
【図22】図22は、落下衝撃を受ける状態の光ディスク装置を示す側面図。
【図23】図23は、図22におけるシャーシマウントとメインフレームとの係合部分を拡大して示す側面図。
【図24】図24は、この発明の他の実施形態に係る光ディスク装置のシャーシマウントとメインフレームとの係合部分を拡大して示す斜視図。
【図25】図25は、シャーシマウントに形成されたガイド溝およびガイド面の部分を拡大して示す斜視図。
【図26】図26は、メインフレームの一部を拡大して示す斜視図。
【符号の説明】
【0058】
8…光ディスク、11…メインフレーム、11a、11b…側壁、11d…前壁部、
16…第1ガイドリブ、17…第2ガイドリブ、16a、17a…側面、
17b…ガイド面、17c…突出部、18…ガイド溝、20…ディスクトレイ、
22…ディスク駆動部、24…シャーシマウント、24a、24b…アーム部、
24c…連結部、26…係合ピン、27…ガイドボス、27a…ガイド部、
27b…補強部、30…押圧突起、30a…当接部、32…スピンドルモータ、
36…光ピックアップ、50…移動機構、51…ローディングモータ、
58…カムスライダ、64、65…カム溝
【技術分野】
【0001】
この発明は、ディスク状の記録媒体に対して情報処理を行う光ディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ディスク状の記録媒体として、DVD−ROMに代表される再生専用タイプ、DVD−Rに代表される1回記録タイプ、ならびにコンピュータの外付けメモリや録再ビデオに利用可能なDVD−RAMおよびDVD−RWに代表される書き換え可能タイプ等の光ディスクが広く普及している。
【0003】
光ディスクに情報を記録し、または光ディスクから情報を再生する光ディスク装置は、ディスク挿入口を有した筐体と、光ディスクを支持し、筐体に対して光ディスクを装填および排出するディスクトレイと、を備えている。ディスクトレイは、ディスクを装填および取出し可能な引出し位置と、筐体内に引き込まれディスクを駆動可能な駆動位置との間を移動可能に設けられている。
【0004】
筐体内には、装填された光ディスクを支持および回転させるモータ、および光ディスクに対して情報を読み出し、書き込みを行う光ピックアップ等が配設されている。モータおよびピックアップは、ピックアップシャーシ上に設けられ、このピックアップシャーシは、筐体内に回動自在に設けられたシャーシマウント上に載置されている。
【0005】
ディスクトレイが移動する間、ピックアップシャーシはシャーシマウントともに下降位置に退避され、光ディスクが所定の駆動位置に引き込まれると、ピックアップシャーシおよびシャーシマウントが上方に回動される。これにより、モータが上昇してディスクをクランプするとともに、光ピックアップが光ディスクの記録面と対向する。
【0006】
光ディスク装置においては、光ディスクの偏芯や偏重心等に起因して、光ディスクが高速に回転することによって振動が発生する。そのため、機構系にガタツキがあると、ピックアップシャーシ、シャーシマウント等が振動し、光ディスクの記録再生に悪影響を与える。また、構成部材同士が衝突を繰り返して異音が発生する虞がある。
【0007】
そこで、筐体とシャーシマウントとの間に板ばねからなる付勢部材を設け、この板ばねによりシャーシマウントを一方向に付勢してガタツキを無くすことにより、振動を吸収しノイズの低減を図った装置が提供されている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開平10−21680号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前述した光ディスク装置のように、構成部材のガタツキを低減するために板ばねのような付勢部材を追加した場合、部品点数および組立て工程数が増大し、製造コストの上昇を招く。また、部品の増加により、それに対応した設置スペースが必要となり、小型化の妨げとなる。更に、ガタツキを物理的に詰めた場合、温度変化による部品の収縮・膨張によりガタツキが発生し、あるいは部品間で噛み合いが生じ過負荷になって動作に支障を来すことがある。
【0009】
この発明は以上の点に鑑みなされたもので、その目的は、部品点数を増加させることなく構成部品のガタツキおよび騒音の発生を抑制することができるとともに、過負荷を抑制して円滑な動作を確保することが可能な光ディスク装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明の態様に係る光ディスク装置は、対向した一対の側壁と、前記側壁間を延びた前壁とを有するメインフレームと、ディスク状の記録媒体を支持および回転するモータと、記録媒体に対して情報処理を行うヘッド部とを有し、前記記録媒体を駆動する駆動位置と、前記記録媒体の装填および取出しを許容する退避位置と、の間を昇降可能に設けられた媒体駆動部と、前記媒体駆動部を支持しているとともに、前記駆動位置に対応する上昇位置と前記退避位置に対応する下降位置との間を昇降可能に前記メインフレームに支持された昇降保持部材と、を備え、
前記昇降保持部材は、それぞれ前記側壁と対向して延びた一対のアーム部と、アーム部の一端部間を延びているとともに前記前壁と対向した連結部と、前記アームの他端部に設けられ前記側壁に支持された支点部と、を有し、前記メインフレームの前壁部および前記昇降保持部材の連結部のいずれか一方は、他方に向かって突出したガイドボスと、このガイドボスと並んで設けられ前記連結部の延出方向に沿って弾性変形可能に形成された押圧突起と、を一体に有し、前記前壁部および前記連結部の他方は、前記昇降方向に沿って延び前記ガイドボスと係合するガイド溝と、前記押圧突起を撓ませて弾性力を発生させるガイド面を有し前記ガイド溝と並んで設けられたガイドリブと、を有している。
【発明の効果】
【0011】
この発明の態様によれば、部品点数を増加させることなく構成部品のガタツキおよび騒音の発生を抑制することができるとともに、過負荷を抑制して円滑な動作を確保することが可能な光ディスク装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、この発明の実施形態に係る光ディスク装置について詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る光ディスク装置のトップカバーを取り外して光ディスク装置の外観構造を示し、図2は、後述するディスクトレイを省略して光ディスク装置の内部構造を示している。図3および図5は、光ディスク装置のメインフレームを示している。
【0013】
図1および図2に示すように、光ディスク装置は、筐体を構成する上面が開口した矩形箱状のメインフレーム11を備えている。メインフレーム11内には、記録媒体としての光ディスク8を保持し搬送するディスクトレイ20、光ディスクを支持および回転する昇降自在なディスク駆動部22、およびディスクトレイおよびディスク駆動部を移動させる移動機構50が設けられている。メインフレーム11の底面には、制御部を構成する図示しない回路基板が実装されている。
【0014】
図2、図3および図5に示すように、メインフレーム11は、間隔をおいて互いに平行に対向した一対の側壁11a、11b、これらの側壁間を延びた後壁11cおよび前壁部11dを一体に備え、ABS等の合成樹脂により形成されている。一対の側壁11a、11bの各内面側には、後述するシャーシマウント24の支点部を回動自在に支持する係合凹所15a、15bが形成されている。メインフレーム11の後壁11cの内側に位置した2つの角部には、ディスク駆動部22を支持する一対の支持ポスト12が設けられている。
【0015】
前壁部11dは、側壁11a、11bの前端部間を延び、後壁11cとほぼ平行に対向している。前壁部11dには、矩形状の開口からなるディスク挿入口14が形成されている。また、前壁部11は、移動機構50を取り付ける取り付け部を構成している。すなわち、前壁部11dには、ギア支点ボス13a、プーリーギア支点ボス13b、モータ取り付け部13c、および後述するカムスライダを移動自在に支持するスライド溝13dが形成されている。
【0016】
図5、図6、図7に示すように、前壁部11dの後壁11cと対向する内面の一端部、例えば、側壁11a側の端部には、第1および第2ガイドリブ16、17が突設されている。第1および第2ガイドリブ16、17は、それぞれ前壁部11dの延出方向と直交する方向、ここでは、鉛直方向に延びているとともに、前壁部11dの延出方向に互いに隙間を置いて並んでいる。第1ガイドリブ16の側面16aと第2ガイドリブ17の側面17aとは互いに対向し、これらの間にガイド溝18を規定している。このガイド溝18は、シャーシマウント24の昇降方向に沿って延びているとともに、後述するシャーシマウントの下降位置から上昇位置に向かって、ここでは、下から上に向かって、徐々に幅が狭くなるように形成されている。
【0017】
第2ガイドリブ17の反対側の側面は、シャーシマウント24の昇降方向に沿って延びたガイド面17bを構成している。ガイド面17bの上端部には、ガイド溝18と反対方向に突出した突出部17cが形成されている。
【0018】
図8は、記録媒体保持体として機能するディスクトレイ20の裏面側および移動機構50とディスクトレイとの係合状態を示している。図9(a)は、ディスクトレイが動作位置に引き込まれた状態を示す光ディスク装置の断面図、図9(b)は、ディスクトレイが装填取出し位置に移動した状態を示す光ディスク装置の断面図である。
【0019】
図1および図8に示すように、ディスクトレイ20はほぼ矩形板状に形成され、その一部には、光ディスク8に対するディスク駆動部22のアクセスを許容する窓部21が形成されている。ディスクトレイ20は、側壁11a、11b間に配置され、側壁と平行な方向に沿って、つまり、メインフレーム11の長手方向(移動方向A)に沿って移動可能に支持されている。ディスクトレイ20の裏面には、ラック23が形成されディスクトレイの長手方向のほぼ全長に渡って延びている。このラック23は、後述する移動機構50のトレイギア56aと歯合している。
【0020】
ディスクトレイ20は、メインフレーム11内の所定位置に引き込まれた図9(a)および図1に実線で示す作動位置と、ディスク挿入口14を通して筐体10の外部に突出する図9(b)および図1に2点鎖線で示す装填取出し位置との間を直線的に移動可能に支持され、移動機構50により、これら作動位置と装填取出し位置との間を移動される。作動位置において、ディスクトレイ20に保持された光ディスク8はディスク駆動部22によって駆動可能であり、装填取出し位置において、ディスクトレイ20に対して光ディスク8の装填および取出しが可能となる。
【0021】
図10は、光ディスク装置のディスク駆動部22、移動機構50、およびシャーシマウント24を示す分解斜視図であり、図11はシャーシマウントを示し、図12および図13は、シャーシマウントのガイドボスおよび押圧突起部分を拡大して示している。
【0022】
図3、図10および図11に示すように、メインフレーム11には、ディスク駆動部22を昇降自在に支持するシャーシマウント24が設けられている。シャーシマウント24は、ほぼU字形状に形成され、メインフレーム11に回動自在に取り付けられている。昇降保持部材として機能するシャーシマウント24は、間隔をおいて互いに平行に対向した一対のアーム部24a、24bと、アーム部と直交してアーム部の一端部間を延びているとともにアーム部の先端同士を連結した連結部24cとを有している。
【0023】
アーム部24a、24bの後端部には、それぞれ回動支点部となる枢軸23a、23bが形成され、アーム部から外側に突出している。シャーシマウント24の各角部の内側には、ディスク駆動部22を支持する一対の支持ポスト25が設けられている。シャーシマウント24は、移動機構50の後述するスライドカムと係合する一対の係合ピン26を有している。これらの係合ピン26は、連結部24cの中央部から前方に突出しているとともに、連結部の延出方向に沿って互いに離間して位置している。
【0024】
図11ないし図13に示すように、シャーシマウント24は、連結部24cに形成されたガイドボス27および押圧突起30を一体に有している。ガイドボス27は、連結部24cの一端部、例えば、アーム部24a側の端部に設けられ、前方、すなわち、メインフレーム11の前壁部11dに向かって突出している。ガイドボス27は、所定の幅を有したガイド部27aと、ガイド部よりも狭い幅に形成されガイド部を補強した補強部27bとを一体に有して形成されている。これにより、ガイドボス27は、落下衝撃荷重を受けても破損しない充分な強度を有している。
【0025】
押圧突起30は、ガイドボス27に対して、連結部24cの延出方向に隙間を置いて並んでいる。押圧突起30は、連結部24cから前壁部11dに向かって延出した後、直角に折り曲げられ、下方に向かって延出している。押圧突起30の延出端には、ガイドボス27側に突出した当接部31が形成されている。これにより、押圧突起30は、連結部24cの延出方向に沿って弾性変形可能に形成され、かつ、撓むことにより、上記方向の弾性力を発生する。
【0026】
ガイドボス27、押圧突起30、および係合ピン26を含むシャーシマウント24は、例えば、メインフレーム11よりも硬い樹脂により一体に成形されている。
【0027】
図3に示すように、シャーシマウント24は、メインフレーム11の側壁11a、11bに設けられた係合凹所15a、15bに、枢軸23a、23bがそれぞれ回動自在に係合した状態で、メインフレームに取り付けられている。一対のアーム部24a、24bはそれぞれ側壁11a、11bと平行に延びている。連結部24cは、枢軸23a、23bに対してディスク挿入口14側に位置し、側壁11a、11b間をこれら側壁と直交する方向に延びているとともにメインフレーム11の前壁部11dと隙間を置いて対向している。そして、シャーシマウント24は枢軸23a、23bの回りで、上昇位置と下降位置との間を回動可能に支持され、連結部24cは、シャーシマウント24の上昇位置と下降位置との間の回動に伴い、昇降する。
【0028】
図3および図4に示すように、連結部24cに形成されたガイドボス27は、前壁部11dに形成されたガイド溝18に係合し、押圧突起30は前壁部11dに形成された第2ガイド17のガイド面17bと対向して位置している。第2ガイドリブ17は、ガイドボス27と押圧突起30との間に挟まれた状態で位置している。そして、連結部24cの昇降に伴い、ガイドボス27はガイド溝18内を移動し、押圧突起30はガイド面17bに沿って移動する。
【0029】
図2および図10に示すように、ディスク駆動部22は金属板で形成された矩形枠状のシャーシ28を有している。シャーシ28において長手方向の前端部には、駆動源としてのスピンドルモータ32が取り付けられ、このスピンドルモータの回転軸には、光ディスク8を支持および所定の速度で回転するターンテーブル33が固定されている。シャーシ28には、互いに平行に延びた一対のガイドレール34が取り付けられている。ガイドレール34はメインフレーム11の側壁11a、11bに対し僅かに傾斜して延びている。
【0030】
ディスク駆動部22は、光ディスク8に対して情報の書き込み、読み出しを行う光ピックアップ36、および光ピックアップを移動させるピックアップ駆動機構37を備えている。光ピックアップ36は一対のガイドレール34によりこれらのガイドレールに沿って往復移動可能に支持されている。ピックアップ駆動機構37は、シャーシ28上に取り付けられた送りモータ38、および送りモータの回転軸に連結されたリードスクリュー39を有している。リードスクリュー39は、ガイドレール34と平行に延びているとともに光ピックアップ36と係合している。
【0031】
ヘッド部として機能する光ピックアップ36は、光ディスク8からの情報の読み出しおよび情報の書き込み時、ターンテーブル33上に支持された光ディスク8の情報記録面と対向して位置し、ピックアップ駆動機構37により、ガイドレール34に沿って光ディスクの径方向に移動される。
【0032】
シャーシ28は、その長手方向一端側(後端側)の2つの角部が一対の第1ダンパ30aによりメインフレーム11の後壁11cの支持ポスト12に弾性的に支持され、長手方向他端側(前端側)が一対の第2ダンパ30bによりシャーシマウント24の支持ポスト25に支持されている。これにより、シャーシ28は、4つのダンパ30a、30bによって弾性的に支持されている。
【0033】
ディスク駆動部22は、一対の第1ダンパ30aを支点として、図9(a)に示す上昇位置(駆動位置)と図9(b)に示す下降位置(退避位置)との間をシャーシマウント24と共に回動可能に、つまり、昇降可能に支持されている。シャーシ28は、駆動位置において、ディスクトレイ20とほぼ平行に位置し、退避位置において、第2ダンパ30b側の端部がディスクトレイ20から下方に離間して位置する。
【0034】
図2、図3、図5、図8、図10、および図14に示すように、ディスクトレイ20およびディスク駆動部22を移動させる移動機構50は、メインフレーム11の前壁部11dに設けられディスクトレイ20の下方に位置している。移動機構50は、前壁部11dのモータ取り付け部13cに取り付けられた駆動源としてのローディングモータ51、ローディングモータの回転軸に圧入されたプーリー52、前壁部のプーリーギア支点ボス13bに回転自在に取り付けられたプーリーギア54、プーリー52とプーリーギア54に掛け渡された駆動ベルト53、前壁部のギア支点ボス13aに回転自在に取り付けられプーリーギア54と歯合した駆動ギア56、およびカムスライダ58を備えている。
【0035】
駆動ギア56の一方の表面上には、ディスクトレイ20のラック23と歯合するトレイギア56aが同軸的に形成され、他方の表面上には、カムスライダ58のラックと歯合するカムギア56bが同軸的に形成されている。ローディングモータ51の回転軸、プーリー52、プーリーギア54、駆動ギア56のそれぞれの回転軸は、ディスクトレイ20の表面と直交する方向に延びている。
【0036】
摺動部材として機能するカムスライダ58は、ディスクトレイ20の移動方向Aと直行する方向Bに延びた細長い板状のカム板58aと、カム板から前方へ延出したガイド板58bとを有し、合成樹脂等により一体に成形されている。カムスライダ58は、カム板58aの下端部が前壁部11dのスライド溝13d(図5参照)に係合した状態でメインフレーム11に支持され、ディスクトレイ20の移動方向Aと直行する方向Bに沿って摺動可能に支持されている。カム板58aは、シャーシマウント24の連結部24cと対向して位置している。
【0037】
図10、図14、図15に示すように、ガイド板58bの一端部には、カムギア56bと歯合可能なラック60が形成されている。そして、カムスライダ58は、カムギア56bにより駆動され、ディスクトレイ20の移動に連動して移動方向Bに往復移動される。カム板58aには、一対のカム溝64、65が形成されている。一対のカム溝64、65は互いに平行に形成されている。
【0038】
各カム溝64、65は、移動方向Bに沿って水平に延びた第1溝部64a、65aと、第1溝部から斜めに上方に向かって延びた傾斜溝部64b、65bと、傾斜溝部の上端から移動方向Bに沿って水平に延びた第2溝部64c、65cと、を有している。一方のカム溝64の内、第2溝部64cおよび傾斜溝部64bの第2カム溝端部は、カム板58aを貫通し、カム板の両面に開口している。カム溝64の他の部分およびカム溝65は、カム板58aにより前面側が覆われ、底有の溝として形成されている。
【0039】
カム板58aの一対のカム溝64、65には、シャーシマウント24の連結部24cに突設された一対の係合ピン26がそれぞれ摺動自在に係合している。そして、カムスライダ58の移動に伴い、係合ピン26がカム溝64、65内を移動し、その結果、シャーシマウント24が昇降される。
【0040】
移動機構50のローディングモータ51が駆動されると、プーリー52から駆動ベルト53を介してプーリーギア54、駆動ギア56へと動力が伝達され、カムスライダ58が移動方向Bに移動される。カムスライダ58の移動に伴ない、カム溝64、65に沿ってシャーシマウント24の係合ピン26が移動する。そして、シャーシマウント24は、カムスライダ58の移動に連動して、枢軸23a、23bを支点に回動し、昇降動作を行なう。これにより、ディスク駆動部22は第1ダンパ30aを支点に回動し、シャーシマウント24と共に昇降動作を行なう。
【0041】
ディスクトレイ20はトレイギア56aによって駆動され移動方向Aに沿って移動される。ディスクトレイ20が移動する間、ディスク駆動部22はディスクトレイの移動を妨げないように、下降位置(退避位置)に移動される。
【0042】
光ディスク装置の待機状態あるいは動作状態において、図9(a)、図16、図17に示すように、カムスライダ58は第1位置に位置し、シャーシマウント24の係合ピン26はカム溝64、65の第2溝部64c、65c内に位置している。これにより、シャーシマウント24は上昇位置に保持され、ディスク駆動部22は駆動位置(上昇位置)に移動されている。
【0043】
光ディスク装置に対して光ディスク8を装填あるいは取出しする場合、メインフレーム11の前面に設けられた図示しないイジェクトボタンを押下すると、あるいは、光ディスク取出しの外部命令により、ローディングモータ51が駆動され、カムスライダ58が図16に示す第1位置から図10、図14、図19に示す第2位置に向かってB方向に移動される。カムスライダ58の移動に連動して、シャーシマウント24の係合ピン26がカム溝64、65内を第2カム溝64c、65cから第1溝部64a、65aまで移動する。これにより、シャーシマウント24は上昇位置から図9、図14、図19、図20に示す下降位置に移動し、これに伴い、ディスク駆動部22が駆動位置から退避位置に下降される。
【0044】
ディスク駆動部22が退避位置に移動した後、ローディングモータ51によりディスクトレイ20が図1に示す実線で示す動作位置から図9(b)および図1に2点鎖線で示す装填取出し位置に移動され、メインフレーム11から外方に延出する。この状態で、ディスクトレイ20に対して光ディスク8の装填あるいは取出しが可能となる。
【0045】
ディスクトレイ20に対して光ディスク8を装填した後、図示しないローディングスイッチが押されると、あるいは、光ディスク装填の外部命令が入力されると、ローディングモータ51が反転駆動され、ディスクトレイ20が移動機構50により装填取出し位置から動作位置に移動される。これにより、光ディスク8はディスクトレイ20と共にメインフレーム11内に引き込まれ、所定位置に保持される。
【0046】
ディスクトレイ20が動作位置に移動した状態で、カムスライダ58が第2位置から第1位置に向かって移動される。カムスライダ58の移動に連動して、シャーシマウント24の係合ピン26がカム溝64、65内を第1カム溝64a、65aから傾斜溝部64b、65bを通って第2溝部64c、65cまで移動する。これにより、シャーシマウント24は下降位置から図16、図17に示す上昇位置に移動し、これに伴い、ディスク駆動部22が退避位置から駆動位置に上昇し、駆動位置に保持される。
【0047】
これにより、ディスクトレイ20に載置されていた光ディスク8は、ディスク駆動部22のターンテーブル33と、図示しないトップカバーの内面に設けられたディスククランプ部材とによって挟まれ、回転自在に保持される。また、光ピックアップ36は光ディスク8の記録面と対向して位置する。この状態で、スピンドルモータ32によってターンテーブル33および光ディスク8を所定の速度で回転し、光ピックアップ36により光ディスク8に対して情報の書き込みあるいは読み出しを行う。
【0048】
一方、上述したシャーシマウント24の昇降動作の間、連結部24cに形成されたガイドボス27はメインフレーム11に形成されたガイド溝18内を移動し、また、押圧突起30は、メインフレームのガイドリブ17に設けられたガイド面17bと対向して移動する。
【0049】
前述したように、ガイド溝18は、その下端から上端に向かって徐々に幅が狭くなるように形成されている。また、ガイドボス27の幅は、円滑な摺動動作を確保するため、ガイド溝18の上端部の幅に対しわずかに、例えば、0.05mm〜0.1mm程度、小さく形成されている。そのため、ガイドボス27は、シャーシマウント24が下降位置と上昇位置直前との間を移動する間、ガイド溝18内を隙間を持って移動し、シャーシマウント24の摺動負荷を最小限に抑えている。そして、シャーシマウント24が上昇位置に移動した際、ガイドボス27はガイド溝18を規定している第1および第2ガイドリブ16、17の側面16a、17aで形成される幅に対して前述の隙間をもって規制される。
【0050】
また、押圧突起30は、シャーシマウント24が下降位置と上昇位置直前との間を移動する間、ガイド面17bと隙間を持って移動し、シャーシマウント24の摺動負荷を最小限に抑えている。そして、図18に示すように、シャーシマウント24が上昇位置に移動した際、押圧突起30は、その当接部31がガイド面17bの突出部17cに当接し、所定量、例えば、0.5mm程度、撓み、その撓みにより弾性力を発生する。これにより、押圧突起30は、メインフレーム11の第2ガイドリブ17を弾性的に押圧し、第2ガイドリブを押圧突起30とガイドボス27との間に挟み込む。従って、シャーシマウント24のガイドボス27は、ガイド溝18を規定してい第2ガイドリブの側壁17aに弾性力で押し付けられ固定される。これにより、上昇位置に移動したシャーシマウント24およびディスク駆動部22は、ガタツキが抑制され、偏芯または偏重心ディスクの駆動や外部衝撃による振動の抑制、および騒音の発生が抑制される。
【0051】
図22および図23に示すように、例えば、光ディスク装置が落下し、衝撃方向Cの衝撃を受けた場合、シャーシマウント24のガイドボス27をメインフレーム11の第1および第2のガイドリブ16、17で受ける形で落下衝撃力に受け止める。そのため、落下衝撃時、押圧突起30には大きな落下衝撃力が加わらず、押圧突起30が損傷することはない。従って、押圧突起30は、本来の機能である振動抑制するための弾性力を発生させる理想的な形状に形成することが可能となる。
【0052】
以上のように構成された光ディスク装置によれば、シャーシマウントにガイドリブおよび押圧突起を一体的に形成し、メインフレームにガイドリブと係合するガイド溝および押圧突起に当接して弾性力を発生させるガイド面を設けることにより、シャーシマウントおよびディスク駆動部をガタつき無く保持することが可能となり、一般的に大なり小なり偏芯または偏重心を有するディスクの回転等によるシャーシマウントの振動及び騒音を抑制することができる。また、シャーシマウントを付勢する板バネ(付勢部材)など別部材を設ける必要が無く、部品点数の増大を抑制し、製造コストの低減、装置の小型化を図ることができる。下降位置から上昇位置直前までの区間において、シャーシマウントの摺動負荷を最小減に抑えられ、シャーシマウントの円滑な移動が確保される。更に、押圧突起には衝撃が作用し難いため、押圧突起は、振動抑制に必要な弾性力のみを有していればよく、押圧部材の小型化ができるとともに、押圧部材の弾性力によるシャーシマウントの動作負荷も低減でき、小電力省スペースの装置を供給することができる。
【0053】
なお、本発明は実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0054】
例えば、各構成部材の形成材料、形状等は、上述した実施形態に限定されることなく、必要に応じて変更可能である。上述した実施形態において、ガイドボスおよび押圧突起をシャーシマウントに一体に形成し、ガイド溝およびガイドリブをメインフレーム11の前壁部に形成する構成としたが、これに限定されることはない。
【0055】
図24、図25、図26に示すように、この発明の他の実施形態に係る光ディスク装置によれば、シャーシマウントの振動を抑制するガイドボス27および押圧突起30は、メインフレーム11の前壁部11dの内面にフレームと一体に突設されている。また、ガイドボス27と係合するガイド溝18および押圧突起30と係合するガイド面17bを有したガイドリブ17は、シャーシマウント24の連結部24c側に形成されている。
【0056】
他の実施形態において、他の構成は前述した実施形態と同一であり、同一の部分には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。そして、他の実施形態においても、前述した実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】図1は、この発明の実施形態に係る光ディスク装置をそのトップカバーを取り外して示す斜視図。
【図2】図2は、ディスクトレイを取り外した状態における前記光ディスク装置の内部構造を示す斜視図。
【図3】図3は、ディスク駆動部を取外した状態における前記光ディスク装置を示す斜視図。
【図4】図4は、シャーシマウントとメインフレームとの係合部分を拡大して示す斜視図。
【図5】図5は、メインフレームを示す斜視図。
【図6】図6は、上記メインフレームに形成されたガイド溝、ガイド面の部分を拡大して示す斜視図。
【図7】図7は、前記ガイド溝およびガイド面を示す正面図。
【図8】図8は、前記光ディスク装置のディスクトレイの裏面側およびシャーシマウントを示す斜視図。
【図9】図9は、ディスクトレイが動作位置に引き込まれた状態およびディスクトレイが装填取出し位置に引き出された状態をそれぞれ示す上記光ディスク装置の断面図。
【図10】図10は、ディスク駆動部、移動機構、シャーシマウントを示す分解斜視図。
【図11】図11は、前記光ディスク装置のシャーシマウントを示す斜視図。
【図12】図12は、前記シャーシマウントのガイドボスおよび押圧突起の部分を拡大して示す斜視図。
【図13】図13は、前記シャーシマウントのガイドボスおよび押圧突起の部分を拡大して示す正面図。
【図14】図14は、前記光ディスク装置のシャーシマウントおよびカムスライダを示す斜視図。
【図15】図15は、前記カムスライダを示す正面図。
【図16】図16は、第1位置および上昇位置におけるカムスライダおよびシャーシマウントを示す斜視図。
【図17】図17は、第1位置および上昇位置におけるカムスライダおよびシャーシマウントを示す断面図。
【図18】図18は、上昇位置におけるガイドボスおよび押圧突起とガイド溝およびガイド面との係合状態を示す正面図。
【図19】図19は、第2位置および下降位置におけるカムスライダおよびシャーシマウントを示す斜視図。
【図20】図20は、第2位置および下降位置におけるカムスライダおよびシャーシマウントを示す断面図。
【図21】図21は、下降位置におけるガイドボスおよび押圧突起とガイド溝およびガイド面との係合状態を示す正面図。
【図22】図22は、落下衝撃を受ける状態の光ディスク装置を示す側面図。
【図23】図23は、図22におけるシャーシマウントとメインフレームとの係合部分を拡大して示す側面図。
【図24】図24は、この発明の他の実施形態に係る光ディスク装置のシャーシマウントとメインフレームとの係合部分を拡大して示す斜視図。
【図25】図25は、シャーシマウントに形成されたガイド溝およびガイド面の部分を拡大して示す斜視図。
【図26】図26は、メインフレームの一部を拡大して示す斜視図。
【符号の説明】
【0058】
8…光ディスク、11…メインフレーム、11a、11b…側壁、11d…前壁部、
16…第1ガイドリブ、17…第2ガイドリブ、16a、17a…側面、
17b…ガイド面、17c…突出部、18…ガイド溝、20…ディスクトレイ、
22…ディスク駆動部、24…シャーシマウント、24a、24b…アーム部、
24c…連結部、26…係合ピン、27…ガイドボス、27a…ガイド部、
27b…補強部、30…押圧突起、30a…当接部、32…スピンドルモータ、
36…光ピックアップ、50…移動機構、51…ローディングモータ、
58…カムスライダ、64、65…カム溝
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向した一対の側壁と、前記側壁間を延びた前壁とを有するメインフレームと、
ディスク状の記録媒体を支持および回転するモータと、記録媒体に対して情報処理を行うヘッド部とを有し、前記記録媒体を駆動する駆動位置と、前記記録媒体の装填および取出しを許容する退避位置と、の間を昇降可能に設けられた媒体駆動部と、
前記媒体駆動部を支持しているとともに、前記駆動位置に対応する上昇位置と前記退避位置に対応する下降位置との間を昇降可能に前記メインフレームに支持された昇降保持部材と、を備え、
前記昇降保持部材は、それぞれ前記側壁と対向して延びた一対のアーム部と、アーム部の一端部間を延びているとともに前記前壁と対向した連結部と、前記アームの他端部に設けられ前記側壁に支持された支点部と、を有し、
前記メインフレームの前壁部および前記昇降保持部材の連結部のいずれか一方は、他方に向かって突出したガイドボスと、このガイドボスと並んで設けられ前記連結部の延出方向に沿って弾性変形可能に形成された押圧突起と、を一体に有し、
前記前壁部および前記連結部の他方は、前記昇降方向に沿って延び前記ガイドボスと係合するガイド溝と、前記押圧突起を撓ませて弾性力を発生させるガイド面を有し前記ガイド溝と並んで設けられたガイドリブと、を有している光ディスク装置。
【請求項2】
前記ガイドボスおよび押圧突起は、前記連結部の延出方向に隙間を置いて並んで設けられている請求項1に記載の光ディスク装置。
【請求項3】
前記ガイドボスおよび押圧突起は、前記昇降保持部材の連結部に形成され、前記ガイド溝およびガイドリブは前記前壁に形成されている請求項1に記載の光ディスク装置。
【請求項4】
前記ガイドボスおよび押圧突起は、前記前壁に形成され、前記ガイド溝およびガイドリブは前記昇降保持部材の連結部に形成されている請求項1に記載の光ディスク装置。
【請求項5】
前記ガイド溝は、前記昇降保持部材の下降位置から上昇位置に向かって徐々に幅が狭く形成され、前記ガイドボスは、前記昇降保持部材が前記下降位置と前記上昇位置直前との間を移動する間、前記ガイド溝内を隙間を持って移動し、前記昇降保持部材が前記上昇位置に移動した際に前記ガイド溝を規定している壁面と隙間を有する大きさに形成されている請求項1ないし4のいずれか1項に記載の光ディスク装置。
【請求項6】
前記押圧突起は当接部を有し、前記ガイドリブのガイド面は、前記昇降保持部材が前記上昇位置に移動した際に前記押圧突起の当接部に当接して押圧突起を撓ませる弾性当接部を有している請求項1ないし4のいずれか1項に記載の光ディスク装置。
【請求項7】
ディスク状の記録媒体を保持し、前記メインフレームの外部に突出する装填取出し位置と、前記メインフレーム内の所定位置で前記記録媒体を駆動可能な動作位置との間を移動可能に前記メインフレームに設けられた記録媒体保持体と、
前記記録媒体保持体が移動する間、前記昇降保持部材を退避位置に移動させ、前記記録媒体保持体が動作位置に移動した際、前記昇降保持部材および媒体駆動部を駆動位置に移動させる移動機構と、を備えている請求項1に記載の光ディスク装置。
【請求項8】
前記移動機構は、前記昇降保持部材と係合しているとともに前記前壁部に前記側壁と交差する方向に沿って移動可能に設けられ、移動することにより前記昇降保持部材を昇降させる摺動部材と、摺動部材を移動させる駆動源と、を有している請求項7に記載の光ディスク装置。
【請求項1】
対向した一対の側壁と、前記側壁間を延びた前壁とを有するメインフレームと、
ディスク状の記録媒体を支持および回転するモータと、記録媒体に対して情報処理を行うヘッド部とを有し、前記記録媒体を駆動する駆動位置と、前記記録媒体の装填および取出しを許容する退避位置と、の間を昇降可能に設けられた媒体駆動部と、
前記媒体駆動部を支持しているとともに、前記駆動位置に対応する上昇位置と前記退避位置に対応する下降位置との間を昇降可能に前記メインフレームに支持された昇降保持部材と、を備え、
前記昇降保持部材は、それぞれ前記側壁と対向して延びた一対のアーム部と、アーム部の一端部間を延びているとともに前記前壁と対向した連結部と、前記アームの他端部に設けられ前記側壁に支持された支点部と、を有し、
前記メインフレームの前壁部および前記昇降保持部材の連結部のいずれか一方は、他方に向かって突出したガイドボスと、このガイドボスと並んで設けられ前記連結部の延出方向に沿って弾性変形可能に形成された押圧突起と、を一体に有し、
前記前壁部および前記連結部の他方は、前記昇降方向に沿って延び前記ガイドボスと係合するガイド溝と、前記押圧突起を撓ませて弾性力を発生させるガイド面を有し前記ガイド溝と並んで設けられたガイドリブと、を有している光ディスク装置。
【請求項2】
前記ガイドボスおよび押圧突起は、前記連結部の延出方向に隙間を置いて並んで設けられている請求項1に記載の光ディスク装置。
【請求項3】
前記ガイドボスおよび押圧突起は、前記昇降保持部材の連結部に形成され、前記ガイド溝およびガイドリブは前記前壁に形成されている請求項1に記載の光ディスク装置。
【請求項4】
前記ガイドボスおよび押圧突起は、前記前壁に形成され、前記ガイド溝およびガイドリブは前記昇降保持部材の連結部に形成されている請求項1に記載の光ディスク装置。
【請求項5】
前記ガイド溝は、前記昇降保持部材の下降位置から上昇位置に向かって徐々に幅が狭く形成され、前記ガイドボスは、前記昇降保持部材が前記下降位置と前記上昇位置直前との間を移動する間、前記ガイド溝内を隙間を持って移動し、前記昇降保持部材が前記上昇位置に移動した際に前記ガイド溝を規定している壁面と隙間を有する大きさに形成されている請求項1ないし4のいずれか1項に記載の光ディスク装置。
【請求項6】
前記押圧突起は当接部を有し、前記ガイドリブのガイド面は、前記昇降保持部材が前記上昇位置に移動した際に前記押圧突起の当接部に当接して押圧突起を撓ませる弾性当接部を有している請求項1ないし4のいずれか1項に記載の光ディスク装置。
【請求項7】
ディスク状の記録媒体を保持し、前記メインフレームの外部に突出する装填取出し位置と、前記メインフレーム内の所定位置で前記記録媒体を駆動可能な動作位置との間を移動可能に前記メインフレームに設けられた記録媒体保持体と、
前記記録媒体保持体が移動する間、前記昇降保持部材を退避位置に移動させ、前記記録媒体保持体が動作位置に移動した際、前記昇降保持部材および媒体駆動部を駆動位置に移動させる移動機構と、を備えている請求項1に記載の光ディスク装置。
【請求項8】
前記移動機構は、前記昇降保持部材と係合しているとともに前記前壁部に前記側壁と交差する方向に沿って移動可能に設けられ、移動することにより前記昇降保持部材を昇降させる摺動部材と、摺動部材を移動させる駆動源と、を有している請求項7に記載の光ディスク装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図2】
【図3】
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【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公開番号】特開2009−87391(P2009−87391A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−251698(P2007−251698)
【出願日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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