光トモグラフィに対する被写界深度拡大
光投影トモグラフィ・システムが、光源(130)を用いて照らされる。対象物を含むチューブ(107)の一部が光源(130)により照らされる領域内に配置される、対象物を含むチューブ(107)が、関心のあるフィーチャを有する関心のある対象物(114)を含む。ディテクタ(112)が、関心のある対象物(114)から発生する放射を受けるように配置される。光場拡大要素(1)を含むレンズ(103)が、対象物領域とディテクタ(104)の間の光路の中に配置され、それにより対象物を含むチューブ(107)の中の複数の対象物面(Zn)からの光線(130)が、ディテクタ(104)上に同時に合焦する。対象物を含むチューブ(107)が、相対的にディテクタ(104)の方に動き、レンズ(103)が各ビューにおいて関心のあるフィーチャの画像を作成するために対象物領域の複数のビューをもたらすように動作する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、光トモグラフィ結像システムに関し、より詳細には、生体細胞など、微小対象物が、顕微鏡による結像のために毛細管チューブの中に位置づけられる、光投影トモグラフィに関する。
【背景技術】
【0002】
光トモグラフィを使用して生体細胞を結像させることにおける進歩は、例えば、参照によりその全開示が組み込まれている、2003年2月18日に発行の、「Apparatus and method for imaging small objects in a flow stream using optical tomography」という名称の米国特許第6,522,775号に開示されるように、Nelsonによって開発されている。その分野におけるさらなる発達は、参照によりその全開示が組み込まれている、Fauverらの「Method and apparatus of shadowgram formation for optical tomography」という名称の、2003年11月18日に米国特許出願第10/716,744号として出願され、2004年4月22日に公開された米国特許出願公開第2004/0076319号(Fauver‘744)、および、参照によりその全開示が組み込まれている、2006年9月18日に出願された、Fauverらの「Focal plane tracking for optical microtomography」という名称の米国特許出願第11/532,648号(Fauver‘648)の中で教示されている。
【0003】
そのような光トモグラフィ・システムにおける処理は、被検物の準備から始まる。典型的には、患者から採取された被検物は、病院または外来患者診療所から受領され、診断に無用の要素を除去するために処理され、固定され、次いで、染色される。染色された被検物は、次いで、オプティカル・ゲルと混合され、ミクロキャピラリ・チューブの中に挿入され、被検物の中の、細胞などの対象物の画像が、光トモグラフィ・システムを使用して作成される。得られた画像は、「疑似射影画像」と呼ばれる、異なる視点からの拡大された被写界深度の画像の1セットを含む。疑似射影画像のセットは、関心のある細胞の3D再構成をもたらすために、逆投影およびフィルタリングの技術を使用して、再構成されうる。
【0004】
したがって、3D再構成は、関心のある構造、分子または分子プローブの位置の定量化および測定を可能にするための解析に、依然として利用可能である。生体細胞などの対象物は、少なくとも1つの染色またはタグ付き分子プローブで標識されることができ、このプローブの測定された量および位置が、肺癌、乳癌、前立腺癌、子宮頸癌、および卵巣癌などの様々な癌を含むがそれらに限定されない、細胞の病状についての重要な情報をもたらすことができる。
【0005】
上述の光投影トモグラフィ顕微鏡検査(OPTM)システムにおいて、例えば、Fauver‘648において、180度回転にわたって採取された約250のサンプル画像が、50ミクロンの毛細管チューブ内のフローストリームの中にランダムに分配された細胞核のボリュームを、十分にサンプル抽出するために必要とされる。
【0006】
本開示は、許容できる解像度を維持しながらサンプリングの必要条件を削減するために、より高い解像度と改善された信号対ノイズ比をもたらすための、新しく今までにない技術を提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第6,522,775号
【特許文献2】米国特許出願第10/716,744号(米国特許出願公開第2004/0076319号)
【特許文献3】米国特許出願第11/532,648号
【特許文献4】米国特許第5,517,360号
【特許文献5】米国特許第4,081,277号
【特許文献6】米国特許第6,842,297号
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】RJ Pieper and A Korpel、「Image processing for extended depth of field」、Applied Optics 22、1449 (1983)
【非特許文献2】VN Mahajan、「Aberration Theory Made Simple」、(Bellingham、WA: SPIE Press、1991)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
Fauver‘744の中に記載され、VisionGate社により構築されるように、光トモグラフィ・システムの1つの種類において、結像光学素子の被写界深度が、被検物を含む毛細管チューブに対して、対物レンズを横にスキャンすることにより拡大される。圧電変換器(PZT)アクチュエータが、被検物を通る一連の焦点面をスキャンするために、毎秒数回、正弦波状に、対物レンズを横に動かす。対物レンズを動かすのにPZTアクチュエータを使用することにより、被検物を通して動く焦点面は、被検物を通して光軸に沿って急速に対物レンズの質量を動かすことにおいて、固有の慣性により制限される、その速度を有する。典型的には、スキャン速度の上限は、およそ毎秒60サイクルである。回転と対物レンズのスキャンが十分に同期されると、PZTアクチュエータの往行程および復行程において画像が取得可能であり、毎秒120画像までが取得されることを可能にする。これは、有用な取得速度であるが、その取得速度は、本明細書の中で開示される装置、システムおよび方法により、著しく改善されうる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
光投影トモグラフィ・システムが、光源と共に示される。対象物を含むチューブの一部が光源により照らされる領域内に配置される、対象物を含むチューブは、関心のある少なくとも1つのフィーチャを有する関心のある少なくとも1つの対象物を含む。少なくとも1つのディテクタが、関心のある対象物から発生する放射を受けるように配置される。対象物を含むチューブの中の複数の対象物面からの光線が、少なくとも1つのディテクタ上に同時に合焦するように、光場拡大要素を含むレンズが、対象物領域とディテクタの間の光路の中に配置される。対象物を含むチューブは、少なくとも1つのディテクタに対して相対的に動き、レンズは、各ビューにおいて、関心のある少なくとも1つのフィーチャの少なくとも1つの画像を作成するために、対象物領域の複数のビューをもたらすように動作する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】ハイパークロマティック光学レンズ・システムのための設計の一例を示す概略図である。
【図2】A〜Dは、4つの波長のそれぞれに対する、シミュレーションされたモノクロマティック変調伝達関数(MTF)が、4つの別々の画像面で評価されうる場合の、定性的な例を概略的に示すグラフである。
【図3】A〜Dは、ある範囲の波長にわたる、シミュレーションされたポリクロマティック変調伝達関数が、4つの別々の画像面で評価されうる場合の、定性的な例を概略的に示すグラフである。
【図4A】ハイパークロマティック光学レンズを組み込む光トモグラフィ・システムの中の、1つの視角における物体空間の詳細を概略的に示す図である。
【図4B】図4Aに概略的に図示される光トモグラフィ・システムの動作を概略的に示す図である。
【図4C】ハイパークロマティック光学レンズを組み込む光トモグラフィ・システムの中の、第2の視角における物体空間の詳細を概略的に示す図である。
【図4D】図4Cに概略的に図示される光トモグラフィ・システムの動作を概略的に示す図である。
【図5】クロマティック・フィルタ配列のための設計の一例を概略的に示す図である。
【図6A】クロマティック・フィルタ配列を組み込むハイパークロマティック光トモグラフィ・システムに対する第1の視角を概略的に示す図である。
【図6B】クロマティック・フィルタ配列を組み込むハイパークロマティック光トモグラフィ・システムに対する第1の視角を概略的に示す図である。
【図7A】長い被写界深度を組み込むハイパークロマティック光トモグラフィ・システムに対する第1の視角に対する物体空間を概略的に示す図である。
【図7B】長い被写界深度を組み込むハイパークロマティック光トモグラフィ・システムに対する第1の視角を概略的に示す図である。
【図7C】長い被写界深度を組み込むハイパークロマティック光トモグラフィ・システムに対する第2の視角に対する物体空間を概略的に示す図である。
【図7D】長い被写界深度を組み込むハイパークロマティック光トモグラフィ・システムに対する第2の視角を概略的に示す図である。
【図8A】複数の検出経路を組み込むハイパークロマティック光トモグラフィ・システムに対する第1の視角を概略的に示す図である。
【図8B】複数の検出経路を組み込むハイパークロマティック光トモグラフィ・システムに対する第2の視角を概略的に示す図である。
【図9】あるMTF範囲内の焦点不変の一例を示すグラフである。
【図10】焦点不変光トモグラフィ・システムにおける焦点不変領域の中点を見出す方法を示すブロック線図である。
【図11A】焦点不変光トモグラフィ・システムにおける焦点不変領域の中点を見出す他の方法を示すブロック線図である。
【図11B】焦点不変光トモグラフィ・システムにおける焦点不変領域の中点を見出すさらに他の方法を示すブロック線図である。
【図12】色バランスを使用する自動焦点システムの一実施形態を概略的に示す図である。
【図13】空間周波数フィルタリングを有する2個のフォトダイオードを使用する、焦点不変光トモグラフィ・システムにおける焦点不変領域の中点を見出す他の方法を示す図である。
【図14】焦点不変光トモグラフィ・システムにおける2.5D結像のための方法を概略的に示すブロック線図である。
【図15】単一カメラ上の2つの焦点面の同時結像が可能な折り畳み光学システムの一例を示す図である。
【図16】光トモグラフィ・システムにおいて、焦点面のある範囲を得るための複数カメラ装置を概略的に示す図である。
【図17】波面コード化光学素子を含むOPTMシステムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図において、同じ参照数字は類似の要素または部品を示す。図における要素の寸法および相対的な位置は、必ずしも縮尺どおりに描かれていない。例えば、様々な要素の形状および角度は縮尺どおりに描かれておらず、これらの要素のうちのいくつかは、図面の読みやすさを改善するために、適宜拡大され、配置されている。さらに、図示されているように、要素の特定の形状は、特定の要素の実際の形状に関するいかなる情報をも伝えることを意図されておらず、単に、図面の理解を容易にするように選択されている。
【0013】
以下の開示は、関心のある対象を結像するための、いくつかの実施形態およびシステムを説明する。本発明の例示的実施形態による方法およびシステムのいくつかの特徴が、図の中で説明され、記載される。本発明の他の例示的実施形態による方法およびシステムが、図において示されるものとは異なる付加的な手段または特徴を含むことができることが、理解されよう。例示的実施形態は、本明細書の中で、生体細胞に関して説明される。しかし、これらの例は、本発明の原理を示すためであり、本発明が、そのように限定されるものではないことが理解されよう。
【0014】
さらに、本発明のいくつかの例示的実施形態による方法およびシステムは、これらの図の中で示される特徴のすべてを含んでなくてもよい。図を通して、同じ参照番号は、類似または同一の部品または手段を示す。
【0015】
文脈が他を必要としない場合は、以下の本明細書および特許請求の範囲を通して、単語「含む(comprise)」およびその変形、「含む(comprises)」および「含む(comprising)」などは、「含むが限定されない(including, but not limited to)」のような、開かれた包括的な意味に解釈されるものである。
【0016】
本明細書を通して、「一例(one example)」または「例示的一実施形態(an example embodiment)」、「一実施形態(one embodiment)」、「一実施形態(an embodiment)」あるいはこれらの用語の様々な組合せに対する言及は、本実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造または特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態の中に含まれることを意味する。したがって、本明細書を通して様々な場所で句「一実施形態において(in one embodiment)」または「一実施形態において(in an embodiment)」の出現は、必ずしもすべて、同じ実施形態に言及してはいない。さらに、特定の特徴、構造、または特性は、1つまたは複数の実施形態において、任意の適切な方法で組み合わされうる。
【0017】
定義
全体として、本明細書で使用されるように、以下の用語は、光学顕微鏡検査プロセスの文脈内で使用されるときに、以下の意味を有する:
「毛細管チューブ」は、一般的に受け入れられる意味を有し、100ミクロン以下の内径を有する透明なミクロキャピラリ・チューブおよびその同等物を含むように意図される。
「被写界深度」は、その長さの範囲内で、許容されない画像ぼけが生じる前に焦点面がシフトされうる、光軸に沿った長さである。
「対象物」は、個々の細胞または他の実体を意味する。
「疑似射影」は、光学素子の本来の被写界深度より広い範囲のサンプルされたボリュームを表す単一画像を含む。
「被検物(specimen)」は、個々の患者からの単一の検査または処置から得られる完全な生成物(例えば、分析用に取られた唾液、生検、または鼻腔スワブ)を意味する。被検物は、1つまたは複数の対象物から構成されうる。被検物の診断の結果は、症状診断の一部となる。
「試料」は、すべてのまたは一部のアリコートまたは被検物を含む、分析の準備ができた、完成された細胞標本を意味する。
【0018】
色収差被写界深度拡張
大部分の簡単なレンズは、色焦点ずれとして知られる、波長に依存する焦点位置を生じる。通常、色収差は、レンズにおいて望ましくない。しかし、生体試料における、十分に広い吸収スペクトルに対して、色収差の分散は、吸収性の対象物またはフィーチャの画像の被写界深度を、実質的に拡大することができる。
【0019】
波長に依存するレンズ材料が、色収差を持つレンズを生み出す。ほぼすべてのレンズ材料は、波長に対して正負両方の屈折率のずれを有する可能性がある。通常、レンズ設計者は、色焦点面ずれを補償して、結果として正味の色焦点ずれがほぼゼロになるように、レンズ材料を選択する。球面および軸上色収差に対して補正された液浸顕微鏡対物レンズの一例に対して、1996年5月14日発行のT Suzukiの「Immersion microscope objective」という名称の米国特許第5,517,360号を参照されたい。
【0020】
設計パラメータを最小化するのではなく強調するように変化させることにより、色焦点ずれは、光学経路の中で、大きな色収差、またはハイパークロマティック収差を生成することができる。そのようなハイパークロマティック収差は、ディテクタ上の複数の焦点深度を同時に合焦することができ、各光波長は対象物内の個々の焦点面のディテクタにおいて像を形成する。このことは、制限された所望の波長範囲を超えて、焦点位置の範囲を広げる。染色剤または造影剤の中で狭い吸収ピークを有する被検物に対して、レンズは、狭い波長範囲に対して拡張された被写界深度の光学システムを形成するために、多くのミクロンにわたって分散を拡大するように、光場拡大要素を含むように設計されうる。光学部品および光学材料は、染色剤吸収範囲内で色分散を最適化するように選択される。
【0021】
色収差を利用するときは、画像の構成に影響を与えうる要因を補償するように、スペクトル成分の相対的構成を変えることが有利であろう。これらは、造影剤または染色剤の波長依存性、カメラ応答、および光学材料を通る伝達を含むことができるが、それらに限定されない。スペクトル構成は、例えば、照明、収集、および/または結像用光学素子の中に、いくつかの波長を他の波長よりも多く減衰するフィルタを組み込むことにより、変更されうる。
【0022】
一例として、被写界深度の限定された拡大が、ヘマトキシリン族の染色剤など、現存の染色剤吸収曲線を収容する、狭い範囲の波長に対して達成されうる。ヘマトキシリン族の中の染色剤は、550〜620ナノメートルの波長範囲の中で吸収ピークを示す。
【実施例1】
【0023】
ハイパークロマティック・システムの中での使用に適する、ハイパークロマティック対物レンズ103の一例を、図1に示す。この複合レンズは、その光学素子のうちの1と2が共に結合されて第1の二重レンズを形成し、光学素子3と4が共に結合されて第2の二重レンズを形成し、光学素子5と6が共に結合されて第3の二重レンズを形成し、光学素子7と8が共に結合されて第4の二重レンズを形成する、8個の光学素子1〜8を備える。光学素子1の第1の面は平坦またはわずかに凸であり、それにより、この面が油または水などの浸漬液に接触するときに、空洞内に空気を閉じ込めることが避けられる。対物レンズ103に対する例示的処方は以下の通りである。
【0024】
【表1】
開口絞りの位置は、テレセントリシティをもたらし、横方向の色(倍率色収差としても知られる)を最小化するように選択されうる。部品材料は、例えば、Schott North America, Inc.、Elmsford, NY 10523から市販されている。
【0025】
以下の明細書の中で図面を参照しながら説明される例で示すように、レンズ・システム103は、180mmの焦点距離を有するチューブ・レンズの前に置かれるとき、第1の素子1の前面と、レンズの視野の中に位置決めされるカバーガラスの上面との間の空間が、水で満たされているならば、550nm〜620nmの波長範囲にわたって、0.9に等しい開口数(NA)において60倍の倍率をもたらす。通常、カバーガラスは、約130ミクロンの厚さであり、一方、カバーガラスとレンズの間の、水で満たされた空間は、約200ミクロンの厚さであってよい。対象物は、200ミクロンの直径の視野にわたって個々の波長において15ミクロンの範囲にわたってカメラの結像面上に合焦される。この例示的実施形態において、第1の面内の対象物の一部は、入射光の550nmの部分によって合焦され、第1の面より5ミクロン下に配置される第2の面は、入射光の573nmの部分によって合焦され、第1の面より10ミクロン下に配置される第3の面は、入射光の597nmの部分によって合焦され、第1の面より15ミクロン下に配置される第4の面は、入射光の620nmの部分によって合焦される。
【0026】
システムMTF
次に、図2A〜図2Dを参照すると、4つの波長のそれぞれに対する、シミュレーションされたモノクロマティック変調伝達関数(MTF)が、4つの別々の画像面で評価される場合の定性的な例が、示される。図2A〜図3Dを通して、垂直軸はシステムMTFを表し、水平軸は0〜遮断周波数、fcの範囲の周波数を表し、ここでfcは、非ゼロMTFに対する最高周波数である。図2Aに示すMTFと類似のMTFが、物体空間の中に2D光学試験対象を置き、その対象を約550nmの波長を有する狭帯域光で照明し、最良焦点を見出すことにより、原理上、測定されうる。波長を約573nmに変更し、焦点位置を5ミクロン動かすことで、図2Bに示すMTFが作成されうる。このプロセスを、約597nmに対して繰り返し、さらに約620nmに対して繰り返すと、それぞれ図2Cおよび図2Dに示すMTFが得られる。1つの対象物の全ボリュームからの焦点の合った情報が、15ミクロンまでの厚さの対象物に対して、同時に取得されうる。
【0027】
次に、図3A〜図3Dを参照すると、照明が約550nmと620nmの間の波長の帯域から成る光学投影システムに対して、シミュレーションされたポリクロマティック変調伝達関数(MTF)の定性的な例が示される。図3Aに示すMTFと類似のMTFが、物体空間の中に2D光学試験対象を置き、その対象を約550〜620nmの範囲内の波長の帯域を有する広帯域光で照明し、最良焦点、ΔZ=0、を見出すことにより、原理上、測定されうる。焦点位置を5ミクロンだけ動かしてΔZ=5ミクロンに合焦することにより、図3Bに示すMTFが定性的に得られる。焦点位置を10ミクロンだけ動かしてΔZ=10ミクロンに合焦することにより、また、焦点位置を15ミクロンだけ動かしてΔZ=15ミクロンに合焦することにより、それぞれ、図3Cおよび図3Dに示すMTFが、定性的に得られる。他の処方および光学的設計が、本実施形態の趣旨を逸脱することなく使用されうることを理解されたい。
【0028】
有利には、ハイパークロマティック光学システムが、OPTMシステムの中に組み込まれうる。変換素子、例えば、圧電変換器(PZT)などが、360度設定のスキャンにわたって、対物レンズの単一の、低速度の遷移を作用させるために使用されうる。レンズの遷移は、たとえ、チューブ回転が対象物に、360度スキャンの間、回転する毛細管の内径と同程度だけ光軸に沿った遷移を生じさせるとしても、関心のある対象物を、約15ミクロンの焦点間隔内に保持する。前の実施形態とは対照的に、各視点において行われる高速スキャンは、もはや必要とされない。結果として、画像取得速度は、もはや、PZT変換素子の速度によって制限されない。さらに、チューブ回転とレンズの遷移運動の間の同期は、もはや、それほど正確である必要はなく、それにより、OPTM機器制御システムの複雑さが低減される。
【0029】
次に、図4Aを参照すると、ハイパークロマティック光学レンズを組み込む光トモグラフィ・システムの中の1つの視角における物体空間の詳細が、概略的に示される。細胞114が、ミクロキャピラリ・チューブ107の内部の、第1の対象物面Z1と第2の対象物面Z2との間に位置する。チューブ107は、例えば、50ミクロンの内径を有してよく、第1の対象物平面と第2の対象物平面との間の間隔は、例えば、15ミクロンであってよい。好ましくは、ミクロキャピラリ・チューブ107は、内部屈折率をチューブの屈折率と整合させる、光学整合媒体123で満たされる。
【0030】
例示的一実施形態において、好ましくは、アッセンブリ121は、標準的顕微鏡スライドを含んでよい、第1の平坦な光学面120と、標準的な顕微鏡カバーガラスを含んでよい、第2の平坦な光学面108との間の視野内に置かれるミクロキャピラリ・チューブ107を含む。チューブ107と平面108、120との間の隙間は、チューブ107、平面108、120、およびオプティカル・ゲル123の屈折率と、同じく実質的に整合する屈折率を有するオプティカル・オイル124、または相当物で満たされる。アッセンブリ121は、顕微鏡の上に搭載可能であり、例えば、オイル、水、または空気を含む光学浸漬液109が、(図4Bに示すような)ハイパークロマティック光学素子に面する、アッセンブリ121の側面上に配置される。チューブ107の外径は、例えば、約250ミクロンであってよく、カバーガラス108の厚さは約170ミクロンであってよく、浸漬液109の厚さは約100〜300ミクロンの間であってよい。
【0031】
第1の波長λ1(例えば、λ1=約550nm)と第2の波長λ2(例えば、λ2=約620nm)の間の波長を有する広帯域光130が、例えば、集光レンズ・システムによりチューブ107の中に伝送される。波長λ1を有する光の光路の第1のセット105が、第1の対象物面Z1から浸漬液109の中へ進む。波長λ2を有する光の光路の第2のセット106が、第2の対象物面Z2から浸漬液109の中へ進む。図4Aに示されていないが、波長λn、ここでλnはλ1とλ2の間の波長である、を有する光が、第1の対象物面と第2の対象物面の間に位置する中間対象物面Znから105および106に類似の光路に沿って進むことが理解できる。
【0032】
図4Bを参照すると、このシステムの動作がより深く理解されうる。色フィルタ110および集光レンズ115が、所望の上限および下限波長(λ1、λ2)を有する照明130Fをもたらす。入射光は、例えば、生体細胞114を含むチューブ・アッセンブリ121を通過する。λ1およびλ2の波長を有し、細胞114近傍の対象物面Z1およびZ2それぞれから始まる光路105および106が、浸漬液109およびハイパークロマティック対物レンズ・システム103を通過し、光路がチューブ・レンズ111に到達するときに実質的にコリメートされる。次いで、光路は、例えば、約180mmの焦点距離を有してよいチューブ・レンズ111を通過し、CCDカメラ112の画像面104上に焦点Aを結ぶ。対物レンズ103はPZT113上に搭載され、PZT113は、対物レンズ103を、チューブ・レンズ111から遠ざかり、対象物面Z1およびZ2に近づくように動かすことができる。
【0033】
波長λn、ここでλnの波長はλ1とλ2の間の値を有する波長である、を有する光が、平面Z1および平面Z2の間に位置する中間対象物面Znから、105および106に類似の光路に沿って、やはり画像面104上の焦点に到達する。λ1およびλ2に対してλnの波長は、中間対象物面が画像面104上に合焦されるために、対象物面Z1およびZ2に対して中間対象物面が位置する場所を決定する。
【0034】
次に、図4Cを参照すると、ミクロキャピラリ・チューブ107が回転し、細胞114に、その位置と向きを変えさせた後の、図4Aのシステムが示される。この運動を補償するために、PZT113(例えば、図4Bに示すように)は、画像面104上に合焦した光を、波長λ1の光に対する対象物面Z3からの光路118を介して、また波長λ2の光に対する対象物面Z4からの光路119を介して、対象物面Z3およびZ4の第2のセットから開始させるのに十分な量だけ、対物レンズ103を動かす。λ1とλ2の間で変わる波長λnを有する光が、対象物面Z3およびZ4の間に位置する中間対象物面Znから、光路118および119の間の光路に沿って進み、やはり画像面104上の焦点に到達することは、本開示の恩恵を受ける当業者には理解されよう。λ1およびλ2に対してλnの波長は、対象物面Znが画像面104上に合焦されるために、Z3およびZ4に対して対象物面Znが位置しなければならない場所を決定する。図4Dは、図4Cで詳述されたシステムを示し、特に、PZT113が対物レンズ103を動かしており、それにより、合焦した画像が画像面104上の焦点Bに移されることを示す。
【0035】
図4A〜図4Dに示すシステムは、対物レンズ103を、PZTスキャン機構113の高周波数駆動により高速度で動かす必要なく、カメラ112が、細胞114の厚さ全体にわたって十分に補正された対物レンズをスキャンすることにより作成された、画定された疑似射影に類似する画像を取得することを可能にし、さらに複数の角度から複数の疑似射影を取得することを可能にすることは、本開示の恩恵を受ける当業者には理解されよう。
【0036】
他の実施形態は、染色剤による一定の吸収の範囲内の波長に対して、対象物の厚さ(例えば、15ミクロン)にわたって焦点を生成する収差を有する、前述のハイパークロマティック光路を利用する。この実施形態は、光路の中、好ましくは画像面104の直前に配置された色フィルタ配列(CFA)をさらに含む。CFAは、2種類以上のピクセルから成ることができ、各ピクセルは、カメラ112の結像面104のピクセル・サイズに相当するサイズを有する。各種類のピクセルは、個々の波長の範囲を通過させる。本発明の一部として記載される帯域通過範囲より十分に広い帯域通過範囲を有するCFAの一例が、1978年3月28日にBraultらに発行された「Method for making a solid-state color imaging device having an integral color filter and the device」という名称の米国特許第4,081,277号に記載されるような、Bayerフィルタである。
【0037】
次に、図5を参照すると、色フィルタ配列のための設計の一例が、概略的に示される。CFA201は、単位セル202の中に複数のピクセルの種類を含む。一例において、複数のピクセルの種類は、単位セル202の中に含まれる4つのピクセルの種類203、204、205、206を含む。4つのピクセルの種類はそれぞれ、550〜567nm、567〜584nm、584〜601nm、および601〜618nmの波長だけを通過させる。CFA201は、画像面104の相当な部分をカバーするのに十分な数の単位セル202を含まなければならない。例えば、画像面104が900×1600ピクセルを含む場合、CFA201は、有利には、450×800の単位セル202を含むことができ、各単位セル202は、フィルタ・ピクセルの種類203、204、205、および206のそれぞれの1つから成る2×2マトリックスを含む。この設計は、各波長に対するピクセルの4分の1だけを使用するため、空間解像度を2分の1に制限することがある。しかし、このことは、ピクセルにより制限される解像可能なサイズ(CFAを含めて、4×[ピクセル・サイズ]/倍率に相当)が、所望の光学的分解能(この例では500nm)より小さい限り、実際には問題とならない。カメラのピクセル・サイズ=7.4ミクロンおよび倍率=60の典型的な条件のもとでは、この必要条件は満足される。本実施形態における各CCDピクセルに到達する光強度は、4波長CFAのため、4分の1に減少される。この減少は、やはり実際には問題ではない。というのは、光源強度が、より長いカメラ露出時間を必要とすることなく、より高い光レベルをもたらすように増大されうるからである。
【0038】
図6Aおよび図6Bを共に参照すると、CFA201を組み込むハイパークロマティック・システムの動作の他の例が示される。そのシステムは、図4Aおよび図4Cに示すシステムに類似し、カメラ201の画像面104上にCFA201が付加されている。システムの光軸に沿って対物レンズ103が遷移するため、焦点は、図6Aの焦点A’から図6Bの焦点B’まで移動する。
【0039】
CFA201を含むことで、信号を2からそれ以上(この例では4)の集束範囲に分割することが可能となり、それにより、焦点の合った信号の品質を落とすピンぼけの量を減少させる。各集束範囲を別々に保存することにより、各集束範囲は、取得後の処理の間にディジタル処理で組み合わされてよく、組み合わされた画像のダイナミック・レンジの増加が可能となり、結果として組み合わされた画像の空間解像度およびコントラストが改善される。代わりに、各波長からもたらされる画像は、2以上の異なるデータ・セットとして処理が可能であり、それぞれが別々に、トモグラフィ的に再構成され終わるまでは組み合わされず、そのようにして空間解像度およびコントラストの改善がもたらされる。
【0040】
次に、図7Aおよび図7Bを共に参照すると、長い被写界深度を組み込むハイパークロマティック光トモグラフィ・システムに対して、第1の視角Θ1に対する物体空間が、概略的に示される。拡大された集束範囲の限界が、CFA201と組み合わされて、PZT113などのレンズ変換器を、システムの動作に対して不要にする。対象物面Z5およびZ6の他の対は、それぞれλ1およびλ2の波長に対応する。対象物面は、ミクロキャピラリ・チューブ107の内径の極値に位置する。対象物面Z5およびZ6は、ミクロキャピラリ・チューブ107の内径の極値に位置するので、対象物面Z5およびZ6の位置は、チューブ107が回転するときでさえ、対物レンズに対して一定のままであり、細胞114が対物レンズに対してその位置を変化させられる。50ミクロンの内径を有するミクロキャピラリ・チューブ107に対して、対象物面Z5とZ6の間隔は、少なくとも50ミクロンあることが好ましい。λ1およびλ2の波長の光をそれぞれ含む光路405および406は、それぞれ対象物面Z5およびZ6を通って進み、CFA201に到達する。ここでλ1は、例えば、第1の種類203のCFAピクセルだけを通って伝送され、λ2は、例えば、最後の種類206のCFAピクセルだけを通って伝送される。
【0041】
CFAの単位セルの中に複数のピクセルの種類が存在するため、各ピクセルの種類は対象物面Z5とZ6の間の間隔の一部分からの光だけを集める。上述の通り、図5に示す4色のCFA201に対して、各間隔は、重ならないことが好ましく、それゆえ全間隔の4分の1だけが、任意のピクセルの種類を通して伝送され、カメラ112により集められる。
【0042】
一例として、焦点面間隔が50ミクロンで、波長範囲が550〜618nmの場合、ピクセルの種類203の直後にあるカメラ・ピクセルは、対象物面Z5とZ5+12.5の間の対象物面に対応する、550nmと567nmの間の波長を有する光だけを検出する。同様に、ピクセルの種類204の直後にあるカメラ・ピクセルは、Z5+12.5ミクロンとZ5+25ミクロンの間に位置する複数の対象物面の間の焦点面に対応する、567nmと584nmの間の波長を有する光だけを検出する。ピクセルの種類205の直後にあるカメラ・ピクセルは、Z5+25ミクロンとZ5+37.5ミクロンの間の対象物面に対応する、584nmと601nmの間の波長を有する光だけを検出し、ピクセルの種類206の直後にあるカメラ・ピクセルは、Z5+37.5ミクロンとZ6(すなわち、Z5+50ミクロン)の間の対象物面に対応する、601nmと618nmの間の波長を有する光だけを検出する。
【0043】
次に、図7Bを参照すると、長い被写界深度を組み込むハイパークロマティック光トモグラフィ・システムに対する第1の視角が、概略的に示される。システムを構成する部品は、PZTなど、対物レンズのための機械的遷移器がもはや不要であることを除いて、図6Bの部品に類似する。光路405および406は、チューブ107の対向する両側から始まり、類似の経路を通って焦点A”において画像センサ104に至る。CFA201がやはり示されているが、CFA201は、本実施形態においては任意選択である。
【0044】
次に、図7Cを参照すると、長い被写界深度を組み込むハイパークロマティック光トモグラフィ・システムに対する第2の視角に対する物体空間が概略的に示される。ここに、細胞114は、第2の視角Θ2まで回される。細胞114は、常に、拡大された被写界深度(すなわち、平面Z5とZ6の間)の境界内にあるので、PZTを使用して対物レンズ103を動かす必要はない。
【0045】
次に、図7Dを参照すると、長い被写界深度を組み込むハイパークロマティック光トモグラフィ・システムに対する第2の視角が、図7Cに詳述されるシステムを示しながら、概略的に図示される。図7Bとは対照的に、対物レンズ103の焦点が、画像面104上の焦点B”に移動していることに留意されたい。CFA201がやはり示されているが、CFA201は、本実施形態においては任意選択である。
【0046】
次に、図8Aを参照すると、被検物を保持するキャピラリ・チューブが第1の回転角にある、複数のカメラ・システムの一例が示される。複数のカメラ・システムは、図4Aおよび図4Bに関して本明細書で前述したように、実質的に、色フィルタ110および集光レンズ115、ならびに例えば、生体細胞114を含むチューブ・アッセンブリ121を含む。細胞114の近傍の対象物面Z1およびZ2それぞれにおいて始まる光路は、浸漬液109およびハイパークロマティック対物レンズ・システム103を通過する。図4Aおよび図4Bに関して上述されたシステムから離れて、複数のカメラ・システムは、ここでは2色性ビーム・スプリッタ立方体501を包含し、第1の複数の光路502および503を分離する。第1の複数の光路502および503は、対象物面Z1およびZ2と類似の対象物面の中で始まる。各カメラは、任意選択で、色フィルタ配列201、508によりフィルタをかけられてよい。代替の一実施形態において、偏光フィルタ配列が、各色フィルタ配列と置き換えられうる。広い被写界深度が望まれる場合、本実施形態に類似する他の実施形態は、上述の他の実施形態と同様に、対物レンズを動かすための遷移機構113を排除しながら、CFA201および508を使用する。
【0047】
次に、図8Bを参照すると、被検物を保持するキャピラリ・チューブが第2の回転角にある、図8Aの複数のカメラ・システムの一例が示される。ここでは、2色性ビーム・スプリッタ立方体501が、第2の複数の光路504および505を分離する。第2の複数の光路504および505は、対象物面Z3およびZ4と類似の対象物面の中で始まる。
【0048】
次に、図8Aおよび図8Bを共に参照すると、同じ波長である光線502および504が、一次チューブ・レンズ111を通って進み、第1のカメラ112に至る。光線502および504と異なる波長である光線503および505が、二次チューブ・レンズ506を通って進み、第2のカメラ507のセンサ領域509に至る。追加の2色性ビーム・スプリッタおよびカメラが、容易に想定されうる。
【0049】
焦点スコア
拡張された被写界深度の光学素子を組み込むOPTMシステムの1つの特性は、固定焦点面画像が、もはや、拡張された被写界深度の光路を通しては、取得され得ないことである。平らな対象物の焦点性能が、広範囲の焦点位置にわたって保持される。この特性は、時には、焦点不変と呼ばれる。
【0050】
単一の焦点面に閉じ込められない対象物に対して、関心のある対象物が、データ取得を通して焦点間隔内に保持されうるように、関心のある対象物の中点を見出すことが、依然として必要である。このことを達成する1つの方法は、色収差を導入する前に、光路を分離することであり、それにより、ディテクタを包含する別々の光路が利用可能となる。色収差のないこの別々の光路では、システムが固定焦点面画像を取得することが、可能になる。ハイパークロマティック結像システムの中に組み込まれうる類似の方法において、光路が分割可能であり、一方のアームは、色フィルタをかけられてほぼ単色性となって、単一焦点面が、単独のカメラで結像可能となる一方で、他方のアームが、疑似射影をもたらす。他の方法は、スキャンを始める前に広範囲にわたって対物レンズをパンして、各位置における画像を取得し、各画像に対して焦点スコアを割り当てることを含む。焦点スコアづけの方法は、自己相関、エントロピー、および/または他の同等の方法を使用することができる。
【0051】
次に、図9を参照すると、MTF範囲内の焦点不変の一例が示される。一空間周波数におけるMTFに対する焦点不変範囲、MTF(f1) 601は、光軸上で、上の焦点面602および下の焦点面603により境界をつけられる。これらの境界の中で、MTF 601は、ずっと低いレベルに低下する前は、ほぼ一定の平坦域の値に留まる。そのような方法を使用して、以下にさらに説明するように、MTF(f1) 601の中の平坦域の2つの端点602、603が特定可能であり、好ましい焦点が、例えば、端点602、603の間の中点604により選択される。
【0052】
焦点不変領域の上および下の境界602、603が、ミクロキャピラリ・チューブの内側を通過しない場合は、焦点スコアづけを繰り返すことは、ミクロキャピラリ・チューブの内径を超える被写界深度を有するシステムに対しては、不要である。この条件は、機器が最初に設定されるときの最初の焦点のスコアづけにより確認されうる。
【0053】
次に、図10を参照すると、焦点不変光トモグラフィ・システムの中の焦点不変領域の中点を見出すための例示的方法のブロック線図が、概略的に示される。例示的方法によれば、中点は、
1.光軸を通してパンし、パン中にミクロキャピラリ・チューブの中の対象物の複数の画像を取得すること(701)、
2.光軸に沿って、各位置における焦点品質を評価すること(702)、
3.焦点品質が低下し始める光軸上の2つのブレイクポイントを決定すること(703)、ここで2つのブレイクポイントは、焦点不変領域の上および下の境界602、603に相当する、
4.疑似射影像を取得すること(704)、疑似射影のスキャンの範囲の中心は、焦点不変領域の上および下の境界602と603の間の中心に置かれる、
5.ミクロキャピラリ・チューブを次の投影角まで回転させること、
6.複数の疑似射影が複数の投影角において取得され終わるまで、1〜5のステップを繰り返すこと(705)、
7.取得された疑似射影を使用して、3D再構成を計算すること(706)、
により、対象物の3D再構成を計算するために見出され、使用される。
【0054】
次に、図11Aを参照すると、焦点不変光トモグラフィ・システムの中の焦点不変領域の中点を見出すための他の方法のブロック線図が、示される。この代替の例示的方法によれば、中点は、
1.第1の視角に対して、焦点を段階的に変化させることにより(すなわち、対物レンズを、n=n+1で表される短い距離だけ動かすことにより、ここで、nはインクリメント方式の段数である)複数の焦点面において疑似射影を取得すること801、および、各焦点面において疑似射影データを取得すること813、
2.次の視角まで動かし、疑似射影の取得801を上のように焦点を段階的に変化させることによって対象のボリュームがカバーされるまで繰り返すこと802、
3.各視角に対するすべての疑似射影を合計し803、合計された疑似射影の1セットを作成すること、
4.合計された疑似射影のセットを使用して、3D再構成を計算すること804、
により対象物の3D再構成を計算するために、見出され、使用される。一例において、疑似射影は、下式が802において合致するかまたは超えるまで、取得される:
εnD=チューブ径、ここで0<ε<1。
【0055】
次に、図11Bの参照は、焦点不変光トモグラフィ・システムの中の焦点不変領域の中点を見出すためのさらに他の方法のブロック線図を示す。この代替の例示的方法によれば、中点は、
1.第1の視角に対して、焦点を段階的に変化させることにより(すなわち、対物レンズを、n=n+1で表される短い距離だけ動かすことにより、ここで、nはインクリメント方式の段数である)、複数の焦点面において疑似射影を取得すること801、および、各焦点面において疑似射影データを取得すること813、
2.制限式に従って、次の視角まで動かし、疑似射影の取得801を上のように焦点を段階的に変化させることによって対象のボリュームがカバーされるまで繰り返すこと802、
3.2.5D焦点評価を実施して805、各視角に対して最良焦点の疑似射影を決定すること、
4.各角度に対する最良焦点において取得された最良焦点の疑似射影の1セットを使用して、3D再構成を計算すること806、
により対象物の3D再構成を計算するために見出され、使用される。上記の方法は、2.5D焦点評価を除けば、図11Aの方法と類似している。
【0056】
次に、図12を参照すると、色バランスを使用する自動焦点システムの一実施形態が、概略的に示される。ここでは、2つの自動焦点カメラ2002、2004が、ディジタル化された入力を画像比較器2006にもたらし、画像比較器2006が、今度は、フィードバック信号2008を、PZTコントローラなど、変換器ドライブ2010にもたらす。関心のある対象物2001は、(上述のように)ミクロキャピラリ・チューブ内で回されるので、上部対象物ボリューム2012および下部対象物ボリューム2014からの別々の画像が、自動焦点カメラ2002、2004で捕捉される。画像は、比較器2006によって比較され、解析される。比較器2006からのフィードバック信号2008が、変換器ドライブ2010を駆動し、変換器ドライブ2010が、今度は、対物レンズのフォーカス・ドライブ2016を制御し、それにより対物レンズ2103の焦点範囲が、よりピントの甘い焦点品質の領域に近づくように動く。2つの画像の間の焦点品質の差が十分小さくなると、変換器ドライブは、もはや、焦点範囲をシフトする必要がなくなる。このプロセスは、各投影角に対して繰り返されてよく、このプロセスは、チューブが回転するのにつれて、関心のある対象物を含む平面が、光軸を上下に動くので、必要でありうる。画像は、画像カメラ2020によって取得される。
【0057】
一実施形態において、一次ビーム・スプリッタ2028、二次ビーム・スプリッタ2030およびミラー2032により、光線が方向づけられる。画像カメラ2020に向けられた光線は、第1のフィルタ2022によってフィルタをかけられ、ここで第1のフィルタは、550nmと620nmの間の波長を有する光を、第1の画像形成レンズ2023を通して通過させる。第1の自動焦点カメラ2002に向けられた光線は、第2のフィルタ2024によってフィルタをかけられ、ここで第2のフィルタは、585nmと620nmの間の波長を有する光を、第2の画像形成レンズ2025を通して通過させる。ミラー2032に衝突した光線は、第3のフィルタ2026によってフィルタをかけられた後、第2の自動焦点カメラ2004に向けられ、ここで第3のフィルタは、550nmと585nmの間の波長を有する光を、第3の画像形成レンズ2027を通して通過させる。
【0058】
次に、図13を参照すると、色バランスを使用する自動焦点システムの他の実施形態が、概略的に示される。スペクトル的に一様な光照明の光源2060が、画像カメラ2020により結像される、関心のある対象物2001を照らす。上述の自動焦点システムと同様に、光線は、一次ビーム・スプリッタ2028、二次ビーム・スプリッタ2030およびミラー2032により方向づけられる。画像カメラ2020に向けられた光線は、第1のフィルタ2022によってフィルタをかけられ、ここで第1のフィルタは、550nmと620nmの間の波長を有する光を、第1の画像形成レンズ2023を通して通過させる。二次ビーム・スプリッタ2028を通過する光線の一部は、第2のフィルタ2024によってフィルタをかけられ、ここで第2のフィルタは、585nmと620nmの間の波長を有する光を通過させる。ミラー2032に衝突した光線は、第3のフィルタ2026によってフィルタをかけられ、ここで第3のフィルタは、550nmと585nmの間の波長を有する光を通過させる。レンズ2050を形成する第1のフーリエ面は、第2のフィルタ2024から、第1のフーリエ面空間フィルタ2052を通して第1のフォト・センサ2054まで、光を伝送する。レンズ2056を形成する第2のフーリエ面は、第3のフィルタ2026から、第2のフーリエ面空間フィルタ2058を通して第2のフォト・センサ2054まで、光を伝送する。
【0059】
フーリエ空間フィルタ2052、2058は、2つの焦点経路上で動作し、アナログ・フィードバックを、フォト・ダイオード2054を介して焦点制御コントローラ2042にもたらす。空間フィルタは、フォト・ダイオードが、焦点面の高空間周波数成分だけを受けることを確実にする。高空間周波数コンテンツは、十分に合焦された対象物に関連する。収束範囲の上半分2012と下半分2014の高周波数コンテンツが、信号調整および差増幅プロセッサ2062の中で比較される。差増幅プロセッサ2062は、上述のように、駆動器2042を制御するために使用される出力2040をもたらして、変換器2016に、2つの収束域の高周波数強度が実質的に類似するまで対物レンズ2103の位置合わせをさせる。連続照明の下で、この方法は、常時、対象物をフォーカス・バランス内に保持しながら対象物の運動を追跡するという利点を有する。
【0060】
3D結像のための偏光依存性光学素子(複屈折)
焦点面の位置は、光の偏光に依存する。このシステムは、複屈折光学素子の中で屈折率が光波面の電場分極により変化する複屈折光学素子を使用して実施されうる。複屈折の光学材料の一例は、590nmにおける屈折率が、偏光によって1.658か1.486のいずれかになるカルサイト(CaCO3)である。
【0061】
上述のハイパークロマティック・システムの実施形態に類似する実施形態が使用されうる。これらの技術においては、結像する光の偏光は、その光が始まる対象物焦点面に依存する。例えば、水平偏光の(0度の電場ベクトル)光の成分が、対象物面ZHに対して焦点画像をもたらすことができ、一方、垂直偏光の(90度の電場ベクトル)光の成分が、例えば、平面ZHよりディテクタに15ミクロン近く配置された対象物面ZVに対して焦点画像をもたらすことができる。0度と90度の間の偏光を有する光は、ZHとZVの間の対象物面に対して焦点画像をもたらす。
【0062】
照明光の偏光は、回転する偏光フィルタを使用することによって時間をかけて変更されてよく、収束された(偏光されない)光が、画像センサに到達する前に偏光フィルタを通過し、または全収束範囲が同時に収束されてよい。
【0063】
一実施形態において、収束範囲は、対象物の厚さ、例えば、15ミクロンと同程度でありうる。この実施形態において、PZTは、図6Aおよび図6Bに描かれたシステムと類似のシステムにおける、回転で誘導される細胞の遷移を補償するために組み入れられうる。
【0064】
図7A〜図7Dに描かれる実施形態と類似の、他の実施形態において、焦点面の範囲は、ミクロキャピラリ・チューブの直径(例えば、50ミクロン)と同等であることができ、偏光フィルタ配列(PFA;図5に示す色フィルタ配列のアナログの偏光)が、図7A〜図7Dに示すCFAの代わりにシステムの中に組み込まれる。
【0065】
さらに他の実施形態において、焦点面の範囲は、ミクロキャピラリ・チューブの直径と同等であることができ、一連の同期されたカメラの露出が、対象物面がディテクタ上の焦点の中に入るときに対象物面を取得する間、光の偏光は、時間をかけて変化されうる。
【0066】
2.5D結像
拡張された被写界深度の光学素子を組み込む任意のOPTMシステムにおいて、取得後の処理が、ピクセル毎の解析を実施し、視野内のモザイク状の焦点が合ったフィーチャを計算するために、組み込まれうる。2.5D結像の1つの種類の一例が、RJ Pieper and A Korpel、「Image processing for extended depth of field」、Applied Optics 22、1449 (1983)に見出される。2.5D結像方法は、色または偏光フィルタ配列(CFAまたはPFA)および広い収束範囲をカバーすることを利用するような実施形態、ならびに複数のカメラの露出を利用する実施形態において、最も有利に使用されうる。これらのシステムにおいて、1つの要素の種類に割り当てられるウェイトは、対象物が異なる焦点面領域を通して回されるのにつれて、1つの疑似射影から次の疑似射影へと変わることができる。
【0067】
このことを達成するために、個々のフィーチャが、画像スタックを形成する短焦点面画像の収集の中で識別される。同じフィーチャが、スタック内のいくつかの画像の中に現れうるが、それらの画像のサブセットだけが、そのフィーチャの十分に合焦された表現を含む。
【0068】
次に、図14を参照すると、2.5D集束方法のブロック線図が、概略的に示される。画像スタックSkの中の各フィーチャ、Gi=G1、...GΩが、識別される1101。画像スタックSkの中の各フィーチャGiに対して、Giが最良焦点にある画像が識別される1102。空白を合成された画像PPkが生成される1103。最も良く焦点が合ったフィーチャを構成するピクセル(Xi、Yi、Zi)が、合成画像PPkに加算される1104。このプロセスは、すべてのフィーチャがPPkの中に組み込まれるまで、すべてのフィーチャ(G1、G2...GΩ)に対して繰り返される。単一のフィーチャはSkの中の2つ以上の画像にまたがる可能性があるので、PPkの中の単一のピクセルは、Skの中で十分に焦点が合ったGiの表現を含む各画像に対して1つの強度値を、2つ以上累積する可能性がある。さらに、2つ以上のフィーチャが、(Z座標は異なるが)同じXY座標を共有する可能性があり、そのことが、PPkの中のいくつかのピクセルが、2つ以上のフィーチャからの強度値を累積する結果をもたらす可能性がある。下付き文字l、kなどが、インデックス番号を表すことに留意されたい。
【0069】
すべての画像スタック(S1、S2...Skmax)が解析され、それらに関連する合成画像(PP1、PP2...PPkmax)が計算されるまで、そのプロセスが、すべての画像スタックに対して繰り返される1105。次いで、トモグラフィ再構成が、PPkのセットを入力画像として使用して、計算されうる1106。この方法を使用する一例において、4色CFAまたはPFAの2×2ブロックのそれぞれが、最良焦点を含む単一のピクセルを選択することにより、または2つ以上のピクセルの加重和として処理されうる。
【0070】
ビーム・スプリット多重焦点面
OPTM動作に対して、より短い一体化疑似射影の、いくつかの基本的利点が存在する。最初に、より小さい大きさの疑似射影(一体化された光軸スキャン)は、空間スペクトルの中で支配的な低周波数情報の影響を減少させる。第2に、同じボリュームをサンプルする画像をより多く加えることにより、使用された画像数の平方根に比例する信号対ノイズ比が改善される。第3に、複数画像が、屈折コントラストによる、画像内の異常のホット・スポットの検出および補償を可能にする。
【0071】
被写界深度をセグメントに分割することで、多くの他の被写界深度エクステンダーが、より少ない複雑さでより良く動作しながら、より限定された解を供給するように働くことを可能にする。
【0072】
減少された動作範囲または拡大された深さが、直接的対物レンズ・スキャンおよび複数カメラの焦点面を用いて可能になる。
【0073】
複数の集束範囲の生成は、必ずしも複数のカメラを必要としない。十分なカメラ・センサ面積を用いて、複数画像を融合し、それらを単一センサ上に捕捉することが可能である。このことは、1つのセンサを複数のゾーンに分割する光ファイバ・フェース・プレート、または複数の画像を単一のCCD上に融合する折り畳み光学システムを使用して実施されうる。
【0074】
次に、図15を参照すると、折り畳みシステムの一例が描かれている。対物レンズ1205を出る実質的にコリメートされた光が、第1の2色ビーム・スプリッタ立方体1206により分割される。一方のアーム1202は、λ1の波長を有し、第1の焦点面1201の中で始まる。一方のアーム1202は、一次チューブ・レンズを通り、二次ビーム・スプリッタ立方体1207を通り、カメラのセンサの活性領域1211の右半分の上に至る。他方のアーム1204は、λ2の波長を有し、第2の焦点面1203の中で始まる。他方のアーム1204は、2つのミラー1208、1209で反射し、チューブ・レンズ1210を通過し、第2の2色ビーム・スプリッタ立方体1207の内部で反射し、カメラのセンサの活性領域1211の左半分の上に至る。カメラの2つの半分の部分が、実質的に同一の倍率を有するが、対象物空間内の異なる焦点面1201、1203から始まる、合焦された画像を取得する。画像内の相対的な横シフトは、第2の2色ビーム・スプリッタ立方体1207を横にシフトすることにより達成され、それにより、第2のアーム1204の反射光が、第1のアーム1202およびチューブ・レンズ1210に対して横にシフトされる。
【0075】
2段階倍率
対象物空間内で10ミクロン離隔される画像を取得することは、100倍のレンズに対して、二乗された倍率に比例する、画像空間の経路長(すなわち、100mm)の差を必要とする。チューブ・レンズが同じ焦点距離を有するが、異なる背面側焦点面を有する場合、カメラの2つの半分の部分は、実質的に同一の倍率を有するが、対象物空間において異なる焦点面から始まる合焦画像を取得する。例として、一次チューブ・レンズに対するより二次チューブ・レンズに対して100mm接近してカメラを配置することで、100/M2ミクロンの焦点面における差が結果的にもたらされ、ここで、Mは横倍率である。M=100の場合、100/M2=10ミクロンである。
【0076】
しかし、光軸におけるよりずっと小さな変化が、2つの10倍の倍率段階を使用して、二次対物レンズの焦点面をほんのわずかに変化させることにより、達成可能である。10倍の倍率の画像において、被検物面の中での10ミクロンのシフトが、中間像面の1mmのシフトで達成される。
【0077】
分割焦点面法を使用することにより、2つ以上のカメラ(図16の例で4つが示される)が、被検物の焦点深度のある範囲をそれぞれ収集することが可能となる。極限では、カメラの数は、被検物を照らすためにもたらされうる光の量と、光路のコストおよび複雑さによって、実際には制限される。より多くのカメラを組み入れるシステムは、カメラの良好な性能が十分に完全に近く、各画像が視野の深さの中で伝えなければならない範囲を縮小するとすれば、信号対ノイズ比を改善する。より短い視野の深さは、結果として得られる疑似射影において、高空間周波数のより良い表現を生み出すことを促進する。
【0078】
図16に示すこの実施形態の一例において、光学システムは、一次対物レンズ1302と、第1および第2のミラー1304A、1304Bと、3つのビーム・スプリッタ1303A〜1303Cと、4つの一次チューブ・レンズ1310と、4つの二次対物レンズ1312と、4つの二次チューブ・レンズ1308と、4つのCCDカメラ1309とを備える。一次対物レンズ1302および一次チューブ・レンズ1310は、少なくとも10倍の倍率をもたらし、二次対物レンズおよびチューブ・レンズは少なくとも追加の10倍の倍率で、合計で少なくとも100倍の倍率をもたらす。
【0079】
各光路は、ビーム・スプリッタ2つ分の厚さを通過し、各光路は、ビーム・スプリッタを通るか、またはミラーによるかのいずれかにより、2回または0回のいずれかの反射を受ける。ビーム・スプリッタを通過する光路長が等しいことは、ガラスを通過することによる収差が等しいことを意味する。反射の回数が常に偶数(または常に奇数)であることは、4つの画像すべてが4つのカメラ1309の画像面において同じ向きを維持することを意味する。一次チューブ・レンズと二次対物レンズの間の間隔は、各光路に対して異なり、それにより異なる対象物面が、各カメラ上に集束される。減少された動作範囲または拡大された深さが、対物レンズの後ろでスキャンする焦点面および複数のカメラの焦点面により可能となる。
【0080】
複数のカメラの光学素子を20超の焦点面に拡大することで、10ミクロンの被写界深度を500nm毎にサンプリングすることが、理論的に可能となる。複数のカメラの配列は、2つ同時のボリューム・サンプリングの様式を可能にし、そのことが、それらの相対的強度を、より正確なボリューム再構成に寄与するように、それぞれ使用されうる。具体的には、試料媒体の界面における屈折および回折の影響により生成されるコントラストが、純粋に吸収性の影響から選び出されることが可能であり、すべてのデータは、焦点面の運動または回転のぶれなく、高速に捕捉されうる。
【0081】
波面コード化光学素子
次に、図17を参照すると、波面コード化光学素子を含むOPTMシステムの概略図が示される。上述のように、ミクロキャピラリ・チューブ1707が、関心のある対象物1701を保持し、対物レンズ1703で観察される様々な視角を通して回転される。対物レンズ1703を通して伝送される光は、対物レンズ1703と結像カメラ1707の間に配置される波面コード化光学素子1705上に衝突する。波面コード化光学素子の使用が、そのボリューム全体を通して低いが一定の周波数応答を生み出す、拡大された被写界深度内に、関心のある対象物が含まれるように、光波面をプリディストーションする方法を提供する。こうして、光軸に沿った限定された範囲内のすべての焦点面が、均等にデフォーカスされる。このことが、波面コード化を構成する。波面コード化素子は、CDM Optics, Inc. (Boulder, CO)から入手可能であり、例えば、ER Dowskiの、「Wavefront coding optics」という名称の米国特許第6,842,297号(2005年)に記載されている。
【0082】
波面コード化の限界は、被写界深度において約12:1の改善である。光トモグラフィ用途に対して、そのような改善は、必要な深さの約半分をもたらす。したがって、有利には、波面コード化は、完全な解を達成するために、本明細書に記載される多くの他の実施形態のうちの1つと組み合わせられうる。
【0083】
VN Mahajan、「Aberration Theory Made Simple」、(Bellingham、WA: SPIE Press、1991)に詳細に記載されるように、0.64波のデフォーカスにおいて、整合された集光レンズと対物レンズのNAに対して、第1のコントラスト反転(MTFがゼロより小)の点が発生する。この点は、光学的深さにおける変化、ΔZに関して、ΔZ=±1.28λn/(NAobj)2として容易に表現され、ここでλは集められる光の波長、nは対物レンズと対象物の間の領域の屈折率、およびNAobjは対物レンズの開口数である。λ=550nm、n=1、およびNAobj=0.9に対して、この距離は、ΔZ=±0.87ミクロンである。したがって、12ミクロンの深さの対象物に対して、6ミクロンのデフォーカス(約4.4波のデフォーカス)におけるコントラスト反転を避けるために、被写界深度において少なくとも5倍の改善が必要である。
【0084】
波面コード化を用いる結像の他の実施形態は、拡大された深さを維持しながらシャープな合焦画像を回復するために、抑圧された高周波数成分を増強する相補形伝達関数を用いる画像のディジタル増強を組み込む。
【0085】
他の実施形態は、上に示されるような複数のカメラを使用して、各光路をレンズ伝達関数でコード化することにより被写界深度を拡大し、それにより1つのセグメントから次のセグメントへ被写界深度を拡大する、波面コード化光学素子法を利用する。このメカニズムでは、ストロボ照明など、単一の簡単な露出で、機械的運動なしに、広い被写界深度を速やかにサンプリングすることが可能になる。
【0086】
本発明は、特許法に従い、本発明の新しい原理を適用し、必要とされる例示的、専門的構成部品を構築し使用するために必要な情報を当業者に提供するために、本明細書の中で相当詳細に説明した。しかし、本発明は、明確に異なる機器およびデバイスにより実施されうること、ならびに、機器の詳細および動作手段の両方に関して様々な改変が、本発明の真の主旨および範囲を逸脱することなく達成されうることを理解されたい。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、光トモグラフィ結像システムに関し、より詳細には、生体細胞など、微小対象物が、顕微鏡による結像のために毛細管チューブの中に位置づけられる、光投影トモグラフィに関する。
【背景技術】
【0002】
光トモグラフィを使用して生体細胞を結像させることにおける進歩は、例えば、参照によりその全開示が組み込まれている、2003年2月18日に発行の、「Apparatus and method for imaging small objects in a flow stream using optical tomography」という名称の米国特許第6,522,775号に開示されるように、Nelsonによって開発されている。その分野におけるさらなる発達は、参照によりその全開示が組み込まれている、Fauverらの「Method and apparatus of shadowgram formation for optical tomography」という名称の、2003年11月18日に米国特許出願第10/716,744号として出願され、2004年4月22日に公開された米国特許出願公開第2004/0076319号(Fauver‘744)、および、参照によりその全開示が組み込まれている、2006年9月18日に出願された、Fauverらの「Focal plane tracking for optical microtomography」という名称の米国特許出願第11/532,648号(Fauver‘648)の中で教示されている。
【0003】
そのような光トモグラフィ・システムにおける処理は、被検物の準備から始まる。典型的には、患者から採取された被検物は、病院または外来患者診療所から受領され、診断に無用の要素を除去するために処理され、固定され、次いで、染色される。染色された被検物は、次いで、オプティカル・ゲルと混合され、ミクロキャピラリ・チューブの中に挿入され、被検物の中の、細胞などの対象物の画像が、光トモグラフィ・システムを使用して作成される。得られた画像は、「疑似射影画像」と呼ばれる、異なる視点からの拡大された被写界深度の画像の1セットを含む。疑似射影画像のセットは、関心のある細胞の3D再構成をもたらすために、逆投影およびフィルタリングの技術を使用して、再構成されうる。
【0004】
したがって、3D再構成は、関心のある構造、分子または分子プローブの位置の定量化および測定を可能にするための解析に、依然として利用可能である。生体細胞などの対象物は、少なくとも1つの染色またはタグ付き分子プローブで標識されることができ、このプローブの測定された量および位置が、肺癌、乳癌、前立腺癌、子宮頸癌、および卵巣癌などの様々な癌を含むがそれらに限定されない、細胞の病状についての重要な情報をもたらすことができる。
【0005】
上述の光投影トモグラフィ顕微鏡検査(OPTM)システムにおいて、例えば、Fauver‘648において、180度回転にわたって採取された約250のサンプル画像が、50ミクロンの毛細管チューブ内のフローストリームの中にランダムに分配された細胞核のボリュームを、十分にサンプル抽出するために必要とされる。
【0006】
本開示は、許容できる解像度を維持しながらサンプリングの必要条件を削減するために、より高い解像度と改善された信号対ノイズ比をもたらすための、新しく今までにない技術を提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第6,522,775号
【特許文献2】米国特許出願第10/716,744号(米国特許出願公開第2004/0076319号)
【特許文献3】米国特許出願第11/532,648号
【特許文献4】米国特許第5,517,360号
【特許文献5】米国特許第4,081,277号
【特許文献6】米国特許第6,842,297号
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】RJ Pieper and A Korpel、「Image processing for extended depth of field」、Applied Optics 22、1449 (1983)
【非特許文献2】VN Mahajan、「Aberration Theory Made Simple」、(Bellingham、WA: SPIE Press、1991)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
Fauver‘744の中に記載され、VisionGate社により構築されるように、光トモグラフィ・システムの1つの種類において、結像光学素子の被写界深度が、被検物を含む毛細管チューブに対して、対物レンズを横にスキャンすることにより拡大される。圧電変換器(PZT)アクチュエータが、被検物を通る一連の焦点面をスキャンするために、毎秒数回、正弦波状に、対物レンズを横に動かす。対物レンズを動かすのにPZTアクチュエータを使用することにより、被検物を通して動く焦点面は、被検物を通して光軸に沿って急速に対物レンズの質量を動かすことにおいて、固有の慣性により制限される、その速度を有する。典型的には、スキャン速度の上限は、およそ毎秒60サイクルである。回転と対物レンズのスキャンが十分に同期されると、PZTアクチュエータの往行程および復行程において画像が取得可能であり、毎秒120画像までが取得されることを可能にする。これは、有用な取得速度であるが、その取得速度は、本明細書の中で開示される装置、システムおよび方法により、著しく改善されうる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
光投影トモグラフィ・システムが、光源と共に示される。対象物を含むチューブの一部が光源により照らされる領域内に配置される、対象物を含むチューブは、関心のある少なくとも1つのフィーチャを有する関心のある少なくとも1つの対象物を含む。少なくとも1つのディテクタが、関心のある対象物から発生する放射を受けるように配置される。対象物を含むチューブの中の複数の対象物面からの光線が、少なくとも1つのディテクタ上に同時に合焦するように、光場拡大要素を含むレンズが、対象物領域とディテクタの間の光路の中に配置される。対象物を含むチューブは、少なくとも1つのディテクタに対して相対的に動き、レンズは、各ビューにおいて、関心のある少なくとも1つのフィーチャの少なくとも1つの画像を作成するために、対象物領域の複数のビューをもたらすように動作する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】ハイパークロマティック光学レンズ・システムのための設計の一例を示す概略図である。
【図2】A〜Dは、4つの波長のそれぞれに対する、シミュレーションされたモノクロマティック変調伝達関数(MTF)が、4つの別々の画像面で評価されうる場合の、定性的な例を概略的に示すグラフである。
【図3】A〜Dは、ある範囲の波長にわたる、シミュレーションされたポリクロマティック変調伝達関数が、4つの別々の画像面で評価されうる場合の、定性的な例を概略的に示すグラフである。
【図4A】ハイパークロマティック光学レンズを組み込む光トモグラフィ・システムの中の、1つの視角における物体空間の詳細を概略的に示す図である。
【図4B】図4Aに概略的に図示される光トモグラフィ・システムの動作を概略的に示す図である。
【図4C】ハイパークロマティック光学レンズを組み込む光トモグラフィ・システムの中の、第2の視角における物体空間の詳細を概略的に示す図である。
【図4D】図4Cに概略的に図示される光トモグラフィ・システムの動作を概略的に示す図である。
【図5】クロマティック・フィルタ配列のための設計の一例を概略的に示す図である。
【図6A】クロマティック・フィルタ配列を組み込むハイパークロマティック光トモグラフィ・システムに対する第1の視角を概略的に示す図である。
【図6B】クロマティック・フィルタ配列を組み込むハイパークロマティック光トモグラフィ・システムに対する第1の視角を概略的に示す図である。
【図7A】長い被写界深度を組み込むハイパークロマティック光トモグラフィ・システムに対する第1の視角に対する物体空間を概略的に示す図である。
【図7B】長い被写界深度を組み込むハイパークロマティック光トモグラフィ・システムに対する第1の視角を概略的に示す図である。
【図7C】長い被写界深度を組み込むハイパークロマティック光トモグラフィ・システムに対する第2の視角に対する物体空間を概略的に示す図である。
【図7D】長い被写界深度を組み込むハイパークロマティック光トモグラフィ・システムに対する第2の視角を概略的に示す図である。
【図8A】複数の検出経路を組み込むハイパークロマティック光トモグラフィ・システムに対する第1の視角を概略的に示す図である。
【図8B】複数の検出経路を組み込むハイパークロマティック光トモグラフィ・システムに対する第2の視角を概略的に示す図である。
【図9】あるMTF範囲内の焦点不変の一例を示すグラフである。
【図10】焦点不変光トモグラフィ・システムにおける焦点不変領域の中点を見出す方法を示すブロック線図である。
【図11A】焦点不変光トモグラフィ・システムにおける焦点不変領域の中点を見出す他の方法を示すブロック線図である。
【図11B】焦点不変光トモグラフィ・システムにおける焦点不変領域の中点を見出すさらに他の方法を示すブロック線図である。
【図12】色バランスを使用する自動焦点システムの一実施形態を概略的に示す図である。
【図13】空間周波数フィルタリングを有する2個のフォトダイオードを使用する、焦点不変光トモグラフィ・システムにおける焦点不変領域の中点を見出す他の方法を示す図である。
【図14】焦点不変光トモグラフィ・システムにおける2.5D結像のための方法を概略的に示すブロック線図である。
【図15】単一カメラ上の2つの焦点面の同時結像が可能な折り畳み光学システムの一例を示す図である。
【図16】光トモグラフィ・システムにおいて、焦点面のある範囲を得るための複数カメラ装置を概略的に示す図である。
【図17】波面コード化光学素子を含むOPTMシステムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図において、同じ参照数字は類似の要素または部品を示す。図における要素の寸法および相対的な位置は、必ずしも縮尺どおりに描かれていない。例えば、様々な要素の形状および角度は縮尺どおりに描かれておらず、これらの要素のうちのいくつかは、図面の読みやすさを改善するために、適宜拡大され、配置されている。さらに、図示されているように、要素の特定の形状は、特定の要素の実際の形状に関するいかなる情報をも伝えることを意図されておらず、単に、図面の理解を容易にするように選択されている。
【0013】
以下の開示は、関心のある対象を結像するための、いくつかの実施形態およびシステムを説明する。本発明の例示的実施形態による方法およびシステムのいくつかの特徴が、図の中で説明され、記載される。本発明の他の例示的実施形態による方法およびシステムが、図において示されるものとは異なる付加的な手段または特徴を含むことができることが、理解されよう。例示的実施形態は、本明細書の中で、生体細胞に関して説明される。しかし、これらの例は、本発明の原理を示すためであり、本発明が、そのように限定されるものではないことが理解されよう。
【0014】
さらに、本発明のいくつかの例示的実施形態による方法およびシステムは、これらの図の中で示される特徴のすべてを含んでなくてもよい。図を通して、同じ参照番号は、類似または同一の部品または手段を示す。
【0015】
文脈が他を必要としない場合は、以下の本明細書および特許請求の範囲を通して、単語「含む(comprise)」およびその変形、「含む(comprises)」および「含む(comprising)」などは、「含むが限定されない(including, but not limited to)」のような、開かれた包括的な意味に解釈されるものである。
【0016】
本明細書を通して、「一例(one example)」または「例示的一実施形態(an example embodiment)」、「一実施形態(one embodiment)」、「一実施形態(an embodiment)」あるいはこれらの用語の様々な組合せに対する言及は、本実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造または特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態の中に含まれることを意味する。したがって、本明細書を通して様々な場所で句「一実施形態において(in one embodiment)」または「一実施形態において(in an embodiment)」の出現は、必ずしもすべて、同じ実施形態に言及してはいない。さらに、特定の特徴、構造、または特性は、1つまたは複数の実施形態において、任意の適切な方法で組み合わされうる。
【0017】
定義
全体として、本明細書で使用されるように、以下の用語は、光学顕微鏡検査プロセスの文脈内で使用されるときに、以下の意味を有する:
「毛細管チューブ」は、一般的に受け入れられる意味を有し、100ミクロン以下の内径を有する透明なミクロキャピラリ・チューブおよびその同等物を含むように意図される。
「被写界深度」は、その長さの範囲内で、許容されない画像ぼけが生じる前に焦点面がシフトされうる、光軸に沿った長さである。
「対象物」は、個々の細胞または他の実体を意味する。
「疑似射影」は、光学素子の本来の被写界深度より広い範囲のサンプルされたボリュームを表す単一画像を含む。
「被検物(specimen)」は、個々の患者からの単一の検査または処置から得られる完全な生成物(例えば、分析用に取られた唾液、生検、または鼻腔スワブ)を意味する。被検物は、1つまたは複数の対象物から構成されうる。被検物の診断の結果は、症状診断の一部となる。
「試料」は、すべてのまたは一部のアリコートまたは被検物を含む、分析の準備ができた、完成された細胞標本を意味する。
【0018】
色収差被写界深度拡張
大部分の簡単なレンズは、色焦点ずれとして知られる、波長に依存する焦点位置を生じる。通常、色収差は、レンズにおいて望ましくない。しかし、生体試料における、十分に広い吸収スペクトルに対して、色収差の分散は、吸収性の対象物またはフィーチャの画像の被写界深度を、実質的に拡大することができる。
【0019】
波長に依存するレンズ材料が、色収差を持つレンズを生み出す。ほぼすべてのレンズ材料は、波長に対して正負両方の屈折率のずれを有する可能性がある。通常、レンズ設計者は、色焦点面ずれを補償して、結果として正味の色焦点ずれがほぼゼロになるように、レンズ材料を選択する。球面および軸上色収差に対して補正された液浸顕微鏡対物レンズの一例に対して、1996年5月14日発行のT Suzukiの「Immersion microscope objective」という名称の米国特許第5,517,360号を参照されたい。
【0020】
設計パラメータを最小化するのではなく強調するように変化させることにより、色焦点ずれは、光学経路の中で、大きな色収差、またはハイパークロマティック収差を生成することができる。そのようなハイパークロマティック収差は、ディテクタ上の複数の焦点深度を同時に合焦することができ、各光波長は対象物内の個々の焦点面のディテクタにおいて像を形成する。このことは、制限された所望の波長範囲を超えて、焦点位置の範囲を広げる。染色剤または造影剤の中で狭い吸収ピークを有する被検物に対して、レンズは、狭い波長範囲に対して拡張された被写界深度の光学システムを形成するために、多くのミクロンにわたって分散を拡大するように、光場拡大要素を含むように設計されうる。光学部品および光学材料は、染色剤吸収範囲内で色分散を最適化するように選択される。
【0021】
色収差を利用するときは、画像の構成に影響を与えうる要因を補償するように、スペクトル成分の相対的構成を変えることが有利であろう。これらは、造影剤または染色剤の波長依存性、カメラ応答、および光学材料を通る伝達を含むことができるが、それらに限定されない。スペクトル構成は、例えば、照明、収集、および/または結像用光学素子の中に、いくつかの波長を他の波長よりも多く減衰するフィルタを組み込むことにより、変更されうる。
【0022】
一例として、被写界深度の限定された拡大が、ヘマトキシリン族の染色剤など、現存の染色剤吸収曲線を収容する、狭い範囲の波長に対して達成されうる。ヘマトキシリン族の中の染色剤は、550〜620ナノメートルの波長範囲の中で吸収ピークを示す。
【実施例1】
【0023】
ハイパークロマティック・システムの中での使用に適する、ハイパークロマティック対物レンズ103の一例を、図1に示す。この複合レンズは、その光学素子のうちの1と2が共に結合されて第1の二重レンズを形成し、光学素子3と4が共に結合されて第2の二重レンズを形成し、光学素子5と6が共に結合されて第3の二重レンズを形成し、光学素子7と8が共に結合されて第4の二重レンズを形成する、8個の光学素子1〜8を備える。光学素子1の第1の面は平坦またはわずかに凸であり、それにより、この面が油または水などの浸漬液に接触するときに、空洞内に空気を閉じ込めることが避けられる。対物レンズ103に対する例示的処方は以下の通りである。
【0024】
【表1】
開口絞りの位置は、テレセントリシティをもたらし、横方向の色(倍率色収差としても知られる)を最小化するように選択されうる。部品材料は、例えば、Schott North America, Inc.、Elmsford, NY 10523から市販されている。
【0025】
以下の明細書の中で図面を参照しながら説明される例で示すように、レンズ・システム103は、180mmの焦点距離を有するチューブ・レンズの前に置かれるとき、第1の素子1の前面と、レンズの視野の中に位置決めされるカバーガラスの上面との間の空間が、水で満たされているならば、550nm〜620nmの波長範囲にわたって、0.9に等しい開口数(NA)において60倍の倍率をもたらす。通常、カバーガラスは、約130ミクロンの厚さであり、一方、カバーガラスとレンズの間の、水で満たされた空間は、約200ミクロンの厚さであってよい。対象物は、200ミクロンの直径の視野にわたって個々の波長において15ミクロンの範囲にわたってカメラの結像面上に合焦される。この例示的実施形態において、第1の面内の対象物の一部は、入射光の550nmの部分によって合焦され、第1の面より5ミクロン下に配置される第2の面は、入射光の573nmの部分によって合焦され、第1の面より10ミクロン下に配置される第3の面は、入射光の597nmの部分によって合焦され、第1の面より15ミクロン下に配置される第4の面は、入射光の620nmの部分によって合焦される。
【0026】
システムMTF
次に、図2A〜図2Dを参照すると、4つの波長のそれぞれに対する、シミュレーションされたモノクロマティック変調伝達関数(MTF)が、4つの別々の画像面で評価される場合の定性的な例が、示される。図2A〜図3Dを通して、垂直軸はシステムMTFを表し、水平軸は0〜遮断周波数、fcの範囲の周波数を表し、ここでfcは、非ゼロMTFに対する最高周波数である。図2Aに示すMTFと類似のMTFが、物体空間の中に2D光学試験対象を置き、その対象を約550nmの波長を有する狭帯域光で照明し、最良焦点を見出すことにより、原理上、測定されうる。波長を約573nmに変更し、焦点位置を5ミクロン動かすことで、図2Bに示すMTFが作成されうる。このプロセスを、約597nmに対して繰り返し、さらに約620nmに対して繰り返すと、それぞれ図2Cおよび図2Dに示すMTFが得られる。1つの対象物の全ボリュームからの焦点の合った情報が、15ミクロンまでの厚さの対象物に対して、同時に取得されうる。
【0027】
次に、図3A〜図3Dを参照すると、照明が約550nmと620nmの間の波長の帯域から成る光学投影システムに対して、シミュレーションされたポリクロマティック変調伝達関数(MTF)の定性的な例が示される。図3Aに示すMTFと類似のMTFが、物体空間の中に2D光学試験対象を置き、その対象を約550〜620nmの範囲内の波長の帯域を有する広帯域光で照明し、最良焦点、ΔZ=0、を見出すことにより、原理上、測定されうる。焦点位置を5ミクロンだけ動かしてΔZ=5ミクロンに合焦することにより、図3Bに示すMTFが定性的に得られる。焦点位置を10ミクロンだけ動かしてΔZ=10ミクロンに合焦することにより、また、焦点位置を15ミクロンだけ動かしてΔZ=15ミクロンに合焦することにより、それぞれ、図3Cおよび図3Dに示すMTFが、定性的に得られる。他の処方および光学的設計が、本実施形態の趣旨を逸脱することなく使用されうることを理解されたい。
【0028】
有利には、ハイパークロマティック光学システムが、OPTMシステムの中に組み込まれうる。変換素子、例えば、圧電変換器(PZT)などが、360度設定のスキャンにわたって、対物レンズの単一の、低速度の遷移を作用させるために使用されうる。レンズの遷移は、たとえ、チューブ回転が対象物に、360度スキャンの間、回転する毛細管の内径と同程度だけ光軸に沿った遷移を生じさせるとしても、関心のある対象物を、約15ミクロンの焦点間隔内に保持する。前の実施形態とは対照的に、各視点において行われる高速スキャンは、もはや必要とされない。結果として、画像取得速度は、もはや、PZT変換素子の速度によって制限されない。さらに、チューブ回転とレンズの遷移運動の間の同期は、もはや、それほど正確である必要はなく、それにより、OPTM機器制御システムの複雑さが低減される。
【0029】
次に、図4Aを参照すると、ハイパークロマティック光学レンズを組み込む光トモグラフィ・システムの中の1つの視角における物体空間の詳細が、概略的に示される。細胞114が、ミクロキャピラリ・チューブ107の内部の、第1の対象物面Z1と第2の対象物面Z2との間に位置する。チューブ107は、例えば、50ミクロンの内径を有してよく、第1の対象物平面と第2の対象物平面との間の間隔は、例えば、15ミクロンであってよい。好ましくは、ミクロキャピラリ・チューブ107は、内部屈折率をチューブの屈折率と整合させる、光学整合媒体123で満たされる。
【0030】
例示的一実施形態において、好ましくは、アッセンブリ121は、標準的顕微鏡スライドを含んでよい、第1の平坦な光学面120と、標準的な顕微鏡カバーガラスを含んでよい、第2の平坦な光学面108との間の視野内に置かれるミクロキャピラリ・チューブ107を含む。チューブ107と平面108、120との間の隙間は、チューブ107、平面108、120、およびオプティカル・ゲル123の屈折率と、同じく実質的に整合する屈折率を有するオプティカル・オイル124、または相当物で満たされる。アッセンブリ121は、顕微鏡の上に搭載可能であり、例えば、オイル、水、または空気を含む光学浸漬液109が、(図4Bに示すような)ハイパークロマティック光学素子に面する、アッセンブリ121の側面上に配置される。チューブ107の外径は、例えば、約250ミクロンであってよく、カバーガラス108の厚さは約170ミクロンであってよく、浸漬液109の厚さは約100〜300ミクロンの間であってよい。
【0031】
第1の波長λ1(例えば、λ1=約550nm)と第2の波長λ2(例えば、λ2=約620nm)の間の波長を有する広帯域光130が、例えば、集光レンズ・システムによりチューブ107の中に伝送される。波長λ1を有する光の光路の第1のセット105が、第1の対象物面Z1から浸漬液109の中へ進む。波長λ2を有する光の光路の第2のセット106が、第2の対象物面Z2から浸漬液109の中へ進む。図4Aに示されていないが、波長λn、ここでλnはλ1とλ2の間の波長である、を有する光が、第1の対象物面と第2の対象物面の間に位置する中間対象物面Znから105および106に類似の光路に沿って進むことが理解できる。
【0032】
図4Bを参照すると、このシステムの動作がより深く理解されうる。色フィルタ110および集光レンズ115が、所望の上限および下限波長(λ1、λ2)を有する照明130Fをもたらす。入射光は、例えば、生体細胞114を含むチューブ・アッセンブリ121を通過する。λ1およびλ2の波長を有し、細胞114近傍の対象物面Z1およびZ2それぞれから始まる光路105および106が、浸漬液109およびハイパークロマティック対物レンズ・システム103を通過し、光路がチューブ・レンズ111に到達するときに実質的にコリメートされる。次いで、光路は、例えば、約180mmの焦点距離を有してよいチューブ・レンズ111を通過し、CCDカメラ112の画像面104上に焦点Aを結ぶ。対物レンズ103はPZT113上に搭載され、PZT113は、対物レンズ103を、チューブ・レンズ111から遠ざかり、対象物面Z1およびZ2に近づくように動かすことができる。
【0033】
波長λn、ここでλnの波長はλ1とλ2の間の値を有する波長である、を有する光が、平面Z1および平面Z2の間に位置する中間対象物面Znから、105および106に類似の光路に沿って、やはり画像面104上の焦点に到達する。λ1およびλ2に対してλnの波長は、中間対象物面が画像面104上に合焦されるために、対象物面Z1およびZ2に対して中間対象物面が位置する場所を決定する。
【0034】
次に、図4Cを参照すると、ミクロキャピラリ・チューブ107が回転し、細胞114に、その位置と向きを変えさせた後の、図4Aのシステムが示される。この運動を補償するために、PZT113(例えば、図4Bに示すように)は、画像面104上に合焦した光を、波長λ1の光に対する対象物面Z3からの光路118を介して、また波長λ2の光に対する対象物面Z4からの光路119を介して、対象物面Z3およびZ4の第2のセットから開始させるのに十分な量だけ、対物レンズ103を動かす。λ1とλ2の間で変わる波長λnを有する光が、対象物面Z3およびZ4の間に位置する中間対象物面Znから、光路118および119の間の光路に沿って進み、やはり画像面104上の焦点に到達することは、本開示の恩恵を受ける当業者には理解されよう。λ1およびλ2に対してλnの波長は、対象物面Znが画像面104上に合焦されるために、Z3およびZ4に対して対象物面Znが位置しなければならない場所を決定する。図4Dは、図4Cで詳述されたシステムを示し、特に、PZT113が対物レンズ103を動かしており、それにより、合焦した画像が画像面104上の焦点Bに移されることを示す。
【0035】
図4A〜図4Dに示すシステムは、対物レンズ103を、PZTスキャン機構113の高周波数駆動により高速度で動かす必要なく、カメラ112が、細胞114の厚さ全体にわたって十分に補正された対物レンズをスキャンすることにより作成された、画定された疑似射影に類似する画像を取得することを可能にし、さらに複数の角度から複数の疑似射影を取得することを可能にすることは、本開示の恩恵を受ける当業者には理解されよう。
【0036】
他の実施形態は、染色剤による一定の吸収の範囲内の波長に対して、対象物の厚さ(例えば、15ミクロン)にわたって焦点を生成する収差を有する、前述のハイパークロマティック光路を利用する。この実施形態は、光路の中、好ましくは画像面104の直前に配置された色フィルタ配列(CFA)をさらに含む。CFAは、2種類以上のピクセルから成ることができ、各ピクセルは、カメラ112の結像面104のピクセル・サイズに相当するサイズを有する。各種類のピクセルは、個々の波長の範囲を通過させる。本発明の一部として記載される帯域通過範囲より十分に広い帯域通過範囲を有するCFAの一例が、1978年3月28日にBraultらに発行された「Method for making a solid-state color imaging device having an integral color filter and the device」という名称の米国特許第4,081,277号に記載されるような、Bayerフィルタである。
【0037】
次に、図5を参照すると、色フィルタ配列のための設計の一例が、概略的に示される。CFA201は、単位セル202の中に複数のピクセルの種類を含む。一例において、複数のピクセルの種類は、単位セル202の中に含まれる4つのピクセルの種類203、204、205、206を含む。4つのピクセルの種類はそれぞれ、550〜567nm、567〜584nm、584〜601nm、および601〜618nmの波長だけを通過させる。CFA201は、画像面104の相当な部分をカバーするのに十分な数の単位セル202を含まなければならない。例えば、画像面104が900×1600ピクセルを含む場合、CFA201は、有利には、450×800の単位セル202を含むことができ、各単位セル202は、フィルタ・ピクセルの種類203、204、205、および206のそれぞれの1つから成る2×2マトリックスを含む。この設計は、各波長に対するピクセルの4分の1だけを使用するため、空間解像度を2分の1に制限することがある。しかし、このことは、ピクセルにより制限される解像可能なサイズ(CFAを含めて、4×[ピクセル・サイズ]/倍率に相当)が、所望の光学的分解能(この例では500nm)より小さい限り、実際には問題とならない。カメラのピクセル・サイズ=7.4ミクロンおよび倍率=60の典型的な条件のもとでは、この必要条件は満足される。本実施形態における各CCDピクセルに到達する光強度は、4波長CFAのため、4分の1に減少される。この減少は、やはり実際には問題ではない。というのは、光源強度が、より長いカメラ露出時間を必要とすることなく、より高い光レベルをもたらすように増大されうるからである。
【0038】
図6Aおよび図6Bを共に参照すると、CFA201を組み込むハイパークロマティック・システムの動作の他の例が示される。そのシステムは、図4Aおよび図4Cに示すシステムに類似し、カメラ201の画像面104上にCFA201が付加されている。システムの光軸に沿って対物レンズ103が遷移するため、焦点は、図6Aの焦点A’から図6Bの焦点B’まで移動する。
【0039】
CFA201を含むことで、信号を2からそれ以上(この例では4)の集束範囲に分割することが可能となり、それにより、焦点の合った信号の品質を落とすピンぼけの量を減少させる。各集束範囲を別々に保存することにより、各集束範囲は、取得後の処理の間にディジタル処理で組み合わされてよく、組み合わされた画像のダイナミック・レンジの増加が可能となり、結果として組み合わされた画像の空間解像度およびコントラストが改善される。代わりに、各波長からもたらされる画像は、2以上の異なるデータ・セットとして処理が可能であり、それぞれが別々に、トモグラフィ的に再構成され終わるまでは組み合わされず、そのようにして空間解像度およびコントラストの改善がもたらされる。
【0040】
次に、図7Aおよび図7Bを共に参照すると、長い被写界深度を組み込むハイパークロマティック光トモグラフィ・システムに対して、第1の視角Θ1に対する物体空間が、概略的に示される。拡大された集束範囲の限界が、CFA201と組み合わされて、PZT113などのレンズ変換器を、システムの動作に対して不要にする。対象物面Z5およびZ6の他の対は、それぞれλ1およびλ2の波長に対応する。対象物面は、ミクロキャピラリ・チューブ107の内径の極値に位置する。対象物面Z5およびZ6は、ミクロキャピラリ・チューブ107の内径の極値に位置するので、対象物面Z5およびZ6の位置は、チューブ107が回転するときでさえ、対物レンズに対して一定のままであり、細胞114が対物レンズに対してその位置を変化させられる。50ミクロンの内径を有するミクロキャピラリ・チューブ107に対して、対象物面Z5とZ6の間隔は、少なくとも50ミクロンあることが好ましい。λ1およびλ2の波長の光をそれぞれ含む光路405および406は、それぞれ対象物面Z5およびZ6を通って進み、CFA201に到達する。ここでλ1は、例えば、第1の種類203のCFAピクセルだけを通って伝送され、λ2は、例えば、最後の種類206のCFAピクセルだけを通って伝送される。
【0041】
CFAの単位セルの中に複数のピクセルの種類が存在するため、各ピクセルの種類は対象物面Z5とZ6の間の間隔の一部分からの光だけを集める。上述の通り、図5に示す4色のCFA201に対して、各間隔は、重ならないことが好ましく、それゆえ全間隔の4分の1だけが、任意のピクセルの種類を通して伝送され、カメラ112により集められる。
【0042】
一例として、焦点面間隔が50ミクロンで、波長範囲が550〜618nmの場合、ピクセルの種類203の直後にあるカメラ・ピクセルは、対象物面Z5とZ5+12.5の間の対象物面に対応する、550nmと567nmの間の波長を有する光だけを検出する。同様に、ピクセルの種類204の直後にあるカメラ・ピクセルは、Z5+12.5ミクロンとZ5+25ミクロンの間に位置する複数の対象物面の間の焦点面に対応する、567nmと584nmの間の波長を有する光だけを検出する。ピクセルの種類205の直後にあるカメラ・ピクセルは、Z5+25ミクロンとZ5+37.5ミクロンの間の対象物面に対応する、584nmと601nmの間の波長を有する光だけを検出し、ピクセルの種類206の直後にあるカメラ・ピクセルは、Z5+37.5ミクロンとZ6(すなわち、Z5+50ミクロン)の間の対象物面に対応する、601nmと618nmの間の波長を有する光だけを検出する。
【0043】
次に、図7Bを参照すると、長い被写界深度を組み込むハイパークロマティック光トモグラフィ・システムに対する第1の視角が、概略的に示される。システムを構成する部品は、PZTなど、対物レンズのための機械的遷移器がもはや不要であることを除いて、図6Bの部品に類似する。光路405および406は、チューブ107の対向する両側から始まり、類似の経路を通って焦点A”において画像センサ104に至る。CFA201がやはり示されているが、CFA201は、本実施形態においては任意選択である。
【0044】
次に、図7Cを参照すると、長い被写界深度を組み込むハイパークロマティック光トモグラフィ・システムに対する第2の視角に対する物体空間が概略的に示される。ここに、細胞114は、第2の視角Θ2まで回される。細胞114は、常に、拡大された被写界深度(すなわち、平面Z5とZ6の間)の境界内にあるので、PZTを使用して対物レンズ103を動かす必要はない。
【0045】
次に、図7Dを参照すると、長い被写界深度を組み込むハイパークロマティック光トモグラフィ・システムに対する第2の視角が、図7Cに詳述されるシステムを示しながら、概略的に図示される。図7Bとは対照的に、対物レンズ103の焦点が、画像面104上の焦点B”に移動していることに留意されたい。CFA201がやはり示されているが、CFA201は、本実施形態においては任意選択である。
【0046】
次に、図8Aを参照すると、被検物を保持するキャピラリ・チューブが第1の回転角にある、複数のカメラ・システムの一例が示される。複数のカメラ・システムは、図4Aおよび図4Bに関して本明細書で前述したように、実質的に、色フィルタ110および集光レンズ115、ならびに例えば、生体細胞114を含むチューブ・アッセンブリ121を含む。細胞114の近傍の対象物面Z1およびZ2それぞれにおいて始まる光路は、浸漬液109およびハイパークロマティック対物レンズ・システム103を通過する。図4Aおよび図4Bに関して上述されたシステムから離れて、複数のカメラ・システムは、ここでは2色性ビーム・スプリッタ立方体501を包含し、第1の複数の光路502および503を分離する。第1の複数の光路502および503は、対象物面Z1およびZ2と類似の対象物面の中で始まる。各カメラは、任意選択で、色フィルタ配列201、508によりフィルタをかけられてよい。代替の一実施形態において、偏光フィルタ配列が、各色フィルタ配列と置き換えられうる。広い被写界深度が望まれる場合、本実施形態に類似する他の実施形態は、上述の他の実施形態と同様に、対物レンズを動かすための遷移機構113を排除しながら、CFA201および508を使用する。
【0047】
次に、図8Bを参照すると、被検物を保持するキャピラリ・チューブが第2の回転角にある、図8Aの複数のカメラ・システムの一例が示される。ここでは、2色性ビーム・スプリッタ立方体501が、第2の複数の光路504および505を分離する。第2の複数の光路504および505は、対象物面Z3およびZ4と類似の対象物面の中で始まる。
【0048】
次に、図8Aおよび図8Bを共に参照すると、同じ波長である光線502および504が、一次チューブ・レンズ111を通って進み、第1のカメラ112に至る。光線502および504と異なる波長である光線503および505が、二次チューブ・レンズ506を通って進み、第2のカメラ507のセンサ領域509に至る。追加の2色性ビーム・スプリッタおよびカメラが、容易に想定されうる。
【0049】
焦点スコア
拡張された被写界深度の光学素子を組み込むOPTMシステムの1つの特性は、固定焦点面画像が、もはや、拡張された被写界深度の光路を通しては、取得され得ないことである。平らな対象物の焦点性能が、広範囲の焦点位置にわたって保持される。この特性は、時には、焦点不変と呼ばれる。
【0050】
単一の焦点面に閉じ込められない対象物に対して、関心のある対象物が、データ取得を通して焦点間隔内に保持されうるように、関心のある対象物の中点を見出すことが、依然として必要である。このことを達成する1つの方法は、色収差を導入する前に、光路を分離することであり、それにより、ディテクタを包含する別々の光路が利用可能となる。色収差のないこの別々の光路では、システムが固定焦点面画像を取得することが、可能になる。ハイパークロマティック結像システムの中に組み込まれうる類似の方法において、光路が分割可能であり、一方のアームは、色フィルタをかけられてほぼ単色性となって、単一焦点面が、単独のカメラで結像可能となる一方で、他方のアームが、疑似射影をもたらす。他の方法は、スキャンを始める前に広範囲にわたって対物レンズをパンして、各位置における画像を取得し、各画像に対して焦点スコアを割り当てることを含む。焦点スコアづけの方法は、自己相関、エントロピー、および/または他の同等の方法を使用することができる。
【0051】
次に、図9を参照すると、MTF範囲内の焦点不変の一例が示される。一空間周波数におけるMTFに対する焦点不変範囲、MTF(f1) 601は、光軸上で、上の焦点面602および下の焦点面603により境界をつけられる。これらの境界の中で、MTF 601は、ずっと低いレベルに低下する前は、ほぼ一定の平坦域の値に留まる。そのような方法を使用して、以下にさらに説明するように、MTF(f1) 601の中の平坦域の2つの端点602、603が特定可能であり、好ましい焦点が、例えば、端点602、603の間の中点604により選択される。
【0052】
焦点不変領域の上および下の境界602、603が、ミクロキャピラリ・チューブの内側を通過しない場合は、焦点スコアづけを繰り返すことは、ミクロキャピラリ・チューブの内径を超える被写界深度を有するシステムに対しては、不要である。この条件は、機器が最初に設定されるときの最初の焦点のスコアづけにより確認されうる。
【0053】
次に、図10を参照すると、焦点不変光トモグラフィ・システムの中の焦点不変領域の中点を見出すための例示的方法のブロック線図が、概略的に示される。例示的方法によれば、中点は、
1.光軸を通してパンし、パン中にミクロキャピラリ・チューブの中の対象物の複数の画像を取得すること(701)、
2.光軸に沿って、各位置における焦点品質を評価すること(702)、
3.焦点品質が低下し始める光軸上の2つのブレイクポイントを決定すること(703)、ここで2つのブレイクポイントは、焦点不変領域の上および下の境界602、603に相当する、
4.疑似射影像を取得すること(704)、疑似射影のスキャンの範囲の中心は、焦点不変領域の上および下の境界602と603の間の中心に置かれる、
5.ミクロキャピラリ・チューブを次の投影角まで回転させること、
6.複数の疑似射影が複数の投影角において取得され終わるまで、1〜5のステップを繰り返すこと(705)、
7.取得された疑似射影を使用して、3D再構成を計算すること(706)、
により、対象物の3D再構成を計算するために見出され、使用される。
【0054】
次に、図11Aを参照すると、焦点不変光トモグラフィ・システムの中の焦点不変領域の中点を見出すための他の方法のブロック線図が、示される。この代替の例示的方法によれば、中点は、
1.第1の視角に対して、焦点を段階的に変化させることにより(すなわち、対物レンズを、n=n+1で表される短い距離だけ動かすことにより、ここで、nはインクリメント方式の段数である)複数の焦点面において疑似射影を取得すること801、および、各焦点面において疑似射影データを取得すること813、
2.次の視角まで動かし、疑似射影の取得801を上のように焦点を段階的に変化させることによって対象のボリュームがカバーされるまで繰り返すこと802、
3.各視角に対するすべての疑似射影を合計し803、合計された疑似射影の1セットを作成すること、
4.合計された疑似射影のセットを使用して、3D再構成を計算すること804、
により対象物の3D再構成を計算するために、見出され、使用される。一例において、疑似射影は、下式が802において合致するかまたは超えるまで、取得される:
εnD=チューブ径、ここで0<ε<1。
【0055】
次に、図11Bの参照は、焦点不変光トモグラフィ・システムの中の焦点不変領域の中点を見出すためのさらに他の方法のブロック線図を示す。この代替の例示的方法によれば、中点は、
1.第1の視角に対して、焦点を段階的に変化させることにより(すなわち、対物レンズを、n=n+1で表される短い距離だけ動かすことにより、ここで、nはインクリメント方式の段数である)、複数の焦点面において疑似射影を取得すること801、および、各焦点面において疑似射影データを取得すること813、
2.制限式に従って、次の視角まで動かし、疑似射影の取得801を上のように焦点を段階的に変化させることによって対象のボリュームがカバーされるまで繰り返すこと802、
3.2.5D焦点評価を実施して805、各視角に対して最良焦点の疑似射影を決定すること、
4.各角度に対する最良焦点において取得された最良焦点の疑似射影の1セットを使用して、3D再構成を計算すること806、
により対象物の3D再構成を計算するために見出され、使用される。上記の方法は、2.5D焦点評価を除けば、図11Aの方法と類似している。
【0056】
次に、図12を参照すると、色バランスを使用する自動焦点システムの一実施形態が、概略的に示される。ここでは、2つの自動焦点カメラ2002、2004が、ディジタル化された入力を画像比較器2006にもたらし、画像比較器2006が、今度は、フィードバック信号2008を、PZTコントローラなど、変換器ドライブ2010にもたらす。関心のある対象物2001は、(上述のように)ミクロキャピラリ・チューブ内で回されるので、上部対象物ボリューム2012および下部対象物ボリューム2014からの別々の画像が、自動焦点カメラ2002、2004で捕捉される。画像は、比較器2006によって比較され、解析される。比較器2006からのフィードバック信号2008が、変換器ドライブ2010を駆動し、変換器ドライブ2010が、今度は、対物レンズのフォーカス・ドライブ2016を制御し、それにより対物レンズ2103の焦点範囲が、よりピントの甘い焦点品質の領域に近づくように動く。2つの画像の間の焦点品質の差が十分小さくなると、変換器ドライブは、もはや、焦点範囲をシフトする必要がなくなる。このプロセスは、各投影角に対して繰り返されてよく、このプロセスは、チューブが回転するのにつれて、関心のある対象物を含む平面が、光軸を上下に動くので、必要でありうる。画像は、画像カメラ2020によって取得される。
【0057】
一実施形態において、一次ビーム・スプリッタ2028、二次ビーム・スプリッタ2030およびミラー2032により、光線が方向づけられる。画像カメラ2020に向けられた光線は、第1のフィルタ2022によってフィルタをかけられ、ここで第1のフィルタは、550nmと620nmの間の波長を有する光を、第1の画像形成レンズ2023を通して通過させる。第1の自動焦点カメラ2002に向けられた光線は、第2のフィルタ2024によってフィルタをかけられ、ここで第2のフィルタは、585nmと620nmの間の波長を有する光を、第2の画像形成レンズ2025を通して通過させる。ミラー2032に衝突した光線は、第3のフィルタ2026によってフィルタをかけられた後、第2の自動焦点カメラ2004に向けられ、ここで第3のフィルタは、550nmと585nmの間の波長を有する光を、第3の画像形成レンズ2027を通して通過させる。
【0058】
次に、図13を参照すると、色バランスを使用する自動焦点システムの他の実施形態が、概略的に示される。スペクトル的に一様な光照明の光源2060が、画像カメラ2020により結像される、関心のある対象物2001を照らす。上述の自動焦点システムと同様に、光線は、一次ビーム・スプリッタ2028、二次ビーム・スプリッタ2030およびミラー2032により方向づけられる。画像カメラ2020に向けられた光線は、第1のフィルタ2022によってフィルタをかけられ、ここで第1のフィルタは、550nmと620nmの間の波長を有する光を、第1の画像形成レンズ2023を通して通過させる。二次ビーム・スプリッタ2028を通過する光線の一部は、第2のフィルタ2024によってフィルタをかけられ、ここで第2のフィルタは、585nmと620nmの間の波長を有する光を通過させる。ミラー2032に衝突した光線は、第3のフィルタ2026によってフィルタをかけられ、ここで第3のフィルタは、550nmと585nmの間の波長を有する光を通過させる。レンズ2050を形成する第1のフーリエ面は、第2のフィルタ2024から、第1のフーリエ面空間フィルタ2052を通して第1のフォト・センサ2054まで、光を伝送する。レンズ2056を形成する第2のフーリエ面は、第3のフィルタ2026から、第2のフーリエ面空間フィルタ2058を通して第2のフォト・センサ2054まで、光を伝送する。
【0059】
フーリエ空間フィルタ2052、2058は、2つの焦点経路上で動作し、アナログ・フィードバックを、フォト・ダイオード2054を介して焦点制御コントローラ2042にもたらす。空間フィルタは、フォト・ダイオードが、焦点面の高空間周波数成分だけを受けることを確実にする。高空間周波数コンテンツは、十分に合焦された対象物に関連する。収束範囲の上半分2012と下半分2014の高周波数コンテンツが、信号調整および差増幅プロセッサ2062の中で比較される。差増幅プロセッサ2062は、上述のように、駆動器2042を制御するために使用される出力2040をもたらして、変換器2016に、2つの収束域の高周波数強度が実質的に類似するまで対物レンズ2103の位置合わせをさせる。連続照明の下で、この方法は、常時、対象物をフォーカス・バランス内に保持しながら対象物の運動を追跡するという利点を有する。
【0060】
3D結像のための偏光依存性光学素子(複屈折)
焦点面の位置は、光の偏光に依存する。このシステムは、複屈折光学素子の中で屈折率が光波面の電場分極により変化する複屈折光学素子を使用して実施されうる。複屈折の光学材料の一例は、590nmにおける屈折率が、偏光によって1.658か1.486のいずれかになるカルサイト(CaCO3)である。
【0061】
上述のハイパークロマティック・システムの実施形態に類似する実施形態が使用されうる。これらの技術においては、結像する光の偏光は、その光が始まる対象物焦点面に依存する。例えば、水平偏光の(0度の電場ベクトル)光の成分が、対象物面ZHに対して焦点画像をもたらすことができ、一方、垂直偏光の(90度の電場ベクトル)光の成分が、例えば、平面ZHよりディテクタに15ミクロン近く配置された対象物面ZVに対して焦点画像をもたらすことができる。0度と90度の間の偏光を有する光は、ZHとZVの間の対象物面に対して焦点画像をもたらす。
【0062】
照明光の偏光は、回転する偏光フィルタを使用することによって時間をかけて変更されてよく、収束された(偏光されない)光が、画像センサに到達する前に偏光フィルタを通過し、または全収束範囲が同時に収束されてよい。
【0063】
一実施形態において、収束範囲は、対象物の厚さ、例えば、15ミクロンと同程度でありうる。この実施形態において、PZTは、図6Aおよび図6Bに描かれたシステムと類似のシステムにおける、回転で誘導される細胞の遷移を補償するために組み入れられうる。
【0064】
図7A〜図7Dに描かれる実施形態と類似の、他の実施形態において、焦点面の範囲は、ミクロキャピラリ・チューブの直径(例えば、50ミクロン)と同等であることができ、偏光フィルタ配列(PFA;図5に示す色フィルタ配列のアナログの偏光)が、図7A〜図7Dに示すCFAの代わりにシステムの中に組み込まれる。
【0065】
さらに他の実施形態において、焦点面の範囲は、ミクロキャピラリ・チューブの直径と同等であることができ、一連の同期されたカメラの露出が、対象物面がディテクタ上の焦点の中に入るときに対象物面を取得する間、光の偏光は、時間をかけて変化されうる。
【0066】
2.5D結像
拡張された被写界深度の光学素子を組み込む任意のOPTMシステムにおいて、取得後の処理が、ピクセル毎の解析を実施し、視野内のモザイク状の焦点が合ったフィーチャを計算するために、組み込まれうる。2.5D結像の1つの種類の一例が、RJ Pieper and A Korpel、「Image processing for extended depth of field」、Applied Optics 22、1449 (1983)に見出される。2.5D結像方法は、色または偏光フィルタ配列(CFAまたはPFA)および広い収束範囲をカバーすることを利用するような実施形態、ならびに複数のカメラの露出を利用する実施形態において、最も有利に使用されうる。これらのシステムにおいて、1つの要素の種類に割り当てられるウェイトは、対象物が異なる焦点面領域を通して回されるのにつれて、1つの疑似射影から次の疑似射影へと変わることができる。
【0067】
このことを達成するために、個々のフィーチャが、画像スタックを形成する短焦点面画像の収集の中で識別される。同じフィーチャが、スタック内のいくつかの画像の中に現れうるが、それらの画像のサブセットだけが、そのフィーチャの十分に合焦された表現を含む。
【0068】
次に、図14を参照すると、2.5D集束方法のブロック線図が、概略的に示される。画像スタックSkの中の各フィーチャ、Gi=G1、...GΩが、識別される1101。画像スタックSkの中の各フィーチャGiに対して、Giが最良焦点にある画像が識別される1102。空白を合成された画像PPkが生成される1103。最も良く焦点が合ったフィーチャを構成するピクセル(Xi、Yi、Zi)が、合成画像PPkに加算される1104。このプロセスは、すべてのフィーチャがPPkの中に組み込まれるまで、すべてのフィーチャ(G1、G2...GΩ)に対して繰り返される。単一のフィーチャはSkの中の2つ以上の画像にまたがる可能性があるので、PPkの中の単一のピクセルは、Skの中で十分に焦点が合ったGiの表現を含む各画像に対して1つの強度値を、2つ以上累積する可能性がある。さらに、2つ以上のフィーチャが、(Z座標は異なるが)同じXY座標を共有する可能性があり、そのことが、PPkの中のいくつかのピクセルが、2つ以上のフィーチャからの強度値を累積する結果をもたらす可能性がある。下付き文字l、kなどが、インデックス番号を表すことに留意されたい。
【0069】
すべての画像スタック(S1、S2...Skmax)が解析され、それらに関連する合成画像(PP1、PP2...PPkmax)が計算されるまで、そのプロセスが、すべての画像スタックに対して繰り返される1105。次いで、トモグラフィ再構成が、PPkのセットを入力画像として使用して、計算されうる1106。この方法を使用する一例において、4色CFAまたはPFAの2×2ブロックのそれぞれが、最良焦点を含む単一のピクセルを選択することにより、または2つ以上のピクセルの加重和として処理されうる。
【0070】
ビーム・スプリット多重焦点面
OPTM動作に対して、より短い一体化疑似射影の、いくつかの基本的利点が存在する。最初に、より小さい大きさの疑似射影(一体化された光軸スキャン)は、空間スペクトルの中で支配的な低周波数情報の影響を減少させる。第2に、同じボリュームをサンプルする画像をより多く加えることにより、使用された画像数の平方根に比例する信号対ノイズ比が改善される。第3に、複数画像が、屈折コントラストによる、画像内の異常のホット・スポットの検出および補償を可能にする。
【0071】
被写界深度をセグメントに分割することで、多くの他の被写界深度エクステンダーが、より少ない複雑さでより良く動作しながら、より限定された解を供給するように働くことを可能にする。
【0072】
減少された動作範囲または拡大された深さが、直接的対物レンズ・スキャンおよび複数カメラの焦点面を用いて可能になる。
【0073】
複数の集束範囲の生成は、必ずしも複数のカメラを必要としない。十分なカメラ・センサ面積を用いて、複数画像を融合し、それらを単一センサ上に捕捉することが可能である。このことは、1つのセンサを複数のゾーンに分割する光ファイバ・フェース・プレート、または複数の画像を単一のCCD上に融合する折り畳み光学システムを使用して実施されうる。
【0074】
次に、図15を参照すると、折り畳みシステムの一例が描かれている。対物レンズ1205を出る実質的にコリメートされた光が、第1の2色ビーム・スプリッタ立方体1206により分割される。一方のアーム1202は、λ1の波長を有し、第1の焦点面1201の中で始まる。一方のアーム1202は、一次チューブ・レンズを通り、二次ビーム・スプリッタ立方体1207を通り、カメラのセンサの活性領域1211の右半分の上に至る。他方のアーム1204は、λ2の波長を有し、第2の焦点面1203の中で始まる。他方のアーム1204は、2つのミラー1208、1209で反射し、チューブ・レンズ1210を通過し、第2の2色ビーム・スプリッタ立方体1207の内部で反射し、カメラのセンサの活性領域1211の左半分の上に至る。カメラの2つの半分の部分が、実質的に同一の倍率を有するが、対象物空間内の異なる焦点面1201、1203から始まる、合焦された画像を取得する。画像内の相対的な横シフトは、第2の2色ビーム・スプリッタ立方体1207を横にシフトすることにより達成され、それにより、第2のアーム1204の反射光が、第1のアーム1202およびチューブ・レンズ1210に対して横にシフトされる。
【0075】
2段階倍率
対象物空間内で10ミクロン離隔される画像を取得することは、100倍のレンズに対して、二乗された倍率に比例する、画像空間の経路長(すなわち、100mm)の差を必要とする。チューブ・レンズが同じ焦点距離を有するが、異なる背面側焦点面を有する場合、カメラの2つの半分の部分は、実質的に同一の倍率を有するが、対象物空間において異なる焦点面から始まる合焦画像を取得する。例として、一次チューブ・レンズに対するより二次チューブ・レンズに対して100mm接近してカメラを配置することで、100/M2ミクロンの焦点面における差が結果的にもたらされ、ここで、Mは横倍率である。M=100の場合、100/M2=10ミクロンである。
【0076】
しかし、光軸におけるよりずっと小さな変化が、2つの10倍の倍率段階を使用して、二次対物レンズの焦点面をほんのわずかに変化させることにより、達成可能である。10倍の倍率の画像において、被検物面の中での10ミクロンのシフトが、中間像面の1mmのシフトで達成される。
【0077】
分割焦点面法を使用することにより、2つ以上のカメラ(図16の例で4つが示される)が、被検物の焦点深度のある範囲をそれぞれ収集することが可能となる。極限では、カメラの数は、被検物を照らすためにもたらされうる光の量と、光路のコストおよび複雑さによって、実際には制限される。より多くのカメラを組み入れるシステムは、カメラの良好な性能が十分に完全に近く、各画像が視野の深さの中で伝えなければならない範囲を縮小するとすれば、信号対ノイズ比を改善する。より短い視野の深さは、結果として得られる疑似射影において、高空間周波数のより良い表現を生み出すことを促進する。
【0078】
図16に示すこの実施形態の一例において、光学システムは、一次対物レンズ1302と、第1および第2のミラー1304A、1304Bと、3つのビーム・スプリッタ1303A〜1303Cと、4つの一次チューブ・レンズ1310と、4つの二次対物レンズ1312と、4つの二次チューブ・レンズ1308と、4つのCCDカメラ1309とを備える。一次対物レンズ1302および一次チューブ・レンズ1310は、少なくとも10倍の倍率をもたらし、二次対物レンズおよびチューブ・レンズは少なくとも追加の10倍の倍率で、合計で少なくとも100倍の倍率をもたらす。
【0079】
各光路は、ビーム・スプリッタ2つ分の厚さを通過し、各光路は、ビーム・スプリッタを通るか、またはミラーによるかのいずれかにより、2回または0回のいずれかの反射を受ける。ビーム・スプリッタを通過する光路長が等しいことは、ガラスを通過することによる収差が等しいことを意味する。反射の回数が常に偶数(または常に奇数)であることは、4つの画像すべてが4つのカメラ1309の画像面において同じ向きを維持することを意味する。一次チューブ・レンズと二次対物レンズの間の間隔は、各光路に対して異なり、それにより異なる対象物面が、各カメラ上に集束される。減少された動作範囲または拡大された深さが、対物レンズの後ろでスキャンする焦点面および複数のカメラの焦点面により可能となる。
【0080】
複数のカメラの光学素子を20超の焦点面に拡大することで、10ミクロンの被写界深度を500nm毎にサンプリングすることが、理論的に可能となる。複数のカメラの配列は、2つ同時のボリューム・サンプリングの様式を可能にし、そのことが、それらの相対的強度を、より正確なボリューム再構成に寄与するように、それぞれ使用されうる。具体的には、試料媒体の界面における屈折および回折の影響により生成されるコントラストが、純粋に吸収性の影響から選び出されることが可能であり、すべてのデータは、焦点面の運動または回転のぶれなく、高速に捕捉されうる。
【0081】
波面コード化光学素子
次に、図17を参照すると、波面コード化光学素子を含むOPTMシステムの概略図が示される。上述のように、ミクロキャピラリ・チューブ1707が、関心のある対象物1701を保持し、対物レンズ1703で観察される様々な視角を通して回転される。対物レンズ1703を通して伝送される光は、対物レンズ1703と結像カメラ1707の間に配置される波面コード化光学素子1705上に衝突する。波面コード化光学素子の使用が、そのボリューム全体を通して低いが一定の周波数応答を生み出す、拡大された被写界深度内に、関心のある対象物が含まれるように、光波面をプリディストーションする方法を提供する。こうして、光軸に沿った限定された範囲内のすべての焦点面が、均等にデフォーカスされる。このことが、波面コード化を構成する。波面コード化素子は、CDM Optics, Inc. (Boulder, CO)から入手可能であり、例えば、ER Dowskiの、「Wavefront coding optics」という名称の米国特許第6,842,297号(2005年)に記載されている。
【0082】
波面コード化の限界は、被写界深度において約12:1の改善である。光トモグラフィ用途に対して、そのような改善は、必要な深さの約半分をもたらす。したがって、有利には、波面コード化は、完全な解を達成するために、本明細書に記載される多くの他の実施形態のうちの1つと組み合わせられうる。
【0083】
VN Mahajan、「Aberration Theory Made Simple」、(Bellingham、WA: SPIE Press、1991)に詳細に記載されるように、0.64波のデフォーカスにおいて、整合された集光レンズと対物レンズのNAに対して、第1のコントラスト反転(MTFがゼロより小)の点が発生する。この点は、光学的深さにおける変化、ΔZに関して、ΔZ=±1.28λn/(NAobj)2として容易に表現され、ここでλは集められる光の波長、nは対物レンズと対象物の間の領域の屈折率、およびNAobjは対物レンズの開口数である。λ=550nm、n=1、およびNAobj=0.9に対して、この距離は、ΔZ=±0.87ミクロンである。したがって、12ミクロンの深さの対象物に対して、6ミクロンのデフォーカス(約4.4波のデフォーカス)におけるコントラスト反転を避けるために、被写界深度において少なくとも5倍の改善が必要である。
【0084】
波面コード化を用いる結像の他の実施形態は、拡大された深さを維持しながらシャープな合焦画像を回復するために、抑圧された高周波数成分を増強する相補形伝達関数を用いる画像のディジタル増強を組み込む。
【0085】
他の実施形態は、上に示されるような複数のカメラを使用して、各光路をレンズ伝達関数でコード化することにより被写界深度を拡大し、それにより1つのセグメントから次のセグメントへ被写界深度を拡大する、波面コード化光学素子法を利用する。このメカニズムでは、ストロボ照明など、単一の簡単な露出で、機械的運動なしに、広い被写界深度を速やかにサンプリングすることが可能になる。
【0086】
本発明は、特許法に従い、本発明の新しい原理を適用し、必要とされる例示的、専門的構成部品を構築し使用するために必要な情報を当業者に提供するために、本明細書の中で相当詳細に説明した。しかし、本発明は、明確に異なる機器およびデバイスにより実施されうること、ならびに、機器の詳細および動作手段の両方に関して様々な改変が、本発明の真の主旨および範囲を逸脱することなく達成されうることを理解されたい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
関心のある対象物を結像させるための光投影トモグラフィ・システムであって、
(a)光源(130)と、
(b)対象物を含むチューブ(107)であって、チューブ(107)の一部分が前記光源(130)で照らされる領域の中に配置され、前記関心のある対象物(114)が、前記対象物を含むチューブ(107)の内部に配置された少なくとも1つの関心のあるフィーチャを有する、チューブ(107)と、
(c)前記関心のある対象物(114)から生じる放射を受けるように配置される、少なくとも1つのディテクタ(104)と、
(d)前記対象物の領域と前記少なくとも1つのディテクタ(104)との間の光路の中に配置される少なくとも1つのレンズ(103)であって、前記対象物を含むチューブ(107)の中の複数の対象物面(Zn)からの光線(105)が、前記少なくとも1つのディテクタ(104)上に同時に合焦するように、少なくとも1つの光場拡大要素(1)を含む、レンズ(103)とを備える、システム。
【請求項2】
前記対象物(114)が、前記少なくとも1つのディテクタ(104)に対して動き、前記少なくとも1つのレンズ(103)が、各ビューにおいて前記少なくとも1つの関心のあるフィーチャの少なくとも1つの画像を作成するために、前記対象物の領域の複数のビューを提供するように動作する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記関心のある対象物が生体細胞(114)を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記少なくとも1つのディテクタ(104)のうちの少なくとも1つの上の焦点に至る、前記複数の対象物面(Z1)のそれぞれが、異なる光波長(λn)の光(130)を前記少なくとも1つのディテクタ(104)上に重ね合わせる、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記複数の対象物面(Zn)により広げられる間隔が、前記関心のある対象物(114)の厚さ全体にわたる間隔である、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記関心のある対象物(114)が、前記少なくとも1つのディテクタ(104)上に重ね合わせる少なくとも1つの波長の吸収係数を与えるために染色される、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記複数の対象物面(Zn)により広げられる間隔が、前記対象物を含むチューブ(107)の直径の太さ全体にわたる間隔である、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記少なくとも1つのレンズ(103)と前記少なくとも1つのディテクタ(104)との間に配置される色フィルタ配列(201)をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記関心のある対象物(114)が前記複数の対象物面(Zn)により広げられる間隔内に留まるように、前記対象物領域の複数のビューのそれぞれの間の光路に沿って前記少なくとも1つのレンズ(103)を動かすために、前記少なくとも1つのレンズ(103)と結合される圧電変換器(113)をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
少なくとも1つのレンズ(1703)と少なくとも1つのディテクタ(1707)との間に配置される波面コード化光学要素(1705)をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記少なくとも1つのディテクタ(104)が、電荷結合素子(112)と、相補形金属酸化膜半導体素子と、ソリッド・ステート画像センサと、ソリッド・ステート画像センサ・ディテクタ配列とから成る群から選択されたディテクタを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記関心のある対象物(114)が、ヘマトキシリンで染色される、請求項6に記載のシステム。
【請求項13】
複数の対象物面(Zn)からの前記光(130)が、50ミクロンまでの焦点間隔にまたがって550nm〜620nmの範囲の波長を有する光を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記対象物を含むチューブ(107)が、少なくとも50ミクロンの直径を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記関心のある対象物(114)が前記焦点間隔内に留まるように、前記対象物領域の前記複数のビューのそれぞれの間の光路に沿って前記少なくとも1つのレンズ(103)を動かすために、前記少なくとも1つのレンズ(103)に取り付けられる圧電変換器(113)をさらに備える、請求項2に記載のシステム。
【請求項16】
前記少なくとも1つのレンズ(103)と前記少なくとも1つのディテクタ(104)との間に配置される色フィルタ配列(201)をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
前記複数の対象物面(Zn)により広げられる間隔が、少なくとも12ミクロンの焦点間隔を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
複数の対象物面(Zn)からの前記光が550nm〜620nmの範囲の波長を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
前記少なくとも1つのディテクタ(104)に到達する光の帯域限界に位置する550nm〜620nmの範囲内で光を通すための帯域通過フィルタ(201)をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項20】
前記光源が、前記対象物を含むチューブ(107)に到達する光(130)にフィルタをかけるために配置される色フィルタ(110)を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項21】
前記少なくとも1つのレンズがハイパークロマティック・レンズ(103)を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項22】
関心のある対象物(114)を観察するための光トモグラフィ・システムであって、
前記関心のある対象物(114)を位置決めするための、ミクロキャピラリ・チューブ(107)の観察領域と、
少なくとも1つのディテクタ(104)と、
ミクロキャピラリ・チューブ(107)に取り付けられ、ミクロキャピラリ・チューブ(107)を回すために配置されるモータと、
550nmと620nmの間の波長を有する広帯域光(130)を前記ミクロキャピラリ・チューブ(107)の観察領域の中に伝送するための手段と、
前記ミクロキャピラリ・チューブ(107)の観察領域を通して伝送される光(130)を受けるために配置されるハイパークロマティック・レンズ(103)と、
前記ミクロキャピラリ・チューブ(107)の観察領域の中の複数の対象物面(Zn)からの光線が、前記少なくとも1つのディテクタ(104)上に同時に合焦するように、前記ハイパークロマティック・レンズ(103)を通して伝送される光線(130)を合焦させるために配置されるチューブ・レンズ(111)とを備える、システム。
【請求項23】
前記関心のある対象物が生体細胞(114)を含む、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記ハイパークロマティック・レンズ(103)および前記チューブ・レンズ(111)が、前記ミクロキャピラリ・チューブ(107)の観察領域からの複数の対象物面(Zn)を前記少なくとも1つのディテクタ(104)上に同時に合焦させるように動作する、請求項22に記載のシステム。
【請求項25】
前記複数の対象物面(Zn)により広げられる間隔が、前記生体細胞(114)の厚さ全体にわたる間隔である、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記生体細胞(114)が、前記少なくとも1つのディテクタ(104)上に重ね合わせる少なくとも1つの波長の吸収係数を与えるために染色される、請求項23に記載のシステム。
【請求項27】
前記複数の対象物面(Zn)により広げられる間隔が、前記ミクロキャピラリ・チューブ(107)の観察領域の厚さ全体にわたる間隔である、請求項23に記載のシステム。
【請求項28】
前記ハイパークロマティック・レンズ(103)と前記少なくとも1つのディテクタ(104)との間に配置される色フィルタ配列(201)をさらに備える、請求項22に記載のシステム。
【請求項29】
前記複数の対象物面(Zn)からの前記光(130)が、50ミクロンまでの焦点間隔にまたがって550nm〜620nmの範囲の波長を有する光を含む、請求項22に記載のシステム。
【請求項30】
前記ハイパークロマティック・レンズ(103)と前記少なくとも1つのディテクタ(104)との間に配置される色フィルタ配列(201)をさらに備え、それにより前記ディテクタ(104)上の焦点(A’)に至る光(130)が2つ以上の波長帯域(λn)に分割され、各波長帯域(λ1)が、前記色フィルタ配列(201)を通して前記少なくとも1つのディテクタ(104)上のピクセル(203)の別々のセットに伝送される、請求項22に記載のシステム。
【請求項31】
関心のある対象物(114)を観察するための光トモグラフィ・システムであって、
前記関心のある対象物(114)を含むミクロキャピラリ・チューブ(107)と、
前記ミクロキャピラリ・チューブ(107)に取り付けられ、前記ミクロキャピラリ・チューブ(107)を回すためのモータと、
前記ミクロキャピラリ・チューブ(107)を照らす(130)ために配置される光源と、
前記ミクロキャピラリ・チューブ(107)を通して伝送される光(130)を受けるために配置されるハイパークロマティック・レンズ(103)と、
前記ミクロキャピラリ・チューブ(107)の中の複数の対象物面(Zn)の中で始まる複数の光路(502)を、前記ハイパークロマティック・レンズ(103)を通して伝送されるときに分割するために配置される、2色ビーム・スプリッタ(501)と、
少なくとも2つのディテクタ(104)であって、前記少なくとも2つのディテクタ(104)のうちの第1のディテクタ(104)が前記複数の光路(502)のうちの1つの光路に沿って伝送される光を受けるように配置され、前記少なくとも2つのディテクタ(104)のうちの第2のディテクタ(509)が前記複数の光路(503)のうちの別の1つの光路に沿って伝送される光(130)を受けるように配置され、前記複数の対象物面(Zn)からの光線(130)が前記少なくとも2つのディテクタ(104)のうちの少なくとも1つのディテクタ上に同時に合焦される(C)、ディテクタ(104)とを備える、システム。
【請求項32】
前記ハイパークロマティック・レンズ(103)と結合される圧電変換器(113)をさらに備える、請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
前記関心のある対象物が生体細胞(114)を含む、請求項31に記載のシステム。
【請求項34】
焦点に至る前記複数の対象物面(Zn)のそれぞれが、前記少なくとも2つのディテクタ(104)のうちの少なくとも1つのディテクタ上に、異なる光波長の光(130)を重ね合わせる、請求項31に記載のシステム。
【請求項35】
前記複数の対象物面(Zn)により広げられる間隔が、前記関心のある対象物(114)の厚さ全体にわたる間隔である、請求項31に記載のシステム。
【請求項36】
前記生体細胞(114)が、少なくとも1つの波長の吸収係数を与えるために染色される、請求項31に記載のシステム。
【請求項37】
前記複数の対象物面(Zn)により広げられる間隔が、前記ミクロキャピラリ・チューブ(107)の厚さ全体にわたる間隔である、請求項31に記載のシステム。
【請求項38】
前記ハイパークロマティック・レンズ(103)と前記少なくとも2つのディテクタ(104)のそれぞれとの間に配置される色フィルタ配列(201)をさらに備える、請求項31に記載のシステム。
【請求項39】
前記関心のある対象物(114)がヘマトキシリンで染色される、請求項36に記載のシステム。
【請求項40】
複数の対象物面(Zn)からの前記光(130)が、50ミクロンまでの焦点間隔をカバーする550nm〜620nmの範囲の波長を有する光を含む、請求項31に記載のシステム。
【請求項41】
前記対象物を含むチューブ(107)が、少なくとも50ミクロンの直径を有する、請求項40に記載のシステム。
【請求項42】
前記複数の対象物面(Zn)により広げられる間隔が、少なくとも12ミクロンの焦点間隔を含む、請求項40に記載のシステム。
【請求項43】
複数の対象物面(Zn)からの前記光が550nm〜620nmの範囲の波長を含む、請求項31に記載のシステム。
【請求項44】
前記少なくとも2つのディテクタ(104)に到達する光の帯域限界に位置する550nm〜620nmの範囲内で光を通すための帯域通過フィルタ(201)をさらに備える、請求項31に記載のシステム。
【請求項45】
前記光源が、前記対象物を含むチューブ(107)に到達する光にフィルタをかけるために配置される色フィルタ(110)を含む、請求項31に記載のシステム。
【請求項46】
焦点不変光トモグラフィ・システムの中で焦点不変領域の中点を見出す方法であって、前記光トモグラフィ・システムが、光軸を有する対物レンズ(103)と、関心のある対象物(114)を含む、回転するチューブ(107)とを含み、
関心のある対象物の複数の画像を取得するために、前記対物レンズを前記光軸に沿ってパンすること(701)と、
各画像に対する焦点品質を評価すること(702)と、
焦点不変領域の上および下の境界を決定すること(703)と、
スキャン範囲が、前記上の境界(602)と下の境界(603)の間に中心を置かれる疑似射影画像を取得すること(704)と、
複数の投影角において複数の疑似射影が取得されるまで、前記チューブを回転させ、パンすること、評価すること、および取得することの上記工程を繰り返すこと(705)とを含む、方法。
【請求項47】
焦点不変光トモグラフィ・システムの中で焦点不変領域の中点を見出すことにより3D再構成を計算する方法であって、前記光トモグラフィ・システムが、光軸を有する対物レンズ(103)と、関心のある対象物を含むミクロキャピラリ・チューブ(107)とを含み、
前記対物レンズをインクリメント方式で段階的に進めて複数の焦点面において合焦させ、前記関心のある対象物の複数の疑似射影を、前記ミクロキャピラリ・チューブの中の複数の焦点面(813)において取得すること(801)と、
焦点面の範囲における制限条件が適合するまで繰り返すこと(802)と、
複数の視角を通して前記チューブを回転させ、焦点面の範囲における制限条件が各視角に対して合致するまで、上記の段階的に進める工程と繰り返す工程を繰り返すことと、
各視角に対して、その視角において取得された、前記取得された疑似射影を合計し、合計された疑似射影の1セットを生成すること(803)と、
前記合計された疑似射影を使用して3D再構成を計算すること(804)とを含む、方法。
【請求項48】
前記制限条件が、式、εnD=チューブ径、ここで0<ε<1およびnはインクリメントされる段階の値、によって求めた制限に合致するかまたはその制限を超えること(802)を含む、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
最良焦点を有する疑似射影を識別するために焦点スコアを適用する方法であって、
対物レンズをインクリメント方式で段階的に進めて複数の焦点面において合焦させ、関心のある対象物の複数の疑似射影を、ミクロキャピラリ・チューブの中の複数の焦点面(813)において取得すること(801)と、
焦点面の範囲における制限条件が適合するまで繰り返すこと(802)と、
2.5D焦点評価を実施して(805)、現在の視角に対してマッピングされた最良焦点を決定することと、
複数の視角を通して前記チューブを回転させ、上記の段階的に進める工程(801)と繰り返す工程(802)を各視角に対して繰り返すことと、
各視角に対して、その視角に対して最良焦点で取得された、前記取得された疑似射影を合計し、合計された疑似射影の1セットを生成することと、
前記合計された疑似射影を使用して3D再構成を計算すること(806)とを含む、方法。
【請求項50】
前記制限条件が、式、εnD=チューブ径、ここで0<ε<1およびnはインクリメントされる段階の値、によって求めた制限に合致するかまたはその制限を超えること(802)を含む、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
第1の自動焦点カメラ(2002)と、
第2の自動焦点カメラ(2004)と、
前記第1の自動焦点カメラ(2002)および前記第2の自動焦点カメラ(2004)からディジタル化された入力を受けるように結合され、フィードバック信号(2008)をもたらす画像比較器(2006)と、
前記フィードバック信号(2008)を受けるように結合される変換器ドライブ(2010)と、
前記第1の自動焦点カメラ(2002)および前記第2(2004)の視野内に、関心のある対象物(2001)を含むミクロキャピラリ・チューブ(107)とを備え、前記ミクロキャピラリ・チューブ(107)が回転モータと結合され、上側スペクトルの対象物ボリューム(2012)および下側スペクトルの対象物ボリューム(2014)からの別々の画像が、前記第1の自動焦点カメラ(2002)および前記第2(2004)によって捕捉され、
前記別々の画像が、前記フィードバック信号(2008)をもたらして前記変換器ドライブ(2010)を駆動する前記比較器(2006)によって比較されて解析され、前記変換器ドライブ(2010)が、次いで、対物レンズ(2103)の焦点範囲がピントの甘い焦点品質の領域に近づくように対物レンズ焦点ドライブ(2016)を制御し、前記2つの画像の間の焦点品質の差が十分小さくなったときに前記変換器ドライブが前記焦点範囲をシフトすることを停止し、
前記ミクロキャピラリ・チューブ(107)から画像を受けるように配置される画像カメラ(2020)を備える、自動焦点システム。
【請求項52】
一次ビーム・スプリッタ(2028)と、
二次ビーム・スプリッタ(2030)と、
光線を前記第2の自動焦点カメラ(2004)に向けるように配置されるミラー(2032)と、
前記一次ビーム・スプリッタ(2028)から第1の画像形成レンズ(2023)を通して前記画像カメラ(2020)まで光線を通すように配置された第1のフィルタ(2022)と、
前記二次ビーム・スプリッタ(2030)から第2の結像レンズ(2025)を通して前記第1の自動焦点カメラ(2002)に向けられた光線を通すように配置された第2のフィルタ(2024)と、
前記ミラー(2032)から第3の結像レンズ(2027)を通して前記第2の自動焦点カメラ(2004)に光線を向けるように配置された第3のフィルタ(2026)とをさらに備える、請求項51に記載の自動焦点システム。
【請求項53】
前記第1のフィルタ(2022)が、550nmと620nmの間の波長を有する光を通す、請求項52に記載の自動焦点システム。
【請求項54】
前記第2のフィルタ(2024)が、585nmと620nmの間の波長を有する光を通す、請求項52に記載の自動焦点システム。
【請求項55】
前記第3のフィルタ(2026)が、550nmと585nmの間の波長を有する光を通す、請求項52に記載の自動焦点システム。
【請求項56】
関心のある対象物(2001)を観察するように位置決めされた対物レンズ(2103)と一直線上にある画像カメラ(2020)の視野内の関心のある対象物(2001)を照らすように配置された、スペクトル的に一様な光照明の光源(2060)と、
一次ビーム・スプリッタ(2028)と、
二次ビーム・スプリッタ(2030)と、
ミラー(2032)と、
前記一次ビーム・スプリッタ(2028)から第1の画像形成レンズ(2023)を通して前記画像カメラ(2020)まで光線を通すように配置された第1のフィルタ(2022)と、
前記二次ビーム・スプリッタ(2030)と光学的に整列された第2のフィルタ(2024)と、
前記ミラー(2032)と光学的に整列された第3のフィルタ(2026)と、
前記第2のフィルタ(2024)から第1のフーリエ面空間フィルタ(2052)を通して第1のフォト・センサ(2054)まで光を伝送するように配置された第1のフーリエ面形成レンズ(2050)と、
前記第3のフィルタ(2026)から第2のフーリエ面空間フィルタ(2058)を通して第2のフォト・センサ(2054)まで光を伝送するように配置された第2のフーリエ面形成レンズ(2056)とを備え、
前記第1のフーリエ空間フィルタ(2052)および前記第2のフーリエ空間フィルタ(2058)が第1および第2のフォト・ダイオード(2054)を通して焦点制御コントローラ(2042)にアナログ・フィードバックを提供し、さらに、焦点範囲の上部(2012)および下部(2014)の高周波数コンテンツがそれぞれ、信号調整および差増幅プロセッサ(2062)の中で比較され、前記信号調整および差増幅プロセッサが、前記対物レンズ(2103)の位置を制御する(2016)ように接続されたドライブ(2042)に対して使用される出力(2040)を提供する、自動焦点システム。
【請求項57】
前記第1のフィルタ(2022)が、550nmと620nmの間の波長を有する光を通す、請求項56に記載の自動焦点システム。
【請求項58】
前記第2のフィルタ(2024)が、585nmと620nmの間の波長を有する光を通す、請求項56に記載の自動焦点システム。
【請求項59】
前記第3のフィルタ(2026)が、550nmと585nmの間の波長を有する光を通す、請求項56に記載の自動焦点システム。
【請求項60】
焦点不変光学素子を使用する光トモグラフィのための2.5次元画像解析方法であって、
画像スタックSkの中のフィーチャGi=G1、...GΩを識別すること(1101)と、
各フィーチャGiに対して、Skの中の最良焦点のピクセルXi、Yi、Ziを識別すること(1102)と、
空白合成画像PPkを生成すること(1103)と、
Xi、Yi、Ziの強度値をPPkの中のピクセルXi、Yiの強度値に加算すること(1104)と、
すべてのフィーチャがPPkの中に組み込まれるまで、すべてのフィーチャ(G1、G2、...GΩ)に対して繰り返すこと(1105)と、
複数の視点に対して繰り返すこと(1106)とを含む、方法。
【請求項61】
前記焦点不変光学素子が、4色CFAを含み、前記方法が、前記最良焦点を含むピクセルを選択することにより、4色CFAの2×2ブロックのそれぞれを処理することをさらに含む、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記焦点不変光学素子が、複数の2×2ブロックを含む4色CFAを含み、前記方法が、2つ以上のピクセルの加重和を使用して4色CFAの2×2ブロックのそれぞれを処理することをさらに含む、請求項60に記載の方法。
【請求項63】
前記焦点不変光学素子が、複数の2×2ブロックを含むPFAを含み、前記方法が、前記最良焦点を含むピクセルを選択することによりPFAの2×2ブロックのそれぞれを処理することをさらに含む、請求項60に記載の方法。
【請求項64】
前記焦点不変光学素子が、複数の2×2ブロックを含むPFAを含み、前記方法が、2つ以上のピクセルの加重和を使用してPFAの2×2ブロックのそれぞれを処理することをさらに含む、請求項60に記載の方法。
【請求項65】
コリメート光を伝送するための対物レンズ(1205)と、
前記対物レンズ(1205)により伝送される前記コリメート光を第1のアーム(1202)と第2のアーム(1204)に分割するための、前記対物レンズ(1205)の下流に配置された第1の2色ビーム・スプリッタ立方体(1206)とを備え、
前記第1のアーム(1202)が、λ1の波長を有し、第1の焦点面(1201)に始まり、
一次チューブ・レンズが、二次ビーム・スプリッタ立方体(1207)を通してカメラ・センサの活性領域(1211)の第1の領域上に、前記第1のアーム(1202)を伝送するように位置決めされ、
前記第2のアーム(1204)が、λ2の波長を有し、第2の焦点面(1203)に始まり、
第2の2色ビーム・スプリッタ立方体(1207)内で反射した後、チューブ・レンズ(1210)を通してカメラ・センサの活性領域(1211)の第2の領域上に前記第2のアームを通すように位置決めされた第1のミラー(1208)および第2のミラー(1209)を備え、前記カメラの前記第1の領域(1211)および前記第2の領域(1211)が、対象物空間の中の異なる焦点面(1201)から始まる集束された画像を取得する、光トモグラフィのための折り畳みシステム。
【請求項66】
画像における相対的な横シフトが前記第2の2色ビーム・スプリッタ立方体(1207)を横にシフトすることにより達成され、それにより前記第2のアーム(1204)の反射光が、前記第1のアーム(1202)および前記一次チューブ・レンズに対して横にシフトされる、請求項65に記載のシステム。
【請求項67】
一次対物レンズ(1302)と、
前記一次対物レンズ(1302)を通して伝送される光を受けるように配置された、第1(1304A)および第2(1304B)のミラーと、
異なる光路に沿って光を向けるように配置された少なくとも3つのビーム・スプリッタ(1303A)と、
前記光路のうちの1つに沿ってそれぞれ配置された少なくとも4つの一次チューブ・レンズ(1310)と、
前記光路のうちの1つに沿ってそれぞれ配置された少なくとも4つの二次対物レンズ(1312)と、
前記光路のうちの1つに沿ってそれぞれ配置された少なくとも4つの二次チューブ・レンズ(1308)と、
前記光路のうちの1つに沿ってそれぞれ配置された少なくとも4つのカメラ(1309)とを備え、前記少なくとも4つの一次チューブ・レンズ(1310)のうちの1つと前記少なくとも4つの二次対物レンズ(1312)のうちの1つとの間の空間が各光路に対して異なり、それにより異なる対象物面が前記少なくとも4つのカメラ(1309)のそれぞれの上に合焦される、光トモグラフィのための複数カメラ・システム。
【請求項68】
前記少なくとも4つのカメラ(1309)により取得された画像が、前記少なくとも4つのカメラ(1309)の前記画像面において同じ向きを維持する、請求項67に記載のシステム。
【請求項69】
前記一次対物レンズ(1302)および前記少なくとも4つの一次チューブ・レンズ(1310)が少なくとも10倍の倍率をもたらし、前記二次対物レンズ(1312)およびチューブ・レンズ(1308)が追加の少なくとも10倍の倍率をもたらす、請求項67に記載のシステム。
【請求項70】
一次対物レンズ(1302)と、
前記一次対物レンズ(1302)を通して伝送される光を受けるように配置された、第1(1304A)および第2(1304B)のミラーと、
異なる光路に沿って光を向けるように配置された少なくとも3つのビーム・スプリッタ(1303A)と、
前記光路のうちの1つに沿ってそれぞれ配置された少なくとも4つの一次チューブ・レンズ(1310)と、
前記光路のうちの1つに沿ってそれぞれ配置された少なくとも4つの二次対物レンズ(1312)と、
前記光路のうちの1つに沿ってそれぞれ配置された少なくとも4つの二次チューブ・レンズ(1308)と、
前記光路のうちの1つに沿ってそれぞれ配置された少なくとも4つのカメラ(1309)と、
異なる対象物面が前記少なくとも4つのカメラ(1309)のそれぞれの上に合焦するように、前記一次対物レンズ(1302)と前記少なくとも4つのカメラ(1309)の間に位置決めされた波面コード化光学素子(1705)とを備える、光トモグラフィのための複数カメラ・システム。
【請求項71】
前記少なくとも1つの光場拡大要素(1)が、前記少なくとも1つのレンズ(103)と前記少なくとも1つのディテクタ(104)との間に配置された偏光フィルタ配列を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項72】
前記少なくとも1つの光場拡大要素(1)が、前記ハイパークロマティック・レンズ(103)と前記少なくとも2つのディテクタ(104)のそれぞれとの間に配置された波面コード化要素(1705)を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項73】
前記少なくとも1つのディテクタ(104)上の焦点に至る前記複数の対象物面(Zn)のそれぞれが、異なる偏光を有する光によって形成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項74】
関心のある対象物(114)を結像させるための光投影トモグラフィの方法であって、
(a)関心のある対象物(114)を照らすことと、
(b)前記関心のある対象物(114)における複数の対象物面(Zn)からの光線を、複数の異なるビューに対して少なくとも1つのディテクタ(104)の上に同時に合焦させることとを含む、方法。
【請求項75】
550nm〜620nmの範囲内の波長を有する光線だけを通すために、前記光線(130)をフィルタにかけることをさらに含む、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
前記フィルタをかけることが、少なくとも1つのディテクタ(104)に到達する光を制限するように配置された帯域通過フィルタ(201)を通して前記光を通すことをさらに含む、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
前記関心のある対象物(114)を結像のために対象物を含むチューブ(107)から送達することをさらに含み、前記対象物を含むチューブ(107)が、毛細管チューブと、ミクロキャピラリ・チューブと、ミクロキャピラリ・チューブの束と、ミクロキャピラリ・チューブのカセットとから成る群から選択されるチューブ(107)を含む、請求項74に記載の方法。
【請求項78】
前記対象物を含むチューブ(107)が、少なくとも50ミクロンの直径を有する、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
同時に合焦させることが、ハイパークロマティック・レンズ・システム(103)の少なくとも1つのレンズを少なくとも1つのディテクタ(104)に対して動かすことを含む、請求項74に記載の方法。
【請求項80】
第1の複数の光線経路をビーム・スプリッタ(501)を介して分割することをさらに含む、請求項74に記載の方法。
【請求項81】
前記同時に合焦させることが、ハイパークロマティック・レンズ(103)を合焦させることを含む、請求項74に記載の方法。
【請求項82】
前記同時に合焦させることが、前記光を少なくとも1つの色フィルタ配列(201)を通して伝送することにより前記光にフィルタをかけることをさらに含む、請求項79に記載の方法。
【請求項83】
前記少なくとも1つのディテクタ(104)が、電荷結合素子(112)と、相補形金属酸化膜半導体素子と、ソリッド・ステート画像センサと、ソリッド・ステート画像センサ・ディテクタ配列とから成る群から選択されたディテクタ(104)を備える、請求項74に記載の方法。
【請求項84】
前記ディテクタ(104)上の焦点に至る光が、2つ以上の波長帯域(λn)に分離され、各波長帯域が、前記色フィルタ配列(201)を通して前記少なくとも1つのディテクタ(104)上のピクセルの別々のセットまで伝送されるように、前記少なくとも1つの色フィルタ配列(201)を、前記ハイパークロマティック・レンズ(103)と前記少なくとも1つのディテクタ(104)との間に配置することをさらに含む、請求項82に記載の方法。
【請求項85】
前記少なくとも1つの色フィルタ配列(201)が、少なくとも1つの偏光フィルタ配列で置き換えられる、請求項82に記載の方法。
【請求項86】
前記複数の対象物面(Zn)を同時に合焦させることが、前記関心のある対象物(114)の厚さにまたがる焦点間隔を通して合焦させることを拡大することを含む、請求項74に記載の方法。
【請求項87】
前記複数の対象物面(Zn)を前記同時に合焦させることが、少なくとも12ミクロンの焦点間隔を通して合焦させることを拡大することを含む、請求項74に記載の方法。
【請求項88】
前記複数の対象物面(Zn)を前記同時に合焦させることが、50ミクロンまでの焦点間隔を通して合焦させることを拡大することを含む、請求項74に記載の方法。
【請求項89】
前記光線(130)を波面コード化光学要素(1705)上に衝突させることをさらに含む、請求項74に記載の方法。
【請求項90】
少なくとも1つの波長(λn)の吸収係数を与えるために、前記関心のある対象物(114)を染色することをさらに含む、請求項74に記載の方法。
【請求項91】
前記関心のある対象物(114)を前記染色することが、ヘマトキシリンで実施される、請求項90に記載の方法。
【請求項92】
前記複数の対象物面(Zn)を同時に合焦させることが、自動焦点システムで同時に合焦させることを含む、請求項74に記載の方法。
【請求項93】
自動焦点システムで前記同時に合焦させることが、色バランスを使用して合焦させることを含む、請求項89に記載の方法。
【請求項94】
光線を同時に合焦させることが、前記光線(130)を偏光フィルタ配列を通して伝送することを含む、請求項74に記載の方法。
【請求項95】
光線を同時に合焦させることが、前記光線(130)を波面コード化要素(1705)を通して伝送することを含む、請求項74に記載の方法。
【請求項96】
光線を同時に合焦させることが、前記複数の対象物面(Zn)のそれぞれを、前記少なくとも1つのディテクタ(104)上に、異なる偏光を有する光によって合焦させることを含む、請求項74に記載の方法。
【請求項97】
光線を同時に合焦させることが、最良焦点を決定するために2.5D焦点評価(805)を実施することを含む、請求項74に記載の方法。
【請求項98】
前記関心のある対象物が生体細胞(114)を含む、請求項74に記載の方法。
【請求項1】
関心のある対象物を結像させるための光投影トモグラフィ・システムであって、
(a)光源(130)と、
(b)対象物を含むチューブ(107)であって、チューブ(107)の一部分が前記光源(130)で照らされる領域の中に配置され、前記関心のある対象物(114)が、前記対象物を含むチューブ(107)の内部に配置された少なくとも1つの関心のあるフィーチャを有する、チューブ(107)と、
(c)前記関心のある対象物(114)から生じる放射を受けるように配置される、少なくとも1つのディテクタ(104)と、
(d)前記対象物の領域と前記少なくとも1つのディテクタ(104)との間の光路の中に配置される少なくとも1つのレンズ(103)であって、前記対象物を含むチューブ(107)の中の複数の対象物面(Zn)からの光線(105)が、前記少なくとも1つのディテクタ(104)上に同時に合焦するように、少なくとも1つの光場拡大要素(1)を含む、レンズ(103)とを備える、システム。
【請求項2】
前記対象物(114)が、前記少なくとも1つのディテクタ(104)に対して動き、前記少なくとも1つのレンズ(103)が、各ビューにおいて前記少なくとも1つの関心のあるフィーチャの少なくとも1つの画像を作成するために、前記対象物の領域の複数のビューを提供するように動作する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記関心のある対象物が生体細胞(114)を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記少なくとも1つのディテクタ(104)のうちの少なくとも1つの上の焦点に至る、前記複数の対象物面(Z1)のそれぞれが、異なる光波長(λn)の光(130)を前記少なくとも1つのディテクタ(104)上に重ね合わせる、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記複数の対象物面(Zn)により広げられる間隔が、前記関心のある対象物(114)の厚さ全体にわたる間隔である、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記関心のある対象物(114)が、前記少なくとも1つのディテクタ(104)上に重ね合わせる少なくとも1つの波長の吸収係数を与えるために染色される、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記複数の対象物面(Zn)により広げられる間隔が、前記対象物を含むチューブ(107)の直径の太さ全体にわたる間隔である、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記少なくとも1つのレンズ(103)と前記少なくとも1つのディテクタ(104)との間に配置される色フィルタ配列(201)をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記関心のある対象物(114)が前記複数の対象物面(Zn)により広げられる間隔内に留まるように、前記対象物領域の複数のビューのそれぞれの間の光路に沿って前記少なくとも1つのレンズ(103)を動かすために、前記少なくとも1つのレンズ(103)と結合される圧電変換器(113)をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
少なくとも1つのレンズ(1703)と少なくとも1つのディテクタ(1707)との間に配置される波面コード化光学要素(1705)をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記少なくとも1つのディテクタ(104)が、電荷結合素子(112)と、相補形金属酸化膜半導体素子と、ソリッド・ステート画像センサと、ソリッド・ステート画像センサ・ディテクタ配列とから成る群から選択されたディテクタを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記関心のある対象物(114)が、ヘマトキシリンで染色される、請求項6に記載のシステム。
【請求項13】
複数の対象物面(Zn)からの前記光(130)が、50ミクロンまでの焦点間隔にまたがって550nm〜620nmの範囲の波長を有する光を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記対象物を含むチューブ(107)が、少なくとも50ミクロンの直径を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記関心のある対象物(114)が前記焦点間隔内に留まるように、前記対象物領域の前記複数のビューのそれぞれの間の光路に沿って前記少なくとも1つのレンズ(103)を動かすために、前記少なくとも1つのレンズ(103)に取り付けられる圧電変換器(113)をさらに備える、請求項2に記載のシステム。
【請求項16】
前記少なくとも1つのレンズ(103)と前記少なくとも1つのディテクタ(104)との間に配置される色フィルタ配列(201)をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
前記複数の対象物面(Zn)により広げられる間隔が、少なくとも12ミクロンの焦点間隔を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
複数の対象物面(Zn)からの前記光が550nm〜620nmの範囲の波長を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
前記少なくとも1つのディテクタ(104)に到達する光の帯域限界に位置する550nm〜620nmの範囲内で光を通すための帯域通過フィルタ(201)をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項20】
前記光源が、前記対象物を含むチューブ(107)に到達する光(130)にフィルタをかけるために配置される色フィルタ(110)を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項21】
前記少なくとも1つのレンズがハイパークロマティック・レンズ(103)を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項22】
関心のある対象物(114)を観察するための光トモグラフィ・システムであって、
前記関心のある対象物(114)を位置決めするための、ミクロキャピラリ・チューブ(107)の観察領域と、
少なくとも1つのディテクタ(104)と、
ミクロキャピラリ・チューブ(107)に取り付けられ、ミクロキャピラリ・チューブ(107)を回すために配置されるモータと、
550nmと620nmの間の波長を有する広帯域光(130)を前記ミクロキャピラリ・チューブ(107)の観察領域の中に伝送するための手段と、
前記ミクロキャピラリ・チューブ(107)の観察領域を通して伝送される光(130)を受けるために配置されるハイパークロマティック・レンズ(103)と、
前記ミクロキャピラリ・チューブ(107)の観察領域の中の複数の対象物面(Zn)からの光線が、前記少なくとも1つのディテクタ(104)上に同時に合焦するように、前記ハイパークロマティック・レンズ(103)を通して伝送される光線(130)を合焦させるために配置されるチューブ・レンズ(111)とを備える、システム。
【請求項23】
前記関心のある対象物が生体細胞(114)を含む、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記ハイパークロマティック・レンズ(103)および前記チューブ・レンズ(111)が、前記ミクロキャピラリ・チューブ(107)の観察領域からの複数の対象物面(Zn)を前記少なくとも1つのディテクタ(104)上に同時に合焦させるように動作する、請求項22に記載のシステム。
【請求項25】
前記複数の対象物面(Zn)により広げられる間隔が、前記生体細胞(114)の厚さ全体にわたる間隔である、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記生体細胞(114)が、前記少なくとも1つのディテクタ(104)上に重ね合わせる少なくとも1つの波長の吸収係数を与えるために染色される、請求項23に記載のシステム。
【請求項27】
前記複数の対象物面(Zn)により広げられる間隔が、前記ミクロキャピラリ・チューブ(107)の観察領域の厚さ全体にわたる間隔である、請求項23に記載のシステム。
【請求項28】
前記ハイパークロマティック・レンズ(103)と前記少なくとも1つのディテクタ(104)との間に配置される色フィルタ配列(201)をさらに備える、請求項22に記載のシステム。
【請求項29】
前記複数の対象物面(Zn)からの前記光(130)が、50ミクロンまでの焦点間隔にまたがって550nm〜620nmの範囲の波長を有する光を含む、請求項22に記載のシステム。
【請求項30】
前記ハイパークロマティック・レンズ(103)と前記少なくとも1つのディテクタ(104)との間に配置される色フィルタ配列(201)をさらに備え、それにより前記ディテクタ(104)上の焦点(A’)に至る光(130)が2つ以上の波長帯域(λn)に分割され、各波長帯域(λ1)が、前記色フィルタ配列(201)を通して前記少なくとも1つのディテクタ(104)上のピクセル(203)の別々のセットに伝送される、請求項22に記載のシステム。
【請求項31】
関心のある対象物(114)を観察するための光トモグラフィ・システムであって、
前記関心のある対象物(114)を含むミクロキャピラリ・チューブ(107)と、
前記ミクロキャピラリ・チューブ(107)に取り付けられ、前記ミクロキャピラリ・チューブ(107)を回すためのモータと、
前記ミクロキャピラリ・チューブ(107)を照らす(130)ために配置される光源と、
前記ミクロキャピラリ・チューブ(107)を通して伝送される光(130)を受けるために配置されるハイパークロマティック・レンズ(103)と、
前記ミクロキャピラリ・チューブ(107)の中の複数の対象物面(Zn)の中で始まる複数の光路(502)を、前記ハイパークロマティック・レンズ(103)を通して伝送されるときに分割するために配置される、2色ビーム・スプリッタ(501)と、
少なくとも2つのディテクタ(104)であって、前記少なくとも2つのディテクタ(104)のうちの第1のディテクタ(104)が前記複数の光路(502)のうちの1つの光路に沿って伝送される光を受けるように配置され、前記少なくとも2つのディテクタ(104)のうちの第2のディテクタ(509)が前記複数の光路(503)のうちの別の1つの光路に沿って伝送される光(130)を受けるように配置され、前記複数の対象物面(Zn)からの光線(130)が前記少なくとも2つのディテクタ(104)のうちの少なくとも1つのディテクタ上に同時に合焦される(C)、ディテクタ(104)とを備える、システム。
【請求項32】
前記ハイパークロマティック・レンズ(103)と結合される圧電変換器(113)をさらに備える、請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
前記関心のある対象物が生体細胞(114)を含む、請求項31に記載のシステム。
【請求項34】
焦点に至る前記複数の対象物面(Zn)のそれぞれが、前記少なくとも2つのディテクタ(104)のうちの少なくとも1つのディテクタ上に、異なる光波長の光(130)を重ね合わせる、請求項31に記載のシステム。
【請求項35】
前記複数の対象物面(Zn)により広げられる間隔が、前記関心のある対象物(114)の厚さ全体にわたる間隔である、請求項31に記載のシステム。
【請求項36】
前記生体細胞(114)が、少なくとも1つの波長の吸収係数を与えるために染色される、請求項31に記載のシステム。
【請求項37】
前記複数の対象物面(Zn)により広げられる間隔が、前記ミクロキャピラリ・チューブ(107)の厚さ全体にわたる間隔である、請求項31に記載のシステム。
【請求項38】
前記ハイパークロマティック・レンズ(103)と前記少なくとも2つのディテクタ(104)のそれぞれとの間に配置される色フィルタ配列(201)をさらに備える、請求項31に記載のシステム。
【請求項39】
前記関心のある対象物(114)がヘマトキシリンで染色される、請求項36に記載のシステム。
【請求項40】
複数の対象物面(Zn)からの前記光(130)が、50ミクロンまでの焦点間隔をカバーする550nm〜620nmの範囲の波長を有する光を含む、請求項31に記載のシステム。
【請求項41】
前記対象物を含むチューブ(107)が、少なくとも50ミクロンの直径を有する、請求項40に記載のシステム。
【請求項42】
前記複数の対象物面(Zn)により広げられる間隔が、少なくとも12ミクロンの焦点間隔を含む、請求項40に記載のシステム。
【請求項43】
複数の対象物面(Zn)からの前記光が550nm〜620nmの範囲の波長を含む、請求項31に記載のシステム。
【請求項44】
前記少なくとも2つのディテクタ(104)に到達する光の帯域限界に位置する550nm〜620nmの範囲内で光を通すための帯域通過フィルタ(201)をさらに備える、請求項31に記載のシステム。
【請求項45】
前記光源が、前記対象物を含むチューブ(107)に到達する光にフィルタをかけるために配置される色フィルタ(110)を含む、請求項31に記載のシステム。
【請求項46】
焦点不変光トモグラフィ・システムの中で焦点不変領域の中点を見出す方法であって、前記光トモグラフィ・システムが、光軸を有する対物レンズ(103)と、関心のある対象物(114)を含む、回転するチューブ(107)とを含み、
関心のある対象物の複数の画像を取得するために、前記対物レンズを前記光軸に沿ってパンすること(701)と、
各画像に対する焦点品質を評価すること(702)と、
焦点不変領域の上および下の境界を決定すること(703)と、
スキャン範囲が、前記上の境界(602)と下の境界(603)の間に中心を置かれる疑似射影画像を取得すること(704)と、
複数の投影角において複数の疑似射影が取得されるまで、前記チューブを回転させ、パンすること、評価すること、および取得することの上記工程を繰り返すこと(705)とを含む、方法。
【請求項47】
焦点不変光トモグラフィ・システムの中で焦点不変領域の中点を見出すことにより3D再構成を計算する方法であって、前記光トモグラフィ・システムが、光軸を有する対物レンズ(103)と、関心のある対象物を含むミクロキャピラリ・チューブ(107)とを含み、
前記対物レンズをインクリメント方式で段階的に進めて複数の焦点面において合焦させ、前記関心のある対象物の複数の疑似射影を、前記ミクロキャピラリ・チューブの中の複数の焦点面(813)において取得すること(801)と、
焦点面の範囲における制限条件が適合するまで繰り返すこと(802)と、
複数の視角を通して前記チューブを回転させ、焦点面の範囲における制限条件が各視角に対して合致するまで、上記の段階的に進める工程と繰り返す工程を繰り返すことと、
各視角に対して、その視角において取得された、前記取得された疑似射影を合計し、合計された疑似射影の1セットを生成すること(803)と、
前記合計された疑似射影を使用して3D再構成を計算すること(804)とを含む、方法。
【請求項48】
前記制限条件が、式、εnD=チューブ径、ここで0<ε<1およびnはインクリメントされる段階の値、によって求めた制限に合致するかまたはその制限を超えること(802)を含む、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
最良焦点を有する疑似射影を識別するために焦点スコアを適用する方法であって、
対物レンズをインクリメント方式で段階的に進めて複数の焦点面において合焦させ、関心のある対象物の複数の疑似射影を、ミクロキャピラリ・チューブの中の複数の焦点面(813)において取得すること(801)と、
焦点面の範囲における制限条件が適合するまで繰り返すこと(802)と、
2.5D焦点評価を実施して(805)、現在の視角に対してマッピングされた最良焦点を決定することと、
複数の視角を通して前記チューブを回転させ、上記の段階的に進める工程(801)と繰り返す工程(802)を各視角に対して繰り返すことと、
各視角に対して、その視角に対して最良焦点で取得された、前記取得された疑似射影を合計し、合計された疑似射影の1セットを生成することと、
前記合計された疑似射影を使用して3D再構成を計算すること(806)とを含む、方法。
【請求項50】
前記制限条件が、式、εnD=チューブ径、ここで0<ε<1およびnはインクリメントされる段階の値、によって求めた制限に合致するかまたはその制限を超えること(802)を含む、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
第1の自動焦点カメラ(2002)と、
第2の自動焦点カメラ(2004)と、
前記第1の自動焦点カメラ(2002)および前記第2の自動焦点カメラ(2004)からディジタル化された入力を受けるように結合され、フィードバック信号(2008)をもたらす画像比較器(2006)と、
前記フィードバック信号(2008)を受けるように結合される変換器ドライブ(2010)と、
前記第1の自動焦点カメラ(2002)および前記第2(2004)の視野内に、関心のある対象物(2001)を含むミクロキャピラリ・チューブ(107)とを備え、前記ミクロキャピラリ・チューブ(107)が回転モータと結合され、上側スペクトルの対象物ボリューム(2012)および下側スペクトルの対象物ボリューム(2014)からの別々の画像が、前記第1の自動焦点カメラ(2002)および前記第2(2004)によって捕捉され、
前記別々の画像が、前記フィードバック信号(2008)をもたらして前記変換器ドライブ(2010)を駆動する前記比較器(2006)によって比較されて解析され、前記変換器ドライブ(2010)が、次いで、対物レンズ(2103)の焦点範囲がピントの甘い焦点品質の領域に近づくように対物レンズ焦点ドライブ(2016)を制御し、前記2つの画像の間の焦点品質の差が十分小さくなったときに前記変換器ドライブが前記焦点範囲をシフトすることを停止し、
前記ミクロキャピラリ・チューブ(107)から画像を受けるように配置される画像カメラ(2020)を備える、自動焦点システム。
【請求項52】
一次ビーム・スプリッタ(2028)と、
二次ビーム・スプリッタ(2030)と、
光線を前記第2の自動焦点カメラ(2004)に向けるように配置されるミラー(2032)と、
前記一次ビーム・スプリッタ(2028)から第1の画像形成レンズ(2023)を通して前記画像カメラ(2020)まで光線を通すように配置された第1のフィルタ(2022)と、
前記二次ビーム・スプリッタ(2030)から第2の結像レンズ(2025)を通して前記第1の自動焦点カメラ(2002)に向けられた光線を通すように配置された第2のフィルタ(2024)と、
前記ミラー(2032)から第3の結像レンズ(2027)を通して前記第2の自動焦点カメラ(2004)に光線を向けるように配置された第3のフィルタ(2026)とをさらに備える、請求項51に記載の自動焦点システム。
【請求項53】
前記第1のフィルタ(2022)が、550nmと620nmの間の波長を有する光を通す、請求項52に記載の自動焦点システム。
【請求項54】
前記第2のフィルタ(2024)が、585nmと620nmの間の波長を有する光を通す、請求項52に記載の自動焦点システム。
【請求項55】
前記第3のフィルタ(2026)が、550nmと585nmの間の波長を有する光を通す、請求項52に記載の自動焦点システム。
【請求項56】
関心のある対象物(2001)を観察するように位置決めされた対物レンズ(2103)と一直線上にある画像カメラ(2020)の視野内の関心のある対象物(2001)を照らすように配置された、スペクトル的に一様な光照明の光源(2060)と、
一次ビーム・スプリッタ(2028)と、
二次ビーム・スプリッタ(2030)と、
ミラー(2032)と、
前記一次ビーム・スプリッタ(2028)から第1の画像形成レンズ(2023)を通して前記画像カメラ(2020)まで光線を通すように配置された第1のフィルタ(2022)と、
前記二次ビーム・スプリッタ(2030)と光学的に整列された第2のフィルタ(2024)と、
前記ミラー(2032)と光学的に整列された第3のフィルタ(2026)と、
前記第2のフィルタ(2024)から第1のフーリエ面空間フィルタ(2052)を通して第1のフォト・センサ(2054)まで光を伝送するように配置された第1のフーリエ面形成レンズ(2050)と、
前記第3のフィルタ(2026)から第2のフーリエ面空間フィルタ(2058)を通して第2のフォト・センサ(2054)まで光を伝送するように配置された第2のフーリエ面形成レンズ(2056)とを備え、
前記第1のフーリエ空間フィルタ(2052)および前記第2のフーリエ空間フィルタ(2058)が第1および第2のフォト・ダイオード(2054)を通して焦点制御コントローラ(2042)にアナログ・フィードバックを提供し、さらに、焦点範囲の上部(2012)および下部(2014)の高周波数コンテンツがそれぞれ、信号調整および差増幅プロセッサ(2062)の中で比較され、前記信号調整および差増幅プロセッサが、前記対物レンズ(2103)の位置を制御する(2016)ように接続されたドライブ(2042)に対して使用される出力(2040)を提供する、自動焦点システム。
【請求項57】
前記第1のフィルタ(2022)が、550nmと620nmの間の波長を有する光を通す、請求項56に記載の自動焦点システム。
【請求項58】
前記第2のフィルタ(2024)が、585nmと620nmの間の波長を有する光を通す、請求項56に記載の自動焦点システム。
【請求項59】
前記第3のフィルタ(2026)が、550nmと585nmの間の波長を有する光を通す、請求項56に記載の自動焦点システム。
【請求項60】
焦点不変光学素子を使用する光トモグラフィのための2.5次元画像解析方法であって、
画像スタックSkの中のフィーチャGi=G1、...GΩを識別すること(1101)と、
各フィーチャGiに対して、Skの中の最良焦点のピクセルXi、Yi、Ziを識別すること(1102)と、
空白合成画像PPkを生成すること(1103)と、
Xi、Yi、Ziの強度値をPPkの中のピクセルXi、Yiの強度値に加算すること(1104)と、
すべてのフィーチャがPPkの中に組み込まれるまで、すべてのフィーチャ(G1、G2、...GΩ)に対して繰り返すこと(1105)と、
複数の視点に対して繰り返すこと(1106)とを含む、方法。
【請求項61】
前記焦点不変光学素子が、4色CFAを含み、前記方法が、前記最良焦点を含むピクセルを選択することにより、4色CFAの2×2ブロックのそれぞれを処理することをさらに含む、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記焦点不変光学素子が、複数の2×2ブロックを含む4色CFAを含み、前記方法が、2つ以上のピクセルの加重和を使用して4色CFAの2×2ブロックのそれぞれを処理することをさらに含む、請求項60に記載の方法。
【請求項63】
前記焦点不変光学素子が、複数の2×2ブロックを含むPFAを含み、前記方法が、前記最良焦点を含むピクセルを選択することによりPFAの2×2ブロックのそれぞれを処理することをさらに含む、請求項60に記載の方法。
【請求項64】
前記焦点不変光学素子が、複数の2×2ブロックを含むPFAを含み、前記方法が、2つ以上のピクセルの加重和を使用してPFAの2×2ブロックのそれぞれを処理することをさらに含む、請求項60に記載の方法。
【請求項65】
コリメート光を伝送するための対物レンズ(1205)と、
前記対物レンズ(1205)により伝送される前記コリメート光を第1のアーム(1202)と第2のアーム(1204)に分割するための、前記対物レンズ(1205)の下流に配置された第1の2色ビーム・スプリッタ立方体(1206)とを備え、
前記第1のアーム(1202)が、λ1の波長を有し、第1の焦点面(1201)に始まり、
一次チューブ・レンズが、二次ビーム・スプリッタ立方体(1207)を通してカメラ・センサの活性領域(1211)の第1の領域上に、前記第1のアーム(1202)を伝送するように位置決めされ、
前記第2のアーム(1204)が、λ2の波長を有し、第2の焦点面(1203)に始まり、
第2の2色ビーム・スプリッタ立方体(1207)内で反射した後、チューブ・レンズ(1210)を通してカメラ・センサの活性領域(1211)の第2の領域上に前記第2のアームを通すように位置決めされた第1のミラー(1208)および第2のミラー(1209)を備え、前記カメラの前記第1の領域(1211)および前記第2の領域(1211)が、対象物空間の中の異なる焦点面(1201)から始まる集束された画像を取得する、光トモグラフィのための折り畳みシステム。
【請求項66】
画像における相対的な横シフトが前記第2の2色ビーム・スプリッタ立方体(1207)を横にシフトすることにより達成され、それにより前記第2のアーム(1204)の反射光が、前記第1のアーム(1202)および前記一次チューブ・レンズに対して横にシフトされる、請求項65に記載のシステム。
【請求項67】
一次対物レンズ(1302)と、
前記一次対物レンズ(1302)を通して伝送される光を受けるように配置された、第1(1304A)および第2(1304B)のミラーと、
異なる光路に沿って光を向けるように配置された少なくとも3つのビーム・スプリッタ(1303A)と、
前記光路のうちの1つに沿ってそれぞれ配置された少なくとも4つの一次チューブ・レンズ(1310)と、
前記光路のうちの1つに沿ってそれぞれ配置された少なくとも4つの二次対物レンズ(1312)と、
前記光路のうちの1つに沿ってそれぞれ配置された少なくとも4つの二次チューブ・レンズ(1308)と、
前記光路のうちの1つに沿ってそれぞれ配置された少なくとも4つのカメラ(1309)とを備え、前記少なくとも4つの一次チューブ・レンズ(1310)のうちの1つと前記少なくとも4つの二次対物レンズ(1312)のうちの1つとの間の空間が各光路に対して異なり、それにより異なる対象物面が前記少なくとも4つのカメラ(1309)のそれぞれの上に合焦される、光トモグラフィのための複数カメラ・システム。
【請求項68】
前記少なくとも4つのカメラ(1309)により取得された画像が、前記少なくとも4つのカメラ(1309)の前記画像面において同じ向きを維持する、請求項67に記載のシステム。
【請求項69】
前記一次対物レンズ(1302)および前記少なくとも4つの一次チューブ・レンズ(1310)が少なくとも10倍の倍率をもたらし、前記二次対物レンズ(1312)およびチューブ・レンズ(1308)が追加の少なくとも10倍の倍率をもたらす、請求項67に記載のシステム。
【請求項70】
一次対物レンズ(1302)と、
前記一次対物レンズ(1302)を通して伝送される光を受けるように配置された、第1(1304A)および第2(1304B)のミラーと、
異なる光路に沿って光を向けるように配置された少なくとも3つのビーム・スプリッタ(1303A)と、
前記光路のうちの1つに沿ってそれぞれ配置された少なくとも4つの一次チューブ・レンズ(1310)と、
前記光路のうちの1つに沿ってそれぞれ配置された少なくとも4つの二次対物レンズ(1312)と、
前記光路のうちの1つに沿ってそれぞれ配置された少なくとも4つの二次チューブ・レンズ(1308)と、
前記光路のうちの1つに沿ってそれぞれ配置された少なくとも4つのカメラ(1309)と、
異なる対象物面が前記少なくとも4つのカメラ(1309)のそれぞれの上に合焦するように、前記一次対物レンズ(1302)と前記少なくとも4つのカメラ(1309)の間に位置決めされた波面コード化光学素子(1705)とを備える、光トモグラフィのための複数カメラ・システム。
【請求項71】
前記少なくとも1つの光場拡大要素(1)が、前記少なくとも1つのレンズ(103)と前記少なくとも1つのディテクタ(104)との間に配置された偏光フィルタ配列を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項72】
前記少なくとも1つの光場拡大要素(1)が、前記ハイパークロマティック・レンズ(103)と前記少なくとも2つのディテクタ(104)のそれぞれとの間に配置された波面コード化要素(1705)を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項73】
前記少なくとも1つのディテクタ(104)上の焦点に至る前記複数の対象物面(Zn)のそれぞれが、異なる偏光を有する光によって形成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項74】
関心のある対象物(114)を結像させるための光投影トモグラフィの方法であって、
(a)関心のある対象物(114)を照らすことと、
(b)前記関心のある対象物(114)における複数の対象物面(Zn)からの光線を、複数の異なるビューに対して少なくとも1つのディテクタ(104)の上に同時に合焦させることとを含む、方法。
【請求項75】
550nm〜620nmの範囲内の波長を有する光線だけを通すために、前記光線(130)をフィルタにかけることをさらに含む、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
前記フィルタをかけることが、少なくとも1つのディテクタ(104)に到達する光を制限するように配置された帯域通過フィルタ(201)を通して前記光を通すことをさらに含む、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
前記関心のある対象物(114)を結像のために対象物を含むチューブ(107)から送達することをさらに含み、前記対象物を含むチューブ(107)が、毛細管チューブと、ミクロキャピラリ・チューブと、ミクロキャピラリ・チューブの束と、ミクロキャピラリ・チューブのカセットとから成る群から選択されるチューブ(107)を含む、請求項74に記載の方法。
【請求項78】
前記対象物を含むチューブ(107)が、少なくとも50ミクロンの直径を有する、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
同時に合焦させることが、ハイパークロマティック・レンズ・システム(103)の少なくとも1つのレンズを少なくとも1つのディテクタ(104)に対して動かすことを含む、請求項74に記載の方法。
【請求項80】
第1の複数の光線経路をビーム・スプリッタ(501)を介して分割することをさらに含む、請求項74に記載の方法。
【請求項81】
前記同時に合焦させることが、ハイパークロマティック・レンズ(103)を合焦させることを含む、請求項74に記載の方法。
【請求項82】
前記同時に合焦させることが、前記光を少なくとも1つの色フィルタ配列(201)を通して伝送することにより前記光にフィルタをかけることをさらに含む、請求項79に記載の方法。
【請求項83】
前記少なくとも1つのディテクタ(104)が、電荷結合素子(112)と、相補形金属酸化膜半導体素子と、ソリッド・ステート画像センサと、ソリッド・ステート画像センサ・ディテクタ配列とから成る群から選択されたディテクタ(104)を備える、請求項74に記載の方法。
【請求項84】
前記ディテクタ(104)上の焦点に至る光が、2つ以上の波長帯域(λn)に分離され、各波長帯域が、前記色フィルタ配列(201)を通して前記少なくとも1つのディテクタ(104)上のピクセルの別々のセットまで伝送されるように、前記少なくとも1つの色フィルタ配列(201)を、前記ハイパークロマティック・レンズ(103)と前記少なくとも1つのディテクタ(104)との間に配置することをさらに含む、請求項82に記載の方法。
【請求項85】
前記少なくとも1つの色フィルタ配列(201)が、少なくとも1つの偏光フィルタ配列で置き換えられる、請求項82に記載の方法。
【請求項86】
前記複数の対象物面(Zn)を同時に合焦させることが、前記関心のある対象物(114)の厚さにまたがる焦点間隔を通して合焦させることを拡大することを含む、請求項74に記載の方法。
【請求項87】
前記複数の対象物面(Zn)を前記同時に合焦させることが、少なくとも12ミクロンの焦点間隔を通して合焦させることを拡大することを含む、請求項74に記載の方法。
【請求項88】
前記複数の対象物面(Zn)を前記同時に合焦させることが、50ミクロンまでの焦点間隔を通して合焦させることを拡大することを含む、請求項74に記載の方法。
【請求項89】
前記光線(130)を波面コード化光学要素(1705)上に衝突させることをさらに含む、請求項74に記載の方法。
【請求項90】
少なくとも1つの波長(λn)の吸収係数を与えるために、前記関心のある対象物(114)を染色することをさらに含む、請求項74に記載の方法。
【請求項91】
前記関心のある対象物(114)を前記染色することが、ヘマトキシリンで実施される、請求項90に記載の方法。
【請求項92】
前記複数の対象物面(Zn)を同時に合焦させることが、自動焦点システムで同時に合焦させることを含む、請求項74に記載の方法。
【請求項93】
自動焦点システムで前記同時に合焦させることが、色バランスを使用して合焦させることを含む、請求項89に記載の方法。
【請求項94】
光線を同時に合焦させることが、前記光線(130)を偏光フィルタ配列を通して伝送することを含む、請求項74に記載の方法。
【請求項95】
光線を同時に合焦させることが、前記光線(130)を波面コード化要素(1705)を通して伝送することを含む、請求項74に記載の方法。
【請求項96】
光線を同時に合焦させることが、前記複数の対象物面(Zn)のそれぞれを、前記少なくとも1つのディテクタ(104)上に、異なる偏光を有する光によって合焦させることを含む、請求項74に記載の方法。
【請求項97】
光線を同時に合焦させることが、最良焦点を決定するために2.5D焦点評価(805)を実施することを含む、請求項74に記載の方法。
【請求項98】
前記関心のある対象物が生体細胞(114)を含む、請求項74に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公表番号】特表2011−503530(P2011−503530A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−531197(P2010−531197)
【出願日】平成20年10月22日(2008.10.22)
【国際出願番号】PCT/US2008/080726
【国際公開番号】WO2009/055429
【国際公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(503351962)ヴィジョンゲイト,インコーポレーテッド (7)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月22日(2008.10.22)
【国際出願番号】PCT/US2008/080726
【国際公開番号】WO2009/055429
【国際公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(503351962)ヴィジョンゲイト,インコーポレーテッド (7)
【Fターム(参考)】
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