光ネットワーク設計装置および光ネットワーク設計方法
【課題】光ネットワークの設計において適切な経路結果を得ることができるようにする。
【解決手段】経路算出部1は、非対称光ハブのコネクション制限数に依存せずに光ネットワークにおけるトラフィックパスを仮設計する。余裕算出部2は、仮設計されたトラフィックパスのペナルティ制限に対するペナルティ余裕を算出する。追加算出部3は、非対称光ハブごとにおいてポートを置換ポートに置換したときの迂回経路で生じる追加ペナルティを算出する。情報生成部4は、迂回経路に非対称光ハブが含まれる場合、非対称光ハブに関する非対称光ハブ情報を生成する。制約条件生成部5は、コネクション制限数、ペナルティ余裕、追加ペナルティ、および非対称光ハブ情報に基づきコネクション制限数とペナルティ制限とを満たすトラフィックパスが採用されるための制約条件を生成する。経路算出部6は、制約条件に基づき数理計画法によりトラフィックパスを算出する。
【解決手段】経路算出部1は、非対称光ハブのコネクション制限数に依存せずに光ネットワークにおけるトラフィックパスを仮設計する。余裕算出部2は、仮設計されたトラフィックパスのペナルティ制限に対するペナルティ余裕を算出する。追加算出部3は、非対称光ハブごとにおいてポートを置換ポートに置換したときの迂回経路で生じる追加ペナルティを算出する。情報生成部4は、迂回経路に非対称光ハブが含まれる場合、非対称光ハブに関する非対称光ハブ情報を生成する。制約条件生成部5は、コネクション制限数、ペナルティ余裕、追加ペナルティ、および非対称光ハブ情報に基づきコネクション制限数とペナルティ制限とを満たすトラフィックパスが採用されるための制約条件を生成する。経路算出部6は、制約条件に基づき数理計画法によりトラフィックパスを算出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件は、光ネットワークの経路設計を行う光ネットワーク設計装置および光ネットワーク設計方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、光ネットワーク分野では、光信号のまま波長単位で光信号の分岐挿入や経路切換えを行う光分岐挿入装置(OADM:Optical Add-Drop Multiplexer)や波長クロスコネクト(WXC:Wavelength Cross Connect)装置等が開発されている。このような光装置によって光ネットワークは、リング相互接続、メッシュ等といった複雑なトポロジを持つネットワーク構築が可能となり、ネットワーク規模の拡大化が進んでいる。
【0003】
なお、従来、WDM(Wavelength Division Multiplexing)方式とAWG(Arrayed Waveguide Grating)を用いて複数のノード間をHCN(HyperCube Network)接続するHCNにおいて、容易かつ安価にネットワークの大規模化を可能にする波長多重ネットワークが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−60922号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、光ネットワークの規模拡大化にともない、光ハブ局舎ではコネクション制限が生じる場合が多くなってきている。そのため、光ネットワークの経路設計を行う光ネットワーク設計装置は、光ネットワークの規模拡大化において適切な経路結果が得られない場合があるという問題点があった。
【0006】
本件はこのような点に鑑みてなされたものであり、適切な経路結果を得ることができる光ネットワーク設計装置および光ネットワーク設計方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、複数のポートを備えるとともに該ポート間のコネクション数が制限されている非対称光ハブを有する光ネットワークの経路設計を行う光ネットワーク設計装置が提供される。この光ネットワーク設計装置は、前記非対称光ハブのコネクション制限数に依存せずに前記光ネットワークにおけるトラフィックパスを仮設計する第1の経路算出部と、前記第1の経路算出部によって仮設計された前記トラフィックパスにおけるペナルティ制限に対するペナルティ余裕を算出する余裕算出部と、前記非対称光ハブごとにおいて、ポートを置換ポートに置換したときの迂回経路で生じる追加ペナルティを算出する追加算出部と、前記迂回経路に前記非対称光ハブが含まれる場合、前記迂回経路に含まれている前記非対称光ハブに関する非対称光ハブ情報を生成する情報生成部と、前記コネクション制限数、前記余裕算出部によって算出された前記ペナルティ余裕、前記追加算出部によって算出された前記追加ペナルティ、および前記情報生成部によって生成された前記非対称光ハブ情報に基づいて、前記コネクション制限数と前記ペナルティ制限とを満たす前記トラフィックパスが採用されるための制約条件を生成する制約条件生成部と、前記制約条件生成部によって生成された前記制約条件に基づいて、数理計画法により前記トラフィックパスを算出する第2の経路算出部と、を有する。
【0008】
また、上記課題を解決するために、複数のポートを備えるとともに該ポート間のコネクション数が制限されている非対称光ハブを有する光ネットワークの経路設計を行う光ネットワーク設計装置が提供される。この光ネットワーク設計装置は、前記非対称光ハブのコネクション制限数に依存せずに前記光ネットワークにおけるトラフィックパスを仮設計する第1の経路算出部と、前記非対称光ハブごとにおいて、前記第1の経路算出部によって仮設計された前記トラフィックパスの共通経路端にて前記トラフィックパスが通過したコネクションを通過しないペナルティ制限を満たす迂回経路を探索し、探索した前記迂回経路の迂回経路情報を生成する経路情報生成部と、前記経路情報生成部によって探索された前記迂回経路に前記非対称光ハブが含まれる場合、前記非対称光ハブに関する非対称光ハブ情報を生成する局舎情報生成部と、前記コネクション制限数、前記経路情報生成部によって生成された前記迂回経路情報、および前記局舎情報生成部によって生成された前記非対称光ハブ情報に基づいて、前記コネクション制限数と前記ペナルティ制限とを満たす前記トラフィックパスが採用されるための制約条件を生成する制約条件生成部と、前記制約条件生成部によって生成された前記制約条件に基づいて、数理計画法により前記トラフィックパスを算出する第2の経路算出部と、を有する。
【発明の効果】
【0009】
開示の装置および方法によれば、適切な経路結果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1の実施の形態に係る光ネットワーク設計装置を示した図である。
【図2】第2の実施の形態に係る光ネットワーク設計装置のハードウェア構成例を示した図である。
【図3】経路設計が行われる光ネットワークの例を示した図である。
【図4】ハブ局舎を説明する図である。
【図5】非対称光ハブ局舎を説明する図である。
【図6】非対称光ハブ局舎の詳細例を示した図である。
【図7】光ネットワーク設計装置の機能ブロック図である。
【図8】ペナルティ余裕を説明する図である。
【図9】コネクションマトリクスTBのデータ構成例を示した図である。
【図10】置換ポートを説明する図である。
【図11】ポートマトリクスTBのデータ構成例を示した図である。
【図12】変数を説明する図である。
【図13】制約観点Aに基づく制約条件を説明する図である。
【図14】制約観点Bに基づく制約条件を説明する図である。
【図15】複数のA−Hubを通過する経路を優先的に採用する目的関数を説明する図である。
【図16】光ネットワーク設計装置の処理動作を示したフローチャートである。
【図17】削除コネクションを選定して経路算出を行う方法の経路算出イメージを示した図である。
【図18】数理計画法による経路算出イメージを示した図である。
【図19】第3の実施の形態に係る両ポート制約を説明する図である。
【図20】光ネットワーク設計装置の処理動作を示したフローチャートである。
【図21】第4の実施の形態に係る光ネットワーク設計装置の機能ブロック図である。
【図22】ポートマトリクスの生成を説明する図である。
【図23】ポートマトリクスTBのデータ構成例を示した図である。
【図24】第5の実施の形態に係る代替経路を説明する図である。
【図25】最短経路探索法によって経路算出する光ネットワークの例を示した図である。
【図26】デマンドを示した図である。
【図27】数理計画法によって経路算出する光ネットワークの例を示した図である。
【図28】数理計画法によって経路算出した結果を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態に係る光ネットワーク設計装置を示した図である。図1に示すように、光ネットワーク設計装置は、経路算出部1,6、余裕算出部2、追加算出部3、情報生成部4、および制約条件生成部5を有している。
【0012】
経路算出部1は、非対称光ハブのコネクション制限数に依存せずに光ネットワークにおけるトラフィックパスを仮設計する。
余裕算出部2は、経路算出部1によって仮設計されたトラフィックパスのペナルティ制限に対するペナルティ余裕を算出する。ペナルティ制限とは、例えば、トラフィックパスに認められるホップ数や伝送遅延量である。
【0013】
追加算出部3は、非対称光ハブごとにおいて、ポートを置換ポートに置換したときの迂回経路で生じる追加ペナルティを算出する。
情報生成部4は、迂回経路に非対称光ハブが含まれる場合、迂回経路に含まれている非対称光ハブに関する非対称光ハブ情報を生成する。例えば、情報生成部4は、迂回経路に含まれている非対称光ハブの迂回経路が通過するコネクション情報を生成する。
【0014】
制約条件生成部5は、コネクション制限数、余裕算出部2によって算出されたペナルティ余裕、追加算出部3によって算出された追加ペナルティ、および情報生成部4によって生成された非対称光ハブ情報に基づいて、コネクション制限数とペナルティ制限とを満たすトラフィックパスが採用されるための制約条件を生成する。
【0015】
経路算出部6は、制約条件生成部5によって生成された制約条件に基づいて、数理計画法によりトラフィックパスを算出する。
このように、光ネットワーク設計装置は、コネクション制限数、ペナルティ余裕、追加ペナルティ、および非対称光ハブ情報に基づいて、コネクション制限数とペナルティ制限とを満たすトラフィックパスが採用されるための制約条件を生成する。そして、光ネットワーク設計装置は、生成した制約条件に基づいて、数理計画法により最終的なトラフィックパスを算出するようにした。これにより、光ネットワーク設計装置は、適切な経路結果を得ることができる。例えば、コネクション制限数およびペナルティ制限を満たす経路結果を得ることができる。
【0016】
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図2は、第2の実施の形態に係る光ネットワーク設計装置のハードウェア構成例を示した図である。光ネットワーク設計装置10は、CPU(Central Processing Unit)11によって装置全体が制御されている。CPU11には、バス18を介してRAM(Random Access Memory)12と複数の周辺機器が接続されている。
【0017】
RAM12は、光ネットワーク設計装置10の主記憶装置として使用される。RAM12には、CPU11に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。例えば、RAM12には、光ネットワークの経路設計を行うアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM12には、CPU11による処理に必要な各種データが格納される。
【0018】
バス18に接続されている周辺機器としては、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)13、グラフィック処理装置14、入力インタフェース15、光学ドライブ装置16、および通信インタフェース17がある。
【0019】
HDD13は、内蔵したディスクに対して、磁気的にデータの書き込みおよび読み出しを行う。HDD13は、光ネットワーク設計装置10の二次記憶装置として使用される。HDD13には、OSのプログラム、アプリケーションプログラム、および各種データが格納される。なお、二次記憶装置としては、フラッシュメモリなどの半導体記憶装置を使用することもできる。
【0020】
グラフィック処理装置14には、モニタ19が接続されている。グラフィック処理装置14は、CPU11からの命令に従って、画像をモニタ19の画面に表示させる。モニタ19としては、CRT(Cathode Ray Tube)を用いた表示装置や液晶表示装置などがある。
【0021】
入力インタフェース15には、キーボード20とマウス21とが接続されている。入力インタフェース15は、キーボード20やマウス21から送られてくる信号をCPU11に送信する。なお、マウス21は、ポインティングデバイスの一例であり、他のポインティングデバイスを使用することもできる。他のポインティングデバイスとしては、タッチパネル、タブレット、タッチパッド、トラックボールなどがある。
【0022】
光学ドライブ装置16は、レーザ光などを利用して、光ディスク22に記録されたデータの読み取りを行う。光ディスク22は、光の反射によって読み取り可能なようにデータが記録された可搬型の記録媒体である。光ディスク22には、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)などがある。
【0023】
通信インタフェース17は、例えば、インターネットなどのネットワークに接続されている。通信インタフェース17は、ネットワークを介して、他のコンピュータまたは通信機器との間でデータの送受信を行う。
【0024】
以上のようなハードウェア構成によって、光ネットワーク設計装置10は光ネットワークの経路設計を行うための処理機能を実現することができる。
図3は、経路設計が行われる光ネットワークの例を示した図である。図3に示す光ネットワークは、光ハブ局舎31,41a〜45a,41b〜45bと、その他丸で示す複数の光ハブ局舎とによって形成されている。光ハブ局舎31は、ポートP0〜P5を有し、その他の光ハブ局舎も同様にポートを有している。
【0025】
光ネットワーク設計装置10は、光ネットワークを形成している光ハブ局舎のトポロジ情報を記憶している。トポロジ情報は、例えば、キーボード20、マウス21、および光ディスク22のいずれかによって光ネットワーク設計装置10のHDD13に記憶することができる。また、光ネットワーク設計装置10は、通信インタフェース17によって光ネットワークの光ハブ局舎と通信し、光ハブ局舎からトポロジ情報を取得してHDD13に記憶することもできる。
【0026】
トポロジ情報には、光ハブ局舎情報、スパン情報、およびデマンド情報が含まれている。
光ハブ局舎情報には、光ハブ局舎のポート数(光ハブ局舎から出ているスパン数)、光ハブ局舎が非対称光ハブ局舎である場合にはその旨の情報とコネクション制限数(非対称光ハブ局舎およびコネクション制限数については以下で説明する)、およびコネクションの伝送遅延やコスト等の最短経路計算に必要なパラメータが含まれている。
【0027】
スパン情報には、スパンの両端の光ハブ局舎、およびスパンの伝送遅延やコスト等の最短経路計算に必要なパラメータが含まれている。
デマンド情報には、オペレータが経路設計要求するトラフィックパスの起点および終点の光ハブ局舎の情報が含まれている。
【0028】
光ネットワーク設計装置10は、オペレータからの要求に応じて、デマンド(ある光ハブ局舎からある光ハブ局舎へのトラフィックパス)を設計(算出)する。
例えば、光ネットワーク設計装置10は、オペレータから光ハブ局舎41a,41bを起点および終点とするデマンド、光ハブ局舎42a,42bを起点および終点とするデマンド、…、光ハブ局舎45a,45bを起点および終点とするデマンドの経路を算出するよう要求されたとする。この場合、光ネットワーク設計装置10は、例えば、図3に示す経路D11〜D15を算出する。算出された経路D11〜D15は、例えば、モニタ19に表示される。
【0029】
図4は、ハブ局舎を説明する図である。図4に示す光ハブ局舎51は、ポートP0〜P5を有している。光ハブ局舎51は、ポートP0〜P5にコネクション制限数がないとする。
【0030】
この場合、光ハブ局舎51は、図4に示すようにポートP0〜P5のそれぞれにおいて、他のポートP0〜P5とフルメッシュでコネクションを張ることが可能である。
従って、例えば、図3に示す光ハブ局舎31にコネクション制限がないとすると、図3の光ハブ局舎31は、ポートP0とポートP1〜P5との間にコネクションを張ることができるので、光ネットワーク設計装置10は、図3に示す経路D11〜D15を算出することができる。
【0031】
図5は、非対称光ハブ局舎を説明する図である。図5に示す光ハブ局舎52は、ポートP0〜P5を有している。図5に示す光ハブ局舎52では、コネクション制限数は4であるとする。
【0032】
この場合、光ハブ局舎52は、コネクション制限数が4であるので、1つのポートから4つのコネクションしか張ることができない。よって、図5に示すように、ポートP0と、ポートP1〜P4との間にコネクションが張られる場合、ポートP0−P5ではコネクションを張ることができない。
【0033】
従って、例えば、図3に示す光ハブ局舎31が非対称光ハブ局舎であり、コネクション制限4であるとすると、図3の光ハブ局舎31は、ポートP0とポートP1〜P5との間にコネクションを張ることができない。そのため、光ネットワーク設計装置10は、図3に示す経路D11〜D15を算出することができない。光ネットワーク設計装置10は、例えば、ポートP0とポートP1〜P5との間のコネクションの1つを迂回するように設計することになる。
【0034】
なお、コネクション数が制限されている光ハブ局舎は、非対称光ハブ局舎と呼ばれる。図5の光ハブ局舎52は、非対称光ハブ局舎である。以下では、非対称光ハブ局舎をA−Hub(Asymmetric-Hub)と呼ぶこともある。
【0035】
図6は、非対称光ハブ局舎の詳細例を示した図である。図6には、図5に示した光ハブ局舎52の詳細例が示してある。光ハブ局舎52は、WSS(Wavelength Selective Switch)52aa〜52af,52ba〜52bfを有している。光ハブ局舎52は、例えば、ラックを有しており、ラックのシェルフにWSS52aa〜52af,52ba〜52bfの基板を搭載している。
【0036】
図6に示すポートP0〜P5は、図5で示したポートP0〜P5に対応する。図6では、ポートP0〜P5がそれぞれ2つ存在しているが、これは、図6では、ポートP0〜P5の入出力を別々に示しているからである。
【0037】
図5で説明したように光ハブ局舎52のコネクション制限数は4であるとする。この場合、光ネットワーク設計装置10は、例えば、図6の点線で示すように、5本目のデマンドに対するコネクションを設定することができない。
【0038】
従来の光ネットワークは規模が小さく、コネクション制限違反をするような経路設計が生じることは少なかった。しかし、光ネットワークの規模は近年拡大し、経路設計するデマンド数も増大している。そのため、デマンドの経路算出の際に設定されるコネクション数も増大し、例えば、図5の点線で示すコネクションを要する場合も生じてくる。このように、光ネットワーク規模が大きくなってトポロジ情報が複雑になり、さらにコネクション制限の光ハブ局舎が多くなると、経路計算に時間がかかる。例えば、1つのデマンドの経路を算出するごとに、コネクション制限違反を判断し、コネクション制限違反が生じれば、そのデマンドに対して再計算を行っていく方法では、経路計算に時間がかかる。
【0039】
これに対し、WSS52aa〜52af,52ba〜52afの出力ポート数を大きくして(コネクション制限数を大きくして)、コネクション制限違反を生じないようにすることが考えられる。しかし、WSSのコスト等を考慮すると、WSS52aa〜52af,52ba〜52bfの出力ポート数を大きくすることは望ましくない。
【0040】
そこで、光ネットワーク設計装置10は、非対称光ハブ局舎を含む、規模拡大された光ネットワークにおいても、経路設計時間を短縮する。また、光ネットワーク設計装置10は、光ネットワーク全体で最適化された(以下で述べる制約条件を満たす)経路結果を得るようにする。
【0041】
図7は、光ネットワーク設計装置の機能ブロック図である。図7に示すように、光ネットワーク設計装置10は、トポロジ情報記憶部61、経路算出部62、経路情報記憶部63、コネクションマトリクス生成部64、コネクションマトリクスTB(TB:Table)65、ポートマトリクス生成部66、ポートマトリクスTB67、制約条件生成部68、および経路算出部69を有している。
【0042】
トポロジ情報記憶部61には、図3で説明したトポロジ情報が記憶されている。
経路算出部62は、例えば、ダイクストラ法などの最短経路探索法に基づき、トポロジ情報記憶部61に記憶されているトポロジ情報を参照して、A−Hubのコネクション制限を考慮せずにデマンドの経路を算出する。経路算出部62は、A-Hubにコネクション制限がないものとして、オペレータのデマンドに対する経路を算出する。経路算出部62は、算出したデマンドの経路を経路情報記憶部63に記憶する。経路算出部62は、例えば、図1の経路算出部1に対応する。
【0043】
コネクションマトリクス生成部64は、トポロジ情報記憶部61および経路情報記憶部63を参照してコネクションマトリクスを生成し、コネクションマトリクスTB65に記憶する。コネクションマトリクス生成部64は、光ネットワークに含まれている全てのA−Hubにおいてコネクションマトリクスを生成し、コネクションマトリクスTB65に記憶する。コネクションマトリクス生成部64は、例えば、図1の余裕算出部2に対応する。
【0044】
コネクションマトリクスTB65について説明する。その前に、ペナルティ制限およびペナルティ余裕について説明する。
経路算出しようとするデマンドには、予めペナルティ制限が設定される。ペナルティ制限とは、例えば、経路算出しようとするデマンドに認められるハブ局舎のホップ数や伝送遅延量である。ペナルティ余裕とは、経路算出されたデマンドのペナルティのペナルティ制限に対する余裕値である。
【0045】
図8は、ペナルティ余裕を説明する図である。図8には、光ネットワークを形成しているA−Hub71aが示してある。A−Hub71aは、ポートP0〜P8を有している。
【0046】
また、図8には、フルメッシュでコネクションを張ることができる通常のHub71b,71cが示してある。図8に示す丸(ポートP0〜P8は除く)もHubを示している。また、図8には、経路71dおよび経路71eが示してある。経路71dは、デマンドD21に対する経路、経路71eは、デマンドD22に対する経路とする。また、図8には、Hub71bとポートP4に接続されているHubとを結ぶ経路71fが示してある。
【0047】
デマンドD21,D22のペナルティ制限は、10であるとする。また、デマンドD21の経路71eのペナルティは、経路算出部62の経路算出結果により、4であったとする。また、デマンドD22の経路71dのペナルティは、7であったとする。この場合、デマンドD21のペナルティ余裕は、10−4より6となる。また、デマンドD22のペナルティ余裕は、10−7より3となる。
【0048】
すなわち、ペナルティ制限は、デマンド経路に許されるペナルティ値を示している。ペナルティ余裕は、デマンド経路のペナルティのペナルティ制限に対する余裕値を示している。
【0049】
コネクションマトリクスは、A−Hubを通過するデマンドのペナルティ余裕を示す情報である。コネクションマトリクス生成部64は、経路算出部62によって経路算出が行われた後、光ネットワークを形成しているA−Hubの1つに着目する。コネクションマトリクス生成部64は、着目したA−Hubのコネクションごとに、A−Hubを通過するデマンドのペナルティ余裕を算出し、コネクションマトリクスTB65に記憶する。
【0050】
コネクションマトリクス生成部64は、A−Hubのコネクションに、複数のデマンドの経路が通過する場合には、最も小さいペナルティ余裕をコネクションマトリクスTB65に記憶する。コネクションマトリクス生成部64は、光ネットワークを形成している全てのA−Hubにおいてペナルティ余裕を算出し、コネクションマトリクスTB65に記憶する。
【0051】
図9は、コネクションマトリクスTBのデータ構成例を示した図である。図9に示すように、コネクションマトリクスTB65は、縦方向および横方向にポートの欄を有している。縦方向のポートと横方向のポートは、その2つのポートでA−Hubのコネクションを示す。
【0052】
例えば、図9のコネクションマトリクスTB65は、図8のA−Hub71aのコネクションマトリクスを示しているとする。図9の縦方向のポートP5と横方向のポートP1は、図8のA−Hub71aのポートP1−P5のコネクションを示す。
【0053】
横方向のポートと縦方向のポートとの交わる欄には、そのコネクションを通過しているデマンドのペナルティ余裕が記憶される。コネクションに複数のデマンドが通過している場合には、最小のペナルティ余裕が記憶される。
【0054】
例えば、図8の例の場合、ポートP1−P5のコネクションに、デマンドD21,D22の経路71d,71eが通過している。デマンドD21,D22のそれぞれのペナルティ余裕は、上記より6,3である。従って、図9に示すように、縦方向のポートP5と横方向のポートP1の欄には、ペナルティ余裕の最も小さい3が記憶される。
【0055】
また、コネクションマトリクスTB65には、コネクションを通過しているデマンドの共通経路端のHub情報が記憶される。
例えば、図8では、ポートP1−P5のコネクションに、デマンドD21,D22の経路71d,71eが通過している。経路71d,71eの共通経路端のHubは、Hub71b,71cである。Hub71b,71cの識別子を、例えば、S,Tとすると、コネクションマトリクスTB65の縦方向のポートP5と横方向のポートP1との交わる欄には、図9に示すようにS,Tが記憶される。なお、コネクションを通過しているデマンドの経路が1つの場合、その共通経路端は、デマンドの始点と終点のHubとなる。
【0056】
以上より、コネクションマトリクスTB65は、経路算出部62によって算出されたデマンド経路のペナルティ制限に対する余裕値を示し、A−Hubのコネクションを通過しているデマンド経路を迂回経路に迂回させる場合の、迂回経路で許すことのできるペナルティの最大値を示している。
【0057】
例えば、経路算出部62が光ネットワークの経路算出を行ったとする。その結果、図8に示すように、デマンドD21,D22の経路として、経路71d,71eが算出され、かつ、A−Hub71aのポートP1がコネクション制限違反であったとする。この場合、ポートP1のコネクション違反は、例えば、ポートP1−P5のコネクションを通過しているデマンドD21,D22の経路71d,71eを、経路71fによってポートP4に迂回させ(ポートP1をポートP4に置換させ)、ポートP4−P5にコネクションを張ることによって回避できる。
【0058】
ここで、ポートP1−P5のコネクションを通過していたデマンドD21,D22のペナルティ余裕は、コネクションマトリクスTB65を参照することにより、最大3であることが分かる。これにより、迂回経路で許されるペナルティは、最大3であることが分かる。
【0059】
従って、経路71fのペナルティが3以下であれば、デマンドD21,D22の経路71d,71eを、経路71fおよびポートP4−P5に迂回させることができる。つまり、デマンドD21,D22の経路71d,71eを経路71fに迂回させても、経路71d,71eのペナルティ制限は守られる。
【0060】
図7の説明に戻る。ポートマトリクス生成部66は、トポロジ情報記憶部61および経路情報記憶部63を参照してポートマトリクスを生成し、ポートマトリクスTB67に記憶する。ポートマトリクス生成部66は、光ネットワークに含まれている全てのA−Hubにおいてポートマトリクスを生成し、ポートマトリクスTB67に記憶する。
【0061】
ポートマトリクスTB67について説明する。その前に、A−Hubのポートの置換ポートについて説明する。
ポートマトリクス生成部66は、経路算出部62によって経路算出が行われた後、光ネットワークを形成しているA−Hubの1つに着目する。ポートマトリクス生成部66は、着目したA−Hubの各ポートにおいて、置換ポートを算出する。置換ポートとは、A−Hubを通過する経路のポートを、そのA−Hubの別のポートに置き換えることができるポートをいう。ポートマトリクス生成部66は、例えば、図1の追加算出部3および情報生成部4に対応する。
【0062】
図10は、置換ポートを説明する図である。図10には、光ネットワークを形成しているA−Hub72aが示してある。A−Hub72aは、ポートP0〜P8を有している。
【0063】
また、図10には、Hub72b,72c,72e,72gが示してある。また、図10には、A−Hub72d,72fが示してある。A−Hub72d,72fの識別子は、例えば、それぞれX,Yとする。
【0064】
置換ポートを見つけるには、まず、着目しているA−Hubに最も近いHubに着目する。例えば、図10の場合、A−Hub72aに着目したとすると、Hub72b,72c,72e,72g、A−Hub72d,72f、ポートP6に接続されているHub、およびポートP7,P8に接続されているHubに着目する。
【0065】
次いで、着目したHubの間を結ぶ経路が存在するか探索する。経路探索は、例えば、ダイクストラ法などの最短経路探索法を用いる。図10の例の場合、例えば、Hub72b,72c間に経路が存在する。また、A−Hub72dを介して、Hub72c,72e間に経路が存在する。また、A−Hub72fを介して、Hub72e,72g間に経路が存在する。
【0066】
着目したHubにそれらを結ぶ経路が存在する場合、着目したHubと接続されているA−Hubのポートは、互いに置換ポートとなる。図10の例では、例えば、A−Hub72aのポートP1を、A−Hub72aの別のポートに置き換えることができるポートは、ポートP0,P4,P5となる。すなわち、ポートP1の置換ポートは、ポートP0,P4,P5となる。
【0067】
A−Hubのあるポートに置換ポートが存在するということは、ポート間に迂回経路が存在することを意味する。例えば、図10において、ポートP1の置換ポートは、ポートP0,P4,P5であるので、ポートP1−P0、ポートP1−P4、およびポートP1−P5には迂回経路が存在している。
【0068】
これにより、A−Hubのポートにコネクション制限違反が生じた場合、算出したデマンド経路を迂回経路に迂回させ、置換ポートを通過させることにより、コネクション制限違反が生じたポートのコネクション制限違反を解消することができる。
【0069】
例えば、図10において、経路算出部62により、Hub72c、A−Hub72aのポートP1,P5、およびHub72gを通過するデマンド経路が複数算出されたとする。また、ポートP1は、コネクション制限違反であるとする。この場合、例えば、算出された経路の一部を、Hub72c、A−Hub72d、およびHub72eの迂回経路に通過させ、さらに、A−Hub72aのポートP4−P5にコネクションを張ることにより、ポートP0のコネクション制限違反を解消できる。
【0070】
ポートマトリクス生成部66は、次のようにして置換ポートを算出する。ポートマトリクス生成部66は、A−Hub72aの各ポートP0−P8から最も近い(ホップ数の最も小さい)Hubを取得し、取得したHub間で、例えば、ダイクストラ法などの最短経路探索法を実行する。最短経路探索法で経路が見つかれば、そのHubと接続されているポートは、互いに置換ポートとなる。
【0071】
例えば、図10に示すHub72b,72cは、A−Hub72aから最も近いHubである。ポートマトリクス生成部66は、最短経路探索法でHub72b,72c間の最短経路(迂回経路)を算出する。図10の例では、Hub72b,72cは直接接続されており、最短経路が求まる。従って、Hub72bと接続されているポートP0の置換ポートは、ポートP1となる。また、Hub72cと接続されているポートP1の置換ポートは、ポートP0となる。
【0072】
同様に、図10に示すHub72c,72eは、A−Hub72aから最も近いHubである。ポートマトリクス生成部66は、最短経路探索法でHub72c,72e間の最短経路を算出する。図10の例では、Hub72c,72eは、A−Hub72dを介して接続されており、最短経路が求まる。従って、Hub72cと接続されているポートP1の置換ポートは、ポートP4となる。また、Hub72eと接続されているポートP4の置換ポートは、ポートP1となる。
【0073】
また、図10に示すHub72cと、A−Hub72aのポートP2に接続されているHubは、A−Hub72aから最も近いHubである。ポートマトリクス生成部66は、最短経路探索法でHub72cとポートP2に接続されているHub間の最短経路を算出する。図10の例では、Hub72cとポートP2に接続されているHub間には、経路が存在しないため、最短経路は求まらない。従って、ポートP1,P2は、それぞれ置換ポートとならない。
【0074】
図11は、ポートマトリクスTBのデータ構成例を示した図である。図11に示すように、ポートマトリクスTB67は、縦方向および横方向にポートの欄を有している。縦方向のポートは、対象ポートを示し、横方向のポートは、対象ポートの置換ポートを示している。なお、図11のポートマトリクスTB67は、図10に示すA−Hub72aのポートマトリクスTBを示している。
【0075】
対象ポートと置換ポートとの交わる欄には、対象ポートと置換ポートを結ぶ迂回経路のペナルティが記憶される。以下では、迂回経路のペナルティを追加ペナルティと呼ぶこともある。
【0076】
例えば、図10において、A−Hub72aの対象ポートP1と置換ポートP4を結ぶ迂回経路のペナルティは、2である(図10ではHop数で示している)。従って、図11の対象ポートP1と置換ポートP4の交わる欄には、追加ペナルティ2が記憶されている。
【0077】
また、対象ポートと置換ポートとの交わる欄には、対象ポートと置換ポートを結ぶ迂回経路にA−Hubが含まれる場合、そのA−Hubの情報が記憶される。また、迂回経路が通過するA−Hubのポート(コネクション)情報が記憶される。
【0078】
例えば、図10において、A−Hub72aの対象ポートP1と置換ポートP4を結ぶ迂回経路には、A−Hub72dが含まれる。従って、図11の対象ポートP1と置換ポートP4の交わる欄には、A−Hub72dの情報(識別子X)が記憶されている。また、迂回経路は、A−Hub72dのポートP2,P3を通過している。従って、図11の対象ポートP1と置換ポートP4の交わる欄には、ポートP2,P3の情報が記憶されている。
【0079】
ポートマトリクス生成部66は、上述した迂回経路の算出の際に、迂回経路の追加ペナルティを算出する。また、ポートマトリクス生成部66は、上述した迂回経路の算出の際に、追加経路に含まれるA−Hubの情報およびA−Hubのポートの情報を算出する。そして、ポートマトリクス生成部66は、図11に示すようなポートマトリクスTB67を生成する。
【0080】
以上より、ポートマトリクスTB67は、A−Hubを通過しているデマンド経路が通過しているポートを、別のポートに置き換えることができるポート(置換ポート)の情報を記憶している。また、ポートマトリクスTB67は、ポートを置換ポートに置き換えたときの迂回経路に生じるペナルティ(追加ペナルティ)を記憶している。これにより、例えば、ポートP0は、ポートマトリクスTB67を参照することにより、ポートP1,P4,P5のいずれかに置き換えることができることが分かる。また、このポート置き換えを行うには、それぞれ、ペナルティ1,3,5の迂回経路を経由することが分かる。また、ポートP0をポートP5に置き換える場合には、迂回経路に識別子X,YのA−Hub72d,72fが含まれることが分かる。また、A−Hub72dでは、ポートP2,P3を通過することが分かる。A−Hub72fでは、ポートP1−P5を通過することが分かる。
【0081】
図7の説明に戻る。制約条件生成部68は、コネクションマトリクスTB65およびポートマトリクスTB67を参照し、制約条件を生成する。また、制約条件生成部68は、目的関数を生成する。制約条件生成部68は、例えば、図1の制約条件生成部5に対応する。制約条件および目的関数については以下で詳細に説明する。
【0082】
経路算出部69は、制約条件生成部68によって生成された制約条件および目的関数を満たすデマンドの経路を、数理計画法を用いて算出する。経路算出部69は、例えば、図1の経路算出部6に対応する。
【0083】
制約条件について説明する。制約条件生成部68の生成する制約条件は、大きく2つに分けられる。1つ目は、各A−Hubのコネクション制限数に関する制約条件である。2つ目は、迂回経路に関する制約条件である。
【0084】
2つ目の迂回経路に関する制約条件は、次の制約観点A,Bに基づき生成される。
[制約観点A]ポート(デマンド経路が通過しているA−Hubのポート)を迂回することにより生じる追加ペナルティを考慮しても、デマンド経路のペナルティがペナルティ制限を越えない。
【0085】
制約観点Aは、あるデマンド経路を迂回経路に迂回させる場合(あるデマンドの経路が通過しているA−Hubのポートを置換ポートに置換させる場合)、迂回経路もペナルティ制限を満たすようにするという観点から制約条件を生成することを示している。
【0086】
[制約観点B]現在着目している迂回経路にA−Hubが含まれる場合には、このA−Hubで使用されるコネクションを使用する。
図11で説明したように、ポートコネクションTB67の迂回経路にA−Hubが含まれる場合の追加ペナルティは、最短経路探索法によって求められたA−Hubのコネクションを通過した場合の値である。よって、ポートコネクションTB67に記憶されているA−Hubのコネクションを通過しない場合、迂回経路の追加ペナルティが異なる場合が生じる。制約観点Bは、迂回経路にA−Hubが含まれる場合、そのA−Hubで使用されるコネクションを使用するという観点から制約条件を生成することを示している。
【0087】
以下、制約条件について具体的に説明する。制約条件生成部68は、光ネットワークを形成しているA−Hubの1つに着目する。制約条件生成部68は、着目したA−Hub内のコネクション候補となる変数SAhub(x,y)を生成する。x,yは、着目しているA−Hub内のポートを示し、x≠yである。
【0088】
変数SAhub(x,y)は、0または1の値をとり、経路算出部69によって0,1が求まる。1は、例えば、ポートx,y間のコネクションが採用されたことを示し、0は、ポートx,y間のコネクションが採用されなかったことを示す。SAhub(x,y)のAhubは、A−Hub名を示し、どのA−Hubの変数であるかを示す。
【0089】
図12は、変数を説明する図である。図12に示すA−Hub73の変数SAhub(x,y)は、経路算出部69によって以下のように求まったとする。
SAhub(P0,P1)=1
SAhub(P0,P2)=1
SAhub(P0,P7)=1
SAhub(P5,P7)=1
SAhub(P2,P7)=1
SAhub(P0,P3)=0
SAhub(P0,P4)=0
SAhub(P0,P6)=0
SAhub(P6,P7)=0
SAhub(P3,P7)=0
この場合、A−Hub73は、図12に示すように、コネクションが張られることになる。
【0090】
制約条件生成部68は、算出しようとするデマンドの経路が、A−Hubにてコネクション制限数を満たすための制約条件(1つ目の制約条件)を生成する。すなわち、制約条件生成部68は、経路算出部69により、コネクション制限数を満たすようにトラフィックパスが採用されるための制約条件を生成する。コネクション制限数を満たすための制約条件は、次の式(1)で示される。
【0091】
【数1】
【0092】
式(1)のコネクション制限数Lkは、トポロジ情報に含まれており、例えば、オペレータによって入力される。
式(1)の左辺は、変数SAhub(x,k)の全加算値を示している。変数SAhub(x,k)は、上記したように0,1の値をとる。従って、式(1)は、その左辺がLk以下になるようにするということは、A−Hubがコネクション制限数Lkを満たすように、コネクションを張るということを示している。
【0093】
例えば、式(1)のLkが5の場合、図12のA−Hubのコネクションは、式(1)の制約条件を満たしていることになる(上記のSAhub(P0,P1)〜SAhub(P3,P7)を加算すると1となる)。
【0094】
制約条件生成部68は、迂回経路に関する制約条件(2つ目の制約条件)を生成する。まず、制約観点Aに基づく制約条件の生成について説明する。制約条件生成部68は、あるデマンドの経路を迂回させる場合、制約観点Aに基づき、迂回する経路もペナルティ制限を満たすようにするための制約条件を生成する。制約条件生成部68は、コネクションマトリクスTB65およびポートマトリクスTB67を参照して、制約観点Aの制約条件を生成する。
【0095】
制約観点Aに基づく制約条件は、次の式(2)で示される。なお、式(2)では、変数SAhub(x,y)のAhubを省略している。
【0096】
【数2】
【0097】
式(2)のAk,Alは、ポートの代替可能候補集合を示す。ポートの代替可能候補集合とは、経路を置換ポートにより迂回させたとき、迂回経路がペナルティ制限を満たす置換ポートの集合をいう。例えば、図11において、ポートP1の置換ポートは、ポートP0,P4,P5となる。経路のペナルティ余裕が3である場合、ポートP5は、迂回経路の候補となりえない。よって、この場合、ポートP1の代替可能候補集合は、ポートP0,P4となる。
【0098】
式(2)の左辺の第1項は、元コネクション(経路算出部62で求まったコネクション)を示している。第2項は、元コネクションの一方のポートを、代替可能候補集合のポートに置き換えた代替コネクションの集合を示している。第3項は、元コネクションの他方のポートを、代替可能候補集合のポートに置き換えた代替コネクションの集合を示している。
【0099】
式(2)は、左辺の値が1以上になるようにコネクションを求めるよう制約していることを示している。すなわち、式(2)は、着目しているA−Hubにおいて、少なくとも、元コネクションか、元コネクションの一方のポートを代替可能候補集合のポートに置き換えたコネクション集合のいずれかのコネクションか、または元コネクションの他方のポートを代替可能候補集合のポートに置き換えたコネクション集合のいずれかのコネクションかが選ばれるように制約している。
【0100】
図13は、制約観点Aに基づく制約条件を説明する図である。図13において図10と同じものには同じ符号を付し、その説明を省略する。
経路算出部62によって、あるデマンドの経路74a,74bが求まったとする。Hub72c,72gの識別子は、S,Tとする。ペナルティ制限は10とし、経路74a,74bのペナルティはそれぞれ7,4であったとする。この場合、図13のA−Hub72aのコネクションマトリクスTB65は、図9に示すようになる。また、図13のA−Hub72aのポートマトリクスTB67は、図11に示すようになる。
【0101】
制約条件生成部68は、ポートP1−P5のコネクションの迂回経路の1つとして、ポートマトリクスTB67を参照し、ポートP4を取得する。また、制約条件生成部68は、ポートマトリクスTB67を参照し、ポートP1−P4の追加ペナルティ2を取得する。
【0102】
制約条件生成部68は、コネクションマトリクスTB65を参照して、ポートP1−P5を通過する経路のペナルティ余裕3を取得する。追加ペナルティ2は、ペナルティ余裕3より小さいので、制約条件生成部68は、ポートP4を代替可能候補集合Akとする。
【0103】
制約条件生成部68は、上記と同様にして、ポートP1の代替候補となり得るポートを、ポートマトリクスTB67を参照して取得する。上記例の場合、ポートP0は、ポートP1の代替候補となり、ポートP5は、ポートP1の代替候補となりえない。
【0104】
すなわち、制約条件生成部68は、ポートP1の置換ポートを取得し、コネクションマトリクスTB65およびポートマトリクスTB67を参照し、取得した置換ポートにおける迂回経路がペナルティ制限を満たすか否か判断する。制約条件生成部68は、置換ポートの迂回経路がペナルティ制限を満たせば、その置換ポートを代替可能候補集合Akとする。同様に、制約条件生成部68は、ポートP5の代替可能候補集合Alを算出する。
【0105】
制約条件生成部68は、上記のようにして代替可能候補集合Ak,Alを算出し、式(2)に示す制約条件を生成する。なお、上記では、制約条件生成部68は、ポートマトリクスTB67を参照して置換ポートを取得し、次いでコネクションマトリクスTB65を参照して代替可能候補集合を求めたが、算出順番は逆でもよい。例えば、制約条件生成部68は、コネクションマトリクスTB65を参照してペナルティ余裕を取得し、次いでポートマトリクスTB67を参照して代替可能候補集合を求めてもよい。
【0106】
次に、制約観点Bに基づく制約条件の生成について説明する。制約条件生成部68は、迂回経路にA−Hubが含まれる場合、さらに、制約観点Bに基づき制約条件を生成する。例えば、図13の例の場合、Hub72c,72eを結ぶ迂回経路には、A−Hub72dが含まれる。そして、A−Hub72dでは、迂回経路はポートP2−P3のコネクションを通過する。従って、この場合、制約条件生成部68は、A−Hub72dを通過する迂回経路が採用される場合、A−Hub72dのポートP2−P3を通過するように制約条件を生成する。
【0107】
図14は、制約観点Bに基づく制約条件を説明する図である。図14には、光ネットワークを形成しているA−Hub75a〜75cが示してある。A−Hub75a〜75cのそれぞれは、ポートP0〜P8を有している。経路75eは、経路75dの迂回経路を示し、経路75eの通過するA−Hub75bでは、ポートP0−P4にコネクションが張られ、A−Hub75cでは、ポートP1−P8にコネクションが張られるものとする。
【0108】
図14において、経路75dの迂回経路として経路75eが採用候補となる場合、経路75eは、A−Hub75bのポートP0−P4を通過し、A−Hub75cのポートP1−P8を通過する必要がある。経路75eは、図10で説明したように、ダイクストラ法などの最短経路探索法によって算出され、通過するA−Hub75b,75cの情報と、そのコネクションの情報とがポートマトリクスTB67に記憶され、そのコネクションを通過した場合における追加ペナルティがポートマトリクスTB67に記憶されているからである。
【0109】
制約条件生成部68は、ポートマトリクスTB67を参照し、制約観点Bに基づく制約条件を生成する。制約条件生成部68は、上記したように、迂回経路にA−Hubが含まれる場合、ポートマトリクスTB67に記憶されているコネクションを通過する制約条件を生成する。
【0110】
例えば、制約条件生成部68は、図14の例の場合、次の式(3)に示す制約条件を生成する。
【0111】
【数3】
【0112】
式(3)の変数Sに示すA−Hub1,A−Hub2,A−Hub3は、それぞれの変数Sが図14のA−Hub75a〜75cにおける変数であることを示している。
式(3)の第1項の変数Sは、図14のA−Hub75aのポートP2−P5のコネクションの変数を示している。第1項の変数Sに乗算されている値2は、経路75eの迂回経路に含まれるA−Hubの数を示している。仮に経路75eの迂回経路にA−Hubが3つ含まれている場合には、第1項の変数Sには、3が乗算される。
【0113】
式(3)の第2項の変数Sは、図14のA−Hub75bのポートP0−P4のコネクションの変数を示している。式(3)の第3項の変数Sは、図14のA−Hub75cのポートP1−P8のコネクションの変数を示している。
【0114】
式(3)は、式(3)の左辺の値が0以下であることを制約条件としている。これは、A−Hub75aのポートP2−P5のコネクションが採用されるならば、A−Hub75bのポートP0−P4のコネクションが採用され、かつ、A−Hub75cのポートP1−P8のコネクションが採用されることを示している。
【0115】
例えば、A−Hub75aのポートP2−P5のコネクションが採用されるならば、式(3)のSA-Hub1(P2,P5)は1となる。この場合、式(3)を満たすには、式(3)の第2項、第3項が1とならなければならい。すなわち、第2項、第3項は、次の関係を満たさなければならない。
【0116】
SA-Hub2(P0,P4)=1
SA-Hub3(P1,P8)=1
これは、A−Hub75b(A−Hub2)のP0−P4のコネクションが採用され、A−Hub75c(A−Hub3)のポートP1−P8のコネクションが採用されることを示している。
【0117】
制約条件生成部68は、A−Hubを含む迂回経路に対して、上記と同様にして制約観点Bに基づく制約条件を生成する。
目的関数について説明する。制約条件生成部68は、目的関数を生成する。目的関数は、例えば、次の式(4)で示される。
【0118】
【数4】
【0119】
式(4)は、光ネットワーク内の全てのコネクション候補となる変数Sに重み付けCAhub,x,yを付加し、それを加算したことを示している。式(4)では、目的関数を「Maximize」として指定しているが、場合によっては、「Minimize」を指定することもできる。例えば、A−Hubにおける使用コネクション数を最小に抑えたいという場合、「Minimize」を指定することができる。なお、式(4)のCAhub,x,yのAhubは、A−Hub名を示し、どのA−Hubの重み付けであるかを示す。
【0120】
式(4)の各変数Sに対する重み付けの配分次第で、経路算出部69は、様々な経路結果を得ることができる。式(5)は、重み付けの一例を示している。なお、式(5)では、CAhub,x,yのAhubを省略している。
【0121】
【数5】
【0122】
式(5)のDx,yは、最初の仮設計(経路算出部62による経路算出)における、A−Hubの各コネクションに属しているデマンド経路の本数を示している。このパラメータを目的関数に導入することで、経路算出部69は、デマンド経路の本数が多いA−Hubのコネクションについては、なるべく現状を維持するように(デマンド経路が迂回しないように)経路算出する。
【0123】
Rx,yは、最初の仮設計で存在していたコネクションであるか否かを示すフラグである。このパラメータを目的関数に導入することで、経路算出部69は、最初の仮設計で採用されたコネクションをなるべく優先的に採用するよう設計する。
【0124】
式(5)のαx,yは、最初の仮設計で全く使用されていなかったコネクションに対する値である。このパラメータを目的関数に導入することで、経路算出部69は、最初の仮設計で使用されていないコネクションもある優先度で採用できるようにすることができる。
【0125】
HDx,yは、最初の仮設計において複数のA−Hubを通過するデマンド経路がある場合、このA−Hub間の経路を優先的に採用するためのパラメータである。このパラメータを目的関数に導入することで、経路算出部69は、最初の仮設計において設計された複数のA−Hub間を通過する経路において、優先的に採用できるようにすることができる。
【0126】
図15は、複数のA−Hubを通過する経路を優先的に採用する目的関数を説明する図である。図15には、光ネットワークを形成しているA−Hub76a,76bが示してある。経路76cは、経路算出部62によって算出された経路を示している。
【0127】
最初の仮設計で算出された経路76cは、A−Hub76a,76bを通過している。この場合、制約条件生成部68は、A−Hub76a,76b間の経路については、経路算出部69によって優先的に採用されるようにHDx,Yを調整する。
【0128】
例えば、制約条件生成部68は、A−Hub76aのポートP5に属するコネクションのHDx,Yと、A−Hub76bのポートP0に属するコネクションのHDx,yについては、2を設定する。その他のコネクションについては、HDx,yについては、1を設定する。この場合、経路算出部69は、A−Hub76aのポートP5と、A−Hub76bのポートP0との間の経路が優先的に採用されるように経路設計を行う。
【0129】
なお、上記の目的関数の設定は一例であり、上記に限るものではない。
図16は、光ネットワーク設計装置の処理動作を示したフローチャートである。
[ステップS1a,S1b]経路算出部62は、オペレータから要求のあったデマンドの数分、ステップS2の処理を行う。
【0130】
[ステップS2]経路算出部62は、トポロジ情報記憶部61を参照し、オペレータから要求のあったデマンドの経路探索を行う。経路算出部62は、コネクション制限を考慮せずにデマンドの経路探索を行う。経路算出部62は、算出したデマンド経路の結果を経路情報記憶部63に記憶する。
【0131】
[ステップS3]経路算出部62は、算出したデマンドの経路が通過するA−Hubにおいて、コネクション制限違反があったか否か判断する。経路算出部62は、コネクション制限違反がない場合、処理を終了する。すなわち、オペレータの要求するデマンド経路が求まったので、経路算出部62は処理を終了する。経路算出部62は、コネクション制限違反がある場合、ステップS4aへ進む。
【0132】
[ステップS4a,S4b]コネクションマトリクス生成部64およびポートマトリクス生成部66は、コネクション制限違反のあったA−Hubのそれぞれにおいて、以下のステップS5〜S7の処理を行う。
【0133】
[ステップS5]コネクションマトリクス生成部64は、トポロジ情報記憶部61および経路情報記憶部63を参照してコネクションマトリクスを生成し、コネクションマトリクスTB65に記憶する。
【0134】
[ステップS6a,6b]ポートマトリクス生成部66は、A−Hubの各ポート間において、以下のステップS7の処理を行う。なお、この処理は、A−Hubのポート数をPとすると、1/2*P(P−1)回繰り返すことになる。
【0135】
[ステップS7]ポートマトリクス生成部66は、トポロジ情報記憶部61および経路情報記憶部63を参照してポートマトリクスを生成し、ポートマトリクスTB67に記憶する。
【0136】
[ステップS8]制約条件生成部68は、コネクションマトリクスTB65およびポートマトリクスTB67を参照し、数理計画モデルを生成する。すなわち、制約条件生成部68は、制約条件と目的関数を生成する。
【0137】
[ステップS9]経路算出部69は、制約条件生成部68によって生成された数理計画モデルに基づき、数理計画法によって経路を算出する。
上記で説明した経路算出(数理計画法による経路算出)の計算量について説明する。経路探索法には、上記の方法以外に、例えば、A−Hubのコネクション制限を考慮せずに経路算出し、算出した経路のコネクション制限違反を判断し、違反したA−Hubにて削除コネクションを選定して削除し、再度経路算出を行う方法がある。以下では、この削除コネクションを選定して経路算出を行う方法と、上記の数理計画法による経路算出法の計算量について説明する。
【0138】
削除コネクションを選定して経路算出を行う方法での計算量は、次の式(6)で示される。
【0139】
【数6】
【0140】
Nは、光ネットワーク内のA−Hubの総数を示す。Cnewは、削除コネクションの数を示す。DC_newは、削除コネクションに属しているデマンド経路の本数を示している。
ここで、上記の数理計画法による経路算出法の計算量との比較を行うために、Cnewの演算量をA−Hubのポート数で置き換えることを考える。
【0141】
まず、削除コネクション数は、最も多い場合を考えると、Cnew=フルメッシュコネクション組合数−設定可能コネクション数で示される。ポートのコネクション制限数を4とすると、削除コネクション数は、次の式(7)で示される。
【0142】
【数7】
【0143】
Pは、A−Hubのポート数を示す。すなわち、削除コネクション数Cnewは、ポート数の2乗に比例すると考えることができる。
従って、削除コネクションを選定して経路算出する方法の計算量は、式(6),(7)より式(8)に示すようになる。
【0144】
【数8】
【0145】
一方、上記の数理計画法による経路算出法の計算量は、図16のステップ6a,6bで説明したように、1つのA−Hubでは、1/2*P(P−1)で示される。従って、A−HubがN個ある場合には、その計算量は次の式(9)で示すことができる。
【0146】
【数9】
【0147】
式(8)と式(9)を比較すると、削除コネクションを選定して経路算出を行う方法では、光ネットワーク内のデマンドの数に依存することが分かる。従って、上記の数理計画法による経路算出法の方が、計算量が少なく、経路算出時間を短縮できる。
【0148】
なお、A−Hubのコネクション制限を考慮せずに経路算出する部分においては、両者とも計算量は同じである。また、削除コネクションを選定して経路算出を行う方法に対し、上記の数理計画法による経路算出法では、数理計画法を用いた処理が加わる。数理計画法部分の計算量については、光ネットワーク上に3つのA−Hub(実際の光ネットワークに存在し得ると考えられる数)が存在する場合について計算したところ、0.1s程度であり、十分微小と考えられる。
【0149】
図17は、削除コネクションを選定して経路算出を行う方法の経路算出イメージを示した図である。図17には、光ネットワークが示してある。削除コネクションを選定して経路算出を行う方法では、図17に示すように、A−Hub77a,77b,77c,…と1つずつ逐次的に、コネクション制限違反を解消するようにコネクションを調整する。
【0150】
図18は、数理計画法による経路算出イメージを示した図である。図18には、光ネットワークが示してある。上記で説明した経路算出法では、図18に示すように、光ネットワークを形成しているA−Hub78a〜78eの全てのコネクション制限を解消するための条件(制約条件)を出し、1回の数理計画法で経路を求める。これにより、上記の経路算出法では、ネットワーク全体で最適化された経路を算出することが可能となる。
【0151】
このように、光ネットワーク設計装置10は、コネクション制限数とペナルティ制限とを満たすデマンド経路が採用されるための制約条件を生成する。そして、光ネットワーク設計装置10は、生成した制約条件に基づいて、数理計画法により最終的なデマンド経路を算出するようにした。これにより、光ネットワーク設計装置は、適切な経路結果を得ることができる。例えば、コネクション制限数およびペナルティ制限を満たす経路結果を得ることができる。
【0152】
[第3の実施の形態]
次に、第3の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。第2の実施の形態では、コネクションの片ポートのみを切替えるように制約条件を生成し、経路算出を行った。第3の実施の形態では、コネクションの両ポートを切替えるように制約条件を生成し、経路算出を行う。
【0153】
図19は、第3の実施の形態に係る両ポート制約を説明する図である。図19には、光ネットワークを形成しているA−Hub81aが示してある。A−Hub81aは、ポートP0〜P8を有している。また、図19には、最初の仮設計で算出された経路81bと、その迂回経路を示した経路81c,81dが示してある。
【0154】
最初に仮設計された経路81bは、A−Hub81aのポートP1−P5のコネクションを通過している。第2の実施の形態で説明した片ポート制約は、このポートP1−P5の一方を置換ポートに置き換え、経路81bを経路81c,81dに迂回させる。
【0155】
例えば、図19に示すポートP2−P5のコネクション81eは、ポートP1をポートP2の置換ポートに置き換えている。これにより、経路81bは、経路81cに迂回している。また、図19に示すポートP1−P7のコネクション81fは、ポートP5をポートP7の置換ポートに置き換えている。これにより、経路81bは、経路81dに迂回している。
【0156】
両ポート制約は、最初に仮設計された経路のコネクションのポートの両方を置換ポートに置き換える。
例えば、図19に示す最初に仮設計された経路81bのコネクションのポートP1−P5の両方を、ポートP2,P7に置き換える。すなわち、両ポート制約は、図19に示すポートP2−P7のコネクション81gを張るようにする。
【0157】
なお、第3の実施の形態に係る光ネットワーク設計装置のハードウェア構成および機能ブロックは、図2で示したハードウェア構成例および図7で示した機能ブロックと同様であり、その説明を省略する。ただし、第3の実施の形態に係る光ネットワーク設計装置10では、機能ブロックの制約条件生成部68の機能が一部異なる。第3の実施の形態では、制約条件生成部68は、コネクションの両ポートを代替したコネクションも採用されるように制約条件を生成する。
【0158】
第3の実施の形態に係る制約条件生成部68は、第2の実施の形態と同様に、各A−Hubのコネクション制限数に関する制約条件と、迂回経路に関する制約条件とを生成する。迂回経路に関する制約条件に関しては、制約観点A,Bに基づいて制約条件を生成する。
【0159】
第2の実施の形態では、制約条件生成部68は、あるデマンドの経路を迂回させる場合、制約観点Aに基づき、迂回する経路もペナルティ制限を満たすようにするための制約条件を生成する。第3の実施の形態においても制約条件生成部68は、同様に制約条件を生成するが、コネクションの両ポートを代替したコネクションも採用されるように制約条件を生成する。
【0160】
制約観点Aに基づく制約条件は、次の式(10)で示される。なお、式(10)では、変数SAhub(x,y)のAhubを省略している。
【0161】
【数10】
【0162】
式(10)では、式(2)に対し、左辺に第4項が追加されている。第4項の代替可能候補集合Ak,lは、コネクションの両ポートの置換可能な(経路を迂回させることが可能な)置換ポート集合を示し、式(10)は、コネクションの両ポートを代替可能候補集合Ak,lのポートに置き換えたコネクションも採用されることを示している。制約条件生成部68は、コネクションの両ポートにおいてコネクションマトリクスTB65およびポートマトリクスTB67を参照し、第4項を含む制約条件を生成する。その他の制約条件の生成に関しては第2の実施の形態と同様であるのでその説明を省略する。
【0163】
図20は、光ネットワーク設計装置の処理動作を示したフローチャートである。
図20のステップS1a〜S7は、図16のステップS1a〜S7と同様であり、その説明を省略する。
【0164】
[ステップS21]制約条件生成部68は、コネクションマトリクスTB65およびポートマトリクスTB67を参照し、数理計画モデルを生成する。すなわち、制約条件生成部68は、制約条件と目的関数を生成する。制約条件生成部68は、式(2)に示す片ポート制約の制約条件と、式(10)に示す両ポート制約の制約条件とを生成する。
【0165】
[ステップS22]経路算出部69は、制約条件生成部68によって生成された数理計画モデルに基づき、数理計画法によって経路を算出する。経路算出部69は、片ポート制約により、経路算出を行う。
【0166】
[ステップS23]経路算出部69は、経路算出を算出できたか否か判断する。すなわち、経路算出部69は、経路設計できたか否か判断する。経路算出部69は、経路設計できた場合、処理を終了する。経路算出部69は、経路設計できなかった場合、ステップS24へ進む。
【0167】
[ステップS24]経路算出部69は、制約条件生成部68によって生成された数理計画モデルに基づき、数理計画法によって経路を算出する。経路算出部69は、両ポート制約により、経路算出を行う。
【0168】
このように、光ネットワーク設計装置10は、両ポート制約によっても経路設計することができる。
また、光ネットワーク設計装置10は、片ポート制約によって経路設計できなかった場合に両ポート制約によって経路設計するので、片ポート制約によって経路設計できた場合、経路計算時間を短縮することができる。
【0169】
なお、上記では、光ネットワーク設計装置10は、片ポート制約によって経路設計できなかった場合、両ポート制約による経路設計を行うとしたが、両ポート制約による経路設計のみを行ってもよい。例えば、図20において、ステップS22,23の処理を省略してもよい。
【0170】
[第4の実施の形態]
次に、第4の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。第4の実施の形態では、ポートマトリクスのみを生成して経路算出を行う場合について説明する。第4の実施の形態に係る光ネットワーク設計装置のハードウェア構成は、図2で示したハードウェア構成例と同様であり、その説明を省略する。
【0171】
図21は、第4の実施の形態に係る光ネットワーク設計装置の機能ブロック図である。図21において、図7と同じものには同じ符号を付し、その説明を省略する。
図21に示すように、光ネットワーク設計装置10は、ポートマトリクス生成部91およびポートマトリクスTB92を有している。
【0172】
ポートマトリクス生成部91は、トポロジ情報記憶部61および経路情報記憶部63を参照してポートマトリクスを生成し、ポートマトリクスTB92に記憶する。ポートマトリクス生成部91は、光ネットワークに含まれている全てのA−Hubにおいてポートマトリクスを生成し、ポートマトリクスTB92に記憶する。
【0173】
図22は、ポートマトリクスの生成を説明する図である。図22には、光ネットワークを形成しているA−Hub101a,101d,101eおよびHub101b,101c,101fが示してある。A−Hub101d,101eの識別子をそれぞれX,Yとする。また、図22には、経路102a〜102dが示してある。
【0174】
第2の実施の形態では、着目しているA−Hubに最も近いHubに着目し、その着目したHub間での迂回経路を探索した。第4の実施の形態では、着目しているA−Hubを通過しているデマンド経路の共通経路端のHubに着目し、その着目したHub間で迂回経路を探索する。
【0175】
例えば、図22の例では、経路算出部62によって、経路102a〜102dが算出されたとする。経路102a,102bの共通経路端のHubは、Hub101c,101fである。また、経路102c,102dの共通経路端のHubは、Hub101b,101cである。ポートマトリクス生成部91は、これら共通経路端のHubの情報を取得する。なお、コネクションを通過しているデマンド経路が1つの場合、その共通経路端は、デマンドの始点と終点のHubとなる。
【0176】
ポートマトリクス生成部91は、共通経路端のHubを取得すると、その共通経路端のHub間で迂回経路を探索する。ポートマトリクス生成部91は、着目しているA−Hubにおいて、共通経路端の経路が通過しているコネクションは通過することができないとして迂回経路を探索する。迂回経路の探索は、例えば、ダイクストラ法などの最短経路探索法で行う。
【0177】
例えば、図22において、経路102a,102bの共通経路端のHubは、Hub101c,101fである。また、共通経路端のHub101c,101fの経路が通過しているコネクションは、ポートP1−P5である。よってこの場合、ポートマトリクス生成部91は、A−Hub101aのポートP1−P5のコネクションは通過できないとして、共通経路端のHub101c,101f間の迂回経路をダイクストラ法によって探索する。
【0178】
また、図22において、経路102c,102dの共通経路端のHubは、Hub101b,101cである。また、共通経路端のHub101b,101cの経路が通過しているコネクションは、ポートP0−P1である。よってこの場合、ポートマトリクス生成部91は、A−Hub101aのポートP0−P1のコネクションは通過できないとして、共通経路端のHub101b,101c間の迂回経路をダイクストラ法によって探索する。
【0179】
ポートマトリクス生成部91は、算出した迂回経路によっても、元の経路のペナルティ制限を越えない場合、迂回後のポート情報をポートマトリクスTB92に記憶する。また、ポートマトリクス生成部91は、迂回経路に着目しているA−Hub以外のA−Hubが含まれる場合、そのA−Hubの情報と、そのA−Hubの迂回経路が通過しているコネクションの情報とをポートマトリクスTB92に記憶する。
【0180】
すなわち、ポートマトリクス生成部91は、デマンド経路の共通経路端にて、デマンド経路が通過したコネクションを通過しない、ペナルティ制限を満たす迂回経路を探索し、探索した迂回経路の迂回経路情報を算出してポートマトリクスTB92に記憶する。また、ポートマトリクス生成部91は、探索した迂回経路にA−Hubが含まれる場合、A−Hubに関する情報を算出してポートマトリクスTB92に記憶する。
【0181】
図23は、ポートマトリクスTBのデータ構成例を示した図である。図23に示すように、ポートマトリクスTB92は、対象コネクションの欄および迂回経路の欄を有している。
【0182】
対象コネクションの欄には、迂回経路の対象となるコネクションの情報が記憶される。対象コネクションの欄には、例えば、着目しているA−Hubが有しているポートの全組み合わせが記憶される。
【0183】
迂回経路の欄には、対象コネクションに対する迂回経路の情報が記憶される。例えば、迂回経路の欄には、着目しているA−Hubにおいて、迂回経路が通過するコネクションの情報と、迂回経路にA−Hubが含まれる場合、そのA−Hubの情報と、そのA−Hubの迂回経路が通過しているコネクションの情報が記憶される。
【0184】
例えば、図22の例において、ポートマトリクス生成部91は、A−Hub101aのポートP1−P5のコネクションは通過できないとして、共通経路端のHub101c,101f間の迂回経路を探索する。その結果、ポートマトリクス生成部91は、Hub101c、A−Hub101aのポートP1−P4のコネクション、ポートP4に接続されたHub、A−Hub101e、およびHub101fを通過する迂回経路を得たとする。また、迂回経路が通過したA−Hub101eでは、ポートP1−P5のコネクションに迂回経路が通過したとする。この迂回経路は、ペナルティ制限を越えなかったとする。
【0185】
この場合、ポートマトリクス生成部91は、ポートマトリクスTB92の対象コネクションのポートP1−P5(迂回前に通過していたコネクション)の欄に対応する迂回経路の欄に、迂回後のポートP1−P4の情報を記憶する。また、算出した迂回経路には、A−Hub101a以外のA−Hub101eが含まれているので、ポートマトリクス生成部91は、A−Hub101eの情報(例えば、識別子Y)と、A−Hub101eの迂回経路が通過するコネクションの情報(ポートP1−P5)とをポートマトリクスTB92の迂回経路の欄に記憶する。
【0186】
なお、Hub101c,101f間を結ぶ迂回経路のペナルティがペナルティ制限を越えていた場合は、対象コネクションP1−P5に対応する迂回経路の欄には、迂回経路なしを示す情報が記憶される。
【0187】
また、図22の例において、ポートマトリクス生成部91は、A−Hub101aのポートP0−P1のコネクションは通過できないとして、共通経路端のHub101b,101c間の迂回経路を探索する。その結果、ポートマトリクス生成部91は、Hub101bおよびHub101cを通過する迂回経路を得たとする。この迂回経路は、ペナルティ制限を越えなかったとする。
【0188】
この場合、ポートマトリクス生成部91は、ポートマトリクスTB92の対象コネクションのポートP0−P1(迂回前に通過していたコネクション)の欄に対応する迂回経路の欄に、迂回後の情報を記憶する。上記迂回経路では、A−Hub101aを通過しないので、ポートマトリクス生成部91は、A−Hub通過なしという情報を記憶する。すなわち、ポートマトリクス生成部91は、迂回経路はA−Hub101aを通過しないという情報を記憶する。
【0189】
なお、Hub101b,101c間を結ぶ迂回経路のペナルティがペナルティ制限を越えていた場合は、対象コネクションP0−P1に対応する迂回経路の欄には、迂回経路なしを示す情報が記憶される。
【0190】
図22の例では、ポートP0−P2コネクションに対する迂回経路は存在しない(図22では、ポートP0−P2を通過する共通経路端の図示は省略している)。従って、対象コネクションのP0−P2に対応する迂回経路の欄には、迂回経路なしという情報が記憶される。
【0191】
制約条件生成部68は、第2の実施の形態で説明したのと同様に目的関数を生成する。また、制約条件生成部68は、ポートマトリクスTB92を参照して、第2の実施の形態で説明したのと同様に制約条件を生成する。すなわち、制約条件生成部68は、各A−Hubのコネクション制限数に関する制約条件と、迂回経路に関する制約条件とを生成する。制約条件生成部68は、迂回経路に関する制約条件については、制約観点A,Bに基づいて生成する。
【0192】
例えば、ポートマトリクTB92に図23で示した情報が記憶されているとする。制約条件生成部68は、対象コネクション単位で制約条件を生成する。
・P0−P1の制約条件
経路102c,102dは、A−Hub101aを通過しなくても迂回することができる。従って、例えば、オペレータから着目しているA−Hub101aの迂回許可の設定がされていれば、制約条件生成部68は、制約条件は生成しない。すなわち、変数SA-Hub(P0−P1)は、0でも1でもよい。なお、SA-HubのA−Hubは、A−Hub101aを示している。
【0193】
一方、例えば、オペレータから着目しているA−Hub101aの迂回不許可の設定がされていれば、制約条件生成部68は、次の式(11)に示す制約条件を生成する。
【0194】
【数11】
【0195】
すなわち、制約条件生成部68は、A−Hub101aのポートP0−P1のコネクションが採用されるように制約条件を生成する。
・P0−P2の制約条件
図23のポートマトリクスTB92より、ポートP0−P2のコネクションには、迂回経路が存在しない。従って、制約条件生成部68は、制約観点Aから次の式(12)に示す制約条件を生成する。
【0196】
【数12】
【0197】
すなわち、制約条件生成部68は、A−Hub101aのポートP0−P2のコネクションが採用されるように制約条件を生成する。
・P1−P5の制約条件
図23のポートマトリクスTB92より、ポートP1−P5のコネクションには、迂回経路が存在する。従って、制約条件生成部68は、制約観点Aから次の式(13)に示す制約条件を生成する。
【0198】
【数13】
【0199】
すなわち、制約条件生成部68は、ポートP1−P5のコネクションまたはポートP1−P4のコネクションのどちらかまたは両方が採用されるように制約条件を生成する。
また、ポートP1−P4の迂回経路には、識別子YのA−Hub(図22のA−Hub101e)が含まれる。迂回経路は、このA−Hub101eのポートP1−P5のコネクションを通過しなければならないので、制約条件生成部68は、制約観点Bから次の式(14)に示す制約条件を生成する。
【0200】
【数14】
【0201】
式(14)の左辺第2項のA−HubYは、A−Hub101eを示している。
すなわち、制約条件生成部68は、ポートP1−P4のコネクションが採用されるならば(SA-Hub(P1−P4)=1)、A−Hub101eのポートP1−P5のコネクションが採用される(SA-HubY(P1−P5)=1)ように制約条件を生成する。
【0202】
なお、経路算出部69は、第2の実施の形態で説明したのと同様に、制約条件生成部68が生成した制約条件と目的関数とに基づいて、数理計画法に基づき経路を算出する。
このように、光ネットワーク設計装置10は、コネクション制限数、迂回経路情報(例えば、着目しているA−Hub101aの迂回経路が通過するポート情報)、およびA−Hubの情報(例えば、迂回経路に含まれるA−Hub101eの情報)に基づいて制約条件を生成する。そして、光ネットワーク設計装置10は、生成した制約条件に基づいて、数理計画法により最終的なデマンド経路を算出するようにした。これにより、光ネットワーク設計装置10は、適切な経路結果を得ることができる。例えば、コネクション制限数およびペナルティ制限を満たす経路結果を得ることができる。
【0203】
[第5の実施の形態]
次に、第5の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。第2の実施の形態では、迂回経路に隣接するA−Hub(隣接するA−Hub間にHubが含まれていてもよい)が含まれる場合、そのA−Hub間の経路は固定的である。例えば、図14に示すように、隣接するA−Hub75b,75c間の経路は固定的である。第5の実施の形態では、迂回経路に含まれる隣接するA−Hub間の代替経路を、例えば、ダイクストラ法などの最短経路探索法によって探索し、その代替経路も迂回経路として採用されるようにする。
【0204】
第5の実施の形態に係る光ネットワーク設計装置のハードウェア構成および機能ブロックは、図2で示したハードウェア構成例および図7で示した機能ブロックと同様であり、その説明を省略する。ただし、第5の実施の形態では、機能ブロックの制約条件生成部68の機能が一部異なる。
【0205】
図24は、第5の実施の形態に係る代替経路を説明する図である。図24には、光ネットワークを形成しているA−Hub111a,111bが示してある。A−Hub111a,111bは、ポートP0〜P8を有している。図24に示す丸は(ポートP0〜P8は除く)、Hubを示している。A−Hub111a,111bの識別子は、それぞれX,Yとする。
【0206】
経路111eは、ポートマトリクス生成部66によって算出された迂回経路を示している。経路111eに含まれるA−Hub111a,111bの情報(識別子X,Y)およびコネクションの情報(ポートP0−P4、ポートP1−P4)は、ポートマトリクスTB67に記憶されている。A−Hub111a,111bは、その間に2つのHubが含まれているがA−Hubを含んでいないので隣接するA−Hubである。
【0207】
制約条件生成部68は、経路111e上において、隣接するA−Hub111a,111bの最も近いHub111c,111d間で代替経路を算出する。例えば、制約条件生成部68は、ダイクストラ法などの最短経路探索法によってHub111c,111d間の代替経路を算出する。ここでは、図24に示すように、代替経路として経路111fが算出されたとする。
【0208】
制約条件生成部68は、算出した代替経路のペナルティがペナルティ制限を満たす場合、迂回経路と代替経路の一方が採用されるように制約条件を生成する。制約条件は、制約観点Bに基づいて生成される。
【0209】
図24の例の場合、制約条件生成部68は、次の式(15)〜(17)に示す制約条件を生成する。
【0210】
【数15】
【0211】
式(15)の変数SS(AHX_P0P4,AHY_P1P4)は、A−Hub111aのポートP0−P4と、A−Hub111bのポートP1−P4とを通過する経路を示す。従って、例えば、変数SS(AHX_P0P4,AHY_P1P4)の値が1の場合、A−Hub111aのポートP0−P4と、A−Hub111bのポートP1−P4とを通過する経路が採用されたことを示す。また、変数SS(AHX_P0P4,AHY_P1P4)の値が0の場合、A−Hub111aのポートP0−P4とA−Hub111bのポートP1−P4とを通過する経路が採用されなかったことを示す。
【0212】
なお、変数SS(AHX_P0P4,AHY_P1P4)のAHXは、図24のA−Hub111a(識別子X)を示し、AHYは、A−Hub111b(識別子Y)を示す。また、式(15)の変数SA-HubX,SA-HubYのA−HubX,A−HubYは、図24のA−Hub111a,111bを示す。
【0213】
式(15)は、式(15)の左辺の値が0以下であることを制約条件としている。これは、図24のA−Hub111aのポートP0−P4とA−Hub111bのポートP1−P4とを通過する経路が採用されるならば、A−Hub111aのポートP0−P4のコネクションとA−Hub111bのポートP1−P4のコネクションとが採用されることを示している。
【0214】
式(16)の変数SS(AHX_P0P5,AHY_P0P4)は、A−Hub111aのポートP0−P5と、A−Hub111bのポートP0−P4とを通過する経路を示す。式(16)は、図24のA−Hub111aのポートP0−P5とA−Hub111bのポートP0−P4とを通過する経路が採用されるならば、A−Hub111aのポートP0−P5のコネクションとA−Hub111bのポートP0−P4のコネクションとが採用されることを示している。
【0215】
式(17)は、変数SS(AHX_P0P4,AHY_P1P4)の経路と変数SS(AHX_P0P5,AHY_P0P4)の経路の少なくとも一方が採用されることを示している。すなわち、図24に示す経路111eか経路111fの少なくとも一方が採用されることを示している。
【0216】
このように、迂回経路の代替経路を採用することも可能である。これにより、経路設計できる可能性を高めることができる。
以下、上記実施の形態で説明した数理計画法による経路算出の効果の一例について説明する。
【0217】
図25は、最短経路探索法によって経路算出する光ネットワークの例を示した図である。図25に示すアルファベットは、Hubの識別子を示している。図25のB,C,G,Hは、A−Hubである。図25中の数字は、ペナルティを示している。
【0218】
図26は、デマンドを示した図である。図25の経路探索は、図26のデマンドに対して、経路探索を行ったものとする。
図25の光ネットワークにおいて、コネクション制限違反を考慮せずに、ダイクストラ法などの最短経路探索法によって経路探索を行うと、図25の黒丸に示すように、A−HubB,C,G,Hにて、コネクション制限違反が生じる。なお、図25では、コネクション制限数を4としている。
【0219】
図27は、数理計画法によって経路算出する光ネットワークの例を示した図である。図27の光ネットワークは、図25の光ネットワークと同様であり、その説明を省略する。
図28は、数理計画法によって経路算出した結果を示した図である。図28には、図27の光ネットワークにおいて、コネクション制限数を4とし、ペナルティ制限を24とした場合の経路探索結果が示してある。図27の光ネットワークにおいて、コネクション制限違反を考慮し、制約条件を生成して数理計画法によって経路算出を行うと、図28に示すように経路が求まる。
【0220】
このように、上記で説明した数理計画法によって経路算出を行うと、コネクション制限数を満たすように適切な経路結果を得ることができる。また、ペナルティ制限を満たすように適切な経路結果を得ることができる。さらに、削除コネクションを選定して経路算出を行う方法に対し、経路算出時間を短縮することができる。
【0221】
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、光ネットワーク設計装置が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記憶装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリなどがある。磁気記憶装置には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープなどがある。光ディスクには、DVD、DVD−RAM、CD−ROM/RWなどがある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disk)などがある。
【0222】
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROMなどの可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0223】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、ネットワークを介して接続されたサーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
【0224】
また、上記の処理機能の少なくとも一部を、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)などの電子回路で実現することもできる。
【0225】
以上の実施の形態に開示された技術には、以下の付記に示す技術が含まれる。
(付記1) 複数のポートを備えるとともに該ポート間のコネクション数が制限されている非対称光ハブを有する光ネットワークの経路設計を行う光ネットワーク設計装置において、
前記非対称光ハブのコネクション制限数に依存せずに前記光ネットワークにおけるトラフィックパスを仮設計する第1の経路算出部と、
前記第1の経路算出部によって仮設計された前記トラフィックパスにおけるペナルティ制限に対するペナルティ余裕を算出する余裕算出部と、
前記非対称光ハブごとにおいて、ポートを置換ポートに置換したときの迂回経路で生じる追加ペナルティを算出する追加算出部と、
前記迂回経路に前記非対称光ハブが含まれる場合、前記迂回経路に含まれている前記非対称光ハブに関する非対称光ハブ情報を生成する情報生成部と、
前記コネクション制限数、前記余裕算出部によって算出された前記ペナルティ余裕、前記追加算出部によって算出された前記追加ペナルティ、および前記情報生成部によって生成された前記非対称光ハブ情報に基づいて、前記コネクション制限数と前記ペナルティ制限とを満たす前記トラフィックパスが採用されるための制約条件を生成する制約条件生成部と、
前記制約条件生成部によって生成された前記制約条件に基づいて、数理計画法により前記トラフィックパスを算出する第2の経路算出部と、
を有することを特徴とする光ネットワーク設計装置。
【0226】
(付記2) 前記制約条件生成部は、
前記コネクション制限数に基づいて、前記コネクション制限数を満たすように前記トラフィックパスが採用されるための第1の制約条件と、
前記余裕算出部によって算出された前記ペナルティ余裕および前記追加算出部によって算出された前記追加ペナルティに基づいて、前記トラフィックパスの通過する前記ポートを前記置換ポートに置換しても前記ペナルティ制限を満たす前記トラフィックパスが採用されるための第2の制約条件と、
前記ポートを前記置換ポートに置換したときの前記迂回経路に前記非対称光ハブが含まれる場合、前記情報生成部によって生成された前記非対称光ハブ情報に基づいて、前記迂回経路に含まれる前記非対称光ハブの所定のコネクションを通過する前記トラフィックパスが採用されるための第3の制約条件と、
を生成することを特徴とする付記1記載の光ネットワーク設計装置。
【0227】
(付記3) 前記制約条件生成部は、前記非対称光ハブのコネクションの片ポートを前記置換ポートに置換した前記トラフィックパスが採用されるための前記制約条件を生成することを特徴とする付記1記載の光ネットワーク設計装置。
【0228】
(付記4) 前記制約条件生成部は、前記非対称光ハブのコネクションの両ポートを前記置換ポートに置換した前記トラフィックパスが採用されるための前記制約条件を生成することを特徴とする付記1記載の光ネットワーク設計装置。
【0229】
(付記5) 前記第2の経路算出部は、前記非対称光ハブのコネクションの片ポートを前記置換ポートに置換した前記トラフィックパスが採用されるための前記制約条件に基づいて前記トラフィックパスを算出できない場合に、前記非対称光ハブのコネクションの両ポートを前記置換ポートに置換した前記トラフィックパスが採用されるための前記制約条件に基づいて前記トラフィックパスを算出することを特徴とする付記1記載の光ネットワーク設計装置。
【0230】
(付記6) 前記制約条件生成部は、前記非対称光ハブのコネクションを通過している前記第1の経路算出部によって算出された前記トラフィックパスの数に応じて、前記非対称光ハブのコネクションが優先して採用されるように目的関数を生成し、
前記第2の経路算出部は、前記制約条件と前記目的関数とによって、数理計画法により前記トラフィックパスを算出することを特徴とする付記1記載の光ネットワーク設計装置。
【0231】
(付記7) 前記制約条件生成部は、前記第1の経路算出部によって算出された前記トラフィックパスのコネクションが優先して採用されるように目的関数を生成し、
前記第2の経路算出部は、前記制約条件と前記目的関数とによって、数理計画法により前記トラフィックパスを算出することを特徴とする付記1記載の光ネットワーク設計装置。
【0232】
(付記8) 前記制約条件生成部は、前記第1の経路算出部によって算出された前記トラフィックパスが複数の前記非対称光ハブを通過する場合、前記非対称光ハブ間の前記第1の経路算出部によって算出された前記トラフィックパスが優先して採用されるように目的関数を生成し、
前記第2の経路算出部は、前記制約条件と前記目的関数とによって、数理計画法により前記トラフィックパスを算出することを特徴とする付記1記載の光ネットワーク設計装置。
【0233】
(付記9) 前記制約条件生成部は、前記迂回経路に2つの前記非対称光ハブが含まれる場合、前記迂回経路とは別の別迂回経路を探索し、探索した前記別迂回経路も前記トラフィックパスとして採用されるように前記制約条件を生成することを特徴とする付記1記載の光ネットワーク設計装置。
【0234】
(付記10) 複数のポートを備えるとともに該ポート間のコネクション数が制限されている非対称光ハブを有する光ネットワークの経路設計を行う光ネットワーク設計装置において、
前記非対称光ハブのコネクション制限数に依存せずに前記光ネットワークにおけるトラフィックパスを仮設計する第1の経路算出部と、
前記非対称光ハブごとにおいて、前記第1の経路算出部によって仮設計された前記トラフィックパスの共通経路端にて前記トラフィックパスが通過したコネクションを通過しないペナルティ制限を満たす迂回経路を探索し、探索した前記迂回経路の迂回経路情報を生成する経路情報生成部と、
前記経路情報生成部によって探索された前記迂回経路に前記非対称光ハブが含まれる場合、前記非対称光ハブに関する非対称光ハブ情報を生成する局舎情報生成部と、
前記コネクション制限数、前記経路情報生成部によって生成された前記迂回経路情報、および前記局舎情報生成部によって生成された前記非対称光ハブ情報に基づいて、前記コネクション制限数と前記ペナルティ制限とを満たす前記トラフィックパスが採用されるための制約条件を生成する制約条件生成部と、
前記制約条件生成部によって生成された前記制約条件に基づいて、数理計画法により前記トラフィックパスを算出する第2の経路算出部と、
を有することを特徴とする光ネットワーク設計装置。
【0235】
(付記11) 複数のポートを備えるとともに該ポート間のコネクション数が制限されている非対称光ハブを有する光ネットワークの経路設計を行う光ネットワーク設計装置の光ネットワーク設計方法において、
前記非対称光ハブのコネクション制限数に依存せずに前記光ネットワークにおけるトラフィックパスを仮設計し、
仮設計した前記トラフィックパスにおけるペナルティ制限に対するペナルティ余裕を算出し、
前記非対称光ハブごとにおいて、ポートを置換ポートに置換したときの迂回経路で生じる追加ペナルティを算出し、
前記迂回経路に前記非対称光ハブが含まれる場合、前記迂回経路に含まれている前記非対称光ハブに関する非対称光ハブ情報を生成し、
前記コネクション制限数、前記ペナルティ余裕、前記追加ペナルティ、および前記非対称光ハブ情報に基づいて、前記コネクション制限数と前記ペナルティ制限とを満たす前記トラフィックパスが採用されるための制約条件を生成し、
生成した前記制約条件に基づいて、数理計画法により前記トラフィックパスを算出する、
ことを特徴とする光ネットワーク設計方法。
【0236】
(付記12) 複数のポートを備えるとともに該ポート間のコネクション数が制限されている非対称光ハブを有する光ネットワークの経路設計を行う光ネットワーク設計装置の光ネットワーク設計方法において、
前記非対称光ハブのコネクション制限数に依存せずに前記光ネットワークにおけるトラフィックパスを仮設計し、
前記非対称光ハブごとにおいて、仮設計した前記トラフィックパスの共通経路端にて前記トラフィックパスが通過したコネクションを通過しないペナルティ制限を満たす迂回経路を探索し、探索した前記迂回経路の迂回経路情報を生成し、
探索した前記迂回経路に前記非対称光ハブが含まれる場合、前記非対称光ハブに関する非対称光ハブ情報を生成し、
前記コネクション制限数、前記迂回経路情報、および前記非対称光ハブ情報に基づいて、前記コネクション制限数と前記ペナルティ制限とを満たす前記トラフィックパスが採用されるための制約条件を生成し、
生成した前記制約条件に基づいて、数理計画法により前記トラフィックパスを算出する、
ことを特徴とする光ネットワーク設計方法。
【0237】
(付記13) 複数のポートを備えるとともに該ポート間のコネクション数が制限されている非対称光ハブを有する光ネットワークの経路設計を行う光ネットワーク設計プログラムにおいて、
コンピュータを、
前記非対称光ハブのコネクション制限数に依存せずに前記光ネットワークにおけるトラフィックパスを仮設計する第1の経路算出手段、
前記第1の経路算出部によって仮設計された前記トラフィックパスにおけるペナルティ制限に対するペナルティ余裕を算出する余裕算出手段、
前記非対称光ハブごとにおいて、ポートを置換ポートに置換したときの迂回経路で生じる追加ペナルティを算出する追加算出手段、
前記迂回経路に前記非対称光ハブが含まれる場合、前記迂回経路に含まれている前記非対称光ハブに関する非対称光ハブ情報を生成する情報生成手段、
前記コネクション制限数、前記余裕算出部によって算出された前記ペナルティ余裕、前記追加算出部によって算出された前記追加ペナルティ、および前記情報生成部によって生成された前記非対称光ハブ情報に基づいて、前記コネクション制限数と前記ペナルティ制限とを満たす前記トラフィックパスが採用されるための制約条件を生成する制約条件生成手段、
前記制約条件生成部によって生成された前記制約条件に基づいて、数理計画法により前記トラフィックパスを算出する第2の経路算出手段、
として機能させることを特徴とする光ネットワーク設計プログラム。
【0238】
(付記14) 複数のポートを備えるとともに該ポート間のコネクション数が制限されている非対称光ハブを有する光ネットワークの経路設計を行う光ネットワーク設計プログラムにおいて、
コンピュータを、
前記非対称光ハブのコネクション制限数に依存せずに前記光ネットワークにおけるトラフィックパスを仮設計する第1の経路算出手段、
前記非対称光ハブごとにおいて、前記第1の経路算出部によって仮設計された前記トラフィックパスの共通経路端にて前記トラフィックパスが通過したコネクションを通過しないペナルティ制限を満たす迂回経路を探索し、探索した前記迂回経路の迂回経路情報を生成する経路情報生成手段、
前記経路情報生成部によって探索された前記迂回経路に前記非対称光ハブが含まれる場合、前記非対称光ハブに関する非対称光ハブ情報を生成する局舎情報生成手段、
前記コネクション制限数、前記経路情報生成部によって生成された前記迂回経路情報、および前記局舎情報生成部によって生成された前記非対称光ハブ情報に基づいて、前記コネクション制限数と前記ペナルティ制限とを満たす前記トラフィックパスが採用されるための制約条件を生成する制約条件生成手段、
前記制約条件生成部によって生成された前記制約条件に基づいて、数理計画法により前記トラフィックパスを算出する第2の経路算出手段、
として機能させることを特徴とする光ネットワーク設計プログラム。
【符号の説明】
【0239】
1,6 経路算出部
2 余裕算出部
3 追加算出部
4 情報生成部
5 制約条件生成部
【技術分野】
【0001】
本件は、光ネットワークの経路設計を行う光ネットワーク設計装置および光ネットワーク設計方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、光ネットワーク分野では、光信号のまま波長単位で光信号の分岐挿入や経路切換えを行う光分岐挿入装置(OADM:Optical Add-Drop Multiplexer)や波長クロスコネクト(WXC:Wavelength Cross Connect)装置等が開発されている。このような光装置によって光ネットワークは、リング相互接続、メッシュ等といった複雑なトポロジを持つネットワーク構築が可能となり、ネットワーク規模の拡大化が進んでいる。
【0003】
なお、従来、WDM(Wavelength Division Multiplexing)方式とAWG(Arrayed Waveguide Grating)を用いて複数のノード間をHCN(HyperCube Network)接続するHCNにおいて、容易かつ安価にネットワークの大規模化を可能にする波長多重ネットワークが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−60922号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、光ネットワークの規模拡大化にともない、光ハブ局舎ではコネクション制限が生じる場合が多くなってきている。そのため、光ネットワークの経路設計を行う光ネットワーク設計装置は、光ネットワークの規模拡大化において適切な経路結果が得られない場合があるという問題点があった。
【0006】
本件はこのような点に鑑みてなされたものであり、適切な経路結果を得ることができる光ネットワーク設計装置および光ネットワーク設計方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、複数のポートを備えるとともに該ポート間のコネクション数が制限されている非対称光ハブを有する光ネットワークの経路設計を行う光ネットワーク設計装置が提供される。この光ネットワーク設計装置は、前記非対称光ハブのコネクション制限数に依存せずに前記光ネットワークにおけるトラフィックパスを仮設計する第1の経路算出部と、前記第1の経路算出部によって仮設計された前記トラフィックパスにおけるペナルティ制限に対するペナルティ余裕を算出する余裕算出部と、前記非対称光ハブごとにおいて、ポートを置換ポートに置換したときの迂回経路で生じる追加ペナルティを算出する追加算出部と、前記迂回経路に前記非対称光ハブが含まれる場合、前記迂回経路に含まれている前記非対称光ハブに関する非対称光ハブ情報を生成する情報生成部と、前記コネクション制限数、前記余裕算出部によって算出された前記ペナルティ余裕、前記追加算出部によって算出された前記追加ペナルティ、および前記情報生成部によって生成された前記非対称光ハブ情報に基づいて、前記コネクション制限数と前記ペナルティ制限とを満たす前記トラフィックパスが採用されるための制約条件を生成する制約条件生成部と、前記制約条件生成部によって生成された前記制約条件に基づいて、数理計画法により前記トラフィックパスを算出する第2の経路算出部と、を有する。
【0008】
また、上記課題を解決するために、複数のポートを備えるとともに該ポート間のコネクション数が制限されている非対称光ハブを有する光ネットワークの経路設計を行う光ネットワーク設計装置が提供される。この光ネットワーク設計装置は、前記非対称光ハブのコネクション制限数に依存せずに前記光ネットワークにおけるトラフィックパスを仮設計する第1の経路算出部と、前記非対称光ハブごとにおいて、前記第1の経路算出部によって仮設計された前記トラフィックパスの共通経路端にて前記トラフィックパスが通過したコネクションを通過しないペナルティ制限を満たす迂回経路を探索し、探索した前記迂回経路の迂回経路情報を生成する経路情報生成部と、前記経路情報生成部によって探索された前記迂回経路に前記非対称光ハブが含まれる場合、前記非対称光ハブに関する非対称光ハブ情報を生成する局舎情報生成部と、前記コネクション制限数、前記経路情報生成部によって生成された前記迂回経路情報、および前記局舎情報生成部によって生成された前記非対称光ハブ情報に基づいて、前記コネクション制限数と前記ペナルティ制限とを満たす前記トラフィックパスが採用されるための制約条件を生成する制約条件生成部と、前記制約条件生成部によって生成された前記制約条件に基づいて、数理計画法により前記トラフィックパスを算出する第2の経路算出部と、を有する。
【発明の効果】
【0009】
開示の装置および方法によれば、適切な経路結果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1の実施の形態に係る光ネットワーク設計装置を示した図である。
【図2】第2の実施の形態に係る光ネットワーク設計装置のハードウェア構成例を示した図である。
【図3】経路設計が行われる光ネットワークの例を示した図である。
【図4】ハブ局舎を説明する図である。
【図5】非対称光ハブ局舎を説明する図である。
【図6】非対称光ハブ局舎の詳細例を示した図である。
【図7】光ネットワーク設計装置の機能ブロック図である。
【図8】ペナルティ余裕を説明する図である。
【図9】コネクションマトリクスTBのデータ構成例を示した図である。
【図10】置換ポートを説明する図である。
【図11】ポートマトリクスTBのデータ構成例を示した図である。
【図12】変数を説明する図である。
【図13】制約観点Aに基づく制約条件を説明する図である。
【図14】制約観点Bに基づく制約条件を説明する図である。
【図15】複数のA−Hubを通過する経路を優先的に採用する目的関数を説明する図である。
【図16】光ネットワーク設計装置の処理動作を示したフローチャートである。
【図17】削除コネクションを選定して経路算出を行う方法の経路算出イメージを示した図である。
【図18】数理計画法による経路算出イメージを示した図である。
【図19】第3の実施の形態に係る両ポート制約を説明する図である。
【図20】光ネットワーク設計装置の処理動作を示したフローチャートである。
【図21】第4の実施の形態に係る光ネットワーク設計装置の機能ブロック図である。
【図22】ポートマトリクスの生成を説明する図である。
【図23】ポートマトリクスTBのデータ構成例を示した図である。
【図24】第5の実施の形態に係る代替経路を説明する図である。
【図25】最短経路探索法によって経路算出する光ネットワークの例を示した図である。
【図26】デマンドを示した図である。
【図27】数理計画法によって経路算出する光ネットワークの例を示した図である。
【図28】数理計画法によって経路算出した結果を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態に係る光ネットワーク設計装置を示した図である。図1に示すように、光ネットワーク設計装置は、経路算出部1,6、余裕算出部2、追加算出部3、情報生成部4、および制約条件生成部5を有している。
【0012】
経路算出部1は、非対称光ハブのコネクション制限数に依存せずに光ネットワークにおけるトラフィックパスを仮設計する。
余裕算出部2は、経路算出部1によって仮設計されたトラフィックパスのペナルティ制限に対するペナルティ余裕を算出する。ペナルティ制限とは、例えば、トラフィックパスに認められるホップ数や伝送遅延量である。
【0013】
追加算出部3は、非対称光ハブごとにおいて、ポートを置換ポートに置換したときの迂回経路で生じる追加ペナルティを算出する。
情報生成部4は、迂回経路に非対称光ハブが含まれる場合、迂回経路に含まれている非対称光ハブに関する非対称光ハブ情報を生成する。例えば、情報生成部4は、迂回経路に含まれている非対称光ハブの迂回経路が通過するコネクション情報を生成する。
【0014】
制約条件生成部5は、コネクション制限数、余裕算出部2によって算出されたペナルティ余裕、追加算出部3によって算出された追加ペナルティ、および情報生成部4によって生成された非対称光ハブ情報に基づいて、コネクション制限数とペナルティ制限とを満たすトラフィックパスが採用されるための制約条件を生成する。
【0015】
経路算出部6は、制約条件生成部5によって生成された制約条件に基づいて、数理計画法によりトラフィックパスを算出する。
このように、光ネットワーク設計装置は、コネクション制限数、ペナルティ余裕、追加ペナルティ、および非対称光ハブ情報に基づいて、コネクション制限数とペナルティ制限とを満たすトラフィックパスが採用されるための制約条件を生成する。そして、光ネットワーク設計装置は、生成した制約条件に基づいて、数理計画法により最終的なトラフィックパスを算出するようにした。これにより、光ネットワーク設計装置は、適切な経路結果を得ることができる。例えば、コネクション制限数およびペナルティ制限を満たす経路結果を得ることができる。
【0016】
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図2は、第2の実施の形態に係る光ネットワーク設計装置のハードウェア構成例を示した図である。光ネットワーク設計装置10は、CPU(Central Processing Unit)11によって装置全体が制御されている。CPU11には、バス18を介してRAM(Random Access Memory)12と複数の周辺機器が接続されている。
【0017】
RAM12は、光ネットワーク設計装置10の主記憶装置として使用される。RAM12には、CPU11に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。例えば、RAM12には、光ネットワークの経路設計を行うアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM12には、CPU11による処理に必要な各種データが格納される。
【0018】
バス18に接続されている周辺機器としては、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)13、グラフィック処理装置14、入力インタフェース15、光学ドライブ装置16、および通信インタフェース17がある。
【0019】
HDD13は、内蔵したディスクに対して、磁気的にデータの書き込みおよび読み出しを行う。HDD13は、光ネットワーク設計装置10の二次記憶装置として使用される。HDD13には、OSのプログラム、アプリケーションプログラム、および各種データが格納される。なお、二次記憶装置としては、フラッシュメモリなどの半導体記憶装置を使用することもできる。
【0020】
グラフィック処理装置14には、モニタ19が接続されている。グラフィック処理装置14は、CPU11からの命令に従って、画像をモニタ19の画面に表示させる。モニタ19としては、CRT(Cathode Ray Tube)を用いた表示装置や液晶表示装置などがある。
【0021】
入力インタフェース15には、キーボード20とマウス21とが接続されている。入力インタフェース15は、キーボード20やマウス21から送られてくる信号をCPU11に送信する。なお、マウス21は、ポインティングデバイスの一例であり、他のポインティングデバイスを使用することもできる。他のポインティングデバイスとしては、タッチパネル、タブレット、タッチパッド、トラックボールなどがある。
【0022】
光学ドライブ装置16は、レーザ光などを利用して、光ディスク22に記録されたデータの読み取りを行う。光ディスク22は、光の反射によって読み取り可能なようにデータが記録された可搬型の記録媒体である。光ディスク22には、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)などがある。
【0023】
通信インタフェース17は、例えば、インターネットなどのネットワークに接続されている。通信インタフェース17は、ネットワークを介して、他のコンピュータまたは通信機器との間でデータの送受信を行う。
【0024】
以上のようなハードウェア構成によって、光ネットワーク設計装置10は光ネットワークの経路設計を行うための処理機能を実現することができる。
図3は、経路設計が行われる光ネットワークの例を示した図である。図3に示す光ネットワークは、光ハブ局舎31,41a〜45a,41b〜45bと、その他丸で示す複数の光ハブ局舎とによって形成されている。光ハブ局舎31は、ポートP0〜P5を有し、その他の光ハブ局舎も同様にポートを有している。
【0025】
光ネットワーク設計装置10は、光ネットワークを形成している光ハブ局舎のトポロジ情報を記憶している。トポロジ情報は、例えば、キーボード20、マウス21、および光ディスク22のいずれかによって光ネットワーク設計装置10のHDD13に記憶することができる。また、光ネットワーク設計装置10は、通信インタフェース17によって光ネットワークの光ハブ局舎と通信し、光ハブ局舎からトポロジ情報を取得してHDD13に記憶することもできる。
【0026】
トポロジ情報には、光ハブ局舎情報、スパン情報、およびデマンド情報が含まれている。
光ハブ局舎情報には、光ハブ局舎のポート数(光ハブ局舎から出ているスパン数)、光ハブ局舎が非対称光ハブ局舎である場合にはその旨の情報とコネクション制限数(非対称光ハブ局舎およびコネクション制限数については以下で説明する)、およびコネクションの伝送遅延やコスト等の最短経路計算に必要なパラメータが含まれている。
【0027】
スパン情報には、スパンの両端の光ハブ局舎、およびスパンの伝送遅延やコスト等の最短経路計算に必要なパラメータが含まれている。
デマンド情報には、オペレータが経路設計要求するトラフィックパスの起点および終点の光ハブ局舎の情報が含まれている。
【0028】
光ネットワーク設計装置10は、オペレータからの要求に応じて、デマンド(ある光ハブ局舎からある光ハブ局舎へのトラフィックパス)を設計(算出)する。
例えば、光ネットワーク設計装置10は、オペレータから光ハブ局舎41a,41bを起点および終点とするデマンド、光ハブ局舎42a,42bを起点および終点とするデマンド、…、光ハブ局舎45a,45bを起点および終点とするデマンドの経路を算出するよう要求されたとする。この場合、光ネットワーク設計装置10は、例えば、図3に示す経路D11〜D15を算出する。算出された経路D11〜D15は、例えば、モニタ19に表示される。
【0029】
図4は、ハブ局舎を説明する図である。図4に示す光ハブ局舎51は、ポートP0〜P5を有している。光ハブ局舎51は、ポートP0〜P5にコネクション制限数がないとする。
【0030】
この場合、光ハブ局舎51は、図4に示すようにポートP0〜P5のそれぞれにおいて、他のポートP0〜P5とフルメッシュでコネクションを張ることが可能である。
従って、例えば、図3に示す光ハブ局舎31にコネクション制限がないとすると、図3の光ハブ局舎31は、ポートP0とポートP1〜P5との間にコネクションを張ることができるので、光ネットワーク設計装置10は、図3に示す経路D11〜D15を算出することができる。
【0031】
図5は、非対称光ハブ局舎を説明する図である。図5に示す光ハブ局舎52は、ポートP0〜P5を有している。図5に示す光ハブ局舎52では、コネクション制限数は4であるとする。
【0032】
この場合、光ハブ局舎52は、コネクション制限数が4であるので、1つのポートから4つのコネクションしか張ることができない。よって、図5に示すように、ポートP0と、ポートP1〜P4との間にコネクションが張られる場合、ポートP0−P5ではコネクションを張ることができない。
【0033】
従って、例えば、図3に示す光ハブ局舎31が非対称光ハブ局舎であり、コネクション制限4であるとすると、図3の光ハブ局舎31は、ポートP0とポートP1〜P5との間にコネクションを張ることができない。そのため、光ネットワーク設計装置10は、図3に示す経路D11〜D15を算出することができない。光ネットワーク設計装置10は、例えば、ポートP0とポートP1〜P5との間のコネクションの1つを迂回するように設計することになる。
【0034】
なお、コネクション数が制限されている光ハブ局舎は、非対称光ハブ局舎と呼ばれる。図5の光ハブ局舎52は、非対称光ハブ局舎である。以下では、非対称光ハブ局舎をA−Hub(Asymmetric-Hub)と呼ぶこともある。
【0035】
図6は、非対称光ハブ局舎の詳細例を示した図である。図6には、図5に示した光ハブ局舎52の詳細例が示してある。光ハブ局舎52は、WSS(Wavelength Selective Switch)52aa〜52af,52ba〜52bfを有している。光ハブ局舎52は、例えば、ラックを有しており、ラックのシェルフにWSS52aa〜52af,52ba〜52bfの基板を搭載している。
【0036】
図6に示すポートP0〜P5は、図5で示したポートP0〜P5に対応する。図6では、ポートP0〜P5がそれぞれ2つ存在しているが、これは、図6では、ポートP0〜P5の入出力を別々に示しているからである。
【0037】
図5で説明したように光ハブ局舎52のコネクション制限数は4であるとする。この場合、光ネットワーク設計装置10は、例えば、図6の点線で示すように、5本目のデマンドに対するコネクションを設定することができない。
【0038】
従来の光ネットワークは規模が小さく、コネクション制限違反をするような経路設計が生じることは少なかった。しかし、光ネットワークの規模は近年拡大し、経路設計するデマンド数も増大している。そのため、デマンドの経路算出の際に設定されるコネクション数も増大し、例えば、図5の点線で示すコネクションを要する場合も生じてくる。このように、光ネットワーク規模が大きくなってトポロジ情報が複雑になり、さらにコネクション制限の光ハブ局舎が多くなると、経路計算に時間がかかる。例えば、1つのデマンドの経路を算出するごとに、コネクション制限違反を判断し、コネクション制限違反が生じれば、そのデマンドに対して再計算を行っていく方法では、経路計算に時間がかかる。
【0039】
これに対し、WSS52aa〜52af,52ba〜52afの出力ポート数を大きくして(コネクション制限数を大きくして)、コネクション制限違反を生じないようにすることが考えられる。しかし、WSSのコスト等を考慮すると、WSS52aa〜52af,52ba〜52bfの出力ポート数を大きくすることは望ましくない。
【0040】
そこで、光ネットワーク設計装置10は、非対称光ハブ局舎を含む、規模拡大された光ネットワークにおいても、経路設計時間を短縮する。また、光ネットワーク設計装置10は、光ネットワーク全体で最適化された(以下で述べる制約条件を満たす)経路結果を得るようにする。
【0041】
図7は、光ネットワーク設計装置の機能ブロック図である。図7に示すように、光ネットワーク設計装置10は、トポロジ情報記憶部61、経路算出部62、経路情報記憶部63、コネクションマトリクス生成部64、コネクションマトリクスTB(TB:Table)65、ポートマトリクス生成部66、ポートマトリクスTB67、制約条件生成部68、および経路算出部69を有している。
【0042】
トポロジ情報記憶部61には、図3で説明したトポロジ情報が記憶されている。
経路算出部62は、例えば、ダイクストラ法などの最短経路探索法に基づき、トポロジ情報記憶部61に記憶されているトポロジ情報を参照して、A−Hubのコネクション制限を考慮せずにデマンドの経路を算出する。経路算出部62は、A-Hubにコネクション制限がないものとして、オペレータのデマンドに対する経路を算出する。経路算出部62は、算出したデマンドの経路を経路情報記憶部63に記憶する。経路算出部62は、例えば、図1の経路算出部1に対応する。
【0043】
コネクションマトリクス生成部64は、トポロジ情報記憶部61および経路情報記憶部63を参照してコネクションマトリクスを生成し、コネクションマトリクスTB65に記憶する。コネクションマトリクス生成部64は、光ネットワークに含まれている全てのA−Hubにおいてコネクションマトリクスを生成し、コネクションマトリクスTB65に記憶する。コネクションマトリクス生成部64は、例えば、図1の余裕算出部2に対応する。
【0044】
コネクションマトリクスTB65について説明する。その前に、ペナルティ制限およびペナルティ余裕について説明する。
経路算出しようとするデマンドには、予めペナルティ制限が設定される。ペナルティ制限とは、例えば、経路算出しようとするデマンドに認められるハブ局舎のホップ数や伝送遅延量である。ペナルティ余裕とは、経路算出されたデマンドのペナルティのペナルティ制限に対する余裕値である。
【0045】
図8は、ペナルティ余裕を説明する図である。図8には、光ネットワークを形成しているA−Hub71aが示してある。A−Hub71aは、ポートP0〜P8を有している。
【0046】
また、図8には、フルメッシュでコネクションを張ることができる通常のHub71b,71cが示してある。図8に示す丸(ポートP0〜P8は除く)もHubを示している。また、図8には、経路71dおよび経路71eが示してある。経路71dは、デマンドD21に対する経路、経路71eは、デマンドD22に対する経路とする。また、図8には、Hub71bとポートP4に接続されているHubとを結ぶ経路71fが示してある。
【0047】
デマンドD21,D22のペナルティ制限は、10であるとする。また、デマンドD21の経路71eのペナルティは、経路算出部62の経路算出結果により、4であったとする。また、デマンドD22の経路71dのペナルティは、7であったとする。この場合、デマンドD21のペナルティ余裕は、10−4より6となる。また、デマンドD22のペナルティ余裕は、10−7より3となる。
【0048】
すなわち、ペナルティ制限は、デマンド経路に許されるペナルティ値を示している。ペナルティ余裕は、デマンド経路のペナルティのペナルティ制限に対する余裕値を示している。
【0049】
コネクションマトリクスは、A−Hubを通過するデマンドのペナルティ余裕を示す情報である。コネクションマトリクス生成部64は、経路算出部62によって経路算出が行われた後、光ネットワークを形成しているA−Hubの1つに着目する。コネクションマトリクス生成部64は、着目したA−Hubのコネクションごとに、A−Hubを通過するデマンドのペナルティ余裕を算出し、コネクションマトリクスTB65に記憶する。
【0050】
コネクションマトリクス生成部64は、A−Hubのコネクションに、複数のデマンドの経路が通過する場合には、最も小さいペナルティ余裕をコネクションマトリクスTB65に記憶する。コネクションマトリクス生成部64は、光ネットワークを形成している全てのA−Hubにおいてペナルティ余裕を算出し、コネクションマトリクスTB65に記憶する。
【0051】
図9は、コネクションマトリクスTBのデータ構成例を示した図である。図9に示すように、コネクションマトリクスTB65は、縦方向および横方向にポートの欄を有している。縦方向のポートと横方向のポートは、その2つのポートでA−Hubのコネクションを示す。
【0052】
例えば、図9のコネクションマトリクスTB65は、図8のA−Hub71aのコネクションマトリクスを示しているとする。図9の縦方向のポートP5と横方向のポートP1は、図8のA−Hub71aのポートP1−P5のコネクションを示す。
【0053】
横方向のポートと縦方向のポートとの交わる欄には、そのコネクションを通過しているデマンドのペナルティ余裕が記憶される。コネクションに複数のデマンドが通過している場合には、最小のペナルティ余裕が記憶される。
【0054】
例えば、図8の例の場合、ポートP1−P5のコネクションに、デマンドD21,D22の経路71d,71eが通過している。デマンドD21,D22のそれぞれのペナルティ余裕は、上記より6,3である。従って、図9に示すように、縦方向のポートP5と横方向のポートP1の欄には、ペナルティ余裕の最も小さい3が記憶される。
【0055】
また、コネクションマトリクスTB65には、コネクションを通過しているデマンドの共通経路端のHub情報が記憶される。
例えば、図8では、ポートP1−P5のコネクションに、デマンドD21,D22の経路71d,71eが通過している。経路71d,71eの共通経路端のHubは、Hub71b,71cである。Hub71b,71cの識別子を、例えば、S,Tとすると、コネクションマトリクスTB65の縦方向のポートP5と横方向のポートP1との交わる欄には、図9に示すようにS,Tが記憶される。なお、コネクションを通過しているデマンドの経路が1つの場合、その共通経路端は、デマンドの始点と終点のHubとなる。
【0056】
以上より、コネクションマトリクスTB65は、経路算出部62によって算出されたデマンド経路のペナルティ制限に対する余裕値を示し、A−Hubのコネクションを通過しているデマンド経路を迂回経路に迂回させる場合の、迂回経路で許すことのできるペナルティの最大値を示している。
【0057】
例えば、経路算出部62が光ネットワークの経路算出を行ったとする。その結果、図8に示すように、デマンドD21,D22の経路として、経路71d,71eが算出され、かつ、A−Hub71aのポートP1がコネクション制限違反であったとする。この場合、ポートP1のコネクション違反は、例えば、ポートP1−P5のコネクションを通過しているデマンドD21,D22の経路71d,71eを、経路71fによってポートP4に迂回させ(ポートP1をポートP4に置換させ)、ポートP4−P5にコネクションを張ることによって回避できる。
【0058】
ここで、ポートP1−P5のコネクションを通過していたデマンドD21,D22のペナルティ余裕は、コネクションマトリクスTB65を参照することにより、最大3であることが分かる。これにより、迂回経路で許されるペナルティは、最大3であることが分かる。
【0059】
従って、経路71fのペナルティが3以下であれば、デマンドD21,D22の経路71d,71eを、経路71fおよびポートP4−P5に迂回させることができる。つまり、デマンドD21,D22の経路71d,71eを経路71fに迂回させても、経路71d,71eのペナルティ制限は守られる。
【0060】
図7の説明に戻る。ポートマトリクス生成部66は、トポロジ情報記憶部61および経路情報記憶部63を参照してポートマトリクスを生成し、ポートマトリクスTB67に記憶する。ポートマトリクス生成部66は、光ネットワークに含まれている全てのA−Hubにおいてポートマトリクスを生成し、ポートマトリクスTB67に記憶する。
【0061】
ポートマトリクスTB67について説明する。その前に、A−Hubのポートの置換ポートについて説明する。
ポートマトリクス生成部66は、経路算出部62によって経路算出が行われた後、光ネットワークを形成しているA−Hubの1つに着目する。ポートマトリクス生成部66は、着目したA−Hubの各ポートにおいて、置換ポートを算出する。置換ポートとは、A−Hubを通過する経路のポートを、そのA−Hubの別のポートに置き換えることができるポートをいう。ポートマトリクス生成部66は、例えば、図1の追加算出部3および情報生成部4に対応する。
【0062】
図10は、置換ポートを説明する図である。図10には、光ネットワークを形成しているA−Hub72aが示してある。A−Hub72aは、ポートP0〜P8を有している。
【0063】
また、図10には、Hub72b,72c,72e,72gが示してある。また、図10には、A−Hub72d,72fが示してある。A−Hub72d,72fの識別子は、例えば、それぞれX,Yとする。
【0064】
置換ポートを見つけるには、まず、着目しているA−Hubに最も近いHubに着目する。例えば、図10の場合、A−Hub72aに着目したとすると、Hub72b,72c,72e,72g、A−Hub72d,72f、ポートP6に接続されているHub、およびポートP7,P8に接続されているHubに着目する。
【0065】
次いで、着目したHubの間を結ぶ経路が存在するか探索する。経路探索は、例えば、ダイクストラ法などの最短経路探索法を用いる。図10の例の場合、例えば、Hub72b,72c間に経路が存在する。また、A−Hub72dを介して、Hub72c,72e間に経路が存在する。また、A−Hub72fを介して、Hub72e,72g間に経路が存在する。
【0066】
着目したHubにそれらを結ぶ経路が存在する場合、着目したHubと接続されているA−Hubのポートは、互いに置換ポートとなる。図10の例では、例えば、A−Hub72aのポートP1を、A−Hub72aの別のポートに置き換えることができるポートは、ポートP0,P4,P5となる。すなわち、ポートP1の置換ポートは、ポートP0,P4,P5となる。
【0067】
A−Hubのあるポートに置換ポートが存在するということは、ポート間に迂回経路が存在することを意味する。例えば、図10において、ポートP1の置換ポートは、ポートP0,P4,P5であるので、ポートP1−P0、ポートP1−P4、およびポートP1−P5には迂回経路が存在している。
【0068】
これにより、A−Hubのポートにコネクション制限違反が生じた場合、算出したデマンド経路を迂回経路に迂回させ、置換ポートを通過させることにより、コネクション制限違反が生じたポートのコネクション制限違反を解消することができる。
【0069】
例えば、図10において、経路算出部62により、Hub72c、A−Hub72aのポートP1,P5、およびHub72gを通過するデマンド経路が複数算出されたとする。また、ポートP1は、コネクション制限違反であるとする。この場合、例えば、算出された経路の一部を、Hub72c、A−Hub72d、およびHub72eの迂回経路に通過させ、さらに、A−Hub72aのポートP4−P5にコネクションを張ることにより、ポートP0のコネクション制限違反を解消できる。
【0070】
ポートマトリクス生成部66は、次のようにして置換ポートを算出する。ポートマトリクス生成部66は、A−Hub72aの各ポートP0−P8から最も近い(ホップ数の最も小さい)Hubを取得し、取得したHub間で、例えば、ダイクストラ法などの最短経路探索法を実行する。最短経路探索法で経路が見つかれば、そのHubと接続されているポートは、互いに置換ポートとなる。
【0071】
例えば、図10に示すHub72b,72cは、A−Hub72aから最も近いHubである。ポートマトリクス生成部66は、最短経路探索法でHub72b,72c間の最短経路(迂回経路)を算出する。図10の例では、Hub72b,72cは直接接続されており、最短経路が求まる。従って、Hub72bと接続されているポートP0の置換ポートは、ポートP1となる。また、Hub72cと接続されているポートP1の置換ポートは、ポートP0となる。
【0072】
同様に、図10に示すHub72c,72eは、A−Hub72aから最も近いHubである。ポートマトリクス生成部66は、最短経路探索法でHub72c,72e間の最短経路を算出する。図10の例では、Hub72c,72eは、A−Hub72dを介して接続されており、最短経路が求まる。従って、Hub72cと接続されているポートP1の置換ポートは、ポートP4となる。また、Hub72eと接続されているポートP4の置換ポートは、ポートP1となる。
【0073】
また、図10に示すHub72cと、A−Hub72aのポートP2に接続されているHubは、A−Hub72aから最も近いHubである。ポートマトリクス生成部66は、最短経路探索法でHub72cとポートP2に接続されているHub間の最短経路を算出する。図10の例では、Hub72cとポートP2に接続されているHub間には、経路が存在しないため、最短経路は求まらない。従って、ポートP1,P2は、それぞれ置換ポートとならない。
【0074】
図11は、ポートマトリクスTBのデータ構成例を示した図である。図11に示すように、ポートマトリクスTB67は、縦方向および横方向にポートの欄を有している。縦方向のポートは、対象ポートを示し、横方向のポートは、対象ポートの置換ポートを示している。なお、図11のポートマトリクスTB67は、図10に示すA−Hub72aのポートマトリクスTBを示している。
【0075】
対象ポートと置換ポートとの交わる欄には、対象ポートと置換ポートを結ぶ迂回経路のペナルティが記憶される。以下では、迂回経路のペナルティを追加ペナルティと呼ぶこともある。
【0076】
例えば、図10において、A−Hub72aの対象ポートP1と置換ポートP4を結ぶ迂回経路のペナルティは、2である(図10ではHop数で示している)。従って、図11の対象ポートP1と置換ポートP4の交わる欄には、追加ペナルティ2が記憶されている。
【0077】
また、対象ポートと置換ポートとの交わる欄には、対象ポートと置換ポートを結ぶ迂回経路にA−Hubが含まれる場合、そのA−Hubの情報が記憶される。また、迂回経路が通過するA−Hubのポート(コネクション)情報が記憶される。
【0078】
例えば、図10において、A−Hub72aの対象ポートP1と置換ポートP4を結ぶ迂回経路には、A−Hub72dが含まれる。従って、図11の対象ポートP1と置換ポートP4の交わる欄には、A−Hub72dの情報(識別子X)が記憶されている。また、迂回経路は、A−Hub72dのポートP2,P3を通過している。従って、図11の対象ポートP1と置換ポートP4の交わる欄には、ポートP2,P3の情報が記憶されている。
【0079】
ポートマトリクス生成部66は、上述した迂回経路の算出の際に、迂回経路の追加ペナルティを算出する。また、ポートマトリクス生成部66は、上述した迂回経路の算出の際に、追加経路に含まれるA−Hubの情報およびA−Hubのポートの情報を算出する。そして、ポートマトリクス生成部66は、図11に示すようなポートマトリクスTB67を生成する。
【0080】
以上より、ポートマトリクスTB67は、A−Hubを通過しているデマンド経路が通過しているポートを、別のポートに置き換えることができるポート(置換ポート)の情報を記憶している。また、ポートマトリクスTB67は、ポートを置換ポートに置き換えたときの迂回経路に生じるペナルティ(追加ペナルティ)を記憶している。これにより、例えば、ポートP0は、ポートマトリクスTB67を参照することにより、ポートP1,P4,P5のいずれかに置き換えることができることが分かる。また、このポート置き換えを行うには、それぞれ、ペナルティ1,3,5の迂回経路を経由することが分かる。また、ポートP0をポートP5に置き換える場合には、迂回経路に識別子X,YのA−Hub72d,72fが含まれることが分かる。また、A−Hub72dでは、ポートP2,P3を通過することが分かる。A−Hub72fでは、ポートP1−P5を通過することが分かる。
【0081】
図7の説明に戻る。制約条件生成部68は、コネクションマトリクスTB65およびポートマトリクスTB67を参照し、制約条件を生成する。また、制約条件生成部68は、目的関数を生成する。制約条件生成部68は、例えば、図1の制約条件生成部5に対応する。制約条件および目的関数については以下で詳細に説明する。
【0082】
経路算出部69は、制約条件生成部68によって生成された制約条件および目的関数を満たすデマンドの経路を、数理計画法を用いて算出する。経路算出部69は、例えば、図1の経路算出部6に対応する。
【0083】
制約条件について説明する。制約条件生成部68の生成する制約条件は、大きく2つに分けられる。1つ目は、各A−Hubのコネクション制限数に関する制約条件である。2つ目は、迂回経路に関する制約条件である。
【0084】
2つ目の迂回経路に関する制約条件は、次の制約観点A,Bに基づき生成される。
[制約観点A]ポート(デマンド経路が通過しているA−Hubのポート)を迂回することにより生じる追加ペナルティを考慮しても、デマンド経路のペナルティがペナルティ制限を越えない。
【0085】
制約観点Aは、あるデマンド経路を迂回経路に迂回させる場合(あるデマンドの経路が通過しているA−Hubのポートを置換ポートに置換させる場合)、迂回経路もペナルティ制限を満たすようにするという観点から制約条件を生成することを示している。
【0086】
[制約観点B]現在着目している迂回経路にA−Hubが含まれる場合には、このA−Hubで使用されるコネクションを使用する。
図11で説明したように、ポートコネクションTB67の迂回経路にA−Hubが含まれる場合の追加ペナルティは、最短経路探索法によって求められたA−Hubのコネクションを通過した場合の値である。よって、ポートコネクションTB67に記憶されているA−Hubのコネクションを通過しない場合、迂回経路の追加ペナルティが異なる場合が生じる。制約観点Bは、迂回経路にA−Hubが含まれる場合、そのA−Hubで使用されるコネクションを使用するという観点から制約条件を生成することを示している。
【0087】
以下、制約条件について具体的に説明する。制約条件生成部68は、光ネットワークを形成しているA−Hubの1つに着目する。制約条件生成部68は、着目したA−Hub内のコネクション候補となる変数SAhub(x,y)を生成する。x,yは、着目しているA−Hub内のポートを示し、x≠yである。
【0088】
変数SAhub(x,y)は、0または1の値をとり、経路算出部69によって0,1が求まる。1は、例えば、ポートx,y間のコネクションが採用されたことを示し、0は、ポートx,y間のコネクションが採用されなかったことを示す。SAhub(x,y)のAhubは、A−Hub名を示し、どのA−Hubの変数であるかを示す。
【0089】
図12は、変数を説明する図である。図12に示すA−Hub73の変数SAhub(x,y)は、経路算出部69によって以下のように求まったとする。
SAhub(P0,P1)=1
SAhub(P0,P2)=1
SAhub(P0,P7)=1
SAhub(P5,P7)=1
SAhub(P2,P7)=1
SAhub(P0,P3)=0
SAhub(P0,P4)=0
SAhub(P0,P6)=0
SAhub(P6,P7)=0
SAhub(P3,P7)=0
この場合、A−Hub73は、図12に示すように、コネクションが張られることになる。
【0090】
制約条件生成部68は、算出しようとするデマンドの経路が、A−Hubにてコネクション制限数を満たすための制約条件(1つ目の制約条件)を生成する。すなわち、制約条件生成部68は、経路算出部69により、コネクション制限数を満たすようにトラフィックパスが採用されるための制約条件を生成する。コネクション制限数を満たすための制約条件は、次の式(1)で示される。
【0091】
【数1】
【0092】
式(1)のコネクション制限数Lkは、トポロジ情報に含まれており、例えば、オペレータによって入力される。
式(1)の左辺は、変数SAhub(x,k)の全加算値を示している。変数SAhub(x,k)は、上記したように0,1の値をとる。従って、式(1)は、その左辺がLk以下になるようにするということは、A−Hubがコネクション制限数Lkを満たすように、コネクションを張るということを示している。
【0093】
例えば、式(1)のLkが5の場合、図12のA−Hubのコネクションは、式(1)の制約条件を満たしていることになる(上記のSAhub(P0,P1)〜SAhub(P3,P7)を加算すると1となる)。
【0094】
制約条件生成部68は、迂回経路に関する制約条件(2つ目の制約条件)を生成する。まず、制約観点Aに基づく制約条件の生成について説明する。制約条件生成部68は、あるデマンドの経路を迂回させる場合、制約観点Aに基づき、迂回する経路もペナルティ制限を満たすようにするための制約条件を生成する。制約条件生成部68は、コネクションマトリクスTB65およびポートマトリクスTB67を参照して、制約観点Aの制約条件を生成する。
【0095】
制約観点Aに基づく制約条件は、次の式(2)で示される。なお、式(2)では、変数SAhub(x,y)のAhubを省略している。
【0096】
【数2】
【0097】
式(2)のAk,Alは、ポートの代替可能候補集合を示す。ポートの代替可能候補集合とは、経路を置換ポートにより迂回させたとき、迂回経路がペナルティ制限を満たす置換ポートの集合をいう。例えば、図11において、ポートP1の置換ポートは、ポートP0,P4,P5となる。経路のペナルティ余裕が3である場合、ポートP5は、迂回経路の候補となりえない。よって、この場合、ポートP1の代替可能候補集合は、ポートP0,P4となる。
【0098】
式(2)の左辺の第1項は、元コネクション(経路算出部62で求まったコネクション)を示している。第2項は、元コネクションの一方のポートを、代替可能候補集合のポートに置き換えた代替コネクションの集合を示している。第3項は、元コネクションの他方のポートを、代替可能候補集合のポートに置き換えた代替コネクションの集合を示している。
【0099】
式(2)は、左辺の値が1以上になるようにコネクションを求めるよう制約していることを示している。すなわち、式(2)は、着目しているA−Hubにおいて、少なくとも、元コネクションか、元コネクションの一方のポートを代替可能候補集合のポートに置き換えたコネクション集合のいずれかのコネクションか、または元コネクションの他方のポートを代替可能候補集合のポートに置き換えたコネクション集合のいずれかのコネクションかが選ばれるように制約している。
【0100】
図13は、制約観点Aに基づく制約条件を説明する図である。図13において図10と同じものには同じ符号を付し、その説明を省略する。
経路算出部62によって、あるデマンドの経路74a,74bが求まったとする。Hub72c,72gの識別子は、S,Tとする。ペナルティ制限は10とし、経路74a,74bのペナルティはそれぞれ7,4であったとする。この場合、図13のA−Hub72aのコネクションマトリクスTB65は、図9に示すようになる。また、図13のA−Hub72aのポートマトリクスTB67は、図11に示すようになる。
【0101】
制約条件生成部68は、ポートP1−P5のコネクションの迂回経路の1つとして、ポートマトリクスTB67を参照し、ポートP4を取得する。また、制約条件生成部68は、ポートマトリクスTB67を参照し、ポートP1−P4の追加ペナルティ2を取得する。
【0102】
制約条件生成部68は、コネクションマトリクスTB65を参照して、ポートP1−P5を通過する経路のペナルティ余裕3を取得する。追加ペナルティ2は、ペナルティ余裕3より小さいので、制約条件生成部68は、ポートP4を代替可能候補集合Akとする。
【0103】
制約条件生成部68は、上記と同様にして、ポートP1の代替候補となり得るポートを、ポートマトリクスTB67を参照して取得する。上記例の場合、ポートP0は、ポートP1の代替候補となり、ポートP5は、ポートP1の代替候補となりえない。
【0104】
すなわち、制約条件生成部68は、ポートP1の置換ポートを取得し、コネクションマトリクスTB65およびポートマトリクスTB67を参照し、取得した置換ポートにおける迂回経路がペナルティ制限を満たすか否か判断する。制約条件生成部68は、置換ポートの迂回経路がペナルティ制限を満たせば、その置換ポートを代替可能候補集合Akとする。同様に、制約条件生成部68は、ポートP5の代替可能候補集合Alを算出する。
【0105】
制約条件生成部68は、上記のようにして代替可能候補集合Ak,Alを算出し、式(2)に示す制約条件を生成する。なお、上記では、制約条件生成部68は、ポートマトリクスTB67を参照して置換ポートを取得し、次いでコネクションマトリクスTB65を参照して代替可能候補集合を求めたが、算出順番は逆でもよい。例えば、制約条件生成部68は、コネクションマトリクスTB65を参照してペナルティ余裕を取得し、次いでポートマトリクスTB67を参照して代替可能候補集合を求めてもよい。
【0106】
次に、制約観点Bに基づく制約条件の生成について説明する。制約条件生成部68は、迂回経路にA−Hubが含まれる場合、さらに、制約観点Bに基づき制約条件を生成する。例えば、図13の例の場合、Hub72c,72eを結ぶ迂回経路には、A−Hub72dが含まれる。そして、A−Hub72dでは、迂回経路はポートP2−P3のコネクションを通過する。従って、この場合、制約条件生成部68は、A−Hub72dを通過する迂回経路が採用される場合、A−Hub72dのポートP2−P3を通過するように制約条件を生成する。
【0107】
図14は、制約観点Bに基づく制約条件を説明する図である。図14には、光ネットワークを形成しているA−Hub75a〜75cが示してある。A−Hub75a〜75cのそれぞれは、ポートP0〜P8を有している。経路75eは、経路75dの迂回経路を示し、経路75eの通過するA−Hub75bでは、ポートP0−P4にコネクションが張られ、A−Hub75cでは、ポートP1−P8にコネクションが張られるものとする。
【0108】
図14において、経路75dの迂回経路として経路75eが採用候補となる場合、経路75eは、A−Hub75bのポートP0−P4を通過し、A−Hub75cのポートP1−P8を通過する必要がある。経路75eは、図10で説明したように、ダイクストラ法などの最短経路探索法によって算出され、通過するA−Hub75b,75cの情報と、そのコネクションの情報とがポートマトリクスTB67に記憶され、そのコネクションを通過した場合における追加ペナルティがポートマトリクスTB67に記憶されているからである。
【0109】
制約条件生成部68は、ポートマトリクスTB67を参照し、制約観点Bに基づく制約条件を生成する。制約条件生成部68は、上記したように、迂回経路にA−Hubが含まれる場合、ポートマトリクスTB67に記憶されているコネクションを通過する制約条件を生成する。
【0110】
例えば、制約条件生成部68は、図14の例の場合、次の式(3)に示す制約条件を生成する。
【0111】
【数3】
【0112】
式(3)の変数Sに示すA−Hub1,A−Hub2,A−Hub3は、それぞれの変数Sが図14のA−Hub75a〜75cにおける変数であることを示している。
式(3)の第1項の変数Sは、図14のA−Hub75aのポートP2−P5のコネクションの変数を示している。第1項の変数Sに乗算されている値2は、経路75eの迂回経路に含まれるA−Hubの数を示している。仮に経路75eの迂回経路にA−Hubが3つ含まれている場合には、第1項の変数Sには、3が乗算される。
【0113】
式(3)の第2項の変数Sは、図14のA−Hub75bのポートP0−P4のコネクションの変数を示している。式(3)の第3項の変数Sは、図14のA−Hub75cのポートP1−P8のコネクションの変数を示している。
【0114】
式(3)は、式(3)の左辺の値が0以下であることを制約条件としている。これは、A−Hub75aのポートP2−P5のコネクションが採用されるならば、A−Hub75bのポートP0−P4のコネクションが採用され、かつ、A−Hub75cのポートP1−P8のコネクションが採用されることを示している。
【0115】
例えば、A−Hub75aのポートP2−P5のコネクションが採用されるならば、式(3)のSA-Hub1(P2,P5)は1となる。この場合、式(3)を満たすには、式(3)の第2項、第3項が1とならなければならい。すなわち、第2項、第3項は、次の関係を満たさなければならない。
【0116】
SA-Hub2(P0,P4)=1
SA-Hub3(P1,P8)=1
これは、A−Hub75b(A−Hub2)のP0−P4のコネクションが採用され、A−Hub75c(A−Hub3)のポートP1−P8のコネクションが採用されることを示している。
【0117】
制約条件生成部68は、A−Hubを含む迂回経路に対して、上記と同様にして制約観点Bに基づく制約条件を生成する。
目的関数について説明する。制約条件生成部68は、目的関数を生成する。目的関数は、例えば、次の式(4)で示される。
【0118】
【数4】
【0119】
式(4)は、光ネットワーク内の全てのコネクション候補となる変数Sに重み付けCAhub,x,yを付加し、それを加算したことを示している。式(4)では、目的関数を「Maximize」として指定しているが、場合によっては、「Minimize」を指定することもできる。例えば、A−Hubにおける使用コネクション数を最小に抑えたいという場合、「Minimize」を指定することができる。なお、式(4)のCAhub,x,yのAhubは、A−Hub名を示し、どのA−Hubの重み付けであるかを示す。
【0120】
式(4)の各変数Sに対する重み付けの配分次第で、経路算出部69は、様々な経路結果を得ることができる。式(5)は、重み付けの一例を示している。なお、式(5)では、CAhub,x,yのAhubを省略している。
【0121】
【数5】
【0122】
式(5)のDx,yは、最初の仮設計(経路算出部62による経路算出)における、A−Hubの各コネクションに属しているデマンド経路の本数を示している。このパラメータを目的関数に導入することで、経路算出部69は、デマンド経路の本数が多いA−Hubのコネクションについては、なるべく現状を維持するように(デマンド経路が迂回しないように)経路算出する。
【0123】
Rx,yは、最初の仮設計で存在していたコネクションであるか否かを示すフラグである。このパラメータを目的関数に導入することで、経路算出部69は、最初の仮設計で採用されたコネクションをなるべく優先的に採用するよう設計する。
【0124】
式(5)のαx,yは、最初の仮設計で全く使用されていなかったコネクションに対する値である。このパラメータを目的関数に導入することで、経路算出部69は、最初の仮設計で使用されていないコネクションもある優先度で採用できるようにすることができる。
【0125】
HDx,yは、最初の仮設計において複数のA−Hubを通過するデマンド経路がある場合、このA−Hub間の経路を優先的に採用するためのパラメータである。このパラメータを目的関数に導入することで、経路算出部69は、最初の仮設計において設計された複数のA−Hub間を通過する経路において、優先的に採用できるようにすることができる。
【0126】
図15は、複数のA−Hubを通過する経路を優先的に採用する目的関数を説明する図である。図15には、光ネットワークを形成しているA−Hub76a,76bが示してある。経路76cは、経路算出部62によって算出された経路を示している。
【0127】
最初の仮設計で算出された経路76cは、A−Hub76a,76bを通過している。この場合、制約条件生成部68は、A−Hub76a,76b間の経路については、経路算出部69によって優先的に採用されるようにHDx,Yを調整する。
【0128】
例えば、制約条件生成部68は、A−Hub76aのポートP5に属するコネクションのHDx,Yと、A−Hub76bのポートP0に属するコネクションのHDx,yについては、2を設定する。その他のコネクションについては、HDx,yについては、1を設定する。この場合、経路算出部69は、A−Hub76aのポートP5と、A−Hub76bのポートP0との間の経路が優先的に採用されるように経路設計を行う。
【0129】
なお、上記の目的関数の設定は一例であり、上記に限るものではない。
図16は、光ネットワーク設計装置の処理動作を示したフローチャートである。
[ステップS1a,S1b]経路算出部62は、オペレータから要求のあったデマンドの数分、ステップS2の処理を行う。
【0130】
[ステップS2]経路算出部62は、トポロジ情報記憶部61を参照し、オペレータから要求のあったデマンドの経路探索を行う。経路算出部62は、コネクション制限を考慮せずにデマンドの経路探索を行う。経路算出部62は、算出したデマンド経路の結果を経路情報記憶部63に記憶する。
【0131】
[ステップS3]経路算出部62は、算出したデマンドの経路が通過するA−Hubにおいて、コネクション制限違反があったか否か判断する。経路算出部62は、コネクション制限違反がない場合、処理を終了する。すなわち、オペレータの要求するデマンド経路が求まったので、経路算出部62は処理を終了する。経路算出部62は、コネクション制限違反がある場合、ステップS4aへ進む。
【0132】
[ステップS4a,S4b]コネクションマトリクス生成部64およびポートマトリクス生成部66は、コネクション制限違反のあったA−Hubのそれぞれにおいて、以下のステップS5〜S7の処理を行う。
【0133】
[ステップS5]コネクションマトリクス生成部64は、トポロジ情報記憶部61および経路情報記憶部63を参照してコネクションマトリクスを生成し、コネクションマトリクスTB65に記憶する。
【0134】
[ステップS6a,6b]ポートマトリクス生成部66は、A−Hubの各ポート間において、以下のステップS7の処理を行う。なお、この処理は、A−Hubのポート数をPとすると、1/2*P(P−1)回繰り返すことになる。
【0135】
[ステップS7]ポートマトリクス生成部66は、トポロジ情報記憶部61および経路情報記憶部63を参照してポートマトリクスを生成し、ポートマトリクスTB67に記憶する。
【0136】
[ステップS8]制約条件生成部68は、コネクションマトリクスTB65およびポートマトリクスTB67を参照し、数理計画モデルを生成する。すなわち、制約条件生成部68は、制約条件と目的関数を生成する。
【0137】
[ステップS9]経路算出部69は、制約条件生成部68によって生成された数理計画モデルに基づき、数理計画法によって経路を算出する。
上記で説明した経路算出(数理計画法による経路算出)の計算量について説明する。経路探索法には、上記の方法以外に、例えば、A−Hubのコネクション制限を考慮せずに経路算出し、算出した経路のコネクション制限違反を判断し、違反したA−Hubにて削除コネクションを選定して削除し、再度経路算出を行う方法がある。以下では、この削除コネクションを選定して経路算出を行う方法と、上記の数理計画法による経路算出法の計算量について説明する。
【0138】
削除コネクションを選定して経路算出を行う方法での計算量は、次の式(6)で示される。
【0139】
【数6】
【0140】
Nは、光ネットワーク内のA−Hubの総数を示す。Cnewは、削除コネクションの数を示す。DC_newは、削除コネクションに属しているデマンド経路の本数を示している。
ここで、上記の数理計画法による経路算出法の計算量との比較を行うために、Cnewの演算量をA−Hubのポート数で置き換えることを考える。
【0141】
まず、削除コネクション数は、最も多い場合を考えると、Cnew=フルメッシュコネクション組合数−設定可能コネクション数で示される。ポートのコネクション制限数を4とすると、削除コネクション数は、次の式(7)で示される。
【0142】
【数7】
【0143】
Pは、A−Hubのポート数を示す。すなわち、削除コネクション数Cnewは、ポート数の2乗に比例すると考えることができる。
従って、削除コネクションを選定して経路算出する方法の計算量は、式(6),(7)より式(8)に示すようになる。
【0144】
【数8】
【0145】
一方、上記の数理計画法による経路算出法の計算量は、図16のステップ6a,6bで説明したように、1つのA−Hubでは、1/2*P(P−1)で示される。従って、A−HubがN個ある場合には、その計算量は次の式(9)で示すことができる。
【0146】
【数9】
【0147】
式(8)と式(9)を比較すると、削除コネクションを選定して経路算出を行う方法では、光ネットワーク内のデマンドの数に依存することが分かる。従って、上記の数理計画法による経路算出法の方が、計算量が少なく、経路算出時間を短縮できる。
【0148】
なお、A−Hubのコネクション制限を考慮せずに経路算出する部分においては、両者とも計算量は同じである。また、削除コネクションを選定して経路算出を行う方法に対し、上記の数理計画法による経路算出法では、数理計画法を用いた処理が加わる。数理計画法部分の計算量については、光ネットワーク上に3つのA−Hub(実際の光ネットワークに存在し得ると考えられる数)が存在する場合について計算したところ、0.1s程度であり、十分微小と考えられる。
【0149】
図17は、削除コネクションを選定して経路算出を行う方法の経路算出イメージを示した図である。図17には、光ネットワークが示してある。削除コネクションを選定して経路算出を行う方法では、図17に示すように、A−Hub77a,77b,77c,…と1つずつ逐次的に、コネクション制限違反を解消するようにコネクションを調整する。
【0150】
図18は、数理計画法による経路算出イメージを示した図である。図18には、光ネットワークが示してある。上記で説明した経路算出法では、図18に示すように、光ネットワークを形成しているA−Hub78a〜78eの全てのコネクション制限を解消するための条件(制約条件)を出し、1回の数理計画法で経路を求める。これにより、上記の経路算出法では、ネットワーク全体で最適化された経路を算出することが可能となる。
【0151】
このように、光ネットワーク設計装置10は、コネクション制限数とペナルティ制限とを満たすデマンド経路が採用されるための制約条件を生成する。そして、光ネットワーク設計装置10は、生成した制約条件に基づいて、数理計画法により最終的なデマンド経路を算出するようにした。これにより、光ネットワーク設計装置は、適切な経路結果を得ることができる。例えば、コネクション制限数およびペナルティ制限を満たす経路結果を得ることができる。
【0152】
[第3の実施の形態]
次に、第3の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。第2の実施の形態では、コネクションの片ポートのみを切替えるように制約条件を生成し、経路算出を行った。第3の実施の形態では、コネクションの両ポートを切替えるように制約条件を生成し、経路算出を行う。
【0153】
図19は、第3の実施の形態に係る両ポート制約を説明する図である。図19には、光ネットワークを形成しているA−Hub81aが示してある。A−Hub81aは、ポートP0〜P8を有している。また、図19には、最初の仮設計で算出された経路81bと、その迂回経路を示した経路81c,81dが示してある。
【0154】
最初に仮設計された経路81bは、A−Hub81aのポートP1−P5のコネクションを通過している。第2の実施の形態で説明した片ポート制約は、このポートP1−P5の一方を置換ポートに置き換え、経路81bを経路81c,81dに迂回させる。
【0155】
例えば、図19に示すポートP2−P5のコネクション81eは、ポートP1をポートP2の置換ポートに置き換えている。これにより、経路81bは、経路81cに迂回している。また、図19に示すポートP1−P7のコネクション81fは、ポートP5をポートP7の置換ポートに置き換えている。これにより、経路81bは、経路81dに迂回している。
【0156】
両ポート制約は、最初に仮設計された経路のコネクションのポートの両方を置換ポートに置き換える。
例えば、図19に示す最初に仮設計された経路81bのコネクションのポートP1−P5の両方を、ポートP2,P7に置き換える。すなわち、両ポート制約は、図19に示すポートP2−P7のコネクション81gを張るようにする。
【0157】
なお、第3の実施の形態に係る光ネットワーク設計装置のハードウェア構成および機能ブロックは、図2で示したハードウェア構成例および図7で示した機能ブロックと同様であり、その説明を省略する。ただし、第3の実施の形態に係る光ネットワーク設計装置10では、機能ブロックの制約条件生成部68の機能が一部異なる。第3の実施の形態では、制約条件生成部68は、コネクションの両ポートを代替したコネクションも採用されるように制約条件を生成する。
【0158】
第3の実施の形態に係る制約条件生成部68は、第2の実施の形態と同様に、各A−Hubのコネクション制限数に関する制約条件と、迂回経路に関する制約条件とを生成する。迂回経路に関する制約条件に関しては、制約観点A,Bに基づいて制約条件を生成する。
【0159】
第2の実施の形態では、制約条件生成部68は、あるデマンドの経路を迂回させる場合、制約観点Aに基づき、迂回する経路もペナルティ制限を満たすようにするための制約条件を生成する。第3の実施の形態においても制約条件生成部68は、同様に制約条件を生成するが、コネクションの両ポートを代替したコネクションも採用されるように制約条件を生成する。
【0160】
制約観点Aに基づく制約条件は、次の式(10)で示される。なお、式(10)では、変数SAhub(x,y)のAhubを省略している。
【0161】
【数10】
【0162】
式(10)では、式(2)に対し、左辺に第4項が追加されている。第4項の代替可能候補集合Ak,lは、コネクションの両ポートの置換可能な(経路を迂回させることが可能な)置換ポート集合を示し、式(10)は、コネクションの両ポートを代替可能候補集合Ak,lのポートに置き換えたコネクションも採用されることを示している。制約条件生成部68は、コネクションの両ポートにおいてコネクションマトリクスTB65およびポートマトリクスTB67を参照し、第4項を含む制約条件を生成する。その他の制約条件の生成に関しては第2の実施の形態と同様であるのでその説明を省略する。
【0163】
図20は、光ネットワーク設計装置の処理動作を示したフローチャートである。
図20のステップS1a〜S7は、図16のステップS1a〜S7と同様であり、その説明を省略する。
【0164】
[ステップS21]制約条件生成部68は、コネクションマトリクスTB65およびポートマトリクスTB67を参照し、数理計画モデルを生成する。すなわち、制約条件生成部68は、制約条件と目的関数を生成する。制約条件生成部68は、式(2)に示す片ポート制約の制約条件と、式(10)に示す両ポート制約の制約条件とを生成する。
【0165】
[ステップS22]経路算出部69は、制約条件生成部68によって生成された数理計画モデルに基づき、数理計画法によって経路を算出する。経路算出部69は、片ポート制約により、経路算出を行う。
【0166】
[ステップS23]経路算出部69は、経路算出を算出できたか否か判断する。すなわち、経路算出部69は、経路設計できたか否か判断する。経路算出部69は、経路設計できた場合、処理を終了する。経路算出部69は、経路設計できなかった場合、ステップS24へ進む。
【0167】
[ステップS24]経路算出部69は、制約条件生成部68によって生成された数理計画モデルに基づき、数理計画法によって経路を算出する。経路算出部69は、両ポート制約により、経路算出を行う。
【0168】
このように、光ネットワーク設計装置10は、両ポート制約によっても経路設計することができる。
また、光ネットワーク設計装置10は、片ポート制約によって経路設計できなかった場合に両ポート制約によって経路設計するので、片ポート制約によって経路設計できた場合、経路計算時間を短縮することができる。
【0169】
なお、上記では、光ネットワーク設計装置10は、片ポート制約によって経路設計できなかった場合、両ポート制約による経路設計を行うとしたが、両ポート制約による経路設計のみを行ってもよい。例えば、図20において、ステップS22,23の処理を省略してもよい。
【0170】
[第4の実施の形態]
次に、第4の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。第4の実施の形態では、ポートマトリクスのみを生成して経路算出を行う場合について説明する。第4の実施の形態に係る光ネットワーク設計装置のハードウェア構成は、図2で示したハードウェア構成例と同様であり、その説明を省略する。
【0171】
図21は、第4の実施の形態に係る光ネットワーク設計装置の機能ブロック図である。図21において、図7と同じものには同じ符号を付し、その説明を省略する。
図21に示すように、光ネットワーク設計装置10は、ポートマトリクス生成部91およびポートマトリクスTB92を有している。
【0172】
ポートマトリクス生成部91は、トポロジ情報記憶部61および経路情報記憶部63を参照してポートマトリクスを生成し、ポートマトリクスTB92に記憶する。ポートマトリクス生成部91は、光ネットワークに含まれている全てのA−Hubにおいてポートマトリクスを生成し、ポートマトリクスTB92に記憶する。
【0173】
図22は、ポートマトリクスの生成を説明する図である。図22には、光ネットワークを形成しているA−Hub101a,101d,101eおよびHub101b,101c,101fが示してある。A−Hub101d,101eの識別子をそれぞれX,Yとする。また、図22には、経路102a〜102dが示してある。
【0174】
第2の実施の形態では、着目しているA−Hubに最も近いHubに着目し、その着目したHub間での迂回経路を探索した。第4の実施の形態では、着目しているA−Hubを通過しているデマンド経路の共通経路端のHubに着目し、その着目したHub間で迂回経路を探索する。
【0175】
例えば、図22の例では、経路算出部62によって、経路102a〜102dが算出されたとする。経路102a,102bの共通経路端のHubは、Hub101c,101fである。また、経路102c,102dの共通経路端のHubは、Hub101b,101cである。ポートマトリクス生成部91は、これら共通経路端のHubの情報を取得する。なお、コネクションを通過しているデマンド経路が1つの場合、その共通経路端は、デマンドの始点と終点のHubとなる。
【0176】
ポートマトリクス生成部91は、共通経路端のHubを取得すると、その共通経路端のHub間で迂回経路を探索する。ポートマトリクス生成部91は、着目しているA−Hubにおいて、共通経路端の経路が通過しているコネクションは通過することができないとして迂回経路を探索する。迂回経路の探索は、例えば、ダイクストラ法などの最短経路探索法で行う。
【0177】
例えば、図22において、経路102a,102bの共通経路端のHubは、Hub101c,101fである。また、共通経路端のHub101c,101fの経路が通過しているコネクションは、ポートP1−P5である。よってこの場合、ポートマトリクス生成部91は、A−Hub101aのポートP1−P5のコネクションは通過できないとして、共通経路端のHub101c,101f間の迂回経路をダイクストラ法によって探索する。
【0178】
また、図22において、経路102c,102dの共通経路端のHubは、Hub101b,101cである。また、共通経路端のHub101b,101cの経路が通過しているコネクションは、ポートP0−P1である。よってこの場合、ポートマトリクス生成部91は、A−Hub101aのポートP0−P1のコネクションは通過できないとして、共通経路端のHub101b,101c間の迂回経路をダイクストラ法によって探索する。
【0179】
ポートマトリクス生成部91は、算出した迂回経路によっても、元の経路のペナルティ制限を越えない場合、迂回後のポート情報をポートマトリクスTB92に記憶する。また、ポートマトリクス生成部91は、迂回経路に着目しているA−Hub以外のA−Hubが含まれる場合、そのA−Hubの情報と、そのA−Hubの迂回経路が通過しているコネクションの情報とをポートマトリクスTB92に記憶する。
【0180】
すなわち、ポートマトリクス生成部91は、デマンド経路の共通経路端にて、デマンド経路が通過したコネクションを通過しない、ペナルティ制限を満たす迂回経路を探索し、探索した迂回経路の迂回経路情報を算出してポートマトリクスTB92に記憶する。また、ポートマトリクス生成部91は、探索した迂回経路にA−Hubが含まれる場合、A−Hubに関する情報を算出してポートマトリクスTB92に記憶する。
【0181】
図23は、ポートマトリクスTBのデータ構成例を示した図である。図23に示すように、ポートマトリクスTB92は、対象コネクションの欄および迂回経路の欄を有している。
【0182】
対象コネクションの欄には、迂回経路の対象となるコネクションの情報が記憶される。対象コネクションの欄には、例えば、着目しているA−Hubが有しているポートの全組み合わせが記憶される。
【0183】
迂回経路の欄には、対象コネクションに対する迂回経路の情報が記憶される。例えば、迂回経路の欄には、着目しているA−Hubにおいて、迂回経路が通過するコネクションの情報と、迂回経路にA−Hubが含まれる場合、そのA−Hubの情報と、そのA−Hubの迂回経路が通過しているコネクションの情報が記憶される。
【0184】
例えば、図22の例において、ポートマトリクス生成部91は、A−Hub101aのポートP1−P5のコネクションは通過できないとして、共通経路端のHub101c,101f間の迂回経路を探索する。その結果、ポートマトリクス生成部91は、Hub101c、A−Hub101aのポートP1−P4のコネクション、ポートP4に接続されたHub、A−Hub101e、およびHub101fを通過する迂回経路を得たとする。また、迂回経路が通過したA−Hub101eでは、ポートP1−P5のコネクションに迂回経路が通過したとする。この迂回経路は、ペナルティ制限を越えなかったとする。
【0185】
この場合、ポートマトリクス生成部91は、ポートマトリクスTB92の対象コネクションのポートP1−P5(迂回前に通過していたコネクション)の欄に対応する迂回経路の欄に、迂回後のポートP1−P4の情報を記憶する。また、算出した迂回経路には、A−Hub101a以外のA−Hub101eが含まれているので、ポートマトリクス生成部91は、A−Hub101eの情報(例えば、識別子Y)と、A−Hub101eの迂回経路が通過するコネクションの情報(ポートP1−P5)とをポートマトリクスTB92の迂回経路の欄に記憶する。
【0186】
なお、Hub101c,101f間を結ぶ迂回経路のペナルティがペナルティ制限を越えていた場合は、対象コネクションP1−P5に対応する迂回経路の欄には、迂回経路なしを示す情報が記憶される。
【0187】
また、図22の例において、ポートマトリクス生成部91は、A−Hub101aのポートP0−P1のコネクションは通過できないとして、共通経路端のHub101b,101c間の迂回経路を探索する。その結果、ポートマトリクス生成部91は、Hub101bおよびHub101cを通過する迂回経路を得たとする。この迂回経路は、ペナルティ制限を越えなかったとする。
【0188】
この場合、ポートマトリクス生成部91は、ポートマトリクスTB92の対象コネクションのポートP0−P1(迂回前に通過していたコネクション)の欄に対応する迂回経路の欄に、迂回後の情報を記憶する。上記迂回経路では、A−Hub101aを通過しないので、ポートマトリクス生成部91は、A−Hub通過なしという情報を記憶する。すなわち、ポートマトリクス生成部91は、迂回経路はA−Hub101aを通過しないという情報を記憶する。
【0189】
なお、Hub101b,101c間を結ぶ迂回経路のペナルティがペナルティ制限を越えていた場合は、対象コネクションP0−P1に対応する迂回経路の欄には、迂回経路なしを示す情報が記憶される。
【0190】
図22の例では、ポートP0−P2コネクションに対する迂回経路は存在しない(図22では、ポートP0−P2を通過する共通経路端の図示は省略している)。従って、対象コネクションのP0−P2に対応する迂回経路の欄には、迂回経路なしという情報が記憶される。
【0191】
制約条件生成部68は、第2の実施の形態で説明したのと同様に目的関数を生成する。また、制約条件生成部68は、ポートマトリクスTB92を参照して、第2の実施の形態で説明したのと同様に制約条件を生成する。すなわち、制約条件生成部68は、各A−Hubのコネクション制限数に関する制約条件と、迂回経路に関する制約条件とを生成する。制約条件生成部68は、迂回経路に関する制約条件については、制約観点A,Bに基づいて生成する。
【0192】
例えば、ポートマトリクTB92に図23で示した情報が記憶されているとする。制約条件生成部68は、対象コネクション単位で制約条件を生成する。
・P0−P1の制約条件
経路102c,102dは、A−Hub101aを通過しなくても迂回することができる。従って、例えば、オペレータから着目しているA−Hub101aの迂回許可の設定がされていれば、制約条件生成部68は、制約条件は生成しない。すなわち、変数SA-Hub(P0−P1)は、0でも1でもよい。なお、SA-HubのA−Hubは、A−Hub101aを示している。
【0193】
一方、例えば、オペレータから着目しているA−Hub101aの迂回不許可の設定がされていれば、制約条件生成部68は、次の式(11)に示す制約条件を生成する。
【0194】
【数11】
【0195】
すなわち、制約条件生成部68は、A−Hub101aのポートP0−P1のコネクションが採用されるように制約条件を生成する。
・P0−P2の制約条件
図23のポートマトリクスTB92より、ポートP0−P2のコネクションには、迂回経路が存在しない。従って、制約条件生成部68は、制約観点Aから次の式(12)に示す制約条件を生成する。
【0196】
【数12】
【0197】
すなわち、制約条件生成部68は、A−Hub101aのポートP0−P2のコネクションが採用されるように制約条件を生成する。
・P1−P5の制約条件
図23のポートマトリクスTB92より、ポートP1−P5のコネクションには、迂回経路が存在する。従って、制約条件生成部68は、制約観点Aから次の式(13)に示す制約条件を生成する。
【0198】
【数13】
【0199】
すなわち、制約条件生成部68は、ポートP1−P5のコネクションまたはポートP1−P4のコネクションのどちらかまたは両方が採用されるように制約条件を生成する。
また、ポートP1−P4の迂回経路には、識別子YのA−Hub(図22のA−Hub101e)が含まれる。迂回経路は、このA−Hub101eのポートP1−P5のコネクションを通過しなければならないので、制約条件生成部68は、制約観点Bから次の式(14)に示す制約条件を生成する。
【0200】
【数14】
【0201】
式(14)の左辺第2項のA−HubYは、A−Hub101eを示している。
すなわち、制約条件生成部68は、ポートP1−P4のコネクションが採用されるならば(SA-Hub(P1−P4)=1)、A−Hub101eのポートP1−P5のコネクションが採用される(SA-HubY(P1−P5)=1)ように制約条件を生成する。
【0202】
なお、経路算出部69は、第2の実施の形態で説明したのと同様に、制約条件生成部68が生成した制約条件と目的関数とに基づいて、数理計画法に基づき経路を算出する。
このように、光ネットワーク設計装置10は、コネクション制限数、迂回経路情報(例えば、着目しているA−Hub101aの迂回経路が通過するポート情報)、およびA−Hubの情報(例えば、迂回経路に含まれるA−Hub101eの情報)に基づいて制約条件を生成する。そして、光ネットワーク設計装置10は、生成した制約条件に基づいて、数理計画法により最終的なデマンド経路を算出するようにした。これにより、光ネットワーク設計装置10は、適切な経路結果を得ることができる。例えば、コネクション制限数およびペナルティ制限を満たす経路結果を得ることができる。
【0203】
[第5の実施の形態]
次に、第5の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。第2の実施の形態では、迂回経路に隣接するA−Hub(隣接するA−Hub間にHubが含まれていてもよい)が含まれる場合、そのA−Hub間の経路は固定的である。例えば、図14に示すように、隣接するA−Hub75b,75c間の経路は固定的である。第5の実施の形態では、迂回経路に含まれる隣接するA−Hub間の代替経路を、例えば、ダイクストラ法などの最短経路探索法によって探索し、その代替経路も迂回経路として採用されるようにする。
【0204】
第5の実施の形態に係る光ネットワーク設計装置のハードウェア構成および機能ブロックは、図2で示したハードウェア構成例および図7で示した機能ブロックと同様であり、その説明を省略する。ただし、第5の実施の形態では、機能ブロックの制約条件生成部68の機能が一部異なる。
【0205】
図24は、第5の実施の形態に係る代替経路を説明する図である。図24には、光ネットワークを形成しているA−Hub111a,111bが示してある。A−Hub111a,111bは、ポートP0〜P8を有している。図24に示す丸は(ポートP0〜P8は除く)、Hubを示している。A−Hub111a,111bの識別子は、それぞれX,Yとする。
【0206】
経路111eは、ポートマトリクス生成部66によって算出された迂回経路を示している。経路111eに含まれるA−Hub111a,111bの情報(識別子X,Y)およびコネクションの情報(ポートP0−P4、ポートP1−P4)は、ポートマトリクスTB67に記憶されている。A−Hub111a,111bは、その間に2つのHubが含まれているがA−Hubを含んでいないので隣接するA−Hubである。
【0207】
制約条件生成部68は、経路111e上において、隣接するA−Hub111a,111bの最も近いHub111c,111d間で代替経路を算出する。例えば、制約条件生成部68は、ダイクストラ法などの最短経路探索法によってHub111c,111d間の代替経路を算出する。ここでは、図24に示すように、代替経路として経路111fが算出されたとする。
【0208】
制約条件生成部68は、算出した代替経路のペナルティがペナルティ制限を満たす場合、迂回経路と代替経路の一方が採用されるように制約条件を生成する。制約条件は、制約観点Bに基づいて生成される。
【0209】
図24の例の場合、制約条件生成部68は、次の式(15)〜(17)に示す制約条件を生成する。
【0210】
【数15】
【0211】
式(15)の変数SS(AHX_P0P4,AHY_P1P4)は、A−Hub111aのポートP0−P4と、A−Hub111bのポートP1−P4とを通過する経路を示す。従って、例えば、変数SS(AHX_P0P4,AHY_P1P4)の値が1の場合、A−Hub111aのポートP0−P4と、A−Hub111bのポートP1−P4とを通過する経路が採用されたことを示す。また、変数SS(AHX_P0P4,AHY_P1P4)の値が0の場合、A−Hub111aのポートP0−P4とA−Hub111bのポートP1−P4とを通過する経路が採用されなかったことを示す。
【0212】
なお、変数SS(AHX_P0P4,AHY_P1P4)のAHXは、図24のA−Hub111a(識別子X)を示し、AHYは、A−Hub111b(識別子Y)を示す。また、式(15)の変数SA-HubX,SA-HubYのA−HubX,A−HubYは、図24のA−Hub111a,111bを示す。
【0213】
式(15)は、式(15)の左辺の値が0以下であることを制約条件としている。これは、図24のA−Hub111aのポートP0−P4とA−Hub111bのポートP1−P4とを通過する経路が採用されるならば、A−Hub111aのポートP0−P4のコネクションとA−Hub111bのポートP1−P4のコネクションとが採用されることを示している。
【0214】
式(16)の変数SS(AHX_P0P5,AHY_P0P4)は、A−Hub111aのポートP0−P5と、A−Hub111bのポートP0−P4とを通過する経路を示す。式(16)は、図24のA−Hub111aのポートP0−P5とA−Hub111bのポートP0−P4とを通過する経路が採用されるならば、A−Hub111aのポートP0−P5のコネクションとA−Hub111bのポートP0−P4のコネクションとが採用されることを示している。
【0215】
式(17)は、変数SS(AHX_P0P4,AHY_P1P4)の経路と変数SS(AHX_P0P5,AHY_P0P4)の経路の少なくとも一方が採用されることを示している。すなわち、図24に示す経路111eか経路111fの少なくとも一方が採用されることを示している。
【0216】
このように、迂回経路の代替経路を採用することも可能である。これにより、経路設計できる可能性を高めることができる。
以下、上記実施の形態で説明した数理計画法による経路算出の効果の一例について説明する。
【0217】
図25は、最短経路探索法によって経路算出する光ネットワークの例を示した図である。図25に示すアルファベットは、Hubの識別子を示している。図25のB,C,G,Hは、A−Hubである。図25中の数字は、ペナルティを示している。
【0218】
図26は、デマンドを示した図である。図25の経路探索は、図26のデマンドに対して、経路探索を行ったものとする。
図25の光ネットワークにおいて、コネクション制限違反を考慮せずに、ダイクストラ法などの最短経路探索法によって経路探索を行うと、図25の黒丸に示すように、A−HubB,C,G,Hにて、コネクション制限違反が生じる。なお、図25では、コネクション制限数を4としている。
【0219】
図27は、数理計画法によって経路算出する光ネットワークの例を示した図である。図27の光ネットワークは、図25の光ネットワークと同様であり、その説明を省略する。
図28は、数理計画法によって経路算出した結果を示した図である。図28には、図27の光ネットワークにおいて、コネクション制限数を4とし、ペナルティ制限を24とした場合の経路探索結果が示してある。図27の光ネットワークにおいて、コネクション制限違反を考慮し、制約条件を生成して数理計画法によって経路算出を行うと、図28に示すように経路が求まる。
【0220】
このように、上記で説明した数理計画法によって経路算出を行うと、コネクション制限数を満たすように適切な経路結果を得ることができる。また、ペナルティ制限を満たすように適切な経路結果を得ることができる。さらに、削除コネクションを選定して経路算出を行う方法に対し、経路算出時間を短縮することができる。
【0221】
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、光ネットワーク設計装置が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記憶装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリなどがある。磁気記憶装置には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープなどがある。光ディスクには、DVD、DVD−RAM、CD−ROM/RWなどがある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disk)などがある。
【0222】
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROMなどの可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0223】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、ネットワークを介して接続されたサーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
【0224】
また、上記の処理機能の少なくとも一部を、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)などの電子回路で実現することもできる。
【0225】
以上の実施の形態に開示された技術には、以下の付記に示す技術が含まれる。
(付記1) 複数のポートを備えるとともに該ポート間のコネクション数が制限されている非対称光ハブを有する光ネットワークの経路設計を行う光ネットワーク設計装置において、
前記非対称光ハブのコネクション制限数に依存せずに前記光ネットワークにおけるトラフィックパスを仮設計する第1の経路算出部と、
前記第1の経路算出部によって仮設計された前記トラフィックパスにおけるペナルティ制限に対するペナルティ余裕を算出する余裕算出部と、
前記非対称光ハブごとにおいて、ポートを置換ポートに置換したときの迂回経路で生じる追加ペナルティを算出する追加算出部と、
前記迂回経路に前記非対称光ハブが含まれる場合、前記迂回経路に含まれている前記非対称光ハブに関する非対称光ハブ情報を生成する情報生成部と、
前記コネクション制限数、前記余裕算出部によって算出された前記ペナルティ余裕、前記追加算出部によって算出された前記追加ペナルティ、および前記情報生成部によって生成された前記非対称光ハブ情報に基づいて、前記コネクション制限数と前記ペナルティ制限とを満たす前記トラフィックパスが採用されるための制約条件を生成する制約条件生成部と、
前記制約条件生成部によって生成された前記制約条件に基づいて、数理計画法により前記トラフィックパスを算出する第2の経路算出部と、
を有することを特徴とする光ネットワーク設計装置。
【0226】
(付記2) 前記制約条件生成部は、
前記コネクション制限数に基づいて、前記コネクション制限数を満たすように前記トラフィックパスが採用されるための第1の制約条件と、
前記余裕算出部によって算出された前記ペナルティ余裕および前記追加算出部によって算出された前記追加ペナルティに基づいて、前記トラフィックパスの通過する前記ポートを前記置換ポートに置換しても前記ペナルティ制限を満たす前記トラフィックパスが採用されるための第2の制約条件と、
前記ポートを前記置換ポートに置換したときの前記迂回経路に前記非対称光ハブが含まれる場合、前記情報生成部によって生成された前記非対称光ハブ情報に基づいて、前記迂回経路に含まれる前記非対称光ハブの所定のコネクションを通過する前記トラフィックパスが採用されるための第3の制約条件と、
を生成することを特徴とする付記1記載の光ネットワーク設計装置。
【0227】
(付記3) 前記制約条件生成部は、前記非対称光ハブのコネクションの片ポートを前記置換ポートに置換した前記トラフィックパスが採用されるための前記制約条件を生成することを特徴とする付記1記載の光ネットワーク設計装置。
【0228】
(付記4) 前記制約条件生成部は、前記非対称光ハブのコネクションの両ポートを前記置換ポートに置換した前記トラフィックパスが採用されるための前記制約条件を生成することを特徴とする付記1記載の光ネットワーク設計装置。
【0229】
(付記5) 前記第2の経路算出部は、前記非対称光ハブのコネクションの片ポートを前記置換ポートに置換した前記トラフィックパスが採用されるための前記制約条件に基づいて前記トラフィックパスを算出できない場合に、前記非対称光ハブのコネクションの両ポートを前記置換ポートに置換した前記トラフィックパスが採用されるための前記制約条件に基づいて前記トラフィックパスを算出することを特徴とする付記1記載の光ネットワーク設計装置。
【0230】
(付記6) 前記制約条件生成部は、前記非対称光ハブのコネクションを通過している前記第1の経路算出部によって算出された前記トラフィックパスの数に応じて、前記非対称光ハブのコネクションが優先して採用されるように目的関数を生成し、
前記第2の経路算出部は、前記制約条件と前記目的関数とによって、数理計画法により前記トラフィックパスを算出することを特徴とする付記1記載の光ネットワーク設計装置。
【0231】
(付記7) 前記制約条件生成部は、前記第1の経路算出部によって算出された前記トラフィックパスのコネクションが優先して採用されるように目的関数を生成し、
前記第2の経路算出部は、前記制約条件と前記目的関数とによって、数理計画法により前記トラフィックパスを算出することを特徴とする付記1記載の光ネットワーク設計装置。
【0232】
(付記8) 前記制約条件生成部は、前記第1の経路算出部によって算出された前記トラフィックパスが複数の前記非対称光ハブを通過する場合、前記非対称光ハブ間の前記第1の経路算出部によって算出された前記トラフィックパスが優先して採用されるように目的関数を生成し、
前記第2の経路算出部は、前記制約条件と前記目的関数とによって、数理計画法により前記トラフィックパスを算出することを特徴とする付記1記載の光ネットワーク設計装置。
【0233】
(付記9) 前記制約条件生成部は、前記迂回経路に2つの前記非対称光ハブが含まれる場合、前記迂回経路とは別の別迂回経路を探索し、探索した前記別迂回経路も前記トラフィックパスとして採用されるように前記制約条件を生成することを特徴とする付記1記載の光ネットワーク設計装置。
【0234】
(付記10) 複数のポートを備えるとともに該ポート間のコネクション数が制限されている非対称光ハブを有する光ネットワークの経路設計を行う光ネットワーク設計装置において、
前記非対称光ハブのコネクション制限数に依存せずに前記光ネットワークにおけるトラフィックパスを仮設計する第1の経路算出部と、
前記非対称光ハブごとにおいて、前記第1の経路算出部によって仮設計された前記トラフィックパスの共通経路端にて前記トラフィックパスが通過したコネクションを通過しないペナルティ制限を満たす迂回経路を探索し、探索した前記迂回経路の迂回経路情報を生成する経路情報生成部と、
前記経路情報生成部によって探索された前記迂回経路に前記非対称光ハブが含まれる場合、前記非対称光ハブに関する非対称光ハブ情報を生成する局舎情報生成部と、
前記コネクション制限数、前記経路情報生成部によって生成された前記迂回経路情報、および前記局舎情報生成部によって生成された前記非対称光ハブ情報に基づいて、前記コネクション制限数と前記ペナルティ制限とを満たす前記トラフィックパスが採用されるための制約条件を生成する制約条件生成部と、
前記制約条件生成部によって生成された前記制約条件に基づいて、数理計画法により前記トラフィックパスを算出する第2の経路算出部と、
を有することを特徴とする光ネットワーク設計装置。
【0235】
(付記11) 複数のポートを備えるとともに該ポート間のコネクション数が制限されている非対称光ハブを有する光ネットワークの経路設計を行う光ネットワーク設計装置の光ネットワーク設計方法において、
前記非対称光ハブのコネクション制限数に依存せずに前記光ネットワークにおけるトラフィックパスを仮設計し、
仮設計した前記トラフィックパスにおけるペナルティ制限に対するペナルティ余裕を算出し、
前記非対称光ハブごとにおいて、ポートを置換ポートに置換したときの迂回経路で生じる追加ペナルティを算出し、
前記迂回経路に前記非対称光ハブが含まれる場合、前記迂回経路に含まれている前記非対称光ハブに関する非対称光ハブ情報を生成し、
前記コネクション制限数、前記ペナルティ余裕、前記追加ペナルティ、および前記非対称光ハブ情報に基づいて、前記コネクション制限数と前記ペナルティ制限とを満たす前記トラフィックパスが採用されるための制約条件を生成し、
生成した前記制約条件に基づいて、数理計画法により前記トラフィックパスを算出する、
ことを特徴とする光ネットワーク設計方法。
【0236】
(付記12) 複数のポートを備えるとともに該ポート間のコネクション数が制限されている非対称光ハブを有する光ネットワークの経路設計を行う光ネットワーク設計装置の光ネットワーク設計方法において、
前記非対称光ハブのコネクション制限数に依存せずに前記光ネットワークにおけるトラフィックパスを仮設計し、
前記非対称光ハブごとにおいて、仮設計した前記トラフィックパスの共通経路端にて前記トラフィックパスが通過したコネクションを通過しないペナルティ制限を満たす迂回経路を探索し、探索した前記迂回経路の迂回経路情報を生成し、
探索した前記迂回経路に前記非対称光ハブが含まれる場合、前記非対称光ハブに関する非対称光ハブ情報を生成し、
前記コネクション制限数、前記迂回経路情報、および前記非対称光ハブ情報に基づいて、前記コネクション制限数と前記ペナルティ制限とを満たす前記トラフィックパスが採用されるための制約条件を生成し、
生成した前記制約条件に基づいて、数理計画法により前記トラフィックパスを算出する、
ことを特徴とする光ネットワーク設計方法。
【0237】
(付記13) 複数のポートを備えるとともに該ポート間のコネクション数が制限されている非対称光ハブを有する光ネットワークの経路設計を行う光ネットワーク設計プログラムにおいて、
コンピュータを、
前記非対称光ハブのコネクション制限数に依存せずに前記光ネットワークにおけるトラフィックパスを仮設計する第1の経路算出手段、
前記第1の経路算出部によって仮設計された前記トラフィックパスにおけるペナルティ制限に対するペナルティ余裕を算出する余裕算出手段、
前記非対称光ハブごとにおいて、ポートを置換ポートに置換したときの迂回経路で生じる追加ペナルティを算出する追加算出手段、
前記迂回経路に前記非対称光ハブが含まれる場合、前記迂回経路に含まれている前記非対称光ハブに関する非対称光ハブ情報を生成する情報生成手段、
前記コネクション制限数、前記余裕算出部によって算出された前記ペナルティ余裕、前記追加算出部によって算出された前記追加ペナルティ、および前記情報生成部によって生成された前記非対称光ハブ情報に基づいて、前記コネクション制限数と前記ペナルティ制限とを満たす前記トラフィックパスが採用されるための制約条件を生成する制約条件生成手段、
前記制約条件生成部によって生成された前記制約条件に基づいて、数理計画法により前記トラフィックパスを算出する第2の経路算出手段、
として機能させることを特徴とする光ネットワーク設計プログラム。
【0238】
(付記14) 複数のポートを備えるとともに該ポート間のコネクション数が制限されている非対称光ハブを有する光ネットワークの経路設計を行う光ネットワーク設計プログラムにおいて、
コンピュータを、
前記非対称光ハブのコネクション制限数に依存せずに前記光ネットワークにおけるトラフィックパスを仮設計する第1の経路算出手段、
前記非対称光ハブごとにおいて、前記第1の経路算出部によって仮設計された前記トラフィックパスの共通経路端にて前記トラフィックパスが通過したコネクションを通過しないペナルティ制限を満たす迂回経路を探索し、探索した前記迂回経路の迂回経路情報を生成する経路情報生成手段、
前記経路情報生成部によって探索された前記迂回経路に前記非対称光ハブが含まれる場合、前記非対称光ハブに関する非対称光ハブ情報を生成する局舎情報生成手段、
前記コネクション制限数、前記経路情報生成部によって生成された前記迂回経路情報、および前記局舎情報生成部によって生成された前記非対称光ハブ情報に基づいて、前記コネクション制限数と前記ペナルティ制限とを満たす前記トラフィックパスが採用されるための制約条件を生成する制約条件生成手段、
前記制約条件生成部によって生成された前記制約条件に基づいて、数理計画法により前記トラフィックパスを算出する第2の経路算出手段、
として機能させることを特徴とする光ネットワーク設計プログラム。
【符号の説明】
【0239】
1,6 経路算出部
2 余裕算出部
3 追加算出部
4 情報生成部
5 制約条件生成部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のポートを備えるとともに該ポート間のコネクション数が制限されている非対称光ハブを有する光ネットワークの経路設計を行う光ネットワーク設計装置において、
前記非対称光ハブのコネクション制限数に依存せずに前記光ネットワークにおけるトラフィックパスを仮設計する第1の経路算出部と、
前記第1の経路算出部によって仮設計された前記トラフィックパスにおけるペナルティ制限に対するペナルティ余裕を算出する余裕算出部と、
前記非対称光ハブごとにおいて、ポートを置換ポートに置換したときの迂回経路で生じる追加ペナルティを算出する追加算出部と、
前記迂回経路に前記非対称光ハブが含まれる場合、前記迂回経路に含まれている前記非対称光ハブに関する非対称光ハブ情報を生成する情報生成部と、
前記コネクション制限数、前記余裕算出部によって算出された前記ペナルティ余裕、前記追加算出部によって算出された前記追加ペナルティ、および前記情報生成部によって生成された前記非対称光ハブ情報に基づいて、前記コネクション制限数と前記ペナルティ制限とを満たす前記トラフィックパスが採用されるための制約条件を生成する制約条件生成部と、
前記制約条件生成部によって生成された前記制約条件に基づいて、数理計画法により前記トラフィックパスを算出する第2の経路算出部と、
を有することを特徴とする光ネットワーク設計装置。
【請求項2】
前記制約条件生成部は、
前記コネクション制限数に基づいて、前記コネクション制限数を満たすように前記トラフィックパスが採用されるための第1の制約条件と、
前記余裕算出部によって算出された前記ペナルティ余裕および前記追加算出部によって算出された前記追加ペナルティに基づいて、前記トラフィックパスの通過する前記ポートを前記置換ポートに置換しても前記ペナルティ制限を満たす前記トラフィックパスが採用されるための第2の制約条件と、
前記ポートを前記置換ポートに置換したときの前記迂回経路に前記非対称光ハブが含まれる場合、前記情報生成部によって生成された前記非対称光ハブ情報に基づいて、前記迂回経路に含まれる前記非対称光ハブの所定のコネクションを通過する前記トラフィックパスが採用されるための第3の制約条件と、
を生成することを特徴とする請求項1記載の光ネットワーク設計装置。
【請求項3】
前記制約条件生成部は、前記非対称光ハブのコネクションの片ポートを前記置換ポートに置換した前記トラフィックパスが採用されるための前記制約条件を生成することを特徴とする請求項1記載の光ネットワーク設計装置。
【請求項4】
前記制約条件生成部は、前記非対称光ハブのコネクションの両ポートを前記置換ポートに置換した前記トラフィックパスが採用されるための前記制約条件を生成することを特徴とする請求項1記載の光ネットワーク設計装置。
【請求項5】
前記第2の経路算出部は、前記非対称光ハブのコネクションの片ポートを前記置換ポートに置換した前記トラフィックパスが採用されるための前記制約条件に基づいて前記トラフィックパスを算出できない場合に、前記非対称光ハブのコネクションの両ポートを前記置換ポートに置換した前記トラフィックパスが採用されるための前記制約条件に基づいて前記トラフィックパスを算出することを特徴とする請求項1記載の光ネットワーク設計装置。
【請求項6】
前記制約条件生成部は、前記非対称光ハブのコネクションを通過している前記第1の経路算出部によって算出された前記トラフィックパスの数に応じて、前記非対称光ハブのコネクションが優先して採用されるように目的関数を生成し、
前記第2の経路算出部は、前記制約条件と前記目的関数とによって、数理計画法により前記トラフィックパスを算出することを特徴とする請求項1記載の光ネットワーク設計装置。
【請求項7】
前記制約条件生成部は、前記迂回経路に2つの前記非対称光ハブが含まれる場合、前記迂回経路とは別の別迂回経路を探索し、探索した前記別迂回経路も前記トラフィックパスとして採用されるように前記制約条件を生成することを特徴とする請求項1記載の光ネットワーク設計装置。
【請求項8】
複数のポートを備えるとともに該ポート間のコネクション数が制限されている非対称光ハブを有する光ネットワークの経路設計を行う光ネットワーク設計装置において、
前記非対称光ハブのコネクション制限数に依存せずに前記光ネットワークにおけるトラフィックパスを仮設計する第1の経路算出部と、
前記非対称光ハブごとにおいて、前記第1の経路算出部によって仮設計された前記トラフィックパスの共通経路端にて前記トラフィックパスが通過したコネクションを通過しないペナルティ制限を満たす迂回経路を探索し、探索した前記迂回経路の迂回経路情報を生成する経路情報生成部と、
前記経路情報生成部によって探索された前記迂回経路に前記非対称光ハブが含まれる場合、前記非対称光ハブに関する非対称光ハブ情報を生成する局舎情報生成部と、
前記コネクション制限数、前記経路情報生成部によって生成された前記迂回経路情報、および前記局舎情報生成部によって生成された前記非対称光ハブ情報に基づいて、前記コネクション制限数と前記ペナルティ制限とを満たす前記トラフィックパスが採用されるための制約条件を生成する制約条件生成部と、
前記制約条件生成部によって生成された前記制約条件に基づいて、数理計画法により前記トラフィックパスを算出する第2の経路算出部と、
を有することを特徴とする光ネットワーク設計装置。
【請求項9】
複数のポートを備えるとともに該ポート間のコネクション数が制限されている非対称光ハブを有する光ネットワークの経路設計を行う光ネットワーク設計装置の光ネットワーク設計方法において、
前記非対称光ハブのコネクション制限数に依存せずに前記光ネットワークにおけるトラフィックパスを仮設計し、
仮設計した前記トラフィックパスにおけるペナルティ制限に対するペナルティ余裕を算出し、
前記非対称光ハブごとにおいて、ポートを置換ポートに置換したときの迂回経路で生じる追加ペナルティを算出し、
前記迂回経路に前記非対称光ハブが含まれる場合、前記迂回経路に含まれている前記非対称光ハブに関する非対称光ハブ情報を生成し、
前記コネクション制限数、前記ペナルティ余裕、前記追加ペナルティ、および前記非対称光ハブ情報に基づいて、前記コネクション制限数と前記ペナルティ制限とを満たす前記トラフィックパスが採用されるための制約条件を生成し、
生成した前記制約条件に基づいて、数理計画法により前記トラフィックパスを算出する、
ことを特徴とする光ネットワーク設計方法。
【請求項10】
複数のポートを備えるとともに該ポート間のコネクション数が制限されている非対称光ハブを有する光ネットワークの経路設計を行う光ネットワーク設計装置の光ネットワーク設計方法において、
前記非対称光ハブのコネクション制限数に依存せずに前記光ネットワークにおけるトラフィックパスを仮設計し、
前記非対称光ハブごとにおいて、仮設計した前記トラフィックパスの共通経路端にて前記トラフィックパスが通過したコネクションを通過しないペナルティ制限を満たす迂回経路を探索し、探索した前記迂回経路の迂回経路情報を生成し、
探索した前記迂回経路に前記非対称光ハブが含まれる場合、前記非対称光ハブに関する非対称光ハブ情報を生成し、
前記コネクション制限数、前記迂回経路情報、および前記非対称光ハブ情報に基づいて、前記コネクション制限数と前記ペナルティ制限とを満たす前記トラフィックパスが採用されるための制約条件を生成し、
生成した前記制約条件に基づいて、数理計画法により前記トラフィックパスを算出する、
ことを特徴とする光ネットワーク設計方法。
【請求項1】
複数のポートを備えるとともに該ポート間のコネクション数が制限されている非対称光ハブを有する光ネットワークの経路設計を行う光ネットワーク設計装置において、
前記非対称光ハブのコネクション制限数に依存せずに前記光ネットワークにおけるトラフィックパスを仮設計する第1の経路算出部と、
前記第1の経路算出部によって仮設計された前記トラフィックパスにおけるペナルティ制限に対するペナルティ余裕を算出する余裕算出部と、
前記非対称光ハブごとにおいて、ポートを置換ポートに置換したときの迂回経路で生じる追加ペナルティを算出する追加算出部と、
前記迂回経路に前記非対称光ハブが含まれる場合、前記迂回経路に含まれている前記非対称光ハブに関する非対称光ハブ情報を生成する情報生成部と、
前記コネクション制限数、前記余裕算出部によって算出された前記ペナルティ余裕、前記追加算出部によって算出された前記追加ペナルティ、および前記情報生成部によって生成された前記非対称光ハブ情報に基づいて、前記コネクション制限数と前記ペナルティ制限とを満たす前記トラフィックパスが採用されるための制約条件を生成する制約条件生成部と、
前記制約条件生成部によって生成された前記制約条件に基づいて、数理計画法により前記トラフィックパスを算出する第2の経路算出部と、
を有することを特徴とする光ネットワーク設計装置。
【請求項2】
前記制約条件生成部は、
前記コネクション制限数に基づいて、前記コネクション制限数を満たすように前記トラフィックパスが採用されるための第1の制約条件と、
前記余裕算出部によって算出された前記ペナルティ余裕および前記追加算出部によって算出された前記追加ペナルティに基づいて、前記トラフィックパスの通過する前記ポートを前記置換ポートに置換しても前記ペナルティ制限を満たす前記トラフィックパスが採用されるための第2の制約条件と、
前記ポートを前記置換ポートに置換したときの前記迂回経路に前記非対称光ハブが含まれる場合、前記情報生成部によって生成された前記非対称光ハブ情報に基づいて、前記迂回経路に含まれる前記非対称光ハブの所定のコネクションを通過する前記トラフィックパスが採用されるための第3の制約条件と、
を生成することを特徴とする請求項1記載の光ネットワーク設計装置。
【請求項3】
前記制約条件生成部は、前記非対称光ハブのコネクションの片ポートを前記置換ポートに置換した前記トラフィックパスが採用されるための前記制約条件を生成することを特徴とする請求項1記載の光ネットワーク設計装置。
【請求項4】
前記制約条件生成部は、前記非対称光ハブのコネクションの両ポートを前記置換ポートに置換した前記トラフィックパスが採用されるための前記制約条件を生成することを特徴とする請求項1記載の光ネットワーク設計装置。
【請求項5】
前記第2の経路算出部は、前記非対称光ハブのコネクションの片ポートを前記置換ポートに置換した前記トラフィックパスが採用されるための前記制約条件に基づいて前記トラフィックパスを算出できない場合に、前記非対称光ハブのコネクションの両ポートを前記置換ポートに置換した前記トラフィックパスが採用されるための前記制約条件に基づいて前記トラフィックパスを算出することを特徴とする請求項1記載の光ネットワーク設計装置。
【請求項6】
前記制約条件生成部は、前記非対称光ハブのコネクションを通過している前記第1の経路算出部によって算出された前記トラフィックパスの数に応じて、前記非対称光ハブのコネクションが優先して採用されるように目的関数を生成し、
前記第2の経路算出部は、前記制約条件と前記目的関数とによって、数理計画法により前記トラフィックパスを算出することを特徴とする請求項1記載の光ネットワーク設計装置。
【請求項7】
前記制約条件生成部は、前記迂回経路に2つの前記非対称光ハブが含まれる場合、前記迂回経路とは別の別迂回経路を探索し、探索した前記別迂回経路も前記トラフィックパスとして採用されるように前記制約条件を生成することを特徴とする請求項1記載の光ネットワーク設計装置。
【請求項8】
複数のポートを備えるとともに該ポート間のコネクション数が制限されている非対称光ハブを有する光ネットワークの経路設計を行う光ネットワーク設計装置において、
前記非対称光ハブのコネクション制限数に依存せずに前記光ネットワークにおけるトラフィックパスを仮設計する第1の経路算出部と、
前記非対称光ハブごとにおいて、前記第1の経路算出部によって仮設計された前記トラフィックパスの共通経路端にて前記トラフィックパスが通過したコネクションを通過しないペナルティ制限を満たす迂回経路を探索し、探索した前記迂回経路の迂回経路情報を生成する経路情報生成部と、
前記経路情報生成部によって探索された前記迂回経路に前記非対称光ハブが含まれる場合、前記非対称光ハブに関する非対称光ハブ情報を生成する局舎情報生成部と、
前記コネクション制限数、前記経路情報生成部によって生成された前記迂回経路情報、および前記局舎情報生成部によって生成された前記非対称光ハブ情報に基づいて、前記コネクション制限数と前記ペナルティ制限とを満たす前記トラフィックパスが採用されるための制約条件を生成する制約条件生成部と、
前記制約条件生成部によって生成された前記制約条件に基づいて、数理計画法により前記トラフィックパスを算出する第2の経路算出部と、
を有することを特徴とする光ネットワーク設計装置。
【請求項9】
複数のポートを備えるとともに該ポート間のコネクション数が制限されている非対称光ハブを有する光ネットワークの経路設計を行う光ネットワーク設計装置の光ネットワーク設計方法において、
前記非対称光ハブのコネクション制限数に依存せずに前記光ネットワークにおけるトラフィックパスを仮設計し、
仮設計した前記トラフィックパスにおけるペナルティ制限に対するペナルティ余裕を算出し、
前記非対称光ハブごとにおいて、ポートを置換ポートに置換したときの迂回経路で生じる追加ペナルティを算出し、
前記迂回経路に前記非対称光ハブが含まれる場合、前記迂回経路に含まれている前記非対称光ハブに関する非対称光ハブ情報を生成し、
前記コネクション制限数、前記ペナルティ余裕、前記追加ペナルティ、および前記非対称光ハブ情報に基づいて、前記コネクション制限数と前記ペナルティ制限とを満たす前記トラフィックパスが採用されるための制約条件を生成し、
生成した前記制約条件に基づいて、数理計画法により前記トラフィックパスを算出する、
ことを特徴とする光ネットワーク設計方法。
【請求項10】
複数のポートを備えるとともに該ポート間のコネクション数が制限されている非対称光ハブを有する光ネットワークの経路設計を行う光ネットワーク設計装置の光ネットワーク設計方法において、
前記非対称光ハブのコネクション制限数に依存せずに前記光ネットワークにおけるトラフィックパスを仮設計し、
前記非対称光ハブごとにおいて、仮設計した前記トラフィックパスの共通経路端にて前記トラフィックパスが通過したコネクションを通過しないペナルティ制限を満たす迂回経路を探索し、探索した前記迂回経路の迂回経路情報を生成し、
探索した前記迂回経路に前記非対称光ハブが含まれる場合、前記非対称光ハブに関する非対称光ハブ情報を生成し、
前記コネクション制限数、前記迂回経路情報、および前記非対称光ハブ情報に基づいて、前記コネクション制限数と前記ペナルティ制限とを満たす前記トラフィックパスが採用されるための制約条件を生成し、
生成した前記制約条件に基づいて、数理計画法により前記トラフィックパスを算出する、
ことを特徴とする光ネットワーク設計方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【公開番号】特開2012−49902(P2012−49902A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−191173(P2010−191173)
【出願日】平成22年8月27日(2010.8.27)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月27日(2010.8.27)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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