説明

光ノード装置、光ノード装置の接続確認方法、及びプログラム

【課題】誤接続や、誤接続によるシステム運用中の主信号への干渉の影響を排除する。
【解決手段】少なくとも光クロスコネクト部、波長セレクト部、光スプリット・セレクト部、及びトランスポンダ部が互いに光パッチコードによって接続された光ノード装置であって、試験用の光信号の送信及び停止を制御する制御手段と、制御手段からの指令により試験用の光信号を送信する送信手段と、送信手段から送信された試験用の光信号を受信する受信手段と、受信手段において、試験用の光信号を受信できたか否かを判別する判別手段と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ノード装置、光ノード装置の接続確認方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
波長多重方式とパス管理の技術を組み合わせることで、ネットワーク全域においてあらゆる波長を管理し、超高速・大容量の伝送ネットワークを運用することができるネットワーク技術としてROADM(Reconfigurable Optical Add Drop Multiplexer)システム(以下、単に「システム」という場合がある。)が知られている。
【0003】
従来のROADMシステムについて、図7を参照して説明する。図7は、従来のROADMノードの構成を示すブロック図である。従来のROADMノードにおいて、光クロスコネクト部1、2、波長セレクト部1、2、光スプリット&セレクト部1、及びトランスポンダ部1は、光パッチコード(コネクタの付いた短いケーブル)で接続され、その接続確認は、作業者の目視確認により行われていた。
【0004】
図7はn方路(方向)(ただし、nはn≧2を満たす整数)の光伝送路と接続可能で、カラーレス(波長無依存)、ディレクションレス(方路無依存)、及びコンテンションレス(競合無依存)を実現し、あるトランスポンダ部が任意の接続ポート、任意の方路、及び任意の波長に接続可能なROADMノードの構成例を示している。
【0005】
ROADMノードは、装置制御・管理部101、複数の光クロスコネクト部1、2、複数の波長セレクト部1、2、光スプリット&セレクト部1、及びトランスポンダ部1から構成されている。
【0006】
まず、ROADMノードのドロップ方向の動作について説明する。ROADMノードはn方路のうち、光伝送路A又は光伝送路Dから入力される他ノードからの入力信号(主信号)を、それぞれ光増幅機能を有する受信アンプ部1又は受信アンプ部2にて受信し、光増幅を行い、ROADMノード内部に出力する。
【0007】
受信アンプ部1からの出力は、光分配部1、波長選択部1、及び受信光スプリット部1を通り、受信光スイッチ部1に出力される。受信アンプ部2からの出力は、光分配部2、波長選択部2、及び受信光スプリット部2を通り、受信光スイッチ部1に出力される。受信光スイッチ部1は、複数の方路からの信号から主信号受信部2に接続する信号を選択し、接続する機能を有する。
【0008】
主信号受信部2は主信号波長の受信を行う。
【0009】
装置制御・管理部101は、接続検出光の送信・停止制御を行い、期待する接続先で接続検出用の光が受信できたか否かを判定し、接続の正常性を判定する。正常性が判定できなければ、警報を通知し、ユーザに接続確認・修正を行うことを促す。
【0010】
装置制御・管理部101は、未接続箇所や光コネクタ部の汚れがあると判定した場合には、ユーザに警報を通知し、接続又は光コネクタの清掃を行うことを促す。
【0011】
次に、ROADMノードのアド方向の動作について説明する。トランスポンダ部1の主信号送信部1の出力に接続されている送信光スイッチ部1は、送信光スプリット部1又は送信光スプリット部2の複数の方路の中から接続する方路を選択し、信号を接続する機能を有する。
【0012】
主信号送信部1からの出力は、送信光スプリット部1、光カプラ部1、及び波長選択接続部1を通り、送信アンプ部1に出力されるか、送信光スプリット部2、光カプラ部2、及び波長選択接続部2を通り、送信アンプ部2に出力される。
【0013】
光カプラ部1と、波長選択接続部1とから出力された主信号波長は、送信アンプ部1の方向へ入力される。
【0014】
光カプラ部2と、波長選択接続部2とから出力された主信号波長は、送信アンプ部2の方向へ入力される。
【0015】
装置制御・管理部101は、接続検出光の送信・停止制御を行い、期待する接続先で接続検出用の光が受信できたか否かを判定し、接続の正常性を判定する。正常性が確認できなかったとき、装置制御・管理部101は、警報を鳴動させ、ユーザに対して接続確認・修正を行うことを促す。
【0016】
反射光が確認された場合には、装置制御・管理部101は未接続箇所や光コネクタ部の汚れがあると判定し、警報を鳴動させ、ユーザに対して接続箇所の確認や光コネクタの清掃を行うことを促す。
【0017】
ROADMノードは、n方路のうち、ここでは具体例として、光伝送路B又は光伝送路Cへ出力される主信号を光増幅する機能を有する。送信アンプ部1又は送信アンプ部2において光増幅が行われ、光伝送路B又は光伝送路Cへ出力される。
【0018】
受信アンプ部1又は受信アンプ部2において受信され、光増幅が行われ、ROADMノード内部に出力される。ROADMノードにおいて、光伝送路A、光伝送路C以外の方路及び光伝送路B、光伝送路D以外の方路に対する動作はそれぞれ光伝送路A、光伝送路C及び光伝送路B、光伝送路Dに対する動作と同様である。
【0019】
このような従来のROADMノードにおいては、カラーレス、ディレクションレス、及びコンテンションレス機能を有することにより、ノード内の光パッチコード接続及び光波長アド・ドロップ設定による光接続が複雑となるため、接続の正常性を確認することが容易ではなく、誤接続の発生や誤接続による運用中の主信号への干渉が発生し、通信障害が発生することがあった。
【0020】
さらに、従来のROADMノードは、n方路の光伝送路と接続が可能であり、カラーレス、ディレクションレス、及びコンテンションレスを実現し、あるトランスポンダ部が任意の接続ポート、任意の方路及び任意の波長に接続が可能であるため、光パッチコード接続及び光波長アド・ドロップ設定により任意の接続ポート、任意の方路及び任意の波長に接続され、その接続確認は、専ら作業者の目視確認により行われていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】特許第4500136号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
しかしながら、図7に示したように、光パッチコード接続及び光波長アド・ドロップ設定が複雑になるに従い、接続の正常性を確認することが、作業者の目視による確認方法では限界があり、スムーズなシステム運用開始、及びシステム運用回線への影響を考慮すると以下に述べるような課題があった。
【0023】
すなわち、第一に、光パッチコードの誤接続や光波長アド・ドロップ設定ミスにより、主信号が導通せず、システムの運用開始が遅れてしまうということである。次に、光パッチコードの誤接続や光波長アド・ドロップ設定ミスにより、すでにシステム運用中である主信号との干渉が発生してしまい、システム運用回線において通信障害が発生してしまうということである。
【0024】
さらに、光パッチコードの誤接続や光波長アド・ドロップ設定ミスが起きた場合、主信号が導通しないことや、システム運用回線に通信障害が発生していることが分かるまで、作業者が、光パッチコードの誤接続や光波長アド・ドロップ設定ミスが起きていることに気付かないことである。そして、光パッチコードの誤接続や光波長アド・ドロップ設定ミスをシステムの遠隔から確認することができないということである。
【0025】
そこで本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたもので、システムの運用開始前に、ノード内の光パッチコード接続及び光波長アド・ドロップ設定の正常性を確認する機能を備えることにより、誤接続や、誤接続によるシステム運用中の主信号への干渉の影響を排除することができる光ノード装置、光ノード装置の接続確認方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0026】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の本発明における光ノード装置は、少なくとも光クロスコネクト部、波長セレクト部、光スプリット・セレクト部、及びトランスポンダ部が互いに光パッチコードによって接続された光ノード装置であって、試験用の光信号の送信及び停止を制御する制御手段と、前記制御手段からの指令により前記試験用の光信号を送信する送信手段と、前記送信手段から送信された前記試験用の光信号を受信する受信手段と、前記受信手段において、前記試験用の光信号を受信できたか否かを判別する判別手段と、を含むことを特徴とする。
【0027】
また、本発明における光ノード装置は、請求項1に記載の光ノード装置において、前記判別手段におい て、前記試験用の光信号を受信することができなかったと判別されたときには、前記光パッチコードの 接続に異常がある旨を報知する報知手段をさらに含むことを特徴とする。
【0028】
さらに、本発明における光ノード装置は、請求項2に記載の光ノード装置において、前記試験用の光信号が反射されたか否かを判定する判定手段をさらに含み、前記報知手段は、前記判定手段において、前記試験用の光信号が反射されたと判定されたときには、前記光パッチコードの接続に異常がある旨を報知することを特徴とする。
【0029】
また、本発明における光ノード装置は、請求項1から3のいずれか1項に記載の光ノード装置において、前記試験用の光信号は、前記光ノード装置の運用時に使用される光信号とは異なる波長を有することを特徴とする。
【0030】
そして、本発明における光ノード装置は、請求項1から4のいずれか1項に記載の光ノード装置において、前記試験用の光信号と前記運用時に使用される光信号とを分離及び結合する分離結合手段をさらに含むことを特徴とする。
【0031】
また、本発明における光ノード装置は、請求項5に記載の光ノード装置において、前記分離結合手段は、前記試験用の光信号と前記運用時に使用される光信号とを、波長の相違に基づいて分離結合することを特徴とする。
【0032】
さらに、本発明における光ノード装置は、請求項1から3のいずれか1項に記載の光ノード装置において、前記判別手段は、前記受信手段において受信された前記試験用の光信号のレベルに基づいて判別を行い、前記判定手段は、前記送信手段において反射された前記試験用の光信号のレベルに基づいて判定を行うことを特徴とする。
【0033】
また、本発明における光ノード装置は、請求項1から4のいずれか1項に記載の光ノード装置において、前記トランスポンダ部は、前記運用時に使用される光信号を送信する主信号送信手段と、前記試験用の光信号を送信する試験信号送信手段とを一体化した主信号・試験信号送信手段と、前記運用時に使用される光信号を受信する主信号受信手段と、前記試験用の光信号を受信する試験信号受信手段とを一体化した主信号・試験信号受信手段と、を有することを特徴とする。
【0034】
そして、本発明における光ノード装置は、請求項1から3のいずれか1項に記載の光ノード装置において、前記試験用の光信号が通過する経路中に、前記光パッチコードの接続の異常箇所を特定するためのループバックスイッチ部をさらに設けたことを特徴とする。
【0035】
また、本発明における光ノード装置は、請求項1から9のいずれか1項に記載の光ノード装置において、前記光クロスコネクト部、波長セレクト部、光スプリット・セレクト部、及びトランスポンダ部によって構成される光ノード装置は、ROADMノード装置であることを特徴とする。
【0036】
さらに、上記課題を解決するため、請求項11に記載の本発明における接続確認方法は、少なくとも光クロスコネクト部、波長セレクト部、光スプリット・セレクト部、及びトランスポンダ部が互いに光パッチコードによって接続された光ノード装置の接続確認方法であって、制御手段が試験用の光信号の送信及び停止を制御する工程と、送信手段が前記制御手段からの指令により前記試験用の光信号を送信する工程と、受信手段が前記送信手段から送信された前記試験用の光信号を受信する工程と、判別手段が前記受信手段において前記試験用の光信号を受信できたか否かを判別する工程と、を含むことを特徴とする。
【0037】
また、上記課題を解決するため、請求項12に記載の本発明におけるプログラムは、少なくとも光クロスコネクト部、波長セレクト部、光スプリット・セレクト部、及びトランスポンダ部が互いに光パッチコードによって接続された光ノード装置の接続確認を実行するプログラムであって、制御手段が試験用の光信号の送信及び停止を制御する処理と、送信手段が前記制御手段からの指令により前記試験用の光信号を送信する処理と、受信手段が前記送信手段から送信された前記試験用の光信号を受信する処理と、判別手段が前記受信手段において前記試験用の光信号を受信できたか否かを判別する処理と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0038】
本発明によれば、接続の正常性確認が容易となり、誤接続や、誤接続によるシステム運用中の主信号への干渉の影響を排除することができる光ノード装置、光ノード装置の接続確認方法、及びプログラムを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施形態における光ノード装置(ROADMノード)の構成を示す概略図である。
【図2】本発明の実施形態における光ノード装置(ROADMノード)の接続確認方法の流れを示すフロー図である。
【図3】本発明の他の実施形態1における光ノード装置(ROADMノード)の構成を示す概略図である。
【図4】本発明の他の実施形態2における光ノード装置(ROADMノード)の構成を示す概略図である。
【図5】本発明の他の実施形態3における光ノード装置(ROADMノード)の構成を示す概略図である。
【図6】本発明の他の実施形態4における光ノード装置(ROADMノード)の構成を示す概略図である。
【図7】従来のROADMノードの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
次に、本発明を実施するための形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化乃至省略する。本発明の内容を簡潔に説明すると、システム運用前に、ノード内の光パッチコード接続及び光波長アド・ドロップ設定の正常性を、主信号とは異なる接続検出光により確認することで、接続の正常性の確認作業を容易にし、また、正常な接続が確実に確立されてからシステムの運用を開始することが可能となり、誤接続や誤接続によるシステム運用中の主信号への干渉を防止することが可能となるのである。
【0041】
図1は、本発明の実施形態における光ノード装置(ROADMノード)の構成を示す概略図である。図1を参照すると、本発明の実施形態として、ノード内の光パッチコード接続及び光波長アド・ドロップ設定の正常性を確認する機能を備えたROADMノードの構成が示されている。
【0042】
図1において、ドロップ(DROP)方向の接続の正常性を確認するため、接続検出光送信部1、接続検出光送信部2、及び接続検出光受信部3を備える。接続検出光送信部1又は接続検出光送信部2から出力される検出光は、それぞれ送信光バンドカプラ部1又は送信光バンドカプラ部2により主信号の経路に結合され、光分配部1又は光分配部2、波長選択部1又は波長選択部2、受信光スプリット部1又は受信光スプリット部2、受信光スイッチ部1、受信光バンドカプラ部3を通って接続検出光受信部3に至り、受信される。
【0043】
また、接続検出光送信部3から出力される検出光は、それぞれ送信光スイッチ部1と、送信光スプリット部1又は送信光スプリット部2、光カプラ部1又は光カプラ部2を通って受信光バンドカプラ部1又は受信光バンドカプラ部2に接続され、接続検出光受信部1又は接続検出光受信部2に至り、受信される。
【0044】
装置制御・管理部101は、接続検出光送信部3への接続検出光の送信・停止制御を行い、接続検出光受信部1又は接続検出光受信部2といった期待される接続先において接続検出光を受信することができたか否か判定し、接続の正常性を判定する。接続の正常性を確認することができなかったとき、装置制御・管理部101は警報を鳴動させ、ユーザに対して接続確認・修正を行うことを促す。すなわち、接続検出光受信部1又は接続検出光受信部2において検出された光レベルにより、接続品質の正常性を確認する機能を有する。
【0045】
接続検出光送信部1、接続検出光送信部2において反射光が確認された場合には、装置制御・管理部101は、未接続箇所や光コネクタ部の汚れがあると判定し、警報を鳴動させ、ユーザに対して接続箇所の確認や光コネクタの清掃を行うことを促す。接続検出光送信部1又は接続検出送信部2に反射モニタを配置し、接続検出光の反射レベルをモニタすることにより、未接続状態や光コネクタの汚れを検出することができる。
【0046】
図1において、アド(ADD)方向の接続の正常性確認のため、接続検出光送信部3、接続検出光受信部1、及び接続検出光受信部2を備える。接続検出光送信部1又は接続検出光送信部2から出力される検出光は、それぞれ送信光バンドカプラ部1又は送信光バンドカプラ部2により主信号の経路に結合され、光分配部1又は光分配部2、波長選択部1又は波長選択部2、受信光スプリット部1又は受信光スプリット部2、受信光スイッチ部1、受信光バンドカプラ部3を通って接続検出光受信部3に至り、受信される。
【0047】
また、接続検出光送信部3から出力される検出光は、それぞれ送信光スイッチ部1と、送信光スプリット部1又は送信光スプリット部2、光カプラ部1又はカプラ部2を通って受信光バンドカプラ部1又は受信光バンドカプラ部2に接続され、接続検出光受信部1又は接続検出光受信部2に至り、受信される。
【0048】
装置制御・管理部101は、接続検出光送信部3への接続検出光の送信・停止制御を行い、接続検出光受信部1又は接続検出光受信部2といった期待される接続先において接続検出光を受信することができたか否か判定し、接続の正常性を判定する。接続の正常性を確認することができなかったとき、装置制御・管理部101は警報を鳴動させ、ユーザに対して接続確認・修正を行うことを促す。すなわち、接続検出光受信部1又は接続検出光受信部2において検出された光レベルにより、接続品質の正常性を確認する機能を有する。
【0049】
接続検出光送信部3において反射光が確認された場合には、装置制御・管理部101は、未接続箇所や光コネクタ部の汚れがあると判定し、警報を鳴動させ、ユーザに対して接続箇所の確認や光コネクタの清掃を行うことを促す。接続検出光送信部3に反射モニタを配置し、接続検出光の反射レベルをモニタすることにより、未接続状態や光コネクタの汚れを検出することができる。
【0050】
以上詳細に本発明の実施形態の構成を説明したが、図1の受信アンプ部、光分配部、波長選択部、受信光スプリット部、受信光スイッチ部、主信号受信部、主信号送信部、送信光スイッチ部、送信光スプリット部、光カプラ部、波長選択接続部、及び送信アンプ部は、当業者にとってよく知られており、また本発明の本質とは直接関係しないので、その詳細な説明は省略する。
【0051】
次に、本発明の実施形態におけるROADMノードの動作について説明する。図2は、本発明の実施形態における光ノード装置(ROADMノード)の接続確認方法の流れを示すフロー図であり、具体的には、接続の正常性確認を用いた光方路・トランスポンダの増設手順を示している。
【0052】
まず、光パッチコード(図示せず)により、ROADMノード内の各部を接続する(ステップ、(以下、「S」という。)201)。そして、装置制御・管理部101により、光波長アド・ドロップの設定が開始される(S202)。
【0053】
次に、接続検出光送信部1は、主信号と異なる接続検出用の光波長を送信する(S203)。接続検出光は、送信光バンドカプラ部1によって主信号の経路に結合され、光分配部1、波長選択部1、受信光スプリット部1、及び受信光スイッチ部1を通って受信光バンドカプラ部3に出力される。
【0054】
受信光バンドカプラ部3は、波長によって信号を分配する機能を有するため、接続検出光は接続検出光受信部3の方向に出力される。接続検出光受信部3において接続検出光が受信され(S204)、装置制御・管理部101において、期待する接続先で接続検出光が受信されたか否かが判定され、受信できていれば接続が正常と判定される(S205)。
【0055】
接続が正常であると判定されなかったとき、装置制御・管理部101は警報を鳴動させ、ユーザに対して接続確認・修正を行うことを促す。また、接続検出光送信部1において検出された光レベルにより反射光が確認された場合には、装置制御・管理部101によって未接続箇所や光コネクタ部の汚れがあると判定され、警報を鳴動させ、ユーザに対して接続箇所の確認や光コネクタの清掃を行うことを促す。さらに、接続検出光受信部3において検出された光レベルにより、接続品質の正常性を判定する。これにより、光クロスコネクト部1からトランスポンダ部1方向への光接続の正常性が判断される(S205)。
【0056】
次に、接続検出光送信部3は、主信号と異なる接続検出用の光波長を送信する(S206)。接続検出光は、送信光バンドカプラ部3によって主信号の経路に結合され、送信光スイッチ部1、送信光スプリット部1、光カプラ部1を通って受信光バンドカプラ部1に出力される。
【0057】
受信光バンドカプラ部1は、波長によって信号を分配する機能を有するため、接続検出光は接続検出光受信部1の方向に出力される。接続検出光受信部1において接続検出光が受信され(S207)、装置制御・管理部101において、期待する接続先で接続検出光が受信されたか否かが判定され、受信できていれば接続が正常と判定される(S208)。
【0058】
接続が正常であると判定されなかったとき、装置制御・管理部101は警報を鳴動させ、ユーザに対して接続確認・修正を行うことを促す。また、接続検出光送信部3において検出された光レベルによりにより、反射光が確認された場合には、装置制御・管理部101によって未接続箇所や光コネクタ部の汚れがあると判定され、警報を鳴動させ、ユーザに対して接続箇所の確認や光コネクタの清掃を行うことを促す。さらに、接続検出光受信部1にて検出された光レベルにより、接続品質の正常性を判定する。これにより、トランスポンダ部1から光クロスコネクト部1方向への光接続の正常性が判断される(S208)。
【0059】
そして、これら一連の接続検出光による確認が終了すると、主信号の波長を使用して、実際のシステムの運用が開始される(S209)。
【0060】
本発明の他の実施形態として、その基本的構成は上記の通りであるが、接続検出光の送信/受信方法についてさらに工夫している。その構成について図3を参照して説明する。図3は、本発明の他の実施形態1における光ノード装置(ROADMノード)の構成を示す概略図である。図3では、トランスポンダ部1に搭載する接続検出光送信部と、主信号送信部とを一体化すると共に、接続検出光受信部と、主信号受信部とを一体化している。主信号・接続検出光送信部1は可変波長の光送信部を備え、送信波長を接続検出光の波長に変更することにより、接続検出光の送信を実現するものである。また、主信号・接続検出光受信部2は可変波長の光受信部を備え、受信波長を接続検出光の波長に変更することにより、接続検出光の受信を実現するものである。
【0061】
また、図4は、本発明の他の実施形態2における光ノード装置(ROADMノード)の構成を示す概略図である。図4に示すとおり、送信光バンドカプラ部、受信光バンドカプラ部をそれぞれ、送信光切替スイッチ部、受信光切替スイッチ部に置き換え、装置制御・管理部101からの制御により、接続検出光の送信・停止に合わせて、光スイッチを切り替えて実現するものである。
【0062】
さらに、図5は、本発明の他の実施形態3における光ノード装置(ROADMノード)の構成を示す概略図である。図5に示すとおり、上記した他の実施形態1(図3)と他の実施形態2(図4)とを同時に実施したものである。
【0063】
また、図6は、本発明の他の実施形態4における光ノード装置(ROADMノード)の構成を示す概略図である。図6に示すとおり、各部の入力側ブロック、出力側ブロックにそれぞれ送信光バンドカプラ部、ループバックスイッチ部、及び受信光バンドカプラ部を備え、装置制御・管理部101からの制御により、ループバックスイッチ部を制御し、各部においてループバックされた接続検出光を接続検出光受信部で受信することにより実現するものである。
【0064】
送信光バンドカプラ部、受信光バンドカプラ部により、主信号に影響を与えず、接続検出光のみをループバックすることが可能となる。ループバックスイッチは、通常時は、接続検出光を、主信号の経路に戻して接続するように制御されている。この場合、接続の正常性の確認に加えて、どの箇所までの接続が正常であるのかを確認することが可能となる。
【0065】
以上説明してきたように、本発明によれば、接続検出光送信部と接続検出光受信部とを配置し、接続検出光送信部からの接続検出光を、接続検出光受信部において受信することにより、接続の正常性を確認でき、この接続の正常性の確認について、主信号とは異なる波長を有する接続検出光を使用することにより、運用中の主信号との干渉を発生させることなく、接続の正常性を確認できるのである。
【0066】
また、本発明によれば、接続検出光送信部と接続検出光受信部とを装置制御・管理部を経由して制御することにより、検出光の送信・停止、及び接続の正常性の確認を遠隔から実施することができる、接続の正常性が確認できなかったときには、装置制御・管理部から警報を鳴動させることにより、ユーザが瞬時に接続ミスに気付き、接続確認及び修正を行うことができるのである。
【0067】
さらに、本発明によれば、接続検出光送信部に反射モニタを配置し、接続検出光の反射レベルをモニタすることにより、未接続状態や光コネクタの汚れを検出することができ、接続検出光受信部において光レベルをモニタすることにより、接続検出光の光レベルをモニタし、接続の品質を判定することができるのである。
【0068】
以上、本発明の好適な実施の形態により本発明を説明した。ここでは特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範囲な趣旨及び範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正及び変更が可能である。
【0069】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
少なくとも光クロスコネクト部、波長セレクト部、光スプリット・セレクト部、及びトランスポンダ部が互いに光パッチコードによって接続された光ノード装置であって、試験用の光信号の送信及び停止を制御する制御手段と、前記制御手段からの指令により前記試験用の光信号を送信する送信手段と、前記送信手段から送信された前記試験用の光信号を受信する受信手段と、前記受信手段において、前記試験用の光信号を受信できたか否かを判別する判別手段と、を含むことを特徴とする光ノード装置。
(付記2)
前記判別手段において、前記試験用の光信号を受信することができなかったと判別されたときには、前記光パッチコードの接続に異常がある旨を報知する報知手段をさらに含むことを特徴とする付記1に記載の光ノード装置。
(付記3)
前記送信手段において、前記試験用の光信号が反射されたか否かを判定する判定手段をさらに含み、前記報知手段は、前記判定手段において、前記試験用の光信号が反射されたと判定されたときには、前記光パッチコードの接続に異常がある旨を報知することを特徴とする付記2に記載の光ノード装置。
(付記4)
前記試験用の光信号は、前記光ノード装置の運用時に使用される光信号とは異なる波長を有することを特徴とする付記1から3のいずれかに記載の光ノード装置。
(付記5)
前記試験用の光信号と前記運用時に使用される光信号とを分離及び結合する分離結合手段をさらに含むことを特徴とする付記1から4のいずれかに記載の光ノード装置。
(付記6)
前記分離結合手段は、前記試験用の光信号と前記運用時に使用される光信号とを、波長の相違に基づいて分離結合することを特徴とする付記5に記載の光ノード装置。
(付記7)
前記判別手段は、前記受信手段において受信された前記試験用の光信号のレベルに基づいて判別を行い、前記判定手段は、前記送信手段において反射された前記試験用の光信号のレベルに基づいて判定を行うことを特徴とする付記1から3のいずれかに記載の光ノード装置。
(付記8)
前記トランスポンダ部は、前記運用時に使用される光信号を送信する主信号送信手段と、前記試験用の光信号を送信する試験信号送信手段とを一体化した主信号・試験信号送信手段と、前記運用時に使用される光信号を受信する主信号受信手段と、前記試験用の光信号を受信する試験信号受信手段とを一体化した主信号・試験信号受信手段と、を有することを特徴とする付記1から4のいずれかに記載の光ノード装置。
(付記9)
前記試験用の光信号が通過する経路中に、前記光パッチコードの接続の異常箇所を特定するためのループバックスイッチ部をさらに設けたことを特徴とする付記1から3のいずれかに記載の光ノード装置。
(付記10)
前記光クロスコネクト部、波長セレクト部、光スプリット・セレクト部、及びトランスポンダ部によって構成される光ノード装置は、ROADM(Reconfigurable Optical Add Drop Multiplexer)ノード装置であることを特徴とする付記1から9のいずれかに記載の光ノード装置。
(付記11)
少なくとも光クロスコネクト部、波長セレクト部、光スプリット・セレクト部、及びトランスポンダ部が互いに光パッチコードによって接続された光ノード装置の接続確認方法であって、制御手段が試験用の光信号の送信及び停止を制御する工程と、送信手段が前記制御手段からの指令により前記試験用の光信号を送信する工程と、受信手段が前記送信手段から送信された前記試験用の光信号を受信する工程と、判定手段が前記受信手段において前記試験用の光信号を受信できたか否かを判別する工程と、を含むことを特徴とする接続確認方法。
(付記12)
少なくとも光クロスコネクト部、波長セレクト部、光スプリット・セレクト部、及びトランスポンダ部が互いに光パッチコードによって接続された光ノード装置の接続確認を実行するプログラムであって、制御手段が試験用の光信号の送信及び停止を制御する処理と、送信手段が前記制御手段からの指令により前記試験用の光信号を送信する処理と、受信手段が前記送信手段から送信された前記試験用の光信号を受信する処理と、判定手段が前記受信手段において前記試験用の光信号を受信できたか否かを判別する処理と、を含むことを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0070】
1 光ノード装置(ROADMノード)
100 管理者
101 装置制御・管理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも光クロスコネクト部、波長セレクト部、光スプリット・セレクト部、及びトランスポンダ部が互いに光パッチコードによって接続された光ノード装置であって、
試験用の光信号の送信及び停止を制御する制御手段と、
前記制御手段からの指令により前記試験用の光信号を送信する送信手段と、
前記送信手段から送信された前記試験用の光信号を受信する受信手段と、
前記受信手段において、前記試験用の光信号を受信できたか否かを判別する判別手段と、
を含むことを特徴とする光ノード装置。
【請求項2】
前記判別手段において、前記試験用の光信号を受信することができなかったと判別されたときには、前記光パッチコードの接続に異常がある旨を報知する報知手段をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の光ノード装置。
【請求項3】
前記送信手段において、前記試験用の光信号が反射されたか否かを判定する判定手段をさらに含み、前記報知手段は、前記判定手段において、前記試験用の光信号が反射されたと判定されたときには、前記光パッチコードの接続に異常がある旨を報知することを特徴とする請求項2に記載の光ノード装置。
【請求項4】
前記試験用の光信号は、前記光ノード装置の運用時に使用される光信号とは異なる波長を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の光ノード装置。
【請求項5】
前記試験用の光信号と前記運用時に使用される光信号とを分離及び結合する分離結合手段をさらに含むことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の光ノード装置。
【請求項6】
前記分離結合手段は、前記試験用の光信号と前記運用時に使用される光信号とを、波長の相違に基づいて分離結合することを特徴とする請求項5に記載の光ノード装置。
【請求項7】
前記判別手段は、前記受信手段において受信された前記試験用の光信号のレベルに基づいて判別を行い、前記判定手段は、前記送信手段において反射された前記試験用の光信号のレベルに基づいて判定を行うことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の光ノード装置。
【請求項8】
前記トランスポンダ部は、前記運用時に使用される光信号を送信する主信号送信手段と、前記試験用の光信号を送信する試験信号送信手段とを一体化した主信号・試験信号送信手段と、前記運用時に使用される光信号を受信する主信号受信手段と、前記試験用の光信号を受信する試験信号受信手段とを一体化した主信号・試験信号受信手段と、を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の光ノード装置。
【請求項9】
前記試験用の光信号が通過する経路中に、前記光パッチコードの接続の異常箇所を特定するためのループバックスイッチ部をさらに設けたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の光ノード装置。
【請求項10】
前記光クロスコネクト部、波長セレクト部、光スプリット・セレクト部、及びトランスポンダ部によって構成される光ノード装置は、ROADM(Reconfigurable Optical Add Drop Multiplexer)ノード装置であることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の光ノード装置。
【請求項11】
少なくとも光クロスコネクト部、波長セレクト部、光スプリット・セレクト部、及びトランスポンダ部が互いに光パッチコードによって接続された光ノード装置の接続確認方法であって、
制御手段が試験用の光信号の送信及び停止を制御する工程と、
送信手段が前記制御手段からの指令により前記試験用の光信号を送信する工程と、
受信手段が前記送信手段から送信された前記試験用の光信号を受信する工程と、
判定手段が前記受信手段において前記試験用の光信号を受信できたか否かを判別する工程と、を含むことを特徴とする接続確認方法。
【請求項12】
少なくとも光クロスコネクト部、波長セレクト部、光スプリット・セレクト部、及びトランスポンダ部が互いに光パッチコードによって接続された光ノード装置の接続確認を実行するプログラムであって、
制御手段が試験用の光信号の送信及び停止を制御する処理と、
送信手段が前記制御手段からの指令により前記試験用の光信号を送信する処理と、
受信手段が前記送信手段から送信された前記試験用の光信号を受信する処理と、
判定手段が前記受信手段において前記試験用の光信号を受信できたか否かを判別する処理と、を含むことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−182665(P2012−182665A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−44308(P2011−44308)
【出願日】平成23年3月1日(2011.3.1)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】