説明

光ピックアップ、光情報記録再生装置、コンピュータ装置、及び光ディスクレコーダ

【課題】固体イマルジョンレンズ(SIL)を使用した光ピックアップにおいて、SIL端面と光ディスクの表面とのギャップ間隔は数十nm程度と狭いため、相対的な傾きがあると、SILと光ディスクが衝突する。これをさけるため相対傾き角度を検出する方法が考案されているが、一つのビームで行う方法では複数の情報層を有する多層光ディスクの場合に傾き角度の検出感度が変化してしまう。
【解決手段】複数のビームを用いることで傾き角度の検出感度の変化を抑える。また多層光ディスクに複数のビームを照射している場合でも、検出系への分岐をビームエキスパンダ等の発散度変更機構より対物レンズ系側で行うことで、メインビームとサブビームの分離を容易にし、多層ディスクでも安定して相対傾き角検出が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスクや光カードなど、収束した光を照射することにより情報を記録または再生する光ピックアップ、光情報記録再生装置、光情報記録再生装置を備えたコンピュータ、光ディスクレコーダに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、映像や音声を初めとする各種の情報を記録する光記録媒体として、CDや DVD、あるいはBD(ブルーレイディスク)といった光ディスクが広く用いられている。このような光記録媒体を用いた光情報記録再生装置では、光記録媒体に光を照射して情報を記録または再生するため、情報の記録密度は光記録媒体に収束する光スポットの大きさに依存する。従って、光記録媒体の大容量化は、光ピックアップにより照射される光スポットを小さくすることによって実現できる。この光スポットの大きさは、対物レンズの開口数に比例し、照射する光の波長に反比例するため、より小さな光スポットを得るには、使用する光の波長を更に短くするか、あるいは、対物レンズの開口数を更に大きくすれば良い。しかし、これまで実用化されている光情報記録再生装置では、光記録媒体と対物レンズの間が波長に比べて十分大きく離れており、対物レンズから出射する光は開口数が1を超えると、レンズ出射面で全反射するため、記録密度を上げることができなかった。
【0003】
そこで、対物レンズの開口数(NA)が1を超える光記録再生手法として、SIL (固体イマルジョンレンズ、ソリッドイマージョンレンズ)を用いた近接場光記録再生法が開発されている。開口数NAは光記録媒体の媒質の屈折率をn、入射光の光軸に対する最大角度をθとして、NA=n・sinθで定義される。通常、開口数が1を超えと臨界角以上になるため、この領域の光は、対物レンズの出射端面において全反射される。この全反射する光は出射端面からエバネッセント光として出ており、近接場光記録再生法では、このエバネッセント光をレンズから光記録媒体に伝搬できるようにしたものである。このため、対物レンズの出射端面と光記録媒体表面との間隔(エアギャップ)を、エバネッセント光の減衰距離より短く維持して、開口数が1を越える範囲の光を対物レンズから光記録媒体に透過させている。
【0004】
このようなSILを用いる光学系では、エバネッセント光で光を伝播するためSILと光ディスクとの間隔は、波長より十分短く(およそ10分の1以下にする必要がある)、波長405nmを使用しているときでは25nm程度の間隔に保つ必要がある。ところがこのような狭い間隔でSILと光ディスクとの間に相対的な傾きがあるとSILの端と光ディスクが衝突する。従って、傾きに許容される誤差が非常に小さくなる。
【0005】
SILの先端の径をD=φ40μm、ギャップ間隔をg=25nmとすると、許容される角度θは0.07度程度となる。
【0006】
θ=sin-1(g/2D) ・・・(式0−1),
しかしながら、相対傾き角度を0.07度以下に抑えることは、容易ではない。この角度を抑えるため、相対傾き角度を検出し、レンズもしくは光ディスクを傾ける方法がある。この検出のために、SIL端面の反射光の分布を検出し、その偏りから相対傾き角度を検出する方法が考案されている(特許文献1)。
【0007】
図14にその方法を示す。半導体レーザ1から出射された光ビームはコリメートレンズ2で平行光となり、ビームスプリッタ3、4を透過し、1/4波長板5を経て、レンズ6aにより収束光となる。収束光となった光ビームはソリッドイマルジョンレンズのSIL6bに入射し、光ディスク7上に収束される。SIL6bの先端と光ディスク7の表面はエバネッセント光により光が伝播する位の距離に接近している。光ディスク7で反射された光ビームは、SIL6b、レンズ6a、1/4波長板5を再び通り、ビームスプリッタ4、もしくは3で反射され光検出器8、及び9に入射する。ここで光検出器8は光ディスク7の情報面で反射した光ビームを受光し、情報再生用の信号を生成する。一方、光検出器9は4分割された受光部を持ち、それぞれ受光した光量に応じた信号を出力する。
【0008】
図15に先端部の拡大図(傾きがあるとき)を示す。矢印A、Bで示す周辺光はSIL6bと光ディスク7の表面との距離が異なっているので、この位置の光線の反射率が異なる。これにより、ここで反射した光ビームには明暗の差が生じる。この明暗の差を図14の光検出器9の4つの受光部の信号量の違いとして検出することにより、傾き角度を検出することができる。
【0009】
また、別の方式として、複数のビームをSIL端面を通して光ディスクに照射し、相対傾き角度を検出する方式が提案されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2006−344351号公報
【特許文献2】特開2006−004596号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、前記従来の構成では、複数の情報層を持つ多層ディスクに対して、1つの光源のみで情報層からの信号の再生とギャップ制御のためのギャップ間隔検出信号、相対傾き角度検出のためのチルト信号を得ることを考えた場合、記録・再生しようとする情報層の位置によりSIL端面でのビーム径が変わってしまい、相対傾きの検出感度が大きく変化してしまう。特にSIL方式ではカバー層が薄いため、一番表面に近い情報層では、実用的なチルト検出の感度が得られないという課題を有していた。
【0012】
また、多層ディスクで記録・再生する情報層を変えた時、複数のビームを使う方法では、メインビームとサブビームが分離して検出できないという課題を有していた。
【0013】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、多層の光ディスクに対しても、SIL端面と光ディスク表面との相対傾き角度を安定に検出し、補正する光ピックアップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記従来の課題を解決するために、本発明の光ピックアップは、光ビームを発する光源と、光源から出射された光ビームをメインビームとし、メインビームからサブビームを生成するサブビーム生成素子と、メインビームの発散度を変更する発散度変更機構と、発散度変更機構からのメインビームを複数の情報層を持つ光記録媒体に収束する固体イマルジョンレンズ(SIL)を含む対物レンズ系と、光記録媒体で反射したメインビームを分岐する第1の分岐素子と、固体イマルジョンレンズの端面で反射したメインビームとサブビームを分岐する第2の分岐素子と、第1の分岐素子で分岐したメインビームを検出する第1の光検出器と、第2の分岐素子から分岐したメインビームとサブビームを収束する検出レンズと、検出レンズで収束したメインビームとサブビームを検出する第2の光検出器を備え、固体イマルジョンレンズの端面と光記録媒体の表面はエバネッセント光が効率よく伝播する距離である、波長の10分の1より短い距離に保たれ、メインビームとサブビームは固体イマルジョンレンズの端面の異なる位置を照射し、第2の分岐素子は発散度変更機構より対物レンズ系側にあり、第2の光検出器はメインビームとサブビームを異なる受光領域で受光し、メインビームとサブビーム、もしくはサブビーム同士の光量の差から固体イマルジョンレンズの端面と光記録媒体の表面との相対傾き角度を検出する。
【0015】
本構成によって、複数の情報層を持つ光記録媒体でも、固体イマルジョンレンズの端面と光記録媒体の表面との相対角度を精度よく検出でき、固体イマルジョンレンズと光記録媒体の衝突をさけることができる。
【0016】
更に望ましくは、サブビームとメインビームの固体イマルジョンレンズ上での中心間隔をLとし、複数の情報層を持つ光記録媒体の表面から最奥層までの距離をd、表面から表面に最も近い情報層までの距離をdとし、光記録媒体中での開口数をNAとして
>(d−d)×NA,
の関係を満たす。
【0017】
本構成によれば、検出系において、多層のどの情報層にメインビームの焦点があるときでもメインビームとサブビームを分離して検出できる。
【0018】
また、望ましくは、サブビームとメインビームの固体イマルジョンレンズ上での中心間隔をLとし、対物レンズ系から第2の検出器までの光学系の倍率をαとし、第2の検出器のメインビームの受光領域の一辺の長さをLpdとしたとき、
pd=α×L
であることを満たす。
【0019】
本構成によれば、サブビームが混入することなくメインビームを検出することができる。
【0020】
更に、望ましくは、サブビームとメインビームの固体イマルジョンレンズ上での中心間隔をLとし、光記録媒体の複数の情報層のうち最奥層に光ビームを収束したときの固体イマルジョンレンズの端面でのビーム径をDとし、固体イマルジョンレンズの端面の径をDとして、
D>L+D
の関係を満たす。
【0021】
本構成によれば、固体イマルジョンレンズの端面でサブビームがけられることがなくなる。
【0022】
また、望ましくは、固体イマルジョンレンズは光記録媒体と向き合う端面の周囲がコーン状をしている。
【0023】
本構成によれば、相対傾きに対して、固体イマルジョンレンズと光記録媒体が衝突しづらくなるので、その許容角度を大きくできる。
【0024】
また、望ましくは、サブビームはメインビームをはさんで2本配置する。
【0025】
本構成によれば、相対傾き角度を高い感度で検出できる。
【0026】
また、望ましくは、サブビームはメインビームを中心に十字状に4本配置する。
【0027】
本構成によれば、ラジアル方向、タンゼンシャル方向2方向の相対傾き角度を高い感度で検出することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明の光ピックアップによれば、SIL方式の光学系で、SIL端面と光ディスク表面の相対傾き角度を精度良く検出でき、その角度ずれを抑えることができるので、SILが光ディスクに衝突することなく、安定に高い記録密度の情報を記録再生することができる。また光ディスクを傷つける可能性を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施の形態1における光ピックアップの構成図
【図2】本発明の実施の形態1における回折格子の例の正面図
【図3】本発明の実施の形態1における光記録媒体の情報層の構成と対物レンズ系の関係を示す構成図
【図4】本発明の実施の形態1におけるSIL端面での各ビームの配置関係と大きさを示す概略図、光記録媒体の情報層への各ビームの収束の様子を示すSIL端面付近の拡大図
【図5】本発明の実施の形態1においてL1層にメインビームの焦点があるときのSIL端面での反射の様子と、SIL端面で反射したメインビームとサブビームの検出系での収束点と光検出器の位置関係を示す概略図
【図6】本発明の実施の形態1においてL2層にメインビームの焦点があるときのSIL端面での反射の様子と、SIL端面で反射したメインビームとサブビームの検出系での収束点と光検出器の位置関係を示す概略図
【図7】本発明の実施の形態1においてL3層にメインビームの焦点があるときのSIL端面での反射の様子と、SIL端面で反射したメインビームとサブビームの検出系での収束点と光検出器の位置関係を示す概略図
【図8】本発明の実施の形態1において各層にメインビームの焦点があるときのSIL端面での反射したメインビームの検出系での収束点と光検出器の位置関係と、本発明とは異なる構成の光ピックアップの構成図と、その光ピックアップにおいて、SIL端面で反射したメインビームの検出系での収束点と光検出器の位置関係を示す概略図
【図9】本発明の実施の形態1において各層にメインビームの焦点があるときのSIL端面からの反射光の検出器上でのスポットの大きさと位置関係と受光領域の関係を示す概念図
【図10】本発明の実施の形態2における光ピックアップの構成図
【図11】本発明の実施の形態3における光情報記録再生装置の構成図
【図12】本発明の実施の形態4におけるコンピュータの構成図
【図13】本発明の実施の形態5における光ディスクレコーダの構成図
【図14】従来の光ピックアップの構成図
【図15】従来の光ピックアップで、SIL端面と光ディスク表面が相対的に傾いている場合のSIL端面付近の拡大図
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0031】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における光ピックアップの構成図である。
【0032】
図1において、光源としての半導体レーザ101は直線偏光の光ビームを出射する。サブビーム生成素子としての回折素子102は光源からの光ビームを受けて、メインビームである0次光と、サブビームである±1次光を生成する。メインビームとサブビームは、コリメータレンズ103で略平行光となり、第1の分岐素子であるビームスプリッタ104を透過する。ビームスプリッタ104を透過したメインビームとサブビームは発散度変更機構であるビームエキスパンダ105に入射する。ビームエキスパンダ105は負のパワーを持つレンズ105aと正のパワーを持つレンズ105bから成り、レンズ105aとレンズ105bの間隔を変更することでレンズ105bから出射される光ビームの発散度を変更する機能を有する。レンズ105bは光軸方向に移動可能なアクチュエータ105cに搭載されている。ビームエキスパンダ105を通ったメインビームとサブビームは、第2の分岐素子である、ビームスプリッタ106を透過して、1/4波長板107に入射する。1/4波長板107は直線偏光の光を円偏光に変換する。1/4波長板107を経たメインビームとサブビームは対物レンズ光学系108に入射する。対物レンズ光学系108は、絞りレンズ108aと固体イマルジョンレンズ(SIL)としてのSIL108bから成り、SIL108bの出射端面と、それに対向する光記録媒体である光ディスク200の表面との間に存在するエアギャップをエバネッセント減衰長さより短くして、エバネッセント光による光伝播が行われるようにしている。このギャップ間隔はおおむね波長の10分の1より短い。光ディスク200により反射・回折されたメインビームとサブビームは対物レンズ系108で再び略平行光に戻され、1/4波長板107を経た後、ビームスプリッタ106、104でそれぞれ一部の光が反射される。ビームスプリッタ104は偏光ビームスプリッタであり、往路とは直交する方向の偏光の光ビームを反射する。ビームスプリッタ104で反射された光ビームは検出レンズ110で収束光に変換され、第1の光検出器である光検出器111で受光される。検出レンズ110では収束光への変換と同時に非点収差を与える。光検出器111は図示しないが4分割された受光部を持ち、非点収差法によりフォーカス信号が検出される。またトラッキング信号はプッシュ法により検出される。また、検出器で受光された光量の和信号からRF信号が生成される。一方、ビームスプリッタ106は無偏光のビームスプリッタで、往路と同じ方向の直線偏光も一部を反射する。ビームスプリッタ106で反射された光ビームは検光子109に入射する。検光子109は往路と同じ方向の直線偏光成分のみを透過し、透過した光ビームは検出レンズ120で収束光に変換され、第2の光検出器である検出器121で受光される。検出器121からは、SIL108bと光ディスク200のエアギャップの間隔を検出するためのギャップ信号と相対傾き角度を表すチルト検出信号が得られる。
【0033】
図2に回折格子102の正面図を示す。回折格子102には2方向に格子が作られており、x方向、y方向それぞれに±1次光を生成する。このため、この回折格子102を通った光ビームは、メインビームである0次光と4つのサブビームを生じる。
【0034】
図3は対物レンズ光学系108と光ディスク200の各記録面の関係を示す模式図である。SIL105bの先端と光ディスク200との距離はエバネッセント光として光が効率よく伝播する距離である、例えば25nm程度に保たれる。ここでは光ディスク200は3つの情報層を持つ例を示す。光ビームが入射する側の表面から近い順に、L1(211)L2(212)L3(213)と呼ぶ。表面からL1までの距離をt1、L1とL2の距離をt2、L2とL3の距離をt3とする。また、表面から各記録面までの距離をそれぞれd〜d3とする。光ディスク200の屈折率をn、収束する光ビームの最も外側の光線の角度をθ、開口数(NA)とすると、これらの間には、
NA=n・sinθ ・・・(式1−1),
という関係がある。
【0035】
SIL108bの先端は直径Dの平坦部を残し、その周囲はコーン状をしている。メインビームとサブビームはこの平坦部を通る。
【0036】
図4にSIL108bの端面とメインビーム301、サブビーム302a〜302dとメインビームが到達する情報層の関係を示す。
【0037】
図4(a)はメインビーム301がL1層(211)に照射される場合を示す。SIL108bの端面の中央にメインビーム301、その周囲にサブビーム302a〜302dが配置される。サブビーム302aと302bはメインビーム301に対してタンゼンシャル方向に、サブビーム302cと302dはメインビーム301に対してラジアル方向に配置される。L1層は一番手前であるため、SIL108bの端面でのビーム径が小さく、メインビーム301とサブビーム302a〜302dは互いに重ならない。ここでSIL108bの端面と光ディスク200の表面に相対傾き向きがあるとサブビーム位置でのギャップ間隔が異なる。SIL108b端面での反射率はギャップ間隔が狭ければ小さく(ゼロならば屈折率差だけで決まる反射率)、広ければ全反射に近くなるため1に近づき、大きくなる。このためギャップ間隔の差はサブビームの反射光の光量差として現れる。サブビームの間隔と反射光量差からSIL108bと光ディスク200の相対傾きの角度を検出することができる。図4(b)はメインビーム302がL2層(212)に照射される場合を示す。L2層は中間にあり、SIL108bの端面ではメインビーム301とサブビーム302a〜302dは互いに一部が重なり合う。図4(c)はメインビーム302がL3層(213)に照射される場合を示す。L3層は一番奥にあり、SIL108bの端面ではメインビーム301とサブビーム302a〜302dは互いの重なり合いが大きくなる。
【0038】
SIL108bの端面の直径Dは一番奥にあるL3層にメインビームを集光する場合でも、サブビームがけられないように構成される。サブビームとメインビームの中心間隔をL、ビーム径をDとすると、
D>L+D ・・・(式1−2),
の関係を満たすと良い。本実施の形態の例では3層ディスクであり、表面からL3層までの距離がd、対物レンズ系の光ディスク中での開口数をNA、光ディスクの屈折率をndiskとして、
=2×d×tan(sin-1(NA/ndisk)),と表される。
【0039】
次に検出系の配置について説明する。図5(a)は光ディスク200のL1層にメインビーム301の光が収束しているときの図である。SIL108bの端面で反射したメインビーム301は、d’=d×ndisk/nSILの位置に一旦収束し、そこから発散光となり検出系に導かれる。(ここでdは光ディスク200の表面からL1層までの距離。ndiskはディスクの屈折率、nSILはSIL108bの屈折率)。従って復路の光(光ディスクから光検出器へ向かう光)は、往路の光(光源から光ディスクへ向かう光)よりも光源に近い側を仮想発光点として伝播する。このため、図5(b)に示すようにメインビーム301が検出レンズ120により収束する点123は、検出レンズ120に平行光を入れたときの焦点位置122より遠い側になる。焦点位置122と点123の距離はd’の空気中換算に検出系の縦倍率βを掛けた距離となる。
【0040】
更に図6(a)では光ディスク200のL2層にメインビーム301の光が収束しているときの図である。SIL108bの端面で反射したメインビーム301は、d’=d×ndisk/nSILの位置に一旦収束しそこから発散光となり検出系に導かれる。図6(b)に示すようにメインビーム301が検出レンズ120により収束する点124は、図5(b)で示した点123より遠い側になる。焦点位置122と点124の距離はd’の空気中換算に検出系の縦倍率βを掛けた距離となる。光検出器121は、点124が受光面上に来るように配置する。
【0041】
更に図7(a)では光ディスク200のL3層にメインビーム301の光が収束しているときの図である。SIL108bの端面で反射したメインビーム301は、d’=d×ndisk/nSILの位置に一旦収束しそこから発散光となり検出系に導かれる。図7(b)に示すようにメインビーム301が検出レンズ120により収束する点125は、図6(b)で示した点124より更に遠い側になる。焦点位置122と点125の距離はd’の空気中換算に検出系の縦倍率βを掛けた距離となる。
【0042】
図8(a)にメインビームの各層からの反射光の様子を示す。L1層、L2層、L3層でそれぞれ点123、124、125で収束する。点123と点125の距離Lは、d’とd3’の空気中換算の差に検出系の縦倍率βを掛けたものに等しい。
【0043】
L=(d’−d’)×β×nSIL ・・・(式1−3)。
【0044】
本実施の形態では、図1に示したようにビームスプリッタ106をビームエキスパンダ105の対物レンズ系108側に配置している。このためSIL108bの端面で反射した光が集束する点である焦点位置122が基準となり、そこからの距離の差で集束位置が決まる。仮に、図8(b)で示すように、ビームスプリッタ106がビームエキスパンダ105より光源側(ビームスプリッタ104と同じ側)であった場合の集束位置を図8(c)に示す。ビームエキスパンダ105より光源側では、ビームエキスパンダ105の状態にかかわらず、対物レンズ系108の焦点位置で反射した光ビームは、同じ位置に再度収束する。これは光源と共役の位置に収束するためである。従ってこの場合、対物レンズ系108の焦点で反射したメインビームは、検出レンズ120で収束されると、検出レンズ120に平行光を入れたときの焦点位置132に収束する。メインビームのL1層、L2層、L3層、それぞれの反射光が収束する点を点133、134、135で示す。点133と点135の距離L’は、d’とd’の空気中換算の差の2倍に検出系の縦倍率βを掛けたものに等しい。
【0045】
L’=2(d’−d’)×β×nSIL ・・・(式1−4)。
【0046】
面131はこの系で受光面を配置するとした場合の最適な受光面位置を示す。
【0047】
このように、ビームスプリッタ106と検出系をビームエキスパンダ105より光源側にすると、対物レンズ系側にした場合にくらべ、メインビームを集光する情報層の位置を変えた場合に、SIL108bの端面で反射した光ビームの位置の変化は倍になる。これは、SIL108bの端面からの光を用いてギャップ間隔やチルト信号を生成する際、受光部上でのスポット変化も倍になることを意味する。従って図8(a)と図8(c)に示したように光検出器121でのメインビームのスポット径の最大値は、面131でのメインスポット径の最大値の約半分となる。このため、チルト検出のためにサブビームの受光領域をメインビームの受光領域の周囲に配置することができる。
【0048】
図9に光検出器121の受光面での受光領域の配置とメインビームとサブビームのスポットの関係を示す。図9(a)(b)(c)は、それぞれL1層、L2層、L3層にメインビーム301を集光しているとき例である。SIL108b端面で反射した光のメインビーム301は中央の受光領域401で受光され、サブビーム302a〜302dはそれぞれ、受光領域402a〜402dで受光される。受光領域は受光領域401を中央に受光領域402を十字状に配置する。各受光領域は、情報層が変わり、スポットのサイズが変わっても、受光領域をはみ出さない大きさに設定する。このためには、メインビーム301と各サブビーム302との受光面上での間隔が各スポット径の最大値より大きくなるようにすればよい。
【0049】
ビームの間隔はSIL108b上のメインビームとサブビームの間隔Lbと検出系の横倍率α=√βの積にほぼ等しい。スポットサイズは、受光面から各集束点までの距離と検出側NA、NAdetで決まる。NAdetは、検出系の倍率αと対物側NA、ディスクの屈折率ndiskから、
NAdet=NA/ndisk/α ・・・(式1−5),
とあらわされる。光検出器121の受光面を点123と点125の中点に配置すると、スポットサイズの直径の最大値は、点123と点125の距離LにNAを掛けたものとなる。スポットサイズの直径の最大値をddetとすると
det=NAdet×L, ・・・(式1−6)。
【0050】
これに式1−3、1−5等を代入すると、
det=(d−d)×α×NA ・・・(式1−7),
と表される。
【0051】
従って、光検出器上でメインビームとサブビームを分離するためには、
×α>ddet
が必要であることから、
>(d−d)×NA ・・・(式1−8),
を満たす必要がある。各変数の定義を確認しておくと、LはSIL108b端面上のメインビームとサブビームの中心間隔、dは3層ディスクの最奥層であるL3層の表面からの層厚、dは最も表面に近いL1層の表面からの層厚。NAはディスク対物レンズ系の開口数である。
【0052】
具体的には、d=7μm、d=1μm、NA=1.8とすると
>10.8[μm],
とすればよいので、例えばL=15μmとすればよい。この値を用いて、式(1−2)について考察すると、ndisk=2.0として、D=28.9μm。SILの端面の径Dは、
D>28.9+15=43.9[μm],とすればよいので、例えばD=45μmとすればよい。
【0053】
尚、ここでは3層を考えたので、dを用いたが、一般化するとN層の光ディスクの最奥層の表面からの距離をdとして、
>(d−d)×NA ・・・(式1−9),
と表される。
【0054】
また、この光検出器121のメインビーム用受光領域401のサイズは検出面上のメインビームとサブビームの距離と同じにするのがよい。
【0055】
メインビーム用受光領域の形状を四角形とし、その一辺の長さをLpdとすると、
pd=α×L ・・・(式1−10),
とすればよい。具体的にはL=15μm、α=10倍とすると、一辺が150μmの四角形とする。d=7μm、d=1μm、NA=1.8とすると、スポットサイズの最大値ddetは108μmであり、受光領域内に収まる。
【0056】
サブビーム302a〜302dは外周側に向かっては収差等のためddetより大きなスポット径となる可能性があるが、外周側には制限がないので、受光領域を外周側に広げれば、それらの光を漏れなく受光することができる。また、サブビーム受光領域402a〜402dの内外周方向とは垂直の方向もメインビーム受光領域401の一辺の幅より大きくし、内周側の角を図9に示したように面取りした形状にすればサブビームの受光漏れを減らすことができる。
【0057】
チルト信号としては、サブビーム受光領域402a〜402dから得られる信号をそれぞれ、S〜Sとし、
Ttan=(S−S) ・・・(式1−11),
Trad=(S−S) ・・・(式1−12),
とすれば、ラジアル方向、タンゼンシャル方向それぞれの、光ディスク表面とSIL端面の相対傾き角度を検出することができる。
【0058】
この検出信号をもとに、光ディスクとSIL端面の相対角度ずれを補正することができる。構成の図示はしないが、対物レンズ系108を支えるアクチュエータにチルト機構を設けて傾ける方法や、光ディスク200をモータ部にチルト機構を設けて傾ける方法、光ピックアップ全体を支持するシャフト部にチルト機構を設けて傾ける方法がある。
【0059】
本実施の形態によれば、多層ディスクでも光ディスク表面とSIL端面の相対傾き角度を安定に精度よく検出することができ、SILが光ディスク表面と衝突することを避けることができるため、情報を安定に記録・再生できるだけでなく、重要な光ディスクを傷つける可能性を低くすることができる。
【0060】
尚、本実施の形態では、ラジアル方向とタンゼンシャル方向の両方を検出するため、4本のサブビームを用いる例を示したが、これに限定されるものではなく、2本のみを用いて、ラジアル方向のみ、あるいはタンゼンシャル方向のみの検出を行っても良い。この場合、回折格子は1方向のみの格子でよいため、その構成がより簡単になる。
【0061】
また、メインビームの両側にサブビームを配置する例を示したが、片側のみのサブビームとメインビームとを使って相対傾き角度を検出しても良い。この場合傾き検出の感度は半分になるが、光検出器の受光領域形状は簡素化できる。
【0062】
また、本実施の形態では、サブビームをメインビームから回折素子で生成する方法を示したが、これに限らず、半導体レーザを並べてサブビーム生成素子としてもよい。この場合、メインビームのロスを減らすことができ、特に記録用光ピックアップで半導体レーザのパワーに余裕が無い時には有利である。
【0063】
また、本実施の形態では、2次元の格子を持つ回折素子でサブビームを4本生成する例を示したが、一枚のガラスの表と裏に直交する方向の1次元の回折格子を設けても良い。
【0064】
尚、本実施の形態において、フォーカス検出は非点収差法、トラッキング検出はプッシュプル法を例として示したが、これらに限定されるものではなく、他の検出方式と組み合わせても良い。
【0065】
(実施の形態2)
次に本実施の形態2として、別の構成の例を示す。図10に本実施の形態の光ピックアップの構成を示す。この構成ではコリメートレンズが移動可能なアクチュエータに載っており、発散度変更機構の一部となっている。図10で実施の形態1と同じ機能のものには同じ番号をつける。
【0066】
光源としての半導体レーザ101は直線偏光の光ビームを出射する。サブビーム生成素子としての回折素子501は光源からの光ビームを受けて、メインビームである0次光と、サブビームである±1次光を生成する。メインビームとサブビームは、第1の分岐素子であるビームスプリッタ104を透過する。ビームスプリッタ104を透過したメインビームとサブビームは発散度変更機構であるコリメータレンズ系502に入射する。コリメータレンズ系502は正のパワーを持つコリメータレンズ502aを光軸方向に移動することで、コリメータレンズ502aから出射される光ビームの発散度を変更する機能を有する。コリメータレンズ502aは光軸方向に移動可能なアクチュエータ502bに搭載されている。コリメータレンズ系502を通ったメインビームとサブビームは、第2の分岐素子である、ビームスプリッタ503を透過して、1/4波長板107に入射する。1/4波長板107は直線偏光の光を円偏光に変換する。1/4波長板107を経たメインビームとサブビームは対物レンズ光学系108に入射する。対物レンズ光学系108は、絞りレンズ108aとソリッドイマルジョンレンズのSIL108bから成り、SIL108bの出射端面と、それに対向する光記録媒体である光ディスク200の表面との間に存在するエアギャップをエバネッセント減衰長さより短くして、エバネッセント光による光伝播が行われるようにしている。光ディスク200により反射・回折されたメインビームとサブビームは対物レンズ系108で再び略平行光に戻され、1/4波長板107を経た後、ビームスプリッタ503、104でそれぞれ一部の光が反射される。ビームスプリッタ104は偏光ビームスプリッタであり、往路とは直交する方向の偏光の光ビームを反射する。ビームスプリッタ104で反射された光ビームは検出レンズ510で収束角度を変更され、光検出器511で受光される。検出レンズ510では収束角度の変更と同時に非点収差を与える。光検出器511は図示しないが4分割された受光部を持ち、非点収差法によりフォーカス信号が検出される。またトラッキング信号はプッシュ法により検出される。また、検出器で受光された光量の和信号からRF信号が生成される。一方、ビームスプリッタ503は部分偏光ビームスプリッタで、往路と同じ方向の直線偏光の一部を反射し、それと直交する方向の変更は反射しない。ビームスプリッタ503で反射された光ビームは往路と同じ方向の直線偏光成分のみを持つ。ビームスプリッタ503で反射した光ビームは検出レンズ120で収束光に変換され、検出器121で受光される。検出器121からは、SIL108bと光ディスク200のエアギャップの間隔を検出するためのギャップ信号と相対傾き角度を表すチルト検出信号が得られる。
【0067】
検出レンズ120と光検出器121の関係、検出器121の受光領域の配置は実施の形態1で述べた構成と同じである。
【0068】
本実施の形態によれば、光ビームの発散度変更機構がコリメータレンズを兼ねるため、光学部品の構成要素が少なくなる。また、ビームスプリッタ503も部分偏光ビームスプリッタとすることで、無偏光のビームスプリッタと検光子を組み合わせる場合より部品点数を減らすことができる。
【0069】
(実施の形態3)
本発明の光記録媒体の光情報記録再生装置の実施の形態を図11に示す。図11において光ディスク200は、ターンテーブル605に搭載され、クランパー606により保持され、モータ604によって回転される。第1、第2の実施形態に示した光ピックアップ602は、光ディスク200の所望の情報の存在するトラックのところまで、駆動装置301によって移送される。
【0070】
光ピックアップ602は、光ディスク200との位置関係に対応して、フォーカス信号やトラッキング信号、ギャップ信号、RF信号を電気回路603へ送る。電気回路603はこの信号に対応して、光ピックアップ602へ、対物レンズアクチュエータを駆動させるための信号を送る。この信号によって、光ピックアップ602は、光記録媒体200に対してフォーカス制御、トラッキング制御、ギャップ制御、チルト制御を行い、情報の読み出し、書き込み又は消去を行う。
【0071】
以上の説明において、搭載する光ディスク200は、近接場光により記録再生のための情報層を有する実施の形態1で述べた光記録媒体である。本実施の形態の光情報記録再生装置607は、多層ディスクでも光ディスク表面とSIL端面の相対傾き角度を安定に精度よく検出することができ、SILが光ディスク表面と衝突することを避けることができるため、情報を安定に記録・再生できるだけでなく、重要な光ディスクを傷つける可能性を低くすることができる。
【0072】
(実施の形態4)
本実施の形態は、前記実施形態3に係る光情報記録再生装置607を具備したコンピュータ装置の実施の形態である。図12は、本実施の形態に係るコンピュータの斜視図である。図12に示したコンピュータ609は、実施形態3に係る光情報記録再生装置607と、情報の入力を行うためのキーボード611とマウス612などの入力装置と、入力装置から入力された情報や、光情報記録再生装置607から読み出した情報などに基づいて演算を行うCPUなどの演算装置608と、演算装置608によって演算された結果の情報を表示するブラウン管や、液晶表示装置などの出力装置610とを備えている。
【0073】
本実施の形態に係るコンピュータ装置は、前記実施形態3に係る光情報記録再生装置607を具備しており、近接場光により記録再生のための情報層を持つ光記録媒体に安定に記録又は再生できるので、広い用途に使用できる。
【0074】
(実施の形態5)
本実施の形態は、前記実施形態3に係る光情報記録再生装置607を具備した光ディスクレコーダの実施の形態である。図13は、本実施の形態に係る光ディスクレコーダの斜視図である。図13に示した光ディスクレコーダ615は、実施形態3に係る光情報記録再生装置607と、画像信号を光情報記録再生装置607によって、光記録媒体へ記録する情報信号に変換する記録信号処理回路613を備えている。
【0075】
光情報記録再生装置607から得られる情報信号を、画像信号に変換する再生信号処理回路614も有することが望ましい。この構成によれば、既に記録した部分を再生することも可能となる。更に、情報を表示するブラウン管、液晶表示装置などの出力装置610を備えてもよい。
【0076】
本実施の形態に係る光ディスクレコーダは、前記実施形態3に係る光情報記録再生装置607を具備しており、近接場光により記録再生のための情報層を持つ光記録媒体に安定に記録又は再生できるので、広い用途に使用できる。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明に係る光ピックアップ、及び光情報記録再生装置は、開口数が1を超えるようなSILレンズを使って複数の情報記録面を有する光記録媒体に高密度で、安定した情報の記録または再生が可能になる。よって、この応用機器である大容量の光ディスクレコーダやコンピュータ用メモリ装置などに利用することができる。
【符号の説明】
【0078】
101 半導体レーザ
102,501 回折格子
103 コリメートレンズ
104 ビームスプリッタ
105 ビームエキスパンダ
105a レンズ
105b レンズ
105c アクチュエータ
106 ビームスプリッタ
107 1/4波長板
108 対物レンズ系
108a 絞りレンズ
108b SIL
109 検光子
110 検出レンズ
111 光検出器
120 検出レンズ
121 光検出器
200 光ディスク
301 メインビーム
302a〜d サブビーム
401,402a〜d 受光領域
502 コリメートレンズ系
502a コリメートレンズ
502b アクチュエータ
503 ビームスプリッタ
510 検出レンズ
511 光検出器
601 駆動装置
602 光ピックアップ
603 電気回路
604 モータ
605 ターンテーブル
606 クランパー
607 光情報記録再生装置
608 演算装置
609 コンピュータ
610 出力装置
611 キーボード
612 マウス
613 記録信号処理回路
614 再生信号処理回路
615 光ディスクレコーダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ビームを発する光源と、
前記光源から出射された光ビームをメインビームとし、前記メインビームからサブビームを生成するサブビーム生成素子と、
前記メインビームの発散度を変更する発散度変更機構と、
前記発散度変更機構からのメインビームを複数の情報層を持つ光記録媒体に収束する固体イマルジョンレンズ(SIL)を含む対物レンズ系と、
前記光記録媒体で反射したメインビームを分岐する第1の分岐素子と、
前記固体イマルジョンレンズの端面で反射したメインビームとサブビームを分岐する第2の分岐素子と、
前記第1の分岐素子で分岐したメインビームを検出する第1の光検出器と、
前記第2の分岐素子から分岐したメインビームとサブビームを収束する検出レンズと、
前記検出レンズで収束したメインビームとサブビームを検出する第2の光検出器を備え、
前記固体イマルジョンレンズの端面と前記光記録媒体の表面はエバネッセント光が効率よく伝播する距離である、波長の10分の1より短い距離に保たれ、
前記メインビームと前記サブビームは前記固体イマルジョンレンズの端面の異なる位置を照射し、
前記第2の分岐素子は前記発散度変更機構より前記対物レンズ系側にあり、
前記第2の光検出器は前記メインビームと前記サブビームを異なる受光領域で受光し、
前記メインビームとサブビーム、もしくはサブビーム同士の光量の差から前記固体イマルジョンレンズの端面と前記光記録媒体の表面との相対傾き角度を検出することを特徴とする光ピックアップ。
【請求項2】
前記サブビームとメインビームの前記固体イマルジョンレンズ上での中心間隔をLとし、前記複数の情報層を持つ光記録媒体の表面から最奥層までの距離をd、表面から表面に最も近い情報層までの距離をdとし、光記録媒体中での開口数をNAとして
>(d−d)×NA,
の関係を満たすことを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ。
【請求項3】
前記サブビームとメインビームの前記固体イマルジョンレンズ上での中心間隔をLとし、前記対物レンズ系から前記第2の検出器までの光学系の倍率をαとし、前記第2の検出器の前記メインビームの受光領域の一辺の長さをLpdとしたとき、
pd=α×L
であることを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ。
【請求項4】
前記サブビームとメインビームの前記固体イマルジョンレンズ上での中心間隔をLとし、前記複数の層を持つ光記録媒体の最奥層に光ビームを収束したときの前記固体イマルジョンレンズの端面でのビーム径をDとし、前記固体イマルジョンレンズの端面の径をDとして、
D>L+D
の関係を満たすことを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ。
【請求項5】
前記固体イマルジョンレンズは光記録媒体と向き合う端面の周囲がコーン状をしていることを特徴とする請求項4記載の光ピックアップ。
【請求項6】
前記サブビームはメインビームをはさんで2本配置されることを特徴とする請求項1から5記載の光ピックアップ。
【請求項7】
前記サブビームはメインビームを中心に十字状に4本配置されることを特徴とする請求項1から5記載の光ピックアップ。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載の光ピックアップと、光記録媒体を回転するモータと、前記光ピックアップから得られる信号に基づいて、前記モータ、前記光ピックアップに用いたレンズ、及び前記光源の少なくともいずれかを制御及び駆動する電気回路とを備えたことを特徴とする光情報記録再生装置。
【請求項9】
請求項8に記載の光情報記録再生装置を備え、入力された情報、及び前記光情報記録再生装置から再生された情報の少なくともいずれかに基づいて演算を行う演算装置と、前記入力された情報、前記光情報記録再生装置から再生された情報、及び前記演算装置によって演算された結果の少なくともいずれかを出力する出力装置を備えたことを特徴とするコンピュータ装置。
【請求項10】
請求項8に記載の光情報記録再生装置と、画像情報を前記光情報記録再生装置に記録する情報に変換する記録用信号処理回路と、前記光情報記録再生装置から得られる信号を画像に変換する再生用信号処理回路とを備えた光ディスクレコーダ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−101726(P2013−101726A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−52666(P2010−52666)
【出願日】平成22年3月10日(2010.3.10)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】