説明

光ポインティング装置および電子機器

【課題】透明樹脂によって封止された撮像素子を備えた基板に透光性樹脂を用いて光学部材を実装するときに、透光性樹脂の塗布量がばらついたとしても、または透明樹脂の反りが発生したとしても、歩留まりを低下させない。
【解決手段】光ポインティング装置1は、被写体に光を照射する光源16と、被写体からの反射光を反射させて導光させると共に、反射光を撮像素子15に結像させる結像素子14を有するカバー部24と、カバー部24によって導光された光を受光する撮像素子15を有するセンサ基板26と、センサ基板26を封止すると共に、カバー部24に向いた面内の撮像素子15に対応する位置に凸部を有し、凸部およびその周辺以外の箇所においてはカバー部24から離れている透明樹脂20と、凸部およびその周辺にのみ配置され、カバー部24と凸部およびその周辺とを密着させる透光性接着層30Aとを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話等の携帯情報端末に搭載可能な光ポインティング装置及びそれを備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話やPDA(Personal Digital Assistants)等の携帯情報端末に代表される小型の電子機器においては、一般的に、情報を入力するユーザーインターフェースとしてキーパッドが採用されている。キーパッドは、通常、数字及び文字を入力するための複数個のボタンと方向ボタン(十字キー)とにより構成されている。また、近年は携帯情報端末のディスプレイ部にグラフィック等の表現が可能となることに伴い、ユーザに対する情報の表示方式として、主に、ディスプレイ部を2次元において用いるGUI(Graphical User Interface)が採用されるようになってきている。
【0003】
このように、携帯情報端末が高機能化し、コンピュータと同等の表示機能を備えることになったが、キーパッドの方向キー等を用いる従来の携帯情報端末の入力手段においては、GUIによって表現されたアイコン等の選択には適しておらず、不便であった。そのため、携帯情報端末においても、コンピュータに用いられているボール式マウス若しくは光学式マウス等のマウスや、タッチパッド又はタブレットのように、直感的な操作を可能とするポインティング装置が求められるようになってきている。
【0004】
そこで、携帯情報端末に搭載可能なポインティング装置として、下記のようなポインティング装置が提案されている。このポインティング装置は、接触する被写体としての指の指紋を撮像素子により観察し、接触面における被写体の指紋の移動変化を抽出することによって、被写体の動きを検知する。
【0005】
例えば、特許文献1および特許文献2に開示された光学式ジョイスティックは、接触面上の被写体の動きを電気信号として出力する光ポインティング装置として用いられる。この光学式ジョイスティックにおいては、接触面上の被写体をLED等の光源によって照射し、被写体から散乱された光を集光レンズにて撮像素子に集光する。集光された被写体の像は、イメージセンサ等の撮像素子により連続的に撮像され、撮像した画像データにおける直前の撮影画像データに対する変化量を抽出する。こうして抽出された変化量に基づいて被写体の動きが算出される。このような光ポインティング装置を用いることによって、ディスプレイ上に示されたカーソル等を被写体の動きに合わせて移動させることができる。
【0006】
上記特許文献1および特許文献2に開示された光学式ジョイスティックにおいては、その光学系は、装置の小型化・薄型化を図るため、LED及び反射ミラーを含む光源部と、第1反射面及び第1平凸レンズ部を有する第1導波管と、第2反射面及び第2平凸レンズ部を有する第2導波管と、イメージセンサとを含んでいる。この光学式ジョイスティックにおいては、第1導波管及び第2導波管が反射面及びレンズ部を含み、光学系は水平方向に折り曲げて配置されるため、装置の垂直方向の長さ(厚み)を小さく(約2mm以下)することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特表2008−510246号公報(2008年4月3日公表)
【特許文献2】特開2008−226224号公報(2008年9月25日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1および2における光ポインティング装置においては、結像光学系が、各光学部材間の空気層を利用しているため、部品の屈折率と、空気の屈折率との差により光が屈折してしまう。そのため、組立のばらつきや、長時間の使用や、振動等の外部からの衝撃等により、部品間の隙間にばらつきが生じ、光の消失により光学特性が劣化する。また、上記隙間にごみや異物などが付着して、光学特性が劣化することもある。光学特性が劣化することにより、良好に指の変位を検出できないことがある。
【0009】
これらの問題を解決しうる光ポインティング装置を提供するために、本願出願人は、特願2009−220598号(先行出願1)を出願している。尚、当該先行出願1は本願出願時において未公開である。
【0010】
上記先行出願1においては、光学部材とセンサ基板を封止した樹脂との間に、透明樹脂を配置した光ポインティング装置が開示されている。以下、図11を用いて説明する。図11(a)〜(d)は、従来の光ポインティング装置における基板部126へ光学カバー124を実装した時の断面図である。同図(a)に示すように、上記光ポインティング装置においては、センサ基板122を封止する透明樹脂120に凹部102Aが形成されている。すなわち、撮像素子115の上面の透明樹脂120に凹部102Aが形成されている。同図(b)に示すように、当該凹部102Aに透明樹脂130を塗布する。そして、基礎回路121へ光学カバー124を実装する。
【0011】
しかしながら、図11(c)に示すように、透明樹脂130は、光学部材124とセンサ基板122を封止する樹脂120との隙間103Aにおいて毛細管現象により吸い取られる。そのため、センサ基板122を封止した樹脂120の上面に一部の透明樹脂130が残るか、またはほとんど透明樹脂130が残らない現象が発生する可能性が高い。
【0012】
当該現象により、図11(d)に示すように、光学部材124とセンサ基板122を封止した樹脂120との間に空間104Aが発生する。空間104Aが発生すると部品間の隙間にばらつきが生じる。これにより、部品の屈折率と空気の屈折率の差が生じる。当該屈折率の差により光が消失することにより光学特性が劣化する。その結果、光ポインティング装置の機能は低下する。また、毛細管現象により、光学部材124とセンサ基板122を封止した樹脂120との間に透明樹脂130をとどめておくことができない。よって、光ポインティング装置の製造歩留まりが低下する。
【0013】
この問題を解決しうる光ポインティング装置を提供するために、本願出願人は、特願2010-130362号(先行出願2)を出願している。尚、当該先行出願2は本願出願時において未公開である。
【0014】
上記先行出願2においては、光学部材と撮像素子を封止した樹脂との間に、透光性樹脂層を形成した光ポインティング装置が開示されている。以下、図12を用いて説明する。図12は、従来の光ポインティング装置を示す図であり、(a)は構造を示す図であり、(b)は透光性樹脂を塗布する場所を示す図であり、(c)は塗布した透光性樹脂の流れを示す図である。同図(b)に示すように、上記光ポインティング装置においては、センサ基板122’を封止する樹脂120Aにおける面120Bに透光性樹脂130’が塗布されている。面120Bは、センサ基板部122’における撮像素子の上面に対応する面である。
【0015】
しかしながら、図12(c)に示すように、上記光ポインティング装置に塗布された液状の透光性樹脂130’は、矢印G〜J方向へ流れる。すなわち、センサ基板122’を封止した樹脂120Aの上面に塗布された透光性樹脂130’は、樹脂120Aの上面の全体に広がる。そのため、撮像素子の上面へ透光性樹脂130’を確実に配置できるとは限らない。すなわち、上記光ポインティング装置においては、基板部126に光学部材を実装する際に、透光性樹脂130’の配置をコントロールすることが難しい。
【0016】
また、透光性樹脂130’は、光源を封止した樹脂120’の上面およびセンサ基板122’を封止した樹脂120Aの上面に、直接塗布される。そのため、封止樹脂120Aの反りの影響を受けやすい。封止樹脂120Aに反りが発生した場合、撮像素子の上面の封止樹脂120Aと光学部材との間に空間が発生しやすい。さらに、その空間をなくすために、透光性樹脂130’の塗布量を多くすると、余剰の透光性樹脂130’が光学部材のプリズム部へ流出してしまう。光学部材のプリズム部を透光性樹脂130’が覆うと、光学部材において被写体からの反射光が反射されず、光ポインティング装置として動作しない不具合も発生する。よって、光ポインティング装置の製造歩留まりが低下する。
【0017】
本発明は上記の課題を解決するために為されたものである。そして、その目的は、透明樹脂によって封止された撮像素子を備えた基板に透光性樹脂を用いて光学部材を実装するときに、透光性樹脂の塗布量がばらついたとしても、または透明樹脂の反りが発生したとしても、歩留まりを低下させることのない光ポイティング装置、および当該光ポイティング装置を備えた電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明に係る光ポインティング装置は、上記の課題を解決するために、
被写体に光を照射する光源と、
上記被写体からの反射光を反射させて導光させると共に、反射光を撮像素子に結像させる結像素子を有する光学部材と、
上記光学部材によって導光された光を受光する撮像素子を有する基板と、
上記基板を封止すると共に、上記光学部材に向いた面内の上記撮像素子に対応する位置に第1の凸部を有し、当該第1の凸部およびその周辺以外の箇所においては上記光学部材から離れている第1の透明樹脂と、
上記第1の凸部およびその周辺にのみ配置され、上記光学部材と上記第1の凸部およびその周辺とを密着させる透光性樹脂層とを備えていることを特徴とする。
【0019】
上記の構成によれば、透明樹脂の上面であり、かつ、撮像素子の上面に対応する位置に、第1の凸部を設ける。このことにより、当該第1の凸部に透光性樹脂を塗布することができる。
【0020】
上記第1の凸部の上面へ透光性樹脂を塗布し、光学部材を基板へ実装した後の透光性樹脂の硬化は、最も熱効率のよい光学部材と撮像素子の上面との間である第1の凸部から始まり、その周辺には未だ硬化していない透光性樹脂が豊富に存在する。よって、撮像素子の上面における第1の凸部の上の透光性樹脂の硬化による透光性樹脂の収縮分を、上記第1の凸部の周辺に存在する硬化していない透光性樹脂により補うことができる。そのため、透光性樹脂の硬化時の収縮により第1の凸部の上の透光性樹脂が欠ける現象も発生しにくい。
【0021】
光学部材と第1の透明樹脂とは、上記第1の凸部およびその周辺においてのみ透光性樹脂を介して密着する。光学部材と第1の透明樹脂とが透光性樹脂を介して密着している面積は少ないため、透光性樹脂は毛細管現象の影響を受けにくい。その結果、第1の透明樹脂における撮像素子の上面から透光性樹脂がなくなることはない。したがって、撮像素子の上面に透光性樹脂が配置された状態を維持することができる。
【0022】
さらに、光学部材と第1の凸部およびその周辺とは、透光性樹脂を介して密着しているので、空間が生じることはない。したがって、光の消失により光学特性が劣化し、光ポインティング装置の機能が低下することを防ぐことができる。一方、光学部材と第1の透明樹脂における第1の凸部およびその周辺以外との間には、空間が生じるので、本発明に係る光ポインティング装置は、第1の透明樹脂の反りの影響を受けにくい。その結果、光ポインティング装置の製造歩留まりを高めることができる。
【0023】
以上のように、本発明によれば、透明樹脂によって封止された撮像素子を備えた基板に透光性樹脂を用いて光学部材を実装するときに、透光性樹脂の塗布量がばらついたとしても、または透明樹脂の反りが発生したとしても、歩留まりを低下させることのない光ポイティング装置を実現することができる効果を奏する。
【0024】
本発明に係る表示装置においては、さらに、
上記第1の透明樹脂における上記光学部材に向いた面内に上記第1の凸部を取り囲む第2の凸部を備えていることが好ましい。
【0025】
上記の構成によれば、第1の凸部の周辺に第2の凸部があるので、第1の凸部に塗布した透光性樹脂の余剰分の流れをコントロールできる。すなわち、第1の凸部に塗布した透光性樹脂の量が多く、透光性樹脂が当該第1の凸部およびその周辺以外に流れ出すような場合においても、さらに設けた第2の凸部において、透光性樹脂の流れだしを堰き止めることができる。そして、第1の凸部と第2の凸部との間に、透光性樹脂をとどめておくことができる。
【0026】
本発明に係る表示装置においては、さらに、
上記第1の透明樹脂における上記光源側に形成された第3の凸部を備え、
上記第3の凸部よりも上記光源側に空間が形成されていることが好ましい。
【0027】
上記の構成によれば、第3の凸部において、第1の透明樹脂における撮像素子に対応する位置に設けた第1の凸部に塗布した透光性樹脂の光源側への流出を、防ぐことが出来る。さらに、第3の凸部と光源との間に空間を設けることにより、第3の凸部において透光性樹脂の流れを堰き止め止められない場合においても、当該第3の凸部から流出した透光性樹脂を溜めることなく、流すことができる。
【0028】
本発明に係る表示装置においては、さらに、
上記光源を封止している第2の透明樹脂と、
上記被写体からの反射光を遮ると共に、上記第2の透明樹脂における上記第1の透明樹脂側の側面において上記第2の透明樹脂と密着するように形成されており、上記第1の透明樹脂側に傾斜を有する遮光樹脂とをさらに備えていることが好ましい。
【0029】
上記構成によれば、第1の凸部に塗布した透光性樹脂が、光学部材における反射面に付着することを防ぐことができる。
【0030】
本発明に係る表示装置においては、さらに、
上記光源を封止している第2の透明樹脂をさらに備えており、
上記第2の透明樹脂における上記光学部材に向いた面内の中央部分に比べて、当該面内における左右部分がより凹んでいることが好ましい。
【0031】
上記の構成によれば、光ポインティング装置において第2の透明樹脂の反りによる影響を受けにくくなる。
【0032】
本発明に係る電子機器は、上記の課題を解決するために、上述したいずれかの光ポインティング装置を備えている。
【0033】
上記の構成によれば、光ポインティング装置の機能低下をなくし、製造歩留まりの高い光ポインティング装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明の光ポインティング装置は、光学部材と撮像素子を封止している透明樹脂との間に確実に透光性樹脂層を形成することができる。さらに、本発明の光ポインティング装置は、透光性樹脂の塗布量がばらついたとしても、または透明樹脂の反りが発生したとしても、製造歩留まりを低下させることがない。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る光ポインティング装置の断面図である。
【図2】(a)〜(d)は、本発明の実施形態1に係る光ポインティング装置の組立手順を説明する図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る基板部の斜視図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る基板部へ光学カバーを実装した時の断面図である。
【0036】
同図(a)は、凸部へ透光性樹脂を塗布する前の状態を示す図である。同図(b)は、凸部に透光性樹脂を塗布した時の状態を示す図である。同図(c)は、基板部へカバー部を実装した状態を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る基板部の斜視図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る基板部へ光学カバーを実装した時の断面図である。
【0037】
同図(a)は、凸部へ透光性樹脂を塗布する前の状態を示す図である。同図(b)は、凸部に透光性樹脂を塗布した時の状態を示す図である。同図(c)は、基板部へカバー部を実装した状態を示す図である。
【図7】本発明に係る光ポインティング装置の這い上がり禁止領域を示す図である。
【図8】本発明の第3の実施形態に係る基板部を説明するための図である。同図(a)は基板部の斜視図である。同図(b)は同断面図である。同図(c)は基板部に塗布した樹脂の流れを示す図である。
【図9】本発明の第4の実施形態に係る基板部の斜視図である。
【図10】本発明の実施形態5に係る光ポインティング装置を備えた電子機器のを示すものである。同図(a)は光ポインティング装置を搭載ずる電子機器としての外観を示す正面図である。同図(b)は同背面図である。同図(c)は同側面図である。
【図11】従来の光ポインティング装置における基板部へ光学カバーを実装した時の断面図である。同図(a)は、透明樹脂を塗布する前の状態を示す図である。同図(b)は、透明樹脂を塗布した時の状態を示す図である。同図(c)は、基板部へカバー部を実装した時の状態を示す図である。同図(d)は、基板部へカバー部を実装した後の状態を示す図である。
【図12】従来の光ポインティング装置を示す図である。同図(a)は構造を示す図である。同図(b)は樹脂を塗布する場所を示す図である。同図(c)は樹脂の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明の各実施形態について、光源としてLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)を用いた光ポインティング装置を例として説明する。本発明の光ポインティング装置は、指先等の被写体に対して光を照射し、該被写体から反射された光を受光することによって、被写体の動きを検知するものである。以下、各実施形態の光ポインティング装置の構成について具体的に説明する。尚、同一の機能及び作用を示す部材については、同一の符号を付し、説明を省略する。
〔実施形態1〕
本発明の第1の実施形態を示す光ポインティング装置について、図1〜図4に基づいて説明する。まず、図1は、本実施形態にかかる光ポインティング装置1の概略構造を示す断面図である。光ポインティング装置1は、主要構成部として、基板部26と導光板型光学部材であるカバー部24とを備えている。
(基板部26)
基板部26は、主に回路基板21、光源16、撮像素子15を含むセンサ基板22、及び透明樹脂(構造体)20,20’からなっている。
【0039】
(カバー部24)
カバー部24は、接触面11、傾斜面13を形成する光路変換手段及びプリズムとしての折り曲げ素子12、結像反射部としての結像素子14及び反射面17・18を含んでいる。カバー部24の接触面11に接触している被写体10は、指先等の被写体であり、光ポインティング装置1が指の指紋の動きを検知する対象物である。尚、ここでは光ポインティング装置1に対する被写体10の状態を分かり易くするために、被写体10を光ポインティング装置1に対して便宜的に小さく記載している。
【0040】
ここで、光ポインティング装置1の厚み方向(図1の縦方向)をZ軸とし、光ポインティング装置1の幅方向(図1の横方向)をY軸とする。光ポインティング装置1の下部から上部に向かう方向をZ軸の正方向とし、光源16から撮像素子15に向かう方向をY軸の正方向とする。また、Z軸の正方向を垂直方向、Y軸の正方向を水平方向とも称する。また、光ポインティング装置1の奥行き方向をX軸とし、図1に示す光ポインティング装置1の奥側から手前側に向く方向をX軸の正方向とする。
【0041】
(カバー部24の構成)
まず、カバー部24の構成について説明する。カバー部24は、光源16及び撮像素子15等の光ポインティング装置1を構成する各部・各素子を保護するものである。カバー部24は、基板部26の上側に位置している。カバー部24は、基板部26における撮像素子15に対応する部分の透光性接着層30Aにのみ密着している。尚、本実施形態において、カバー部24におけるZ軸の負側の表面であって、基板部26上に搭載され光ポインティング装置1として形成されているときの外部に露出していない表面部分を、カバー部24の裏面と称する。
【0042】
カバー部24における側面の底部の付近にはフランジ25が設けられており、本実施形態の光ポインティング装置1が電子機器に搭載され、指等の被写体10によりカバー部24の接触面11からZ軸の負方向側に押された場合に、回路基板21の底面に設けられる図示しない板バネ状の接点スイッチによるZ軸の正方向側へ生じる力をある位置において規制して、押ボタンスイッチとして必要な一定のストローク量を確保するために使用される。
【0043】
カバー部24における接触面11は、被写体10が光ポインティング装置1と接する面である。接触面11は、カバー部24の上表面における光源16の上方に位置する。
(折り曲げ素子12)
上記折り曲げ素子12は、プリズムになっており、光源16の上方、かつ接触面11の下方に位置し、カバー部24の裏面の基板部26と接しない部分に位置する、カバー部24の裏面の凹部を形成している。折り曲げ素子12には、傾斜面13が形成されており、該傾斜面13とカバー部24の上表面とがなす狭角を傾斜角度θとする。折り曲げ素子12は、光源16から照射された照射光Mを傾斜面13において屈折させて、被写体10に向かうように照射光Mの経路を変換するものである。また、折り曲げ素子12は、被写体10から反射された反射光L1を傾斜面13において全反射させて、カバー部24の内部におけるY軸の正方向に反射光L1の経路を変換するものである。傾斜面13にて全反射された、被写体10から反射された反射光L1は、後述する反射面17に向かう。このように、折り曲げ素子12の傾斜面13は、照射光Mを透過し、反射光Lを全反射するものである。そのため、カバー部24には、光源16の上方における、カバー部24と基板部26との間の空間の屈折率よりも大きい屈折率を有する材質が用いられる。例えば、カバー部24には屈折率が1.5程度の可視光吸収タイプのポリカーボネート樹脂やアクリル樹脂を用いる。
【0044】
(結像素子14)
結像素子14は、被写体10からの反射光L1を反射して反射光L2に経路を変換し、撮像素子15上に被写体10の像を結像するものである。結像素子14は、撮像素子15の上方、かつ撮像素子15よりもY軸の正方向側に位置し、カバー部24の裏面における基板部26とは接しない部分に位置する、カバー部24の裏面の凹部を形成している。結像素子14には、直交する2方向の曲率が異なる例えばトロイダル面が形成されている。結像素子14は、このトロイダル面において反射光L1を反射して反射光L2と成し、かつ撮像素子15に結像するような機能を持つ。結像素子14において効率的に反射光L1を反射させるために、結像素子14のトロイダル面には、例えば、アルミ、ニッケル、金、銀、誘電体ダイクロ膜等の金属の反射膜を蒸着させる。
【0045】
尚、上記の説明においては、結像素子14には例えばトロイダル面が形成されているとしているが、必ずしもこれに限らず、例えば、球面、非球面等の反射体であって、撮像素子15に結像できるものであれば使用することが可能である。
【0046】
(反射面17)
反射面17は、傾斜面13において全反射された反射光L1を結像素子14に入射させ、結像素子14から反射された反射光L2を撮像素子15に入射させるためのものである。反射面17は、撮像素子15の上方であって、カバー部24の上表面に位置する。反射面17は、カバー部24の上表面に反射膜を蒸着させて形成される。反射面17を形成する反射膜は、外部に露出しており使用者によく見えるため、外観上、できるだけ目立たない膜とすることが望ましい。例えば、光源16が照射する光の波長が可視波長外の赤外波長(例えば、800nm以上)の場合、反射面17を形成する反射膜は、光源16から照射された800nm以上の波長帯の赤外光を反射し、800nm以下の可視波長帯の光を透過するものであればよい。このように、光源16が照射する光の波長と、反射面17を形成する反射膜の反射率及び透過率の特性を適宜設定することによって、被写体10からの反射光Lを効率的に反射し、かつ外観上は目立たない反射面17を形成することができる。
【0047】
(不要光の遮断)
また、光源16が照射する光の波長が可視波長外の赤外波長(例えば、800nm以上)の場合、カバー部24の材質は赤外光のみを透過する可視光吸収型のポリカーボネート樹脂またはアクリル樹脂にすればよい。このような材質によりカバー部24を形成することによって、カバー部24の外部から進入してくる不要光のうち、可視光成分をカバー部24において遮断することができる。そして、上述のように、赤外光を反射する反射面17を形成することによって、上記不要光のうち、赤外光成分を反射面17において遮断することができる。光ポインティング装置1に入射する不要光を遮断することによって、該不要光による誤動作を防ぐことができる。
【0048】
(反射面18)
反射面18は、結像素子14から反射されて反射面17において反射された光L2を再度反射面17に向けて反射するものである。反射面18は、撮像素子15の上方、かつ撮像素子15よりY軸の正方向側に位置し、カバー部24の裏面に位置する。反射面18は、カバー部24の裏面に反射膜を蒸着させて形成される。反射面18を形成する反射膜は、効率的に光を反射するものが好ましい。例えば、反射面18は、アルミ、ニッケル、金、銀、誘電体ダイクロ膜などの金属を蒸着して形成される。
【0049】
(基板部26の構成)
次に、上記基板部26の構成について説明する。
【0050】
本実施形態の基板部26においては、1つの回路基板21上に光源16と撮像素子15とを搭載している。光源16及び撮像素子15は、ワイヤボンド又はフリップチップ実装にて回路基板21と電気的に接続されている。回路基板21には、回路が形成されている。当該回路は、光源16の発光タイミングを制御したり、撮像素子15から出力された電気信号を受けて、被写体10の動きを検知したりするものである。回路基板21は、同一材料からなる平面状のものであり、例えば、プリント基板やリードフレーム等からなっている。
【0051】
(光源16)
光源16は、カバー部24の接触面11に向けて光を照射するものである。光源16から照射された照射光Mは、透明樹脂20’を介してカバー部24の折り曲げ素子12により屈折され進行方向が変換されて接触面11に到達する。すなわち、照射光Mは、接触面11に対して斜め方向から、つまり接触面に対して或る入射角により入射する。ただし、光源16から撮像素子15に対して、カバー部24を通らず直接伝播される光が存在する。この光は、カバー部24中を通る反射光L1およびL2として撮像素子15に入射する光に対して、迷光として作用するため、撮像品質が劣化する。従ってこの迷光は、基板部26の透明樹脂20’に隣接して設けられた遮光樹脂19により遮光を行うことにより、撮像品質の劣化を防いでいる。
【0052】
(カバー部24における光の反射)
カバー部24は、後述するように、空気よりも屈折率が大きい材質であるため、接触面11に到達した照射光Mは、接触面11上に被写体10が無い場合、その一部が接触面11を透過し、残りの一部が接触面11において反射する。このとき、照射光Mの接触面11に対する入射角が全反射の条件を満たす場合、照射光Mは、接触面11を透過せず、全て接触面11において反射してカバー部24内に向かう。一方、接触面11上に被写体10がある場合、照射光Mは、接触面11と接している被写体10の表面において反射し、カバー部24に入射される。光源16は、例えばLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)等の光源によって実現され、特に高輝度の赤外発光ダイオードにより実現されることが好ましい。
【0053】
(撮像素子15)
撮像素子15は、光源16が照射した、被写体10において反射された反射光を受光し、受光した光に基づいて接触面11上の像を結像し、画像データに変換するものである。具体的には、撮像素子15は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor:相補形金属酸化膜半導体)やCCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)等のイメージセンサからなっている。センサ基板22は、撮像素子15および図示しないDSP(Digital Signal Processor:算出部)を含み、受光した照射光MをDSPに画像データとして取り込む。撮像素子15は、センサ基板22の指示にしたがって、接触面11上の像を一定の間隔により撮影し続ける。
【0054】
(被写体10の移動)
接触面11上に接している被写体10が移動した場合、撮像素子15が撮影する画像は、その直前に撮影した画像とは異なる画像となる。センサ基板22は、DSPにおいて、撮影した画像データとその直前の画像データとの同一箇所の値をそれぞれ比較し、被写体10の移動量及び移動方向を算出する。すなわち、接触面11上の被写体10が移動した場合、撮影した画像データは、その直前に撮影した画像データに対して所定量ずれた値を示す画像データである。センサ基板22は、DSPにおいて、該所定量に基づいて被写体10の移動量及び移動方向を算出する。センサ基板22は、算出した移動量及び移動方向を電気信号として回路基板21に出力する。尚、DSPは、センサ基板22内ではなく、回路基板21に含まれるものであってもよい。その場合、センサ基板22は、撮像素子15にて撮像した画像データを順番に回路基板21に送信する。
【0055】
(センサ基板22の処理)
センサ基板22の処理をまとめると、センサ基板22は、接触面11上に被写体10が無い場合、接触面11の像を撮像素子15にて撮像する。次に、接触面11上に被写体10が接触すると、センサ基板22は、接触面11と接している被写体10の表面の像を撮像素子15にて撮像する。例えば、被写体10が指先の場合、センサ基板22は、指先の指紋の像を撮像素子15にて撮像する。ここで、撮像素子15により撮像された画像データは、接触面11上に被写体10が無いときの画像データと異なる画像データとなっているため、センサ基板22のDSPは、接触面11上に被写体10が接触していることを示す信号を回路基板21に送信する。そして、被写体10が移動すると、DSPが直前に撮像した画像データと比較して、被写体10の移動量及び移動方向を算出し、算出した移動量及び移動方向を示す信号を回路基板21に送信する。
【0056】
(封止樹脂20および20’)
撮像素子15を含むセンサ基板22は、透明樹脂20(第1の透明樹脂)によって周囲が封止されている。光源16は、透明樹脂20’(第2の透明樹脂)によって周囲が封止されている。透明樹脂20および20’の底面は、回路基板21の上表面と密着している。透明樹脂20および20’を構成する透光性樹脂として、例えば、シリコーン樹脂若しくはエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂又はアクリルやポリカーボネート等の熱可塑性樹脂が用いられる。封止の手段は、一般的なトランスファーモールドによる成型や、インジェクションモールドや、ポッティングなどの他の成型を使用することもできる。また、光源16を封止している透明樹脂20’は、発光波長以外の波長の光がカットできる材料を使用すると、外乱光、迷光対策ができて好ましい。
【0057】
(透光性接着層30A)
透明樹脂20におけるカバー部24に向いた面内の撮像素子15に対応する位置には、後述する凸部20E(第1の凸部)が形成されている。当該凸部20Eとカバー部24との間に透光性接着層30A(透光性樹脂層)が設けられている。透光性接着層30Aは透明樹脂20の凸部20Eおよびカバー部24と密着している。すなわち、透光性接着層30Aと凸部20Eとの間、および透光性接着層30Aとカバー部24との間には、空気の層が存在しないようになっている。このことから、光の屈折率に差が生じず、被写体10の像は、大きく屈折することなく撮像素子15へ結像する。透光性接着層30Aを構成する透光性樹脂30としては、シリコーン樹脂若しくはエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂又はアクリルやポリカーボネート等の熱可塑性樹脂が用いられる。さらに、透光性接着層30Aを構成する透光性樹脂30としては、LED発光波長以外の波長の光をカットでき、かつ、カバー部24や透明樹脂20との密着性が高いものが望ましい。また、透光性接着層30Aを構成する材料の屈折率は、カバー部24や透明樹脂20とできるだけ近いことが望ましい。
【0058】
(光ポインティング装置1)
このように、回路基板21上に搭載された光源16及び撮像素子15を含むセンサ基板22がそれぞれ透明樹脂20’及び20によって封止されているため、回路基板21、光源16、撮像素子15、センサ基板及び透明樹脂20が一体となっている基板部26が形成されている。そのため、光ポインティング装置1の部品点数を減らすことができ、組み立て工程数も減らすことができる。よって、光ポインティング装置1の製造コストを削減することができると共に、被写体10の検知精度の高い光ポインティング装置1を実現することができる。
【0059】
このように、本実施形態の光ポインティング装置1においては、基板部26の透明樹脂20・20’側面及び上表面を基準として、基板部26の上方に、カバー部24を組み立てている。
【0060】
(光ポインティング装置1における光の経路)
上記構成の光ポインティング装置1において、光源16から照射された光が被写体10を反射して撮像素子15に入射する経路を図1に基づいて説明する。
【0061】
図1に示すように、まず、光源16から照射された照射光Mが、折り曲げ素子12の傾斜面13において屈折透過されて、接触面11に到達する。接触面11上に被写体10がある場合、被写体10の接触面11に接している表面上において、光源16から照射された照射光Mが散乱反射する。被写体10の表面において反射された反射光L1は、折り曲げ素子12の傾斜面13において全反射されて、進路がY軸の正方向に変わる。傾斜面13において全反射された反射光L1は、反射面17にて反射し、結像素子14に到達する。そして、反射光L1は、結像素子14にて折り返し反射されて反射光L2となり、反射面17、反射面18、及び反射面17にて次々と反射されて最終的に撮像素子15に入射する。
【0062】
(反射光L2)
ここで、反射光L2はカバー部24から撮像素子15に対して斜めから入射するが、この入射の角度はカバー部24のZ方向の厚みを薄くすればするほどZ軸に対して大きくなる。そしてこの角度が、カバー部24の材質の持つ屈折率から算出される全反射角度よりも大きくなった場合、反射光L2の一部または全部がカバー部24の底面において全反射されて、撮像素子15に入射されなくなる。この課題を解決するために、光ポインティング装置1においては、カバー部24の底面と基板部26の透明樹脂20の上面の凸部20Eおよびその周辺との間に透光性樹脂30からなる透光性接着層30Aが設けられている。
【0063】
この透光性接着層30Aの屈折率と、カバー部24および基板部26の透明樹脂20の屈折率との差を小さくすることによって、反射光L2のZ軸に対する入射角が大きくなっても、全反射条件が満たされなくなるため、反射光L2は撮像素子15に入射することが出来る。
【0064】
(屈折率)
例えばカバー部24の材質をポリカーボネートやアクリルにした場合、その屈折率は1.4〜1.6である。また透明樹脂20・20’の材質としてエポキシ系樹脂とした場合、その屈折率は1.5〜1.65である。従って、この透光性接着層30Aの材質としては、屈折率が1.4〜1.6辺りの材料が望ましく、例えばアクリル系やシリコーン系(または変性シリコーン系)もしくはエポキシ樹脂等の熱硬化性または常温硬化性の接着剤が挙げられる。
【0065】
(光ポインティング装置1の組立工程)
次に図2(a)〜(d)を用いて、本発明に係る光ポインティング装置1の組立工程を説明する。図2(a)〜(d)は、本実施形態に係る光ポインティング装置1の組立手順を説明する図である。
【0066】
まず、図2(a)および(b)に示すように、基板部26に対して、図示しない外部基板との接続を行うためのFPC(Flexible_Print_Circuit)23を、無鉛半田リフロー処理等を用いてハンダ付けする。
【0067】
その後、基板部26の透明樹脂20・20’表面およびFPC23表面の油や樹脂バリ等汚損物をプラズマ処理により清浄する。この時、透明樹脂20表面は清浄されるだけでなく数μ以下の粗さに粗化(微小な凹凸が形成)されるため、硬化前の流動性をもつ透光性樹脂30の濡れ性が向上しかつ接触面積が大きくなるだけでなく、上記微小な凹凸が透光性接着層30Aを構成する樹脂に対するアンカーの役割を果たすため、物理的な接着力も向上する。
【0068】
すなわち、小型化および薄型化を達成し、かつ高い信頼性(耐環境性)および性能を有する光ポインティング装置1を提供することができる。
【0069】
(透明樹脂20と透光性樹脂30との接着)
本実施形態においては、流動性を持つ透光性樹脂30と、透明樹脂20との物理的な接着力を向上させるために、Arプラズマ処理によって透明樹脂20表面に凹凸を形成し、かつ透明樹脂20の表面から離型剤を除去しているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、透明樹脂20の表面を大気中におけるコロナ放電、OプラズマやCHプラズマにより処理することによって、水酸基、カルボニル基およびカルボキシル基などの官能基を透明樹脂20の表面に付与してもよい。透明樹脂20の表面に水酸基、カルボニル基およびカルボキシル基などの官能基を付与することによって、透明樹脂20と透光性樹脂30との化学的な結合力も向上させることができ、硬化後の透光性接着層30Aと透明樹脂20との物理的な接着力および化学的な結合力の向上を同時に行うことによって、基板部26から光学カバー24が剥離することを抑制することができる。
【0070】
また、透明樹脂20やカバー部24の底面上に、シランカップリング剤が付与されていても良い。付与するシランカップリング剤は、化学的な接着力を向上し得るものであればよく、従来公知のシランカップリング剤から、カバー部24および透明樹脂20を構成する樹脂の性質に合わせて、エポキシ系やアミノ系その他のシランカップリング剤を適宜選択すればよい。
【0071】
シランカップリング剤の付与は、以下のように行なえばよい。シランカップリング剤をイソプロピルアルコールなどの有機溶媒によって1%程度に希釈し、希釈したシランカップリング剤にカバー24部の底面や透明樹脂20の上面を浸漬(ディップ)する。その後乾燥させることによって、シランカップリング剤を付与することができるが、なおここで説明した方法以外にも、従来公知の方法を用いてシランカップリング剤を付与することができる。
【0072】
以上、このように処理された部分を接着力向上部とする。
【0073】
(黒色接着剤31)
その後、図2(c)に示すように、FPC23上の回路基板21に隣接する外側の領域に、カバー部24のフランジ25と接するように黒色接着剤31を、ディスペンサシリンジ32を用いて塗布する。この黒色接着剤31は、光ポインティング装置1の外部から入ってくる迷光およびカバー部24内を伝播する迷光をも遮光するために黒色を用いることが好ましい。この黒色接着剤31の材質は、アクリル系やシリコーン系(または変性シリコーン系)もしくはエポキシ樹脂等の熱硬化性または常温硬化性の接着剤が挙げられる。ただし、黒色接着剤31を熱硬化性とする場合は、FPC23上の隙間31Aを設ける。これにより、基板部26上に、カバー部24が配置された際、フランジ25と黒色接着剤31が密着され、加熱される際に、光ポインティング装置1内部に閉じ込められた空気が加熱により体積膨張して、装置1内部において破裂するのを防ぐことが出来る。
【0074】
(透光性樹脂30)
次に、図2(d)に示すように、基板部26の透明樹脂20における凸部20Eの上面であって、撮像素子15直上の場所に、透光性樹脂30を、ディスペンサシリンジ32を用いて塗布する。
【0075】
(カバー部24の配置)
その後、図2(e)に示すように、基板部26上にカバー部24を配置する(配置後は図2(f)のようになる)。
【0076】
(透光性樹脂30の硬化)
透光性樹脂30を硬化させるため、基板部26上にカバー部24を配置したものを加熱炉に入れて、適宜加熱を行い本発明の光ポインティング装置1の組立工程が終了する。
(凸部20E)
図3は、本実施形態に係る基板部26の斜視図である。図4(a)〜(c)は、本実施形態に係る基板部26へカバー部24を実装した時の断面図である。図3に示すように、センサ基板22を封止している透明樹脂20には、凸部20Eが透明樹脂20と一体として形成されている。また、図4(a)に示すように、凸部20Eは、撮像素子15の直上に形成されている。この凸部20Eは、基板部26とカバー部24とを、透光性接着層30Aを介して密着させる部分である。透明樹脂20における凸部20Eおよびその周辺以外の場所である面20Fはカバー部24と密着させない部分である。すなわち、面20Fとカバー部24との間に空間を設けることができる。
【0077】
(基板部26へのカバー部24の実装)
図4(b)に示すように、凸部20Eに塗布された透光性樹脂30は、表面張力により、凸部20E上にとどまる。そこへ、カバー部24を実装すると同図(c)の状態となる。図4(c)に示すように、凸部20Eに塗布された透光性樹脂30は、基板部26にカバー部24を実装する際に凸部20Eからその周辺および面20Fへ押し出される。そのとき、凸部20Eにおける透光性樹脂30の余剰分のみが凸部20Eの周辺および20Fに押し出される。この状態において透光性樹脂30を熱硬化させると、熱効率のよい凸部20Eから硬化反応が始まる。その際、透光性樹脂30の硬化による収縮により凸部20Eにおいて透光性樹脂30が不足する可能性がある。しかし、このとき、面20Fにおいては凸部20Eに比べ熱効率が悪いため、面20Fに押し出された透光性樹脂30は、硬化していない。この硬化していない透光性樹脂30が、凸部20Eに流れ込む。そのため、凸部20Eにおける透光性樹脂30の不足分を補うことができる。よって、透光性樹脂30の不足により凸部20Eにおける透光性樹脂30が欠ける現象は発生しにくい。
【0078】
また、透明樹脂20の外周は、凸部20Eの高さよりも低いため、透明樹脂20の外周とカバー部24との間には空間が生じる。よって、透明樹脂20の反りが発生した場合においても、本実施形態における光ポインティング装置1は、透明樹脂20の反りの影響を受けにくい。
【0079】
図3および図4に示すように、透明樹脂20上に形成された凸部20Eに透光性樹脂30を塗布し、基盤部26へカバー部24を実装することによって、図1に示す光ポインティング装置1を製造することができる。
【0080】
(本実施形態における効果)
本実施形態においては、凸部20Eの上面に透光性樹脂30を確実に塗布することができる。すなわち、撮像素子15の上面に透光性樹脂30を確実に配置できる。よって、カバー部24と透明樹脂20とを、凸部20Eの上の透光性樹脂30Aを介して、密着させることができる。すなわち、カバー部24と凸部20Eとの間に空間が生ずることはない。そのため、部品の屈折率と空気の屈折率との差は生じない。その結果、光が消失することはないので、本実施形態における光ポインティング装置1においては、光学特性は劣化しない。
【0081】
また、カバー部24と透明樹脂20とは、凸部20Eの上面に塗布された透光性接着層30Aのみを介して密着している。すなわち、凸部20Eの上面およびその周辺以外の場所である面20Fにおいては、基板部26とカバー部24との間には空間が設けられている。当該空間を設けることにより、透明樹脂20に反りが発生した場合であっても、本実施形態における光ポインティング装置1は、透明樹脂20の反りの影響を受けにくい。
【0082】
したがって、本実施形態における光ポインティング装置1は、ポインティング機能の低下を防ぐことができる。また、光ポインティング装置1の製造歩留まりの低下も防ぐことができる。
【0083】
〔実施形態2〕
本発明に係る第2の実施形態について図5および図6に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施形態において説明すること以外の構成は、上記実施形態1と同じである。また、説明の便宜上、実施形態1において各図面に示す部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0084】
(基板部26a)
図5は、本実施形態に係る基板部26aの斜視図である。図6(a)〜(c)は、本実施形態に係る基板部26aへカバー部24を実装した時の断面図である。
【0085】
図5および図6(a)に示すように、センサ基板22を封止している透明樹脂20には、実施形態1の構成に加え、凸部20Eの外周に凸部20G(第2の凸部)が形成されている。すなわち凸部20Gは、透明樹脂20におけるカバー部24に向いた面内に、凸部20Eを取り囲むように設けられている。
【0086】
(凸部20Gおよび溝20H)
凸部20Gは、凸部20Eから透光性樹脂30が流れ出した場合、その透光性樹脂30を堰き止める部分である。
【0087】
凸部20E及び凸部20Gは、透光性接着層30Aを介して光学カバー24と密着しているが、それ以外の透明樹脂20の上面は光学カバー24と密着していない。凸部20Gの高さは、透明樹脂20の反り量を考慮し、凸部20Eよりも低く形成する場合もある。また、凸部20Gを設けたことにより、凸部20Eと凸部20Gとの間に溝20Hが形成される。溝20Hは、凸部20Eから透光性樹脂30が流れ出した場合、その透光性樹脂30をとどめる部分である。
【0088】
(基板部26aへのカバー部24の実装)
図6(b)に示すように、凸部20Eに塗布された透光性樹脂30は、表面張力により、凸部20E上にとどまる。そこへ、カバー部24を実装すると同図(c)の状態となる。図6(c)に示すように、凸部20Eに塗布された透光性樹脂30は、基板部26aにカバー部24を実装する際に凸部20Eの上面から外周の溝部20Hに押し出される。このとき、透光性樹脂30は毛細管現象により凸部20Gに吸い寄せられる。
【0089】
しかし、凸部20Gとカバー部24とが透光性樹脂30を介して密着している面積は少ないため、凸部20Eの上面における透光性樹脂30までを吸い取ることはない。凸部20Gが形成されてることによって、透光性樹脂30は凸部20Eの周辺にとどまりやすく、透光性樹脂30の熱硬化時の粘度低下によって透明樹脂20の外周部へ流れだすことはない。さらに、黒色接着剤31が透明樹脂20の上に這い上がる現象が発生した場合においても、凸部20Gおよび溝部20Hが形成されているため、黒色接着剤31が凸部20Eまで這い上がることはない。よって、透明樹脂20における撮像素子15の上面およびその周辺の透明樹脂20の特性に影響することはない。
【0090】
〔実施形態3〕
本発明に係る第3の実施形態について図7および図8に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施形態において説明すること以外の構成は、上記実施形態1と同じである。また、説明の便宜上、実施形態1において各図面に示す部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0091】
(這い上がり禁止領域40)
図7は、本発明に係る光ポインティング装置1の這い上がり禁止領域40を示す図である。光ポインティング装置1の組立工程においては、実施形態1において説明したように、透光性樹脂30を凸部20Eの上面に塗布した後、基板部26の上にカバー部24を被せる。凸部20Eの上面に塗布した透光性樹脂30の塗布量が多かった場合、凸部20Eの上面にとどまらなかった残りの透光性樹脂30は光源16方向へ流れ出すことがある。このとき、残りの透光性樹脂30は、回路基板21とカバー部24との空間5Aに溜まる。さらに、この透光性樹脂30が傾斜面13へ流れ込む場合がある。傾斜面13は、被写体10の表面において反射された反射光L1を反射させる。したがって、透光性樹脂30が傾斜面13に付着した場合、反射光L1が傾斜面13において反射されず、光ポインティング装置1は動作しなくなる。図7においては、這い上がり禁止領域40に透光性樹脂30が流れ込むと、反射光L1が傾斜面13において反射されず、光ポインティング装置1は動作しなくなる。
【0092】
(基板部26b)
図8(a)および(b)は、本実施形態に係る基板部26bを説明するための図である。図8(c)は、本実施形態に係る基板部26bにおける樹脂の流れを示す図である。同図に示すように、本実施形態においては、実施形態1の構成に加え、樹脂止め構造20K(第3の凸部)および空間6Aが形成されている。
(樹脂止め構造20K)
樹脂止め構造20Kは、凸部20Eから透光性樹脂30が、光源16を封止する透明樹脂20’側へ流れだすことを防止している。図8(a)および(b)に示すように、樹脂止め構造20Kは、透明樹脂20に設けられた構造である。樹脂止め構造20Kは、透明樹脂20における透明樹脂20’側に設けられている。樹脂止め構造20Kは、幅0.1mm程度に、高さはカバー部24に接触する程度に設計することが望ましい。
【0093】
(空間6A)
空間6Aは、樹脂止め構造20Kを乗り越えた透光性樹脂30の光源16側への這い上がりを防止するための空間である。図8(a)および(b)に示すように、空間6Aは、透明樹脂20と遮光樹脂19との間に設けられている。
【0094】
(遮光樹脂19)
遮光樹脂19は、被写体10から反射した光を遮る。これまでの構造においては、遮光樹脂19は、光源16を封止している透明樹脂20‘とセンサ基板を封止している透明樹脂20とにまたがるように形成されている。そのため、遮光樹脂19の成型時に、透明樹脂20及び20’には遮光樹脂19の樹脂止め用の金型押えの段差20I・20Jが必須となり、段差20I・20Jは平坦にする必要がある。この段差20I・20Jの幅は、一般的に0.25mm以上必要である。
【0095】
しかし、本実施形態においては、図8(a)および(b)に示すように、遮光樹脂19を光源16側にのみ形成している。遮光樹脂19は、センサ基板22の透明樹脂20には接触していない。そのため、空間6Aを形成することができる。また、遮光樹脂19はセンサ基板22を封止する透明樹脂20側には形成されていない。よって、センサ基板22を封止する透明樹脂20側には、遮光樹脂19の成型時の樹脂止め用の金型押えの段差20I上は平坦にする必要がないので、段差20I上に透光性樹脂30の余剰の透光性樹脂30の流出を防止する樹脂止め構造20Kを設けることができる。
【0096】
さらに、遮光樹脂19における空間A側の側面に傾斜を設けることにより、樹脂止め構造20Kを乗り越え、空間6Aに流れた透光性樹脂30が、反射面13に流れ込み、反射面13に付着することを防ぐことができる。
【0097】
(透光性樹脂30の流れ)
余剰の透光性樹脂30は、図8(c)矢印Aに示すように、樹脂止め構造20Kにより堰きとめられる。さらに、この樹脂止め構造20Kを乗り越えて空間6Aへと流れだした透光性樹脂30は、図8(c)矢印EおよびFに示すように、遮光樹脂19と透明樹脂20との間に形成されている空間6Aに流れだす。そのため、透光性樹脂30は傾斜面13へは這い上がらない。万が一、空間6Aに透光性樹脂30が溜まってしまったとしても、遮光樹脂19の撮像素子側の側面に傾斜を設けているため、透光性樹脂30は反射面13に付着することなく、空間6Aに戻り流れる。
【0098】
〔実施形態4〕
本発明に係る第4の実施形態について図9に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施形態において説明すること以外の構成は、上記実施形態1と同じである。また、説明の便宜上、実施形態1において各図面に示す部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0099】
(基板部26c)
図9は、本実施形態に係る基板部26cの斜視図である。同図に示すように、本実施形態においては、透明樹脂20’の反りを考慮して、透明樹脂20’におけるカバー部24に向いた面内の左右部分を削ることによって、透明樹脂20’に段差(構造20Nおよび20M)を設けている。すなわち、透明樹脂20’におけるカバー部24に向いた面内の左右部分が、当該面内における中央部分に比べて凹んでいる。
(構造20Nおよび20M)
構造20Nおよび20Mは、透明樹脂20’の反りの影響を受けにくくするための構造である。透明樹脂20においては凸部20Eが形成されているが、透明樹脂20だけでなく、透明樹脂20’においても段差を設けることにより、カバー部24の組立の時に基板部26cの反りの影響を受けにくくなる。尚、透明樹脂20’における構造20Nおよび20Mと中心部との段差は、透明樹脂20における凸部20Eと凸部20E以外との段差と同じである。基板部26cの構造により、透明樹脂20’の反りの量が大きい場合は、反りの量に応じた段差をつけることが望ましい。
【0100】
〔実施形態5〕
最後に、第5の実施形態の光ポインティング装置57を搭載した電子機器について、図10を用いて説明する。
【0101】
図10(a)〜(c)は、本実施形態に係る光ポインティング装置57を備えた電子機器50を示す図である。尚、図10(a)〜(c)においては、電子機器として携帯電話機50である例を示しているがこれに限定されるものではない。電子機器として、例えば、PC(特にモバイルPC)、PDA(Personal Digital Assistant:携帯情報端末)、ゲーム機、テレビ等のリモコン、電子レンジ等であってもよい。また、本発明の光ポインティング装置57に使用できる光源は、LEDに限らず、半導体レーザ素子等のLED以外の発光装置であっても良いことも言うまでもない。
【0102】
(携帯電話機50の構成)
図10に示すように、携帯電話機50は、モニター側筐体51及び操作側筐体52を備えている。モニター側筐体51は、モニター部55及びスピーカー部56を含み、操作側筐体52は、マイク部53、テンキー54および本発明に係る光ポインティング装置57を含んでいる。
【0103】
なお、本実施形態において、光ポインティング装置57は、図10(a)に示すように、テンキー54の上部に配置されているが、光ポインティング装置57の位置及びその向きについては、これに限定されるわけではない。
【0104】
(各部の機能)
スピーカー部56は、音声情報を外部に出力するものであり、マイク部53は音声情報を携帯電話機50に入力するものである。モニター部55は、映像情報を出力するものであり、本実施形態においては、光ポインティング装置57からの入力情報を表示するものである。
【0105】
(携帯電話50の形態)
なお、本実施形態の携帯電話機50は、図10(a)〜(c)に示すように、上部の筐体(モニター側筐体51)と下部の筐体(操作側筐体52)とがヒンジを介して接続されている、いわゆる折りたたみ式の携帯電話機50を例として挙げている。本実施形態においては折りたたみ式の携帯電話機を一例として挙げているのであって、光ポインティング装置1を搭載することができる携帯電話機50は、折りたたみ式に限るものではない。
【0106】
(携帯電話機の厚み)
近年、折りたたみ式の携帯電話機において、折りたたんだ状態において厚みが10mm以下のものも登場してきている。携帯電話機の携帯性を考慮するならば、その厚みは極めて重要な要素となっている。図10(a)〜(c)に示す操作側筐体52において、図示されない内部の回路基板等を除いて、その厚みを決定する部品は、マイク部53、テンキー54、光ポインティング装置57である。この中においては、光ポインティング装置57の厚さが最も厚く、光ポインティング装置57の薄型化は、携帯電話機の薄型化に直接繋がる。
【0107】
したがって、上述のように薄型化可能な本発明の光ポインティング装置57を利用した携帯電話機は、容易に薄型化およびコンパクト化を実現することができる。
【0108】
このように、本実施形態の電子機器としての携帯電話機50は、光ポインティング装置57を備えている。したがって、光路変換手段及び結像反射部が一体化されたカバー部24を用いる場合においても、光学特性の劣化が少ない光ポインティング装置57を備えた携帯電話機50を提供することができる。
【0109】
尚、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲において種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0110】
本発明は、PCや携帯電話機等の入力装置に利用することができ、特に小型化および薄型化を要求される携帯機器に好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0111】
1・57 光ポインティング装置
10 被写体
11 接触面
12 折り曲げ素子
13 傾斜面
14 結像素子(結像反射部)
15 撮像素子
16 光源
17・18 反射面
19 遮光樹脂
20・20’ 透明樹脂(構造体)
21 回路基板
22 センサ基板
23 FPC
24 カバー部
25 フランジ
26 基板部
30 透光性樹脂
30A 透光性接着層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体に光を照射する光源と、
上記被写体からの反射光を反射させて導光させると共に、反射光を撮像素子に結像させる結像素子を有する光学部材と、
上記光学部材によって導光された光を受光する撮像素子を有する基板と、
上記基板を封止すると共に、上記光学部材に向いた面内の上記撮像素子に対応する位置に第1の凸部を有し、当該第1の凸部およびその周辺以外の箇所においては上記光学部材から離れている第1の透明樹脂と、
上記第1の凸部およびその周辺にのみ配置され、上記光学部材と上記第1の凸部およびその周辺とを密着させる透光性樹脂層とを備えていることを特徴とする光ポインティング装置。
【請求項2】
上記第1の透明樹脂における上記光学部材に向いた面内に上記第1の凸部を取り囲む第2の凸部をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の光ポインティング装置。
【請求項3】
上記第1の透明樹脂における上記光源側に形成された第3の凸部をさらに備え、
上記第3の凸部よりも上記光源側に空間が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の光ポインティング装置。
【請求項4】
上記光源を封止している第2の透明樹脂と、
上記被写体からの反射光を遮ると共に、上記第2の透明樹脂における上記第1の透明樹脂側の側の面において上記第2の透明樹脂と密着するように形成されており、上記第1の透明樹脂側に傾斜を有する遮光樹脂とをさらに備えていることを特徴とする請求項1〜3に記載の光ポインティング装置。
【請求項5】
上記光源を封止している第2の透明樹脂をさらに備えており、
上記第2の透明樹脂における上記光学部材に向いた面内の中央部分に比べて、当該面内における左右部分がより凹んでることを特徴とする請求項1〜3に記載の光ポインティング装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の光ポインティング装置を備えていることを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−203545(P2012−203545A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−66134(P2011−66134)
【出願日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】