説明

光伝送装置および光伝送方法

【課題】システム内で検出された反射光が光コネクタ外れまたはSBSのいずれを原因とするものであるかを識別することができ、識別結果に応じたシステムの制御動作を実行することを課題とする。
【解決手段】光伝送装置は、出力側光コネクタから戻ってくる戻り重畳光から基本低周波を除去した時の周波数成分を取得して、各周波数帯において低い周波数レベルを示す周波数成分が取得された場合には、出力側光コネクタから戻ってくる戻り光が、光コネクタの外れを原因とするフレネル光であると識別する。また、基本低周波よりも小さい周波数帯において高い周波数レベルを示す周波数成分が取得された場合には、周波数成分を積分して周波数の振幅を検出し、この振幅が閾値を超えている場合には、出力側光コネクタから戻ってくる戻り光が、誘導ブリュアン散乱を原因とするストークス光であると識別する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、光信号を送出する出力を制御するとともに、光コネクタにより接続された光ファイバを含んで構成される光伝送路を介して光信号を伝送する光伝送装置、および当該光伝送装置により実現される光伝送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、光伝送技術を用いた光伝送システムにおいて、光信号の出力を制御する技術が存在する(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この従来の技術では、光コネクタ端面の反射光を検出した場合には、光ファイバが光コネクタから外れた状態である光コネクタ外れと判断して、光信号の出力を安全なレベルまで引き下げることが行われる。
【0004】
【特許文献1】特開2006−287649号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記した従来の技術は、光伝送システムの制御動作が困難となる場合があるという問題点があった。
【0006】
上記した従来の技術は、光コネクタ端面の反射光の検出に基づいて光出力を制御するものであるが、光伝送システムにおいては、光コネクタ外れの他に、誘導ブリュアン散乱(SBS:Stimulated Brillouin Scattering)を原因として反射光が発生することが考えられる。この場合に、従来の技術では、SBSを原因とする反射光の検出を光コネクタ外れと誤判断して、光信号の出力を安全なレベルまで引き下げてしまう結果、SBSが発生しなくなる。
【0007】
このようにして、光伝送システムにおいてSBSの発生と光出力レベルの引下げ動作が繰り返し実行されると、入力された光信号を増幅する光増幅器が間欠的に発振を引き起こすことになるので、光伝送システム全体の制御が困難となる場合があるという問題点があった。
【0008】
そこで、この発明は、上述した従来技術の課題を解決するためになされたものであり、システム内で検出された反射光が光コネクタ外れまたはSBSのいずれを原因とするものであるかを識別することができ、識別結果に応じたシステムの制御動作を実行することが可能な光伝送装置および光伝送方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明は、光信号を送出する出力を制御するとともに、光コネクタにより接続された光ファイバを含んで構成される光伝送路を介して光信号を伝送する光伝送装置であって、前記光伝送路により伝送された光信号の戻り光を検出する戻り光検出部と、前記戻り光検出部により戻り光が検出された場合に、基本低周波を重畳した重畳光を生成して送出する重畳光送出部と、前記重畳光送出部より送出された重畳光に対する戻り重畳光の解析結果に基づいて、前記戻り光検出部により検出された戻り光が、光コネクタ外れによるフレネル光、あるいは誘導ブリュアン散乱によるストークス光のいずれであるかを識別する戻り光識別部と、前記戻り光識別部による識別結果を区別できる状態で警報を出力する警報出力部と、を備えたことを要件とする。
【0010】
また、本発明は、上記の発明において、前記重畳光送出部より送出された重畳光に対する戻り重畳光の周波数と、前記重畳された基本低周波の周波数とを乗算し、当該乗算された周波数の周波数帯域から低周波数帯域を除去して、経時的な波形の変化量であるジッタ量を取得するジッタ量取得部をさらに備え、前記戻り光識別部は、前記ジッタ量取得部により取得されたジッタ量が閾値を超えている場合には、前記戻り光検出部により検出された戻り光が前記ストークス光であると識別し、前記ジッタ量取得部により取得されたジッタ量が閾値を超えていない場合には、前記戻り光検出部により検出された戻り光が前記フレネル光であると識別することを要件とする。
【0011】
また、本発明は、上記の発明において、前記重畳光送出部より送出された重畳光に対する戻り重畳光の周波数帯域から、前記重畳された基本低周波の周波数成分を除去した周波数成分を取得する周波数成分取得部をさらに備え、前記戻り光識別部は、前記周波数成分取得部により取得された周波数成分を積分して、当該積分結果が閾値を超えている場合には、前記戻り光検出部により検出された戻り光が前記ストークス光であると識別し、当該積分結果が閾値を超えていない場合には前記フレネル光であると識別することを要件とする。
【0012】
また、本発明は、光信号を送出する出力を制御するとともに、光コネクタにより接続された光ファイバを含んで構成される光伝送路を介して光信号を伝送する光伝送方法であって、前記光伝送路により伝送された光信号の戻り光を検出する戻り光検出ステップと、前記戻り光検出ステップにより戻り光が検出された場合に、基本低周波を重畳した重畳光を生成して送出する重畳光送出ステップと、前記重畳光送出ステップより送出された重畳光に対する戻り重畳光の解析結果に基づいて、前記戻り光検出部により検出された戻り光が、光コネクタ外れによるフレネル光、あるいは誘導ブリュアン散乱によるストークス光のいずれであるかを識別する戻り光識別ステップと、前記戻り光識別ステップによる識別結果を区別できる状態で警報を出力する警報出力ステップと、を含んだことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
開示の装置または方法によれば、システム内で検出された反射光が光コネクタ外れまたはSBSのいずれを原因とするものであるかを識別することができ、識別結果に応じたシステムの制御動作を実行することができるという効果を奏する。
【0014】
また、開示の装置によれば、光信号波形の位相と振幅を評価するための波形振幅の経時的な変化量であるジッタ量を得て、光コネクタ外れによるフレネル光、あるいは誘導ブリュアン散乱によるストークス光のいずれであるかを識別することができ、システム内で検出された反射光が光コネクタ外れまたはSBSのいずれを原因とするものであるかを識別することができるという効果を奏する。
【0015】
また、開示の装置によれば、基本低周波成分が重畳された状態の戻り重畳光から基本低周波成分を除去して、基本低周波成分以外の成分があるか否かを評価することができ、光コネクタ外れによるフレネル光、あるいは誘導ブリュアン散乱によるストークス光のいずれであるかを識別することができ、システム内で検出された反射光が光コネクタ外れまたはSBSのいずれを原因とするものであるかを識別することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る光伝送装置および光伝送方法を実施するための一実施形態を詳細に説明する。なお、以下では、本発明を実施するための一実施形態として、本発明に係る光伝送装置の実施形態である実施例1を説明した後に、本発明に含まれる他の実施形態として他の実施例を説明する。
【実施例1】
【0017】
以下の実施例1では、実施例1に係る光伝送装置の概要および特徴、かかる光伝送装置の構成および処理を順に説明し、最後に実施例1に係る効果を説明する。
【0018】
[光伝送装置の概要および特徴(実施例1)]
最初に、図1〜図3を用いて、実施例1に係る光伝送装置の概要および特徴を説明する。図1は、実施例1に係る光伝送装置の概要および特徴を説明するための図である。図2は、実施例1に係るフレネル光の特性を示す概念図である。図3は、実施例1に係るストークス光の特性を示す概念図である。
【0019】
実施例1に係る光伝送装置は、光信号を送出する出力を制御するとともに、光コネクタにより接続された光ファイバを含んで構成される光伝送路を介して光信号を伝送することを概要とする。そして、実施例1に係る光伝送装置は、システム内で検出された反射光が光コネクタ外れまたはSBSのいずれを原因とするものであるかを識別することができ、識別結果に応じたシステムの制御動作を実行することが可能である点に主たる特徴がある。
【0020】
この主たる特徴について具体的に説明すると、図1に示すように、実施例1に係る光伝送装置は、出力側光コネクタから戻ってくる戻り光が検出されると、基本低周波を重畳させた重畳光を生成し、出力側光コネクタから外部へ送出する(図1の(1)参照)。
【0021】
次に、実施例1に係る光伝送装置は、出力側光コネクタから戻ってくる戻り重畳光から基本低周波を除去した時の周波数成分を取得して(図1の(2)参照)、先に出力側光コネクタから戻ってきた戻り光が、光コネクタの外れを原因とするフレネル光、あるいは誘導ブリュアン散乱を原因とするストークス光のいずれであるかを識別する(図1の(3)参照)。
【0022】
ここで、戻り重畳光から基本低周波を除去して周波数成分を取得した時のフレネル光およびストークス光の特性について簡単に説明する。まず、出力側光コネクタから戻ってくる戻り光が、光コネクタの外れを原因とするフレネル光である場合には、この戻り光に基本低周波を重畳させて生成した重畳光の周波数と周波数レベルの関係は、図2の(A)に示すようになる。そして、出力側光コネクタから戻ってくる戻り重畳光から基本低周波を除去して取得される周波数成分は、図2の(B)に示すように、各周波数帯において低い周波数レベルを示すという特性を有する。
【0023】
一方、出力側光コネクタから戻ってくる戻り光が、誘導ブリュアン散乱を原因とするストークス光である場合には、この戻り光に基本低周波を重畳させて生成した重畳光の周波数と周波数レベルの関係は、図3の(A)に示すようになる。そして、出力側光コネクタから戻ってくる戻り重畳光から基本低周波を除去して取得される周波数成分は、図3の(B)に示すように、基本低周波よりも小さい周波数帯において高い周波数レベルを示すという特性を有する。
【0024】
そこで、実施例1に係る光伝送装置は、図2の(B)に示すように、各周波数帯において低い周波数レベルを示す周波数成分が取得された場合には、出力側光コネクタから戻ってくる戻り光が、光コネクタの外れを原因とするフレネル光であると識別する。
【0025】
また、実施例1に係る光伝送装置は、図3の(B)に示すように、基本低周波よりも小さい周波数帯において高い周波数レベルを示す周波数成分が取得された場合には、周波数成分を積分して周波数の振幅を検出し、この振幅が閾値を超えている場合には、出力側光コネクタから戻ってくる戻り光が、誘導ブリュアン散乱を原因とするストークス光であると識別する。
【0026】
そして、実施例1に係る光伝送装置は、出力側光コネクタから戻ってくる戻り光が、光コネクタの外れを原因とするフレネル光であると識別した場合には、光の出力を安全レベルまで引き下げるように制御し、また、戻り光の識別結果を区別できる状態で、アラーム等による警報を管理者に対して出力する(図1の(4)参照)。
【0027】
このようなことから、実施例1に係る光伝送装置は、上述した主たる特徴のように、システム内で検出された反射光が光コネクタ外れまたはSBSのいずれを原因とするものであるかを識別することができ、識別結果に応じたシステムの制御動作を実行することが可能である。
【0028】
[光伝送装置の構成および処理(実施例1)]
次に、図4を用いて、実施例1に係る光伝送装置の構成および処理を説明する。図4は、実施例1に係る光伝送装置の構成および処理を説明するための図である。
【0029】
[光伝送装置の構成(実施例1)]
実施例1に係る光伝送装置は、入力側光コネクタ1と、出力側光コネクタ2と、光合分波器3と、EDF(Erbium Doped Fiber)4と、励起光源5と、光出力制御器6と、基本低周波発振器7と、受光器8と、受光器9と、受光検出器11と、帯域除去フィルタ12と、整流器13と、光識別器14とから構成される。
【0030】
入力側光コネクタ1および出力側光コネクタ2は、外部へ光信号を伝送するための光ファイバを接続するコネクタである。光合分波器3は、レンズを利用して光を合成または分離する合成分離器であり、例えば、励起光源5で発生した励起光と入力側コネクタ1を介して外部からの入力を受け付けた入力信号光を合波した信号光を生成する。また、光合分波器3は、基本低周波が重畳された重畳光を励起光源5から受け付けてEDF4に出力する。
【0031】
EDF4は、光合分波器3で生成された信号光に反転分布を発生させて増幅する増幅器である。励起光源5は、入力信号光に合波する励起光を発生させる光源であり、例えば、半導体レーザなどがこれに該当する。
【0032】
光出力制御器6は、励起光源5で発生させる励起光を制御するとともに、基本低周波発振器7により発生させた基本低周波を励起光に重畳させるように励起光源5を制御する制御器である。なお、光出力制御器6は、光識別器14から識別結果の入力を受け付けると、光コネクタの外れを原因とするフレネル光であるとする識別結果である場合には、励起光源5からの光出力を安全レベルまで引き下げるように制御し、光コネクタ外れであること知らせるためのアラームによる警報を管理者に報知する。また、誘導ブリュアン散乱を原因とするストークス光であるとする識別結果である場合には、誘導ブリュアン散乱であること知らせるためのアラームによる警報を管理者に対して報知する。
【0033】
基本低周波発振器7は、基本低周波を発生させる発振器である。受光器8は、光出力制御器6における励起光の出力制御のために、外部へ出力する信号光を受光して光出力制御器6に返す受光器である。受光器9は、出力側光コネクタ2から戻ってくる戻り光を受光して、受光検出器11に入力する受光器である。ミラー10は、外部へ出力する信号光の入射経路を変化させて受光器8に入力するとともに、外部から戻ってきた戻り光の入射経路を変化させて受光器9へ入力するミラーである。受光検出器11は、受光器9から戻り光の入力を受けると、戻り光の検出を示す信号を光出力制御器6に入力し、また、基本低周波が重畳された戻り重畳光を受光器9から受けると、帯域除去フィルタ12に入力する検出器である。
【0034】
帯域除去フィルタ12は、受光検出器11からの入力を受け付けた戻り重畳光の周波数帯域から基本低周波を除去した周波数成分を取得するフィルタである。整流器13は、帯域除去フィルタ12によって基本低周波が除去された周波数成分について、ピーク・ツウ・ピーク整流を施す整流器である。
【0035】
光識別器14は、整流器13によって整流が施された周波数成分に基づいて、受光検出器11によって検出された戻り光が、光コネクタの外れを原因とするフレネル光、あるいは誘導ブリュアン散乱を原因とするストークス光のいずれであるかを識別する識別器である。
【0036】
具体的に説明すると、光識別器14は、整流器13によって整流が施された周波数成分が、各周波数帯において低い周波数レベルを示す場合(図2の(B)参照)には、受光検出器11によって検出された戻り光が、光コネクタの外れを原因とするフレネル光であると識別する。また、整流器13によって整流が施された周波数成分が、基本低周波よりも小さい周波数帯において高い周波数レベルを示す場合(図3の(B)参照)には、受光検出器11によって検出された戻り光が、誘導ブリュアン散乱を原因とするストークス光であると識別する。
【0037】
そして、光識別器14は、識別結果を光出力制御器6に出力する。
【0038】
[光伝送装置による処理(実施例1)]
続いて、実施例1に係る光伝送装置による処理を説明する。光出力制御器6は、受光検出器11から戻り光の検出を示す信号の入力を受け付けると(図4の(1)参照)、基本低周波発振器7により発生させた基本低周波を励起光に重畳させるように励起光源5を制御し(図4の(2)参照)、基本低周波が重畳された重畳光を出力側光コネクタ2へ出力する。
【0039】
受光検出器11は、基本低周波が重畳された戻り重畳光を受光器9から受けると、帯域除去フィルタ12に入力する。帯域除去フィルタ12は、受光検出器11からの入力を受け付けた戻り重畳光から基本低周波を除去した周波数成分を取得し、整流器13は、帯域除去フィルタ12によって基本低周波が除去された周波数成分について、ピーク・ツウ・ピーク整流を施す。
【0040】
光識別器14は、整流器13によって整流が施された周波数成分に基づいて、受光検出器11によって検出された戻り光が、光コネクタの外れを原因とするフレネル光、あるいは誘導ブリュアン散乱を原因とするストークス光のいずれであるかを識別し、識別結果を光出力制御器6に出力する(図4の(3)参照)。
【0041】
具体的には、光識別器14は、整流器13によって整流が施された周波数成分が、各周波数帯において低い周波数レベルを示す場合には、受光検出器11によって検出された戻り光が、光コネクタの外れを原因とするフレネル光であると識別し、整流器13によって整流が施された周波数成分が、基本低周波よりも小さい周波数帯において高い周波数レベルを示す場合には、受光検出器11によって検出された戻り光が、誘導ブリュアン散乱を原因とするストークス光であると識別して、光出力制御器6に識別結果を出力する。
【0042】
[実施例1による効果]
上述してきたように、実施例1によれば、戻り重畳光の周波数帯域から基本低周波の周波数成分を除去した周波数成分を取得して積分し、積分結果(振幅)が閾値を超えている場合には、受光検出器11によって検出された戻り光が、誘導ブリュアン散乱を原因とするストークス光であると識別し、積分結果が閾値を超えていない場合には、受光検出器11によって検出された戻り光が、光コネクタの外れを原因とするフレネル光であると識別するので、基本低周波成分が重畳された状態の戻り重畳光から基本低周波成分を除去して、基本低周波成分以外の成分があるか否かを評価することができ、光コネクタ外れによるフレネル光、あるいは誘導ブリュアン散乱によるストークス光のいずれであるかを識別することができ、システム内で検出された反射光が光コネクタ外れまたはSBSのいずれを原因とするものであるかを識別することができるという効果を奏する。
【実施例2】
【0043】
上記の実施例1では、戻り重畳光の周波数帯域から基本低周波の周波数成分を除去した周波数成分を取得することにより、出力側光コネクタから戻ってきた戻り光を識別する場合を説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、戻り重畳光の経時的な波形の変化量を取得して、この変化量に基づいて出力側光コネクタから戻ってきた戻り光を識別するようにしてもよい。そこで、以下の実施例2は、実施例2に係る光伝送装置の概要および特徴、かかる光伝送装置の構成および処理を順に説明し、最後に実施例2による効果を説明する。
【0044】
[光伝送装置の概要および特徴(実施例2)]
最初に、図5〜図7を用いて、実施例2に係る光伝送装置の概要および特徴を説明する。図5は、実施例2に係る光伝送装置の概要および特徴を説明するための図である。図6は、実施例2に係るフレネル光の特性を示す概念図である。図7は、実施例2に係るストークス光の特性を示す概念図である。
【0045】
実施例2に係る光伝送装置は、上記の実施例1と同様に、システム内で検出された反射光が光コネクタ外れまたはSBSのいずれを原因とするものであるかを識別することが可能である点に主たる特徴があるが、この主たる特徴を実現する場合に、実施例1とは以下に説明する点が異なる。
【0046】
すなわち、実施例2に係る光伝送装置は、出力側光コネクタから戻ってくる戻り重畳光に対して基本低周波をさらに乗算して、低周波数成分を除去した時の経時的な波形の変化量(以下、適宜「ジッタ量」と記載する)を取得して(図5の(2)参照)、先に出力側光コネクタから戻ってきた戻り光が、光コネクタの外れを原因とするフレネル光、あるいは誘導ブリュアン散乱を原因とするストークス光のいずれであるかを識別する(図5の(3)参照)。
【0047】
ここで、戻り重畳光に対して基本低周波を乗算して低周波数成分を除去した時のフレネル光およびストークス光の特性について簡単に説明する。まず、出力側光コネクタから戻ってくる戻り光が、光コネクタの外れを原因とするフレネル光である場合には、この戻り光に基本低周波を重畳させて生成した重畳光の周波数レベルと時間との関係は、図6の(A)に示すようになる。そして、出力側光コネクタから戻ってくる戻り重畳光に対して基本低周波を乗算して低周波数成分を除去した場合には、図6の(B)に示すように、経時的な変化がなく、周波数レベルが一定値を示すという特性を有する。
【0048】
一方、出力側光コネクタから戻ってくる戻り光が、誘導ブリュアン散乱を原因とするストークス光である場合には、この戻り光に基本低周波を重畳させて生成した重畳光の周波数レベルと時間との関係は、図7の(A)に示すようになり、フレネル光の場合とは異なって波形自体に複雑な揺らぎが生じている。そして、出力側光コネクタから戻ってくる戻り重畳光に対して基本低周波を乗算して低周波数成分を除去した場合には、図7の(B)に示すように、経時的な波形に無秩序な変化(位相および振幅の変化)を示すという特性を有する。
【0049】
そこで、実施例2に係る光伝送装置は、出力側光コネクタから戻ってくる戻り重畳光を解析した結果、図6の(B)に示すように、経時的な変化がなく、ジッタ量の取得を試みても取得不可能である場合、あるいは取得されたジッタ量が閾値を超えていない場合には、出力側光コネクタから戻ってくる戻り光が、光コネクタの外れを原因とするフレネル光であると識別する。
【0050】
また、実施例2に係る光伝送装置は、出力側光コネクタから戻ってくる戻り重畳光を解析した結果、図7の(B)に示すように、経時的な波形に無秩序な変化(位相および振幅の変化)があり、この無秩序な変化に対応するジッタ量を取得可能である場合にはジッタ量を取得し、さらに、取得されたジッタ量が閾値を超えている場合には、出力側光コネクタから戻ってくる戻り光が、誘導ブリュアン散乱を原因とするストークス光であると識別する。
【0051】
このようなことから、実施例2に係る光伝送装置は、上記の実施例1と同様に、システム内で検出された反射光が光コネクタ外れまたはSBSのいずれを原因とするものであるかを識別することが可能である。
【0052】
[光伝送装置の構成および処理(実施例2)]
次に、図8および図9を用いて、実施例2に係る光伝送装置の構成および処理を説明する。図8は、実施例2に係る光伝送装置の構成および処理を説明するための図である。図9は、実施例2に係るロックインアンプの原理を説明する数式を示す図である。実施例2に係る光伝送装置は、以下に説明する点が実施例1とは異なる。
【0053】
すなわち、実施例2に係る光伝送装置は、帯域除去フィルタ12の代わりに、ロックインアンプ15を新たに備える。
【0054】
ロックインアンプ15は、受光検出器11からの入力を受け付けた戻り重畳光を解析して、解析結果を光識別器14に出力する装置であり、乗算器およびローパスフィルタを備える。
【0055】
乗算器は、受光検出器11からの入力を受け付けた戻り重畳光に対して、基本低周波をさらに乗算してローパスフィルタに出力する。ローパスフィルタは、基本低周波がさらに乗算された戻り重畳光から低周波数成分を除去し、重畳光の解析結果として光識別器14に出力する。
【0056】
ここで、戻り重畳光に対して基本低周波を乗算して低周波数成分を除去した時のフレネル光およびストークス光について、乗算器およびローパスフィルタで行われる処理について簡単に説明する。
【0057】
出力側光コネクタから戻ってくる戻り光が、光コネクタの外れを原因とするフレネル光である場合には、この戻り光に基本低周波を重畳させて生成した重畳光の周波数レベルと時間との関係は、図6の(A)に示すようになり、受光検出器11からの入力を受け付けた重畳光に対して、乗算器により基本低周波をさらに乗算すると、図9に示す(A)式で表される三角関数の積和の公式を用いて、例えば、図9に示す(B)式で表される。そして、ローパスフィルタにより、図9に示す(B)式内の高周波数成分を示す項(経時的に変化する成分)を除去され、結果として、図9に示す(C)式のように、周波数レベルが経時的な変化のない一定値を示す。
【0058】
一方、出力側光コネクタから戻ってくる戻り光が、誘導ブリュアン散乱を原因とするストークス光である場合には、この戻り光に基本低周波を重畳させて生成した重畳光の周波数レベルと時間との関係は、図7の(A)に示すようになり、フレネル光の場合とは異なって波形自体に複雑な揺らぎが生じている。このため、ローパスフィルタにより、図9に示す(B)式内の高周波数成分を示す項(経時的に変化する成分)を除去されても、波形自体に生じている複雑な揺らぎは除去されず、経時的な波形に無秩序な変化(位相および振幅の変化)を示す。
【0059】
光識別器14は、ロックインアンプ15からの解析結果の入力を受け付けると、受光検出器11により検出された戻り光が、光コネクタの外れを原因とするフレネル光、あるいは誘導ブリュアン散乱を原因とするストークス光のいずれであるかを識別する。
【0060】
具体的には、光識別器14は、図6の(B)に示すように、経時的な変化がなく、ジッタ量の取得を試みても取得不可能である場合、あるいは、取得されたジッタ量が閾値を超えていない場合には、受光検出器11によって検出された戻り光が、光コネクタの外れを原因とするフレネル光であると識別する。
【0061】
一方、光識別器14は、図7の(B)に示すように、経時的な波形に無秩序な変化(位相および振幅の変化)があり、この無秩序な変化に対応するジッタ量を取得可能である場合にはジッタ量を取得し、さらに、取得されたジッタ量が閾値を超えている場合には、受光検出器11によって検出された戻り光が、誘導ブリュアン散乱を原因とするストークス光であると識別する。
【0062】
[光伝送装置による処理(実施例2)]
続いて、実施例2に係る光伝送装置による処理を説明する。上記の実施例1と同様に、光出力制御器6は、受光検出器11から戻り光の検出を示す信号の入力を受け付けると(図8の(1)参照)、基本低周波発振器7により発生させた基本低周波を励起光に重畳させるように励起光源5を制御し(図8の(2)参照)、基本低周波が重畳された重畳光を出力側光コネクタ2へ出力する。
【0063】
受光検出器11は、基本低周波が重畳された戻り重畳光を受光器9から受けると、ロックインアンプ15に入力する。ロックインアンプ15は、乗算器により、受光検出器11からの入力を受け付けた戻り重畳光に対して基本低周波をさらに乗算し、ローパスフィルタにより、基本低周波がさらに乗算された戻り重畳光から低周波数成分を除去し、重畳光の解析結果として光識別器14に出力する。
【0064】
光識別器14は、ロックインアンプ15からの解析結果の入力を受け付けると、受光検出器11により検出された戻り光が、光コネクタの外れを原因とするフレネル光、あるいは誘導ブリュアン散乱を原因とするストークス光のいずれであるかを識別する。
【0065】
具体的には、光識別器14は、経時的な変化がなく、ジッタ量の取得を試みても取得不可能である場合(図6の(B)参照)、受光検出器11によって検出された戻り光が、光コネクタの外れを原因とするフレネル光であると識別する。
【0066】
一方、光識別器14は、経時的な波形に無秩序な変化(位相および振幅の変化)があり、この無秩序な変化に対応するジッタ量を取得が取得可能である場合(図7の(B)参照)には、ジッタ量を取得し、さらに、取得されたジッタ量が閾値を超えている場合には、受光検出器11によって検出された戻り光が、誘導ブリュアン散乱を原因とするストークス光であると識別する。
【0067】
[実施例2による効果]
上述してきたように、実施例2によれば、重畳光に対する戻り重畳光の周波数と、重畳された基本低周波の周波数とを乗算して周波数帯域から低周波数帯域を除去し、経時的な波形の変化量であるジッタ量を取得して、取得されたジッタ量が閾値を超えている場合には、戻り光がストークス光であると識別し、取得されたジッタ量が閾値を超えていない場合には、戻り光がフレネル光であると識別するので、光信号波形の位相と振幅を評価するための波形の経時的な変化量であるジッタ量を得て、光コネクタ外れによるフレネル光、あるいは誘導ブリュアン散乱によるストークス光のいずれであるかを識別することができ、システム内で検出された反射光が光コネクタ外れまたはSBSのいずれを原因とするものであるかを識別することができるという効果を奏する。
【実施例3】
【0068】
さて、これまで本発明の実施例について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下では、本発明に含まれる他の実施形態に関する実施例を説明する。
【0069】
(1)装置構成等
図4または図8に示した光伝送装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、光伝送装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、光出力制御器6と基本低周波発振器7とを統合するなど、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、光伝送装置にて行なわれる各処理機能(図4および図8参照)は、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0070】
(2)光伝送方法
また、上記の実施例において説明した光伝送装置により、以下のような光伝送方法が実現される。
【0071】
すなわち、光信号を送出する出力を制御するとともに、光コネクタにより接続された光ファイバを含んで構成される光伝送路を介して光信号を伝送する光伝送装置において、前記光伝送路により伝送された光信号の戻り光を検出する戻り光検出ステップと(例えば、図4の(1)参照)、前記戻り光検出ステップにより戻り光が検出された場合に、基本低周波を重畳した重畳光を生成して送出する重畳光送出ステップと(例えば、図4の(2)参照)、前記重畳光送出ステップより送出された重畳光に対する戻り重畳光の解析結果に基づいて、前記戻り光検出部により検出された戻り光が、光コネクタ外れによるフレネル光、あるいは誘導ブリュアン散乱によるストークス光のいずれであるかを識別する戻り光識別ステップと(例えば、図4の(3)参照)、前記戻り光識別ステップによる識別結果を区別できる状態で警報を出力する警報出力ステップと、を含んだ光伝送方法を実現する。
【0072】
以上の実施例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0073】
(付記1)光信号を送出する出力を制御するとともに、光コネクタにより接続された光ファイバを含んで構成される光伝送路を介して光信号を伝送する光伝送装置であって、
前記光伝送路により伝送された光信号の戻り光を検出する戻り光検出部と、
前記戻り光検出部により戻り光が検出された場合に、基本低周波を重畳した重畳光を生成して送出する重畳光送出部と、
前記重畳光送出部より送出された重畳光に対する戻り重畳光の解析結果に基づいて、前記戻り光検出部により検出された戻り光が、光コネクタ外れによるフレネル光、あるいは誘導ブリュアン散乱によるストークス光のいずれであるかを識別する戻り光識別部と、
前記戻り光識別部による識別結果を区別できる状態で警報を出力する警報出力部と、
を備えたことを特徴とする光伝送装置。
【0074】
(付記2)前記重畳光送出部より送出された重畳光に対する戻り重畳光の周波数と、前記重畳された基本低周波の周波数とを乗算し、当該乗算された周波数の周波数帯域から低周波数帯域を除去して、経時的な波形の変化量であるジッタ量を取得するジッタ量取得部をさらに備え、
前記戻り光識別部は、前記ジッタ量取得部により取得されたジッタ量が閾値を超えている場合には、前記戻り光検出部により検出された戻り光が前記ストークス光であると識別し、前記ジッタ量取得部により取得されたジッタ量が閾値を超えていない場合には、前記戻り光検出部により検出された戻り光が前記フレネル光であると識別することを特徴とする付記1に記載の光伝送装置。
【0075】
(付記3)前記重畳光送出部より送出された重畳光に対する戻り重畳光の周波数帯域から、前記重畳された基本低周波の周波数成分を除去した周波数成分を取得する周波数成分取得部をさらに備え、
前記戻り光識別部は、前記周波数成分取得部により取得された周波数成分を積分して、当該積分結果が閾値を超えている場合には、前記戻り光検出部により検出された戻り光が前記ストークス光であると識別し、当該積分結果が閾値を超えていない場合には前記フレネル光であると識別することを特徴とする付記1に記載の光伝送装置。
【0076】
(付記4)光信号を送出する出力を制御するとともに、光コネクタにより接続された光ファイバを含んで構成される光伝送路を介して光信号を伝送する光伝送方法であって、
前記光伝送路により伝送された光信号の戻り光を検出する戻り光検出ステップと、
前記戻り光検出ステップにより戻り光が検出された場合に、基本低周波を重畳した重畳光を生成して送出する重畳光送出ステップと、
前記重畳光送出ステップより送出された重畳光に対する戻り重畳光の解析結果に基づいて、前記戻り光検出部により検出された戻り光が、光コネクタ外れによるフレネル光、あるいは誘導ブリュアン散乱によるストークス光のいずれであるかを識別する戻り光識別ステップと、
前記戻り光識別ステップによる識別結果を区別できる状態で警報を出力する警報出力ステップと、
を含んだことを特徴とする光伝送方法。
【0077】
(付記5)前記重畳光送出ステップより送出された重畳光に対する戻り重畳光の周波数と、前記重畳された基本低周波の周波数とを乗算し、当該乗算された周波数の周波数帯域から低周波数帯域を除去して、経時的な波形の変化量であるジッタ量を取得するジッタ量取得ステップをさらに含み、
前記戻り光識別ステップは、前記ジッタ量取得ステップにより取得されたジッタ量が閾値を超えている場合には、前記戻り光検出ステップにより検出された戻り光が前記ストークス光であると識別し、前記ジッタ量取得ステップにより取得されたジッタ量が閾値を超えていない場合には、前記戻り光検出ステップにより検出された戻り光が前記フレネル光であると識別することを特徴とする付記4に記載の光伝送方法。
【0078】
(付記6)前記重畳光送出ステップより送出された重畳光に対する戻り重畳光の周波数帯域から、前記重畳された基本低周波の周波数成分を除去した周波数成分を取得する周波数成分取得ステップをさらに含み、
前記戻り光識別ステップは、前記周波数成分取得ステップにより取得された周波数成分を積分して、当該積分結果が閾値を超えている場合には、前記戻り光検出部により検出された戻り光が前記ストークス光であると識別し、当該積分結果が閾値を超えていない場合には前記フレネル光であると識別することを特徴とする付記4に記載の光伝送方法。
【産業上の利用可能性】
【0079】
以上のように、本発明に係る光伝送装置および光伝送方法は、光信号を送出する出力を制御するとともに、光コネクタにより接続された光ファイバを含んで構成される光伝送路を介して光信号を伝送する場合に有用であり、特に、システム内で検出された反射光が光コネクタ外れまたはSBSのいずれを原因とするものであるかを識別することができ、識別結果に応じたシステムの制御動作を実行することに適する。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】実施例1に係る光伝送装置の概要および特徴を説明するための図である。
【図2】実施例1に係るフレネル光の特性を示す概念図である。
【図3】実施例1に係るストークス光の特性を示す概念図である。
【図4】実施例1に係る光伝送装置の構成および処理を説明するための図である。
【図5】実施例2に係る光伝送装置の概要および特徴を説明するための図である。
【図6】実施例2に係るフレネル光の特性を示す概念図である。
【図7】実施例2に係るストークス光の特性を示す概念図である。
【図8】実施例2に係る光伝送装置の構成および処理を説明するための図である。
【図9】実施例2に係るロックインアンプの原理を説明する数式を示す図である。
【符号の説明】
【0081】
1 入力側光コネクタ
2 出力側光コネクタ
3 光合分波器
4 EDF
5 励起光源
6 光出力制御器
7 基本低周波発振器
8 受光器
9 受光器
10 ミラー
11 受光検出器
12 帯域除去フィルタ
13 整流器
14 光識別器
15 ロックインアンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光信号を送出する出力を制御するとともに、光コネクタにより接続された光ファイバを含んで構成される光伝送路を介して光信号を伝送する光伝送装置であって、
前記光伝送路により伝送された光信号の戻り光を検出する戻り光検出部と、
前記戻り光検出部により戻り光が検出された場合に、基本低周波を重畳した重畳光を生成して送出する重畳光送出部と、
前記重畳光送出部より送出された重畳光に対する戻り重畳光の解析結果に基づいて、前記戻り光検出部により検出された戻り光が、光コネクタ外れによるフレネル光、あるいは誘導ブリュアン散乱によるストークス光のいずれであるかを識別する戻り光識別部と、
前記戻り光識別部による識別結果を区別できる状態で警報を出力する警報出力部と、
を備えたことを特徴とする光伝送装置。
【請求項2】
前記重畳光送出部より送出された重畳光に対する戻り重畳光の周波数と、前記重畳された基本低周波の周波数とを乗算し、当該乗算された周波数の周波数帯域から低周波数帯域を除去して、経時的な波形の変化量であるジッタ量を取得するジッタ量取得部をさらに備え、
前記戻り光識別部は、前記ジッタ量取得部により取得されたジッタ量が閾値を超えている場合には、前記戻り光検出部により検出された戻り光が前記ストークス光であると識別し、前記ジッタ量取得部により取得されたジッタ量が閾値を超えていない場合には、前記戻り光検出部により検出された戻り光が前記フレネル光であると識別することを特徴とする請求項1に記載の光伝送装置。
【請求項3】
前記重畳光送出部より送出された重畳光に対する戻り重畳光の周波数帯域から、前記重畳された基本低周波の周波数成分を除去した周波数成分を取得する周波数成分取得部をさらに備え、
前記戻り光識別部は、前記周波数成分取得部により取得された周波数成分を積分して、当該積分結果が閾値を超えている場合には、前記戻り光検出部により検出された戻り光が前記ストークス光であると識別し、当該積分結果が閾値を超えていない場合には前記フレネル光であると識別することを特徴とする請求項1に記載の光伝送装置。
【請求項4】
光信号を送出する出力を制御するとともに、光コネクタにより接続された光ファイバを含んで構成される光伝送路を介して光信号を伝送する光伝送方法であって、
前記光伝送路により伝送された光信号の戻り光を検出する戻り光検出ステップと、
前記戻り光検出ステップにより戻り光が検出された場合に、基本低周波を重畳した重畳光を生成して送出する重畳光送出ステップと、
前記重畳光送出ステップより送出された重畳光に対する戻り重畳光の解析結果に基づいて、前記戻り光検出部により検出された戻り光が、光コネクタ外れによるフレネル光、あるいは誘導ブリュアン散乱によるストークス光のいずれであるかを識別する戻り光識別ステップと、
前記戻り光識別ステップによる識別結果を区別できる状態で警報を出力する警報出力ステップと、
を含んだことを特徴とする光伝送方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2009−159293(P2009−159293A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−334972(P2007−334972)
【出願日】平成19年12月26日(2007.12.26)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】