光伝送装置
【課題】複数箇所を監視するための順次切替Nx1 SWが故障した時に、光伝送装置がサイレントアラーム状態に陥らないようにNx1 SWの故障検出方法を提供する。
【解決手段】Nx1 SW100の何れの入力1ポートにシステム光の波長帯と異なった波長の光λk(監視光λk)を挿入して、出力ポートPoutから光Filter109を用いて、監視光λkのみを抽出し、監視光検出部103から監視光λk有無の検出結果および、Nx1 SW切替制御部101からNx1 SW100の入力ポート選択番号に基付き、Nx1 SW100の動作故障を検出することができる。
【解決手段】Nx1 SW100の何れの入力1ポートにシステム光の波長帯と異なった波長の光λk(監視光λk)を挿入して、出力ポートPoutから光Filter109を用いて、監視光λkのみを抽出し、監視光検出部103から監視光λk有無の検出結果および、Nx1 SW切替制御部101からNx1 SW100の入力ポート選択番号に基付き、Nx1 SW100の動作故障を検出することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光伝送装置に係り、特に光パワーモニタ部における監視箇所の切替用の光スイッチ(光SW)の故障を検出する光伝送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図1を参照して、本発明を適用する光波長多重通信ネットワークの構成を説明する。図1において、4つのノード11−1〜11−4は、光ファイバで接続され、リングネットワークを形成している。各ノード11は、支線を分岐して、下流サブネットワークのClient Network14に接続している。ノード11は、DEMUX15と、MUX16と、Client Interface13とから構成される。DEMUX15は、波長多重光信号を波長分離する。MUX16は、波長多重により波長多重光信号を形成する。Client Interface13は、Client Network14とのインタフェースである。
【0003】
図2を参照して、本発明を適用するノードの構成を説明する。図2において、ノード11は、さらに、装置制御部12と、n台のVOA(Variable Optical Attenuator)17と、n台のOC(Optical Coupler)18と、VOA制御部25と、モニタ部21とを含む。
【0004】
装置制御部12は、ノード全体の制御部である。DEMUX15は、光波長多重信号の分波部である。MUX16は、光波長信号λ1〜λnの合波部である。VOA17は、光信号レベルの調整部である。OC18は、光信号の分岐部である。モニタ部21は、光信号レベルの監視部である。VOA制御部25は、VOA17の制御部である。Client Interface13は、サブネットワークとの接続部である。
【0005】
光波長多重通信ネットワークは、光波長信号λ1〜λn間のレベル偏差が小さいほど、光伝送品質が向上する。このため、ノード11は、MUX16で各光波長信号λ1〜λnを合波する前に、各光波長信号λ1〜λnに対して、VOA17−1〜17−nを用いて、所定のレベルに調整する。この光波長信号レベルの調整手順について、以下説明する。
【0006】
OC18−1〜18−nで分岐された光波長信号が、モニタ部21の入力となる。モニタ部21で変換された光波長信号のレベル情報は、VOA制御部25の入力となる。VOA制御部25は、光波長信号のレベル情報に基づき、各VOA17−1〜17−nに対して光波長信号レベルの調整量を設定し、光波長信号λ1〜λnのレベルを調整する。
【0007】
モニタ部を実現する技術として、特許文献1がある。この公報の第1図には、装置構成が記載されている。この構成では、TAP11−1〜11−nで分岐された片方の各光波長信号に対して、モニタ部に各光波長信号レベルを監視する複数のPD(Photo Diode)が実装されている。この構成は、光波長数の増加に比例して、PD数も増加することになり、結果的に装置の実装面積の増加、消費電量の増加および、コストの増加となる。
【0008】
上記課題の解決手法として、特許文献2がある。この公報の第1図に装置構成で記載されている。特許文献2の構成は、特許文献1の課題を解決するために、モニタ部には、スプリッタで分岐された片方の各光波長信号を選択できるように、入力N対1出力のNx1光スイッチ(Nx1 SW)2を用いる。そして、光スイッチ2の出力側に対して、1台の光センサ3で全ての光波長信号レベルを順次に監視することが可能になる。したがって、光波長数が増加しても、光波長信号レベルを監視する光センサ3が増加しない構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2003−163641号公報
【特許文献2】特開2003−348018号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、上述した特許文献2は、切替監視用のNx1 SW2の故障検出機構が実装されていないため、Nx1 SW2が故障発生してもシステムが検出できない装置のサイレントアラーム状態に陥る。
【0011】
Nx1 SWが故障した時にシステムが検出できない場合の問題は、以下の2点である。
(1)モニタ部で光レベルを監視している光波長信号と、システムが制御しようとしている光波長信号が異なるため、光レベルを監視している光波長信号の光レベルが低く、システムが制御しようとしている光波長信号の光レベルが高い場合、誤った調整量をVOAに設定するため、下流ノードに高い光パワーを出力し、下流の受信機を破壊する虞がある。
(2)モニタ部で光レベルを監視している光波長信号と、システムが制御しようとしている光波長信号が異なるため、光レベルを監視している光波長信号の光レベルが高く、システムが制御しようとしている光波長信号の光レベルが低い場合、誤った調整量をVOAに設定するため、システムが制御しようとしている光波長信号を遮断する虞がある。
【0012】
本発明は、複数箇所を監視するための順次切替Nx1 SWが故障したときに、サイレントアラーム状態に陥らない光伝送装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を解決するために、Nx1 SWの何れの入力1ポートにシステム光の波長帯と異なった波長の光λk(監視光λk)を挿入して、出力ポートPoutから光Filterを用いて、監視光λkのみを抽出し、監視光検出部から監視光λk有無の検出結果および、Nx1 SW切替制御部からNx1 SWの入力ポート選択番号に基付き、Nx1 SWの動作故障を検出する。
【0014】
上述した課題は、波長多重信号を波長分離する波長分離器と、複数の光信号を多重して波長多重信号を生成する波長多重器と、複数の光信号の光強度を調整する複数の可変減衰器と、光強度を調整された光信号の一部を分岐する複数の光カプラと、光カプラからの分岐光の光強度をモニタするモニタ部と、モニタ部からの光強度に基づいて複数の可変減衰器を制御する可変減衰器制御部と、からなる光伝送装置において、モニタ部は、光信号とは特性の異なる監視光を送出する光送信器と、分岐光と監視光とを入力とし、一つを出力として選択するスイッチと、このスイッチを制御するスイッチ制御部と、スイッチの出力をモニタする光受信器と、スイッチ制御部の制御と光受信器からの出力とに基づいて、スイッチの正常性を判断する判定部とから構成されている光伝送装置により、達成できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の構成によれば、複数箇所を監視するための順次切替Nx1 SWが故障したときに、Nx1 SWの故障を検出でき、システムにNx1 SWが故障であることを通知できるため、光伝送装置がサイレントアラーム状態に陥らない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】光ネットワークのブロック図である。
【図2】光伝送装置のブロック図である。
【図3】光伝送装置の詳細ブロック図である。
【図4】Nx1 SW切替制御部の処理を説明するフローチャートである。
【図5】Nx1 SWの入力ポートの選択順を説明するフローである。
【図6】Nx1 SW正常性判定部の処理を説明するフローチャートである。
【図7】Nx1 SWの正常性の判定基準を説明する表である。
【図8】光伝送装置の詳細ブロック図である。
【図9】VOA制御部の処理を説明するフローチャートである。
【図10】光伝送装置の詳細ブロック図である。
【図11】監視光検出有無判定を説明する図である。
【図12】光伝送装置の詳細ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、実施例を用い図面を参照しながら、詳細に説明する。なお、実質同一部位には、同じ参照番号を振り説明は繰り返さない。
【実施例1】
【0018】
図3ないし図7を参照して、実施例1を説明する。図3において、モニタ部21は、N×1 SW100と、LD(Laser Diode:監視光)105と、N×1 SW切替制御部101と、N×1 SW正常性判定部102と、監視光検出部103と、PD(システム光)104と、PD(監視光)106と、OC107と、OC108と、Filter109と、Filter110とから構成される。
【0019】
OC107は、光波長信号λnのモニタ光にLD(監視光)105からの波長λkの監視光を合波する。OC108は、N×1 SW100が選択したモニタ光の一部を分岐してFilter109に向けて送出する。Filter109は、λk以外の光波長をブロックして、PD(監視光)106に送出する。
【0020】
OC108の他の出力は、Filter110でλkをブロックして、モニタ光をPD(システム光)104に送出する。PD(監視光)106は、監視光の受信レベルを電流値に変換する。PD(システム光)104は、システム光の受信レベルを電流値に変換する。
【0021】
監視光検出部103は、PD(監視光)106の出力に基づいて、監視光を受信しているか判定する。N×1 SW正常性判定部102は、監視光検出部103の出力とN×1 SW切替制御部101の入力ポート選択番号に基づいて、N×1 SW100の正常性を判定する。
【0022】
図3において、光波長信号λ1〜λnは、OC18−1〜18−nにより、主光信号sig1〜signとモニタ用の光信号mon1〜monnに分岐される。モニタ用の光信号mon1〜monnは、モニタ部21のNx1 SW100に入力される。Nx1 SW100は、Nx1 SW切替制御部101の設定により、入力されたモニタ用の光信号mon1〜monnを順次に選択して、出力ポートPoutに出力する。出力されたモニタ用の光信号は、PD(システム)104により、光信号から電気信号に変換され、モニタ情報として、VOA制御部25に出力される。VOA制御部25は、モニタ情報に基づき、各VOA17−1〜17−nを制御し、各光波長信号λ1〜λnのレベルを調整する。なお、光波長信号λnのモニタ光には、OC107が挿入されているので、挿入損失が考えられる。VOA制御部25は、この挿入損失を補償して、VOA17−nを制御する。この結果、OC107の挿入損失は、MUX16の受信レベルに影響を与えない。
【0023】
なお、実施例1の構成は、Nx1 SW100の故障を検出するために、Nx1 SW100の何れの入力ポートP1〜Pnに監視光λkを挿入している。そのため、出力ポートPoutには、監視光λkを遮断するための光Filter110をシステムPD104の前段に設ける必要がある。
【0024】
実施例1におけるモニタ部21のNx1 SW切替制御部101の動作について、図4および図5を参照して説明する。
図4において、モニタ部21の装置起動直後、Nx1 SW切替制御部101は、Nx1 SW100の入力ポート選択番号を初期化して、パラメータiに1をセットする(S100)。Nx1 SW切替制御部101は、初期化された入力ポート選択番号をNx1 SW100に設定する(S101)。Nx1 SW切替制御部101は、初期化された入力ポート選択番号をNx1 SW正常性判定部102およびVOA制御部25へ通知する(S102)。次にNx1 SW切替制御部101は、現在の入力ポート選択番号をインクリメントする(S103)。Nx1 SW切替制御部101は、インクリメント後の入力ポート選択番号をNx1 SW100に設定する(S104)。Nx1 SW正常性判定部102およびVOA制御部25へ通知する(S105)。次にNx1 SW切替制御部101は、現在の入力ポート選択番号が最大ポートか判定する(S106)。YESのとき、Nx1 SW切替制御部101は、ステップ100に遷移する。ステップ106で、現在の入力ポート選択番号が最大入力ポート番号以下の場合(NO)、Nx1 SW切替制御部101は、ステップ103に遷移する。
【0025】
図5を参照して、Nx1 SW切替制御部101の動作をポート番号で説明する。Nx1 SW100の入力ポートの選択順は、入力ポートP1から最大入力ポートPnまで順次切替し、最大入力ポート#nが選択された後、入力ポート#1に戻り、再度繰り返す。
【0026】
図6を参照して、Nx1 SW正常性判定部102の動作フローを説明する。図6において、Nx1 SW正常性判定部102は、Nx1 SW切替制御部101から入力ポート選択番号を収得する(S200)。Nx1 SW正常性判定部102は、監視光検出部103から監視光検出結果を収得する(S201)。Nx1 SW正常性判定部102は、入力ポートが特定ポートか判定する(S202)。YESのとき、Nx1 SW正常性判定部102は、監視光検出ありか判定する(S204)。YESのとき、Nx1 SW正常性判定部102は、ステップ200に遷移する。
【0027】
ステップ204でNOのとき、Nx1 SW正常性判定部102は、Nx1 SW動作異常と判定する。ステップ202でNOのとき、Nx1 SW正常性判定部102は、監視光ありか判定する(S203)。YESのとき、Nx1 SW正常性判定部102は、ステップ205に遷移する。ステップ203でNOのとき、Nx1 SW正常性判定部102は、ステップ200に遷移する。
【0028】
図7を参照して、上記Nx1 SW正常性判定部102の動作におけるNx1 SW100の正常性判定基準を説明する表を説明する。図7において、横方向に監視光検出有無の判定結果、縦方向に入力ポート番号の判定結果を記載する。特定入力ポートでないとき、監視光を検出しないのが正常である。逆に、特定入力ポートでないにもか関わらず、監視光を検出したとき、異常である。
特定入力ポートであるとき、監視光を検出するのが正常である。逆に、特定入力ポートであるにも関わらず、監視光を検出しないのは、異常である。
【0029】
実施例1の光伝送装置によれば、複数箇所を監視するための順次切替Nx1 SWが故障した場合、確実・高速に故障を検出できるため、光伝送装置はサイレントアラーム状態に陥らない。また、既存のNx1 SWに新規追加入力ポート等が必要としないため、既存装置の変更量が小さい。
【実施例2】
【0030】
実施例2は、監視光λkを挿入するためにNx1 SWに専用入力ポートを使用する光伝送装置を説明する。
図8を参照して、実施例2における光伝送装置を説明する。なお、図3に示された同一の符号を付された構成と、同一の機能を有する部分については、説明を省略する。図8において、モニタ部21Aにおける監視光λkは、Nx1 SW100の入力1ポートを専用として使用する。実施例1の構成のように監視光λkがシステムのモニタ用の光信号の入力ポートを併用することではなく、監視光λkのみの専用入力ポートとして使用する。
【0031】
監視光λkが専用入力ポートを使用することにより、Nx1 SW100の入力ポートの併用ためのOC107が必要ない。また、監視光λkがシステムのモニタ用の光信号と完全に分離されることができるため、PD(システム)104の前段に実装される監視光遮断用光Filter110も必要ない。
【0032】
Nx1 SW切替制御部101、Nx1 SW正常性判定部102の動作については、実施例1と同様のため、説明を省略する。
監視光λkが専用の入力ポートを使用することにより、Nx1 SW100の出力ポートPoutからの光信号の出力順次が、実施例1と異なるため、VOA制御部25の動作が実施例1と異なる。以下は、実施例2のVOA制御部25の動作について、説明する。
【0033】
監視光λkが専用の入力ポート(特定入力ポート)を使用するため、Nx1 SW100が特定入力ポートを選択したとき、出力ポートPoutから出力される光信号は、システムのモニタ用の光信号ではなく、監視光λkである。そのためVOA制御部25が、監視光のモニタ情報を用いてVOA17を制御してはならない。
【0034】
図9を参照して、VOA制御部25の制御を説明する。図9において、VOA制御部25は、Nx1 SW切替制御部101から入力ポート選択番号を収得する(S300)。VOA制御部25は、入力ポート選択番号が特定ポートかを判定する(S301)。YESのとき、VOA制御部25は、モニタ情報の収得および、VOA17の制御を実施せずに、ステップ300へ戻る。ステップ301でNOのとき、VOA制御部25は、システムPDからモニタ情報を収得し、モニタ情報に基付くVOA17を制御して(S302)、ステップ300へ戻る。
【0035】
実施例2の光伝送装置によれば、監視光のNx1 SWの専用入力ポートが必要になることおよび、VOA制御部25の制御は複雑になるが、監視光λk挿入ためのOC107および、監視光λkのみ遮断する光Filter110の実装が不要となるため、装置の実装面では、実施例1と比べ単純化できる。逆に、VOA制御部25は、監視光を挿入したチャンネルの補償が不要になる。
【実施例3】
【0036】
実施例3は、監視光の光強度をNx1 SW100の故障監視情報として使用する光伝送装置を説明する。
図10を参照して、実施例3の光伝送装置を説明する。なお、図3および図8に示された同一の符号を付された構成と、同一の機能を有する部分については、説明を省略する。
【0037】
図10において、監視光LD105は、Nx1 SW100の動作異常を検出するため、システムのモニタ用の光信号の光強度より高い光強度の監視光を出力する。実施例3では、監視光の情報として光強度を使用するため、監視光の光波長帯は、システムの光信号と同波長帯の光信号でも良い。したがって、実施例1および2の構成のように、監視光PD106の前段に監視光のみ通過させる光Filter109が必要なくなる。
【0038】
なお、Nx1 SW切替制御部101、Nx1 SW正常性判定部102の動作は、実施例1と同様のため、説明を省略する。また、VOA制御部25の動作について、実施例2と同様のため、説明を省略する。
【0039】
実施例3では、監視光の光強度を用いてNx1 SW100の動作異常を検出するため、監視光検出部103Aの動作が、実施例1および2と異なる。以下、監視光検出部103Aの動作について、図10および、図11を参照して、説明する。
【0040】
図10において、監視光は、システムの光信号と同じ光波長帯のため、監視光PD106の前段に光Filterを実装しない。したがって、Nx1 SW100がどの入力ポート選択しても、光信号が、監視光PD106に到達する。監視光PD106は、光信号を電気信号に変換して、光信号レベル情報として、監視光検出部103Aに出力する。
【0041】
図11において、監視光検出部103Aは、監視光PD106から入力された光信号レベルを、監視光の検出閾値と比較する。光信号レベルが、監視光の検出閾値より高い場合、監視光検出部103Aは、監視光検出有りと判定する。光信号レベルが、監視光の検出閾値より低い場合、監視光検出部103Aは、監視光検出無しと判定する。監視光検出部103Aは、判定結果をNx1 SW正常性判定部102に出力する。
【0042】
実施例3の光伝送装置によれば、高い出力光パワーの監視光LD105が必要になることおよび、監視光検出部103Aにおける監視光の検出閾値が必要となる。しかし、監視光λkのみ通過させる光Filter109の実装が不要となるため、装置の実装面では、実施例1および2と比べ単純化できる。
【実施例4】
【0043】
実施例4は、監視光の光強度をNx1 SW100の故障監視情報として使用し、システムPDを監視光PDとしても兼用する光伝送装置を説明する。
【0044】
図12を参照して、実施例4の光伝送装置を説明する。なお、図12において、既に説明した図3、図8および図10に示された同一の符号を付されたブロックは、説明を省略する。
【0045】
実施例4は、システムPD104を監視光PDとして兼用すること以外は、実施例3と同様な構成および制御となっている。したがって、Nx1 SW切替制御部101、Nx1 SW正常性判定部102、VOA制御部25、監視光検出部103の動作について、実施例3と同様のため、説明を省略する。
【0046】
実施例4の光伝送装置によれば、システムPD104を監視光PDとして兼用することにより、Nx1 SW100の出力光信号を分岐するOC108および、監視光PD106が不要となるため、装置の実装面では、実施例1および3と比べ単純化できる。
【符号の説明】
【0047】
11…光伝送装置、12…装置制御部、13…Client Interface、14…Client Network、15…DEMUX、16…MUX、17…VOA(Variable Optical Attenuator)、18…光波長信号分岐OC(Optical Coupler)、21…モニタ部、25…VOA制御部、100…Nx1 SW、101…Nx1 SW切替制御部、102…Nx1 SW正常性判定部、103…監視光検出部、104…システムPD(Photo Diode)、105…監視光LD(Laser Diode)、106…監視光PD、107…監視光挿入用OC、108…監視光分岐用OC、109…光Filter、110…光Filter。
【技術分野】
【0001】
本発明は、光伝送装置に係り、特に光パワーモニタ部における監視箇所の切替用の光スイッチ(光SW)の故障を検出する光伝送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図1を参照して、本発明を適用する光波長多重通信ネットワークの構成を説明する。図1において、4つのノード11−1〜11−4は、光ファイバで接続され、リングネットワークを形成している。各ノード11は、支線を分岐して、下流サブネットワークのClient Network14に接続している。ノード11は、DEMUX15と、MUX16と、Client Interface13とから構成される。DEMUX15は、波長多重光信号を波長分離する。MUX16は、波長多重により波長多重光信号を形成する。Client Interface13は、Client Network14とのインタフェースである。
【0003】
図2を参照して、本発明を適用するノードの構成を説明する。図2において、ノード11は、さらに、装置制御部12と、n台のVOA(Variable Optical Attenuator)17と、n台のOC(Optical Coupler)18と、VOA制御部25と、モニタ部21とを含む。
【0004】
装置制御部12は、ノード全体の制御部である。DEMUX15は、光波長多重信号の分波部である。MUX16は、光波長信号λ1〜λnの合波部である。VOA17は、光信号レベルの調整部である。OC18は、光信号の分岐部である。モニタ部21は、光信号レベルの監視部である。VOA制御部25は、VOA17の制御部である。Client Interface13は、サブネットワークとの接続部である。
【0005】
光波長多重通信ネットワークは、光波長信号λ1〜λn間のレベル偏差が小さいほど、光伝送品質が向上する。このため、ノード11は、MUX16で各光波長信号λ1〜λnを合波する前に、各光波長信号λ1〜λnに対して、VOA17−1〜17−nを用いて、所定のレベルに調整する。この光波長信号レベルの調整手順について、以下説明する。
【0006】
OC18−1〜18−nで分岐された光波長信号が、モニタ部21の入力となる。モニタ部21で変換された光波長信号のレベル情報は、VOA制御部25の入力となる。VOA制御部25は、光波長信号のレベル情報に基づき、各VOA17−1〜17−nに対して光波長信号レベルの調整量を設定し、光波長信号λ1〜λnのレベルを調整する。
【0007】
モニタ部を実現する技術として、特許文献1がある。この公報の第1図には、装置構成が記載されている。この構成では、TAP11−1〜11−nで分岐された片方の各光波長信号に対して、モニタ部に各光波長信号レベルを監視する複数のPD(Photo Diode)が実装されている。この構成は、光波長数の増加に比例して、PD数も増加することになり、結果的に装置の実装面積の増加、消費電量の増加および、コストの増加となる。
【0008】
上記課題の解決手法として、特許文献2がある。この公報の第1図に装置構成で記載されている。特許文献2の構成は、特許文献1の課題を解決するために、モニタ部には、スプリッタで分岐された片方の各光波長信号を選択できるように、入力N対1出力のNx1光スイッチ(Nx1 SW)2を用いる。そして、光スイッチ2の出力側に対して、1台の光センサ3で全ての光波長信号レベルを順次に監視することが可能になる。したがって、光波長数が増加しても、光波長信号レベルを監視する光センサ3が増加しない構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2003−163641号公報
【特許文献2】特開2003−348018号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、上述した特許文献2は、切替監視用のNx1 SW2の故障検出機構が実装されていないため、Nx1 SW2が故障発生してもシステムが検出できない装置のサイレントアラーム状態に陥る。
【0011】
Nx1 SWが故障した時にシステムが検出できない場合の問題は、以下の2点である。
(1)モニタ部で光レベルを監視している光波長信号と、システムが制御しようとしている光波長信号が異なるため、光レベルを監視している光波長信号の光レベルが低く、システムが制御しようとしている光波長信号の光レベルが高い場合、誤った調整量をVOAに設定するため、下流ノードに高い光パワーを出力し、下流の受信機を破壊する虞がある。
(2)モニタ部で光レベルを監視している光波長信号と、システムが制御しようとしている光波長信号が異なるため、光レベルを監視している光波長信号の光レベルが高く、システムが制御しようとしている光波長信号の光レベルが低い場合、誤った調整量をVOAに設定するため、システムが制御しようとしている光波長信号を遮断する虞がある。
【0012】
本発明は、複数箇所を監視するための順次切替Nx1 SWが故障したときに、サイレントアラーム状態に陥らない光伝送装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を解決するために、Nx1 SWの何れの入力1ポートにシステム光の波長帯と異なった波長の光λk(監視光λk)を挿入して、出力ポートPoutから光Filterを用いて、監視光λkのみを抽出し、監視光検出部から監視光λk有無の検出結果および、Nx1 SW切替制御部からNx1 SWの入力ポート選択番号に基付き、Nx1 SWの動作故障を検出する。
【0014】
上述した課題は、波長多重信号を波長分離する波長分離器と、複数の光信号を多重して波長多重信号を生成する波長多重器と、複数の光信号の光強度を調整する複数の可変減衰器と、光強度を調整された光信号の一部を分岐する複数の光カプラと、光カプラからの分岐光の光強度をモニタするモニタ部と、モニタ部からの光強度に基づいて複数の可変減衰器を制御する可変減衰器制御部と、からなる光伝送装置において、モニタ部は、光信号とは特性の異なる監視光を送出する光送信器と、分岐光と監視光とを入力とし、一つを出力として選択するスイッチと、このスイッチを制御するスイッチ制御部と、スイッチの出力をモニタする光受信器と、スイッチ制御部の制御と光受信器からの出力とに基づいて、スイッチの正常性を判断する判定部とから構成されている光伝送装置により、達成できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の構成によれば、複数箇所を監視するための順次切替Nx1 SWが故障したときに、Nx1 SWの故障を検出でき、システムにNx1 SWが故障であることを通知できるため、光伝送装置がサイレントアラーム状態に陥らない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】光ネットワークのブロック図である。
【図2】光伝送装置のブロック図である。
【図3】光伝送装置の詳細ブロック図である。
【図4】Nx1 SW切替制御部の処理を説明するフローチャートである。
【図5】Nx1 SWの入力ポートの選択順を説明するフローである。
【図6】Nx1 SW正常性判定部の処理を説明するフローチャートである。
【図7】Nx1 SWの正常性の判定基準を説明する表である。
【図8】光伝送装置の詳細ブロック図である。
【図9】VOA制御部の処理を説明するフローチャートである。
【図10】光伝送装置の詳細ブロック図である。
【図11】監視光検出有無判定を説明する図である。
【図12】光伝送装置の詳細ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、実施例を用い図面を参照しながら、詳細に説明する。なお、実質同一部位には、同じ参照番号を振り説明は繰り返さない。
【実施例1】
【0018】
図3ないし図7を参照して、実施例1を説明する。図3において、モニタ部21は、N×1 SW100と、LD(Laser Diode:監視光)105と、N×1 SW切替制御部101と、N×1 SW正常性判定部102と、監視光検出部103と、PD(システム光)104と、PD(監視光)106と、OC107と、OC108と、Filter109と、Filter110とから構成される。
【0019】
OC107は、光波長信号λnのモニタ光にLD(監視光)105からの波長λkの監視光を合波する。OC108は、N×1 SW100が選択したモニタ光の一部を分岐してFilter109に向けて送出する。Filter109は、λk以外の光波長をブロックして、PD(監視光)106に送出する。
【0020】
OC108の他の出力は、Filter110でλkをブロックして、モニタ光をPD(システム光)104に送出する。PD(監視光)106は、監視光の受信レベルを電流値に変換する。PD(システム光)104は、システム光の受信レベルを電流値に変換する。
【0021】
監視光検出部103は、PD(監視光)106の出力に基づいて、監視光を受信しているか判定する。N×1 SW正常性判定部102は、監視光検出部103の出力とN×1 SW切替制御部101の入力ポート選択番号に基づいて、N×1 SW100の正常性を判定する。
【0022】
図3において、光波長信号λ1〜λnは、OC18−1〜18−nにより、主光信号sig1〜signとモニタ用の光信号mon1〜monnに分岐される。モニタ用の光信号mon1〜monnは、モニタ部21のNx1 SW100に入力される。Nx1 SW100は、Nx1 SW切替制御部101の設定により、入力されたモニタ用の光信号mon1〜monnを順次に選択して、出力ポートPoutに出力する。出力されたモニタ用の光信号は、PD(システム)104により、光信号から電気信号に変換され、モニタ情報として、VOA制御部25に出力される。VOA制御部25は、モニタ情報に基づき、各VOA17−1〜17−nを制御し、各光波長信号λ1〜λnのレベルを調整する。なお、光波長信号λnのモニタ光には、OC107が挿入されているので、挿入損失が考えられる。VOA制御部25は、この挿入損失を補償して、VOA17−nを制御する。この結果、OC107の挿入損失は、MUX16の受信レベルに影響を与えない。
【0023】
なお、実施例1の構成は、Nx1 SW100の故障を検出するために、Nx1 SW100の何れの入力ポートP1〜Pnに監視光λkを挿入している。そのため、出力ポートPoutには、監視光λkを遮断するための光Filter110をシステムPD104の前段に設ける必要がある。
【0024】
実施例1におけるモニタ部21のNx1 SW切替制御部101の動作について、図4および図5を参照して説明する。
図4において、モニタ部21の装置起動直後、Nx1 SW切替制御部101は、Nx1 SW100の入力ポート選択番号を初期化して、パラメータiに1をセットする(S100)。Nx1 SW切替制御部101は、初期化された入力ポート選択番号をNx1 SW100に設定する(S101)。Nx1 SW切替制御部101は、初期化された入力ポート選択番号をNx1 SW正常性判定部102およびVOA制御部25へ通知する(S102)。次にNx1 SW切替制御部101は、現在の入力ポート選択番号をインクリメントする(S103)。Nx1 SW切替制御部101は、インクリメント後の入力ポート選択番号をNx1 SW100に設定する(S104)。Nx1 SW正常性判定部102およびVOA制御部25へ通知する(S105)。次にNx1 SW切替制御部101は、現在の入力ポート選択番号が最大ポートか判定する(S106)。YESのとき、Nx1 SW切替制御部101は、ステップ100に遷移する。ステップ106で、現在の入力ポート選択番号が最大入力ポート番号以下の場合(NO)、Nx1 SW切替制御部101は、ステップ103に遷移する。
【0025】
図5を参照して、Nx1 SW切替制御部101の動作をポート番号で説明する。Nx1 SW100の入力ポートの選択順は、入力ポートP1から最大入力ポートPnまで順次切替し、最大入力ポート#nが選択された後、入力ポート#1に戻り、再度繰り返す。
【0026】
図6を参照して、Nx1 SW正常性判定部102の動作フローを説明する。図6において、Nx1 SW正常性判定部102は、Nx1 SW切替制御部101から入力ポート選択番号を収得する(S200)。Nx1 SW正常性判定部102は、監視光検出部103から監視光検出結果を収得する(S201)。Nx1 SW正常性判定部102は、入力ポートが特定ポートか判定する(S202)。YESのとき、Nx1 SW正常性判定部102は、監視光検出ありか判定する(S204)。YESのとき、Nx1 SW正常性判定部102は、ステップ200に遷移する。
【0027】
ステップ204でNOのとき、Nx1 SW正常性判定部102は、Nx1 SW動作異常と判定する。ステップ202でNOのとき、Nx1 SW正常性判定部102は、監視光ありか判定する(S203)。YESのとき、Nx1 SW正常性判定部102は、ステップ205に遷移する。ステップ203でNOのとき、Nx1 SW正常性判定部102は、ステップ200に遷移する。
【0028】
図7を参照して、上記Nx1 SW正常性判定部102の動作におけるNx1 SW100の正常性判定基準を説明する表を説明する。図7において、横方向に監視光検出有無の判定結果、縦方向に入力ポート番号の判定結果を記載する。特定入力ポートでないとき、監視光を検出しないのが正常である。逆に、特定入力ポートでないにもか関わらず、監視光を検出したとき、異常である。
特定入力ポートであるとき、監視光を検出するのが正常である。逆に、特定入力ポートであるにも関わらず、監視光を検出しないのは、異常である。
【0029】
実施例1の光伝送装置によれば、複数箇所を監視するための順次切替Nx1 SWが故障した場合、確実・高速に故障を検出できるため、光伝送装置はサイレントアラーム状態に陥らない。また、既存のNx1 SWに新規追加入力ポート等が必要としないため、既存装置の変更量が小さい。
【実施例2】
【0030】
実施例2は、監視光λkを挿入するためにNx1 SWに専用入力ポートを使用する光伝送装置を説明する。
図8を参照して、実施例2における光伝送装置を説明する。なお、図3に示された同一の符号を付された構成と、同一の機能を有する部分については、説明を省略する。図8において、モニタ部21Aにおける監視光λkは、Nx1 SW100の入力1ポートを専用として使用する。実施例1の構成のように監視光λkがシステムのモニタ用の光信号の入力ポートを併用することではなく、監視光λkのみの専用入力ポートとして使用する。
【0031】
監視光λkが専用入力ポートを使用することにより、Nx1 SW100の入力ポートの併用ためのOC107が必要ない。また、監視光λkがシステムのモニタ用の光信号と完全に分離されることができるため、PD(システム)104の前段に実装される監視光遮断用光Filter110も必要ない。
【0032】
Nx1 SW切替制御部101、Nx1 SW正常性判定部102の動作については、実施例1と同様のため、説明を省略する。
監視光λkが専用の入力ポートを使用することにより、Nx1 SW100の出力ポートPoutからの光信号の出力順次が、実施例1と異なるため、VOA制御部25の動作が実施例1と異なる。以下は、実施例2のVOA制御部25の動作について、説明する。
【0033】
監視光λkが専用の入力ポート(特定入力ポート)を使用するため、Nx1 SW100が特定入力ポートを選択したとき、出力ポートPoutから出力される光信号は、システムのモニタ用の光信号ではなく、監視光λkである。そのためVOA制御部25が、監視光のモニタ情報を用いてVOA17を制御してはならない。
【0034】
図9を参照して、VOA制御部25の制御を説明する。図9において、VOA制御部25は、Nx1 SW切替制御部101から入力ポート選択番号を収得する(S300)。VOA制御部25は、入力ポート選択番号が特定ポートかを判定する(S301)。YESのとき、VOA制御部25は、モニタ情報の収得および、VOA17の制御を実施せずに、ステップ300へ戻る。ステップ301でNOのとき、VOA制御部25は、システムPDからモニタ情報を収得し、モニタ情報に基付くVOA17を制御して(S302)、ステップ300へ戻る。
【0035】
実施例2の光伝送装置によれば、監視光のNx1 SWの専用入力ポートが必要になることおよび、VOA制御部25の制御は複雑になるが、監視光λk挿入ためのOC107および、監視光λkのみ遮断する光Filter110の実装が不要となるため、装置の実装面では、実施例1と比べ単純化できる。逆に、VOA制御部25は、監視光を挿入したチャンネルの補償が不要になる。
【実施例3】
【0036】
実施例3は、監視光の光強度をNx1 SW100の故障監視情報として使用する光伝送装置を説明する。
図10を参照して、実施例3の光伝送装置を説明する。なお、図3および図8に示された同一の符号を付された構成と、同一の機能を有する部分については、説明を省略する。
【0037】
図10において、監視光LD105は、Nx1 SW100の動作異常を検出するため、システムのモニタ用の光信号の光強度より高い光強度の監視光を出力する。実施例3では、監視光の情報として光強度を使用するため、監視光の光波長帯は、システムの光信号と同波長帯の光信号でも良い。したがって、実施例1および2の構成のように、監視光PD106の前段に監視光のみ通過させる光Filter109が必要なくなる。
【0038】
なお、Nx1 SW切替制御部101、Nx1 SW正常性判定部102の動作は、実施例1と同様のため、説明を省略する。また、VOA制御部25の動作について、実施例2と同様のため、説明を省略する。
【0039】
実施例3では、監視光の光強度を用いてNx1 SW100の動作異常を検出するため、監視光検出部103Aの動作が、実施例1および2と異なる。以下、監視光検出部103Aの動作について、図10および、図11を参照して、説明する。
【0040】
図10において、監視光は、システムの光信号と同じ光波長帯のため、監視光PD106の前段に光Filterを実装しない。したがって、Nx1 SW100がどの入力ポート選択しても、光信号が、監視光PD106に到達する。監視光PD106は、光信号を電気信号に変換して、光信号レベル情報として、監視光検出部103Aに出力する。
【0041】
図11において、監視光検出部103Aは、監視光PD106から入力された光信号レベルを、監視光の検出閾値と比較する。光信号レベルが、監視光の検出閾値より高い場合、監視光検出部103Aは、監視光検出有りと判定する。光信号レベルが、監視光の検出閾値より低い場合、監視光検出部103Aは、監視光検出無しと判定する。監視光検出部103Aは、判定結果をNx1 SW正常性判定部102に出力する。
【0042】
実施例3の光伝送装置によれば、高い出力光パワーの監視光LD105が必要になることおよび、監視光検出部103Aにおける監視光の検出閾値が必要となる。しかし、監視光λkのみ通過させる光Filter109の実装が不要となるため、装置の実装面では、実施例1および2と比べ単純化できる。
【実施例4】
【0043】
実施例4は、監視光の光強度をNx1 SW100の故障監視情報として使用し、システムPDを監視光PDとしても兼用する光伝送装置を説明する。
【0044】
図12を参照して、実施例4の光伝送装置を説明する。なお、図12において、既に説明した図3、図8および図10に示された同一の符号を付されたブロックは、説明を省略する。
【0045】
実施例4は、システムPD104を監視光PDとして兼用すること以外は、実施例3と同様な構成および制御となっている。したがって、Nx1 SW切替制御部101、Nx1 SW正常性判定部102、VOA制御部25、監視光検出部103の動作について、実施例3と同様のため、説明を省略する。
【0046】
実施例4の光伝送装置によれば、システムPD104を監視光PDとして兼用することにより、Nx1 SW100の出力光信号を分岐するOC108および、監視光PD106が不要となるため、装置の実装面では、実施例1および3と比べ単純化できる。
【符号の説明】
【0047】
11…光伝送装置、12…装置制御部、13…Client Interface、14…Client Network、15…DEMUX、16…MUX、17…VOA(Variable Optical Attenuator)、18…光波長信号分岐OC(Optical Coupler)、21…モニタ部、25…VOA制御部、100…Nx1 SW、101…Nx1 SW切替制御部、102…Nx1 SW正常性判定部、103…監視光検出部、104…システムPD(Photo Diode)、105…監視光LD(Laser Diode)、106…監視光PD、107…監視光挿入用OC、108…監視光分岐用OC、109…光Filter、110…光Filter。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
波長多重信号を波長分離する波長分離器と、複数の光信号を多重して波長多重信号を生成する波長多重器と、前記複数の光信号の光強度を調整する複数の可変減衰器と、光強度を調整された光信号の一部を分岐する複数の光カプラと、前記光カプラからの分岐光の光強度をモニタするモニタ部と、前記モニタ部からの前記光強度に基づいて前記複数の可変減衰器を制御する可変減衰器制御部と、からなる光伝送装置において、
前記モニタ部は、前記光信号とは特性の異なる監視光を送出する光送信器と、前記分岐光と前記監視光とを入力とし、一つを出力として選択するスイッチと、このスイッチを制御するスイッチ制御部と、前記スイッチの出力をモニタする光受信器と、前記スイッチ制御部の制御と前記光受信器からの出力とに基づいて、前記スイッチの正常性を判断する判定部とから構成されていることを特徴とする光伝送装置。
【請求項2】
請求項1に記載の光伝送装置であって、
前記監視光は、前記分岐光の一つに波長多重することを特徴とする光伝送装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の光伝送装置であって、
前記特性は、波長の違いであることを特徴とする光伝送装置。
【請求項4】
請求項1に記載の光伝送装置であって、
前記特性は、光強度の違いであることを特徴とする光伝送装置。
【請求項5】
請求項1に記載の光伝送装置であって、
前記光受信器は、前記監視光用と前記分岐光用との2装置であることを特徴とする光伝送装置。
【請求項6】
請求項1に記載の光伝送装置であって、
前記判定部は、前記監視光を受信すべきタイミングで、前記監視光を受信しないとき前記スイッチの異常を判定することを特徴とする光伝送装置。
【請求項7】
請求項1に記載の光伝送装置であって、
前記判定部は、前記監視光を受信しないタイミングで、前記監視光を受信したとき前記スイッチの異常を判定することを特徴とする光伝送装置。
【請求項1】
波長多重信号を波長分離する波長分離器と、複数の光信号を多重して波長多重信号を生成する波長多重器と、前記複数の光信号の光強度を調整する複数の可変減衰器と、光強度を調整された光信号の一部を分岐する複数の光カプラと、前記光カプラからの分岐光の光強度をモニタするモニタ部と、前記モニタ部からの前記光強度に基づいて前記複数の可変減衰器を制御する可変減衰器制御部と、からなる光伝送装置において、
前記モニタ部は、前記光信号とは特性の異なる監視光を送出する光送信器と、前記分岐光と前記監視光とを入力とし、一つを出力として選択するスイッチと、このスイッチを制御するスイッチ制御部と、前記スイッチの出力をモニタする光受信器と、前記スイッチ制御部の制御と前記光受信器からの出力とに基づいて、前記スイッチの正常性を判断する判定部とから構成されていることを特徴とする光伝送装置。
【請求項2】
請求項1に記載の光伝送装置であって、
前記監視光は、前記分岐光の一つに波長多重することを特徴とする光伝送装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の光伝送装置であって、
前記特性は、波長の違いであることを特徴とする光伝送装置。
【請求項4】
請求項1に記載の光伝送装置であって、
前記特性は、光強度の違いであることを特徴とする光伝送装置。
【請求項5】
請求項1に記載の光伝送装置であって、
前記光受信器は、前記監視光用と前記分岐光用との2装置であることを特徴とする光伝送装置。
【請求項6】
請求項1に記載の光伝送装置であって、
前記判定部は、前記監視光を受信すべきタイミングで、前記監視光を受信しないとき前記スイッチの異常を判定することを特徴とする光伝送装置。
【請求項7】
請求項1に記載の光伝送装置であって、
前記判定部は、前記監視光を受信しないタイミングで、前記監視光を受信したとき前記スイッチの異常を判定することを特徴とする光伝送装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−227838(P2012−227838A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−95397(P2011−95397)
【出願日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]