説明

光半導体基板、光源用装置、及び、光半導体基板の製造方法

【課題】発光又は受光の効率を向上させることができ、しかも、広帯域でかつ所望のスペクトル形状を得る。
【解決手段】電光変換又は光電変換を行う複数の変換部3と、複数の前記変換部3が集積して配置された基板本体2とを備えている。複数の前記変換部3は、電光変換の場合の出力特性又は光電変換の場合の入力特性が異なるものを含み、当該出力特性又は入力特性が異なる変換部3が基板本体1の集積面に沿った方向で分散して配列されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、結晶成長技術により得られる光半導体基板、光半導体基板の製造方法、及び、光半導体基板から得られた光半導体素子を備えた光源用装置に関する。
【背景技術】
【0002】
結晶成長技術により得られる自己組織化の量子ドットは、光学素子等としてこれまで多くの技術応用が提案されている。特に、InAs量子ドットの発光波長である1.3μm帯は、生体組織において浸透長が長く散乱が少ないため、医療・バイオイメージングにも適している。特に光コヒーレンストモグラフィ(以下、OCTという)はインコヒーレントな広帯域光源を用いるため、もともと帯域に広がりを持つ自己組織化の量子ドットがOCTの光源材料として有望視されている。
【0003】
OCTの光源として使用される従来の、量子井戸や量子ドットを用いた高輝度エミッティングダイオード(SLD)では、充分に帯域が広いとは言えず(100nm程度)、また、スペクトル形状にディップ等が存在している。
OCTの性能(分解能)を高めるためにはさらなる広帯域化が必要であり、そこで、例えば特許文献1に示しているように、量子ドット層を多重積層化することにより、広帯域の光源を実現しようとしている。なお、このような量子ドットは、受光素子としても用いることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−270585号公報(図1参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のように、量子ドット層を多重積層化した場合、層相互の発光帯と吸光帯との重なりによりエネルギー遷移が生じ、発光素子として用いると、発光効率が低下するおそれがある。また、OCTに用いる場合、この構造では、光源として好ましいスペクトル形状を得ることが困難であり、その結果、画像ノイズの原因となることがある。
【0006】
そこで、本発明は、発光又は受光の効率を向上させることができ、しかも、広帯域でかつ所望のスペクトル形状を得ることが可能となる光半導体基板、光半導体基板の製造方法、及び、この光半導体基板から得られた光半導体素子を備えた光源用装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明は、電光変換を行う複数の変換部と、複数の前記変換部が集積して配置された基板本体とを備えた光半導体基板であって、複数の前記変換部は、出力特性が異なるものを含み、当該出力特性が異なる前記変換部が前記基板本体の集積面に沿った方向で分散して配列されていることを特徴とする。
本発明によれば、複数の変換部は、基板本体の集積面に沿った方向で分散して配列されているので、複数の変換部はそれぞれ独立しており他と干渉するのを防ぐことができる。つまり、多重積層化した従来の構造のようなエネルギー遷移が生じず、発光の効率の向上を図ることができる。
そして、変換後の出力特性が異なる変換部が、基板本体の集積面に沿った方向で分散して配列されているので、この出力特性として例えば発光の中心波長を広く分布させ(シフトさせ)、全体として広帯域なスペクトルを有することができ、しかも、各変換部に所定の特性を備えさせることでスペクトル形状を任意に制御することができ、例えばガウシアン形状のようなスペクトル形状を得ることが可能となる。
なお、前記変換部としては、量子ドットを有するもの、量子井戸を有するもの、量子細線を有するものがある。
また、電光変換とは、所定電流の導入(印加)によって所定のPL分布の光を出力(発光)することであり、電光変換の変換後の出力特性は、出力される光のPL分布を特定するパラメータであり、例えば、中心波長(発光波長)や、PL分布の広がり具合(分散)等である。
【0008】
(2)また、前記変換部は、量子ドットと、当該量子ドット上に形成されている歪緩和層とを有し、前記歪緩和層の厚さと組成比との内の一方又は双方を、他の変換部の歪緩和層と異ならせることにより、他と異なる変換特性を有している変換部となる。
この場合、歪緩和層の厚さと組成比との内の一方又は双方を異ならせることにより、異なる中心波長を有する変換部を形成することができる。
また、量子ドットの大きさや組成を変化させることにより、異なる中心波長を有する変換部を形成することもできる。
【0009】
(3)また、本発明の光源用装置は、前記(1)又は(2)に記載の光半導体基板から得られた光半導体素子と、前記光半導体素子が有する複数の前記変換部それぞれに電気的に並列に接続されている配線部と、前記配線部を通じて前記変換部に与える電流を、前記複数の変換部毎に個別に制御する制御部とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、変換部に与える電流を大小制御することで、スペクトル形状を調整することができ、さらに、変換部毎に個別に制御することで、複数の変換部を有する光半導体基板素子としてのスペクトル形状を、任意の形状(例えばガウシアン形状)とすることが可能となる。また、変換部に量子ドットが含まれる場合、変換部への注入電流を増やし、電流による励起を高めることにより、量子ドット内の励起準位からの発光が寄与し、変換部毎においても広帯域化が可能となる。
【0010】
(4)また、本発明は、光電変換を行う複数の変換部と、複数の前記変換部が集積して配置された基板本体とを備えた光半導体基板であって、複数の前記変換部は、入力特性が異なるものを含み、当該入力特性が異なる前記変換部が前記基板本体の集積面に沿った方向で分散して配列されていることを特徴とする光半導体基板。
本発明によれば、複数の変換部は、基板本体の集積面に沿った方向で分散して配列されているので、複数の変換部はそれぞれ独立しており他と干渉するのを防ぐことができる。つまり、多重積層化した従来の構造のようなエネルギー遷移が生じず、受光の効率の向上を図ることができる。
そして、変換前の入力特性が異なる変換部が、基板本体の集積面に沿った方向で分散して配列されているので、この入力特性として例えば受光の中心波長を広く分布させ(シフトさせ)、全体として広帯域なスペクトルを有することができ、しかも、各変換部に所定の特性を備えさせることでスペクトル形状を任意に制御することができ、例えばガウシアン形状のようなスペクトル形状を得ることが可能となる。
また、光電変換とは、所定の波長の光を受光することによって所定電流を出力することであり、この場合、光電変換の変換前の入力特性は、入力される光(入力に適する光)を特定するためのパラメータであり、例えば、中心波長(受光波長)等である。
【0011】
(5)また、本発明は、複数の開口が形成されているマスクを基板本体に被せ、蒸発源から原料を発生させて前記開口を通じて前記基板本体上に、電光変換又は光電変換を行う変換部を成長させることにより、当該基板本体の集積面に沿った方向で分散して配列された複数の前記変換部を備えた光半導体基板を製造する方法であって、前記基板本体に前記マスクを被せ所定領域に前記変換部を形成してから、その後、当該基板本体上の異なる領域にさらに変換部を形成するために、当該基板本体に被せる前記マスクの開口パターンを変更すると共に、当該開口パターンを変更した後、前記蒸発源からの原料の供給量を変更することを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、基板本体にマスクを被せ所定領域に変換部を成長させてから、当該基板本体に被せるマスクの開口パターンを変更し、異なる領域にさらに変換部を形成することにより、変換部を、基板本体上に空間的に分離して複数形成することができる。この結果、複数の変換部はそれぞれ独立しており他と干渉するのを防ぐことができる。
そして、開口パターンを変更した後、原料の供給量を変更するので、基板本体上に形成される複数の変換部の中には、他と異なる変換特性(出力特性又は入力特性)を有している変換部が含まれる。この特性の相異により、変換部の例えば発光又は受光の中心波長を広く分布させ(シフトさせ)、全体として広帯域なスペクトルを有することができ、しかも、各変換部に所定の変換特性を備えさせることでスペクトル形状を任意に制御することができ、例えばガウシアン形状のようなスペクトル形状を得ることができる光半導体基板を製造することが可能となる。
【0013】
(6)また、本発明は、複数の開口が形成されているマスクを基板本体に被せ、蒸発源から原料を発生させて前記開口を通じて前記基板本体上に、量子ドットを有し電光変換又は光電変換を行う変換部を成長させることにより、当該基板本体の集積面に沿った方向で分散して配列された複数の前記変換部を備えた光半導体基板を製造する方法であって、所定の開口パターンを有する前記マスクを用いて、前記基板本体に第一の量子ドットを成長させると、当該開口パターンを変更することなく、前記第一の量子ドット上に第一の歪緩和層を成長させ、第一の変換部を形成し、その後、前記マスクの開口パターンを変更し、前記基板本体上に第二の量子ドットを成長させたのち、当該開口パターンを変更することなく、前記第一の歪緩和層の場合と異なる原料の供給量により、前記第二の量子ドット上に第二の歪緩和層を成長させ、第二の変換部を形成する。
【0014】
この場合、前記製造方法と同様に、変換部を、基板本体上に空間的に分離して複数形成することができ、また、全体として広帯域なスペクトルを有することができ、しかも、各変換部に所定の変換特性を備えさせることでスペクトル形状を任意に制御することができる。そして、第一の変換部を完成させてから、第二の変換部を形成するので、第二の変換部を形成する際に、先に成長させた第一の量子ドットに与える、例えば熱による悪影響の心配がない。そして、第二の歪緩和層の成長は、第一の歪緩和層の場合と異なる原料の供給量による環境で行われるので、異なる変換特性(中心波長)を有する変換部を、複数形成することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の光半導体基板によれば、発光又は受光の効率の向上を図り、全体として広帯域なスペクトルを有することができ、しかも、任意のスペクトル形状を得ることが可能となる。そして、本発明の製造方法によれば、このような光半導体基板を得ることができる。
本発明の光源用装置によれば、光半導体基板全体としてのスペクトル形状を、任意の形状とすることが可能となり、例えばOCT画像の分解能を高めることが可能となる光源用装置となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】光半導体基板の説明図であり、(a)は量子ドットからのフォトルミネッセンス強度(PL強度)のマップを示しており、(b)は光半導体基板の断面図である。
【図2】(a)は、歪緩和層の厚さと成長部のPL強度ピーク波長との関係を示した図であり、(b)は、各厚さの歪緩和層を有する成長部のPLスペクトルを示す図である。
【図3】(a)は、光半導体基板のPL発光領域からのPLスペクトルを示す図であり、(b)は、量子ドットにおける基底及び励起準位間遷移による広帯域発光を説明する説明図である。
【図4】光半導体基板の製造装置の説明図であり、(a)は横断面図、(b)は基板本体及び成長部を示す拡大図、(c)はB−B矢視の簡略説明図である。
【図5】製造装置の分解斜視図である。
【図6】(a)は、マスクの説明図であり、(b)は、マスクの機能を説明する概念図である。
【図7】光半導体基板の製造方法の説明図である。
【図8】(a)は、光源用装置の概略構成図であり、(b)は、この光源用装置のスペクトル形状を説明する説明図である。
【図9】受光用装置の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本発明の光半導体基板は、電光変換又は光電変換を行う複数の変換部が、基板本体上の所定領域に集積して配置された基板である。この変換部は、後にも説明するが、結晶成長技術により得られる自己組織化の活性層であり、この変換部(活性層)を、以下では「成長部」と呼んで説明する。
また、この成長部には、量子ドット又は量子井戸等を有するものがあるが、以下の実施形態では、量子ドットを有する成長部の場合を説明する。また、電光変換を行う場合の本実施形態では、成長後の量子ドット(成長部)の評価については、AFM観察、PL測定に基づく。PLスペクトル及びPL強度マップは、室温において励起光源としてHe−Ne(λ=632.8nm)レーザーを用いて測定している。
【0018】
〔1.光半導体基板について〕
図1は、光半導体基板の説明図であり、(a)は量子ドットからのフォトルミネッセンス強度(PL強度)のマップを示しており、(b)は光半導体基板の断面図である。本発明の光半導体基板1は、基板本体(GaAs基板本体)2と、この基板本体2上に領域選択的に成長させて得た複数の成長部3とを有している。成長部3は、基板本体2上にモノリシックに形成されており、少なくとも縦横の二次元的に広がった配置で、かつ、空間的に分離して基板本体2上に配置されている。つまり、複数の成長部3は、基板本体2の集積面2aに沿った方向で分散して配列されている。
【0019】
このように量子ドット4を有する成長部3が、二次元的に広がった配置でかつ空間的に分離して複数配置されているので、複数の成長部3はそれぞれ独立しており、他と干渉するのを防ぐことができる。つまり、多重積層化した従来の構造のような積層ドット間でのエネルギー遷移(発光の再吸収)が生じず、発光(又は光電変換を行う場合には、受光)の効率の向上を図ることができる。
図1(a)によれば、基板本体2上において、約0.8mm×0.6mmの選択領域に、量子ドット4(成長部3)が形成されており、全体で24箇所の選択領域に、量子ドット4(成長部3)が形成されている。この光半導体基板1は、後述するマスクを用いた製造方法により製造される。
【0020】
GaAs基板本体2上に空間的に分離して形成されている前記成長部3それぞれは、図1(b)に示しているように、InAs量子ドット(量子ドット層)4と、当該量子ドット4上に形成されているIn0.2Ga0.8As歪緩和層5とを有している。さらに、本実施形態では、歪緩和層5の上にGaAs保護層(キャップ層)6が設けられている。
【0021】
図1(a)において、複数の成長部3の中には、他と異なる出力特性(光電変換の場合は入力特性)を有している成長部が含まれている。このために、本実施形態では、歪緩和層5の特性を、他の成長部の歪緩和層5と異ならせることにより、他と異なる出力特性を有している成長部としている。歪緩和層5の特性としては、その厚さ(膜厚)及び材料の組成比の内の一方又は双方があり、このような歪緩和層5の特性を変えることにより、成長部における中心波長(発光波長)を変える(シフトさせる)ことができる。そこで、本実施形態では、歪緩和層5の厚さを異ならせることにより、異なる出力特性を有する成長部を形成している。
【0022】
図1(a)の場合、出力特性がそれぞれ異なる(少なくとも)四種類の成長部3−1,3−2,3−3,3−4を有しており、一方向(横方向)には同じ特性の成長部が並び、他方向(縦方向)には異なる特性の成長部が並んでいる。つまり、量子ドット4は全て同じであるが、成長部3−1,3−2,3−3,3−4のそれぞれにおいて、歪緩和層5の厚さが相異している。
【0023】
図2(a)は、In0.2Ga0.8As歪緩和層5の厚さ(0,2,3,4,6nm)と、各厚さの歪緩和層5を有する成長部3のPL強度ピーク波長との関係を示した図であり、(b)は、前記厚さ(0,2,3,4,6nm)の歪緩和層5を有する各成長部3のPLスペクトルを示す図である。この図によれば、歪緩和層5の厚さを変化させることにより、各成長部3のピーク波長(発光波長)をシフトさせることができるのがわかる。なお、4nmと6nmとでは大きな変化が無いことから、歪緩和層5の膜厚を4nm以下の範囲で変化させるのが好ましい。
【0024】
図3(a)は、作製した光半導体基板1のPL発光領域からのPLスペクトルを示す図である。四種類の成長部3−1,3−2,3−3,3−4による四波長(QD1,QD2,QD3,QD4)のスペクトルを実線で示し、これらの合波スペクトルを二点鎖線で示している。この図3(a)に示しているように、作製した光半導体基板1によれば、全体としての基底準位間発光の帯域を約150nm程度得ることができる。
【0025】
また、後にも説明するが、成長部3それぞれに端子を設け、この端子を通じて各成長部3への注入電流を増減調整することにより、図3(b)に示しているように、成長部3毎において、スペクトル形状を制御することができる。図3(b)によれば、注入電流を増加させることにより、量子ドットの基底準位間発光だけでなく励起準位間発光が寄与し、スペクトル幅を広げることができる。このような電流制御を行い、電流注入によってより高励起すれば(量子ドット4内の励起準位間発光の寄与を考慮すれば)、図示しないが、200nmから300nm程度の広帯域化を実現することも可能となる。
【0026】
この光半導体基板1を光源としてOCTに適用することができるが、OCTの高分解能化と低ノイズ化のためには、広帯域(〜300nm)かつガウシアン形状のスペクトルを有する光源が求められる。
そこで、後に、前記の光半導体基板1に基づく光源用装置に関して説明するが、電光変換を行う前記光半導体基板1によれば、複数の成長部3の中には、他と異なる出力特性を有している成長部が含まれているので、この特性の相異により、成長部3の中心波長を広く分布させ(シフトさせ)、全体として広帯域なスペクトルを有することができ、しかも、各成長部3に所定の特性を備えさせることでスペクトル形状を任意に制御することができ、例えばガウシアン形状のようなスペクトル形状を得ることが可能となる。
【0027】
〔2.光半導体基板1の製造方法について〕
分子線エピタキシー(Molecular Beam Epitaxy:MBE)法により、GaAs基板本体1上に量子ドット4(又は量子井戸)を結晶成長させる。真空である成長室中で、半導体を構成する各元素を供給源(ソース)から供給し、適当な温度に加熱した基板本体2上で結晶として成長させる。各構成元素は、Ga、In、Al、As等であり、これらの構成元素の供給源は、元素単体ないし化合物のソースを用いる。
【0028】
まず、製造装置について説明する。
図4は、光半導体基板1を製造するための装置の説明図であり、(a)は横断面図、(b)は基板本体2及び成長部3を示す拡大図、(c)はB−B矢視の簡略説明図である。この装置は、基板本体2を搭載する試料ホルダ40と、複数の開口(開口部)10aが形成されている板状のマスク10と、このマスク10を取り付けるマスクホルダ20とを有している。試料ホルダ40とマスクホルダ20とは図4の組み立て状態から分離可能であり、図5は分解した状態の斜視図である。
【0029】
試料ホルダ40は、複数のピン44(44−1〜44−4)を有しており、また、マスクホルダ20は、このピン44に接触することにより回転方向と半径方向とについて試料ホルダ40との相対位置を定める位置決め片29(29−1〜29−4)を有している。ピン44及び位置決め片29は、試料ホルダ40とマスクホルダ20との、装置の中心線C回りの回転方向の位置、及び、半径方向の位置を規定するための部材である。
【0030】
板状である基板本体2は、試料ホルダ40の下側から挿入し、C型リング42と肩40aとに挟まれることにより、試料ホルダ40に固定され、試料ホルダ40の最上面と基板本体2の表面との距離が一定に保たれる。また、試料ホルダ40は、基板本体2のフラット面32と試料ホルダ40の第二のピン43とにより、基板本体2を特定の方向に向けて取り付けることができる。以上より、取り付け状態で、基板本体2と試料ホルダ40との相対位置は常に一定に保たれる。
【0031】
マスクホルダ20には、マスク10が着脱可能として取り付けられる。マスクホルダ20には、試料ホルダ40を中心線Cに沿って離反させる方向に付勢するバネ28が設けられている。後にも説明するが、このバネ28によって、試料ホルダ40に固定した基板本体2と、マスクホルダ20に固定したマスク10とを、間隔をあけて近接させた状態で位置決めすることができる。
【0032】
マスクホルダ20と試料ホルダ40とを組み立てるためには、位置決め片29が、試料ホルダ40に設けられたはめ込み穴40bを介して、はめ込み溝40cに収まる。さらに、図4(c)に示しているように、位置決め片29には楔形の切り欠き部が設けられており、前記はめ込み溝40cに沿ってマスクホルダ20を回転させると、試料ホルダ40のピン44を位置決め片29の切り欠き部が挟み、マスクホルダ20は試料ホルダ40に位置決めされる。この構成により、マスクホルダ20と試料ホルダ40とは、高精度に一意の位置関係を得ることができる。
【0033】
そして、マスクホルダ20の前記バネ28が、マスクホルダ20が有している固定板24を介して、試料ホルダ40を押すことにより、位置決め片29と試料ホルダ40とが接し、その高さで、マスクホルダ20と試料ホルダ40とは上下方向(中心線C方向)について位置決めされる。この機構により、マスクホルダ20と試料ホルダ40との上下方向の位置再現性が確保され、同時に、前記固定板24及び位置決め片29と、その間で挟まれる試料ホルダ40の一部との接触面で、摩擦抵抗力を持たせ、マスクホルダ20の逆方向への回転を防止している。
【0034】
以上のように、マスクホルダ20と試料ホルダ40との組み立てにおいて、マスク10と基板本体2の表面との中心線C方向の位置、半径方向の位置、及び、回転方向の位置関係が、一意に決定される。そして、この位置関係の再現性は良い。この結果、マスク10に形成されている開口パターンと、基板本体2との位置関係が精度良く定まり、位置に関して精度の良く所定の選択領域に対して成長部3の成長が可能となる。
【0035】
また、位置決め片29は90度間隔で四箇所に設けられており、マスクホルダ20を試料ホルダ40に対して、90度ずつ回転して取り付けることができる。そして、マスク10の開口パターンを回転非対称のパターンに形成していることにより、一枚の基板本体2上に二種類以上の組成や厚み(特性)をもった成長部3を形成することが可能となる。なお、この装置を用いることにより、四種類の成長部3を形成することができる。
【0036】
図6(a)はマスク10の平面図である。マスク10は、素材がタンタル(Ta)製であり、例えば、直径35mmの円板で、厚さは0.1mmである。中央に設けられた開口部12は、結晶成長中の基板温度をモニタするために設けられたものである。
開口(開口部)10aは、基板本体2に成長部3を成長させるために、マスク10に形成された貫通穴であり、複数個形成され所定の開口パターンを有している。図6(a)では、90度間隔で開口ブロック13、14、15、16が設けられている。
【0037】
試料ホルダ40に対してマスクホルダ20を所定角度について回転させることにより、基板本体2に対してマスク10を所定角度について回転したときに、開口ブロック13の開口10aが、他の開口ブロックの開口10aが存在していた位置に、近接した位置となるように開口パターンが設定されている。
つまり、マスク10を所定角度について回転させることで、基板本体2に対する開口パターンを変更する。例えば、概念的には図6(b)に示すように、開口パターンを回転非対称のパターンにすることで、一枚の基板本体2上でかつ近接した位置に、二種以上の組成や厚み(特性)をもった成長部3が成形される。図6(b)は180度毎に開口パターンが回転非対称となるパターンを有しているが、90度毎に開口パターンが回転非対称となるパターンを有していてもよい。このように、回転非対称となるパターンの開口ブロックを所定の位相毎に複数形成することで、複数種類(例えば、三種類、四種類・・・)の成長部3の形成が可能となる。
【0038】
このようにマスク10を回転させる場合の他、異なる開口パターンを有するマスク10に交換することで、複数の成長部3を、近接した位置にしかも空間的に分離して、基板本体2上に形成することができる。そして、本発明では、マスク10を回転させたり、マスク10を交換したりことを含めてマスク10の「開口パターンの変更」という。
【0039】
そして、図4の装置を用いて基板本体2上に成長部3を形成するために、当該装置は、結晶成長装置が有している成長室内に配置される。成長室は大気と隔離した状態にある。結晶成長装置は、基板本体2に対して原料を照射する複数の蒸発源60(60a,60b,60c)を有している。本実施形態では、蒸発源60を三つとしているが、この数に限られない。量子ドット4、歪緩和層5及び保護層6それぞれを成長させるために、所定の原料を照射する。
結晶成長装置は、成長室を減圧するためのポンプや配管等を備えているが、その構成は一般的に知られている分子線エピタキシャル成長装置(MBE成長装置)と同様であるので、詳細な説明を省略する。なお、詳細は、権田俊一編著「分子線エピタキシー」培風館、第一章 分子線エピタキシー概論 参照。
【0040】
次に、以上の製造装置による光半導体基板1の製造方法について説明する。
前記のとおり、この製造方法は、結晶成長装置の成長室内において、複数の開口10aを有するマスク10を基板本体2に被せ、蒸発源60から原料を発生させて前記開口10aを通じて基板本体2上に量子ドット4を有する成長部3を成長させる。これにより、空間的に分離した複数の成長部3を備えた光半導体基板1が製造される。
【0041】
図7は、製造方法を順に説明している説明図である。なお、図7では、説明を容易とするために、二つの異なる成長部3を成長させる場合を説明しているが、実際では、基板本体2を平面的に見て縦横の二次元的に広がった配置に、最終的には、複数の成長部3を成長させる。図7(a)は、所定の開口パターン(開口10a)を有するマスク10を示している。
前記試料ホルダ40及び前記マスクホルダ20によって、図7(b)に示しているように、前記マスク10を基板本体2に被せた状態とし、この基板本体2に第一の量子ドット4−1を成長させると、マスク10の開口パターンを変更することなく、この第一の量子ドット4−1上に第一の歪緩和層5−1を成長させる。さらに、開口パターンを変更することなく、保護層6−1を成長させ、第一の成長部3−1を形成する。
【0042】
その後、マスク10の開口パターンを変更する(図7(c))。例えば、試料ホルダ40とマスクホルダ20とを相対回転させ、基板本体2に対してマスク10を回転させる。そして、図7(d)に示しているように、基板本体2上に第二の量子ドット4−2を成長させると、開口パターンを変更することなく、第二の量子ドット4−2上に第二の歪緩和層5−2を成長させる。なお、この第二の歪緩和層5−2の成長は、前記第一の歪緩和層5−1の成長の場合と異なる原料の供給量により、行われる。例えば、歪緩和層を形成するための原料の濃度を変えたり、成長時間を変化させたりすることにより、原料の供給量(総供給量)を異ならせることができる。そして、開口パターンを変更することなく、保護層6−2を成長させ、第二の成長部3−2を形成する。
【0043】
これにより、第一の成長部3−1と異なる特性(出力特性又は入力特性)を有している第二の成長部3−2を形成することができる。例えば、InAs量子ドット4はすべて同じであるが、InGaAs歪緩和層5を形成する原料の供給量を異ならせ、当該層5の厚みを約2nmと約3nmとすることができ、この結果、各成長部の中心波長を1.28μmと1.30μmとに調整することができ、二種類の成長部3−1,3−2の相互間で、帯域を20nmシフトさせることができる。
なお、さらに異なる開口パターンへの変更を行い、この変更毎に、原料の供給量(総供給量)を異ならせることにより、三種類、四種類・・・と、多種類の成長部3をさらに基板本体2上に、空間的に分離してモノリシックに形成することができる。
【0044】
なお、特性が異なる第一の成長部3−1と第二の成長部3−2とを形成する場合に、第一の量子ドット4−1及び第二の量子ドット4−2の双方をまず成長させ、その後、第一の歪緩和層5−1を第一の量子ドット4−1上で成長させる場合、第一の歪緩和層5−1の成長の際に、第二の量子ドット4−2に対して熱等による悪影響を与えるおそれがある。しかし、前記製造方法によれば、第一の成長部3−1を完成させてから(保護層6−1を形成してから)、第二の成長部3−2を形成するので、前記のような量子ドット4−2に与える悪影響の心配がない。
【0045】
以上のように、本発明の製造方法は、基板本体2にマスク10を被せ所定領域に第一の成長部3−1を形成してから、その後、この基板本体1上の異なる領域に第二の成長部3−2を形成するために、この基板本体1に被せるマスク10の開口パターンを変更すると共に、当該開口パターンを変更した後、蒸発源60からの原料の供給量(成長時間、濃度)を変更している。
このように、開口パターンを変更した後、原料の供給量を変更するので、基板本体2上に形成される複数の成長部3の中には、他と異なる特性を有している成長部が含まれることとなる。そして、この特性の相異により、成長部3の発光(又は受光)の中心波長を広く分布させ(シフトさせ)、全体として広帯域なスペクトルを有することができ、しかも、各成長部3に所定の特性を備えさせることでスペクトル形状を任意に制御することができ、例えばガウシアン形状のようなスペクトル形状を得ることができる光半導体基板1を製造することが可能となる。
【0046】
〔3.光源用装置について〕
図8(a)は、光源用装置の概略構成図である。この光源用装置は、電光変換を行う前記光半導体基板1から得られた光半導体素子8を備えている。この光半導体素子8とは、前記光半導体基板1を加工して製造された半導体素子(SLD)であり、例えば、図1(a)の縦方向に並ぶ一列の成長部3の列と、その隣りで縦方向に並ぶ一列の成長部3の列との間には、加工代領域7が形成されており、この加工代領域7で基板1が切断されて、切り出された一列の(複数の)成長部3を、光半導体素子8とすることができる。光半導体素子8には、成長部3に接続された端子9が設けられており、成長部3毎に端子9が設けられている。
【0047】
図8(a)の光半導体素子8は、三種類の成長部3(3−1,3−2,3−3)を有しており、それぞれの中心波長(出力特性)は異なっており、λ1,λ2,λ3である。
そして、この光源用装置は、さらに、光半導体素子8が有する複数の成長部3−1,3−2,3−3それぞれに電気的に並列に接続されている配線部51と、この配線部51を通じて成長部3−1,3−2,3−3に与える電流を、複数の成長部毎に個別に制御する制御部52とを備えている。
【0048】
配線部51は、成長部3と同数の配線を有しており、配線は例えば基板に形成されたものである。配線は、電源側に対して、成長部3−1,3−2,3−3を電気的に並列接続している。
制御部52は、電源53(53−1,53−2,53−3)と、各成長部3に与える電流を調整する調整部54とを有している。調整部54は、電流計の機能と、フィードバック制御の機能とを有し、成長部3に導入する電流を所定値に制御することができる。
【0049】
この光源用装置によれば、各成長部3に与える電流を大小制御することで、図8(b)に示しているように、スペクトル形状を調整することができ、さらに、成長部3毎に個別に制御することで、複数の成長部3を有する光半導体素子8全体としてのスペクトル形状を、任意の形状(例えばガウシアン形状)とすることが可能となる。また、図3(b)により説明したように、各成長部3への注入電流を増やし、電流による励起を高めることにより、量子ドット内の励起準位間遷移による発光が寄与し、成長部3毎においても広帯域化が可能となる。
【0050】
〔4.受光用装置について〕
図9は、受光用装置の概略構成図である。この受光用装置は、光電変換を行う前記光半導体基板1から得られた光半導体素子8を備えている。光半導体素子8は、前記光源用装置で用いられた半導体素子と同様であり、光半導体素子8には、成長部3に接続された端子9が設けられており、成長部3毎に端子9が設けられている。光電変換を行う光半導体基板1の製造方法と、電光変換を行う光半導体基板1の製造方法とは、同じである。
【0051】
図9の光半導体素子8は、三種類の成長部3(3−1,3−2,3−3)を有しており、それぞれの中心波長(入力特性)は異なっており、λ1,λ2,λ3である。
そして、この受光用装置は、さらに、光半導体素子8が有する複数の成長部3−1,3−2,3−3それぞれに電気的に並列に接続されている配線部51と、これら複数の成長部3−1,3−2,3−3それぞれから前記配線部51を通じて得られた電流を、成長部毎で個別に制御する受光回路部55とを備えている。
【0052】
配線部51は、前記光源用装置と同様に、成長部3と同数の配線を有しており、配線は例えば基板に形成されたものである。配線は、電源側に対して、成長部3−1,3−2,3−3を電気的に並列接続している。
受光回路部55は、成長部3それぞれから得られた電流を、成長部毎で個別に制御する構成であるため、入射される光の強度スペクトルに受光感度を適応させることができる。これにより、例えば、太陽光スペクトルに適合した高効率の太陽電池や、レンズ集光された光のスペクトル分布に対応した高効率の受光素子を作製すること等が可能となる。
また、前記光半導体基板1に基づいて作製される光半導体素子8を有しているので、広帯域な受光(光吸収)が可能となる。
【0053】
〔5.その他〕
以上の前記各実施形態のように、GaAs基板本体2上の選択領域にInAs量子ドット4を成長させ、成長後のこの量子ドット4にIn0.2Ga0.8As歪緩和層5を数nm成長させ、成長部3毎で、歪緩和層5の厚さを調整することにより、発光波長(受光波長)の制御を行うことができる。つまり、異なる発光波長(受光波長)を有する量子ドット4(成長部3)を、異なる領域に成長させることができる。
そして、電光変換を行う成長部3を備えた、多波長集積化した光半導体基板1から得た光半導体素子8(前記光源用装置)を、例えば高輝度エミッティングダイオード(SLD)等の光源として適用すれば、広帯域かつスペクトル形状を制御可能な近赤外光源を得ることができる。
特に、光の干渉性を用いたOCTでは、高分解能化及び低ノイズ化のために広帯域かつガウシアン形状の光源が必要とされているが、前記光半導体素子8によれば、これを実現することができる。
【0054】
なお、前記実施形態は、量子ドット4を有する成長部3が集積化された場合を説明したが、量子井戸を有する成長部が集積化された光半導体基板であってもよい。この場合、量子井戸の構成元素及びその構成比の内の一方又は双方を変えることで、異なる変換特性を有する成長部とすることができる。
【0055】
また、本発明は、図示する形態に限らず本発明の範囲内において他の形態のものであっても良い。例えば、基板本体の集積面が広がる方向に直交する方向に位置がずれて形成された成長部を含む、三次元的な光半導体基板であってもよい。つまり、複数の成長部は、基板本体の集積面に沿った方向で分散して配列されているが、この集積面は、例えば凹凸を有していることによりその高さ方向が変化しており、成長部が、この集積面の凹凸面部に形成されている場合(三次元的な構成)であってもよい。
【0056】
また、成長部は、少なくとも二次元的に広がって配置されているが、これら複数の成長部を、規則的に配置(一定の規則性をもって配置)すればよく、この場合、成長部の配置には、例えば、以下の配置がある。
平面的に見て、複数の成長部は、縦方向及び横方向に広がって配置されており、しかも、縦方向と横方向との内の一方向には、同じ変換特性を有する成長部が並び、かつ、縦方向と横方向との内の他方向には、(全てが又は一部が)異なる変換特性を有する成長部が並ぶ配置。
平面的に見て、複数の成長部は、同心円状の配置で径方向に広がって配置されており、しかも、同心円上では、同じ変換特性を有する成長部が並び、かつ、径方向に異なる変換特性を有する成長部が並ぶ配置。
【0057】
また、本発明の光半導体基板を、色調可変白色光源としてディスプレーバックライト、色調可変白色光源として(家庭用)LED光源、光情報通信用受光器、さらには、光電素子としての太陽電池に適用することが可能である。
【符号の説明】
【0058】
1:光半導体基板、 2:基板本体、 2a:集積面 3:成長部(変換部)、 4:量子ドット、 5:歪緩和層、 6:保護層、 10:マスク、 10a:開口、 51:配線部、 52:制御部、 60:蒸発源


【特許請求の範囲】
【請求項1】
電光変換を行う複数の変換部と、複数の前記変換部が集積して配置された基板本体とを備えた光半導体基板であって、
複数の前記変換部は、出力特性が異なるものを含み、当該出力特性が異なる前記変換部が前記基板本体の集積面に沿った方向で分散して配列されていることを特徴とする光半導体基板。
【請求項2】
前記変換部は、量子ドットと、当該量子ドット上に形成されている歪緩和層とを有し、
前記歪緩和層の厚さと組成比との内の一方又は双方が、他の変換部の歪緩和層と異なっている請求項1に記載の光半導体基板。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の光半導体基板から得られた光半導体素子と、
前記光半導体素子が有する複数の前記変換部それぞれに電気的に並列に接続されている配線部と、
前記配線部を通じて前記変換部に与える電流を、前記複数の変換部毎に個別に制御する制御部と、を備えたことを特徴とする光源用装置。
【請求項4】
光電変換を行う複数の変換部と、複数の前記変換部が集積して配置された基板本体とを備えた光半導体基板であって、
複数の前記変換部は、入力特性が異なるものを含み、当該入力特性が異なる前記変換部が前記基板本体の集積面に沿った方向で分散して配列されていることを特徴とする光半導体基板。
【請求項5】
複数の開口が形成されているマスクを基板本体に被せ、蒸発源から原料を発生させて前記開口を通じて前記基板本体上に、電光変換又は光電変換を行う変換部を成長させることにより、当該基板本体の集積面に沿った方向で分散して配列された複数の前記変換部を備えた光半導体基板を製造する方法であって、
前記基板本体に前記マスクを被せ所定領域に前記変換部を形成してから、
その後、当該基板本体上の異なる領域にさらに変換部を形成するために、当該基板本体に被せる前記マスクの開口パターンを変更すると共に、当該開口パターンを変更した後、前記蒸発源からの原料の供給量を変更することを特徴とする光半導体基板の製造方法。
【請求項6】
複数の開口が形成されているマスクを基板本体に被せ、蒸発源から原料を発生させて前記開口を通じて前記基板本体上に、量子ドットを有し電光変換又は光電変換を行う変換部を成長させることにより、当該基板本体の集積面に沿った方向で分散して配列された複数の前記変換部を備えた光半導体基板を製造する方法であって、
所定の開口パターンを有する前記マスクを用いて、前記基板本体に第一の量子ドットを成長させると、当該開口パターンを変更することなく、前記第一の量子ドット上に第一の歪緩和層を成長させ、第一の変換部を形成し、
その後、前記マスクの開口パターンを変更し、前記基板本体上に第二の量子ドットを成長させると、当該開口パターンを変更することなく、前記第一の歪緩和層の場合と異なる原料の供給量により、前記第二の量子ドット上に第二の歪緩和層を成長させ、第二の変換部を形成する光半導体基板の製造方法。


【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図1】
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【図3】
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