光半導体装置
【課題】 受光素子の空間電荷効果の抑制および受光素子の高光結合効率の両方を実現する光半導体装置を提供する。
【解決手段】 光半導体装置は、レンズと、レンズを通過した光信号が入力される受光素子と、を備え、レンズと受光素子の受光面との間において、光信号の第1の光路と、第1の光路と異なる長さの第2の光路とが交差し、第1の光路を通過する光と第2の光路を通過する光との位相差に起因して受光素子の受光面において複数のピーク光強度が生成される。
【解決手段】 光半導体装置は、レンズと、レンズを通過した光信号が入力される受光素子と、を備え、レンズと受光素子の受光面との間において、光信号の第1の光路と、第1の光路と異なる長さの第2の光路とが交差し、第1の光路を通過する光と第2の光路を通過する光との位相差に起因して受光素子の受光面において複数のピーク光強度が生成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光半導体装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
光受信器などの光半導体装置においては、光ファイバの出射端から出射される光信号を受光素子が受光する。受光素子の高速動作のためには、受光径は小さいことが望まれる。一方で、受光素子の受光面においては、受光面内における光強度のピークが高くなるとその部分の電流密度が高くなり、空間電荷効果(受光素子内部の飽和)が発生する。この対策として、デフォーカスを与える技術が知られている(例えば、特許文献1〜3を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平05−224101号公報
【特許文献2】特開平06−21485号公報
【特許文献3】特開平08−18077号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
デフォーカスによりビーム径を大きくすると、受光面におけるピーク光強度が、相対的に低下する。それにより、受光面内における局所的な電流密度の上昇を低減することができ、空間電荷効果の発生を抑制することができる。しかしながら、ビーム径が大きくなると、受光面以外に光が漏れ出してしまい光結合効率が低下してしまう。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、受光素子の空間電荷効果の抑制および受光素子の高光結合効率の両方を実現する光半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る光半導体装置は、レンズと、前記レンズを通過した光信号が入力される受光素子と、を備え、前記レンズと前記受光素子の受光面との間において、前記光信号の第1の光路と、前記第1の光路と異なる長さの第2の光路とが交差し、前記第1の光路を通過する光と前記第2の光路を通過する光との位相差に起因して前記受光素子の受光面において複数のピーク光強度が生成されることを特徴とするものである。本発明に係る光半導体装置によれば、受光素子の空間電荷効果の抑制および受光素子の高光結合効率の両方を実現することができる。
【0007】
前記レンズに入力される光信号は、光ファイバから出射され、前記光ファイバの出射端は、前記光ファイバの光軸に対して斜めにカットされていてもよい。前記レンズは、球面レンズとしてもよい。前記受光素子は、光入射側に曲率を有する集光部が設けられたフォトダイオードとしてもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、受光素子の空間電荷効果の抑制および受光素子の高光結合効率の両方を実現する光半導体装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】比較例に係る光半導体装置の全体構成を説明するための断面図である。
【図2】レンズを通過する光信号のビーム径について説明するための模式図である。
【図3】受光素子の受光面で受光される光信号の光強度分布を説明するための図である。
【図4】(a)は図3の「Peak」の光強度分布を3次元で表した図であり、(b)は図3の「Peak」の光強度分布を等高線で表した図である。
【図5】(a)は図3の「Defocus4」の光強度分布を3次元で表した図であり、(b)は図3の「Defocus4」の光強度分布を等高線で表した図である。
【図6】デフォーカス時における光強度分布を説明するための図である。
【図7】光信号の中心における光強度と光結合効率との関係を説明するための図である。
【図8】実施例に係る光半導体装置の全体構成を説明するための断面図である。
【図9】光ファイバの出射端と、レンズおよび受光素子との配置関係について説明するための模式図である。
【図10】複数のピークが生じた場合について説明するための図である。
【図11】光結合効率を説明するための図である。
【図12】受光素子の他の例を説明するための図である。
【図13】変形例2に係る光半導体装置の全体構成を説明するための断面図である。
【図14】(a)は実施例に係る光強度分布を3次元で表した図であり、(b)は(a)の光強度分布を等高線で表した図である。
【図15】実験結果を表す図である。
【図16】光学系の構成を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施例の説明の前に、比較例について説明する。
【0011】
図1は、比較例に係る光半導体装置200の全体構成を説明するための断面図である。図1を参照して、光半導体装置200は、光入力部10、集光部20、および受光部30を備える。光入力部10から入力される光信号は、単一波長光であり、集光部20において集光され、受光部30において受光される。
【0012】
光入力部10においては、ホルダ11によってフェルール金具12が固定されている。フェルール金具12内にフェルール13が挿入されている。さらに、光ファイバ14がフェルール13内を貫通するように設けられている。フェルール13の外部では、光ファイバ14は被覆材15によって被覆されている。フェルール13および光ファイバ14の出射端は、光ファイバ14の光軸に対して垂直にカットされている。
【0013】
集光部20においては、キャップ21によってレンズ22が固定されている。レンズ22は、レンズ22の中心が光ファイバ14の光軸と重なるように配置されている。レンズ22は、特に限定されるものではなく、例えば球面レンズである。
【0014】
受光部30においては、ステム31上にサブマウント32が配置され、サブマウント32上に受光素子33が搭載されている。受光素子33は、半導体受光素子(フォトダイオード)であれば特に限定されるものではない。受光素子33は、表面入射型および裏面入射型のいずれのタイプのものであってもよい。受光素子33の出力端子は、プリアンプ34を介してリード35に接続されている。受光素子33の電源端子には、リード36が接続されている。リード35,36とステム31との間には、ガラスなどの絶縁部材37が配置されている。
【0015】
光ファイバ14内を伝播する光信号は、光ファイバ14の出射端からレンズ22に対して出射される。レンズ22は、受光素子33の受光面に入射するビーム径を調整する。受光素子33は、光電変換によって、受光する光信号を電流信号に変換する。プリアンプ34は、受光素子33が出力する電流信号を増幅する。
【0016】
図2(a)は、レンズ22を通過する光信号のビーム径について説明するための模式図である。図2(b)は、受光素子33周辺の拡大図である。図2(a)を参照して、図2では、レンズ22として球面レンズを用いている。また、図2(b)を参照して、受光素子33として、裏面入射型フォトダイオードを用いている。
【0017】
光ファイバ14の出射端から出射される光信号のビーム径は、光信号の進行方向に向かって、光軸を中心にして拡大し、ガウシアン分布を形成する。比較例においては、レンズ22は、光信号の光軸がレンズ22の中心を通過するように配置されている。すなわち、光信号の光軸は、レンズ22の接平面と垂直の関係を有する。この場合、コマ収差が回避される。それにより、レンズ22内を通過する光信号は、光信号の光軸を対称軸として分布する。レンズ22は、光ファイバ14から入力される光を集光し、受光素子33で受光される光信号のビーム径を所定の大きさに調整する。
【0018】
図3は、受光素子33の受光面で受光される光信号の光強度分布を説明するための図である。図3において、横軸は光信号の中心からの距離(μm)を示し、縦軸は光強度(全光量に対する相対光強度)を示す。図3の例では、デフォーカスによってビーム径を変化させた光信号の光強度分布が描かれている。「Peak」は、デフォーカスしていない光信号であり、「Defocus1」〜「Defocus4」は、「Peak」をデフォーカスした光信号である。図3を参照して、光信号の光強度は、光信号の中心において最も高くなる。
【0019】
図4(a)は、図3の「Peak」の光強度分布を3次元で表した図である。図4(b)は、図3の「Peak」の光強度分布を等高線で表した図である。図5(a)は、図3の「Defocus4」の光強度分布を3次元で表した図である。図5(b)は、図3の「Defocus4」の光強度分布を等高線で表した図である。図4(a)および図5(a)において、x軸(dx)およびy軸(dy)は、受光面の2次元方向を示し、z軸(p)は、光強度を示す。なお、図4(a)および図5(a)の等高線は、ピークおよびボトムを5ステップにしたものである。図4(b)および図5(b)において、x軸(dx)およびy軸(dy)は、受光面の2次元方向を示す。
【0020】
図3〜図5(b)を参照して、ビーム径が小さくなると、光強度分布が光信号の中心に偏り、光信号の中心における光強度が高くなる。一方で、ビーム径が大きくなると、光強度分布が光信号の中心から外側に拡散し、光信号の中心における光強度が低くなる。
【0021】
ここで、光強度が所定の限界値を超えると、受光素子33に空間電荷効果が生じる。したがって、光強度の最大値が限界値以下になるように、デフォーカスによってビーム径を増加させることが好ましい。しかしながら、この場合、光信号の中心における光強度が低下するに従って、光信号の中心から離れた箇所における光強度が増加する。
【0022】
図6は、デフォーカス時における光強度分布を説明するための図である。図6において、横軸は光信号の中心からの距離(μm)を示し、縦軸は光強度を示す。図6の例では、光信号の中心からの距離が7.5μmを超えた箇所における光強度が所定の大きさ以上になっている。受光素子33の光結合効率は図6の光強度の積分値に比例するため、受光素子33の受光径を15μmとした場合、受光素子33の光結合効率が低下することになる。このように、ビーム径を大きくすると、光結合効率が低下する。
【0023】
図7は、光信号の中心における光強度(以下、ピーク光強度)と光結合効率との関係を説明するための図である。図7において、横軸はピーク光強度を示し、縦軸は光結合効率を示す。図7を参照して、ピーク光強度が大きいと、光結合効率はほぼ「1」となっている。ビーム径が小さくなるためである。これに対して、ピーク光強度が小さくなると、光結合効率が低下する。これは、ビーム径が大きくなり、受光面から光が漏れるためである。
【0024】
以上のことから、比較例に係る光半導体装置200においては、ビーム径を小さくすると空間電荷効果を抑制できず、ビーム径を大きくすると結合効率が低下する。したがって、比較例に係る光半導体装置200においては、空間電荷効果の抑制および受光素子の高光結合効率の両方を実現することができない。
【実施例】
【0025】
図8は、実施例に係る光半導体装置100の全体構成を説明するための断面図である。図8を参照して、光半導体装置100が図1の光半導体装置200と異なる点は、光ファイバ14の光軸に対する、レンズ22および受光素子33の配置箇所である。図1と同じ部材には同一の符号を付すことによって、説明を省略する。
【0026】
図9(a)は、光ファイバ14の出射端と、レンズ22および受光素子33との配置関係について説明するための模式図である。図9(b)は、受光素子33周辺の拡大図である。図9(a)を参照して、本実施例においては、光ファイバ14の出射端から出射される光信号の光軸に対して、レンズ22の中心位置にオフセットが設けられている。したがって、本実施例においては、光ファイバ14から出射された光信号の光軸はレンズ22の中心から外れた箇所を通過する。言い換えれば、当該光信号の光軸は、レンズ22の接平面と垂直の関係を有していない。この場合、コマ収差および球面収差に起因して、レンズ22内を通過する光信号は、光信号の光軸に対して非対称に分布する。
【0027】
レンズ22から出射される光信号のいずれか1つの光路を第1の光路とし、他の光路を第2の光路とする。レンズ22と受光素子33の受光面との間において、第1の光路と第2の光路とが交差する場合、第1の光路を通過する光信号と、第2の光路を通過する光信号とが互いに干渉する。この場合、位相差に応じて、第1の光路を通過する光信号と第2の光路を通過する光信号とが互いに強め合い、または弱め合う。その結果、受光素子33の受光面における光強度分布に、複数のピークが生じる。
【0028】
図10は、複数のピークが生じた場合について説明するための図である。図10において、横軸は光信号の中心からの距離(μm)を示し、縦軸は光強度を示す。図10においては、比較例における光強度分布が併せて図示されている。図10を参照して、光強度分布に複数のピークが生じる場合、光強度が光信号の中心に偏るようになる。それにより、光信号の中心から離れた箇所における光強度を低下させることができる。したがって、光強度の最大値を限界値以下に調整しても、受光素子33の受光面外における光強度を低下させることができる。なお、各ピークの光強度は、例えば、中央のピークは0.12以下、中央のピークの両側のピークは0.08以上の光強度を有する。
【0029】
図11は、この場合の光結合効率を説明するための図である。図11において、横軸はピーク光強度を示し、縦軸は光結合効率を示す。図11を参照して、光強度分布に複数のピークが生じる場合、ピーク光強度を低下させつつ、光結合効率の低下を抑制することができる。
【0030】
本実施例においては、第1の光路の光信号の位相と第2の光路の光信号の位相との間にずれが生じることで、受光素子33の受光面に複数のピーク光強度が生成されるように、光ファイバ14の光軸に対するレンズ22および受光素子33の配置箇所が決定される。それにより、受光素子33の空間電荷効果の抑制および受光素子33の高光結合効率の両方を実現することができる。
【0031】
(変形例1)
図12(a)は、受光素子の他の例を説明するための図である。図12(a)を参照して、受光素子33の光入射側に、曲率を有する集光部38がモノリシックに設けられていてもよい。この場合、図12(b)を参照して、受光素子33に入射される光信号が、集光部38によって光信号をさらに集光することができる。
【0032】
(変形例2)
図13は、変形例2に係る光半導体装置100aの全体構成を説明するための断面図である。図13を参照して、光ファイバ14の出射端は、光ファイバ14の光軸に対して斜めにカットされていてもよい。この場合、光ファイバ14の出射端と光ファイバ14の光軸との角度を調整すれば、光ファイバ14、レンズ22、および受光素子33の位置の自由度が広がる。それにより、光半導体装置100a内の機器配置の制約が緩和される。また、受光素子33などで反射した光の光ファイバ14への入射を抑制することができる。
【0033】
(実験例)
比較例に係る光半導体装置200を用いた際の実験結果と、実施例の変形例2に係る光半導体装置100aを用いた際の実験結果と、について説明する。表1に、実験条件を示す。表1に示すように、レンズ22として、材料BK−7、直径1.5mmの球面レンズ、光ファイバ14として、出射端のファイバカット面角度が10°の光ファイバを用いた。レンズ22と光ファイバ14の出射端との距離は、0.8mmとした。レンズ22と受光素子33との距離は、2.5mmとした。比較例では、光ファイバ14の光軸が、レンズ22の中心を通り、受光素子33の受光面の中心に位置する。実施例では、レンズ22の中心は、光ファイバ14の光軸に対して0.34mmのオフセットを有する。受光素子33の受光面の中心は、レンズ22の中心を光ファイバ14の光軸方向に延長した点から0.55mmのオフセットを有する。
【0034】
【表1】
【0035】
図14(a)は、実施例に係る光強度分布を3次元で表した図である。図14(b)は、図14(a)の光強度分布を等高線で表した図である。図14(a)および図14(b)を参照して、光強度が光信号の中心に偏っている。それにより、光信号の中心から離れた箇所における光強度が低下している。これは、複数の光路の光信号の位相差によって、受光素子33の受光面に複数のピーク光強度が生成されたからである。
【0036】
図15は、実験結果を表す図である。図15において、横軸は受光素子33に入射される光パワー(dBm)を示し、左側の縦軸は光電変換によって得られる光電流(μA)を示し、右側の縦軸は光結合効率(A/W)を示す。図15の実験例では、結合効率の目標値を0.75A/Wとした。図15を参照して、比較例では、入射パワーが0dBmを超えると光電流が飽和するとともに光結合効率が低下したが、実施例では、入射パワーが+6dBmでも光電流が飽和せず、光結合効率が低下しなかった。以上の結果から、本実施例に係る光半導体装置を用いることによって、受光素子の空間電荷効果の抑制および受光素子の高光結合効率の両方を実現することがわかった。
【0037】
(光学系の構成)
図16は、本発明による光学系の構成の一例を説明するための図である。図16は出射端面、レンズ、および受光面を結ぶ中心光軸、ならびに、レンズ中心を基準にした出射端面と受光面の位置関係を示す図である。図16において、L方向は光ファイバ14の光軸方向を示し、X方向は光ファイバ14の光軸と直交する面における位置を示す。「θ」は、光ファイバ14の出射端から出射される光信号の光軸が光ファイバ14の光軸となす角度である。「φ」は、レンズ22の直径である。「ni」は、レンズ22の屈折率(1.5〜1.6程度)である。ここで、「L1」を光ファイバ14の出射端のL方向の位置とし、「X1」を光ファイバ14の出射端のX方向の位置とする。また、「L2」を受光素子33の受光面のL方向の位置とし、「X2」を受光素子33の受光面のX方向の位置とする。
【0038】
図16の構成において、受光素子33の受光面における光強度分布に複数のピークが生じるための条件の一例を示す。以下は、光ファイバ14から出射される光信号の波長が1.2μm〜1.6μmである場合における条件である。また、光ファイバカット面角度とは、光ファイバ14の光軸(方向L)に対してレンズ側に傾斜したカット面の角度を意味する。光ファイバカット面角度が0°とは、光ファイバ14の端面が方向Xに平行である場合を意味する。なお、これらの条件は光学解析シミュレーションによって、各パラメータを調節しながら好適な条件を求めることで得ることができる。
【0039】
(条件1)光ファイバ14の出射端のファイバカット面角度が6°、レンズ22の直径が1.5mmの場合において、L2/X2が5.0であるときに受光素子33の受光面における光強度分布に複数のピークが生じる。
(条件2)光ファイバ14の出射端のファイバカット面角度が10°、レンズ22の直径が1.0mmの場合において、L2/X2が2.6であるときに受光素子33の受光面における光強度分布に複数のピークが生じる。
(条件3)光ファイバ14の出射端のファイバカット面角度が10°、レンズ22の直径が1.5mmの場合において、L2/X2が4.5であるときに受光素子33の受光面における光強度分布に複数のピークが生じる。
(条件4)光ファイバ14の出射端のファイバカット面角度が10°、レンズ22の直径は、2.0mmの場合おいてL2/X2が5.2であるときに受光素子33の受光面における光強度分布に複数のピークが生じる。
【0040】
なお、本発明は係る特定の実施形態および実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0041】
10 光入力部
14 光ファイバ
20 集光部
22 レンズ
30 受光部
33 受光素子
35,36 リード
38 集光部
100 光半導体装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、光半導体装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
光受信器などの光半導体装置においては、光ファイバの出射端から出射される光信号を受光素子が受光する。受光素子の高速動作のためには、受光径は小さいことが望まれる。一方で、受光素子の受光面においては、受光面内における光強度のピークが高くなるとその部分の電流密度が高くなり、空間電荷効果(受光素子内部の飽和)が発生する。この対策として、デフォーカスを与える技術が知られている(例えば、特許文献1〜3を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平05−224101号公報
【特許文献2】特開平06−21485号公報
【特許文献3】特開平08−18077号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
デフォーカスによりビーム径を大きくすると、受光面におけるピーク光強度が、相対的に低下する。それにより、受光面内における局所的な電流密度の上昇を低減することができ、空間電荷効果の発生を抑制することができる。しかしながら、ビーム径が大きくなると、受光面以外に光が漏れ出してしまい光結合効率が低下してしまう。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、受光素子の空間電荷効果の抑制および受光素子の高光結合効率の両方を実現する光半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る光半導体装置は、レンズと、前記レンズを通過した光信号が入力される受光素子と、を備え、前記レンズと前記受光素子の受光面との間において、前記光信号の第1の光路と、前記第1の光路と異なる長さの第2の光路とが交差し、前記第1の光路を通過する光と前記第2の光路を通過する光との位相差に起因して前記受光素子の受光面において複数のピーク光強度が生成されることを特徴とするものである。本発明に係る光半導体装置によれば、受光素子の空間電荷効果の抑制および受光素子の高光結合効率の両方を実現することができる。
【0007】
前記レンズに入力される光信号は、光ファイバから出射され、前記光ファイバの出射端は、前記光ファイバの光軸に対して斜めにカットされていてもよい。前記レンズは、球面レンズとしてもよい。前記受光素子は、光入射側に曲率を有する集光部が設けられたフォトダイオードとしてもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、受光素子の空間電荷効果の抑制および受光素子の高光結合効率の両方を実現する光半導体装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】比較例に係る光半導体装置の全体構成を説明するための断面図である。
【図2】レンズを通過する光信号のビーム径について説明するための模式図である。
【図3】受光素子の受光面で受光される光信号の光強度分布を説明するための図である。
【図4】(a)は図3の「Peak」の光強度分布を3次元で表した図であり、(b)は図3の「Peak」の光強度分布を等高線で表した図である。
【図5】(a)は図3の「Defocus4」の光強度分布を3次元で表した図であり、(b)は図3の「Defocus4」の光強度分布を等高線で表した図である。
【図6】デフォーカス時における光強度分布を説明するための図である。
【図7】光信号の中心における光強度と光結合効率との関係を説明するための図である。
【図8】実施例に係る光半導体装置の全体構成を説明するための断面図である。
【図9】光ファイバの出射端と、レンズおよび受光素子との配置関係について説明するための模式図である。
【図10】複数のピークが生じた場合について説明するための図である。
【図11】光結合効率を説明するための図である。
【図12】受光素子の他の例を説明するための図である。
【図13】変形例2に係る光半導体装置の全体構成を説明するための断面図である。
【図14】(a)は実施例に係る光強度分布を3次元で表した図であり、(b)は(a)の光強度分布を等高線で表した図である。
【図15】実験結果を表す図である。
【図16】光学系の構成を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施例の説明の前に、比較例について説明する。
【0011】
図1は、比較例に係る光半導体装置200の全体構成を説明するための断面図である。図1を参照して、光半導体装置200は、光入力部10、集光部20、および受光部30を備える。光入力部10から入力される光信号は、単一波長光であり、集光部20において集光され、受光部30において受光される。
【0012】
光入力部10においては、ホルダ11によってフェルール金具12が固定されている。フェルール金具12内にフェルール13が挿入されている。さらに、光ファイバ14がフェルール13内を貫通するように設けられている。フェルール13の外部では、光ファイバ14は被覆材15によって被覆されている。フェルール13および光ファイバ14の出射端は、光ファイバ14の光軸に対して垂直にカットされている。
【0013】
集光部20においては、キャップ21によってレンズ22が固定されている。レンズ22は、レンズ22の中心が光ファイバ14の光軸と重なるように配置されている。レンズ22は、特に限定されるものではなく、例えば球面レンズである。
【0014】
受光部30においては、ステム31上にサブマウント32が配置され、サブマウント32上に受光素子33が搭載されている。受光素子33は、半導体受光素子(フォトダイオード)であれば特に限定されるものではない。受光素子33は、表面入射型および裏面入射型のいずれのタイプのものであってもよい。受光素子33の出力端子は、プリアンプ34を介してリード35に接続されている。受光素子33の電源端子には、リード36が接続されている。リード35,36とステム31との間には、ガラスなどの絶縁部材37が配置されている。
【0015】
光ファイバ14内を伝播する光信号は、光ファイバ14の出射端からレンズ22に対して出射される。レンズ22は、受光素子33の受光面に入射するビーム径を調整する。受光素子33は、光電変換によって、受光する光信号を電流信号に変換する。プリアンプ34は、受光素子33が出力する電流信号を増幅する。
【0016】
図2(a)は、レンズ22を通過する光信号のビーム径について説明するための模式図である。図2(b)は、受光素子33周辺の拡大図である。図2(a)を参照して、図2では、レンズ22として球面レンズを用いている。また、図2(b)を参照して、受光素子33として、裏面入射型フォトダイオードを用いている。
【0017】
光ファイバ14の出射端から出射される光信号のビーム径は、光信号の進行方向に向かって、光軸を中心にして拡大し、ガウシアン分布を形成する。比較例においては、レンズ22は、光信号の光軸がレンズ22の中心を通過するように配置されている。すなわち、光信号の光軸は、レンズ22の接平面と垂直の関係を有する。この場合、コマ収差が回避される。それにより、レンズ22内を通過する光信号は、光信号の光軸を対称軸として分布する。レンズ22は、光ファイバ14から入力される光を集光し、受光素子33で受光される光信号のビーム径を所定の大きさに調整する。
【0018】
図3は、受光素子33の受光面で受光される光信号の光強度分布を説明するための図である。図3において、横軸は光信号の中心からの距離(μm)を示し、縦軸は光強度(全光量に対する相対光強度)を示す。図3の例では、デフォーカスによってビーム径を変化させた光信号の光強度分布が描かれている。「Peak」は、デフォーカスしていない光信号であり、「Defocus1」〜「Defocus4」は、「Peak」をデフォーカスした光信号である。図3を参照して、光信号の光強度は、光信号の中心において最も高くなる。
【0019】
図4(a)は、図3の「Peak」の光強度分布を3次元で表した図である。図4(b)は、図3の「Peak」の光強度分布を等高線で表した図である。図5(a)は、図3の「Defocus4」の光強度分布を3次元で表した図である。図5(b)は、図3の「Defocus4」の光強度分布を等高線で表した図である。図4(a)および図5(a)において、x軸(dx)およびy軸(dy)は、受光面の2次元方向を示し、z軸(p)は、光強度を示す。なお、図4(a)および図5(a)の等高線は、ピークおよびボトムを5ステップにしたものである。図4(b)および図5(b)において、x軸(dx)およびy軸(dy)は、受光面の2次元方向を示す。
【0020】
図3〜図5(b)を参照して、ビーム径が小さくなると、光強度分布が光信号の中心に偏り、光信号の中心における光強度が高くなる。一方で、ビーム径が大きくなると、光強度分布が光信号の中心から外側に拡散し、光信号の中心における光強度が低くなる。
【0021】
ここで、光強度が所定の限界値を超えると、受光素子33に空間電荷効果が生じる。したがって、光強度の最大値が限界値以下になるように、デフォーカスによってビーム径を増加させることが好ましい。しかしながら、この場合、光信号の中心における光強度が低下するに従って、光信号の中心から離れた箇所における光強度が増加する。
【0022】
図6は、デフォーカス時における光強度分布を説明するための図である。図6において、横軸は光信号の中心からの距離(μm)を示し、縦軸は光強度を示す。図6の例では、光信号の中心からの距離が7.5μmを超えた箇所における光強度が所定の大きさ以上になっている。受光素子33の光結合効率は図6の光強度の積分値に比例するため、受光素子33の受光径を15μmとした場合、受光素子33の光結合効率が低下することになる。このように、ビーム径を大きくすると、光結合効率が低下する。
【0023】
図7は、光信号の中心における光強度(以下、ピーク光強度)と光結合効率との関係を説明するための図である。図7において、横軸はピーク光強度を示し、縦軸は光結合効率を示す。図7を参照して、ピーク光強度が大きいと、光結合効率はほぼ「1」となっている。ビーム径が小さくなるためである。これに対して、ピーク光強度が小さくなると、光結合効率が低下する。これは、ビーム径が大きくなり、受光面から光が漏れるためである。
【0024】
以上のことから、比較例に係る光半導体装置200においては、ビーム径を小さくすると空間電荷効果を抑制できず、ビーム径を大きくすると結合効率が低下する。したがって、比較例に係る光半導体装置200においては、空間電荷効果の抑制および受光素子の高光結合効率の両方を実現することができない。
【実施例】
【0025】
図8は、実施例に係る光半導体装置100の全体構成を説明するための断面図である。図8を参照して、光半導体装置100が図1の光半導体装置200と異なる点は、光ファイバ14の光軸に対する、レンズ22および受光素子33の配置箇所である。図1と同じ部材には同一の符号を付すことによって、説明を省略する。
【0026】
図9(a)は、光ファイバ14の出射端と、レンズ22および受光素子33との配置関係について説明するための模式図である。図9(b)は、受光素子33周辺の拡大図である。図9(a)を参照して、本実施例においては、光ファイバ14の出射端から出射される光信号の光軸に対して、レンズ22の中心位置にオフセットが設けられている。したがって、本実施例においては、光ファイバ14から出射された光信号の光軸はレンズ22の中心から外れた箇所を通過する。言い換えれば、当該光信号の光軸は、レンズ22の接平面と垂直の関係を有していない。この場合、コマ収差および球面収差に起因して、レンズ22内を通過する光信号は、光信号の光軸に対して非対称に分布する。
【0027】
レンズ22から出射される光信号のいずれか1つの光路を第1の光路とし、他の光路を第2の光路とする。レンズ22と受光素子33の受光面との間において、第1の光路と第2の光路とが交差する場合、第1の光路を通過する光信号と、第2の光路を通過する光信号とが互いに干渉する。この場合、位相差に応じて、第1の光路を通過する光信号と第2の光路を通過する光信号とが互いに強め合い、または弱め合う。その結果、受光素子33の受光面における光強度分布に、複数のピークが生じる。
【0028】
図10は、複数のピークが生じた場合について説明するための図である。図10において、横軸は光信号の中心からの距離(μm)を示し、縦軸は光強度を示す。図10においては、比較例における光強度分布が併せて図示されている。図10を参照して、光強度分布に複数のピークが生じる場合、光強度が光信号の中心に偏るようになる。それにより、光信号の中心から離れた箇所における光強度を低下させることができる。したがって、光強度の最大値を限界値以下に調整しても、受光素子33の受光面外における光強度を低下させることができる。なお、各ピークの光強度は、例えば、中央のピークは0.12以下、中央のピークの両側のピークは0.08以上の光強度を有する。
【0029】
図11は、この場合の光結合効率を説明するための図である。図11において、横軸はピーク光強度を示し、縦軸は光結合効率を示す。図11を参照して、光強度分布に複数のピークが生じる場合、ピーク光強度を低下させつつ、光結合効率の低下を抑制することができる。
【0030】
本実施例においては、第1の光路の光信号の位相と第2の光路の光信号の位相との間にずれが生じることで、受光素子33の受光面に複数のピーク光強度が生成されるように、光ファイバ14の光軸に対するレンズ22および受光素子33の配置箇所が決定される。それにより、受光素子33の空間電荷効果の抑制および受光素子33の高光結合効率の両方を実現することができる。
【0031】
(変形例1)
図12(a)は、受光素子の他の例を説明するための図である。図12(a)を参照して、受光素子33の光入射側に、曲率を有する集光部38がモノリシックに設けられていてもよい。この場合、図12(b)を参照して、受光素子33に入射される光信号が、集光部38によって光信号をさらに集光することができる。
【0032】
(変形例2)
図13は、変形例2に係る光半導体装置100aの全体構成を説明するための断面図である。図13を参照して、光ファイバ14の出射端は、光ファイバ14の光軸に対して斜めにカットされていてもよい。この場合、光ファイバ14の出射端と光ファイバ14の光軸との角度を調整すれば、光ファイバ14、レンズ22、および受光素子33の位置の自由度が広がる。それにより、光半導体装置100a内の機器配置の制約が緩和される。また、受光素子33などで反射した光の光ファイバ14への入射を抑制することができる。
【0033】
(実験例)
比較例に係る光半導体装置200を用いた際の実験結果と、実施例の変形例2に係る光半導体装置100aを用いた際の実験結果と、について説明する。表1に、実験条件を示す。表1に示すように、レンズ22として、材料BK−7、直径1.5mmの球面レンズ、光ファイバ14として、出射端のファイバカット面角度が10°の光ファイバを用いた。レンズ22と光ファイバ14の出射端との距離は、0.8mmとした。レンズ22と受光素子33との距離は、2.5mmとした。比較例では、光ファイバ14の光軸が、レンズ22の中心を通り、受光素子33の受光面の中心に位置する。実施例では、レンズ22の中心は、光ファイバ14の光軸に対して0.34mmのオフセットを有する。受光素子33の受光面の中心は、レンズ22の中心を光ファイバ14の光軸方向に延長した点から0.55mmのオフセットを有する。
【0034】
【表1】
【0035】
図14(a)は、実施例に係る光強度分布を3次元で表した図である。図14(b)は、図14(a)の光強度分布を等高線で表した図である。図14(a)および図14(b)を参照して、光強度が光信号の中心に偏っている。それにより、光信号の中心から離れた箇所における光強度が低下している。これは、複数の光路の光信号の位相差によって、受光素子33の受光面に複数のピーク光強度が生成されたからである。
【0036】
図15は、実験結果を表す図である。図15において、横軸は受光素子33に入射される光パワー(dBm)を示し、左側の縦軸は光電変換によって得られる光電流(μA)を示し、右側の縦軸は光結合効率(A/W)を示す。図15の実験例では、結合効率の目標値を0.75A/Wとした。図15を参照して、比較例では、入射パワーが0dBmを超えると光電流が飽和するとともに光結合効率が低下したが、実施例では、入射パワーが+6dBmでも光電流が飽和せず、光結合効率が低下しなかった。以上の結果から、本実施例に係る光半導体装置を用いることによって、受光素子の空間電荷効果の抑制および受光素子の高光結合効率の両方を実現することがわかった。
【0037】
(光学系の構成)
図16は、本発明による光学系の構成の一例を説明するための図である。図16は出射端面、レンズ、および受光面を結ぶ中心光軸、ならびに、レンズ中心を基準にした出射端面と受光面の位置関係を示す図である。図16において、L方向は光ファイバ14の光軸方向を示し、X方向は光ファイバ14の光軸と直交する面における位置を示す。「θ」は、光ファイバ14の出射端から出射される光信号の光軸が光ファイバ14の光軸となす角度である。「φ」は、レンズ22の直径である。「ni」は、レンズ22の屈折率(1.5〜1.6程度)である。ここで、「L1」を光ファイバ14の出射端のL方向の位置とし、「X1」を光ファイバ14の出射端のX方向の位置とする。また、「L2」を受光素子33の受光面のL方向の位置とし、「X2」を受光素子33の受光面のX方向の位置とする。
【0038】
図16の構成において、受光素子33の受光面における光強度分布に複数のピークが生じるための条件の一例を示す。以下は、光ファイバ14から出射される光信号の波長が1.2μm〜1.6μmである場合における条件である。また、光ファイバカット面角度とは、光ファイバ14の光軸(方向L)に対してレンズ側に傾斜したカット面の角度を意味する。光ファイバカット面角度が0°とは、光ファイバ14の端面が方向Xに平行である場合を意味する。なお、これらの条件は光学解析シミュレーションによって、各パラメータを調節しながら好適な条件を求めることで得ることができる。
【0039】
(条件1)光ファイバ14の出射端のファイバカット面角度が6°、レンズ22の直径が1.5mmの場合において、L2/X2が5.0であるときに受光素子33の受光面における光強度分布に複数のピークが生じる。
(条件2)光ファイバ14の出射端のファイバカット面角度が10°、レンズ22の直径が1.0mmの場合において、L2/X2が2.6であるときに受光素子33の受光面における光強度分布に複数のピークが生じる。
(条件3)光ファイバ14の出射端のファイバカット面角度が10°、レンズ22の直径が1.5mmの場合において、L2/X2が4.5であるときに受光素子33の受光面における光強度分布に複数のピークが生じる。
(条件4)光ファイバ14の出射端のファイバカット面角度が10°、レンズ22の直径は、2.0mmの場合おいてL2/X2が5.2であるときに受光素子33の受光面における光強度分布に複数のピークが生じる。
【0040】
なお、本発明は係る特定の実施形態および実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0041】
10 光入力部
14 光ファイバ
20 集光部
22 レンズ
30 受光部
33 受光素子
35,36 リード
38 集光部
100 光半導体装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズと、
前記レンズを通過した光信号が入力される受光素子と、を備え、
前記レンズと前記受光素子の受光面との間において、前記光信号の第1の光路と、前記第1の光路と異なる長さの第2の光路とが交差し、
前記第1の光路を通過する光と前記第2の光路を通過する光との位相差に起因して前記受光素子の受光面において複数のピーク光強度が生成されることを特徴とする光半導体装置。
【請求項2】
前記レンズに入力される光信号は、光ファイバから出射され、
前記光ファイバの出射端は、前記光ファイバの光軸に対して斜めにカットされていることを特徴とする請求項1記載の光半導体装置。
【請求項3】
前記レンズは、球面レンズであることを特徴とする請求項1または2記載の光半導体装置。
【請求項4】
前記受光素子は、光入射側に曲率を有する集光部が設けられたフォトダイオードであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光半導体装置。
【請求項1】
レンズと、
前記レンズを通過した光信号が入力される受光素子と、を備え、
前記レンズと前記受光素子の受光面との間において、前記光信号の第1の光路と、前記第1の光路と異なる長さの第2の光路とが交差し、
前記第1の光路を通過する光と前記第2の光路を通過する光との位相差に起因して前記受光素子の受光面において複数のピーク光強度が生成されることを特徴とする光半導体装置。
【請求項2】
前記レンズに入力される光信号は、光ファイバから出射され、
前記光ファイバの出射端は、前記光ファイバの光軸に対して斜めにカットされていることを特徴とする請求項1記載の光半導体装置。
【請求項3】
前記レンズは、球面レンズであることを特徴とする請求項1または2記載の光半導体装置。
【請求項4】
前記受光素子は、光入射側に曲率を有する集光部が設けられたフォトダイオードであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光半導体装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−145614(P2012−145614A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−1622(P2011−1622)
【出願日】平成23年1月7日(2011.1.7)
【出願人】(000154325)住友電工デバイス・イノベーション株式会社 (291)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月7日(2011.1.7)
【出願人】(000154325)住友電工デバイス・イノベーション株式会社 (291)
【Fターム(参考)】
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