説明

光受信機用の電源装置

【課題】光受信機への電力供給の形態を、容易かつコストを増加させることなく変更することができる、光受信機用の電源装置を提供すること。
【解決手段】光受信機の筐体の内部に着脱自在に収容される電源装置30であって、商用電源のプラグソケットに対して直接的に接続可能なプラグ32と、プラグ32を介して商用電源から供給された電力を光受信機の光電変換部に供給する給電端子33と、光受信機の出力端子22に信号ケーブルを介して接続される入力端子34であって、出力端子22から出力されたテレビ信号が入力されると共に、プラグ32を介して商用電源から供給された電力を当該信号ケーブルを介して光受信機に供給する入力端子34と、テレビ受像機に信号ケーブルを介して接続される出力端子35であって、入力端子34に入力されたテレビ信号をテレビ受像機に出力する出力端子35とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光通信網に接続される光受信機に電力を供給するための電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、光ファイバを使った家庭向けのデータ通信サービスであるFTTH(Fiber To The Home)が一般家庭に普及しつつある。このFTTHにおいては、屋外に敷設された光ファイバが、一般家屋等の屋外の壁面等に設置された光受信機(放送用光加入者端末装置:V−ONU:Visual−Optical Network Unit)に引き込まれる。そして、光ファイバを介して伝送された光信号が、光受信機により光電変換されて電気信号となり、この電気信号が同軸ケーブルを介して家庭内のパソコンやTV等の各機器に伝送される。
【0003】
この光受信機には、電源部が設けられており、この電源部によって、商用電源から取得された交流電力が直流電力に変換されて、光受信機の各部に供給される(例えば、特許文献1参照)。この電源部は、従来、光受信機の筺体の内部に固定されており、この電源部から筺体の外部に引き出された電源ケーブルを介して、屋外に設けた商用電源のプラグソケットに接続され、交流電力を取得していた。この電源部の内部にはAC/DC変換部が設けられており、電源ケーブルを介して供給された交流電力がAC/DC変換部によって直流電力に変換されていた。また、電源部は、筺体の内部において光受信機の各部に電源ケーブルにて接続されており、この電源ケーブルを介して、直流電力が光受信機の各部に供給されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−322460号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように光受信機の内部に電源部を固定的に設けた場合には、商用電源のプラグソケットが屋外に設けられていれば、この上述のように、このプラグソケットに電源ケーブルを接続することで、光受信機に対する電力供給を行うことが可能となる。
【0006】
しかしながら、商用電源のプラグソケットが屋外に設けられていない場合には、屋内のプラグソケットを使用する必要が生じる。このような場合には、電源ケーブルに延長ケーブルを接続し、この延長ケーブルを屋内の商用電源のプラグソケットに接続して電力を取得する必要があった。しかしながら、このように延長ケーブルを接続するためには、この延長ケーブルと信号伝送用の同軸ケーブルとの複数本のケーブルを屋外から屋内に引き込む必要があり、ケーブルの敷設作業に手間を要するという問題があった。
【0007】
あるいは、光受信機への電力供給は、パワーインサータを介して同軸ケーブルに電力を重畳することにより、行うことも考えられる。すなわち、屋内の商用電源のプラグソケットにパワーインサータを接続し、このパワーインサータを、信号伝送用の同軸ケーブルに接続することで、同軸ケーブルを介して電力を光受信機に供給することができる。しかしながら、この場合には、光受信機に固定した電源部とは別にパワーインサータが必要になるため、光受信機の設置コストが増大するという問題が生じる。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、光受信機への電力供給の形態を、容易かつコストを増加させることなく変更することができる、光受信機用の電源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の光受信機用の電源装置は、光通信網に接続される光受信機に電力を供給するためのもので、当該光受信機の筐体の内部に着脱自在に収容される電源装置であって、商用電源のプラグソケットに対して直接的に接続可能なプラグと、前記プラグを介して商用電源から供給された電力を、前記光受信機の筐体の内部に配置された光電変換部に供給する給電端子と、前記光受信機において前記筐体の外部に露出するように設けられたテレビ信号出力端子に信号ケーブルを介して接続される入力端子であって、前記テレビ信号出力端子から出力されたテレビ信号が入力されると共に、前記プラグを介して商用電源から供給された電力を当該信号ケーブルを介して前記光受信機に供給する入力端子と、テレビ受像機に信号ケーブルを介して接続される出力端子であって、前記入力端子に入力されたテレビ信号を当該信号ケーブルを介して前記テレビ受像機に出力する出力端子とを備えた。
【0010】
請求項2に記載の光受信機用の電源装置は、請求項1に記載の光受信機用の電源装置において、前記プラグを、回動可能とした。
【0011】
請求項3に記載の光受信機用の電源装置は、請求項2に記載の光受信機用の電源装置において、筺体を備え、前記筺体の同一の側面に、前記給電端子、前記入力端子、及び前記出力端子を配置し、前記プラグを、前記入力端子及び前記出力端子の突出方向である第1の方向に回動可能とした。
【0012】
請求項4に記載の光受信機用の電源装置は、請求項3に記載の光受信機用の電源装置において、前記プラグを、前記第1方向とは異なる方向であって、当該プラグ端子のみを前記筺体の同一の側面よりも外側に突出させる第2方向に回動可能とした。
【0013】
請求項5に記載の光受信機用の電源装置は、請求項1から4のいずれか一項に記載の光受信機用の電源装置において、商用電源から供給された交流電力を直流電力に変換するための変換部を備え、前記変換部にて変換された直流電力を、前記給電端子又は前記入力端子を介して前記光電変換部に供給可能である。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の光受信機用の電源装置によれば、プラグと、このプラグを介して商用電源から供給された電力を、光受信機の筐体の内部に配置された光電変換部に供給する給電端子を備えるので、商用電源のプラグソケットが屋外にある場合には、この屋外のプラグソケットから供給された電力を電源装置を介して光電変換部に供給することができる。一方、商用電源のプラグソケットに対して直接的に接続可能なプラグと、商用電源から供給された電力を当該信号ケーブルを介して光受信機に供給する入力端子と、入力端子に入力されたテレビ信号を当該信号ケーブルを介してテレビ受像機に出力する出力端子とを備えるので、商用電源のプラグソケットが屋外にない場合には、屋内のプラグソケットから供給された電力を電源装置の入力端子を介して光電変換部に供給することができ、電源装置をパワーインサータとして使用することができる。従って、1台の電源装置を、光受信機の内部に収容される電源装置と、光受信機の外部に配置されるパワーインサータの2通りで使用することができ、商用電源の位置に応じて光受信機への電力供給の形態を、容易かつコストを増加させることなく変更することができるので、電源装置の利便性を高めることができる。
【0015】
請求項2に記載の光受信機用の電源装置によれば、プラグを、回動可能としたので、光受信機への電力供給の形態を変更することに伴って、電源装置の使用環境が変わる場合に、この使用環境に応じた向きにプラグを回動させて使用することができるので、電源装置の取り付け位置の自由度を高めることができると共に、電源装置の取り付けが一層容易になる。
【0016】
請求項3に記載の光受信機用の電源装置によれば、筺体の同一の側面に、給電端子、入力端子、及び出力端子を配置し、プラグを、入力端子及び出力端子の突出方向である第1の方向に回動可能としたので、給電端子、入力端子、及び出力端子の配置領域と、プラグの配置領域を近接させることができ、スペースの利用効率を高めることができる。また、給電端子に対する電源ケーブルの着脱方向と、プラグに対する電源ケーブルの着脱方向とを、同一方向に揃えることができ、これら電源ケーブルの着脱操作が容易になる。
【0017】
請求項4に記載の光受信機用の電源装置によれば、プラグを、第1方向とは異なる方向であって、当該プラグ端子のみを筺体の同一の側面よりも外側に突出させる第2方向に回動可能としたので、入力端子や出力端子が突出していない方向にプラグ端子のみを突出させることができ、入力端子や出力端子が障害になることがなく、このプラグを商用電源のプラグソケットに対して直接的に接続することができる。
【0018】
請求項5に記載の光受信機用の電源装置によれば、商用電源から供給された交流電力を直流電力に変換するための変換部を備え、変換部にて変換された直流電力を、給電端子又は入力端子を介して光電変換部に供給可能であるので、商用電源のプラグソケットが屋外にある場合には、この屋外のプラグソケットから供給された電力を直流電力に変換して給電端子を介して光電変換部に供給可能することができ、商用電源のプラグソケットが屋外にない場合には、屋内のプラグソケットから供給された電力を直流電力に変換して入力端子を介して光電変換部に供給可能することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態1に係る光受信機を示す図であり、(a)は正面図、(b)は底面図、(c)は側面図である。
【図2】カバー部を取り外した状態における光受信機の正面図である。
【図3】電源装置の斜視図である。
【図4】電源装置を示す図であり、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は側面図である。
【図5】電源装置を光受信機の筐体の外部に取り出して使用する状態を示した斜視図である。
【図6】実施の形態2に係る電源装置を備えた光受信端子を示す図であって、カバー部を取り外した状態における光受信機の正面図である。
【図7】電源装置の斜視図である。
【図8】電源装置を示す図であり、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は側面図である。
【図9】電源装置を光受信機の筐体の外部に取り出して使用する状態を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る電源装置の各実施の形態を詳細に説明する。ただし、これら各実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0021】
〔実施の形態1〕
まず、実施の形態1の具体的内容について詳細に説明する。この形態は、電源装置のプラグを、入力端子及び前記出力端子の突出方向である第1の方向と、この第1方向と180度反対側の第2方向とに、回動可能とした形態である。
【0022】
(構成−光受信機)
図1は、本実施の形態に係る光受信機を示す図であり、(a)は正面図、(b)は底面図、(c)は側面図、図2は、カバー部を取り外した状態における光受信機の正面図である。なお、以下の説明においては、図1のX方向を左右方向、図1のY方向を上下方向、図1のZ方向を前後方向とする。
【0023】
光受信機1は、一般家屋等の屋外の壁面等に設置されて光通信網に接続される放送用光加入者端末装置である。この光受信機1は、図2に示すように、筐体10の内部に、光電変換部20、光ファイバトレー(図示省略)、及び電源装置30を収容して構成されている。
【0024】
筐体10は、光受信機1の構造体であり、光電変換部20、光ファイバトレー、及び電源装置30を外部から保護する保護手段である。この筐体10は、一側面を開放した略箱形状のベース部11と、このベース部11をその開放面側から略覆うカバー部12とを備えて構成されており、カバー部12はその上端部近傍位置においてベース部11に対して回動自在に軸支されている。カバー部12を閉じてベース部11を略覆った状態において、これらベース部11とカバー部12との対向位置には一対の引き込み口13が形成され、この引き込み口13を介して、光ファイバ(図示省略)を筐体10の内部に引込むことができ、あるいは、筐体10の内部から外部に光ファイバを引き出すことができる。また、引き込み口13の側方には、一対の端子孔14が形成されており、この端子孔14を介して、光電変換部20の出力端子(テレビ信号出力端子、同軸コネクタ)22が筐体10の外部に露出され、この出力端子22に信号ケーブル(以下、同軸ケーブル)(図示省略)を接続することができる。
【0025】
光電変換部20は、光信号を光電変換して電気信号として出力する光電変換手段である。この光電変換部20には、光ファイバを接続するための入力端子(光信号入力端子、光コネクタ)21と、同軸ケーブルを接続するための出力端子22が設けられており、屋外から光受信機1に引き込まれた光ファイバが入力端子21に接続されると共に、光受信機1から屋内に引き込まれる同軸ケーブルが出力端子22に接続され、光ファイバから出力された光信号を光電変換して電気信号として同軸ケーブルに出力する。
【0026】
光ファイバトレーは、屋外から光受信機1に引き込まれた光ファイバを収容するための収容手段である。この光ファイバトレーは、筐体10の内部における光電変換部20の前方側に固定されるもので、光ファイバを巻き付ける巻き付け部を有し、この巻き付け部に光ファイバの余長部分を巻き付けることができる。また、光ファイバトレーには、必要に応じて、メカニカルスプライスやWDM(波長分割多重:Wavelength Division Multiplexing)フィルタ(いずれも図示省略)が固定され、例えば、多重化された映像信号及び通信信号を伝送するための光ファイバが屋外から光受信機1に引き込まれた場合に、この光ファイバがメカニカルスプライスを介して他の光ファイバに接続され、当該他の光ファイバがWDMフィルタに接続されることで映像信号及び通信信号が分離される。このWDMフィルタからは、映像信号を伝送するための光ファイバと、通信信号を伝送するための光ファイバとが引き出され、映像信号を伝送するための光ファイバが光電変換部20に接続されることで、映像信号が電気信号として同軸ケーブルを介して屋内のTV受像機に出力され、通信信号を伝送するための光ファイバはそのまま屋内に引き込まれて情報機器に出力される。
【0027】
(構成−電源装置)
次に、電源装置30について説明する。図3は、電源装置30の斜視図、図4は、電源装置30を示す図であり、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は側面図、図5は、電源装置を光受信機の筐体の外部に取り出して使用する状態を示した斜視図である。この電源装置30は、光受信機1に対する電力供給を行う電源供給ユニットである。この電源装置30は、図2に示すように、光受信機1の筐体10の内部における光電変換部20の上方に形成された空間部に着脱自在に収容されており、図3、4に示すように、筺体31、プラグ(コンセント)32、AC/DC変換部(図示せず)、給電端子33、入力端子34、及び出力端子35を備えて構成されている。
【0028】
筺体31は、全体として直方形状に形成されており、光受信機1に対して着脱自在とされている。この着脱のための具体的な構造は任意であり、係止構造や嵌合構造を採用することもできるが、ここでは、筺体31に形成されたネジ止め孔31aを介してネジをベース部11に螺合させることにより、電源装置30が光受信機1の筐体10に固定されており、逆に、このネジを取り外すことによって、電源装置30を筐体10の外部に取り出すことができる。
【0029】
プラグ32は、商用電源のプラグソケットに対して直接的に接続可能なものであり、単相交流100ボルト用のものとして接地側の端子と非接地側の端子との2本のプラグ端子32aを備える。これら2本のプラグ端子32aは、前後方向に沿って並設されている。このプラグ32は、筺体31の長手方向の端部に回動可能に設けられている。具体的には、筺体31の長手方向の端部には、当該筺体31の側面に沿った位置に、2本の支持アーム31bが突設されており、この支持アーム31bの相互間には、回転軸(図示せず)が前後方向に沿って配置されている。そして、プラグ32は、2本の支持アーム31bの相互間において回転軸に支持されるように配置されており、前後方向に沿って並設された2本のプラグ端子32aが、回転軸を中心に回動可能となっている。このプラグ32の回動方向については後述する。
【0030】
AC/DC変換部は、商用電源から供給された交流電力を直流電力に変換するための変換部である。このAC/DC変換部は、筐体31の内部に収容されており、プラグ32を介して商用電源から取得された交流電力を直流電力に変換して給電端子33に供給する。このAC/DC変換部の具体的な構成としては、公知のAC/DC変換部と同様の構成を採用することができる。
【0031】
給電端子33は、プラグ32を介して商用電源から供給された電力を、光受信機1の筐体10の内部に配置された光電変換部20に供給するものであり、プラス側端子及びマイナス側端子(図示省略)を備える。この給電端子33の具体的な構成としては、公知の給電端子と同様の構成を採用することができる。この給電端子33と、光電変換部20に設けた図示しない電源端子とを、図示しない電源ケーブルを接続することで、給電端子33から電源端子に電力を供給することができる。
【0032】
入力端子34は、光受信機1の出力端子22に同軸ケーブルを介して接続されるテレビ信号入力端子(同軸コネクタ)であって、出力端子22から出力されたテレビ信号が入力されると共に、プラグ32を介して商用電源から供給された電力を当該同軸ケーブルを介して光受信機1に供給する電力供給端子である。この入力端子34は、公知の同軸コネクタと同様に構成することができ、例えば、同軸ケーブルの先端に取付けられたF雄型の同軸コネクタを接続するためのF型雌コネクタとして構成される。
【0033】
出力端子35は、テレビ受像機(図示せず)に同軸ケーブルを介して接続されるテレビ信号出力端子(同軸コネクタ)であって、入力端子34に入力されたテレビ信号を当該同軸ケーブルを介してテレビ受像機に出力する出力端子である。この出力端子35は、入力端子34と同様に、公知の同軸コネクタと同様に構成することができ、例えば、同軸ケーブルの先端に取付けられたF雄型の同軸コネクタを接続するためのF型雌コネクタとして構成される。
【0034】
(プラグの回動方向)
次に、プラグ32の回動方向について、詳細に説明する。プラグ32は、第1方向と第2方向に回動可能となるように構成されている。図3に示すように、第1方向とは、入力端子34及び出力端子35の突出方向と同一方向である。すなわち、筺体31の長手方向に沿った側面のうち、狭幅側の一つの側面31cには、給電端子33、入力端子34、及び出力端子35が並設状に配置されている。そして、図2から図4に示すように、プラグ32は、この側面31cに直交する方向であって、入力端子34及び出力端子35の突出方向と同一方向である第1方向に突出するように回動される。
【0035】
また、第2方向とは、第1方向に対して約180度反対側の方向であって、プラグ端子32aのみを筺体31の同一の側面よりも外側に突出させる方向である。すなわち、筺体31の長手方向に沿った側面のうち、側面と反対側の側面31dは、何ら端子が設けられていない平滑面として構成されており、この側面31dとほぼ面一状となるようにプラグ32のプラグ端子32aのベース面が配置されている。従って、プラグ32を第2方向に回動させた状態においては、プラグ端子32aのみが、そのほぼ全域を当該側面31dから外側に突出させることとなる。
【0036】
(電源装置の使用形態)
次に、電源装置30の使用形態について、詳細に説明する。商用電源のプラグソケットが屋外にある場合には、図2に示すように、電源装置30を光受信機1の筐体10の内部に収容し、光受信機1と一体に使用する。具体的には、この収容状態において、給電端子33に電源ケーブルを接続し、この電源ケーブルを光電変換部20の電源端子に接続する。また、電源装置30のプラグ32を第1方向に回動し、このプラグ32に電源ケーブル100を接続し、この電源ケーブル100を屋外のプラグソケットに接続する。このことにより、屋外のプラグソケットから供給された交流電力を、プラグ32を介して電源装置30に供給し、この電源装置30で直流電力に変換した後、さらに電源端子を介して光電変換部20に供給することができる。特に、この状態においては、給電端子33、入力端子34、及び出力端子35の配置領域と、プラグ32の配置領域を近接させることができ、スペースの利用効率を高めることができる。また、給電端子33に対する電源ケーブルの着脱方向と、プラグ32に対する電源ケーブル100の着脱方向とを、同一方向に揃えることができ、これら電源ケーブルの着脱操作が容易になる。
【0037】
一方、商用電源のプラグソケットが屋外にない場合には、図5に示すように、電源装置30を光受信機1の筐体10の外部に取り出し、電源装置30のプラグ32を第2方向に回動し、このプラグ32を屋内のプラグソケット101に直接的に接続する。また、入力端子34には同軸ケーブル102を接続し、この同軸ケーブル102を光受信機1の接続端子に接続する。また、出力端子35には同軸ケーブル103を接続し、この同軸ケーブル103をテレビ受像機に接続する。このことにより、屋内のプラグソケット101から供給された交流電力を、プラグ32を介して電源装置30に供給し、この電源装置30で直流電力に変換した後、さらに同軸ケーブル102を介して光電変換部20に供給することができる。つまり、この場合には、電源装置30をパワーインサータとして使用することができる。また、光電変換部20にて電気信号に変換されたテレビ信号が、同軸ケーブル102を介して入力端子34に入力され、出力端子35から同軸ケーブル103を介してテレビ受像機に出力される。特に、この状態においては、入力端子34や出力端子35が突出していない方向にプラグ端子32aのみを突出させることができ、入力端子34や出力端子35がプラグ接続に対する障害になることがないので、このプラグ32を商用電源のプラグソケット101に対して直接的に接続することができる。
【0038】
(実施の形態1の効果)
このように本実施の形態によれば、プラグ32と、このプラグ32を介して商用電源から供給された電力を、光受信機1の筐体10の内部に配置された光電変換部20に供給する給電端子33を備えるので、商用電源のプラグソケットが屋外にある場合には、この屋外のプラグソケットから供給された電力を電源装置30を介して光電変換部20に供給することができる。一方、商用電源のプラグソケットに対して直接的に接続可能なプラグ32と、商用電源から供給された電力を当該同軸ケーブルを介して光受信機1に供給する入力端子34と、入力端子34に入力されたテレビ信号を当該同軸ケーブルを介してテレビ受像機に出力する出力端子35とを備えるので、商用電源のプラグソケットが屋外にない場合には、屋内のプラグソケット101から供給された電力を電源装置30の入力端子34を介して光電変換部20に供給することができ、電源装置30をパワーインサータとして使用することができる。従って、1台の電源装置30を、光受信機1の内部に収容される電源装置30と、光受信機1の外部に配置されるパワーインサータの2通りで使用することができ、商用電源の位置に応じて光受信機1への電力供給の形態を、容易かつコストを増加させることなく変更することができるので、電源装置30の利便性を高めることができる。
【0039】
また、プラグ32を、回動可能としたので、光受信機1への電力供給の形態を変更することに伴って、電源装置30の使用環境が変わる場合に、この使用環境に応じた向きにプラグ32を回動させて使用することができるので、電源装置30の取り付け位置の自由度を高めることができると共に、電源装置30の取り付けが一層容易になる。
【0040】
また、筺体31の同一の側面31cに、給電端子33、入力端子34、及び出力端子35を配置し、プラグ32を、入力端子34及び出力端子35の突出方向である第1の方向に回動可能としたので、給電端子33、入力端子34、及び出力端子35の配置領域と、プラグ32の配置領域を近接させることができ、スペースの利用効率を高めることができる。また、給電端子33に対する電源ケーブルの着脱方向と、プラグ32に対する電源ケーブルの着脱方向とを、同一方向に揃えることができ、これら電源ケーブルの着脱操作が容易になる。
【0041】
また、プラグ32を、第1方向とは異なる方向であって、プラグ端子32aのみを筺体31の側面31dよりも外側に突出させる第2方向に回動可能としたので、入力端子34や出力端子35が突出していない方向にプラグ端子32aのみを突出させることができ、入力端子34や出力端子35が障害になることがなく、このプラグ32を商用電源のプラグソケットに対して直接的に接続することができる。
【0042】
また、商用電源から供給された交流電力を直流電力に変換するためのAC/DC変換部を備え、このAC/DC変換部にて変換された直流電力を、給電端子33又は入力端子34を介して光電変換部20に供給可能であるので、商用電源のプラグソケットが屋外にある場合には、この屋外のプラグソケットから供給された電力を直流電力に変換して給電端子33を介して光電変換部20に供給可能することができ、商用電源のプラグソケットが屋外にない場合には、屋内のプラグソケット101から供給された電力を直流電力に変換して入力端子34を介して光電変換部20に供給可能することができる。
【0043】
〔実施の形態2〕
次に、本発明に係る実施の形態2の具体的内容について詳細に説明する。この形態は、電源装置のプラグを、入力端子及び前記出力端子の突出方向である第1の方向と、この第1方向と90度異なる第3方向とに、回動可能とした形態である。ただし、実施の形態2の構成のうち、特に説明なき構成は実施の形態1と同様であるものとし、実施の形態1と同様の構成要素には、必要に応じて、実施の形態1で使用したものと同一の符号を付してその説明を省略する。
【0044】
図6は、実施の形態2に係る電源装置を備えた光受信端子を示す図であって、カバー部を取り外した状態における光受信機の正面図、図7は、電源装置の斜視図、図8は、電源装置を示す図であり、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は側面図、図9は、電源装置を光受信機の筐体の外部に取り出して使用する状態を示した斜視図である。
【0045】
これら各図に示すように、光受信機2は、筐体10に電源装置40を着脱自在に収容して構成されている。この電源装置40は、筺体41、プラグ(コンセント)42、AC/DC変換部(図示せず)、給電端子43、入力端子44、及び出力端子45を備えて構成されている。
【0046】
筺体41は、実施の形態1の筺体31とほぼ同様に構成されているが、その長手方向の端部には、側方に突出する支持アーム41aが設けられており、この支持アーム41aには、回転軸(図示せず)が前後方向に沿って配置されている。一方、プラグ42は、左右方向に沿って並設された2本のプラグ端子42aを備えて構成されており、回転軸を中心に回動可能となっている。
【0047】
(プラグの回動方向)
次に、プラグ42の回動方向について、詳細に説明する。このプラグ42は、図6から図8に示す第1方向と、図9に示す第3方向とに、回動可能なように構成されている。第1方向とは、実施の形態1における第1方向と同じ方向であって、入力端子34及び出力端子35の突出方向と同じ方向である。第3方向とは、第1の方向に対して約90度直交する方向であって、プラグ端子42aのみを筺体41の側面よりも外側に突出させる方向である。すなわち、筺体41の長手方向に沿った側面のうち、広幅側の側面41bは、何ら端子が設けられていない平滑面として構成されており、この側面41bとほぼ面一状となるようにプラグ端子42aのベース面が配置されている。従って、プラグ42を第3方向に回動させた状態においては、プラグ端子42aのみが、そのほぼ全域を当該側面41bから外側に突出させることとなる。
【0048】
(電源装置の使用形態)
次に、電源装置40の使用形態について、詳細に説明する。図6に示すように、電源装置40を光受信機2の筐体10の内部に収容して使用する場合においては、プラグ42は、この側面に直交する方向であって、入力端子34及び出力端子35の突出方向と同一方向に突出するように回動される。従って、この状態においては、給電端子33に対する電源ケーブルの着脱方向と、プラグ42に対する電源ケーブル100の着脱方向とを、同一方向に揃えることができ、これら電源ケーブルの着脱操作が容易になると共に、これら電源ケーブルの着脱操作スペースや入力端子34及び出力端子35の突出領域を同一領域に集中させることでスペースの利用効率を高めることができる。
【0049】
また、図9に示すように、電源装置40を光受信機2の筐体10の外部に取り出して使用する場合において、プラグ42は、光受信機2の筐体10の側面に直交する方向であって、入力端子34及び出力端子35の突出方向と90度異なる方向に回動される。従って、この状態においては、入力端子34や出力端子35が突出していない方向にプラグ端子42aのみを突出させることができ、入力端子34や出力端子35がプラグ接続に対する障害になることがないので、このプラグ42を商用電源のプラグソケット101に対して直接的に接続することができる。
【0050】
(実施の形態2の効果)
このように本実施の形態によれば、実施の形態1とは異なる向きでプラグ42を設けると共に、実施の形態1とは異なる方向及び角度でプラグ42を回動可能とした場合であっても、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0051】
〔実施の形態に対する変形例〕
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0052】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
【0053】
(プラグの回動方向について)
プラグ32、42の回動方向は、上記各実施の形態に示した方向以外としてもよく、例えば、実施の形態2において、上述の第1方向と、X方向に沿って突出する方向(図8(a)における図示右側方向)である第4方向とに回動するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0054】
1、2 光受信機
10、31、41 筐体
11 ベース部
12 カバー部
13 引き込み口
14 端子孔
20 光電変換部
21、34 入力端子
22、35 出力端子
30、40 電源装置
31a ネジ止め孔
31b、41a 支持アーム
31c、31d、41b 側面
32、42 プラグ
32a、42a プラグ端子
33 給電端子
100 電源ケーブル
101 プラグソケット
102、103 同軸ケーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光通信網に接続される光受信機に電力を供給するためのもので、当該光受信機の筐体の内部に着脱自在に収容される電源装置であって、
商用電源のプラグソケットに対して直接的に接続可能なプラグと、
前記プラグを介して商用電源から供給された電力を、前記光受信機の筐体の内部に配置された光電変換部に供給する給電端子と、
前記光受信機において前記筐体の外部に露出するように設けられたテレビ信号出力端子に信号ケーブルを介して接続される入力端子であって、前記テレビ信号出力端子から出力されたテレビ信号が入力されると共に、前記プラグを介して商用電源から供給された電力を当該信号ケーブルを介して前記光受信機に供給する入力端子と、
テレビ受像機に信号ケーブルを介して接続される出力端子であって、前記入力端子に入力されたテレビ信号を当該信号ケーブルを介して前記テレビ受像機に出力する出力端子と、
を備えた光受信機用の電源装置。
【請求項2】
前記プラグを、回動可能とした、
請求項1に記載の光受信機用の電源装置。
【請求項3】
筺体を備え、
前記筺体の同一の側面に、前記給電端子、前記入力端子、及び前記出力端子を配置し、
前記プラグを、前記入力端子及び前記出力端子の突出方向である第1の方向に回動可能とした、
請求項2に記載の光受信機用の電源装置。
【請求項4】
前記プラグを、前記第1方向とは異なる方向であって、当該プラグ端子のみを前記筺体の同一の側面よりも外側に突出させる第2方向に回動可能とした、
請求項3に記載の光受信機用の電源装置。
【請求項5】
商用電源から供給された交流電力を直流電力に変換するための変換部を備え、
前記変換部にて変換された直流電力を、前記給電端子又は前記入力端子を介して前記光電変換部に供給可能である、
請求項1から4のいずれか一項に記載の光受信機用の電源装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−4968(P2012−4968A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−139752(P2010−139752)
【出願日】平成22年6月18日(2010.6.18)
【出願人】(000003403)ホーチキ株式会社 (792)
【Fターム(参考)】